1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年四月九日(木曜日)
午前十時二十九分開議
出席委員
委員長 高見 三郎君
理事 小山 長規君 理事 坂田 英一君
理事 谷垣 專一君 理事 本名 武君
理事 赤路 友藏君 理事 足鹿 覺君
理事 芳賀 貢君
伊東 隆治君 池田 清志君
大坪 保雄君 仮谷 忠男君
吉川 久衛君 小枝 一雄君
笹山茂太郎君 寺島隆太郎君
内藤 隆君 中山 榮一君
野原 正勝君 八田 貞義君
藤田 義光君 細田 吉藏君
松田 鐵藏君 亘 四郎君
角屋堅次郎君 栗林 三郎君
東海林 稔君 中澤 茂一君
楢崎弥之助君 西村 関一君
湯山 勇君 稲富 稜人君
中村 時雄君 林 百郎君
出席国務大臣
農 林 大 臣 赤城 宗徳君
出席政府委員
農林政務次官 丹羽 兵助君
農林事務官
(農政局長) 昌谷 孝君
委員外の出席者
専 門 員 松任谷健太郎君
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四月九日
委員亀岡高夫君及び八田貞義君辞任につき、そ
の補欠として細田吉藏君及び中山榮一君が議長
の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
農林漁業団体職員共済組合法の一部を改正する
法律案(内閣提出第一〇〇号)
農林漁業団体職員共済組合法の一部を改正する
法律案(湯山勇君外十一名提出、衆法第一三
号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/0
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001・高見三郎
○高見委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、農林漁業団体職員共済組合法の一部を改正する法律案並びに湯山勇外十一名提出の農林漁業団体職員共済組合法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題とし、質疑を続行いたします。足鹿覺君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/1
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002・足鹿覺
○足鹿委員 政府提出の農林年金法とわが党提出の農林年金法の改正の審議にあたって、今日まで同僚委員から熱心な質疑が行なわれ、また先日は参考人を御招致いたしまして意見を聴取する等、着々審議が進んでおるのでありますが、その審議を通じて明らかになりましたことは、先日の参考人の学識経験者の末高さんにいたしましても、また嶋岡参考人にいたしましても、いまどきになって政府がこのような案を出されたことに対して、きわめて遺憾な意を表しておられました。それぞれ理由は末高さんなり嶋岡さんとは違うわけでありますが、とにかくそういった意味の御発言がございました。なかんずく私は大臣に申し上げ、御所見を承りたいことは過日も受給者代表として参考人として出席をいたしました嶋岡君の発言の中にもございましたように、農林漁業団体従業員の給与水準が、他産業労働者に比して相当悪い。このことは大臣も御承知であり、政府提出の資料によっても明らかでありますが、この際一例だけを申し上げておきますと、年金の面から比較をしますと、一万円未満のものは農林年金においては二一%、厚生年金においては一二%となっております。さらに一万円以上から二万円未満のものを見ますと、農林年金が五〇%で厚生年金が四〇%、逆に二万円以上ということになりますと、農林年金が二九%で厚生年金が四八%、こういう比率を占めておるのであります。これを申し上げましたことは、いかにこの年金の対象者が低い給与に甘んじながらも、ししとしてその職域に従事しておるかということをあらわしておると思うのでありまして、一昨日の嶋岡参考人の公述は、その中でも最も大きな比重を占めておる農協職員の真の叫びを代表しておったものだと私どもは承知するのであります。さらに私が指摘いたしたいのは、農林団体従業員の構成が、老齢化と女性化の傾向を示してきておるということであります。これは農林漁業の従事者の傾向を反映しておるとも言い得るのでありますが、大臣に御認識願っておきたいことは、三十六年度の資格取得者と喪失者の比較を申し上げますと、三十六年度において女の取得者が二万五千九百十八名、喪失者が二万八十八人、差し引き五千八百三十人ふえておるのであります。これに続いて三十七年度を見ますと、男の取得者は一万八千七百二十四人で、喪失者が一万八千八百六十二人、わずかでありますが百三十八人差し引き減になっておるのであります。これに反して女の場合は資格の取得者が二万一千七百九十一人であり、喪失者は一万九千五百六十八名で、差し引き二千二百二十三名もふえておるのであります。要するにこの年金の対象職員である者の傾向、農林漁業団体の従業員、勤務者の構成の比重が、だんだん年寄り、婦人にかかってきておるということを、端的にこの資料はあらわしておると思うのであります。かてて加えて第三点として指摘したいことは、この農林漁業団体における労働力の移動はきわめて著しいのでございまして、しかも先ほど申し上げましたように老齢化、婦人化するということは、若手労働力が流出して、他産業、他の団体へ走るということでありまして、昭和三十七年度における資格喪失者は三万八千四百三十人、これは組合員総数の約一二%に当たる重大な問題であります。このような農林年金加入従業員の傾向をわれわれが見ましたときに、政府が農業基本法を制定して農業のにない手を養成をする、一方において地方公共団体や農業団体に政府の施策に呼応せしめると規定しておりますけれども、実質上においてはその体勢が弱体化しつつあることを物語っておるものでありまして、これはきわめて重大な問題だろうと思うのであります。農林大臣も茨城県の農協中央会長の要職におられ、また長い間農協関係には御経験を持っておられる立場から、このような事態に対して大臣は、長期の展望に立った優秀な人材確保のために、いかに対処される御所存であるか。これはあえて今回の農林年金法の改正の問題のみならず、それも含めてのきわめて重大な問題であろうと存ずるのでありますので、この点について率直な御所見を承っておきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/2
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003・赤城宗徳
○赤城国務大臣 確かに農業団体の給与水準が、他の厚生年金に加入しておる人々の事業等から支払われる給料に比較いたしますれば、非常に低い、こういうことも御指摘のとおりであります。あるいはまた農業団体の従業員が女性が多くなり、老人が多くなってきておる、こういうこと、あるいは第三番として労働力の移動といいますか、若い人が外に出て、農業団体等は老齢化しておる、これも事実だと思います。これは農業そのものがすべて反映しておると思います。すなわち農業と他産業との格差がなかなか縮小されない、こういう農業の本質的なものやら、あるいはまた農業の実態が、他産業との格差是正に非常に骨が折れている、こういう実態そのままが、農業団体の給与水準あるいはまた農業団体の構成員が女性化しておる、あるいは老齢化しておること、あるいは労働力の移動に、そのまま反映しておると私は見ております。でありますので、農業団体のそういうものを是正するということ、そのものももちろん必要でございますが、それよりもっと基本的な問題は、やはり農業そのものの構造を改善して近代化していく、こういうことによらなければ、基本的には解決できない問題だと思います。しかし基本的な問題の解決だけをやっておらなければならない、じんぜん手をこまねいて、農業団体のいまのような三つの弱点をそのままにしておくということも、いけない問題だと思います。この問題等につきましても、農業団体そのものの経営がよくいくということでなければ、いまのような欠陥を補っていくということもでき得ないと思います。そういう意味におきまして、農業団体の経営をよくしていくということにも、さらに一そう力を注いでいかなければならぬ、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/3
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004・足鹿覺
○足鹿委員 ただいまの私の意見なり、これに基づく質問に対しての大臣の御答弁は、農業そのものをよくすることがまず根本である、しかし他にもこの年金の問題等を通じて補完をするのだ、こういう趣旨の御答弁であったと思うのです。しかし農業の現状は、政府の期待にもかかわらず、ますます後退の一途をたどるきわめて遺憾な状態であります。したがって農協の大型化等も行なわれ、大型化によってある程度期待を抱いておったところもあったのでありますが、かえって大型化による赤字を出すというところも出てきております。これはもう少し別な機会に時間をかけて、実態をつかんだ上で論議をしてみたいと思っておりますが、合併前に支給されておった期末手当等は、合併後においては減額またはなしになるというようなところもあるのであります。これは合併当初における一時的な現象かとも言えますが、いずれにいたしましてもその農協なら農協に働いておる従業員の待遇の向上とは言えないと思うのであります。そういう中にあって、私どもはいまこの年金法の審議をいたしておるのでありますが、二年前からこの団体加入の人々が熱心に法の改正を提唱され、またわれわれもそれを受けてこの法改正の促進に当たってきました。そして一番期待しておりましたことは、繰り返すようではございますが、冒頭湯山委員からも御指摘がございましたようにたくさんございますが、少なくとも現在のものよりも悪くしてはいけないということ、改悪部分があってはならないというごと、加入者は全期間の完全通算制を期待しておったということであります。これはいろいろ参考人によって意見がございましたが、一昨日の参考人の嶋岡君の御発言の中にもそのことははっきり言っておられます。政府もその必要は認めておるけれども、財源的に国の負担の面において、あるいは他の、厚生年金との関係において検討するのだ、まずここらで出発するのだ、こういうことでございますが、大臣にはあまりこまかいことは申し上げませんが、このことだけはひとつしかと農林大臣から事実認識の上に立って御答弁願いたいのでありますが、更新組合員に対する年金支給についての改正法附則第六条によりますと、合算制がとられておる。そこでこれを念のために現在二万円の給与を受けておる者の立場に立って試算をして比較してみますと、私どもが熱心に質問をしております趣旨、また加入者が期待しております趣旨、つまり完全通算で二十年の場合を考えますと九万六千円というものが大体予定される。政府案の合算でいきますと七万八千六百円弱、現行でまいりますと六万六千百二十七円、こういうことになるのであります。つまり政府案と加入者が期待しておりました完全通算とを比較いたしますと、約二万円の大差が出てるくことが明らかになっておるのでありますし、またこれは年金の場合でありますが、退職一時金の場合をとってみますと、十五年として、旧法十年、新法五年、そして二万円の場合に試算をしてみますと、政府案によりますと二十万四千四百四十五円、完全通算をいたしますと二十五万三千三百三十三円、全期間を旧法でいきますと二十万九千八百二十五円、こういうことになるのでありまして、完全通算が群を抜いて有利であるということは明らかでございます。逆に現行政府案と比べまして、完全に旧法によるほうが五千円ばかり有利になっておる。つまり政府案のほうが不利になっておる理屈になるのであります。これはたとえ少数部分といえども、資料はたくさんございますから間違いありません。この点は、大臣が独自の構想の上に立って、あまり事務的にこだわらないで措置されることが私は適当であろうと思う。これについてこの事実認識の上に立って、大臣はいかに措置されようとお考えでございますか。今日までの質疑の過程でも相当いろいろ議論はございますが、しょせんはこれは国務大臣としての腹の問題である。大臣が、先ほど来私が申し上げた農林漁業団体職員の現状、また日本農業の悲惨な現状、こういうものの上に立って、せめてこの年金を社会保障制度の一環としてこれら職員の期待に沿わんとするならば、この際審議の上で明らかになった点は、大臣において善処することが当然であろうかと私は思うのでありまして、その点について大臣の真摯にして率直な御所見をこの際承りたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/4
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005・赤城宗徳
○赤城国務大臣 今度の改正案によりますと、退職する場合のことを例にとりますと、給与水準を新法におきましては三年の平均で計算する。旧法時代のものは五年の平均で計算する。こういう計算から、退職の場合をとってみますならばそういうことになっておりますが、給与水準そのものが新法におきましては旧法よりも高くなっていますから、私はいまの御指摘のような計算は、ちょっと出ないのではないかと思うのでございますけれども、すなわち完全通算ならば新法よりも多くなります。これは三年なら三年の平均で、今度の給与水準でやりますとはっきりしています。しかし旧法時代よりも新法時代のほうが、退職の場合なら退職年金が少なくなるという計算は、ちょっと私には納得できないのであります。給与水準が上がっておる。給与水準が上がっておって、その上がっておる過去五年の平均で旧法時代で計算をし、新法時代は新法の給与水準の三年の平均で計算する。こういうものを合わした計算からいきますならば、旧法時代よりは退職年金の額というものは多くなる。いまの足鹿さんの御指摘だと、旧法時代よりも新法時代が退職年金が減るという計算は、ちょっと私は了解しにくいのでございますが、私の見方からすれば、額はいずれにいたしましても上がらなくてはならないものだというふうに思っています。下がるということでありますならば、これは十分検討を新たにしなければならぬ問題だと思います。ただこのたびの改正は、御承知のように国家公務員関係とか、あるいは私学共済関係とかが、給与水準等が改正されまして先行したということで、もとは足並みがそろっておったのでありますが、そのほうが先に出てきた。それにまず歩調を合わせなければならぬということから、この改正案を出したのでございます。でございまするから、理想的、こういうものにはなっておらぬと思います。おくれておったものがおくれを取り戻すという意味で、追いつくというような形の法律案でございますから、御指摘のような社会保障制度的なものということにはなっておらないということは、そのとおりだと思います。そういう意味におきまして、これは前進であり、この前進で一たび歩調がそろった上におきまして、なお国家公務員関係あるいは私学共済関係等と今度は歩調を合わして、さらに前進させなければならぬ、こういうふうに考えております。いまのところは歩調を合わすべく、追いついていくというかっこうでございますので、これが理想的なものとは考えません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/5
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006・足鹿覺
○足鹿委員 年金の場合は不利になるということをお認めになりましたが、一時金の場合にはよくおわかりにならないようでございます。私は時間を節約するために、この資料を事務当局に上げます。ここにはっきり出ておるのです。もしそれが事実といたしますならば御検討になって、これはわずかな問題でありますが、是正し、再検討される御用意があるかどうか。こまかくこれを説明しておりますと時間を食いますから、きょうはあまり大臣にこまかいことをお尋ねすることは遠慮し、差し控えたいと思います。ですから、これの検討の上に立って、もしお気づきになり、お認めになりますならば、是正することにやぶさかでない、こういう御言明をいただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/6
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007・赤城宗徳
○赤城国務大臣 事実がわかりませんので、よく検討した上で対処するというか、善処したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/7
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008・足鹿覺
○足鹿委員 そこで、いま事務当局のほうで資料に基づいてよく検討しておるはずでありますから、その結果を見て、またあとで御答弁を願いたいと思います。
大臣は他の制度に追いついてきて、その後で善処するということをおっしゃいました。昨日も湯山提案者が述べられたように、追い越されつつあるというのが現状ではないかと思う。これは表現の方法によっていろいろ違いますが、そういう印象のほうが強いのではないか。保険審議会の会長である末高参考人も、いまどきになってこういうおくれたものを出されることについては、遺憾の意を表明しておられました。その点について本年の二月一日の衆議院予算委員会におきまして、多賀谷議員が厚生大臣に対して、ILO百二号条約の批准の問題について発言がございました。そのときの要旨は、失業手当、それから傷病手当、あともう一つ老齢年金の問題が、国内法が整備をいたすならば、ILO百二号条約を批准してもいい状態に達しておると発言をしておられます。このことは現在の厚生年金法の改正を政府として意図しておりますが、調整上の問題等から難航しておることは私ども承知しております。このILO百二号条約によりますと、老齢年金としては、拠出期間三十年とし、配偶者加算を含めて従前の所得または未熟練労働者賃金の四〇%を保障するということになっておるのであります。ところが現在の年金の最低保障額は三万五千五百二十円であります、改正法によりますと。これを給与水準の面から見ますというと、平均標準給与七千四百円以下のものしかこれでは救済されない。つまり最低保障額を定めた意義はないと言わねばならないのであります。ただいまのILO百二号条約との比較の上において、お話になりません。このような点を厚生当局としては考えられて、ILO百二号条約批准の立場からも、国内法の整備を急いでおるさなかにあって、このようないわゆる最低保障額の三万五千五百二十円というような、給与水準七、八千円程度のものしか救済されないようなものをもって、はたして先ほどの私が指摘いたしました低賃金にあえぎながらも、農協業務あるいはその他農林漁業団体の業務に挺身をしておる諸君の期待に沿うことができるのでありましょうか。あえて私は農林大臣のこの点についての最低保障額増額に踏み切られる御決意を承りたいと思います。でなけらねば、私は年金、一時金、最低保障額、このものが一体となって初めて今回の改正の中核をなすものであろうと思うのであります。この点、私ども自画自賛するわけではありませんが、私どもの社会党案は、昨日も審議を願いましたように、ちゃんと九万八千円というものを書いております。それはお前たちが理想を言っておるのだといえばそれまででありましょうが、少なくとも今日の情勢にあって、二十年つとめて三万五千五百二十円の最低保障額を受けるというものは、おそらくないと思います。つまり七、八千円というような常識ばなれをした最低保障額を設けるということは、私は法改正の本来の精神にもとるものではないか。したがって改正案をもってしては、社会保障的な性格が次第に薄らいでくる。いわゆる保険数理上の点にこだわり過ぎて、生きた政治としての年金改正の精神を失いつつあるのではないか。もっとこういうものについては大臣が独自の構想に基づいて、この点はかくあれという程度の見識を示されて、哨務当局に命じて成案を得られるくらいの御用意が私どもはほしかったと思う。この点について、最低保障額の問題及びこれに関連してILO百二号条約の批准に関する国内法整備、つまり老齢年金、いまで言うと私どもが審議しておる農林年金の関係、これらの点について大臣のはっきりとした腹のきまった御構想があれば承りたいし、現在のところ十分でないならば、十分構想を練られてしかるべきだと思いますが、いかがでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/8
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009・赤城宗徳
○赤城国務大臣 最低保障額が低きに失するという見方につきましては、私もそう考えておりますが、先ほどから申し上げましたように、このたびの農業団体関係の共済組合の改正案は、国家公務員とか地方公務員とかあるいはまた私学共済のほうが改正されて進んできているのに歩調を合わせよう、それにまで追いつこうということでございますので、そういう関係から、いささか事務的におちいったと思いますけれども、最低保障額等も三万五千五百二十円、これは国家、地方公務員あるいはまた私学共済等の最低保障額と一致するというような形でできておるわけでございます。しかし厚生年金等が、まだ改正にはなりませんけれども、改正すべくもっと進んだ形でいろいろ検討されておりますので、私はそういうものとさらに歩調を合わせる時期があると思いますけれども、現在におきましては農業団体等のほうからも、ぜひことし厚生年金ほどでなくても歩調を合わせるだけには改正をというような熾烈な要望等もありましたので、実はもう少し待っておって、厚生年金なんかと歩調を合わせるということにいたしますならば、もっといいものになり得たかと思いますけれども、とりあえずいまの他の国家公務員、地方公務員あるいはまた私学共済の関係と歩調を合わせるということで出しておりますので、十分理想的とはいいませんが、思ったようなことになっておらぬということは、御了承を願っておきたいと思います。またILO百二号条約との関連等につきましても、厚生年金等がそれと合うように国内の整備もできて批准をするというような形に相なることと存じておりますが、その関係はいずれといたしましても、段階を踏んでおる、その段階が不満足な段階である、しかし不満足であるが、他の厚生あるいは共済年金関係にまでとりあえず上げておいて、その次の段階をまた考えていくべき時期である、こういう時期から考えまして、いまのような案を出しておるというふうに御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/9
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010・足鹿覺
○足鹿委員 いろいろと意を尽くして御答弁をなさろうとしておるお気持ちはわかりますが、大臣も日韓会談等で御多忙であったと思う。そこで相当の期間を事務当局に質問をして、その間に大臣においてもよく事態を把握をされた上で御答弁を願おうというので、今日まで機会を待っておったわけであります。
そこで申し上げますが、厚生年金法の改正は、退職年金の場合においては新旧合算の方式をとらないで、完全通算制をとろうとしておるのです。それを厚生当局はこの国会に提出を期して――これは難航はしておりますけれども、期しておるのです。そこから分離して出た農林年金が、新旧合算の後退したものをもって追いつくということにはならないじゃありませんか。同じ政府のもとにあって、給与も低い、その他の待遇も悪い、せめて厚年並みに、新旧合算制ではなくて、完全通算制にここで歩調を合わせる、むしろそのほうが追いついていくという趣旨であって、大臣の言われる御趣旨は少し前向きではないじゃないですか、いかがでしょうか。
それから他のことを例に引かれます。私も他のことはそう詳しくは存じませんが、支給率四十%を以前から実施しておる年金はあるのです。だからこれを追っかけていくということは必要なことであって、全部とは言いませんが、そういう制度をしいておる年金があるのでありますから、大臣の言われる追っかけるという意味は――少くとも同じ政府のもとにおいて厚生年金法の改正が行なわれようとしている、その骨子に歩調がなぜ合わぬのでありますか。その理由は先日来各委員の質問等によっても明らかになりましたが、保険数理の面にこだわっておる。それから当面の手直し程度でいいではないか、こういうことでございます。完全通算をした場合に平年時において、相当国の持つ財源部分がふえることを心配しておるのではなかろうか、大臣もその事務当局の言にとらわれておいでになるのではなかろうか、私はこういう気もするのでありますが、いかがでしょうか。たとえばこの法が成立したとして、本年十月一日から実施になった場合は、残る年度はきわめて少ないために、国庫負担には影響はないと私どもは専門家の意見も徴しております。だとするならば、なぜここで歩調を合わせることができないのでありますか。これを大臣はよく御判断願いたい。十月一日に実施になったとしても、事実上国の財源にも大きな影響がない。平年時においては、計算してみなければなかなかわかりませんが、一億八千万程度ではなかろうか。これはほんの推定で私もよくわかりません。こういうむずかしい計算はとうてい短期間によくいたしませんが、いずれにいたしましても、この年金の場合は掛け金率を少しでも国がカバーしておるというので初めて意味があるのであって、すべて保険の立場から計算をしていく、保険数理上で制度を考えていくということを主軸にいたしました場合は、有利な債券の取得あるいは積み立て定期等を行なって有利な利回りを考えるものがこのごろいろいろ出ておりますが、あるいは他の民保の有利なものを選ぶというようなこととたいした差がないようなことになったならば、この制度存在の意義というものは私はないと思うのです。これは申し上げるまでもないことであります。そんなことを大臣に申し上げるまでもなく、よく御承知のことでありまして、私どもがこの法案に対して真摯な検討を加えておるのは、少なくとも今度は掛け金が上がるのであります。その掛け金の上がる部分等についても国がもっと持つ、または完全通算によって平年時の場合に、今後国の財政負担が多過ぎるという結果ができそうでありますならば、それは大臣の政治力なり、また当委員会における与野党一致したほんとうの立場から、私どもは支援するにやぶさかでありません。ですからどうもその辺の大臣の考え方が、私にはよく理解されないのでありますが、要するに本年十月一日に本法施行になった場合にも、国の負担には直接影響はない。なぜ完全通算に踏み切られることをそのように渋られるのでありますか。その点については再検討される御用意なのでありますか。いままでの御答弁を繰り返すという意味において、私はきょうは質問しておりません。少なくとも先ほど述べましたような立場から、あなたが率直に考えられて、この点については次の構想によって善処するならする、こういう大臣独自の判断に立った御答弁を私は期待しておるのであります。ですからよく私の質問をしておる真意をくまれて、前向きのお考えを御披瀝願いたいと思います。なぜそれができないのか。他の年金との、漸を追っていくというようなことは、これはいままでのやりとりでも大臣もよく御理解になったでしょう。私どもが無理を言っておるのではないということはおわかりになったでしょう。どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/10
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011・赤城宗徳
○赤城国務大臣 厚生年金の改正につきまして、完全通算といいますか、給付水準をきめた場合に、それで完全通算をするというふうに改正するということは大体聞いております。でありまするから、そういうことがきまって、あるいは法案として出され、法律化された場合には、それと歩調を合わせるという考えを持っております。しかしまだ厚生年金の改正が決定いたしておりません。それよりもまずもって手をつけなくちゃならぬことは、国家公務員、地方公務員あるいは私学共済のほらが、この農業団体の共済よりも先に出ておって、これがおくれておる、こういうことでございまするから、それと歩調を合わせるのがまず先決だ。すなわち給与水準も引き上げ、あるいは新法における給与水準の退職等の場合の基準を過去三年の給与にする、あるいは旧法時代のものは五年にするというようなことは、現在の法律、すなわち新法から見れば旧法でございますが、旧法よりはこれはずっと進んできておるわけでございます。進んできて、その進んだところはどれと一緒になっているかといえば、国家公務員、地方公務員及び私学共済と一緒になっておる。それ以上に進んでおるのが厚生年金の改正案でございますけれども、これはまだ法律にもなっておりませんし、提案の運びにもいっておりません。でありますので厚生年金のほうがそういう進み方をするということでありますならば、これと私学あるいは国家公務員等と歩調を合わせて、今度は厚生年金のほうに歩調を合わせていく第二段階が私はあろうと思います。いま提案しておりまする段階は、厚生年金に歩調を合わせるということでなくて、おくれてきてしまっておるこの農業団体の共済の制度を、私学あるいは国家公務員と合わせていく、こういうことになっていますから、厚生年金と比較いたしますと非常におくれておるのではないか、厚生年金とまずもって歩調を合わせたほうがいいのではないかという御意見でありますが、私どもはまずもって国家公務員と、あるいは私学共済と歩調を合わせていく、第二段に厚生年金との関係は考える、こういう段階を考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/11
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012・足鹿覺
○足鹿委員 先ほど資料を提示しましたが、例の更新組合員の退職一時金の改正法の附則第十一条の問題ですが、この点はどうでしょうか。私が指摘したとおりでありますか。これに対して御善処になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/12
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013・赤城宗徳
○赤城国務大臣 こまかい数字等の計算はできませんので、まず事務当局から……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/13
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014・昌谷孝
○昌谷政府委員 先ほどお示しいただきました資料は、退職一時金の旧法期間、新法期間を通算した日数の計算を、旧法で継続した場合の日数と比較しての早見表でございます。確かにこれによりますと、単に日数だけの比較では、ある特定の場合に旧法だけを突き通した場合よりも、累積のカーブのかき方の関係で、新法期間、旧法期間を別個に切り離して合算した場合に比較して、日数において、一番多い場合で、旧法期間を十年程度持っておられる組合員で十日前後、合算の場合に比較して日数は減る場合がございます。この経過措置の仕組みは、これも先行いたしました国家公務員、地方公務員、私学共済の経過措置として講じました措置と全く同様でございます。そういう意味合いにおきまして、すでに他のこれと並びます共済制度がとった経過措置をそのまま踏襲したことでございますが、日数の計算ではそういう外観を呈します。ただ御承知置きいただきたいのは、平均標準給与の日額にこの日数をかけたものが、一時金の金額になります。額が問題なわけだろうと私は思います。額で申しますれば、新法期間になりましてからは、先ほど大臣からもるる申されましたように、退職時の平均標準給与で見ますし、その場合は旧法期間は五年平均、新法期間は三年平均の平均標準給与を用いますけれども、その額そのものは退職時点の額を使うわけでありますから、したがいましてかけ合わされました一時金の額そのものでは、減少するという事例はまずないものと私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/14
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015・足鹿覺
○足鹿委員 確かになるのですよ、それは。十分御検討になってしかるべき問題だと思うのです。ならないなどという御答弁ではなしに、あなた方もよく計算をされて、もしそういうふうになった場合は、検討をして善処するということがどうして悪いのでありますか。ならないと断定はできないのです、われわれも根拠に立って資料をお見せしておるのですから。大臣、いかがでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/15
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016・赤城宗徳
○赤城国務大臣 いま局長からの答弁、私も聞いてましたが、日数では不利である。しかし私も、標準給与というものが旧法より上がっておるのでございますから、それにある数字をかけていくものでございますから、下がる場合はないというふうに、概括的に思います。金額の点では、私は旧法より新法のほうがよくなっておる結果でなければならぬと思ってますが、なお詳しいことは計算させてみますけれども、そういう点があるとすれば、これは何らか検討しなくちゃならぬと思いますけれども、私はそういうことはないという前提のもとでいま申し上げておりますが、よく調べてみます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/16
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017・足鹿覺
○足鹿委員 あれば、十分御検討の上、御善処を願いたいと思います。確かに私どもの根拠によればそうなるのでありますから、それは農林省としてももっと御検討になってしかるべきだと思うのです。これ以上申し上げません。
次に、重要な点がたくさんございますけれども、この間要求しました資料の御提示はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/17
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018・昌谷孝
○昌谷政府委員 先般仰せつけの資料は、けさぐらいに印刷が間に合うと思います。きょうの午前中くらいには間に合わせるようにいま印刷いたしております。切り離して――三つ全部セットで印刷に出しましたものですから、まことに申しわけございませんが、ごく簡単なものもございましたけれども、きょうの午前中くらいまでかかります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/18
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019・足鹿覺
○足鹿委員 資料を全員に御提示になった上でお尋ねをするとよかったのでありますが、まあ事実は事実で、曲げて私は申し上げませんから、お聞き取りの上、大臣の御所見を承りたいのでありますが、余裕金の運用についてであります。私が先日当委員会に提出を要求いたしました資料の一つは、昭和三十九年二月十日、大蔵省主計局長佐藤一郎、大蔵省理財局長吉岡英一、農林省農政局長昌谷孝、この間において、「農林漁業団体職員共済組合法の一部改正案についての了解事項について」というものでありまして、「昭和三十九年度における農林漁業団体職員共済組合法の改正に当たり、下記のとおり了解する。」というのでありまして、これは資料が全員にございませんから、もうちょっとでありますから朗読をいたしますと、「記一 改正後の農林漁業団体職員共済組合法第七十条に規定する余裕金の運用については、同法第七十条及び第七十一条の規定に基づく農林省令を改正し、昭和三十九年四月一日以後における責任準備金の増加額のうち、その三分の一を同法第六十九条第三項の規定により毎事業年度の財務諸表等を農林大臣に提出すべき期限経過後二月以内に政府保証債の取得により運用しなければならない旨を定めるものとする。二 昭和三十九年度においては、可能な範囲内において政府保証債の取得により運用するものとする。」こういう了解事項覚え書きが取りかわされておるのであります。この間も末高参考人の意見は、国の制度でできたものだから、国の制度に、政府保証債等で持つことは何ら差しつかえない、大資本家にやるなら差しつかえあるけれどもというような意味の御公述がありました。それも一つの考え方でありましょう。しかし今回の法改正を機会に、私どもはこの農林年金に対する政府の監督権の問題が、この覚え書きをめぐって行き過ぎがあるのではないか。少なくとも余裕金の三分の一というものを政府保証債を持てとか、あるいはその銘柄を指定するようなことは、団体の自主性というものを著しく侵害するものである。団体には組合会議という最高の議決機関があって、このことが事前に理事会にもはかられなかったというので非常に問題になって、最高議決機関の組合会議は、このことに対して政府の是正方の要望決議をして、私どもの手元に送っております。そういう点から考えてみましても、この了解事項なるものは、農林漁業団体職員共済組合法の第一条に掲げてあるところの「職員の相互扶助事業を行い、その福利厚生を図り、もって農林漁業団体の事業の円滑な運営に資することを目的とする。」と規定されておりますことと著しく相違した運営ではないか。たとえば財務当局等の意思に左右されて、農林省が振り回されるというと語弊がありますが、介入されてやむなくのんだものなのか。――進んでそういうことをやったといたしますならば、私どもは問題だと思う。問題は余裕金というものは、組合員が将来の給付に備えて拠出した積み立て金同様のものであります。したがって安全かつ高率に運用される必要があることは申すまでもありません。低い労働条件で働く組合員の福利増進に役立てる性格の資金であると私は思うのでありますが、にもかかわらず政府保証債、利回りの低い政府保証債三分の一取得を了解されたということについて、大臣はそれを承知の上でおやりになったことでありますか。私はいささかこれは当を失しておる、運営上重大な問題だと思いますが、その点について大臣は了承の上、かかる運営を是なりとしておやりになったのでありましょうか。今後このようなことは是正して、たとえば他の年金がやっておりますように、住宅資金にもっと資金を貸し付ける、あるいは加入組合員の育英資金にこれを貸し付けるというような、もっと直接に組合員の福祉あるいは就学あるいは居住、そういう面に積極的な、意欲的な運営をなさるのが、私はこの年金の性格から見ても当然だと思う。でないとすれば、一番冒頭の私の質問に対する大臣のお考えと、事実は相反することになるのではないかとすら疑わざるを得ません。この点についての大臣のお考えを承っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/19
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020・赤城宗徳
○赤城国務大臣 他の共済年金等につきましても、その資金の運用等につきまして、政府の財政投融資等に協力しておる面がございます。農林年金の場合におきましては、預金部に預託するというような場合もありますけれども、これは非常に利回りがよくないのでございます。でありますので、安全で、それより利回りのいいところの政府保証の債券を引き受ける、このほうが資金の運用上これは適当である、ことに責任準備金の増加の三分の一でございますから、そういうものを有利に安全に回すということがこれは適当である、こう考えましたので、別に引き回されたわけではなくて、当然そういう方向にやるべきだというふうに私も了承しまして、覚え書きを取りかわしておりますが、いずれこれは省令で定めることになっております。なおいま御指摘のたとえば他の共済金等を住宅の資金のほうに回すとか、いろいろそれぞれの方法があるのではないか、こういうことでございますけれども、それは当然有利にして安全、しかも組合員の福祉になるような方面にこの資金を運用するということにつきましては、そうすべきである、私はこういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/20
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021・足鹿覺
○足鹿委員 ただ私が申し上げておるのは、大臣、了承の上でやったという御言明でありますから、そのことについてはあなたの御所信として承っておきましょう。しかし三分の一以上とか銘柄を示して、この積み立て資金の運用を財務当局とやられるということの当否を私は言っておるのです。私は国家の最も必要とする、しかも社会保障的な面にこれが有効適切に使用されていくという場合がなきにしもあらずと思います。しかし国民年金の積み立て金も、現在もう六百五十億程度にも達しておるといわれ、将来これも大きくなります。この農林年金も、将来二千億を予定されるくらいになるときがくると思います。そういうふうになってまいりますと、零細な農民や農林漁業団体の人たちの積んだ金、つまり余裕金とは、そういう性格のものでありますから、その人々の福祉のために還元されるということが一方に明確に打ち出されて、なお余裕があった場合には別な考え方に基づいて、これは適当と認めればまたやむを得ない場合もあろうかと思います。しかし年金の場合においては、まだ育英資金貸し付け制度もない。住宅資金の貸し付け制度もない。現在固定資産の――あとで申し上げますが、いかがわしいというと語弊もございましょうが、いかがわしいと疑われる不動産の取得等も行なわれております。ですから、一方においてそういうことが行なわれておるにもかかわらず、明確に銘柄やその数量までも指定するというやり方について、私は不当であると思うのです。少なくとも年金が自主団体であるならば、年金の役員会その他の総意というものを聞いて、その上に立って政府が裁定すべきものだと心得る、百歩譲ったとしても。あまりにも私は大蔵省の言うなりになり過ぎておると思うのです。今後国民年金の積み立て金の運用をめぐり、あるいはこの農林年金の積み立て金の運用をめぐって、これは重大な問題であります。その組合員の福祉につながる問題が放任されていながら、政府保証債のみが銘柄と数量を政令等によって定められるなどということは、あり得べからざることだと思う。もっとやらなければならぬことがあるじゃありませんか。いまやられるという御言明でありますが、ではどういうふうにしてこれを具体的におやりになる御所存でありますか。これは先ほど述べました退職金や一時金や最低保障額、これらと一環をなして、この共済組合員に対するところの福祉事業のあり方であろうと私は思うのです。そういう意味においても、現在の年金の余裕金の運用等については不十分である。その中にあって、このようなことが行なわれ、来年度の分について規制をする、本年度においても自分らの言うようにやれというようなことを、判こを押して了承するなどということは、一方の団体の自主性という立場からいいましても、また農林省自体の立場からいっても、私は当を得た措置とは考えません。この点について私が聞くところによりますと、いま大臣がいみじくもおっしゃっており、預金部運用資金に回せという強要に近い発言があった。これだけはどうにか押し返した。そこで今度は政府保証債の取得というところでようやくまとまった。私どもはその経過の一端を漏れ聞いて、あまりにも遺憾しごくに思います。
委員長、これは大蔵大臣がどのような圧力をかけられたか。そうしてこれは今後の積み立て金の運用をめぐって重大な問題です。ですから大蔵大臣の御出席を求めて、ここに並んでもらってこの問題を明らかにして、今後の措置を両大臣から承りたいと思いますが、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/21
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022・赤城宗徳
○赤城国務大臣 御趣旨のように、農業関係に還元するのがこれは大きな筋でございます。しかし金融とか財政投融資ということになりますると、これは全体的の面もある程度考えなければいかぬと思います。財政投融資そのものが、国の農業政策にも相当寄与しておるところがあるのでございます。でございますので、御趣旨のように農業関係へ還元するのを主眼としなくてはならないという意味におきまして、農林年金の余裕金の運用の一環といたしまして、農林漁業団体への貸し付けを行ない得る規定も新設いたしておることも御承知のとおりと思います。なおこの余裕金の積み立てが、無制限に政府保証債を引き受けるということではございませんので、毎年度の責任準備金の増加額の三分の一の額で押えておる。こういう意味におきまして、利回りのいい政府保証債に投資する、こういう確実性をもって資金の運用をしていくということでございますから、私はこの程度のものは適当である、こういうふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/22
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023・足鹿覺
○足鹿委員 この余裕金を正確かつ効率的に運用をしていくということは、団体運用の上からいっても必須なことだと思います。ですから私は何でも効率的に運用するがために、不健全な危険な道をとれと言っておるのではございません。安全にして正確な効率的な運用ということを言うのでありまして、そういう意味から私はあながち他の有価証券や不動産の取得等についても、根本的には否定いたしません。しかし政府保証債の前には預金部資金を持てと言い、これをはね返したら今度は三分の一まで政府保証債を買え、そういう圧力をかけられて、そうして了解事項をして、のっぴきならないところにまであなた方はおりてきて、一方においては、通算制というこの三十三万の組合員が待望してやまない問題一つをよう解決できなかったのでありますか。私はあまりにも遺憾千万に思います。少なくとも国の施策に積み立て金の三分の一以内の銘柄まで指定したものの取得をのみながら、なぜ待望しておる三十三万の組合員の完全通算制の問題について、あなた方は主張を通さなかったのでありますか。私は何もかにも小理屈をこねておるのではありません。少なくとも国の財政にも協力するということをまず百歩譲って認めたとしても、それの反対給付として当然組合員の要望事項をかなえるのが、これが政治ではありませんか。私は少し弱過ぎると思う。赤城さんの政治力といいますか、今日までの歩まれた経歴と申しますか、私どもは敬意を表しておるものでありますが、これは少しいただきかねます。このこと自体を認めるものでありませんが、政府の国の財政に協力するという一札を具体的にとられるならば、なぜもっとあなた方の最も大切にして守ってやらなければならない、組合員に対する奉仕の根本の問題をとられなかったか。それは話題にならなかったのですか。大臣は承知の上でおるのだということでありますが、なぜそういうときにお話しにならなかったか。話し合いなしにこれはもうオーケーでございますか。それだとすると、これは大臣、おかしいじゃないかと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/23
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024・赤城宗徳
○赤城国務大臣 足鹿さんは何でも御承知の上で質問されるので、私のほうも答弁しにくいのでございますが、実際問題として、言い過ぎかもしれませんが、責任のある私といたしましては、この法案の改正そのものについての抵抗が、政府部内で改正案を出されては困るというふうに非常に大きかったのでございます。それで御協力願ったわけですが、それを押し切るのになかなか骨も折れたという事情も御承知の上で、通算をなぜやらなかったか、こういうことでございますので、私も非常に答弁しにくく、苦しいのでございますが、そういう意味におきましては、私は完全な通算ということも捨てておるわけではございませんが、段階的な問題もございますから、先ほどからるる申し上げておりますように、厚生年金等においてそういうふうになった場合には、これはなお敢然としてやりますけれども、いまのところは他と歩調を合わせるべくやる。その合わせる点においてもいろいろ抵抗がありまして、こういう法律案は出されては困るとかなんとかやかましく言われておるさなかで、私も事務当局も骨折りながら、ここまで追い詰めたといいますか、追い込んだような事情でありますので、これは次の段階に理想的になおやりたいと思いますけれども、いまの段階においては御了承願っておきたい、こういうふうな気持ちでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/24
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025・足鹿覺
○足鹿委員 この問題については了承いたしかねますと与党の諸君も私の質疑をお聞きになっておって、私は無理を言っておるとお考えでしょうか。大臣が私が何も承知の上で聞いておると言うのでございますが、承知する範囲のことは承知しておりますが、わからないから、あなたがどこまで大蔵大臣折衝にまでも持ち込んで、この通算問題に食いついたか、こういう点についても私は知りたかったのです。どうもいまの口吻から推しますと防御の一線で、改正案そのものが難航したので、これを取りつけるために一札とられた。どうもこういう形にしか理解できないと思いますが、とにもかくにも共済組合余裕金の運用に関する決議なるものは、さる三十九年二月二十六日第十一回農林漁業団体職員共済組合会が議決をして、「今回の法改正を期として、政府が共済組合余裕金の運用について、行政権限をもって、これを規制するならば、本制度設立の趣旨がそこなわれるおそれがある。よってわれわれは、政府がかかる措置を一方的にとることのないよう要望する。」と決議をし、国会にも要請しておるのであります。このことは一昨日の参考人の河野さんからも、その決議の事情というものも明らかにされたのですが、この点について将来どのように是正をされていくお考えでありますか。省令に定めるということについては、私どもは賛成いたしかねます。少なくとも他の問題を充実して、そしてこれは百歩を譲ったとしても、これと並行して考えるべき筋合いのものであって、余裕金の三分の一以内といえば、ぎりぎり一ぱいまで押しつけられる。その次には何が出てくるか。まだまだ押し詰まってくるでありましょう。従来年金積み立て金の使途というものは、戦争前においては軍備調達に使われておったということは明らかなことでありまして、これは世界各国共通の事実であります。十分反省を願って対処されんことを申し上げておきます。
最後に、監督権の問題に関連をいたしまして、政府は事こまかくなかなかよく御指導になっておるようであります。要らざることにまで御指導になっておる点もなきにしもあらずと思いますが、余裕金の運用と関連をいたしまして、不動産の取得が問題になろうかと思います。これも午後資料が提示されるそうでありますので、それを拝見いたしたいのでありますが、一、二われわれが大臣にお聞き取りを願っておいて、今後に備えていただきたいことがあります。それはいつかの予算委員会において同僚石田委員が、虎ノ門ゴルフ練習場問題を取り上げられたことがあるように記憶しております。その後これは共済寮等の設立の本来の趣旨に戻りつつあるというように聞いておりますが、事実でありますか。ところがあのような誤解を受けた後において、神奈川県湯河原で旅館を取得しておられる。これは別の財団法人年金福祉団寄付行為なる団体を三十七年の十月に設立をして、お手盛りで役員等をきめ、そしてこれが委託経営をしておるという形式をとっておる。年金が本来なすべきことをおろそかにすると言うと語弊もありましょうが、十分やらないでおいて、一方において旅館経営等にうつつを抜かす、そのためにこういう別な財団法人を組織していくことの当否ということについて、大臣のお考えを承っておきたいと思いますが、農林年金福祉団というものは、一体湯河原で向島園とかいうものの委託経営をしておる。これが世論の非難を沿びた。三千円から五千円の高級ホテルである。そこで問題になりそうだというので、この間の年金の新聞を見ると、一般にこれを利用することをちょっと古いておる。ところが聞いてみると、料率の点について二千円以下ではこの旅館はどうも利用せしめるものではない、それだけ同級なものであると聞いておる。しかもこの向島園については、大東金属の社長の夫人とかが所有されておったものであって、昨年の五月ごろに五千五百万円で横浜の阿久和産業という会社が買い、これを十二月に農林年金が土地、建物総額七千七百万円で取得しております。昨年の五月五千五百万円であったものが、十二月二千二百万円も高く買わなければならないという理由はどこにあるか。しかも聞くところによりますと、手付金だけを打っておったという話である。まことに奇々怪々なこれは不動産の取得だと思う。私は一をもって他のすべてを類推しようとするものではありませんが、少なくとも余裕金の運用として適当でないということを大臣はお認めになりますか。またこの議論を推し進めてまいりますと、京都にも会館というものができ、最初は運営もよくなかったが、だんだんよくなってきつつあるということを聞いております。要するに資金運用でありますならば、高級ホテルでもパチンコ屋でも別法人をつくって何でもやらしてよい、こういうことにもなりかねない。これはすべてがそうなるとは思いませんが、言うならばそういうことになろうかと思います。
しかも大臣にお聞き取りを願っておきたいことは、この湯河原の敷地、建物を収得する前に、農林年金は熱海に不動産を取得しておるのであります。
これはおそらく温泉地でありますから、組合員の福祉厚生を目的としたものであろうと思いますが、それも土地については一億八百五十万円、建物百六十万円等々と聞いております。後日資料を御提示を願いたいと思いますが、とにかく、かかる不動産の総額は、合計一億九千万円にのぼっておる。以上の両者でもって、他の一切がっさいの不動産取得の一割七分程度を占めております。まことにこの事実は、私は首肯できない問題だと思います。虎ノ門の不明朗な利用問題がようやく片がついて、本来の目的に沿うべく運用がなされようというやさきに、またもやこういうことが起きるということは、農林省は事務的な、ようじで重箱をつつくような指導はやっても、大筋において欠くるところがあるのではないか。先ほども政府保証債取得の問題のときに申し上げましたように、もっと組合員が気軽く利用できるような温泉を買ったとするならば、これは私は当然だと思う。三千円、五千円の高級旅館を買っておいて、あとになって問題になってからその利用料率を下げるくふうをするなどというに至っては、本末転倒であります。これらの事実を是正せしめられる御意思がありますかどうか、いまの一点については妥当であるとお考えになりますかどうか、今後の指導もあわせて、大臣の御所見を承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/25
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026・赤城宗徳
○赤城国務大臣 事実を承知しておりませんので、的確に御答弁申し上げかねますけれども、そういう方向へ運用していくのはあまりいい傾向ではない、こう思いますので、十分調べてみたいと思います。資金の運用を不動産に向けるといたしましても、資金がより多く回収され、あるいはまた組合員の福祉に十分適当なる不動産の取得あるいは利用が行なわれることが好ましいことと存じます。
なお、監督が十分でないのではないかというのか、あるいは監督があまり煩瑣に過ぎるという御意見であるか、いずれかであろうと思いますけれども、やはり自主的なものでございますけれども、監督というものはあって私はいいと思います。そういうことがあればこそ、こういう委員会等におきましても、政府の監督についてまた監督をするという機会もありますので、ある程度十分な監督を私どもいたしますが、そういう監督の制度というものはあってしかるべきものだ、こういうふうに考えております。具体的な問題につきましては調査をいたしますけれども、私はあまり適当なものではない、こういうふうには考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/26
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027・足鹿覺
○足鹿委員 監督権の問題に関連をいたしまして、いま一つ伺っておきたい重要な点があるのでありますが、三十七年度の予算編成の際に、農林年金の最高議決機関である組合会において予算が決定されたにもかかわりませず、農林大臣の認可を受けたこの予算について、実際の予算執行に際しては別に一定のワクを指示した事例がございます。これは資料を示せとおっしゃればお示しをいたしますが、この点も年金の自主的な運営と監督権の行き過ぎの問題があろうかと思う。三十八年度以降は、年金当局は農林省の事前指示を中心に予算を編成していることは大体目についておりますが、これはなおさら団体の自主性を喪失するものだと私は言いたい。団体が組合会にかけてきめた予算、しかも農林大臣の正式な認可を得た予算に事務当局がワクを設けて、これの予算の執行に綱限を加えるということはよろしいことでしょうか。大臣の権限において認可されたものに、事務当局がそういうワクをはめるということについては、少し行き過ぎがあるのではないか、これは率直にそのようなことのないように対処を願いたいと思いますが、いかがでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/27
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028・赤城宗徳
○赤城国務大臣 予算を認可いたしました以上は、その運営につきましては自主的にやるのが当然のたてまえだと思います。非常に曲がった方面にでも実際に行なわれておるという事実がございまするならば、これは注意をいたしたいと思います。またしなければならぬと思いますけれども、原則的には予算の執行は自主的にすべきである、こういう見解でこれからもよく注意をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/28
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029・足鹿覺
○足鹿委員 最後に、この一点で私の質疑を終わることにいたしますが、これも昭和三十九年二月二十六日、第十一回農林漁業団体職員共済組合組合会の議決によるものでありますが、給付費に対する国庫補助に関する決議がわれわれの手元に送達されております。「農林漁業団体職員共済組合法を改正し、給付水準の引上げをはかることは、われわれ三十三万組合員が多年要望してきたところである。今回、本法の一部改正案が国会に提出されその成立がはかられようとしているが、この法律改正に伴う整理資源の増加については、これを団体並びに組合員の負担にのみ求めることのないよう配慮すべきである。」という旨の決議であります。これは先日来湯山委員の御質問にもありますし、論議は尽くされておると思います。この組合会の総意の精神に沿って、いわゆる国の補助を今後いかに引き上げ、対処される御所存でございますか。これは今後の運用の面におきましても、きわめて重大な問題かと思うのでございますので、こまかい内容の分析等は省略して、私もずばりお尋ねをいたして質問を終わりますが、大臣の御所信を承り、今後の国との関係において、真に社会保障的な性格を持たしめる意味においても、国の財政給付の向上のために努力されることを望んでやみません。御所信を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/29
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030・赤城宗徳
○赤城国務大臣 国の補助等につきましては、より一そう組合が強化されるように努力いたしたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/30
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031・足鹿覺
○足鹿委員 以上で私の質疑は終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/31
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032・高見三郎
○高見委員長 湯山勇君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/32
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033・湯山勇
○湯山委員 先般大臣には基本的なことをお尋ねいたして、いろいろ御答弁がございましたけれども、当時はまだ十分内容も御検討になっていらっしゃらなかったということで、結論を留保されておることが相当ございますから、それらの問題について、きょうはなるべく簡単に結論をお出しいただくようにお尋ねいたしたいと思います。
第一点は、先ほど足鹿委員の質問に対して、局長も大臣も、退職一時金の日数は減るけれども、標準給与額が上がるから額の減るものはない、こういう御答弁でございましたが、これは法律を十分お読みになっておられない御答弁だと思います。というのは、政府の資料によりましても、今回改正になる最低の標準給与以下の人がまだ一万人程度もございます。それから標準給与は頭打ちがあります。ですから三年とろうが五年とろうが変わりのない人が上下にあるわけです。これらの人は日数が減ったからといって、それを埋め合わせるだけの給与の上昇というものはございません。当然これらの人は日数の減った分だけは条件が悪くなる、これは理の当然なのです。ですから、大臣の御答弁も局長の御答弁も非常にばく然とした御答弁であって、実際にはそういうケースがあるのですから、これはやはりこの新法適用によって悪くなる者があるという事実はお認めにならなければならない。全部が悪くなるのではなくて、一部の人については悪くなるものがある。これはお認めいただかなければならないと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/33
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034・赤城宗徳
○赤城国務大臣 私はどうもいまの一時金のような場合、日数から換算すれば不利になるが、標準給与から見れば多くなるのではないかと思いますけれども、再度の御指摘のようでございます。最高最低の頭打ちというようなところから、あるいはそういう数字も出るような感じもいたしますが、実際には調べておりません。そういう場合には、私はいまの給与の場合に例が出ますように、給与の付表といいますか、給与表にこういう場合にはこここまでにするというようなことが、よくただし書きみたいに書かれているようなところがありますから、そういうような措置の方法もあるのではないかと思います。しかし実態を、私はいま数字的にどうも把握できないのでございますが、私は何か下がるのは不自然だと思うのでありますけれども、よく調べてみます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/34
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035・湯山勇
○湯山委員 これはお調べいただかなくても、旧法では五万二千円以上にはならない。ですからすでにここ二年なり三年なり五万二千円できている人は、あと幾らいっても旧法適用の場合には五万二千円。新法で七万五千円までいっている人は、何年たっても七万五千円です。そうするとそれらの人は三年とろうが五年とろうが、変わりがないということはお認めになりますか。つまり毎年標準給与が上がっていかないということが現実に起こってくる、これはお認めになられると思います。局長、いかがですか、そのとおりでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/35
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036・昌谷孝
○昌谷政府委員 最高額の頭打ちの制度がありますから、頭打ちをしてから五年以上あるいは三年以上たった方は、それから以後は何年たっても平均標準給与は七万五千円なら七万五千円ということは当然そうであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/36
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037・湯山勇
○湯山委員 先ほどの御答弁は、五年と三年のその違いによって額が増加するということでございましたが、いまのような頭打ちで変わらない。五年とろうが三年とろうが変わらない。こうなりますと、実際に最高十五日分の条件が悪くなる、少なくなる、こういうことは起こってくるわけでございます。大臣、その点はお認めいただけると思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/37
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038・赤城宗徳
○赤城国務大臣 最高基準額というのは、退職等の場合だと思いますが、一時金の場合に標準をとるのは、やはり五年なら五年、三年なら三年を基準としての時期をとるのではないでしょうか。そういうことになれば、給与基準が上がっているということであれば、私は口数の点では不利な点があるけれども、金額の点においてはよくなるのではないか、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/38
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039・湯山勇
○湯山委員 それはきめられておるのですから。たとえ実質給与が上がっても、ここまでだという頭打ちの額はきまっているわけですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/39
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040・昌谷孝
○昌谷政府委員 問題が技術的なことでありますから私から申し上げますと、改正法の標準給与の表の最高額に達しましたときは、それ以後何年勤続をいたしましても、その額で平均標準給与が算定されますから動きません。しかしおっしゃるように旧法における最高は五万二千円だった。今度法律改正になった結果頭打ちになる時期というものは、五万二千円で頭打ちした方が七万五千円で頭打ちに達するまで、昇給に相当の期間を要すると思います。そういうことの実態等から考えまして、形式論的には先生のおっしゃるような事例でそういうものが算出できるかと思いますが、私が先ほどから申し上げておりますのは、組合員の実態から見て、日数かける平均標準給与の日額ということで、個々の組合員の実際の場合に具体例としてはじき出した場合に――その方の昇給が現実にあるわけであります。給与ベースがストップになっている組合はないのでありますから。それらの事情を勘案すれば、このかけ合せた結果の額は、実態論としてはそういう場合は出てこないと思います。形式論的には、そういう設定をして計算すればそういう結果の出るような計算も可能だと思いますが、実態論としてはあまり問題がないのではなかろうかということを申し上げておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/40
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041・湯山勇
○湯山委員 局長の御答弁は推測ですね。そういう推測ではこれは論じられないと思うのです、制度ですから。そこで局長のような御推測があるとすれば、逆に経営内容の非常に悪い組合においては、三年、五年給与ストップというのがずいぶん今日まででもあります。だからいまのようにこれで絶対悪くなるものはないのだということは言えないと思う。実際論からいっても、いまのような推測からいっても。それはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/41
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042・昌谷孝
○昌谷政府委員 この関係は今後私どもも慎重に組合員の実態につきまして検討してみないと、にわかに損得を断定的に申し上げることは差し控えたほうが適当だと思います。ただ先ほども申しましたように、本改正案が目標といたしました、国家公務員なり私学なりの法律の改正の際とられました経過規定の方法と、全く軌を一にしております。また当時、この法案の原案の審議過程でも、そういうことを一応御了承の上で、関係団体等ともお打ち合わせの上で、こういう政府案にいたした経過がございますが、いま御指摘のような点は、今後実態との見合いでの検討としては確かに重要な課題だと思いますから、そういう意味合いで私どもも検討を続けてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/42
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043・湯山勇
○湯山委員 私がこの問題を御指摘申し上げたのは、先ほど足鹿委員の質問に対して、大臣も局長もそういうことはないということを断言されたのです。その理由は三年、五年の関係でそういうことはないという断言をなさったから、それは断言できないことだということを指摘申し上げたので、形式的にいってもそういう場合が出るし、実際論からいってもあり得ないという断言はできない、こういうことですから、先ほどの御答弁は大臣、局長ともに御訂正をいただくべきだ、こう思います。いかがですか。先ほどはないとはっきりとおっしゃったのですから、一応ないということは取り消すということでなければならないわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/43
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044・赤城宗徳
○赤城国務大臣 私としては、どうも平均標準給与が上がるので、ないというふうに感ずるのでございますけれども、どうもそういう方面にすぐれた御質問でございますから、調査してみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/44
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045・湯山勇
○湯山委員 これは取り消していただいたからといって、別にどうこう思っておるわけじゃございませんから、ただ先ほどのが間違っていたから、そうしていただいただけのことですから。
そこでその次にお尋ねいたしたいのは、先ほどの御答弁の中で、厚生年金が通算制をとられる場合には、この農林年金においても通算年金をとるということを大臣が御言明になったように私は承ったのですが、これは間違いございませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/45
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046・赤城宗徳
○赤城国務大臣 私一人できめるというわけにもまいりませんけれども、厚生年金が通算制できまるということになりまするならば、やはり歩調を合わせて、ほかの共済制度もありますわけで、私学とか国家公務員とか、そういうものも考慮いたしまして、厚生年金に合わせるように進んでいきたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/46
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047・湯山勇
○湯山委員 これは前会も申し上げましたように、いま年金の給付を開始される人は、厚生年金期間が他の年金よりもはるかに長い、こういう事実がございます。そしてその厚生年金部分は、現在は現行法によってそれに率をかけて不利な計算をされておる。それがその部分がよくなるわけですから、これはどうしてもよくしていただかなければならないわけだと思います。ただいまの御答弁の中に、厚生年金がそうなった場合には、どうしてもその部分についてだけでも通算措置を考慮する。これは大臣の御言明をここでは一応そこまでの点においては承っておいて、私どもが大臣に希望したい点はそうじゃなくて、この改正のときに本法においてもうすでに厚生年金というのはそういう方向がきまっておるわけですから、きまっておるのはただ単にかってな案について審議しておるのではなくて、社会保障制度審議会は総理大臣の設置しておる機関であります。だから政府の案として社会保障制度審議会に諮問しておるというのは、一応政府部内でのある程度の意思統一ができておる、こう判断して差しつかえないのではないか、このように考えますが、これはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/47
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048・赤城宗徳
○赤城国務大臣 社会保障制度審議会その他いろいろな審議会がございますが、審議会の意向というものは尊重しなければなりませんけれども、順守しなければならないという立場でもございませんし、それがそのままということになれば、国会も不要だということに相なりますので、私は尊重はしなければならぬ、しかしこれを順守したり何かそのままでいくということなら、国会ももう不要というかっこうになります。政府も用がないというかっこうになりますから、尊重してその方向に沿うように政府としてもやらなければならぬ、こう思っています。しかしまだ最終的に決定したのではございません。同時に、そういう方向であるということも私も承知しています。でございますから、その方向になるべくできるだけ沿うように配慮をいたしておるのでございますが、先ほど、再々申し上げましたように、その前提にまだハンディキャップといいますか、そういうものを直して、それから合わせていくように考えておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/48
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049・湯山勇
○湯山委員 社会保障制度審議会には総理に対して勧告、こういう権限がございます。その勧告をそのとおりするしないは、これは政府のお考えだと思います。ただ今度の場合はそうじゃなくて、社会保障制度審議会に政府としてこうしたいという案を諮問しておられる。だからいま政府が社会保障制度審議会に諮問しておられる厚生年金の改正しようとする制度については、政府としてはこうありたいという案を諮問しておられるわけですから、これについては大臣もそうあってもらいたい、そうありたいという、そういう御意思は持っておられると思いますが、そういうことをお尋ねしたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/49
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050・赤城宗徳
○赤城国務大臣 そのとおり思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/50
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051・湯山勇
○湯山委員 そのとおりにお思いになっておられるのであれば、もはや厚生年金がどうなるかというのではなくて、厚生年金に対する政府の第一段階の腹がまえはできておる、こう見て差しつかえないと思います。その厚生年金におきましては、既往にさかのぼって、しかも現に給付を受けておるものまでも新しい改正になるものによって計算をし直していこうということでございますから、これは私は決して政府の考えから非常に逸脱した考えではなくて、遡及適用というのは逸脱した考えではなくて、むしろ厚生年金に対して現在政府がとっておるそのお考えを、そのまま農林年金にも早目に取り入れていただきたいということだけでございますから、そのことについては大臣の御了解をいただけると思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/51
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052・赤城宗徳
○赤城国務大臣 再々くどいようでございますけれども、そういう方向に進めたい、こう思っていますが、やはり私学の関係、国家公務員の関係、そういう関係とも歩調を合わせてその上でと、こういうふうに考えておりますので、今回はその段階でひとつ御了承願います。次の段階はなお次の段階として進んでいきたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/52
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053・湯山勇
○湯山委員 局長にお尋ねいたします。私学共済年金は、厚生年金から独立して何年目に一回目の改正がございましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/53
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054・赤城宗徳
○赤城国務大臣 私学共済は三十二年だと思います。国庫補助のことで私が提案者になったので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/54
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055・湯山勇
○湯山委員 大臣に聞くほうがよくわかるので、私もそのときに私学共済の改正に参加いたしました。ですから私学共済のほうはこの農林年金よりもずっと早目に改正が行なわれておるのです。そこで末高さんからも、今日までほっておくのは怠慢だ、こういう指摘があったのは、そういう点だと思います。一方のほうはそういうふうにして実態に合うように、標準給与額なんかはもうそのときすでに六千円になっておりました。ですから私学に合わせるといっても、これは実際には合わせるうちへは入っていかない。それから国家公務員、地方公務員については、これも農林大臣よく御存じのように、違った職種の人でもそれによく似ておるものはある程度通算対象にも入れますし、全然無資格であった期間も、これも先般お話がありましたように学校看護婦等、これも年金の期間に数えて、そしてそのときの法律を適用した。それから国会議員の場合、これも御存じでしょうが、政務次官を一年やれば、過去において恩給年限に達しておるものは、その政務次官の給与でまた恩給の再計算ができる、こういうことがありました。これも農林大臣、御存じでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/55
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056・赤城宗徳
○赤城国務大臣 そういう考え方でございますので、このたびの改正法律案も、退職時の標準給与で計算していく。この退職時の標準給与で計算するのだけれども、新法の場合には三年の平均、旧法時代に適用された者は五年の平均ということですから、その点いまお話のように一貫してはおりませんが、退職時等のそういうときの給与標準できめるという筋はある程度通っておると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/56
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057・湯山勇
○湯山委員 いまのように私学共済の改正をもう農林大臣は六年、七年も前にお手がけになって、そのあとでこの年金をお手がけになって、それから今度これにまたお手をおつけになった。ですから年金についてはもう大臣はよくおわかりになっておられるし、それから年金の改正の方向というものもよくおわかりなので、こまかいいまの一時金が減るとか減らないとか、そういうことはおわかりにならなくてけっこうです。ただともかくも改正になったことによって、そのときに在職しておる者がその改正になった法律の恩恵を受ける、このことだけはひとつ原則的にしっかり御認識をいただきたいと思います。
それと関連して最低額でございますが、最低額三万五千五百二十円というのは、標準給与幾らの場合ということに該当いたしますか。これは事務当局で御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/57
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058・昌谷孝
○昌谷政府委員 最低保障額が現実に働いてまいりますのは、平均標準給与の月額が七千円見当のところ以下というふうに私どもは承知をいたしております。
なお先ほどまことに申しわけないことで、大臣から三十二年と答えられましたが、申し上げますと、私学は発足が二十九年でございまして、最初の改定が三十二年、それから二回目の改定が三十七年でございます。農林年金のは御承知のように三十四年に発足をしたわけであります。この種年金制度を手直しをいたしますためには、やはり発足後その制度のもとである程度の実積を積み上げませんと、改正の基礎データもそろいませんし、改正の方向も出ませんので、本来ならば私学が三十七年に改正になったときに、私どもとしては一緒にやりたかったのでございますけれども、三十四年発足でまだその間正味二年しかたっておりませんでしたので、そのときには改正ができなかったということで、三十九年、今度やっと発足後五年間のデータを積みましたので、その段階で私学の三十七年段階とやっと肩を並べるような改正案の準備ができたという実態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/58
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059・湯山勇
○湯山委員 それは局長からそういう御答弁をいただかなくでも、局長はその当時責任がなかったわけですから、ただ具体的に事実だけお述べいただいてけっこうです。そうしませんとぐあいが悪いことになりますから、それでけっこうです。
そこで最低保障額というのは、現在国家公務員、地方公務員あるいは私学で、この最低額適用の事実がございますか。三万五千五百二十円以下の年金というのは具体的な事実がございますか。これはないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/59
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060・昌谷孝
○昌谷政府委員 最近の給与ベースの実態から申しまして、二十年勤続をしてやめたときの平均標準給与が七千円見当といいますのは、まず実情はそういうことはないと思います。ただ御注意いただきたいのは、障害の一時金でございます。障害一時金等につきましては勤務年数にかかわらず、障害関係の職務上の場合であれば年金が出ますから、そういう場合には最低保障額の三万五千五百二十円というのは、現在のままでもかなりのものを言っていると思います。その詳しい実態は一々当たっておりませんが、当然そういうことが生きて働いておるはずだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/60
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061・湯山勇
○湯山委員 お尋ねしておるのは退職年金についてでございます。退職年金の最低額が、今度あなたのお出しいただいたのは三万五千五百二十円になっておるのですが、それをお尋ねしておるのです。ないです。農林大臣、国家公務員も最低額三万五千五百二十円というのは、かりにあったとしても空文化しております。それから私学等にも、これももうかりにつけたとしても空文化しております。これはもう抜けがらになっている。そういうものへいま新しくつくる、そうしてまた政府自身は、厚生年金法ではもっとはるかに高い最低額を格間しておる。そういう段階でそういう抜けがらのようなものをここへ持ってくる。これはあまりにも形式的過ぎるのじゃないでしょうか。一体三万五千五百二十円というような年金最低額というのを常識として出せるかどうか、そういうことについて大臣はどのようにお考えでしょう。他の年金に合わせるといっても、そういうのは適用されていない、空文化、からになっている。そういう額のところへ合わせる。そういう形式的なことをする必要があるでしょうか。するのならば、もっと権威のあるような最低額をきめる、これが私は常識ではないかと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/61
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062・赤城宗徳
○赤城国務大臣 確かに私も形式的だと思います。しかし形式的にひとつそろえてもらいたいという希望も非常にあったものですから、そういう意味におきまして一応形式的に歩調を合わせた、こういうことになっていますが、御説のとおり形式的ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/62
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063・湯山勇
○湯山委員 それでは適当な最低額は、農林省としては幾らだとお考えになっておられますか。事務当局でけっこうです。実際に農林年金の最低保障額としては何万何千何百何十円が適当な最低保障額だ、これは計算しなければ怠慢です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/63
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064・昌谷孝
○昌谷政府委員 いまの三万五千五百二十円は、先生よく御存じのように、現在の厚生年金の制度のもとでの一つの最低をとって当てはめたものでございます。どれだけの金額が農林年金の最低保障額として適当かということになりますると、厚生年金の今後の給付水準の引き上げの状況等を判断してみる必要があろうと思います。現在伝えられます厚生年金の今回の昭和四十年五月から実行しようとしております給付水準に合わせて、私どものほうの年金の最低保障額の計算をいたしてみますと、おおむね七万五千円程度になろうかと思います。その程度の額であれば、先生おっしゃるような形式的であって実効がないということでなくて、かなり有用な最低額ということに相なっていこうかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/64
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065・湯山勇
○湯山委員 いまの局長の答弁で、大体農林年金としては七万五千円程度が適当だ、こういうふうに考えるという局長の答弁を大臣もお認めになられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/65
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066・赤城宗徳
○赤城国務大臣 有能な事務当局の計算でございますから、そう考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/66
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067・湯山勇
○湯山委員 最後にお尋ねいたしますが、業務上の障害、これも組合員の掛け金の中からやはり出ていくようになっております。業務上の障害というのは、本来はこれは使用者側の負担であるべきだ、こういう考え方は、これは大臣、どのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/67
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068・赤城宗徳
○赤城国務大臣 非常に法制的に業務上の過失とか、業務上の障害とか、業務上の犯罪とか、いろいろむずかしいと思います。ちょっとここで私は断定を下すのには研究が足りません。そういうような希望は持てますが、法律的にあるいはどういうかということはちょっと返事いたしかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/68
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069・湯山勇
○湯山委員 労災保険なんかは、これは本人負担はなくて、使用者がかけておるはずです。これは業務上の障害、業務上病気にかかる、これについては公務員の場合も、たとえば業務上のものについては給与もまるまる払って療養させる。教職員の場合でも結核などもこれとみなして、大臣御存じのとおり、三年間の現職と同じ待遇での有給の休職を認めた、こういう事実、これも大臣、あの当時ですから御存じと思います。業務上の障害というのは、仕事しておってけがをするとか、仕事のために病気になる、これをそれと関係のない一般の組合員がそれまで負担するということは、これは私は考え直していいのではないか。(「共済だからお互いさまだ」と呼ぶ者あり)共済でやる分は、業務以外ならそれでいいのです。業務でやった場合です。公務上です。普通の公務員の場合は、これは当然公務による障害として、一般のそういういまお話のあったようなことじゃなくて、互助じゃなくて、事業主が負担をする、これが原則じゃないかと思いますが、いかがでしょうか。これをお尋ねするのは、この問題がいまのようになっておりますから、それは原則はそうだということになれば、掛け金のことへまた関連してくるのですけれども、きょうは時間がございませんから掛け金の問題には触れません。ただその原則だけ大臣、お認めいただけば、これで質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/69
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070・赤城宗徳
○赤城国務大臣 原則がどうかということでございますが、望ましいことだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/70
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071・高見三郎
○高見委員長 林百郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/71
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072・林百郎
○林委員 それではこれはもう他の同僚委員も質問しておるわけなんですが、準備金の運用の問題あるいは余裕金の運用の問題ですが、本法の七十二条に、農林大臣は大蔵大臣と協議をしなければならないという条項があるのですが、これはどの程度のことをされておるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/72
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073・赤城宗徳
○赤城国務大臣 具体的に一々協議ということではございませんで、監督について農林省で省令等を出します。そういうときに省令の内容等について協議する、こういうことでやっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/73
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074・林百郎
○林委員 そうするとあなたは二月十日に、そこにおいでになる農政局長と大蔵省の理財局長、主計局長の間の取りきめは、知っておいでになったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/74
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075・赤城宗徳
○赤城国務大臣 知っておりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/75
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076・林百郎
○林委員 それではあなたと大蔵大臣のこの取りきめをするについての話し合いを報告してくれませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/76
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077・赤城宗徳
○赤城国務大臣 これは事務当局同士で覚え書きを取りかわすということで、それはそのとおり私どもはまかしておきました。省令をつくるときには、それを基本として大蔵大臣と協議する、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/77
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078・林百郎
○林委員 そうすると、このことについて当該共済組合がどういう決議をされているか、大臣、御承知ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/78
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079・赤城宗徳
○赤城国務大臣 先ほどの足鹿さんの質問のときに読み上げたとおりだということを承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/79
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080・林百郎
○林委員 それを見ますと、「今回の法改正を期として、政府が共済組合余裕金の運用について、行政権限をもって、これを規制するならば、本制度設立の趣旨がそこなわれるおそれがある。よってわれわれは、政府がかかる措置を一方的にとることのないよう要望する。」と言っておりますが、これに対して大臣はどういう処置をとられるつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/80
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081・赤城宗徳
○赤城国務大臣 一々そういう要望にこたえて措置をとるという返事をいたすことは、農林当局としてはできません。国庫補助も出しておりますし、また組合員の立場等も考えなければなりませんから、適当なる指導、監督は必要だと思います。自主的にありたいことはありたいのでございますが、全部自主的にまっ裸でというわけにいきませんので、最小限度においては監督しなければならぬ。またそういうことでありましたから、先ほど申し上げましたように、林さんなんかが政府を監督する機会もあるのでございます。全然自主的にいたしておりますと、私のほうでもそれは自主的にやっておるのだからそれはかまいませんということで、質問にもお答えしないような結果になろうと思います。そういう意味におきましては、私は最小限度の監督は必要だ、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/81
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082・林百郎
○林委員 当該制度を運営する共済組合が、特にそういうことをしてもらっては困るということを、最高の意思表示として決議しているのに、お前のほうの決議があっても、農林省は農林省だということで、それで責任を果たしているとお考えになるのですか。念のために聞きますが、政府が出資をしているわけでありますが、昭和三十八年度に政府は幾ら金を出したのですか。給付金の一五%と事務費で幾らだったか、大臣、知っていますか。言ってみてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/82
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083・赤城宗徳
○赤城国務大臣 その額は承知しておりません。しかし政府でこの組合に補助も出しておりますし、また農業団体の健全なる発達、運営ということは、国としても非常に期待し、希望するところでございます。その組合員の共済制度が適当に運営されていくということも、また私どもが期待し、希望するところであります。そういう意味におきまして、去年幾ら金を出したか出さぬかという問題は別といたしましても、監督を最小限度にはするといいますか、監督ということばが悪ければ、協議したり指導するということは適当なことだ、こう考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/83
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084・林百郎
○林委員 あなた、政府から幾ら金が出ているのも知らないのに、政府から金が出ているから大蔵省と協議したり、政府が――政府というのは私はおもに大蔵省との関係を聞いているわけなんです。それではあなたにお聞きしますが、昭和三十八年度の掛け金は幾らなんですか。それから今度掛け金の率が上がると、年間幾らの掛け金がふえるのですか、それをお聞きしましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/84
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085・赤城宗徳
○赤城国務大臣 御質問がこまかいのですが、私はそういう考え方で申し上げておるのではなくて、制度からいって国が百分の十五とか、そういう補助をしている。その金は幾らだ、それを知らないで監督できるか、あるいは要望にこたえないのはけしからぬじゃないかというのは、少し的はずれだと思います。掛け金が幾らだ、掛け金をするという制度は私は知っています。制度は知っていますが、掛け金率が幾らだということをお問いになるなら、私は事務当局に答弁させる。私が何から何まで承知しなければ指導も監督もできないのだ、何銭何厘の数字まで覚えてなければだめなんだというおしかりを受けても、どうも私のほうではちょっと困るわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/85
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086・林百郎
○林委員 いかにも無責任な答弁です。いいですか。国の補助にもよりけりです。国家公務員の共済のように、国家がいろいろな形で半分以上出しているという場合に、国家の監督を受けるのはわかります。一年の掛け金のうちの何分の幾つが政府の補助金になっているのですか。そのくらいあなた、知っているでしょう。そんなものはほんのスズメの涙ほどであって、しかも監督権だけ強化されるということに対して、普通のものが承知できますか。だから当該制度を運営している組合のほうでは、困るという決議をしているのでしょう。もう少し謙虚にこの組合の決議を聞いてもらわなければ困るのです。だからあなたにお聞きしている。昭和三十八年度でいいから、一体みなの掛け金の何分の一を政府は給付金として払っているか。そのくらいのことは、あなたは知っているでしょう。それを知らない農林大臣が監督権を行使できますか、七十二条で。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/86
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087・赤城宗徳
○赤城国務大臣 事務当局から答弁させますけれども、大臣が何から何まで知っているという、そういう全体主義の制度でございませんから、私が全部何から何まで承知して、それで監督している――一つの組織体としてやはり農林省というものですから、適当に次官や局長や、いろいろありますので、そういう者が分に応じてのことをやっておりますので、いまの数字等については事務当局から答弁させます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/87
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088・林百郎
○林委員 大臣、本法の七十二条に、「農林大臣が監督する。」とあるのです。監督するなら、年の掛け金がどのくらいで、給付金の補助がどのくらいなことぐらい、あなた、知っていたっていいでしょう。監督権はあなたですよ。そんなあなた、何も知らないで大蔵省と協議なんかするものだから、みんな大蔵省の言うとおりになってしまうのです。それで当該組合から、そうされては困るという決議をされるのです。
それでは私が数字を言います。何も事務当局から答えさせることはない。大体年に六十億くらいの掛け金があるのです。ちょっといま率が増加しました。増加する前はまあ五十億と見ていいでしょう。今度は七十億です。ところが政付の給付金は一億五、六千万円です。あなた、農林大臣でよく知っているでしょう。農業協同組合や農業協同組合の職員がどんなに低賃金で苦しんでいるかということ、おわかりでしょう。これが今度七十億も金を出すのです。政府は一億五、六千万円しか出さないのです。それだのに、政府は監督権があるからといって、実質的な運営を――農業協同組合やあるいは職員が乏しい金を出して五十億も積んでいる。七十億も今度は積む。それに対して一億五千万円くらいの補助金しかこないのに、この法案を通すにはこういう条件をのまなければ直させないというようなことをあらかじめ大蔵省から言われて、そうしてあなたの部下の局長がこの法案を通すために、議会にわからないところであらかじめ話を取りきめてしまっている。これはわれわれが質問したから局長が言い出したのです。質問するまでは黙っているのです、こんな条件がついていたということは。これで大臣、いいのですか、あまりに政府の補助金がわずか、あなた、七十億のうちの一億五、六千万、三十分の一です。そうして監督権だけは非常に強固だ。たとえば組合を運営する職員に対する――これは事務費は政府が出す。これはおそらく年間四、五千万円じゃないでしょうか、この給料まで、使用者側と労務者側の話がちゃんときまっているのに、大蔵省のほうが、こんな給与はいかぬと言ってきている。そういうことを認めていいでしょうか。しかも当該協同組合のほうでは、この制度の運営のもう少し自主性を認めてもらいたい、こう言っているわけでしょう。もう少し赤城農林大臣、きちっとして、大蔵省からいろいろな話があっても、やはり当該組合の立場に立って、なるべくこの組合の自主的な運営をお考えになる必要があるのじゃないでしょうか。どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/88
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089・赤城宗徳
○赤城国務大臣 それはそのとおりなんです。私も自主性は認めているのだけれども、最小限度の監督というものは、やはり農協その他農業団体というのは非常に重大な役割りを演じておりまするし、政府としても無関心ではおられない。その職員の共済制度でございますから、まあ共済掛け金が五十億程度ございますが、その中の一億五千万から二億しか金を出していないのに監督するのは無理じゃないか、こういいますけれども、そういう意味で金を少ししか出していないから、あるいは金を出しているから監督するということばかりではございません。非常に国の政治との関連が、農政との関連が強い団体の、また職員の共済制度でございますから、最小限度にこれを監督あるいは指導するということは、これは一面において責任だと考えておるわけでございます。それでありますから、こういう取引があって大蔵省に押えられているということではございません。みずから進んで私どもといたしましても、資金の運用につきましては高率に運用できたほうがいいのではないか、あるいは財政投融資という問題も、これは国全体で農業部門からほかの部門にも財政投融資という道が開かれておるのでございますから、その方面にも協力して私はしかるべきだ、こう考えて、預金部などの低利のほうへ回すよりは、政府保証債を引き受けてこれに協力するということも、共済団体としては適当ではないか。しかしそれ以外に、先ほども御答弁申し上げましたように、組合員の福祉とか組合員のためになるほうへ運用することは、これは当然並行してやるべきだ、こういうふうに考えておりますので、何かすべてに監督をするというような意味ではございません。望ましいことは自主的に――しかし先ほど足鹿委員のお話にもありましたように、あるいはゴルフ練習場だ、あるいは料亭だというようなこともありますので、まあ最小限度には指導、監督というものも必要ではなかろうか。そういう指導、監督があればこそ、国会におきましてもいいとか悪いとかいう論議があるので、これが全然自主的で、もうわれわれは知らないのだということになれば・繰り返して申し上げますように、御質問を受けましても私の知ったことではない、こういうことに相なるようなことで、これはお互いによくないことだ、やはり最小限度は指導することも適当であろうというような考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/89
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090・林百郎
○林委員 そうすると大臣、いまから十年、昭和四十九年にはこの準備金は幾らになるか、大体のところをあなたはおつかみになっておりますか。十年先にはどのくらいになりますか。それだけの金を積んでおられるわけですね。あなたは監督権があるのだから、その数字を出してみてください。それに対して大体政府の給付金の一五%、それはこれから十年にどのくらいのものになるか、大体の計数でいいですが、これはもしわからなければわからないでいいです。これは将来のことで、いろいろなファクターが入ってきますからね。いずれにしても今後準備金が昭和四十九年にどのくらいになるか、あなたは大体のところをおつかみでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/90
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091・赤城宗徳
○赤城国務大臣 どうも人の悪い質問でございまして、資料は渡してあるのですから、その資料で御承知の上で御質問されるのですから、非常に人が悪いと思うのです。千五百億くらいになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/91
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092・林百郎
○林委員 千五百億くらいの金の運営なんです。これが年間せいぜい、今度給付率が上がって年二億くらいが政府の補助になるわけです。十年とすれば二十億、これはいろいろなファクターがあるから、簡単にそうはいきませんけれどもね。そうすると一方では千五百億の金がたまっていくわけです。これは農協の理事者と職員がだんだん積んでいく金です。一挙にやめるということはないのだから。責任準備金だって積んである。一方政府は十年間にどのくらい――いまの計算からいったらせいぜい二十億かそこらでしょう。そういう比率で、なおあなたは、まだこの法案を通す事前に、農政局長と大蔵省の局長連中が運営について話をしなければ、この法案の国会提出すら賛成しないというような、こういう状態に置いておいていいとお考えになりますかどうか。それがしかも、大臣御承知かどうか知りませんが、湯河原の問題、熱海の問題、いろいろあります。しかもこれは委託方式にして、当該組合が直接運営できないわけです。これは国家公務員なんかは直接運営しているから、大臣が直接やれるわけでしょう。ところが委託方式になっているから当該組合は、これに対する監督権は直接行使できない状態です。一方では大蔵省から指導権を握られ、一方では委託方式になって不動産取得した場合、監督権がない。まん中に入って何ですか、これでは大臣が自分の所管事項だと思って大きな顔をなさっておったって、何をなさっておるか、ちっともわからない。そんなものは大蔵省が直接やったほうがいいです。私はあなたを権威ある農林大臣にしようと思うから、一生懸命さっきから言っておるのに、あなたは私の顔を見ると親のかたきに会ったような顔をしておられるが、あなたはもう少し腰を入れられなければ、大蔵省になめられて――私は池田内閣の大蔵省と農林省がけんかしようと、そんなことはわが党にはあまり関係ないけれども、大体もう少し農民の立場に立って、もう少し自主的に運営しないと、たとえば職長が急の場に金を借りたいというような要望も出ておるわけです。自分のうちを建てるのに土地がほしいというような、直接生産農民がこの準備金をいろいろ運用したいという要望があるわけです。そういうことが押えられていて、一方では大蔵省の資金運用部の肩がわりをさせられ、一方では委託方式で、熱海に温泉旅館を買って、一泊三千円、三千五百円もするというような状態では、この組合の自主性というものは確保されないのじゃないですか。当該組合の自主性というものは、両方から攻められている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/92
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093・赤城宗徳
○赤城国務大臣 私は林さんを親のかたきみたいに思っていることはありません。親のかたきどころか、なかなか親心があって、非常に私を激励してくださる気持ちはよくわかります。しかし同時に、私は大蔵省を親のかたきとも思っていません。また実際大蔵省に圧迫されてはおりません。事務当局等におきましてはいろいろ苦労はあるようですが、私は大蔵省当局に圧迫されたり、私の主張が通らなかったということは大体ありません。それは予算の額等については、私の思うとおりにいかなかったということはありますけれども、私が今度農林大臣になりましてから、私の主張は大体通しております。しかしやはり筋というものがございますから、あまり飛躍的にも要求できない面もあります。ステップ・バイ・ステップという点もありますので、そのお気持ちに沿わない点はあろうと思いますけれども、私は決して大蔵省を親のかたきと思っていなければ、大蔵省と対立してけんかしようとも思っておりません。大蔵省に圧迫されて私の主張が通らなかったり、だんだん縮まっているというようなことはありませんから、その点は御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/93
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094・林百郎
○林委員 大臣、私がもう少し考えていただきたいと思うのは、農林漁業団体の職員の給与というのは、非常に低賃金なんです。私たちの資料を見ましても、平均賃金二万六千四百四十四円で、しかもこれ以下の者がおそらく三分の二だろうという状態なんです。それに対して今度の一人当たりの掛け金は年額一万四千六百二円で、この比率を見ますと〇・七四という率が出るわけです。ところが、他の年金、国家公務員、公共企業体あるいは厚生年金等の各年金の被保険者の平均賃金と掛け金の率を見ますと、たとえば国家公務員でも〇・六、私学共済でも〇・七二、厚生年金については〇・三五というようなことで、平均賃金と掛け金の率はこれが一番高いわけなんです。しかも高い率の掛け金を出している共済被保険者の諸君の賃金というものは、非常に安いわけです。だから掛け金に対する重圧というものは、われわれの想像以上になっているわけです。これがほんとうに職員の利益のために運用されないということになりますと、たいへんなことになるわけです。ところが職員諸君から言わせれば、直接自分が金を借りたい場合、あるいは家を建てたい場合、そのほかいろいろの福利施設について、要望が出ているにもかかわらず、あなたの言われるように大蔵省との話し合いで、今度保証準備金の三分の一を政府債で持つというようなことで、これが財政投融資のほうに肩がわりになって、電源開発だとかあるいはそのほかの、われわれから見て言えばこれは大きな企業体、大きな独占資本だと思いますけれども、そちらのほうの政府出資として回されるということについては、なかなか納得できないです。だからそういうことを大臣はお考えになって、実際に農民の要望にこたえるような運用をお考えになる必要があるのじゃないかということが一つ。
もう一つは、根本的にこの制度を、財政投融資の資金を捻出するような感を与える積み立て方式を賦課方式にして、大体その年の必要部分を――必要なものは計数で出てきますから、それを掛け金にして、それで低賃金の職員の財政的な負担をこの保険制度の面では免じてやるという、もっと根本的なそういう方向も考えられないものかどうか。もしそういうことが考えられないにしても、これはもう他の同僚委員からたくさん言っておりますから私のほうで申しませんけれども、たとえば政府の負担をもっと飛躍的に高めて――他の一流国、たとえば農業国であるデンマークにしましても、政府の負担は七五・九%になっておるわけです。だからこういうふうに思い切って賦課方式にするか、あるいは政府の負担金をもっと飛躍的に上げて、農林漁業団体の職員の低賃金に対する負担を軽くしてやるというような考えを大臣はお持ちにならぬかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/94
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095・赤城宗徳
○赤城国務大臣 いろいろな面からなお検討すべき問題があろうかと思います。検討はさらに加えていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/95
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096・林百郎
○林委員 大臣はけっこうです。
局長に二、三お尋ねしますが、平均賃金が一万六千四百四十四円、これは職員の諸君の平均賃金のようですが、それはおわかりですか。私のほうの資料だとそうなっていますが、その一万六千四百四十四円の平均額以下の職員が、全被保険者のうち何%あるかということがおわかりでしたら……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/96
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097・昌谷孝
○昌谷政府委員 先般御提出申しまして御説明申し上げました資料は、標準給与の月額について現在の三十二万人の組合員の分布を見たものでございます。追加して差し上げました参考資料二の二ページにその詳細な刻みが出ておりますので、それによって御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/97
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098・林百郎
○林委員 率直に%を言ってみてください。三十二万の職員のうち、平均賃金以下の職員は大体何%になるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/98
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099・昌谷孝
○昌谷政府委員 先般お配りいたしました資料の最初のほうのところに刻みが出ておりまして、以下を累積したパーセンテージがいまちょっと手元にございませんが、おおむね五%程度ではないかと思いますが、加重平均でございますので、もし何なら計算させます。――いま累積の計算をさせておりますが、おおむね半ばぐらいではなかろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/99
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100・林百郎
○林委員 わかりました。そこでさっき私も大臣に聞いたのですが、標準報酬月額または俸給月額一人当たり平均額と今度は一人当たりの保険料の額との比率です。これは私のほうで組合の資料も参考にしたのですが、他の各年金制と比較してみて、一審率が高いようなんです。これは局長のほうで計算されたことはありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/100
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101・昌谷孝
○昌谷政府委員 先ほど申しましたように、私学は三十七年にいまの制度に移っております。国家公務員もその前後であったかと思いますが、そういう意味で、その当時の私学の資料ではじいて、現在の私学なり国家公務員の掛け金率は算出されております。大体それとほぼ見合う給付を私どもは、考えたわけでございますから、その意味で私どものほうがかなり最近の時点で調べておりますが、それによりますと、今度の改正法でいきました場合の掛け金率は、組合側と組合員側と負担を合わせまして、おおむね九六%であろうということを先般も資料で申し上げました。私学、国家公務員等は、国家公務員は九五を折半しておるような形でございます。それから私学はちょっとそれより低いと思います。それらは現在むしろ再計算に迫られております。というのは、その後のベース・アップ等がございますから、必ずしもいま使っております掛け金率ですぐ比較するのもいかがかと思われますが、結果においては現行の他の掛け金率より若干高くなります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/101
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102・林百郎
○林委員 時間の関係もありますから要点だけ聞いておきますが、給付のうちの退職年金について五十五歳以上六十歳未満、これは一番退職年金の給付の対象になる階層の人だと思うのですが、これが法の六十二条と施行令の四条によりますと、この退職年金に含まれない意味にわれわれの解釈では――これは施行令の四条「五十五歳以上六十歳未満である者に支給する当該月分の退職年金に要する費用」は負担しないとあります。「法六十二条第一号の規定により給付に要する費用から除く額は、次の各号に掲げる額を合計して算出するものとする。」このうちの第四条第一項第一号というのはどういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/102
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103・昌谷孝
○昌谷政府委員 その点は昨日芳賀委員との間に繰り返して質疑応答を重ねた問題でございます。法制定当時の経過としては、五十五歳から六十歳に達するまでの組合員に対する退職金給付に見合う国庫補助を見合わせたらどうかというような御意見がございまして、本則でそういうふうに書き、それを先生のごらんになっておられます施行令の附則でその本則をさらにひっくり返して、五十五歳ないし六十歳の者に対する給付についても国庫補助の対象にするということに直しております。それを今後どうするかという問題について、昨日私が芳賀委員にも申し上げたのでございますが、当時そういうことが起こりましたもとは、当時の厚生年金は六十歳から給付が始まっておりましたので、すべて厚年並みまでというのが一つの原則であったために、そういうような規定が置かれたというふうに承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/103
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104・林百郎
○林委員 そうするとこの五十五歳から六十歳の者に給付がこない。これは、政府の補助から除くというこの規定は、本法の改正が遡及しないから従前のものはこの法律でいくわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/104
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105・昌谷孝
○昌谷政府委員 ごらんいただいております法規集のもうちょっとあとのほうを見ていただきますと、政令の附則で第四条一項一号の規定を当分の間適用しないというふうにしております。したがって制度発足当時からずっと、先生御懸念のようなことでなく、五十五歳から六十歳の者に対する年金給付についても国庫補助の対象にしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/105
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106・林百郎
○林委員 そうするとこの制度について、原則としては国庫補助の対象にしないといいながら、当分の間ということでそれをチェックした理由はどういうわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/106
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107・昌谷孝
○昌谷政府委員 当時厚生年金に所属をしておりました組合員に対する国庫補助のあり方をそれ以上変えないというのが、この法律が生まれました当時のものの考え方にございましたので、そういう規定が置かれたというふうに承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/107
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108・林百郎
○林委員 私のほうの計算ですと、これが当分の間ということでチェックされているけれども、当分の間がかりにはずされたとすれば、政府の百分の十五の補助率がさらに下がってくる。これは原資の調整に対する補助率の問題はいろいろありますけれども、この面だけでも百分の十五というのは額面どおりにならない。当分の間あなたの言うようにこれは適用しない、チェックしてあるというけれども、当分の間を除いてもしこれを実施したとすれば、政府の補助金は額面どおり百分の十五にならないのだ、こういうことについてはどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/108
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109・昌谷孝
○昌谷政府委員 補助率の問題には直接関係はないと思いますが、おっしゃる意味はおそらくそれを国庫補助の対象としないで、総給付に対する総国庫補助をもう少し――一五%は維持されてないという御趣旨だろうと思います。それは当然そうなるだろうと思います。そうなると困りますから、附則でそれをとめたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/109
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110・林百郎
○林委員 わかりました。
それからこれも足鹿委員が十分聞かれたのですが、あなたが理財局長と主計局長とで取りきめました二月十日の覚え書きですね。これについて責任準備金の増加額というのは、今後十年間で通算すれば大体どのくらいの額になるのか。したがってその三分の一について政府保証債を持つというのは、政府保証債については何か銘柄の特定があるのか。政府保証債ということだけなのか。さらに覚え書きの中には、「期限経過後二カ月以内に政府保証債の収得により運用しなければならない」というこの期限はなぜ入ったのか。それを説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/110
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111・昌谷孝
○昌谷政府委員 今後の責任準備金の推移につきましては、この前御説明いたしました最初にお出しいたしました参考資料の十ページだと思いますが、逐年にわたって掛け金収入が出ております。三十九年度七十億から四十九年度九十億見当まで逐次上がってまいると思います。つまりこれだけの額が年々掛け金収入として上がってまいりまして、一番最後の欄に「積立金」という欄がございます。三十九年度が三百二億で四十年度が三百八十六億、その間約八十四億ばかりの増加があるように規定をされております。在来の掛け金率ですと、大体大臣がおっしゃったとおり五十億程度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/111
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112・林百郎
○林委員 昭和四十九年の積み立て金の総額は千四百五十一億とあるでしょう。この責任準備金の増加額というのは、あなたの出された資料の十ページの「収支予想表」というのがありますね。これからいって、あなたが取りきめられた責任準備金の増加額というのは、四十九年までに全部累積して積んでいけば、どのくらいの額になるだろうかということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/112
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113・昌谷孝
○昌谷政府委員 お尋ねのような計算をいまやっておりませんので、一発でお答えはできませんが、資料でごらんいただきますれば、一番下の欄に「前年度積立金」の欄があって、その次の欄へいって当該年度「積立金」の欄がありますから、この差額の累積がお求めの数字になるわけでございます。いま計算をさせてみてもよろしゅうございます。
それから引き続いてお尋ねの第二点に移りますけれども、銘柄を特定するのかどうかという御質問だったと思いますが、現在の法律におきましても、実は法律上政府保証債と申しますか、法律によって設立された特別の法人の発行する債券は、有価証券の運用として保有することを認めております。したがって現在でも政府保証債を持てる規定はあるわけでございます。今度の法律改正でお願いしておりますのはそのほうではございませんので、農林漁業団体に一種の還元融資をする場合の規定を今度の法律ではお願いしている。したがって結論だけを申し上げますと、政府保証債の中では銘柄の指定というようなことは考えておりません。ただ好ましいと思われますのは、たとえば住宅公団とか、なるべく農村に関係の深いものが好ましいわけでございますから、北海道東北開発公庫とか、それから住宅公団とか、そういった種類のものの債券を持つことが、一番性格上は好ましいと思っております。そういう指導をいたしたいとは思っております。
それから覚え書きの中に期限の規定があるのは、どういう趣旨かというお尋ねでございましたが、これは要するに前年度の増加額を確定できますのが決算確定でございまして、それが毎年度五月末だと記憶しております。それを農林大臣に提出いたしますのが二カ月後の七月末で、この三分の一を持つことは、それからさらに二カ月後の九月まで待てば、前年度の積み立て金の総体の額が確定してから優に四カ月あるわけでございますから、したがってそのくらいまでで各年度のけりをつけていこう。つまり前年度の積み立て金の増加を、翌年度の九月末までに政府保証債に三分の一振り向けていこう、そういう趣旨の期限の規定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/113
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114・林百郎
○林委員 現行法でもあなたの言うように有価証券は持てるわけですね。それを特にここで責任準備金増加額のうちの三分の一政府保証債を持たなければならないというような取りきめをなぜする必要があるのか。しかもこの期限を、あなたの言うように予算、決算の査定やいろいろな期間はわかりますけれども、そんな二カ月なんてワクをはめられなくたっていいじゃないですか。当該余裕金が出たら、その当該年度中に当該組合が適当に運営し、それで大蔵大臣に協議する必要があれば協議すればいいので、こんな額と期限まで大蔵省とあなたの間にワクを取りきめなければならなかった事情がわからないのです。しかも当該組合のほうは、このようなことをされては困る、今後このようなことをしてもらいたくないと言っていることを、なぜあなた方がされるかということを言っているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/114
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115・昌谷孝
○昌谷政府委員 御承知と思いますが、国家公務員共済組合は、責任準備金の額のうち、厚生年金の給付に必要な積み立て金相当額を資金運用部に預け入れるということが、その法律の十九条二項で定められております。それに対して、政令の附則第五条でもって、当分の間責任準備金の現実積み立て額の増加額の三分の一に相当する額を資金運用部へ預け入れると規定しております。それから地方公務員についても、いまの国家公務員とほぼ同様の法律なり政令の規定がございます。また厚生年金、国民年金につきましては、すべて資金運用部へ預託するのを原則としております。ただ預託額の増加額の四分の一をいわゆる年金福祉事業団のルートを通じて、一部還元貸し付の道を開いておるわけでございます。農林年金の場合には、同じくこういった一部政府が助成をし、法律制度として特別の法人をつくって営んでおります、全く任意の年金制度でない、半公的な年金制度としては、従来そういった積み立て金の運用について、特別の公共的な奉仕の義務づけがなかったことを特色といたしております。今回の改正の際の一連の将来の運用の検討事項として、国家公務員や地方公務員のように、原則は全一額預金部に入れて、当分の間例外措置として増加額の三分の一を云々ということでなしに、常に増加額の三分の一を、しかも運用部でなしに政府保証債――御承知のように政府保証債ということになれば、現状では平均利回りは七分二、三厘になりますから、現在の余裕金の運用の平均利回りの中では、決してそれほど不利なものではございません。そこでその程度のものは持つのが、先ほど大臣のお答えになりましたような趣旨で至当であろうということで、むしろその額を三分の一ということにきめることに意味合いがあったことと、それから同じ財政投融資計画に対する企業であっても、不利な運用部ではなくて、政府保証債であるということをきめたところにこれの意味がございます。
それから期限をきめたのも、先生がおっしゃいましたように当該年度に発生したものを当該年度に出せばいいじゃないか、これは出すようになっては困ります。やはり当該年度に発生したものを当該年度中にでなくて、翌年度の九月までの間にという意味で、年金側に有利にするためにそういうことをしたわけでございます。
なお決議がございますことは十分了承しておりますが、この打ち合わせをいたします過程におきまして、年金事務当局とも十分お打ち合わせをし、協議を重ねてまいっております。なお決議の趣旨は要するに強制的にやらないようにという御趣旨でございますから、今後ともこれが運営については決議の趣旨に沿ってまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/115
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116・林百郎
○林委員 あなたはこの農林漁業共済保険の制度と、国家公務員や地方公務員の制度と並列的におっしゃいますけれども、第一政府からの出資金の比率が全然違うでしょう。使用者としての政府、補助金を出す政府として比率をいろいろ分けて説明なさっているけれども、いずれにしても国家公務員の場合は、掛け金を見ましても、政府の出す比率は五十何%です。ところがいま審議されている制度の場合は、農業協同組合の理事者側と職員側が圧倒的に準備金の金を出しているわけです。政府は給付金の百分の十五である。数字からいうと、一億五、六千万から一億七、八千万、今度は給付が若干上がって二億でしょう。そういう比率の制度を並列的に、国家公務員のほうでも資金運用部へ回すから、この場合も政府保証債を持つのは当然だというような考え方で、そうしてこの農業協同組合の理事者や職員の出した金を、あなたがかってに――かってにといってはなにかもしれませんが、私の聞いているところでは、共済組合の総会ですか、理事会ですか、少なくともそういうものの了解なり採決を経てやったのではない。あなたが大蔵省とこの法案をつくる過程ですっかりきめてしまって、あとから報告されている。だから総会で否決されている。少なくとも厳重な警告が発せられている。国会でもそうですよ。われわれが聞き出してからあなたが言い出したので、しかもその資料すら大蔵省の局長と話し合わなければ、国会へ出せるかどうか保証はできないというようなことをおっしゃっているわけです。あなたがそんなことをやる権限がどうしてあるのですか。やるとすればなぜ大臣名義の取りきめをしないのですか。なぜ国会の審議の資料として、このことを報告されないのですか。またなぜ組合の総会で、あなたに対して厳重な警告を発せられているのですか。あなた、自分のやったことをやり過ぎだとお思いになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/116
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117・昌谷孝
○昌谷政府委員 いろいろにお考えになるのは御自由でございますが、これは農林省令に関する問題でございます。普通の省令事項でございますし、特に直接法律改正に伴う省令事項でもございません。ただ先ほどお届けいたしました資料では、関連して改正する省令事項を芳賀委員がきのう御要求になりましたので、お出しはいたしましたけれども、行政部内の農林省令の規定すべき内容の問題でございますから、私はこのような取り扱いをしたわけでございます。
なお、もちろん運営の円滑を期する必要がございますから、念のために事前に年金の当事者と十分相談いたしまして、御了解は得たつもりでおります。ただ総会の事項として、こういったことを権力的に硬直的にやらないようにという御趣旨、私もその点に十分心得て運営をいたすつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/117
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118・林百郎
○林委員 それはあなたの表現による責任準備金の増加額の三分の一というものが通計してどうなるかは別として、昭和四十九年には少なくとも一千四百億くらいの準備金ができるわけです。責任準備金の増加額という表現が使ってあるものだから、そのうちどのくらいが覚え書きに該当するようになるかは別として、三分の一ですから相当大きな額の運用についての問題なんです。しかもいままでなかったことを、政府保証債を持つということで、新たにワクをはめられているわけです。ワクをはめたことになるでしょう。しかも二カ月以内にやれということですからね。もしワクをはめたのではないということなら、前のとおりやればいいのですからね。そういうことを国会の審議のときにもあらかじめ国会に率直に報告をされる、あるいは改正要項の中でこういう取りきめがなされているのだということを言われるのが、国会に対するあなた方の謙虚な態度じゃないでしょうか。省令だから、局長のおれが何をやったって、お前たちの口を入れる範囲でないという態度がほの見えるわけです。私はあなたのそういう態度はやはり好ましくないと思います。だからあなたは組合に相談したつもりだといっても、組合のほうではとんでもない話だ、こんなことをされては困るのだという決議をされているわけです。しかも省令だからということで、省令に委任された部分は本法案の審議の範囲外だということになると、われわれの審議権というのはほんとうにあなた方から出された材料だけになってしまう。しかもあなたは給付がどうなるかということの説明だけであって、しかも具体的に給付が適用される率などはうんと少ないですよ。この問題は、積み立て金がどう運用されるかということが、国会の審議の一つの大きな柱なんです。その重要な柱の大事な部分をあなたは口をふいて黙っておられた、少なくともわれわれが聞くまでは。最近はやっと言い出してきたけれども、そういう態度は私ははなはだ遺憾だ。もう少し率直にこういう問題を出してもらえなかったかということが一つと、時間がありませんから、迷惑になってはいけませんから、もう一つ委託制度の問題です。さっき大臣は、湯河原に旅館を買ったり、熱海に土地を買ったりすることを審議するために、国がいろいろ監督権を行使するということを言いましたけれども、これは委託方式でしょう。われわれいろいろ聞いているところによると、国家公務員の共済の年金の運用については、直接運営の方式をとっておると思うのです。そうしますと、委託方式だということになると、委託された条件さえ満たしておれば、監督権が行使できないことになるのじゃないですか。こういうものに対してどういう将来監督権を行使することをお考えになるのか。われわれの聞いているところによると、湯河原に持っている向島園というのは、決してこれは農林漁業団体の職員の福祉的な条件を持っていないと聞いておる。それからきのうも御説明を聞いたのですが、七十条の一項五号の、今度改正して農林漁業の関係の団体に補助金として出すことができるというのも、農協会館の建設があらかじめ予定されているのだという話も聞いております。あらかじめこういういろいろなことが予定されていて、法案だけは局長から、いかにも社会保障制度が前進したような説明だけをわれわれが聞かされて、国会の審議を終わらすというわけにいかぬと思うのです。そういうことについてどういうふうにお考えになっておるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/118
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119・昌谷孝
○昌谷政府委員 別に省令であるから審議の対象とする必要がないとかなんとか、そういう趣旨のことを私は申し上げたわけではございませんので、ただ政府部内の省令の問題でございますから、直接私のほうから御質問もないのにお述べする機会がなかったというだけのことでございます。
それからついでに申し上げますと、先ほどの累積額は、おそらく十年間で政府保証債を持つことになる額が三百四、五十億程度になるだろうと思います。先ほどちょっと私不正確に申し上げましたけれでも、責任準備金と積み立て金とは必ずしもイコールではございません。その点は御了承願いたいと思います。
それから運用の問題でございますが、不動産を資産運用の一部に取り入れることは、インフレ・ヘッジというような意味合いもございまして、この種の制度としてはある程度そういう意味合いで是認されるべき問題でございます。先般の資料でも申し上げましたように、約六%程度が不動産として運用されております。その不動産として運用するという意味は、インフレ・ヘッジの意味を持ちますので、その不動産のあとの運用のことは第二段の問題になります。どうせ持つならば福祉に役立てたほうがよろしかろうという意味で、福祉勘定のほうで持つものもございます。この間河野常務理事から御説明がありましたように、湯河原の問題は、まだ福祉施設として確立したものではなくて、運用不動産として保有中のものを管理を委託をしておるというふうに、常務理事からもお話がございましたが、私もそのように承知いたしております。なるべく先ほど大臣がお答えになりましたように、不動産をもって運用するという場合に、そういったものが組合員の福祉なり利益の向上に役立つように運用せられることが好ましいことであろうという線で、私どもも今後とも指導いたしたいと思います。予算統制といいますか、予算については農林大臣の承認を求めることになっておりますので、その線を通じて、なるべく好ましい方向で運用せられるように御指導申し上げたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/119
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120・林百郎
○林委員 最後に、別に答えは要りませんけれども、私ども率直にいって、局長の説明をいろいろ聞きましたけれども、これは現実に準備金が全部支払われるということは考えられないわけなんで、完全積み立て方式をしていくから、こういう金はだんだん積まっていくでしょうけれども、われわれからいえば賦課方式にすべきではないか、あるいは国が社会保障としてやるべきではないか。税金やいろいろ納めておりますから、そういう範囲内でやるべきではないかというふうに考えているわけです。結局私の率直な考えとしては、こういう社会保障的な面を若干改善することによって、膨大な積み立て金を積んできて、昭和四十九年には約千四百億くらいになりますけれども、これが政府の財政投融資、あるいは政府債の肩がわりの面に使われるということになりますと、形の変っわた低所得者に対する税金というような感じが非常にしますし、われわれとしては、そういう性格を持っておるように判断しておるわけなんで、そういう点で局長も、将来この制度の検討については、形の上の文字だけの給付額や、あるいは率の若干の向上をもって、一方では膨大な積み立て金が積まれていき、その運用について、真に積み立てしておる農林漁業の職員の福祉のために使われているかどうかということが考慮されないで、膨大な財政投融資の肩がわりに回されているという制度の本質をもう少し検討されて、真に被保険者の立場に立った制度にこれをつくり直していく必要があるのではないか、私はそう思いますが、これは私の意見として述べて、別にあなたに答弁を求めているわけではありませんので、質疑は終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/120
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121・高見三郎
○高見委員長 次会は明十日午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後一時二十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605007X03419640409/121
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