1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年四月十八日(土曜日)
午前十時二十八分開議
出席委員
委員長 加藤常太郎君
理事 秋田 大助君 理事 上林山榮吉君
理事 佐藤洋之助君 理事 志賀健次郎君
理事 森山 欽司君 理事 大柴 滋夫君
理事 栗原 俊夫君 理事 森本 靖君
小泉 純也君 佐藤 孝行君
椎熊 三郎君 中山 榮一君
本名 武君 湊 徹郎君
山本 幸雄君 安宅 常彦君
大村 邦夫君 片島 港君
永井勝次郎君 柳田 秀一君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 古池 信三君
出席政府委員
郵政政務次官 金丸 信君
郵政事務官
(大臣官房電気
通信監理官) 畠山 一郎君
郵政事務官
(人事局長) 増森 孝君
委員外の出席者
日本電信電話公
社総裁 大橋 八郎君
日本電信電話公
社副総裁 米沢 滋君
日本電信電話公
社総務理事 秋草 篤二君
日本電信電話公
社職員局長 中山 公平君
日本電信電話公
社計画局長 宮崎 政義君
専 門 員 水田 誠君
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四月十五日
委員小渕恵三君、佐藤孝行君及び中山榮一君辞
任につき、その補欠として山口喜久一郎君、松
田竹千代君及び森清君が議長の指名で委員に選
任された。
同日
委員松田竹千代君、森清君及び山口喜久一郎君
辞任につき、その補欠として佐藤孝行君、中山
榮一君及び小渕恵三君が議長の指名で委員に選
任された。
同月十六日
委員畑和君辞任につき、その補欠として中嶋英
夫君が議長の指名で委員に選任された。
同月十八日
委員大高康君、木部佳昭君、羽田武嗣郎君及び
中嶋英夫君辞任につき、その補欠として村山達
雄君、武市恭信君、湊徹郎君及び大村邦夫君が
議長の指名で委員に選任された。
同日
委員武市恭信君、湊徹郎君、村山達雄君及び大
村邦夫君辞任につき、その補欠として木部佳昭
君、羽田武嗣郎君、大高康君及び中嶋英夫君が
議長の指名で委員に選任された。
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四月十五日
郵便局舎等の整備促進法制定に関する請願(卜
部政巳君紹介)(第二七三六号)
同(大原亨君紹介)(第二七三七号)
同(金丸徳重君紹介)(第二七三八号)
同外二十二件(下平正一君紹介)(第二七三九
号)
同外八件(永井勝次郎君紹介)(第二七四〇
号)
同外十八件(芳賀貢君紹介)(第二七四一号)
同外二十一件(松井政吉君紹介)(第二七四二
号)
同(松平忠久君紹介)(第二七四三号)
同(森義視君紹介)(第二七四四号)
同(柳田秀一君紹介)(第二七四五号)
同外二件(山中日露史君紹介)(第二七四六
号)
同外十件(安井吉典君紹介)(第二七四七号)
同外三件(石橋政嗣君紹介)(第二八四七号)
同(卜部政巳君紹介)(第二八四八号)
同(大出俊君紹介)(第二八四九号)
同外三件(勝澤芳雄君紹介)(第二八五〇号)
同(田中武夫君紹介)(第二八五一号)
同(千葉七郎君紹介)(第二八五二号)
同外一件(中井徳次郎君紹介)(第二八五三
号)
同外四件(永井勝次郎君紹介)(第二八五四
号)
同(森義視君紹介)(第二八五五号)
同外十件(柳田秀一君紹介)(第二八五六号)
同(江田三郎君紹介)(第二九一七号)
同(大出俊君紹介)(第二九一八号)
同外四件(岡良一君紹介)(第二九一九号)
同(金丸徳重君紹介)(第二九二〇号)
同(千葉七郎君紹介)(第二九二一号)
同(中村重光君紹介)(第二九二二号)
同外四件(永井勝次郎君紹介)(第二九二三
号)
同(野口忠夫君紹介)(第二九二四号)
同外二件(長谷川保君紹介)(第二九二五号)
同外二十九件(下平正一君紹介)(第二九二六
号)
同(卜部政巳君紹介)(第二九八二号)
同外一件(大出俊君紹介)(第二九八三号)
同外八十件(下平正一君紹介)(第二九八四
号)
同(金丸徳重君紹介)(第二九八五号)
同(千葉七郎君紹介)(第二九八六号)
同外四件(永井勝次郎君紹介)(第二九八七
号)
同外十九件(芳賀貢君紹介)(第二九八八号)
同(森義視君紹介)(第二九八九号)
同外三件(大出俊君紹介)(第三〇一八号)
同(金丸徳重君紹介)(第三〇一九号)
同外百六十二件(下平正一君紹介)(第三〇二
〇号)
同外九件(永井勝次郎君紹介)(第三〇二一
号)
同外三十九件(芳賀貢君紹介)(第三〇二二
号)
戦傷病者の放送聴視料免除に関する請願(松浦
周太郎君紹介)(第二七七六号)
同(江崎真澄君紹介)(第二七七七号)
同(奧野誠亮君紹介)(第二八七四号)
同外二件(木村俊夫君紹介)(第二九三八号)
有線放送電話関係法の改正等に関する請願外一
件(宇野宗佑君紹介)(第二七九九号)
同(江崎真澄君紹介)(第二八〇〇号)
同外一件(中垣國男君紹介)(第二八〇一号)
同(久野忠治君紹介)(第二八九一号)
同(中垣國男君紹介)(第二八九二号)
同(浦野幸男君紹介)(第二九六八号)
同外二件(中垣國男君紹介)(第二九六九号)
同(早稻田柳右エ門君紹介)(第二九七〇号)
同(矢尾喜三郎君紹介)(第二九八一号)
同(上村千一郎君紹介)(第二九九六号)
簡易保険積立金の運用による特定郵便局舎改善
に関する請願(福井勇君紹介)(第二八九三
号)
長野県阿南町とうじあげ山頂にテレビサテライ
ト局設置の請願(原茂君紹介)(第二八九四
号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
連合審査会開会に関する件
電話設備の拡充に係る電話交換方式の自動化の
実施に伴い退職する者に対する特別措置に関す
る法律案(内閣提出第三七号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/0
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001・加藤常太郎
○加藤委員長 これより会議を開きます。
電話設備の拡充に係る電話交換方式の自動化の実施に伴い退職する者に対する特別措置に関する法律案を議題とし、審査を進めます。
この際、連合審査会開会の件についておはかりいたします。
本案について去る十五日、大蔵委員会及び社会労働委員会から、連合審査会を開会せられたいとの申し入れがありました。両委員会と連合審査会を開会するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/1
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002・加藤常太郎
○加藤委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
なお、連合審査会の開会日時については、大蔵委員長及び社会労働委員長と協議の上、四月二十一日火曜日午前十時から開会することといたしましたので、御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/2
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003・加藤常太郎
○加藤委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。安宅常彦君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/3
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004・安宅常彦
○安宅委員 郵政大臣にお伺いいたしますが、この長ったらしい名前の法律案は、本来ならば国家公務員等退職手当法の一部改正、こういう形で——私はそれもおかしいと思うのでありますが、百歩譲ったといたしましても、そういう形で国会に提案さるべきが至当だと思うのでありますが、あなたの見解を先に伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/4
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005・古池信三
○古池国務大臣 これは法律のていさいの問題にかかわると思いますが、私は今回の法律案につきましては、郵政省または電信電話公社に限る問題でありまして、かような方法にいたしまして別に差しさわりはない、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/5
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006・安宅常彦
○安宅委員 こういう退職手当というものは本来ならば団体交渉できめることである、これは仄聞するところによりますと、全電通労働組合と日本電信電話公社当局との間にも争いがない、こういうふうに聞いておるのでありますが、退職手当の性質と同じいわゆる退職手当であるということが、団体交渉の議事録などを見ますと書いてあるのです。
それから、この間この法律案の付託委員会をきめるに際していろいろと論議が議院運営委員会であったのでありますが、その際も、大橋労働大臣を議院運営委員会に呼びましていろいろとただした。ところが、本来これは公労法上の団体交渉事項である、こういう話があったわけであります。もちろんわれわれに有利なことばかりは私ここで述べようとは思いません。大橋労働大臣はこれにつけ加えて、しかしながら、今日法律で国家公務員等退職手当法という形が法定をされておるのだから、法定事項でもあるという一面もあります。こういう話がございまして、理論的には議院運営委員会としては、これは明らかに衆議院の慣行上、内閣委員会に付託するのが当然であるが、前の国会において逓信委員会で事実上審議をされておる経緯もあるから、この際はここで話し合いで逓信委員会にしようではないかということで、一応逓信委員会ということになったのであります。ところが、参議院においては、起案をした各省のものが直ちにその所属する委員会で審議をされるという、衆議院の慣行と違いますから、その事案ごとに付託委員会をきめるようになっておることはあなたがよく知っておるはずであります。そういう意味で、今日までまだ予備審査の付託委員会はきまっていないのであります。こういう国会法上から見ても、いろいろと議論があり、ここにおる逓信委員長はまことにそのとおりだが、この際はひとつおれの顔に免じてなんてあなた議院運営委員会で言ったんですから。言わないとは言わせない。こういう経過が議院運営委員会であり、参議院ではまだ付託委員会さえもきまっていないということはどういう意味かといいますと、名前は歯にきぬを着せたように、いろいろ怪しげな文章を長々とつけて出しておる法律でありますが、内容は国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律、こういうものだと私は理解しておるのであります。退職手当の一部についていろいろな手を加えるものであるということだけは大臣も認めていただきたいと思うのでありますが、いかがでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/6
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007・古池信三
○古池国務大臣 まずかような措置は団体交渉によって取りきめるべきものではないかというお尋ねでございますが、三公社五現業の職員の退職を理由として支給される給付につきましては、国家公務員等退職手当法に定められておる退職手当以外に、実質的に退職手当に類するものは、その名目のいかんを問わずこれを支払うということはできないものと考えられております。したがって、かような給与につきましては、労使間において労働協約を締結して、これを実施するということはできないものと解されますので、この特別給付金についても、団体交渉によって取りきめるということはできないものとわれわれは考えております。今回特別給付金の支給に関する本法案を提案いたしましたのは、電話交換方式の自動化に伴って、一時に過剰となる多数の電話交換手の退職の円滑化をはかる必要があって、このような特殊な事情に対処するために、特に国家公務員等退職手当法のワクを越えた措置をとろうとするものでありまして、かような特別の措置はやはり法律によってのみなし得る、かように考えておる次第でございます。したがって、この特別給付金は、退職に際して一種の謝意を表するというふうな意味を含めた給付金である、かようにお考えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/7
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008・加藤常太郎
○加藤委員長 安宅君、委員長からちょっとお話しをしたいと思います。
ただいま安宅さんからのお話しの中で、議運で当委員長がこの法案の問題についていろいろお願いした、こういう話がありましたが、私はあの当時労働大臣を呼んで議運で事情を聴取したという——委員長は当委員会にかかるのが当然だと思う意味でお願いに行ったので、法案の内容とかそういう面については委員長は言っておりません。その点はなるべくこの委員会へのせていただきたいとお願いに行ったので、多少安宅君の言ったような意味とは意味が違うお願いをしたので、この点は釈明いたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/8
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009・安宅常彦
○安宅委員 委員長、私はあなたを傷つけようと思って言ったのではない。大橋労働大臣を呼んだところが、大橋労働大臣はあなたの御意思とまるきり反対のことをおっしゃったのですから、あなたはたいへん困って、なるほどそういうお願いの立場で議運に来たということは私も知っております。私も議院運営委員ですからそれを否定しようとは思いませんが、そういうことになったものですから、福永議院運営委員長が、これはしかたがない、これじゃ社会党さんの言うとおりじゃないか、あっはっはっと笑っちゃって、しようがないからこの際まあいいじゃないか、前に逓信委員会に付託したこともあるんだし、もうこういう事態になったのでこの場で話し合いしようということで、社会労働、大蔵その他関係委員会との連合審査をやるということで、社会党は妥協してくれという話であったわけであります。私らはこれは筋が違うということを主張したわけでありますが、この際、まあまあそういうことをみなやりますから、あなた方の言うことも聞きますから、この際逓信委員会にひとつ頼むという意味の発言をしたのであります。あなたが団体交渉事項であるということを認めたとか認めないとかいう問題ではなくて、会議の全体そのものがそういうふうなかっこうになり、大橋さんの発言を私は言っておるのです。そのためにいろいろ事情があったけれども、本来は、衆議院の慣行としては、やはり内閣委員会にいくべきものではあるけれども、そういう連合審査をするということで一応落ちついた。じゃ、しかたがないということで、あなたは、本来筋としては内閣委員会のものだが、結果的には逓信委員会にそういう事情があってきたんだということをお認めにならざるを得なかった、あるいは認めなければ、あなたの発言が、最終的に若干意味の違う説明をしたと言いますが、そういうことは認めなければならぬ、筋としては社会党の言うとおりだと言わなければ、逓信委員会にこなかった。そういう雰囲気の中であなたは発言したのです。私はそういうことを言ったのですから、何もあなたの発言がどうあった、こうあったと言っておるのではないのですから、それはひとつ誤解のないようにお願いしたいと思います。
それでは大臣に続いて質問をいたしますが、そうしますと、どういうことになりますか、謝意を表する——何か愚問愚答集みたいなものを一生懸命見ているようですけれども、謝意を表する金というのはどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/9
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010・古池信三
○古池国務大臣 御苦労さまでございました、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/10
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011・安宅常彦
○安宅委員 御苦労さまでございましたというような金は、団体交渉ではきめられない、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/11
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012・古池信三
○古池国務大臣 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/12
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013・安宅常彦
○安宅委員 退職手当に関して、それでは法律の範囲を越えては——法律の範囲を越えない団体交渉なんておかしいですから。そうでしょう。いわゆる退職手当の問題については、団体交渉では事実上できないんだということをあなたはおっしゃっているのでありますか、そこのところをお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/13
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014・古池信三
○古池国務大臣 法律事項はやはり法律に基づいて行なうべきものであって、団体交渉できめるべきものではない、かように解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/14
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015・安宅常彦
○安宅委員 そうすると、公共企業体等労働関係法との関連はどうなるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/15
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016・古池信三
○古池国務大臣 公共企業体の方々も、やはりこの国家公務員等退職手当法の精神によりまして退職手当というものを支給されるわけでございまするから、したがって、今回のごとき特別給付金は、これは退職手当に準じたものと考えまするがゆえに、法律によって定めるべきものである、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/16
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017・安宅常彦
○安宅委員 そうすると、これは退職手当なんですか、退職手当じゃないのですか。
それからもう一つの質問は、公労法上どうですかと私は聞いておるのです。ほかの公共企業体に入っている職員の皆さんも同様なんというのじゃなくて、公労法上どうなるかという問題を聞いているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/17
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018・古池信三
○古池国務大臣 公共企業体等の職員の退職手当というものは、純法律論的に申しますと、公労法第八条の規定によりますいわゆる賃金その他の給与に該当するものとも考えられます。したがって、法律の規制がありません場合には団体交渉の対象ということになると思います。しかしながら、現在におきましては、公共企業体等の職員の退職手当については、国家公務員等退職手当法によりましてその額、支給条件等が法定されております。したがって、同法によらないで退職手当を支払うということはできない、かようになっておるのでございます。したがって、かりに団体交渉をして協約を締結したといたしましても、これを有効に実施することはできない。この点につきましては、従来もさような解釈を政府としてはとっておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/18
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019・安宅常彦
○安宅委員 それから答弁が一つ抜けているのです。あとのほうの質問に対する回答はわかりました。これは退職手当であるか。謝意を表するというからこれは一体何であるか。こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/19
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020・古池信三
○古池国務大臣 この点については、先ほども少し申し上げましたが、今回は特殊な場合に対する対策でございまして、一種の謝礼的性格を持つものである、かように考えております。したがって、国家公務員等退職手当法による一般の退職手当とは違いますが、やはりそれの特例と申しましょうか、特殊な場合に対する給付金である、かようにお考えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/20
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021・安宅常彦
○安宅委員 退職手当ではなくて特殊なものである、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/21
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022・古池信三
○古池国務大臣 一般の国家公務員に支給されるものではなく、この際特に法律をもって特例を定めて、電話設備の拡充に係る電話交換方式の自動化の実施に伴い退職する人、それに限って支給する特別給付金である、かようにお考えくださってけっこうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/22
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023・安宅常彦
○安宅委員 そうすると退職手当ではないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/23
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024・古池信三
○古池国務大臣 一般の国家公務員におしなべて支給される退職手当ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/24
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025・安宅常彦
○安宅委員 はっきりしておきますが、そうすると、おしなべて支給する退職手当ではないけれども、特別な退職手当だ、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/25
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026・古池信三
○古池国務大臣 さようにお考えいただいてけっこうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/26
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027・安宅常彦
○安宅委員 そうすると、謝礼ではなくて、おしなべて一般の国家公務員に対する退職手当ではないが、謝礼みたいな退職手当みたいなものでありますか。どうなんですか、そこのところがはっきりしないのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/27
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028・古池信三
○古池国務大臣 特別な退職手当でありますけれども、一般のものとは違って特に謝意を込めたものである、かようにお考えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/28
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029・安宅常彦
○安宅委員 退職手当であるとするならば、国家公務員等退職手当法を改正する法律案として出さなければならないのであります。退職手当でないとすれば別な意味で出さなければなりませんが、退職手当ではないから電話設備の拡張に伴うとかなんとかという名前にしたのじゃないですか。そこのところはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/29
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030・古池信三
○古池国務大臣 一般の退職手当ではございません。要するに、先ほど来るる申し上げましたような今回の場合にのみ限った特殊なものでありまするから、いわば退職手当法の特例、かように考えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/30
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031・安宅常彦
○安宅委員 あなたの発言は非常に微妙ですがね。一般の退職手当ではないが特殊なもの、こういうことですね。特殊なもの一ものというのは非常に微妙です。特殊な退職手当か、一般的な退職手当ではないが特殊な謝礼である、給付金であるか、あるいは特殊な退職手当であるか、そこのものということで、そこの表現をはっきりさせないことではなくて、はっきりさせていただきたいのですが、どういうのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/31
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032・古池信三
○古池国務大臣 一般の人たちに一律に支給される退職手当ではございませんが、しかしながら、退職に伴って支給するものであり、しかもそれは限られたる場合にのみ支給されるものでありまするから、退職の際に支給されるという意味においては一部退職手当という意味も持ちます。しかしながら、一般の退職手当とも違って特別なものでありまするから、名前も特別給付金、こういう名前をつけておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/32
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033・安宅常彦
○安宅委員 私は事務当局や何かの技術的なそういう立場をお聞きしているのではありません。大臣として、法律の問題について聞いているのだから、うしろで答弁しようと思っても困るということを言っておるのでありますが、ただいまの答弁は何か一般常識論みたいなことで答えておられるのでありますが、一般の退職手当、すベて一般的に国家公務員等に支給する退職手当でない退職手当というのはあるのですか、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/33
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034・古池信三
○古池国務大臣 それを今回の法律によってつくっていただきたい、こういう趣意でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/34
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035・安宅常彦
○安宅委員 そうすると、一般的な退職手当でない退職手当だとするならば、しかもいわば特例みたいなものだ、こういうお話でありますが、そうだったら、これは国家公務員等退職手当法の特例に関する法律案、こういうふうになると思うのでありますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/35
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036・古池信三
○古池国務大臣 名前はどうつけましても、要するに実質は、ただいまお話し申し上げたように、一般の退職手当のほかに、特に特別支給をしよう、こういう趣旨のものであります。また国家公務員全般にわたるものでもありませんから、かような名前をつけまして特別であるということをはっきりさした次第でありまするから、決して支障はないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/36
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037・安宅常彦
○安宅委員 だから私が言うのは退職手当であるのか、いわゆる特別の給付金であるか、どっちだと聞いておるのです。この法律から言えば給付金でございますね。給付金とその他のもの、ものとは何か、給付金か退職手当か、その他のものか、ものといったっていろいろあります。だから給付金か退職手当かということを聞いておるのです。特別論だけははっきりしたからいいでしょう、特別のところははっきりしたって、特別の退職金か特別の給付金か、下のほうがはっきりしなければ困る。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/37
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038・古池信三
○古池国務大臣 退職の際に支給される特別支給金でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/38
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039・安宅常彦
○安宅委員 わかりました、支給金だということはわかりました。そうしますと退職手当に関しては国家公務員等退職手当法をいじくらなければならないが、退職手当でない特別な給付金であるから、国家公務員等退職手当法の一部改正という形では国会に出さなかったのだ、こういうことでありますか、そういうことになりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/39
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040・古池信三
○古池国務大臣 実質的に申しますれば、退職手当と同様なものだと考えますが、一般に支給されるものではなく、きわめて特殊な例外的な措置でありまするから、特別支給金という名前にして、さらにかような独立した立法をお願いしておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/40
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041・安宅常彦
○安宅委員 私は、重ねて言いますが、法律論を言っているのじゃありません。特別な給付金であるということでただいまあなたはお答えになりましたから、特別な給付金であるから退職手当法の一部を改正する法律として出さなかったのだ、こういうことに理屈としてはなるのでありますが、そのとおりでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/41
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042・古池信三
○古池国務大臣 さように解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/42
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043・安宅常彦
○安宅委員 わかりました。
それでは電電公社にお伺いいたします。これは担当の方、どなたでもけっこうであります。ただいま大臣の答弁によりまして、これは退職手当ではなく特別な給付金であるから、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律という形では出さなかったのだという答弁があったのでありますが、退職手当でない特別な給付金ならば、これは当然団体交渉で解決すべきものと思いますが、労働組合との答弁の衝に当たられた方からでもけっこうでありますが、お答えを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/43
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044・中山公平
○中山説明員 お答えをいたします。
この特別給付金の性格につきましては、ただいま大臣からお答えがありましたとおりでございまして、私どももそのように理解をいたしております。また組合との関係におきましてもそのように説明をしてまいっております。すなわち、この特別給付金は、現在の退職手当法できめられております退職手当のほかに、この法案にございますような事由によって退職をされる方に対して、特例として支給をするものでありますから、これは退職手当法の特例になるという説明をいたしております。
そこで、それでは退職手当法を改正すればいいじゃないかというお話もございましたが、大臣も先ほどお答えをしておられますように、この特別給付金を支給する目的というものが、この法案の第一条にもございますように、電話交換方式の自動化に伴い、多数の電話交換要員が一時に過剰となるという、きわめて特殊な事情に基づくものである点、しかもこの対象になる職員が、郵政省及び電電公社の電話交換要員というものに限られておるという点、また、この法案にもございますように、十年間という暫定立法である、こういう点から特別法としてこの法案を御提出されておる、こういうふうに電電公社としては理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/44
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045・安宅常彦
○安宅委員 ただいま大臣は明快に、これは退職手当の特例ではなくて、特別な給付金であるから、そういう法律改正を行なわなかったんだ、こういうふうに答弁をしておるのでありまして、大臣がおっしゃったとおりなんて、中山さん、あんたの言うのは、大臣のおっしゃったこととまるっきり違ったことを言っておるのですね。退職手当だったならば、それは国家公務員等退職手当法に厳然ときまっておるのでありますから、退職手当でない特別給付金を出すという場合には、団体交渉できめなければならないと思いますがどうですか。大臣は退職手当でないとはっきり言っておるのです。そこを間違えないように。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/45
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046・中山公平
○中山説明員 お答えいたします。
まず第一に、大臣の御答弁も、実質的にはこれは退職手当法によるところの退職手当の特例であるということを申しておられますので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/46
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047・安宅常彦
○安宅委員 そんなことは言っていない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/47
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048・中山公平
○中山説明員 特別給付金というものについては、一般の退職手当とは違うけれども、実質的には退職手当法の特例をなすものであるという点をおっしゃっておられますので、その点に食い違いはありません。
第二点といたしまして、団体交渉で取りきめるべきではないかという先生の御質問でございますが、これにつきましては、先ほど大臣も申されましたように、公労法第八条の団体交渉事項という点と関係はございますけれども、現在公社及び現業の職員につきましては、退職時に退職を理由として支給される給付につきましては、国家公務員等退職手当法がございまして、これによって支給がなされておりますので、実質的にこれに類するものにつきましては、法律によらないでは支給することができないのでありまして、団体交渉をたとえしても、それは取りきめができても有効には実施できない、かように私どもは解釈しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/48
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049・安宅常彦
○安宅委員 大臣が、退職手当ではないから特別給付金で出しました、退職手当ならば国家公務員等退職手当法の一部改正法律あるいは国家公務員等退職手当法の特例に関する法律と明確に出すべきがほんとうではないか、そのとおりで、これは一般に支給される退職手当ではなくて、特別給付金だからこういう法律になったのだ、こういうことを言っておるのでありまして、あなたの第一段のお答えは、大臣の答弁と同じ趣旨でありましてというのは、まるきり違っておりますから、これはあなたすりかえないでください。
それからもう一つ言いますが、給付金を支給するというならば、これは退職手当ではないのでありますから、当然団体交渉でやらなければならないものだと私は思いますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/49
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050・中山公平
○中山説明員 この特別給付金は、先ほども大臣から御答弁がありましたように、退職時に退職を理由として支給される給付でございますから、その意味で国家公務員退職手当法にいうところの退職手当のと、大臣も申されましたように特例でございますので、これは国家公務員退職手当法という法律が存在する以上、法律によらざれば支給することができないものでございまして、私どもはそういう理解の上に立っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/50
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051・安宅常彦
○安宅委員 大臣との間に私はいろいろやり取りをいたしましたが、いろいろなそういうことに類する発言も大臣からありましたが、最終的には、答弁は議事録に残っているとおり、これは退職手当ではないから、特別給付金でありますから、特例でもないから特別法としては出さなかったし、退職手当ではないから一部改正ということでは出さなかったという意味のはっきりした答弁があるのでありますから、それは電電公社が考えておるものと、大臣が最終的に私に答弁をなさった、その見解と、ここでまるきり違っておりますが、これはどういうことでしょうか。まるきり違っておりますから、それはどうですか。大臣、これは私ははっきり議事録を調べて、それで最終的にあなたが答弁をしたことばと、私のやり取りの最終的の部分でありますが、電電公社のほうでも中山職員局長が言っておることとは歯車が合っておりません。見解がまるきり違うのであります。はっきりした、統一した見解がない限りは、これはちょっと質問の歯車が合いませんから、意見を調整していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/51
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052・古池信三
○古池国務大臣 先ほど来私が答弁申し上げておりますことと、ただいま電電公社の職員局長からお答え申し上げましたこととは、実質的に何ら差異はございません。議事録をお調べいただきましても、先ほどから私は、この特別給付金は、名目的には退職手当という名前をつけておりませんけれども、退職の際にその退職を理由として特別に支給するものであって、実質は退職手当と同様なものであるということは再々申し上げておるとおりでございまして、そういう意味においては、退職手当の特例とみなしてよろしいだろう、こういうことも申し上げております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/52
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053・安宅常彦
○安宅委員 だから私は法律論的に聞きますよとはっきり言っておる。退職手当の特例法ならば本委員会が論議すべきものでなくて、内閣委員会で論議すべきものであって、しかも国家公務員等退職手当の特例に関する法律、こういうことで出すのが正しいのであって、こういう長たらしい名前をつけて出すのは違法ではないか、こういうことを私から言われて、そうしてあなたは退職手当ではないという苦しい答弁を最終的になさっておる。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/53
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054・古池信三
○古池国務大臣 これは議事録をごらんになればよくわかると思いますが、一般の国家公務員全般にひとしく支給されるいわゆる退職手当ではございませんということは繰り返し申し上げました。しかも今回の場合は特例といたしまして、電話の自動化に伴って退職する人に限られておりますから、他の各省には関係はないことであります。郵政省の職員並びに電電公社の職員に限って行なわれる支給金でありますから、特別支給金という名をもちまして独立した特別の法律を制定していただきたい、こういう趣意でございますので、その辺はどうか誤解のないようにお願いしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/54
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055・安宅常彦
○安宅委員 国家公務員に一般的に支給する退職手当ではないとおっしゃいますが、そうすると、そういう一般に支給する退職手当以外にも退職手当はあるのですか。それを例示していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/55
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056・古池信三
○古池国務大臣 今回はかような特殊な場合でありますから特別なことを考えたいというので立法をお願いしておるわけでありまして、これに類するものは私はいま存じておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/56
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057・加藤常太郎
○加藤委員長 先ほどから発言の中で内閣委員会というのは大蔵委員会だと思うから、議事録に残るから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/57
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058・安宅常彦
○安宅委員 ありがとうございました。私のいまの内閣というのは大蔵委員会の誤りでありますから、委員長御注意どうもありがとうございました。
そうすると、本質的には変わりはないと言うのですが、国家公務員等退職手当法をいじくらないで、そうして別な退職手当の法体系をつくるということになりますか、どうなんですか。これは退職手当ではないというのとあるというのとではたいへん違いますが、どっちでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/58
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059・古池信三
○古池国務大臣 一般的にいう国家公務員等退職手当ではございません。それに付加して、退職の際に——実質的には退職手当に該当すると思いますが、特別な支給金を支給しよう、こういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/59
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060・安宅常彦
○安宅委員 そうならば、国家公務員等退職手当法を改正する、あるいは特例を設ける、こういう国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律、国家公務員等退職手当法の特例に関する法律、こういうふうにして出すのが正しいではありませんか。法理論的にどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/60
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061・古池信三
○古池国務大臣 それはあなたの御意見として承っておきますけれども、ほかの一般の国家公務員には関係のないことでございます。特に逓信委員会で常に御審議を願っておるこの電信電話事業に関係あることであり、それのみに関することでありますから、特別の法律をいま提案をしておる次第でございまして、その点は少しも支障がない、私はこう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/61
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062・安宅常彦
○安宅委員 わかりました。ただ、最後に私は、大臣に言っておきますが、たとえば今度郵政事業で、電電公社とはかかわりなく、あなたのほうではいまこういう現象が起きております。勧奨退職をやる。勧奨退職をやるのだが、みな勧奨しますから、やめたい人はどんどん申し出てくださいと言って、申し出を受け付けておいて、予算がないものですから、あるいは若い人々で緻密に組み立てができるような職員がいなくて困っておるものだから、いろいろな事情があると思いますが、勧奨をしておきながら、そのうちからかってにピックアップして、安宅は悪い、森山さんはいいとかいうようにピックアップして、そのうちから割り増しの退職手当をくれたり、ある者にはくれなかったり、こういうことをしておるのであります。これははなはだいかぬから、特に重要な郵便事業ではいまやめられては困るから、ほかの赤字の事業は早くやめてもらわぬと困る。したがって、これと同じような法律を出すようなことだってあるかもしれない。現実に電電公社の部分にもあるのです。今度は建設省は建設省でたいへん大きな事業をいまやっておりますが、事業がぴたっととまるということはないでしょうが、設備投資の都合で事業を縮小しなければならない、首切り反対闘争が長くて困る、そういうときには、現場で働いておった何年勤続以上の人は特別の退職給付金みたいなものを出しますからということで、今度は建設省から出してくる。国鉄公社も同じようなことをやってくる。専売公社も、このごろは刻みたばこはつくらないから、そういう要員がたくさん余ってしまう、配置転換してもどうにもならぬから、一貫作業が進展して要員が余ってきたから、専売公社も、なかなかやめてくれないので、しかたがないから、そういう現場の諸君に限って退職手当みたいな、給付金みたいなものをうけるからというので、こういう法律がどんどん出てきたならば、これはたいへんなことになるのではないかという議論が議院運営委員会の中ではかわされて、なるほどそうだということになっておるのです。だから、そういうことで、ほかのほうには関係がないのでありますと大臣は言っておるけれども、またあなたがほかの大臣になったら、たいへんなことになると思うのでありますが、(「議運は法案の内容について論議するところじゃない。それは議運の越権だよ。」と呼ぶ者あり)副議長までやっている人はやじを飛ばさないでくださいよ。(「議運は法案を審議するところじゃない。」と呼ぶ者あり)何を言っているんですか。どこの委員会に付託するかということについて議運ではやりますよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/62
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063・加藤常太郎
○加藤委員長 私的のやりとりはやめてください。
この際委員長から皆さんに申し上げます。議事の進行上、不規則発言は禁じます。
安宅君。
〔「委員長、けりをつけろ」と呼び、その他発言する者多し〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/63
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064・加藤常太郎
○加藤委員長 個人的発言を禁じます。
速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/64
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065・加藤常太郎
○加藤委員長 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/65
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066・上林山榮吉
○上林山委員 議事進行について発言をいたします。
ただいまごらんのような状態でございますが、議院運営委員会は、どの委員会に法案を付託するかというような取り扱いをやるところであると承知しておりますが、現在私は議運にいっておりませんから、よくわかりませんが、(「わからないなら言う必要はないじゃないか。」と呼ぶ者あり)わからぬから聞くんじゃないか。だからこの法案の付託の前提として、法案の内容が議運で審議された事実があるのかどうか、この点を委員長は御承知であるならば、こういう状態になっておるから、これを氷解する意味において発言されたいと思います。答弁されたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/66
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067・加藤常太郎
○加藤委員長 委員長の意見を申し上げますが、議運においての審議は、非公式のものでありまして、懇談的なものでありまして、当委員会に付託するかせぬかを、委員会の理事会でない、懇談的に相談はいたしました。しかし正式の議運での審議はいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/67
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068・安宅常彦
○安宅委員 それはこういうことで付託委員会をきめるときにいろいろ問題になる。たとえば法律案の何ぼ要るんだとか、何ぽかとかいう、そういう法律の内容にわたらないということは当然であります。ただ各省からこれと似たような法律が出てきたら困るじゃないか、統制できないじゃないかというぐらいのことを言うのは、議運の委員会ならあたりまえのことであって、そういうことをやらなければ、どこに付託するか、まるでばかが三人そろって、どっちにするかじゃんけんできめるようなものじゃないか。もっと、常識でわかるようなことを元副議長までしたくらいの人がわからぬというのはおとなげないじゃないですかということを言っておるのでありますから、そういうよけいなことを言わせないようにしてくださいよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/68
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069・椎熊三郎
○椎熊委員 議事進行に関して。
いまの国会法のたてまえから言いますと、各省から出てくる案件というものはすべて常任委員会へ回される。それは大体きまっている。それが、各省の所属がきまっていないような案件が出てきた場合に、これをどの委員会に回すかで問題になる。それから、特別委員会を開く場合に必要あるかないかということが問題になるので、普通各省から出す案件というものは、それに所属した常任委員会に回すべしとなっておる。したがって、いま発言せられた人の言うように、この内容は退職金手当と同じことであって、そういうことが議運で問題になったと言うけれども、それは問題にするほうが間違いだ。各省からこれに類似した法案がたくさん出てくれば困る。なぜ困るのでしょう。議運としてはちっとも困ることはないのですよ。大蔵省や内閣が因ることはあっても、議運としては、この案件はどの委員会へ回すということで何ら議論の余地はないのです。この人は議運に入ってそうなれていないかもしれませんけれども、それにしても乱暴きわまるおことばであって、私は聞くにたえないから、それを言ったのです。かつて私が副議長をしたかしないかというようなことは、この案件には何の関係もございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/69
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070・安宅常彦
○安宅委員 これはたいへんあるのであります。だから私は言ったのであります。そして内閣なりそういうものからどんどん出してきたものを議院運営委員会はチェックできないという国会法上の規定はあります。そういうことからどちらに付託すべきかということは、全然ないとあなた自身言っていないのであります。大かたはきまっていると言っただけであります。ないのであります。だからわれわれのほうは、今日大臣でさえも退職手当であるか特別の給付金であるかあいまいもことした答弁しかできないような法案であるから、議運でもめるのは当然であります。そういうことで——私は議運になれていないそうでありますが、あなたはなれておられるかもしらぬが、議運の部屋にしょっちゅう行ったと言っておられますけれども、議運の部屋で碁ぐらい打っておる人が、人を議運としてはなれていないようでありますが、と正式の会議録に載るような発言をするのは、非常に私は不届き千万であると思います。議運の部屋で碁ぐらい打っている人はだれだかわかりませんが、あまりおかしいことを言わないようにしてもらいたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/70
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071・加藤常太郎
○加藤委員長 この問題について委員長から申し上げますが、本委員会は逓信委員会でありますので、議運の問題については、もうこれ以上論議を御遠慮願いたいと思います。
〔発言する者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/71
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072・加藤常太郎
○加藤委員長 今後皆さんの御発言は、委員長の許可を求めてください。この際不規則発言はかたく禁止いたします。
安宅君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/72
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073・安宅常彦
○安宅委員 それでは重ねてお伺いいたしますが、そのようないろいろな論議があって、そうしてこれは退職手当であるとするならば、国家公務員等退職手当法の内部の問題でありますが、退職手当でないとすれば、これは別な立法で出すのが当然であります。そういう論議が今日まであったことは、大臣みずから御存じのとおりであります。したがって先ほど電電公社の職員局長からは公労法第八条と関係はありますがという答弁がありましたが、その関係を第二番目に先ほど聞いておるのでありますが、その公労法第八条と関係があっても——あったとするならば、これは団体交渉権の行くえはどこになるのか、こういう点をあらためてお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/73
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074・古池信三
○古池国務大臣 先ほどかような特例的なことを郵政事業のほうでも考えておるのではないかというお尋ねがありましたが、ただいま私は郵政事業にかような特別支給金を支給せよということは考えておりません。また、他省関係のことは、これは他省のことでわかりませんが、私はそういうことは今日予想しておりません。
それから第八条の問題でありますが、一般的に給与に関することは団体交渉によってきめようという趣旨は存じておりまするけれども、特にかような国家公務員等退職手当法という法律によって規定されておる事項については、もとより団体交渉によってきめるわけではなく、その法律によってきめられるべきものである、かように考えております。したがって、今回特別な理由が発生いたしまするので、国家公務員等退職手当法のその趣意にならって、特例としてかような特別の法律を制定したい、こういう趣旨でございまするから、公労法とも何ら矛盾するところはないと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/74
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075・安宅常彦
○安宅委員 それは違うと思うのです。国家公務員等退職手当法が成立をしたときに、与野党が一致してきめた附帯決議があると思いますが、これはどなたか知っておられる方がありましたら、ここではっきり読んでいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/75
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076・中山公平
○中山説明員 お答えをいたします。
所管ではございませんので、あるいは私が御答弁するのが不適当かとも思いますが、私の知り得ておるものをお読みいたします。
昭和二十八年の第十六回特別国会におきまして、国家公務員等退職手当暫定措置法案が審議された際、衆議院大蔵委員会と参議院人事委員会で、公労法との関連において、公共企業体の職員を退職手当法の適用範囲からはずすことが妥当であるとも考えられるが、これと関連して、恩給法及び国家公務員共済組合法の準用を排除して一般の社会保険制度を適用することも考えられるので、これらのことについて再検討することという旨の附帯決議がなされておりますが、附帯決議そのものではございませんので、趣旨を私の知り得たところによってお答えいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/76
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077・安宅常彦
○安宅委員 これは、中山さんは専門家ですからわかると思うんですが、この附帯決議はどこの文章を読んでみても——一つは、これは公労法上の団体交渉でやるべき筋合いのものであって、国家公務員等退職手当法の中に入れるべきものではないと思われるのだ、一つの点は、共済組合法等まだいろいろな問題が法体系上整備されていないから、将来社会保障の全般的な面で解決する、理論的に合わない点はこの二つの方途がある、だから検討すべきものだ、こういうふうに書いてあるのですが、そのとおりだとお思いですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/77
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078・中山公平
○中山説明員 所管ではございませんが、先生のおっしゃったことが趣旨だと、私は思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/78
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079・安宅常彦
○安宅委員 そういうことになりますと、本来ならば三公社五現業、こういうものは公労法が厳然としてあるのでありますから、理論的には実際は国家公務員等退職手当法の範疇に入れるのは間違いなんだ、しかし、そのころは公社も始まったばかりだし、いろいろの法体系の整備もあるから、将来これをどうするかという問題は公労法上の問題だという点と、一つは、共済組合などいろいろな問題はあるけれども、それを統一した将来の全般的な社会保障制度の観点としてこれを解決していくのが正しいという意味の附帯決議なんです。その後、何らそういう方向に行くような御努力がない中で、突如として、解決の方法としては異例であり、悪くいえば邪道みたいな意味のこういう法案を出してくるということは、はなはだけしからぬと私は思うのです。附帯決議の精神に反し、したがって国家公務員等退職手当法の立法の精神に反するのではないか。これが第一の質問です。もう一つは、したがって、公労法第八条というものが厳然としてある限りにおいて、給与その他労働条件が例示をされておりますが、そういうものは団体交渉でやるべきだ。こういうものがあるのでありますから、この法律自体、公労法と相矛盾する法律、公労法に反する法律、こういうことになると思うのでありますが、この二つについて、大臣からお答えを願いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/79
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080・古池信三
○古池国務大臣 最初の附帯決議の関係は、ただいま当時の書類を取り寄せまして私も読んでみましたが、これには「公共企業体労働関係法との関連において、公共企業体の職員を本法の適用範囲からはずすことが妥当であるとも考えられるが、」そこに多少のゆとりといいましょうか、ニュアンスのあることはお認めいただけると思います。また「他方これと関連してその職員に対しては恩給法並びに国家公務員共済組合法の準用規定を排除して、一般の社会保険制度を適用することも考えられるので、これらの諸問題を公正に解決する方途を速やかに講じ、早急に再検討することとする。」かように附帯決議はなっております。その後私いまだ再検討された結果がどういうふうに出ておるかということは承知しておりません。かような附帯決議がありまするから、やはりこの問題は、公正に解決するために、再検討をすることはもちろん必要であると考えますけれども、現在の段階においてはどうかと申せば、やはり国家公務員等退職手当法によって退職の際の退職手当は支給する、こういう法律が現存しておりますがゆえに、その趣旨におきましては団体交渉の対象にはならない、かように解釈されて今日まできておりまするし、現在もさような解釈をとっておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/80
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081・安宅常彦
○安宅委員 あとの質問の、公労法とは対立しませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/81
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082・古池信三
○古池国務大臣 あとのほうの御質問につきましては、いまお答えしましたように、公労法には給与その他に関して団体交渉によるということはありますけれども、しかし、かような法律がありまする以上は、やはり退職手当は法律に基づいて支給するのである、したがって、かりに団体交渉をいたしましても、その結果は有効に効力を発しない、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/82
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083・安宅常彦
○安宅委員 そうしますと、ここで大臣に説明というか言わなければならないのですが、電電公社の職員局長は、附帯決議の内容は私が先ほど質問したような趣旨である、つまり一つは多少のゆとりがあるとあなたは言いましたが、これは附帯決議でありますから範疇に入れるのはおかしいと思うなんて、大臣、書けないですよ。したがって問題点が残っておるのだということです。それが一つと、それからもう一つの問題点は、国家公務員共済組合法、恩給法その他そういういろんな法律があの当時はありますから、だからそういうものをひっくるめて、社会保障の一般的な問題といいますか、あるいは退職をした場合には、民間たると官業たるとを問わず、そういう退職手当というものはこういうものだという一般的な取りきめというものをしておかなければならないのじゃないか。だけれども、いろいろな法律ががたがたあるものですから、なかなか整理統合ができないものですから、二つの点を将来にわたって解決していくべきだというこれは附帯決議であって、立法の趣旨からいって、そういう方向でずっと解決を進めなければならぬ義務があるのです。そういう方向のことは寡聞にしてあなたは知らないと言っておりますが、知らないならしかたがないとしても、そういう附帯決議があるのですから、その附帯決議に逆行するようなこういう法律を出すこと自体が間違いだ、私はそう主張しておるのでありますが、あなたはそう思いませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/83
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084・古池信三
○古池国務大臣 一般論としましては、あなたのおっしゃることも私十分わかるのでありますが、今回の場合は電話の拡充普及ということが非常に急がれておる問題であります。したがって、一般的な制度なりやり方というものが確立されるまで待つということは、この際決して適当ではない。五カ年計画を次々に電電公社が実施に移しておりまするし、またこれが国民の非常に望んでおるところであり、一日も早く電話が自動化されて便利にしてほしい、こういうことはもう国民一人残らずの強い要望でありまするから、この要望に沿って拡充をやっていく上においては、どうしてもかような措置を講ずるということが最も適切である、こういう考えに立ちまして、特例法としてかような独立した立法をお願いしよう、こういうことになったのでありますから、その間の事情は十分御承知と思いまするが、どうか御理解をいただきたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/84
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085・安宅常彦
○安宅委員 大臣がそこまでおっしゃるのですから、私は、これは幾ら議論しても平行線だと思いますから、これでやめましょう。あとでどなたかまたやるかもしれませんが……。
電電公社の中山職員局長に聞きますが、あなたは公労法と関係がございますというお話でしたが、どういう関係がございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/85
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086・中山公平
○中山説明員 お答えいたします。
私が公労法八条と関係があるのだと申し上げたことは、その前に大臣からも御答弁がこの関係についてございました。そのことを言っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/86
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087・安宅常彦
○安宅委員 私が質問しておるのは、公労法第八条ではこういうものは団体交渉事項であると明記していることは、あなたは私との間に争いがないと思うのでありますが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/87
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088・中山公平
○中山説明員 その点については、大臣も私の答弁の前に御発言がございまして、純法律的に考える場合には、公労法八条にあるところの「賃金その他の給与」ということで、団体交渉事項だと考えられるけれどもということを仰せられましたが、そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/88
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089・安宅常彦
○安宅委員 関係があると言ったことは、そういう重要な関係があるのでございます。したがって、公労法第八条でもって団体交渉をやらなければならない義務は電電公社にあると思うのでございますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/89
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090・中山公平
○中山説明員 私ちょっとことばが不足しておりましたが、団体交渉の対象となる事項として、公労法八条に規定されておる、こういう意味でございます。団体交渉をやらなければならぬ義務のあるものであるかどうかという点につきましては、他の法律、この場合で申しますならば、国家公務員等退職手当法との関係において、必ずしもと申しますか、この場合におきましては、団体交渉できめらるべきものではない、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/90
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091・安宅常彦
○安宅委員 公労法八条に基づいて、団体交渉の対象事項である。したがって、大臣の表現をすればですよ、団体交渉をやらなければならないが、しかしこれは団体交渉をやったとしても、有効な結論が得られないものである、こういう答弁をしておるのですが、団体交渉の義務があるかどうかという問題とは別な答弁をしておるので、大臣のおっしゃるとおりというのはおかしいのでありまして、団体交渉の対象事項となっているならば、団体交渉をやる義務はあるのじゃないでしょうか、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/91
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092・中山公平
○中山説明員 団体交渉の対象となっておる事項でありましても、他の法律によってきまっている場合には、たとえ団体交渉をやって取りきめられても、それと異なることは有効に実施することはできないわけでございまして、そういう意味から、団体交渉に応ずる義務はないというふうに解釈します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/92
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093・安宅常彦
○安宅委員 そうしますと、公労法と国家公務員等退職手当法との関係というものは、競合し、矛盾しておることはお認めになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/93
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094・中山公平
○中山説明員 矛盾というふうには私ども考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/94
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095・安宅常彦
○安宅委員 公労法ができて、団体交渉事項であるということは法律に明確になっているにもかかわらず、その後国家公務員等退職手当法というのが出た。法律は一応成立したけれども、そり間野党が反対したと思うのです。ごたごた論議があったに違いないのです。ただその内容が、矛盾し、公労法上の条文と競合する部面があったから、ああいう附帯決議が出たと思うのであります。したがって将来にわたって再検討しなければならないという附帯決議がなされたと思うのであります。だからこれは当然競合はしておる、矛盾はしておる、だが、現実に法律があるからしかたがないというのか、競合、矛盾はしてないというのか、どっちなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/95
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096・中山公平
○中山説明員 お答えいたします。
競合、矛盾という意味がきわめて抽象的でございますので、とりようによってどのようにでもとれますので、私は、競合しておるとも矛盾しておるとも、もっと明確な事柄でなければ言えないと存じますが、私どもの考えでは矛盾はしておらないという考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/96
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097・安宅常彦
○安宅委員 たいへん失礼でありますが、私は法制局の人を呼んでもらいたいという申し入れはしてなかったと思うのです。たいへんな手落ちでありますが、法制局の行政解釈も実は出ておるのでありますから、法制局のそういう責任者を、もしできるならば至急呼んでもらいたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/97
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098・加藤常太郎
○加藤委員長 土曜日でありますので、ちょっと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/98
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099・安宅常彦
○安宅委員 わかりました。これは大臣にそういうことを言ったって無理な話で、私どもの解釈としてはこういうことでありますから、これは留保しておきたいと思います。
これは矛盾しておることはわかっておるけれども、矛盾と言えばあとあなたが何を言うかなあと思っていましたが、中山さんなかなか頭をめぐらしておるようでありますけれども、それはむずかしい答弁だと思いますよ。だから、私は、そういうことについてはあらためて法制局のほうが来たときに、その問題について明らかにしたいと思います。
重ねて質問いたしますが、この退職手当に関して高齢者退職の際のいろいろな問題等について、全電通労働組合との間に電電公社は協約、協定並びに覚え書き、了解事項等に類するものを結んだことがありますか。その事実はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/99
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100・中山公平
○中山説明員 ただいまの先生の御質問は、退職手当のことについて団体交渉によって取りきめをしたことがあるかどうかという御質問であったと思いますが、その点につきましては、私どもがいま組合と取りきめをしておりますものといたしましては、高齢退職者で慫慂において退職する職員、年齢五十才以上の者等であって、経営上必要な人事の実施により勧奨を受けて退職する職員、合理化等による計画的な配置転換に応ずることができないで退職する職員、こういう職員について、国家公務員等退職手当法第五条及び附則第六項による退職手当を支給するということを取りきめておるものがございますけれども、これは退職手当法上明定されて、何らの変更も許されないと解せられる趣旨の規定、たとえば退職手当の額等について団交で取りきめておるわけではないのでありまして、退職手当法に規定されておっても、その適用についてある程度の幅または具体化が認められておると解せられる趣旨の規定がある事項について、その事項の性質により、すなわち、それが労働条件に関するものである限り、団体交渉において取りきめられる場合があるという解釈のもとに、こういう先ほど申しましたような取りきめをいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/100
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101・安宅常彦
○安宅委員 その内容でありますが、たとえば高齢退職者の場合には、あなたのほうでは何ら関係がない、団体交渉はやったけれども、法律に違反するようなことはやったことがない、その範囲内でやったというような答弁でありますが、そのとおりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/101
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102・中山公平
○中山説明員 国家公務員等退職手当法において、法の規定の上から公社総裁にその運用をまかされておる幅のあるもの、こういうものに限っては、それは労働条件に関するものである限り団体交渉をいたしておりまするが、それ以外のものについては団体交渉によって取りきめることはできない、こういう解釈でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/102
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103・安宅常彦
○安宅委員 そうしますと、高齢退職者の場合、勤続年数によって、勤続一年につき〇・五カ月とか、あるいは最高一年を限度として特別嘱託とするとか、あるいは特別嘱託の期間中は、退職手当算出の基礎とした基本給に、扶養手当及び勤務地手当相当額を加えた額を手当として毎月支給するということ等は、いうなればこれはこのたび勤続年数に応じて八カ月分なり十カ月分なり追加することと同じではないですか、労働を実際してないのですから。それを分割して十カ月分支給することと同じであるというふうに理解しているのでありますが、これは退職したのでありますから、こういうことは決して運用とかなんとかという問題ではないし、退職のときに一号俸なり二号俸なりを勤続年数に応じて上げて退職手当を優遇してやるというようなことも、実は国家公務員等退職手当法によって許されておることなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/103
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104・中山公平
○中山説明員 いまお話のございました点は、一つは特別嘱託制度のことを仰せられており、一つは退職時についての特別昇給のことを仰せられておるのだと思いますけれども、第一点につきましては、これは退職時に退職を理由として給付するいわゆる退職手当というものではないのでありまして、退職をされた方に公社のほうから退職後もいろいろと公社業務についてお手伝いをお願いするということで嘱託になっていただいておる制度でございまして、退職手当法あるいは退職時に支給される給与というものとは何ら関係のないものでございます。第二点の退職の際に特別昇給をするということは、これは給与の問題でございまして、退職手当その他それに類する性質のものとは何ら関係のないものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/104
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105・安宅常彦
○安宅委員 公社の仕事をお手伝いしてもらうんだそうでありますが、私は現実にあなた方の公社に二十五年間お世話になりましたけれども、そういう退職したおじいさんが公社の仕事を手伝っておったのを見たことはございません。どういう任務もまだあずけられていないと思うのでありますが、それはいわば悪く言えば脱法行為みたいなもので、よく言えば恩典といいますか、そういうことであって、これはいわゆるこの場合のものと大差がない。もしなんだったら、特別嘱託制度でもやれるのだというのだったら、そういうことを団体交渉でやったいきさつがあるのでありますから、電話交換の場合でもやれることはやれると思うのでありますが、どうでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/105
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106・中山公平
○中山説明員 特別嘱託の制度につきまして先生からお話がございましたけれども、私どもは、この特別嘱託制度というものについては、その制度の趣旨が生きるように厳重な手続、また嘱託としてのお仕事のしかたについても厳重に取りきめをいたしておりまして、ただいま申されておるような趣旨では絶対に運用されておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/106
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107・安宅常彦
○安宅委員 それでは特別嘱託の任務、それから私どもは実際に嘱託はどういうことをしているかは調べてありますが、どういう取りきめがあり、どういうことをしなければならないのか、毎日出勤をして仕事をやらなければならないのか、そういう問題についてあなたのほうで資料を出してください。
それから勤続年数四十年だったら、四十年以上の人には、電話機か何かやっておるようですね。そういうこともありましたね。それはどうですか。電話加入権ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/107
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108・中山公平
○中山説明員 御質問の電話の点でございますが、ちょうど所管の局長が参っておりませんので、後日調べまして御答弁いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/108
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109・安宅常彦
○安宅委員 それは所管の課長がいなくたって、局長がいなくたって、中山さんは御存じでありますし、これは総裁だって知っているはずでありますから、たって御答弁を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/109
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110・秋草篤二
○秋草説明員 永年勤続者に対して電話の加入権を与えてやるということは十分存じております。そういう制度が行なわれておることは、もう先生も御存じのとおり、私たちも十分承知しております。ただきょう不的確な御答弁を申し上げてはいけないから、と申しますのは、おそらく管理職に限られると思いますけれども、勤続年数あるいは管理職だけに限られているか、一般従業員も含めているか、その辺を明確にするためにちょっと調べさせていただきたい、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/110
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111・安宅常彦
○安宅委員 わかりました。その電話の加入権というのは給与か何かということも私は聞きたいのでありますが、あなたのほうで特別にきょう正確なお答えが願えない立場にあるようでありますから、先ほどの嘱託の問題の条件、仕事の内容、どんなことをやっておるのか、そういうものと、ただいまの電話加入権の問題、こういうものを一応私は留保しておきたいと思います。留保を認めてもらえれば、これで終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/111
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112・加藤常太郎
○加藤委員長 この際先ほどの安宅君と椎熊君との発言の問題について、今後の議事の進行のために、委員長よりちょっとつけ加えて申し上げておきたいと思います。
先ほど法案の付託に関する議院運営委員会の取り扱いについて、安宅委員及び椎熊委員よりの御発言がありました。これに対して、私より「本委員会は議院運営委員会でありませんから」と発言いたしましたが、今後のこともありますので、私から議院運営委員会の取り扱いについて知り得ておりますことを申し上げますと、議院運営委員会は、法案の付託委員会につき、議長の諮問にこたえて、その付託委員会につき種々協議いたしておるわけでありまして、その際法案の内容の審査にわたるようなことは、従来もまた現在もやっていないと存じております。ただ付託委員会をきめます際に、その法案がどのような内容の法案であるかを知らなければ、付託委員会をきめるわけにはいきませんので、その必要性の限度において、その法案がどんな内容の法案であるかを調べることは、当然行なわれておると存じます。なお、安宅委員の御発言のような事柄についての論議は、議院運営委員会の理事会において、法案付託の委員会をきめる際に関連して発言があったやに聞いておりますことを、この際申し上げておきます。
本日はこの程度にとどめ、次会は明後二十日月曜日午後二時から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
正午散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02119640418/112
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