1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年三月二十五日(水曜日)
午後零時八分開議
出席委員
委員長 加藤常太郎君
理事 秋田 大助君 理事 佐藤洋之助君
理事 志賀健次郎君 理事 森山 欽司君
理事 大柴 滋夫君 理事 栗原 俊夫君
理事 森本 靖君
小渕 恵三君 上林山榮吉君
木部 佳昭君 椎熊 三郎君
中村 寅太君 中山 榮一君
橋本登美三郎君 山本 幸雄君
安宅 常彦君 片島 港君
佐々木更三君 下平 正一君
永井勝次郎君 畑 和君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 古池 信三君
出席政府委員
郵政政務次官 金丸 信君
郵政事務官
(大臣官房長) 武田 功君
郵政事務官
(大臣官房電気
通信監理官) 畠山 一郎君
郵政事務官
(貯金局長) 淺野 賢澄君
郵政事務官
(簡易保険局
長) 田中 鎭雄君
委員外の出席者
日本電信電話公
社総裁 大橋 八郎君
日本電信電話公
社計画局長 宮崎 政義君
日本電信電話公
社経理局長 井田 勝造君
専 門 員 水田 誠君
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三月十八日
委員佐藤孝行君辞任につき、その補欠として砂
田重民君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員砂田重民君辞任につき、その補欠として佐
藤孝行君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十四日
委員片島港君及び下平正一君辞任につき、その
補欠として松浦定義君及び原茂君が議長の指名
で委員に選任された。
同日
委員原茂君及び松浦定義君辞任につき、その補
欠として下平正一君及び片島港君が議長の指名
で委員に選任された。
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三月十八日
簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣
提出第九三号)(参議院送付)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣
提出第九三号)(参議院送付)
電気通信に関する件(日韓間の海底ケーブルに
関する問題)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/0
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001・加藤常太郎
○加藤委員長 これより会議を開きます。
簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。
質疑の通告がありますので、順次これを許します。小渕恵三君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/1
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002・小渕恵三
○小渕委員 簡易生命保険法の一部を改正する法律案に対しまして質問をさしていただきますが、私、本委員会初めての質問でありますので、いささか要領を得ない点もあるかと思いますが、よろしくお願いいたしたいと思います。
さきに趣旨説明をいただきましたこの法律案でありますけれども、このたびの改正案の骨子の一つは、最高制限額を五十万円から百万円に引き上げること、あるいは最低を五万円に引き上げることであると思いますが、その引き上げの基準がどこから、そして算定の基礎をどこに求めてあるか、御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/2
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003・田中鎭雄
○田中(鎭)政府委員 現在の五十万円は昭和三十七年の四月一日に引き上げられたのでありますが、その後の一般社会経済事情にかんがみまして、五十万円では保険的保護として不十分であるという意見が一般加入者その他のほうからも出ておりますし、私どもといたしましても、そういう観点に立ちまして引き上げを検討した次第でございます。
それでは幾らに上げるかという点でございますが、今回五十万から一躍百万ということで法案を提出したのでございますが、これの根拠といたしましては、まず保険金がどういう点に使われるか。これは死亡の場合と満期の場合とあるわけでありまして、死亡の場合をとってみますと、それまでに普通考えられます医療費、それに葬祭費、さらに遺族の生活費、この三点が一応問題になるわけでありまして、これは健康保険の医療費あるいは一般の葬祭費、さらには全部市勤労者の遺族の生活費、こういうものを勘案いたしますと、大体百二十万程度になるわけでございます。それから老後の生活安定費でございますが、満期保険金によって老後の生活を維持する場合に、どの程度の金額が必要か。これは一例といたしまして、五十五歳満期または七十歳満期といったような点につきまして検討いたしまして、大体これも百万円から百五十万円程度になるというような点を考慮いたしまして百万円というふうに決定した次第でございます。
それから最低限五万円の問題でございますが、これは現在一万円ということになっております。一万円という保険金額はいかにも低額でありまして、生命保険としての価値に乏しいというふうに思われますし、また最近における新契約の状況を見てみますと、保険金額一万円というものは非常に少ないのでありまして、五万円未満のものが全体の四%程度でございます。一方、事業の経営上から見てみましても、あまり小額な保険金というものは、実際の事務の取り扱い上は高額のものとほとんど変わりがないということもありまして、今回五万円に引き上げたい、かように考えた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/3
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004・小渕恵三
○小渕委員 大臣が参りましたので、今度の改正案の中で最も重要と思われる問題であります。民間保険を非常に圧迫するのではないかということについて御質問したいと思います。
およそ近代的な生命保険制度というものは、一人が万人のために、万人が一人のためにという相互扶助の精神から、国家財政上限度のある社会保障を補充する意味で非常にすぐれた制度であると思っておりますが、理屈の上では、社会保障が行き届けば、個別の保険などというものは不要になってしまう、こういうように思われますが、これは現実にはむしろ逆のようで、文化文明が進めば進むほど保険というものの必要が増しているようであり、アメリカや西欧先進国の生命保険普及の高さがこの間の事情をよく物語っていると思います。先ほど、官民両方の保険が協力して、わが国全体の生命保険事業を発展させていくという御趣旨の説明がありましたが、官民両方の保険の適正な競争は、おっしゃるとおり必要だと思いますが、この法案で五十万円から百万円とかなり大幅な保険金の引き上げを実施いたしますと、逆に簡易保険が民間保険を圧迫するような事態を生ぜしめないか、そしてまた、適正な競争と申されておるわけでありますが、それでは適正な競争をする相手方である民間保険の業者との話し合いをせられるものであるか、その点について御答弁を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/4
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005・古池信三
○古池国務大臣 お答えいたします。
御承知のように、以前は民間保険のほうで、簡易保険に対しまして、自分たちの生命保険の事業を圧迫するものではないか、こういうふうな声が相当あったのでございます。しかしながら最近におきましては、国民の所得もどんどん上昇しておりますし、また生命保険という思想が一般国民の中に普及してまいりましたので、以前いわれておりましたような、簡易保険が民間保険を圧迫するというような反対的な声は、最近あまりないように存じております。また、実質的にいいましても、決して簡易保険は民間の生命保険を圧迫するようなことはいたしておりません。むしろ民間の保険が最近すばらしく発展をしておることは御承知のとおりであろうと存じます。要するに、簡易保険も、民間保険も、それぞれお互いがよい意味において競争し合って、条件等も十分に契約者のために有利になるような方向に向かって努力をする、そして事業の経営そのものもますます堅実化していく、こういうふうな関係に今日あると存じますので、今回の最高限度を百万円に上げてみましても、それほど民間を圧迫するという結果にはならないと私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/5
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006・小渕恵三
○小渕委員 いま民間の生命保険会社とのいわゆる適正な競争をやられるということなんですけれども、そういう競争をやられるなら、当然そういった民間の生命保険会社と一定のルールをつくるとか、そういうような何らかの話し合いというものは全然行なわれないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/6
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007・古池信三
○古池国務大臣 民間保険業者との間にルールというものも別にございませんけれども、しかし、お互いが過当な競争をしてはいけませんので、やはりおのずからそこに常識的な競争の限度というものはあると存じます。いずれにしましても、契約者のため、また国民一般に保険思想を普及して相互救済という観念のもとに事業を発展させていくということが、すなわち、また民間のほうにもそれが立ち返って民間保険を発展させる一つの契機にもなるのではなかろうか、かように考えております。したがって、特別に民間保険業者とわれわれとが話し合いをするというようなことは今日いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/7
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008・小渕恵三
○小渕委員 次に、小額の保険金を今度いろいろ整理されるわけですが、その問題について御質問申し上げたいと思います。
生命保険による保険保護の増大ということは、一方では全国民を対象として普遍的な普及をはかること、これも大切ですが、反面、被保険者一人一人の保険額を引き上げて、個人の保護を厚くすることもまた大切なことであると思いますが、この意味で、最近民間保険で昭和二十一年八月十一日以前の小額契約の整理が話題になっていることもうなずけるのですが、この問題について簡易保険の場合はどのように考えておられるか、またこの小額契約が完全に整理される日はいつなのか、またその努力はどのような形でいま実行されつつあるか、あわせて御質問申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/8
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009・古池信三
○古池国務大臣 御承知のように、簡易保険が創業いたしました当時から、国民大衆に親しみやすい保険、また比較的小額で加入しやすい保険ということを目標にして今日の発展を見てまいったのでありますが、しかし経済事情はだんだんと向上してまいりまして、今日あまりに小額な保険は実用の面からいいましても十分にその目的を達しがたいという情勢もありますので、この際最低限を一万円から五万円にいたす、こういう処置をとりたいと考えておるのでございます。なお、従来ありました小額の保険につきましては、できるだけ無理のない方法によって整理をしてまいりたい、こう考えておりますが、詳細なことにつきましては、政府委員のほうから御説明申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/9
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010・田中鎭雄
○田中(鎭)政府委員 現在小額の契約といたしましては大体四百万件余り、金額にいたしまして十四億余りになっております。これをどういう方法で整理するか、私どもといたしましては、いわゆる繰り上げ満期という方法で整理する考えを持っております。ただ三十九年度は、戦後大量に募集いたしました契約のいわゆる集中満期、それのピークに当たる年でありまして、それの事務処理等かなり繁雑であります。要員の面におきましても相当問題がございますので、一応その繰り上げ満期は、集中満期が峠を越えたころに実施の段階に踏み切りたい、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/10
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011・小渕恵三
○小渕委員 それはいつごろなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/11
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012・田中鎭雄
○田中(鎭)政府委員 四十年度までに大体集中満期の関係は終了いたしますので、四十一年度ごろから何とか手をつけられるようになるのではないか、そういうめどで検討しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/12
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013・小渕恵三
○小渕委員 次に保険料引き下げの問題について御質問申し上げますが、簡易生命保険法の今回の改正が、一面ではいわゆる集中満期対策という事業経営上の要請からきていることもわかりますが、何といっても現在の社会経済情勢と申しますか、保険需要というものに制度自体をマッチさせて、加入者サービスを向上させるというところに根本はあるだろうと思います。生命保険というものを一種の商品になぞらえることができると思うのですが、需要に見合った新製品を発売することももちろん大切だと思うのですが、それにも増して大切なことは、消費者行政あるいは利用者行政という面から、特に最近の物価問題にからんで保険料の引き下げという配慮は当然なされるべきではないかと考えます。最近の新聞を見ておりますと、民間保険でも何か死亡率の保険料への織り込み方を考えて保険料を安くしていくというような準備がされておると報道されておりますが、なるべく安い保険料ということはいつも標榜しておることであります。簡易保険では民保のこうした動きに対してどのように対処されるか、お答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/13
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014・田中鎭雄
○田中(鎭)政府委員 保険料率の問題につきまして、まことにただいまおっしゃられたとおりでございます。私ども簡易保険は、なるべく安い保険料で保険での保護を提供するというのが使命となっておるわけでございます。最近、民間保険におきましては、この四月から保険料を引き下げるというようなことが新聞紙上に報道されておるのでございますが、その引き下げの要領を見てみますと、第一点は、保険料計算の基礎になる生命表、これを現在私どものほうではもうすでに第十回表を使っておるのでございますが、民間ではいまだに第九回の表を使用しておる、今回の引き下げにはこの九回表から第十回表に改めるというのが第一点のように私ども見ておるのでございますが、この点につきましては、私どものほうはすでに実施しておるのでありまして、別に問題はないのでございます。それにさらにつけ加えまして、維持費を引き下げるということも報ぜられております。こういうことになりますと、この両者が同時に実行されますと、現在の簡易保険の法定保険料よりも民間のほうが安くなるということでございまして、これは私どもとしても慎重に検討しなければならない問題でございます。
ただ、特に申し上げたい点は、倍額支払いの条項がございまして、これは私どものほうでは別に特約の保険料はとっておらないのでありますが、民間では特約保険料として別個の保険料を徴収しております。こういう点を考慮いたしますと、簡保のほうが依然として低額である、こういうことが言えるわけでございます。したがいまして、現在どういう姿で民間保険の料率が引き下げられるかという点を、私ども十分にその動向を確認いたしまして、今後さらに必要があれば保険料率の引き下げに踏み切りたい、かように考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/14
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015・小渕恵三
○小渕委員 続いて、生命保険制度というものは、人間生活につきまとう死というような不幸な事件に対して、数多くの加入者から構成される保険集団で、保険料という形でみんなが少しずつ拠出した資金を、あとに残された不幸な家庭に保険金として差し上げて、少しでもその家庭の経済的な負担を軽くしようというのが本旨だろうと考えます。そこで、国民の死亡率などをもととして厳密な計算によって保険料もきめられていると思うのですが、簡易保険は無審査でありますので、からだの弱い人、民間保険で断わられたような人が流れてくるような傾向があるのではないかと心配いたします。かりにそういう人があったとしても、わずかの期間保険料を払い込んだだけで保険金をもらった場合、ほかの多くの正直な加入者はそのような不良契約のためにばかを見たということになり、被害をこうむったことになると思いますが、特に今度の改正で保険金が百万円になれば、現在の社会経済情勢のもとでは、この百万円という金額はなかなか魅力のある金額だと思います。そこでこの百万円を目当てに、さきに申し上げたような不良契約がふえてくるような心配はないか、これが一点であります。
さらにもう一つの改正点である新種保険の創設についても同じようなことが言えるのではないかと思うのでありますが、この新種保険の最高額五十万円に加入すれば加入者としては、従来の養老保険の保険料に少し保険料をプラスするだけで満期の場合の保険金五十万円が保証されるとともに、万一の場合は百万円の保険金が入ってくるというのですから、これまた魅力のある制度だと思います。だからそれだけに、この制度が悪用されても、不良契約がふえてくると、事業経営上はもちろん善良な多くの他の加入者に大きな損害を与えることになるのではないかと思いますが、百万円と新種保険との両面で、このような危険を防止するために何らかの対策を考えておられますか、お答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/15
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016・田中鎭雄
○田中(鎭)政府委員 ただいまの御指摘の逆選択の点につきましては、私どもも従来から十分気をつけておるつもりでございますが、ただいまお話のございましたように、今回百万円に引き上げる、あるいは死亡保障を厚くした新種保険の創設ということになりますと、いよいよそういう点に十分な考慮を払わなければならないと考えております。弱体者が加入するおそれがあるということは、これは事実でありまして、これが対策といたしましては、保険金の削減期間というものが設けられておるのでございまして、現在これは無審査保険として当然に設けられておる制度でございますが、そういう削減期間による事業の防衛、それから契約申し込み当時保険者に対する面接監査の励行、それから加入者側の誠実な告知を得るように今後大いに指導してまいりたいと存じております。
新種保険におきましては、一般の養老保険に比較いたしましてさらに危険が増大するおそれがありますので、削減期間を一般のものに比較いたしまして若干強化しております。契約してから六カ月未満、これは災害または法定伝染病で死亡したのは別でございますが、普通病死の場合には払い込み保険料相当額を支払う、これは現在の制度と同様でございますが、一年未満の場合には一般の養老保険は三割のところを二割にする、それから二年未満は六割のところを五割にする、そのような点をつけ加えまして、不良契約者が加入することのないようつとめておるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/16
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017・小渕恵三
○小渕委員 さらに質問をいたしますが、保険金の引き上げや、新種保険の発売あるいは保険料の引き下げ、こういう一連の施策は、商品としての保険の売買と申しますか、直接金銭的な取引上の加入者サービスの一つの手段だと思うのですが、簡易保険ではこれに加えて、現物給付的な加入者の福祉施設がかなり整備されておると聞いております。しかし一方では、加入者ホームと申すのですが、老人ホームに入居を申し込んでも、申し込み者が多いので、なかなか自分の順番が回ってこない。ちょっと家族連れで旅行したい、こういったときも、一般の旅館ではとうてい手も足も出ない、こういうときに一番利用したいこういうホームでありますが、簡易保険の加入者は全国にほとんどくまなくおりますから、安直に泊まれる加入者のための保養施設的なものを全国にもっとあちらこちらに建設してもらいたい、こういう苦情と申しますか、希望といいますか、そんな声を非常に耳にいたします。そこで、簡保のこれらの福祉施設の現況と、これを拡充する将来の見通しといったものをあわせてお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/17
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018・田中鎭雄
○田中(鎭)政府委員 加入者の健康を保持し、その福祉を増進するという点につきましては、簡易保険は大正五年に創設されて以来、大いにつとめてまいったところでありまするが、さらに加入者の要望にこたえまして福祉施設を増強するとともに、その効率的な運用をはかるために、これを専門的に取り扱う簡保年金福祉事業団というものが三十七年の四月に創設されまして、現在はこの方面の仕事を事業団で取り扱っておるのでございます。
この事業団の資金源は、ほとんどが簡保会計に求められておりまして、資本金は全額政府出資にかかる現金と現物、それから運営に要する費用は、これは施設の利用料金のほかに、毎年度交付金というものをもってまかなうということになっております。資本金は、三十九年二月末で二十七億三千五百万円余りになっております。
現在事業団が運営いたしております施設は、加入者ホーム六カ所、保養センタ一一カ所、診療所が二十九カ所となっております。今年度から継続工事のもの、来年度新たに着工するもの、あるいは土地の買収といったようなものについて御説明申し上げますが、現在加入者ホームといたしましては、第六次の白浜までが完成いたしまして、それに引き続きまして、七次、八次、さらにはこれが第十次加入者ホームの建設ということが、大体三十九年度中に完成いたします。それから保養センターは、三十九年度中に第五次までのものが完成見込みでございます。それから来年度予算におきましては、さらに加入者ホームの土地なり保養センターの土地の買収といったような予算が織り込まれておりまして、私どもといたしましては、これを各府県に一カ所、ホームないしセンターのどちらかがあるというような姿に持っていきたいというふうに考えております。
そのほか診療所というものが、これは従来から二十九カ所ありますが、これの運用面におきましては、一般の医療施設もだんだん整備されておる現状でございますので、老人向きの人間ドックといったようなものに主眼を置いた診療、それから無医村方面を主とした巡回診療、こういうほうに重点を向けてまいりたい、かように考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/18
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019・小渕恵三
○小渕委員 最初の質問に逆戻りするようですけれども、最初に質問いたしました保険金の引き上げの件についてなんですが、その中でちょっと問題点があるんですが、簡易保険は明治の末期から大正の初めのころ、当時民間生命保険などといえば、なかなか低所得階層では、これはかけるというような者がなかったので、このような民間保険を補充するために創設されたのだと聞いておりますが、先般経済企画庁から発表されました国民生活白書にもありましたように、最近では、いわゆる低所得階層というものが非常に減ってきて、中間層がふえつつあるということが目立っておるようであります。このような社会経済情勢のもとで、民間保険でも簡易保険でも保険保護を高めようとしているのでありますが、簡易保険の創業当時の理想といいますか、民間保険を利用できない階層の救済という精神は——今回保険金を最高制限額を百万円に引き上げるということ、このようなことは簡易保険の理想にも矛盾するようにも思えますし、また、特に最低限度五万円に引き上げるということは、低所得者に対しても、保険加入の門戸をいたずらに閉ざすような結果になるようにも思われますが、この点についてお答えしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/19
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020・田中鎭雄
○田中(鎭)政府委員 今回最低制限額を一万円から五万円に引き上げたい、こういうことで御審議を願っておるのでございますが、これは低所得者層に対して門戸を閉ざすといったような考えは毛頭ございませんで、現在の一般の社会経済情勢その他から判断いたし、また現実に新規契約の実情を見てみますると、一万円という金額は、先ほどもちょっと触れたのでございますが、保険金として価値があるかどうかという点が、まず問題になると思うのでございます。せっかく満期あるいは死亡の場合の保険金が一万円で、いわゆる保険としての効果が薄いという点は、一応考えられると思うのでございます。それから、そういう趨勢で実際の新規契約の状況を見てみますると、五万円未満の契約というものがきわめて少ないということも事実であります。
それから、これはあまり強調するのはどうかと思いまするが、事業の経営の面から申しまして、そういった金額の低いものにつきましては、高額のものに比較して、実際の取り扱いの経費は同じというようなことで、経営上どうしても高額の良質な契約獲得ということが一番望ましいことでございます、以上のような観点から五万円に引き上げたい、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/20
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021・小渕恵三
○小渕委員 これをもって大体私の質問を終わらせていただきますが、ただ、この改正案提出にあたっては、大臣も強い御決意を持って提案されておるものと思います。それで、私もこの問題についていろいろの方に、郵政行政に携わる者、あるいはまた保険を直接かけておるような方、また、すべての方々にお話ししてみましても、この百万円に上げるという金額についてはいろいろの議論もありますようですけれども、その引き上げること自体に対しては強い熱望があるように考えております。そこで、いま一度大臣のこの改正案を通すという強い御決意を承って私の質問を終わらせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/21
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022・古池信三
○古池国務大臣 ただいままでるる御説明申し上げましたように、今回の簡易生命保険法の改正によりまして、保険金額の最高限並びに最低限が上がりますることになりますれば、部内の従業員もさらに意欲を新たにいたしまして、国民の皆さまに十分にその趣旨も普及し、加入を勧誘いたしまして、事業をますます発展をさせ、ひいては、これがまた国民各位のところに戻ってまいるわけでございますから、さような意味で、今後この法律の当初の目的、趣旨を十分貫徹するためにそろって努力いたしたい、そういう意味合いから、この一部改正法案のすみやかなる成立を期待し、またお願いをいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/22
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023・加藤常太郎
○加藤委員長 上林山榮吉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/23
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024・上林山榮吉
○上林山委員 この際大臣に政治問題でございますから伺っておきたいと思いますが、簡易保険制度が日本にしかれて何年になったと思いますか。その当時における民間保険の実情はどうであったとごらんになっておりますか。まずこれを伺って、最後にわずかばかり聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/24
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025・古池信三
○古池国務大臣 大体生命保険制度というものは、明治以来外国の制度を取り入れまして普及をさせてまいったわけでございまするが、御承知のように、明治の末、大正の初めごろに大いにこの保険思想を普及して、国民大衆に加入をしてもらう必要がある、それには民間の保険会社だけでは必ずしも十分でない、やはりこれをほんとうに国民に親んでもらい、また簡易な手続きで入ってもらう必要がある、こういうことから、郵政省の先輩各位が非常な苦心をされ、また国民の皆さまもこれに共鳴をされまして、そうして大正の初めに——大正五年と存じますが、この制度が発足したことは御案内のとおりでございます。
その当時民間保険はどうであったかといいますると、今日のようなすばらしい発展を示してはおりませんでした。その後簡易保険によって、全国津々浦々の郵便局を活用して、この普及にあたりましたがために、これが国民の皆さまの間に保険思想の普及という点から大きな寄与をいたしたと存じます、それがまたはね返って、ひいては民間保険の発展の基になった、かように存じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/25
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026・上林山榮吉
○上林山委員 ただいまお述べになったとおりであることは私も承知しておるのですが、私が聞かんとする点は、当時簡易保険制度ができたために、育成途上にあった民間保険を圧迫してはならないという配慮から、いわゆる金額等に対して最高限度の規定を設けていったのだ、それがだんだん時を得たにもかかわらず、五十万だ百万だというふうに遠慮しながら上げていこうとしておるわけです。だから私は、この際やはり認識を新たにしていくべきではないかと思う。今日の民間保険の発展ぶりというものはすばらしいものがあります。外国の保険制度をみるまでもなく、日本の保険制度、民間保険の発展ぶりは非常なるものです。私は時間があれば、この問題を簡易保険との関連において少しあなたと研究してみたかったわけですけれども、時間がありませんから申し上げませんが、保険制度の、ことに民間の損害保険に対して、あなた方はこれだけもうかっているじゃないか、だからそのもうかっておる金をひとつ住宅建設資金に回しなさい、そうしなければ料率の問題についてわれわれはにわかに賛成いたしかねるという強い議論を、ここに各会社の社長に来ていただきまして、ひざ詰め談判式な質疑をしたことがあります。幸いそれが実を結んだとは言いませんが、そのときにわれわれに確約をしたことを民間保険が実施して、現在政府の住宅資金に年々何億円かずつ出しております。これは御案内のとおりでございます。そういうような発展ぶりなんです。このときに、いまもって簡易保険制度に制限をつけておかなければならぬという政治家的感覚、大臣としてこういう根本的な問題を掘り下げて比較検討されたことがあるかどうかという問題、これは事務当局は非常に遠慮がちです。世間に対して非常に遠慮がちです。またそれぞれ手を回した圧迫もあります。そういうことから非常に遠慮しがちになる。しかも集めたものは原資として社会公共のために、地方民のいろいろな経済発展のために使っておるわけです。そういった意味において、いつまでもこの制限制度というものを金科玉条として踏襲していかなければならぬものか、もう、の辺でカーブを切っていい時期じゃないかという政治家的判断をお聞きしておきたいと思います。これは将来五年、十年たったら、この議論が実を結んでこなければならぬ問題だと思っておるのですが、この辺をひとつ権威ある答弁を願いたい。ただ思いつきでなくて、きょうできないならまたあとでけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/26
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027・古池信三
○古池国務大臣 御意見まことにごもっともな点もあると存じますが、ただ考えなければならぬことは、政府の管掌しております事業は、その名のとおり簡易保険であります。したがって民間保険は、最近はだいぶ簡易保険のやり方を見習ってこられたようでありますけれども、本来は、民間保険は必ず医師によって健康診断をした上で保険の契約をするというのが本則であります。ところが、簡易生命保険におきましては、当初から無審査、要するに面接だけで契約を結ぶという特色がありました。これが民間と政府の簡易保険との大きな違いであろうと存じます。したがって、無審査であるからには無制限にばく大な金額の保険金の契約は、これはちょっと軽々に断ずることはできないのではないか。しかしながら、社会経済情勢はどんどん進んでまいっておりますから、漸次その情勢に合わせて金額を向上させていく。そうして無審査保険でも、大体この程度の金額ならば、死亡生残表その他から考えまして、これだけの保険料率でいけば事業として危険ではない、健全な経営ができる、こういう見通しを立てた上でやっておりますから、いま直ちに最高限をはずすということはどんなものかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/27
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028・上林山榮吉
○上林山委員 私は、基本的な問題ないしは、政治家的な根本的な考え方を聞いておるわけで、いま直ちに今回の案を修正してまで最高限度をはずせという意味ではないんです。しかし、いまあなたの述べられたその中にもう矛盾があるんですよ。というのは、無審査だからこの程度でいいんだという御議論ですよ。これは民間保険もすでにこの程度のことは無審査でやっておるわけですね。だからそれは金科玉条的なものにはならないわけです。有審査でも別途にそれぞれの研究をして、やがてはやってもいいではないか。それが民間保険圧迫になるかならぬかということが問題です。私は今ではもう民間保険の圧迫にならないという見解を持っておるわけなんです。それでいまあなたが比較された民間保険には無審査がないんだ、簡易保険だけ無審査があるんだというふうにとられる考え方は何かのお間違いだと思います。やはり速記録に残るから、そういうことはひとつ明確にしておかれたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/28
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029・古池信三
○古池国務大臣 私が先ほど御答弁申し上げましたのは、本来簡易保険は無審査であり、民間保険であり、民間保険は有審査であったのが、最近は民間保険もこの簡易保険を学ばれて、その一部として無審査もあるということを申し上げましたから、これは速記録にはっきり残りますので、よくごらんくださればわかると思います。
なお、ただいまの上林山先生の御意見は御意見として十分私は尊正して今後の施策の参考にいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/29
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030・加藤常太郎
○加藤委員長 木部君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/30
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031・木部佳昭
○木部委員 ただいま議題となっております簡保の一部改正につきまして若干の質問をいたしたいと思います。
現在簡保の全体の契約は三兆円以上あると承っておりますが、今回のこの引き上げないしは新種保険の創設によりまして、一年間でけっこうですが、どのくらい上回って契約ができるという見込みなのか、お答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/31
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032・田中鎭雄
○田中(鎭)政府委員 私どものほうでは、予算編成の際に、新規契約の目標と申しますか、第一回保険料を積算したものを基礎にして予算を編成するのでございまして、来年度は三十二億ということで組んでおるのであります。このうち、今回の引き上げ並びに新種保険の創設はどの程度織り込まれておるかという点につきましては、初年度のことでありまするし、またそのための周知宣伝あるいは従業員の指導、特に新種保険におきましては、全くいままでに見ない新しい制度でありまして、これがどの程度伸びるか、また従来の養老保険がそれに振りかわるものもかなりあろうかと思いますが、そういう点を考え合わせまして、非常に内輪に見積もった金額がそのうちの二億でございます。これは年間に引き延ばしますと十一億ということになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/32
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033・木部佳昭
○木部委員 ただいま局長のお話のように、当然ふえた分が予算にあらかじめ計上されておると思うのですが、その点財投資金その他政府資金に貸し出すものがふえているのかどうかお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/33
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034・田中鎭雄
○田中(鎭)政府委員 先ほど十一億と申し上げました、そのうち事業費その他を差し引きますと、初年度は九億という計算になるわけであります。三十九年度の実績が四十年度の財投計画の原資になるわけでありますが、たまたま三十九年度はいわゆる集中満期のピークということで保険金、剰余金の支払いが非常に多額に出るわけであります。そのために新規の積み立て金というものはここ数年に見ない非常な減少を来たすわけでありまして、三十九年度の財投に比較いたしますと、五百億程度はワクとしても減少するのではないかという点を実は非常に心配しておるのでありまして、これら減少を幾らかでもカバーしたいということをも今回の引き上げの中に私ども含めて期待しておるのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/34
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035・木部佳昭
○木部委員 あとからだんだん質問することにしまして、御承知のとおり保険の外務員の報奨金が現行でもあるわけであります。そこで、現行では掛け金の三四%、それから十年満期に対して千分の一、十五年以上は千分の三ということになっておりますが、組合員ないしは外務員のほうから、保険金が上がったことによってその報奨金も上げてもらいたいというような考えも当然出ると思いますが、その点に対してのお考えを承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/35
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036・田中鎭雄
○田中(鎭)政府委員 ただいまの御質問は募集手当の関係かと存じますが、これにつきましては、数年前に家族保険が創設されたときに、そういう手当の引き上げという要望もあったようでありますが、その当時は、純粋に家族保険の手当引き上げという形ではなくて、現行の募集手当のように、保険料建てと保険金建てという姿で組合と話がついたようでございます。これは団体交渉できめられる問題でございまして、現在募集手当の支給率を引き上げてもらいたいという要望は出ておることを私も承知いたしております。ただこれをいかに処理するかということは目下慎重に検討中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/36
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037・木部佳昭
○木部委員 簡保の利回りが民間保険に比べて非常に低いということを私は耳にするわけでありますが、そこで簡保の金の大多数を占めます中産階級と申しますか、大衆の方々が、簡保に加入しても民間よりも割り損だというような考え方を超こさないように、大臣として利回りの向上策等につきまして何かお考えをお持ちかどうか、お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/37
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038・古池信三
○古池国務大臣 御承知のように、簡易保険の積み立て金の運用につきましては、あくまで確実である、さらに有利である、またこれの運用先については極力公共の目的に合うように、こういうような基本的な方針がございます。したがって、今日までこの方針に基づきまして運用をやってまいったのでございますが、さらに十分に慎重を期する意味において、簡易保険の積み立て金の運用審議会がございますので、この審議会の御審議を経て行なう、こういうたてまえになっております。もとより、確実であり、かつ公共的である以上は、できるだけ有利に利回りを高くしようと考えておることは申すまでもございません。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/38
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039・加藤常太郎
○加藤委員長 引き続き、郵政事業、郵政監察、電気通信、電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。森本君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/39
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040・森本靖
○森本委員 大臣にお伺いしますが、金鍾泌氏が来られて、日本と韓国との間の問題が政府との間においてだんだん進んでおるようでありますが、これは前に私が予算委員会あるいは当委員会において問題にいたしましたように、現在当委員会として韓国との間に問題になります事項は、要するに電波、放送に関するところの特に中波の問題についての韓国と日本との意見の対立、それから釜山−対馬間におきますところの海底ケーブルの帰属問題、さらに郵便の今後の取り扱いという問題、この三つになってくるわけであります。
そこで、まず最初にお聞きしておきたいと思いますことは、この日韓の海底ケーブルについてその後どういうふうに交渉が進展をしておるのか、その内容を一応ここででき得る範囲内において御説明を願いたいと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/40
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041・古池信三
○古池国務大臣 この問題につきましては、先般の予算委員会におきましても御質問がございまして、私からお答えを申し上げておいたのでございまするが、ただいま御承知のように日韓の間において会談を進められております。現段階においては漁業問題が主たる問題としていま会議が続けられておるのでございまするが、この日韓間のケーブルの関係につきましては、すでに平和条約におきましても定められておりまするので、その基本的な考え方に従って、今後日韓間で話し合いを進めていくという段階になってまいると思います。この問題は外務省において取り扱っておりまするので、私どもとしましては、その資料あるいは要求項目等については十分に打ち合わせをいたしまするが、会談そのものの内容といたしましては、今日まで具体的にきまったという問題はございません。その点まではまだ進んでいないというふうにお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/41
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042・森本靖
○森本委員 そういたしますと、日韓の交渉が妥結をしたときに一応この問題も解決がつくというふうなお話が外務大臣並びに郵政大臣からあったわけでございますけれども、現在までこの問題についての折衝は具体的に行なっていない、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/42
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043・古池信三
○古池国務大臣 まだ具体的にこの問題にまでは入っていない、こう御了解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/43
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044・森本靖
○森本委員 それはどういう意味ですか。これはたった半日か一日ですぐ解決がつけ得ると考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/44
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045・古池信三
○古池国務大臣 やはり会談につきましてもいろいろと順序があると存じます。したがって、このケーブルの問題が今日まで正式に会談の中において進行していないというわけでございます。したがって、この会談が妥結いたしまする際には、当然この問題も会談の一部として解決をされることをわれわれ期待をしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/45
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046・森本靖
○森本委員 われわれ期待をしておるということよりも、もし解決をつけるということになるとするならば、この問題も解決をつけなければならぬと思うわけでありますが、現在までそういう話し合いは全然なされておらぬわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/46
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047・古池信三
○古池国務大臣 私の知っております範囲では、まだこの問題には触れてこないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/47
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048・森本靖
○森本委員 そういたしますと、大臣としては、この問題を向こう。解決をつける場合にはどういうふうに具体的に解決をつけるという腹案がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/48
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049・古池信三
○古池国務大臣 原則といたしまして平和条約に定められておる線に沿って解決すべきものと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/49
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050・森本靖
○森本委員 平和条約によって解決をという平和条約によるというのは、この海底ケーブルの場合には具体的にどう解釈をせられるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/50
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051・古池信三
○古池国務大臣 平和条約第四条の(c)によりまして、この海底電線は二等分されて、日本はこちらの終点施設及びこれに連なる電線の半分を保有し、韓国側はその残りの電線及び向こう側の終点施設を保有する、こういう平和条約がございまするから、この線に沿って話をしていきたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/51
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052・森本靖
○森本委員 その第四条の(c)の項が、具体的に韓国と日本との間においてこの条約のとおりに向こうと話がつくということですか。たとえば具体的な一つの点と線を言ってもらわないと——要するにこの海底線の場合には、壱岐、対馬を通って釜山に行っておるわけでありますから、一体どこを平和条約によるところの終点とするかについて非常に問題になってくるわけでありまして、私たちとしては、これは対馬を起点として釜山との間であるというふうに解釈しておりますけれども、この海底ケーブルというのはそうでないというふうなことを言う人もありますし、その辺の問題について、日本政府としてははっきりした見解はどうなっておるのかということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/52
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053・畠山一郎
○畠山(一)政府委員 お答え申し上げます。
日本側としましては対馬と釜山の間の半分というような主張で会談に臨むことにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/53
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054・森本靖
○森本委員 そこで韓国のほうはそれに同意しておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/54
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055・畠山一郎
○畠山(一)政府委員 韓国の非公式の意見でございますが、この問題の海底線は壱岐、対馬を通っていても福岡−釜山間であるから、福岡−釜山間の半分であるという意見であるということを聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/55
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056・森本靖
○森本委員 だから大臣、さっきからぼくが言っておるじゃないですか。韓国と日本との間における重大な意見の食い違いがある。だからこれは非常に大きな問題である。予算委員会において私がこの問題についてはこうでないかと言ったときに、郵政大臣としても、外務大臣としても、対馬−釜山間であるというふうに日本としては解釈をする、それを二等分するという解釈でございます。こういう答弁をしておるわけだ。ところが、向こうがそういう解釈をしておると大きなところで明らかに意見が食い違っておるわけです。そうなってくるとするならば、漁業問題も非常に重要な問題でありますけれども、この問題としても、これが現在電電公社の未整理財産になってもるわけでありますから、いまから話をしておかなければ、まぎわになって半日や一口でさっさと片がつくというものではない。ただ、私のほうは、日韓会談に反対しておるわけでありますから、全部できぬほうがいいわけでありますけれども、しかし問題は現実の問題として解決をつけるということになった場合に、まだ全然話を聞いたことがない、つんぼさじきであるということでは郵政大臣の任務が全くつとまらぬ。単に大臣だけの問題ではない、国民全体のこれは財産でありますから、そういう点については、私のほうには一向お座敷がかかってまいりませんということで郵政大臣が知らぬ顔をしておるということは、ちょっとおかしいのではないかと思うのですが、大臣どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/56
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057・古池信三
○古池国務大臣 別につんぼさじきとかなんとかいう意味でなく、やはり会談にはそれぞれ代表者を出して会談をしておりますから、その代表者を通じて話し合いを進めていく、また両者の間に意見と食い違いがあるというのは、やはりこういう会談を必要とするゆえんでございまして、初めから意見が一致しておれば別に会談する必要もないということにもなろうかと存じますので、できるだけわれわれの主張を通すように今後努力してまいりたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/57
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058・森本靖
○森本委員 だからそれは初めから意見が一致しておれば何もやる必要がない。意見が一致しておらぬからやらなければならぬ。やらなければならぬけれども、大事な点はどんどんやっておるのです。この問題だけやらないということは、なぜやらないかということを聞いておるのであります。あなたがそういうふうにつっけんどんな答弁をするなら何べんでも質問をするが、予算委員会で約束をしておるじゃないか。郵政大臣も外務大臣も一緒に交渉いたしますと言っておることは、予算委員会の速記録を持ってきたらはっきりわかりますよ。それをなぜ交渉しないかということを聞いておるわけですよ。あなたがそういうけんか腰の答弁をするなら、何べんでもけんか腰の質問をしますよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/58
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059・古池信三
○古池国務大臣 私は、別にけんか腰でも何でもなく、穏やかにお話をしておるのですが、やはりこういう会談というものは、そこに順序があって、代表の方が順序を考えながら全般的の視野からこれを進めていかれるわけでございますので、その辺のところは御理解を願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/59
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060・森本靖
○森本委員 そういたしますと、大体日韓会談の場合は順番はどういう順番になっておりますか。この問題は、はっきり言いましてさっきも言いましたように、予算委員会において外政大臣と郵政大臣は、同時にこれは解決をつけるようにいたしますということをはっきりと答弁をしておるわけであります。それがいまだに交渉も全然やられておらぬ。そこで、日韓交渉の漁業専管の問題、あるいはその他の請求権の問題、そういうものはどんどん解決ができるような交渉がなされておる。やはり私が申しましたように、逓信委員会としては三つの大きな問題がある。そのうちの海底線のケーブルについては、すでに私が何回も警告を発しておるのである。それにもかかわらず、これが順序であるからということにおいて、まだ全然やられておらぬということであるとするならば、一体どういう順序で日韓の問題を解決をつけていこうとせられておるのか、何番目にこれが入ってくるのかということを聞きたいわけであります。これは、われわれが布設をした海底線であります。それを実際問題として、この日韓問題がなった場合には、これは平和条約がありますから、これによって半分に等分をしなければならぬということとは当然であります。ただそれをどう半分にするかということについては、日本と韓国側の非公式ながらも意見が違っておるということは、前々から私が言っておったとおりであります。だから日本の見解としては、対馬と釜山間で二等分するという見解でどうだろう、全くそのとおりでございます。外務大臣がこういう答弁をしておるわけであります。その方向において鋭意解決をつけるように努力いたします——そのときには自民党の諸君も拍手しております。ところが、その肝心の内容が全然話をせられておらぬということでは、われわれ委員としてははなはだ納得がいきかねるわけであります。これは同時に解決をつけるということを言っておりますから、そういうむずかしい問題でございましたならば、すでに相当の——一回や二回の瀬踏み話はあってしかるべきだと思うのです。なるほど話は、外務省あるいは向こうの外交交渉にゆだねられるでありましょう。しかし、御承知のとおり農業問題については、農林大臣が向こうの農林大臣と話をしておる、さらにその下の事務当局が話をしておる、こういう段階になっておるわけであります。だから向こうの外務省とこっちの外務省が、日韓会談については話をしていくにいたしましても、その下部機構としては、当然郵政大臣と向こうの通信関係の者とが話をする、あるいはその下の電気通信監理官と向こうの専門家が話をする、こういう話があってしかるべきであります。そういう話が全然なされておらぬということについては、われわれとしてはこれは不可解きわまる。もっともそれは日韓会談が全然妥結をする見込みがないけれども、池田三選のために一生懸命やるようなかっこうをしておるということであるとするならば、それはそれでけっこうであります。しかし現実に向こうの実力者であるところの金鍾泌氏が来て、会談が進んでおるということを新聞でわれわれは見ますから、この逓信委員会に関係のあるこの具体的な内容についてはどうなっておるか、こういうことを聞いておるわけであります。それを、順序があるから、まだ順番が来ておりません、こういう御答弁でありますから、そんなら順序はどうなっておるか、いつごろになるか、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/60
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061・古池信三
○古池国務大臣 ただいまの御趣旨はよく私も理解をいたしましたので、御趣旨を体してすみやかにこの問題を取り上げて妥結をいたすように努力をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/61
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062・安宅常彦
○安宅委員 関連。それでは大臣にお聞きしますが、郵便貯金、簡易保険、そういうものが請求権の中の主たるものだということを政府は前に答弁しておったのですが、それがだんだん話が変わってきて、何か包み金だとか、祝い金だか何だか知らぬけれども、そういうことでやるというようになった。そうすると、何番目だか知らないけれども、順序があるとあなたは言われるのですが、そういうものを含め、海底ケーブルを含め、こういう案が郵政当局にあるんだということを——外交渉は外務省がやるとするならば、その意見を言ったことがあるのかどうか、これが一つ。
もう一つは、日韓会談には順番があるとあなたは言うけれども、日韓会談は始まってから何年になるのか、それを二番目にお聞きいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/62
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063・古池信三
○古池国務大臣 外務省と郵政省とは事務的に常に連絡をいたしておりますので、ただいまのような問題も当然外務省には十分話をしておるわけでございます。日韓会談はもう始まってから相当長い期間にわたって根気よくやっておるわけでございますが、まだ今日まで不幸にして妥結の機会に至らなかった、こういうわけでございます。今回はぜひとも妥結させたい、こう考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/63
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064・安宅常彦
○安宅委員 順序が来ないというのは、二、三日前から始まったのなら順序が来ないという言いわけもできるけれども、十何年たっておるでしょう。それじゃ何番目になっておるのですか。五百番目くらいですか。そんなばかな話はない。そうしてもう一つ、さっき、いろんな意見を言っておると言ったけれども、森木委員の発言した前の議事録を見てください。郵便貯金は何ぼあるか、外務省から連絡があったのか、あなたのほうはありません、郵政当局は全然知りません、こういう答弁をしておる。ちゃんと議事録に載っておる。だからつかみ金でやるんだという意味の答弁をしておるのですが、これはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/64
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065・古池信三
○古池国務大臣 郵便貯金の問題につきましては、大体その金額の確認は実際上できておらぬというのが事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/65
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066・森本靖
○森本委員 そこで、この海底ケーブルの問題については、それじゃ一体いつごろから交渉にかかるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/66
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067・畠山一郎
○畠山(一)政府委員 まだ私のほうでは聞いておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/67
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068・森本靖
○森本委員 これはやっぱり大臣は国務大臣として閣議に列席しておるわけでございますから、その都度それぞれ閣議で報告があっておるわけでありますから、一体この問題はどうしてくれるということを閣議であなたは発言したことがありますか、忘れておったのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/68
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069・古池信三
○古池国務大臣 もとよりかような重大問題を忘れておるはずはございません。しかしながら、閣議の内容につきましては、言明することをごかんべんいただきたいと思いますが、ただいまの御注意もありますから、さらに外務省と連絡を一そう緊密にいたしまして促進をするようにいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/69
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070・森本靖
○森本委員 いままでこの問題については全然日韓会談の中における話題にはまだのぼっていないということですね。一つ一つ確認していきたいと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/70
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071・畠山一郎
○畠山(一)政府委員 海底ケーブルの問題につきましては、このたびの日韓会談が始まります前に、日本側の主張につきまして外務省と事務的な打ち合わせはいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/71
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072・森本靖
○森本委員 外務省と打ち合口わせはしたけれども——それは日本の外務省と打ち合わせはしたけれども向こうとの話は全然まだしておらぬということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/72
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073・畠山一郎
○畠山(一)政府委員 私のほうではまだこのたびは向こうとの話はしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/73
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074・森本靖
○森本委員 そうしますと、順序があってこうやるという大臣の話は、一体その順序というのは、どういう順序になっているのですか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/74
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075・古池信三
○古池国務大臣 まず最初に漁業問題をやりまして、あとは適当にやる……。(笑声)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/75
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076・森本靖
○森本委員 ここは座談会でも何でもない。国会ですから、やはり国会は国会らしくお互いの質疑応答をやってもらわないと——これは別に漫談や漫才をやっておるわけではございません。だからあまり委員会を愚弄したような答弁はしないようにしていただきたい。最初にうそを一つ言ったら、次から次へとうそを言わなければならぬことになるわけです。最初に私が質問をしたときに、このことについてはまだやっておりませんでした。予算委員会においてそういう注意があったにもかかわらず、やっておりませんでした。それではさっそく外務省を通じてやるようにいたしますと、こういうことになれば、それは質問が軌道に乗ってくるわけであります。それをあなたのほうが何とか切り抜けようと考えて、順序よくやろうと考えておる。順番があると言うから、その順番が一体いつかということになると、適当な順番なんだ。全くこれは漫才か漫談みたいな委員会になってしまうわけであります。それでは神聖な委員会の審議にはならぬと思うわけであります。だから私は、いま申し上げましたように、この問題については、すでに何回も警告も発しておりますし、郵政大臣としては即刻この問題については具体的な交渉に入るなら入る、あるいはやらなければやらぬということでけっこうなんです。しかし、かりにこの問題が解決がつかない場合は、これは総理大臣の言明ではっきりといたしておりますことは、すべての問題を解決をつける、ただしその場合に、放送と電波の問題についてはITUの問題があるから、この問題は別であるということは、一応私のほうとしても質疑の中で了といたしましたけれども、海底電線の問題については、はっきりと日韓会談の中に含まれておる、これが解決をつけなければならぬということを答弁をしておるわけでありますから、これが解決がつかなければ、これは会談の妥結ということにはならぬわけであります。その点から考えましても、これは非常に重要な問題でありますし、私は、大臣がもう少し真剣に取り組んでもらいたいというふうに考えるわけであります。さらに実際問題として、日本と韓国との問題が具体的に折衝に入った場合、釜山と対馬との間において、この平和条約の第四条で二等分するという考え方については、あくまでも日本としては譲り得ないということをはっきりこの際確認をしておきたい、こう思うのですが、大臣どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/76
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077・古池信三
○古池国務大臣 その精神によりまして、今後交渉を進めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/77
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078・森本靖
○森本委員 それから、さらに具体的な問題として、これがかりにそういうことで妥結をした場合の国内的な手続はどうなるわけですか。要するに、国内的な手続としては、これは国際電電に移管をせられるということになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/78
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079・古池信三
○古池国務大臣 この問題は今日現在は電電公社の資産になっておると考えておりまするが、解決後におきましては、十分検討いたしまして、誤りのないように処置をしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/79
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080・森本靖
○森本委員 いや、検討いたしましてというよりも、現在の法律においては外国との通信は国際電電が保つということになっておるわけであります。たまたまこの問題については平和条約の第四条においてきまっておるけれども、具体的にまだこの問題についてははっきりしたことがないから電電公社の未整理財産になっておるわけであります。しかし、現実の問題としては、やはりこれの解決をつけた場合には、当然これは国際電信電話会社に移管をせられるということになろうと私は法律上は考えるわけでありますが、大臣その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/80
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081・古池信三
○古池国務大臣 国際通信の関係でありますから、ただいまお話しのようなことが筋の通った議論であろうと思います。ただ問題は、そのケーブルそのものが今後十分に利用にたえるかどうか、またこれを補修して使うというようなことが相当ばく大な費用を要するというような問題もありまするので、それらの点も今後十分検討を加えたい、こういうことを申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/81
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082・森本靖
○森本委員 これは現在すでに使っておるわけであります。これは電電公社とアメリカ軍との間において協定が結ばれまして、すでにこれがアメリカ軍の用に供せられておるわけでありまするから、かりにこれがはっきりと帰属がきまった場合においても、いまのままでも使えるわけであります。そこで、使えるけれども、それでは具体的に日本と韓国との間の公衆通信に使うかどうかという問題になってくると、これはまた問題は別になってきます。なってまいりまするけれども、それは韓国という相手があることでありまするから、韓国との問題になってまいりまするけれども、いずれにいたしましても、この日韓会談がかりに妥結をして、平和条約の第四条によってこれが解決がついたということになった場合においては、日本の国内法においては、これを電電公社の財産として置いておくということについては筋が通らぬじゃないか。その場合には国際電電に移管をして、国際電電とアメリカ軍との間にさらに協定を結ばなければ、あるいはまた国際電電と韓国との間における協定が結ばれるなり、そういうふうなかっこうに法律上はなってくるのではないかということを聞いておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/82
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083・古池信三
○古池国務大臣 確かにアメリカ軍が使っておったことは事実でありまするけれども、昨年これが切れてしまいまして、いまではもう使えないものになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/83
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084・森本靖
○森本委員 そういたしますと、これはその後全然修理をいたしておりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/84
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085・畠山一郎
○畠山(一)政府委員 昨年の五月に切れまして以後修理はいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/85
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086・森本靖
○森本委員 その五月に切れたのはどことどこの間ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/86
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087・畠山一郎
○畠山(一)政府委員 正確にはわかりませんが、韓国側でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/87
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088・森本靖
○森本委員 釜山と対馬間の韓国側ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/88
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089・畠山一郎
○畠山(一)政府委員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/89
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090・森本靖
○森本委員 これは一度修理のときに相当問題になったわけでありますが、いずれにいたしましても、これはこのままほうっておいたら、昔の青島線あるいは上海線と同じような形になるのではないかというふうに考えるわけでありますが、私は将来これは使うという考え方であるとするならば、当然修理をすべきであるというふうに考えるのですが、その点についてはアメリカ側からの要請はないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/90
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091・畠山一郎
○畠山(一)政府委員 ただいま申し上げましたとおり、昨年の五月に切れまして、電電公社とアメリカ側との利用契約は八月に廃止しております。そういう状況からしましてアメリカ側はさしあたりは使う意思はないものと見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/91
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092・森本靖
○森本委員 日本側としてはこれらはもう財産権としての使用価値がないと見ておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/92
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093・畠山一郎
○畠山(一)政府委員 ただいまのところ通信線として使用する考えはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/93
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094・森本靖
○森本委員 全然使用価値がないと見ておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/94
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095・畠山一郎
○畠山(一)政府委員 アメリカ軍に使用さしておりましたので、先ほど申し上げましたとおり、韓国側で切れておるわけでございますが、実際にどういう状態になっておるかはっきりいたしません。いままでのところそういう事情もございますので、いまのところ利用する考えはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/95
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096・森本靖
○森本委員 いまのところございませんと言うが、一体これをどうするつもりですか。それじゃ現在これは未整理財産として財産の価値は幾らになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/96
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097・畠山一郎
○畠山(一)政府委員 帳簿上は八百八十万円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/97
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098・森本靖
○森本委員 その八百八十万円というのはいつの単価ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/98
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099・井田勝造
○井田説明員 公社発足のとき電気通信省から引き継ぎましたときの帳簿価格そのままでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/99
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100・森本靖
○森本委員 いつですかそれは。その八百八十万円というのはいつの単価ですか。昭和何年の単価ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/100
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101・井田勝造
○井田説明員 再評価ということはいたしておりませんので、建設いたしました当時の財産がそのまま帳簿に残っておる、こういうふうに推定いたします。はっきり確認いたしておりませんけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/101
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102・森本靖
○森本委員 これは松前さんがまだおった時分だろうと思いますが、それはいつですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/102
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103・井田勝造
○井田説明員 対馬——釜山間の第一
ルートは昭和十二年七月でございます。第二ルートは昭和十八年の六月でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/103
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104・森本靖
○森本委員 そういたしますと、このケーブルは切れたからもうそのままほうっておく、こういうことですか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/104
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105・古池信三
○古池国務大臣 いまはそのままになっておりますが、この会談によって妥結いたしました暁においては、このケーブルを修理して使うか、あるいは廃止をするか、十分に検討いたしてみたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/105
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106・森本靖
○森本委員 十分に検討したいと言っても、いまこちらのほうの基地から見れば、これはどの程度切れておるか、どうなっておるか、そこの切断箇所の点についてはわからぬにいたしましても、向こうの陸上基地とこちらのほうとの間においては一応の想像はつくと思いますが、いずれにしても、この問題について私が聞きたいのは、一体どういうふうにこれを解決をつけていこうとされておるのか、さっぱりあなたのほうの考え方がわからぬわけであります。幸い、ちょうど去年の五月に切れた、ほうっておけ、それはいいこっちゃというようなことで、どうもそういうふうな印象に受け取れるわけであります。この八百八十万円が昭和十二年の単価であるとするならば、これは金額にしても相当な金額になるわけであります。その後相当の犠牲を払って、これは補修もいたしてきておりますから、再評価をすればかなりの金額に上ってきておるわけでありますが、日本は、御承知のとおり戦後各地域における海底線というものをこういう形において失っておるが、たとえば上海線にいたしても、青島線にいたしても、あるいは北海道−樺太の海底ケーブルにしても、あらゆる海底ケーブルがそのまますたれております。現在まで生きておりますのは、ウラジオと長崎の間の海底ケーブルだけであります。そういう点から見ると、この点については非常に重要な項目でありますが、いま聞いておりますと、切れてそのままほうってある、こういうことになっているが、それは一体どうするかということを検討されたことはないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/106
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107・畠山一郎
○畠山(一)政府委員 平和条約第四条によります帰属が決定されることが先決であると考えております。したがいまして、それがきまりましてからどういうふうにするかということを考えたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/107
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108・森本靖
○森本委員 平和条約の第四条においてこれが帰属がきまらなければ云々ということでありますが、そうなりますと、去年の五月まで使っておったというのは、どういうぐあいにして使っておったわけでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/108
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109・畠山一郎
○畠山(一)政府委員 電電公社とアメリカ軍とが利用契約を締結して使用していたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/109
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110・森本靖
○森本委員 だから、その電電公社と、要するにアメリカ軍とが協定を結んで使っておった。ところが、切れて協定がもうなくなった、こういうことになりますけれども、それを一体もとへ戻すというような気はあるのかないのかということになってくるわけであります。もう切れたからこのままほうっておきます。こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/110
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111・畠山一郎
○畠山(一)政府委員 ほうっておくと申すことになります。どうですか、いずれにいたしましても帰属が決定するまで待ちたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/111
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112・森本靖
○森本委員 使うのは帰属が決定するまでも使っておいて、切れたものを修理するのは帰属が決定しなければ修理ができない、こういうことですか。使うのは帰属が決定しなくても使えるわですか。そんなえてかってな考え方はありませんよ。それなら帰属が決定するまで使わぬでおいたらいい。帰属が決定するまでも、ずっとこれはアメリカ軍との間に協定を結んで使っておるわけだ。しかもアメリカ軍の要請によって、日本の電信電話公社が修理に向かったこともあるわけです。だから去年の五月に切れて、もう一切使わぬつもりであるということになるとすれば話は別でありますけれども、一体そういうのはどうなっておるのか。ちっともあなたのほうの考え方がはっきりしないわけなんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/112
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113・畠山一郎
○畠山(一)政府委員 たびたび同じお答えを繰り返しまして恐縮でございますが、やはり平和条約第四条による帰属が決定してから検討する方針でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/113
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114・森本靖
○森本委員 平和条約第四条が発効されてから決定するというのは、何を決定するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/114
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115・畠山一郎
○畠山(一)政府委員 具体的には、韓国との間の折半を決定するわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/115
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116・森本靖
○森本委員 韓国との間の折半が決定されたら、それでは私がさっきから聞いておるように、当然これは国際電電の帰属になるのではないか、こう聞いておるわけですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/116
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117・畠山一郎
○畠山(一)政府委員 そういうことが決定しましたあと、この海底線をどういうふうに使うかということを検討したいと考えております。したがいまして、その使い方が決定しません以上は、国際電電に当然移管すべきであるかどうかということも決定できないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/117
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118・森本靖
○森本委員 切れたものをどこで等分するか。切れてどこにあるかわからないものを……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/118
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119・畠山一郎
○畠山(一)政府委員 法律上は折半といいますると、具体的にはどこだということになるかと思いますが、やはり一応は折半ということでいく、そういうことになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/119
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120・森本靖
○森本委員 折半でいこうといっても、切れてどこへ入っておるかわからぬでしょうが、修理もしてないということなら……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/120
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121・畠山一郎
○畠山(一)政府委員 切れた状態がはっきりいたしませんので、ほんとうになくなっているとも言い切れないわけでありますので、具体的な処理の段階ではっきりさせることができると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/121
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122・森本靖
○森本委員 大臣、これはやはり電電公社の未整理財産として、アメリカと公社が協定を結んで、それまでは料金もちゃんといただいておるわけであります。それが切れたから、どこが切れたやらどうなっておるかさっぱりわからぬというようなことで一体どうなりますか。電電公社の財産といえども国民の財産にひとしい財産ですよ。これは公社のほうはどうなるのか。やはり公社のほうもわからぬかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/122
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123・井田勝造
○井田説明員 どのルートを通っておるということはわかっております。先ほど監理官からもお答えがありましたように、韓国側のほうで切れておるらしい、こういうことでございますので、実際に調査をするにもいろいろ問題がございますので、そのままにしてある、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/123
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124・森本靖
○森本委員 これは確かに将来の通信線というものをどうするかということを基本的に研究し、あるいは考究して、いろいろのことを考えていくということも当然出てくるわけでありますけれども、いずれにいたしましても、日本と韓国との間における通信というものは、やはり生かしておいたほうが便利なことは間違いないわけであります。そういう点からいきますと、いま言ったように、韓国側でどうも切れているらしい、どこら辺でどうなっておるかわからぬというようなことでは、これは財産の管理としてはなはだ不徹底きわまるというふうに考えるわけであります。そうなってくると、それでは一体韓国側と話をするといっても、どういうふうに具体的に話をするのかということにもなってくるわけであります。大臣、この辺どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/124
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125・古池信三
○古池国務大臣 いままで監理官からいろいろ御説明をいたしましたとおり、韓国に近い点において切れておるということだけはわかっておるようですが、その切れた状態等については詳細な調査はできていないという現実でございます。なおこれを修理して使用に供するためには、これまた切れたぐあいを見なければわからぬと思いまするけれども、相当多額の修理費を要するのではなかいか。おそらく一億以上もかかるのではないかというようなことも聞いております。そうなりますと、いまここで日韓会談がまだ妥結しない間に、それだけの多額の経費をかけて修理するということは、これはよほど考えねばならぬ問題であると思います。したがって、日韓会談の妥結を持ちまして、この海底ケーブルを従前どおり修理をして使用に供するか、あるいは今後は無線通信に重点をおいていくかというふうな通信方式の基本的な問題にもかかわってくることでありますし、それからまた、国内の問題だけではなく、相手国のあることでもありまするから、相手国の意向も十分聞きながらこの問題は処理していかなければならないというふうに考えておりますわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/125
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126・森本靖
○森本委員 それは大臣もくろうとでありますからよく御承知のとおり、無線だけによる通信というものは、韓国との間においてはあり得ないのですよ、はっきり言って。やはり有線網の通信施設か、あるいは、これは海上を通りますからマイクロはできませんけれども、そういう施設が当然できなければならぬ相手側なんです。そういう点を考えた場合に、別途の新しいケーブルをしくというふうな考え方があるとするならば別ですよ。しかし、そうでなしに通信線を確保するということになるとするならば、やはりこの海底ケーブルは生かしておいたほうが得なんです。もっとも、これは使用にたえない、だからこれを修理する費用がこれこれかかる、そのかわりにこれだけのケーブルを日本と韓国との折半で布設したならば、このほうが有利であるということであるとするならば別ですが、そういう検討をしたことがあるかどうかということを聞いておるわけです。いままでのあなた方の答弁を聞いておりますと、その場その場で答弁をしておりますけれども、とにかく去年まで使っておった。去年切れた、ほうっておけということでほうってしまってあった。そこで韓国との間における会談が成立して、その後において十分ゆっくり考えていこう、こういう考え方でしょう。私の言っておるのはそうではなくして、通信の問題については、現在までにもすでに海底電線というものがある。それが切れた。それならそれについては一体どうするかということについても検討してみたことがあるかどうか。韓国との間における通信系統というものをどうしたらいいか。あなたがおっしゃったように、無線だけではこれは不十分であるということは、当然言えると思います。だから、そういう点の総合的な検討というものがほとんどなされておらぬのではないかということが想像されるから、私はくどいように質問しておるのであります。一体今後の韓国との間における通信というものをどう考えておるのか、こういうことなのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/126
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127・古池信三
○古池国務大臣 確かに無線通信だけでは不完全であって、やはりこれに並行して海底ケーブルを布設して、有線による通信を確保しておくということは、非常に大切なことであろうと考えます。それにつきましては、現在故障になっておるこのケーブルを修理をして実用に供していくか、あるいはこれはスクラップとして、新しく最新の技術によるケーブルを布設していくがよいかというような面におきましては、技術的にも、あるいはまた経済的にも、もろもろの観点から検討を加えていかなくちゃならぬと存じます。さらにまた、この問題は、ただいまも申し上げましたように、日本国だけできめ得る問題でもございません。相手の韓国の意向も十分に考えながら、相手国と相談をしながらやっていかなければならぬ国際通信回線でございまするから、それにはまずその前提として、この日韓会談を妥結させて、まずこのケーブルの所有権の問題を確定して、その上で具体的に技術的あるいは経済的の問題にまで立ち入って会談を進めていく、これが順序である、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/127
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128・森本靖
○森本委員 そういたしますと、この結果は、新しくケーブルを布設をするということか、あるいはこのケーブルを修理をしてやるということについて今後問題が残る、こういうことになるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/128
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129・古池信三
○古池国務大臣 ケーブルに関する限りは、そういうことであろうと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/129
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130・森本靖
○森本委員 そうすると、新しくケーブルを布設をするということになった場合には、当然国際電電がやっていく、こういうことになるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/130
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131・古池信三
○古池国務大臣 そのとおりと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/131
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132・森本靖
○森本委員 これがそのまま廃棄するということになりますと、法律的にはどういう条項を適用して廃棄になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/132
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133・井田勝造
○井田説明員 公社法の第六十八条であったと思いますが、重要な通信線路等につきましては国会の議決を要するということになっておりますので、その手続によって処理をする、こういうことになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/133
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134・森本靖
○森本委員 六十八条は、譲り渡し、あるいは交換をしようという場合に承認を得るのであって、廃棄の問題については触れておりません。だから、いまこれを国際電電に移管をするという場合には六十八条が適用になりますけれども、実際問題として線が切れたからやめだ、廃棄処分だという場合には、一体どの条項に当てはまるのか、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/134
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135・井田勝造
○井田説明員 ちょっと私いま間違った答弁をいたしましたが、確かに六十八条は譲渡と交換の場合だけでございまして、資産を廃棄するという場合には、公社の会計手続によって処理をすればよろしい、こういうことになるかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/135
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136・森本靖
○森本委員 だから、その公社の手続はどの条項に当てはまってくるわけですか。小さな問題は別として、そこに浅野君がおりますが、第六十八条に該当するところの幹線である、こういうことを答弁をしております。そこで六十八条に匹敵するようなものを廃棄処分をする場合にはどの条項によって廃棄処分になるのか、こういうことを聞いておるわけです。普通の碍子を一つや二つ廃棄処分にするならば別でありますよ。まず最初に六十八条に匹敵するものでありますということを当時の電気通信監理官も答弁をしております。そこで、いまだんだん聞いておりますと、六十八条は適用にならぬことになるわけであります。そこで、その場合には、一体こういう重要幹線を廃棄処分にするというような例はいままでありませんから、もしそういうことになるとするならば、どの条項になってくるか、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/136
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137・井田勝造
○井田説明員 その点、まだ確たる結論を得ておるわけではございませんが、別のルートができますならば、たとえば公社の自動改式をしたあとの局舎に匹敵するような要らなくなった施設ということになりますので、公社の会計処理だけでよろしいのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/137
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138・森本靖
○森本委員 それは局舎の問題であって、第六十八条は、「公社が電気通信幹線路及びこれに準ずる重要な電気通信設備」とありますから、この中の「電気通信幹線路」、 これに当てはまる。だから国会の議決を経なければならぬ、こういうことになっておるわけであります。だから、具体的に廃棄処分にするという場合には、これは一体どうなるの、だろうということで考えてみましたけれども、考えが及びつかぬから、公社のほうがもっと詳しいと思って聞いたわけですが、公社のほうもあまり詳しくないということでありますから、いずれまた口をあらためて聞くことにいたします。
それから、このいわゆる海底ケーブルの問題については、先ほど来から答弁を聞いておりますと、実際問題として、あまり真剣に郵政省側も取り組んでおらぬということがはっきりうかがえるわけであります。その点については、やはり郵政省としては、いま少し真剣に公社側と話し合いをして、そうして取り組んでもらいたい。それから廃棄処分になる見通しがあるとするならば、廃棄処分になるような見通しである、あるいはまた、新しいケーブルをつけなければならぬならならぬ、あるいはどういうことにしなければならぬとか、もっと確固たる韓国との間における有線電気通信というものをどうするかという一つの政策を立案することが必要である。そういう政策というものが何らないということがはっきり言えるのではないか。こういう点からいたしまして、私が考えておりますと、まことに心細い限りであるというように考えますが、賢明なる大臣でありますから、本日の委員会の質疑応答を通じて、さっそく具体的な検討をお願いしたいと思います。さらにこれ以上この問題について——まだ郵便の問題と放送の電波の問題が残っておりますけれども、もう昼になりましたので、一応この辺で私の質問を打ち切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/138
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139・加藤常太郎
○加藤委員長 次会は明二十六日午前十時から理事会、理次会散会後委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後二時二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X01319640325/139
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