1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年四月九日(木曜日)
午前十時四十二分開議
出席委員
委員長 徳安 實藏君
理事 伊能繁次郎君 理事 辻 寛一君
理事 内藤 隆君 理事 永山 忠則君
理事 八田 貞義君 理事 石橋 政嗣君
理事 田口 誠治君 理事 山内 広君
佐々木義武君 高瀬 傳君
塚田 徹君 野呂 恭一君
藤尾 正行君 保科善四郎君
松澤 雄藏君 渡辺 栄一君
茜ケ久保重光君 稻村 隆一君
中村 高一君 村山 喜一君
山田 長司君 受田 新吉君
山下 榮二君
出席国務大臣
労 働 大 臣 大橋 武夫君
出席政府委員
労働事務官
(大臣官房長) 和田 勝美君
労働事務官
(労政局長) 三治 重信君
労働基準監督官
(労働基準局
長) 村上 茂利君
労働事務官
(職業安定局
長) 有馬 元治君
委員外の出席者
専 門 員 加藤 重喜君
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四月八日
委員渡辺栄一君辞任につき、その補欠として池
田正之輔君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員池田正之輔君辞任につき、その補欠として
渡辺栄一君が議長の指名で委員に選任された。
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四月七日
靖国神社の国家護持に関する請願(椎名悦三郎
君紹介)(第一八七二号)
同(岩動道行君紹介)(第一九〇四号)
同外三件(床次徳二君紹介)(第一九〇五号)
同外五件(菅野和太郎君紹介)(第二二〇二
号)
靖国神社の国家護持に関する請願(野原正勝君
紹介)(第一九〇六号)
同外十八件(佐々木義武君紹介)(第一九七〇
号)
同(植木庚子郎君紹介)(第二〇三一号)
同外三件(石田博英君紹介)(第二〇五六号)
同(竹下登君紹介)(第二二〇三号)
恩給、年金等受給者の処遇改善に関する請願(
池田清志君紹介)(第一九〇七号)
宇都宮市に勤務する国家公務員に寒冷地手当支
給に関する請願外五件(戸叶里子君紹介)(第
一九〇八号)
公務員の給与引き上げ等に関する請願外三件(
戸叶里子君紹介)(第一九〇九号)
同(茜ケ久保重光君紹介)(第二一九六号)
国立大学教官の待遇改善に関する請願外一件(
細田吉藏君紹介)(第一九一二号)
同(淡谷悠藏君紹介)(第一九七八号)
同(伊藤よし子君紹介)(第一九七九号)
同(小川半次君紹介)(第一九八〇号)
同外一件(和田博雄君紹介)(第一九八一号)
同(竹内黎一君紹介)(第二〇三四号)
同(柳田秀一君紹介)(第二〇五三号)
同(加藤常太郎君紹介)(第二〇五九号)
同(野田卯一君紹介)(第二〇六〇号)
同外一件(竹下登君紹介)(第二二〇四号)
同(荒木萬壽夫君紹介)(第二二〇五号)
同外一件(卜部政巳君紹介)(第二二〇六号)
同(高橋清一郎君紹介)(第二二〇七号)
同(地崎宇三郎君紹介)(第二二〇八号)
同(西村榮一君紹介)(第二二〇九号)
旧軍人等の恩給に関する請願(田中伊三次君紹
介)(第一九八二号)
同外十七件(湊徹郎君紹介)(第二〇三五号)
同外九件(粟山秀君紹介)(第二〇三六号)
国家公務員の給与改定等に関する請願外三十一
件(下平正一君紹介)(第二〇三二号)
同外一件(三木喜夫君紹介)(第二〇三三号)
公務員の賃金引き上げ等に関する請願(中村高
一君紹介)(第二〇五二号)
北海道開発局の職員増員等に関する請願外二件
(岡田春夫君紹介)(第二〇五七号)
同外四件(山中日露史君紹介)(第二〇五八
号)
同外四件(永井勝次郎君紹介)(第二二一〇
号)
同外五件(芳賀貢君紹介)(第二二一一号)
同外十件(安井吉典君紹介)(第二二一二号)
建国記念日制定に関する請願外三件(椎熊三郎
君紹介)(第二〇六一号)
傷病恩給の不均衡是正に関する請願(今松治郎
君紹介)(第二〇六六号)
同(加藤常太郎君紹介)(第二〇六七号)
同(金丸信君紹介)(第二〇六八号)
同(佐伯宗義君紹介)(第二〇六九号)
同(進藤一馬君紹介)(第二〇七〇号)
同(壽原正一君紹介)(第二〇七一号)
同(田中伊三次君紹介)(第二〇七二号)
同(高瀬傳君紹介)(第二〇七三号)
同(高橋清一郎君紹介)(第二〇七四号)
同(高橋等君紹介)(第二〇七五号)
同(谷垣專一君紹介)(第二〇七六号)
同(中馬辰猪君紹介)(第二〇七七号)
同外二件(寺島隆太郎君紹介)(第二〇七八
号)
同(中村寅太君紹介)(第二〇七九号)
同(永山忠則君紹介)(第二〇八〇号)
同(南條徳男君紹介)(第二〇八一号)
同(西村直己君紹介)(第二〇八二号)
同(羽田武嗣郎君紹介)(第二〇八三号)
同(藤本孝雄君紹介)(第二〇八四号
同(和爾俊二郎君紹介)(第二〇八五号)
傷病恩給の改善に関する請願(今松治郎君紹
介)(第二〇八六号)
同(大倉三郎君紹介)(第二〇八七号)
同(佐伯宗義君紹介)(第二〇八八号)
同(進藤一馬君紹介)(第二〇八九号)
同(壽原正一君紹介)(第二〇九〇号)
同(田中伊三次君紹介)(第二〇九一号)
同(高瀬傳君紹介)(第二〇九二号)
同(高橋清一郎君紹介)(第二〇九三号)
同(高橋等君紹介)(第二〇九四号)
同(谷垣專一君紹介)(第二〇九五号)
同(坪川信三君紹介)(第二〇九六号)
同外一件(寺島隆太郎君紹介)(第二〇九七
号)
同(中村寅太君紹介)(第二〇九八号)
同(永山忠則君紹介)(第二〇九九号)
同(西村直己君紹介)(第二一〇〇号)
同(藤本孝雄君紹介)(第二一〇一号)
同(和爾俊二郎君紹介)(第二一〇二号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
労働省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第六〇号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/0
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001・徳安實藏
○徳安委員長 これより会議を開きます。
労働省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、これを許します。田口誠治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/1
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002・田口誠治
○田口(誠)委員 本国会に提案されました労働省設置法の一部を改正する法律案の内容は、従来、労働基準監督官の職務訓練をするために、労働基準監督官研修所という名前のもとに、必要時間を要して訓練をしておりましたのですが、それをもう少し幅を広めて行なうということから、本省に労働研修所というのを設置するというのが、一つの提案の内容でございまして、それに従って定員を増加して、そうして労働災害補償なり、失業保険事業関係の業務をスムーズに行なうというのが、提案理由の内容になっております。
そこで私は、この研修所の問題について、従来やってこられた監督官の研修所のあり方、また講義された内容、そういうものも一通り検討をしてみました。そしてなおこの法案で考えておられる内容の大かたのことも聞いたわけでございまするが、いずれにいたしましても、日本の経済、産業の健全な発展をするためには、現在の労働省の労働行政というものがきわめて重要視されておるのですが、特に年々未組織の労働者が労働組合を組織して、そして労働組合の中で労使対等の立場において労働条件の改善を行なっていき、その労働条件の改善を通じて日本の経済発展に寄与するという考え方で、それぞれ努力をいたしておるのでございますが、最近の労働省の労働基準監督の関係におきましても、安定所の仕事の内容におきましても、一般国民の要望しておることが、そのまま実施に移されておらない。その内容は、人員の不足ということから、十分に労働監督ができておらない、また、安定所の仕事も、同じく十分になされておらないというのが実態であります。特につとめておる公務員諸君は、これは非常な労働強化に甘んじて、しかも低賃金の中で働いておるわけでございまするから、私は、こういう問題とも労働省が真剣に取り組んで、労働行政の国民の要請しておるところの行政を行なってもらわなければ、日本の経済の健全な発展に日本の労働者が寄与することがむずかしいのではないか、こういう点を危惧いたしておるような次第でございます。したがって、私は、この法案の内容に直接入ります前に、いま問題になっておりまする春闘の問題について、大臣の所見をお伺いいたしたいと思うのでございます。
御承知のとおり、明日は、十四単産、民間の単産六十七万名が半日のストライキを決行することになっておりますし、それから十七口には、三公社五現業、それに許された範囲内において公務員も含めたいろいろな行動がなされるわけでございまするので、そうなりますると、結局六百五十万人からの労働者が戦いに参加をし、しかも実力行使を行なうということになりますると、この内容を二・一ストと比較をいたしますると、二・一ストよりも大きく上回った員数になっておりまするし、非常に憂慮いたしておるわけです。したがって、二・一ストの場合を考えてみますると、当時の日本の占領政策をとっておりましたマッカーサー司令が、とにかく戦後の荒廃した日本の経済の発展途上であるから、こういう発展途上にそうした大きなゼネラル・ストライキ式のものを行なうということは、いかに労働者の権利であろうといえども、この段階ではいけないから中止をしろ、こういうメモが出まして、そうしてそのメモに基づいて日本の労働者は二・一ストを中止いたしたわけでございます。その後今日に至っておるわけでございまするが、今日の場合には、日本の経済が戦後荒廃をしてほんとうに発展の途上にあるという重大な時期とは、違っておるわけなんです。この点をやはり明確に認識をしなければならないと思います。しかも日本の経済は、池田総理がいつも自慢顔で言われるように、欧州並みの発展を遂げておるのだという答弁をいたしておりまするが、そのとおり、日本の経済産業というのは、非常に発展をいたしております。ところが、労働者の賃金はどうかといえば、きわめて低賃金であり、そうして生活状態は非常に困窮をきわめておるというのが実態であるわけなんです。したがって、三公社五現業等は、ストライキというものは禁止されておりまするけれども、従来とられてきたところの日本の政府の行政そのものが、法律を無視したような行政がなされておるということ、そのことが労働者を今日に追い込んでおるんだということから、待遇改善、あるいは国鉄でありますれば人命を尊重する事故防止というようなものも含めて、今度の戦いに入っておるわけでございます。したがって、私はオーバーなことばを申し上げるのではございませんけれども、二・一ストのときにも、もし二・一ストライキというものが決行されるということになりますれば、当然時の内閣というものは総辞職をしなければならないという状態にあったわけなんです。したがって、今日の場合はそれを上回るところの計画がなされておるのでありますから、私は十七日の計画がそのまま実行されるということになりますれば、当然これは池田内閣総辞職という責任を負わなければならないと思うのでございます。したがって、こういうような時期を迎えておりますので、労働大臣としてこれにどういうように対処される考えがあるか、この点をまずお伺いをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/2
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003・大橋武夫
○大橋国務大臣 十七日に予想されます公労協並びに公務員共闘のストライキにつきましては、田口先生も非常に御心配をなすっておられるのでございますが、私どもはこれにつきましては、まことに憂慮にたえないと存じておるのであります。ことに二・一ストの当時におきましては、マッカーサー軍司令官の命令によりましてこれが停止されたのでございますけれども、現在のわが国におきましては、すでに公共企業体等労働関係法によりまして、職員のこの種の行為は禁止をされておるわけなのでございます。この法律の明らかなる禁止、しかもわが国会において国民の意思に基づいて議決され、制定されました公労法に、正面から反して、ストライキを敢行するということを天下に表明されるということは、そのこと自体まことに不穏当であることは言うまでもございません。かような違法なるストライキが真に実行されたということに相なりますと、これは国民の経済生活その他日常生活に多大の混乱と迷惑を与える次第でございますので、私どもといたしましては、この際、公共企業体関係の職員組合の方方がみずから申請して公労委の調停手続に入っておられるのでございますし、その調停手続の期限も大体終局に近づいておる今日の段階でございますから、静かに公労委の行動を待たれるということが、適当ではないかと思うのでございます。労働関係の調整にあたりましては、労使お互いに相手の主張に耳を傾け、協力の精神でもって事に処すると同時に、特に法に対しては、相互に法を侵さない。これによって大衆に迷惑をかけないという心がまえが必要であると存じておるのでございます。政府といたしましては、そのような趣旨を労使双方に伝えて、あくまでも円満に処理されることを期待しておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/3
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004・田口誠治
○田口(誠)委員 大橋労働大臣は法律専門家でありますから、法律の面から違法等について、遺憾であるという発言もあったわけでございますが、すべて法治国は、法によってすべてのものが律せられ、政治が具体化されるというのは、このことは当然のことです。しかし、その中でも憲法を守るということは、これは第一義にしなければなりませんが、いまの政府のとっておる実態を見ますると、法治国家としてきわめて悲しむべき状態がいろいろな面で出てきておりますし、特に第一義としなければならない憲法尊重ということにつきましても、非常に遺憾な点があるわけでございますので、そういうようなことから、やむを得ず日本の公労協の労働者も、やはりいまの政府のやっておる行政のままにおいては、また労働対策の状態の中においては、自分たちの待遇が改善できないのではないか、それと同時に、日本の経済の健全な発展、日本の民主化はされないのではないか、こういうような点を非常に心配をし、大衆討議にかけた上に立って十七日のもくろみというものは行なっておるのでございまして、私は、いま大臣から言われた法治国家としてのそれぞれ国民のとる態度はこうあるべきだという点については、何ら異議を申すものではございませんが、これが一方的に片寄った考え方なり対策を立てられることは困るということなんです。その内容は、やはり政府自体が法に違反をし、そうして憲法を十分に尊重せずに、なしくずしにするというような行政が次から次ととられてきておる。こういうような世情に持っていったことが、今日の公労協の十七ストライキ宣言ということに相なっておるわけでございますので、私は、その点については、いまの答弁は答弁として聞いておきまするけれども、非常に遺憾に思っておるわけでございます。
そこで、いま大橋さんが、労使双方にもよく話をして、労使双方が円満に話をつけることを希望して、そういうような行動も行ないたいということでございますが、労使の関係につきましては、これは政府としてはいわゆる干渉という度合いに入っていくことは絶対にしてはなりませんし、ただ考えられることは、せっかく公労委がいま一つの案を出すような努力をいたしておるのであるから、公労委に対して早く結論を出しなさい、それが不服なら、これはおそらく仲裁委員会というものに持ち込まれるわけでございますが、ただ、ここでそういう経路をたどったとしましても、今日までの歴史の経過からいきますと、当然公労委で出された調停案に不服だといってこれが仲裁に持ち込まれた場合に、仲裁委員会で出された案は、これは当然政府としては少なくともそれはまるのみにしなければならなかったのですけれども、今日までそれをまるのみにしてこられたということは全部あり得ないわけなんで、こういうようなことから、この公労委なり仲裁委員会の裁定を待つということも、私は一つの足場としてはたよりになると思いますけれども、実際に政府がこれに対するところの態度が従来と変わっておらないということになりますと、これは何ら役立たないということになるのですが、この点を今日までの経過から考えて、政府としては、もし仲裁委員会等で結論の出たような場合には、それを完全に実行されるものかどうか、この点をひとつここで確認をしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/4
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005・大橋武夫
○大橋国務大臣 田口委員は、前段におきまして、政府の諸般の情勢が憲法尊重の点において欠くるところがある、こういうことが今回のストライキの原因ではなかろうかというふうにお述べになりましたが、私は、これらの問題につきましては、政府といたしましては国会に政治的責任を負うておるわけなんでございまして、これをただすために公労協が違法のストライキを行なうということは、何ら論理的に一貫しておらないし、また、さような趣旨でこのストライキを弁護するというわけにはまいらないと思うのでありますいずれにせよ、この違法なストライキは、国民をあげて阻止しなければならぬ事態であると考えるのでございまするが、この労使間の紛争の問題につきましては、御指摘のごとく調停案が近く提示されるようなところへまいっておるのであります。これは時期的に見てさようなところにまいっておるのでございますが、はたしてそれで事態が解決するかどうかは、もとより予想できない次第であります。これで解決できないということに相なりますると、当然仲裁手続に移行すべきことになるのでありますが、仲裁の結果に対しましては、政府は昭和三十六年以来、常に公労委の仲裁裁定はこれを尊重し、完全に実施するという態度を事実によって示し、またあらゆる機会にその趣旨を宣明いたしてまいっておりますことは御承知のとおりでございますが、今回の事態に際し、今回の事案が仲裁にかかるようなことに相なった場合におきましても、何らこの態度に変更があるはずはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/5
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006・田口誠治
○田口(誠)委員 大臣は違法性違法性ということを言われまするが、ストライキ、いわゆる伝家の宝刀を抜くということは、公労協でなくても、民間の労働組合でも、そうむちゃくちゃに乱発的にこういうストライキのようなものはやるべきものではないわけなんです。これは日本の労働者は認識をいたしております。したがって、ストライキをやらなければならないというその裏には、やはりそれだけの理由があってやむを得ず伝家の宝刀を抜くわけでございまするから、その点はそう一方−的に判断をして押しつけがましく解釈をされるということは、非常に遺憾に思います。そこで、いずれにいたしましても、もう明日の十四単産六十七万名、それから十七日の公労協のストライキは宣言されておりまするので、時間の問題として刻々と迫っていっておるのです。それでいま私が一番心配をしておることは、それはストライキが完全にやられた場合には、二・一ストライキのときはちょっと趣が違っておりまするから、そう政府のほうから強制的な中止云々ということも困難であろうと思いまするので、もしこれが実行された場合の日本の混乱の状態を考えてみますれば、やはりそれ以前に労働者の要求をそれぞれ受けて立ってもらわなければならないと思うのです。したがって、こういうような点について、労働省がやはりこの際、ただ違法だから違法なことをやるものはけしからぬのだと言うだけでは問題は解決しないのですから、その点を十分に認識の上、これからの答弁をしていただきたいと思います。これは大臣が、たとえば国家公務員の立場になって考えていただけばわかりますが、国家公務員からストライキ権というものを剥奪いたしたということは、これは発端はマッカーサーの百二号という、マッカーサー指令によるところの処置でありまして、占領政策下において——占領政策というのは、日本の荒廃した敗戦の状態を復興させ、そうして軍国主義的であった日本の国民が民主主義の線にのっとって、自由平等という点からあらゆる面において日本の国民が活躍できるようにという考え方で占領政策がとられておったのですから、その時点においてとられた二・一ストライキの中止というのは、先ほど来私の申しましたように、荒廃した日本の経済の再建途上で一番大切な時期であるから、このときにストライキをやってもらっては困るのだということからストライキは中止になり、この辺からやはり日本の公務員労働者は、労働者といえども国民の奉仕者であるということから、まずストライキ権を剥奪するのだというのでストライキ権を取り上げて、そのかわり日本の憲法に規定されておるように、国民は生存権というのをやはり持っておりまするから、この生存権を維持するためには、国民は何かの形で行動をし、あるいは主張をして、そうして自分たちの生存権を守らなければならないわけなんです。それで生存権を守るには、いまの公務員からストライキ権を取り上げたときに、何らかの形において公務員労働者の生存権が守られるようにするなれば、あえて国民の奉仕者である公務員にストライキ権を与えておかなくとも、取り上げても、公務員労働者の生存権は守っていけるんじゃないか、この考え方の上に立ってストライキ権というものを取り上げたわけです。したがって、その生存権を守らせる役目を仰せつけられたのが人事院であり、そして人事院はやはりその重要な役目の上に立って今日まで活動をしてきております。しかし、私は、人事院そのものを解剖してみましても、これはやはり政府の賃金統制という線に大きく縛られまして、人事院の勧告というものが出ておるわけなんでございまするが、人事院の勧告そのものが、私は労働者の賃金統制という面を大きく含んだものであって不満でありまするけれども、その不満な調停案ですら実施されておらないというのが、現在の状態であるわけなんです。したがって、私は、公務員労働者からストライキ権を——これは公労協も含めてでございまするが、
ストライキ権を剥奪したということになりますれば、ストライキを打たなくとも、その労働者が生存権を守り得るだけの、そういう役目をだれかがつとめてもらわなければならないというので、公労委の場合には仲裁委員会を設けられておるし、国家公務員の場合には人事院が設けられておって、そして政府から賃金統制という圧力がかけられながらも、一応の理屈をつけて人事院の勧告というものは出されてきております。ところが、その人事院の勧告を認めるということについては、これは当然内閣においても、国会においても、責任があるわけなんです。責任があるけれども、四年間続いて、五月実施というのを十月実施というので五カ月間延ばしたということで、結局、公務員労働者の賃金ベースは、二万八千になった、三万になったといって上がってはいくけれども、実際収入、ふところに入る金額というものは、五カ月ずれたということで、その上がるベースの約半分ぐらいしか恩恵を得られないというのが、実態であるわけなんです。昨年六・七%の人事院勧告でありましたけれども、これが五月実施が十月実施に延びたことにおいて、四%ぐらいの上昇よりないということなんです。こういうように、そもそも政府自体が、実際にストライキ権を取り上げた代償として生まれた人事院の勧告すら認められないというような状態であるから、公務員労働者の生活は、そういう点でますます困窮の度を深めていっておるというのが実態であるわけなんです。したがって、こういうような中において、今度とられる公労協のストライキ宣言も、私は、ほんとうにその内情を見ますと、同情にたえない面があるわけなんです。大橋労働大臣、人事院の勧告をいま例に引きましたが、法律法律と言っておられますけれども、政府自体がそういう点を守ってもらえぬから、今日のこういうスト宣言ということに相なったわけでございますので、そういう関連からどういうようにお考えになりますか、もう一度お伺いをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/6
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007・大橋武夫
○大橋国務大臣 なるほど国家公務員につきましての人事院勧告に関しましては、近年、政府としては引き続いて五月実施を十月実施に延期いたしておることは事実であります。このことは、政府も、財政の都合上とはいえ、国家公務員法の趣旨から考えまして、まことに遺憾といたしておるところでございます。しかしながら、この問題と今回の公労協のストライキの問題は全く別問題でございまして、公労委の仲裁裁定につきましては、三十六年以来今日まで、常に名公共企業体はこれを完全に実施いたしておるような実情でございます。この点におきまして、スト権を制限されておりますが、労働者の権利並びに利益は、公労委の仲裁を通じて完全に擁護されておるのでございます。しかるにもかかわらず、調停手続のさなかにおきましてストライキ宣言を発するということは、国民全体のとうてい納得することのできないところであることは申すまでもないと存ずるのでございまして、私は、この点につきまして、とくと組合側の反省をお願いいたさなければならぬと考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/7
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008・田口誠治
○田口(誠)委員 今度の公労協のスト宣言と国家公務員の人事院勧告の問題の取り扱いとは無関係という答弁でございますが、そう言えばそういう言い方もありますけれども、日本の労働者の賃金の柱というのは、国家公務員の賃金が柱になっておるのです。したがって、国家公務員の賃金が柱になっている以上は、やはり公社関係も、それに準じた考え方で終始労働組合とこの賃金の問題は交渉いたしておりますし、また、民間企業も同様に考えてやっておるのは、私が申し上げるまでもなく、大臣が十分に御案内のとおりだと思います。したがって、私は、この問題を切り離してお考えになることは妥当でないと思うのです。直接には関係はございませんけれども、間接にはこれは大きに関連を持っておるわけなんです。このことは、公労協の労働組合の共闘会議等では始終そうした問題が論議されてきて、今日公労協のスト宣言ということにもなっておるのでございますから、政府の今日までとってまいりました、また政府だけでない、これは国会にも責任がございますが、国会のとってきました、人事院の勧告をそのまま実行に移せなかったこのことは、やはり今日の日本の労働者に大きな痛手と不信感をかもし出さしておるということは事実でございますので、そういう点は大臣も率直に認めてもらわなくては困ると思います。
そこで、いまの公労協の関係でございますが、今日のこの事態になってから、法律を引き合いに出してみて、そうして公労委の調停がいまなされつつあるのだ、もしこれが不満なら仲裁裁定を期待するのだ、こういうようなお話しでございますけれども、今日までの国家公務員の人事院勧告を出すまでの経緯を見ましても、やはり政府の日本労働者の賃金統制という面について一つの干渉は出ておるわけなんでございますから、そういうことから、今度の仲裁裁定の場合にも、そういう点を大きく私どもとしては憂慮いたしておるのでございます。したがって、国家公務員の場合の人事院勧告をそのまま取り上げられなかった、内閣、国会共同責任でございますが、今度のこのストライキ宣言に対しましても、やはりこれは共同的な責任を感じて、そうしてこの問題を早期解決するような努力をしなければならないと思うのです。したがって、この点については、ただ政府の不当介入、不当干渉ということは非常に困るわけでございますけれども、やはり公労委なり仲裁裁定のほうを通じて、私は大いに働いてもらわなくてはならないと思いますが、大体政府のほうで把握しておられるのは、今度の公労委の調停案はいつごろ出されるという判断をしておられるか。おそらくこういう点には相当突っ込んで行動をされておられましょうし、今度のストライキに対しては真剣に対策も立てられておろうと思いますので、そういう点がほぼ明確であろうと思いますから、この際お聞きをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/8
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009・大橋武夫
○大橋国務大臣 調停はすでに約二カ月近い前から始まってまいっておるのでございまするが、この間すでに四回にわたりまして公労委は当事者双方を呼びまして、事実聴取を行なっておるのでございます。まだしかし、一、二回事情聴取が残っておるということを・聞いておるのでございますから、現在のテンポをもって進みますると、おそらく調停案が提示されたといたしましても、それは十七日以後になるものと考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/9
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010・田口誠治
○田口(誠)委員 民間の労働組合の場合に中労委に提訴して調停を依頼した場合に、相当に日にちがかかり過ぎる場合には、これは労使双方から相当強い請求もし、そうして深夜業まで行なってもらって、そして早期調停案を出してもらうというような方法もとつておりまするし、そうして中労委自体、また地方でございますると地労委自体が、こういうストライキを目標に置いた場合の調停の事務の進め方は、非常に真剣で、急テンポにその作業を進められるのが常でございまするが、この公労協の関係は、そういう点については非常にゆっくりやっておられるように思うわけなんです。したがって、その結論の出るのは十七日過ぎということになれば何にもならぬということになりまするので、そういう場合を想像して、政府の意向としてはどういうようにこの問題に力を貸してやられる考えがあるかどうか、この点もお聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/10
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011・大橋武夫
○大橋国務大臣 公労委におきましては、拙速主義でもって問題を片づけるということでなく、ストライキを制限されておる労働者の正しい利益を擁護するために、慎重の上にも慎重に調停手続を進め、さらに調停不調に際しましては仲裁に移行いたしましまするから、それらのことも念頭に置きながら、あらゆる資料を収集して、結論の妥当性を確保するにつとめておると思っておるのでございます。私は、公労委のこの行き方は、その使命に照らしましてそうなくてはならぬものではなかろうか、こういう気がいたしておるのでございまして、一面において十七日のストライキ宣言ということになっておりまするが、もともと公社の職員は、ストライキを法律上制限されておるわけでございます。その法律上制限されておるストライキが予告されたからといって、それでもって公労委がそのストライキに間に合うように事前に審査を進め、結論を出そうというような努力をお願いするということは、これは法を守らなければならぬ政府の立場として、いかがなものであろうかというふうに考えるわけでございます。私どもは、公労委に対しましては、当然あらゆる資料を検討して、この際労働者のために最も正しい結論を出してもらいたいということはお願いできますが、ストライキを予防するために急いで審査を進めてくれというようなお願いをすべきものではないのじゃないか、かように存ずるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/11
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012・田口誠治
○田口(誠)委員 問題によっては、法律的に理屈をつけていろいろものを言う場合もそれは心要でございましょうけれども、十七日には二・一ストライキ以上のストライキが打たれるというこの現実の姿を前に置いて、そしてただ労働者に有利な、しかもなるべく早急にという、こういう考え方のお願いよりできぬというこの大臣の考え方が、私はあまりにも法律通だけに法律でものを割るという考え方より出ておられないので、こういうやり方をやりますと、これはたいへんなことになるだろうと思うのです。したがって、私は、法律は法律としてあるといたしましても、しかし、実際においてもう十七日にはストライキを決行するということを宣言しておるのですから、これを回避させることが当然公労委の責任でもあり、そして仲裁裁定まで持っていって結論を出せるまでの余裕を持って公労委が調停案を出されることが、私は正しいと思うので、この正しいことを、政府としてそういう目標でお願いをすることができないと言われることがおかしいと思うのですが、それはどんなものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/12
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013・大橋武夫
○大橋国務大臣 公労委は、御承知のとおり、公労法に基づいて設置されておるものでありまして、公労法が現実に守られるということを前提にして、初めて公労委というものの使命が成り立ち得るのでございます。この公労委は、一面において公共企業体の職員はストライキはできない、こういうことになっておるのでございますから、その禁止を犯して公共企業体の職員がストライキをするのだという違法の状態を前提として公労委が活動をするということは、私はいかがなものかと存ずるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/13
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014・田口誠治
○田口(誠)委員 法律一本でいかれますが、法律はそうなっておりましても、十七日になれば、待っておれない、ストライキに入るということなんです。ストライキに入ったとすれば、二・一ストライキのときよりも大規模なストライキであって、これは日本の経済界の混乱というものは大きなものだと思うのです。だから、それを回避させるために法律でできた公労委であろうが、仲裁委員会であろうが、全力を注ぐということは、当然の任務であろうと思うのです。そうでしょう。どろぼうがいる。物を盗んではいかぬという法律があるから、そのどろぼうをとらまえようとすることに、そんなに日にちを切ってとらまえなくてもいいというような逆解釈もできます。私は引き合いに出しますが、仲裁裁定は三十六年から守ったと言われるが、三十六、三十七、三十八、三年守っただけです。それで、仲裁裁定というものが出たときには、これは当然スト権を剥奪した手前から、裁定といえども、この仲裁裁定というものは守ってこなければならなかったにもかかわらず、今日まで守ったときもありますけれども——守ったときだけ大橋大臣は主張されておりますけれども、守っていないときがたくさんあるわけです。だから、法律でこうなっておるからこうだと言われるけれども、そのとおりにやっておらないというのが実態ではないですか。それは公労委ができた年、最初の賃金要求のときにどういうような態度をとられたか、これ一つ考えてもらえばわかります。ストライキ権を剥奪して、そうしてどうしても調停案で納得のいかないときには、仲裁委員会で仲裁裁定を出す。この仲裁裁定は、気に入っても気に入らないでも、やはり労使双方がのんで円満にその争議を解決してもらわなければならないといってでかしたものを、早そのときからこれを踏みにじる行動に出ておったじゃないですか。どうもおかしいじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/14
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015・大橋武夫
○大橋国務大臣 田口先生今回のストをどろぼうというような犯罪にたとえられておりますが、私は、さような性質のものではないと思います。御承知のとおり、公労法によってストライキは制限されておりますが、しかし、これを犯罪とする考え方は公労法にはないのでございまして、ただ、その法律的な効果は、労働組合法による組合活動としての免責条項の適用を受けないということが一つ。同時に、ストを行なった場合、またそれをあおり、そそのかし、共謀した場合、その者が解雇されるという、それだけの法律的の効果が規定されておるのでございます。犯罪とは違った一種の労働法上の特別な定めであるように思うのでございますが、その点は別といたしまして、公労法には、ただいまも申し上げましたごとく、この禁止を命じておりますと同時に、その禁止に違反いたした場合の処置を講じておるのでございまして、その場合におきましては、公共企業体においてはその者を解雇することができることになっておるわけでございます。この点については、各公共企業体においても、その事業の運営の社会における重大なる使命にかんがみまして、ストライキの影響なからしむるために、いませっかく各企業体とも努力中でございます。おそらくこれらの争議を共謀し、あるいはあおり、そそのかしたというはっきりした行動がありました場合においては、公労法の規定に基づいてその者を解雇し、すなわち、職場からこれを取り除いて他の適当な人物をそこへ補うということによって事業の運営を維持するためにも、極力努力をされるに違いないと思っておるのであります。したがいまして、私は、各企業体において、法律の認めるあらゆる合法的な手段を通じてこのストライキの影響を少からしめる努力は続けられておるのでございますから、そのことによって処理されることを待つというのが当然であり、このために違法のストライキを前提にして、それによって公労委の裁定に影響を及ぼすというようなことは、極力あらしめてはならないと考えるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/15
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016・田口誠治
○田口(誠)委員 違法のストライキをぼくだとて好んでおりません。好んでおりませんが、私は、いままでの質疑応答からいきますと、政府みずからが違法を犯しておって、そうして他の者の犯したときに責任をとらせるという行動しか行なわないから、私はここでいまさらこういう質問をするのは何だかおかしいと思いますけれども、ちょっとおさらい的に順次お聞きをしたいと思います。
これは大臣でなくても、局長でも、官房長でも、どなたでもお答えになればいいと思いますが、公共企業体につとめておる労働者、国家公務員、地方公務員の労働者からストライキ権をとった理由というものは、あなたの把握されているところでは、どういう理由ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/16
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017・三治重信
○三治政府委員 これは先ほど先生がおっしゃったように、二・一スト時代は、国家公務員も、新憲法によっていわゆる労働三権があった。それが二・一ストによって、そういう国の利益、しかも社会公衆に対して著しく公共の利益に反する行為に出た。それでストップされたわけなんですが、その後そういうことが再びないようにということで、国家公務員あるいは地方公務員、公共企業体関係の労働関係の法律ができたわけであります。公共の福祉に反するその関係の調整をするために、こういうふうな国家公務員法、地方公務員法並びに公共企業体等労働関係法がその後にできたわけでありますが、そういう関係の職員というものについてストライキが禁止されたというふうに理解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/17
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018・田口誠治
○田口(誠)委員 いまの答弁からいきますと、公共の福祉に反するということからスト権を取り上げたということですが、民間の事業体でも、公共の福祉に反する事業場は幾らでもあるわけ
です。それはストライキがやれるわけなんです。公共企業体なり公務員の労働者からは取り上げているのだが、これには何か理由があったかどうかということを聞いている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/18
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019・三治重信
○三治政府委員 民間の場合でも、先生のおっしゃるような、いわゆる社会の公共の福祉に非常に重要な関係があるいわゆる公益事業というものにつきましては、ことに石炭及び電気関係に
ついては、スト規制法があります。それからガスとかいわゆる交通機関の私鉄、バスというような企業につきましては、労働関係調整法によって緊急調整という特別な規定があって、ストライキをできるだけ避けるような法的措置があるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/19
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020・田口誠治
○田口(誠)委員 公共事業をやっている民間の事業場、その労働組合のストライキには一つの規制法があると言われますが、これは手続だけの問題ですよ。だから、ストライキがやれぬというようなことは何もありませんですよ。そうでしょう。だから、そういうような手続云々ぐらいなことは、あなたが答弁の中で答えて、また私がそれに反論せねばならぬようなもったいないことは言わずにおいて、もう端的に民間の公共事業体の労働者もストライキはできる、公共福祉に大きに影響のある事業についてもストライキはできるんだけれども、公労協あるいは国家公務員、地方公務員、こういうものはストライキができぬというようにしたのは、どうしてしたのかということを聞いている。単なる公共福祉というような一口のことばでなしに、ひとつわかるように説明してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/20
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021・三治重信
○三治政府委員 先ほど申し上げましたのは、公共の福祉に重大な影響があるという部面についてのことを申し上げたのですが、さらに、公務員については、全体の奉仕者として特殊な任務を身分上与えられているわけでございます。そういうふうな国民全体のために奉仕しなければならないという特殊的な法的な制度になっているわけでございますので、そういう意味もあわせてここにストライキの禁止がされたわけでございます。公務員法並びに公共企業体関係の立法当時の提案理由そのものを直接いまここに持っておりませんけれども、そういうふうな理由がおもな理由になっていると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/21
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022・田口誠治
○田口(誠)委員 わからぬ。いま公共の福祉云々と言われたから私は申し上げたのですが、公共の福祉に影響のある公共事業に従事しておる労働組合も、ストライキはやれる。ただ、場によってはストライキをやるとき手続上の一つの規制というものはある。あるけれども、ストライキはやれるんだ。国家公務員とか公共企業体の労働者とか地方公務員というのはストライキをやらせないというようにきめた理由は、どういう理由だったかということを聞いておるのです。それを御存じかどうかということを聞いておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/22
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023・三治重信
○三治政府委員 それにつきまして先ほど来お答えしておりますように、国家公務員とか地方公務員等は、憲法上も、特に全体の奉仕者として身分上特殊な勤務関係にある。こういうものがストライキをやってはいけないという、国家公務員、地方公務員については、そういう一つの特殊な関係がある。公共企業体の職員も、このストライキの規制法ができるまでは、国家公務員であったわけです。また国の事業として、公衆に奉仕するように公共企業体として行なわれている。こういうことは、また公共の福祉というものを最高度に考慮しての公共企業体であるわけですから、したがって、そういう観点からストライキが禁止されているというふうに考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/23
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024・田口誠治
○田口(誠)委員 まあ憲法の問題は、申し上げなくとも二十八条で明確になっておりまするし、それから当然新憲法では生存権を守るところの国民の権利というものはあり得るわけなんです。そういうような権利で団体を構成して自分たちの労働条件を守ることのできる公務員労働者や公共企業体の労働者からストライキ権をあえてとったということは、あなたのほうの答弁の言われるのは、国民の善良なる奉仕者である、これにストライキをやらせることは好ましくない、ただこれだけであるわけなんです。ところが二・一ストライキを中止をして、それが発端となってスト権を剥奪し、それからあとに国家公務員法、地方公務員法を改正したのです。そのときの動機というものは、現在の状態と違って、日本が、政府のままにならないアメリカの占領政策をとられておった。だから、マッカーサーの占領政策をとっている過程において、二・一ストライキを計画したから、とにかく戦後荒廃した日本の経済のこの状態の中で、日本の経済を再建しようとする中において、ゼネラル・ストライキはやってはならないのだ、国家、国民のためにならないのだから、このたびはやめるべきである、こういう考え方からの中止であるわけなんです。ところが、今日はそうではない。それで、日本の憲法からいきますと、日本が占領政策を解かれたときに、この国家公務員法、地方公務員法、公労法を改正して、そうしてスト権を付与すべきであっただろうと思うのです。したがって、そのときに公共の福祉云々というようないろいろな面があれば、原則として認めておいて、規制の条項をつくってでも与えるべきであっただろうと思いますけれども、それが今日までずるずるっと延びてきておるわけなんです。そういう経過からこのストライキ権というものは取ったのであるから、あくまでも憲法で保障されておる国民の生存権を守るための行動はできるわけなんで、別に好意的に解釈しないでもできるわけです。ただそこでストライキをやれないということになったから、ほかに生存権を守ってやる何かの部門をつくらなければならない。そういう組織をつくらなければならないというので、いまの公労委でも、仲裁委員会でも、また人事院でもできたんだろうと思うのですが、この点の解釈に相違はございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/24
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025・三治重信
○三治政府委員 ストライキの制限にかわりまして、そういうふうな労使関係並びに公務員の労働条件の維持、改善を保障するために、人事院あるいは公共企業体等労働委員会というものができたという趣旨においては、そういう趣旨であるというふうに理解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/25
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026・田口誠治
○田口(誠)委員 そうなりますと、人事院なりあるいは仲裁委員会なりが出された案というものは、やはり双方が不満であってもこれをのんでいかなければならないものであろうと思うのです。そうなければ、生存権を守る手段として設けた人事院なり仲裁委員会にはならないわけなんで、それを大橋労働大臣は、三十六年から今日まで云々と言っておられるけれども、守っちゃいないのです。守ったときはあるけれども、守っちゃいないのです。だから、ストライキ権だけ取り上げておいて、そうして中立的な、労働者の生存権を最低限度守るためにできた人事院なりあるいは仲裁委員会なりの裁定、勧告を当然守らなければならないものを守ってないところに、ストライキ権を取り上げたその目的を大きく歪曲しておるというように私は考えておるわけなんです。その点どうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/26
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027・三治重信
○三治政府委員 政府が守らないということをよく言われますけれども、三十六年以降は、政府としてもそういう公共企業体等労働委員会の裁定が出た場合は完全実施するから、公共企業体関係の労働組合のほうも不要なことをするなというはっきりした線を出しているのであります。ただ、この公共企業体等労働関係法におきましても、これは法的だけのことですけれども、仲裁裁定を完全実施しなければならないとは書いてない。これは資金上予算上の問題で国会の承認を得れば完全実施しなくてもいいという、いわゆる財政上の理由というものが法的にはありますが、政府としては、労使関係の安定のために、仲裁裁定が出れば完全実施しますというのは、三十六年以降しばしば労働大臣が声明されて、そのとおりやっているところであるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/27
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028・田口誠治
○田口(誠)委員 政府がこの問題に対して堂々と答弁のできることは、法律でストライキは禁止されているのだ。禁止されているものはやっちゃいかぬのだということと、それから仲裁裁定の場合は、三十六年から受けて立っておるじゃないかということ、これより言うところはないわけなんですよ。人事院の勧告を考えてごらんなさい。全部守っていないじゃないですか。先ほど申しましたように、昨年も六・七%上がったというけれども、五月実施を十月実施にしたことにおいて、実質的にはわずか四%しかふところには入っておらないのです。毎年毎年このような状態なんです。ただ数字で書いてあるところのベースは二万八千円になった、三万円になったと羅列されますけれども、さて実際に収入の面で賃金がふところへ入る分は、その年に上がった半分ぐらいしかないというのが実態なんですよ。こういうことから、日本の労働者は非常に生活に窮しておるということなんです。生活に窮しておるということは、全く水ぎわに立たされておるということです。水ぎわに立たされておるということは、ここで勝つか負けるかの勝負をする、死ぬか生きるかの勝負をするというところなんですよ。そうでなかったら、法律で規制されておるものをあえて受けて立って、ストライキを決行してでも労働者の待遇を改善しなければならない、あるいは日本の民主主義を守らなければならないということにはならぬわけなんですよ。だてや酔狂でこういうような計画をしたのじゃありません。そこで、私は繰り返し申し上げますけれども、政府のほうでは、ただストライキ権が禁止されておる、禁止されておると一方的に言っておるけれども、それではだめなんですよ。政府といえども、法律で規定されたものはそのまま守ってもらわなくてはならないのです。ただ法律の条文でこうしなければならないと書いてないからやらなくてもいいのだという言い方をされますけれども、それはそのときの国会の勢力とか、いろいろな関係で法文はつくられておるのです。私は、ストライキ権を剥奪したその経緯から考えてみて、これは当然道義的にも、常識的にも、責任上国会、内閣は人事院の勧告なんかは最低限度として尊重しなければならないものだと思うわけです。仲裁裁定の場合でもそうだと思うのです。だから、それを守っておらぬのに一方的な主張ではおかしいじゃないかと言っておるのですが、その点どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/28
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029・大橋武夫
○大橋国務大臣 御承知のとおり、春闘の賃上げについての仲裁裁定につきましては、昭和二十四年でございましたか、二十四年に、予算上、資金上の理由で実施しなかったことが一回ございます。これはもちろん国会においてさような議決をされたわけでございます。その後におきましては、政府も、賃金の問題に関します限りは、特にべースアップの問題につきましては、公労委の裁定を尊重いたしまして、ほとんどこれを完全実施するというのが、実際の慣行に相なっておるのでございます。先ほど三十六年以後において実施しておるというのは、明確に記憶いたしておりますものを例として申し上げたのであります。春闘のベースアップについては、公労法ができました初期において実施しなかったという例はありますが、これは間もなく是正されまして、その後においては、長い間これをそのとおり実行するという慣行に相なっておることをあらためて申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/29
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030・田口誠治
○田口(誠)委員 もう一度調べてみてください。公労委ができたときに守らなかった、あとは全部守ったという答弁ですけれども、それは違うと思うのです。
それから次に、公共の福祉、それから国民の善良な奉仕者云々でストライキ権を剥奪したと言われるけれども、これは他の国でストライキ権を剥奪しておらない国が、やはり先進国にもあるわけなんで、それをどの程度把握してみえるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/30
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031・三治重信
○三治政府委員 これは、国々によってその規定のしかたが違います。日本のように国家公務員並びに地方公務員につきましてストを規制をしているところもあれば、あるいはそういう規定がないところは、従来、国家公務員、地方公務員がそういうストライキというふうなものを起こすようなことが全然ないというふうなことから、そういう法制がつくられていないというところもあるようでございます。一がいには言えませんが、ただアメリカなんかは、各州において、そういう公務員関係につきましては、ほとんどストライキが規制されておると思います。それからフランスなんかの方面におきましては、ストライキは一応禁止はしていないけれども、しかし、ストを起こした場合には、大統領がその従業員を招集して、国が直接強制的に雇用して就業させるという、実質上のスト禁止的な他の手段を持っておるというふうに、そのやり方においては若干ずつ変わっておりますけれども、いずれにしても、そういうふうな規定のしかたはがいにはなっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/31
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032・田口誠治
○田口(誠)委員 国鉄の場合を例に引いてみますと、イギリスの場合には、五日も六日もストライキをやっておっても、これは別に禁止もされておらないし、公共の福祉に反する度合いがそのときの状態としてどういうようにあらわれているかどうかわかりませんが、実際にやっているわけです。年限はきちんとわかりませんけれども、十年くらい前のことです。それからフランス、イギリス、イタリア、ベルギー、カナダ、こういうようなところは、全然スト権の剥奪はやっておりませんし、それからストライキなんかでも、フランスやイギリスあたりにおいては、ただいま申しましたように、国鉄なんかでもものすごい長い日にちのストライキもやっておるわけなんですが、こういう点の把握があってあなた方はいま答弁されておられるのか、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/32
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033・三治重信
○三治政府委員 各国の鉄道、それから電信電話等の企業の形態も違いますし、それから、その国の事情によって規制のやり方が変わっているということを申し上げたわけであります。いま先生は、お手元の資料でストライキの規制に関する、いわゆるスト禁止の法律はないというふうなことを言われておりますが、私のところでそういうこまかい資料をいま手元には持っておりませんが、たとえばフランスのごときの国営企業においては、大統領のそういうふうな強制的な招集規定が別にあるわけでございまして、一面的な法律だけで、実質上同じような規定があるなしということの判断はできない。全般の対策がどういうふうにとられているかということを見なければ、予ての実質的な運用はよくわからない。いま先生のおっしゃったことを否定するわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/33
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034・田口誠治
○田口(誠)委員 私は、公共福祉に非常に関係のある組合の場合の、いろいろな法律的な違いは内容的には若干あるといたしましても、いま申しましたように、イギリスあたりの国鉄が数日間もストライキをやっても、別段それに対して政府も干渉をしたり、あるいは国民の怒りというものもあまりなかったのです。大体日本の場合には、実際のことをいって、労働組合に対する見方というものが感覚的に違うわけなんです。何か労働組合というと、迷惑をかけるような団体という考え方を持っておられる人が相当にあるわけですが、私は、真の労働組合というものは、やはり大衆討議によってものをきめられるものであって、自分の待遇を改善するということは、当然これは憲法で保障された線にのっとって、そうして労働組合をつくり、その労働組合の中で待遇改善を行なうわけでございます。やはり労使というものは利害相反しておるのだから、幾ら要求をしてみても、わけのわからぬ経営者は、それに応じない。応じないときには、力のないものには、ただ唯一の方法としてストライキ権というものを付与をしてあるのです。したがって、そういうような意味からいきますと、公務員の場合に、ストライキ権を剥奪したということは、これは二・一スト後のマッカーサーの占領政策の息がかかって剥奪したのであって、当然占領政策が解かれたときに、これは復活をしなければならなかった内容だと思うのです。私はここでお聞きをいたしたいと思うのでありますが、何事もやはり憲法というものは優先するわけなんですが、二十八条
の関係とこのストライキ権を禁止した関係は、どこでどう筋が通るのか、ひとつ説明を願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/34
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035・三治重信
○三治政府委員 二十八条の規定は、いわゆる労働三権の規定でございます。それに対して十二条の後段で、国民は「常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。」というふうになっておるわけでございまして、それから十三条には、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、」というふうになっております。これとの関係の調整のためにこういう立法が行なわれておるわけでございます。さらに最近におきまして、昨年三月十五日、最高裁で、公共企業体関係のスト制限の法律は正しいというふうに最高裁の判例も出ておることでありまして、これが憲法違反とかなんとかいうことは、昨年三月十五日の最高裁の判例で合憲の判定があったと考えるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/35
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036・田口誠治
○田口(誠)委員 答弁をいただいてもあまり進んだ答弁ではありませんが、いまあなたの言われたように、すべて国民は憲法にのっとって団結する権利もあるし、自分の待遇を改善するためには団体交渉をする権利もあるし、それから相手がわからずやで、どうしても納得のいかないときにはストライキをやって、そして自分らの生活権を守っていくことができるようになっておるのです。ただ、そこで公共の福祉云々ということが一項載っておりますが、この公共の福祉ということがどうして載せてあるかといえば、原則としてはいま私が言ったように、団結をする、団体交渉をする権利、それからストライキをやる権利はあるわけです。そしてあとへ持っていって公共の福祉云々ということになりますれば、これは当然ストライキに入った場合に、双方が努力してもどうしてもいけない、話がつかない、これが長引くような場合に、初めてこうやるべきであるという手を下す程度のことが、これがやはり憲法にのっとったところの正しい条文のあり方であり、そういう判断の上に立ってやらるべきものであろうと思う。初めから一分も、十分も、一時間もそういうことをやってはならないというような公共の福祉云々というものではないわけです。憲法学者にあなた行って説明を受けてみなさい。そう言われます。そういう考え方からいきますと、先ほど来労働大臣が、法律にこう書いてあるんだから、これに違反してやるんだから云々だけで、いま飛び込もうとしておる公労協の争議を早期に解決することはできない。十七日を目標にやることは妥当でないという言い方は、妥当でないわけです。したがって、そういうことからいきますと、法律にはどう書いてあろうとも、十七日にはすべり込むんだから、ストライキに入るんだから、ストライキに入ったらたいへんだから、できればこの十七日という目標を回避するために、公労委なり仲裁委員会が活躍されることが、私は国民の期待するところであろうと思うのです。それを労働大臣が、そのことは別なんだ、違反するようなことをやるということを目標に、公労委なり仲裁に早急に結論を出させるという努力は妥当でないんだと言われることは、私はどうしても納得できないわけですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/36
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037・大橋武夫
○大橋国務大臣 先ほど申し上げましたように私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/37
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038・三治重信
○三治政府委員 先ほどの裁定の問題につきまして、お答え申し上げます。
三十二年の公労委発足後、仲裁裁定が出ましたのが百五十四件、これは完全実施をしております。その前の仲裁委員会と調停委員会と分かれております以前の件数は、全体で十九件ございまして、完全実施が七件、十一件は完全実施の時期を若干ずらしたということ、その裁定の出た金額を若干削ったのは一件というのが、この公共企業体関係の法律ができてからの実績でございまして、実施しなかったときは、削減したというのが一件だけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/38
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039・田口誠治
○田口(誠)委員 公労委の場合は、仲裁裁定の場合でもそうですか、公労委の結論を出す場合には、これはやはり国家公務員の賃金というものを柱において、頭に描いておって出すのですよ。だから、そのもとの人事院の勧告を完全に実施をしておらぬというのは、政府としては日本の労働者を低賃金に追い込んでいっておる一番の原因になっておるのですよ。だから、いま私があなたに質問をしておらぬことも、あえてそういう答弁をされましたが、一回でも二回でもそうですよ。一回でも二回でも同じですよ、きめたことをやらなかったことは。一回だけいいとか、三回だけいいとか、十回だから悪いというものじゃないですよ、大橋さんの理論からいきますと。だから、私は、今度の争議の問題も、質問を何べんし返しましても、大橋労働大臣は簡単な同じようなことを言っておられますけれども、少なくとも日本の経済の発展ということを頭に置きながら日本の労働対策を真剣にやろうとするならば、十七日のストライキを回避するために、この公労委なり仲裁委員会が活躍をして、そうしてこの十七日のストライキを回避できるような状態をつくってもらうことが、一番大切であろうと私は思います。これはやはりここまできますと、政治的な問題になってくるわけなんです。十七日に二・一ストライキを大きく上回るところの大ストライキが打たれようとしておるのだから、もしこれが実際に行なわれたとするならば、これはたいへんなことですよ。おそらくこのことは、長年の池田さんがやってきました高度経済成長計画の犠牲になっておる労働者が、ほんとうに水ぎわに立っての戦いなんだから、したがって、私は、一方は押える、一方のほうは法律違反をした行動をやっても平気でおられるところの政府の態度は、全くけしからぬと思うのです、実際。私はあなたにお聞きしますが、人事院の勧告の場合はあれでよろしいと思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/39
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040・大橋武夫
○大橋国務大臣 人事院勧告につきましては、財政上の都合とはいえ、これが完全実施ができないということは、よろしいとは申し上げません。まことに遺憾であると、先ほど来たびたび申し上げたとおりでございます。これに対しまして、公労委の仲裁裁定につきましては、発足以来一件も実施しない例はないのでございます。完全実施が慣行として成立をいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/40
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041・田口誠治
○田口(誠)委員 いまの国家公務員の場合の人事院の勧告の問題については、完全実施できなかったことは非常に遺憾でもあるが、これは財政上やむを得ないという答弁ですけれども、これはやはり私は政府に考え直してもらわなくてはならないと思いますことは、外国では、その年度の予算ではどうしてもまかなえなくとも、次の年度に予算化してでもそうした勧告は内閣も国会も認めていくという、こういう良心的な結論を出しておるわけなんです。だから、私は、どうしても三十八年度の予算の中ではどうこうできないとするなれば、それは三十九年度の四月に持ち越してでも当然五月実施というものをやらなければならなかった問題であろうと思うのです。こういう誠意が日本の政府にはないから、私はその点を追及しておるわけなんで、金がある、ないということは、これはやはり政府の政策面の上から金をどこにどう使うかということで、ある、ないということを言っておるのであって、ないといえばない、あるといえばあるのだから、どうしても都合のつかないときには、翌年に回してでもやはりスト権を剥奪した代償としてできた人事院の勧告を尊重する形をとるということが正しいのであって、それはどう考えられるのですか。そこまで考えてもらわなくては、私は正しい政府の考え方ではないと思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/41
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042・大橋武夫
○大橋国務大臣 御意見といたしまして、傾聴いたしたのでございます。将来の問題として十分参考にいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/42
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043・田口誠治
○田口(誠)委員 この問題につきましては、あすは民間労組がストライキをやりますし、それからだんだんと十七日が近づくに従って問題は深刻化してきますから、きょうあとからの質問者、あるいは明日の質問者が、これに続いてこの問題を取り上げられると思いますので、私は、この問題につきましてはこの程度にして、次に移りたいと思います。
ただ、ここで申し上げておかなければならないことは、繰り返し言うようでございまするけれども、二・一ストを中止いたしたときには、マッカーサーの占領政策の一環であって、特に戦争で非常に荒廃をしておる、この日本の国の経済が発展する途上であるのだ、一番大切な時期であるのだ、この時期にゼネラル・ストライキをやられてはたいへんであるから、このストライキはやむを得ず中止をしてもらわなければならないというのが、マッカーサーの考え方であったわけです。その後できたストライキ権の剥奪、それからあとに改正をした国家公務員法、地方公務員法、公労法の改正は、そういう惰性からできたものであって、私は、当然占領政策が解かれたらもとに返さなくてはならないと思うのです。そういうような経過がありますから、今日の場合と二・一ストの場合とは、経済上の状態、国情の混乱の状態、こういうものは大きく違っておりますので、私は、こういう時期にストライキを打つという、このことを、ただ法律一本で、法律に違反をするのだから打った者は全部首だ——まあいろいろな懲罰、懲戒関係を行なうという趣旨のことを言っておられましたが、そういう責め方をしても、食えぬようになった場合には、人間というものは窮した場合には、ほんとうに困ったと思っても、いけないと思っても、やらざるを得ないというときがあり得るのだから、こういう水ぎわに立った戦いを前にしておるのだから、もう少し政府は正しい判断と積極的な考え方を出して、そうして労働者の要求を満たすような努力をすべきであろうと思います。ただし、政府が労使間の関係に対して不当干渉を行なって、そうして賃金統制をこの際なお堅持しようとするような行為は、絶対にやってもらっちゃ困る、この点を申し上げて、次に移りたいと思います。
次は、今度労働研修所の設置の問題が出ておりまするが、この問題は、やはり現在ありました労働基準監督官の研修をもう少し幅を広めて、多数の人に、また日時も人によっては相当かけて、そうして研修させるのだ、こういうことでございまするが、この研修も、研修のしかたによっては非常に不当労働行為と見られる研修のしかたもあり得るわけなんで、特に今日の労働省は、労働省みずからが不当労働行為的な行為をやっておりまするので、この問題を審議する場合には、特にそういう点を心配しながら検討してみたいと思うわけなんです。したがって、私はここに端的にお聞きをいたしまするが、最近労働省のほうから通達が出ておるのか、それとも出先機関が自主的にやっておるのか、その点はわかりませんけれども、労働組合に不当介入するというような行為がちょいちょい見られておるわけなんです。したがって、この点については、おそらく現場でいろいろ問題にもなっておる、現場に問題になっておることは本省のほうへも連絡があろうと思いまするので、十分に把握されておると思うのですが、労働省としてそういうことは実際やらしてない、やっておらないということをここで明言できるかできないかということをまずもって聞いて、その結果、私は実例をあげてひとつ御質問をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/43
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044・和田勝美
○和田政府委員 お答え申し上げます。
労働省は、労働行政の担当台といたしまして、いやしくも組合の運営その他に介入するようなことを労働省みずから行なうことは、絶対にあり得ない、そういう覚悟で行政に当たっておりましたので、私どもとしては、健全な労働組合が健全に、民主的に運営されることを特に願っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/44
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045・田口誠治
○田口(誠)委員 民主的で健全な労働組合とは、どういうような判断でやっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/45
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046・和田勝美
○和田政府委員 民主的な労働組合といいますのは、組合法の五条にもございますが、組合員の自由な意思が自由に発動されて、その組合員の意向に従って組合が運営をされる、そういうものであろうかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/46
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047・田口誠治
○田口(誠)委員 そのとおりです。したがって、そのとおりでなしに、労働省の出先機関では、相当労働組合へ干渉がましい行為を行なっております。
私、端的にひとつここでお聞きをいたしたいと思いまするが、これはあなたのほうでももう十分お知りだろうと思いますが、大阪の職安でございますが、怪文書でございます。「大職安有志一同」という名前になっておって、「各分会組合員諸君に訴える」として、この文書が管理者から配られております。これはその証拠品ですよ。こういう事実は知ってお見えになりますかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/47
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048・和田勝美
○和田政府委員 大阪職安の有志一同という文書につきましては、中身の詳細は私ども承知をいたしておらないわけでございます。ただ、いま管理者側から配られたということにつきましては、そういう報告は私ども受け取っておりません。なお、御存じのとおり、いわゆる全労働省労働組合といいますのは、国家公務員の関係もございますので、上のほうといいますか、世間から見たら管理者みたいな人も、組合員として入っております。たとえば安定所の課長とか、監督署の課長とか、そういうものも組合員でございます。そういう意味合いでございまして、安定所長とか監督署長あるいは次長というようなのは、組合に入っておりません。そういう者からそういう文書が出たようには、私ども聞いておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/48
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049・田口誠治
○田口(誠)委員 出先機関では、管理者は何から上ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/49
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050・和田勝美
○和田政府委員 管理職手当のついておりますのは、所長、一部の次長でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/50
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051・田口誠治
○田口(誠)委員 課長は、管理者の中へは含まれておりませんね。含まっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/51
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052・和田勝美
○和田政府委員 先ほど申し上げましたのは、管理職手当の支給されている範囲でございます。課長につきましては、一般の世間からいえば、管理職の立場にあるものと通常考えられておるのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/52
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053・田口誠治
○田口(誠)委員 通常管理者と考えられている人から配られておるわけです。そういう場合の処置は、どういうようにされるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/53
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054・和田勝美
○和田政府委員 先ほど申し上げましたように、労働組合法にいう労働組合と国家公務員法でいう組合とは、その体系が相当異なっておりまして、世間一般に言えば管理者といわれる者も、国家公務員の場合は、自由に一般の者と同じ組合を形成できるようなかっこうになっております。そういう意味で、組合の中に安定所、監督署の課長が、多少の例外はございますが、ほとんど入っておるのが現在の私どものほうの職員組合の実情でございまして、それの組合員としてのそれぞれの活動は、組合の自律の中でやっている行為だと私どもは理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/54
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055・田口誠治
○田口(誠)委員 そうすると、所長が課長を招集して、管理行政の面について指導をしますね。そうすると、というのは、管理者の一員として、その他の職員に対してそれを指導するわけです。そうしますと、組合員から除外されるという面にはなっておらなくても、職制の面からいきますと、当然私は管理者であろうと思う。管理者の仕事をやっておるのだ。その辺どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/55
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056・和田勝美
○和田政府委員 課長は、所長の指示を受けましてそれぞれの仕事を遂行することは、当然であるわけでございます。その点が、どうも国家公務員法に言う組合と労働組合法で言う組合と、だいぶ考え方が違っておるのじゃないかというような感じが私どもいたしておるわけであります。ただ、私どもがかりに何々課長は組合に入るべからず、こういうことを言いますれば、それこそ組合の運営に対する非常な不当介入じゃないか、こういう御批判を受けるわけでございます。そういうことは、私どもからは一切、組合に対しても、各課長本人に対しても言っておるわけじゃありません。ただ、私どもの立場から言いますと、世上一般に管理者と言われておる課長が組合の中に入ることによって、いま先生の御指摘のような誤解は間々生じやすいという点については、私ども自身も実は苦慮しておるところでございます。ただ、それはどこまでも組合の自主的な決定で、課長も組合員にするという判断が組合のほうにありますので、まことに、やむを得ないことだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/56
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057・田口誠治
○田口(誠)委員 課長を組合員にするということは、それは別に係長を組合員にしてはいけないという禁止のなにがなかったら、組合員になっておっても別におかしいことはございません。ございませんけれども、日々の業務の遂行上、課長というものは、所長なり局長なりの命を受けて、そうして結局その他の職員を使っておるわけなんです。そうしますと、組合員になっておりましても、これはやはりそういう仕事をする者は管理者の一員である、私どもはそう判断をしておりおりますそれ。いうものが除外されておるだけなんです。係長であっても、除外されておるものもあればされておらないものもあるというようなことで、利益代表という面で除外されておるのであって、国家公務員の場合は、もう先ほど来申しておりますように、ストライキ権も剥奪されたり、団体交渉権——交渉はするようになっておりますけれども、いわゆる協約を結んでああいう団体交渉をするという、こういう組合でもないのだから、課長は入れておったって別段おかしいことも何にもありません。深長が組合員であっても、別にふしぎはありません。ただ、管理者ということにおいては、これは二重人格になりましょうけれども、間違いないわけなんで、そういう管理者が、こういう怪文書を配っておるわけです。やはりこの内容を見ますと、組合を弱くし、そうして組合への協力を、いわゆる組合精神にのっとっていく者に対して対抗するような内容になっておるのです。それで、あなたはこれはお読みにならないかもわかりませんけれども、私はそういう実例を引いて質問しなくてはいけませんでしたので、官報の秘書課長さんでしたかにこれをお見せをして、そしてこういうものが実際出ておりますぞ、これは質問しますから、これに対して、そういう管理者、労働組合の弱体をねらっていくような文書を配付したような者に対しては、これは当然何かの処置をすべきであろうと思う、こういうようなことまで申し上げておいたんですが、そこまでお聞きになっておいでになりませんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/57
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058・和田勝美
○和田政府委員 実は私どもは、先生がお手元にお持ちの文書を私自身読んでおりませんが、先生からそういう意味合いのことを私どものほうの秘書課長にお話があったことは、承知いたしております。そのことにつきまして調査をしてみますと、管理者が、いわゆる国の管理者の立場としてそういう行為を行なっておるのではない。したがって、所長の指示に従うとか、あるいは次長の指示に従ってそういうものを配ったようには、私ども聞いておりませんで、どこまでも組合の内部の課長さんが係長か——そこらあたりはよく知りませんが、組合の内部の者が、組合の間願として、自分個人の組合員の問題として、そういうことをやったようだ、こう私ども承知いたしております。そうなりますと、これは管理者の立場として行なった行為でなくて、組合の一員として、組合員の自由な意思に基づいて、それぞれ自分たちの属する組合を民主的なりっぱなものにしたい、そういう意思のもとに行なったのである、そういうように考えますので、管理者側の問題ではないように、現在のところ、私ども承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/58
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059・田口誠治
○田口(誠)委員 それは十分に調査をされての答弁でしょうね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/59
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060・和田勝美
○和田政府委員 ただいまも申し上げましたように、現在私どもが承知しております限りにおきましてはそういうことでございますので、先生からさらに厳密な調査をするようにという御指示でありますれば、それに従って行ないますが、現在私どもが、承知しております限りのところでお答えを申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/60
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061・田口誠治
○田口(誠)委員 あなたの調査された範囲は、どういうようなケースでやられたかわかりませんけれども、これは調査を完全にやったけれども、絶対管理者ではないと言い切れると言うのなら、これは私は名前を出して、そうしてあなたの責任を追及しますよ。したがって、あなたがまだ、なお自分として調査をした範囲内では、それは管理者ではないというように受け取っておるが、もしそれが違っており、私どものほうでその回答で不満であるということならば、十分に調査をしてみるということでございますから、私はこれ以上ここであなたを責めるということはいたしませんが、ひとつ十分に調査をしてもらいたいのと、そうして組合活動とこの管理者としての分野というものを、やはり明確に指導される必要があろうと思います。そして、もしこれが所長から出ておる、局長から出ておるということなら、私は、問題によってはそういう局長さんなり所長さんなり課長さんは、もうやめてもらうというところまではいかなくとも、こういう人はやはり左遷をしてもらわなくては困ると思うのです。こういう人は、どうかと言えば、最近は労働組合に通の職員の方が管理者のほうに抜てきされていくというのが、相当あるわけなんです。そういうことは非常に遺憾な事態ですが、ひとついまのこの問題については十分に調査をして、以後そういう不当労働行為的な行為を労働省の出先機関あるいは労働省からそういうことがあるようなことのないように、厳に慎んでもらわなくてはいけませんし、ひとつそういう態度で労働組合の健全な育成強化を指導していただきたい、この点をお願いいたしておきます。
それから次に、これも大阪にあったことでございますが、私前もって申し上げておきましたので御存じだと思いますが、大阪職安では、鍬田、辻というのが、何の理由もなしに免職になっておるんですね。これはやはり若干私が聞きましたが、いろいろな経緯もあるようですが、やはり問題にしておりますだけに、場合によっては不当人事というようなことにもなりますし、また組合員への不当干渉というようなことにもなっていくと思いますので、ひとつ明確にしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/61
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062・和田勝美
○和田政府委員 先生が御指摘になりました大阪の堂島の公共職業安定所に昨年の八月一日に選考で採用いたしました鍬田君と辻君を、本年の一月十五日付で免職発令をいたしております。この両人につきましては、八月一日から六カ月間は、先生よく御存じのように、国家公務員法の五十九条によりまして、条件附に任用されている期間でございます。この条件附に任用されている間は、選考時におきまして、もちろん本人の調査等を行ないますが、さらに六カ月間の勤務実績を見て、それが国家公務員としてふさわしい、継続して任用するに足る人間であるかどうかということを判定する期間と考えております。したがいまして、その期間を経過した国家公務員に与えられております分限とか保障というものを、それぞれ法律によって適用除外をしまして、観察期間として条件附任用期間があるということは、先生御承知のとおりであります。その間八月一日以降におきます両君の勤務ぶりを見ておりまして、五十九条にありますように、その勤務を良好な成績で遂行したときには木採用にする、こういうことでありますが、まことに残念なことではありますが、両人につきましては、そういう勤務の成績が良好ということ、及び国家公務員としてふさわしい性格の持ち主という点一につきまして、そういう印象が得られませんでしたので、条件附任用期間のうちであります一月十五日付をもって免職発令をいたしたような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/62
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063・田口誠治
○田口(誠)委員 条件附任用、民間でいうとためしに雇う、試雇期間ですが、その期間にこの人は将来職員として任用するに値しないという場合には、それは理由をつけて断わる場合がありますし、その点はわかりますが、この鍬田、辻両君の場合には、別にどうして断わられたのか、免職になったのかという理由が、全然明確になっておらないわけであります。だから、理由のないものを、ただ単なるあなたの答弁のようなことで処理するということは、おかしいと思うのです。いま優秀でなかったということを言われましたが、あなたのほうでは、職安の職員を採用するときには、人事考課のやり方はどういうやり方をされますか知りませんけれども、少なくとも条件附任用でも、その任用をされるときには、やはりそれ相当の試験にパスして、そして任用されたのだ、そしていわゆる民間で言うためしに雇うという、そういう期間が設けられているわけでございますから、そのときに、この人は不適当な人だということになれば、やはりその理由を明確にして免職をさせなければならないと思いますけれども、そういう点が全然見当たらないということを現地のほうでは言っておるわけであります。その点ちょっと食い違いがございますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/63
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064・和田勝美
○和田政府委員 この鍬田君、辻君につきましては、任命権を大阪の安定課長に委任をされておりますので、具体的な問題は任命権の委任を受けた者が行ないますが、法律形式的に申し上げますと、条件附の任用の場合におきましては、普通の場合は、意に反する免職の場合は文書でその理由を明らかにしなければならないことになると思いますが、こういう条件附任用の際には、その必要が法律的には免除されております。それは立法趣旨等におきましては、ある期間の採用で都合が悪いからといってやめますときに、あまり将来の不服審査というものもない関係もあって、条件を言わなくてもいいことになっているのが本来の趣旨であろうと思いますが、それとともに、この、両君ともまだ非常に若いことでもございますので、あまり本人に事々しくいろいろなことを文書で言ったり何かすることも、かえって今後の両君のためにもならないというような点がありまして、現地においては、もちろん文書でそういう理由を示すというようなことはしなかった。むしろ両君のためを思っておったのではないか。ただ、もちろん理由を聞きましたときに、こういう理由もあるのだということを現地の者も言いたかったようでありますが、それは大ぜいの人が一緒に来たり何かせずに、御本人自身が来ていただけば、そういう説明をする。その中で、たしか鍬田君でしたか、辞令を渡しますときには、二時間ほどよく本人と話し合いをしたそうでございます。もう一人の辻君のほうは、大ぜいの人と一緒に来られたようでありますが、大ぜいの前で御本人をとかく言うことももちろん差しつかえがあるわけでございますから、そういうことを言わなかった、こういうように私ども報告を受けているようなわけでございまして、文書でしなかったことは、先ほど申し上げましたとおりで、口頭につきましては、一人で来られた方には御説明を申し上げた、こういうように聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/64
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065・田口誠治
○田口(誠)委員 不採用にする場合、免職にする場合、これは所長に大体その権限はまかしてあるのか、安定課の課長ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/65
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066・和田勝美
○和田政府委員 本採用といいましても、条件附任用になりまして、そうして六カ月間を経過して、特別に支障がない限りは、それが自然的に本採用に移行するというかっこうになるわけでございます。現在のところ、五等級以下の職員の任命につきましては、安定関係では各県の安定課長に任命権を委任しております。所長にはそういう権限は与えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/66
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067・田口誠治
○田口(誠)委員 そこでよけいふしぎでなりませんことは、安定課の課長は、県庁にいるわけです。そして安定所はほかにあって、所長さんは、その安定所にいるわけです。所長から見れば若干わかる面もありますけれども、課長の場合には、県庁にいるのだから、直接にはわからない。だれからか聞かなければならぬ。ところが、この両君の直属の上司、いわゆる係長さんとか課長さんとか、こういう方に、勤務状態はどうでしたか、自然に本採用になるための条件があったかどうかというような点については、これはいろいろと組合なんかからも聞いたようでございまするけれども、直接上司である係長とか課長とかという人は、その方の言われたことばも書いたのを持っておりますが、いや、別に免職するというような人ではなかった、まあ普通でありましたあなたの言われる優秀というのは、普通より優秀をいうのか、普通は優秀に入るのか、その点はわかりませんけれども、とにかくまあ普通の、いまつとめている職員と同じようなものだった、こういうことを証言しておるわけなんですが、こういう証言をしておる中で、県におる安定課長が、これはだめだといって免職したことは、私はどうも納得できない面がある。その辺のところはどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/67
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068・和田勝美
○和田政府委員 法律上の任免権は、委任によりまして、普通の場合安定課長に委任しております。もちろん安定所に勤務の者の実情を安定課長が自分一人で十分知ることは、不可能に近いことであります。したがいまして、勤務成績がどうなっておるかというようなことは、当然その勤務をいたしております安定所のいわゆる管理者の意見を十分聞きながら、そして自分自身も確認をする方法をもちろんとるだろうと思いますが、その上に立って安定課長が行動するものと私ども考えておるわけであります。したがいまして、この鍬田君、辻君の両君の場合におきましても、もちろん勤務地でありました堂島の安定所の所長とか、ここは次長がおりますので次長とか、そういう者の意見は、私ども常識として当然聞いた上で自分の判断を加えて行なっているのではないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/68
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069・田口誠治
○田口(誠)委員 安定課の課長さんは、これは全部が全部とは言いませんけれども、大方の県は本省のほうから派遣されてくるわけです。そして、そこの土地の事情もあまり知らないうちに級長になっておって、一年か二年かどれだけかおって、そしてまた本省のほうへ来るというのが、安定課の課長さんの人事なんです。だから、課長さん自身というのは、それぞれ安定所の職員の勤務状況、勤務態様というようなものについては、御存じないわけなんです。御存じないわけなんですけれども、今度のこの任免は、何だか理由はあまりはっきりしないけれども、安定課長のほうからだめだ、これは免職するのだということだからと、こういう程度のことを言われておるのだから、私は、各県においでになる安定課長さんの人事一つ見ても、先ほど申しましたように、中央本省のほうから派遣をして課長になって、そしてどれだけか課長をやってまたお戻りになるというのが、これは通例でございますから、そういう課長さんが、自分で内容を知っておって免職をするというようなことは、これはまずまずないと思います。したがって、その所長なり、次長なり、課長なり、係長なり、こういう人たちの上申があって課長が免職ということをきめられたと思うのですが、さてその所長以下の人たちは、いま申しましたように、すぐ直属の係長、課長、こういう人たちは、別にそう免職をするような何ものも見当たらなかった、大体皆さんと同じことで、普通なんだ。これはいわゆる優秀ということなんでしょうね、そういう人だという証言もいたしておるのですから、そういう人を免職をするということになりますると、これはどうもこの点を明確にしておかぬと、いつまでも向こうのほうではごたごたやっておりますから、そこで私はなおくどいようですけれども、それをひとつ明確にしていただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/69
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070・和田勝美
○和田政府委員 臨時採用の者を途中で免職するかどうかということにつきましては、先ほどから申し上げておりますように、任免権者にほとんど一任をいたしております。任免権者である安定課長は、先ほどもお答えをいたしましたように、安定課の者であれば、もちろんみずからのところに働いております者でよくわかるわけでありますが、安定所の場合は、先ほど申しましたように、その勤務をしておる安定所の所長以下の必要な者の意見の具申を受けて主として行動することは、言うまでもないと思います。本件の場合に私どもが聞いておりますところでは、その当時の堂島の安定所長のほうにおきましても、勤務成績が普通であるという判定はいたしておらないわけでございまして、そういうものを基礎にいたしまして、課長のほうでさらに自己の判断も加えた上で行なったことだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/70
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071・田口誠治
○田口(誠)委員 あなたは、こういうように思いますと言われましたが、これは調査されたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/71
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072・和田勝美
○和田政府委員 ただいま私の手元にあります書類の写しによりますと、所長の意見等がやはりよくない意見になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/72
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073・田口誠治
○田口(誠)委員 そこで、これはこのことも含めて将来のことにも重要だと思いまするが、少なくとも学校を卒業したときにとにかく雇うということをきめて、その条件附の期間であろうと、試用期間であろうと、そういう期間中に見た勤務態様また勤務状況によってこれを断わる場合には、免職をする場合には、よほどそれ相当のものがなかったら、人間を傷つけて出すわけなのです。だから、民間の企業なんかでも、採用試験をやりまして雇いまして、会社によっては三月とか、半年とか、一年とかいう試用期間はございまするけれども、まずこの間で断わるという人は、よほど重大な事故を起こしたり、全く好ましくない内容のものが明白であった場合にこれはやることであって、そうでなかったら、まあ普通の人だったら、そんな免職どうこうというようなことはもうないわけなのです。私はそういう感覚でこの問題をとらえておりまするから、所長からあまりよくない報告がいっておると言われましたが、別にその内容は聞こうとは思いませんけれども、所長自体はそんなに職場を回っておるわけでありませんで、課長に聞くなり係長に聞くなり、それともまた特別な何かの問題がありまして、その間で所長が聞かれた場合にはそういう報告になりまするけれども、所長は、所長室に入っておって、所長としての毎日の職務をやっておられる場合には、そんなこまかなところまでは手が届かないわけなのです、実際職場に行ってみますると。それを所長がそういう好ましくない報告をしたというそのことは、私は、やはり課長なり、係長なり、あるいはそこの安定所の課長会議なり役職員会議でそういう問題を出されて、そうして結論を出されるのが妥当であろうと思うので、そういうことを事実なされたのか、それとも所長の判断でやられるのか、その点をひとつ伺っておかなければ、これは将来の問題がございまするから、その点も明確にひとつお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/73
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074・和田勝美
○和田政府委員 選考採用をいたしまして、半年の間条件附採用があるわけでございます。しかし、先生の御指摘のように、確かに本人にとって重要な問題でございます。私どもといたしましては、もちろん慎重に採用のための選考試験を行ないますとともに、それから条件附につきましても、できるだけ本人のためであれかしということを念願して、成績の悪い場合にはいろいろと注意を喚起したりなんかしまして本人の反省を求めるとか、そういうことをやりまして、できるかぎり本採用のほうにしたい。これは私どもの念願をいたしておることでございます。したがって、労働省におきまして、過去におきまして条件附採用の者が本採用にならなかったという例は、きわめて少ないわけであります。そういうように、私どもとしては先生の御趣旨のとおりに心がけておるわけでございます。今後とも、この点はもちろん心がけまして仕事をやってまいりたいと思います。
なお、安定所等におきまして、人間の勤務の判断等をいたします場合には、ただ、これは人事につながるものでございますので、あまり会議形式でやるとかなんとかいうことになりましても、いかがかと思われる点もございます。しかし、少なくとも直接その者を使っておる者の意見、課長とかあるいは次長とかあるいは所長、こういうような者の意見を任命権者が十分に聞き取るということは、私は人事をやっていく上において必要なことだと思っております。そういう点は、先生の御注意にもありましたことを十分私ども今後生かしてまいりたいと思います。ただ、会議でやりますことはいかがかと思う点もございますので、その点は御了解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/74
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075・田口誠治
○田口(誠)委員 それはそれぞれの職場によって、事業場なり官庁によって、そういう取り扱いの一つの家風というものはできておりますので、悪い家風のところは直してもらわなければいかぬし、そういう悪い慣習のところは十分に調査もして直してもらわなければいけないと思いますが、ただ、私はそんなに断わらなければならないような人をどうして初めに雇ったかということなんです。そういうことは、民間ではありませんよ。雇うにはどういうあれで雇って——情実で雇ったのか、試験をやったのですか。この人はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/75
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076・和田勝美
○和田政府委員 この両君は、国家公務員試験に合格した者でなくて、公務員法で許されております範囲の選考採用をしたようでございます。国家公務員試験に合格しておりますれば、それなりに人事院で相当の試験をやってくれておりますので、信用度は相当高いわけでございますが、選考試験で大阪府の安定所でやりました。そういう点は、公務員試験の者と多少度合いにおいて欠けるところがあるかと思います。もちろん採用にあたりましては、できるだけ慎重な手続をとることは言うまでもないことでございます。しかし、先生御存じのように、何と言いましても採用のときには、とかく手落ちのあることも万やむを得ない事情もあろうかと思います。そういうこともありまして、条件附任用というようなことも法律上認められておると考えておりますが、そういう意味で、選考試験におきましても、私どもが十分注意をしなければならないことは言うまでもございませんが、至らぬ点もありましたことが、たまたまこの両君の場合条件附採用中にあらわれてきたということでございますが、今後につきましては、十分心をいたしまして、努力をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/76
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077・田口誠治
○田口(誠)委員 これは大事なことで、私申し上げておきますが、条件附任用、条件附任用と言われるけれども、この期間は何をする期間だということです。ためしてくれということなんです。ためしてみる内容はどういうことかと言えば、これはあなたは把握しておるかどうか知らないが、本人が試験のときに答えたこと——親があるとかないとかも含めて答えたこと、そういうようなことがマッチしておるかどうかということがまず第一。第二には、使ってみて、これは能力が全く相違があった、こういうときに必要だから、この条件附任用ということはあるのであって、そうでない限りはない。これは明白になっておるのですよ。これはあなたは御存じないでしょう。だから、そういうことがあったかなかったかということです。私は、理事さんのほうから、たいしたなにでもないからやめろ、やめろと言われることはわかりますけれども、大阪の職安はもう幾つかこういう問題があるから、私は次から次へと何時間かかってもやらなければならぬと思うのです。それはほかの質問者もいろいろあろうけれども、決定する時期というものは、この委員会というのは大体はっきりしておるのだから、私はさからわぬときはさからいませんが、心要なことについては——大体いまの免職のしかたは、これは理屈はありませんよ。実際あったらそこに並べてみなさい。言えたら、あなた私にそれを見せてください。そういうものではありません。大体において、あなた自身が、条件附採用期間には何を見るのだということはわからぬのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/77
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078・和田勝美
○和田政府委員 条件附採用中には、国家公務員法の五十九条にあります……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/78
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079・田口誠治
○田口(誠)委員 五十九条にはどう書いてあろうが、内容は、いま言ったことがそれが目的なんですよ。それを頭に入れて答弁してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/79
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080・和田勝美
○和田政府委員 この六カ月間におきまして、採用時においてはわからなかったこと、国家公務員としてふさわしいかどうかわからなかったこと等について観察する期間だと思います。この点は、採用時において本人が言ったけれども、それはそのときにおいては信用されておったけれども、勤務を見てみると信用できなかった、そういうような問題が出てくるだろうと思います。そういう点をやはり見ておる期間であろう、そういうように私ども考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/80
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081・田口誠治
○田口(誠)委員 所長から報告した文書を見せていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/81
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082・和田勝美
○和田政府委員 これは、先ほどちょっと触れましたように、本人の成績問題でございますので、あまり具体的に申し上げることは、両君のためにかえってよくない点があります。そういう点はひとつお含みおきをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/82
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083・田口誠治
○田口(誠)委員 あなたの言われることと実際は違っておるから、私はこうして質問しておるのです。大体大阪の職安というものは、非常に一方的であって、労働組合に対しても干渉が非常に多いわけです。また、私あとから申し上げたいと思いますが、庶務課長会議を招集して、労働組合に不当介入する、不当干渉するようなことを項目的に羅列をして指示しておるじゃありませんか。だから、私は、そういうところだけに、大阪だけ言っておるのですよ。言えと言われれば、私はほかの児も言いますよ。これは大臣にも言っておきますけれども、われわれが質問をいたしますると、必ず当局から現地の現場のほうにコツンといくわけなんです。何で、どうしてからに、こういうぐあいにいくのです。それは岐阜県の問題をほかの政府の関係でも幾つか取り上げていきましたが、なぜ社会党の田口代議士にそんなことを言わせなければならぬか、そんなことを言われるようなことをなぜやっておるのかということで、指導する労働省が自己反省をせずに、現場の出先機関の責任者をぐいぐいついておるというのが、実態であるわけなんです。だから、私は質問をやったたびごとにそういうことを言われるから、岐阜県の場合は、私の県だから、いつも行って顔を見るのはいやだから、まだここでは言いたいこともございますけれども、きょうは言いません。きょうは大阪にしぼって言っておりますが、大阪はことに——私はほんとうにたくさん資料を持ってきておりますが、はなはだしいですよ。もう少し正しい指導をしてもらわなくては——いまの庶務課長会議を開いて、そして組合を切りくずす、組合に不当干渉をするようなことを項目に書いて会議をやったというようなことを、あなたは知っておいでになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/83
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084・和田勝美
○和田政府委員 冒頭に申し上げましたように、労働行政を担当いたしております労働省でございますので、組合の自由な運営について役所側が干渉するようなことはないようにということは、かねて指示をしてございます。大阪の場合において、いま先生の御指摘のようなことが、組合の自由な運営を阻害するために行なわれたというようなことは、私ども報告を受けておりませんし、万ないことだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/84
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085・田口誠治
○田口(誠)委員 私はやめておきますが、そこで確認しておきますが、あとから私が、直接あなたに部屋に来てもらって、その事実を出した場合には、やはり労働省は労働省として、そういう責任者を何かの形で処置されますか。労働大臣どうですか。こういうような不当干渉はあると仮定して、ひとつ答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/85
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086・大橋武夫
○大橋国務大臣 労働省といたしましては、労働省の職員の労働組合に対しまして、先ほど来官房長から申し上げたとおりの趣旨で対処せしめることにいたしておるのであります。多数の管理者の中には、あるいは中央の指導が不十分なために考え違いをしておる者もあるかもしれませんが、さような事実がはっきりいたしましたならば、十分に戒告等を加えまして、将来あやまちなきを期するようにいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/86
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087・田口誠治
○田口(誠)委員 これで終わりますが、ただいま最後に言ったことは、何月の何日どこということまで私のほうでははっきりしておりますから、ひまなときあなたに電話をして事務所に来ていただいて、それによってひとつ処置してもらいたいと思います。大臣もいまそういうようなお答えでございましたので……。
私これで質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/87
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088・徳安實藏
○徳安委員長 受田新吉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/88
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089・受田新吉
○受田委員 短時間に能率をあげて質問いたしたいと思います。
今度の改正案で定員増の御計画を承ったわけでございますが、その内容の中で、特に就職促進の業務を担当する職員を大幅に増員する計画がございます。これに関連してお尋ねしたいのですけれども、特に身体障害者とか、あるいは中高年齢層とか、こういう人々が職務の場をなかなか与えられがたいという実情を、どう打開しようとしておられるか。すでに身体障害者の場合は、身体障害者雇用促進法が岸内閣のときに制定されております。それに基づいて、現在身体障害者登録者がどれだけあり、そしてそれの雇用促進の状況がどうなっているか。まず、現時点における御答弁をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/89
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090・有馬元治
○有馬政府委員 三十五年に身体障害者の雇用促進法ができまして、身体障害者の雇用率の設定が制度化されたわけでございますが、その規定によりますと、本年三月までに民間は一・一%、官公庁は一・五%、こういった原則で雇用率が設定されておりますが、残念ながら、民間のほうはいま一息で雇用率を達成するというところまで到達しておりまするが、官公庁の場合が一・五%を多少下回りまして、一・三%内で推移しております。したがいまして、私どもとしましては、この法律に設定された雇用率をぜひ達成すべく、全国の安定機関を督励いたしまして、本年一ぱいにはぜひこの目標を達成いたしたいと思います。
今日、安定機関に身体障害者の求職申し込みがどの程度あるか、こういう御質問でございましたが、十二月末現在で四万六千八百九十二人の求職申し込みがございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/90
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091・受田新吉
○受田委員 その中で現に雇用されているのは——もう処分済みとして、残った分はそれだけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/91
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092・有馬元治
○有馬政府委員 いまの四万六千人は、いままでに安定所に求職申し込みをした者の数で、すでにその大部分は就職しておる者でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/92
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093・受田新吉
○受田委員 いま御答弁の中に、官公庁の雇用促進が十全でないということばがあった。これは非常に大事なことです。官庁がみずから率先して身体障害者毒優遇するように、特に社会福祉関係の窓口には、身体障害者を無条件でも採用していただくような方法をとれば、これは関係者に非常な希望を与え、また政府の方針にも合致するわけなんです。これはどうしたことですか。こういう社会福祉関係の窓口業務は、徹底的に身体障害者を雇用されるようにして、そうして政府の方針に合致する方策をおとりになったらいかがですか。国が地方庁へもいろいろ言うてきかしておるけれども、思うようにならぬということは、まずこういう身体障害者の雇用促進ということになれば、政府みずからが陣頭に立たなければならぬのです。政府のほうがおくれて民のほうが進むというような行き方は、これは主客転倒であると私は思います。大臣の御所見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/93
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094・大橋武夫
○大橋国務大臣 御意見のとおりに存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/94
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095・受田新吉
○受田委員 御意見のとおり……。非常にいい答弁いただいたのですが、それからどういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/95
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096・大橋武夫
○大橋国務大臣 御意見まことに同感の至りでございますので、今後御意見に沿いまして努力をいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/96
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097・受田新吉
○受田委員 それでは大急ぎでひとつ——窓口業務というのは、私たちも第一線をたびたび訪問さしていただいておりますが、やはり健康人よりも身体障害者の方々をまず雇用される。これは公務員の場合ははっきりしていただいていいと思うのです。ひとつ大臣のいまの御決意を早急に実施していただきたい。
なお、ここでひとつ西ドイツがすでに実行している優先雇用法、義務づけされた雇用法、こういうのを学んで、日本の国でも優先雇用を義務づけて、何%かを身体障害者から採用するという方式をおとりになるべきではないか。事務当局に、次いで政治的な責任者として大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/97
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098・有馬元治
○有馬政府委員 ドイツの優先雇用といいますか、義務雇用方式は、日本の場合にはそのまま踏襲されておりませんけれども、全体としての民間と官公庁の雇用率の設定という形で身体障害者の雇用の促進をはかる、こういうたてまえでございますので、さしあたり、現行法の制度で全面的に所期の目的に向かって雇用率の達成に努力する、こういうことでまいりたいと思います。ただ、ドイツあたりで制度化されております優先雇用の考え方も、われわれとしては絶えず検討をしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/98
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099・受田新吉
○受田委員 大橋大臣、英断をふるっていただきたいのでございますが、やはり身体障害者の方々に希望を与える——それもみずから好んで身体障害者になられたのではないのです。非常に苦労をされておられるこういう立場の方々に、優先雇用、義務づけ雇用といいますか、何%かを、あなた方を採用しますと、そういう方向に法律で前進させる時期がもうきているのではないでしょうか。これは非常に大事なことだと思いますが、英断をふるっていただきたい。あなたがおきめになることで閣議はすぐきまります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/99
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100・大橋武夫
○大橋国務大臣 御承知のとおり、去る三月末日をもって法律制定に伴います一応の期間が終わったわけでございます。この三年間の実績につきまして、すみやかに再検討をいたしまして、今後の新しく進むべき道を発見するにつとめたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/100
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101・受田新吉
○受田委員 チャンスは到来しているわけです。目標をまだ果たしていないのですけれども、一応の目標に近い実績を上げてきた。義務づけ雇用法にこの法律を転進させる、いまがチャンスだと思うのです。ちょうど四月へ入ったばかりで、切りかえですから、時期が一番いい。大臣、ひとつ身体障害者のために一役お買いになりませんか。いい時期です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/101
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102・大橋武夫
○大橋国務大臣 何ぶんにも、これは多年の問題でもございますし、また、社会的にもいろいろ要望もある点でございますので、十分専門家等の御意見も伺いまして、はっきりした方針を定めるようにつとめます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/102
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103・受田新吉
○受田委員 努力をお誓いになっておられるから、その努力の結晶を拝見することにして、一応その問題は終わります。ただ、局長さん、あなたに伺いますが、問題は、中小企業の中で、不安定な要素のもとで身体障害者が民間では就職される。大企業で安定した立場に立っている人が、きわめてまれである。中小企業と大企業に分けて、雇用状況の御説明と、御所見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/103
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104・有馬元治
○有馬政府委員 御指摘のように、身体障害者は、中小企業、しかも零細部門に就職をしておるというのが現状でございますが、この促進法による民間企業への雇用の達成率は、一・一%を大体原則的に目標にいたしておりますので、逆算をいたしますと、百人規模以上の事業所を対象に積極的な勧奨、指導を行ないながら、そういった事業所に就職をはかっていく、こういうたてまえでできております。したがいまして、中小、特に零細部門に押し込むというふうな安易な行き方でなくて、相当規模の企業に績極的に雇用の促進をはかる、こういう考え方で、私どもは身体障害者の雇用促進に全力を上げてまいりたい、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/104
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105・受田新吉
○受田委員 私がお尋ねしていることに答えていない。大企業及び中小企業を分けて、雇用状況を御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/105
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106・有馬元治
○有馬政府委員 百人以上の規模についていま雇用率達成に邁進しておるわけでございますが、それ以下の特に零細企業についての就業の状態、これにつきましては、私どもも正確な資料を把握いたしておりませんので、今度あらためて身体障害者の調査を行ないまして、安定所に求職の申し込みを績極的にするように指導いたしますと同時に、百人規模以下の零細企業に就職している状態も、近いうちに解明いたしたい。そして、万全の策を講じてまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/106
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107・受田新吉
○受田委員 今度の法律改正案の中に、職業安定所職員の大幅増員計画がある。その趣旨は了とします。しかしながら、いまなお当局としてその規模別雇用状況が明らかでないというようなことでは、やはり熱心さが欠けていますね。百人以上といっても、不安定なところがたくさんころがっている。最近企業の状態を見たときに、中小企業に非常に不安定な、要素がある。それで、百人以上というような分け方ではなくて、五百人以上あるいは五百人以下と分けて、どの程度あるか、この点について、あなたのほうではお答えができないだろうと思う。身体障害者の雇用の実態を明らかにし、真剣に乗り出して、その不備を救って、希望多き雇用たらしめるように御配慮願いたい。大臣、よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/107
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108・大橋武夫
○大橋国務大臣 そのように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/108
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109・受田新吉
○受田委員 大臣もお疲れのようでございますから、あまり質問はしないことにいたします。しかし、大臣、これは大事なことです。いまのお答えぶりを承っても、実態が明らかになっていない。私はあまり強く追及いたしませんけれども、私の質疑の要点は、十分御理解を願いたい。
なおもう一つ、中高年齢層の雇用状況を伺いたいのですけれども、これは社会問題としても重大な要素をひそめておる。これに関連して、政府は定年制を一応五十五歳と置いておられるのかどうか、これをまずお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/109
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110・有馬元治
○有馬政府委員 定年制の問題は、これは法律上の問題ではございませんで、現在の慣行もまちまちでございますが、雇用の面からも、現在普通に行われておりまする五十五歳定年制につきましては、問題の出てまいる可能性もございますので、現状をよく把握し、いろいろな角度から定年制の問題を事務的に検討しよう、こういう空気になっておりますが、それ以上積極的にどうこうすべきだというふうな結論は、まだ得るに至っておらない次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/110
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111・受田新吉
○受田委員 一般慣行で五十五歳が事実上定年になっているということは、当局もお認めになるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/111
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112・有馬元治
○有馬政府委員 いろいろ資料によって異なりますが、大体大手筋を中心に調査いたしますと、八割近くがそういった慣行になっておる状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/112
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113・受田新吉
○受田委員 八割近くが五十五歳定年を実際に行なっておる。実態はそうである。この辺が、事実上五十五歳が、定年であるということを一般的には申しておられると思うのです。ところが、五十五歳から六十歳、厚生年金にしても六十歳から一万円ということを言うておられるが、五十五でやめて六十歳まで、どうして生きていくわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/113
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114・有馬元治
○有馬政府委員 私の答える範囲外かもわかりませんが、最近の雇用の情勢からいきますと、五十五歳で定年でおやめになった方々も、相当安定所の窓口に来て、再度働きたいという希望者は、相当出てきております。それからまた、先ほどの定年制の問題でございますが、大企業等におきましては、一応退職しても、再雇用という形でまた雇用を継続していく——雇用継続というか、再雇用の形で採用されておるというようなことで、決して五十五歳の定年が来たから遊んでおるという状況ではないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/114
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115・受田新吉
○受田委員 これはあなた、非常に安易に考えておられるけれども、それから先は、大企業にしても義務づけがないわけです。便宜的にそういうことをやっておる人がおるというだけの話なんです、その間というものは、もう事実問題として空白の時期になっておるわけです。これは非常に大事な問題として、この期間をどうするかを検討して、もらいたい。よろしゅうございますか、労働省の大事な任務です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/115
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116・大橋武夫
○大橋国務大臣 労働省といたしましては、定年制の問題は、労働政策における重大な問題であると考えておるのであります。一つには労働力全体の不足をいかにして補っていくか、これは中高年齢層の対策でもございますし、特に定年の問題がその関係で重大になってきております。もう一つは、先ほど来申されました生活上の問題でございますが、生活上の問題そのものは、私どもの所管ではございません。しかし、これに職を与えるという意味において、やはり労働省として考えなければならない問題でございます。かような見地から、実はこの定年制の問題について、労働省といたしましても、詳細な調査をいたし、そしてこれに対していかなる対策を立てるべきかということについて、至急案を考えたい、こういうので、すでに労働省におきましては、事務当局に対して、調査並びに政策の立案を命じたばかりのところでございます。まだ具体的に申し上げるような御返事を持っておる時期ではございませんが、至急にこの問題の検討を進めたいという段階でございます。できるだけ急ぎたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/116
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117・受田新吉
○受田委員 大臣は、なかなかいい案を事務当局に最近命じたということです。至急ということをいま言われましたから、事務当局は至急答えを出すように、私からも要望しておきます。これは切実な——皆さんの場合は、今度局長をやめられても、どっかいいところがあるでしょうが、民間人というのは、五十五歳から先というのは不安定なんです。六十歳から厚生年金一万円といっても、これでは食えないのです。だから、六十歳をこえても、養老年金も御存じのとおりだし、非常に日本の社会保障というものは年寄りに対して冷酷です。これはひとつ考えてあげないと、五十五歳から六十歳ごろになって、自分の子供が一応独立してきて親がほうり出されるとか、子供に先立たれるというこのごろは、悲惨な状況になるのですから、各面の社会保障、年金その他の社会保障を徹底して、この人生を五十五歳から楽しい人生にさせてあげるように、労働大臣、ひとつ十分考えてあげていただきたいですね。よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/117
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118・大橋武夫
○大橋国務大臣 労働省では、先ほど来申し上げましたごとく、大臣官房の参事官がこの調査を担当いたしまして、すでに調査に着手いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/118
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119・受田新吉
○受田委員 りっぱな案を期待して、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/119
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120・徳安實藏
○徳安委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は、明十日午前十時理事会、十時半委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後一時三十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604889X02019640409/120
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