1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年二月十四日(金曜日)
午前十時五十二分開議
出席委員
委員長 加藤常太郎君
理事 大高 康君 理事 佐藤洋之助君
理事 志賀健次郎君 理事 森山 欽司君
理事 大柴 滋夫君 理事 栗原 俊夫君
理事 森本 靖君
小渕 恵三君 上林山榮吉君
木部 佳昭君 小泉 純也君
佐藤 孝行君 椎熊 三郎君
中村 寅太君 中山 榮一君
橋本登美三郎君 山本 幸雄君
安宅 常彦君 片島 港君
下平 正一君 畑 和君
柳田 秀一君 受田 新吉君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 古池 信三君
出席政府委員
郵政政務次官 金丸 信君
郵政事務官
(大臣官房長) 武田 功君
郵政事務官
(郵務局長) 佐方 信博君
郵政事務官
(貯金局長) 淺野 賢澄君
郵政事務官
(簡易保険局
長) 田中 鎭雄君
郵政事務官
(電波監理局
長) 宮川 岸雄君
郵政事務官
(人事局長) 増森 孝君
委員外の出席者
郵政事務官
(電波監理局放
送部長) 吉灘 中君
日本電信電話公
社総裁 大橋 八郎君
日本電信電話公
社副総裁 米沢 滋君
専 門 員 水田 誠君
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二月十四日
委員西村榮一君辞任につき、その補欠として受
田新吉君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員受田新吉君辞任につき、その補欠として西
村榮一君が議長の指名で委員に選任された。
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二月十二日
電話設備の拡充に係る電話交換方式の自動化の
実施に伴い退職する者に対する特別措置に関す
る法律案(内閣提出第三七号)
同月十三日
簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣
提出第九三号)(予)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
電話設備の拡充に係る電話交換方式の自動化の
実施に伴い退職する者に対する特別措置に関す
る法律案(内閣提出第三七号)
簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣
提出第九三号)(予)
郵政事業に関する件(簡易郵便局の設置状況及
び郵便貯金の総額制限額に関する問題)
電波監理及び放送に関する件(近畿地方のチャ
ンネルプランに関する問題等)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/0
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001・加藤常太郎
○加藤委員長 これより会議を開きます。
電話設備の拡充に係る電話交換方式の自動化の実施に伴い退職する者に対する特別措置に関する法律案を議題とし、審査に入ります。
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—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/1
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002・加藤常太郎
○加藤委員長 まず、提案理由の説明を聴取することといたします。古池郵政大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/2
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003・古池信三
○古池国務大臣 ただいま議題になりました電話設備の拡充に係る電話交換方式の自動化の実施に伴い退職する者に対する特別措置に関する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
加入電話等の公衆電気通信役務に対する国民の需要の急激な増加に応ずるため、日本電信電話公社におきましては、急速かつ計画的に電話設備の拡充改善をはかっていかなければならないのでありますが、その一環として行ないます電話交換方式の自動化の実施に伴いまして、自動化される電話取扱局の大部分の局におきましては、一時に多数の電話交換要員が過剰となり、その数は、昭和四十二年度までに約三万三千名の多数にのぼる見込みとなっております。しかも、これらの者はそのほとんどが女子でありまして、自動化の対象となる局が漸次地方小都市等となってくることとも関連いたしまして、過剰となる者の配職転等の措置がきわめて困難となります。
そこで、これらの過剰となる電話交換要員の退職の円滑化をはかるため、その退職について特別の給付金を支給する臨時措置を定め、日本電信電話公社の行ないます拡充改善計画の遂行の促進に寄与し、もって、国民の電話の普及改善に対する要望にこたえようとするのが本法律案を提案する理由であります。
次に、法律案の内容を簡単に御説明申し上げます。
この特別の給付金の支給を受ける者は、電話の自動化によって電話交換事務の全部または一部が廃止される電話取扱局において電話交換事務に従事している常勤の職員であって、自動化の実施の日の三十日前までに退職の申出を行ない、郵政大臣または公社の総裁によって受給対象者としての認定を受けて、自動化の実施の日から七日以内に退職したものとなっております。ただし、配職転が可能な場合、退職日またはその翌日に郵政省または公社の職員に採用された場合等の場合には支給しないこととしております。
なお、郵政大臣または公社の総裁が認定するにあたっては、過剰となる電話交換要員の人数から、配職転が可能と認められるものの人数を差し引いた人数の範囲内において政令で定める基準に従って行なうこととしております。
次に、特別の給付金の額は、勤続期間五年未満の者に対しては、退職日におけるその者の俸給、扶養手当及び暫定手当の月額の合計額の八カ月分、千年以上の者には十カ月分としておりすす。
また、この特別の給付金は、その支給を受けた者が一年以内に郵政省または公社の常勤の職員として再採用された場合には、その金額を返還しなければならないこととしております。
最後に、この法律案は、昭和四十八年三月三十一日までの時限立法といたしております。
以上が法律案の提案理由及びその内容の概略でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/3
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004・加藤常太郎
○加藤委員長 次に、予備付託になっております簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題として、提案理由の説明を聴取することといたします。古池郵政大臣。
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—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/4
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005・古池信三
○古池国務大臣 ただいま議題となりました簡易生命保険法の一部を改正する法律案について、提案理由を御説明申し上げます。
この法律案は、簡易生命保険の保険金の最高制限額及び最低制限額をそれぞれ引き上げるとともに、簡易生命保険の新種として特別養老保険の制度を創設しようとするものであります。
まず、保険金の最高制限額の引き上げについて申し上げます。現在、保険金の最高額は五十万円に制限されているのでありますが、最近における社会経済事情の推移にかんがみますときは、この金額では、国民の経済生活の安定をはかり、その福祉の増進を目的とする制度本来の機能を十分発揮することが困難であります。さきに第四十三国会の本委員会におきまして、政府は簡易保険の保険金最高制限額を大幅に引き上げるよう努力すべき旨の御決議をいただいており、また、簡易保険加入者からも引き上げが強く要望されているところでもございます。
また、事業自体といたしましても、終戦直後に大量に募集した契約が、ここ数年のうちに集中して満期となりますので、この集中満期による事業規模の縮少を防止し、さらに事業の発展をはかるため、保険金の最高制限額を引き上げて募集活動の積極的推進をはかる必要があるのであります。これらの理由から、保険金の最高制限額を百万円に引き上げようとするものであります。
次に、保険金の最低制限額の引き上げについて申し上げます。現在、保険金の最低制限額は一万円となっておりますが、最近の経済事情のもとにおきましては、保険金額としてはいかにも低額であり、保険的価値に乏しいものと考えられますし、また、最近の新規契約について見ましても、保険金額五万円未満の契約はきわめて少なく、しかも逐年減少の傾向をたどっておりますので、この際、保険金の最低制限額を五万円に引き上げようとするものであります。
第三に、特別養老保険の創設について申し上げます。御承知のように、生命保険本来の機能は死亡保障にあるのでありますが、この死亡保障のみを目的とした終身保険は、従来、わが国におきましては一般に歓迎されず、貯蓄的要素の濃い養老保険が生命保険の主流をなしているのが現状であります。最近における社会経済事情の推移と保険思想の普及に伴い、死亡保障に重点を置いた生命保険に対する需要が次第に高まってきておりますので、このような保険需要の動向を考慮いたしまして、従来の養老保険の性格を保有させながら、安い保険料により、死亡保障を強化した生命保険を提供しようというのが今回の特別養老保険でございます。すなわち、加入者が死亡した場合に支払う保険金額を保険期間が満了した場合に支払う保険金額の二倍の額とするものであります。したがいまして、この新しい保険は、生命保険本来の死亡保障の機能を前進させ、事業の体質改善に寄与する意義がある次第でございます。
以上が、この法律案の提案の理由であります。
何とぞ、十分御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/5
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006・加藤常太郎
○加藤委員長 この際、参考人招致の件についておはかりいたします。
電気通信並びに電波監理及び放送に関する件について、本委員会において参考人を招致し、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/6
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007・加藤常太郎
○加藤委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
なお、参考人招致の日時、人選、手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/7
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008・加藤常太郎
○加藤委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/8
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009・加藤常太郎
○加藤委員長 次に、郵政事業、郵政監察、電気通信、電波監理及び放送に関する件を議題として調査を進めます。
質疑の通告がありますので、これを許します。森本靖君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/9
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010・森本靖
○森本委員 大臣から所管事項の説明がありましたので、私はざっと一とおり一般質問を行ないたいと思いますが、ただお断りを申し上げておきたいことは、その中で、実は昨年の八月国会が閉会中に、次官通達でもって行なわれましたいわゆる簡保資金の積み立ての転貸債の問題について、私は行政当局に、責任とこのやり方の間違っておることを深く追及しながら質問をしていきたいというふうに考えておりますが、本件は自治大臣と大蔵大臣と、三者の大臣が並ばないとなかなか質問できませんので——これが一番重要な問題であると考えておりますけれども、これはいずれ予算委員会におきます一般質問でやることになっておりますから、一応本日は省きまして、大臣が説明いたしました所管事項の説明資料を追って質問をしていきたいというふうに考えておるわけであります。
まず最初に御質問を申し上げたいのは、本年度の簡易郵便局の設置が五百局になっておりますが、昨年度の予算と、それから現在まで設置された局数はどの程度になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/10
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011・古池信三
○古池国務大臣 数字にわたることでございますから、政府委員から御答弁いたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/11
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012・佐方信博
○佐方政府委員 昭和三十八年度は予算は五百とれておりましたけれども、ただいまの段階では三百五十ぐらいできておると思います。正確な数字は持ってきておりませんが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/12
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013・森本靖
○森本委員 その三百五十も、郵政省が大いに奨を励して、ひとつぜひ簡易郵便局をつくっていただけませんかと市町村に頼みに行った数字が、三百五十という数字になって出ておったのであって、実際につくってもらいたいというところは非常に少ないということであります。この五百というのは、はたして三十八年度に消化できるかどうかということをわれわれは非常に疑問に考えるわけでありますが、これを例年のごとくまた五百というふうに増置をした、その政治的な内容というものは一体どうなっておるのか。
それから、ついでに聞いておきますが、昨年の無集配特定郵便局の設置の局数と予算の数と、それから実際に置いた数字はどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/13
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014・佐方信博
○佐方政府委員 簡易郵便局につきましては、いわゆる五カ年計画をもちまして準備を進めてきておりますが、先生御指摘のように、過去二、三年なかなかうまくできませんでした。そこで手数料の値上げ等いたしまして、ほんとうに便利な制度であるということを周知いたしました結果、三十七年度は五百七十ぐらいだったと思いますが、とれましたし、成立いたしました。三十八年度も、先ほど申し上げましたように、三百五十ぐらいできておりますので、鋭意これを進めましてやっていきたいということで、この二カ年間の実績にかんがみまして三十九年度も五百予定しております。
それから無集配特定郵便局につきましては、三十八年度は三百局の予算が成立いたしましたので、これを全部各郵政局に割り当てまして、いま各郵政局で開局の準備をいたしております。したがいまして、三十八年度に全部これを令達いたしておりますので、現実の開局は、三十九年度にずれる局があるかもしれませんけれども、全部割り当て済みでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/14
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015・森本靖
○森本委員 私は、郵務局長にあとの簡易郵便局のことを聞いたわけではなく、大臣に聞いたわけであります。いまの質疑応答でも言っておりますように、無集配特定郵便局の設置については要望が非常に強い。非常に足らない。ところが簡易郵便局の要望は非常に少ない。もともとこの簡易郵便局法はわが社会党は反対でありましたが、時の政府がこれを押し切ってつくったわけでありますけれども、その後やはり社会党が言っておりますように、この簡易郵便局の伸びは依然として悪いということははっきりといたしておるわけでありますし、それから現在三十八年度の五百局のうちの三百五十局ということを郵務局長は言われておりますけれども、現実には、各郵政局から各普通郵便局に対して、実際にひとつ簡易郵便局をつくるように運動してくれぬかというような公文書まで出して簡易郵便局奨励運動をやっておるわけであります。そういうことをやっておきながら、本年もやはり同じように五百局をばく然と要求するということは、一体どういうつもりであるかということを大臣にお聞きしたいわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/15
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016・古池信三
○古池国務大臣 簡易郵便局というものが全国の津々浦々に普及いたしますると、国民の受ける便利というものは非常に大きくなるであろうと存じます。私どもは、何としても、国民の側からこの郵政事業に対してその利用率を高め、国民の皆さんが喜んでいただけるようなことはぜひ普及していかなければならぬと考えておるのでありまして、なるほど最初の間は簡易郵便局なるものの制度そのものが一般に普及徹底しておりませんので、希望も少なかったように承知しておりますけれども、だんだんこの制度が周知されるに従いまして、その設置要望も多くなってきておる、こういうように私は聞いております。したがいまして、先ほど、地方に通達を出したというようなお話でありますが、それはかような便利な制度ができたのだということを国民の皆さまに周知をする必要があろうと思ってその周知をさせたわけでございまして、かような制度はなるべく全国に普及して、皆さんにその便益を十分享受していただきたい、かように私は念願いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/16
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017・森本靖
○森本委員 かような簡易郵便局というような便利なものがあるということを周知させると言われましたが、その文書に、あなたはいつ決裁して、いつ判をつきましたか。下部のほうの文書では全く違っています。いいかげんなことを言わぬようにしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/17
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018・古池信三
○古池国務大臣 森本さんはよく役所のことは御承知であろうと思いますが、一々大臣のところまで決裁を求めてくるという文書は、特に重要なものでございまして、事務的なものは次官限りで決裁をしていくというのが、これは郵政省に限らず、どこの役所でもそうだと思います。したがって、ただいま仰せになりました通牒も、その趣旨においては私は賛成をしておりまするが、具体的な文章をどう書いておるかというようなことについては、これは事務次官以下の事務当局に委任しておりますから、さよう御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/18
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019・森本靖
○森本委員 事務当局に委任しても、あなたのいま言った趣旨でやっておるか、あるいは私が言った趣旨でやっておるかということになると違うでしょう。簡易郵便局を置いてもらうようにひとつ大いに努力しろということと、簡易郵便局が非常に便利であるからそれを周知徹底しろということとは、だいぶ意味が違うでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/19
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020・古池信三
○古池国務大臣 私の心持ちは、そういうことを国民の皆さんに周知して、そうして協力をしてもらう、こういうような趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/20
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021・森本靖
○森本委員 大臣が何も知らぬ間にその心持がだんだん変わって簡易郵便局を五百局予算でとった。ところが、これは要望が少ない。少ないから、これは予算をはかしておかないと、次の決算委員会なり予算委員会でやられて予算が少なくなる、それでなるべく早く簡易郵便局をつくりなさい、つくるためには、各市町村に一々郵便局長が出向いていって、つくってもらうように要請をしなさい、こういうことになったわけです。そういうことを大臣よく承知しておってから答弁をしてもらわぬと、いまみたいな食い違いが、至るところに、私がこれから質問をしていくと出てくるというふうに考えますので、ひとつそういう点についても十分御勉強を願いたいと思うわけであります。
それから簡易郵便局については、非常に便利であるから、今後も大いにその要望が強くなるであろうというふうに言われておりますけれども、それではちょっと聞きますが、大臣は御承知かどうか知りませんが、一体、簡易郵便局の手数料は、一局当たりどの程度やっておりますか、御承知ですか、大臣、大体の程度……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/21
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022・古池信三
○古池国務大臣 ただいま調べた統計の数字をお答えいたしますが、平均いたしまして一万一千五百六十円くらいになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/22
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023・森本靖
○森本委員 その一万一千五百六十円くらいで、人間が一人食って十分に仕事ができると思っておりますか。簡易郵便局の要望が非常に強いというふうにあなた言われますが、一万一千円くらいで、どんないなかでも、食えてまじめに簡易郵便局の仕事ができると大臣はお思いですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/23
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024・古池信三
○古池国務大臣 これは御承知のように簡易郵便局でありますから、この程度で十分とも思いませんけれども、何とかやれるのではなかろうか、いままで現にやってもらっておる、こういうわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/24
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025・森本靖
○森本委員 私が聞いておるのは、簡易郵便局の局員だって人間でありますから、やはり人並みの飯を食って生活をしなければならぬわけであって、大体一万一千円で食えるかどうかということを聞いておるわけですよ。一万一千円で勤務時間をきちんとまじめに仕事する人間がおるとお思いかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/25
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026・佐方信博
○佐方政府委員 一万一千円の手数料につきましては、これは全国平均でございまして、おのおの郵便、郵便貯金、簡易保険によって、全部取り扱い件数によって違うわけであります。したがいまして、貯金の取り扱いが非常に多いところは、その手数料も多くなる。全国平均でございますので、取り扱いが少ないところもあります。したがいまして、過去数年来いろいろの値上げの問題がありましたけれども、過去数年来の要求に応じまして三十八年度に一部値上げをしたということになって、三十九年はそのまま一応様子を見ようということになっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/26
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027・森本靖
○森本委員 これは事務当局に答弁をしてもらってもしようがないわけであって、私が大臣に聞いておるのは、一万一千円の単価で人間が食って郵便局の仕事がまじめにできるとお考えかどうか。簡易郵便局というものは、国民の中で非常に希望と要望が強いというふうに大臣がおっしゃったから、私は、それなら、希望、要望が強いということであるとするならば、一万一千円でそういう人たちが食っていけるだろうかという疑問が起こるわけであります。だから、大臣としては、そういう場合に、一万一千円でとにかく水を飲んでも簡易郵便局を一生懸命やれ、こういうことになるのかどうかということを聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/27
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028・古池信三
○古池国務大臣 私は別に理屈めいたことを申すわけではありませんけれども、森本委員も御承知のように、簡易郵便局というのは、個人に請け負わせるという性質のものじゃないのでございまして、たとえば農協であるとか、そういうふうな公の機関が引き受けてこの業務をやるわけでありますから、したがって、その手数料というものも、そういう公共的な機関に払う、こういうものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/28
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029・森本靖
○森本委員 そういうものですから、一体どうなりますか。実際の運用は、一万一千円を農協に払って、農協が確実に運営をしていく、こういう御回答ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/29
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030・古池信三
○古池国務大臣 農協に限りませんけれども一、大体そういう機関が引き受けてやるのでありますから、私も、これで非常に妥当だとは思いませんけれども、なるべくたくさんの局を置いて便宜をはかろうという意味でありますので、そういう機関でその手数をもって適当にやっていただいておる、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/30
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031・森本靖
○森本委員 適当にとは、それはどういうふうに判断をするわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/31
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032・古池信三
○古池国務大臣 それはその機関そのものがこの仕事を扱って、これだけの手数料を受け取って、そうして付近の住民のためにやっていただいておるわけでありますから、それらの給与その他の点においては、その公共の機関がやっていただいておる、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/32
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033・森本靖
○森本委員 そういうふうに現実にやっておりますか。これは事務当局でけっこうです。いま大臣が答弁したようにやっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/33
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034・佐方信博
○佐方政府委員 御承知のとおり個人請負ができておりませんので、そういう市町村でありますとか農協等が受託者になっておりまして、そこが人を採用して仕事をしておるという実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/34
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035・森本靖
○森本委員 だから、農協なり市町村が人を雇ってやっておるということは、名前だけ貸しておって、実際には簡易郵便局をやっておる人は、郵政省からもらう手数料だけしかもらっておらぬということが多いんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/35
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036・佐方信博
○佐方政府委員 それは場所によっていろいろ違うと思います。農協の中で、全く農協から補助を受けないで自分だけがやっておるといいますか、郵政省が払うものだけでやっておるという人も多いだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/36
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037・森本靖
○森本委員 今言ったように、郵政省からもらうものだけでやっておる人もかなりある、こういうことですが、そういう場合に、簡易郵便局というものがそういう人たちの犠牲においてやられるということになるわけですが、大臣はこれでもどんどん希望が出てくるとお思いですか。市町村なり農協なり漁業協同組合は今日その補助金を出そうとはしておらない。こういうふうな制度をますます発達させていって、それでさらに市町村なり農協なり漁業協同組合が、喜んで補助金を出して、簡易郵便局を設置してくれというふうな陳情がたくさんくるとお思いですか。おそらくは自民党の方々にも、あるいは郵政省にもいっておると思いますが、それは簡易郵便局の全国の連合団体等から、これじゃ食えぬから何とかしてくれということを言ってきておると思う。だから手数料の引き上げその他について要望してきておるわけであります。そういうことをするとするならば、いっそのこと簡易郵便局なんというものはやめてしまって、無集配特定郵便局の増置を多くすればいいわけです。もう少し大臣というものは、こういう予算で、しかも堂々とあなたがいま概略説明したわけでありますから、要所要所というものは、大臣といえども的確にぴしっとつかんでおかなければならぬ。そういう詳しい内容をつかまずに、ただ単に、簡易郵便局というものがどんどん発展をしていっておるんだ、めでたしめでたしというふうな大臣では、全くでくの坊になってしまう。こういう点についてはひとつ十分に御研究を願いたい、私はかように思うわけであります。
今後この簡易郵便局というものをどういう方向に持っていこうかということについては、大臣として、今回郵政省の郵政審議会に、郵便事業あるいは郵政事業の全般にわたる近代化に対して諮問をしたということを聞いておりますが、特定郵便局の問題も含めて、この簡易郵便局の問題ももう結論をつける段階にきておるのではないか、私はそういうことを考えてみますと、郵政省全体のいわゆる普通郵便局、総括局、さらに特定郵便局、集配局あるいは無集配局、そしてこの簡易郵便局も加えまして、全般について一体どういうふうな運営をしていったほうがよろしいかという総合的な判断を立てていく必要があるのではないか。いまのように簡易郵便局は簡易郵便局でやる、無集配特定郵便局は無集配特定郵便局でこれを置くというような形で、ずっと惰性でやってきておりますが、そういう点について、今回の郵政審議会に対する大臣の諮問としては、この問題は入っておりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/37
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038・古池信三
○古池国務大臣 たいへん有益な御意見を伺いまして、私もごもっともと思う点がたくさんあります。要するに簡易郵便局というものが世の中に歓迎されてこそこれを置く必要があるのでありまして、世間で簡易郵便局は大して役に立たないから要らないというふうな皆さんの御要望でしたら、こういうものはもう当然やめてよろしいもの、あるいはまた縮小してもよろしいのであります。それらの問題は、ただいまお尋ねになりましたように、郵政審議会に非常に大きな問題として諮問をしております。当然その中には日本の郵便局制度そのものに対する審議もお願いをしておりますから、普通郵便局、特定郵便局、簡易郵便局、すべてを含めて御検討を願おうと考えております。
なおまた、この手数料につきましては、確かにお話のように手数料を上げてほしいという要望も聞いております。郵便事業全体としての経営というものを考えていかなければいけませんから、要望がありましても、必ずしもその要望どおり上げていくことのできない場合もあります。これらは大局から考えて今後やっていきたいと思います。また、取り扱いの数がふえていきますれば、自然手数料もふえていくわけでありまするから、どうしてもこの事業を発展させていくことが一番急務であろう、こんなふうに考えておりまして、私は非常にこだわったような考えは持っておりませんので、その点は森本委員も十分に御理解を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/38
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039・森本靖
○森本委員 ただ私は、大臣があまり大きなことを言うから、知っておるかどうか試験的にちょっと聞いてみたのですが、聞いてみたところが、案の定、簡易郵便局の実態というものをあまり御承知ない、そのくせ大きなことを言っておるということを、ひとつ皆に知ってもらいたかったので意地の悪い質問をしたわけでありますが、いまの答弁で次に進みます。
それから次に、今回簡易生命保険の百万円が出されたわけでありますが、いままでは、この簡易生命保険の最高額が百万円ということになりまして最高額が上がってまいりますと、それにつれまして郵便貯金の制限額がやはり上がってきておる例になっておるわけであります。それが今回この郵便貯金の制限額五十万円が百万円になる法案が上程されておらぬわけであります。そこでこの問題については、おそらく当委員会としては、与野党とも、この郵便貯金の制限額が引き上げになるということについては、私は全員が賛成であろうというふうに考えておるわけでありますが、それが簡易生命保険の最高額だけ今回上程になって、郵便貯金の制限額の引き上げがならぬということは、どういう政治的な理由があるか、ひとつ御回答願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/39
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040・古池信三
○古池国務大臣 今回の法案提出によりまして、簡易保険の最高制限額がぜひ百万円になるようにお認めを願いたいと考えておりますが、郵便貯金のほうの最高限はただいま五十万円でありますけれども、これを百万円にすることについては、目下いろいろな面から検討を加えつつあるわけでございます。したがって、その検討がまだ終わっておりません。そこで今国会には上程しないつもりでおりますが、いずれその検討の結果百万円に上げるべしという結論になりました暁には、また御審議をお願いするようなことになろうかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/40
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041・森本靖
○森本委員 どういうところがひっかかっておるわけですか、検討中というのは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/41
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042・古池信三
○古池国務大臣 これはもう森本委員もよく御承知だろうと思って、御承知の上でお尋ねになっているのだろうと思いますが、いろいろな面からこれは考えていかなくちゃならぬと思うのです。
保険と貯金とは本質的に性格も違いますし、一例をあげれば、今日郵便貯金は申すまでもなく無税であります。これと対比される銀行の預金につきましては五十万円までは税がかからぬような方法が講じてございます。ところで、郵便貯金のほうは百万円にして、百万円まで無税ということにしますと、一般銀行預金とのつり合いということも考えなければなりません。そうなりますと、日本の国の財政全般にやはり響いてくるわけでありますから、さような点も慎重に考慮をしながら検討を進めておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/42
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043・森本靖
○森本委員 その貯金の最高制限額を引き上げるという点について今回ひっかかっておるのは、いわゆる利子の課税の問題だけでひっかかっておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/43
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044・古池信三
○古池国務大臣 その問題も検討の題目の一つであります。その他いろいろ検討中でありますから、まだどういう点がひっかかっておるかどうかなんとかいうことをここに申し上げる段階ではないと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/44
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045・森本靖
○森本委員 検討中といっても、これはあなたの前の大臣だったと思いますが、とにかく次期の国会にはやはりこの貯金の最高額についても引き上げていかなければならぬという当委員会の要望があって、たしかそういう趣旨に沿うように検討していきますという回答があったと思う。だから、これは簡易生命保険の分を百万円に引き上げるとするならば、やはり同時に貯金の制限額も百万円に引き上げができるように、その方面との折衝あるいは話し合いというものを大蔵省と行なって、そうして私は、今次国会にこの貯金の制限額の百万円については出すべきであった、こう思うわけでありますが、いまのところ、大臣としては今次国会には全然出さない、こういうことですか。もし検討をして結論が出たとするならば、今次国会にも提案をすることがあり得るということじゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/45
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046・古池信三
○古池国務大臣 ただいまのところでは、今国会に上程はむずかしいであろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/46
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047・森本靖
○森本委員 ただいまのところでは今次国会には上程がむずかしいというのは、それは要するに、そうすると郵政省内部の問題はないけれども、郵政省と大蔵省との折衝過程においてそのことがひっかかっておる、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/47
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048・古池信三
○古池国務大臣 郵政省内部といいましょうか、やはりこれは政府全般でありますから、政府全般として大局的に検討を進めておる、かように御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/48
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049・森本靖
○森本委員 政府全般の問題であっても、郵政省は郵政省としてまず一つの検討を始めて、そうしてこれを郵政省としては引き上げるべきであるという結論がついたならば、大蔵省なら大蔵省と折衝を始めて、そうして大蔵省との了解がつけば、これがそれぞれの省議なりにかかって、そうして閣議決定という——その間にそれそれ与党に連絡をする、こういうやり方を今日までとってきていると思うのです。だから、私が聞いているのは、郵政省としては、この郵便貯金の制限額の引き上げについては、それでは一体現在どういう考え方を持っておるか。——それは事務当局ではだめだ、大臣でないと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/49
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050・古池信三
○古池国務大臣 郵便貯金はもちろん郵政省が所管いたしておりますけれども、しかしやはりこれは国全体の財政状態、諸般の事情を勘案してきめなければ、郵政省だけの問題として簡単に取り上げるわけにもいかないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/50
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051・加藤常太郎
○加藤委員長 ちょっと補足して浅野貯金局長から……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/51
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052・森本靖
○森本委員 これは政治問題だから、大臣でないとだめですよ。
それは国全体に関係をする問題であるから、各方面との折衝も話し合いもしなければならぬということは当然のことであります。ただ、私が言っておることは、郵政省は郵政省として、この百万円なら百万円に引き上げるべきであるという結論をつけるような機関もあるわけであります。省議なら省議、あるいは局議なら局議という機関があるわけであります。そういう機関において十分にこれを検討して、そうして郵政省で一つの結論を得てから、大蔵省なら大蔵省と折衝して、今度は閣議全体、政府全体の責任に持っていく、こういう形になると思う。だから、郵政省としては、この郵便貯金の制限額の引き上げについては、どう考えておるかということを聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/52
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053・古池信三
○古池国務大臣 私は一面においては、行政長官としては郵政大臣でありますが、また一面において国務大臣として国政全般について考えなければならない立場にありますから、先ほど御説明いたしましたとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/53
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054・森本靖
○森本委員 郵政大臣であると同時に国務大臣であるということは、一体どういうことですか。あなたの言うことは、一つもわけがわからぬじゃないですか。郵便貯金を主管するところの大臣はあなたですよ。その大臣が、少なくとも郵便貯金についてはこうしたい、ああしたいという一応の意見を持って、それから今度は政府部内の大蔵大臣なら大蔵大臣、閣議なら閣議にはかっていく立場にあるでしょう。それから郵政省としては、これを引き上げたいということであるとするならば、引き上げたいということを思っておっても、政府全体の状況をながめていかなければならぬということであるとするならば、引き上げたいけれども、大蔵省がどう考えておるか、金融界がどう動くか、そういう点の折衝をやってみなければわからぬということならわかりますよ。ただ、郵政大臣としては、一体この郵便貯金の制限額の引き上げについてはどう考えておるかということを私は聞いておるわけです。だからあなたがいまいったようなことは当然ですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/54
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055・古池信三
○古池国務大臣 当然であるとおっしゃいますから、御了解得たことと存じます。なるほどそれは、諸般の情勢が、いま百万円に最高限を上げることが、すべての条件がよろしいということであれば、それは私もあながち上げることに反対するものではありませんけれども、その辺は国家の予算その他の関係を十分に調査検討を加えた上でなければ決定しかねるということを申し上げておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/55
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056・森本靖
○森本委員 そういたしますと、予算その他について検討しないと、こういうことでありますけれども、私が言っておりますのは、そういう点については、郵政省を飛び越えて、国務大臣としての、要するに国家全般をながめるという立場に立つわけであって、郵政省としては、今回簡易生命保険の最高額を百万円に引き上げる、同時に、郵便貯金の制限額が現在五十万円のを百万円に引き上げたいというのは、郵政省の貯金局としては、私は当然の考え方だろうと思うんです。だから、そういうふうな郵政省の考え方というものがまとまっておるのか、まだまとまっておらぬのか、郵政省自体としてはどういう考え方を持っておるのか、こういうことを聞いておるわけです。
それから参考までに申し上げておきますと、当委員会としては制限額を引き上げるべきであるという方向に、与野党の意見が大体そろっていった方向なんです。だからそういうふうな状態の中において、一体どこに難点があるかということをわれわれは明らかにしたい。だから、まず郵政省はどういう考え方なんだ、こういうことを聞いておるわけです。国家百年の大計であるということであるとすれば、おそらくそれは大蔵大臣の考え方であろうから、大蔵大臣はどういう考え方になるか、こういう質問になってくるわけです。あなたのような回答をしておったら、内閣総理大臣をここに呼んでこなければ審議になりませんよ。はっきり言っておきますが、総理大臣がここに来なかったら逓信委員会の審議が成り立たぬということになりますよ、いまの答弁では。これは担当大臣はあなたですから、郵政大臣としては一体これについてどう考えるかということを私は聞いておるわけであります。だから、大蔵大臣がどう考えようと、内閣総理大臣が閣議でどう考えようと、それはまた別のところで聞かなければならぬわけです。あなたのような答弁で、国家の全般のことに関する問題でありますから、慎重に検討中ということになるとするならば、内閣総理大臣をここに呼ばなければちっとも審議が進まぬ、こういうことになりますよ。だから私は郵政省としてはどう考えておるか。これは別に意地の悪い質問じゃないですよ。当委員会としても従来からそういう方向を要望してきておる。しかも与党、野党を問わずそういう方向を要望してきておる。それに対して、大臣が、官僚丸出しの答弁をするからこういうことになるのです。やはりあなたは国務大臣であるとするならば、郵政省としては、そういうことについては大いに考えてやりたいと思っておりますけれども、しかじかこういう点で大蔵省との間に難点があってひっかかっておりますが、それをさらに解消して、制限額を引き上げるように大いに努力したいと思います。このくらいは言える大臣でなかったら、大臣として信頼できませんよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/56
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057・古池信三
○古池国務大臣 先ほど来私が申し上げておることは、ただいま森本委員が指摘された、そういうことを私は申し上げておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/57
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058・森本靖
○森本委員 あなたはどうもわけのわからぬ答弁をするから妙なことになるのですよ。そういうことであるとするならば、郵政省としては、これは一応局議あたりできまっておるのですか。これは事務当局です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/58
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059・淺野賢澄
○淺野(賢)政府委員 ただいま大臣から御説明申し上げましたように、前国会におきまして御決議もございますし、郵政省といたしましては、引き上げるように努力しております。ただ、おっしゃいましたように、保険等の関係を見てみましても大体同じような歩調で参っております。その点につきましては努力いたしておるのであります。ただ、民間金融機関の非課税限度額等との問題もありますので、それでなお折衝をいたしておるところであります。考え方といたしましては、おっしゃいますように上げるように努力しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/59
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060・森本靖
○森本委員 君はよく大臣に似た答弁をするが、私が聞いておるのは、郵政省の貯金局の局議としては、一体この問題についてどういうようになっておるかということを聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/60
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061・淺野賢澄
○淺野(賢)政府委員 私の局といたしましては、もちろん上げるように努力いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/61
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062・森本靖
○森本委員 局議できまっておるかどうかということを聞いておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/62
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063・淺野賢澄
○淺野(賢)政府委員 上げるという方向できめております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/63
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064・森本靖
○森本委員 そうしますと、郵政省の貯金局の局議では一応きまっておる、さらにこれが省議にかかる、こういう段階になるわけでありますが、省議にはまだかかっていないわけですね、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/64
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065・古池信三
○古池国務大臣 それでは私からお答えを申し上げますが、いままでるる御説明をいたしましたところで御了解いただきたいと思いますけれども、いま一ぺん念のために申し上げますが、国会において百万円に上げることがよろしいという御決議もあり、御意見もよく伺っております。また、郵政省としましても、諸般の事情がよければ百万円に上げるということには決して反対をしないので、そうしたいものだ、こういう気持を持っておることも先ほど申し上げたとおりでございます。また、事務当局の貯金局においてもそういう線によっていままで努力をしてきたということは、ただいま局長がお答え申し上げたとおりでございます。ただ、そういうふうに郵政省としては希望しておりますけれども、それから先はやはり国家的な立場から諸般の事情を勘案しなければなりませんので、今日まだ出すまでの段階には至っていない。その理由としましては、たとえば先ほど申しましたように、免税の問題とかいうようなことも大きくひっかかっておるということを申し上げたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/65
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066・森本靖
○森本委員 いや、私が聞いておるのは簡単なことで、局議できまっておる、だから省議にかかっておるかどうか、かかっておるとすれば、省議ではどういう取り扱いをしたか。かかっていなければかかっていないと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/66
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067・古池信三
○古池国務大臣 正式には省議においてきまったわけではございません。ただ、そういう話が何回も省議の話題になったということは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/67
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068・森本靖
○森本委員 省議というのは、あなたのほうでは、話題とか、懇談とかいうことをやっておるのですか。省議というのは、大臣なり政務次官が主宰をして、それぞれの部局から上がってくるものを一つ一つよい悪いということをどんどんきめていくわけでしょう。話題というのは懇談をやっておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/68
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069・古池信三
○古池国務大臣 まあ何といいましょうか、省議の席におきましてきめるものもあれば、きめないものもあります。したがって、こういうものの話も出ましたけれども、これは最終的にこうというふうにはまだきめておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/69
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070・森本靖
○森本委員 そうすると、これは省議の議題にのぼったことはあるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/70
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071・武田功
○武田(功)政府委員 仰せのとおり、いま大臣が申し上げましたように、省議の議題にのぼったことはございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/71
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072・森本靖
○森本委員 大臣、はっきりものごとを言ってください。何か古手の大臣のように、ずるずると答弁をしたら、これが上手な大臣だと言われるような答弁をしておったのでは、はっきり言ってこの委員会は通りませんぞ。いま大臣は、話題なんということでごまかしたけれども、官房長ははっきり議題としてのぼったと言っておるじゃありませんか。そういうことばのあやというものをきちんとしてください。何かわけがわからぬから、私は局議から順番に聞いていったわけです。そうすると、省議の議題にのぼったことはあるが、しかしそれはまだ正式にきまっておらぬ、結局こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/72
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073・武田功
○武田(功)政府委員 いま御答弁申し上げましたのは、省議の議題はいろいろございますので、決定するものもございますし、また決定なしに保留のものもございます。私が御答弁申し上げましたのは、大臣がさっきお話しになりましたように、省議の席で議題として出ましても、それがその日にきまらず、また保留されるものもございます。そういう意味で申し上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/73
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074・森本靖
○森本委員 この問題は、結局省議で議題として出たけれども、まだ保留ということですね。大蔵省その他と現在折衝中である、一番の難関は大蔵省との折衝、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/74
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075・古池信三
○古池国務大臣 大体さように御了承くださってけっこうだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/75
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076・森本靖
○森本委員 そこで、この国会には、郵政大臣としてはいかに努力しても間に合わぬ、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/76
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077・古池信三
○古池国務大臣 先ほども申し上げましたように、ただいまの段階では非常にむずかしいだろうと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/77
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078・森本靖
○森本委員 そういたしますと、その問題が解決がつけ得るというのはいつごろになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/78
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079・古池信三
○古池国務大臣 いつごろになるという見通しははっきり申し上げることはできません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/79
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080・森本靖
○森本委員 なぜ私がしつこく聞いておるかといいますと、これは簡易生命保険の最高額の引き上げの問題と郵便貯金の制限額というものは、つかず離れずというかっこうで今日まできておるわけです。かりに今回この簡易生命保険の最高額の引き上げの法律が通るということになりますと、郵便貯金のほうが制限額が引き上げにならずしてそのままに終わるという期間が一体どのくらいあるかということが問題になってくるわけです。だから、一方でこういう法律案件を提案する以上は、やはり同じ郵政事業の内部においては、この郵便貯金の制限額の引き上げの見通しというものをある程度大臣は持たなければならぬと思う。あなたがこわいから事務当局はみな言わぬけれども、おそらく事務当局のはえ抜きの郵政省の人間であれば、そう考えるのが当然です。簡易生命保険の最高額を引き上げるという法案を提案をしてそれが通るという形になるとするならば、郵便貯金の制限額をそれにほぼ近いように引き上げるということについて、郵政省としては当然ある程度の見通しというものを持たなければならぬと思うわけです。そうでなければ、今後簡易生命保険と郵便貯金あるいは郵政省内部における他の事業とのつり合いもとれてこないわけです。そういう点について全然見通しがないということであってはならぬと私は思う。郵政省としてはある程度の見通しを立てなければならぬと思う。そこで、私がしつこく聞いておるのは、政府が提案をしておるところの簡易生命保険法の一部を改正する法律案に非常に影響するから聞いておるわけです。おそらくあなたは七月か八月にやめるかわからぬけれども、もしかりに簡易生命保険のほうだけが百万円引き上げになって、郵便貯金のほうは二年も三年もたなざらしになるということになれば、これは郵政省としては非常にやりにくい立場になりますよ。だからこの点を政治的におさめるのはやはり郵政大臣でありまするから、大臣としての見通しを私はさっきからしつこく聞いておるわけです。あなたより私のほうがもっと真剣に郵政省のことを考えておるかもわからぬですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/80
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081・古池信三
○古池国務大臣 まあ将来の見通しのことでありますから、なかなかこれはわかりにくいのでありまするけれども、私としましてはこの法律が成立いたしましたならば、できる限りこれに追っかけて、貯金の最高限度引き上げもできまするように、今後十分に努力を尽くしていきたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/81
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082・森本靖
○森本委員 そういたしますと、この法律がかりに成立をいたしましたならば、貯金の最高額についてはこの国会ではむずかしいといたしましても、次の臨時国会あたりでは提案ができるように努力をしたい、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/82
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083・古池信三
○古池国務大臣 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/83
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084・森本靖
○森本委員 初めからそういうふうに答えてくれれば、こんなに長い質問にならなかったわけでありますので、ひとつ大臣も今後の答弁を十分考えていただきたいと思います。それからまだ放送関係、電波関係について質問をしたいと思いますが、もう時間もあまりないようでありますので次に進みますが、ただ一つだけ聞いておきたいと思いますことは、近畿の第二次チャンネルプランの親局の問題について、その後京都、和歌山、奈良、姫路、これだけ解決がついていないわけです。このチャンネルプランについて、波だけ与えまして、これが親局であるかどうかということについては結論がついておりません。そうしていまだにこの問題がくすぶっておるわけであります。これについては、その後大臣はどういうふうにせられましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/84
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085・古池信三
○古池国務大臣 この問題は御承知のように非常に複雑な関係になっております。したがって、私就任以来、関係者のほうからいろいろと事情も聞き、意見も聞いておるわけでありまするが、すでに臨時放送関係法制調査会のほうに、全般的な今後の放送体系のあり方ということについて諮問いたしておりまして、これがもう今日になれば比較的近い将来、六、七月ごろには答申が出るであろう、こういうふうに考えられまするので、一そう全体的な体系についての検討が進められて、これを基礎とした一つの大きな基本方針が打ち立てられた暁におきまして、その方針に従って決定していくほうがよいのではなかろうかというような考えに、いま私は傾いておるのであります。確かにあそこの地区は非常に特色のある地区であることは十分承知しております。その辺のところはいま申し上げました調査会の方々の意見も十分お聞きした上で善処してまいりたいと思っておるわけで、ただいまの段階で具体的にこういうふうにするつもりであるということを申し上げることは、ちょっと困難でございます。さよう御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/85
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086・森本靖
○森本委員 臨時放送関係法制調査会の結論は、いまのあなたの答弁では今年の六、七月ごろに出るということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/86
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087・古池信三
○古池国務大臣 大体そういう予定でお願いをしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/87
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088・森本靖
○森本委員 そういたしますと、その答申が出ました場合、まずお聞きをしたいと思いますのは、その答申は十分に尊重して、その方向において実施をする、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/88
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089・古池信三
○古池国務大臣 もちろん私のほうからお願いをして審査していただいておるわけでありまするから、その答申はできる限り尊重してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/89
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090・森本靖
○森本委員 そういたしますと、六、七月ごろに答申が出る。その答申がどういうものが出るかわからぬけれども、現在このFM放送あるいはUHFによるところのテレビジョン放送、あるいはその他の、いまの中波の混信の問題というようなことについても、すべてこの調査会の答申が出てからやる、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/90
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091・古池信三
○古池国務大臣 ただいまおあげになりました事項の中で、たとえば外国との混信などにつきまして、どうしてもしょうがない、また臨機に適当な波の変更などによってこれが修正できるということになれば、そういうものは部分的にやっていっても差しつかえないと私は思うのですが、たとえばUHFの親局制度をどうすべきか、こういうふうな根本的な、また全国にわたるような問題については、その答申を受けてから方針を決定して、その方針に基づいて具体的な行政措置を講じていくほうが一そうよいのではないか、こんなふうにいま私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/91
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092・森本靖
○森本委員 それはFM放送も同じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/92
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093・古池信三
○古池国務大臣 同様に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/93
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094・森本靖
○森本委員 そういたしますと、大臣は一切何もやらぬで次の大臣に送る、こういうことになるわけですか。七月に内閣改造があっておそらくかわるということになれば、この一番重要な放送の問題については手を触れずじまいである、こういう結論になると思います。まあかりに再任されたらこれはやるということになりますけれども、どうもこれは、大臣としてうるさいものには全然手を触れずしてそっとしておこうというふうな気分が見受けられるのであります。FM放送の問題についても、Uの親局の問題についても、私はさらに意見もありますし質問もしたいと思いますけれども、時間がありませんので……。ただ、近畿の第二次チャンネルプランの問題については、このFM放送の問題や、あるいはまたUの親局の問題とも関連はいたしますけれども、それ以外の第二次チャンネルプランの修正については全部やっていっておるわけであります。しかも近畿の場合は、波を割り当てておいて、親局だけを抜いてあるわけであります。だから、これはFM放送の問題とかその他の問題とはだいぶ違ってくるわけであります。たとえ六月、七月に臨時放送関係法制調査会の答申が出なくても、実はこれは第二次チャンネルプランの修正をしたときに行政上としてはやらなければならぬ問題であります。だから私は、この問題について、これを六月、七月までほうっておくということにはならぬ、こう考えるわけですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/94
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095・古池信三
○古池国務大臣 まず最初にお尋ねになりました、私が重大なる問題は先に延ばしておこうという考えで行政をやっておるのではないかというお尋ねですが、それは森本委員の誤解でございまして、私は決してさようなことは考えておりません。
ただ、しかしながら、行政をやる以上は、あくまで筋を通してやらなくてはならない。それにはせっかく法律によって設置された臨時放送関係法制調査会というものがあって、しかもその調査会自身の期限もこの十月ごろには切れるわけであります。そして今日までいろいろ伺っておると、大体六、七月ごろには答申が出る、こういうふうになっております。
そこで、ただいまの関西方面のUの親局の問題にしましても、今日までUHFを免許しておりまするのは出先の中継局——難視聴解消というふうな意味から中継局には割り当てておりますけれども、その親局をどうするかという根本方針は樹立されておらぬのであります。したがって、そういうこともあれこれ勘案しました上でその答申を見てからやるほうがいいのではないかというふうに考えております。しかし、そういう答申が出ても、決してそれに妨げにならないのだという確信ができれば、それはまたやらぬでもありませんけれども、今日のところでは、私はそんなふうに考えておるわけであります。
FMにしましても同様でありまして、今日は御承知のようにNHKの中継局、そういうところに免許をして実験あるいは実用化ということでやってもらっております。したがって、これによってFMというものの受信機も普及するでありましょうし、また、その実験なり実用化の結果を見まして、一般的な大きな方針を立てて、その上で全般的な免許をやるべきだ、こういうふうに私は考えておりまするので、私のこの方針は決してむずかしい問題を先に延ばすというような意味でなく、やはり根本方針、基本方針を立てた上で、これに基づいてやることが誤りない行政ではなかろうか、こんなふうに考えておるのでありまするから、私の真意は御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/95
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096・森本靖
○森本委員 そういたしますと、近畿のチャンネルプランの修正にあたって、なぜ波だけを与えて、それで親局であるか親局でないかという、親局のことだけをのけたのですか。それなら初めから波を割り当てなければよろしい。波だけを割り当てておいた、それで問題は、親局になるか、いわゆる中継所になるかというところにひっかかってきておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/96
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097・宮川岸雄
○宮川政府委員 ただいま森本先生から御指摘のように、昨年度その問題が一応懸案になりましたときには、確かにただいま御指摘のように波は割り当てましたけれども、関連親局が指定にならなかった。しかしながら、それを検討してまいります過程におきまして、近畿の広域圏における親局という考え方をもう少し検討しなければこの問題は解決しないのではなかろうかというようなことが考えられまして、ただいま事務当局といたしましてはいろいろ検討いたしておりまするが、ただいま大臣からお答えがございましたように、現在では根本的な考え方をきめてからやったほうがやはりいいであろう、こういうふうになっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/97
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098・森本靖
○森本委員 事務的な説明はそれでいいのですよ。私の聞いておるのは政派的な問題です。だから、そういうふうにUの親局ということについては、今日まで郵政省としては認可をしない、いわゆる中継所だけしかUについてはやらないという方針をきめてきているわけです。それを変更するということになるとするならば、この近畿のチャンネルプランの問題になってくるわけであります。そこでいまこれがひっかかっておるわけであります。もしそういうことでひっかかっておるということであるとするならば、初めからこの近畿の問題については波を与えておかなければいいわけです。そのUの親局を置くか置かないかという結論が出てから、同時に波を与えればいいわけです。そうしないから非常にこんがらかった争いになってきておるわけです。そうでしょう、大臣。だから、非常にこんがらかった争いになってきておるというのは、こんがらかった争いにするように郵政省がしむけていっておるわけです。波だけは与えておいて、いわゆる中継所にでもやろうと思えばやれるし、親局でやろうと思えばやれるし、どちらにもとれるようなかっこうにしてある。そしてその結論は放送調査会の結論が出てから出す、それまで待て。これはちょうどだんごを前に置いておいて、腹が減っておるのに食うなというのと一緒ですよ。それなら初めから何も割り当てずに、そういう問題の解決がついてからこの波の割り当ても一緒にやればいいのじゃないか。大臣、その辺どうですか。これは事務当局の問題じゃない。私がいま言ったように政治的な問題なんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/98
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099・古池信三
○古池国務大臣 この波の割り当てという問題は非常に技術的な関係が多い問題でありますし、それからその割り当てをした当時の事情というようなことにつきましても、少し技術的にその当時の事情をお話し申し上げたほうがいいのではないかと考えますから、事務当局のほうから説明してもらいます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/99
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100・森本靖
○森本委員 それはいいです。それは事務的に説明してもらわぬでもわかっております。私がいま言っておることをはっきり聞いておったらわかるでしょう。そんなものを事務当局に説明させる必要はない。和歌山、京都、奈良、姫路、それぞれにその当時波を与えた。ただその波が親局であるかどうであるかということがひっかかっておるわけでしょう。だからその問題についてどうなっておるか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/100
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101・古池信三
○古池国務大臣 いまお尋ねの点につきましては、なるべく誤解のないように事務当局から御説明させます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/101
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102・吉灘中
○吉灘説明員 お答えいたします。去年の五月にチャンネルプランを修正いたしまして、近畿につきましてはNHKの二波しか割り当てておりません、中継局としまして。したがって、民放に対しては、まだ、いまのお話のようないきさつもありまして、現在のところ全然波の割り当てをやっておりませんで、今後の問題としていま検討中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/102
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103・森本靖
○森本委員 波の割り当ては、一応NHKとそれから教育テレビということになっておりますけれども、現実にその放送の結果はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/103
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104・吉灘中
○吉灘説明員 チャンネルプランの修正が去年の、五月に行なわれたわけでございますが、具体的にまだNHKは置局をいたしておりません。計画は、ほぼ四カ所につきましていま進めておりますけれども、まだ予備免許を与える段階に至っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/104
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105・森本靖
○森本委員 こういう問題は、どうしても解決をつけるという意味においては、やはりNHKに先行させてやってみて、そしていまの波の問題が出てく合わけです。だから、これはなるべく早くやらなければどうにもならぬと思うのですが、いままで三十八年度に置局するという方針だったでしょう、NHKも。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/105
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106・吉灘中
○吉灘説明員 いま手元に三十八年度の具体的な置局計画の資料を持ってまいっておりませんので、はっきりしたことはお答えできませんが、そのうち若干は、もちろん計画に入っておったと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/106
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107・森本靖
○森本委員 たとえば姫路なんか、いまつくっておるわけでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/107
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108・吉灘中
○吉灘説明員 まだ姫路についても全然工事に着手しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/108
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109・森本靖
○森本委員 そうすると、この四カ所も波を与えただけであって、実際にはまだ全然NHKはタッチしておりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/109
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110・吉灘中
○吉灘説明員 具体的に、いまの近畿の中継所の地区につきまして、どこの山に送信所を置いたらいいかという点については、技術的な検討はずっとやっております。これは姫路に限りませんが、どこでもずっとやっております。しかしながら、現実にいま波を出しているところはもちろんございませんし、われわれとしても、もちろん予備免許を出しておるところは一つもございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/110
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111・森本靖
○森本委員 そういたしますと、このいわゆるNHKの置局については、三十八年度には全然ないのですか。私の聞いたところによると、NHKとしては、これは置局の方針があるやに聞いておるのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/111
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112・吉灘中
○吉灘説明員 お答えいたします。先ほど申し上げましたように、いまちょっと手元にNHKの計画の資料を持っておりませんので、はっきりしたことは答えられませんが、近畿だけでも二十何地区ありますので、そのうち若干の地区は入っておったと記憶しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/112
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113・森本靖
○森本委員 そういたしますと、このNHKに割り当てるということは、NHKに割り当てると同時に、民放にもある程度のものを割り当てなければならぬという結論になるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/113
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114・吉灘中
○吉灘説明員 NHKのために二波、チャンネルプランの修正を去年いたしまして割り当ててあるわけでございまして、何もNHKが先にどんどん出していくことは、われわれの方針としてはやぶさかではありませんし、民放が同時に出さなければならぬということはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/114
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115・森本靖
○森本委員 だから、私が言っておるのは、NHKが先行的にやるということは、いま部長が言ったとおりで、それはわれわれも賛成でありますが、NHKにそういう二波を与えるということになりますと、同時に民放にもある程度のものを割り当てていかなければならぬという結論になるであろうと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/115
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116・吉灘中
○吉灘説明員 お答えいたします。近畿の問題につきましては、先生はよくいきさつを御承知だと思いますのでなにでございますが、結局いろいろないきさつがございまして、NHKに割り当てるところまでしかいかなかった、去年の、五月の段階におきましては。そして、今後は民放にはどういうふうに割り当てをするかということはいま一番の問題で、われわれ頭を痛めておるわけでございます。その理由はどこにあるかということでございますが、近畿全体を広域圏と考えるかどうか、各県ごとの地域的な独立性というものを考えるかどうか、こういう根本問題があるわけでございます。それから一つには、Uの親局というものが根本的にその前に一つの大きな問題として、最近われわれとしては検討しておるわけでございます。申請もたくさん出てまいっておりますし、Uの親をどういうふうに考えるかという問題との関連も考えながら、この問題をきめていかなければいかぬ。それから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/116
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117・森本靖
○森本委員 私が言っておるのは、これは大臣に聞きますが、そういうふうにNHKに割り当てをした以上は、民放に割り当てをするということは当然のことであろう。それは地域の人口その他によって何波になるか、幾つ波が出るか、それはわかりませんけれども、NHKだけでやるということにはならぬであろう、当然民放に割り当てがいくであろうということは、結論的になるであろう、そういうことです。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/117
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118・古池信三
○古池国務大臣 もちろんそのとおりでありまして、Uの波はNHKだけに割り当てるというものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/118
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119・森本靖
○森本委員 要は、誤解のないようにしてくださいよ。私がいま言っておるのは、この近畿の問題ですよ、全国的な問題じゃないんですよ。全国的にはNHKと民放とがそれぞれ競合していくような形に波の割り当てをしてあるわけです。ただ実際問題としていま言った近畿のこの問題になっておりますところは、いま部長は、大体割り当てについては実際問題としてはNHKの二波だけしか認めておらぬ、こう言っておるわけです。それは現実の問題としてはそうであるけれども、事実上はこれは民放にもある程度割り当てたと同じような結論にならざるを得ない。なぜかならば、これはどこがやる、かしこがやるということじゃないんですよ。どこがやる、あれがやるということじゃなしに、いままでNHKに割り当てた場合には、必ず同時に民放にある程度割り当てておったわけです。ところが、ここで問題になりますのは、Uの親局を認めるか認めぬかという問題でひっかかってきたわけです。それから中継所にするということになるならば、四局同時に放送するということにでもなるとするならば、一体それはどうなるかというような問題でこれはひっかかってきておると思うわけでありますが、ここでNHKに与えたということは、民放にも与えるということが結論づけられた、こう考えてよろしいかどうか、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/119
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120・古池信三
○古池国務大臣 御案内のように、全国的に見ますと、民放にも、中継局としては割り当てております。したがって関西の問題についても、やはり割り当てるべきことは当然だと思いますが、その割り当てのやり方をどうするかという問題が非常に重要になってくるわけであります。それはいま関西だけを取り上げてやるがよいか、あるいはもう少し待って、全般的な日本国じゅうの基本方針が確立した際に、その方針にのっとって関西も処理することがいいか、そういう問題になっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/120
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121・森本靖
○森本委員 そういう問題になっておりますから、この近畿のチャンネルプランの問題については、たとえば和歌山は全然入ってないということでしょう。だから、そういうふうなところであるから、これをその他の地区と同じように考えてはならぬ。要するに、ここに和歌山なら和歌山、あるいは奈良なら奈良のほうは、そのローカルによるところの特色のあるテレビの民放というものはないわけですから、ほかの地区とは全然違っておるわけです。和歌山の場合は、だからそういう状態において、これが臨時放送関係法制調査会の結論を待ってやっておったのでは、実際おそいわけです。もっと腕の切れる政治的手腕のある人であったとするならば、私はこれは昨年の選挙前に片づけておると思う。なかなかむずかしいということはわかりますけれども、これはやはりこういう問題を精力的に片づけるように郵政省としては努力しなければならぬ。その努力のあとは見えます。大阪の電波監理局長あたりが一つの仲裁案というものを出したというようなことも聞いておりますが、しかしそれが現実に実っておらないわけでありますから何にもなりません。一番損をするのは、これは和歌山の県民であり、あるいは姫路付近の国民であります。だから、結局そういうふうな民放間の争いに損をしておるのは、これは国民であります。電波は民放のものでありません、国民のものです。そういう点を考えて、私は日を漫然と送るということよりか、やはりこういう問題についても、早急に解決がつけ得るように全努力は傾注していいではないかというふうに私は考えるわけでありますが、この点はひとつ臨時放送関係法制調査会で結論が出てからなんというのんきなことを言わずに、いまからでも解決ができ得るように努力をすべきじゃないか、こう考えるわけですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/121
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122・古池信三
○古池国務大臣 将来の方針決定のために大きな障害になるような悪い影響を与えないような形において名案が考えられますならば、それは答申が出ない前においても、決してやって悪いというものではないと思いますから、十分御趣旨に沿って今後も努力を続けていくことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/122
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123・森本靖
○森本委員 いまのUHFのテレビジョンの問題からいきますと、当然将来県庁所在地あたりには別個にUの親局も割り当てなければならぬ時期が必ずくるではないだろうか、同時に、いまアメリカでやっておるようなオール・チャンネル法のようなものを日本でも実施しなければならぬ時期がくるではなかろうかというふうに、私は私なりに考えておるわけでありまして、そういう点を考えてみると、この近畿の問題も解決をつけようと思えば解決がつけ得るというふうに私は私なりに考えるわけでありますが、いま大臣がそういうふうにおっしゃいましたので、この問題についての質疑は次に譲りたいと思います。
それからもう一つ、関東のどこだったか忘れましたが、NHKの置局についての問題がこの前から宿題で残っておったと思いますけれども、これについての電波当局の御回答を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/123
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124・宮川岸雄
○宮川政府委員 ただいまの御質問は、関東における広域圏内におけるNHKの県域放送の問題だと思いますが、その問題につきましては、今後におきますところのFM放送その他音声放送の新しいメディアが出てまいります。それからまた、さらにはただいま御指摘のようなUHFテレビのもっとこれ以上の普及というようなことを考えまして、なおもう少し全体のビジョンをはっきりさせてからそういうことはきめていったほうがいいということを考えておりまして、現在、昨年の中波の混信対策だけを処理いたしまして、県域のほうはまだ処理いたしておらないわけでありますから、しばらくわわわれ検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/124
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125・森本靖
○森本委員 あれは関東のどこの県だったのですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/125
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126・宮川岸雄
○宮川政府委員 NHKの申請は群馬、茨城、栃木、関東地域におきましてはその三県であるように記憶いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/126
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127・森本靖
○森本委員 群馬、茨城、栃木というものについての置局のNHKの三十八年度予算には載ってなかったのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/127
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128・吉灘中
○吉灘説明員 お答えいたします。NHKの三十八年度の予算及び事業計画で上がっておりまして、来年度予算にNHKから提出されたわけでございますが、来年度の予算では今度は違った形で出てまいります。それはFMという形で出でまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/128
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129・森本靖
○森本委員 ここでひとつ聞いておきたいと思いますが、国会が承認をした予算ということと、それを実行する場合に、郵政省が免許する権限を持っておるわけでありますが、免許しない、するという問題が起きてくるわけでありますが、これは一体どういう関係になるでしょうね。そのときには、郵政大臣はこの予算というものはもっともである、妥当である、こういうことでこの委員会に提案をし、この委員会では審議、可決決定をして、その予算案については満場一致で決定をしておる。それを今度は郵政大臣が認可をしないということになったとするならば、大臣は、一方では、予算が適当でございます。御承認ありがとうございましたとお礼を言っておる。一方では、その予算を実行する段階になって、それはまあ待て、こういうことでやめるということがある場合に、NHKの予算の性格というものは一体どうなるのか、確かに郵政省には免許権はありますけれども、このNHKの置局の問題について、われわれが国会で承認をした場合には、ほとんど郵政省の場合は事務的に技術的に検討する問題であって、政治的に検討するということはあまりないほうがよろしい。そうでなかったならば、ここでNHKの予算を審議する必要がない。その辺の問題をこの際私は聞いておきたい、こう思ったわけでありますが、やがて来年度のNHKの予算の審議がかかってまいりますから、こういうことが毎年続いておったのでは、われわれ国会議員としても、NHKの予算というものをすみからすみまで重箱の底をほじくるようにして審議しておかぬと、あとからその予算を実行する場合に実行しないなんてことになりますと困りますので、私は、去年の予算というものも、郵政大臣が責任を持って妥当な予算であるということで提案をしてまいりましたし、内容をざっと審議してみたところが、そうあまり悪いところはないということで、満場一致で附帯決議をつけてこの案が通ったわけであります。ところが、実際にこれを実行する段階になると、いま言ったような段階になるということになるとするならば、このNHKの予算の国会の承認という問題と、それから郵政省の免許権の問題とは一体どうなるのか、この辺をひとつ明らかにしておいてもらいたいこう思いますし、きょうはもう時間めありませんのでこの程度で質問をやめますが、これは私のほうもこの次にゆっくりとこの問題は研究をしてきて質問をしたいと思いますから、あなたのほうでもひとつその関連を十分検討しておいてもらいたい、こう思うわけであります。
それからもう一つは、ずっと前の国会から宿題になっておりますところの仙台放送におきまするいわゆる紛糾問題、この問題については、その善悪の問題を論じた人々もおりまするけれども、当委員会としては、そういうふうな紛争が起きているということについては好ましくない、郵政大臣としてはこの紛糾を早急に解決をして、そうして円満な事業遂行ができるようにしなさい、こういう意向がたいへん強かったように考えておるわけであります。その後郵政大臣がこれに対してどういうふうな措置をとってまいったかということについても、次回の委員会でひとつ質問をしたい、こう考えますので、そのときになってとぼけぬようにひとつ十分検討してもらいたい、こう思うわけでありまして、本日の私の質問は終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/129
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130・加藤常太郎
○加藤委員長 次会は来たる十九日に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X00319640214/130
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