1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年五月二十一日(木曜日)
午前十時二十九分開議
出席委員
委員長 森田重次郎君
理事 田川 誠一君 理事 渡海元三郎君
理事 中島 茂妻君 理事 永田 亮一君
理事 藤田 義光君 理事 川村 継義君
理事 佐野 憲治君 理事 安井 吉典君
大石 八治君 奧野 誠亮君
亀山 孝一君 久保田円次君
登坂重次郎君 村山 達雄君
森下 元晴君 山崎 巖君
秋山 徳雄君 千葉 七郎君
華山 親義君 細谷 治嘉君
栗山 礼行君 門司 亮君
出席国務大臣
国 務 大 臣 赤澤 正道君
出席政府委員
警察庁長官 江口 俊男君
警 視 監
(警察庁交通局
長) 高橋 幹夫君
委員外の出席者
警 視 長
(警察庁交通局
交通企画課長) 宮崎 清文君
専 門 員 越村安太郎君
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五月十九日
地方公営企業等の財源措置に関する請願(篠田
弘作君紹介)(第三七三五号)
地方公共団体の財源充実に関する請願(唐澤俊
樹君紹介)(第三七五五号)
同(増田甲子七君紹介)(第三七九六号)
同(松平忠久君紹介)(第三七九七号)
同(小川平二君紹介)(第三八九八号)
同(下平正一君紹介)(第三八九九号)
同(中澤茂一君紹介)(第三九〇〇号)
同(原茂君紹介)(第三九六三号)
辺地対策事業債の増額に関する請願(唐澤俊樹
君紹介)(第三七五六号)
同(増田甲子七君紹介)(第三八〇〇号)
同(松平忠久君紹介)(第三八〇一号)
同(小川平二君紹介)(第三九〇一号)
同(下平正一君紹介)(第三九〇二号)
同(中澤茂一君紹介)(第三九〇三号)
同(原茂君紹介)(第三九六四号)
深夜喫茶、トルコ風呂、ヌードスタジオ、ボー
リング等の規制に関する請願外十二件(本島百
合子君紹介)(第三八四四号)
同(松山千惠子君紹介)(第四〇五三号)
固定資産税の評価制度改正に関する請願(福永
健司君外十二名紹介)(第三八六六号)
公衆浴場業に対する地方税免除に関する請願(
青木正君外一名紹介)(第三八九〇号)
同(岡崎英城君紹介)(第三八九一号)
人車左側通行統一に関する請願(廣瀬正雄君紹
介)(第三九九四号)
ボーリング場の開設及び営業制に関する請願(
長谷川正三君紹介)(第四〇一一号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出
第一三八号)(参議院送付)
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001・森田重次郎
○森田委員長 これより会議を開きます。
道路交通法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
質疑の通告がありますので、順次これを許します。細谷治嘉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/1
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002・細谷治嘉
○細谷委員 私はこの前、時間の関係で途中で切っておりますし、さらにその節お願いしました資料もありますので、それらについて若干質問したいと思います。
まず第一番に御質問したい点は交通信号機の設置の問題でございますが、三十九年度の設置予定数は五百二十という数でありまして、既設のものを加えますと、三十九年度末には四千三百九十二、こういうことになる見込みだということでありますが、お尋ねしたい点は、この信号機の単価が四十万円ということになっております。その四十万円の十分の五、二分の一の補助でありますから二十万円という予算掛買でございますが、実際にこの五百二十を立てる場合に、信号機の単価はどのくらいに見込まれておるのか、まずお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/2
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003・宮崎清文
○宮崎説明員 実際の信号機の単価でございますが、これは必ずしも統一はされておりません。メーカーによって多少違う面もあります。大体六十万ないし八十万、場合によっては百二十万というものもあります。これは組み合わせがいろいろございますので、それによってまた違うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/3
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004・細谷治嘉
○細谷委員 最低六十万、八十万、百二十万と、メーカーによって違うということでありますが、私の承知している範囲では八十万から百五十万くらいというのが実際でございます。そうなってまいりますと、二分の一の補助といいますけれども、一億四百万の予算措置でありますと実際は四分の一以下ということになります。これでは大いに問題があると思いますが、どういたされるつもりであるか。せんだっても申し上げたように、この負担のやり方、財産の帰属、そういう問題について地方財政法と非常に大きな関係があるわけであります。どういうふうにやっていくのか、現実に四十万でできないわけですからお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/4
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005・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 これは一応予算単価として、四十万という査定を大蔵省でされるわけでございます。私どもは予算単価の問題についてはいろいろ意見があるのでございますが、予算単価として五百二十基四十万という単価で予算要求をしたわけではないわけでありますが、四十万という査定であるわけであります。
そこで私どもは、もしも現実に交通信号機の単価が、いま企画課長から説明をしましたように高い場合におきましては、五百二十基という基数を減らすということもしなければならないという場合があるわけでございます。
もう一つは、この間もお答えいたしましたように、残りの部分につきましては府県の負担においてこれを設置する、こういうことになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/5
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006・細谷治嘉
○細谷委員 いま御答弁いただいたわけですけれども、問題点の第一は単価の四十万円で、事実はやはり八十万円は下るまいと思う。私が申し上げた八十万から百五十万というのは、大体三十六、七年くらいの単価から申し上げておるわけでありまして、そうなってまいりますと、五百二十という設置数——三十八年度の設置数も五百二十であります。端的に申し上げますと、五百二十というのかこの半分の二百六十程度ということになってまいります。そうなってまいりますと、この交通上の大きな問題というのが、信号機が半減したという問題から起こってくるわけであります。
それから第二に、そういう数からいって、簡単に交通局長はおっしゃいますけれども、減らすということになれば、これははっきりと半減するということであります。そういうことでいいのかどうかという問題があります。これはいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/6
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007・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 交通信号機の整備の目標といたしましては、いま申し上げたような数字でございますが、予算の都合によりまして、実際に設置できないという場合においては、それはやむを得ず次年度回しということになる場合もあります。しかし、先ほど申し上げましたように、どうしてもつくらなければならないといういろいろな優先順位というものを考慮いたしまして、優先順位の高いものから早く手をつけていくということにならざるを得ないのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/7
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008・細谷治嘉
○細谷委員 優先順位ということで荷いものからやらざるを得ないということでありますが、先ほどのおことばの中に、もう一つこれは逃げ道があるような感じがするのです。国が二分の一出したら県が二分の一出せばそれでできるわけであります。ところが県は従来の慣行といいますか、これは二分の一、二分の一ということになりますから、国が出した補助額と同額しか出さぬというのが従来の慣行であります。四十万のうち国が二十万円出したら県はその二十万円しか出さないということが慣行でございます。残りの負担−四十万が八十万になった、国からは二十万しか負担できぬということになりますと、県から六十万出すということは絶対にあり得ません。国が出したその同額というのが慣行で、その残りというものは全部地元の市町村なり交通協会等にかかってまいります。県のほうの継ぎ足しということもあるだろうという期待を持っていらっしゃるようでありますが、そう簡単なものではないということが現実の姿であります。そうなってまいりますと、五百二十というのが半減するということになりますと、優先問題で解決できるような交通信号機の今日の事情ではないのじゃないかと思います。端的に申し上げますと、八十万円ならば一億何がしの問題は、五百二十というものがはっきりそのままでなくとも、五百なら五百というものを消化できなければ、この三十九年度の交通政策は立たないのじゃないかと思います。一億なら一億というものを予備費なら予備費で、この計画の数は是が非でも獲得する、こういうたてまえがなければならぬと思いますが、どうされるのかを長官にお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/8
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009・江口俊男
○江口(俊)政府委員 交通信号機に限らず補助金の問題につきましては、非常な悩みがあることは御指摘のとおりでございまして、決してよいことではございませんけれども、ただいまおっしゃいましたような方法で、交通信号機についても従来やってきておるわけであります。だから今年の場合においても、きちんと二分の一いかなければ数が半減するかということになりますと、いろいろな努力をしてそういうことにならないように、五百二十なら五百、一十という目標に近いように努力したと思いますが、なお将来におきましては、私も交通の問題は、単に警官を増員するだけではいかぬことは十分承知しておりますので、今後はそういう物的な面に重点を置いて努力をいたしていきたい、こういう考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/9
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010・細谷治嘉
○細谷委員 今年はオリンピックの年です。交通問題というものは日本では非常に大きな問題等も含めて世界の注目を集めておるのじゃないかと思います。その際に、いま長官は前向きの方向で努力するということでありますが、数字がはっきりしておるわけです。五百二十が半分しかできない。これは警察庁のほうではそうお考えにならないかもしれませんが、地元の市町村なり関係者等は、普通の人が言ったのと違うんですよ。警察の人が信号機をつけるから、ひとつ四十万足りないのだから出してくれと言われますと、同じ普通の人がことばを使っても、警察官が言ったことばはやはり強制的になるんですよ。そういう点で法を守る第一線にある警察のこういう問題について、しかも交通問題というものは、現在の警察の中でも一つの重点的な問題になっておるとするならば、この問題についてすっきりと、いろいろありますが、たとえば警察の職員の宿舎をどうするのかという大きい問題があります。派出の問題をどうするのかという問題があります。その中においてもこの問題は、交通重点ということであるならば、わずか一億程度のものならば、きちっとすれば、地元の負担、地方財政のそういう議論も地方議会等で起こらないで済むわけであります。たとえば五百二十というのがあるいは五百ということはあり得るかもしれません。二百に半減なんということはこれはとても考えられぬことでありますから、たとえば予備費等をもって、特にオリンピックの年でありますから、そういう形で具体的にこの計画を消化するというかまえ、決意というものをひとつ重ねてお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/10
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011・江口俊男
○江口(俊)政府委員 予備費をいまから要求して、足らないところところをまかなっていくということについては、技術的にもお約束できませんけれども、強制にわたらないやり方において、従来も非常に困難ではあるけれどもやってまいっておるのでありますから、ことしはこれで何とか目標の数を達成できるように努力をして、さらに不合理な点はおっしゃるとおりでございますから、将来、将来というよりも一番近い将来において重点をきちっとしたやり方というものに置くように努力したい、こういうお答えしか現在においてはできないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/11
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012・細谷治嘉
○細谷委員 少しくどいようでありますけれども、ひとつ決意をお尋ねします。これは警察のほうからこういう信号機をここに設置するので何とかならぬものかと言うことは、実質的な要件を持ってまいりますから、警察のほうからはこうしてほしいという意思表示は絶対にしない、地元のほうから自主的に協力するということならばこれは別として、警察のほうからはこの信号機の負担については絶対にちょっかいをかけない、話し合いを持ち込まぬというお約束はできますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/12
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013・江口俊男
○江口(俊)政府委員 ああいう場合、足らぬ場合を補てんするという場合に、現状においてどちらから話を持っていっているかということを調べられると一言にしては言えないと思いますけれども、私の経験した限りにおきましては、地元の人は、ここに継ぎ足しまでして置く必要はないと思うようなところに、警察が無理やりにというか、半ば強制的にここに置きたい、しかも金が足らぬから地元から出せ、こういう行き力は少なくともない、こういうように考えますので、どちらから言い出すということは別として、私は合意がスムーズにできているものだと思いますが、いまおっしゃったような弊害、かりに地元は要らないと言うのに警察が無理やりにつけ、しかもその足らぬ場合は負担させるというようなことはないように指導するということは確言できます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/13
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014・細谷治嘉
○細谷委員 どこに設置するかということは、交通量なりあるいはそこの周囲のいろいろな要件、こういうものからいって個所を決定するわけですけれども、たとえば地元のほうとしては交通量をとってみますとそこが必要かもしれぬけれども、実際の交通の危険性からいくとここがいいのだという意見の問題もありましょう。その場合にこちらのほうは八十万でできますけれども、市町村の意見を入れていくとそれが百万円でできる。その場合に二十万円をひとつ出しましょうという合意なら、私は筋が通るのじゃないかと思いますけれども、そうではなくて、てんからこれを予算が示すようにそのままやるともう四分の一以下になる、そういう予算措置はこれはもうやはりいたずらに地方財政を混乱に導く、また地方財政法の精神にももとったのじゃないかと思うので、長官からそちらのほうから働きかけるということは、たてまえとしてやらぬというおことばを聞きましたから、ひとつぜひそういうことで進めていただきたい、こう思います。
次にお尋ねしたいことは、私はせんだって国鉄の朝のラッシュ時における状況を見たわけです。大体において国鉄の人たち、運転士、機関士は、三十秒に一個ずつ信号を見ていかぬと運転ができない。三十秒に一個ずつ信号を見るということは、三時間とか四時間とか運転する場合には、これはもう人間の能力をこえた問題だろうと私は思うのです。ところが、汽車のほうは軌道に乗っていくのです。道路が軌道に乗っておりますからはっきりしておる。自動車というのはそうじゃないのです。そうなってまいりますと、いまの状況から見ますと、おそらく三十秒に一個どころではないのではないか、こう思うのです。しかもそういう運転手の状況を見ますと、二十四時間勤務という形で非常に睡眠不足を生じておるのです。破れかぶれの精神状態と言うと少しおかしいのですが、非常に注意力が正常でない状態において運転しているケースが非常に多いのじゃないかと私は思うのです。そういう中において、ただ罰則万能主議でいくという方法が、基本的に正しいかどうかという気がいたしますが、これについてお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/14
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015・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 御指摘のように、確かに運転者が正常な状況で車両を運転するということは理想的な状況であります。したがいまして、私どもも道交法の中にいわゆる運行管理の適正という問題を取り上げておるわけであります。したがってたとえばハイヤー・タクシーあるいは路線バス、路線トラック等におきまして、過労による運転の誤りのないように、運行管理の適正化ということで、管理者に対する指導取り締りということにも重点を置いておるわけであります。したがって、運転者のみを罰するということではなくて、その根源であるところのいわゆる運行管理態勢というものにメスを加えていくという方向で、従来とも努力しておるわけであります。もちろん私どもは、罰則のみで正常な運転を確保するというような一面的な考え方は持っておりません。しかしながら、やはり一つの交通秩序を維持するためには、不法なる運転をする者も数多くあるわけでありますから、それらの者に対する罰則の適用ということも、これは私どもの交通取り締まりを担当する警察として当然のことでございますが、それ以外のただいま御指摘のような面につきましては関係省庁とも協議し、あるいは私どもの許す法規の範囲内において、いわゆる運行管理の適正のための指導取り締まりということもやっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/15
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016・細谷治嘉
○細谷委員 最低の仮眠時間はどの程度とるべきだということでやらしておるのですか。大体において仮眠時間は五時間、そういうことで指導しておるように承っておるのですが、実際問題としては三時間くらいの人が半分以上、三時間ないし四時間というのが四割。九割というものは五時間以下のように私は伺っておるのです。この辺に問題がないかと思いますが、実際はいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/16
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017・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 これらの点については、私どもよりはむしろ運輸省当局のほうが、それらの実態について正確な資料を持っておると思います。またそうであると思いますが、私どもやはりハイ・タク等の運転者の状況をいろいろ調べてみますと、そういう点についてのいわゆる配慮必ずしも十分でないというふうに承知いたしておりますので、運輸省等ともできるだけ協力いたしまして、そういう業界の指導と言いますか、企業の体質改善というような点についても私ども事故防止の立場からいろいろ要望をいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/17
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018・細谷治嘉
○細谷委員 五時間程度の仮眠というのが、実態はいま申し上げたような状態であるようでありまして、こういうことが非常に事故の原因になっているかと思いますので、とにかく十分とは言いませんけれども、最低限度の仮眠時間を与えなければならぬ、そういう問題が、いろいろな労働条件にも関連してくるかと思いますけれども、一番大切な点であると思いますので、その辺の指導については、ひとつ十全を期していただきたい、こう私は思います。
次に私がお尋ねしたい点は、今度の法改正等で、いろいろな問題が変わってくるわけでありますけれども、どうも私どもしろうとが問題を見ておりまして、ダンプカーの事故というのがきわめて大きな事故を起こしておると思います。端的に申し上げますと、陸上においては、汽車やレールを走っている電車を除きますと、ダンプカーが一番強いわけですね。ですから、これは端的にいいますと、横行をしておるという状態もあろうと思うのです。残念ながらそのダンプカーの運転手というのは、この法律によりますと、八十八条で、十八歳以上であればよろしいわけですね。そこに年齢的な不安定さ、あるいは経験の不十分さ、こういうものがございます。そういうものについては、たとえば一級の免許、あるいは二級の免許ということでありますが、その辺に今日の大きな事故というのが、ダンプカーによって引き起こされている例が非常に多いというのでありますから、私は端的にいいますと、一番安定した年齢と、一番技術の熟練した人をダンプカーに乗せることこそが交通安全上大切じゃないかということをしろうと考えで思っているのです。ただ法一点ばりで、この免許を持っているからということだけでは済まされない問題があると思いますが、この点についていかがお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/18
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019・宮崎清文
○宮崎説明員 局長が答弁いたします前に、御指摘になりました事実が若干異なっているように思われますので、ちょっと御説明申し上げたいと思いますが、ただいま現行の法律のもとにおきましては、一定の大型自動車につき産しては、一種免許を持っております者でも、二十一歳に満たなければ運転することができないという規定がございます。これは法律の八十五条の三項に規定がございまして、その一定の大型自動車の中身は政令できまっております。これはどういう自動車かと申しますと、「車両総重量が一万一千キログラム以上のもの、最大積載重量が六千五百キログラム以上のもの又は乗車定員が三十人以上のもの」大体大型トラック、大型バスがこれに該当いたします。第二が、「砂利、砕石、上文はレデイミクストコンクリートの運搬を業とする者がその運搬の用に供しているもの」したがいまして、ダンプカーは大部分は大型自動車に入ることになりますので、現行法のもとにおきましても、二十一歳未満の者は運転することができないことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/19
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020・細谷治嘉
○細谷委員 二十一歳ということでありますが、十八歳も二十一歳もあまり変わらぬと思う、年齢的に言うと。そうなってくると、どうもやはり自動車の事故を見ますと、二十代の人が多いのです。そして比較的熟練といいますか、実歴年数が乏しい人が多い。端的に申し上げますと、一番強い車に一番未経験な人、一番賃金の安い人が乗っている。そこに事故の大きな原因があると思うのです。これについて何らかの前向きの具体的な体制をとる必要があるんじゃないかと思いますが、お考えございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/20
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021・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 確かに御意見は、私ども前々からそういう点についていろいろ考えておったところでございます。ただしかし問題は、ダンプカーの業態というものが、現存の段階においては、いわゆる大きな建設会社に所属しておりますところのダンプカーというものは、やはり運行管理の適正、あるいはいろいろな待遇等においてわりあいアップをしておるということで、事故の比率から見ますと非常に少ないのでございます。ただしかし問題は、よく問題を起こすダンプカーは個人で車を買って、ある程度頭金を出して車を買って、それで個人的な営業をなしているという形態が非常に多いのでございます。その場合において、どうしてもかせがなければならないというようなことから、ややもするとただいま御指摘になったような運転の乱暴な点、あるいはノルマに追われるといいますか、そういうような点が出てくるわけでございます。そこで、これらの問題については、いかにしたら事故防止ができるか、正常な運転ができるかという点についていろいろ私ども考えておるわけでありますが、いま申し上げたような形態をそれじゃ抜本的に押えることが可能かどうかというような問題もあるわけでございまして、確かに御指摘のように、年齢を上げて、正常な運転をするような、円熟した運転技術と年齢の者が運転することが望ましいのでありますが、それについてはいろいろと私どもとして現在検討しておると申し上げますか、いろいろと私どもとしての立場から考えておるわけでございます。まだ具体的な成案を得ていないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/21
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022・細谷治嘉
○細谷委員 大きな会社等に使っておるダンプカーについてはあまり問題がない、問題は個人のダンプカーにあるんだ、こういうおことばでありますが、私どもの聞いておる範囲では、最近たとえば汽車と衝突する、ああいういろいろな事故を起こす、こういうことになりますと、いろいろな損害賠償というような問題がありますので、大きな会社等も、事実上はダンプカーが大きな会社のものであるにかかわらず、個人名義にして、そういう賠償の際に個人でありますから支払い能力がない、こういう形にしておるケースが非常に多い、こういうふうに聞いております。端的に申しまして、個人個人と言っておりますけれども、その実はやはり相当の会社の市である、そういうケースも多いということを聞いております。こういう事実を御存じかどうか。
それからもう一つは、個人ということであれば、個人タクシーの場合には十五ヶ年間は無事故というようなことが一つの資格条件になっております今日の趨勢から、事故の件数という問題じゃなくて、事故の質そのものか、ダンプカーが非常に大きな事故を起こしておるわけです。そういう点で、もっと具体的なこれについての対策を講ずべきじゃないか。重ねてお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/22
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023・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 確かにダンプカーに対する問題は御指摘のとおりだと思いますが、ただ、個人の形態で大会社がやっているということが非常に多数あるという御指摘ですが、私どもはそんなに多数あるとは思っておりません。むしろ、実際国道四号線とかあるいはその他の面でいろいろ実態を調査してみますと、中小企業以下の段階におけるところの問題が非常に多い。もとよりそれは先ほど御指摘申し上げたように、企業の経営のやり力とかあるいはノルマ、あるいはトンボ返り運転しなければ正当な賃金が得られないというところにも問題があるわけでございまして、そういう点については総合的な対策を関係省庁と講じて、いま御指摘のように、確かにそういう営業形態に対する規制の方法については、われわれとしても今後なお検討いたしたい。具体体的な効果的な対策ができれば、私どもは喜んでそういうものに踏み切っていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/23
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024・細谷治嘉
○細谷委員 重ねてでありますけれども、私はこれは要望にとどめますが、単に法律により二十一歳ということではなくて、私が申し上げた個人タクシーの場合は、十年とか十五年以上無事故でなければ個人タクシーをやれない、こういうことを講じておる点からいっても、たとえばダンプカーをやるにしても、そういう年齢の問題、あるいは五年なら五年、十年なら十年実歴があって無事故であったというような、何らかの条件をつけてやることが、大きな事故を防ぐきわめて重要なかぎではないかと思うのです。ぜひこの点については御検討をいただきたいと思います。
次に、飛び飛びになりますけれども、追い越しの問題です。トラックが前を走っておる。それからうしろのほうから普通のハイヤーが追い越すということはあると思うのです。トラックか、ダンプカーとダンプカーが並んで追い越すということになりますと、一般的に二級国道あたりになりますと、センターラインを完全にはみ出して——一般の二級国道といいますと、有効幅員は八メートル程度でしょう。あるいは舖装面積は七メートル幅員くらいのがあるでしょう。そうなってまいりますと、これは事故の非常に大きな原因になります。いわゆる一車線、一車体といいますか、そういう状態でありますので、この追い越しについてどういう制限があるのかお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/24
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025・宮崎清文
○宮崎説明員 ただいま御設問になりましたような道路でございますと、行法におきましては、センターラインから右側にはみ出しまして追い越しが可能ということになっております。ただし、その場合の条件といたしましては、その右側部分が十分に見通すことができて、なおかつ対向車と衝突するような危険が全然ない、対向車の交通を妨害するおるそれがない、この二つの条件を満たしている場合に限りセンターラインの右側にはみ出しまして追い越しすることかできる、こういう規定になっております。したがいまして、それ以外の場合に無理に追い越しをいたすとすれば、それは一応十七条の法規に違反する。したがいまして、警察といたしましては、そういうものは厳重に取り締まるということを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/25
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026・細谷治嘉
○細谷委員 四、五日前に神奈川県下でこういう交通問題をやっておる白バイの警官が追い越そうとして、向こうからきた車にやられて即死しておりますね。実際問題として、二級国道となりますと、三車体とか四車体あるところなら別ですけれども、二級国道程度になりますと——一級国道でも普通のいなかにあるのは同じですが、もうトラックとトラックが並んだりすれ違ったらバイクも走れない。そういうところにおいて向こうのほうからこなければいいということは、それはそうでしょう。そうだけれども、事故が起こっているのです。端的に言いますと、抜くときは相当の速度を出しましょう。速度の差なんですからね。時間がずいぶんかかるわけですよ。速度の差でしか追い越せないわけですから、時間がずいぶんかかります。そういうところに事故が起こります。そして前の単が追い越されようとしたときは道を譲らなければならぬ。私は実はそういうトラックが並んできて、前の車が追い越されようとする瞬間に譲ったために、ちょうど橋の柱アバットの柱にぶつかって、左後輪がとられ、ブレーキもとられてよたよたになって、右に入ってきてガチャンと自動車がぶつかったというのを和みずから経験しているわけです。とにかく非常に幅の広い、道の全部をふさぐようなものが追い越すというところは、追い越し禁止区域等にしたほうが——しかも同種の車で、トラックだ。そういう場合には追い越し禁止にしたほうが安全ではないかと思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/26
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027・宮崎清文
○宮崎説明員 現行法におきましても、公安委員会が特に道路の状況、交通の状況からみまして、追い越しが非常に危険であると思われる場所につきましては、追い越しの禁止指定をすることになっております。したがいまして、御指摘のような道路につきまして、それがあらゆる場合に追い越しが危険であるということになりますれば、おそらく当該公安委員会はそのような規定を立てられると思われます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/27
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028・細谷治嘉
○細谷委員 そういう個所は、私ども知っている範囲では非常にわずかです。端的に言いますと、トラックが走っていきます。魚市場のトラックなんか走っていくと、魚市場のトラックは非常に大きい。歩いている人間もたんぼに入らなければいられないようなものすごい勢いで走っていく。ですから、いなかにいくと、端的に言うと、道路が舗装になってりっぱになった。ところが、その周辺には犬一匹もいなくなった、このように人間が危険にさらされている。トラックがそういうところで追い越すことを禁止することは、何もそう時間がかからないわけですから、事故を未然に防ぐ非常に大きなきめ手になるではないかと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/28
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029・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 確かに御指摘のとおりでして、私どもは、今後重点を置いて考えていかなければならぬのは、いわゆる交通規制の問題であります。各地方においては、交通規制に対する研究その他が必ずしも十分でない場合があり、ともすれば速度制限にたよりがちであるという点がございます。そこで、追い越し禁止であるとか、あるいは駐停車禁止とか、そういうような総合的な交通規制をかけることによって交通事故の防止をはかるということは、まさに御指摘のとおりでございますので、そういう方向で、二級国道なりあるいは一級国道において、道路の幅員が必ずしも広くないようなところにおいては、追い越し禁止の場所を指定しまして追い越しの禁止をするということをやっております。また、具体的には、取り締まりの実効を確保するために、パトロールカーの運用をはかってその追い越しをなくしていくという努力をしなければならない、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/29
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030・細谷治嘉
○細谷委員 いまのおことばにもありましたように、普通の道での速度制限というのはどうも常識じゃないじゃないか。速度制限があるかと思うと、そういう追い越しがある。そういう点に非常にアンバランスがあるではないか。端的に言いますと、場所は申し上げませんけれども、ある県からある県のとっさきを走ってAの県に入る。Aの県からBの県に入ってまたAの県に入るといった場合、Aの県とBの県では制限が違う。国道一本です。そうすると、わず四、五キロのところを通っている間に、A県の年間の罰金が八百万円から一千万円ある。よい財源だと運転手は言ております。そういうところに私はやはり大きな問題があるのではないかと思うのです。その点は、幅の広いダンプカーがダンプカーを追い越すところに問題があるので、こういうのは四十キロなら四十キロで走っていけば目的地へ着くのだから、十分かそこらの時間を見ておけばよいと思う。そういう点についてやはり規制をするのが私はよいと思います。これは十分検討をしていただきたいと思います。
次にお尋ねをしたい点は、酒を飲んで運転するということです。これは政令で酔っぱらいの程度をきめるというのですが、酔っぱらいの程度というのは、血液中のアルコールの濃度ということで測定されると思うのですが、人によって強い弱いがあり、一体どういうことできめるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/30
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031・宮崎清文
○宮崎説明員 この政令で規定しております血液中あるいは呼気中のアルコールの濃度と申しますのは、これはいわゆる酒気運転と申しまして、酒を多少飲んだ場合の測定の基準を規定しているわけでございます。御承知と思いますが、現在の道路交通法におきましては、多少酒を飲んだ程度で車を運転いたしましても、直ちに罰則がかかることにはなっておりません。ある程度飲みまして、いわゆる酔っぱらいと申しますか、正常な運転ができなくなるおそれがあった場合に運転をしておりますと、そういう処罰の対象になります。ただ、酒気を帯びて他の交通違反をいたしました場合には、その酒気を帯びておりましたことによってそれぞれの罰則が加重される、こういう仕組みになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/31
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032・細谷治嘉
○細谷委員 そのことばでは一体何を聞いたかわからない。正常な運転は、酒を飲んで、たとえばビールを一コップ飲んだ、酔っぱらっておらぬですよ。酔っぱらっておらぬけれども、人によっては、ある程度走っていきますと眠けがさしてきますよ。酒を飲んで目がさえる人もあるでしょうけれども、多くの場合は酒は、ビールでも入ったら眠くなる。現実に、二級国道なら二級国道、二級国道なら一級国道のくの字なりに曲がっているかどの店あたりになりますと、こっちから行ったのもこっちから行ったのもみんな酔っぱらい運転ですよ。酒を飲んだら車を運転できぬということをきちんと規定したらどうですか、アルコールが一滴でも入ったら。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/32
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033・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 この問題につきましては、従来ともにいま御指摘のように、もうはっきりとどんぴしゃにやる方法が私どもの取り締まりの立場から言えば一番いいわけでございます。そういう点では、アメリカ等の立法の例はそのものずばりでやっておるわけでございます。それらの点について、私どもも今回いろいろ検討をいたしたわけでございますが、やはり関係省庁との間のいろいろな問題等についてのあれもございまして、いま御指摘のような点にまで踏み切れなかったということでございますが、将来に対しては、いま申し上げたような点について、立証上容易なようにしていくという方向で検討をしていきたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/33
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034・細谷治嘉
○細谷委員 六十五条を見ますと、「何人も、酒気を帯びて(身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあることをいう。以下同じ。)、車両等を運転してはならない。」アメリカはきちんとやっておる。いまのほんとうにまじめな運転手さんは、お昼ならお昼、晩なら晩に、ちょっとビール一ぱい飲まんかと言っても絶対飲みませんと言っております。ところがそういう問題は、運転手よりも自家用で走っている人に、かなり飲んで走っている人がおります。何のことはない、舗装道路を眠って走っておる。まっすぐにいきますから、私が言うくの字なりのところに行きますと——くの字なりの曲がりのかどで、私はこの目で見ております。私が通った直後にその川へぶつかった。二、三日しましたら、今度は向こうから来た。くの字なりのかどの店は完全に吹っ飛ばされた。みんな眠っているのです。事故を起こしました。起こしたところが、病院か何かに行ってアルコールがあるかないかを測定するというのです。ほんとうは眠っておったのですよ。酒を飲んで眠っておる。そういうことについて、この罰則規定が適用されたということを聞かぬのであります。酒を飲んだらだめなんだとぴしゃっとやられたほうがいい。事故の統計を見ても、酒気を帯びた運転というのが圧倒的に事故を起こしているのです。アメリカもやっているが、アメリカのまねでなくてぴしゃっと、どんぴしゃにやられたらどうですか。政令できめても、酒に酔った程度というのは人によって違いますからね。政令できめるとか何とかいってもこれはだめです。しかもその酔った程度というのが違うばかりでなく、人によって眠けをさす人とそうでない人がおるので、これはやはりきちんとやられたほうがいいのじゃないかと思います。長官、お尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/34
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035・江口俊男
○江口(俊)政府委員 政令できめている内容については、必要でございますれば後ほどお答えいたしますが、私もただいまおっしゃったようなお考えには全く賛成でございます。できればぴしゃっと、酒を飲んだら運転できないというふうにすることにおいては、その意欲はございます。しかし現在の実情からいって、そこまでやるのはいかがかという意見が多くて、こういう案になっております。酒気帯び運転、いわゆる酒を一定量以上飲んでいるということが、はっきり政令できめた限度のことがわかるものについては、ただいま企画課長が申しましたように、そのこと自身では罰則はございませんが、いまおっしゃったような例、たとえばくの字なりのところで眠っておってぶつけたというような事故が起きました場合には、酒を飲まずに起こした事故の場合と違って、その場合の科罰を加重するというたてまえをとっているわけでございます。そのときに調べて、酒の量が一定量なかったということで加重されないというようなことが、場合によってはあるかもしれませんけれども、事実上はほとんど酒に酔って事故を起こしたというような場合には、政令に当てはまるようでありますから、同じ事故を起こしても罰は重い罰を受けている、こういうようないまの仕組みでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/35
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036・細谷治嘉
○細谷委員 道路交通法の第一条の目的を見ますと「この法律は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図ることを目的とする。」この目的を達するためには、現実に統計が示しているとおり、また危険なことは事実でありまして、酒気を帯びるということは科学的に測定することはできないわけですから、アルコールが入ったらだめなんだというところまで断を下さなければだめだと思うのです。いろいろな事情があったというのですけれども、断を下したらいかがですか。罰則を一年以下とか五万円とか上げただけでなく、その点を完全に払いのけるということ、政令できめるのではなくて、酒を飲んだら何時間かだめなんだ、こういうようにおきめになったほうが第一条の目的を達成するゆえんでないかと私は思います。いかがですか、長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/36
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037・江口俊男
○江口(俊)政府委員 私も大多数の世論でそういうことになることを希望いたします。ただ、酒を飲んで一定時間たってというても、これは体質で違うし、飲んだ量でも違うと思いますから、どこかでやはり立証しなければならぬということになると、アルコールが血液内にゼロでなければいかぬということにすれば一番はっきりしますけれども、そうでないとすれば政令か何かで基準をきめておかぬと、きのう飲んだやつでもけさまで残るものもございましょうし、けさ飲んだやつでも微量であればお昼ごろはないというものもありましょうし、何か基準がないといけないと思いますから、御主張になる方向については私も大賛成なんですが、法律としてはこういうふうな書き方をする以外にないのではなかろうかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/37
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038・細谷治嘉
○細谷委員 アルコールというのは血液の中に二十四時間くらい残っている。二十四時間過ぎたらなくなるという、そういう医学的な根拠もあるので、やれないということはありません。少しくどいようでありますが、そういう根拠に基づいて、たとえば夕方飲んだら翌朝までできぬというくらいに断を下されることが、私はこの法律の第一条の目的を達成するゆえんじゃないかと思います。ひとつこの辺で断を下しませんと、こんな法律をつくったって、その根本的な問題に触れないでその辺で妥協しておっては、法の目的を達成できないのではないかと思います。
次に御質問いたしたい点でございますが、昨日の新聞に「交通警官ら三人逮捕、ニセ免許を作って売る」という記事が出ております。しかもこれは、それをやる担当の警官であります。この内容をひとつ教えていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/38
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039・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 新聞紙に報道されました点につきまして、現在、私どものところに警視庁から報告の参っておる点について御説明申し上げます。
この問題は、自動車試験場の鮫洲支所に勤務しておりますところの福本——これは一般職員で警察官ではございません。渉外事務を担当している者でございます。この者が、外国免許に関する事務を担当しておるわけでございますが、その者の問題と、それからもう一つは、警視庁第一交通機動警ら隊に所属しておりまして現存墨田の分室に派遣勤務をされておりますところの巡査本間正男という者が関係をいたしております。さらにそれらの警察官並びに警察職員にいわゆる贈賄をいたしまして、不正なる免許の取得のあっせんをいたしておりました今井昭次、あるいは木部某という女性、これらの者につきましては、いずれも逮捕いたしまして現在調べております。
その内密を申し上げますと、外国の運転免許証を持っておる場合におきましては、道交法に定められておりますように、国内の免許を取得する場合におきましては、技能試験と法規試験が免除になりまして、適性検査を受けて国内の免許を取得できるということになっておるわけでございます。その点の一つの盲点をつきまして、この福本に対していろいろな働きかけをいたししまして、外国運転免許証それ自体を偽造した場合もございますし、その偽造した外国運転免許証に基づいて、福本はそれを承知しながら国内の免許証を出しておった、こういう事例でございます。
なお、どのくらいの件数を出しておったかというような点につきましては現在捜査を続行いたしておりますので、まだどのくらいのものになるかという点については、いまここで申し上げるわけにはいきませんが、十数件あるのではないだろうかというふうに現在考えております。この点につきましては、不正手続が行なわれるような免許証の管理のやり方については、一応警視庁においてもいろいろ検討しておりまして、有効なる事故防止対策という点については、直ちに委員会等をつくりまして是正の措置をとるというふうにいたしております。
なお、これら警察の職員につきましては、いずれも懲戒免職の措置をとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/39
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040・細谷治嘉
○細谷委員 新聞によりますと、五年前ハワイで免許証を取った男が切りかえないで運転しておった。それを警察官が教えてやった。そして警察官なり事務官同士がぐるになってやった。その事件が昨年春から今日まで四件で、一件についてその警察官と警察のそれをやっている担当官は一万五千円ずつとった、張本人であるそのあっせん者というのはどうも十五万円くらいもらっておった、こういうふうに新聞では書いております。しかもこの警察官が、警視庁においては非常にまじめな勤務ぶりだった、こういうふうに書いてある。今度の法律改正は条約に基づいて、国際免許についての措置があるいは緩和される。そのまま一年間はいい。こういうやさきに、事もあろうに担当の警察官がぐるになってこれをやったということは大問題であると思うのです。いまおことばの中に、そういうことが起こらぬように機構上の問題についても対処するということでありますけれども、これは非常にたいへんな問題、しかも新聞では四件、そのほかに余罪がある見込みとして追及をしているということであります。いまのおことばは十数件、一件について十五万円というのでありますから、ばく大な金をとって不正を働いておった。それを全部警察官がぐるになって参画しておったということになりますと、これはたいへんな問題だと思うのでありますが、長官の所見をお聞きいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/40
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041・江口俊男
○江口(俊)政府委員 おっしゃるとおりたいへんな問題でございまして、まことに遺憾のきわみでございます。具体の問題については、ただいま交通局長からお答えいたしましたとおり、厳正に追及している段階でございますから、いずれ全体の様相がわかるものだと考えております。
今度の警視庁の事件のみならず、恥を申し上げますというと、この免許のことにつきましては、ほかの府県におきましても、ときどきというか、間々こういう間違ったことが起こるのでございまして、これをどうすれば防止できるかということは、りっぱな人間をとり、これを育てるということが第一義ではございましょうけれども、この手続の点、管理の点、いやしくも間違いを起こさないというようなやり方を鋭意検討中でございまするから、免許制度自身について、将来は多少欲の出るようなばか者にしても、自分ではどうもなならぬというような防止できる体制というものをつくらなければ——今度の事件が遺憾でありますることは言うまでもございませんけれども、将来においてこの種の事件の絶無を期するということにつきましてはわれわれとしてもなお一そうの検討をしていかなければならぬ、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/41
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042・細谷治嘉
○細谷委員 今度の事件にかんがみてということでありますが、いま長官のおことばにもございましたように、これはきのうの新聞に出た最近の問題でありますけれども、よく新聞に載りますように、自動車の教習所の教官が免許を取るために不正をやった。教官自体が技術試験のかえ三になって行った、こういうようないまわしい事件が起こっておる。そういうことでありますから、三十四国会において、衆議院においては附帯決議として、「自動車教習所の指定基準の設定については、その規模、要員の資格要件、教習の内容等をとくに考慮して適正な基準を確立し、積極的に自動車教習所の質的向上を図ること。」という附帯決議がなされておりますし、参議院においては、「自動車教習所の指定基準を確立強化して運転免許の適正を期すること。」こういうことが特に附帯決議として両院でなされております。三十四国会の話です。ところが、これからということでありますけれども、現実に相当の警官がこういうことをやっている。教習所については新聞に書いてあるように、いまわしい事件が数々、ということばは適切ではありませんが、しばしば新聞紙上をにぎわしておる。由々しい問題だと思います。今後という問題ではなく、やはりこの決議が十分に尊重されてやっておらないのではないかという一つの証拠ではないかと思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/42
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043・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 そういうことではございませんで、免許事務というものについて警察庁の体制その他各府県の体制、必ずしも十分でなかったということで、御承知のとおり昨年交通局に免許課というものをつくりまして再任の免許課長を置き、さらに今年度の予算におきまして五人の国家公務員の増員をいたしたわけでございます。そうして、いわゆる教習所の監督、試験のやり方等につきましてそれぞれ適正妥当な方法を講じたいということで現在努力をいたしておる次第でございます。特にいま御指摘になりました教習所の問題につきましては、教習所のいわゆる人的な内容を強化しなければならないということで、法律の改正を要しないでいわゆる政令以下の段階でできる面が相当数多くございますので、今回の法律が通りまして所要の政令をつくる機会に、教習所の監督に対する政令以下の段階における法体制を整備いたしまして、いわゆる教習所の人的な内容の強化という面をはかって、いま御指摘のような問題の発生しないようにいたしたい。近く、この七月に全国の運転免許担当の課長を集めまして、いま申し上げたような点について具体的な指示をいたしたい、こういうふうに思っておったやさきでございますので、それらの点につきまして衆参両院の附帯決議の実行につきましては、私どもできる限りの努力をいたしておる次第でございますが、いまだ足らざる点もあるかと思いますが、今後ともに十分努力をして、この種の事故の絶滅を期していきたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/43
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044・細谷治嘉
○細谷委員 この附帯決議は軽視したということではないということでありますけれども、おそらくそうでしょう。私は軽視するなんということはないと思います。けれども、あえて両院でこの問題を取り上げて——ところがその後やはり教習所の教官が技術試験のかえ玉になって行ったり、あるいはそこに贈収賄という問題が起こったり、当の警官がこういうものにぐるになって参画したりしたということになりますと、幹部としてはそういうことになっておったけれども、下部末端までそういう空気というものが徹底しておらなかったんだというそしりはやはり免れないのじゃないかと私は思うのです。これもやはり道路交通法がざる法にならない重要なポイントではないかと私は思うのです。特に両院がそういうことをおそれてやったにかかわらず、こういう事故が起こったということに思いをいたして、ひとつ実があがるようにお願いしなければならぬじゃないかと私は思います。
次にお尋ねいたしたいことは、私は歩車道の境がある歩道をよく通りますけれども、いろんなことについてはあれこれと非常にやかましくいいますが、商店等が歩道をかなり占用している段階においてあまりやかましくおっしゃらぬ。いろんな関係があるでしょう。これは一体どういうことなんでしょう。そういうことはないとおっしゃるかもしれませんけれども、現実には歩道の半分くらいを商店の品物で占めている場合もあります。一向警察官は——これは道路管理者の責任だということになるかもしれませんけれども、道路交通法にあります。こういう問題も大切だと思いますが、今後どういう対策を講ずるつもりか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/44
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045・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 いわゆる道路不正使用の問題につきましては、いつも私ども道路不正使用のないようにということで第一線の警察の取り締まりの対象にしているわけでございますが、まあ率直に申し上げまして、確かに御指摘のとおり、最近は事故防止という点に重点がいき過ぎて、いわゆる不正使用の取り締まりという点についてやや欠けるものがあると思います。そこで先般の交通安全運動の機会におきましても、一つの項目として、道路の不正使用の取り締まりをやるということを、私ども、第一線に指示しておる次第でございますが、何といっても、外勤の警察官がパトロールした際に、よく注意をし指導をして、なるべくいまのような事実のないようにしていかなければならないというふうに考えておりますが、今後ともにそういう点については特別な取り締まりをいたすとか、あるいは平素の警察官のパトロールなりあるいはその他の勤務を通じて具体的にそういうことのないようにやっていきたい。ただしかしこれはややハエを追うような傾向がありまして、たんねんにやっていかなければならないという点もあるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/45
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046・細谷治嘉
○細谷委員 青空ガレージということばがございますが、これも道路交通上非常な大きな問題だと思います。一車体、二車体、三車体とあった場合、車道の歩道に面したL型側溝ならし型側溝に、ずらっと車が置かれております。これは一体どうなさるおつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/46
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047・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 これらの問題につきましては、道交法に定める駐車規制といいますか交通規制で駐停車禁止の措置をとる反面、御承知の車庫規制法という法律によりまして青空駐車というものについての規制があるわけでございます。そこで私どもは、今回の政令の改正によりまして、車庫規制法の規制すべき区域を拡大いたしまして、三十万以上の都市について車庫規制法を適用する、これを八月一日から施行するようになっております。さらに将来は十万以上の都市、さらには全部の都市にそういう車庫規制法を適用したい、こういうふうに考えておりますが、これらの具体的な取り締まりの問題ということについては、いろいろと技術的な問題があるので、あるいは十分でない場合もございますが、私どもといたしましては、車庫規制法に基づくところの取り締まりあるいは道交法に基づく駐停車禁止の規制ということで、いまの御指摘のような点については対処をいたしていきたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/47
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048・細谷治嘉
○細谷委員 車庫規制法等で青空ガレージを阻止する、その基準は三十万以上の都市ということでございますが、一体人口と道路交通というものはどういう関係があるのですか。たとえば道路の状態によって、二級国道以上はいかぬとかあるいは主要府県道のうちの幹線道路はいかぬとか、こういうことならわかりますけれども、三十万という線を引いて、人口と道路交通上の問題というものは何も関係ないでしょう。そういうとこで、たとえば人口二十万、十万の都市へ行ってごらんなさい。ずっと青空ガレージです。夕方から翌朝まであります。翌朝のラッシュ時にもそのままになっております。そこに大きな問題があるのであって、基準をつくるのならば、三十万とか二十五万とかそういう人口の問題じゃなくて、道路交通上の問題として尺度を合わすべきではないかと思いますが、あくまでも人口でおやりになる方針ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/48
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049・宮崎清文
○宮崎説明員 車庫規制につきましては、理屈の上ではまさに御指摘のとおりの点がございますが、実際立法いたします立場から考えますと、個々の道路につきましてそれを具体的に指定いたしまして規制対象区域にいたしますことは、電話帳のような大きなものをつくりませんと、これは実際に不可能でございまして、それでは国民の皆さんのほうも、一体どこが規制区域になるかわからないという不便もある。したがいまして、どうしてもある程度広い地域をとらえてそこ一帯を規制する、こういうたてまえをとらざるを得ませんので、現在、市あるいは特別区であれは特別区を単位にいたしまして規制の対象の地域といたしております。したがいまして、御指摘のように三十万だからどうこうということじゃございませんで、そういう交通渋滞が通常予想される道路を非常に多く含んでおる、こういう地域をとらえて規制いたすことにしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/49
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050・細谷治嘉
○細谷委員 そういう問題がただ単に一つの要素ではなくて、私が言ったように、国道なら国道、主要府県道なら主要府県道という形でそこの公安委員会が警察庁から示された方針に基づいてやるべきではないか、こう思います。これはたいへんなことなんです。
最後に、私がせんだって要望しておきました六条、七条、十一条の違反件数についての資料をいただいたわけでありますけれども、この法七条の資料を見ますと、三十八年において検挙数が七条違反として四十七万四千件、それから送致が二十二万件。驚くべき数字になっております。七条一項、三項の規定による違反だと思います。この内容は、これだけではわかりませんから、一体どういう——七条の一項あるいは二項か三項——まあ一項、三項でしょう。それからその刑罰については、刑罰の条項に沿うてやっておるわけでしょうがどういう内容になっておるのか。この明細をひとつお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/50
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051・宮崎清文
○宮崎説明員 実は違反の統計につきましてはそこまで集計しておりません。この点につきましては、御要望のような集計ができるかどうか、帰りましてさっそく検討さしていただきます。
内容といたしましては、一般的に考えられますのは、七条の適用は相当広うございまして、たとえば一般的な通行禁止あるいは右折禁止、こういうようなものは現在七条によって行なっております。そういう右折禁止であるとか、一般的な通行禁止に違反した場合が七条の違反、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/51
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052・細谷治嘉
○細谷委員 資料はできるかできないかという非常に心もとない御答弁です。せんだって私が質問した際に、アメリカの例では、複断面と単断面の道路、歩車道の分かれておるところと分かれてないところでは事故の率が非常に違うのだということがアメリカの統計ではっきりされておる、日本ではどうなのかということを資料をいただきたいと言っておきましたけれども、その資料をまだいただいておりません。この四十七万とか二十二万という件数は、これはやはり百十九条なり百二十一条なり百二十二条の規定に基づいて罰則があるわけですね。そういう内容をひとつ聞きたいと思うのです。私はこの前にもちょっと関連質問をしたことがあるわけです。この六条、七条、十一条というのは治安立法的なものだという批判すらあるわけであります。そういうことがあるのかないのか、長官にひとつお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/52
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053・江口俊男
○江口(俊)政府委員 治安というのが社会の平安を保つという意味のあれであれば、これはもちろん入るわけでございまするが、いわゆる治安立法というか、ごく特別なものを目ざした取り締まりというようなことは一切ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/53
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054・細谷治嘉
○細谷委員 これは公安条例を受けた仕上げの立法が六条、七条、十一条だという声すらあるわけですよ。私はこの前この席において、かつて国会の請願所におけるあの姿について、実態をまのあたり見たので、どうも事実と違うのではないかということを指摘いたしました。あれは道路交通法によってやっておるのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/54
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055・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 請願の問題につきましては、道路交通法でやっておりません。東京都公安条例に基づきまして必要な規制をやっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/55
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056・細谷治嘉
○細谷委員 公安条例にそういうこと書いてありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/56
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057・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 公安条例の問題について私からお答えするのはいかがかと思いますが、私が警視庁の警備部長としてやっておりました当時、公安条例の適用について、いわゆる請願の問題につきましては、あれを集団行進として私どもは許可をいたしておったものでございます。国会周辺に対しましては、いつも警察当局として申し上げておりますように、集団示威運動は国会開会中は御遠慮を願うという趣旨で、そういう方針でずっとやっておりますので、請願につきましては、行進という形態の許可で、公安条例に基づく集団行進の許可ということでやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/57
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058・細谷治嘉
○細谷委員 これは公安条例の問題だそうでありますから、これ以上申し上げませんけれども、道路交通の問題にいたしましても、いろいろな点においてアンバランスがあるんじゃないか。そのアンバランスのすき間にこういう災害がふえておる大きな原因があるのではないか、こう私は思う。そういう点で、ひとつ十分にその第一条の目的が達成されるようにやっていただきたいと思います。
私がお願いした資料をひとつぜひ作成して提出していただきますように重ねてお願いいたします。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/58
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059・森田重次郎
○森田委員長 佐野憲治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/59
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060・佐野憲治
○佐野委員 長官にまずお尋ねいたしたいと思いますが、私は昭和三十三年に警察官職務執行法の改正案のときにも地方行政委員であったわけです。三十五年の新しい道路交通法が生まれるときもこの委員会で審議に当たったわけですが、その間他の委員会にも移っておりましたけれども、今度また戻ってまいりまして、いま道交法の改正案の審議に当たっておるわけですが、こういう経験を通じまして私感ずるのですが、こういう国民の基本的権利に重大な影響をもたらす行政法規を制定する場合におきまして、私はやはり思われますことは、アメリカには行政手続法というのがあるわけです。日本においては、行政手続法がいまだ存在していない。しかも行政手続法の中において、法規の制定に対しましては、アメリカの場合におきましては、非常にきびしい手続を定めておるわけです。ですから、当然このような重大な警察行政を更新する立場に立ちますならば、私はやはり皆さんが警職法の場合におきましても、あるいはまた新しい道路交通法をつくられる場合におきましても、部内におかれて、あるいはまた関係官庁と連絡をとられて、改正要綱をおつくりになる。そういうものはすべて極秘に取り扱われておる。そこへあるいは学者もお呼びになっておられる。その学者たちでさえも、まだ要綱の審議の段階だから、公開の席では明らかにしては困るのだ、こういうぐあいに口を緘しておられる。ですから、国民にとりましては、どういう方向において改正が意図されておるのか、どういうところに行政的な欠陥があるのかというようなことに対する理解がほとんどなされていないわけです。そういう中に、国会にこれらの法案が提案されてくる。私はきわめて遺憾だと思うのですが、もちろん政府の怠慢によって行政手続法ができていないから、そういう規定には拘束されないのだと言われればそれまでなんですけれども、やはりこういう重要な行政法規の場合におきましては、やはり皆さんが要綱をおつくりになる過程においても、この法規によって利害に重大な影響をもたらすそういう国民の立場からの意見を聞く、こういう態度が、私当然の手続として必要なんじゃないかと思う。アメリカにおきましては、そういう手続をとらない法規は無効だということすら一つの慣例として取り上げられておるわけです。こういう点から、私、長官にまず第一にお尋ねいたしたいのは、今後このような国民の基本的権利の上において、あるいは生活の中において重大な影響をもたらす法律の、行政法規の作成にあたって国民の声を聞く、そういう過程を経てやはり立法される、あるいは国会に提案される、こういう考え方を持っておられるかどうか、この機会にまずお尋ねしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/60
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061・江口俊男
○江口(俊)政府委員 あらゆる法律なり政令なりというようなものが多かれ少なかれ国民の権利義務に関係がありますることは言うまでもございませんが、私たちが将来に向かって、あらゆるそういうものの制定の場合に、何らか特別の手続をとるかどうかというようなお約束をいたしましては一これはここで約束はいたしかねるというのが結論でございまするけれども、精神として、ただいま佐野委員から申し述べられたようなことは十分考えてやっているつもりでもあり、将来もやるつもりでございます。道交法の改正につきましても、先般三十五年の道路交通法というものをつくりまする際には、体系全体を道路交通取締法から道路交通法という面に持ってまいる際でもございましたから、それは国民といいますか、いろいろな学識経験者等の御意見も数回にわたって聴取して原案をつくったような次第でございまするし、また本国会で御審議を願っておりまする深夜喫茶の廃止を目的とする風俗常業法等の改正につきましてもいろいろな意見を聞いておるのであります。ただ、今回のこの道路交通法の改正につきましては提案理由の説明等で申し上げておりまするとおり、一つは国際条約に加入することにからむというか伴う手続上の問題と、もう一つは十分世論のあるところを取り入れた酔っぱらいその他のごく特殊な場合における刑罰の加重というようなことを二本柱としてやっておりまする関係上、特に何らかの諮問の機関を設けて検討を願わなければならぬというような面が少ないのでございまするから、今回の場合は交通局自身が原案をつくりまする際に、どういう方々の御意見を聴取したか私知りませんけれども、公の懇談会というのか、調査会というようなものは設けなかったのが事実でございます。しかし将来におきまして、さらにこの交通法規等につきましても全面的な検討を要するというようなことになりますれば、国民の皆さんの御意見を何かの形でお聞きをするというようなことにつきましてはやぶさかじゃないつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/61
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062・佐野憲治
○佐野委員 私、何もアメリカの例を取り上げておるわけじゃないのですけれども、やはりアメリカの行政手続によれば、そういう草案を一定の期間公開をして、それで国民の意見を聞いた上でなければ法令を作成してはならない、こういうきびしい拘束があるわけです。私はまあ日本にやはりそういう手続が今日までもとられていないというところに大きな問題があると思いますが、そこでお尋ねいたしておきたいと思いますことは、そういう行政手続をやはり持たれないところにいろんな誤解が起こるし、あるいはまた法規に対するいろいろな理解の不足、こういう問題も起こってくるんじゃないかということの意味からもその点を強く指摘しておきたいと思います。
第二の点といたしまして、三十五年の新しい道路交通法が提案されましたときに、柏村長官が、いわゆるいままでの道路交通取締法並びに施行令あるいは規則は非常に複雑、かつまた多岐にわたっていて、まあこれを法定体制を整えるために一本化した道路基本法をつくる、もう一つは、罰則が今日の情勢から見て非常に低い、だからこれを引き上げる、しかも十倍に引き上げるという態度をとられたわけでありますが、これらの質疑を通じましても、いろいろ問題点が当時出ておったことは、まあ長官も御存じだろうと思います。ことに罰則の点につきましてもあるいは加重罰がいいかどうかという、こういう問題にも国会審議の過程においても学者間においてもいろんな論議が巻き起こっておりましたし、あるいはまた十倍に一挙に上げる、しかもそれらの罰則の内容を検討することなく一律に十倍に引き上げる、こういう点もあまりにも形式的な措置ではないか、もっと刑罰の内容をこの機会に検討されるべきではないか、まあだから一部を除きまして六割科度が適当ではないかという実務を担当する検事側の意見も出ておったわけですが、そういう中で、しかもまあ木村局長は、いろんな問題があるとしても今日の交通事故の現況から顧みて、予防的措置としてこの程度の厳罰を規定することが効果があるのではないかというような趣旨の答弁だったと思うわけですが、そこで私、長官にもお伺いをいたしたいのは、そういう意味から考えてみますと、法体系の上におきましても、急速度にこれをとられました関係上、いろいろな問題点が出てまいっておるのじゃないか、昭和三十五年から今日までの間におきまして。まあそのことはすでに道路交通基本問題調査会からのいろいろな提案も出されておりますし、臨時行政調査会が発足いたしましたとき、まず当面の緊急的な仮設として、道路交通の問題と水資源の開発利用、この二つのテーマに対してさっそく国民の要請にこたえて取り組むのだというような形で取り組んでまいられて、その中からも幾多の教訓に満ちた提案がなされておると思います。これらの委員会におきましても、地方行政委員の立場におきましても、現行の道路交通法体系に対するいろいろな意見が続々豊富な経験を通じまして、私、指摘をされてくるだろうと思うわけです。そういう観点から考えまして、やはり近き将来におきまして道路交通法を抜本的に改正する、そういう考え方をお持ちになっておるかどうかという点についてお尋ねしたいと思いますが、それと関連して第二に私は、改正すべきでなかろうかと考えますことは、そのときにも指摘されておったわけですが、あまりにもこの道路交通法は難解に満ちておる。しかも解釈が多岐にわたりあるいは理解に苦しむ。しかも十六歳あるいは十八歳以上の青少年の諸君が実際に自動車を運転する当市者である。しかもその当事者たちが読んでもわからない、あるいはあまりにも難解である。こういった文章に満ちておる。もちろん前の道路交通取締法から見ればわかりやすくなっておりますけれども、わかりにくい。ですから当時におきましても指摘されましたことは、大学の教授が試験を受けて落第をしておる、こういうことも当時参考人として御出席になった大学のある法学部の教授が、そういう同僚の話を引き合いに出していろいろ意見を述べておられたことを私も記憶するわけですが、先日の毎日新聞の「余録」にもこの自動車が路面電車を追い越す場合における一連の三十一条の規定を掲げまして、一体これはどういう意味なんだろうということを言っておられる。朝日新聞の社説にも、道路法規、五十一条だったかと思いますが、これを掲げて、一体これはどう読んだらいいのだろうか、一体こんなむずかしい法規があるのかということを指摘されておったと思うのです。ですから私は、その意味から考えまして、法を守るということを主張せられる、その守るものがまず理解をする、わかる、こういう文章に書きかえることがまず必要ではなかろうか。あるいは歩行者にいたしましても、あるいはまたいろいろな道路法規の適用関係者にいたしましても、この条文を読んではなかなか理解しにくい難解の回りくどい文章になっている。一つ一つ追って読んでいけばなるほどと理解されるのですが、そういう点が、すでにいろいろな血から指摘されてきておるだろうと思います。あるいはまたイギリスその他におきましてほとんど図解式な法規によって運転免許試験を行なっておる。だれでもが受けられ、だれでもが理解できる、いわゆる危険の予防と交通の安全円滑、これを目的とした法規に切りかえられておる。それに比較いたしまして、日本においては、まじめな大学の教授すらも落第をしなければならない。こういう点にいろいろな問題が含まれているのではないかという意味から、いまの二点を通じましても、この法規を根本的に改正して、もっと国民に理解される、わかりやすい交通法規にする。しかも、過去におけるいろいろな欠陥というものが交通事情の変化とともにあらわれてまいっておるわけですから、そういう事象もとらえて、しかも各関係にわたる種々な問題がいまや逃避することのできない具体的な事典として解決の必要に迫られておる。そういう諸問題をもやはり取り上げて、改正の方向を持たれるかどうか、そういう考え方に立っておられるかどうかということもお尋ねしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/62
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063・江口俊男
○江口(俊)政府委員 まず第一点の、根本的にこの道路交通法を改正する意図があるかどうかという点でございますが、御指摘の交通基本問題調査会あるいは臨時行政調査会等で関係各省庁にわたる部分についていろいろな御意見があるようでございまするから、
〔委員長退席、永田委員長代理着席〕
これが結論を得まして、政府全体として何らかのそれにこたえる法制上の手を打つということになりますれば、この道路交通法自身をいじるかどうかは別問題として、道路交通行政についての抜本的な調整、改正というようなものがあることも考えられる、こういう程度に私どもとしては申し上げるほかございません。
それから、この法律自身につきましては、抜本的に道交法を改正するという予定は現在のところございませんけれども、非常に難解であって、私たち自身も実はなかなか専門家を呼んで聞かないとわからぬような点がありますることはもうおっしゃるとおりであります。大学教授が全部受かるような法律がいいかどうかということ、これは別問題でございますが、非常にむずかしいということは、これはもう間違いございません。そこで、現在におきましても、交通安全協会その他で、非常にわかりやすく、しかも最小限守らなければならぬというようなものについてのPRというようなものもあるようでございますが、もうちょっと一般的に、おとなでも、子供でも、これだけ知っておけばもう間違いがないというような——外国にもあるようでございます。ハイウエイコードというような式のものがあるそうですが、これをもっとわかりよくくだいて、しかも簡単にした、そういうものを早急につくろうということで、現在交通当局で用意をしているようでありまするから、この法律は法律でございますけれども、これを一々全部暗記しなくても、これだけわかっておれば間違いないというようなものを近くつくり得るものだ、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/63
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064・佐野憲治
○佐野委員 昭和三十五年の皆さんが提案されたときに発表されておる数字の中で、全警察官の中で自動車の免許証を持っているのが全体の三〇%、交通警察富の中で免許証を持っているのは七一%。これを警視庁にとってみますと全警察官の二一%が自動車の免許を持っている、交通警察官は八八%だ、こういうぐあいに報告されておったのですが、昭和三十八年度においてはどういうパーセンテージを示しておりますか、わかったらお知らせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/64
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065・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 たいへん恐縮ですが、私の手元に現在ございませんので、即刻調べまして御報告申し上げますが、最近は警察官が初任課に入ってまいりますときに必ず全員に運転免許をとらせるという方向で教養いたしておりますので、いまの比率は相当多くなっているのじゃないだろうか、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/65
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066・佐野憲治
○佐野委員 そこで、現在、現行法規の中で私ども疑問に思っている点の二、三をこの機会にお尋ねしておきたいと思います。
一つは対面交通の問題についてでありますが、昭和二十四年から対面交通の制度がとられたわけですけれども、このことの得失について、左側通行、右側通行、交通に対していろいろな議論が分かれておるわけですけれども、ただ私たちのように、昔から、明治三十三年からとられておる左側通行というものが、やはり頭の中に、からだの中に、生きておるわけですが、そういう場合に、同じ交通規制におきましても、たとえば鉄道に参りますと、立て看板が出ておりまして、いわゆる左側通行しろという掲示が出ておる。この場合に疑問に思いますのは、一体鉄道の掲示の出ておる場所だけを意味しておるのか、構内全部を左側通行しろというのか、あるいは国鉄が所有をいたしておる全地域にわたってそのことが強制されておるのか。道路法の定義から申しまして、一般交通の用に供する道は道路だと定義されておるこの意味から考えて、私たちのように左側通行できたものが今度右側通行しなくちゃならない、駅に入りますととたんにまた左側通行になってしまう、しかも一体どこまでがどうなのか、これらに対して一体統一的な解釈をもって交通の規制に当たっておられるのですかどうですか、その点をひとつ伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/66
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067・宮崎清文
○宮崎説明員 対面交通の問題は、御承知と思いますが昭和二十四年から実施しているわけでございますが、これは、現行法におきましては第十条に規定がございまして、「歩行者は、歩道と車道の区別のない道路においては、道路の右側端に寄って通行しなければならない。」これが一応対面交通の根拠規定になっております。これは申すまでもなく歩車道の区別のない道路におきましては、人と車が対面することによって危険があらかじめ予知できて危険防止ができる、こういう観点から定められている制度でございます。
御指摘の第二の点でございますが、道路交通法上の道路と申しますのは、単に道路法上の道路だけではございませんで、一般交通の用に供される場所が道路交通法には道路になっております。したがいまして、たとえば私道でありましても、あるいはいま御指摘の駅のような部分でありましても、一般交通の用に供されておる限りは道路交通法の道路となりますが、ただ、駅等につきましては、一応、私たちのいままで検討いたしました限りにおきましては、少なくとも改札口から中はこの一般交通の用に供されているとは解されないであろう、したがって改札口から中、あるいはプラットホーム、これは、場合によりまして多少異なりますが、概して申しますと、そういう場所は道路交通法にいう道路ではない、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/67
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068・佐野憲治
○佐野委員 もうその点をはっきりしていいのじゃないか。ですから、駅の朝のラッシュアワーなんかにときたま駅の人たちが交通整理に当たっておりますが、いまおっしゃるのと違った方向でやっておるのではないか。ですから私たちもとまどうし、やはり多くの人たちがとまどっている、混乱というものが見られる。こういう点ももう少し国鉄当局との話し合いによって規制することができるのではないか、統一することができるのではないか、こういうようにも考えますので、今後そういう点に努力していただきたいと思います。
第二の点は、駐車禁止に対して何メートル、何メートルという間隔をそれぞれの対象物から置いておるのですが、これらの規定に対しましても、前回の審議でも問題になったのですが、これらの規定というものは一体何を根拠にしてつくられておるのだろうか。単なる経験なのか。取り締まり法にそういう規定を置いたから今度もこの規定を採用するのじゃおかしいんじゃないか、そういう意味において科学警察研究所ですか、ここにおいても相当検討を進める、こういう前回のお話であったのですが、その後それらのことがほんとうに実際に即した合理的な基準として定められておるのか、これらに対する研究はどういうぐあいに進んでおりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/68
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069・宮崎清文
○宮崎説明員 ただいまは御指摘の点、現行法四十五条の駐車禁止場所のそれぞれのメートルの数であろうかと思われますが、これをつくりましたときは、一応社会実態と実施上の合理性を考えまして、この程度の距離の中はやはり交通の妨害を生ずるとかあるいは消防、消火作業に支障を生ずるとか、こういうような観点から一応きめたわけでございまして、その後特にこれが非常にふぐあいであるという話も聞いておりませんので、特にこれをこの際変えるという考えはいまのところ持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/69
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070・佐野憲治
○佐野委員 いわゆる合理的に科学的に判断されて、このことが交通の安全のために必要なんだという根拠を明らかにされないと、ただ漫然とそれをきめたんだから、今日の交通事情がどうあろうと、それが危険防止に役立っておるのかどうなのかわからぬけれども、そういう規定を置いたんだからこれを守るというのではやはり納得できないんじゃないか。そういう点はやはりもう少し、法規がむずかしいから、その法規の根拠なんというものはできるだけわかりやすく説明されるものが必要になってくるのではないか、かようにも考えるわけであります。
それから適性検査の件についてなんですが、免許証を受ける場合の適性検査あるいは臨時適性検査の規定を置いておられますが、この検査は一体どうしてやっておられるのか。どういうことの検査なのか。この点が前回のときにも問題になりましたから、そういう意味において適性とは一体どういうことか、こういう点に対してもう少しはっきりと、適性検査とはだれがやるのであって、どういう内容の検査が行なわれておるのかお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/70
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071・宮崎清文
○宮崎説明員 この適性と申しますのは、申すまでもなく運転の適性でございます。したがいまして、もちろん運転免許試験がございますので、運転に本来適しない者、不適格者は運転免許試験の際にこれはチェックされるものでありますが、しかしながら運転免許をとりました後に身体障害その他欠格事由が生ずる者もございますから、こういう者に対しまして、原則的には免許証の更新の機会に適性検査をいたしまして、不適格者の発見につとめ、交通の危険防止をはかりたい、こういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/71
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072・佐野憲治
○佐野委員 前回も参議院におきまして、立教大学の増原教授だったですか、あの人は心理学の教授として非常にその点を危惧して指摘されておられたと思うのです。たとえば国鉄や防衛庁におきましては、適性検査というために数ヶ月間専門的に教育する、その上で適性検査に配置する、こういう非常に慎重な態度をとっておる。教習所におけるところの適性検査というもの、公安委員会における適性検査というものは一体だれがやるのか、もししろうとがやるとすれば、非常に危険じゃないか、危険な問題を含んでおる、こういう点を指摘されておると同時に、そういう適性検査に対するもっとはっきりした専門的なものがない以上、こういうものを実行するということは、実害あって利益がないのじゃないか、弊害こそ存在するのではないかという点を指摘しておられたわけですけれども、特に検査というのは人間の動作とかそういうものでなくて、性格の問題に帰するのではないか、こういう点を重ねて指摘しておられたように記憶するのですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/72
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073・宮崎清文
○宮崎説明員 現在のところ、適性検査は総理府令で規定がございますが、視力、色彩識別能力、深視力、聴力、運動能力、これらについて適性検査をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/73
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074・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 現在やっております適性検査につきましては、ただいま宮崎課長から説明があったのでございますが、御指摘のようないわゆる性格的な問題であるとかあるいは脳波テストの問題であるとか、いわゆる心理あるいは精神的な問題についても、もっと深く掘り下げた適性検査をやるべきでないかという意見もありまして、私ども現在それぞれ必要な学者の方々の御協力を得まして、その適性検査の具体的なやり方につきまして現在研究をしていただいております。八月ごろまでに私どもは一つの方向を得まして、それを具体的にどういうふうな形でやるかというようなことを現在その委員会で研究をしていただいておるわけでございます。ただしかし、いろいろと学者の中に意見がございまして、性格検査のやり方とか適性検査のやり方についてはいろいろな方法論がございますので、いずれの方法論を選ぶべきであるかという点について特に委員会の御意見を伺っている。しかし問題は、御承知のように非常に多くの運転免許の試験を受ける者がございますので、これらの運転免許を受ける者の、いかなる段階において適性検査をやるかといういわゆる技術的な問題があるのでございます。したがいまして、どうしても精密な検査をやるというわけにはいかないので、簡単にして明瞭な検査をする方法をまずやる、あるいは事故その他必要に応じて精密な検査をやるというようなことで、この運転免許の試験のいかなる段階においてその適性検査のどれを適用していくかというようなことにつきまして、技術的な問題についてはいろいろ問題がございますが、しかし私どもはそういう方向に向かってどうしてもこれを実施しなければならない。最近の事故の例、最近の運転者の例から見て、どうしても適性検査の方法を確立をして、これを実行しなければならない、こういうふうに考えておりますので、いましばらく待っていただきたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/74
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075・佐野憲治
○佐野委員 次に、過労という問題、過労運転の禁止ですが、これは両罰規定になっておるのですが、この過労ということに対する解釈、一体過労というものはどこで判断をするのか、適性検査の場合と同じ疑問が生まれてくるわけですけれども、これに対して一体どのような基準を置いておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/75
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076・宮崎清文
○宮崎説明員 過労と申しますのは、一応この場合には社会通念上のいわゆる過労を考えております。したがいまして、これの実際の取り締まり等につきましては、主として結果的な状態を見て判断することになろうかと思われます。たとえば運転中居眠りをしていたとか、そういうような結果から見て過労があったかないかということを判断することになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/76
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077・佐野憲治
○佐野委員 その点も実は国鉄の場合にもそういう問題が大きく紛糾いたしておるわけですが、先般もある鉄道の局長とも話しておったのですが、いわゆる処分問題をめぐり、ざっくばらんにお話を伺ってみますと、たとえば過労だから年次休暇をとりたい、医者の診断書をつけてくる、しかしながら、それをやはり認めることはでき得ない、だから出勤命令を出した、違反する場合にはこれを処罰しなければならない。医者の診断出でさえも信用することができ得ない。国鉄の管理者にとれば、そういう理解が生まれてくる。斥力におきまして、逆に国鉄職員が、実は私は勤務に差しつかえないからといって出勤をしてくる。しかし君は顔を見ればどうも過労だ、だから乗車してはいけない。過労のような顔で出勤してきたから、これは業務に違反をするから処罰だ、そういうことになってまいりますと、一体過労とは何か。診断書を出した場合は過労ではないというわけですか。しかも、私は勤務に十分たえるのだ、こういう立場で出勤をしてくれば、君は過労だから出勤してはいけない、そういうことによって業務の秩序を乱したから処置の対象になるのだ、こういうことで、一体過労とは何だろうかということでいろいろと話し合ってみた結果、やはり局長も実はわからぬと言う、いろいろの労働政策上の問題が入ってくるのだということになって笑ったのです。笑いごとじゃないのですけれども、やはり条文の中で、こういう重大な両罰規定を伴う場合におきましては、もう少し、過労とは何だ、この判断はだれがするか、どういう状態にあるかということを明確にしないと、この条文だけを読んでおりますと、一体何だろうかという、具体的な問題でそういう疑問が起こってくると思うのですが、先ほどの適性検査とも関連して、こういう場合、科学警察研究所あたりで研究をやっているのですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/77
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078・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 この点については、科学警察研究所におきましても、過労の問題といいますか、疲労度の測定ということについていろいろ研究をいたしておりますが、まだほんとの研究の段階でございまして、御要望に応ずるような結論が出ているというわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/78
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079・佐野憲治
○佐野委員 こういう非常に重大な刑罰にも関係をする、しかもポイントになることが抽象的な表現をもってなされる、こういうのはやっぱり取り締まり法規としては避くべきじゃないか、しかも主観的な判断、要素が非常に強く出てくる、こういう点は非常に遺憾だと思いますし、できるだけこれに対するところの基準を明確にしていただきたいと思います。
それから次は消防法との関連なんですけれども、緊急自動車の規制ですね。この中で消防の場合におきましては、道路交通法によりますと、緊急自動車の消防自動車の場合にはこれを妨げてはならないという規定になっておると思うのです。ところが、消防法を見てまいりますと、消防法の二十六条の一項ですか、これには、車両は道路左側にできる限り寄り添い、消防車が通過するまで停止しなければならない。こういう規定を置いているわけであります。
〔永田委員長代理退席、委員長着席〕
道路交通法においては、妨げてはならないとなって、消防法においては、停止しなくちゃならぬ。しかもこれに対しましては二年以下の懲役、五万円以下の罰金が刑罰規定として消防法の四十条にあって、非常に強い罰則規定がある。この場合に、もちろん道路交通法は一般法であり、消防法は特別法だ、だから特別法が適用されるのだ、こういう解釈にもなると思いますが、これは法律を少しやった人はそういう解釈を持つでしょうけれども、一般の道路交通法だけを読んでいる者にとりましては、消助法との関係がわからない。しかも道路交通法を読んでいれば、逆に消防法によって二年以下の懲役、五万円以下の罰金に処せられる、こういうきびしい規定に該当するということになるのですが、この点は一体どのように解釈しておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/79
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080・宮崎清文
○宮崎説明員 御指摘の点は、まさに御指摘のような問題がございましたので、昨年の国会におきまして消防法を一部改正いたしまして、現行におきましては矛盾がないようになっております。ちょっと申し上げますと、消防法第二十六条で消防車が火災の通報に応じて現場に赴くときは、車馬及び歩行者はこれに道路を譲らなければならないこれは一項でございます。二項は「消防車の優先通行については、道路交通法第四十条、第四十一条の二第一項及び第二項並びに第七十五条の七第二項の定めるところによる。」こういうぐあいに改正いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/80
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081・佐野憲治
○佐野委員 けっこうな改正だと思います。しかし私自身が地方行政を離れて去年他の委員会に行っておりまして、今度戻ってくるその間に改正ができておる。ですから毎年法律を読まなければわからない、こういう点に非常に法治国家の持ついろいろな点を考えるのですが、それはさておきまして、それでは道路交通法の第七十二条ですが、これはある学生からこれをどう解釈したらいいのか、法律を専門にやっておる学生から実は質問を受けたわけです。この前段に「車両等の交通による人の死傷」云々とこうあるわけですが、後段になってまいりますと「この場合において、当該車両の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは)」云々ということがあって、前段は救護の義務規定になっておるし、あとは報告義務規定になっておるわけです。この条文だけを読んでみますと、私たちの解釈から、あるいはまた学生もそういうような考え方を持つのですが、これは立法趣旨も目的も同一である。ですから前段におきましてはこの救護義務規定を置いておる。その規定が終わって、「この場合において」報告その他の義務規定をやらなければならない、こういう補助的な規定だ。だから罰則は、たとえばひき逃げで救護の義務を怠り、かつまた報告義務も怠る、この場合は当然一罪として前段において処剛をされるのではないか。この法規を読んでみますとそういう解釈しか止まれてこないのではないか。ところが一部においては、学説としてそうじゃないのだ、これは両方の義務を定めてあるのだから併合罪が適用になるのだ、こういう解釈が出てくる。しかしながらすなおに読みますとどうしてもそういう解釈が企まれてこない。何か大学の教授がそういう意見を講義の中で言われてどうなんだろうという疑問を提起してまいったわけですけれども、私も読んでみますとこれは一体どう解釈していいのかわからないのですが、皆さんのほうではどういう解釈をとっておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/81
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082・宮崎清文
○宮崎説明員 御指摘の点につきまして、従来解釈上の問題がございましたことは御指摘のとおりでございます。ただ立法の趣旨といたしましては、「この場合において」と申しますのは必要な措置を講じた場合に限定いたしませんで、交通事故があった場合、こういうつもりでこの条文ができていると思われますが、解釈上そういう疑問の出ましたことは御指摘のとおりでございまして、実は判例も高裁までは積極、消極の両判例が出ておりましたが、この点につきましては最高裁で積極説が採用されまして、現在の確定解釈といたしましてはこれは併合罪になる、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/82
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083・佐野憲治
○佐野委員 ですから、それは交通事情その他の現在の情勢から解釈をして、そのような併合罪として取り扱うことが、現在の情勢という、この解釈が最高裁においてとられたのじゃないかという気もしますけれども、すなおに文章を読みますと、そんな解釈は止まれてこないのじゃないか。たとえば横井、木内検事さんの「逐条道路交通法解釈」によっても、実務家の検事ですらもそういう解釈をとっておられるし、私たちもすなおに読んでみますと、そういうぐあいにとれるのですけれども、立法の当初からそういう解釈を持っておったか、あるいは前の道路交通取締法なり施行令の関係を見てまいりましても、その法を受け継いだものとするならなおさらそういう解釈が生まれてこないという気がするのですけれども、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/83
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084・宮崎清文
○宮崎説明員 先生は、この道路交通法の制定のいきさつをよく御承知と思いますので率直に申し上げますと、旧法時代はむしろ問題がそこにございませんで、事故を起こしたものに申告させることは憲法違反の疑いがあるのではないか。そちらのほうにむしろ重点がございまして、その点につきましては、特に立法のときに議論いたしておりません。ただ繰り返して申し上げますが、この報告義務は、必要な措置と全然別個な部分もあるので、これは別個な義務である、こういう考えは立法当初からございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/84
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085・佐野憲治
○佐野委員 これらの点からも、長官、どうですか。もう少しこれは長官自身が素直に読まれましたら、これで併合罪が成立するなんて解釈はおそらくとられないだろうし、道路交通取締法の時代は、いま御指摘になった憲法論で、報告の内容そのものをめぐって。憲法上不利益な供述をしなくてもよろしいという問題を中心として論議が巻き起こっておりましたけれども、あの当時におきましては、こういう解釈というのは出てこなかったのだし、この文章だけを素直に読むと、そういうものは出てこないのじゃないか。だから、そういう意味におきましても、もう少し明確に、専門家の間ですらも分かれる学説、現に法律を専門にやっておる者でさえもどうなんだと解釈を聞きにこなくちゃならないほどめんどうな規定というものは、もう少し明確な規定に変えることが必要じゃないか、こういう点を感ずるわけです。
次に、第六条の点につきまして第六条の「その現場にある関係者に対し必要な指示をすることができる。」第二項の規定なんですが、「その現場」とは一体何を意味するのか。一定の空間をさしているわけでしょうけれども、一体何メートル以内をさしておるのか、その限界は一体どこにあるのか、こういう点も私たちとしては疑問になってくるわけです。第二の点としては、一体どの範囲の人を「その現場にある関係者」だと認定するのか。第三の点としては、「必要な指示」とは具体的にどのような内容になってくるのか、ばく然と見てもこういう疑問が出てきますし、その内容が抽象的な規定となっておりますから、運用というものが非常に大きなポイントを占めてくるだろうと思いますが、これらの点に対しましてどういう見解を持っておられるかをお尋ねしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/85
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086・宮崎清文
○宮崎説明員 第一点の現場の意味でございます。これはまたおしかりを受けるかもしれませんが、社会通念上その当該交通混雑、あるいは交通渋滞が起こっておりますその現場の意味でございます。したがいまして、これはケース・バイ・ケースによって異なるものと思われますので、何メートルというわけには一がいに申せない関係で、「現場」になっておるものと思います。それから第二点の、関係者でございますが、たとえば具体的な例で申しますと、四つ角でだいぶ自動車がとまったためにたくさんの自動車がつながって一列になってしまった、そういう場合には、これ以上自動車が交差点へ入ってまいりますと、ますます交通が混雑いたしますので、自動車が入ってこないように手前でとめる。あるいは歩行者に歩道を歩かないで車道を歩いてもらうとか、そういうようなことを考えているわけでございますが、これもケース・バイ・ケースでございまして、要するに、その混雑緩和に必要な限度において関係する人というお答えを申し上げるよりほかないであろうと思います。したがいまして、実際の運用につきましては、あくまでもこれによりまして、警察官が指示いたします限度は、その当該現場における交通の混雑を緩和する限度においてしか指示ができない、とかように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/86
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087・佐野憲治
○佐野委員 非常に抽象的な規定になっておりますから、これは第一線における警察官が主観的な判断を下すよりほかにないですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/87
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088・宮崎清文
○宮崎説明員 主観的と申しますか、それはあくまでも現場の混雑を緩和するに必要な限度において必要と解釈をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/88
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089・佐野憲治
○佐野委員 これには罰則がついておるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/89
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090・宮崎清文
○宮崎説明員 第一項の指示につきましては罰則がついております。違反につきましては罰則がついております。第二項につきましては、罰則を設けておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/90
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091・佐野憲治
○佐野委員 第二項はあくまでも指示権を与えておる、こういうぐあいに解釈してよいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/91
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092・宮崎清文
○宮崎説明員 失礼いたしました。第一項は命令でございますので、命令違反に対して罰則を設けてあります。第二項は指示でございますので、また事柄の性質上、先ほど御指摘になりましたような点もございますので、罰則はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/92
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093・佐野憲治
○佐野委員 わかりました。時間も相当になりますので、急ぎます。
百四条。公開の聴聞会の制度を取り入れているわけですが、これは警察行政法規の中で、風俗営業法、あるいは質屋、古物、銃砲刀剣類等の所持、これらの中に出てくることばでありますけれども、この聴聞会というのはどういうぐあいに処理されているか。庁管内でもけっこうです、どういうぐあいに処理されているか、こういう点を説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/93
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094・宮崎清文
○宮崎説明員 たいへん恐縮でございますが、いまの御質問の意味はどういうことでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/94
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095・佐野憲治
○佐野委員 公開の聴聞会、この規定は一体どのように処理されているか。東京都の警視庁管内において一体聴聞会が何回開かれておって、その結果として、警視庁の場合は九十日以上免許の停止あるいは取り消し、こういうことになっておりますが、公開の公聴会の呼び出しが幾らされて、どれくらい出席しているか。聴聞会の結果として、たとえば百四十日のものがあるいは八十日か七十日になる、こういうケースがあるかどうか、この点も、わかっておりましたらお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/95
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096・高橋幹夫
○高橋(幹)政府委員 資料が私の手元にございませんので、警視庁の資料を取り寄せまして差し上げたいと思います。やり方といたしましては、公安委員会で週に二回くらい聴聞会を開いておりますが、それぞれ委員が二人ずつ手分けをいたしまして、その処理に当たっておられるようでございます。最近は、御承知のとおり、行政処分の数が非常に多いものですから、公安委員会としては、その処理に多くの時間をさいているということで、処理のやり方について能率的にしたいという趣旨のいろいろな申し出がございますので、それらの聴聞のやり方につきましては、私どもいろいろ研究をいたしまして、その実情に沿うようにいたしておりますが、適切に行なわれているように私ども思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/96
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097・佐野憲治
○佐野委員 特に警察法規の中へ公開による聴聞という規定を入れて、のチェックをしているこういう規定が実際生かされているかどうか。道路交通法だけではなくて、法律上はそういうものがあるが、実際上は何ら効果を発揮していない。法律上はこういう規定が設けられておりますけれども、その趣旨が生かされていないのではないか、というのは、これは昭和三十一年の警視庁公安委員会における発表の統計によりましても、呼び出しに対して半分ぐらいしか来ない、あるいは呼び出しても来ない、こういうことになっておるわけなんですが、こういうことに対しましても政令の四十条で聴聞の手続がきめられておるわけですが、出てこないということが一体どこに原因をしているか、特に聴聞の公示、一週間前までに文書で通知する、あるいは期日及び場所を公示しなければならない。公示の方法は一体どうなっておるのですか。その点もひとつあわせてお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/97
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098・宮崎清文
○宮崎説明員 公示の方法は、それぞれの各都道府県の公報でしていると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/98
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099・佐野憲治
○佐野委員 利害関係者に公報をもって公示するということになるわけですが、本人には文書をもって通知する、その場合に府県の県報なるものは一体どの程度まで読まれているか、そういう点もあまりにも形式化されておるのではないか。公示の方法ということも、もっとこういう救済措置としてとられておる点を活用しなければならないのではないか。しかも公安委員会であって府県知事の所轄する公安委員会である。ですから、これに対しましては行政不服審査法が適用しないわけですね。その場合におきまして、片方においてはあるいは簡易裁判所で即決裁判を受ける。これに対して異議の申し立てをして争っておると、現在の司法手続から見てまいっても相当の月日がたつわけですね。片方におきまして行政上の処分がやってくる。しかも裁判の結果これが無罪になる。しかしながら行政処分はそのまま取り消すことができ得ない、行政不服審査法の適用を受けないということになってくるわけだと思うのですが、そういう点に対してどういうように考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/99
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100・宮崎清文
○宮崎説明員 御指摘の点は旧訴願法時代にはいわゆる上級行政庁があるかないかということで訴願ができないという解釈が一般にとられておりましたが、現在の行政不服審査法におきましては、処分庁に対して異議の申し立てができることになっておりますので運転免許の取り消し処分というようなことについきましては行政不服審査法に基づく異議の申し立てが可能であろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/100
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101・佐野憲治
○佐野委員 しかし上級機関、官庁がないのに、一体どこへそれを申し立てるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/101
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102・宮崎清文
○宮崎説明員 当該処分庁でございます。処分庁に対し立てるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/102
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103・佐野憲治
○佐野委員 時間も非常に何でありますので、次会に質問を保留いたしまして、きょうは以上でこれを終わりたいと思います。
ただ最後に一つだけ長官にお聞きしておきたいと思いますが、三月六日に大阪駅の裏で白タクの運転手が交通整理中の警察官によってピストルで射殺をされたこの事件に対しまして、大阪地検は殺人罪の容疑で捜査を進めておる。警察当局のほうでは、これに対しまして傷害致死罪、正当防衛だ、こういう解釈をとっておるということが伝えられておったのですが、その後一体経過はどうなっておるか、この点をひとつ伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/103
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104・江口俊男
○江口(俊)政府委員 事柄の公正を期するために検察庁でもちろん調べておられますが、私どもとしては先般大阪本部長の報告を聞いております限りにおきましては、正当防衛という線で考えておるという段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/104
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105・佐野憲治
○佐野委員 検察当局からの起訴は出ていないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/105
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106・江口俊男
○江口(俊)政府委員 検察当局でも、現在の段階では何々罪で起訴をしたというような連絡は受けておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/106
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107・佐野憲治
○佐野委員 京都においてもそういうことが二、三あったように聞いておりますが、この場合は検察当局が殺人罪で起訴いたしておる。もちろん無罪にはなっておりますけれども、そういう点から、警察官けん銃警棒等使用および取扱い規範、もちろん警察官職務執行法の第七条による武器の使用、この問題とも関連いたしてくるし、私たちも警察官の行使に対して相当の問題点を含んでおるのではないかと考えられますし、これらの点に関連して、もう少し警察官職務執行法第七条並びに警察法施行令百五十一号ですが、これと関連する警察官けん銃警棒等使用および取扱い規範、これらについて、次会においてまたお尋ねいたしたいと思いますので、資料その他がありましたら御提出願いたいと思います。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/107
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108・森田重次郎
○森田委員長 あとでまとめてひとつ御答弁を願いたいと思います。
次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時四十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X04719640521/108
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