1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年四月二十四日(金曜日)
午前十時二十分開議
出席委員
委員長 加藤常太郎君
理事 秋田 大助君 理事 上林山榮吉君
理事 佐藤洋之助君 理事 志賀健次郎君
理事 森山 欽司君 理事 大柴 滋夫君
理事 栗原 俊夫君 理事 森本 靖君
小渕 恵三君 佐藤 孝行君
椎熊 三郎君 中村 寅太君
中山 榮一君 本名 武君
湊 徹郎君 山本 幸雄君
安宅 常彦君 大村 邦夫君
片島 港君 佐々木更三君
柳田 秀一君 受田 新吉君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 古池 信三君
出席政府委員
郵政政務次官 金丸 信君
郵政事務官
(人事局長) 増森 孝君
委員外の出席者
郵政事務官
(人事局審議
官) 土生 滋久君
日本電信電話公
社総裁 大橋 八郎君
日本電信電話公
社副総裁 米沢 滋君
日本電信電話公
社職員局長 中山 公平君
日本電信電話公
社運用局長 水谷 七代君
日本電信電話公
社計画局長 宮崎 政義君
専 門 員 水田 誠君
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四月二十一日
委員柳田秀一君辞任につき、その補欠として米
内山義一郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員米内山義一郎君辞任につき、その補欠とし
て柳田秀一君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十二日
委員中嶋英夫君辞任につき、その補欠として小
松幹君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員小松幹君辞任につき、その補欠として中嶋
英夫君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十四日
委員木部佳昭君及び中嶋英夫君辞任につき、そ
の補欠として湊徹郎君及び大村邦夫君が議長の
指名で委員に選任された。
同日
委員湊徹郎君及び大村邦夫君辞任につき、その
補欠として木部佳昭君及び中嶋英夫君が議長の
指名で委員に選任された。
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四月二十三日
有線放送電話関係法の改正等に関する請願外一
件(江崎真澄君紹介)(第三〇七五号)
同(丹羽兵助君紹介)(第三〇七六号)
同外一件(宇野宗佑君紹介)(第三一五〇号)
同(砂原格君紹介)(第三一五一号)
同(上村千一郎君紹介)(第二二八二号)
同(江崎真澄君紹介)(第三一八三号)
同(久野忠治君紹介)(第三一八四号)
同(早稻田柳右エ門君紹介)(第三一八五
号)
同(中垣國男君紹介)(第三二一五号)
同外三件(山田彌一君紹介)(第三二一六号)
同(宇野宗佑君紹介)(第三二四六号)
同外四件(大石八治君紹介)(第三二四七号)
同外四件(木部佳昭君紹介)(第三二四八号)
同(久野忠治君紹介)(第三二四九号)
同外十件(竹山祐太郎君紹介)(第三二五〇
号)
同外三件(中村幸八君紹介)(第三二五一号)
同(宇野宗佑君紹介)(第三二九二号)
同(卜部政巳君紹介)(第三二九三号)
同外三十九件(大橋武夫君紹介)(第三二九四
号)
同外一件(勝間田清一君紹介)(第三二九五
号)
同外二件(神田博君紹介)(第三二九六号)
同外四件(櫻内義雄君紹介)(第三二九七号)
同外三件(高見三郎君紹介)(第三二九八号)
同外十件(竹下登君紹介)(第三二九九号)
同(西村直己君紹介)(第三三〇〇号)
同外一件(細田吉藏君紹介)(第三三〇一号)
同外一件(江崎真澄君紹介)(第三三四二号)
同(今松治朗君外一名紹介)(第三三四三号)
同外一件(江崎真澄君紹介)(第三三六八号)
郵便局舎等の整備促進法制定に関する請願(卜
部政巳君紹介)(第三〇七七号)
同外四十九件(下平正一君紹介)(第三〇七八
号)
同(千葉七郎君紹介)(第三〇七九号)
同(卜部政巳君紹介)(第三一五二号)
同外一件(大出俊君紹介)(第三一五三号)
同(金丸徳重君紹介)(第三一五四号)
同外九十九件(下平正一君紹介)(第三一五五
号)
同外一件(千葉七郎君紹介)(第三一五六号)
同外七件(中村重光君紹介)(第三一五七号)
同(野口忠夫君紹介)(第三一五八号)
同外二十五件(芳賀貢君紹介)(第三一五九
号)
同外二件(森義視君紹介)(第三一六〇号)
同外一件(大出俊君紹介)(第三一九一号)
同(金丸徳重君紹介)(第三一九二号)
同外四十九件(下平正一君紹介)(第三一九三
号)
同(千葉七郎君紹介)(第三一九四号)
同外四件(永井勝次郎君紹介)(第三一九五
号)
同外一件(森義視君紹介)(第三一九六号)
同(卜部政巳君紹介)(第三二二五号)
同(金丸徳重君紹介)(第三二二六号)
同外三十八件(勝間田清一君紹介)(第三二二
七号)
同外百四十九件(下平正一君紹介)(第三二二
八号)
同外四件(永井勝次郎君紹介)(第三二二九
号)
同外二件(野口忠夫君紹介)(第三二三〇号)
同(卜部政巳君紹介)(第三三〇二号)
同外一件(大出俊君紹介)(第三三〇三号)
同(金丸徳重君紹介)(第三三〇四号)
同(千葉七郎君紹介)(第三三〇五号)
同外五件(中村重光君紹介)(第三三〇六号)
同外四件(永井勝次郎君紹介)(第三三〇七
号)
同外一件(大出俊君紹介)(第三三五四号)
同外八十九件(下平正一君紹介)(第三三五五
号)
同(千葉七郎君紹介)(第三三五六号)
同外四件(永井勝次郎君紹介)(第三三五七
号)
同外一件(森義視君紹介)(第三三五八号)
同(卜部政巳君紹介)(第三三八四号)
同(金丸徳重君紹介)(第三三八五号)
同外百件(下平正一君紹介)(第三三八六号)
同外一件(大出俊君紹介)(第三三八七号)
同(千葉七郎君紹介)(第三三八八号)
同外十三件(中村重光君紹介)(第三三八九
号)
同外一件(森義視君紹介)(第三三九〇号)
川内市、鹿児島市間電話の即時通話化に関する
請願(池田清志君紹介)(第三一〇〇号)
簡易保険積立金の運用による特定郵便局舎改善
に関する請願(池田清志君紹介)(第三一〇一
号)
戦傷病者の放送聴視料免除に関する請願(羽田
武嗣郎君紹介)(第三一七七号)
同(松野頼三君紹介)(第三一七八号)
同(松澤雄藏君紹介)(第三二八〇号)
同(赤澤正道君紹介)(第三三三〇号)
同(大坪保雄君紹介)(第三三三一号)
電話設備の拡充に係る電話交換方式の自動化の
実施に伴い退職する者に対する特別措置に関す
る法律案撤回に関する請願(東海林稔君紹介)
(第三三四四号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
電話設備の拡充に係る電話交換方式の自動化の
実施に伴い退職する者に対する特別措置に関す
る法律案(内閣提出第三七号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/0
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001・加藤常太郎
○加藤委員長 これより会議を開きます。
電話設備の拡充に係る電話交換方式の自動化の実施に伴い退職する者に対する特別措置に関する法律案を議題として審査を進めます。
質疑の通告がありますので、これを許します。大村邦夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/1
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002・大村邦夫
○大村委員 公社にお尋ねをしたいのですが、昭和三十九年の二月の二十二日、公共企業体等労働委員会に対しまして被申立人である電電公社が「求釈明申立書」いわゆる釈明を求める書でありますが、この中で組合は、公社が三十八年の二月の八日、それから五月の二十五日、同二十八日、六月の十三日、同十八日、九月の六日、同十日、あけて三十九年の一月の十七日、同二十三日、同二十四日、同二十八日、一月三十一日における団体交渉の申し入れを拒否したと言っておるが、その団体交渉の申し入れとは、それぞれいかなる事項について、いかなる具体的な要求を内容とするものか、申立人である組合の主張を明らかにするよう釈明を求めています。いわば公社が開き直って釈明を求めておるわけでありますが、その理由は一体何かということであります。どなたでもけっこうですからお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/2
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003・中山公平
○中山説明員 ただいま大村先生から御質問がございましたが、この不当労働行為救済申立書に、組合側から、公社において団体交渉拒否の事実があったという申し立てがあったわけでございますが、その場合に、組合が団体交渉の申し入れをしたと言うけれども、その団体交渉の申し入れの内容が具体的にどういうことを申し入れたかという点について、私どもとしましては、組合からお出しになった申立書の文面を見た限りでは必ずしも明確でない点がございましたので、その点をもう一度詳しく組合側から内容を明らかにしてほしい、こういうことを釈明を求めたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/3
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004・大村邦夫
○大村委員 そういう内容なら別ですが、私の把握をしておる限りでは、すなわち、この組合側の救済申立書に対する公社の答弁書あるいは準備書面、こういう一連の関係を見てみますと、いままでの委員会で随所に、総裁以下公社側から披瀝になりましたように、この種、いわゆる特別給付金のような法律を改正しなければ出せないようなものについて団体交渉を組合が申し入れておる。組合側は、公労法上からいって違法だと言うが、公社側から言わすと、逆に、違法ではない、むしろ組合の主張が不当である、こういう考え方に基づいての組合に対する質問ではないかと私は思うのです。たとえば公社の準備書面の十項の第一に、「職員の退職を理由として支給される給付については、退職手当法に定められているので、実質的に退職手当に該当するものは、その名目のいかんを問わず、法律によらないではこれを支払うことはできないものであり、かかる性格を有する本法案の内容である特別給付金は法律によって定めねばならないものであって、団体交渉によってとり決めることはできない。」こういうことや、さらに答弁書、これは三十九年二月二十二日ですか、この中でも「組合が団体交渉を求めたこと、公社が法案の内容討議には応じられない旨の態度を示したこと、公社側が法案の内容討議に応じなかった根拠として組合の指摘している点が公社の見解の骨子であることは、いずれもこれを認めるが、」云々とありますが、こういう関連から言うと、単に組合が主張しておるものがよくわからないからその釈明を求めるという内容にはとれないのですが、いま一度お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/4
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005・中山公平
○中山説明員 お答えを申し上げます。
組合のほうから団体交渉の申し入れをしたということを言っておられますが、その団体交渉の申し入れの際の具体的な要求内容というものが、この法案の内容というものだけに限られておるのか。それとももっと広い、退職にあたってのいろいろな措置というものを含んでおるのか、その点が私どもといたしましては、従来の組合からの申入書等によりますると、この法案に規定されておる内容自体が団体交渉で取りきめるべき事項であって、法律で規定するものではない。したがって、この法案は撤回するように、そうして団交で取りきめるように、こういう御主張のようであると私どもは思っておったわけですが、それ以外にも、組合側の申立書の中には、広い意味で退職についての特別措置というようなことばが使ってありましたので、もっと広いものを言っておられるのか、いわゆる申立書に言っておられることばについて、今後不当労働行為の審判の手続において、その点が論争になる点でもありますので、その点を明らかにしていただきたいということで、別にそれ以上の意味をもったわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/5
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006・大村邦夫
○大村委員 それではこの結果組合からどういう釈明が得られたかひとつお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/6
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007・中山公平
○中山説明員 いま資料を調べておりますから、ちょっとお待ちを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/7
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008・大村邦夫
○大村委員 本来ならその回答を待って質問するところですが、さらに質問を続けます。その点はあとで御回答も願います。
先ほど私が申し上げましたような、相当の日数にわたって公社が団体交渉に応じなかった、その理由は一体何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/8
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009・中山公平
○中山説明員 私どもは、組合からの本件に関する要求というものは、組合からの申入書あるいは要求書あるいは組合との間で何とかこの法案に対する理解を得たいという気持ちで法案の内容を説明し、あるいは要綱案を説明し、あるいは十回程度にわたっていろいろと論議もいたしました。その際の組合側の発言というようなものから目まして、この法案に規定されておる内容そのものが法律で定めるべきことではなくて、団体交渉で取りきめるべきことである、こういうふうな主張だったというふうに私どもは考えておりましたし、事実そういう論議がなされておったわけでありますので、それにつきましてはこの特別給付金も、公社職員が退職を理由として退職時に支給去れる給与であるという面から見て、実質的には退職金に該当するものであり、これは公労法八条からいえば賃金その他の給与に該当するもので、団体交渉の対象となり得る事項ではあるけれども、国家公務員等退職手当法によって、公社職員の退職時の退職を理由とする給与は支給されておるのであるから、実質的にこれに該当するものについては法律によらざれば支給することができない。したがって、たとえ団体交渉をいたしましても、その団体交渉の結果の労働協約は有効に実施することができない、こういう意味合いから団体交渉にはなじまない事項ではないかということで、組合側が団体交渉で取りきめるべきであるということに対しまして、私どもはそういう見解はとらないということであったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/9
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010・大村邦夫
○大村委員 いろいろいまの御回答の中で問題点がありますが、先ほどの問題に関連して申し上げます。まだ御返事がありませんが、私は、数回にわたって公社が団体交渉を拒否したのは、いまおっしゃるようなことがあるから応じなかったのじゃないか、したがって、この求釈明申立書の中でいかなる具体的な要求を内容とするものであるか、組合の言うことがよくわからないから釈明を求めたとこうおっしゃいましたけれども、語るに落ちて、結局いま言われるようなことがあるから応じなかったのじゃないですか。そう私は思うのです。どういう内容であるかわからないのに団体交渉を拒否するなんて、とんでもない話であります。その点をひとつ明らかにしてほしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/10
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011・中山公平
○中山説明員 この点は、先ほど御説明を申しましたように、組合と十回程度この点についての論議も重ねまして、あるいはいろいろ要求書、申入書、そういうものを組合から私どものほうに提示されてまいっておりますところから見て、私どもはこの法律の内容になっておる事項が団体交渉で取りきめるべき事項である、こういうことに尽きるということで、私どもはそれに応じてきたわけでございますが、不当労働行為事件といたしましては、事柄の性質上、審理の手続が一つの裁判に似たような厳格な手続で進められる関係上、申立書その他で組合側のほうで用いておられることばが、どういう意味のものかということを不当労働行為事件の審判経過そのものにおいて明らかにしておくことが、審判手続を進めていく上において必要である、こういうことから釈明を求めたわけでございまして、そのことと、この問題について組合と従来からいろいろ話し合いといいますか、説明といいますか、そういった接触の機会を持ってきた場合の事柄とは、分けて私どもは考えておったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/11
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012・大村邦夫
○大村委員 そうしますと、この数回にわたって組合の団体交渉の申し入れに応じなかったのは、組合の主張がもうその当時わかっておった。幾ら団体交渉をやっても平行線であるから、もうだめであるからそこで応じなかった。しかしながら、ここに書いてある事項は、これから裁判を進めていく上で組合のはっきりした言質をとっておかなければという観点から、これはそういう釈明を求めた、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/12
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013・中山公平
○中山説明員 お答えいたしますが、組合とこの問題についていろいろと接触をしてきた過程においては、先ほど申し上げましたようなことで私どもは応待をしてきたのでございますが、不当労働行為事件の審判手続上におきましては、双方が申立書あるいは陳述書に用いることばそのものが、審判手続を続行する上において明確になっておりませんと、論点の整理が十分行なえない、こういう関係から釈明を求めたわけでございまして、事実関係を明らかにするという以上に別に他意のあったことではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/13
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014・大村邦夫
○大村委員 つまり内容がわかっておって、団体交渉をやってみてもしようがないからやらなかった、このことはもうはっきりしますね。
それから御答弁の中で、特別給付金つまり国家公務員等退職手当法に準ずるようなものについては、法の改正がなければ実行ができない、したがって、その以前に団体交渉をやっても、それは実効を伴わないものであるという答弁が一つあります。それから、法律で規制されるものである、つまり法制定以外にはやれないものであるから、団体交渉はやるべきでない、この二つの御答弁があったようにとれるのです。一体どちらなのか。はっきりしていただきたいと思います。これはおたくの釈明書等、あるいはこの準備書面等でもいろいろ出ておりますが、私読んでみてもよくわからないのです。いままでの委員会の中でも、一体どちらなのか、区別をするのがおかしいのか、それともどちらかに寄っておられるのか、はっきりしないわけです。どうもいままでの御答弁では、やはりどちらかというと、法で規制されておるものであるから、団体交渉をやるべきでない、このことは過日の十八日の逓信委員会でも古池大臣がそういうことを言っておられます。きのうのとは若干違います。これは私ははっきり覚えておるんですが、こちらをとってみたり、あちらをとってみたり、よくわからないんですが、その点を明確にしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/14
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015・中山公平
○中山説明員 いまの御質問にお答えする前に、先ほど資料を調べておりました点、先にお答えをさしていただきます。
不当労働行為事件において、公社側から組合側に釈明を求めましたのに対する組合側の釈明でございますが、これは団体交渉申し入れの事項とはそれぞれ「主文冒頭記載の「公社が電話設備の拡充に係る電話交換方式の自動化の実施に伴ない、退職する者に対する特別措置を講ずるについて」である。「具体的要求」とはそれぞれ「前記事項について法案に名をかりて、団体交渉を拒否する公社の態度を更め、労使対等の自主的な団体交渉で解決すること」である。」同じく、「貴組合の申入れた団体交渉に誠意をもって応じ」とある「事項」および「具体的要求」とは、前項の「事項および要求」である。こういう釈明が組合側のほうからなされております。
第二点と申しますか、いまの先生の御質問に対する答弁でございますが、これにつきましては、公共企業体等の職員の退職を理由として支給される給与につきましては、国家公務員等退職手当法に定められている退職手当以外に、実質的に退職手当に該当するものは、その名目いかんを問わずこれを支払うことができないと解せられますので、したがいまして、かかる退職給与につきましては、労使間において労働協約を締結しても、それを有効に実施することができないと解されますので、そのような事項は公労法八条によりますと、賃金その他の給与ということに該当するので、団体交渉の対象となり得る事項ではございますが、団体交渉ということになじまない事項である、こういうふうに私ども理解いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/15
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016・大村邦夫
○大村委員 有効に実行ができないとか、なじまないとか、いろいろ御答弁がありましたが、そういう解釈は一方的な解釈であって、実際、法の国会の承認を得なければ、公労法の第十六条の一項、二項の関連によって——確かに悪法といえどもそういうものがあります。それはそのとおりです。しかし団体交渉をやってはならない、事前にやってもそれは益がないから、やってはならないという規定はないでしょう。それはどこから出たのですか。
それとあわせて、きのう連合審査の中で大橋労働大臣から、法の制定の前後においても団体交渉を規制するものではないと言い、私の前のほうの与党の側から、そんなことを大臣言った覚えはないと盛んにやじが飛んでいましたが、さらに大橋大臣から、そういうことが重ねて答弁の中で明らかになりました。さらに古池郵政大臣についても、あなたの考えはということを聞くと、大体同じだった。ただ違うのは、大橋は大橋でも公社の大橋総裁に聞くと、これは違う、こういうことであったと思う。そこで、大橋労働大臣が言われた、いま申しましたこととの関連についてどう思われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/16
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017・中山公平
○中山説明員 昨日の大橋労働大臣の御答弁、私も拝聴いたしておりましたが、大橋労働大臣も、これはやはり団体交渉事項であるということをおっしゃっておられたわけでございますが、その点、私どもといたしましては、これが公労法第八条の団体交渉の対象となる事項であるということについては、労働大臣と同じように認めておるわけでございますが、一方、先ほども申しましたように、国家公務員等退職手当法との関係におきまして、団体交渉によって労働協約を締結しても、これを有効に実施することができないと解せられますので、団体交渉をお断わりしても正当な理由がある、こういうふうな見解に立っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/17
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018・大村邦夫
○大村委員 有効な実行ができないから断わってもそれはいいのだ、どこにそんな法律があるのですか。それじゃお尋ねしますが、賃金は団体交渉事項でしょう。給与総額できめられていますね。今度の春闘でも、御承知のように、企業能力、自主能力の強化については、あるいは持たせることについては池田総理が何とかしなくちゃならぬと言っております。確かにないですよ。給与総額で縛られている。団体交渉で認められて、現実にあなたたちは団体交渉をやってきませんでしたか。これとの関係はどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/18
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019・中山公平
○中山説明員 御答弁を申し上げます。
いま先生から、予算上、資金上できないから団体交渉をしても無意味ではないか、それで団体交渉をしないのではないかという御趣旨であったと思いますが、そういう御質問がありましたが、私どもが本件に対して申し上げておりますのは、予算上、資金上というような問題以前の、いわゆる国家公務員等退職手当法によって、公社職員の退職を理由として支給される給付がきまっておるという法律的な点から団体交渉をお断わりしても、それは正当な理由がある、こういうことを申しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/19
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020・大村邦夫
○大村委員 何やらようわかりませんがね。あっちを言えばこっちを言われますが、賃金ですよ。賃金とどこが違うのですか。給与総額でちゃんと縛られているじゃないですか。賃金はどうなんです。労働条件の最重要部門である賃金でさえも、しかも給与総額で縛られて、法の改正がなければ、給与総額の改定がなければやれないものがちゃんと団体交渉で認められておって、これは労働組合との間に労働協約を締結しても有効な実践を伴わないから団体交渉に応じられませんよということで、あなたたちはねていないでしょう、いまやっておるでしょう。その関係はどうかと言うのです。その他の給与のほうは、お説のようにどっちかと言えばまだ軽いほうです、賃金でさえそうなんですから。しかも賃金は御承知のように国会の議決を得なければならないでしょう。その以前に団体交渉がやられておる。そのこととの関連です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/20
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021・中山公平
○中山説明員 先生御指摘のように、いわゆる基本給その他の給与につきましては団体交渉をやっております。いろいろ予算上、資金上という問題もありますが、団体交渉をしてまいっております。しかし本件の退職を理由とする、実質的には退職手当に相当する特別給付金の問題につきましては、御指摘のように公労法八条所定の団体交渉の対象となる事項ではございますが、この特別給付金のごとき給与は国家公務員等退職手当法というものが存在いたしておりまして、これを越えるようなものにつきましては、法律によらなければ支出ができないという点から、たとえ労働協約を締結してもこれを有効に実施することができない、こういう関係から団体交渉をお断わりしてもしかるべき理由があるというふうに私どもは理解をいたしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/21
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022・大村邦夫
○大村委員 それじゃ賃金は団体交渉できめて、そのきめたことが法の改正がなくとも、給与総額の改定がなくともやれるということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/22
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023・中山公平
○中山説明員 いわゆる基本給というような、一般的にいわゆるベースアップ等の問題につきましては、他に法律もございませんので、これは公労法をそのまま労使の間の団体交渉事項として団体交渉をいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/23
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024・大村邦夫
○大村委員 団体交渉をやるというのは、ただ単に口の先でやりとりするだけじゃないでしょう。公労法第一条、きのう山田耻目君がいろいろ説明したとおりです。経済上の紛争をお互いに解決をしたい、ただ話に乗っておれば、時間をかせぎさえすればそれでいいというものじゃないと私は理解しますが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/24
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025・中山公平
○中山説明員 先生の御質問の趣旨を私あるいは取り違えておるかもしれませんが、一般の賃金の問題についてのことではなくて、特別給付金の問題であろうかと思うのでございますが、その点ちょっと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/25
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026・大村邦夫
○大村委員 要するに言わんとすることは、労働条件の最重要部門である賃金、しかも公労法第八条第一号で、その劈頭において団体交渉の対象事項として認められておる賃金、この賃金があなたは法律がないと言われますが、三十何年度国家予算がちゃんとあるじゃないですか。これは一つの法律でしょう。そういうものが認められて、そのワク内で支出をされておることは事実であります。ところが、言いかえると、改定がなければやれないそういうものが、現実の中では団体交渉を進めておるじゃないですか。一方、特別給付金、つまり国家公務員等退職手当法に準拠するようなこの種のものについては、別に法律があるから、法律を改定しない限りは出せない、したがって、団体交渉には応じられない、こうおっしゃいますが、その食い違いはないじゃないですか。なぜ一方では団体交渉に現実に応じ、池田総理をして、先ほど言うように、自主企業能力あるいは企業の自主性を何とかこの際認めないと、公労法第一条云々とは言われませんが、労使紛争というものは解決しない、こういうことを認められたでしょう。そういう経緯を踏んまえていくならば、片方は法律できまっておるから、片方は法律できまっていないから——三十八年度、三十九年度国家予算というちゃんとした法律があるじゃないですか。その中で認められるのですか。それが認められなければやれないはずです。やっておるじゃないですか。その点を言うのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/26
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027・中山公平
○中山説明員 お答えいたします。
基本給等一般の給与につきましては、先生御指摘のように予算上の問題はありますが、ただし国家公務員と異なりまして、給与の額等を定めておる法律は公企体あるいは五現業についてはないのでございまして、その点におきまして、本件の特別給付金のごとき実質的に退職手当に該当するというようなものは、国家公務員等退職手当法に支給の条件あるいは額というものが明定されておる、そういうものとは異なるものだというふうに理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/27
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028・大村邦夫
○大村委員 だから明確にしたいのは、予算上、資金上の問題が伴うから、やってみても有効な実践が伴わないとあなたはたしか言っておるのですよ。その点を追及すると、今度は法律の問題で、法がこういうふうにきまっておるからこう改正しなければならぬ、私の言わんとするところはこれだ、そういうように答弁がくるくる変わっておるでしょう。だから私は初めにどっちなのかということをあなたにお尋ねした、その点が明確でなかったでしょう。繰り返して言いますが、あなたは有効な実践ということを再々繰り返したのではないですか。それは予算上、資金上の問題でしょう。違うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/28
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029・中山公平
○中山説明員 私の申し上げ方が悪かったかもしれませんが、私としましては、この点は協約を結んでも有効に実施することができないと申しましたのは、予算上、資金上の点からだとは申し上げておりません。法律との関係からかかることに相なるというふうに申し上げております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/29
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030・大村邦夫
○大村委員 重ねてお尋ねします。公労法第十六条、これも法律ですね、この関係はどうです。八条でなくて、今度十六条、特に二項との関係はどうですか。団体交渉をやって、労働協約を締結してはならないということがどこに書いてありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/30
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031・中山公平
○中山説明員 公労法の関係から申しますと、先ほどからも申し上げておりますように、本件のごとき場合も、第八条第一号の「賃金その他の給与」というものに該当するものとわれわれも解しておりますので、これは団体交渉の対象となる事項でありますから、この関連から申しますと、先生の御指摘のように十六条というところへつながってまいるわけでございますけれども、私の申し上げておりますのは、この関連で団体交渉をして、労働協約を締結いたしましても、国家公務員等退職手当法との関係からこれを有効に実施することができないので、団体交渉をお断わりしてもそれはしかるべき理由のあることであるというふうに、私どもは理解しておるということを申し上げておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/31
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032・大村邦夫
○大村委員 きょうは食い下がってやりますからね。与党の皆さんは、同じことを繰り返すのはいやでしょうけれども、しかし、国会の場ですから、ただ一ぺん言ったらもう重ねて言っては悪いということでもないだろうし、納得ができなければ、あるいは法の解釈が間違っておれば正していくのが私どもの任務と思いますので、私はあえて言います。
で、この十六条も、再三言うようですが、もうおわかりになっておるでしょう。第一項は予算上、資金上の問題で、「不可能な資金の支出を内容とするいかなる協定も、政府を拘束するものではない。」これはまあそのとおりです。しかし、この中ですら協約を結んではならないということはないじゃないですか。さらに二項の中で「前項の協定をしたときは、政府は、その締結後十日以内に、事由を附しこれを国会に付議して、」こういうことになるでしょう。これを見ても協約を結んじゃならないということはないでしょう。きのうも山田さんあるいは小林さんが言われましたように、別に法律をどんどんつくれば、もうそれは規制外だ。公労法は退職手当法あるいはそれに準ずる法律ができたら占拠をされる。これは行政解釈でしょう。あるいはあなたの解釈でしょう。この中で法をたてにとって、法律でいえばこれはこれで言えるでしょう。絶対にそのほうが優先するということですよ。占拠するというのは、あれは労働基準局の行政解釈でしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/32
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033・中山公平
○中山説明員 大村先生御指摘のごとく、公労法の第八条と第十六条との関連におきましては、団体交渉をして、公労法に関する限り協定を結ぶということができないことではないのでございますが、先ほどからも御答弁をいたしておりますように、本件の給付金に関しましては、そういう手続で労働協約を締結いたしましても、国家公務員等退職手当法というものが存在しております関係上、これとの関係から、それが有効に実施することができない、そういう意味から団体交渉をお断わりしてもしかるべき理由がある、こういうふうに私どもは理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/33
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034・大村邦夫
○大村委員 あなたが有効に実施ということばを再々使うから、あなたの言うことが誤解を招くんですね。やれないということでしょう。それならあなたの言っておる有効に実施じゃないでしょう。別に法律があるから、その法律を変えない限りはやれない。より有効にという有効じゃないでしょう。
それじゃ聞きますが、昭和二十八年三月十日国鉄労使間の労働協約の解釈に関する紛争に対する仲裁裁定が出ていますね。あなたのほうは準備書面かなにかの中でいろいろその申し開きをしておられますが、これによりますと、時限法だから「公労法上の団体交渉事項としていながら、退職手当については、法律によって律しられているので、法律によるものであるが、限時法(一年間)であるということから、二十八年以降についてのみ団体交渉を行えと、裁定したものである。すなわち、法律失効後、空白状態が生ずるとの前提にたったものであり、」云々こうありますね。公社法が制定され、移行したのが、たしか二十七年八月でしたか、それからこの法律は国家公務員暫定措置法とか、あるいは国家公務員等退職手当法とか、いろいろ変わっていますが、これはたしか昭和二十八年の八月八日、法律第百八十二号、さらに三十年改正、三十一年、三十二年と逐次改正をされております。この仲裁裁定の中で空白になるからとあなたのほうは言っておられますが、この裁定をあなたのほうは十分読まれた上のことでしょうね。説明しますと、これは理由書ですね。「国鉄職員の退職金は、公労法第八条第二項に規定する団体交渉の対象に該当することは、疑の余地のないところであり、本来団体交渉を行うことはもとより、労働協約を締結することを妨げないものであることは、同法の明示するところである。」これはあなたのほうは団体交渉の対象事項だ、こう一応認めておられます。それで「現行のように、国鉄職員の退職金を別途の法律によって律することは、公労法の趣旨にそぐわないのみならず、その運用に重大な障害となるものと認められるが、これをもって法律上両当事者間の団体交渉を禁止したものとは解し難く、適当な方法による労働協約の締結の余地も残されているものと考えられる。」時限立法とかなんとか、そんなことを前提にするとか一なるほどこれは「二十八年以降の退職金について、」云々ということがありますが、これはそれ以前については両者が調停案でお互いに妥結をしておるのですから、それから以降ということになるのでありましょう。しかし、いずれにしましても国鉄職員、つまり公企体の職員の退職金を別途の法律によって律することは、これは公労法の趣旨に沿わない、その運用に重大な支障があると認められるからですね。団体交渉で協約を結んでもよろしい、締結の余地は残されておる、明らかにこういうことを指摘されておるじゃありませんか。これは何ですか。公社のおっしゃるように、時限だから、そういう意味で、それに限って団体交渉をやり、あるいは協約を結んでいい、こういう意味じゃないでしょう。私はこれを読んでみて、そんなものじゃないと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/34
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035・中山公平
○中山説明員 ただいま先生の御指摘のございました昭和二十八年の国鉄関係の公共企業体等仲裁委員会の仲裁裁定の問題でございますが、理由書として先生がお示しになったことは、私どもも承知をしておりますが、これはこの裁定のなされた当時におきましては、職員に対する退職手当については、国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関する法律が限時法としておおむね一年の期間を限って適用されておりました時代のことでございまして、この仲裁裁定もそのような事態をとらえまして、この臨時措置法が有効に適用されている昭和二十七年度分、それまでを除きまして、その法律が失効する昭和二十八年度以降の退職金について直ちに団体交渉を開始するようにということを命じておるものでございまして、その点は先生のお示しになりました仲裁裁定の第三項、いわゆる一番最後の締めくくりとしての第三項に明確に示されておるわけでございます。ところが、現在におきましては、職員の退職手当につきましては、国家公務員等退職手当法が恒久的な法律として存在をいたしておりますから、その法律と異なる内容の労働協約を締結いたしましても、それは法律的に有効に実施することができない、こういうふうに理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/35
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036・大村邦夫
○大村委員 法の解釈にはいろいろあるといいますけれども、書いてあること自体には私はあまり疑義がないと思うのです。現行のように、国鉄職員の退職金を別途の法律によって律するのは公労法の趣旨にそぐわないというのが一つありますね。したがってその適用に重大なる支障になると認められる。これをもって法律上当事者間の団体交渉を禁止したものとは解しがたい。一方で退職金を法律によってきめる。そのことは、「これをもって法律上両当事者間の団体交渉を禁止したものとは解し難く、」この項は、もう第三項に関係があろうがなかろうが、これだけ生きるのじゃないですか。なぜ生きないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/36
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037・中山公平
○中山説明員 私は、この仲裁裁定というものは、先ほど申し上げましたように、退職手当に関する法律が一年の時限法であった時代に、具体的に国鉄当局と組合との間に問題が起こりまして、そのことからこの仲裁裁定がその時点として裁定をお下しになっておられますので、その当時の法律の制度というものが限時法であったというような点をとらえて総合的に命令をお下しになっておるものだと理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/37
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038・大村邦夫
○大村委員 時限法であろうがどうであろうが、第二項は、あなたがどうおっしゃっても退職金を法律できめる、しかしそのこと自体は妥当でないが、かりにそれがあるにしても、法律上両当事者間の団体交渉を禁止したものとは認められがたく、こういうようにはっきりしておるのですから、幾らあなたがおっしゃってもそのことば通らぬと思うのですよ。じゃ聞きますが、きのうも問題になっておりました、昭和三十四年十二月十五日のこの種の問題に対する公共企業体等労働委員会から電電公社に出された命令書の中で、あなたたちは被申立人としてどういう点を申し立てましたか。「退職手当制度については暫定措置法によって支給条件、支給金額等が定められているので特別措置についても団体交渉の余地はない。」これは時限立法と関係ないでしょう。そこで負けておるじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/38
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039・中山公平
○中山説明員 本件は、公社におきまして特別の退職措置をその当時実施する際に、その当時は暫定措置法でございましたが、国家公務員等退職手当の暫定措置法の五条の適用をするということにつきまして問題が起こったわけでございますが、これは暫定措置法に額だとかそういうものが明確に規定されており、何らの変更を許されないというような規定があるものについては団体交渉を拒否するにつき正当な理由があるものと解せられるけれども、規定についての適用においてある程度の幅あるいは具体化が認められていると解される趣旨の規定のある事項については、その事項は団体交渉に応じなければならないという意味で、第五条の適用については、公社職員の場合におきましては、業務量の減少その他経営上やむを得ざる場合、そういうときに第五条の適用があるわけでございます。そのいわゆる業務量の減少その他経営上やむを得ざる事由ということにつきましては、電電公社総裁にその運用についてある幅が認められておるので、そのことについては団体交渉を拒否した電電公社は不当である、こういう構成になっておるわけでございまして、私どもは本件についての見解はそのように理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/39
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040・大村邦夫
○大村委員 だんだん答弁がうまくなったというか、ごまかしがじょうずになられましたが、申立人は「退職手当制度は労働条件の重要な一部であるから当然団体交渉事項である。」これがまず理由の一つです。その他いろいろありますが、大きい問題だけを言います。被申立人公社のほうは「退職手当制度については暫定措置法によって支給条件、支給金額等が定められているので特別措置についても団体交渉の余地はない。」ここはあなたたちの言われるものとちょうど同じでしょう。法律でもうきまっておる、その法に準拠してやるのだから団体交渉の余地はないじゃないか、こう言ったのでしょう。あなたの答弁は、公共企業体等労働委員会が判断をした。その判断の中がチャンポンになっていますよ。あとから理由をつけています。「まず退職手当制度については暫定措置法によって支給条件、支給金額等が定められているから団体交渉の余地はないとの被申立人の主張は失当である。」と明らかにやっているじゃありませんか。そのあと注をつけておることは、あなたたち言っていますよ。「即ち、特別措置に関する事項のうち暫定措置法上明定され何らの変更もゆるされないと解される趣旨の規定があるもの(例えば退職手当の額等)については、団体交渉を拒否するにつき正当な理由があると解されるが、同法において何ら規定のない事項、又は規定されていてもその適用についてある程度の幅又は具体化が認められていると解される趣旨の規定のある事項等については、その事項の性質により団体交渉に応じなければならない場合があると解される。」そうでしょう。これは向こうが言ったことですよ、公共企業体等労働委員会。そのことを準用して、間違いだ、失当だとこう言われれば、いや額の上についてはそのことを私たちが否定したのだ、そんな言い分ないですよ、もう一回言ってください。絶対ないですよ、これだけは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/40
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041・中山公平
○中山説明員 私が申し上げておりますのは、この事件の当時、公社が何を主張したかということについては、先生の御指摘を認めた上で、この不当労働行為審判の結果というものがいかなる意味を持っておるかという点について私どもの理解を、この判定のお示しになっておられるところに従って申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/41
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042・大村邦夫
○大村委員 わからぬですね、ぼくは。わからぬということは適当なことを言いおるということですよ、それほど私は頭悪くありませんから。要するにこの命令書をこういうふうに理解したということをおっしゃっていますが、この当時あなたたちの言った、三十四年に希望退職を募った。その退職に応ずる者には、きのうも問題になりましたが、当時の国家公務員等退職手当暫定措置法の適用をする、こういうことで公募したわけですね。いわゆる強制にわたらない希望退職、今度もそうですね、そうおっしゃっています。この点は同じですよ。それから国家公務員等退職手当暫定措置法にきまっておるから、したがって団体交渉をやる余地はない。それから今度は、国家公務員等退職手当法でもうすでに公共企業体等の職員の賃金はきまっておる。したがって、それを今度もう少し特例的に多くやろうとするときには法の改正をすればよろしいのであって、団体交渉の余地がない、こういうことですね。屋上屋を重ねる、つまりいままでより多くやるという点については確かに違います。違いますが、その他については同じじゃないですか。変わっていないじゃないですか。団体交渉をやる余地はあるではありませんか。あなたたちは、先ほど私が、相当数にわたって団体交渉を拒否しておるが、それは一体どういう理由かと言うたら、いや、それは法の改正を待つ以外に、それば有効な実践が伴わないから、団体交渉をやる余地がないのだ、やってもだめだ、こうおっしゃいました。ちょうど同じじゃないですか。これと、団体交渉の余地はない、こう主張されるこの前の三十四年のことと同じ理屈じゃないですか。どこが違うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/42
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043・中山公平
○中山説明員 ただいま先生から御指摘がございましたその点についてでございますが、私どもが三十四年の当時主張いたしましたことは、現在の法律できまっておる範囲内の事柄について、法律でもうきまっておるのだから団体交渉の余地はないのじゃないかということを主張いたしたわけでございますが、この点は御指摘のように、公労委といたしましては、それはそうでないであろう、団体交渉を拒否するにつき正当な理由がある部分もあるけれども、しかし本件の場合は、具体的な運用について公社総裁に幅をまかされておるものであるから、その部分については団体交渉の余地があるのではないか、そういう点から公社の主張は認めがたい、こういう判定になっておるわけでございます。今度のこの特別給付金について私どもは申し上げておりますことは、それとは時点が違った事柄でございまして、先ほどから申しておりますように、公社職員の退職を理由とする給付については、その名目のいかんを問わず、それが実質的に退職手当に該当するものである場合は、公労法八条においては団体交渉の対象となる事項であるけれども、国家公務員等退職手当法が存在する以上、法律によらざれば支給することができないので、団体交渉を法律が禁止しておるというわけではないのであるけれども、団体交渉によって労働協約を締結しても法律上有効に実施することができないので、団体交渉をお断わりするのにしかるべき理由がある、こういうことを申し上げておりますので、三十四年当時の公社の主張の当否はともかくといたしまして、それと今回の主張とは面が違っておる、こういう点を御理解いただければ幸いかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/43
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044・大村邦夫
○大村委員 お尋ねします。三十四年当時は、国家公務員等退職暫定措置法ですかによって、金額も支給条件もきまっていました。そのきまっておるから、あなたたちは団体交渉の余地はないんじゃないか、こう言ったのですね、そうですね。ところが、御承知のように、いや団体交渉を適当な方法でやる余地は残されておる、それは金額とかいわゆる法文上変更の許されない部分を除いては、団体交渉をやる余地が残っておるのだ、こう言っていますね。今度の場合あなたは時点が違う、年数が違うでしょうが、今度の場合はまだこの法律は成立していませんね、現行はありますよ。法律がまだきまっていないのですから、この法律を実施しようとすれば、なるほど法の改正が要るでしょう、これは認めます。あなたたちはどういうふうに理解しておるか知らぬが、団体交渉に応じろ、協約を結べ、この協約を結んだことは、なるほど公労法上いろいろ問題はある。あるが、それはそれとして実現に努力せよ、こういう前提が入っておると思うのです。法をまっこうから否定はしていない。ただ団体交渉の過程において——団体交渉という団体交渉らしいものはありませんけれども、説明の過程で、幾らかは公社自体で協約を結んだら、それが実施できるように直ちに実施しろ、こういうことはことばの片りんに少し出ているように思います。これは労働組合として、賃金問題でもそうですが、憲法に違反するとか何とかいろいろな例をあげてあります。これは当然の措置と思います。話がねじれましたが、今度の場合は法律があり、さらにその法律を改正して特例的なものを設けよう——これはまだできていません、できていないんですから、これについてどうこうするという余地はまだたくさんあるじゃないですか。ましてや、これが通過をしたという前提に立っても、たとえば改式等に伴って発生する過員あるいは特別給付金を支給することの是非、こういう場合に、やるのが一体いいのか悪いのか、あるいはその支給範囲、支給方法については、幾らでも団体交渉をやる余地はあると思うのです。きまっておっても、あなたたちは、きまっておるからだめだとおっしゃる。今度のはまだきまっていない。きまっていないものについてそういう金を出すのがいいのか悪いのか。まず組合と団体交渉をすればいいじゃないですか。あなたたちは、一方的にこれはやるべきだ、やらなければならないと言う。私は与党の諸君に別にけんかを売るわけじゃありませんが、もらうことを望んでいる組合員があるとか、いろいろのことがありました。それは確かに何ぽかあるでしょう。しかし、労働組合を運営するにあたって、あるいは結成するにあたって、いわゆる法的な基準法なり、公労法なり、労組法なり、ちゃんと団体交渉権、あるいは交渉をする職員の代表、これは全職員を規制するということが認められておるんですから、そういう組合を相手にして、いま言う諸点について団体交渉で結ぶというのは、まだ法律ではできていないんですよ。法律上無理やりにそれをつくらぬでも、できる前にそれをつくっていいかどうかの団体交渉をやってもいいじゃないですか。絶対にやらなければならぬという理由はないじゃないですか。それはあなたたちの都合でしょう。労働組合の都合も考えてやらなければならないじゃないですか。いまから法律をつくるのがいいかどうか、一時に過員が多大に発生する、その者について退職金を多くやるのがいいのか悪いのか、団体交渉でやれる余地はあるじゃないですか。どこが違うんですか。むしろこのほうが僕は見やすいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/44
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045・中山公平
○中山説明員 ただいま先生の御指摘は、この特別給付金のようなものは、別にいまの退職手当法にもきまっておらないものであるから、そういうものについて新しくこの支出が可能なように法律をつくり、制定する際においても、団体交渉をしていいのじゃないか、こういう御質問だったと理解いたしますが、私どもは先ほどから申しましたようなこの給付金の性格から申しまして、支出をする場合には、国家公務員等退職手当法との関係から、法律によらなければならない、こういうふうに理解をいたしております。一方、公労法におきましては、第八条の「賃金その他の給与」ということに該当するので、団体交渉の対象となる事項であるということについても、私どもそのとおりだと理解をいたしております。そこで、この関係から団体交渉を禁ぜられておるというふうに私どもは理解をしているわけではないのでありますけれども、本件について団体交渉をしても、この結果労働協約が締結されても、法律上有効に実施することができない、やはり法律によらざる以上はかかる特別給付金の支給はできない、そういう理解のもとに、いま言いましたような意味で団体交渉をお断わりしても、それには相当の理由がある、こう理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/45
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046・大村邦夫
○大村委員 再々言いますように、憲法から見ると公労法というものは——それを受けて立ったこの立法はかなり問題があるわけです。私どもの言うことが理論的には正しくても、法律上はそれはまかり通らぬですよ。これは百も承知です。だから今度の特別給付金も法の改正がなければ有効に実施ができないという、法の改正ができなければという点は否定しているのではないのですよ。否定はしていません。この点はよく頭に入れておかないと食い違う。歯車が合わぬ。私の言いますのば、何べんも言いますように、三十四年当時は国家公務員等退職手当暫定措置法というものが厳然としてあって、あるからあなたのほうは、この内容にきまっているものについてはもう団体交渉の余地は全然ないと言う。ところがあったのです。今度のものは、特別給付金という法律はないのですよ。まだいまから生まれかかっているのですよ。もとになるのは、国家公務員等暫定が国家公務員等退職手当法に変わった、このもとがあるだけです。きまっておる中でも、まだ団体交渉をやる余地があるというのに、これをさらにあなたたちから言えば、屋上屋を重ねるような法律をつくろうとしている。これはまだできていないのですから、まだ余地はあるのじゃないですか。余地はたくさんありますよ。まず第一に、先ほどから言いましたように、一時に多くの過員が発生して、それに対して退職手当をやるのがいいのか悪いのか。組合に言わしたらそれはいいと言うでしょう。あなたたちはそうでないと言うでしょう。これは経済的な紛争を解決するためにまずどうしてもやらなければならない第一ではありませんか。そういう団体交渉をまずやらなければならぬ。あるいは支給の範囲、方法、そういうものについても、これが生まれる前に団体交渉の余地はたくさんあるはずです。そうでしょう。このことをなぜやらないかというのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/46
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047・中山公平
○中山説明員 いわゆる三十四年当時の問題と現在の問題と、二つ御指摘になられて、その関係について先生の御質問があったわけでございますが、三十四年のいわゆる不当労働行為の判定にかかる事件の場合は、国家公務員等退職手当の暫定措置法に事柄がはっきりときまっておるものの中での運用について団体交渉の余地がある、こういう御判定であったわけでございます。今回の場合は、そういう三十四年の場合と異なりまして、今の退職手当法にきめられておる以上のものをここに創設しようというわけでございますので、これにつきましては法律によらざるを得ない。そこで団体交渉という点が公労法八条との関係において、先ほども申しましたように起こってまいるわけでございますけれども、本来いま特別給付金の規定が、現在の国家公務員等退職手当法で規定されておらなくても、現在の国家公務員等退職手当法から見て、そのようなものは法律によらざれば支出ができないということがあるわけでございますから、団体交渉をいたしましても、その結果労働協約が成立いたしましても、それは有効に実施することができない、こういうことから私どもは、団体交渉を何か禁ぜられておるという意味ではないのでありますけれども、お断わりをしてもしかるべき理由がある、こういうふうに理解しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/47
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048・大村邦夫
○大村委員 何かテープレコーダーをかけていればいいような気がしますけれども、法律によらなければならないというのは、私ども大いに不服のあるところだけれども、現行では認めますとさっきから言っております。あなたはさっきから何べんも繰り返しているけれども、それは認めます。しかし労働組合のほうは、これをつくってくれと言っているのじゃないでしょう。あなたたちはつくりたいのでしょう。つくりたいですね。そこにつくる、つくらぬで団体交渉の余地があったのじゃないですか。組合のほうは、どうぞつくってください、あなたのほうもつくりたい、それは法の改正は必要ない、おまえのところとおれのところできめさえずればいい、それを実施せぬということはけしからぬ、これじゃないのです。法の改正は、悪法でもやはり現存する限りにおいて、特別給付金を出す限りにおいては、法の改正をやらなければならない、これは認めます。しかし、そういうものをつくることがいいか悪いかについては、これは団体交渉の余地があるでしょう。出発においてやられていないのじゃないですか。いや一時に多大の過員が発生するからやったほうがいいと思う。そこであなたのほうで腹案をつくって郵政当局から、政府から提案をさせる、こういう手続をとったのでしょう。その前にやらなければならぬことがあったのじゃないですか。これをなぜやらないかということです。三十四年の仲裁裁定の中でも、これは若干牽強付会になるかもしれませんが、「同法において何ら規定のない事項、又は規定されていてもその適用についてある程度の幅又は具体化が認められている」云々、こうありますね。きめられていないのじゃないですか。同法で退職金の問題は、これこれの範囲内まではさまっておるけれども、今度のような特例はきまっていないのです。きまっていない場合に、こういうものをやるのがいいのか悪いのか、それについて団体交渉をする余地があるのじゃないですか。古池大臣、すみませんが、あなた答弁してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/48
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049・古池信三
○古池国務大臣 私は、先ほど来電電公社当局との問答の点はここでお聞きしておりましたが、これから私お答えしょうといたしまするのは、その過去の問題でなく、現実のただいまこの法案を提案しておりますことに関連いたしまして端的にお答えを申し上げたいと存じます。
公労法第八条にありますように、「賃金その他の給与」につきましては、「団体交渉の対象とし、これに関し労働協約を締結することができる。」と規定されております。その場合の「賃金その他の給与」という一つのグループは、金銭的な給付という意味であろうと思います。今回問題になっておりますこの法律に基づく特別給付金なるものも、やはり同様に金銭的給付でございます。したがって、これについては別途に国家公務員等退職手当法がありますので、その法律の特例として考うべき性質のものであるから、やはり法律に基づかなければかような特別給付金は支給できない、まあそれまでの点はあなたも御了承をいただいたことと存じます。
そこで、しからばこのような法律案を国会に提案するについては、必ず団体交渉を経なければならないか、ことばをかえて申せば、団体交渉は、政府の法律案の提出権を拘束するものであるかどうかといいますれば、そうはならない。政府は独自の見解を持って国会に法律案を提出して御審議を願うことはできるものであると私は考えます。また、反面においては、法律の提案をいたすことが、逆に団体交渉を排除するものかという問題については、必ずしも排除するものではない、こう私は考えます。ただし、その場合に団体交渉をいたしまして、ある労働協約というものが締結をされたといたしましても、その結果は何らその法律の提案権を拘束するものでもありませんから、非常に意味の少ないものになると考えます。そこで、政府側としては、この法律を提案するに先立ちまして、参考として組合側の意向も聞き、また法案の内容について十分組合側に説明をして理解を得るような方法をとることが適当である、こう考えて、私どもはさようにいたしておりますし、公社側にもさような希望を私は申しております。
なお、申すまでもないことでありますけれども、公社の労使間の問題は、これは公社として独自の立場でおやりになるわけでございますから、政府がその労使間の問題に干渉するということはいけないことである、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/49
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050・大村邦夫
○大村委員 古池大臣も、きのう大橋労働大臣が言われたこととだいぶ似てきましたね。つまり、大橋労働大臣はいまあなたがおっしゃったように、労働協約は法律の提出権を拘束するものでもない、あるいはそのあとでなければならないとか、前でなければならないとか、並行してやってはならないとか、そういうものでない、そのとおりをおっしゃったと思うのです。しかし大臣、きのう小林さんがいろいろ意見を申し述べていましたね。近代国家としての労使関係のあり方、民主的国家としての労使関係の確立についていろいろ申し上げましたね。公労法の一条にもありますね。これは私が申し上げるまでもないと思うのですが、ちゃんと経済的な紛争を未然に防止しなければならない。関係者、これは組合もあるいは政府も公社も——公労法の関係でいえば公社でしょうが、それは言うもがな。公社あるいは公共企業体あるいは政府機関が、国民の福祉あるいは国の経済に重大な影響を持っておるから、したがってと、こういうことから始まっておると思います。ですから、こういうことがないのだから、これをやってもいいというよりも、もっと妥当な紛争の起きない方法でやるのが私はいいと思うのですよ。それならこういう法律をつくる前に——なるほど政府が出したのですけれども、実際は公社はその成立を望むなんと言っていますが、公社がつくったのです。それは政府の要請を受けてつくったといえばそれまでですけれども、これからの合理化の進展に伴って、これじゃたいへんだと考えたから、公社が政府に要請をし、自分のところで腹案をつくって具申したと思うのです。政府に要請する前に、なぜ組合と公社が団体交渉をやって、これから合理化がだんだん進展していく一これからは公社の言い分ですよ、われわれがいかに要員措置を、家庭の事情、本人の能力、いろいろな点を十分勘案して配慮しようとしても、それでもなお措置不可能人員が出てくるから、ここでこういう制度をつくりたいという点を、組合と話し合いができないのでしょうか。それはやってみてあるいは成立しない場合があるかもしれません。しかし三十八年五月二十四日たしか閣議決定になったと思うのです。明けて二十五日、閣議決定になったから、組合はこういう内容でひとつ理解してほしい、さらに六月十三日同じようなことが言われております。組合は三十八年二月の八日ですか、二十八日ですか、よく覚えませんけれども、こういう法案ができることをいち早く察知をして、退職する者についてこの種のものを給付するのがいいのか悪いのか等々を含めてひとつ団体交渉をしようじゃないか、あるいはこういう法案を出すことをやめてくれぬかという申し入れをしましたが、はねておりましたね。法律できめてあるのだから、労働協約よりあとに法律を出さなければならないという規則もないのだから、やってもいいじゃないか。これは全く挑戦的であるし、小林委員が言われるように、近代国家の労使慣行として私は妥当でないと思うのです。労働協約を先に結んで、そして法律をつくる、これは当然のことでありまして、それをなぜやらないか。法律でそういうことをきめてないからいいじゃないかという言い方は、私は行き過ぎだと思うのです。これは第一条の目的を達成することにならないのじゃないですか。どうしてもそれがやれないのでしょうか。
なおかつ言いますが、組合のほうは——労働者の中では希望退職によってやめる者は金がいいと言うでしょう。しかし必ずしもそれを望んでいない者もたくさんおるはずです。なぜ金をたくさんもらうのに反対するか。どんどんやめられて、定員が減っていく、残った者はたまらぬじゃないですか。もっと話しますと、電話でいいますと電話管理服務要綱というのですかがたしかいまもあると思うのです。私どもは職場の労働条件の維持向上改善から公社といろいろ交渉します。公社は一方的に定員をきめる、いろいろな定員法をきめておりますが、そういう算出基準を見せろと言っても、そういうものは絶対に見せない。だんだん定員は減っていくじゃないですか。そんなことをしていないと言っても、そのめどを見せてくれないのですから。膨大な金と膨大な人をかけていろいろ要員算出をやります。組合はその能力はない、ないけれども、職場で働く人は、実感としてそのことを持っておる。公社の定員辛いじゃないか、どういう算出基準でやったか見せない、管理運営事項だから。そういうように実際問題としてだんだんだんだん人が減る。さらに馬づらにニンジンみたいにやれば、あるいはそれに飛びつく人があるのです。飛びつかなければいいではないかといってもあるのです。情けない話です。そうして今度一年か二年過ぎて、この法律でいけば、一年以上たたないと給付金を戻さなければならぬのですが一また公社に働きたい人がおる。この現実をどう思われますか。実際やめたくないのです。ちょっと金がほしかったのです。また困った。公社はそれをいいことに、たとえば年末年始の休暇あるいは年度末の繁忙時、このときに既修者を雇う。これはおそらく三十四年当時のああいうもの、あるいは今度のこの措置がやられると、これらでやめた人がまたそういう要員になってくるでしょう。話がねじれましたけれども、数をよけいやりさえずればいいというものではないのです。だからそういうものをやっていいのか悪いのか、そういう制度をつくるのがいいか悪いかを組合と相談したらどうなんです。私は正常な労使慣行を確立するのなら、その前にやるべきだと思う。なぜやれないのですか。大臣が言われるように、法で拘束されていないからやったのだ、そのことだけで一体労使慣行上いいでしょうか悪いでしょうか。大臣の御所見を承りたいと思います。あわせて総裁にもお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/50
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051・古池信三
○古池国務大臣 最初にお話のありました公労法の第一条の関係でありますが、これはこの条文にもございますように、最終の目的は、公共の福祉を増進し、これを擁護することが目的であります。それに行きつくまでの方法と申しましょうか、手段としては、あくまでこの両者の間で紛争を友好的かつ平和的な関係において調整をはかっていく、そうして団体交渉の慣行と手続を確立する、これによって公共企業体及び国の経営する企業の正常な運営を最大限に確保する、そういうふうなことに規定されておりまして、その点は私はそのとおりであると考えます。
そこでただいまの具体的な問題につきましては、先ほども申し上げましたとおり、法律的な解釈からいえば、立法をするにあたって、団体交渉をせなければ法案の提出ができないという性質のものではない、こう認めます。これらの問題について組合の考えを参考のために聞くということは、決して悪いことではなく、むしろそうすることが適当だと私は考えております。しかしながら、その場合に、厳格な意味での団体交渉、たとえば公労法にも規定されておりますように、お互いが名簿を出し合って、その員数をきめてというような厳格な手続に基づく団体交渉でなければならないか、あるいは実質的な話し合いによってこの団体交渉と同様の効果のあがるような話し合いではいけないか、そういうふうな問題になってきますと、私はかような場合には広い意味の団体交渉ということで組合側の意向が十分聞き得る、あるいはまた管理者側の考えが十分に理解されるように説明する機会を持つというようなことで、十分私は目的を達し得るのではなかろうか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/51
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052・大村邦夫
○大村委員 だいぶ時間が過ぎましたので急ぎますが、幾ら言っても繰り返しになりますけれども、あなたはその協約の前に法律を出して悪いことはないじゃないか、そういう規定はないんじゃないか、こう盛んに言っておられますね。しかし、できることなら事前に、広い意味で、団体交渉とは名がつくかどうか知らぬが、話し合い、十分お互いの意思の疎通をやることが望ましい、このあとをなぜとらないのです。悪いことはないが、しかし望ましいほうをとるべきだと私は思います。間違いでしょうか。
それから、さらに話し合いということばを使われますけれども、私はその八条に依拠していろいろ申し上げてはおりますけれども、数日来八条の関係が出て、盛んにそれに集中して聞かれる関係上、すぐそのほうの解釈を前面に押し出して回答されておられますね。これも私は若干どうかと思うのですけれども、しかしこれは団体交渉、話し合いじゃないのです。大臣は頭がそう古いとは思いませんけれども、昔の人は、団体交渉なんてやらぬでも話し合いでやれるじゃないか、名前はどうでもいいじゃないか、こうおっしゃいます。しかし、明らかに、法では、組合となにがやる場合は相互対等の立場に立って、団体交渉なんです、話し合いじゃないのです。ただ、その団体交渉を皿をぶつけてけんかをやるか、人の言うことは十分聞き、こっちの意見もまた相手は聞く、その中でやる、それも団体交渉なんですからね。荒ぶるのが団体交渉じゃないのです。話はそれましたが、団体交渉、このほうが望ましいという点をなぜ大臣はおとりにならないのか、その点を重ねてお伺いしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/52
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053・古池信三
○古池国務大臣 先ほど私が申し上げましたことは、大体において御了解いただいたように承りますが、私はそういう意味で、理解を深める、あるいはまた、組合側の意見もこちらがお聞きするという機会を持つという意味において、ごく広い意味の団体交渉をやることが望ましいと思う、こう先ほど申し上げました。郵政省におきましてはさような意味での機会は持ちまして、いろいろ説明をいたしております。電電公社の関係につきましては、これはまた電電公社側としての労使間の自主的な立場がございますから、それについては私として命令を出すとか、こういうふうな性質のものではないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/53
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054・大橋八郎
○大橋説明員 この問題に関しての私の意見は昨日もお聞き取りいただいたと思うのですが、この審議の際に繰り返し申し上げた、現在でもそのときの意見とちっとも変わっておりません。ただ、この退職手当の特別措置というものは、組合員に対する待遇の条件の最も重大なものでありますから、できるだけよくわれわれの趣旨を理解していただくことが必要であるということで、先ほど職員局長も申し上げましたとおり、すでに今日まで十数回にわたっていろいろ御説明を申し上げ、できるだけよく御理解いただきたい、こういうことで会合を重ねてまいったわけでございます。なお、その支給条件または金額等の退職手当法に規定してあるもの以外のいろいろな施行の手続あるいは施行のやり方、細目等につきましては、さらにいろいろ御趣旨によって今後団交を重ねていくということもむろん必要かと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/54
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055・大村邦夫
○大村委員 ちょっと総裁、よくわかりませんが、金額を今後交渉できめるのですね、法律できめるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/55
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056・大橋八郎
○大橋説明員 金額とか条件とかいう法律にきまっているものは、これはいたし方ございませんが、これらの運用に関するいろいろな事柄については、できるだけ団交その他の場で話し合いを続けていきたいと思います。
〔「話し合いじゃない、団交だよ」
と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/56
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057・大村邦夫
○大村委員 また言いたくなるのですけれども、時間がないからあまり言いませんが、あなたたちは組合に理解を深めるために、話し合いですか、いま訂正がありました、団体交渉ですね、団体交渉というのは、再々言われておるように、お互いの意見が不一致のような場合に、話し合いの中からよりよい方法を見つけていく、これは団体交渉です。理解を深める、これは押しつけですよ。団体交渉じゃないです。理解を深め、理解を深めといって、押しつけばかりをやったのでは、団体交渉にならないですよ。こういうものを出していいのか悪いのか、あるいは金額はどのくらいがいいのか、そういう点についてもお互いに話し合えばいいのです。相手の言うことも聞き、またその相手側も片方の言うことを聞き、お互いに意見を戦わせながら調整をしていく、これが団体交渉であります。こういう方向でやらないで、理解を深めるだけでは団体交渉じゃないのです。これは総裁はわかって言われるのでしょうから、もう処置なしです。処置なしですが、これは労働者の問題ですから、私どもそのままでほうっておくわけにいきません。
最後にもう一つだけ聞きます。本法案が法律として制定され、あるいは通過をした場合に、この運営の問題については労使間でやるということが、この前森本委員の質問の中で、あるいは意見の中で明らかになりました。それはそれとして理解いたしますが、電電公社と労働組合との間にはこれから一これからというのは、ずっと以前ですが、第一次の電信電話拡充計画が推進されるときです、この時点に立って、これから合理化が進展をされるに伴って労働条件をよくしましょう、あるいは首切りは行ないません、あるいはかなりの人員が余るかもしれませんが、それはいろいろ職場の実態なりあるいは本人の能力、家庭の状況等を十分勘案をして対処しましょう、こういうことが確認されました。そしてそれに基づいて、今日までもう数え切れないほど労働条件については勤務時間あるいは処遇の問題をはじめ、さらには過日の安宅委員が追及されましたところの特別嘱託手当制度、高齢退職者の処遇、そういう処遇上の問題まで含めて協約をきめられております。その中で合理化の進展に伴って人が余る、その場合に職員の配転をどうするかということで配転協約は結ばれています。これによりますと、六カ月前に公社は組合のほうにその案を、内容はたしか人員と配転先の局所、職種、配転前の局所、職種、こういうものを提示するようになっていると私は思います。これは六カ月前です。今度の法案によりますと、二カ月前——これはまだきまっていないのですか。二カ月前に給付金支給の対象局所を公社が指定する。あるいは希望退職者は一カ月前までに届け出て、その中から公社が配転先が困難だと判定する数によって認定する。ここは若干この前の委員会で訂正されたと思うのです。ですが、言わんとするのは、配転協議の事前協議ですね。この六カ月前、この法案が通過した場合の——組合と相談する云々は別にしましても、二カ月前とかあるいは三カ月前、いわゆる六カ月よりも接近をしてやる場合の食い違いですね。公社のほうでは、これだけの人が余る、こうだといって相談するでしょう。今度は二カ月か三カ月前にこういうものをつくってやる場合には、事実上は六カ月前にやったことが生きていかないじゃないか。この点についてはどうなんです。ここが組合のやっぱり問題点の一つだと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/57
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058・中山公平
○中山説明員 大村先生の御指摘のとおり、現在の配転協約によりますと、配転計画についての協議というものが行なわれることになっております。そして、御指摘のとおり配転計画の提示、説明は六カ月前、こういうことになっておりまして、その後三週間以内に組合側から意見の提出がありまして、その後一カ月で協議は完了する、こういう取りきめになっております。そこで今度の局所の指定でございますが、これは法案によりますと二カ月前までということになっております。二カ月前まででございますから、なるべく早くこれは指定をして配転協約の手続とのかね合いは十分につくように配慮をいたしたいと思っております。
なお、つけ加えますと、従来におきましても、自動改式等合理化の実施局におきましては、配転に応じ得ないで五条適用によって退職をされる方はかなりあったわけでございますが、従来ともそういう退職をする人とこの配転計画の協議との関係というものは、いろいろ実態に即してやってまいっておりますので、今回におきましても、従来と同じように配意をして、その間のかね合いがうまくまいりますようにいたしたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/58
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059・大村邦夫
○大村委員 二カ月前ということをきめますと、できるだけ早くといったって、本人の意思ですから、二カ月前までやりさえすればいいので、あなたたちが強制するものでもなければそこのギャップは出てきますよ。それは従来でも六カ月前に配転協議に入る、その後直前あるいは何日か前に希望退職が出る場合もあります。今度は大量に出ることをねらっているのですから、六カ月前にせっかく組合とおたくできめたことが、必ずしも生かされない。近隣の欠員局に幾らかまきますね。時によっては、あるいは公社が算定した定員よりは若干オーバーする場合もあるでしょう。あなたたちはそれを調整要員とか、あるいは自局に残すのを保留要員とか、いろいろお考えでしょうけれども、組合に言わせれば、それだけ労働条件がよくなるのです。そのことが今度はまぎわになってくずれる。これはやはり組合としても一つの大きな問題点なのです。
それから、さらに先ほど言いましたように、定員についてもその基準等についてはなかなか示さない。それじゃ、あなたたちはできるだけやめさそうという前提に立てば、従来十許したものが九になり八になる。それは組合と六カ月前に協議するのだから、組合もがんばればよいじゃないかといっても、なかなかそうはいかない面があるのです。私はそういう毒素、問題点があると思うのです。
それから、もう時間ですから、締めくくりをします。いずれにしましても、先ほどからるる申し上げましたように、この種の問題については、組合が望んでやってくれと言ったものではない。公社が自分で腹案をつくり、また、合理化の進展に伴って必要であるからというので郵政当局に要請をし、政府を動かして、政府自体から法案を出さした。法案を撤回しろと言えば、私どもが出したのではないという説明をする。提案をしないものが組合に説明することはないのです。矛盾だらけ。そういうように組合が頼みもしないものをかってに、みなが望んでおるから、不当労働行為、介入、支配、そういうことをやることは、私は公労法の精神からいって、断じて許されるべきものじゃない。またけんかを好んでやる人は別ですけれども、実質にお互いに話し合いの中で円満裏に紛争を解決しようとする姿勢があるならば、事前に団体交渉をやるべきである。それを一方的に押しつけてやろうとするところに問題点があるわけでありまして、森本委員が申しましたように、この問題は、内容がいいとか悪いとかいう問題ではない。労働組合の最も基本とするところの基本的な権利が侵害されるというところに問題がある。したがって、先ほどから繰り返し、繰り返し御答弁になりますと、同じような答弁ばかり。お互いに同じようなことを言って、時間がたちさえずればそれでよいというようなものでないことは明らかであります。特に私たち国会議員の立場はそうであります。そういう点から言えば、まだまだ言いたいのでありますが、これで控えます。いずれにしても、こういう道は、逓信大臣が言われましたように、できるだけ労使の話し合いの上でという轍を踏んで、そういう方向へ行くように要望しまして、私のきょうの質問、意見を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/59
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060・加藤常太郎
○加藤委員長 受田新吉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/60
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061・受田新吉
○受田委員 それでは、質問をかいつまんで申し上げます。
今度、当委員会で審査されておりますこの法案は、いわば電電公社の事業面においては一つの革命に伴う措置であると思うのです。その近代化をはかるための革命が暴力革命であってはならない、民主革命でなければならないという意味で私お尋ねをさしていただきます。
この政府から出された資料から拝見しますと、電話の設備の近代化、拡充政策の遂行の基本構想が出ておるわけです。まずこの点からお尋ねしてみたいのです。
電電公社の示しておられる第三次及び第四次の長期計画について確認をさせていただきたい点があります。それは一月現在では、三十八年度と九年度という形で数字が要員措置の上においても出されております。この基本構想と要員措置の関係でお尋ねしてみたいのでございます。一年度だけ計画実行がずれてくるわけでございますが、ずれた現時点における対策、三十八年と三十九年の関係をどう変えられるのか。四十年以後にも波及するのかどうか。五カ年計画である第三次と、さらにまだまだ計画に乗せておられません第四次の四十八年三月末までの最後の長期計画についても、おおよその腹案がおありだろうと思いますので、お示しを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/61
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062・宮崎政義
○宮崎説明員 御説明申し上げます。
この要員措置数が変更をいたしておりますのは三十八年度と三十九年度であります。変更いたしておりますのは、最近の減収と道路工事の増高によりまして、三十八年度及び三十九年度は自動改式の計画を後年度に繰り延べざるを得なかったということにあります。したがいまして、それに基づきまして要員数の変動を来たしております。しかしながら、この繰り延べた工程は四十二年度までには完成するつもりでおるのでございますが、総体の総数としては変わらない予定でございます。特に、この変わりました中身を見ますと、郵政委託局における変動が大きいのでございますが、この理由は三十八年度、三十九年度に自動改式計画を繰り延べるにあたりまして、工事期間の相当長期にわたるもの、これを繰り延べますと、回復に相当の時間を要します。したがいまして、今後の増収等も期待いたしまして、工事期間の短期のものについて繰り延べをやったわけでございます。そのために公社の場合の要員措置数は変わっておりませんが、郵政委託局のほうの要員措置数が変わってくるという形になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/62
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063・受田新吉
○受田委員 具体的に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/63
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064・宮崎政義
○宮崎説明員 三十八年度は、当初郵政の場合には千五百名見ておりましたのが千三百名となっております。これは配職転対象数でございますが、公社は三千八百と見ておりましたのが三千八百。
それから措置困難数、措置可能数について申し上げますと、措置可能数は当初郵政千百と見ておりましたのが千名、それから公社は二千八百名そのままでございます。したがいまして、措置困難数は郵政四百から三百になっております。公社はそのまま。三十九年度は配職転対象数が郵政が千八百へこれに対しまして変更いたしましたのが八百名でございます。公社は三千四百、これは変わっておりません。措置可能数は郵政では当初千と見ておりましたのが五百になっております。公社は二千と見ておりましたのが二千二百、措置困難数は、郵政は八百と見ておりましたのが三百、それから公社は千四百と見ておりましたのが千二百、かように変わっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/64
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065・受田新吉
○受田委員 計画遂行上の途中における支障による変更を伺ったわけでございますが、さらに四十三年度以降の第四次長期計画というものについても基本構想を伺っておかなければならないと思うのです。御答弁がなかったので、この点を要求いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/65
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066・宮崎政義
○宮崎説明員 四十三年以降は第四次五カ年を考慮しておるわけでございますが、まだこれは積み立てておりませんので詳しい数字は出ておりませんが、しかしながら局数、規模等から見ましても、第三次と大体同じくらいのものになってくるのじゃなかろうかと見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/66
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067・受田新吉
○受田委員 およそ第三次と同様の規模であるということでございます。そうすると、第三次を基本にして考えれば、四十八年三月末の未来像に一つの輪郭がはっきりしてくると思います。そこで、三十八年にこの法案が実施に移されたとしたならばなし得たであろうところの措置、その分については一体いかなる形で、この特別給付金の支給の対象になるべき事情のものがどういうふうに措置されておるか、そのまま保留されて法律のできるのを待望しておるのか、あるいは従来の手続でこれらの処置がなされておるのか、この点をはっきりしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/67
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068・増森孝
○増森政府委員 まず郵政側から具体的にお話し申し上げます。
三十八年度の上半期までしかいまデータが出ておりませんので、三十八年度の上半期で申し上げますと、施設改廃時の残留過員の総計が六百三十二名で、ございまして、その内訳として申し上げますと、前年度から繰り越しますのが四百九十七名で、それから当該年度つまり三十八年度の上半期に出ました過員が百三十五名でございます。この上半期の中で公社に転出しましたり、それから部内で配職転をしました者、あるいは退職した者等が二百二名でございまして、現在三十八年度上半期末でもって四百三十名の過員が出ておるという状態でございます。
なお、先ほどの先生の御質問にお答えいたしますと、一つには、われわれとしましては特別給付金がございませんので、従来のやり方でもってできるだけ配職転をはかっていくというふうな考え方でやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/68
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069・中山公平
○中山説明員 公社のほうにおきましては、三十七年度におきましては七百三十九名の措置困難の数が出ております。三十八年度におきましては八百七十四名でございますが、公社におきましては、賃金要員ではございますが調整要員的な措置を予算においてお認めをいただいておりますので、その運用によってその問題を解決しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/69
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070・受田新吉
○受田委員 この法律が昨年できていたとするならば、特別給付金制度によって救われたであろう立場の人が——計画遂行は、これは別に法律かできようとできまいと、同様にやられておると思いますので、この新しい恩典に浴しないままで従来の規定によって措置されておる、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/70
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071・増森孝
○増森政府委員 結果的にはそうなつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/71
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072・受田新吉
○受田委員 そうしますと、この長期計画の第三次の初年度の分については、この新法の成立可能となるならば救われたであろう特別給付金の支給を受けない、こういうことになっておりますね、そのとおりですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/72
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073・増森孝
○増森政府委員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/73
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074・受田新吉
○受田委員 この法律の実施を目途としてそうした退職希望者、やむを得ざる配置転換の犠牲者、こういうものを待機させておくという形、またこの法律の効力を過去にさかのぼって実施するという、そういう恩典も考えられると思うのです。この点は法律の施行に前後する形で処遇が変わってくるということは、職員として非常に不幸な人ができてくるということになりまするが、この法律の実施を計画当初にさかのぼらすという御用意があるのかないのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/74
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075・増森孝
○増森政府委員 この法律案が出ていたとするならば救われたであろう人との不均衡が出るではないかというお話でございますが、その不均衡の問題でございますと、必ずしも三十八年度のみに限ることではないのでございまして、この法案を提出いたしました当初におきましても、三十八年度と三十七年度の同じやめた者についてそういったような不均衡が出るということは、あらかじめ予想されたわけでございます。しかしながら、この法案のたてまえといたしましては、やはり公布の日からということでやっておりますので、万やむを得ず私どもとしましては遡及的な方途というものは考えられない、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/75
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076・受田新吉
○受田委員 ここで具体的に質問を掘り下げてお尋ねしてみたいのでございますが、この法律の案文の中に第一条に目的が書いてある。「一時に多数の電話交換要員が過剰となるきわめて特殊な事情」ということが、ここに書いてあるわけです。ところが、国家公務員等退職手当法の第五条には、整理退職等の場合の退職手当規定がありまして、その中に電電公社などを含めた職員の「業務量の減少その他経営上やむを得ない理由により退職したもの」ということがあります。この関係をちょっと御説明願いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/76
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077・増森孝
○増森政府委員 第五条では、定員の改定あるいは組織の改廃というようなもので生ずるものについて第五条を適用して退職手当を出す、こういうことでございます。今度の場合とどういう関係になるかと申しますと、私ども第五条と今度の法案とは一部においてダブっておる、このように思いますので、結論を急ぎますと、第五条と本特別給付金とはダブって支給されるということを申し上げております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/77
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078・受田新吉
○受田委員 この特別給付金制度なるものは、公務員関係で他に類似のものでどのようなものが実施されておるか、法律を基礎にしたものの御説明を願いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/78
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079・増森孝
○増森政府委員 寡聞にして存じておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/79
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080・受田新吉
○受田委員 寡聞にして存じていない、前例がないということですか。やはりこれは当局としてお調べになっていなければならないのです。寡聞にしてでなく、はっきりした御答弁が願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/80
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081・増森孝
○増森政府委員 この種のものはないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/81
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082・受田新吉
○受田委員 今回駐留軍の退職者が大幅に整理される事情、これは米軍の撤退に伴うところの特殊の事情を持ったものでございますが、これとの関係をひとつ御説明願いたいのです。国務大臣として御答弁できるはずです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/82
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083・古池信三
○古池国務大臣 進駐軍関係はただいま問題になっております、われわれが考えておりますものとは、関係はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/83
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084・受田新吉
○受田委員 駐留軍の場合は、電電公社の特別給付金を基準にして交渉を進めておると言っておるわけです。その意味においては、この法案が基礎になっておるわけです。この点は御存じないとあれば、もうこれ以上追及しませんけれども、国務大臣としては、これは閣議で必ず論議の対象になる性質のものだと思うのです。私たちのこの特別給付金という性格に対する考え方は、電電公社の場合は一つの革命的要素を持ったきわめて特殊の事情である、ここへ書いてあるような「一時に多数の電話交換要員が過剰となるきわめて特殊な事情」、こういうことに非常に大きなウエートがあると思うんですね。このことを重点にして考えられたと思うのです。そこでこの特別給付金の支給の基準を何に置いたかをお尋ねしてみたいと思うのです。政府案によるならば、勤続期間が五年未満のときが八カ月で、五年以上のときは十カ月という二段階にしてあります。国家公務員等退職手当法のいろいろな規定を見ましても、やはり勤務年数に応じて、長期に勤務した者には長期相当の手当がしてあります。ここにはただ五年未満と五年以上と二段階に分けて、しかも八カ月と十カ月というこの数字が出ているのですが、私はこの数字がどういう形で出たのか、少なくとも法案としてお出しになる以上は、はっきりした算定基礎があると思うのです。いいかげんなつまみ金というのではなくて、喜々として特殊の事情に応じて退職希望される方に対する措置が用意されておると思うのです。その算定基準、そしてこれに対するいろいろな環境の中から生まれる事情、これをひとつ御答弁願いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/84
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085・増森孝
○増森政府委員 この特別給付金の性格からちょっと申し上げたほうがいいと思いますが、特別給付金の性格は、今度の自動化に伴いまして一時に多数過員が出るという場合、その過員を解消するに役立つという意味におきまして、われわれとしましては特別給付金の性格を一種の謝礼金であるという考え方を持っております。その一方では、謝礼金だと申しましても、退職時におきまする支給の金でございますので、退職金、いわゆる広い意味の退職金でもある、こういう二つの性格を考えておるのでございますが、そこで、謝礼金であるとするならば、これは勤続年数によって違えるべき性質のものではない、このような観点から、私どもとしましては、謝礼金であるならば、勤続の多寡に関係なく一律にやるべきであろう、こういうふうに思うのでございます。しからば、ただいま先生の御指摘になりましたように、五年と五年以上で区切ったのはどういう意味か、こういうお尋ねでございますが、これは先ほど申しましたように、一律にやるべきだとは存じますけれども、やはり五年未満の者、あるいは一年の場合もございますので、一年の者と十年以上も勤続した者の間に一律でいくということは悪平等ではないだろうかというわけで、五年ということで切ってみたのでございます。これらにつきましては、いろいろ民間の場合等も参酌いたしまして、大体この辺が妥当である、こういうことで算出したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/85
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086・受田新吉
○受田委員 私は、それは非常にあいまいだと思うのです。民間というのは何を基礎にされておるのか、大企業のかかる例があるのかどうか。これは法律案としてお出しになる以上は、やはりはっきり説明のつくもの一いま謝礼の性格と退職金の性格と二様の性格がある、こう仰せられました。そうしましたならば、その二様の性格に基づく措置としての一応の説明基準というものを私は要求したいと思うのです。ばく然とつまみ金という意味のものであってはならない。これは法案ですから、そして予算措置ですから、やはりこれを受ける人にも納得せしめ、国民も理解していくという形でなければならぬと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/86
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087・増森孝
○増森政府委員 ただいま私は民間という抽象的なことで申し上げましたが、もう少し具体的に申し上げますと、私どもの調査いたしました範囲では、民間の六社の平均を出しております。その民間の六社は何かと申しますと、日本鉱業、三菱金属、それから新日本窒素、日産化学、宇部興産、三井鉱山の六社でございまして、その六社の平均でございますと、五年未満では二十三万四千円でございます。これに対しまして今度の特別給付金は二十九万六千円、大体こういうふうになります。それから十年にとってみますと、民間のほうでは五十一万六千円でございますが、郵政の今度の特別給付金につきましては五十五万三千円、こういうふうに、民間六社よりは若干いいという数字になっております。
なお、お尋ねの第二点でございますけれども、退職手当の性格があれば、退職手当の性格も盛り込むべきではないかというお話でございますが、退職金等におきましては、普通の五条の退職金も支給するのでございまして、その上に年功別と申しますか、勤務年限でもって段階をつけるということは適当ではないだろう、しかしながら、先ほども御説明しましたように、一年の者と十年の者と同じであってはいけないということで、五年で切っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/87
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088・受田新吉
○受田委員 いまの民間の六社の平均値というものは、一体いかなる性格の退職者に対する支給基準でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/88
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089・増森孝
○増森政府委員 これらの六社の整理退職の場合の金額でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/89
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090・受田新吉
○受田委員 民間六社は五年以下と五年以上に分けてやっておりましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/90
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091・増森孝
○増森政府委員 民間等におきましては五年で線を切っておりますし、それから七年、十年というような切り方もしておるところがございます。しかし、この整理退職の場合と、それから今度の特別給付金の場合はやや性格が異なろうかと思います。どういうふうに違うかと申しますと、特別給付金の場合といたしましては、これは発展的な段階のもとにおける過員でございます。そのほかの民間等におきまする場合におきましては、経営等の行き詰まりと申しますか、そういったような企業縮小の段階における整理退職金というようなことがございますので、多少性格が異なろうかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/91
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092・受田新吉
○受田委員 私、いまの御説明でちょっと新提案をしてみたいのですが、五年、七年、十年とか、いろいろ小刻みにして民間でもやっているということになっている。それから整理退職と、こちらは隆々発展の過程における感謝状を含めた意味である、こういうことでございますが、しからば、五年未満と五年以上と、さらに十年以上、二十年という人もおるわけですから、十年以上の勤務者も五年以上と同じように見るということでなくて、これはやはり三段階ぐらいに分けて、八カ月、十カ月、十二カ月というような基準で、少なくとも退職金の性格をある経度加味して、薄謝を呈するという要素をお考えになるのが筋ではないか。五年というところで切って上下に分けるという行き方よりは、せめて三段階ぐらいにした行き方が実情に即していくのではないかということを私は指摘したいのでございまするが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/92
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093・増森孝
○増森政府委員 先生の仰せ、まことにごもっともかと思いますが、今度の特別給付金で過員が生ずる場合は、年をとったといいますか、勤続年数が長い者だけが必ずしも対象になるのではないのでありまして、若い二年か三年の者も過員の対象になると思います。それからもう一つの理由といたしましては、先ほど御説明しましたように、退職金の五条のほうは勤続年数でまいる。それからもう一つの理由といたしますところは、この五年未満と五年以上と切りましても、勤続年数の長い者はそれだけ基本給が高いのでございますから、この辺で切るのが妥当であるかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/93
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094・受田新吉
○受田委員 これを二つに分けた以上は、やはり少なくとも二十年以上の人もおるということになれば、十年以上という一段階を設けて、しかもそれにわずかなサービスを加えていくという、八、十、十二というような形でお手だてをして差し上げるというのは、これは筋が通ると私は思うのです。別に一年ごとの基準でお手だてをして差し上げる意味ではないのですから、私の申し上げていることは、少なくとも三段階くらいに分けて、長期勤務者に対するある程度のサービスも考えてあげてよろしい、こういう主張です。この主張にはごもっともな点があるという御答弁でございましたが、大臣、あなたもごもっともだとお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/94
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095・古池信三
○古池国務大臣 あなたのさような御意見は御意見として承りますが、私どもとしては、やはりこの原案が妥当であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/95
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096・受田新吉
○受田委員 御意見は御意見ということですけれども、私のいま指摘していることは、この給付金の支給対象にできる年数と、そしてそれに対する手当月数のあまりにも大ざっぱなつかみ方に対しての問題があると思うのです。これはやはりもっとある程度だれも納得していけるような基準を設けられて、しかもある程度親切に理解させるような努力をしておかなければならない、これは私十分検討していただく問題だと思います。
なお、ここで一つ特に念を押しておきたいのですけれども、本法には別に強制的な退職勧告整理等の場合のような形での整理という意味でないことを、一応法律にはうたっておるわけです。うたっておりますけれども、退職希望者が政府で企図される数字に達しない場合に、やはり本人を呼び出して、どうだ君、ちょうど手ごろだと思うがどうかと、希望退職の形にするような努力をして、いわばある程度の圧力をかけて、形は希望退職というような形で本人をやめさせるような危険がひそんでおると私は思うのです。もちろん法律案そのものには強制退職規定はない、退職勧奨という規定はないわけですから、この点は法律の文章を読めば一応安心できます。しかし、実際の運営にあたって、君どうだという個人個人の立場に適切な説明を加えて、やんわりと希望退職者たらしめようとすることが起こりはしないか、私は非常にそこに懸念があるわけです。この点大臣、あなたの部下の方々が、この問題にお当たりになるのでございますが、大臣としての心がまえを、また実態がどうであろうかという想定をお示し願いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/96
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097・古池信三
○古池国務大臣 この法案は、立案当初から強制的にやめてもらうというふうな方法はとらないのでございまして、この法案が成立いたしました暁において、いよいよ運用の段階になりましても、あくまで自発的な退職者に対してかような措置を講ずるという、その方針を一貫してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/97
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098・受田新吉
○受田委員 その一貫した方針を実行するにあたって、先ほどから議論されたような全逓、全特定、その他の組織がある。この組織との間の話し合い、個々の運用についての具体的な話し合いということは、十分用意されておるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/98
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099・古池信三
○古池国務大臣 組合との間には、かような運用の際には協約を結んだものがございまするから、そういう協約に従いまして、本人の希望なり、あるいは家庭の事情なり、そういう点を十分に勘案した上で善処してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/99
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100・受田新吉
○受田委員 そうしますると、一応個々の取り扱いについてはその組織とも話し合いの機会を設けて、いやしくも強制退職の要素を含むようなことのないように配慮する、かように理解してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/100
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101・古池信三
○古池国務大臣 ただ誤解のないように申し上げますが、A、B、C、Dとたくさん人がある中で、一々個人個人について組合側と話し合うということはいたしません。しかし、その細目については組合側と協約によってきめていく、そしてあとは本人の希望なり家庭事情を十分に勘案して行なう、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/101
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102・受田新吉
○受田委員 この取り扱いは、非常にわれわれとしては懸念されることでありまして、当局の心がまえ、大臣の心がまえが、終始個々の人々にも深い配慮を加えるということであっても、第一線の責任者たちの間においては、その退職希望者が定数に達しなかったという場合などは、私は特に懸念が多いと思うのです。これは達しようと達しまいと懸念があるわけですけれども、そうした懸念を払拭させないと、やはり第一線の職員にしてもたいへん不安な法案になってくるわけです。この点、この席上でいまはっきり御答弁をいただいておりますから、私はその点の運用についても懸念のないものだと一応希望を持つことにいたしましょう。ただ退職希望者が定数に達しないという場合は、その計画遂行上どういう措置をとられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/102
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103・古池信三
○古池国務大臣 ただいまの御懸念になるようなことのないように十分に配慮してまいりたいと思います。さらに、一応予想しております退職者の数に満たないという場合におきましては、強制してやめてもらうという方法をとらないで、そのまま過員として残される、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/103
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104・受田新吉
○受田委員 過員として残しておく、そういうことで一応安心できるというお答えですね。
もう一つ、この場合もちょっと考えられるわけですが……。(「もういいだろう」と呼び、その他発言する者多し)退場を命じてください、こちらのまじめな質問ができない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/104
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105・加藤常太郎
○加藤委員長 御静粛に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/105
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106・受田新吉
○受田委員 この希望者が意外に多かった場合というのがやはり考えられるわけです。これは二つの場合を考えなければならない。この場合はいかなる措置——この規定にもちょっとそれに触れたものがございますけれども、やはり何かの対策は私はあると思うのです。二つの場合を予想した対策があると思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/106
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107・古池信三
○古池国務大臣 非常に希望者が多くて、そのために業務の運行に支障を生ずるというようなことがあれば、全部の希望を受け入れることができないという場合が生じてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/107
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108・受田新吉
○受田委員 その場合の取り扱いにまた問題があるわけですね。(「あまり神経質になるなよ」と呼び、その他発言する者多し)これはやはりその場合、場合を考えておかなければいかぬ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/108
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109・加藤常太郎
○加藤委員長 静かにしてください。発言は委員長の許可を得て、してください。不規則な発言は禁止します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/109
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110・受田新吉
○受田委員 この希望退職者の中では、いろいろな家庭事情がある、そういう者、また一定事情を目途として退職希望者を求めた場合に、その時点において当然退職希望者である真意がはっきりしておる場合と、しからざる場合というようなものを勘案した措置がされると思うのでございますが、この一定時点における過剰の退職希望者の処理ということについては、よほどのくふうが私は要ると思うのです。このくふうは事務当局でも何かされておるのじゃないかと思うのですが、御答弁を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/110
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111・増森孝
○増森政府委員 これはまあ考え方の基本でございますが、私どもとしましては、先ほどからるる申し上げますように、まず配職転をできるだけやりまして、そうしてやめるという方を少なくするというのが基本的な考え方だと思います。その際に過員から配職転ができるというような人の人数を引いたものが、いわゆる特別給付金を受ける総体の人員でございます。その人員をこえた場合にどういうふうにしてやっていくかということは、第三条第二項の政令で定める基準にしたがって行なう、こういうことでございまして、その政令できめます基準でいま私ども考えておりますのは、勤続年数が長い者からそういう場合にはとっていこう、そういうふうな考え方をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/111
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112・森本靖
○森本委員 これは一回私が質問をやったことをもう一回受田さんがやっているわけですが、受田さんは、おそらく私が質問したときの内容を聞いておらぬと思う。だから、いまごろになって私が質問したときの回答と違うような回答をしてもらいたくないと思う。だから、この問題は非常に重要だから、私が前もって言ったように、過員数を引いてなんということじゃなしに、その場合には全体の中から希望者をとる、希望者を全部の中からとるということであったわけです。しかし、その給付金の定数、過員数の予算定員というものがあるはずで、それをオーバーした場合にはどうするかということについては、いま言ったように勤続年数の順番によってやるとか、そういう細部については組合とも十分に団交もする、その基準については回答がそういうことになっておるわけです。だからそれで私はおいておるわけだ。ところが、いまの人事局長の答弁を聞いておると、またそれがひっくり返ったような感じを抱く。あなた、そう思わぬかもしれぬけれども、前にはそういうことであって、ややこしい形になったわけです。その辺の質疑応答は前にやったことをはずさぬようにしてもらわぬと、変わってくると非常にややこしい形になりますから、その点十分に含みながらお答え願いたい。
それから、先ほどのオーバーした場合にどうなるかという点についても一、これは要するに予算の問題があるけれども、できる限り御希望に沿うように努力をいたしますという回答になっておるわけです。だから、そういう点もあんまりもとの答弁と食い違わぬようにひとつやってもらいたい、こう思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/112
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113・受田新吉
○受田委員 いろいろ質問の仕方もありますし、答弁の仕方で新しい質問も出てくるわけでございますが、私のいまお尋ね申し上げていることは、実際の運用の面において、実態に即して、本人の意思を尊重する形にいかなければならない。いまのお答えで、年の多い者から取り上げていく、若い者で結婚という条件などもあってやめたいとかいうような場合でも、年の多い者からやめてもらうとか、そういうことになると、これはまた実態に即していないということになるわけです。この点は給与の高い、年齢の高い者から整理するという方針はどういうところに根拠がおありなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/113
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114・増森孝
○増森政府委員 本人の意思を尊重するということは仰せのとおりでございます。
それからオーバーした場合にどういうふうな基準でやるかという場合には、一方では業務の関係もございますし、そういう点からいいますと、やはり無制限にこの特別給付金を支給してやめてもらうというのもどうかと思いますので、そういう場合には一定の基準を設けまして希望をかなえさしてやる、こういうのが至当かと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/114
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115・受田新吉
○受田委員 いずれ政令でそういうものを盛られるということでございますが、われわれのいま指摘している点を十分考慮されて政令の内容をおきめ願いたい。
なお、ここでちょっと別の角度から取り上げてみたいことは、この法案の中に特別給付金の返還規定があるのです。この規定の中に、退職後一年以上たって再就職した者に対する返還義務規定が掲げてあります。他の郵政省職員、電電公社職員としてやめてから一年以後に再就職した場合返還しなければならない。しかしこれは実際問題として、もう金をもらって使ってしまった場合に、返還するということが困難になってくる事情があると思うのです。これは一体第五条の規定の一年というのは少し長過ぎるのではないか。せめて半年ぐらいにして、その残りの半年間ぐらいはもう自由な形にしてあげるほうがいいのではないかという配慮を私は持っておるのですが、この第五条の規定について、起算して一年以内を半年以内に改めるのが妥当ではないかと思うのですが、御答弁を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/115
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116・増森孝
○増森政府委員 一年以上というお話がございましたが、一年以内のことかと思います。これにつきましてはいろいろ御議論があろうかと思いますけれども、おおむねわれわれのほうで要員計画をいたします場合に、一年の間に欠員が生ずるというようなことは万々あるまい、こういうふうな考え方をしております。したがいまして、そういったような一年以内に欠員が起こるということは通常考えられないところでございますので、一年というのが適当ではないかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/116
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117・受田新吉
○受田委員 しかし、それは採用規定か何かあるのですか。一年以内の者は採用しないとかいうような規定でもあれば別ですけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/117
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118・増森孝
○増森政府委員 一年以内に再就職するということを禁止している条項はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/118
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119・森本靖
○森本委員 ちょっと、いまの人事局長の一年以内であれば欠員になることはないという答弁はおかしいと思うのです。これは大事なところでありますから言うのですが、そういうことじゃないと思うのです。たとえば高知なら高知の電話局において自動化になった、そこでこの退職手当をもらってやめた、しかし本人はそれから東京に出てきた。東京のいわゆる中央の電話局では人が足らぬから、そこでまた雇われるということが現実にあり得るわけなんだから、だからそういうことは同一の場所においては起こらぬけれども、日本全国的に見た場合には、いまの欠員の問題でこの一年の期間を置いたということの答弁はおかしい。この一年を置いたということについては、何かほかの理由がなければならぬ、一年以内には欠員という問題は起こらぬから、そういう再就職ということはあり得ないという答弁は現実におかしいですよ。だから、それ以外に、この一年というものを置いたことについては、別に根拠があるはずなのであって、法律上の根拠、あるいはこれを法制化する場合の根拠が別にあると私は思う。その根拠のよしあしは別にして、やはりその根拠は根拠として明らかにしておかなければならぬ。いまの欠員という答弁ではおかしいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/119
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120・増森孝
○増森政府委員 理由をもう少しあげればよかったのでございますが、もう少しはっきりお答え申し上げますと、一年以内に再就職するということは、いま御指摘になりましたような場合も起こり得るかと思います。しかし、この特別給付金の性格が謝礼金であるということで、その謝礼金であるとするならば、それをもらった者が一年以内にまた再就職するという場合、そういう場合にはもらい得になるのではないかというようなことで、一年間禁止をしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/120
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121・受田新吉
○受田委員 この法案に関連して、ちょっと国家公務員等退職手当法に関連する事項でありますが、この二十年以上長期勤続後の退職等の場合の退職手当の規定、ここに二十年以上を長期の勤続者というふうに一応あげておるわけでありますが、この第四条一項の規定に「定年に達したことにより退職した者又はこれに準ずる理由その他」云々と、ここで「これに準ずる理由」というのがありますが、これをちょっと御説明願えませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/121
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122・増森孝
○増森政府委員 私、ちょっと専門外なものですから、土生審議官から……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/122
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123・土生滋久
○土生説明員 先生の御質問の趣旨は、退職手当法の五条の前段のところであろうかと思います。「これに準ずる理由その他その者の事情によらないで引き続いて勤続することを困難とする理由により退職した者で政令で定めるもの」その政令は、退職手当法施行令というものがありますが、それの第四条にその政令の内容が規定されております。これによりますとその第二項でありますが、「法第五条第一項に規定する二十五年以上勤続し定年に達したことに準ずる理由その他その者の事情によらないで引き続いて勤続することを困難とする理由により退職した者で同項の規定の適用を受けるものは、次に掲げる者とする。一 二十五年以上勤続し、その者の非違によることなく勧しょうを受けて退職した者 二裁判官で二十五年以上勤続し、日本国憲法第八十条に定める任期を終えて退職した者」ということに規定されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/123
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124・受田新吉
○受田委員 いまの御説明ちょっと早口で、なかなか理解しにくい点があるのですが、長期勤務者の場合、長期勤続者の優遇という点についてもお尋ねしてみたいし、もう一つは、この退職手当法の中に支給したものの返還義務規定というものがどこにもないわけなんですね。これはたとえ薄謝の要素であっても、いま局長さんの仰せられたような、退職手当の要素もあるということでございますから、その要素があるということになるならば、ただ単なる薄謝の理由だけで返還規定を設けるというのは問題が一つある。この点も十分ひとつ研究していただいて——返さなければならぬという義務規定は、退職手当法のどこを読んでもちょっとないのです。その点ひとつ御研究していただいたら——薄謝であるから返さなければならぬという理由は、これはちょっと問題があると思うのです。これはひとつはっきりお含みを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/124
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125・土生滋久
○土生説明員 たいへん恐縮でございますが、先ほどの先生の御質問をちょっと私取り違えまして、もう一ぺん正確な御説明をいたしたいと思います。
御指摘の「これに準ずる理由その他」云々ということにつきましては、先ほど施行令の第四条と申し上げたのでありますが、これは間違いでありまして、これは施行令の第三条でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/125
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126・増森孝
○増森政府委員 私の申し上げましたのは、先ほど今度の特別給付金は謝礼的な意味と退職手当的な意味と二つある、こう申し上げたのでありますが、退職手当の意味があると申しましたのは、退職時における給与の支給、こういう意味で退職手当法の一環であろう、こういうふうな説明でございます。したがいまして、この第五条にいう退職金ではないのでございまして、退職時における給与である、こういうことを御説明しておりましたので、したがいまして、第五条に返還規定がないから、今度の特別給付金の返還規定もおかしいではないかということは当たらないものと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/126
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127・受田新吉
○受田委員 もうその議論は一応おきましょう。それで、少なくともこれはやはり六カ月以内という形を私は主張申し上げておきます。
なお、お話を結ばしていただく関係で、もう一つ確認をしておかなければならぬことがありますが、それはいま質問で触れた長期勤務者に対する処遇です。電電公社の職員で二十年以上もつとめてくるということになるなれば、それはやはり相当な功績があるわけなんです。ところが、五十八歳でやっと嘱託制度を採用して、お電話などを差し上げておるということでございますが、これは現実の問題として、長期勤続者に五十八というような、そういう数字をおあげにならないで、長期勤続者に対する処遇という意味からの嘱託制度というものを御考慮になったらどうであろうか。二十年以上ということになれば、その点考慮される対象になっていいんじゃないかと思います。
それからさらに従来の医療設備なども、十分とは言いませんが、ある一定期間だけは、退職後利用できるというような、こういう措置もやはりお認めになってしかるべきではないか、これは電電公社の側から御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/127
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128・中山公平
○中山説明員 第一に、特別嘱託制度の問題でございますが、この特別嘱託制度は、長期勤続をいたしまして、高齢退職をされる方に、公社の必要とする調査研究を長年の経験、知識、技能等によってお願いする、こういうもので委嘱をしておるわけのものでありますから、自動化によって交換業務の廃止によって退職するというような場合に、この特別嘱託制度で嘱託事務をお願いするというようなことは起こり得ない、こういうように考えております。
第二点といたしましては、医療機関の関係でございますが、電電公社におきましては、退職者につきましては、在職二十年以上につきましては、終身、医療機関の利用ができる、それからその被扶養者につきましては、配偶者については終身、その他については五年、在職十年以上二十年未満の方に対しましては五年、またその被扶養者に対しましては二年、在職十年未満の人及びその被扶養者に対しましては二年間、医療機関の利用を認めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/128
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129・受田新吉
○受田委員 医療設備の利用は、相当御考慮していただいておるようです。公労法の適用を受ける郵政職員のほうもこれに準じておりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/129
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130・増森孝
○増森政府委員 たいへん先生の意に反するような結論になるのでありますが、郵政省設置法十六条によりますと、病院、診療所の利用は、職員とその家族だけが利用できるということになっておりまして、たてまえから申しますと、そういう便宜ははかれないことになっております。しかし、実際問題といたしましては……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/130
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131・中山公平
○中山説明員 いま郵政省のほうから御答弁がございましたが、病院、診療所につきましては、公社、郵政省共通に使っておりますので、私どものほうといたしましては、郵政省の方につきましても、こまかい点は別といたしまして、長期勤続の方については御利用をしていただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/131
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132・受田新吉
○受田委員 実際の運営について、両方平等に扱っておるということでございますから、一応了といたします。ただ、二十年以上に対する嘱託制度というものはぜひ実現をせられるように努力していただきたい。
おしまいに大臣、この前、ちょっとあなたにお尋ねしたけれども、先ほどから議論された団体交渉の問題、これについて一言触れておきます。
公労法の規定にも非常に大きな壁がもう出ています。したがって、団体交渉の結果生まれた予算措置なども、法律にしなければこれができないわけなのですけれども、そういう調停委の権限などというものはまことに哀れな姿になっておりますが、ひとつ公労法そのものを国務大臣として改正する、そうしてこの団体交渉の結論に対してりっぱな法的予算措置が講ぜられるような制約を設けられるような進歩した公労法にさせるように、大臣、どうぞ御努力願いたい。よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/132
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133・古池信三
○古池国務大臣 大体、政府部内におきましては、申すまでもなくこの問題は労働省が主管でありますが、私も政府の一員といたしまして、ただいまの問題はよりよい姿になるように努力をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/133
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134・受田新吉
○受田委員 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/134
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135・加藤常太郎
○加藤委員長 本日はこの程度といたします。
次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後一時二十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02319640424/135
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