1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年五月十二日(火曜日)
午前十時二十八分開議
出席委員
委員長 森田重次郎君
理事 田川 誠一君 理事 渡海元三郎君
理事 中島 茂喜君 理事 永田 亮一君
理事 藤田 義光君 理事 川村 継義君
理事 佐野 憲治君 理事 安井 吉典君
大石 八治君 大西 正男君
奧野 誠亮君 亀山 孝一君
久保田円次君 武市 恭信君
登坂重次郎君 村山 達雄君
森下 元晴君 山崎 巖君
和爾俊二郎君 秋山 徳雄君
阪上安太郎君 千葉 七郎君
華山 親義君 細谷 治嘉君
門司 亮君
出席政府委員
警察庁長官 江口 俊夫君
警 視 監
(警察庁
交通局長) 高橋 幹夫君
委員外の出席者
警 視 長
(警察庁交通局
交通企画課長) 宮崎 清文君
専 門 員 越村安太郎君
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五月十二日
委員登坂重次郎君及び秋山徳雄君辞任につき、
その補欠として一萬田尚登君及び松原喜之次君
が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員一萬田尚登君及び松原喜之次君辞任につき、
その補欠として登坂重次郎君及び秋山徳雄君が
議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出
第一三八号)(参議院送付)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/0
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001・森田重次郎
○森田委員長 これより会議を開きます。
道路交通法の一部を改正する法律案を議題とし質疑を行ないます。
質疑の通告がありますので、順次これを許します。細谷治嘉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/1
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002・細谷治嘉
○細谷委員 まずお尋ねいたしたい点は、道路交通法の改正が三十五年に行なわれたと記憶するのでございますけれども、法改正をいたして、その実績はどういうふうにあがったのか、まずお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/2
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003・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 道交法の施行の結果の実績でございますが、いろいろな実績のとらえ方があるかと思いますが、道交法の目的としておりますところの交通の円滑化と安全という二つの点のうち、安全の点から申し上げますと、いわゆる事故防止という問題があるわけでございます。この事故防止の点につきましては、三十五年に道交法が改正されまして、三十六年、三十七年におきましては各方面に道路交通に関する関心が高まりまして、件数並びに死者、傷者ともに相当の減少を見たということが言えるわけでございます。しかし道交法のみで事故防止ということは必ずしも期し得ないものがございますので、その他の道路の環境とか安全施設の環境というようなものが総合して関連いたしておりますので、必ずしも道交法のみの実績を申し上げるわけにはいかないと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/3
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004・細谷治嘉
○細谷委員 実績は上がった、こういうお話でございますけれども、現実には、交通の混乱というものは一そう激しくなっておる。試みに統計を見てみますと、昭和三十四年には、自動車千台当たりの事故というのが六〇・二件、こういうものであったわけでありますけれども、三十五年には一一六・四件、こういうふうにふえております。実際にこの道交法が活用し始めたのは三十六年と申してもよろしいかと思うのですが、二、十六年は一〇二・三件と、こういうふうにふえております。当局が御自慢なさるように、確かに三十七年は七九・二と減っておりますけれども、三十八年になりますと、九二・九とふえております。試みに、さらに外国との例を、比較してみますと、一九六〇年、昭和三十五年になるわけでありますけれども、アメリカでは、自動車一万合当たりの死者の数が五人ということでありますけれども、日本は二八・二人ということでありますから、約六倍に近い死者の数になっております。その翌年の昭和三十六年はどうかといいますと、アメリカはやはり五・〇、日本は二九・五とふえております。イギリスですと、七・二、フランスですと六・四、こういう数字でありまして、日本に次いで自動車事故の多いといわれる西ドイツあたりでも、日本の半分程度、こういう現況でございます。よくいわれるように、交通戦争、こういうことばがございます。日清戦争の死者と同じ死者が年々生じておるという現況でございます。そうなってまいりますと、道交法で、交通の円滑あるいは人命の尊重、こういつておりますけれども、現実に三十五年に法改正されてから、実績ば上がっておらぬじゃないか、こう私は思います。もっとほかに根本的な原因があるのじゃないかと思いますが、この点についてどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/4
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005・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 確かに、御指摘のとおり、交通事故というものは、三十六年、三十七年、三十八年と、特に三十八年は御指摘のようにふえておるわけでございます。また各国との比較におきましても、自動車一万台当たりの死亡者というものも多いわけでございます。私が先ほど申し上げたのは、道路交通法の面でカバーできるものは、交通行政全体のいわゆる取り締まりという面、特に道交法の規定する面だけでございまして、事故の内容というものを分析した場合におきましては、やはり人と車と道路という相関関係によって生じておるものでございます。したがいまして、基本的には、やはり施設的に道路環境をよくしていくという問題、あるいは運転者のマナーなりあるいは技術というものが向上していくというような問題、やはり総合的な観点から検討をしなければならない問題であるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/5
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006・細谷治嘉
○細谷委員 三十九年五月十日の国保新聞というのがあるのです。国民健康保険の問題を扱う新聞ですらもその「主張」欄でこういうことをいっているのです。自動車の交通関係ですが、「事故死は大部分が人災であり、予防できるはずである。自動車事故は、運転者の不法意に帰せられる部分がおおいのであるが、一方−道路の構造にも多分に責任がある。例えば歩道のない道路と、ある道路では事故率に格段の相違がある。」いまおことばの中に、道路の構造、こういう問題が出ましたけれども、資料として、道路の構造という問題が、災害率にどういう関係にあるかということをまずお聞きしたいのですが、そういう点を抜きにして道路交通法を扱っても、実効は上がらないのじゃないかというのが今日までの実績じゃないかと思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/6
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007・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 政府におきましても、交通問題に対処するために、交通行政に関連する関係省庁の間に、統一的な総合施策を樹立するという意味におきまして、内閣にも交通関係閣僚懇談会あるいは交通対策本部、あるいは先般調査会の答申が出まして、いま御指摘のような総合的な各ポイントから、各方面から、事故の防止と安全の確保ということの措置を講じなければならない、こういうふうな見解に到達している次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/7
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008・細谷治嘉
○細谷委員 私のお尋ねの一つの点で、道路構造に基づく災害率がどうなのかということについて、おそらくいま資料をお持ちにならないと思うのです。道路構造に基づく災害率というのは、確かにこの新聞の「主張」にもありますように格差があるわけですから、その統計を資料としてひとつお出しいただきたい。あわせて交通基本問題調査会の答中が三月二十七日に出ておるはずでありますから、これを資料として委員会に提出を願いたい、こう思います。
そこで次にお尋ねしたい点は、三十四国会におきまして、道路交通法案に対する衆参両院の附帯決議というものがございます。その中に衆議院の附帯決議は「交通に関係のある行政機関相互間の連絡調整を徹底して、総合的な道路交通行政の実現を期するとともに、これら関連行政の調整のために内閣に強力な機関を設置すること。」参議院のほうでもほぼ同様に「総合的施策の策定推進を図るため、内閣に法的根拠に基く強力な審議機関を設置すること。」こういうふうに附帯決議がなされております。これについてどのような法的な措置をとったのか、あるいはそれを強力に推進する機関を内閣に置かれたのか、その実績はどうなのか、お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/8
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009・江口俊夫
○江口(俊)政府委員 仰せのとおり衆参両院におきまして、そういう意味の御決議があったのでありまするが、それに基づきまして、政府におきましては昭和三十五年末に交通対策本部というものを内閣に置いておりまするし、昭和三十六年末に臨時交通関係閣僚懇談会というものを設けております。そういう組織によりまして、総合的な立場から、当面する交通問題の具体的な解決につとめまする一方、将来にわたる根本的な総合的交通対策を樹立するために、ただいま申し上げましたような基本的な事項を審議する法的機関といたしまして、昭和三十七年四月に総理府に交通基本問題調査会が設けられ、長期間にわたる審議をなさいました結果、ただいま御指摘になりましたように、去る三月二十七日に内閣総理大国に対し、わが国の陸上交通に関する総合的施策についてという答申が行なわれたわけでございます。
また臨時行政調査会におきましても、交通行政を重要な審議事項の一つに取り上げまして、特に交通行政に関係の深い運輸省、建設省、警察庁の三省庁にまたがる行政制度及び行政運営について目下意欲的な調査、審議が行なわれておる状況でございます。交通基本問題調査会の答申あるいは近く行なわれるであろうと予定されます臨時行政調査会の答申に沿いまして、今後さらに抜本的な対策を講ずる必要がある、かように私たちは考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/9
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010・細谷治嘉
○細谷委員 それぞれ決議に基づきましてある程度の対策は講じられたようでございますが、その効果をどの程度に評価されておるのか、重ねてお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/10
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011・江口俊夫
○江口(俊)政府委員 具体的にどういう点がどうきまって、その結果、こういういい結果が出たというような数字をあげることはできないのでございますけれども、私たち事務当局といたしましても、常にこういう関係の三者が集まりまして、たとえば最近踏切事故による人命の損傷が非常に多いというような時期がございましたが、そういう際には、運輸省、国鉄あるいは私たちと集まりまして、自動車を通す踏切の数をある程度整理するとか、あるいは施設の足らない踏切につきましては、お互いの協力によって人的な措置でその危険を防止するとかいうようなことも現実にやっておりますし、なお道路の構造等につきましても、逐一警察当局としても建設省のほうに御性交申し上げている。あるいはこの一環として、 ハイヤー・タクシーの問題等につきましても、個人タクシーというものが東京におきましては非常に評判がいい。素質もいいし、しかも事故も少ないというようなところから、強力に推進をいたしまして、まだ十分とは考えませんけれども、相当大幅に個人タクシーの許可というようなことをするようになりましたのも、まあお互い気持ちを合わして、お互いの権限ではございますけれども、総合的な見地からおのおのの職権を行使していくというようなことに出ておりますのが具体的な例でございまして、その結果、事故がどう減ったとかどうとかいう数字は、残念ながら申し上げるようなものを持ち合わせないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/11
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012・細谷治嘉
○細谷委員 具体的な成果というのは測定しにくいということでありますので、この附帯決議の項目についてさらに若干お尋ねしたいのですが、この衆議院の附帯決議の中に「学童、幼児の登、下校の際における保護の徹底を期するため、所要の行政措置を講ずること。」こういうふうになっております。私どもの知る範囲においては、当局が所要の行政措置を講じたとは見受けられないものがありますが、どういう措置を講じたのか、お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/12
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013・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 学童の交通事故防止ということにつきましては、毎年毎年私どもが行ないます交通安全運動の際の一つの重点に取り上げて、これを施策の上に反映をいたして、おります。また同時に、私どもの交通事故防止対策の重点といたしまして、学童、幼児の交通事故防止、特に今年度におきましても交通事故半減というようなスローガンのもとに、私どもは交通事故防止対策要鋼の中に、年少者の保護、いわゆる年少者の交通事故の防止という点を重点に施行しておりまして、私どもの行政措置と申しますか、私どもの、警察の行ないますところの行政施策の重点としてそういう方面に非常な努力を傾注いたしております。したがって、そういうものに関しまして警察官の配置とかあるいは学童の登校指導員の配置であるとかあるいは学校当局者に対する安全教育のための種々なる連絡あるいは所要の資料の提供であるとかいうような点について、具体的な行政指導なり連絡をしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/13
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014・細谷治嘉
○細谷委員 学童の登下校の際に、たとえば婦人会が出ておるとか、あるいは特定な人が出ておるとか、あるいは上級生がやっておるとか、非常に骨を折っておるようでございますが、なおやはり非常な危険が私どの目の前で展開されております。行政措置、行政指導という形でやっておるようでありますけれども、こういう問題につきましては、これはやはり全体的な問題でありましょうけれども、もっと十分な対策を講ずる必要があるのではないか、こう私は思いますが、次に進みます。
次に「信号機、道路標識等の設置を促進し、交通上必要と認められる箇所については、必ずこれを設置するようにつとめること。」こういうふうにこの附帯決議がされております。ところで、東京都は別といたしまして、地方都市等にまいりますと、十万か二十万の都市に行きますと、よくて信号機は三つ、四つ程度しかないのが現況ではないかと思うのですが、そのためにほとんど自動車は連続的に来まして、道路を横断しようとしてもできないというのが現況であります。これが何百メートルくらいにでも信号機がありますと、自動車が間欠的にまいりますが、連続してくるわけなんです。そういう点で、この附帯決議の線に沿うて現状はなっておらぬと思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/14
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015・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 私どもといたしましては、確かに御指摘のとおり信号機、道路標識、いわゆる交通のための施設というものを充実しなければならない。そこで、いまの信号機の問題につきましては、三十九年度の年度末といたしまして、累計五千という整備目標を設けておる次第でございます。三十八年度の年度末では三千八百七十二、それに三十九年度の設置の機数を五百二十といたしまして、三十九年度の年度末で一応全国で五千という数字にいたしておる次第でございます。ただこの問題につきましては、予算措置その他について必ずしも私どもの考えているようにいかないという点と、もう一つは、信号機の改良ということが非常にいろいろ言われるものでございますので、これらの点についても、いろいろと技術開発的な見地から、信号機の改良というようなことについても研究をいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/15
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016・細谷治嘉
○細谷委員 この問題について具体的に御計画があるようでありますけれども、お尋ねいたしたい点は、それではこの信号機についてどの程度の予算措置がなされておるのか、これをまずお聞きしたい。
それからもう一つは、現実にこの信号機を設置するにあたりまして市町村に相当大きな負担が強制的にかけられておる現況でございます。端的に申し上げますと、百五十万円かかるといたしますと、そのうちの三分の一から二分の一くらいは、必ず市町村あるいはそこにあります交通安全協会等に、負担がほぼ強制的になされます。交通安全協会は、どこから出るかといいますと、やはり市のほうの財源をトンネルしてやっておるというのが現況でございます。そうなってまいりますと、この信号機の財産の帰属というのはどこなのか。法律上の問題、財産の帰属からいって地方財政法違反という問題までが起こっておるわけであります。これについての所見、方針をただしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/16
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017・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 ちょっと私予算の資料が手元にないものですから、後ほどお知らせ申し上げますが、この予算の立て方は、信号機は補助金の対象になっております。したがいまして、二分の一の国庫補助がつきます補助金の対象になっておるわけでございます。信号機につきましては、確かに御指摘のとおり信号機の単価等について、必ずしも合理的な査定がなされないというような場合もありますし、あるいは国の予算以上に地元その他の御要求、要望で信号機をつけなければならない場合もあるように伺っております。したがいまして、そういう点に関しまして、必ずしもすべて予算の範囲内でまかなわれていないという場合もございます。したがいまして、それらの問題について、地元負担の問題はあるということは私ども確かに聞いておりますし、そういう点の地元負担につきましては、できるだけ強制にわたらない、あるいは地元負担を減少させるというような、所要の地方予算措置が講ぜられることが望ましいし、そういう点に向かって私どもは努力しなければならない、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/17
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018・細谷治嘉
○細谷委員 信号機につきましては国の補助二分の一ということでありますから、残りは県費ということだろうと思うのです。ところが私が申し上げたように、現実には百五十万円としますと、国から七十五万円出るでしょう。そうしますと、残りの金の大部分というのは市町村が現実に負担しております。私も身をもってそれを具体的に体験してまいっておるのですけれども、そうなってまいりますと、そういう財産というのは県のものでしょう。それに市費を出していくということになりますと、これはもう明らかに地方財政法違反という問題になるわけであります。こういうところに大きな問題があり、信号機が進まない困難性があるのじゃないか。そしてとても地元では法律上の問題からいって負担できない、あるいは財政負担能力がないということを言いますと、それじゃよそへ持っていくという現実の姿、強制的じゃないかもしれませんけれども事実は強制的、こういうものについてどういうふうに改善されようとなさっておるのか。ひとつ警察庁としての基本的な態度をお尋ねしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/18
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019・江口俊夫
○江口(俊)政府委員 ひとり信号機のみならず、警察の施設で、国が半分出し、地元といいますか県が半分出すというのが原則になっておるのが相当ございます。そういうもの全体をひっくるめまして、できるだけ県の予算、単に形式上県の予算というだけじゃなしに、実質的にもちゃんときめられている都道府県で半分持ってもらいたいというのが私たちの基本的な考え方でございます。しかしただいまおっしゃいましたように、まだつけねばならぬところがたくさんあって、どこから手をつけるかというところから、多少の県に対する応分の援助というものを地元がやるというところを優先的にやっているというのが、おそらく現状だろうと思いますけれども、徐々にそういう負担の関係とは別に、やはり必要の程度の順位によってつけていくように指導したい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/19
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020・細谷治嘉
○細谷委員 これは交通安全上非常に大切な点であると同時に、非常に大きなネックである。二分の一とおっしゃいますけれども、事実は数をふやそうふやそうとして、百五十万円かかるのに、県費というのは大体国費を合わせてでしょうが、半分程度、あるいはちょっとそれを上回った程度しか実はないのです。あとは全部地元の市町村の負担か、交通安全協会、それもやはりトンネルだという形でやっているのが現況でございます。こういうことが地方財政法の問題であり、地方財政の現実の問題となっておりますので、ぜひこの点についてはきちんとした行政をやっていただきたい、こう思います。
もう一つ附帯決議でお尋ねしたいのですが、「泥はねによる被害を防止するため、道路の補修の促進、徐行運転の励行、泥よけ器の装置等につき積極的に措置すること。」と、こう書いてあります。私どもはよく歩くわけですけれども、雨の降る日など運転している運転手に、車に乗っている人に、どろをかけるのは非常にいい気持ちだろうなと私はよく冗談を言うわけですが、歩行者にとっては非常に迷惑でございます。車が来ると、かさをこう下にやって、雨にぬれながらどろをよけるのですが、このどろよけ器の装着等について、具体的にどういうふうに指導なさったのか。どうも戦後、どろよけ器はつけなくていいということになったので、その習慣が依然としてあって、この問題に対する対策が具体的に講じられていないように思うのですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/20
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021・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 このどろよけ器の問題と関連して、やはり道路の補修というものを徹底してやっていただかなければならないという前提問題が一つあるわけであります。なおかつそういう環境のもとにおいて、どろをはねたりあるいは水をはねたりするというものに対して、私どもは措置をしていかなければならない。もちろん御指摘のように、こういう問題については単に取り締まりだけで完璧を期するということはできないわけで、やはり所要の機械器具というものを活用して、それを行政的に実現していくということが必要かと思うのであります。どろよけ器については私どものところに、こういうどろよけ器があるとかあるいはああいうどろよけ器があるというように、いろいろなどろよけ器について申し込みなり提案があるわけでありますが、私どもといたしましてはできるだけ都道府県を指導いたしまして、できるだけ各団体を通し、また自動車の所有者を通して、こういうものをつけてくださいと、つけるように指導していくということで、ちょうど法の七十一条一号にはそういうようなことについての、どろよけ器に関する規定も設けられているわけでございます。しかし御指摘のとおり必ずしも十分であり、またそれについて私どもの努力が十分であるというふうには考えておりませんので、今後そういう点についてはさらに検討いたしたい、こう考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/21
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022・細谷治嘉
○細谷委員 実は質問の緒論のところで、時間の関係で私は質問を中止せざるを得ないわけでありますけれども、お願いしたい資料を最後に要求したいと思います。法六条、七条、十一条の違反件数を、次の委員会までに出していただきたいということをお願いいたしまして、私の質問はきょうは中止しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/22
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023・森田重次郎
○森田委員長 秋山徳雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/23
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024・秋山徳雄
○秋山委員 いま細谷委員からいろいろ御質問がありましたが、三十四国会において衆参両院で附帯決議がなされておりますが、これらについて項目別に、もうこれはほとんど完成に近い、これはもう心配がなくなった、こういう面と、そうではなくて、まだこれからより以上善処しなければならないところがあろうかと思うのですけれども、それらについて一つ一つ御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/24
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025・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 「信号機、道路標識等の設置を促進し、交通上必要と認められる箇所については、必ずこれを設置するようにつとめること。」これはただいま紺谷議員の御質問にもございましので、私ども先ほど申し上げたようなことで善処いたしております。さらに道路標識等につきましては、昨年ですか、国際標識に変えまして、さらにはその国際標識に基づく道路標識の立てかえというものについて、いろいろと鋭意努力をいたしておるところでございます。
「安全運転の一般原則に関する基準を設定してその運用に慎重を期すること。」この点につきましては、私ども自動車の運転者に対する安全運転要綱というものを、案を策定いたしまして、これらを通達いたしておる次第でございます。
それから「乗車定員の規制については、実情を勘案し、その運用につき慎重を期すること。」この点につきましては運輸省といろいろと協議をいたしまして、乗車定員の問題について通牒を出し、またいろいろとこれについての保安基準等の問題に関連をいたしまして乗車定員の問題について規制の万全を期する、特に乗車定員をオーバーいたしまして事故が起きて多くの負傷者を生ずる、あるいは人命を失うというようなことに対しては、十分慎重に資処していきたい。こういうふうに考えて、運輸省と随時連絡協議をいたしておるところでございます。
それから「自動車教習所の指定基準の設定については、その規模、要員の資格要件、教習の内容等をとくに考慮して適正な基準を確立、積極的に自動車教習所の質的向上を図ること。」この点につきましては、最近自動車教習所が非常に数多くふえました現状にかんがみまして、さらには自動車教習所を通して運転の免許をとる者が数多くなった現状にかんがみまして、自動車教習所の指定基準というものについて、たとえば設備あるいは物的な施設、さらには指導員、あるいは検定員等の資格要件の問題、あるいは法規の講習、技術の講習あるいは所要の講習の内容というようなものについては充実を期するということで、ただいま政令以下の段階におきまして、いま申し上げたように積極的に自動車教習所の質的向上をはかる、特に人的な質的向上をはかっていくというような点について、所要の措置を講ずるよう準備をいたしておる次第でございます。
それから「交通に関する行政処分等についての苦情処理機関の設置を検討すること。」この点につきましては、行政処分等に関連する苦情処理のために県本部、あるいは警察署等に警察相談事務といいますか、交通相談の仕事を積極的に行なわせるようにいたしまして、行政処分等の問題につきましても苦情処理機関の役目を果させるようにいたしたい、こういうふうに考えております。また同時に行政処分の運用等については、適正かつ合理的なやり方にいたすように全国的な水準を統一していくような基準の設定というような点について、努力をいたしております。
それから「飲酒運転の危険性にかんがみ、本法の運用を通じてその防止の徹底を期すること。」この点につきましては、最近いわゆる酔っぱらい運転というものが多くありますので、これらの酔っぱらい運転の取り締まりを強化していく。そのために今般の道交法の改正の中に、いわゆる酔っぱらい運転の罰則を強化するというようなことをいたしまして、その防止の徹底を期する、あるいは行政処分の適用につきまして、飲酒運転の者に対しては厳罰、厳格な行政処分の適用をはかっていくというようなことをやっております。
交通警察の充実及びその運営の合理化をはかるため次の措置を講ずること。交通警察官の資質の向上あるいはその増員をはかる。これはすでに御承知のように一万の交通警察官の増員が実現をいたしまして、本年度の予算においても残る予算措置が講ぜられて着々交通警察官が増員をされて第一線に増強される。さらには交通警察官のための専門の教育あるいはその他の所要の教養訓練を充実いたしまして、資質の向上をはかっておる次第でございます。
交通警察に関する予算の増額、この点につきましては、本年度の予算におきましても鋭意努力をいたしまして、まだ不足ではございますけれども、ある程度の比率の増額を獲得をいたし、さらには今後ともに予算の増額につとめたい、こう考えております。
交通取り締まり用施設装備の充実、この点につきましては交通の装備のための四輪のパトカーあるいは通称白バイというようなものの整備計画を実現をいたすようにいたしまして、所要の台数に到達するように努力をいたしております。さらには検問所の設置その他の交通警察に必要な施設を充実というような点についても、努力をいたしております。
交通道徳の確立と交通法令の普及をはかるため、学校教育を通じて学童に対し交通知識の普及をはかるため、特に次の方策を講じてその趣旨の徹底を期すること。順法精神を高揚するため云々、交通安全を目的とする国民運動の組織を確立するため交通安全協会云々、こうございますが、これらの交通道徳と交通法令の普及のためには、文部省と私ども随時会合を重ねまして、文部省の学校教育の課程においてできるだけ交通道徳の高揚のためのあるいは交通法令の普及のためのいろいろな教程の内容を充実してもらうように、それぞれ努力をいたしております。さらには学童に対しては学童交通安全会というような組織を通じまして、いろいろと交通知識の普及をはかる、あるいは交通教室等をつくって、学童のいま申し上げたような交通知識の普及をはかるというようなことを講じております。
順法精神を高揚するための国民運動というような点につきましては、春秋二期の交通安全運動を、従来のような警察だけの問題でなく、いわゆる国民総ぐるみ運動ということで、内閣において関係省庁の間を調整をいたしまして、総理府が主体になりまして、その目的なりあるいはその要綱なりを徹底をいたしまして、その趣旨の普及徹底をはかるということにつとめておる次第でございます。
交通安全協会の問題につきましては、いま申し上げたような国民総ぐるみ運動ということで、地方の都道府県におきましてもそれぞれ地方の交通対策本部あるいは交通対策協議会というようなものを設置いたしまして、広く交通行政に関連をするところの関係者が集まりまして、いわゆる国民総ぐるみ運動を展開をしていくということで、いろいろな施策を行なっております。特に交通安全協会の問題につきましては、いろいろとこれらのあり方につきまして刷新強化をいたしたいと思っておりますし、また私どももそういう方向に向かって安全協会のあり方等については検討をいたしております。
また自家用自動車運転者の組織化というような点については、最近できましたいわゆるJAF、日本自動車連盟等の組織を通じましてこれらのいわゆる未組織の自家用運転者の組織化をはかって、交通安全の思想を徹底をしていくというようなことを考えております。
最後に、「雇用者及び車両等の運行を管理する者の義務に関する規定については、この規定の趣旨を実現しうるようその運用の適正を期すること。」したがいまして運転者だけを処罰し、運転者だけを対象にした交通行政ではその徹底を期することができませんので、いわゆる運行管理者であるとかあるいは雇用者というようなものに対しては、その正当に行なうべき義務というものについてさらに徹底をさせていくということで、事件、事故の処理のしかたにつきましても、運転者からさらには雇用者あるいは車両運行の責任者の責任を追及するというような事件処理の方法をとりまして、事故の根源を断つというような方向に向かって努力をいたしておる次第でございます。
以上の点が、私どもが現在まで行ない、また現在行なっておりますところの交通に関する施策でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/25
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026・秋山徳雄
○秋山委員 長時間にわたって御説明いただいたわけですけれども、ちょうどいま御説明になっていただきました国民総ぐるみ運動の実施期間中かもわかりませんようなわけで、けさあたりも各地でそういうような形で行なわれておることはけっこうだと思いますけれども、えてしてそういう運動を起こしますと、これは俗に言う人のふんどしで相撲をとるという形であって、警察では一銭も出さないで国民に全部を負担をさせていろいろなことをやっている、こういうことが間々行なわれることではないかと思うわけです。きょうあたりそこらを歩いてみますと、一般国民が黄色い旗を持ったりあるいはたすきをかけたりあるいは腕章をつけたりしてお手伝いをしております。こういう人たちが日本国じゆうではかなり膨大な人数になっているのではないかと思うわけですけれども、この人たちも遊んでいる人がやっているわけではないのであって、おそらく業務を持った人が行なっているのではないかと思う節がたくさんあるわけですが、これらについて国費如何かでどのくらいの補助をしているのか、あるいは助成をしているのか、あるいは支出金を出しているのか、そういうことについてお答えしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/26
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027・高橋幹夫
○高橋幹政府委員 交通安全運動に対する経費は地方の公共団体等において、あるいは交通安全協会等の組織をもちまして行なっている場合が多いのでございます。したがいまして、私どもが直接この問題について予算を組んでおりますのは、全国交通安全協会に対するいわゆる事業委託費として本年度は千五百万の委託費を組んでおりますが、これらの委託費でもちろん足りるものではございません。しかしながら、いまおっしゃいました御指摘のような町に出ていろいろと活動をしていただいておる方々についてはそれぞれの地方の公共団体に対する協力なりあるいは安全協会に対する協力ということで、むしろ自発的に出ていただいている方が多いし、またそういうような場合におきましてもできるだけいろいろな点を考慮いたしまして、御協力を願うというようなことを考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/27
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028・秋山徳雄
○秋山委員 答弁とはそういうものであるかもわかりませんけれども、まず最初に御答弁いただいたときには、付帯条件がついて私たちはこうやっているのだという御説明であったわけです。それをもう一段下がって聞いてみると、わずかに安全協会に千五百万円しか出さないということなんであって、それでは人件費の一割にも満たない額だろうと思うわけです。年々歳々、安全協会なるものを洗ってみても、御存じのように警察部で出してくれる金よりも拠出金でまかなうもののほうがむしろ非常に多いのだということが現状のようであります。そういうことを考えて、それだけではなくして、今日のように、幾日続くかわからないけれども、あなたのほうでは国民総ぐるみ運動だといって、一片の通牒を出せばそれで間に合うかもしれないけれども、実際に当たっている人たちというものは、横須賀あたりの例から言いますとタクシー会社の運転手さんあるいは個人タクシーの経営者、こういう方々が、輪番をもって毎日のように各地区へ出張って、交通整理の一翼になっているという実態であります。したがって、タクシー会社の運転手さんということになりますとノルマもきめられておるようですし、非常に無理が起こる。同時にまた経営者から言わせれば水揚げが減ってくるということで、出ては困るというところもあるようであります。したがって、良心的な経営者というかあるいは理解のある経営者というか、そういうところに勤務している人たち、あるいはまた個人タクシーの人たちは、みずから営業しているのだから、自分でコントロールができるというふうな形でありましょうけれどもしかしながら、そういう奉仕事業をやらせることが望ましいのか望ましくないのかということになると、おのずと議論が出てくると思います。これらについて、一体いままで私がこの席へ出てきてからいろいろ自治省の人たちの答弁を聞いたり、各省の人たちの答弁を聞いたり、あるいは警察部の皆さん方の御答弁を聞いたりしておりますと、何か奉仕をするのは国民の義務だというふうな考えがあるのではないかという心持ちがしてくるわけですが、そういうことでは私はならぬと思うのです。やはり指導者は指導者らしく、それに見合った何分かの経費を出していく、そういうことでなければならないと思いますが、基本的な考え方としてあなた方はどうお考えになっているのか、そういうことをまず聞かしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/28
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029・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 従来交通安全協会を主体といたしておりますところの交通安全運動等におきましては安全協会の経費等をもってまかなっておった例が多いのでございます。ただしかし、国民総ぐるみ運動というようにその規模を大きくしていく、あるいは国民各層にわたるという場合におきましては、先ほど御指摘のように確かにそういう運動の財政的な基礎といいますか、予算的な基礎というものについて新たな角度から考えなければならない。この点につきましてはそれぞれの府県あるいは市町村の実情によって必ずしも同一ではございませんけれども、非常に熱心な府県におきましては、知事部局等においていわゆる交通安全のための経費というようなものを積極的に予算化しているところもございますし、あるいは市町村等においてそれら予算を計上しているところもございます。ただしかし、この点についてしばしば第一線の府県あるいは市町村の当事者から私どもに対する要望は、それらについて自治省等において十分財政的な裏づけのできるように基準財政需要額の内容についてそういう面の配慮をしてもらいたいということが、私どもに対する陳情なりあるいは要望でございます。したがいまして、私どもといたしましてもそういう面の財政的な基礎というものを確立していく方向で努力をしたいと思っておりますので、それらの点について安全協会の財政的な問題、予算の問題、いまの国民総ぐるみ運動の遂行のしかたについてのいろいろな財政的な問題について、特に地方財政の問題については積極的に自治省と協議をして、本年度ある程度の方向に向かって努力をしたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/29
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030・秋山徳雄
○秋山委員 自治省は特にしょっぱいのかわかりませんけれども、これはやはりあなた方の努力が実を結んでくるのではないかと存じます。概して警察の仕事にかかわらず、国で予定した金額と、実際に買ったりつくったりなどするお金とは、だいぶ開きのあるのがこれは常識のようになっております。だからといって、それでは地方の人たちと本省にいる役人の人たちと、頭がどれほど違うかというと、どちらもそうばかじゃないはずなんです。ところが、それだけの違いが出てくるということは何に起因するのかということになれば、国家財政の立場から云々といろいろ理屈は言うけれども、理屈だけでもって、内閣の中では通るかもわからぬけれども、実際の市町村や府県になってくると実際問題としてお金に困ってくる。したがって、やるべきものもやらなくなってくる、こういうことが多いのじゃないかと思うわけですが、特に警察の場合にはそれが大きいのではないかという気がするわけです。私は元来警察というものは、おいこら警察時代からあまり好きではないので、自分で警察関係の委員をやったこともありませんでした。しかしながら、たまたま半年ほど神奈川県で警察の治安常任委員をやったことがありましたけれども、行って驚きました。一体近代警察を誇らなければならない警察部でありながらこの施設は一体何なんだということであります。私なんかがたまたまひまがあってテレビを見ましても、いわゆるハイウエイ・パトロールこういうものを見ても、新しい型の車でどんどんスピードを出してやっている。ところがよその府県はどうだか知らぬけれども、神奈川県の場合なんかでも、大体私は自動車の形なんかよく知らぬけれども、いずれにしても運転台の前のガラスが半分に仕切ってあるものはおそらく新しいものじゃない。これをいま運行しているのは各省の中でも警察部だけだ、私はそういうことまで指摘して言ったことがありますけれども、一例をあげればそういうふうなものであって、それほどに府県では古いものを使わなければ追っつかないのだということがいわれておるし、あるいはまた一面、予算面から考えましても、ほかの部課では質のいいガソリンを使っておるのだけれども、警察部の場合には質の悪いガソリンを使っておる。それでもってどうかといえば、やはりスピードも出さなければならぬ場合もあるだろうし、違反者を追っかけるのに古い型の自動車で、もう十年も十五年も前の自動車で、しかも使うガソリンがハイオクタンじゃないのだというもので追っかけるのでは、追っつくわけがない。これがいまの日本の警察の実態ではないかとすら思うわけですが、これはやはりあなた方が努力をして、かなりの大幅な予算をいただいて改善をしなければならぬのじゃないかと思いますけれども、これらについては、私は一考を要する問題じゃないかと思う。これはやはり道路の問題だけではなくしてすべての問題に影響のある問題だろうと思います。
そこでじゃ道路の構造はどうなのかということになりますと、法律のほうでは人権というものを尊重しなければいけない、そういうことを言われながら、しからば、どこの歩道でも、ごらんになっていただけばわかるように、歩道で、めくらでも安心して歩けるような道路というものはまずありません。東京のどまん中を見ても、いばるようなところでも、まずありません。まごまごすればどこかへ突っかけなければならない。したがって、少し雨が降って水がたまると車道にこぼれていかなければならない。これが私は地方の実態じゃないかと思う。なるほど、産業を重点に考えていかなければならないために車道はどんどん完備するかもしれぬ。しかし歩道のほうは一向かまってくれない。私は、これが交通の一番問題になる点ではないかと思うのですけれども、これらについてはどんなお考えを持っているかお知らぜいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/30
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031・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 確かに御指摘のとおり、交通の問題について道路構造あるいは道路の問題というのは大きな問題だと思います。私どもはそういう見地から道路の構造に対しては、省に対して、いろいろなあらゆるものに交通事故の分析の結果を反映いたしたい。御承知のように、現在の日本の道路の構造は、いわゆる混合交通の状況でございまして、分離交通になっておらない。したがって御承知のように昨年の一万二千三百何ぼの死者の中で、約三分の一が歩行者の事故であるということは、いわゆる混合交通の具体的なあらわれではないだろうか。そこで私どもは、歩車道の区別のある道路をつくるということが一つと、それから横断歩道につきましてはいわゆる信号機のつかない場合においては横断跨道橋をつくる。あるいは横断地下道をつくる。あるいは夜間の照明の問題で、街路照明等をつくらなければいけない。あるいはガードレールをつくらなければいけない。いわゆる安全施設を道路について充実をするということが非常に基本的な問題である。元来、道路の構造で、安全施設は、その付属物のような感じが道路法ではしておるわけでございますが、本来は道路そのものの本体でなければならないというふうに私どもは感じておる次第でございます。したがって、今回の道路法の改正の中にも、改正の要点が、多少方向が違っておりますけれども、私どもといたしましては、いまの安全施設の問題についてできるだけ規定をしていただくように、また規定をするようにということで、不満足でございますが、今度の道路法の改正の中にそういう問題についての一項目を挿入をしてもらった、そうさせたというのが実情でございます。私どもはいわゆる混合交通を分離交通にして——特に歩行者の事故等があるということは、やはり歩行者自体、あるいは自動車の運転者自体の問題ではありますけれども、それもやはり施設的に解決していくというのが私は第一義でなければならないということで、安全施設の充実ということについて、道路の問題については強く建設省に対して要望をいたしている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/31
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032・秋山徳雄
○秋山委員 そこまでは私はけっこうなことをやってくれたと思います。しかし、それだけではまだおさまらないので、できれば道路を考える場合には、少なくも砂利道を舗装道に改良する、そうしたときにおきましても、いま御説明がありましたような、まず歩行者の安全をはかるために、歩道なり何なりをつくらなければ改良工事はすべきでないというぐらいの心持ちを持っていかなければ、おそらくこういう問題は解決しないと思いますので、できるだけそうしたことに向かってより以上の御努力を願わなければならないことだろうと思います。そういうことについて努力していただきたいと思いますが、同時にまたもう一つ考えなければならぬことは、私たちがラジオやテレビをたまたま聞くときにおきましても、その中の宣伝の中では、今日におきましては一つの自動車の生産工場におきましても、もう月産一万台をこえたという宣伝が間々耳に入ってまいります。一つの会社でそれだけになっているということは、他の会社も合わせれば何万台になっているということも考えなければなりません。したがって、いまここであなた方の資料に基づくならばどれほどになっているか。きょう配付していただいた資料の中に、現在の自動車の台数は四百二十八万二千五百四十二台だということは書いてありますけれども、これは一体去年がどのくらいであったのか、来年になるとどのくらいになるのか、二年後になるとどのくらいになるのか、現在の生産台数から計算すればかなりの自動車が出てくると思いますが、これらについてお示しいただければ幸いだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/32
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033・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 正確な数字を手元に持ち合わせませんが、いまの年々伸びております自動車の台数は約百万台と見てよろしいと思います。したがいまして、今後そういうような比率で自動車はふえていくというふうに考えて差しつかえない。さらにはいまの自動車以外に、いわゆる原動機付自動車、つまりモーターバイクでございますが、こういうようなものについても相当な数がございますので、あわせて考えていかなければならないということで、これも約五百万台ぐらいございますので、道路を走る車というのは約一千万台あると見なければならないという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/33
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034・秋山徳雄
○秋山委員 いまの一千万台というのは現在の台数ですか。——そうすると、翌年度になると自動車だけで百万台ふえていくということになりますと、かなりな増加率を示してくるのだろうと思います。それだけで考えると、一体一千万台に比べて自動車だけで百万台ふえれば、それだけでも一割になるわけですが他のものを加えるとおよそ何割ぐらいずつ増加していきますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/34
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035・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 その点について詳細私の手元にございませんが、私の推定から申し上げまして、自動車の数はやはりそういう台数でふえていく、ただ原動機付の問題につきましては、それらのものが自動車に転化していくという場合が多いわけでございます。しかし同時に、それに見合うところの若い層のいわゆる免許人口というものがふえてまいりますのでおそらく年々同じような比率でふえていくのではないか。ただしかし、ある一定の限度に到達いたしますと、やはり経済的な条件がございますので、そのときの流通経済の状況を反映いたしまして、その自動車の台数の伸びというものは必ずしもいま申し上げたような比率で増大をしていくというふうには考えられないと思います。したがいまして総合的な、経済的な情勢も加味しなければ必ずしも正確な推定はできないというふうに考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/35
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036・秋山徳雄
○秋山委員 自動車はふえる一方なんだし、それに伴って道路の拡幅あるいは新設道路、こうしたものが一体どのくらいできているのか、これもこういう場合に考えてみなければならぬことだろうと思います。したがって、これらの事情、道路が一年にどのくらい拡幅延長されているのか、新しい道路がどの程度できているのか、これもひとつ御答弁いただければ幸いだと思います。いま私たちが知り得るところでいきますと、せっかくハイウエーの道路ができると言われながら、これが完成をしたときにはもうすでに狭くなってしまう。こうしたことが間々見られる現状だろうと思いますが、 こういうことを考えてみたときに、一方道路はそれに比例して幾らも広がっていかない。ただふえるのは単だけだということが考えられてくると思いますが、こられがあまりにも離れていきますと、ますます交通は麻痺をしてしまって、どうにもならなくなるのじゃないかという心持ちすらしてくるわけですが、これらの実態をお知らせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/36
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037・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 道路の舗装改良あるいは新設という問題でございますが、一つは道路五カ年計画というものが一般論といたしまして進捗しつつある。さらには次の段階でまた新しい五カ年計画ができるということでございますが、一つの傾向は幹線道路の整備というものはある程度進展をいたしておる。しかしながらこれに比べて地方的な道路の整備が必ずしも十分ではない、すなわち立ちおくれを示しておるというのが現状でございます。したがいまして、いまの道路の問題について、三十八年度の統計でたいへん恐縮なんでございますが、国道を一級、二級に分けまして三十八年度でどのくらい整備率があったかと言いますと、改良が六七・五%、舗装が五六・四%それから二級国道で整備率が改良が四四・二%、舗装が二八・五%。都道府県の主要地方道では改良が四九・一、舗装が一九・五。一般地方道では二一・五、六・七。合わせまして、国と都道府県の合計いたしまして、改良が平均三二・五の舗装が一五・五。市町村が改良が八・八の舗装が一・七ということで、全体の合計をしますと改良が一二・四、舗装が三・八という数字でございます。したがってこれらの数字が毎年の予算の大体基礎額になっておるかと思いますので、大体こういうような方向で整備が進んでいくのではないだろうか。したがって、道路のいわゆる改良舗装というような整備の率というものが必ずしも十分ではない、いまの自動車のふえるものに比べて道路の整備は著しく立ちおくれておるということで、よく言われておりますが、道と自動車の交通戦争は道路の負けであるということがいろいろと言われているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/37
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038・秋山徳雄
○秋山委員 いまあなたの御説明のとおりだと思うわけなんです。しかも改良工事だとかあるいは舗装工事だとかいうものは、これはたいしたほかに影響があるものじゃなくて、特別に改良のうちでも非常に拡幅が多くならなければこれは改良ということはできない。しかも都市にあっては拡幅ということは非常にむずかしい、そのためになかなかできない、こういうことが脅えられるわけであります。それだけではなくして、いままで砂利道で悪い道だったものが今度は改良鋪装なんかいたしますと、より以上自動車はスピードも増してきます。したがって、危険の度合いはより以上に多くなる。それだけではなくして、いままで自動車をそこの辺には置かなかったものが、今度は便利がよくなったものですからそこに車を置いて行ってしまう。そういうことになると、他の車が入ってこようとしても入ってこれなくなる、よけい困ってくるというわけなんであって、逆に現状においてものを考えるとするならば、いま道交法なんかを改正するよりも、砂利道をふやしてでこぼこ道を多くする、こういうことになれは、おそらく事故は半減するだろうということが脅えると思います。なまじ道路をよくするために、むしろ事故はふえていくのじゃないか、こういう心持ちすらするわけであります。
そこで、せっかく政府機関があるのですから、政府部内でこれをよく考えながら、生産の面でも必要とするならばある程度規制するのもけっこうでしょう。あるいはまた道路がかなり拡幅されない限りにおいては、自動車台数をふやしていかないという方法もとらなければならぬでしょうし、あるいはまた逆に中小企業の人たちから見れば、税金をとられるよりも、自分の自動車を使って走ったほうが得だというようなことで、税金がそこらを一ぱい走っておるわけです。これなんかについても考え直すことが必要ではないかと思いますが、これらについてあなたのいわゆる交通担当者としての考え方を聞かしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/38
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039・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 これはいささか私見にわたる部面があるかと思いますので御了承願いたいのですが、確かにいまの自動車の生産の問題につきましては、いろいろな角度からこれを考えなければならない。たとえば一つの問題は車種の統一ということ。日本の車種は非常に多極多様であるということ、特に最近顕著なものは軽自動車の単純がきわめて多種多様であるということで、現在自動車のふえております大宗をなしておりますものは、軽自動車がふえておるということでございます。この軽自動車に対しましては、いわゆる中小企業が使いますので、税法上の利便と、それから私どもの運転免許についてのやや利便と、それから整備上の利便と、それから車庫規制法がかかっていないという、四つの利便のために、中小企業の方々は軽自動車を購入するというかっこうになっておるわけでございます。そういう点で軽自動車の問題については、やはり何らかの措置をとらなければならないのではないだろうかということと、それから自動車全体の将来の方向というものについては、やはり国の生産政策のたてまえから経済企画庁等においても考えなければならない。そういうものに対して、私どもがそれでは具体的にどれだけの台数が交通警察上どうだという精密なる資料は持ち合わせておりませんが、私どもは一般的にはやはり自動車の生産についても何らかの措置を講じなければならないというふうに私見としては思っております、ただしかし、現状において、さすれば、その自動車の走行するものに対して、やはり交通規制を加えていく、自動車を持っておるけれども使えないという状況にだんだんしていくということで、またさかのぼって自動車に対する需要と言いますか、自動車に対する要望というものを低下させていくということも一つ考えなければならないのではないか。そういう意味で今後の一つの課題は、大都市内においてはある程度の車の乗り入れ制限というようなもの、あるいは駐車規制をもっと激しくしていくというような問題、いわゆる交通規制を相当厳重にしなければならない、制限しなければならないということで、いわゆる車の効用と言いますかについて、交通警察、交通規制の面から規制を加えていくという将来の方向をわれわれは検討しなければならないのではないだろうか、こういうように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/39
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040・秋山徳雄
○秋山委員 それはけっこうな御意見だと思います。そこで参考までにほしい資料として御要望申し上げたいのは、先ほど道路の問題で三十八年度ですか、お示しをいただきましたけれども、単年度だけでなくして三年くらい前から、拡幅の部面だけでけっこうです。どのくらいの進捗率になっておるか。同時にまた今年度の予算面で拡幅の面はどのくらいになっておるか、それをひとつ資料として御提出いただきたいと思います。
なお、もう一つは、車両の生産が日本の国内でどれほど生産ができておりますか。そのうち外国へ輸出向けとして生産されているものはどのくらいで、国内市場はどのくらいになるか、これもあわせて御提出いただきたいと思います。
それからもう一つは、国民総ぐるみ運動と称していま行なわれておりましょうけれども、これらが、たとえば安全運動期間の一週間なら一週間に全国で動員される人数がどのくらいになるのか、これもひとつ資料としていただければ幸いだと思います。
それからあとはこまかいことに入るかもわかりませんのでお許しいただきたいわけですけれども、たとえば私どもが道路を横断する場合を考えてみますと、いま世間でいろいろ言われていることの一つに、横断歩道の手前と言うのですか、そこで停止線があるところと、ないところがございます。しかし、停止線のあるところはまあまあとして、停止線のないところでは、自動車がかなりなスピードできて、直前でぴたっととまる場合があります。そうすると、車と人間とぶつかればどちらが損をするか、おっかないか、危険があるか、これもおのずとわかってくるものですから、やはりこちらが遠慮している。それに今度は、運転者のほうはそれが気持ちがいいのかもわかりませんけれども、それらに対して、おもしろ半分ということはないかもわかりませんけれども、そういうことが往々にしてあるのではないかという心持ちもしてまいります。したがって、世間の人たちがいま言っていることは、あまり身近でとまることによって気持ちの悪さが感じられてまいるということであります。ですから、停止線がないところでも何メートル前でとまるべきであるということがどこかに織り込んであるのかどうかお尋ねを申し上げたいと思いますし、なければこれはどこかにつくるべきではないかとも考えますので、お答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/40
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041・宮崎清文
○宮崎説明員 ただいま御指摘の点は、現行法令のもとにおいては、直前において停止すればよろしいということになっております。なお、御指摘の点は、いろいろ問題がございますので、将来の問題としてただいま部内で検討をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/41
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042・秋山徳雄
○秋山委員 えてして役所の人たちは、多く一日分は車で走っているので、あまり感じないのかもわかりませんけれども、世間の大きな声の一つとしてこれがあるわけです。だから、罰則は、もちろん酔っぱらって運転をした場合には、かなり重くしても私はいいと思います。また、そうでなくちゃならぬと思います。ひき逃げなんかもそのとおりだと思いますけれども、やはりそういうことが一いま御答弁になった中に、とまるつもりがちょっと伸びちゃったのでぶつかったということもないとも限らない。これは私は、横断歩道がある限りにおいては、停止線を定めるなり、停止線なしといえども二メートル前でとまれとかなんとかいうことは法律の中に織り込むべきではないかと思います。特にまた、道路の形態を見てまいりますと、中央線には車のライトで光るような施設が埋めてありますけれども、横断歩道にはそれがあるところが少ないのであって、逆に人間を尊重するのだということであれば、中央ラインよりもむしろそちらのほうに力を入れて早く整備をすべきではないかと考えます。これからについてのお考えを聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/42
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043・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 いわゆる道路標示の問題でございますが、この道路標示の問題につきましては、いろいろな技術的な点の改良もしなければならない問題がただいま御指摘のようにあるわけでございます。特に、いわゆる夜光塗料と申しますか、夜間明らかに車両の運転者がそれを見ることができる、しかも遠方からそれを確認することができるというように、いわゆる横断歩道の施設の整備という点に重点を置かなければならないということで、ただいまできるだけそういうセンターラインと同じような、いわゆるキャッツアイみたいなものをいろいろとつくるようにいたしておりますし、また、レーンを引きまして明らかにする、あるいは横断歩道を渡る際に、歩行者にはっきりさせるために街路照明灯をできるだけ横断歩道のところにつけるというようなことについて、いろいろ努力をいたしております。これらの点について、警察庁の道路標示でできる面と、それから、建設省にやっていただく面と二つあるわけでございます。われわれといたしましては、いまの標示ということについては、技術的にもできるだけ改良をし、検討を加えて、多くの場所にいまの横断歩道の標示をしていきたい。先ほどの二メートルあるいは五メートル前でとまるということについては、課長から御答弁いたしましたように、私どももいろいろ検討をいたしたわけでございます。ただ、これを法律で変えていく場合において、いつも申し上げるようですが、罰則の問題とか、あるいはこれが正しく励行されなければならないというような担保の問題等もございますので、なお、それの施設をする場合のいろいろな問題もありますので、一応今回は見送りましたけれども、こういうような点については、できるだけ事実上の行政指導として利用をしていきたいというふうに考えております。今後私どもの検討をしていくべき問題として御了承を願いたいと思うのでございます。
〔委員長退席、中島(茂)委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/43
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044・秋山徳雄
○秋山委員 これはできるだけ早く結論を出していただきたいと思いますし、同時にまた、それよりも一歩進んで横断歩道のところに人が立ったならば一時停止をさせるというくらいのことがなければ、運転者としてはなかなか心に銘じてこないと思うのです。だから、そうしたこともあわせて何か法の中へ織り込んでいただきたい。これは一時停止を怠った罪と同じような形になるではないかと思うのです。これらについても一考を要すべきではないかと思います。特にまた、もう一つ考えなければならぬことは、各会社に雇われている人たち、よくダンプカーがどこへ飛び込んだとか、だれをひき殺したとかいうようなことが新聞に出ております。これらをいろいろ聞いてみますと、砂利トラックにしても何にしても、使用者側が、何回往復できるか、一回の往復でもって幾らというふうな、いわば請負的な運転が非常に多いようであります。そのための事故がかなり多いではないかということが予測できるわけでありますけれども、これらに対して業務的な何か制約をいたしませんと、無理が起こってくるではないかという気もいたします。なおまた、タクシーの運転者にいたしましても、これは通例として一昼夜勤務であります。いままでほかの産業においては、今日の状態で一昼夜勤務というのはないはずであります。これらについて当局側はどういう指導をしているのか。これは運輸省の関係になるのかもわかりませんけれども、取り締まりの立場からいけば御存じではないかと思いますので、こういう機会にお尋ねしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/44
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045・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 いまの問題は運輸省の所管に属するものでございますが、私どもの立場から申しますと、事故防止上からぜひ運行管理を適正にしていただくということが必要である。特に運転者が不適正な運転をしないようにしていく、あるいは運転者が疲労をすることのないようにしていくというようなことで、いわゆる適正な運行管理をしてもらうように、運輸省を通し、事故防止対策上業界を指導いたしている次第であります。したがって、最近は、大企業等における、業者の大きなところでございますが、これは非常に適正な運行管理をいたしまして、たとえばタコグラフ等をつけて正確な運行をしている。問題は、砂利トラの場合におきまして、いわゆる中小企業以下の段階において、通常言われているノルマを付与するとか、あるいは新聞紙上に出ておりますように、自分一人で買って、車を持って営業をしているようなものにいろいろ事故が多いわけでございます。そういう面で私どもは、雇用者の義務であるとか、運行管理者の適正な運行管理であるとか、そういう企業の経営をするものについて、やはり企業内容の体質改善ということに基本的な目を向けて事故防止対策をはかっていくということが必要かと思います。したがって、いまのハイ・タクの問題にいたしましても同様であるというふうに思っておりますので、そういう点については、事故防止対策上そういう要望を運輸省なり業界に対していたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/45
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046・宮崎清文
○宮崎説明員 先生の御指摘になりました、第一点の横断歩道の一時停止でございますが、これは現行法上も、歩行者が横断歩道を渡ろうとしているとき、あるいは渡っているときは、車両は必ずその前で一時停止すべきこととなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/46
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047・秋山徳雄
○秋山委員 その一時停止を怠った場合にはどんな刑罰がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/47
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048・宮崎清文
○宮崎説明員 現行法におきましては、道路交通法の百二十条という条文がございまして、これで三万円以下の罰金ということになっておりますが、御指摘のように、非常に危険な行為でございますので、今回の法改正におきましては、これに三ヵ月の懲役刑をつけることに改正をお願いいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/48
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049・秋山徳雄
○秋山委員 先ほどのたとえばダンプカーなどのノルマの関係ですが、これらについて事故があった場合に調査をしてみたところが、たまたまかなりなきついノルマがあったという場合には、経営者なり何なりを処罰するものは現在何かありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/49
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050・宮崎清文
○宮崎説明員 一般的には不当なノルマを課すこと、そのこと自体は道路交通法では直接とらえておりませんが、たとえば非常に無理なスピードを出さなければとても行ってこられないような時間で行ってこいというようなことを言った場合、このような場合には、一応現行法に雇用者に対する禁止規定がございます。それからさらに直接的に雇用者が、おまえは信号無視をしてもいいから行ってこいとか、スピードをどんどんふっとばして行ってこいと言ったことがはっきりいたしますと、これは運転者の道路交通違反のあるいは教唆あるいは幇助という共犯関係が成立する場合もございますしまた両罰規定の適用で処罰される場合もあろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/50
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051・秋山徳雄
○秋山委員 経営者なり使用者なりが、信号を無視してもやれということを言うはずがないのであって、むしろノルマを強めて、暗にそうしたことはあるかもしれません。おそらくそういうことじゃないかと思う。それらについてはかなり重い罰にしなければ、経営者というものは反省しないと思うのです。いま言われていることの多くは、道交法なんかでいわれていることは、運転者だけに罪をなすっていくのだということについて、運転者からかなり不満もあるようであります。そういうことでは弱い者いじめになってどうにもならないと思いますが、これらをどこかで直さなければならないのじゃないか、これらについての見解をお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/51
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052・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 確かに御指摘のような点がございますので、今回私どもの国家公安委員会できめました事故防止対策要綱の中にも、いわゆる運行管理の適正を期すればおのずから運転者が正常運転をするのだという前提に立ちまして、雇用者あるいは運行管理者にまでむしろ事件の処理にあたってはその責任を追及をする。もしそういう具体的な違反行為がある場合においては追及をしていくということで、運転者のみを科罰の対象にするということではなく、さらには運行管理をしている者に対して事件の追及、責任の追及をするという方針をとっております。したがいまして、たとえば定員オーバーをいたしましたことを許容してバスを連行させておった場合におきましては、現に先般の倉敷市のバス転落事件につきましては、倉敷市の運行管理者と申しますか、いわゆる自動車関係の局長に対してまで私どもはその責任の追及をして、所要の措置を講ずるようにということで、そういう事件の処理をいたしております。できるだけいま申し上げたように、運転者以外の分野についてもそういう点についての反省を求めるということの努力をいたしております。したがって。運行管理者のきめ方についても、行政指導としてなるべく責任のある地位の者を運行管理者にせよということで、今回の交通安全運動の機会においても、単なる課長よりはいわゆる重役といいますか、その経営の責任を持っている者に運行管理者を指定するようにというようなことの行政指導をいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/52
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053・秋山徳雄
○秋山委員 いまの話は、それだけでは私は解決できないと思うのであって、むしろ運転者に懲罰を加えるときにはその使用者なり、いまのお話の運行管理者ですか、そうしたものにまで同じような罰則を適用するということにかりになるとするならば、使用者側のほうでも常時心を配りながら使用者が監督するということになってこようかと思うのだけれども、そうでない限りにおいては、無理な要望がどんどん出されてくるのじゃないかという心持ちがするわけであります。現在トラック方面に重点を置いて考えますと、トラックの面で違反の一番行なわれているものは何かというと、おそらく荷積みを規定よりもよけいに積んでおるということがまず一番多いものだろうと思います。同町に、またスピード違反が続いてくるのではないかという心持ちがいたすわけですけれども、これらは総じて考えたときに、やはり使用者側の無理な要望というものが大きな原因になってくる、こういうことだろうと思います。したがって運転者だけを懲罰に付しても、これは一向に解決しないのではないかということだろうと思います。したがってやはり使用者にも何分かのことをなしていかない限り、これらは解消がむずかしいのではないかという気がいたしますが、これらについての御見解を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/53
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054・宮崎清文
○宮崎説明員 ただいま御指摘になりました、たとえば乗車または積載の制限違反でございますが、これにつきましては両罰規定がかかっておりまして、運転者が違反いたしました場合には使用者もまた罰せられることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/54
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055・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 確かに御指摘のように運転者のみということでは実際は解決できないので、そのケースによると思いますけれども、そのケース、ケースによりまして、できるだけいまのような会社経営の問題とか、あるいは運行管理の問題に関連をさせて事件の処理をいたすということの方針は、先ほど御説明したとおりでございます。また同時に、なるべくそういう違反をさせないように、事前の措置なり事前の行政指導をしていくということにも、私どもできるだけ努力をいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/55
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056・秋山徳雄
○秋山委員 参議院のほうに行かなければならぬそうですから、ぼつぼつやめなければいけないと思いますけれども、残りの問題はあとに譲るといたしましても、先ほど御説明の中に出ましたように、標識にいたしましても建設省で行なうものと警察で行なうものとが何か割り切れない、話し合いがむずかしい点があるような気もいたします。たとえばT字路なんかで間々事件が起こる場合があります。居眠りの関係か何かわかりませんが、まっしぐらにそのまま突き通ってしまって、よその家に飛び込むというようなことがありがちであります。そういう場合に私どもが、ここには何か特別な明るいものをつけたらどうか、あるいは赤ランプでもそこらにつけたらずいぶん違うのではないかというようなことを提示いたしましても、これは警察のほうでやるべきだとか、これは土木でどうだとかということで、なかなかできないことがたくさんあるわけですが、これらについては一体警察ではどういうふうに考えているのか。私はそういう個所が日本国内にはかなり数が多いと思いますが、完全なT字路で、そこには大きな看板を建てさせてみたこともあります。これは道しるべならば土木の関係、建設の関係だということで、しかたなしにこれはどこへ何キロとか、こちらに行けばどこに行くとかいうことでやったことがありますけれども、ここへ電灯をつけろとか何とかということになりますと、警察では一向につける気持ちがなさそうであります。こういうことについては一体どういう指導をなさっているのか、これだけをひとつ聞いておきたいと思います。
〔中島(茂)委員長代理退席委員長
着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/56
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057・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 建設省で所管をいたしておりますところの標識は、案内標識と警戒標識でございまして、これらの点については、従来ともすれば予算的措置が不明確であるということでございます。しかし本年度には案内標識あるいは警戒標識など、建設省の建設いたしますところの標識につきましては補助金を取りまして、本年度でできるだけこれを完成したいということで、地方道に対する補助金を出すことにいたしております。私どもはそれ以外の、いわゆる標識令にきまっておりますところの標識を担当しているわけでございまして、これらの点については先ほど信号機あるいは道路標識の問題で関連いたしますように、必ずしも予算的な措置が十分でないというようなことから関連をいたしまして、あるいは御要望に沿えないというような点があったかと思いますが、確かに、おっしゃるような不分明な点もございますので、これらの点については関係者の間においてできるだけ協議をしてきめたい。なるべく責任のがれをしたくない。しかし先立つものは金でございますので、予算の点でやや不足の点があるというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/57
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058・秋山徳雄
○秋山委員 参議院のほうでもお待ちになっていると思いますので、あとの質問事項は後日に譲りまして、これで質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/58
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059・森田重次郎
○森田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04319640512/59
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