1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年二月二十日(木曜日)
午前十時三十五分開議
出席委員
委員長 綱島 正興君
理事 伊能繁次郎君 理事 辻 寛一君
理事 内藤 隆君 理事 永山 忠則君
理事 田口 誠治君 理事 石橋 政嗣君
理事 山内 広君
小笠 公韶君 佐々木義武君
高瀬 傳君 坪川 信三君
塚田 徹君 野呂 恭一君
徳安 實藏君 保科善四郎君
藤尾 正行君 湊 徹郎君
前田 正男君 茜ケ久保重光君
渡辺 栄一君 大出 俊君
稻村 隆一君 村山 喜一君
中村 高一君
山田 長司君
山下 栄二君
出席国務大臣
国 務 大 臣 福田 篤泰君
国 務 大 臣 宮澤 喜一君
出席政府委員
総理府総務長官 野田 武夫君
総理府技官
(首都圏整備委
員会事務局長) 谷藤 正三君
防衛庁参事官
(経理局長) 上田 克郎君
防衛施設庁長官 小野 裕君
防衛庁事務官
(防衛施設庁総
務部会計課長) 大浜 用正君
防衛庁事務官
(防衛施設庁施
設部長) 鈴木 昇君
防衛庁事務官
(防衛施設庁労
務部長) 藤本 幹君
総理府事務官
(経済企画庁長
官官房長) 村上孝太郎君
委員外の出席者
専 門 員 加藤 重喜君
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二月十九日
委員渡辺栄一君及び受田新吉君辞任につき、そ
の補欠として島村一郎君及び西村榮一君が議長
の指名で委員に選任された。
同月二十日
委員島村一郎君辞任につき、その補欠として渡
辺栄一君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員渡辺栄一君辞任につき、その補欠として島
村一郎君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
総理府設置法等の一部を改正する法律案(内閣
提出第八一号)
昭和三十九年度防衛庁関係予算について説明聴
取
国の防衛に関する件(基地問題及び駐留軍労務
者問題)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/0
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001・綱島正興
○綱島委員長 これより会議を開きます。
総理府設置法等の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。野田総理府総務長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/1
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002・野田武夫
○野田政府委員 ただいま議題となりました総理府設置法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
今回提案いたしました法律案は、総理府設置法の一部を改正するほか、青少年問題協議会設置法、科学技術会議設置法、宮内庁法、行政管理庁設置法、北海道開発法、経済企画庁設置法、科学技術庁設置法及び内閣法の一部を改正しようとするものであります。以下順次その内容の概略を申し述べます。
まず第一条は、総理府設置法の一部改正であります。第一は、青少年局の設置であります。国の次代をになう青少年の指導、育成等に関する総合的な施策を樹立し、これを強力に推進することは、人づくりの見地からきわめて重要であります。このため、総理府に内部部局として青少年局を設置し、同局において青少年の指導、育成、保護及び矯正に関する基本的かつ総合的な施策の樹立、並びに関係行政機関の施策及び事務の総合調整を行なうとともに、いずれの省庁にも属しない青少年に関する事務をつかさどることとするものであります。なお、これに伴い、第二条において青少年問題協議会設置法の一部を改正し、中央青少年問題協議会の所掌事務の改正等、所要の規定の整備を行なうこととしております。
第二は、賞勲局の設置であります。これは、生存者及び戦没者に対する叙勲等に関する事務員の増加に備え、その円滑な処理を期するため、内閣総理大臣官房賞勲部の機構を改め、総理府に内部部局として賞勲局を設置しようとするものであります。
第三は、審議会等の設置及び改廃であります。すなわち、在外財産問題に関する重要事項を調査審議するため、在外財産問題審議会を、市町村における住民に関する台帳に関する諸制度の合理化について調査審議するため、住民台帳制度合理化調査会をそれぞれ内閣総理大臣の諮問機関として設置するとともに、設置期限が本年三月三十一日までとされている審議会のうち、今後なお調査審議すべき事項のある産業災害防止対策審議会の設置期限を二カ年間延長し、任務を終了する港湾労働等対策審議会、交通基本問題調査会及び補助金等合理化審議会を廃止するものであります。
第四は、定員でありまして、賞勲局及び青少年局の新設その他事務長の増加に伴い、総理府本府の定員を百四十七人増員し、三千九百八十三人とするものであります。
第三条は、科学技術会議設置法の一部改正であります。
これは、科学技術会議の科学技術に関する最高審議機関としての機能をより一そう発揮させるため、同会議が内閣総理大臣の諮問に応じ答申を行なった後においても、諮問事項に関し内閣総理大臣に意見を申し出ることができるようにするものであります。
第四条は、宮内庁法の一部改正であります。
これは、文書事務の増加に対処するため、宮内庁の定員を二人増員し、千百九十四人とするものであります。
第五条は、行政管理庁設置法の一部改正であります。
これは、統計審議会の委員を一人増員するほか、統計事務の増加等に対処するため、行政管理庁の定員を三人増員し、千六百六十七人とするものであります。
第六条は、北海道開発法の一部改正であります。
これは、北海道開発事業の円滑な遂行をはかるため、北海道開発庁の定員を四十一人増員し、一万一千七百六十八人とするものであります。
第七条は、経済企画庁設置法の一部改正であります。
第一は、国民生活局の設置であります。これは、経済の質的改善に加えて経済諸資源を国民福祉の向上に役立つよう適正に配分するとともに、消費者の保護等に関する施策を推進することが一そう重要となった今日、国民生活行政が新しく展開されることが必要と考えられますので、経済企画庁に内部部局として国民生活局を設置しようとするものであります。同局におきましては、主として国民生活の安定及び向上、国民の日常生活の改善並びに物価等についての基本的な経済政策の企画立案及び総合調整に関することをつかさどることとしております。
第二は、地域経済問題調査会の廃止であります。同調査会は、すでに昨年九月に答申を行なっており、任務を終了したものと考えられますので、これを廃止するものであります。
第三は、定員でありまして、国民生活局を中心に二十二人増員し、経済企画庁の定員を六百人とするものであります。
第八条は、科学技術庁設置法の一部改正であります。
第一は、宇宙開発推進本部の設置であります。宇宙開発の積極的な推進をはかり、これに関する総合的かつ効率的な体制を整備するため、付属機関として宇宙開発推進本部を設置し、宇宙の利用を推進するため特に関発する必要があるロケット及び人工衛星等につき、関係行政機関の中核となって、その開発を行なおうとするものであります。
第二は、付属機関である国立防災科学技術センターに雪害実験所を支所として設けることができるよう所要の改正を行なうものであります。
第三は、定員でありまして、行政事務の充実及び付属研究機関の強化をはかるため、科学技術庁の定員を百九人増員し、千八百十四人とするものであります。
第九条は、内閣法の一部改正であります。
これは、事務処理の円滑を期するため内閣官房の定員を八人増員し、七十九人とするものであります。
以上が、この法律案の提案の理由及び概要であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/2
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003・綱島正興
○綱島委員長 これにて提案理由の説明は終了いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/3
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004・綱島正興
○綱島委員長 本案に関連しまして、石橋政嗣君より発言を求められておりますので、これを許します。石橋政嗣君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/4
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005・石橋政嗣
○石橋委員 ただいま提案の理由が説明されたわけでございますが、この法案の内容についてお尋ねをするのではなくて、若干手続問題その他で質問しておきたいと思います。
その一つは、今度の総理府設置法等の一部改正は、従来の慣例を破りまして、総理府の外局の各庁の設置を全部一まとめにされておられるようでございますが、こういうふうなていさいをとられた理由をお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/5
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006・野田武夫
○野田政府委員 お尋ねの問題でございますが、ただいま提案いたしました改正法律案は、いずれも行政組織に関する法律の改正でありまして、その改正の目的である、つまり規定の対象が、すべて総理府に属しております。したがって、法律案の提出に関しまする事務をなるべく円滑化したいという見地からいたしまして、今回提案いたしました法律案は、本府並びに外局を全部含めまして、一本の法律案として提出したのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/6
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007・石橋政嗣
○石橋委員 そういうことでありますと、若干疑問が出てくるわけであります。まず第一の疑問点は、総理府の外局の中には、このほかにも防衛庁があるのですが、これだけははずしてあるのです。防衛庁設置法の改正は、今回は考えておらないということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/7
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008・野田武夫
○野田政府委員 防衛庁設置法の改正は、ただいま実は検討中でございまして、何と申しましてもただいま提案いたしました改正法律案は予算関係の法案でありますから、なるべく早い期間に国会に提出すべきものだと考えておりまして、この検討中の議案は、その検討を終わりましてその後に提出するということでございましたから、とりあえず成案を得ました改正案をいま提出したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/8
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009・石橋政嗣
○石橋委員 それはちょっとおかしいと思うのですよ。防衛庁設置法の一部改正も、予算に重大な関連がある。これは予算関連法案ではないという考え方を総務長官がおとりになっておるとすれば、了解いたしがたい。今後は、足並みがそろいさえすれば、防衛庁設置法の改正も、総理府設置法等の一部改正という形で包括してお出しになるわけですか。今回は、防衛庁だけがまだ立ちおくれて間に合わなかったからやった、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/9
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010・野田武夫
○野田政府委員 防衛庁設置法の改正法律案は、もちろん予算に関係あることはそのとおりでございます。ただ私が申し上げましたのは、何と申しましても設置法改正案はすべて重要な法律案でございますから、なるべく早く御審議を願うというのが妥当だ。したがって、ただいま御指摘の防衛庁設置法の改正案につきましては検討中でございまして、これを提案するかしないかということもまだいま検討いたしておる次第でございますから、その成案を待ちますと、各般にわたってこれら重要法案の提出がおくれますので、まとまった内容の改正案を提出したわけでございます。したがって、防衛庁設置法の改正案が成案を得ることになりますれば、もちろん直ちに提案いたしまして御審議を願う所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/10
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011・石橋政嗣
○石橋委員 私がお尋ねしていることにちょっとそのままお答えになっておらないのじゃないかと思うのです。まず、予算関連法案はなるべく早く出せということは、私どもも要求をしております。官房長官のほうからも、十一日、どんなにおそくとも今月の十五日までには出しますという確約もなされておるわけです。しかし、いまだに防衛庁設置法の一部改正は成案を得ておりません。だから、やむを得ずその分だけははずして、今度はまとまっている部分だけ、しかも総理府に関連する部分だけを一括して出したのだ。本来ならば防衛庁設置法の一部改正も、官房長官が言明をしたとおり、十五日までに準備が整っておれば合わせて出すつもりであったのだ、こういうことなんですか、いまのお答えの内容は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/11
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012・野田武夫
○野田政府委員 防衛庁設置法の改正法律案を出すという前提で申し上げているのではございません。つまり成案を出すことに政府が決定いたしますれば、提案いたしまして御審議を願う。いま検討中であるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/12
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013・石橋政嗣
○石橋委員 防衛庁設置法に関連する分も、予算としてはすでに出されているわけですから、定員の増加についても、機構の改編についても、法案を出さなければならぬということはわかっておるのです、法案の裏づけがない予算が出てきているわけはないのですから。いずれ防衛庁設置法の一部改正というものが国会に出されてくることは間違いないのですよ。ただ、それの準備がまだ完了しておらぬ。それを待っていたならば、いま御提案になったような各庁の設置法までが引きずられておくれるから、今度はとりあえず成案を得た部分だけを出したのでございます。本来ならば、防衛庁設置法の一部改正もこの中に含めて出すのが筋でございました、こういうことなんですかと聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/13
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014・野田武夫
○野田政府委員 私が申し上げたのは、ちょっと誤解があったと思います。私が言い間違えたのでございます。もちろん防衛庁設置法の一部改正法案というものは、防衛庁に関する予算も出ていることは事実でございますが、しかし、その内容につきましてただいま検討中でございまして、つまりこういう予算関係の法案はなるべくすみやかに出すように、また政府といたしましてもなるべくすみやかに御審議を願いたい、こういうことで、いままで成案を得ましたものをここにそろえまして提出したわけでございます。防衛庁設置法の改正案につきましての内容については、いま検討中でございますから、したがって、今回はこれを含めないで、成案を得たものから提出した、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/14
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015・石橋政嗣
○石橋委員 まだ直接お答えになっていただいておらないような気がするのですけれども、いままでは、ここに一括して出されました経済企画庁設置法の一部改正なり、科学技術庁設置法の一部改正なり、あるいは行政管理庁設置法の一部改正なり、単独の法案として国会に出されていたわけです。その慣例を破って、今回は一本の法律にまとめて、そして総理府の外局の部分は全部一本の法にまとめて出した、こういう御説明でございますので、しからば、総理府の外局には、大どころが一つあるじゃありませんか、防衛庁という大きなのがあるじゃありませんか、その部分が入っていないのはどういうわけですかと、私はこういうお尋ねをしたわけなんです。そうしたら長官は、防衛庁についてはまだ準備ができておらない、それを待っておったら各庁の設置法の提出までがおくれることになるから、そこで今度は防衛庁だけをはずして出したということは、防衛庁だけがさっささっさと仕事をして、官房長官が言明したとおり、今月の中旬までに成案をまとめておりさえすれば、この中に入れて出す予定だった、こういうことなんですかと聞いておるわけですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/15
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016・野田武夫
○野田政府委員 大体いま繰り返して申しましたとおり、防衛庁の設置法の改正も、最初のほかの関連、つまり本府並びに総理府の外局も今度は全部含めて提案いたしましたから、成案ができておりますれば、もちろんまとめて出すつもりでおりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/16
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017・石橋政嗣
○石橋委員 わかりました。それではその次の質問に移りますが、審議を促進してもらいたいという意図でこれをまとめて出したんだ、こういうお話でございますけれども、それが審議の促進になるのかどうかはわかりません。これは今後の運営次第ですが、少なくともこういう形で出されますと、はたして審議の促進に役立つかどうか、私は疑問です。まず第一に、このような形でお出しになるならば、当然総理府の主管の大臣たる総理大臣が、提案理由の説明もなさるのが当然であるし、この法案がかかって審議されている間中、主管大臣たる総理大臣が来られるべきじゃないかと思うのです。このまとめた趣旨からいっても、これはばらばらじゃないんだ、本来総理府というもので一本のものだから、そういうお考えであるとすれば、まず主管の大臣である総理大臣の御出席があってしかるべきじゃないかと思うし、審議期間中も御出席を随時いただくことになろうかと思いますが、その点は十分に御考慮願っておるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/17
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018・野田武夫
○野田政府委員 これは委員会で総理の出席その他の御要求もございましょうし、必要によっては総理の出席もあり得るかと思いますが、いまここでもって総理大臣が当初から参りまして御説明するとか、あるいは質問に答えるというようなことを、私自身ではまだはっきりここで御答弁はできません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/18
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019・石橋政嗣
○石橋委員 しかし、総理府というもので一つにくくったんだとあなたはおっしゃるわけですよ。そうしますと、一本の案としてわれわれ審議する場合に、この中に盛られておるもののどれを質問しても、あなたがお答えできるはずがないでしょう。それだけの権限も与えられておらないはずです。主管の大臣たる総理大臣がおられれば、このどの部分についても、一応基本的な考え方を述べることもできようかと思いますが、あなたでは、そういった基本的な問題について、この外局全般にわたるようなことについて、私どもお尋ねした場合にお答えできますか、その点から……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/19
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020・野田武夫
○野田政府委員 本府並びに外局を含めておりますから、もちろん総理大臣がその担当大臣であることは明らかであります。しかし、それと同時に、おのおの外局におきましては責任の国務大臣がおりますので、これにまた御質問いただけば、各外局の担当の国務大臣は、当然御質問に対するお答えができると思っております。また、必要によっては総理大臣が出席しなければ質疑にお答えができないというような場合は、これは当然総理大臣が出席してお答えする、これは委員会の御意思によってわれわれもまた考えなくてはならぬと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/20
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021・石橋政嗣
○石橋委員 その点は一応確認しておきます。これは委員長にも、与党の皆さん方にも、ひとつ頭の中に置いておいていただきたいと思う。
それからもう一つは、各庁全部入っておりますから、この法案の審査をするときには、ここに入っております各庁の担当大臣は全部御出席を要求されるものとひとつ覚悟していただきたいと思う。そこに首をそろえていただきます。
それから、次に質問に入るわけですが、これは宮澤さんです。いま提案理由の説明がございました。その中に、あなたの担当する経済企画庁設置法の一部改正も含まれておるわけです。内容はいま御説明があったわけですが、一つの柱として国民生活局というものをつくりたい、「何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことを」とある。あなたもそういう気持だろうと思うのですが、これから審議がいつ始まるかわかりませんけれども、いま初めて私どもは説明を受けたわけですよ。ところが、実際には国民生活局がもうできたかのごとき態度をあなたはとっておられる。いまさらもう言わなくたってわかることでございますけれども、すでに十四日の閣議後の記者会見で、あなたは国民生活局の初代局長に江上フジさんを充てて、就任の交渉をしております。記者会見で発表しておられます。どこかで漏れたというような問題じゃない。あなたが記者会見で堂々と発表されておる。この態度が、私にはどうしてもわかりません。一体あなたのほうで国民生活局をつくろう、国会にお願いしよう、もうそのときにできたと同然ということなのか、まずその辺からお伺いいたしましよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/21
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022・宮澤喜一
○宮澤国務大臣 私どもは、自分たちが最善と信じます案件を国会に提出いたしまして、御審議をお願いしておるわけでございます。もとより御審議の結果がどうなるかということは、これは国会の問題でございまして、私どもがかれこれできない問題であることは、そのとおりでございます。ただ最善と信じますところを提案をいたし、御審議を願っておるのでありますから、一応御審議の結果、当然これをお認めいただけるという前提でものを考え、そのための準備をいたしております。それは予算にいたしましても、あるいは特定の提案を申し上げておりますこの内部構成の問題につきましても、あるいはまたこれが実現された場合の人事につきましても、当然心の準備はいたしておかなければならない、それが私どものつとめであるというふうに考えておるわけでございます。ただ、ただいま石橋委員から、特定の人事について新聞記者会見で私が公表をしたというような御趣旨のお話がございましたが、そういうことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/22
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023・石橋政嗣
○石橋委員 記者会見であなたがこういうことを発表したことはないというんですか。各社全部、これは発表されて、記事になっているのですよ。もう一度そのところをしっかり言ってください。記者会見であなた、こういうことを述べたことはないと言うんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/23
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024・宮澤喜一
○宮澤国務大臣 新聞記者会見で、これにつきましての質問がございました。それに対して、私が別段肯定はいたしませんでした。ただ否定もいたさなかったことも事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/24
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025・石橋政嗣
○石橋委員 もうこれは各社全部一緒の記事になっているわけです。あなたの——このいま私が持ってきているのは朝日新聞ですが、交渉中であることを明らかにした、こういうふうに全部なっているのですがね。質問が出たときに、じゃ、あなたはどういう態度をとられたのですか。黙っておったのですか、(「もう議運で済んでいるぞ」と呼ぶ者あり)議連じゃない。あなた、国会議員として考えなさいよ、与党の議員としてじゃなしに、国会の権威の問題だよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/25
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026・宮澤喜一
○宮澤国務大臣 肯定はいたしませんでした。しかし、否定もいたさなかったのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/26
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027・石橋政嗣
○石橋委員 黙っておったということですか。それじゃ、黙っておったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/27
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028・宮澤喜一
○宮澤国務大臣 そのことについては、肯定も否定もいたさなかったのであります。そういう意味では、黙っておったかとおっしゃれば、そういうことになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/28
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029・石橋政嗣
○石橋委員 あなたは全然これについて反省がないよ。あなたも国会議員でしょう。政府として、自分が最善の案というものを法案にまとめて出すことぐらいわかりますよ。しかし、最終的にそれが是か非かということをきめるのはどこですか。国会議員である以上、あなたもそれぐらいのことはわかっているはずです。憲法に書いてあります。自分がやったことは絶対に間違いないというような態度ですね、あなたは。全然まだわからない問題ですよ。特に臨時行政調査会というものをいまつくって、そうして行政機構についてどういうメスを加えようかと一生懸命検討させているじゃないですか。あなたたちは、そういうさなかにどんどん局をつくっていく。かってに機構を改編する。その基本的な池田内閣の態度に問題がある。そういうときであればなおさらのこと、はたして臨時行政調査会の作業が進んでおる段階に、どうしても動かさなければならぬ、新設せねばならぬ局かどうかということは、国会として慎重に考えねばならぬ問題です。幾ら最善であるとあなたが考えようとも、緊急性があるかどうか。あと半年たてば臨時行政調査会の最終的な報告も出ようというときに、それを待たずして新設されなくちゃならないポストであるかどうか。これは慎重に本委員会中心でいまから議論される。あなたが幾ら最善だと思っても、はたしてそのとおりきまるかどうかわかりません。そういう問題について、おれは最善と思って国民生活局の新設を提案したんだから、これはどうせ国会は通る。だから、もうどんどん作業を進めたって何がおかしいか。あなた、国会議員に立ち戻ってものを考えてくださいよ。そういう態度で国会の権威が保たれると思っておりますか。いまはあなたも行政府に入っておるかもしれませんけれども、また戻ってきて国会議員として任務を果たさなくちゃならない立場じゃないですか。矛盾を感じませんか、あなたがやっておられる態度について。しかも自分のほうから発表したんじゃない。記者が質問したから、ぼくは黙っておったんだ。黙っておることによって肯定しているということじゃありませんか。否定しないなら、肯定になるじゃないですか。開き直ったような言い方はおよしなさいよ。何でそういうふうに開き直らなければいかぬのですか。あなたは、自分のやったことは正しいと思っておるわけですね。何ら反省するところはない。そういうお気持ですか。これは重大な問題ですからね。ケリをつけてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/29
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030・宮澤喜一
○宮澤国務大臣 国民生活局を設置することが緊要であるかどうかということについては、実は私も一年半くらい考えておったわけでございます。各委員会の国会における、質問におきましても、国民生活行政をやる行政機関が要るのではないかという趣旨の御質問は、各方面から一昨年から実はあるわけでございまして、昨年のこの時期に設置法の改正を国会にお願いしようかどうかということを、実はだいぶ考えたわけでございましたが、どうもただいま石橋委員も仰せられましたように、あまり政府の機構をいじるということ、ことに人間をふやすということ、そのこと自身は私もあまり好ましいことではないと実は思っておりましたので、昨年は提案を申し上げなかったわけであります。しかしながら、その後一年間に、さらにそれについての国会方面の御意思がいろいろの質問の形となってあらわれておりますし、また世の中にもそういう声が強いように感じましたので、今回思い切りまして提案を申し上げたようなわけであります。
なお、記者会見でなぜ否定しなかったのかというお尋ねでございますが、それは非常に御返事のしにくい御質問でございます。どうしても返答せよとおっしゃれば御返答申し上げますけれども、設置法そのものが国会でどうなるかということは、将来のことでございますので、ちょっとその御質問にはお答えがしにくいのでございます。
なお、何か矛盾を感じないかということにつきましては、別段矛盾を感じておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/30
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031・石橋政嗣
○石橋委員 あなたは、それではこの日の閣議で、大体自分が国民生活局というものをつくって、それに江上さんなる人を当てたいということを報告か何かしたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/31
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032・宮澤喜一
○宮澤国務大臣 それこそは、この設置法そのものが国会でまだ御審議の過程でありますから、閣議などでそういうことを申すべき筋合いではございませんので、全然申しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/32
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033・石橋政嗣
○石橋委員 それではそういう質問が出たということは、新聞社のほうでかってにキャッチして、それで記者会見のときにあなたに尋ねた、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/33
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034・宮澤喜一
○宮澤国務大臣 これは実は推測になるわけでございますけれども、いろいろ人事を考えますときに、相手が公務員であれば、比較的簡単に、人事というものはいざやらなければならない段階にはできるわけでございますが、そうでない場合には、相当長い準備期間が要るわけでございます。これは御了承をいただけることだと思います。したがって、そういう準備のかなり長い期間の過程において、報道機関がこれを知るということは十分あり得るわけであります。それで私の印象では、各報道機関ともこのことについては、かなり前から知っておったらしいという印象を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/34
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035・石橋政嗣
○石橋委員 それでは、あなたがもう国会にこの法案を出す前から報道人は早くもキャッチしておった、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/35
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036・宮澤喜一
○宮澤国務大臣 それはよくわかりませんが、法案の提出について閣議決定をいたしました、そこらの段階からは知っておったのではないかと思いますが、これはさだかには申し上げられません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/36
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037・石橋政嗣
○石橋委員 もう少し基本的な態度をお尋ねしますが、あなたは臨時行政調査会の答申が出れば、これは十分に尊重しなければならぬ、できるだけ報告の線に沿って機構の改革はやるべきだ、そういうお考えを基本的にはお持ちですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/37
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038・宮澤喜一
○宮澤国務大臣 基本的にそういう考えを持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/38
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039・石橋政嗣
○石橋委員 先日、この臨時行政調査会のいわゆる太田試案なるものが出された直後に開かれた閣議において、非常に問題があった。こんなものは実行不可能だというような極言をされた大臣もおるというふうに報道されております。池田内閣が異常な取り組み方をしておるというふうに、当初はいわれておった。私どもも、何度もこの委員会で念を押しました。池田内閣のような弱体内閣で、歴代の内閣がろくにやれなかったような行政機構の改革、しかも基本的な大変革をやろうというようなことを考えたって、無理じゃないですか。一体どこまで本気で考えているのですか。私は、何度も池田総理にも念を押しました。絶対にやる、それこそ、報告が出れば、十分にこれを尊重して実際の改革の面で生かしたいというようなことを、再三言明されておる。ところが、その池田内閣が閣議において、臨時行政調査会の最終的な報告がまとまりもしないうちに、早くも国務大臣としての任務を忘れ、各省の行政長官としての、行政大臣としての発言をどんどんされておる。この姿勢に私どもまず疑問を持っているわけですよ。あなたのいまの態度も、口で何と言おうとも、そういうものと思想的に十分につながりがあると思うのです。それほど臨時行政調査会というものに大きな期待をかけておるならば、半年や一年待てないはずはないのですよ。おれのところは特別、おれのところの国民生活局は絶対いま必要だ、そういう行政大臣としての気分のほうが、国務大臣という立場より先行しているじゃないですか。そういうふうにほんとうに取り組んでいるのかどうかという疑問を、まず私どもは持っているわけです。はしなくもそのあなたの気がまえというものが、今度のこの人事の交渉という形で露呈されたと思っているのですよ。今度も新設される局が、各省設置法の改正案を見ますと、五局ございます。部が三部あります。あと三局は名称の変更のようですが、あと半年たてば臨時行政調査会の報告が出ようというときに、それを待たずして五局もまた新設されるのです。どんどん局も部もふやしておいて、お義理で世論に向かって少しは改革したというような印象を与えるためには、そのときちょっと減らしてもあまり損をしないようにしておこう、そういう根性まる見えじゃないですか。そういうことがありませんか。既成の事実をいまのうちに積み重ねていっておこう、そんなことで、なぜ行政機構の改革ができますか。そういった既成の事実を積み重ねるために、手練手管を弄しているとしか考えられませんよ。外部の人、それであるだけに早く名前を出しておいて、いわば道義的に国会をも縛ってしまおうというような意図があなたにあるかもしれない。特に本委員会はフェミニストぞろいだとあなたは見て、御婦人の名前を出しておけばよもやいやとは言わぬだろう、そこまであなたは頭がいいから考えたかもしれぬ。確かにこういう名前を出された人はお気の毒ですよ。江上さんが適任者かどうか私どもは知りませんけれども、しかし、少なくともこういう名前を出されて、こういうふうに論議の対象になるということは、お気の毒ですよ。そういう迷惑を与えたのは、われわれじゃない、あなたなんだ。いわば既成事実を積み重ねようという根性ではないですか。そこには国会を尊重するという当然の任務をすら、あなたは忘れ去っておるというか、ないがしろにしておりますよ。もっと虚心たんかいに、どうもまずかったらまずかったとお認めになったらどうです。何が悪いかというような態度で国会に臨んで、あなたの価値が上がるわけでもありますまい。あなたは万年大臣をやっておるつもりですか。池田内閣もそんなに続きませんよ。(「よけいなことは言うな」と呼ぶ者あり)よけいなことかどうか、あなたたちの中にも、そう思っておる人がたくさんあるだろう。やがて国会議員にまた戻ってくるのだから、やはり国民に選ばれた国会議員という立場をまず第一にお考えになってしかるべきだと思います。国会の権威を傷つけるような、そういう態度をおとりになることはやめていただきたいと思いますが、その点については約束ができますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/39
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040・宮澤喜一
○宮澤国務大臣 機構を大きくいたしましたり役人の数をふやすということは、どうも私自身はあまりほめたことでないというふうに本来考えておるものでございますから、それで先ほども申しましたように、昨年一年むしろ私自身が消極的で、昨年のいまごろに御提案をいたさなかったわけでございます。これは先ほど申し上げました。
あと、御質問で特にお答えしなければならないと思うところはどの点でございましたか、まあこういうことが報道機関に知られさえしなければ、こういうおとがめも受けなかったわけでございます。この点は、あるいは私どもの側の扱い方に至らざるところがあった結果かもしれません。それからまた、何ぶん外部との交渉でございますから、お互いに当事者たちがそういうことをもう少し慎重に扱うべきであったかもしれないということは思っております。私がそういうことを自分で公に肯定したということはもちろんございませんし、自分から言い出したということもないわけでございます。先ほどから御説明いたしましたところで、その点はおわかりいただけたかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/40
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041・石橋政嗣
○石橋委員 それではきょうはこの程度にとどめておきたいと思います。どうせこの法案の審査に入ったときに、またいろいろお尋ねしたいと思います。しかし、くれぐれも申し上げておきますが、こういう不用意な態度は改めていただきたい、このことだけ申し上げて、きょうのところ終わりたいと思います。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/41
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042・綱島正興
○綱島委員長 次に、国の防衛に関する件について、調査を進めます。
この際、昭和三十九年度防衛庁関係の予算について、説明を聴取することにいたします。防衛庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/42
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043・福田篤泰
○福田(篤)国務大臣 昭和三十九年度防衛庁予算につきまして、その概要を御説明いたします。
昭和三十九年度の防衛庁の歳出予算の総額は、二千六百十二億五千九百十三万二千円でありまして、これを昭和三十八年度の歳出予算額二千三百五十一億六千二百六十五万五千円(補正予算を含む。)に比べますと、二百六十億九千六百四十七万七千円の増加と相なっております。
このほか、国庫債務負担行為として、航空機の購入について四十五億八千五百十七万二千円、機材の整備について三百四十一億三千六百二十四万八千円、弾薬の購入について二十六億千二百三十三万七千円、施設の整備について一億九千六百九十三万三千円、艦船の建造について十八億二千五百二十八万四千円、計四百三十三億五千五百九十七万四千円を計上し、さらに継続費として、昭和三十九年度甲型警備艦建造費について三十億五千五百六十一万九千円、昭和三十九年度甲II型警備艦建造費について四十億七千二百五十八万五千円、昭和三十九年度潜水艦建造費について三十九億七千百八十万四千円、合計百十一億八千円を計上いたしております。
また、職員の定数につきましては、防衛庁の昭和三十九年度の職員定数は自衛官二十四万六千九十四人、自衛官以外の職員二万七千二十九人、計二十七万三千百二十三人でありまして、これを昭和三十八年度の職員定数に比べますと、自衛官二千百七十一人、自衛官以外の職員において七百六十一人、計二千九百三十二人の増加と相なっております。
次に、予算案の内容について申し上げます。
まず、基本方針といたしまして、三十九年度予算案は、第二次防衛力整備計画の線に沿って、昭和三十九年度業務計画を円滑に推進し、内容の充実整備、後方支援の強化等により、防衛力の実質的向上をはかれるようつとめており、特に以下の諸点に留意いたしております。
すなわち、国防意識の高揚をはかり、自衛隊に対する国民一般の理解を深めるとともに、隊員の士気を高揚し、かつ自衛官充足対策の充実強化をはかるため、広報施策の強化、老朽隊舎の改築、その他環境改善のための営舎整備の促進及び国設宿舎の増設等を行なうことといたしております。
次に、基地問題を円滑に処理するため、前年度に引き続き騒音防止対策を推進するとともに、基地周辺の道路の整備、用地買収及び家屋移転等の民生安定諸施策の充実をはかるよう配慮いたしております。
また、第二次防衛力整備計画にのっとり、陸、海、空、三自衛隊装備品の充実近代化を促進するため、陸上部隊装備の充実、弾薬の確保、ナイキ、ホーク関係部隊の整備、艦船建造及び航空機購入計画の推進をはかるほか、新たにバッジ導入に必要な経費の要求をしております。
以下、組織別に予算の内容について申し上げます。
陸上自衛隊につきましては、歳出予算におきまして千八十四億千百十三万一千円、国庫債務負担行為におきまして四十九億九百五十八万円となっており、職員定数におきまして自衛官十七万千五百人、自衛官以外の職員一万三千六百三十人、計十八万五千百三十人と相なっております。
その主要な内容について申し上げますと、第二次防衛力整備計画にのっとり、ホーク一個大隊を新編するほか、昭和三十六年度以来改編してまいりました十三個師団体制の改編完了に伴い、後方支援能力の整備充実をはかる等のために所要の改編増強を行なうことといたしております。また、前年度に引き続き第七師団の機甲化の推進と全般装備の充実改善を進める一方、予備自衛官五千人の増員を行なうことといたしております。
海上自衛隊につきましては、歳出予算におきまして五百八十億九千四百九十万七千円、国庫債務負担行為におきまして八十九億七千四百七十五万円、継続費におきましては冒頭に申し上げたとおりであり、職員定数におきまして自衛官三万四千九百六十三人、自衛官以外の職員四千九百八十人、計三万九千九百四十三人と相なっております。
まず定員につきましては、三十八年度及び三十九年度就役艦の海上要員、航空機の増強に伴う航空要員並びに後方補給及び教育関係要員確保のため、自衛官千六百七十二人、自衛官以外の職員四百六十人、計二千百三十二人を増員いたしております。
次に、艦船につきましては、新たに甲型警備艦二千トン型一隻、三千トン型一隻、潜水艦千六百トン型一隻、駆潜艇一隻、掃海艇二隻、支援船六隻、総計十二隻、八千七百三十一トンの建造を予定いたしております。
これにより昭和三十九年度末の保有艦艇は、四百八十一隻、十五万千三百三十一トンになる予定であります。また、昭和三十九年度に増加する航空機として、練習機三機及び対潜ヘリコプター四機を購入することといたしておりますので、これらにより昭和三十九年度末の海上自衛隊の保有機数は二百五十機と相なります。
航空自衛隊につきましては、歳出予算におきまして八百八十二億五千九百六十五万七千円、国庫債務負担行為におきまして二百八十五億八千六百七十万七千円と相なっており、職員定数におきまして自衛官三万九千五百五十三人、自衛官以外の職員五千三百五十六人、計四万四千九百九人と相なっております。
その主要な内容について申し上げますと、定員につきましては、F104J飛行隊の新編等に要する自衛官四百九十六人を増員することといたしております。
次に、航空機につきましては、F104Jの生産を引き続き行なうとともに、輸送機二機及び救難ヘリコプター二機の購入をはかりますので、昭和三十九年度末の航空機保有数は、実用機七百二十一機、練習機四百三十二機、計千百五十三機と相なります。
内局、統合幕僚会議及び付属機関につきましては、歳出予算におきまして六十四億九千三百四十三万七千円、国庫債務負担行為におきましては八億八千四百九十三万七千円となっており、職員定数におきましては、自衛官三人、自衛官以外の職員七十人の増員を行ない、三十九年度末には自衛官七十八人、自衛官以外の職員三千六十三人、計三千百四十一人と相なります。
次に、昭和三十九年度(組織)防衛施設庁の歳出予算要求額について、その概要を御説明申し上げます。
昭和三十九年度の(組織)防衛施設庁の歳出予算の要求総額は、百三十三億九千九十六万円で、これを昭和三十八年度の予算総額百十七億七千百七十六万八千円に比べますと、十六億一千九百十九万二千円の増額と相なっております。
これを項別に見ますと、防衛施設庁二十七億七千九百九十九万八千円、調達労務管理事務費八億三千四百八十一万四千円、施設提供等諸費九十七億七千六百十四万八千円であります。
なお、昭和三十八年度までありました(項)国際連合軍等関係補償費につきましては、昭和三十九年度から(項)施設提供等諸費に統合して計上されております。
次に、各項別について御説明申し上げますと、(項)防衛施設庁。
この項より支出するものは防衛施設庁の業務遂行に必要な人件費及び物件費でありまして、この要求額は二十七億七千九百九十九万八千円であり、昭和三十八年度の二十八億三千九十万八千円と比較いたしますと、五千九十一万円の減額と相なっております。
増額したおもなものは、人件費の給与ベース引き上げに伴うもの一億二千九十一万三千円、その他百五十六万円、計一億二千二百四十七万三千円、減額したおもなものは庁舎新営費一億七千三百三十八万三千円でありまして、差し引き五千九十一万円の減額となっております。
(項)調達労務管理事務費。
この項より支出するものは、駐留米軍及び歳出外資金諸機関の使用する労務者の労務管理を処理するため必要な経費であります。この要求額は八億三千四百八十一万四千円でありまして、これを昭和三十八年度の八億一千七百七十二万三千円と比較いたしますと、一千七百九万一千円の増額と相なっております。増額したものは、支給単価改定に伴う特別給付金二千五百六十八万五千円、人件費の引き上げに伴う八百十九万八千円、労務者職業訓練委託費四百六十三万二千円、その他二百五十七万七千円、計四千百九万二千円、減額したものは、労務者宿舎施設整備費二千三百六万二千円、その他九十三万九千円、計二千四百万一千円でありまして、差し引き一千七百九万一千円の増額となっております。
(項)施設提供等諸費。
この項より支出するものは、行政協定及び地位協定による在日合衆国軍隊並びに国連軍協定による国際連合軍隊などに対する施設区域の提供に伴って日本側が負担する経費及び駐留軍、国連軍の行為に基づき生じた損失の補償などに要する経費であります。要求額九十七億七千六百十四万八千円でありまして、これを昭和三十八年度の八十一億二千三百十三万七千円と比較いたしますと、十六億五千三百一万一千円の増額と相なっております。
増額したものは、提供施設借料三億二百七十二万七千円、不動産購入費三億七千四万六千円、施設提供関連事業費補助金一億一千六百一万九千円、教育施設等騒音防止対策事業費補助金八億五千万円、特別損失防止対策事業費補助金八千九百八十五万四千円、その他七千百四十万五千円、計十八億五万一千円と相なっております。
減額したものは、事故給付金一億四千五百五十四万円、その他百五十万円、計一億四千七百四万円でありまして、差し引き十六億五千三百一万一千円の増額と相なっております。
以上が(組織)防衛施設庁として計上いたしております経費の概要であります。
これをもちまして昭和三十九年度防衛庁予算の概略の説明を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/43
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044・綱島正興
○綱島委員長 これにて説明は終わりました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/44
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045・綱島正興
○綱島委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。茜ケ久保重光委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/45
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046・茜ケ久保重光
○茜ケ久保委員 防衛庁長官にこの提案に関連をしまして二、三お伺いいたします。
それはすでに御承知のことでございますが、太田小泉飛行場の返還の問題が、十年来の懸案として地元から非常に熱望され、また私もかつてこの委員会でたびたび歴代の防衛庁長官に実はこの点を要求し、返還方に対する協力をお願いしてまいったのでございますが、いまだにその実が上がっていない。先般も参議院でこの件が議題となったようでございますが、現時点における防衛庁当局の米軍当局に対する折衝の経過並びに現時点におけるこれに対するアメリカ軍当局の最後的な態度、これについてひとつ御説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/46
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047・福田篤泰
○福田(篤)国務大臣 太田小泉飛行場は、諸般の客観的な条件を検討いたしまして、地元の要望もさることながら、早期に返還するのが正しいのではないかという判断のもとに、ここ数年来米側とも折衝いたしております。米軍側からは適当な代替地があればけっこうであるという返事をもらっておりますが、問題は適当な代替地をなかなか確定できないのが現状でございます。しかし、今後一日も早くこれにかわるべき代替地を確保いたしまして、早期返還という線を実現いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/47
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048・茜ケ久保重光
○茜ケ久保委員 そうすると、適当な代替地が問題でございます。私が一番最初にこの問題を取り上げたのは、七年前くらいであります。七年前にも、いまあなたのおっしゃった適当な代替地ということで問題が膠着しておった。その間、私の調査によりますと、問題になりましてから十年、市当局を中心に地元民が陳情した回数が約五十回、その他時期に触れおりに触れての陳情は百回以上になっているわけです。このことは、いかに地元がこの飛行場の返還について重大な関心を持っているかということ、これはただ単に私がかつて基地反対運動という形でやってまいりましたころとは内容が違いまして——もちろん基地反対の線は堅持しますけれども、それと同時に、地元が、五十万坪に達するあの飛行場、工場団地のどまん中にございます飛行場のためにどうにもならぬという点、私は後ほど首都圏整備委員会の責任者のほうに申し上げますけれども、国の設定した首都圏整備の中に包含されたという条件、すなわち飛行場が返還され、工場地帯としての発展が約束されておるという観点から、首都圏整備委員会が指定しておる。その中で、いまおっしゃったように適当な代替地がないからという理由だけでこの問題がなお遷延していくことは、地元だけじゃなくて、私は現在の政府の大きな責任かと思っております。したがって、私がここで指摘したいのは、適当な代替地が必要な飛行場であるかどうかということが問題であると思います。私の最近の調査によりますと、最近ではほとんど使用しておりません。多くて週に二回ぐらい、しかも一度か二度申しわけ的な演習をしている。特におかしいのは、国会で問題になったりしますと、すぐあくる日やる。また当局へ陳情に参りますと、すぐやる。こういったことは、返還をしないために口実として演習をしているのではないかという見方が多いのであります。これは私が思うだけでなくて、地元民ひとしくそう思っておる。しかも私が非常にふに落ちぬことは、五十万坪の演習場の中に、三分の一のゴルフ場ができております。これは従前は米軍だけが使用しておりましたのが、最近は地元に貸与して、地元の諸君もこれを利用しております。たいへんけっこうでありますが、私の見たところでは、むしろ投下演習の飛行場として使うよりも、米軍の幹部諸君が、遠くは調布あるいは朝霞、いわゆる関東周辺の米軍の幹部諸君が、日曜その他に大挙してゴルフに参っております。現在は、米軍は投下演習場として使うよりも、いわゆる娯楽施設としてのゴルフ場として使うことのほうが、重要な意義を持っているように思うのであります。このことは、ここに市当局から預かってまいりました地図がございますので、あとでごらんいただきますが、このまん中、これが太田大泉のいわゆる首都圏整備の工場地帯でございます。ここに三洋電機があります。ここに富士重工があります。このまん中の扇のかなめに匹敵する場所に、五十万坪という重要な地点があります。これが完全に占領されて返還できない。このために太田市並びに大泉町の重要な発展への基盤が完全に阻まれておる。これはいま言ったように、アメリカ軍が日本の防衛という重大見地から使うというのなら、まだ地元民もがまんしましょう。しかし、いま言ったように、投下演習というのはほんとうに申しわけ的なことであって、大部分はゴルフ場として使用されておるということから、最近地元の感情は非常に悪化してきた。したがって、いままで米軍が口をきわめて申しておりました代替地を要するだけの重要性のある飛行場でないという断定を下さざるを得ないのです。これが最近の地元民の気持ちであります。したがいまして、防衛庁当局、福田長官は、そういった点も十二分に調査をされ、知悉されまして——ただこの委員会で質問があったから、要望があったから、米軍当局に折衝する、そういうことでは、やはり同じ返答です。他に適当な代替地がないから返しませんというので返されない。今日では、あれは代替地の問題ではなくて、あの飛行場は、現在の当面したアメリカ軍の戦略体制から見ましても、現在使用している状態を見ましても、これはもう必要ないという断定をせざるを得ない。したがって、代替地云々は別にして、当然日本に返還し、地元の首都圏整備地域としての発展に寄与する大きな責任があると感ずるのでありますが、その点に対して、防衛庁長官は今後こういった点をひとつ腹に置いて、あくまでも返還すべきであるという立場で折衝されるお考えであるかどうか、これを承っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/48
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049・福田篤泰
○福田(篤)国務大臣 米軍の演習地なりその他の施設につきまして、要らなくなった分、あるいは緊急を要しない分、これにつきましては、講和発行以来鋭意その気持ちで米軍側と折衝しております。御案内のとおり、当時、講和発行日の時点におきましては、国内で約四億坪くらいの演習場その他があったのでありますが、不要になった分その他を整理し折衝した結果、現在では四分の一、約一億坪に減少したのがいまの現状であります。
なお、御指摘の点につきましては、米軍としては、いまのパラシュートによる人員降下並びに機材投下、これは月平均九日間の割合で演習をやっておりまして、やはり米軍側としては必要な訓練であると考えておるわけであります。したがいまして、結局対米折衝におきましては、一番先にお答えいたしましたとおり、適当な代替地があればよろしいということで基本線は取りつけておるのでありますが、私どもの感じから申しますと、一日も早くかわるべき代替地を見つけて、この必要な演習を実施せしめたいというのが考え方であります。
なお、ゴルフ場につきましては、報告によりますと、地元の県知事が会長になられまして、この撤退に伴う首切りの問題、整理をされるような方々を救うための一つの方法としても役立っのではないかという御議論もあったようでございます。日本人側も相当これを利用しておるようであります。演習のときにはむろん退避させておるようでありますが、いろいろな意味合いにおいて、ゴルフ場その他の問題を除きましても、御指摘の首都圏の問題、また地元の経済発展に私は不適当と考えまして、一日も早く代替地を見つけて、代替地の地元の納得をいただいて、早期にこれは返還せしめたい、この基本線は堅持しておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/49
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050・茜ケ久保重光
○茜ケ久保委員 そうおっしゃるけれども、十年来、政府では、その代替地とおっしゃっているのですよ。いまだにそれが解決できないのです。あなたがどれだけの決意をもって代替地をおさがしになられるかわかりませんが、ここにおいでの伊能さんにも、長官時代にずいぶん言ったわけです。歴代の長官が全部そう言っているのです。これは私は問題だと思うのです。きのう、きょうとか、一年、二年なら、まだ話はわかるのです。もう十年なのです。長官がかわることもう八、九人、歴代の長官みなそう言っているが、これは何ら解決していない。これではもう地元民もしんぼうはできなくなっています。したがって、いま首都圏整備委員会からおいでのようですが、首都圏整備委員会としては、当然これは返還されるものという想定によって、地元に非常な期待を持たせて首都圏整備の一環として指定されたと思うのですが、この間の事情と、それに対して首都圏整備委員会も大きな責任があるわけですが、首都圏整備委員会の当時の実情と、現在に対する御意見をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/50
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051・谷藤正三
○谷藤政府委員 お答えいたします。
本問題につきましては、首都圏整備委員会といたしまして市街地開発区域の指定をいたしましたのは、三十五年の七月三十日でございまして、その当時、一年前から県当局並びに市当局のほうで、いろいろ防衛庁のほうに、あるいはまたいろいろ米軍のほうにも直接交渉いたしまして、非常に見通しが明るいということで指定になったいきさつがあるようでございます。ところが、実際の経過から見ますと、先ほど長官からお話しのありましたとおり、なかなか具体的には進行しないという事態に立ち至りまして、まん中の五十万坪を残しまして、両側はすでに飛行場が廃止になっているという形になっているのが現状でございます。この問題につきましては、防衛庁のほうにも非常に努力をいたしていただいておりますし、私たちとしましても、本来の東京の人口集中を排除するための基本的な計画の一環になっておりますので、できるだけ早くその解除をいただきまして、工業地帯にしたいというふうに考えておりますが、何ぶんにも、先ほどのお話のように、代替地の問題がからんでおりまして、代替地も二、三実は問題になって、いろいろ話し合いをいたしましたが、その各件につきましても、おのおのやはり代替地になるべき場所の抵抗がございまして、順調に話が進まずに今日に至っておる次第でございます。最近に至りましてから、地元のほうからは、なるべくそのほかの地区におきましてなおおくれを取り戻したいという話もございまして、私のほうでも検討いたしておりますが、何ぶんそのまわりの地区につきましては、非常に良好な農地でございまして、農林省との農地転用の問題もからんでおりますので、具体的には、県当局が具体的な交渉をある程度地固めをいたしまして、その上に立ちまして今後の措置を考えたいというふうにしておるのが、最近の事情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/51
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052・茜ケ久保重光
○茜ケ久保委員 先ほどから申しますように、この問題は非常に長い月日といろいろな歴史的な事実をもっておるわけでありまして、もちろんこの委員会できょう長官から返還に対する重大な発言を聞こうとは思っておりません。しかし、いままで指摘したように、いまのままではおそらくこれはえんえんと日を延ばすだけでありまして、解決ができないと思うのです。私どもはいままでおとなしく、委員会等で質問をしたり、要望をしたり、あるいは市当局も地元民もがまんにがまんを重ねて陳情等の手段をとってまいりましたけれども、これ以上延びてまいりますと、市としても重大な段階に達しますし、市民や地元民もやはり思い切った措置をとらざるを得ない段階になり得ると思うのです。私どももまたそうせざるを得ないと思うのです。そうなりますと、いろいろな意味で弊害も出ます。いま首都圏整備委員会もおっしゃるように、全くどまん中の一番大事なところに五十万坪というりっぱな土地が遊んでいる。先ほど言われたように、ゴルフ場もけっこうですが、地元民としては、自分たちがかつて耕作した農地を軍にとられて、血の出るような思いで出した土地が現に遊んでいる、しかも一部はゴルフに使われているということになりますと、これは感情としても非常にこんがらがってまいります。米軍当局は、もちろん投下演習場として必要とは申しましょう。しかし、私どもがずっと調べておる範囲では、それほど重大な投下演習場でないと思う。一カ月に四、五日くらい、しかも申しわけ的に一日二時間か三時間する投下演習です。ああいうことをやらなくても、私は米軍の東洋における戦略上何ら支障がないと思うのです。これは人員投下をしておりません。今日ではドラムかんみたいな実にくだらぬものがときどき落とされる。しかもあやまって人家に落ちたりして迷惑千万なんです。したがって、内容からいたしましても、アメリカ軍が言うように駐留米軍の重要な地点とは考えられません。この点はひとつ長官も口をきわめて要求して、その点をついて、いわゆる代替地を問題にしない返還という、その一点で要求してもらいたいと思う。私は、今国会に限らず、この問題は始終問題にしております。いままではあなた方聞きっぱなしで済んだかもしれませんが、私はこの国会で毎回でも問題にします。きょうはっきり申しますが、そういった意味で十分そういう点を指摘され、地元民の感情や市当局の状態も説明されて——もしもこのままえんえんと延ばすならば、地元において重大な問題が起こっても、これは責任はとりません。そういった点もお含みの上、早急に再度折衝をされて、あるいは来月あたりの委員会には、ひとつりっぱな責任ある答弁ができますように措置を願いたいと思います。きょうはこれだけを強く要望して一応打ち切っておきますが、来月の適当な委員会でさらにこの問題を問題にいたしますから、この点お含みを願って、ひとつよろしく御措置を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/52
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053・綱島正興
○綱島委員長 大出俊委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/53
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054・大出俊
○大出委員 昨年の十二月の三十一日に、日米両政府の共同発表という形で、つまり在日米軍の兵力削減並びに配置変更に関する共同発表というものが行なわれているわけですが、これによる大量整理というものは、旧来の三十二年から三十四年に至る岸・アイク共同声明の時代の十五万人の基地労働者の皆さんのうち約一万三千人というのと比較いたしまして、今回の場合は、六万五千人中の約一万人近くという想定がなされているようでありますから、比率から言いますと、当時以上に大きな整理ということになるわけであります。この点につきまして、まず防衛庁長官に御質問をいたしたいと思っております。
その一点は、日米安保条約による駐留協定によって、提供している労務者の諸君でありますから、その意味で、明らかにこれは日本政府が雇用主であります。そこで、今回の戦略配備の変更については、日米間の合意の上に発表されている内容でありますので、当然雇用計画の変更についても、何らかの事前の協議が行なわれたはずだと理解いたしますが、この種の協議を行なったという事実があるのかないのか、この点について、まず明らかにいたしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/54
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055・福田篤泰
○福田(篤)国務大臣 雇用計画自体についての事前の折衝はございません。ただ、昨年の九月末に、在日米空軍の配置移動の申し出がございました。これに対しまして、わがほうからも要望として三カ条申し入れてあります。その三つのうちの一つに、予想せられる削減人員の整理の問題につきまして、退職金の増額その他について各般の配慮を依頼いたしたことは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/55
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056・大出俊
○大出委員 こういうことになりますと、雇用計画の変更というものについては、一方的通告ということに理解をしてよろしいかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/56
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057・小野裕
○小野政府委員 米軍の日本人従業員整理の雇用削減計画と申しますか、このことにつきましては、具体的な計画については、相談までまいりませんでしたが、大体部隊の削減と、ドルの節約という見地から、若干の整理が起こるであろうということについての連絡はできております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/57
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058・大出俊
○大出委員 若干の整理どころではない。したがって、冒頭に申し上げておいたわけでありますが、比率から見ますと岸・アイクの時代、三十二年−三十四年のころに比べて相当高率になるわけでありますから、かつてない大量整理ということになるわけであります。にもかかわらず、それについての事前の協議、この種のことについての義務、責任の所在について、あなた方はどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/58
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059・小野裕
○小野政府委員 最終的には、おおよそ六千名くらいが整理されるのではないかという話し合いはございました。ただ現実の問題といたしましては、実はその細部計画は、まだ昨年の暮れにおきましても、米軍側において立っていない。一つの見通しである。ということは、予算上の削減が先にきておるようでございます。その意味で、現在の状況とにらみ合わせ、あるいは将来の人の出入りとにらみ合わせて、どれだけの整理が必要になるか。これは陸海空各軍別にこれから折衝、検討するということで昨年の暮れは終わりまして、その後連絡を続けておるわけでございますが、まだ決定的な削減計画というものは入手していないという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/59
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060・大出俊
○大出委員 先ほども申し上げましたが、安保条約に基づく駐留協定によって提供している労務者ですから、雇用主は明らかに政府であります。その方々が長年勤続されておって、かくのごとき大量の整理ということになりますと、その人たちの生活の保障、安定という問題をめぐって、当然これは政府に責任があり、かつ防衛庁の長官並びに施設庁長官に重大な責任があると私は考えるわけでありますが、いまのような一方的な予算の削減ということだけで、当時それに対する補償云々の問題を考えてしかるべきであったはずでありますから、その意味では相当これは重大な責任があると考えますが、その辺についてどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/60
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061・綱島正興
○綱島委員長 どちらにお尋ねになりますか。施設庁長官ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/61
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062・大出俊
○大出委員 どちらでもけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/62
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063・小野裕
○小野政府委員 お話のように大量の離職者が出る見込みでございますから、私どもとしても非常に心配をしてきまして、できるだけ情報を早目にとり、これに対する離職対策をできるだけ完ぺきに願うこと、このことについての関心というものは、当然最大に持っておるわけであります。ただ、まことに残念でございますが、正確な計画がはっきりしないというようなことから、対策も立ちおくれておる。しかし、現在におきましても、総理府の離対協、あるいは労働省、大蔵省、各方面との緊密な連絡は続けながら、今後の対策について検討を続けておる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/63
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064・大出俊
○大出委員 念を押しておきますが、国の責任という面について、十分負われるということですね。これだけは最初に明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/64
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065・小野裕
○小野政府委員 責任の内容の問題になるのでございますが、できるだけの善処をしなければならないという意味においては、責任を感じております。
〔委員長退席、辻委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/65
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066・大出俊
○大出委員 責任の内容については次に申しますが、合意の上とられた措置だと理解するのでありますけれども、してみると、合意である限りは、どの程度どうかという、つまり正確な数字、その点については明らかにしていただかぬと、基地に働く方々は、長年勤続されておる方々であるだけに、たいへん今日不安を感じておられるわけです。その意味で、新聞情報程度の内容ということでは、何と言われても納得できません。そういう意味で、詳細な人員について、陸海空、できれば基地別に御発表いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/66
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067・小野裕
○小野政府委員 数字につきましては、先ほど申し上げましたように、まだ最終的な数字はつかんでおらないのでありますが、さらにまた、今後自然の推移等との関係もありまして、計画がありましても計画のとおりいくかどうか、これはまた多少のずれがある、これは御承知のとおりであります。ただいま私どもが米軍側と接触して掌握しております範囲では、陸海空三軍を通じまして、大体本年の一月から六月ごろ、米軍関係としては六四会計年度の後半期におきましての下半期でありますが、三軍を通じて約六千という数字がつかまれております。その内訳といたしましては、空軍が二千五百、海陸が大体残りの半々という見通しといいますか、基本的な線が出ております。この数字は、米軍側が今日の状況において、予算の削減ということと見合わせるためにどの程度減らさなければならないかという見通しのようでありますから、これは一方におきまして、現在の欠員、あるいはその間に起こるべき欠員というようなもの、あるいは職種の転換、あるいは勤務地の転換、配置の転換、こうしたようなこともあわせて考えなければならない問題でございまして、そういう意味でこの数字は下回るであろう。実際に整理を必要とする数字は、六千と申し上げましたうちの幾ぶん減った数字であろう、このように見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/67
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068・大出俊
○大出委員 いまのお話はMLC関係のほうだけの数字なんですが、IHAの分はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/68
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069・小野裕
○小野政府委員 お話のとおり、ただいま申し上げましたのはMLCでございますが、IHAの関係は、MLCと比べますとかなり下回った率ではないか。そのことは、今日までのいろいろな検討といいますか、折衝の過程から考えましたときに、このほうは御承知のように直接の国費支出でないという関係から、そうした米軍の軍人軍属の方々の間の共同経営の問題にもなるわけでございます。そういうことから、必ずしも大幅に切らなければならないという根拠はない。しかも、このほうは御承知のような共同の施設でございますから、部隊が相当大幅に減るとかあるいはいなくなるというところについては、大きな影響があると思います。そういう意味で今回の米軍の配置転換は、空軍の場合に板付におきまして大幅に軍人が減る、部隊が減る。この場合におきましては、IHAの関係も大幅に出るかと思うのであります。しかし、その他のところにおきましては、特別に部隊が減るというわけではございません。そういうような意味で、その減り方は非常に少ないのじゃないか、このように見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/69
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070・大出俊
○大出委員 基地をかかえている各自治体の関係で直接司令官その他に会って調査している内容が、地方の新聞にいろいろ出ております。ある程度詳しい数字があがっているようでありますけれども、これらについて、施設庁としては、現地で実際に交渉して数を明らかにしているのに、把握ができないというのはどういうわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/70
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071・小野裕
○小野政府委員 現地の米軍の各司令官あるいは司令部の方と地元の間でいろいろそうした連絡があって、ある程度の数字はわかっているじゃないか、それを私のほうでまとめて知らぬのはどういうわけか、こういうお尋ねだと思いますが、この点につきましては、実は現地で出ております数字は、確定数字ではないのでございます。それは先ほども申し上げましたように、各軍別にそれぞれ各基地でいろいろとこまかい検討をいたしまして数字が出ましたものを、司令部でまとめて、さらに本国のほうと連絡をとる、こういうかっこうでございまして、これは確定数でないわけでございます。ですから、私どもも若干のそうした数字を知らないわけではございませんけれども、これは非公式の数字でございまして、慎重に扱っておる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/71
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072・大出俊
○大出委員 そうすると、非公式な数字はもっと詳しくわかっておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/72
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073・小野裕
○小野政府委員 これは基地によりまして、わかっているところとわかっていないところとございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/73
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074・大出俊
○大出委員 わかっているところだけでも言ってくれませんか。非常な不安を感じており、びくびくしながら働いているのだから、これは非常に重大な問題だ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/74
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075・小野裕
○小野政府委員 わかっておると申し上げましたが、これは現地の司令官が責任を持って言うたものかどうかわかりません。一つの情報といいますか、見当といいますか、そういう意味でありますから、確定的なものとかあるいは米軍司令部の承認したものとかいうようなものではございませんけれども、二、三のところについて労務部長から説明させたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/75
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076・藤本幹
○藤本政府委員 ただいまの現地における数字でございますが、最近におきまして横須賀の海軍の司令部でお話がございました数字でございますが、現地の計画によりますと、一応時期はまだ確定しておりませんが、四月から六月までの間におきまして、横須賀の海軍基地で六百九十九名、厚木におきまして八十八名、横浜の住宅地区におきまして百二十五名、海上輸送隊につきまして三十三名、合計海軍関係におきまして九百四十五名。そのほかに、四月から六月の間におきます一応の見通しといたしまして、陸軍関係に六十七名、相模原地区等に出るであろうということでございまして、合計いたしますと、神奈川地区におきましては、約一千名の離職というものを現在の現地の段階でわれわれといたしましても情報的に承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/76
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077・大出俊
○大出委員 次に、重点は特別給付金あるいは退職金等にあるわけでありますけれども、その前にこまかい点についてお聞きしておきたいのですが、これは該当の方々が納得しないという筋合いになりますので、なるべく卒直のところを御説明願いたいというふうに考えるわけであります。わかっておる方から御説明を賜わりたいと思いますけれども、まず一点は、基地労務者諸君の管理費につきまして、米軍との契約は、一人十五日勤務して云々ということになっておるようでありますが、一体今日はどのくらいになっておるかという点と、それからその使途について明らかにしていただきたいと思います。それから三点目は、支払いの方法、手続等について明らかにしていただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/77
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078・大浜用正
○大浜政府委員 従業員一人当たり幾らかという御質問でございますが、現段階では暫定的に一千三円でございます。それからこれはどういう人に該当するかと申しますと、現に二十県に労務管理事務所というものがございますが、事務所は二十三施設ございます。そこに昭和三十九年度の予定として千二百五十七人の各府県の吏員がおりまして、それに対する給与、それからもちろんこれに関係する管理を担当する事務に該当するような人に支払っております。支払い手続は、管理費でございますから、一応各府県を通しまして、そこで管理事務所が支払っておる、こういうかっこうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/78
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079・大出俊
○大出委員 そうすると、労務部の職員の皆さんの費用なんというものはどこから出るのですか。管理費から出るのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/79
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080・大浜用正
○大浜政府委員 これは一般会計予算を通じまして、それにわれわれの施設庁の予算を通じて支払っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/80
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081・大出俊
○大出委員 もう一つ聞いておきますが、そうすると、この一千三円というのはドル計算ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/81
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082・大浜用正
○大浜政府委員 一人当たり一千三円、これは日本の金に換算してでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/82
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083・大出俊
○大出委員 次に、昭和二十七年だと思いましたけれども、終戦処理費から安保の関係で切りかえた時代に、運転資金という意味だと思いますが、調達資金七十五億くらいの金があったはずでありますが、勘定間科目を新しくあのころつくったという記憶がございますけれども、今日これはどのくらいになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/83
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084・大浜用正
○大浜政府委員 これは安保協定に基づきまして米軍の需用する役務とかあるいは物に対する資金の手当てとしまして、当時昭和二十六年六月十一日に特別調達資金設置令というものをつくりまして、同法の第三条で一般会計から七十五億円基金として繰り入れたのは、御指摘のとおりでございます。それを基金にいたしまして、毎月の労務者の給料その他物品の代金というものを払っております。回転資金でございますから、こっちが払ったのを米軍が返すということで、最終的に二月十九日現在の資金残を申し上げますと、十四億七千四百八十万円、こういう数字になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/84
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085・大出俊
○大出委員 旧来も整理という問題が起こったわけでございますが、焦げつきというようなことがあって、大蔵省との間にいろいろ問題があったというような記憶があるのです。つまり米軍が払わぬので、回転資金、運転資金から政府が支払ったという関係が起こっていたという記憶があるのですけれども、いまどうなっておりますか。なぜこういうことを聞くかといいますと、退職金がたいへんおくれるとか、特別給付金がおくれるというようなことがかつてはありましたが、その辺はどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/85
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086・大浜用正
○大浜政府委員 いまはそういう滞りはありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/86
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087・大出俊
○大出委員 次に、いまの基地労務者の皆さんの大体の勤続年数については、どのくらいになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/87
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088・藤本幹
○藤本政府委員 昨年の三月末の統計でございますが、駐留軍労務者の五年未満の者が一万四千三百五十二名で全体の二八%、五年以上十年未満の方が九千五百三十九名で全体の一八%、十年以上十五年未満の方が二万一千六百六十九名で全体の四二%、十五年以上の方が六千四百二十七名で全体の一二%、人数の合計は五万一千九百八十七名でございます。これはMLCの勤続年数であります。なお、IHA、事務官関係の従業員につきましては、五年未満の方が五五%、五年以上十年未満の方が二五%、十年以上十五年未満の方が一七%、十五年以上の方が三%、そういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/88
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089・大出俊
○大出委員 そこでお聞きをしたいのですが、六千名とさっき数について言われたわけでありますけれども、大体聞くところによりますと、予算的に四千七百名くらいの人たちを想定して組んでおられるというふうに承っておりますが、その点の真偽のほどをひとつ。さもなければ、どの程度の見当で給付金その他の予算を組んでおられるか、この点についてお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/89
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090・大浜用正
○大浜政府委員 金額は四千七百万くらいでございます。これは五千ないし六千人の整理の見通しをつけまして、そのうちで大体三千三百五十六人くらいは、給付金の支給に該当する人であろうという数字で出してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/90
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091・大出俊
○大出委員 三千三百五十六人が給付金の該当者ということになりますと、あとは五年未満と、こういうわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/91
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092・大浜用正
○大浜政府委員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/92
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093・大出俊
○大出委員 そうすると、先ほどの六千人という想定ですから、それから三千三百五十六人差し引いた人員、このくらいが五年未満というふうに理解していいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/93
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094・藤本幹
○藤本政府委員 ただいまの数字の出し方は、昨年の支給実績からとったものでございまして、御承知のとおり、駐留軍の場合に、退職の順位が先任権の逆順位ということになっておりますので、勤続年数の少ない方から先に整理されるという形になりますので、数字が大きくなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/94
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095・大出俊
○大出委員 そこで問題になるのは給付金なんですが、まず五年未満に支払わないという制度になっているというふうに理解をいたしますが、その理由について明確にしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/95
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096・小野裕
○小野政府委員 給付金が、退職される方に対する政府側のお見舞い金と申しますか、そういうような形で発足したわけでございますが、その意味におきまして、比較的長期御勤続の方にお見舞いは出しておる。その長期か短期かというのはむずかしい問題でございますが、一応五年というところで線を引いた、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/96
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097・大出俊
○大出委員 一般公務員ないしは公社関係の職員その他を含めまして、政府雇用職員の場合に、人事院があって、当初は人事院の許可を得て非常勤を雇うということになっておって、この場合の非常勤というのは、短期に雇う、日々雇い入れるということになっておるのですから、そういう一般的な政府の考え方からいきますと、短期雇用者については、今日労使間等では二年未満、一年をこえて一年半くらいになりますと、もう長期という理解の上に立って、かつて決算委員会でもめたこともありますが、本務化する方向づけをしているわけですね。にもかかわらず、いまのお話によりますと、五年未満が短期だから支払わない、こういう理屈になるのですが、これは一体どこの解釈なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/97
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098・小野裕
○小野政府委員 ただいま申し上げましたように、どこからが短期か長期か、むずかしい問題でございますが、この制度をつくりましたときに、大体五年以上御勤続の方に差し上げよう、こういうことできまったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/98
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099・大出俊
○大出委員 人事院ができたのは、行政調査部の時代ですから、もう十何年か前で、私は当時官公労の事務局長で、あれ以来ずっとPW方式をやっておった駐留軍関係の方々——私は総司令部交渉をやったこともありますが、あれ以来、片や国家公務員その他のほうはどんどん変わって、一年を過ぎれば長期だということで本務化しようということになって、エスカレーター式に上がっていくということで本務化されているわけです。郵政省もその例によるわけですが、にもかかわらず、できてから今日まで、できたときの旧来の解釈そのままに進めてきているというところに大きな矛盾があると考えるわけですが、その辺についてはどう理解をされていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/99
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100・小野裕
○小野政府委員 いろいろお考えもあり、またごもっともと思うこともございますけれども、また、各般のことを考えましたときに、一挙にこれを広げるとか、あるいはこの際改めるとか、そこまで決心がつかないという状況であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/100
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101・大出俊
○大出委員 ただいまの御答弁の中に、そこまで決心がつかない、こういうお話なんですが、決心をつけていただきたいわけでありまして、決心がつかないということは、つまり担当の責任者という立場で決心をすればやれるということに通ずる御発言だという理解をいたします。したがって、もう一つだけ聞いておきますけれども、これはこれだけでやめるつもりはありませんので聞いておきますが、決心がつかない理由について、ひとつ明らかにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/101
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102・小野裕
○小野政府委員 この特別給付金の制度は、御承知のように昭和三十三年できました。この閣議決定で始まったわけでありますが、その後この給付金の増額なり改正なり、いろいろ組合からも申し入れがございますので、私どもとしても案を立てたことはございます。結局一言に申しますならば、政府部内の各機関、各方面とのお話し合いがつかないでそのままである、こう申し上げたほうがいいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/102
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103・大出俊
○大出委員 立ち入った質問で恐縮ですが、政府部内の各機関、各部門というお話が出てくると、どこの機関か、どこの部門かという質問をせざるを得なくなるのですが、そこのところを明らかにしていただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/103
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104・小野裕
○小野政府委員 さしあたっては私どもの決心がつかないことでございますけれども、何を申しましても予算にも関連することでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/104
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105・大出俊
○大出委員 予算と関連ということになると大蔵省、こういうことになるのですが、そう理解してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/105
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106・小野裕
○小野政府委員 大蔵省とはっきり言えというお話でございますが、私どもといたしまして、大蔵当局といろいろ御相談しております。大蔵の理解もいただいておりまして、むしろ私どものほうの決意と申しますか、押し方がまだ十分でないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/106
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107・大出俊
○大出委員 大蔵省に理解をしていただいているということになって、私どものほうの押し方、持っていき方がうまくない、こういうことなんですから、そうなると、押し方、持っていき方がよろしきを得れば、大蔵省が理解をしておられるのだから、ますます理解が深まって、五年未満も出しましょうということになる筋合いだと思いますが、今後そういう御努力をなさいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/107
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108・小野裕
○小野政府委員 ただいまの段階では、そこまで決心をしておりませんが、来年度予算には、現在の制度でそれぞれ五千円の増額、ここまで見ていただいたわけでありますが、さらに五年未満をどうするかということは、今後さらに検討いたしてまいりたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/108
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109・大出俊
○大出委員 来年というお話なんですが、鬼が笑うような話をしたくありませんが、間に合わないわけですね。つまり六月ということになりますね。来年ではこれはおそ過ぎるという筋合いなので——これは給付金ができるいきさつは、御存じだと思いますけれども、さあ長年つとめてやめさせられた、あしたからの生活、自営をするのに困るということで、いろいろ頭をしぼって、屋台のおでん屋さんをやるのには一体幾らかかるかというわけで、そういう計算を事実問題としてかってやったことがあるわけです。そういうところから何万円かの要求を出したというのが、昔のいきさつなんですが、それが肩がわりをして見舞い金、こういうふうに変わってきた経緯があるはずですが、今日までまいりますと、ほかの官庁でやっている——これは同じ政府なんですから、そういうこととあわせて考えてみて、いかにも不合理であることは、どなたの目にも明らかであって、しかも短期雇用という名をつけておられた方々が、今日先ほど御説明いただきましたように、これだけ多数長期の方々が実在をする、こういうことになっていて、しかも五年未満の方々が、さっきのお話によりますと、一万四千三百五十二名もおられ、逆先任順にアメリカ式のセキュリティということで、げた箱順序で首になる。こうなると、これは全く捨ておける段階ではないわけです。そういう意味で、せっかく長官がいまのような御配慮を述べておられるわけでありますから、つまり大蔵省の理解を得て、そして持っていき方、押し方ということについてなお不十分だ、ここまで言われたわけでありますから、そうだとすると、この点は、これは単に施設庁長官だけではなくて、防衛庁という立場で、福田長官どうお考えになりますか。この点について、もう一ぺん重ねて御質問しておきたいわけですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/109
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110・福田篤泰
○福田(篤)国務大臣 駐留軍の任務といいますか、仕事の特質から考えまして、私どもはあらゆる面で少しでも改善してまいりたいという考えを前から持っております。わずかではありますが、来年度予算で特別給付金の増額をいま要求し、予算として御審議を願うわけでありますが、退職手当につきましても、それだけ取り上げますと、一般公務員よりは有利な点もありますが、年金なんかを比べますと、確かに不利でございます。総合的な観点から、実はアメリカ関係には、駐留軍労務者のほうが不利ではないかというたてまえでいろいろ交渉をこれからも続けるつもりでありますし、御指摘の五年では高過ぎるのじゃないか、下げたらどうかという御意見は、私は筋が通っている御意見と思いますので、私どもは、いろいろほかの手当その他とも関連しまして、一歩前進する立場で検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/110
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111・大出俊
○大出委員 念のために申し上げておきますが、これは政府の口をもってして、通さぬでよろしいという前提でものをおっしゃられると迷惑で、困る。国会に提案されておりますからという前置きをして、これは郵政大臣提案ですが、電々公社の電話設備の拡充に係る電話交換方式の自動化の実施に伴い退職する者に対する特別措置に関する法律の施行に関する政令というものがあって、ずいぶん長い名前なんですが、その前に特別給付に関する法律案が出ております。この法律案の条文をあげていきますと、第四条に、勤続期間が五年未満のときは八カ月分、勤続期間が五年以上のときは十カ月分と法律案に盛られているわけです。これは私は自分の専門で、出身のところですから、比較的詳しいわけですが、これは前々国会で、いろいろないきさつで廃案になりましたが、かたい決意で、十七日でしたか、逓信委員会に提案されております。従来の労使間交渉の経緯を調べてみますと、国会を通っていないじゃないか、こう言い触らされております。ところが、今回さらに通そうということで、われわれも通していただきたいというお願いをいただいておりますが、これを計算していきますと、一年の人について見ると、十万一千五百八十四円という金額になります。これは特別給付金です。それから三年というところを拾うと、十一万四千三百六十八円、五年というところで十六万九百五十円、十年というところで二十一万五千百三十円、さらに十二年、十五年、二十年と上がっていって、二十年は三十四万五千五百円、こういう数字が規定されているわけであります。つまり政府は、これを通してくれというわけです。そこで先ほど来くどいように申し上げているように、雇用主は日本政府でありますから、そうなりますと、同じ政府という立場から見て、今日のような給付金というものを考えているということは、まさに権衡を欠くということになる筋合いでありまして、まして長年基地につとめていたのが、米軍が戦略変更その他でだんだん帰っていく、日本が独立する、こういうかっこうに進んでいく、この中で離職される方々ですから、先ほど来何べんか申し上げたように、国の責任という立場からいたしますと——防衛庁長官にお尋ねしたいのでありますが、やはり政府という立場からすれば、閣内には郵政大臣古池さんもおられるわけでありまして、この辺のところをどのように権衡という意味でお考えいただいているか、明らかに言っていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/111
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112・福田篤泰
○福田(篤)国務大臣 駐留軍労務者の離職される場合に、少しでもあらゆる面で手当を改善する、これは私どももとよりけっこうでございますが、いま御指摘の電電公社の問題につきましても、審議のいろいろの過程もありましょうし、郵政大臣もおられるので、今後のいろいろ見通しなりほかの各般の点につきましても、よく打ち合わせをいたしまして、御承知のとおり、総理府が大体主管事務と申しますか、駐留軍関係離職者の協議会が設置されておりますので、これを中心にして関係各省が話し合って、アンバランスがあれば、当然是正する方向でやるのが適当であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/112
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113・大出俊
○大出委員 たいへん幸いな御発言をいただいたので、さらに確認しておきますが、郵政大臣等とも相談されて、できるだけ均衡を失しないように努力される、こういう御発言と認めますし、また五年未満の人についても、先ほどの福田長官のお話で、さらにひとつ努力してみたい、こういうお話なので、まあ基地に働く方々はたいへん喜ぶと思いますが、その点はぜひひとつそういうふうにお進め願いたいと思います。
あわせて、過去の労使間交渉の経緯等からいたしまして、炭鉱離職者の例をあげて、三十年をこえている人がこれこれあるではないか、こういう指摘に対しまして、それは資本家の方々が出している面もあるのだ、こういうお話も出ているようであります。つまり基地労働に従事する方々の場合は、資本家に当たるものは何かといえば、これまた政府でありますから、そういう意味では、冒頭に何べんも申し上げておりますように、明らかな政府の責任ですから、どうかそういう理由づけをされずに、今日、かつてこれだけのことはなかったこういう大量の姿というもの、さらには駐留軍に長年つとめておられた方々の御家族の立場も考えて、何としてもこの点は、いまおっしゃった点をさらに一そうの御努力を賜りたいというふうに考えるところでございます。その点よろしゅうございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/113
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114・福田篤泰
○福田(篤)国務大臣 先ほど申したような線で努力いたしたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/114
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115・大出俊
○大出委員 次に、退職金の問題なんですけれども、今日の交渉状況をとりあえず承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/115
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116・福田篤泰
○福田(篤)国務大臣 退職金の問題につきましては、たしか三十七年の十一月に日本側からアメリカ軍側に正式に提案いたしました。その後まだアメリカの同意を得ておらないわけです。昨年の十月の日米安保協議会におきまして、駐留軍の基地関係として私は正式に議題に供しました。ぜひアメリカ側も理解のある回答をもらいたい、録にも載せてあります。後にまた十月末に、私ども三カ条の日本側としての在日空軍配置変更に対する要望を出してあります。その中にも明記いたしております。覚え書きとして先方に渡してあります。残念ながら先方からまだ同窓を得ておりませんけれども、私はやはりこれは増額するのが当然であると考えて、今後とも努力を続けて何らか目的を達したいと考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/116
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117・大出俊
○大出委員 先ほど福田長官からもお話があったので詳しく申し上げる気がなくなったのですが、退職金の算定の方式が、基本給なり暫定給与なり扶養手当額なり、あるいは語学手当、あるいはまた固定保障額等を含めて、ある人もない人もありますが、それに勤続年数を掛けて一・三倍してプラス一カ月というような算定をしているのでありますが、私も数字的に当たってみたのですが、比較的勤続年数の浅い方の場合一般公務員に比較して高いというような話が、かつて議事録その他いろいろな面にありますけれども、これとても一カ月分足らずの差のついている程度のものが高いということで、七年、さらに十年となりますと、逆に公務員のほうが高い。そこへもってきて、公務員の場合には四条方式とか三条方式とかありますが、本人の意思によらざる退職をさせられる場合には最高二十割までは出せるわけでありまして、行政整理等の場合にはそういう例が旧来からずっとあるわけであります。さらに先ほど長官がお話しになっておられました厚生年金との比較、共済関係年金、長期、短期等いろいろあわせ考えますと、まさに基地労働に携わる方々のほうが非常に悪い条件になっていると、私は理解いたします。そういう点からいたしますと、この退職金の問題等についても、労使関係でいろいろやり合っておられる組合側の方々の主張される割り増し率も、決して私は不当な要求ではないというふうに理解をいたします。そういう点で地方自治体、ある地域の長あたりが特別退職金などというものをさらに出したらどうかということで米軍側と地域折衝するなんという場面も出てきているのは、そういうところにも私は理由があると考えます。したがって、まず長官にこの種の組合側の要求というものは、当面差し迫った事態から考えてみて無理からぬ要求であるという理解がほしいわけでありますが、この点についてはどう思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/117
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118・福田篤泰
○福田(篤)国務大臣 無理からぬ要求だと私は考えております。したがいまして、米側としては同意いたしかねるという回答が実は昨年の年末にありました。私どもはこれまた賛成できない、私どもの主張は正しい申し出であるからさらに検討を頼むということを、明確に確認いたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/118
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119・大出俊
○大出委員 それからもう一点お願いしておきますが、日米共同声明が出たのは十二月の三十一日のはずでありまして、したがって今後の処理に当たられる際に、ここのところをやはり起点にしていただいてこれらの処理はしていただきたいと思うのですが、その辺のところはいかがなものでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/119
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120・小野裕
○小野政府委員 お話の御趣旨はよくわかります。具体的な問題になりますと少しむずかしい点が出てくるかと思いますが、これは御承知のように、四十五日前の予告というような問題がありますので、一月におやめになっても、十一月の予告期間がございますので、これをどう扱うか、ちょっとむずかしい問題があろうかと思いますが、考え方としてはお説のように考えたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/120
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121・大出俊
○大出委員 さらに一つ申し上げておきたいのは、雇用安定法という法律を制定して、将来の問題という考え方で本国会に提案をされていると思いますけれども、単にこれは社会労働関係の委員会云々ということだけではなお足りない、政府の皆さんの御理解が必要なことだと思いますので、この辺について、担当長官ということになりますとめんどうなことになりますが、気持ちの上でひとつお聞き願いたいのですが、担当長官という立場でこれらの点についてどういうようにお考えになっておりますか。できれば御協力を賜わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/121
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122・福田篤泰
○福田(篤)国務大臣 雇用安定法につきましては、主管は労働省でございますことは、御承知のとおりでございます。また、社会党で御提案になりました法案の骨子も、私ども存じ上げております。ただ石炭、非鉄金属以外に駐留軍関係の労務者を入れるかどうか、解雇制限の点もございまして、直ちに私ども賛同いたしかねる点もあるわけでございます。ねらいと申しますか、法案に盛られた考え方には、私ども同意なんでございます。したがいまして、主管である労働大臣と実は二回にわたりまして、いままで話し合いを続けております。側面的に私どもは何らかその方向に沿った処置は考えたいという方向で、いま研究をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/122
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123・大出俊
○大出委員 最後に一つ承っておきたいのですが、私出身が横浜なものですから、本牧地域などの駐留軍の下士官、軍属の方々の居住地があったり、洗たく工場あるいは倉庫等々たくさんございますが、そういうことで、これをどこかに移してくれというような趣旨の陳情その他が長年続けられているわけであります。この地域の個人使用の労働者の方々が、今回の大量整理をめぐって非常に不安だということで、たくさん話に、かつ相談に来られているのでございますが、そういう点もからみますのでお聞きいたしておきたいのでありますが、三十九年度一般会計予算の二二九ページのところに、総理府所管の防衛施設庁の予算費目がございますが、ここに施設区域等調査費というのが約千九百万ちょっと計上されております。この施設区域等調査費と申しますものは、一体具体的に言うとどういう調査をされようという費目なのか、簡単に御答弁いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/123
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124・大浜用正
○大浜政府委員 御説明いたします。
施設を提供し、もしくは代替施設の調査、あるいは新規提供代替施設、あるいは返還、そういう施設につきまして、適地であるかどうか、あるいはどういう方法で移したほうがいいか、そういう具体的な調査をする場合に、この費目から出しておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/124
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125・大出俊
○大出委員 新規施設あるいは代替、あるいはもう一つ言われましたが、返還ですか、この新規施設、代替というのは、私の知る限り、横浜に新規施設というようなことは当面ないと思います。そうしますと、代替あるいは返還というところに中心が置かれざるを得なくなってくるわけですが、そうしますと、その代替あるいは返還ということを目途とされての使用の費目、こう理解をしていいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/125
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126・大浜用正
○大浜政府委員 現地を——これはもともと米軍が当初日本に進駐した当時と、現場が非常に変わっております。その現場が変わっておると申しますのは、権利関係がはっきりしないのだとか、あるいは当時山林田畑であったのが住宅になっておるとか、いろいろそこに現場を明確に把握するということが必要な状態のところもございます。そういうのを調査する経費も、その中に入っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/126
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127・大出俊
○大出委員 ということになると、もう一ぺん大浜さんにたいへんですが、ひとつ御答弁いただきたいのです。つまり山林であるとか個人使用の住宅地だとか、いろんなことになっていたのが接収されて今日米軍が使っている、こういうことだと思うのですが、その調査は代替あるいは返還ということで調査をされるとなりますと、いまおっしゃるように、単に現状調査ということでなくて——つまり代替、返還を目的にしないなら、金をかけて現状調査をする必要はないのです。これだけの金を使って現状調査をされる限り、やはり代替、返還というところに目標を置かれての調査という理解を当然せざるを得なくなるのですが、そういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/127
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128・福田篤泰
○福田(篤)国務大臣 実は横浜地区の問題は、数年来の懸案でございます。この調査費約二千万の要求につきましても、実は非常に努力を要したわけでございます。いまの段階におきましては、接収当時の大規模な宅地造成の結果、土地の権利関係がきわめて不明確である、これを調査するんだ、移転なりその他は前提としないというたてまえでございますが、いろいろいままでのいきさつをよく御賢慮いただきまして、私どもの考え方は大体御了解いただけると思います。現段階におきましては、これを前提としたものではない、それだけ御了解いただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/128
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129・大出俊
○大出委員 現段階においてはということを二回言われているので、現段階においてはという理解をいたしたいと思います。
ところで、この約千九百万ばかりの予算は、どの程度の範囲の地域にお使いになるのですか、基地別に考えて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/129
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130・大浜用正
○大浜政府委員 横浜の問題は山手、それから海浜住宅等、そういうところの現状把握のための調査費でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/130
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131・大出俊
○大出委員 横浜の場合はといわれますが、横浜の場合はこのうちのどのくらいの額になるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/131
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132・大浜用正
○大浜政府委員 二千万円の範囲内において処理いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/132
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133・大出俊
○大出委員 何か変わった行政指導みたいなことを関係の方々からされているというようなことはございませんか。なければないとおっしゃっていただけばけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/133
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134・大浜用正
○大浜政府委員 さようなことは伺っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/134
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135・大出俊
○大出委員 それじゃ、ひとつくれぐれも最高責任者であられる福田長官にお願いをしておきますが、三分の一をかかえる私自身も神奈川におりますので、かつ十数年来何べんかこの問題で総司令部折衝などもやった経験のある立場から申し上げますが、当時二十六万もあった組織が今日六万程度に減っているという現実を考えたときに、基地に働く方々は、それだけ残られて長くなっているというのが現状ですから、それだけに、今回の整理をめぐっては、旧来より以上に充実した対策を実はお立て願うということでなければならぬ筋合いだと私は考えておりますので、先ほど来たくさん御答弁をいただきましたが、ぜひひとつ前向きで、建設的にこの問題はお進めをいただいて、一日も早く該当者の方々が安心ができるようにしていただきたいと思います。
以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/135
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136・辻寛一
○辻委員長代理 本日はこの程度にとどめます。
理事会の申し合わせにより、次会は、来たる二十五日、午前十時理事会、十時半委員会を開会することとし、これにて散会いたします。
午後零時四十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X00219640220/136
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