1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年六月十日(水曜日)
午前十時五十四分開議
出席委員
委員長 加藤常太郎君
理事 秋田 大助君 理事 上林山榮吉君
理事 佐藤洋之助君 理事 森山 欽司君
理事 大柴 滋夫君 理事 栗原 俊夫君
理事 森本 靖君
木部 佳昭君 小泉 純也君
佐藤 孝行君 椎熊 三郎君
本名 武君 山本 幸雄君
片島 港君 柳田 秀一君
受田 新吉君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 古池 信三君
出席政府委員
郵 政 技 官
(大臣官房電気
通信監理官) 野口 謙也君
郵政事務官
(電波監理局
長) 宮川 岸雄君
委員外の出席者
郵政事務官
(電波監理局法
規課長) 高田 希一君
郵 政 技 官
(電波監理局無
線通信部長) 藤木 栄君
日本電信電話公
社総務理事 平山 温君
日本電信電話公
社施設局長 橋本 一郎君
専 門 員 水田 誠君
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六月六日
特定郵便局舎等整備促進法案の成立促進に関す
る陳情書(第五九四
号)
東北地方にカラーテレビ放送網拡充に関する陳
情書(第五九五
号)
テレビジョン及びラジオの難視聴地域解消に関
する陳情書
(第六九一号)
有線放送電話関係法の改正等に関する陳情書外
十二件(
第七三六号)
は本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
電波法の一部を改正する法律案(内閣提出第一
四六号)(参議院送付)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/0
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001・加藤常太郎
○加藤委員長 これより会議を開きます。
電波法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
質疑の申し出がありますので、これを許します。森本靖君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/1
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002・森本靖
○森本委員 それではきょうは、この前に引き続きまして、この間は条約に基づくところの電波法の改正でございましたが、今回は、高層建築物に対するマイクロ波の通信障害対策について新しい規定を電波法の中に設けるということになっておりますので、それについての質問を行ないたいと思うわけであります。
まずお聞きしたいと思いますことは、郵政省と建設省との間でマイクロ波の通信路の障害対策に関して何か覚え書きを交換しておるということを聞いておりますが、その内容はどういうことになっておるか、それから、その覚え書きと今回の改正措置との関係がどうなってくるか、その点を御説明願いたい。これは事務当局でけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/2
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003・宮川岸雄
○宮川政府委員 昨年の十一月二十五日に郵政省と建設省との間におきまして、高層建築物によるマイクロ波通信路の障害対策に関しまして覚え書きを交換しているのであります。その覚え書きの内容は、マイクロ波の伝搬路に障害を与えるおそれのある高さ三十一メートルをこえる建築物、その建築物を建てようと思って建築主が建築の確認または許可の申請書を都道府県知事、いわゆる特定行政庁に提出しなければなりませんが、この提出した場合におきまして、それによって大体どういうような三十一メートルをこえる高層建築物ができるであろうかということが、都道府県知事のほうにはわかるわけでありますから、それをなるべく早く電波監理局のほうが知りまして、それによって免許人の申請を指導していこうということのために、ただいま話しました確認もしくは許可の申請書が出ました場合に、その申請の概要を知り得るようにしようということで、建設省、郵政省との間でもって協力を約束したものでございます。この覚え書きが締結された後におきまして、実際にこういう大きなものが出てきて伝搬路の障害になるというようなことはまだ起こっていないようでございます。
今般の電波法が改正されましても、法律では重要通信路というものを特にきめまして、重要通信路に対しましては、今回の法律にあるような、建築主のほうに対しましても義務を課しているわけでありますが、それ以外の分野の通信というものもございますので、今後もこの法律に該当しない部分の通信に関しましては、この覚え書きによりまして、両者が協力をいたしまして、今後重要通信路でないマイクロウエーブが障害になることを未然に防止するというたてまえにおきましては、この覚え書きが役立つものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/3
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004・森本靖
○森本委員 その覚え書きを資料として御提出を願いたいと思います。
それから、その覚え書きによって今回の改正措置がなされておるということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/4
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005・宮川岸雄
○宮川政府委員 この覚え書きは、とにかく両者の間におきましての協力によって、実際に法律が制定されなくても、ある程度行政的な指導によっていくことができるようにという趣旨でつくりましたもので、建築主側に法律的な義務が課せられていないわけでございますので、今後重要通信路に関しましては、この法律によりまして二年ないし三年の建設の延期と申しますか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/5
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006・森本靖
○森本委員 局長、私の質問をよく聞いて、それに対して合った答弁をしてもらわないと、そこに書いてあるとおりの答弁をしたら時間が長うなります。いいですか。私が聞いておるのは、いまの点は、その覚え書きに従ってこの改正がなされておるかどうかということですから、その改正がなされておるならおる、なされておらなければそうでない、そういう回答をしてもらわないと、初めから用意した回答をそのまま読んでおったら、これは三時間か四時間かかる。そんな時間はこっちもないから、局長、きつく言うようだけれども、その辺ひとつ要領よく答弁してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/6
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007・宮川岸雄
○宮川政府委員 法律改正をする前に覚え書きを交換いたしまして、事前の策をとったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/7
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008・森本靖
○森本委員 そこで、その覚え書きに従ってこの改正がなされておる、大体こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/8
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009・宮川岸雄
○宮川政府委員 覚え書きの趣旨を一段と法律的にはっきりさしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/9
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010・森本靖
○森本委員 そういうふうに質疑応答していけば早くいくから、ひとつ十分考えて答弁を願いたいと思います。
そこで、次にちょっと参考までに聞いておきたいと思いますが、要点を要領よく答えてもらいたいと思います。
マイクロ波の通信路の障害対策について、諸外国の立法例というものを一応御説明願いたいと思うのです。大体主要国でけっこうですから、速記録に残しておきたい、こう思っておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/10
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011・宮川岸雄
○宮川政府委員 この問題につきましては、十ヵ国に実情を照会いたしまして回答を求めております。立法措置を講じております国が二ヵ国でございます。これはフランスとイタリアでございます。立法措置を講じないで、行政上その対策を講じております国が四ヵ国ございまして、これはイギリスとカナダとデンマーク、スウェーデンでございます。他の四ヵ国のアメリカ、オーストラリア、ベルギー、スイスにつきましては、立法上、行政上の措置を講じていないということを回答をもらっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/11
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012・森本靖
○森本委員 そういたしますと、アメリカのようなところはどういうふうになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/12
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013・宮川岸雄
○宮川政府委員 アメリカにおきましては、マイクロ波の利用と建物の建て方ということの関係におきまして、建物が非常に高いわけで、そういう上にマイクロウェーブの設備をつくるということが初めからあったとみえまして、そういうようなことの必要がおそらくなかったのだろう、そういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/13
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014・森本靖
○森本委員 そうすると、エンパイアステートビルの上に、ニューヨークの送信所みたいなものがあるんじゃないですか、たしかそうだったと私は記憶しておるのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/14
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015・藤木栄
○藤木説明員 エンパイアステートビルの上には、御存じのようにテレビのアンテナがありまして、ニューヨークシティをカバーしている。そのほかにいろいろなマイクロウェーブの施設もございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/15
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016・森本靖
○森本委員 そうするとアメリカでは、初めから、高い建物ができておって、その上にマイクロ波を受けるものができておるからその必要がない、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/16
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017・宮川岸雄
○宮川政府委員 そのとおりだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/17
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018・森本靖
○森本委員 その場合にも、しかしそれより高い建物ができたら困りはしないか。だから、私もこの間アメリカに行って、そのことをちょっと聞いたことがありますけれども、それに対する回答としては、まあそういう心配はないというようなことを言っておりましたが、しろうと考えでは、これがたとえばデンバーとか、あるいはああいういなかのほうの——いなかというか、ああいう都市に行った場合に、将来これはひっかかってくるんじゃないかというようなことも懸念をされるわけですが、そういう場合に、たとえば市内は市内で、ケーブルならケーブルで引っぱるというような措置をアメリカで講じておるところはないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/18
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019・藤木栄
○藤木説明員 アメリカにおきましては、先ほど局長からの答えがありますように、大体建物のほうが先にできまして、マイクロウェーブのほうはあとから発達したものでありますので、高い建物の上にパラボラのアンテナをのせるとか、あるいは郊外の、建物と関係のないようなところに中継所を置きまして通信をやっている。その郊外からは当然ケーブルで市内へ運んでくるというような現状であると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/19
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020・森本靖
○森本委員 そういうふうなことも日本でもやはりある程度考えてみる必要がありはしませんか、電電公社は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/20
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021・平山温
○平山説明員 お答えいたします。
マイクロウェーブを都心までマイクロで引くか、あるいは郊外までマイクロで、そこからあと同軸ケーブルにするか、こういう問題でございますが、経済的に申しますと、マイクロウエーブを都心まで持ってこられるほうが経済的だと思います。ただ、いまのような電波の妨害というようなことを考えますと、場合によっては同軸ケーブルで引く場合もございますけれども、その辺は、アンテナを高くした場合、あるいはアンテナを高いところに置くことができる場合には、なるべく都心までマイクロを引き込むようにするほうがいいと思いますし、そういうことが許されない場合には、郊外にマイクロのステーションを置いて、そこから同軸ケーブルということをやはり個々の具体的なケースについて考えていくべきだと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/21
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022・森本靖
○森本委員 そういうものを個々の具体的なケースで考えるということよりも、今後やはり総合的な日本の都市計画というものと、それからどうせ日本の通信計画というものは、日本の経済力の発展した形において総合的に計画していかなければならぬわけであって、電電公社もやはり第三次五ヵ年計画、第四次五ヵ年計画をやるに従って、そういう恒久的な一つの方策を考えていく必要があるのじゃないですか。個々にやるということよりも、総合的にそういう問題を計画していくということが必要なんじゃないかということが気にかかるわけですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/22
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023・平山温
○平山説明員 具体的な例で申し上げますと、東京の場合には大手町に市外局がありまして、その上にマイクロの鉄塔も立っております。なお、東京にはそのほかに渋谷あるいは麻布の六本木、こういうところにマイクロのターミナル・ステーションを持っております。そこでいまの東京の場合、郊外がどの辺かということでございますけれども、具体的に言いますと、いまの東京の市外局の屋上、それから麻布の六本木の屋上、それから渋谷の屋上、そこまでマイクロで持ってまいりまして、それからあと同軸ケーブルで関係の電話局まで線を引いている、こういう実情でございます。
そこで、東京の市外局なんか相当建物が高うございますから、その上に市外のアンテナを建てておりますから、こういう場合には都心までマイクロで持ってきておりましても、いまのところ問題ないと思います。それをもしもこういうものを全部郊外に置いて、都心に入るのは全部同軸ケーブルということにいたしますと、先ほど申しました経済的の問題以外に、道路の掘さくその他いろいろ問題がございますので、私どもといたしましては、事情の許す限り都心までマイクロウエーブを持ってこられるものは持ってきて、これない場合に限って次のケーブルを利用した方法を考えていくべきではないか、かように思っております。また諸外国でも大体さようにやっておるように承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/23
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024・森本靖
○森本委員 これは諸外国と日本の場合はだいぶ違うのです。いままでの日本の場合は、高層建築が、日本の特殊な地層状況からできてないわけです。ところが、いまの建設省の方針が、高層建築を許可するという方針に変わりつつあるわけです。だからいま平山君が言ったようなやり方では、将来の日本の建築に見合っていくマイクロ回線の確保ということについては、私はびほう策だと思う。金は相当かかるにしても、一応そういうものは根本的な対策を立てて、しかし、これは経済的にやむを得ぬからこうだということなら話はわかる。やはりそういうふうな計画を立てるべきじゃないか。たとえば、あなたからもらった図面を見ても、これは電電公社だけのマイクロじゃありません。電力会社その他国際電電のマイクロもありますけれども、この東京にこれだけのマイクロウエーブの回線があれば、今後どっかの建物がひっかかってきますよ。だから、これは電波監理当局がこれに対する許可権を持っておるわけです。電電公社は電電公社だけの一つの計画を持って売るわけですが、こういうものを一つの総合的なターミナル形式というものにできないものであるかどうか。電電公社は電電公社だけのことを考え、電力会社は電力会社だけのことを考えるということでなしに、もう少し広範囲に総合的な通信政策を立てる必要があるのではないか。そういう点にどこか日本の場合欠けておる点があるのではないかということを私は特に指摘したいわけです。
電電公社とすれば、いまの経営状態から、それから新しい自動化の装置、そういうことを考えてきた場合には、それは平山氏が言ったような答弁になることはうなづけますけれども、そうかといって、それだけの任務じゃない。やはりこういうふうなことに総合的な計画を立てていく必要があるのではないか。実は私自身も、この図面を見るまで、東京にこれだけのマイクロウエーブが引かれておるということは想像だにしなかった。ところが、実際に図面を見てみると、これだけ引かれておる。だから、今後高層建築がどんどん出てきた場合は、おそらくこれはかなりひっかかりますよ。それから全国のマイクロウエーブの通信網を見た場合に、私はかなりひっかかってくるところが出てくるのじゃないかということが気になるわけです。特にこの図面で見ると、東京、大阪、北九州、こういうところはかなりひっかかってくるところが出てくるんじゃないか。だからこういう点において、電波監理当局も一緒になって、通信政策というものを総合的にひとつ検討してみる必要もあるんじゃないか。その辺は電気通信監理官あたりではどういう考え方を持っておるか、監理官の意向も聞いてみたい、こう思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/24
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025・宮川岸雄
○宮川政府委員 監理官の来られる前に私、ちょっといまの御質問に対してお答えいたしたいと思います。
先生のおっしゃることはまことにそのとおりでございまして、私たちも実はそういうふうなことをいろいろ考えたわけでございますが、たとえば電波の通路というようなものを何本か、たとえば郊外から都心に入るというようなものを指定いたしまして、そこに免許をした場合におきましてはその電波は守られるというようなものも一つの方法だろうと思います。いわば高速道路みたいなそういうものを何本か都心に向かって引く。われわれもそのようなことを考えたのでございますが、そういう場合に、そこへ建てます建物を制限しなければならないということになりますと、やはり補償を要するようなことになってくるかと思います。そういうようなことでまだいろいろ問題がございますので、今回のこの提案までに十分成案を見るに至らなかったわけでございます。それで、ほっておくわけにまいらない緊急な問題でございますので、こういう形で考えているわけでございます。
そのほかにもう一つ、これはお答えになるかどうかわかりませんが、ある程度以上の高さというようなものは、マイクロウェーブのほうが強いんだという考え方もあろうかと思いますが、こういうようないろいろの将来の考え方も確かに一つのきちっとしたものをきめてやっていくべきだということには全く同感でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/25
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026・平山温
○平山説明員 電電公社からもちょっと補足させていただきたいと思います。
新しい事態に対して根本的に考えるべきでないかということにつきましては、私どももやはりそういうことを考えてみなければいかぬと存じております。ただ、ただいままでのところ、また今回の法律に関連いたしましても、一応三十一メートルの上の十二メートルというものがございますが、そこから以上高いものは今度は建物はどこへでもお建てになるという御方針ではなくて、特別に指定されたところだけいま認められておる、かように承知しておりますので、その限りにおいて、先ほど現段階において私どもの考えを申し上げたわけでありますが、それが三十一メートル・プラス・十二メートル以上の建物が非常にたくさん出てきて、そして電波に対しての支障が非常に著しいというようなおそれが考えられるようになりますと、やはり先生のおっしゃるようなことを考えなければならぬと思いますが、まだそこまでの感じを持っておりませんので、現段階のことを先ほど申し上げた次第でございます。しかし今後の問題としては、そういう基本的な問題についてもやはり考えてみる必要があるのではないか、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/26
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027・上林山榮吉
○上林山委員 関連して。大臣、言うはやすく、行なうはかたいで、われわれは言うほうですし、あなたは行なわなければならぬほうだから、それぞれ苦心があると思います。ただ、そこで私は先ほど問題になりました通信政策を根本的に、新しい時代に適合するように立案し、推進しなければならぬということ、これは私も同感なのです。そこで支障になるのが、いま出てきた高層建築の問題であるわけでありますが、これは政府としてはどういう考えのもとにこの程度の法律を出したかということですね。たとえば建設大臣と郵政大臣がどういう話し合いをしたか。あるいは内閣全体としては日本の通信政策といわゆる高層建築、いわゆる都市の発展との調和をどこに求めようとしていくのか。やらぬよりかは少しはいいが、まあいまの段階ではこの程度でなければやむを得ない、こういうふうに落ちついたのか。あるいは近い将来、たとえばここ一、二年の後にもっと根本的な話し合いなり政府の総合調整による一つの前向きの立案を考えているのか、考えていないのか。少しずつ改正をしていけばいいというような考え方なのか。この際私は、時間があればこの点はもっと力を入れて聞いておくべき点だと実は思うのです。そのことによってこの法案を否決しようとか、引き延ばそうとかいう考えではないのです。きわめて重大なポイントにお互い立っているのではないか。しかも話し合いがととのわない場合は、これは死文にひとしい法文の内容のように私は考えるのでございますが、そういう辺をもっと検討しておいてほしいと思うのです。大臣の見解を、これは事務当局に聞かぬでも、一つの方針ですから、ひとつお答え願っておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/27
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028・古池信三
○古池国務大臣 お尋ねによりまして、私のただいま考えておりますことを率直に申し上げたいと存じます。あるいはお答えの中にはおしかりをこうむるような点があるかもしれませんけれども、正直に、すなおに申し上げてみたいと思います。
長い間日本の建築基準法における高さの制限というものは三十一メートルになっておったと承知しております。しかるにこのたび建設省の方針がやや変わったように見受けられまして、その結果三十一メートル以上の建築も認める。いわゆる高層建築も今後は実際に建つということが予想されるに至ったわけであります。そこでわれわれといたしましては、とりあえずこれに対するマイクロ波の伝搬路の保護という点から対策を講じなければならない、こういう見地に立ちまして、両省の担当官の中でいろいろと相談をいたしまして覚え書きを交換したことは、先ほど来政府委員のほうから御説明申し上げたとおりであります。
由来、日本は戦争に破れて、あの焦土になったところから今日の建設を進めてまいったのでありまして、非常に短期間に、またスピーディな建設が拝められてまいった。経済方面においても異常な早い発展を遂げてまいったのでございますが、何といいましてもそこに日本の経済力の底の浅いところは否定できないと思います。したがって、遠大なる計画を立て、十分なる費用をかけて、どっしりした計画のもとに進めていくということは、これは本来そうあるべきだと思いますけれども、時代の進み方が非常に早いものでありますから、さような時間的な余裕あるいは費用、その他の資金的な余裕というものが乏しく、どちらかと申しますと当面の事態を処理するというとに急であった、こう私は考えております。したがって、ただいま仰せのように、将来の高層建築物とマイクロ波の発展との関係をいかにして調整していくか、また、マイクロ波というものの将来を考えた場合に、もう少し根本的な通信政策を立つべきではないかというお説はまことにごもっとも千万でありまして、私どもも当然さような見地に立ってものを考えていかなければならないということは重々承知しておりますけれども、先ほど来申し上げかような戦後の特殊な国情、また経済力、建設のあまりにもすみやかな足取りというようなものと相まって、とりあえず支障を排除していこうというような見地から、かような一部改正案を急いで提案をいたしまして御審議をお願いしておる次第でございます。したがいまして、今後はかような問題につきましては、やはり根本的に調査もし、検討も加え、計画も立てまして、かようなややこそく的と見られるような方法でなしに、もう少ししっかりした方針を立てて進むべきであろう、かように私は考えております。と申してみましても、現実の問題としましては、東京、大阪その他の大都会においては、毎日毎日高層建築物が建ちつつあるというような現状でありまするので、直ちにこれによって支障をこうむるマイクロ波伝搬路の保護ということをどうしても早急に考えていかなければなりませんので、この一部改正をお願いをする次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/28
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029・上林山榮吉
○上林山委員 大臣は、通信政策に対してだいぶ御認識を新たにされたようでございますが、通信政策は、このマイクロに限らず、文化国家としてはもっとウエートを高く持っていくべきものだと思うのです。これは案外歴代内閣がこれに理解はあったけれども積極性に乏しかった。まずとりあえずは道路を先にしなければならぬ、何を先にしなければならぬというようなことがあまりに急であったために、この大事な、しかもじみな問題が置き去りになっている。だから今日、諸外国、一流国に比べて劣っている分もあるし、普及率も少ないのだ、こういうことを考えますと、やはり私は、もちろんマイクロを含んで通信政策というものを、もっと歴代の政府はこれからウエートを高くしていかなければならぬものじゃないかと考えるのです。この点については、ひとつ一段と最善の御努力を強く要望申し上げておきます。
そこで私が特に——先ほど電波監理局長もちょっと触れたようでございますが、そういうことを徹底してやるには補償を要求されるので予算の関係上そういうことが思い切ってできないのだという考え方、これも確かに一つの考え方です。だが補償のみによって事を運んでいこうという考え方では、結局角をためて牛を殺してしまう結果になって、とどのつまりは思い切った通信政策というものはできないのだということになるのです。そういう立場から考えまして、内閣が総合調整した一つの立案をして法制化をすれば、これは補償という一本やりでない面において、広く仕事がやっていけることになるのです。これはみんなが総合調整して上に立った一つの立案であれば、これができるわけです。これが、極端なことを言いますと、いまは三十一メーターですか、その程度であったものを、場合によってはこれを区分すると九階か十階に鉄筋はなりますが、これをかりに二十階にしていく、この場合に、電波の障害というものがあって、非常に妨害を受けて、国民が通信を十分に受け取ることができぬ、さすれば一つの微温的なものをつくった。今度は三十階をつくってもいいぞ、四十階をつくってもいいぞ、だいぶ建築技術が進んで、日本は地震国であるけれども、その地震を克服するに十分なる技術の進歩があった、こういうことになりますと、これはまさに考えていかなければならぬということになってくるのですよ。そうすると補償というものは幾らあったってやれないということになるから、要はやらぬということになってしまうのです。やっても微温的だということになるのです。そういうことを考えますと、やはり個々に建設省と郵政省、同時に歴代内閣全体が一つの方針というものを立てていかなければ——私はやらぬよりかいまはいいと思うけれども、将来はもうやらぬよりかいいどころではなくてやれなくなる。だから私は、そういう点を考えていま大臣にお尋ねしたのですが、とりあえずこういうものをつくった、これはやらぬよりかはいいだろうから、われわれはこの法案には賛成するけれども、ここ二、三年後に、少なくとも権威を集め、あなた方は積極的にその方向に向かって第二の根本的な案をお考えになっているのかということを聞いたんですよ。これは来年というわけじゃないのだから、少なくとも二、三年後にそうしたような方向を示していくということにならなければ、これはお互い政治を担当しておる者が理想論ばかりに走るわけでもないが、一つの堅実な青写真というものを持ってつくっていかなければならぬじゃないかと思うのですが、この点大臣いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/29
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030・古池信三
○古池国務大臣 ただいまのお尋ねに含まれております点が、大体大きく分けて二つになろうかと思います。第一のお尋ねは、日本は従来じみな通信問題というものに対しては、わりあいに消極的であったではないか、もっと積極的にこの重大問題を認識してやるべきではないか、こういう御意見の入った御質問だと存じます。まことに私も通信の社会生活における重要性ということは、十分に認めておるつもりでございます。今日までいろいろな事情のもとに、理想的な通信政策というものが遂行されなかったということは、あるいは言えるかもしれませんけれども、先輩各位は、その困難な事情のもとにあって、非常な苦心をして今日まで築き上げてきてもらったものと了解しております。今後通信技術のすばらしい発展に伴いまして、あるいは宇宙通信あるいは電波の発達、さらにまた、従来もありましたけれども、今後海底ケーブルの重要性も再認識されようとしておる、かような段階におきまして、わが日本といたしましても、さらに一そう奮起いたしまして、かような新しい技術を十二分に取り入れて積極的な通信政策の確立につとめていかなければならない、かように考えておりますので、その点はただいまの御質問と全く私も御同感でございます。
それから第二の問題は、補償という問題については、あまりこれのみに頭を使ったのでは、結局八方ふさがりになるおそれはないか、もう少し勇敢に処理していくべきではないかというふうな御意見かと承りました。この問題は、突き詰めていくと、やはり大きな法律論になるであろうと思います。と申しますのは、私有財産権、すなわち、土地あるいは建築物の所有権あるいは地上権、かような一般私有財産権と公共の福祉、利益を増進すべき通信というものとの間のその権利、利益の調整をいかにはかるかというところに問題は根本的にあるのではなかろうか。申すまでもありませんが、従来私有財産権、すなわち所有権というものは非常に強いものであって侵すべからざるものであるというふうな考えも古くはあったようでありまするが、近来の法律思想は、これに対しまして徐徐に制限を加えて、公共の利益のためには所有権の絶対性というようなものは認められない、あくまでその公共の利益に沿う範囲において権利というものは認められるんだというふうな思想になってまいりましたがゆえに、だんだんと所有権の領域というものは狭められておることは御承知のとおりだと存じます。しかしながら、今日においても、やはりなお所有権の強さというものはまだまだ否定できない段階でありまして、これをマイクロ波伝搬路というがごとき公共の利益、福祉を守るための施設のために、いかなる程度まで制限がなし得るかというところに大きな社会思想あるいは法律思想の推移があるのでなかろうか、かように考えております。したがいまして、そういう意味において、私どもはあくまで公共の福祉を守る、同時に、私有財産権を否定することは今日のわが国のあり方としていけないのでありまするから、私有財産権も守りながら、一方においては公共の目的も達成するという、その調和をはかっていくために苦心もし、努力もいたしておる次第でございます。さように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/30
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031・上林山榮吉
○上林山委員 この程度で質問をやめたいと思っておったんですけれども、私にお答えになっておるのか、国民大衆にお答えになっておるのか知りませんが、立法論を大上段に振りかざしての大臣の答弁でございますので、少しばかり続行してみたいと思います。
まず第一に、私有財産権を尊重しなければならぬことは十分にわかっております。また、社会福祉のためにはある程度これを修正して、そして社会福祉の目的にこれを使わなければならないことも承知いたしております。私はあなたから立法論を聞こうと思っていなかったんですけれども、そういうことになりましたが、その点は私も承知の上で申し上げているんです。私が言った点は、補償ということのみにとらわれると、予算を非常に食うから、結局は思い切った仕事はできないのであって、微温的なことしかできないから、国民全体が非常に困るんだという立論です。これを私がさらに法律的に、あるいは政策的にふえんして申し上げますならば、これは人の土地を、ことに私有の土地を、私有の家を、公共のために活用する場合に、それは補償しなければならぬということは原則です。当然です。だが、私の言うのは、法律によってきめられる部分があるだろう、たとえば一定基準以上のものは、いまは三十一メートル、四十三メートルですか、この程度に基準を置くけれども、やがてはこれは五十メートルになる、あるいは六十メートルになるんだ、こういうことになると——アメリカの一番高い建物は百三十一階である。そういうふうになった場合に、一体どうなるのかということになるから、ここに法律によってここまでは補償してもいい、補償の程度はこうであると段階を設けて、ここまでは私有財産としての効用というものが非常に多いから実はこんなに高いんだ、しかしここは私有財産としての効用が非常に少ないからその三分の一でいいとか、あるいはそれ以上は全然やらぬでもいいとか、こういうことにしていくべきだ。しかしこれは内閣全体の考え方でなければならぬ。一郵政省の考え方にとどまるべきではない。わかりやすく言うために私はこの例をただ引いただけですが、時間をいただけばもっと申し上げますけれども、関連質問なのでこの程度でおきたいという意味で私はそこを申し上げている。補償、補償ということだけでない解決の分野というものがほかにあろう、あるいは補償の範囲内においても厚薄があろう、いろいろとやり方があるんだから、日本の通信政策の根本を立て直すためには、建設省なりあるいは内閣全体なりとして、あと二年かかるか三年かかるか知らないが、そうしたようないわゆる連絡機関をつくって、そうしてこれを推進していくという考え方はないのか。いまはやむを得ないからこんな微温的なものでも私どもはここを通過させましょう、こう言っておるんです。だから、何も憲法論の解釈を御教授願わなくても、それくらいなことは、私どもも議席を長く国会に持っているのですから知っているんです。だけれども、いずれにいたしましても、そういう意味のことを考えなければならないのではないかということが私の考え方です。先ほどいい質問があったので、非常に大事な点だと思いましたからこの機会に申し上げているわけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/31
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032・古池信三
○古池国務大臣 先ほどもお尋ねがございましたので、私の所見の一端を申し上げたのでありまするが、ただいまの御質問、御意見、全く私も同感でございまして、そういう線に沿って今後も努力を続けてまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/32
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033・森本靖
○森本委員 いま、大臣のお考え方を聞いておったわけでありますが、その中で大臣に一つだけ聞いておきたいと思いますことは、今回の法律は、そういうことで暫定的にやむを得ずこういう法律になったという経緯はわかるわけであります。その点は私も了といたしますが、ただ、こういうふうな今回の電波法の改正の前段の改正の項は、これは当然条約によって改正しなければならぬわけでありますが、後段の項は、場合によってはこれは建築基準法を改正したほうがいいのではないか。本来電波法は、こういう形で改正すべき問題ではないのではないかという気がするわけですが、その辺どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/33
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034・古池信三
○古池国務大臣 その点も確かに意見の出るところであろうと私は思います。そうなりますと、建築基準法を昨年改正した際に郵政省がぼんやりしていたのではないか、こういうことにもなると思うのですが、率直に言いまして、多少こちらも不用意な点はあったと思います。今後は十分に研究いたしまして、法律的に、どちらの法律を改正してこの時代に即するようにしたほうがいいかという問題については、十分検討を進めていきたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/34
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035・森本靖
○森本委員 たいした問題ではないことはないけれども、あえて深く追及しようとは思わぬが、私がしょっちゅう言っているように、郵政省は、何でもあると追っかけ追っかけやるんだね。私らくらい積極的な精神があったら、次々に問題が出てくる前に、ひっつかんでこうやろうというのが、どうも引っ込み思案のところがあるので、その辺を十分に今後も考慮していただきたいということを考えます。
それから、電気通信監理官が来られましたので言いますが、先ほど来の質疑応答を聞いておいていただいたらよくわかると思いますが、もう一ぺん質問を繰り返すのはいやですから答弁は要りませんけれども、こういうような法律を審議する際は、呼ばれなくても監理官は当然来ておらなくてはならぬ法律の内容でありますから、この点はひとつ十分に承知しておいてもらいたい。これは通信政策の問題にもからんでくるわけでありますので、こういうふうな問題は要求がなかったら幸いということで引っ込んでおる、そういう引っ込み思案がいかぬ。呼ばれなくても、自分が出ていって、きょうはどういう質疑応答があるだろうかということくらいの気性を持ってもらいたい。これは監理官だけじゃありません。郵政省、公社すべて、とにかく呼ばれなかったら幸い全部引っ込んでおろう、呼ばれたら出てくるという精神がどうもいかぬ。呼ばれなくても、きょうはおれのところに若干関係があるという場合には、来て聞いておるというくらいの気持ちを持っていただきたい、こう思うわけであります。
そこで、これはちょっと郵政省に聞くようなことではないわけでありまして、本来建設省に聞くべき問題であろうと思いますが、要するに、これはある程度土地の所有権に対して制限を加えるわけであります。むろん、土地の所有権に対しましても、建築基準法に基づいて建物の制限その他やっておりますから、ある程度法律における制限というものはできるわけでありますけれども、法律上、土地の所有権というものの上空の範囲は、現行法律の考え方としては一体どの程度まで及ぶのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/35
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036・宮川岸雄
○宮川政府委員 上空無限でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/36
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037・森本靖
○森本委員 そんなあほうな法律があるか。上空無限というたら宇宙まで届くということになることであって、これはやはりある程度法律上の一応の解釈があるというふうに考えるのですが、大臣どうかね。これは事務当局でなしにやはり大臣の政治的な問題ですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/37
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038・古池信三
○古池国務大臣 土地の所有権を規定しております民法の規定は、これはずいぶん古い規定でありますけれども、御承知のように「土地ノ所有権ハ法令ノ制限内ニ於テ其土地ノ上下ニ及フ」かようなことになっておるわけで、この文面だけから見れば、確かにその土地の上は宇宙まで、下は地球の中心までということになりますけれども、」かし、これは社会通念からいって、人間の利用できる範囲がまず所有権の対象として考えらるべきではないかというのが今日の常識であろう、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/38
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039・森本靖
○森本委員 しかし、今日の常識では、今後科学の日進月歩によって、こういう法律がいかぬようになるのではないか。やはりこういうものも、法律的にどの程度地上権が及ぶものであるか、それから地下にどの程度及ぶものであるかという法律上の一応の規定というか、そういう目標というものがなければならぬ時代がくるのではないか。これは建設大臣に聞かなければいかぬ問題で、郵政大臣に言うたところで始まらぬけれども、そういう点について諸外国の立法例はどういうことでありますか。諸外国も、いま言ったように地上、地下とも無限ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/39
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040・古池信三
○古池国務大臣 私、諸外国の例を具体的に調べたものをただいま持っておりませんからお答えはできませんが、この民法の規定をつくる際には、諸外国の例を十分参酌して制定されたわけでありますから、その後において大きな変化はないのじゃなかろうか。しかし、大体こういう問題は、法律において原則を立てまして、あとは判例等によって実際上処置されていることが多いのではなかろうかと考えております。
なお、この問題は、建設省にもむろん関係がございますが、そのほか、たとえば鉱業権等の問題になれば通産省というふうに各省にまたがる。ですから、むしろこれは法制局とかあるいは法務省あたりが主管じゃないかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/40
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041・森本靖
○森本委員 これはなごやかに質問しておるからいいようなものの、実際問題として、この問題について本格的に予算委員会みたいにやれば、私はこれはちょっと返答に困るんじゃないかという気もするわけであります。この問題まで郵政省が検討せよということは無理だけれども、本来なればこういう問題についても建設省と相談する際に十分に内容をきわめておかなければならぬということは当然であります。それは神さまでない限り無理であろうと思います。しかし、こういう問題も今後はやはり十分に研究願っておきたい、いつか機会があれば建設大臣に聞いてみたい、こう思っておるわけであります。
それから、この土地の所有権に対する制限の根拠は、やはり建築基準法のような制限根拠でなされておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/41
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042・宮川岸雄
○宮川政府委員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/42
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043・森本靖
○森本委員 そういたしますと、大臣、この法律というものは、本来ならば建築基準法に含めてやるのが当然ですね。要するに今回の電波法の改正は土地の所有権に対する制限でありますから、そういう土地所有に対する制限というものをきめる場合には、電波法というような形で逃げずに、本来ならば建築基準法に当てはめてやっていくのが当然だけれども、とにかく去年建築基準法が改正された。そこでもう一回建築基準法を改正してくれといっても建設省がなかなかやらぬので、建設省と話し合いの上において電波法の改正でお茶を濁した——そう言っては語弊がありますが、とにかく電波法の改正で一応切り抜けた、こういうのが真相である、こうですね大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/43
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044・古池信三
○古池国務大臣 昨年の建築基準法改正の際のいきさつは、大体いまお尋ねのようなことと考えますが、建設省の立場から言いますと、どうしても建築物が主になると思います。したがって、無線通信路というようなものは、建築者の立場からいえば従的なものに考えられがちだと思います、そうあってはなりませんけれども。そこで、こちらの立場を主張するには、やはりこちらの法律によって規制することも、あるいは場合によって必要なことがあるかとも思いますが、しかし、ただいまの問題は非常に重要な問題でありますので、どちらに規定するがいいか、またどの法律によって規制することが最も適切であるかというような問題は、今後慎重に検討してみたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/44
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045・森本靖
○森本委員 何でも慎重に検討すれば間違いないわけですが、いずれにいたしましても、今度の電波法の改正はやむを得ずこういうことになったという経緯は私はわかりますけれども、本来ならば建築基準法を改正するときに、こういうふうな内容を含めてもらうように政治折衝すべきが当然でありまして、その点は一応経緯がわかりましたので、次に移りたいと思います。
それから周波数を八百九十メガサイクルにしておりますけれども、この八百九十メガサイクルにした理由をひとつ説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/45
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046・宮川岸雄
○宮川政府委員 この程度の周波数から大体直進性を帯びてまいりますので、この問題が出てくるわけであります。九百にするか八百にするかという問題がございましたが、ちょうどこのところに電波の使用の区分がございますので、八百九十という数字をとったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/46
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047・森本靖
○森本委員 その答弁では速記録を読んでもわかりませんよ。どういう使用区分になっておる、だから九百ということに区切らずに八百九十で切りました——私はこの質問を速記録に全部残しておこうと思って質問しておるんだから、そのつもりでひとつお答え願いたい。あとでどなたが読んでもちゃんとわかるようにしたい、こういうことですから………。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/47
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048・宮川岸雄
○宮川政府委員 ちょっとお答えがそっけなくて申しわけなかったと思います。国際条約に基づきまして周波数の分配上でいろいろ使用の区分がございますが、八百九十メガサイクルのところで世界的に固定業務との区別がありまして、八百九十メガサイクルから上を固定業務に使う、こういうふうになっております。ちょうどそこがいい切りであるので、そういうふうにいたした次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/48
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049・森本靖
○森本委員 それからこの防止区域の幅を二百メートル以内としておりますが、これを二百メートル以内とした理由を御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/49
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050・宮川岸雄
○宮川政府委員 電波の伝搬路を確保するためには、電波の性質上送信のアンテナから受信のアンテナまでの線上におきましてある幅を要するのでございまして、電波上これをフレネルゾーンと呼んでおりますが、八百九十メガサイクルという周波数、それから大体アンテナの距離が百キロメートルぐらい、この現状を考えますと、電波の伝搬路を確保するためには百メートルぐらいの幅を要する、それまでの間には障害物が入ってこないようにしなければならない、こういう計算が出てくるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/50
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051・森本靖
○森本委員 その幅が二百メートルということですか、あなたは百メートルと言うたが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/51
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052・宮川岸雄
○宮川政府委員 片幅が百メートルでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/52
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053・森本靖
○森本委員 片幅と言わなければわかりません。これは全部速記録に残しておいて、あとでその速記録を読んでひとつ調べてみよう、こう思っておるわけであります。
それから、この保護の対象となる通信路は、東京では何本あるのですか。それから全国で何本ありますか。これはちょっと地図を見ると相当ありますが、何本ありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/53
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054・宮川岸雄
○宮川政府委員 東京都におきまして、本法案で保護の対象となります通信路が、現在のところ五十五本ございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/54
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055・森本靖
○森本委員 全国で幾らあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/55
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056・宮川岸雄
○宮川政府委員 全国で約六百五十本ぐらいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/56
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057・森本靖
○森本委員 六百五十本かと思いますじゃない、何本ありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/57
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058・宮川岸雄
○宮川政府委員 約六百五十本でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/58
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059・森本靖
○森本委員 約ということばを使わず、何本ということはわかるはずだ、ちゃんとここに地図があるわけだから。まあそれはいいです。
それで、この法律に出てきますところの重要無線通信ですね、この重要無線通信の各号の内容をちょっと説明へ願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/59
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060・宮川岸雄
○宮川政府委員 一として「公衆通信業務の用に供する無線局の無線設備による無線通信」、これは電電公社がやっております公衆通信業務、これが該当するわけでございます。それから二といたしまして「放送の業務の用に供する無線局の無線設備」、これは放送の、放送局とスタジオと送信所との間を結ぶ固定局もしくはこれに準ずるものを含むわけでございます。それから三といたしまして「人命若しくは財産の保護又は治安の維持の用に供する無線設備」、これは通信の内容がいま申しましたことをさす、そのためにででたものでございまして、警察であるとか保安庁、海上保安、航空保安、それから防衛庁、それから水防を含みます。それから「気象業務の用に供する無線設備による無線通信」、これは気象通信を内容とするものでございます。それから五といたしまして「電気事業に係る電気の供給の業務の用に供する」もの、これは電気の需給調整、そういう指令であるとか操作であるとか発電所の保安、そういう電気の供給に直接関係のある通信をさしているものでございます。それから六といたしまして、「日本国有鉄道の列車の運行の業務の用に供する無線設備」、これは列車の運転指令であるとか列車の安全の確保、そういうことのためにつくられている無線通信でございます。したがいまして、五と六というようなものにつきましては、いわゆる経営上必要な事業用の無線通信というようなものは除外する考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/60
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061・森本靖
○森本委員 それでこの第百二条の二の六号の、日本国有鉄道の列車のところの「(政令で定めるものを除く。同項において同じ。)」という、これはどういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/61
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062・高田希一
○高田説明員 お答えいたします。
現在のところでは、「政令で定めるものを除く。」の項によりまして除くことを予定しておりますのは、列車の運転指令とか列車の安全確保とかに関する無線通信以外のものを除くというふうに考えております。要しますれば、列車の運転指令とか、先ほど局長の申しました安全確保だけに限るというふうな考え方でございます。したがいまして、配車の指令とか管理局間の連絡用のものなどは含めないようにいたしたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/62
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063・森本靖
○森本委員 そんなものは国鉄のマイクロウエーブで別々になるのか、おそらくぼくは一つのマイクロウエーブでそれを使用せられると思うのだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/63
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064・高田希一
○高田説明員 現状におきましては、これは考え方の上でございまして、事実上は重なり合っておると存じますから、特に政令の規定を設けませんでも、結果は現状におきましては同じことになると思いますが、もし別の事務用連絡のルートだけにかりにマイクロが割り当てられるといたしますれば、そういうものは入らない、こういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/64
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065・森本靖
○森本委員 おそらく国鉄の場合にそういうことはないと思う。国鉄の場合に単なる事務用連絡だけでマイクロウエーブをつけるなんということは、そんな不経済なことを国鉄の経営者はやりませんよ。私はこの項を見ておるとどうしてもわからぬ。こういうことは要らぬのじゃないか。局長、文句があるなら言うてごらんなさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/65
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066・宮川岸雄
○宮川政府委員 通信ということを、ここに書いてございますように、公共の福祉に直接関係のあることに限るという精神でもって、このあれを貫きたいと考えましてつくりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/66
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067・森本靖
○森本委員 わかりました。だから、そういう限るという精神であっても、いまの日本国有鉄道のマイクロウェーブの使い方、将来の使い方からいって、そういうふうに区分けすることはほとんどあり得ない、私はそう考える。この意味が、私は自分で考えてみてどうしてもわからぬ。聞いてみようかと思ったけれども、個人的に聞くよりは委員会で聞いたほうがよかろうと思って残しておいたわけですが、これは私は、小さな問題ですけれども、必要がないのじゃないか、単なる法規課長が言っておる観念上の問題ではないか、こういうように考えるわけです。課長はよく勉強して答弁がなかなかよろしいけれども、それは観念的なことであって、実際の実務には私は必要ないのではないかというふうな考え方を持ったわけでありますけれども、たいした問題じゃありませんので、それはおきますが、何かあったらひとつ答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/67
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068・高田希一
○高田説明員 この点に関しましては、運輸省とも立案の段階におきまして話し合いをいたしまして、こういうことで話し合いがついたものでございますので、まあ観念だけだとお説のとおりでございますが、そのようにいたした次第でございます。ただ、これには百八条の二でもちまして罰則にかけておりますので、先ほど電波監理局長の申しましたように、厳重に範囲を明らかにいたしまして、考え方の上でございますが明確にしておく、こういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/68
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069・森本靖
○森本委員 趣旨はわかりましたが、要らぬことは書かぬほうがいいというふうに私は考えるわけであって、私が大臣だったら、こまかくこういうところを見て、それはのけておけ、こう言うけれども、大臣は気がつかなかったか——そんなことを言ったら失礼ですが、そのままにしておいたのじゃないか。現実にいまのマイクロウエーブの使い方を見た場合に、これはあり得ぬです。それから将来もそういう不経済なマイクロウエーブの使い方は、国鉄の場合はあり得ない、こう考えるわけですが、次へ進ます。
それからこの百二条の二に将来まだつけ加えるようなことが出てきますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/69
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070・宮川岸雄
○宮川政府委員 現状では考えられませんが、将来そういうものが出てきたときには当然つけ加えるべきだと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/70
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071・森本靖
○森本委員 それから現在マイクロ波の重要無線通信波のアンテナの高さは、一体どのくらいになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/71
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072・橋本一郎
○橋本説明員 二十メートル以上いろいろございますので、資料を読み上げてもよろしゅうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/72
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073・森本靖
○森本委員 それでは現在都会で、マイクロで一番高いアンテナは幾らですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/73
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074・橋本一郎
○橋本説明員 いま七十五メートルというのを、場所はどこでしたか。やっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/74
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075・森本靖
○森本委員 これらの高さは、技術的に最高度どの程度まで上げることができますか。これは電波局に聞きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/75
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076・宮川岸雄
○宮川政府委員 百メートルくらいだと思います。
〔委員長退席、秋田委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/76
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077・森本靖
○森本委員 大体百メートル程度まで上げられますか。なぜそういうことを聞いておるかというと、将来建築物とな関係が出てくるから、上げればどの程度まで上げられるかと聞いておる。私が聞いておるのは、あとからどなたが速記録を読んでもわかりやすいようにしておこうと思うて聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/77
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078・宮川岸雄
○宮川政府委員 先生の御指摘のように、将来非常に高い建物ができれば、その上に乗せるという場合には、これは高いのができるわけであります。建物の上に乗せるということになれば、その点では幾らでも高いものはできるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/78
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079・森本靖
○森本委員 そうすると、建物の高いものに乗せても技術的には幾らでも高くできる、こういうことですか。はっきりきちんと回答してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/79
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080・宮川岸雄
○宮川政府委員 建物の上に乗せました場合には、その上に乗せました塔の風圧であるとか、そういうことを考えなければならぬわけでございまして、上に小さい塔を乗せるということになって風圧に耐えられる程度の構造であるならば、非常に高い建物の上に乗せるということは、それほど重量のものでない限り可能だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/80
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081・森本靖
○森本委員 そういたしますと、ケーブルをつくるということと、それからそういうマイクロのセンターを中央につくってそれで各——もっとも送ってくるほうが低かったら何ともならぬので、そういうことは技術的に考えられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/81
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082・宮川岸雄
○宮川政府委員 考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/82
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083・平山温
○平山説明員 ちょっと補足さしていただきます。
いま電波監理局長のおっしゃったとおり技術的には考えられますけれども、ただ電電公社の場合ですと、たとえば東京の例を引きますと、東京は御承知のとおり相当広い範囲でございます。東京へ入ってくる市外通話を、先ほど申しましたように、東京市外局から市内のケーブルに入れた場合と、それから渋谷から入れた場合と、六本木から入れた場合と、要するに、もしこれを一般の乗客にたとえました場合に、どこまでその一般の列車で運んできて、あとは都内の交通機関を使ったほうが経済的かという問題がありますので、東京のような広い場合には、いまの電波のほうの制限と無関係に一ヵ所でなしに何ヵ所かはやっております。ですから、技術的と申しますが、こういう経済的な問題があるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/83
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084・森本靖
○森本委員 わかりました。それはあとで電電公社に聞こうと思っておったわけです。だからそういう措置がとれるとするならば、幹線ルートというものをそういう措置をとるという方法も一つの方法として考えられるわけですね。それから先は、あなたが言ったように、何らかの形において、支線において、それはケーブルなりあるいはその他の方法で送るという方法も考えられるわけであって、かりに東京の場合、幾ら高層建築を許すといったところで、ニューヨークみたいなことには絶体ならぬ。だから東京あたりで今後マイクロをずっと使うということになると、こういう法律をつくってやるということも一つの暫定的な方法でありますけれども、先ほど上林山委員も言っておったように、根本的な対策にはならぬ。この法律においても、結局二年と三年の余裕期間を置いておるだけのことであって、それが済んだあとはやはり施設をどこかに変えていかなければならぬ。そのときにはやはり変わるだけの経費が要るということになるわけですから、それよりも、できれば、いまの電波監理局長の技術的な答弁が事実であるとするならば、そういうふうなセンター的なものをつくるということも考えられるのではないか。その辺はやはり電電公社としても十分ひとつ検討してもらいたい。電気通信管理官あるいは電波監理当局、この三者が一体となってひとつ十分に検討していただきたいということを特に要望しておきたいと思うのでありますが、どうですか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/84
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085・古池信三
○古池国務大臣 まことにごもっともなことで、ぜひそうあるべきだと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/85
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086・森本靖
○森本委員 それからこの法律に出てくる建築物が電波の障害になるというふうな判定は、一体どういう方法でやるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/86
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087・宮川岸雄
○宮川政府委員 地図の上にプロフィルを置きまして見通しがあるかないかということをはっきりすれば一つ出るわけでございます。それから実際にはミラーテスト、鏡試験、鏡を向こうに置きまして、こっちから見まして完全にこちらの光が届くかどうかということを判定することをすればわかります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/87
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088・森本靖
○森本委員 そうなると、ここに出てきておるこのマイクロの図面の拡大されたものによって一つの認定をするわけですね。そうして実際にはいま言ったミラー試験、反射試験だろうと思うが、結局そういうことによってやる、こういうことになるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/88
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089・宮川岸雄
○宮川政府委員 そのとおりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/89
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090・森本靖
○森本委員 そうすると、これは東京都内あたりではかなりひっかかるような問題が出てくるような気がするのですが、そういうものはないですか。東京都内だけに限らず、全国のマイクロウエーブを見た場合に、かなりひっかかってくるところが出てくるのではないか。たとえば私の知っておる高知あたりでも、高知の電話局の上にマイクロウエーブのおわんがある。この建物は三階建てであるが、すぐ向こうに六階建てを建てればたちまちだめになってしまう。ところが、高知県庁を中心として、六階建てぐらいのビルディングはどんどんできておる。だから、そういうふうなマイクロの障害が起こってくるところが、東京都内だけでなしに、全国的に出てくるような気がするのですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/90
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091・橋本一郎
○橋本説明員 御説のようなことが予想されますので、それらにつきましては、今後事態の発展、推移に伴って手を打っていかなければならぬと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/91
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092・森本靖
○森本委員 手を打つというのは移転するわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/92
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093・橋本一郎
○橋本説明員 移転をいたすことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/93
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094・森本靖
○森本委員 電電公社は、まあこれはあとで大臣がうそだと言っておったからそうじゃないと思いますが、電報料金も電話料金も上げなければいかぬということを言わなければならぬ。さらに第四次五ヵ年計画、第五次五ヵ年計画をやろうとすれば、自動化に対するかなり大きな経費が要るということで、電電公社も相当切り詰めた経費で、日本の通信を確保するために懸命にやっておる。そういう段階において、私はこういうふうな経費にそれだけかかるということについて、一体公社は真剣にこういう問題を考えておるだろうか。いままでの第三次計画、第四次計画というようなものに、そういう計画が入っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/94
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095・橋本一郎
○橋本説明員 これは新たな事態でございますので、新たに対処しなければならぬと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/95
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096・森本靖
○森本委員 平山理事どうですか。あなたは局長よりもっとえらいんだから、もう少し検討しておらなければいかぬところなんだが……。私は自分の選挙区のことですから、いつも帰って見ておるわけで、当然そういう機会がくるのじゃないか。しょっちゅう私は通信部長あたりに、そうなったときに一体どうするのだということをよく聞いておったわけなんですが、やはりこれが目前に迫ってきた。だから電電公社としても、こういう問題についての根本的な再検討と計画を早急に要するのではないかという気がしてしかたがないわけですが、その辺どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/96
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097・平山温
○平山説明員 お答え申し上げます。
いまの公社の計画の中には、先ほど施設局長からお答え申しましたとおり、こういう経費は見ておりませんでした。それで今後どうするかということでございますが、さしむき私どものいま考えておりますことは、この事態にかんがみまして、三十一メートルの建物の上に十二メートルばかりの小さなものを建てられるということがございますので、少なくともその建物についてはひっかからないようなアンテナを、これからつくるものについてはつくってまいりたい。それからそれ以上の建物については、特定な地域を指定されたものに限ってそれ以上のものが建てられる、こういうことになっておりますが、それがどこにどのくらいの高さのものがつくられるかということをはっきり承知しておりませんので、これにつきましては、高いほどいいわけでございますが、経済問題もございますので、それ以上のものについては、その問題が出たつどに具体的に考えていかなければならぬかと思います。
それから、現在立っているアンテナは、先ほど施設局長がお答え申しましたように、低いものもございますので、これは場合によっては移転をしたり、あるいはもう少し高くしたりする問題はありますが、これも先生の御指摘のように、予算の関係もありますので、そういう具体的な事態の見通しをつけた上で個々にそのつどこれを考えてまいりたい。一ぺんにいまここですぐ現在あるアンテナをみな高くするというようなことにいたしますと、御指摘のように、相当な経費も要りましし、また全部の必要もなかろうかと思いますので、いままであるものについてはそのつど考える。その考えます場合には、移転したり、高さを高くするときは、先ほど申しましたように三十一メートルプラス十二メートルのものについては引っかからないようにしてまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/97
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098・森本靖
○森本委員 私の言っておるのは、だから地方の都市においてもその三十一メートル以上にやっていくような年次計画というものをやはり立てるべきではないか。一ぺんにやれということを言っておるのではない。そのことが以要になってきたら、直ちにこれをやらなければならぬわけでありますから、それは当然何とかしてやらなければならぬけれども、現在各電話局等にあるものについても、そういうふうないわゆる高さを高くしていく、というようなことについては、いまから年次計画によってある程度やっていくということを考えていかなければならないのではないかということを聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/98
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099・平山温
○平山説明員 お答え申し上げます。いま先生の御指摘の点につきましては、私どもといたしましてもさように考えてまいらなければならぬと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/99
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100・森本靖
○森本委員 条項を追って質問をいたしますと、まだ三日ぐらいかかるわけですが、とにかく私はずっと調べてみて説明を願いたいところをちょっと言いますが、百二条の三の四項、これはなかなかわかりにくい書き方をしたものだと思うんだが、これを説明してもらいたいと思うのです。「前条第一項の規定による伝搬障害」云々というこの条項です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/100
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101・高田希一
○高田説明員 御説明申し上げます。
御質問は百二条の三の第四項だと存じます。第四項は「前条第一項の規定による伝搬障害防止区域の指定があった際現に当該伝搬障害防止区域内において施工中の指定行為については、第一項の規定は、適用しない。」こういうことでございます。これは簡単に申しますと、既存の建物、それから防止区域が指定されたときにおきましてすでに建て始めておるものについては適用しない、さかのぼらない、こういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/101
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102・森本靖
○森本委員 もっと何とかわかりやすく法律を書く方法はないものかね。何回も読んでみないとこれはわからぬ。これはとにかく難解な書き方で、あなたのいまの説明でようやくわかったのです。
それから百八条の二、これも前にも出てくるわけですが、あなたのほうからもらった資料の四九ページでありますが、前段の項はわかりますが、「日本国有鉄道の列車の運行の業務の用に供する無線設備を損壊し、」この損壊というところはわかりますが、「又はこれに物品を接触し、」この物品を接触しというのはどういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/102
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103・高田希一
○高田説明員 お答え申し上げます。
百八条の二の罰則の御質問だと存じます。この規定の中の「無線設備を損壊し、又はこれに物品を接触し、」という、この物品を接触ということの意味でございますが、これは現実に物品を具体的に接触するということでございまして、この建築物のようなものは含まれるかどうか疑問があると存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/103
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104・森本靖
○森本委員 疑問じゃない、はっきりしておいてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/104
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105・高田希一
○高田説明員 含まれないように考えておりましたが、再検討いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/105
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106・森本靖
○森本委員 法律の条項にあるものを再検討してどうなるかね。現在法律に出ておるのですよ。これは国民を罰する罰則の条項だからこそ、その内容はどういう内容かということを明らかにしておかなければ、これは国民が聞こうにも聞けませんよ。だから、ここにあるところの「物品を接触し、」ということは、具体的にどういうことかということを国会で明らかにしておこう、こういうことですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/106
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107・高田希一
○高田説明員 失礼いたしました。これは従来とも、こういった建築物のような、途中に離れて障害物が建ったものは入らないというふうに解釈しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/107
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108・森本靖
○森本委員 だから、マイクロウエーブに対して物品を接触しというのはどういう意味か、こういうことです。実際問題としてほかに考えられぬのだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/108
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109・宮川岸雄
○宮川政府委員 マイクロウエーブの設備は、電波を発射するものでありますから、当然それを壊してしまって電波が発射しなくなったり、出力が弱くなったり、周波数が変わってしまったりしてはいけないわけであります。それを損壊してはならないということであります。
それから、物品を近づける、それにさわりますと、アンテナにさわりましただけでも周波数が変わるとか、出力が落ちるとか、そういうことがございますので、そういうことをしてはいけない、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/109
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110・森本靖
○森本委員 アンテナにさわるというのは「損壊し、又は」というところに入るわけだ。「物品を接触し、」というのは、空間を波が通っておるのだから、その波に接触してもこれに入るかどうかということを聞いておる。なぜこれを聞いておるかというと、これはいわゆる故意の問題だけではない。知らずにこれをやっても当然これは罰則を受けるという条項になっておるわけです。だから、これに物品を接触しということになると、理屈からいうとアンテナだけではないわけです。伝搬路の中におけるところのいわゆる中継所相互間における波にさわったってこれは妨害されるわけだ。現に通信ができないわけです。それもさしておるかどうか、こう聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/110
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111・宮川岸雄
○宮川政府委員 さしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/111
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112・森本靖
○森本委員 それなら、この接触というのはどこで接触するのかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/112
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113・宮川岸雄
○宮川政府委員 設備そのものに接触する……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/113
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114・森本靖
○森本委員 設備そのものというのは、アンテナもしくは中継所ということになるわけだね。それから発信所、送信機、途中の空間のいわゆる波は入らぬわけだね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/114
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115・宮川岸雄
○宮川政府委員 入りません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/115
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116・森本靖
○森本委員 しかし、それはちょっと実際問題として意味がないのじゃないかな。ほんとうを言うと、実際はここで条項を変えなければならぬ。知らずにやった場合は罰しないけれども、知っておって中継所間の伝搬路に対して故意にこれを妨害しようとした場合に罰することを考えてなければ、マイクロの場合には不可能に近いと思う。それなら、電話局がここにある。その隣に三階建ての建物があるとする。その建物の上に何か物を建てて妨害したら一体どうなるのか。現実は罰することができぬじゃないか。それは現実にできぬですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/116
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117・宮川岸雄
○宮川政府委員 この法律では遺憾ながらできません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/117
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118・森本靖
○森本委員 できぬだったら、重要通信がとまるじゃないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/118
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119・宮川岸雄
○宮川政府委員 そういうことができますならば、現在のこの法律で伝搬路の途中に建物を建てさせないということが可能になってくるわけでございますが、そういう法律の解釈ではございませんので、伝搬路の途中にそういう物品等を置いて、そうして電波が障害になった場合におきましては、やはり所有権のほうが先行するという考え方でございますので、それでこの法律を今度つくったわけでございます。ですから、いままでの解釈は、設備そのものにさわるということだけに限られておったのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/119
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120・森本靖
○森本委員 だから何かほかのことで電電公社とけんかをした。よし電電公社も放送局もけしからぬ。法律上やかましく言うて、電電公社はけしからぬ。そういう者がどこにもおらぬとも限らぬ。電話局の三階建ての建物があると、その隣に二階の建物がある。その二階の屋上に上がっていって、その通信路の波に当たるところへもっていって妨害するようなものを建てていれば——建物じゃなくて、物を持っていって止めたらどうなるのだ。これはあり得るとぼくは思うのだ。そういう者がいてやったらどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/120
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121・宮川岸雄
○宮川政府委員 この法律を研究いたしましたが、それはだめなのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/121
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122・森本靖
○森本委員 だめなんだと言ったって、ぼくはやはり、ここまで重要通信というものを確保するということを郵政省が考えるとするならば、やはりこれは送信所、受信所、中継所間のその波についても確保することを考えておかなければならぬ。もっとも、それが故意のやり方でない場合には、それは私はいいと思います。それはしかたがないと思う。しかし故意にそういうふうなやり方において妨害をした場合には、ある程度これを罰することができるということがなかったら、これはやりかねませんよ。それなら、電電公社と土地の問題でけんかした。その問題には負けた。えいくそ、あそこの通信部長、電話局長はなまいきだから、やってやろうということになってやったらどうなんだ。いまだからこそ、それはみんなが知らぬけれども、現実に私はそういうことが起こりかねぬと思うのだ。
〔秋田委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/122
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123・宮川岸雄
○宮川政府委員 先生のおっしゃることは、われわれもこの法律を検討する途中において考えましたのでございますが、動機はともあれ、自分の所有権の上にそういうものをつくりまして、それが電波の伝搬に障害を与えたということになりましても、通路に関しましてはこの法律の適用にならぬので取り締まることができないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/123
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124・森本靖
○森本委員 これは監理官に聞きますが、公衆電気通信法かあるいは日本電信電話公社法か、その他の法律においてそれを守ることができる形になっておりはせんですか。なかったならばこれは重要通信を確保することはできませんよ。もしかりにこの電波法にないとするならば、公衆電気通信法か、あるいは日本電信電話公社法か、いずれかにそういうふうなものが規定がなければならぬと思う、今日のマイクロは重要幹線ですから。どうですか監理官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/124
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125・野口謙也
○野口政府委員 不勉強で申しわけありませんが、いま思い当たりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/125
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126・森本靖
○森本委員 平山君どうかね。長いこと公社マンとして、それから監理官としてやっておるが、何かこういう重要通信を確保するという法律があると思うのだが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/126
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127・平山温
○平山説明員 先生のお話、またさような事態があった場合に非常に公衆通信を確保するのに困るということは、私どもも同じように考えておりまして、そういう何か規定があるべきだという考え方もいたしますけれども、いま税に公衆法のどこかにあるかということにつきましては、不勉強で、いま直ちに思いつきません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/127
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128・森本靖
○森本委員 これは重要なことですから、私は重要通信を確保するという意味から言っておるわけで、たまたまこの罰則を見ておって、私はどうも「物品を接触し」という点がそうではないかと思っておったわけです。もしそうであるとするならば、この条項は故意にやったもの以外は除くというふうにしなければならぬのじゃないか、こう解釈を法律的にしておったわけですが、いま聞くとそうではないということでありますので、それならば、いまの伝搬路間の波を確保するということについて、やはり重要通信を確保するという意味においてある程度これから先必要になってくるんじゃないか。たとえば、三年、二年のこの問題で紛争を起こす。その経路について紛争を起こして、しまいにはけんかになる。えいくそやってやれというようなことで、高い物を建てて波がいかぬようにした場合に、建物でないから取り締まるわけにはいかぬ。何もそれを防止することはできぬということはちょっと盲点じゃないかと思う。だから、その点は監理官、公社、電波監理当局の三者間で十分検討していただきたい。いずれ日をあらためて聞きたい、こう思うわけであります。
それからもう一つ、今度の場合二年と三年にいたしておるわけでありますが、この二年、三年は、建設省から言わすと二年、三年でも長いと言うかもしれないけれども、私の考え方では、二年、三年ということであっても、先ほど来平山理事の説明を聞いておっても、公社の予算関係その他からいたしまして、二年、三年ではちょっと短かいのではないか、もっと長くしたほうがよくはないかという気もするのですが、その辺どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/128
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129・宮川岸雄
○宮川政府委員 これは非常にむずかしい問題でございまして、長くするということになりますと、所有権の制限が長いというようなことで問題になるわけであります。一般通信では、二年あれば、大体現在設備の移転であるとか、あるいは改修であるとか、そういうことができるだろうというふうに考えまして二年というふうにいたしたのでございますが、公衆通信におきましては、御承知のとおり非常に多重回線になっておりますし、そのために非常に設備が移転に時間がかかるということで、公衆通信に限りまして三年ということにいたしたのでございまして、これ以上にいたしますと、公共の福祉のための所有権の制限ということが、いわゆる補償なしに行なっている限界にくるのじゃなかろうか、そういうようなことで二年、三年ということにいたしたのでございます。これはお答えになるかならないか、まことにあれですが、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/129
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130・森本靖
○森本委員 それから無届け工事に対して停止を命ずるという、この「相当の期間」というのは、具体的にいってどの程度の期間になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/130
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131・宮川岸雄
○宮川政府委員 これはどの程度になるかということはなかなかむずかしい問題なのでございますが、無届けの場合は、ちゃんとした場合にこうむる損害よりも多少長くなるということが常識だろうかと思います。ちゃんと届け出をいたしましても、なおかつ工事が延びなければならない。そのときに延ばされる期間よりも長くなるという形にならなければおかしいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/131
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132・森本靖
○森本委員 それから、この法律が施行された場合に、いわゆる地区の指定が行なわれると思いますが、こういう場合に、この指定の時期はいつごろになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/132
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133・高田希一
○高田説明員 お答えいたします。
容積地区の指定につきましては、まだ建設省のほうも具体的にはきめていないようでございまして、先般建設省のほうの意見を聞きましたところが、大体都内数ヵ所、それも地点としても数ヵ点をいま検討の爼上に乗っけているようでございまして、そう早急に指定があるとは考えられない状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/133
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134・森本靖
○森本委員 わかったようでわからぬがね。具体的に一体時期はいつごろかと聞いておるわけで、あなたみたいな答弁を聞いておったらちっとも何やらわからぬ。頭はええかしらぬが、その答弁を聞いて納得するわけですから、大体時期はいつごろかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/134
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135・高田希一
○高田説明員 確かな時期はまだ承知いたしておりませんし、建設省のほうでもまだはっきりしないようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/135
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136・森本靖
○森本委員 しかし、大体こういう法律を出して審議を願うときには、ほんとうはそういう問題は一応明らかにできるような形にしておかなければいかぬですよ。しかし、あなたを責めたところでしょうがないのであって、ほんとうは局長が責任があるわけだが、局長に聞いてもわからぬからこれ以上聞きませんが、そういうことはやはり明らかにしておかなければいかぬのです。
それから、これは結局建築の届け出を要するということになるわけでありますが、建築の届け出のものが年間全国でどの程度になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/136
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137・宮川岸雄
○宮川政府委員 全国では遺憾ながらちょっと予測がつきませんが、東京都におきましては、四件くらいのものが三十九年度にあろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/137
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138・森本靖
○森本委員 予測がつかぬことはない。やはりこういう法律をつくるときには、全国的にどうなって、東京ではどうなると、あらゆることを全部調べて法律を出さなければいかぬ。
ついでに聞きますが、地方で届け出を受けるところはどこの官庁が受けますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/138
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139・宮川岸雄
○宮川政府委員 都道府県知事でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/139
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140・森本靖
○森本委員 都道府県知事といったって、これは電波監理当局に対する、郵政大臣に対するやつはどうなるんですか。都道府県知事ということがあるかな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/140
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141・宮川岸雄
○宮川政府委員 失礼いたしました。建築関係の届け出かと思いましたが、電波関係は地方電波監理局でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/141
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142・森本靖
○森本委員 各県庁所在地の場合はどうなるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/142
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143・宮川岸雄
○宮川政府委員 その県を管轄しております地方電波監理局に届け出なければなりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/143
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144・森本靖
○森本委員 各県に電波監理局の出張所があるところとないところがありますね。自分の部下を知らぬようでどうなりますか。出張所のあるところとないところがあるでしょう。まずそれから聞きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/144
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145・宮川岸雄
○宮川政府委員 あるところとないところとございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/145
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146・森本靖
○森本委員 あるところはあるところでいいですが、それともわざわざ監理局の所在地まで持っていかなければならぬのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/146
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147・宮川岸雄
○宮川政府委員 現在は、出張所というのは主として検査事務を担当しておりまして、現在におきましては、やはりその地方の監理局へ届け出てもらうことにいたしたいと思います。将来事務が非常にふくそうするというようなことになりました場合には適当なことを考えなければならないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/147
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148・森本靖
○森本委員 出張所があるところは出張所に書類を出して、出張所が電波監理局に送って、電波監理局がそれを受理する、こういう形をとってやったほうが非常にやりやすいではないか。たとえば四国管内の場合、高知にあるのにわざわざ山を越えて松山まで行かさなければならぬことはないと思う。ないところはやむを得ぬから、それは地方の電波監理局に直接持って行かす、あるところはその出張所を通じてやらす、こういうことはできませんか。電波監理局長もちっと地方へ出て、遊びがてらじゃなしに、現実に自分の部下がどういうふうになって、どういうところにどうというぐらいのことは視察をする必要があるよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/148
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149・宮川岸雄
○宮川政府委員 国会が終わればすぐにも出かけていきたいと思いますが、遺憾ながら現在まだ時間を持ちませんので、回っておらないことは事実でありますが、ただいま御指摘の点につきましては、確かに地方の出張所でこういう事務ができればそれに越したことはないと思いますので、検討さしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/149
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150・森本靖
○森本委員 それで電波監理局は、いま有線放送電話の問題を取り扱っておっても、それも手一ぱいでなかなか回りかねる。それからまたこの仕事がふえるということでありますが、一体今年度電波監理局の定員増は何人ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/150
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151・宮川岸雄
○宮川政府委員 電波監理局関係といたしましては、研究所の定員増二十一名だけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/151
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152・森本靖
○森本委員 それから電波監理当局の地方電波監理局の旅費、出張予算というようなものについての増額は、去年度から比べてどの程度になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/152
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153・宮川岸雄
○宮川政府委員 ちょっと詳しい数字を知らないでまことに申しわけございませんが、たいした増額はないものと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/153
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154・森本靖
○森本委員 ぼくが言っているのは、こういうふうな法律が施行されるというときには、やはりその法律の施行に応じてそれ相当の旅費というものもっけるし、仕事ができるように人間もふやすということでないと、はっきり言ってまじめな仕事ができぬ。だから、電波監理当局があの妙なおかしげな汚職が出て、新聞に出て、全くみっともない話なんでありますが、ひとつこういう点は、法律を出すならば出すで、それだけの人員と経費というものはきちんと郵政省は組むというふうな、綱紀の粛正と同時に、そういう点もやはりがっちり考えていかなければならぬ。その辺どうですか大臣、どうも聞いてみると、法律だけが先行して肝心の予算あるいは人員についてはあまり電波監理当局というものは優遇されない。それに、さらに電波監理局の要員というものは、一般の郵政関係の特別会計の職員から見ると、これは普通職の職員であって、前々からこの特別職の要員と同じようにせよということが言われているにかかわらず、ほとんどできておらぬ。そこへもってきてああいうふうな汚職が起きて、まことにみっともない話であって、ああいうことは綱紀粛正で絶対に二度と起こらないように郵政大臣もやらなければならぬ、こう思うわけでありまして、そういう点については、その職員の士気の弛緩、あるいはまた全体的な士気の弛緩ということもある程度あると思いますけれども、やはりどこかそういうところにつけ入れられるところの官庁機構というものもあるのではないか、そういうことを考えた場合に、やはり大臣は、そういうこまかいところまで気を配って、予算の確保、人員の確保という点についてはやってやると同時に、いわゆる綱紀の粛正、あるいは上からの命令は下まですっと通る、こういう形の官庁の機構というものをすっきりさせなければならぬという点が一番の重要な点であろうと私は思う。百万だら法律を改正しても、その施行を行なうところの人間が悪かったならば何にもならぬ。さらにその経費の裏づけがなければ何にもならぬ。人員の裏づけがなければ何にもならぬ。そういう点については、予算も通っておりまするけれども、ひとつ今後十分に大臣はそういう点の配慮と考慮を行なって、なおかつ部内の綱紀粛正という点については断固とした態度をとってやっていただきたいということを大臣に要望いたしますけれども、最後に大臣の所感を聞いて私は質問を終わりたい、こう思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/154
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155・古池信三
○古池国務大臣 最近電波監理局におきまして不祥事が発覚いたしましたことは、まことに遺憾な次第でございまして、最高責任の立場にある私といたしまして、ほんとうに申しわけないことと考えております。私は、昨年就任以来、特に綱紀粛正という問題につきましては、非常にやかましく言いまして、部内の職員各位の自覚を促して今日までまいったのでありまするが、最近さような問題が発見されたということは、返す返すも非常に残念に存じております。ただこの不祥事件が部内の職員の旅費が非常に窮屈であるから起こったものとも断ずることはできないと思いまするけれども、しかしながら、一般会計においては旅費が非常に窮屈であるということば、御指摘のとおりであります。それはわが郵政省の電波監理行政のみならず、特別会計に比べますると、一般にどの省においても一般監督行政のほうの旅費は非常に窮屈なようでございまして、大蔵省がなかなか旅費に対してはさいふのひもをかたく締めておるようでございます。しかしながら、それも大蔵省の立場としてはやむを得ない点もあろうかと思いますが、私どもとしては、この仕事を完全に進めていくために、必要なる旅費は最小限度確保いたしたい。さような考えで今後も努力をいたしてまいるつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/155
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156・森本靖
○森本委員 質問をよく聞いておいてもらいたいと思いますが、まだ忘れておる点は、要員の確保という点と、それから同じ郵政省の中におりながら、一方は一般職の俸給表が適用されておる、一方は特別職の俸給表が適用されておる、そういうことによってなかなか電波監理局の下のほうには行きたがらぬ、こういう考え方もあるわけであります。これも長い間の懸案事項でありますけれども、やはりこういう問題についても大臣は十分に考えてやってもらいたい。この要員の問題と待遇の問題についても、綱紀粛正と同時に、やはり大臣が十分に考えていってもらいたいということを言っておるわけでありまして、その二つについても大臣の御意見を聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/156
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157・古池信三
○古池国務大臣 要員の点につきましても、旅費と同様に、やはり政府部内における査定が非常にきびしいわけでございます。したがって、本年は二十一名の要員を増員いたしましたが、しかしこれはいま最も緊急を要する研究所のほうに回さざるを得ないことになりまして、特に地方の電波監理局には増員をすることはできなかったのでございますが、今後増員についても十分努力をいたしたいと考えます。
また、同じく郵政省内にありながら、郵政事業の特別会計のほうの職員と一般監督行政のほうの職員との間に、待遇においてふつり合いがあるということは事実でございますが、これもでき得るならば、同じ郵政省の屋根の下にある職員でありますから、同一の待遇条件を確保するのが当然であると思いますが、また一面から考えますと、一般職の一般監督に従事する職員は、他の各省との振り合いということがございまして、政府部内でもなかなかわれわれの考えておりまする要求が容易に通らない、そういう実情にございます。これらは政府全般の問題として今後十分に研究をして、待遇の上に不均衡なからしめるということが理想であろうと思いますので、そういう線に沿って私どもも微力ながら今後努力を重ねてまいりたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/157
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158・加藤常太郎
○加藤委員長 本日はこの程度とし、次会は明後十二日午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時四十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604816X02919640610/158
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