1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年六月三日(水曜日)
午後一時三十三分開議
出席委員
委員長 加藤常太郎君
理事 秋田 大助君 理事 上林山榮吉君
理事 佐藤洋之助君 理事 志賀健次郎君
理事 森山 欽司君 理事 大柴 滋夫君
理事 森本 靖君
木部 佳昭君 椎熊 三郎君
中山 榮一君 橋本登美三郎君
山本 幸雄君 片島 港君
下平 正一君 畑 和君
受田 新吉君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 古池 信三君
出席政府委員
郵政政務次官 金丸 信君
郵政事務官
(電波監理局
長) 宮川 岸雄君
委員外の出席者
郵政事務官
(電波監理局放
送部長) 吉灘 中君
郵 政 技 官
(電波監理局無
線通信部長) 藤木 栄君
専 門 員 水田 誠君
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五月二十六日
委員永井勝次郎君辞任につき、その補欠として
栗林三郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員栗林三郎君辞任につき、その補欠として永
井勝次郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十七日
委員木部佳昭君及び中山榮一君辞任につき、そ
の補欠として園田直君及び宇野宗佑君が議長の
指名で委員に選任された。
同日
委員園田直君辞任につき、その補欠として木部
佳昭君が議長の指名で委員に選任された。
六月一日
委員永井勝次郎君辞任につき、その補欠として
栗林三郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月三日
委員宇野宗佑君辞任につき、その補欠として中
山榮一君が議長の指名で委員に選任された。
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五月二十七日
電波法の一部を改正する法律案(内閣提出第一
四六号)(参議院送付)
六月一日
有線放送電話関係法の改正等に関する請願外四
件(落合寛茂君紹介)(第四一一九号)
同外六件(桜井茂尚君紹介)(第四一二〇号)
同外五件(登坂重次郎君紹介)(第四一二一
号)
同外一件(野田卯一君紹介)(第四一二二号)
同(稻村隆一君紹介)(第四一三五号)
同外七件(大竹太郎君紹介)(第四一三六号)
同外十九件(奧野誠亮君紹介)(第四一三七
号)
同(金子一平君紹介)(第四一三八号)
同(田中彰治君紹介)(第四一三九号)
同外八件(高橋清一郎君紹介)(第四一四〇
号)
同(塚田徹君紹介)(第四一四一号)
同外六件(中村庸一郎君紹介)(第四一四二
号)
同外十一件(青木正君紹介)(第四一五五号)
同外四件(伊能繁次郎君紹介)(第四一五六
号)
同外一件(加藤高藏君紹介)(第四一五七号)
同外二件(亀岡高夫君紹介)(第四一五八号)
同(久野忠治君紹介)(第四一五九号)
同外二件(久保三郎君紹介)(第四一六〇号)
同(五島虎雄君紹介)(第四一六一号)
同外一件(高田富之君紹介)(第四一六二号)
同外一件(塚原俊郎君紹介)(第四一六三号)
同外二十件(坪川信三君紹介)(第四一六四
号)
同外十九件(堂森芳夫君紹介)(第四一六五
号)
同外二件(森本靖君紹介)(第四一六六号)
同外四件(山本勝市君紹介)(第四一六七号)
同外三件(鴨田宗一君紹介)(第四一七八号)
同外二件(福永健司君紹介)(第四一七九号)
同外一件(渡邊良夫君紹介)(第四一八〇号)
同外八件(小沢辰男君紹介)(第四一九三号)
同外一件(金子一平君紹介)(第四一九四号)
同外一件(清瀬一郎君紹介)(第四一九五号)
同(楯兼次郎君紹介)(第四一九六号)
同外二件(玉置一徳君紹介)(第四一九七号)
同外二件(原健三郎君紹介)(第四一九八号)
同外二件(高見三郎君紹介)(第四二二四号)
同外七件(谷垣專一君紹介)(第四二二五号)
同外四件(渡邊良夫君紹介)(第四二二六号)
同外十一件(亘西郎君紹介)(第四二二七号)
同外三件(木部佳昭君紹介)(第四二四三号)
同外一件(村山達雄君紹介)(第四二四四号)
同(小林進君紹介)(第四二四五号)
同外五件(荒舩清十郎君紹介)(第四二五五
号)
同(金子一平君紹介)(第四二五六号)
同外七件(柳田秀一君紹介)(第四二五七号)
同(金子一平君紹介)(第四二八八号)
同外五件(渡辺美智雄君紹介)(第四二八九
号)
同外二件(平岡忠次郎君紹介)(第四三〇一
号)
同外二十一件(藤尾正行君紹介)(第四三〇二
号)
郵便局舎等の整備促進法制定に関する請願(金
丸徳重君紹介)(第四一四三号)
同外一件(金丸徳重君紹介)(第四一九九号)
同(黒田寿男君紹介)(第四二〇〇号)
同外一件(金丸徳重君紹介)(第四二〇九号)
同(金丸徳重君紹介)(第四二四六号)
同外二件(森本靖君紹介)(第四二四七号)
同外二件(森義視君紹介)(第四二五八号)
同外四件(森義視君紹介)(第四二八七号)
電信電話委託業務廃止に伴う特定郵便局長に補
償金交付に関する請願(秋田大助君紹介)(第
四一六八号)
同(中村寅太君紹介)(第四一六九号)
同(志賀健次郎君紹介)(第四一八一号)
同(本名武君紹介)(第四一八二号)
同(村上勇君紹介)(第四一八三号)
同(舘林三喜男君紹介)(第四二〇一号)
同(堂森芳夫君紹介)(第四二一〇号)
同(森山欽司君紹介)(第四三〇三号)
草加市松原団地に団地電話設置認可に関する請
願(大柴滋夫君紹介)(第四一七〇号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
電波法の一部を改正する法律案(内閣提出第一
四六号)(参議院送付)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/0
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001・加藤常太郎
○加藤委員長 これより会議を開きます。
電波法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
質疑の通告がありますので、これを許します。森本靖君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/1
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002・森本靖
○森本委員 電波法の一部を改正する法律案に関連をいたしまして、電波行政について若干大臣に質問いたしまして、そうして次の機会にこの改正の条項を追って聞いていきたいというふうに考えております。きょうは簡単に電波行政の一部分をちょっと聞いてみたいと思います。
先ほども小委員会でちょっと問題になりましたように、例のフジテレビの件でございますが、その内容がいいとか悪いとかいうことを私はここで論ずるつもりはございません。ただ、きのう新聞で見てみますると、大臣は、ああいう問題に対処していわゆる法的な規制をするというような意味の答弁をしておるわけでありますけれども、私は、元来こういう問題については、何といたしましても法によって対処するということよりか、自主的に規制をすべき問題であって、法律論を振りかざすということは間違いではないかというように考えておるわけでありますので、その点についてきのうの大臣の発言の真意をひとつお聞かせを願いたい、こう思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/2
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003・古池信三
○古池国務大臣 私は、報道の自由あるいは言論の自由ということにつきましては、十分にこれを尊重していかなければならないと考えております。ただ、昨日衆議院におきまして、予算委員会が開かれて、山口喜久一郎委員からお尋ねがありました。これに対して私がお答えをしておりますが、ただいまの御質問に関連しておると思いまする点をここで繰り返して申し上げたいと存じます。
さきのほうは省略いたしますが、ただいま「省内に臨時放送関係法制調査会を置きまして調査審議を進めておりますが、その結論も六月中にはまとまりまして、答申が出るはずでございます。その答申を見ながら将来放送法、電波法の改正をはかってまいりたいと思いますが、さような場合におきましては、ただいまのような事態に対する対策ということも十分に考慮をいたしまして、適切なる改正案を立案し、提案いたしまして、国会において御審議を願いたい、かように考えております。」大体以上のようなお答えをしたわけでございまして、具体的な問題としまして、昨日国会の論議に相なりましたので、そのような問題につきましても、今後立案の際にはいろいろと考慮をいたし、検討して適切な改正案を立案したい、こういうことを申し上げた次第でございます。私は、直ちに法律をもってかような言論の自由を規制するがごときことを具体的に法律に盛り込むかどうかというようなことについては何ら触れておりません。これらは将来十分慎重に考え、またできる限り多方面の御意見も伺いまして、これらを取り入れて最も時代に適応した法律というものを立案してまいりたい、こう思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/3
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004・森本靖
○森本委員 その法律を検討する際に、これもあわせて検討したいということでありますけれども、私が言っておりますことは、こういう問題を規制するということは、そういう法律問題以前の問題ではないか。法律についてはいまいろいろ調査会において審議をせられておりますけれども、元来が、大臣が答弁したように、こういう問題は法律において論ずべき問題ではない。やはり自主的な規制においてこれを行なうべきである。それはどういうふうにやったらいいかということを大臣が検討することは自由でありますけれども、それを何か法律改正と同時に、この対策を法律改正によって得ていきたいというような意味にきのうの大臣の答弁ではとれるわけです。私が危惧しておりますのはその点であります。十分に検討いたしますということであるとするならばまだいいけれども、それを一歩前進をして、そういう点については法律改正の際にあわせて検討するということは、何か法的な規制というものを考えるような余韻を十分に与えておるわけであります。その点は私は、郵政大臣としてもう少し慎重な発言が必要ではないかというふうに考えるわけでありまして、特に私たちとしては、言論の自由という点についてはきわめて神経過敏でありますので、そういう点では十分にあらゆる角度から検討するということは、最も妥当なことでありますけれども、その結論を法律改正にゆだねるということは、これはやはり懸念をせられるわけであります。そういう点が私は大臣としてあまり早過ぎた答弁ではないかと考えるわけでありますので、重ねて大臣の答弁を願っておきたい、こう思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/4
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005・古池信三
○古池国務大臣 ただいま申し上げましたように、かような事態についても十分に考慮いたしまして云々と申しましたことは、ただいまお尋ねの中にありましたような、十分に検討いたす、こういう意味で私は使った次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/5
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006・森本靖
○森本委員 今後もこういう問題はいろいろ出てくると思いますので、そういう点については、ひとつ十分に慎重な答弁を配慮願いたいということを重ねて大臣にお願いをしておきたいと思います。私は、その言ったことがいいとか悪いとかいう問題をここで論じておるわけではございませんから、その点については十分に了とせられたいというふうに考えるわけであります。
それから電波局長にちょっとお聞きしますか、いま何かこの移動無線の電波センターの設立を考えておるというふうなことで、何か郵政省その他も援助しておるというようなことがニュースとして報道されておりますが、その内容をひとつ御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/6
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007・宮川岸雄
○宮川政府委員 最近におきまして、移動無線の利用の要望が非常にふえてまいってきております。それの主となりますものは、自動車のいわゆるハイヤー、タクシーの指令通話というようなものに使いたい、こういうような希望がございまして、それに関する申請もたくさん出ているわけでございます。従来はこういう移動用のものにあたります電波といたしましては、六〇メガサイクル帯と、一五〇メガサイクル帯を使っておったのでございますが、すでに大都市におきましては、そういうような波が満ぱいに近い状態に相なったわけでございまして、新たに四〇〇メガサイクル帯を開発いたしまして、これをもって移動無線の要望にこたえていきたい、こういうように考えているわけでございます。その場合に、この限られました四〇〇メガサイクルの波を最も有効に使うということをいろいろ考えました結果、すでにアメリカ等においても一部実施されておりますように、大都市の中央に基地へ集中いたしまして、それによりまして、妨害電波と被妨害電波との関係が常にその都市内におきまして同じになるということを利用いたしまして、周波数の非常な効率的な使い方をということを考えたい、こういうことを考えたのでございます。そのためには、従来のように小さなアンテナで各方面に分散いたしましていわゆる送信所ができますと、どうしても電波の効率が悪くなるわけでございます。使用能率が悪くなるわけでございまして、そのために東京都内等におきまして、今後非常に需要が予想されますところにおきましては、基地を集中いたしたい、こういうことを考えたのでございます。それにつきまして、現在東京の中央部にそういうような基地として向いている塔もございますので、そういうようなところを利用いたしまして、そこへ基地を集中する、こういうことを行政指導によってこの免許に対処していきたい。そのためには、その基地を保守、運営いたしますような、やはり財団みたいなものがあったほうが、この行政指導に非常に便利であろうということをいろいろ考えまして、そういう財団ができるならばそこに免許いたそう、こういうような方針を省といたしましてきめたような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/7
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008・森本靖
○森本委員 そういうふうな方針は一応けっこうでありますけれども、私はそういうふうな行政指導を郵政省が行なうということもこれはいいと思いますが、ただ、このニュースで見ますと、足立東商会頭あるいは全自協会長あるいは日立通信、そういう人々が集まってまたセンターをこしらえようというところの中に、郵政省がメンバーとして入っていって協議をするというようなことはいかがなものであろうか。だからそういうふうな際に、そういうセンターをつくろうと思うが、郵政省としてはどういう意見であろうか、あるいはそういうふうな点について質問があるならば、それは答えていくということは私はけっこうなことだろうと思いますけれども、そういうものを設立をする際に、その一つの発起人メンバーのような形において郵政省がやっていくということは、あまり私はかんばしくないのではないかというふうに考えるわけでありまして、いま非常に電波監理局の——これは小さな汚職でありますけれども、いろいろいわれておるような際において、こういう面の行政指導を行なう際におきましても、いま局長が言ったような行政指導を、行政庁の立場において指導するということは、まことにけっこうでありますが、そのメンバーの中にまで入っていってそれを促進し、なおかつ、その財団の設立にまでいろいろタッチしていくということは、ちょっと私は行き過ぎではないかというふうに考えるわけでありまして、そういう点はひとつ十分に考えながら、考慮しながら行政指導というものと、それから、そういう場合に中へ入っていってやる場合とは違うわけでありますので、その辺の真偽をひとつ局長から聞いておきたい、こう思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/8
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009・宮川岸雄
○宮川政府委員 森本先生の御指摘になりました点はまことにごもっともでございまして、われわれもそのように取り運んでおる次第でございます。省といたしましては、ただいまの免許方針を定めることと、それによります財団の設立を期待することにあるのでございまして、そういう財団の発起人に省の者が入るというようなことはもとよりしておりません。それから、そういう財団ができました場合におきまして、これは当然省の監督を受ける財団になるわけでございますが、そういう場合に、その財団のほうからの申し出があった場合におきましては、あるいは関係省庁というようなところがそれの評議員あるいは理事、もちろん無報酬の理事でございますが、そういうような中に入っていくということは考えておりますが、発起人その他に入った事実もございませんし、現在はその設立を待っておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/9
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010・森本靖
○森本委員 評議員に入るというのはどういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/10
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011・宮川岸雄
○宮川政府委員 全体の財団としての運営が、その目的に合うようにその評議員に入ることは、従来の例でもあるようにわれわれの調べではなっておりますので、そういうことは一応考えております。しかし、現在まだその措置をしておるわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/11
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012・森本靖
○森本委員 むろん理事者側に入るというようなことはないわけですね、理事とか監事とかいうものについては。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/12
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013・宮川岸雄
○宮川政府委員 われわれなおこの問題を十分に研究してまいりたいと思っておりますが、率直に申しまして、現在そういう財団の理事にわれわれが入ることもかまわないのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/13
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014・森本靖
○森本委員 これは共済会とか、弘済会とか、互助会というものとはだいぶ意味が違うわけでありまして、それは確かにそういうふうにいわゆる集中をして、無線塔によって、いわゆるアンテナによって行なうということはこれは好ましいことでありますけれども、その中に電波監理当局、郵政省が評議員なり、理事、監事として入っていくということはいかがなものであろうか、これはいわゆる利益団体ではないと申しましても、それを構成をするものは、やはりそれを受けるところの利益団体であります。それがすべて官庁の集まりとか何とかいうことならば別でありますけれども、これはそういう意味ではなしに、いま申しましたタクシー無線にいたしましても、それぞれにいたしましても、それはそういう理屈からいくとするならば、電電公社の現職の役員が船舶無線通信株式会社の役員になってもかまわぬという理屈になる。電電公社が投資しておるわけでありますから、しかも仕事の内容というものは、ほとんどこれは公共的な仕事をしておるわけでありますから、これはなるほど財団でありましても、その仕事の内容というものが電波監理当局なり郵政省がやるのは、そのセンターの行政指導にあずかることはけっこうだ。相談があれば十分に説明もしてやるし、こういうようなことというのは説明してもけっこうだ、行政指導に乗ってやるのも行政官庁としてもっともである。しかし私は、その中に評議員とか、あるいはまた理事、監事として入っていかなければならぬということにはならぬと思う。もし入っていこうとするならば、その人は退官をして入っていけばいいんだ、現職のままで郵政省の公務員がそのまま入っていくということは、あまり私は好ましくない。これは前島会とか、そういうものと意味が違うと思うのです、前島会とか互助会というものであるとするならば、それは場合によっては評議員くらいに入っておってもけっこうですけれども、それでも執行部には入ってないわけでありまして、理事、監事に入るということは望ましくない。できれば、私は評議員にも入る必要はない、行政指導には十分に相談に乗ってやれ、こういう意味のことを言っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/14
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015・古池信三
○古池国務大臣 私からお答えいたします。
この問題は、全体の構想なり、あるいは大筋につきましては、私も報告を聞きまして賛意を表したわけでありますが、具体的な設立の手続、あるいは役員のメンバー、そういうような点については、今日までのところ私は関知しておりませんので、局長に委任をしておるわけであります。しかし、ただいまの御質問に対する答弁等を考えてみましても、やはり私もこれが将来法人として設立された暁においては、公務員がその役員等に入るということはふさわしぐない、こう考えます。もっとも退官した人が学識経験者として入ることは、これは別段差しつかえない、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/15
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016・森本靖
○森本委員 いまの大臣の答弁でけっこうでありますが、十分にひとつそういう点については注意をして行政指導をやっていただきたい。そうでないと何でもないのに色目で見られるという点がありますので、そういう点は十分にひとつ考えながらやっていただきたいというふうに考えるわけです。
それからもう一点お尋ねしておきたいと思いますが、これも小さな問題でありますけれども、この間新聞にアマチュアのテレビの開局の問題が載っておったわけでありますが、これは電池法上一体どういうことになっておるわけですか。一体どのくらいの周波数帯を使って、電力はどのくらいで、それから免許というようなものはどうなっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/16
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017・藤木栄
○藤木説明員 お答え申し上げます。
アマチュア無線につきましては、お尋ねのテレビのバンドは四〇〇メガ帯、それからさらに二〇〇メガ帯あるいは二五〇〇メガ帯というふうに、たくさんアマチュアとして世界的に分配された周波数帯がございまして、その中でアマチュアがいろんなアマチュア自身としての実験その他をやっておるわけでございますが、お尋ねのテレビの問題につきましては、多分、四〇〇メガ帯という周波数帯を最近アマチュア用として割り当てまして、その中でテレビもやっていいということになっておりますので、この間アマチュア・テレビの第一号というものが出てきたのだろうと思います。ただし、これはあくまでも四〇〇メガ帯という特別の周波数帯でございまして、現在放送局がやっておりますテレビの周波数帯とは全然別のものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/17
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018・森本靖
○森本委員 その場合に、その出力とエリアの範囲はどの程度になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/18
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019・藤木栄
○藤木説明員 お答え申し上げます。
アマチュアの出力は十ワットでございまして、現在放送会社でやっておるテレビの出力が十キロとか、そういうものから比べますと、非常に小さなものでございまして、東京都内でもしやるとすれば、せいぜい数キロしか届かないようなものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/19
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020・森本靖
○森本委員 せいぜい数キロといいましても、半径を描いてどの程度になりますか。これはアマチュアというけれども、その行動範囲の、いわゆるエリアの範囲内では必ずしもアマチュアだけではなくなってくるのではないかという気もするのです、場合によっては数キロといっても、たとえば人口の密集した地帯におけるやり方をすれば、かなりこれはおもしろいかっこうになると思うのです。この間も私は郡上八幡の場合の問題を聞きましたけれども、このときには回答を得ておりませんが、今度の場合、私が聞きたいのは、その十ワットの出力で、東京都内の平たん地の場合に、その送信局から大体エリアが半径がどの程度になるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/20
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021・藤木栄
○藤木説明員 お答え申し上げます。
四〇〇メガ帯の周波数と申しますのは、超短波の少し上のほうでございますが、結局到達する囲範というのは電波が出るアンテナの高さによるわけでございまして、これが非常に高くなれば、たとえば東京タワーの上からもし四〇〇メガサイクルで十ワットのアマチュア・テレビを出したとすれば、これは相当遠くまでいくだろうと思います。ただし、現在アマチュアと申しますのは、御存じのように大体学生だとか特に無線に興味を持っておるような人々がやるわけでございまして、特にお金持ちがやるというわけでもございませんで、皆さん町のジャンク屋で部品を買い集めて自分でテレビを組み立てて、そして送っておるようなわけでございまして、とてもそういった大がかりの放送をやるというようなことでございませんし、また、これは事実問題としまして、いわゆる放送というようなものでございませんで、アマチュアが自分の興味のためにやるというふうに、アマチュア無線というものは世界的にも電波法でもはっきり定義づけられておるのでございまして、一般の人々に聞かせるようなものをもしやるとすれば、これは明らかにアマチュア無線を逸脱しておるというわけでございまして、決してそのようなことはあり得ないし、もしそういうようなことがありましたら、こちらで当然取り締まるということになろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/21
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022・森本靖
○森本委員 そういうふうに言われるけれども、大体アマチュア無線というものは、いままで交信を行なうためのアマチュア無線です、アマチュア無線の定義というものは。ところが、テレビのアマチュアになってきた場合にはそうはならぬわけです。これは必ずしも特定の者でなくても、不特定多数の者でも一その機械を設置すれば受像できるということになるわけです、交信をしないわけでありますし、一方的に受けるわけでありますから。無線のアマチュアの場合は、お互いに交信をするためにアマチュアが行なっておるわけですから、そこにテレビのアマチュアの場合といまの無線交信のアマチュアの場合と私は違ってくると思う。だから、そういうふうに言われてもこれのエリアの範囲内においては、ある程度、アマチュアでなくても、利用しようと思えばできるわけだ。だからその辺のことをそう簡単に、アマチュアだからそのままでいくということには私はならぬのじゃないかと思う。だから、いままでのように無線電話なり、無線通信の交信ということであるとするならば、これはけっこうアマチュアでいくわけですけれども、これは放送じゃないと言うても、放送と同じ理屈になるでしょうが、現実には無線でないから。そうじゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/22
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023・藤木栄
○藤木説明員 お答え申し上げます。
結局電波を使うということになりますと、これはもちろんいまのテレビじゃございませんでも、その電波の性質上相当拡散いたしますので、広がるわけでございます。もしそれを受けようとする人があれば、だれでも受けるということができるわけでございます。ただテレビのほうは、アマチュア同士が、自分でつくりまして、そしてたとえば自分の顔を映して送るとか、簡単なアマチュアとしての興味のありそうなものをつくって送るとか、そういったような程度のことであると思うわけでございます。いわゆるアマチュア業務というものは、電波法の定義にもございますように、「金銭上の利益のためでなく、もっぱら個人的な無線技術の興味によって行う自己訓練、通信及び技術的研究の業務をいう。」というふうに定義づけられておりまして、私どもといたしましては、この定義をあくまでも守っていきたいというふうに考えておりますので、テレビというものの性質から、一方的な交信ではございますけれども、やはりアマチュア同士ということには変わりないわけでございまして、興味のあるアマチュアの人が自分で受信機をつくりまして、相手の人の電波を受けるというかっこうになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/23
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024・森本靖
○森本委員 だから私が言っておるのは、それはいまはそうなんだと言っておるわけだ。そんならかりに行動半径が半キロなら半キロの密集地帯で、それならアマチュアのために映画をつくったらどうなるのです。利害関係じゃないのです、クラブ式にやって全然利益を得なかった場合。だから法律というものは、次々に新しく出てくるものに対してはやはり研究していかなければいかぬと思う。いままでの考え方とは違わなければならぬと私は思う。このテレビのアマチュアの場合でも、やはりいままでの無線交信のアマチュアのような形の考え方では私はちょっと不安な気がするわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/24
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025・宮川岸雄
○宮川政府委員 森本先生の御指摘もわれわれいろいろ考えなければならない点があるように思います。ただアマチュアのこういう通信は、あくまでもその電波の質であるとか、その雑音の状態であるとか、技術的ないろいろな条件、そういうようなものを確かめるために電波を出して、そうしてお互いにその内容について批判するということによって技術の向上、あるいは研究を進めていく、こういうのがたてまえになっておりますので、そういうようなものから逸脱いたしまして、単に娯楽のためであるとか、あるいは個人の通信であるとかというようなものを、長時間をかけて本来の目的から逸脱した場合においては、あくまでこれはアマチュアの免許の基本的な考え方に違反するものとしてわれわれは取り締まっていかなければならないものと考えます。その点につきましては、内容が音楽であろうと、画像であろうと、一つの精神というものは同じで取り締まっていけばいいのではないか、こんなふうに考えるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/25
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026・森本靖
○森本委員 私どもはそういうものが急激にどうこうするということはないと思うけれども、それは有線放送電話のときのことを振り返ってみたらよくわかると思う。明らかに公衆電気通信法違反だ違反だと言っておってだんだん太ってきたものだから、しょうことなしにああいう法律をつくってしまった。だから、こういうものはでき上がったときに、いまの法律で十分でございますというようなことじゃなしに、あらゆる観点から、あらゆる状況から検討しておかなければならぬということを私は言っておるわけです。いままでのアマチュアの交信の考え方ではこの問題についても律し切ることができなくなるときもあるのではないか。それは研究のために組み立てるということで、いまの受像機ではだめですから、別に自分でこしらえなければだめだから、それならそれがかなり安く——五十円ないし百円でてきて、それは一々研究のために映画をつくってみようということでクラブになってきたらどうなる。現実にそれは研究用とは言えない。そういうことは可能性があると言うわけです、事実問題として。だから安い映画を持ってくるなり、あるいは自分で映したやつをおもしろいということで送ったりするということもあり得るわけだ。だからそういう問題について、電波界というものは日に日に進歩していっておるわけですから、そういうものに対応すべくあらゆる状態から検討しておかないと、郡上八幡みたいに有線放送やら何やらわからぬことになってしまう。結局あれは有線放送で許可しているけれども、有線放送で許可するというものも実際問題としてはいいかげんなものだ。だからそういう問題を通信部長の言ったように、簡単にここに条項があるからこれで片づけますということではなしに、こういうことをやっていった場合にはどういうことになってどういうことが関連をせられるかという、あらゆる問題を想定して考えていかなければならぬ問題じゃないか。いままでのように簡単に、これはアマチュアの交信であるということでは片づけられない問題が出てくるのではないか。人はおもしろいものになってくるとどんどんその方向へ発展していきますから、私は必ずしもこれが発展するとは思わぬけれども、やりようによってはこれはかなりおもしろい問題にはなると思う。
その辺を私が言っているのは、何か妙に電波監理当局というものは頭がかたくて、現在の問題に非常にしがみついておって、先の先を考えていくという能力がないのじゃないか。やはりこういう問題をやるときには、将来のこともあらゆる角度から検討して、そうして準備して判断をしておいて、さてこれでということにしたほうがいいのじゃないかということを私は言っているわけです。そういう方面の研究が十分立っておれば別ですけれども、私は私なりにあらゆる場合を想定して、こうなった場合には現行の法律ではどうなるか、こうなったらどなるんだということを考えてみるわけです。だから、そういうふうに電波監理当局としても、こういう新しい事態の問題に対しては、早くから研究し考えておかなければ、その場になってあわてることがないように、こういう意味で質問をするわけであって、別にあなたのほうをやっつけるという意味じゃないわけでありますので、その点をひとつ十分了とせられて今後こういう問題についても研究を願っておきたい、こう思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/26
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027・宮川岸雄
○宮川政府委員 私は着任以来電波監理行政につきましては特に先を見て、そうして一般の要望よりもわれわれの考えが先にあるようにすべきである、こういうことで私はやっておるつもりでございます。ただいま先生からも、そういうようなことで御激励をいただきましてありがたく思っておる次第でございます。
ただいまのテレビジョンの問題につきましても、もしこれが将来われわれの予期せざる方向に発展するということになりますれば、当然私たち責任を感じなければならない問題でございまして、十分に監視というと語弊がありますが、その成長ぶりを十分に監督しながら見てまいりたいということを考えております。
なお、このアマチュア無線の問題につきましては、従来からもアマチュア無線連盟というようなものがございまして、そういう中におきましても、いろいろと自主的に、会員同士の間におきまして、使用方法その他につきましても自主規制をやりながらよく統制をとってやっていくというようなこともございますので、そういうような方向も今後助長しながら十分監督してまいりたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/27
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028・森本靖
○森本委員 いまのアマチュアのテレビの第一号の状況を、ちょっと資料としてお出しを願いたい、こう思うわけです。
それからついででありますので、資料として現在の電電公社のマイクロウェーブの全国の中継所をずっと図解にして、それから何ルートあるか、そういう問題を全部全国のマイクロウェーブのルートが一目瞭然にわかるような形の資料をひとつ私は電電公社のほうに要求して取り寄せていただきたいというふうに考えます。それで電電公社だけでなしに、さらにまた電力、それから国鉄、一般の場合もあると思いますが、それもすべて含めて、マイクロウェーブのいまの全国の状態を図解にして、だれが見てもすっとわかるような要頭のいい資料をお出しを願いたい、こう思うのですが、いいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/28
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029・宮川岸雄
○宮川政府委員 御満足のいくようなものができるかどうかはわかりませんが、できるだけ御満足のできるようなものをつくって御提出いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/29
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030・森本靖
○森本委員 これはみんな各委員に配るわけですから、そのつもりでつくっていただきたい。これはやはりマイクロウェーブの将来のために、日本全国にどの程度、どういうふうになっておるかということを、ちょうどこの法律改正のいい機会でありますので資料としてお出しを願いたい。
それから、伝えるところによりますと、十月十日から西日本、中国、九州方面のマイクロウェーブのいわゆる改造を行ないまして、カラーテレビが送信されるということを聞いておりますが、この内容をひとつ説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/30
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031・吉灘中
○吉灘説明員 電電公社の北日本ないし西日本ルートのマイクロ回線の設備の保守を良好にいたしまして、そしていまの高規格のものにほとんど近い状態にまで持っていく、そういうことによりまして、オリンピックのカラー放送の実現に電電公社として協力しようということになりまして、それでNHKはこのメーンルートにつきまして十五ヵ所にカラー放送が実施可能となるような工事を進めていきたい、こういう計画で進めております。北から申し上げますと、札幌、盛岡、仙台、それから東日本はみなやっておりますから飛びまして、岡山、広島、防府、福岡、大分のほう、四国一円、こういう計画でございます。それから民間放送は、仙台の東北放送、それから四国の四国放送、この二局がこのルートの中では実施するように聞いております。その程度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/31
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032・森本靖
○森本委員 そういたしますと、NHKの場合は、北海道の札幌と、それから現在あるところを除いて、四国、それから中国の山陽方面と、それから九州全部ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/32
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033・吉灘中
○吉灘説明員 九州は福岡と大分、熊本が入っておったとたしか記憶しておりますが、鹿児島・宮崎は入ってなかったと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/33
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034・森本靖
○森本委員 あとは全部だね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/34
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035・吉灘中
○吉灘説明員 はい。そのかわり、いま申し上げましたのは、メーンルートでございまして、そのメーンルートから放送波中継を受けます局がぶら下がっております。中継局でございますから、そういうところも実施が可能でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/35
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036・森本靖
○森本委員 それでNHKのルートはわかりましたが、民放の場合は、いまあなたが言ったように四国放送だけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/36
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037・吉灘中
○吉灘説明員 先ほど申し上げましたように、仙台の東北放送も実施するように聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/37
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038・森本靖
○森本委員 そうすると、仙台と四国放送、この二局だけですか。あとの民放は全然計画がないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/38
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039・吉灘中
○吉灘説明員 いまの既存のNHKが実施しておりますところ以外は、今度新しく電電のマイクロ回線の保守を良好にいたしまして、高規格に準ずるような回線を新たにこれから設置するところにつきましては、いま申し上げた二局でございます。その他名古屋あるいは大阪で、たとえばフジテレビの系列の会社が——これはいままで現にやっていないところで、名古屋の民放あるいは大阪の民放でカラー化を実施するところがございますが、いまNHKが十五局やるわけでございますが、それに相当するのは、大体民放では二局というように聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/39
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040・森本靖
○森本委員 その名古屋、大阪の問題を私は言っておるわけではなしに、新しく今度十月一日からNHKがカラー放送を始めるというところは中国、四国、九州を合わせまして——四国放送というと、たしか徳島だったと思うのですが、徳島一局だけの民放である……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/40
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041・吉灘中
○吉灘説明員 あとは東北の……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/41
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042・森本靖
○森本委員 東北は別です。近畿のことを言っているから……。それでその場合、何かさびしいような感じはしないのですか。全然ほかのところはやらぬというのはどうでしょう。民放は、ふだんはおれのところにくれ、おれのところにくれということを盛んにやかましく言うのだが、こういう先駆的な役割をやる場合には、金もうけにならぬから引っ込もうということでは、ちょっとおかしいような気がするわけですが、これは何かマイクロウェーブの関係ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/42
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043・吉灘中
○吉灘説明員 私もその話を聞きまして、意外に少ないのにびっくりしたわけですが、当初もう少しやるような計画もあったようでございますけれども、民放としましても、いま中継局の増設に忙しいわけでございまして、カラー化まで手が回らないというところがあるように聞いておりますが。マイクロ回線とは関係ない問題でございます。電電公社としましては、端末の工事を実施しなければなりませんが、民放はさらに数局ふえても、別段電電公社の高規格工事には差しつかえないだろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/43
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044・森本靖
○森本委員 いまの民放局を見ても、中継局を設置しなければならぬということでかなり金が要ることは事実でありますけれども、そうかといって、いまの民放局で欠損になっているというテレビ局はどこにもないわけです。そういう状態から見た場合に、今度十月一日からNHKがカラー放送を一応踏み切ってやろうと言っているときに、たとえば中国、四国、九州で民放局はわずか一局しかカラー放送をやらないというのは——これはやるにしたところで、全日放送をやるわけではないのですから、一日一時間か二時間程度しかやらぬわけですから、民放が基幹放送だということでいばるなら、やはりこういうときにはある程度の犠牲を払ってでもやるという方向に持っていくべきではないか。だから、こういう点については、それはあなたの言うように、強制する力はありませんけれども、何らかの形において、やはりそういう点を行政指導し、そういう方向に持っていくようなことをやっても、私は別に圧力を加えたことにならぬと思う。そうでなければ、民放自体がやはりNHKより一段おれのほうがあとだということを自認したような形にならざるを得ない。その辺をいわゆる電波監理行政をつかさどるところの郵政省としてはどう考えておられるか。だから、そうなってくると、これは民放諸君の言っているところのNHKの受信料の問題についても、これはまた変わった意見になってこざるを得ない。だから、やはり論旨一貫するとすれば、ある程度の犠牲を払っても、この際は若干の時間でも踏み切ってみるべきではないかという点は、やはり郵政省としても行政指導をすべきではないか、こう思うのですが、その辺は大臣どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/44
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045・古池信三
○古池国務大臣 NHKといわず、民放といわず、国民としては、できるだけ多くの番組を見たり、聞いたりしたい、こういう要望を持つことは当然だろうと思います。これにこたえて民放が、今回カラーテレビを——せっかく電電公社のほうで努力して、マイク属回線の整備をしようというのでありますから、その意思もくんで、積極的に考えるということは望ましいことと考えております。しかしながら、それらについては、相当多額の経費も要るやに承知しておりますので、民放の経営者が自主的な事業者としての使命感に徹して考えてもらうことがまず第一に先決問題であろうと思います。行政指導と申しましても、相当な費用を要する問題であれば、いまお話に出ましたように、あまりに強制的な指導もしにくいわけでございます。しかしながら、国民の立場から申せば、特にこの秋のオリンピックを控えまして、国民の要望に沿うように進めてもらうということはけっこうなことでありますから、機会がありました場合に、さような意思は表示してみたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/45
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046・森本靖
○森本委員 カラー放送についていまのような状況でありますけれども、この十月一日から全国的に相当NHKがカラーをやるということになりますと、問題になりますのは、やはり受像機の問題であります。いまのところ、例の九万円のカラー受像機ができたというようなことが新聞で報道せられているわけでありますが、この受像機の今後の見通しというものを電波監理局はどう思っておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/46
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047・宮川岸雄
○宮川政府委員 ただいまの九万円のカラーテレビの受像機というのは、三菱でつくりましたものをさしておいでになるというふうに考えますが、いま直ちにここでこれが将来大いに望みがあり、有望であるというふうに断定するとか、あるいはそうでないと断定するとかいうほどの資料もまだございません。率直に申しまして、しばらく静観いたしたい、そういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/47
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048・森本靖
○森本委員 しばらく静観するのはいいんですが、電波監理当局はその九万円の受像機を見てみましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/48
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049・宮川岸雄
○宮川政府委員 私は、あれはのぞいて見るようになっておりますので、自分でのぞいて見たことはございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/49
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050・森本靖
○森本委員 これはのぞいて見たって——いまとにかくカラーテレビが普及しないということは、受機像が高いというところに最大の原因があるのであって、かりに九万円の受像機でカラーがある程度完全に見え得るということが実際に実現するとなった場合には、私はカラーは正力さんの言うように、逆に相当普及していくと思う。問題は、いまは受像機にかかっているわけです。そういう場合に、ここで受像機の問題だからといって通産省だけにまかしておくのではなく、専門的な立場に立つ電波監理当局というものは、やはり最大の関心を払って、そういうものが安く、いいものが大量に生産されていくということになりますならば、積極的にそれを推進していくくらいの意気込みがあっていいと思う。そうでなければ、いま言ったように十五局NHKがカラーテレビを日に二時間くらいやったところで、ほんのわずかしか見ないということになれば無意味なんです。しかしこれがかりに九万円の受像機ということになるとするならば、私は相当普及していくと思う。だから、そういう点については、少なくとも電波監理局長なりあるいは技術部長か何か知らないけれども、そういう担当の部長か課長くらいは、できたらさっと飛んでいって見せてもらって、それはいいものか悪いものかということを専門的な分野から見て、ほんとうにこれが大量生産されるものであるかどうかというところまで研究をしなければならぬじっとすわっておったのでは仕事にならぬ、はっきり言って。その点でまだまだ郵政省の監理当局というものは、そういう点の熱意がないんじゃないか。局長はのぞいて見たと言うが、のぞいて見た程度ではこれはどうにもならぬ。よく見て、やはり普及発展をしていくように考えていくのが電波監理局長の任務でなかろうかと私は思う。単にマイクロがあってカラーを日に二時間放送するということだけが能じゃないのです。それを何ぼやられたって受像機がなければ意味がありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/50
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051・宮川岸雄
○宮川政府委員 先ほどのぞいて見たと申しましたのは、文字どおりのぞいて見たのでございまして、それは三菱でつくっておりますカラーテレビは、こういうのぞくものの奥のほうにブラウン管がございまして、いままでのような三色のシャドーマスクを使ったものでなく、非常に安くできておりますが、これは多くの人が、見られない、いわばそのそばにいる二、三人の者にしか見られない、そういうものが最近できておりまして、それは文字どおりのぞかないと見られないので、それでのぞいて見たと申しましたので、決してちらっとべつ見したという意味ではございません。最近そういうものでないもので十万円を割るテレビができたということを聞いておりますが、私はまだそれを見ておりません。
カラーテレビの問題につきましては、われわれも十分関心を持っておりまして、いつでも座談会に出席するとか、あるいはそういう関係の方の陳情を聞くとかいうことは積極的にいたしておりますが、カラーテレビがいわゆる九インチといった小さいものに今後の使命を求めていくか、それとも、カラーになったからには、むしろもっと大きな画面のものにしていくかというようなことにつきましては、専門家の間におきましても相当意見が分かれているようにも聞いておりまして、今後のカラーテレビの発展の問題につきましては、たとえばアメリカ等につきましても、最近急に非常に伸び出したというようなことも聞いております。専門家の間におきましては、日本においては、日本人は非常に色彩感が高いから、そうアメリカほど発展しないであろうというような意見もありますけれども、われわれは先生のおっしゃいましたように、大いにメーカー関係のほうについても十分連絡をとりながら、電波のむだ使いということのないようにしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/51
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052・森本靖
○森本委員 こういう問題でメーカーに交渉し、あるいは当たるというようなことは、これはひとつも遠慮する必要はないわけであって、悪いことさえしなければ、そういうメーカーとつき合ったって何もかまわないわけです。いい受像機をどんどんつくれということを奨励するなり、あるいは専門的な分野からそういう点を聞かれれば、その質問にも答えるということはどんどんやっていいと思うのです。私は、そういうことはちっとも遠慮する必要はないと思う。逆に通産省なんかよりも電波監理当局のほうが専門でありますから、そういう点は、電波技術研究所あるいはNHKの研究所、そういうものも大いに利用して、こういう受像機の開発に一役を買うべきであると考えるわけでありまして、そういう点、案外電波監理当局というものは、おっとりかまえているのじゃないかという気がするわけでありますが、今後とも、受像機の開発ということについては、電波監理当局としても、専門的な分野からひとつ十分に御努力を願いたいということを希望いたします。
なお、法律案件に関する各条項にわたりますことは次回に譲りまして、これできようは終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/52
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053・加藤常太郎
○加藤委員長 本日はこの程度とし、次会は明後五日午後一時から開会することとして、これにて散会いたします。
午後二時二十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02719640603/53
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