1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
本国会召集日(昭和三十八年十二月二十日)(金
曜日)(午前零時現在)における本委員は、次の
通りである。
委員長 久野 忠治君
理事 上村千一郎君 理事 小澤佐重喜君
理事 坂田 道太君 理事 長谷川 峻君
理事 南 好雄君 理事 三木 喜夫君
理事 村山 喜一君 理事 山中 吾郎君
石田 博英君 臼井 莊一君
加藤 精三君 熊谷 義雄君
椎名悦三郎君 田川 誠一君
谷川 和穗君 床次 徳二君
中村庸一郎君 橋本龍太郎君
原田 憲君 松田竹千代君
松山千惠子君 三田村武夫君
川崎 寛治君 桜井 茂尚君
沢田 政治君 重盛 寿治君
前田榮之助君 柳田 秀一君
鈴木 一君
—————————————————————
昭和三十九年二月七日(金曜日)
午前十時二十九分開議
出席委員
委員長 久野 忠治君
理事 上村千一郎君 理事 小澤佐重喜君
理事 坂田 道太君 理事 長谷川 峻君
理事 南 好雄君 理事 二宮 武夫君
理事 三木 喜夫君
臼井 莊一君 椎名悦三郎君
塚田 徹君 床次 徳二君
橋本龍太郎君 原田 憲君
松山千惠子君 落合 寛茂君
川崎 寛治君 實川 清之君
長谷川正三君 前田榮之助君
和田 博雄君
出席国務大臣
文 部 大 臣 灘尾 弘吉君
出席政府委員
文部政務次官 八木 徹雄君
文部事務官
(大臣官房長) 蒲生 芳郎君
文部事務官
(大臣官房会計
課長) 安嶋 彌君
委員外の出席者
専 門 員 田中 彰君
—————————————
昭和三十八年十二月二十日
委員桜井茂尚君、沢田政治君、重盛寿治君、村
山喜一君及び柳田秀一君辞任につき、その補欠
として實川清之君、落合寛茂君、和田博雄君、
二宮武夫君及び長谷川正三君が議長の指名で委
員に選任された。
昭和三十九年二月七日
委員石田博英君辞任につき、その補欠として塚
田徹君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員塚田徹君辞任につき、その補欠として石田
博英君が議長の指名で委員に選任された。
同日
理事村山喜一君昭和三十八年十二月二十日委員
辞任につき、その補欠として二宮武夫君が理事
に当選した。
—————————————
一月二十九日
文化功労者年金法の一部を改正する法律案(内
閣提出第一一号)
国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣
提出第一八号)
二月一日
女子教育職員の出産に際しての補助教育職員の
確保に関する法律の一部を改正する法律案(豊
瀬禎一君外四名提出、参法第一号)(予)
同月三日
へき地教育振興法の一部を改正する法律案(豊
瀬禎一君外四名提出、参法第二号)(予)
教育職員免許法の一部を改正する法律案(米田
勲君外四名提出、参法第三号)(予)
一月二十七日
学童の栄養改善に関する請願(小沢辰男君紹
介)(第二一号)
同(坂田道太君紹介)(第二二号)学校栄養士
設置に関する請願(武市恭信君紹介)(第七一
号)
同(八田貞義君紹介)(第七二号)
同(桜井茂尚君紹介)(第一三〇号)
同外一件(坊秀男君紹介)(第一三三号)
同(星島二郎君紹介)(第一六五号)
同(床次徳二君紹介)(第一六六号)
同外七件(阪上安太郎君紹介)(第二〇一号)
同外四件(今松治朗君外一名紹介)(第二二八
号)
同(天野光晴君紹介)(第二二九号)
同(上林山榮吉君紹介)(第二三〇号)
同(増田甲子七君紹介)(第二三一号)
同(小川半次君紹介)(第二七九号)
義務教育施設に対する国庫補助率並びに起債基
準単価の引き上げ等に関する請願(斎藤邦吉君
外一名紹介)(第七八号)
僻地教育の振興に関する請願(斎藤邦吉君外一
名紹介)(第七九号)
僻地教育振興法の一部改正に関する請願(田中
彰治君紹介)(第一一九号)
社会教育法の一部改正に関する請願(古川丈吉
君紹介)(第二八七号)
小、中学校児童、生徒に対する通学費国庫補助
に関する請願(中澤茂一君紹介)(第一九一
号)
同(唐澤俊樹君紹介)(第二六三号)
同(羽田武嗣郎君紹介)(第二六四号)
義務教育費の財源確保に関する請願(中澤茂一
君紹介)(第一九二号)
同(唐澤俊樹君紹介)(第二六五号)
同(羽田武嗣郎君紹介)(第二六六号)
出水市の小学校施設整備に関する請願(池田清
志君紹介)(第二三二号)
は本委員会に付託された。
—————————————
本日の会議に付した案件
理事の補欠選任
国政調査承認要求に関する件
文化功労者年金法の一部を改正する法律案(内
閣提出第一一号)
国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣
提出第一八号)
文教行政の基本施策及び昭和三十九年度文部省
関係予算について説明聴取
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X00119640207/0
-
001・久野忠治
○久野委員長 これより会議を開きます。
この際、理事の補欠選任の件についておはかりいたします。
ただいま、理事一名が欠員になっております。その補欠選任をいたさなければなりませんが、先例によりまして委員長より御指名いたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X00119640207/1
-
002・久野忠治
○久野委員長 御異議なしと認めます。よって、二宮武夫君を理事に指名いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X00119640207/2
-
003・久野忠治
○久野委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。
一、文教行政の基本施策に関する事
項
二、学校教育に関する事項
三、社会教育に関する事項
四、体育に関する事項
五、学術研究及び宗教に関する事項
六、国際文化交流に関する事項
七、文化財保護に関する事項
以上、各事項についてその実情を調査し、対策を樹立するため小委員会の設置、関係各方面よりの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中、国政に関する調査を行ないたいと存じます。つきましては、衆議院規則第九十四条により議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X00119640207/3
-
004・久野忠治
○久野委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X00119640207/4
-
005・久野忠治
○久野委員長 この際、文教行政に関し灘尾文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。灘尾文部大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X00119640207/5
-
006・灘尾弘吉
○灘尾国務大臣 昭和三十九年度文部省所管予算案概要の説明をいたしたいと思うのでありますが、まず文教行政に関する所信の一端を申し上げたいと存じます。
わが国の教育は、学制頒布以来九十余年を経てますます普及発達の度を加え、その水準は世界に誇るべきものがありますが、これひとえに教育関係者をはじめ全国民の熱意と努力のたまものであり、御同慶にたえないところであります。しかしながら、近時、科学技術の発達、物質文明の繁栄に比し、精神面でのおくれが痛感され、人間性の涵養、国民精神の高揚が強く要請されております。
民族の繁栄、国家の発展は、安逸と放縦の中から生まれるものではなく、高い理想を求めてあらゆる難難に耐え、国家、社会、人類に奉仕せんとする精神に満ちた国民一人一人の不断の努力によって築き上げられるものであります。まさに、国づくりの根幹は人つくりにありといわれるゆえんであります。国の未来を託すりっぱな日本人を育成するため、広く国民の期待するところを適確に把握し、家庭教育、学校教育、社会教育を通じて努力をいたしたいと存じます。
また、幼児教育の振興、義務教育の充実、後期中等教育の拡充、勤労青少年教育の整備、学術の振興等、年来の文教施策の推進に鋭意努力を続け、さらに指導的人材の養成を任務とする大学教育については、社会の期待にこたえ得るよう改善充実をはかるとともに、大学進学志望者の急増に対しても適切な措置を講じてまいりたいと存じます。なお、わが国教育における私学の重要性にかんがみ私学振興について格段の意を用いてまいる所存であります。
それにつけても、教育の発展の基本は、教育者その人の資質いかんにかかっているのでありまして、このため教員養成について検討を加えるとともに、広く教育研究を奨励助成して現職教員の資質向上につとめ、同時に、教育者、研究者の処遇の改善に意を用いたいと思います。
さらにまた、特殊教育、僻地教育の充実、育英奨学の拡充、芸術文化の振興、教育文化の国際交流の推進などについても一そう力を傾けたいと思います。
なお、本年はオリンピック東京大会開催の年であり、この大会の成功を期するとともに、この大会を契機として、国民特に青少年のスポーツ活動を一そう奨励して、健康なからだと不焼不屈の精神を持つ健全な青少年の育成を推進する所存であります。
私は、これらの課題達成のため微力を尽す決意でありますが、もとより、文教施策の推進は、ひとり文教行政当局の力でよくなし得るものではなく、国民全体の理解と協力にまつところきわめて大きいのであります。皆様の一そうの御協力をお願いいたします。
次に、昭和三十九年度文部省所管の予算案につきまして、その概要を御説明申し上げます。
まず、昭和三十九年度文部省所管の一般会計予算額は、三千九百一億九百一万二千円、新設予定の国立学校特別会計の予算額は、千三百九十四億五千九百三十七万六千円でありまして、両者を加えた文部省所管予算額の純計は、四千百五十億五千四百二万九千円となっております。この純計額を前年度当初の対応予算額に比較いたしますと、六百四十三億円余の増額でありまして、この増加率は、十八・三彩となっております。
以下、昭和三十九年度予算案において、特に重点として取り上げた施策について御説明申し上げます。
まず第一は、初等中等教育の改善充実でありますが、この点につきましては、公立義務教育諸学校における学級規模の適正化、教職員定数に関する算定標準の改善及び学校施設の整備を推進することを重点といたしたほか、小学校第一学年から第五学年までの児童に対する教科書を無償給与するために必要な経費を計上いたしております。すなわち、義務教育費国庫負担金につきましては、学級規模の適正化をはかるため、昭和三十九年度においては学級編制の基準を、小学中学校いずれも四十九人とし、また教職員の定数増をはかるほか、充て指導主事の増員、給与改定の実施、諸手当、旅費及び教材費の増額等を行なうこととし、総額二千四十六億円余を計上いたしております。
次に、公立文教施設につきましては、引き続きその整備を推進することとし、小・中学校校舎の整備、危険校舎の改築、屋内運動場の整備、学校統合に伴う校舎等の整備、工業高等学校の一般校舎の整備を行なうほか、新たに小学校屋内運動場及び高等学校寄宿舎の整備等を行なうため、公立文教施設整備費百八十億円を計上いたしました。
また、本年度においては、小・中学校校舎の施設基準の改定を行ない、これまでの児童、生徒一人当たりの基準坪数を一学級当たりの基準坪数に改めることとしたほか、実情を勘案して、国庫負担対象の割合を八〇%に引き上げ、建築費単価及び構造比率の改定等を行なうことといたしました。
次に、義務教育教科書の無償給与につきましては、これに関する法律の成立に伴いまして、国・公・私立学校を通じ、小学校及び特殊教育諸学校の小学部の第一学年から第五学年までの児童に、全教科書を国の負担において無償給与することとしたのであります。
なお、教育内容の面につきましては、前年度に引き続き、小学校及び中学校における道徳教育の充実強化をはかるために必要な経費、各種教育研究団体助成のための経費等を計上したほか、中学校における生徒指導の強化、幼稚園教育振興等に必要な経費を増額計上いたして、おります。
第二は、科学技術教育及び学術研究の振興であります。
科学技術に関する教育研究の拡充強化をはかることは現下の急務であり、かねて努力を続けているところでありますが、昭和三十九年度予算案におきましてもさらに力を注ぐこととし、初等中等教育、大学教育等、各面にわたって、所要経費を増額計上いたしております。
まず、初等中等教育の分野につきましては、中央産業教育審議会の答申の趣旨に従い、産業教育関係の施設設備の改善充実をはかるため補助金を大幅に増額し、また、高等学校における農業教育の近代化促進にも配意し、所要経費を増額するとともに、新たに自営者養成のための農業高等学校の寄宿舎、実習施設等を拡充整備するため必要な経費を計上いたしたのであります。
科学技術者の養成については、昭和三十八年度をもって二万人の養成計画を一応終了したわけでありますが、昭和三十九年度におきましても、引き続き理工系学生の増募を行なうため、大学及び高等専門学校の充実整備をはかることとしております。すなわち国立関係におきましては、二学部の創設、十三学科の増設、二十学科の拡充改組、十二の工業高等専門学校の新設を行なうこととし、計二千二百五十五人の理工系学生の増募を行なうことといたしております。また、公立大学、私立大学に対しましても、理工系学部学科を整備する等のための経費を増額いたしたのであります。
学術研究につきましては重要基礎研究の促進をはかるため、科学研究費交付金等の増額を行ない、また国際的な学術研究の協力体制を推進するため、日米科学協力研究事業に必要な経費を増額計上するとともに、南極地域観測事業を再開するために必要な準備費の計上を行なっております。
第三は、国立学校の運営及び拡充整備に必要な経費であります。
国立学校の拡先整備を促進し、その円滑な運営をはかり、かつ、国立学校に関する政府の経理を明確にするため、国立学校特別会計を設置し、従来一般会計に計上しておりました国立学校運営費、国立文教施設整備費等の経費を新たに特別会計として経理することといたしました。この国立学校特別会計の予算額は、千三百九十四億五千九百三十七万六千円でありまして、その歳入予定額の内訳は、一般会計からの繰り入れ千百四十五億円余、借り入れ金十億円、付属病院等収入百七十四億円余、授業料及び入学検定料三十一億円余、学校財産処分収入十五億円、並びに雑収入十八億円余でありまして、歳出予定額の内訳は、国立学校運営費千百二十億円余、施設整備費、二百七十三億円余その他であります。
すなわち、国立学校運営費は前年度に比較いたしますと百八十二億円余の大幅な増額となっておりますが、教官当たり積算校費、学生当たり積算校費等基準的諸経費の増額をはかりましたほか、公立三医科大学の国立移管を含む七学部の創設、理工系の学生増募を中心とする学科の新設拡充、国立図書館短期大学及び工業高等専門学校十二校の創設、新制大学における大学院修士課程の拡充等のほか、原子炉工学研究所、アジア・アフリカ言語文化研究所及び宇宙航空研究所の創設を行なうことといたしております。
次に施設整備費につきましては、財政投融資資金及び不用財産の処分収入を財源の一部に含めまして、予算額の大幅な増額をはかり、施設整備の促進をはかることとしたのでありますが、なお後年度分について、三十億円の国庫債務負担行為を行なうことができることといたしております。
第四は、教育の機会均等の確保と人材の開発であります。
優秀な学徒で経済的に困窮している者に対して、国がこれを援助し、その向学の志を全うさせることは、きわめて重要なことであります。このため昭和三十九年度予算案におきましては、大学院奨学生の増員並びに教育特別奨学生制度の新設を行なう等育英奨学制度の拡充をはかることとし、さらに日本育英会の奨学金返還業務を推進することとして、合計八十五億円余を計上いたしております。
次に要保護、準要保護児童生徒対策及び僻地教育、特殊教育等恵まれない事情にある児童、生徒に対する援助並びに教育につきましては、教育の機会均等の趣旨にのっとり、従来からも特に留意してまいったのでありますが、本年度におきましても、一段とその充実をはかることといたしております。
すなわち、要保護、準要保護児童生徒対策につきましては、補助単価の改定をはかり、僻地教育の振興につきましては、引き続きスクールバス、ボート等について補助を行なうとともに、教員住宅建設の補助戸数の増加を行なうほか、新たに公立中学校寄宿舎運営費並びに視聴覚教育設備についても補助を行なうことといたしました。また特殊教育につきましては養護学校及び特殊学級の普及並びに就学奨励費の拡充等について、所要経費を増額いたしますとともに、盲学校、ろう学校弱視難聴教育設備及び盲学校リハビリテーション課程設備について補助を行なうに必要な経費を新たに計上いたしております。
第五は、勤労青少年教育、社会教育及び体育の振興普及であります。
国家社会の発展は健全な青少年の育成にまつところ多大であり、働きながら学ぶ青少年の教育問題は、学校教育及び社会教育の両面にわたって深く意を払うべきところであります。昭和三十九年度予算案におきましては、引き続き定時制高等学校の設備の整備、定時制及び通信教育手当の支給、通信教育用学習書の給与等に必要な経費を計上いたしましたほか、夜間定時制高等学校につきましては夜食費補助金及び運動場照明施設整備費補助金を増額計上いたしております。また前年度に引続き青年学級、社会通信教育等の振興に必要な経費を計上いたしております。
次に、社会教育は、国民の教養の向上に大きな役割を果たすものであり、その普及振興は、学校教育の充実とともに、きわめて重要なものであります。このため、成人教育、婦人教育及び社会教育関係団体の助成等につきまして、所要経費を計上いたしましたほか、特に家庭教育を重視し、新たに家庭教育学級開設に対する助成費を計上するとともに、国立青年の家の増設、公民館、博物館等の施設、設備の整備について所要経費を増額計上いたしております。
次に体育は、心身ともに健全な国民の育成をはかる上にきわめて重要な意義を持つものであります。また、明年度はオリンピック東京大会開催の年にあたり、その意義を高めるためにも、実施に遺憾なきを期することは、きわめて重要であります。
まず、オリンピック東京大会の実施につきましては、必要な施設の建設、整備並びにその実施に一段と力を注ぐことといたしました。すなわち、国立競技場の整備、屋内総合競技場の建設、日本武道館の建設、朝霞射撃場の整備並びにオリンピック組織委員会の運営、競技技術の向上等のため関係予算の大幅な増額を行なっております。
また、国民一般に対する体育の普及奨励をはかるため、水泳プールの整備に必要な経費を大幅に増額いたしますとともに、その他の体育施設の整備並びにスポーツ活動の指導者養成、スポーツテストの実施、スポーツ団体助成等に必要な経費を増額計上いたしたのであります。
また、学校給食につきましては、小麦粉についての従来の補助を継続いたすため、食糧管理特別会計へ十六億円余の繰り入れを行なうとともに、ミルク給食につきましては、生乳の大幅な使用増加を前提として所要の補助金を計上いたしましたほか、学校給食施設設備整備費補助金の増額をはかるとともに、共同調理場に栄養職員を設置するための補助金を新たに計上いたしております。
第六は私立学校教育の振興助成であります。
学校教育における私立学校の重要性については、あらためて申すまでもないところでありますが、昭和三十九年度予算案におきましても、私立学校教育の振興助成のため必要な経費を計上いたしております。そのおもなものといたしましては、私立学校振興会に対してさらに十五億円を出資いたしますとともに、財政投融資として四十億円の融資を行なうことといたしましたほか、私立大学理科特別助成費に十六位円余、私立大学研究設備助成費については、補助率を引き上げることとして九億円余を計上し、科学技術教育振興の趣旨にも沿うことといたしたのであります。
次に、文化財保存事業につきましては、保存修理及び防災施設の整備等につとめるとともに、平城宮跡の一部の買い上げ及び発掘調査を引き続き実施し、国立劇場の建設を進め、新たに重要無形文化財保持者に対する助成を伴なう等の措置を講じております。
以上のほか、国費外国人留学生の楢員及びその給与の改善等国際文化の交流を進め、新たに、ユネスコ関係団体に対する助成を行ない、また文化功労者年金の引き上げを行なう等所要経費の増額計上をはかったのであります。なお、沖繩の教育に対する協力援助費につきましては、前年度と同様、別途総理府所管として増額計上いたしております。
以上、文部省所管予算案につきましてその概要を御説明申し上げました次第であります。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X00119640207/6
-
007・久野忠治
○久野委員長 次に文化功労者年金洋の一部を改正する法律案及び国立学校設置法の一部を改正する法律案、右両案を一括議題とし、政府から提案理由の説明を聴取いたします。灘尾文部大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X00119640207/7
-
008・灘尾弘吉
○灘尾国務大臣 まず、このたび、政府から提出いたしました文化功労者年金法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。
文化功労者年金法は、文化の向上発達に関し特に功績顕著な者に年金を支給し、これを顕彰することを目的として昭和二十六年四月に制定された法律でありまして、以来今日までの間に文化功労者として決定された者は、百五十六人にのぼり、わが国文化の振興に資するところ大なるものがあったと信ずるのであります。ところで、文化功労者に支給される年金の額は、制定以来五十万円とされてまいったのでありますが、その間における国民の生活水準の向上、社会、経済事情の変遷には著しいものがあり、また、文化国家として文化の向上発達を一段と期する見地からも、この際、年金額を改定して、この法律の趣旨の達成をはかることが必要かつ適切と考えられるに至りました。
そこで、このたび年金額を百万円に引き上げることといたしました。
以上が、この法律案の提案理由及び内容であります。
次にこのたび政府から提出いたしました国立学校設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提出理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
この法律案は、昭和三十九年度における国立大学の学部、大学院及び大学付置の研究所の新設並びに図書館短期大学及び国立高等専門学校の新設について規定しようとするものであります。
まず第一は、国立大学の学部の新設についてでありまして、宇都宮大学に工学部を、岐阜大学、神戸大学及び山口大学に医学部を、九州大学に薬学部を、それぞれ設置することといたしました。宇都宮大学の工学部は、科学技術教育振興のため、国立の宇都宮工業短期大学を母体として創設するものであり、岐阜大学等三国立大学の医学部は、多年地元県から要望があり、また、所在国立大学の充実のためにも好条件のそろった県立の三医科大学を国に移管するものであります。
第二は、国立大学の大学院の新設についてでありまして、前年度に引き続き、これまで大学院を置かなかった大学のうち、学術振興の観点から特に重要な分野について充実した内容を有する学部を持つ大学に、大学院を設置することといたしました。すなわち、岩手大学に農学研究科を、山形大学に工学研究科を、東京水産大学に水産学研究科を、静岡大学に工学研究科を、名古屋工業大学に工学研究科を、奈良女子大学に家政学研究科を、それぞれ設置しようとするものであります。
第三は、国立短期大学の新設についてでありまして、近年における学術の進歩に即応する図書館の機能の重要性にかんがみ、図書館の専門職員を養成する機関として、図書館短期大学を設置することとしたのであります。
なお、この短期大学の母体であり、これまで文部大臣の所轄のもとに置かれていた図書館職員養成所は、経過措置として、当分の間、同短期大学に付置することにいたしました。
第四は、国立大学付置の研究所の新設についてでありまして、大学関係者の共同利用に供する研究所として、東京大学に宇宙航空研究所を、東京外国語大学にアジア・アフリカ言語文化研究所を、それぞれ付置するとともに、東京工業大学に原子炉工学研究所を付置することといたしました、宇宙航空研究所は、これまで東京大学に付置していた航空研究所を改組拡充したものであって、宇宙科学、宇宙工学及び航空に関する学理及びその応用の総合研究を目的としており、また、アジア・アフリカ言語文化研究所は、アジア及びアフリカの言語文化に関する総合研究並びにこれらの地域の言語に関する辞典の編製及び教育訓練を、原子炉工学研究所は、原子炉工学に関する学理及びその応用の研究を、それぞれその目的とするものであります。
第五は、国立高等専門学校の新設についてであります。昭和三十九年度から開設することがすでに決定している秋田、富山、米子、松江及び呉の五校のほかに、このたびは、苫小牧、一関、茨城、奈良、和歌山、久留米及び都城の七校を追加し、合計十二校の国立工業高等専門学校を設置し、科学技術教育振興の一環として、中堅技術者の育成をさらに推進しようとするものであります。
以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
何とぞ、以上二法案について十分御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X00119640207/8
-
009・久野忠治
○久野委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。
右両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X00119640207/9
-
010・久野忠治
○久野委員長 次に、昭和三十九年度文部省関係予算の詳細につきまして説明を聴取いたします。安嶋会計課長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X00119640207/10
-
011・安嶋彌
○安嶋政府委員 お手元にお配りしてございます事項、別表の順に従いまして、ただいまの大臣の説明を補足して説明を申し上げます。
第一ページは、初等中等教育の改善充実でございますが、その(1)といたしまして義務教育費国庫負担金がございます。
まずこの給与費につきましては、先般の国会におきまして通過成立いたしました標準法の一部改正の実施を前提といたしまして、教職員の定数を算定いたしております。その第一は学級規模の引き下げでございまして、大臣説明にもございましたように、一学級五十人を四十五人に引き下げるその第
一年度計画といたしまして、一学級の編制を四十九人にいたすことにいたしております。
次は、教職員定数の充足でございますが、これは標準法に定める目標定数に到達するためのまず初年度分を計上しておるわけでございます。備考にもございますように、明年度は児童生徒数が小中合わせまして九十一万人の減少になるわけでありますが、これに伴う学級の自然減並びにそれに伴いまする教員減を、ただいま申し上げました二つの前向きの施策でいわば埋め戻しているわけであります。その結果前年度の予算定数に対しましては四千八百一人の増員、実員に対しましては三百六人の増員という内容になっております。この増員の内容には充て指導主事、特殊学級の増に伴う増員というものが含まれておるわけであります。
二ページにまいりまして、給与内容の積算でございますが、通常の給与日給源資のほか、昨年秋から行なわれております給与改訂の平年度化分を織り込んでおります。そのほか、旅費出価の引き上げ、これは備考にあるとおりでございますが、ほかに宿日直手立の増、これは日直手当三百円を三百一十円、宿直手当三百円を三百二十円、半日直手当百二十円、これは新規でございますが、等を計上しております。その他暫定手当の底上げに必要な経費、既定予算規模の是正に必要な経営等を計上しております。既定予算規模の是正と申しますのは、これは三十八年度予算の積算と三十八年度の実際の給与費の所要額のズレをここで補正をいたしまして、それに三十九年度の前向きの要素をさらに上積みをしておるのであります。そういうものが既定予算規模の是正でございます。それから共済組合の長期給付の負担金等につきましては、若干の比率の引き上げを行なっておるのであります。
教材費は約一〇%の増ということになっております。
三ページにまいりまして、養護学校の教育費の負担金でございますが、積算は義務教育の場合とほぼ同様でございます。養護学校の新設は、十六校を見込んでおります。教材費につきましても、身体不自由児、精神薄弱児、病弱児の学校の種別に従いまして、それぞれ約一割程度の引き上げをしております。
次は、義務教育教科書費でございますが、三十五億円余を計上いたしておりますが、内容は、四十年度に小学校の一年から五年までに入学あるいは進学する児童の前期用の教科書と、それから三十九年度の一−三年の転学児童の教科書費を全額国で負担するに必要な経費を計上いたしております。四十年度の一−五年生の後期分の教科書につきましては、これは四十年度予算に計上する予定でおります。
市町村教育長の給与のことにつきましては、従来の補助方式を若干変更いたしておりまして、定額補助に切りかえたために、金額が約九千五百万円減少しております。
教育研究団体につきましては、約一億円の助成費を計上いたしております。
道徳教育の充実につきましては、ほぼ前年と同様の構想で所要経費を増額いたしております。
四ページにまいりまして、生徒指導の充実強化につきましては、前年に比べましてかなり大幅な増額を行なっております。これは青少年非行の問題等が大きな問題になっておりますので、その関連でこの関係の指導を強化するために計上したわけであります。実際の施策といたしましては、推進校を設置いたしますとか、資料を作成、配布いたしますとか、大体道徳教育の関係で従来やっておりました方式でこの関係の仕事を進めたいというふうに考えております。
次は、国立教育会館に対する補助でございまして、これは目下建設中の会館を特殊法人といたすことを前提といたしまして、これに三千万円の経常費の補助を行なうこととしたのであります。
次は、高等学校の家庭科教育の補助でございますが、前年に比べまして一千万円の増額になっております。この分は商業科における家庭科教育の設備費の補助でございます。
次は、公立の文教施設整備費の補助金でございますが、百八十億円を計上いたしておりまして、内容といたしましては、まず基準改訂であります。これは別途法案として御審議を願うわけでありますが、算定の基準を児童生徒一人当たりから学級当たりに直すということがその内容であります。次は負担対象率を七〇%から八〇%に引き上げております。したがいまして、単独事業が一〇%減少するわけでございます。それから屋内運動場につきましては、小学校分が新規に計上されております。
次に僻地集会室につきましては、中学校の寄宿舎の整備費が計上されております。従来はこれは季節寄宿舎、冬季等季節に応じて設けられまする寄宿舎の整備費について補助しておったのでありますが、今回は通年制のものをも含めまして補助することといたしております。
それから五ページの上から、三行目に幼稚園の園舎の補助がございますが、金額は五千万円でございますが、約三倍に近い増額になっております。
高等学校の工業関係の建物の整備費は、前年に比べまして若干の減少になっておりますが、これは、工業高校における生徒の増募計画がほぼ山を越しまして、終わりの段階に近づいたことによる減でございます。
それから最後に、高等学校の寄宿舎に対する補助が新規に計上されておりますが、これは僻地の生徒を収容するために設けられる寄宿舎に対する補助であります。
それから鉄筋、鉄骨の構造比率でございますが、これは五%の引き上げになっておりまして、小、中学校校舎について申しますならば、従来の六〇%が六五%になっております。建築の単価は、鉄筋、鉄骨、木造、それぞれ異なっておりますが、平均いたしまして約六%の引き上げになっております。
大体以上が骨子でございまして、金額をごらんいただきますと、義務制の校舎につきまして約二十三億円、それから屋内運動場五億円、学校統合七億円、危険校舎改築約十二億円、その辺が目ぼしい金額の表示になっております。
七ページにまいりまして、科学技術教育及び学術研究の振興でありますが、理科教育の設備の補助並びに理科教育センターにつきましては、ほぼ前年と同様な考え方で予算を計上いたしております。
その次の、(3)の産業教育の負担金及び補助金につきましては大幅な増額となっておりますが、ここで特に新規に計上されましたのは、設備費の十億円でございます。これは、昨年秋の中央産業教育審議会の答申に基づきまして設備基準の一部引き上げを行ないましたことに伴う施設補助金でございまして、答申に含まれております新品目のうち、緊急を要するものにつきまして補助をすることといたしております。これに伴いまして、一番下の行にあります特別設備費はこの十億円の中に吸収することといたしております。
次は、八ページでございますが、上から二つ目の事項に、新設学科の関係の予算が計上してございますが、前年に比べまして若干の減少になっております。これも、先ほど申し上げましたと同様、工業高校の増設計画が一段落をいたしましたことに伴う減でございます。備考にもございますように、積算内容といたしましては、三十七年度分の学年進行分のほか、三十九年度におきましては、機械、電気、工業、化学等を中心といたしまして三十三学科の新設を予定いたしております。
それから九ページにまいりまして、上から二つ目に、農業教育の近代化促進の補助金がございますが、これは、考え方といたしましては従来と変わりはないわけでありまして、農業教育を畜産、園芸、農産加工、土木の方面に充実してまいりたいという趣旨でございまして、三十九年度は従来の学年進行分のほか、七十五の体質改善、六学科の転換を予定いたして予算を計上いたしております。
その次の自営者養成の農業高等学校の拡充整備費の補助金でございますが、これは新規でございまして、農業高校における農業教育をただ単に農業技術の教授ということにとどまらず、自営者として必要な教育を施してまいりたいということで、寄宿舎と農場用の施設、設備に対する補助を計上いたしております。寄宿舎につきましては、三学年の在学年数のうち、二学年を、いわば全寮的に寄宿舎に収容いたしまして、自営者として必要な教育を施してまいりたいというふうに考えております。
次の中学校の産業教育の設備につきましては、若干の基準の引き上げを織り込んでおります。
次は、十ページでございますが、これは国立学校関係の科学技術者の養田関係の予算でございまして、大臣説明でほぼ尽きるわけでございます。
それから六番目は、これは公立大学に対する補助でございまして、若干の増額が行なわれておりますのは、これは新設分に対する新たなる補助、それから家政関係の学科を対象にしましたといったようなことが増額の内容でございます。
私立大学の研究設備の助成につきましては、金額で約一〇%の増をいたしまして、補助率と引き上げております。
それから私立大学の理科特別助成費でございますが、これも大体従来の考え方でございますが、一般の補助、これは既設のものの補助でございますが、それに家政関係を新たに加えております。そういう点が目新しいのではないかと思います。
次は科学研究の振興でございますが、金額といたしまして約一〇%の増になっております。科学研究費交付令の中には、特定研究を推進いたすために約五億円を別ワクといたしまして込めてございます。これはガンでございますとか、核融合、災害、そういった特に推進を要する分野に対する交付金を計上したわけでございます。
次は民間学術研究団体の振興でありますが、約一億円の増額になっておりまして、そのうち九千万円が日米科学協力研究事業費に対する補助でございます。その九千万円のうち四千万円が制癌剤スクリーニングセンターに対する補助でございまして、残りの五千万円がその他の日米科学協力研究事業費に対する補助ということになっております。
次は南極地域観測の再開の準備費でございますが、五千トンの観測船とヘリコプター二機の購入、その他を織り込みまして、明年春に出航する準備を整えたいと考えております。
十二ページにまいりまして、国立学校の拡充整備費でございますが、まずこの関係につきましては、特別会計の設置を予定をいたしております。まず歳入といたしましては、千三百九十四億円余を予定いたしておりますが、そのうち一般会計からの受け入れが千百四十五億円余でありまして、全体の八二%強がこの一般会計からの受け入れということになっております。それから歳入の2の借入金は、これは財政投融資からの借り入れ金であります。
3は学校附属病院等収入でございます。4は授業料及び入学検定料収入。五番目が学校財産のうち、不用あるいは効率の低いものを処分いたしました売り払い代金でありまして、十五億円を計上いたしております。六番目は、雑収入でございますが、これは農場、演習林関係の収入が主たる費目となっております。
次に歳出の主要な内容でありますが、学生当積算校費につきましては二〇%の単価増、教官研究費につきましては一五%の単価増となっております。そのほか心理学、家政学、美術、音楽といった、従来非実験として取り扱われておりました講座の研究費を実験講座に改めまして、その関係の経費の増額もはかっております。
それから十二ページの下から二行目以下は、これは新規関係でございますが、先ほど大臣から御説明がございましたような学部、学科、短期大学、高等専門学校、大学院等の新設を行なっております。
それから十三ページのまん中にロケットの観測経費が十二億円余計上されておりますが、これは前年度に比べて約五億円の増でございまして、さらに大型の機種の開発とそれから太陽の静かなる年における観測を行なうために必要なロケットの打ち上げを予定して予算を計上しております。
それから十三ページの一番下の事項は国立学校の施設整備費でありまして、二百七十三億円余が計上されておりますが、前年度に比べまして、約四四%の増額でございます。
なおこのほかに一四ページにございますように、病院の施設と鳥取大学の施設の取得関係といたしまして、国庫債務負担行為が四十二億二千三百万円計上されておりますが、このうち当年度分が三十億円でございます。したがいまして、明年度におきます国立学校の施設整備費の増額は、実質的には約三百三億円ということになるわけでございます。
それから国庫債務負担行為の一番上に電子計算機の借り入れとございますが、これは東京大学に高性能の電子計算機を借り入れるために必要な予算計上でございます。
次は教育の機会均等と人材の開発でございまして、第一が育英事業費でございますが、十五ページのまん中の備考にございますように、大学院関係の奨学生の数をかなり増員いたしております。それから十六ページにまいりまして、高等学校、大学の特別奨学生、それから高等専門学校の特別奨学生につきましては、それぞれその人員の増を行なっておりますが、新規といたしましては、教育特別奨学生という制度を新たに設けております。これは経済的な困難とかあるいは英才といったような要素だけでなく、教育に対して熱意を有する人材を吸収したいという趣旨で新たに設けたのでありまして、単価は、自宅外八千円、自宅が五千円ということでありまして、他の特別奨学生と全く同様の単価を用いております。
次は十七ページにまいりまして、学徒援護会の補助でございますが、これは庁舎及び学生会館の新営及び移転に伴う経費でございます。
次は要保護及び準要保護児童生徒対策費でございますが、基本的には要保護三%、準要保護七%ということで、従来の行き方と変わっておりませんが、単価について改定を行なっております。
教科書につきまして減が立っておりますのは、これは無償供与のほうに移行しているものによる減でございます。
十八ページにまいりまして、僻地関係でございますが、設備の補助といたしましては、従来のもののほかに録音機に対する補助を百三十三校分新規に計上いたしまして、複式学級における教育の便に供したいということでございます。
それから下から二つ目の備考に公立中学校の寄宿舎運営費の補助というのが計上されておりますが、これは僻地の児童、生徒を収容いたします寄宿舎の運営費でありまして、この運営費の内容といたしましては、食費と日用品を含めておりますが、そういった経費を町村が寄宿生に対しまして免除をいたしました場合に、その分の二分の一を国が補助するという内容のものでございます。
その次に教員住宅の建築費がございますが、これは戸数の増加のほかに坪単価の改定を行なっております。
十九ページにまいりまして、特殊教育の振興関係でありますが、設備の新規といたしましては、弱視、難聴の教育設備、それからリハビリテーション関係の設備費を新規に計上いたしておりますほかは、従来の方針に従いまして養護学校の新設、特殊学級の増設に必要な経費を計上いたしております。
二十ページにまいりまして、上から二つ目及び三つ目に就学奨励費の事項がございますが、内容といたしましては高等部専攻科を新たに補助対象にした点が従来と違っておるところでございまして、その他は食費、日用品等の単価の改定を行なっております。
それから、二十一ページに参りまして、定時制、通信教育の振興関係でございますが、考え方といたしまして従来と特に変わっておる点はございません。それぞれ単価を改定いたしますとか、補助対象学校数を増加いたしますとか、そういった改善を行なっておるわけであります。
それから、青年学級等の振興充実といたしましては、青年学級につきましては、より単価の高い補助金を出したいということで、一部単価の引き上げを行なっております。勤労青年学校につきましては、学校数の増加をはかっております。
二十二ページにまいりまして、社会教育の振興でございますが、おおむね従来の施策を継続することといたしておりますが、二十三ぺ−ジにございますように、社会教育関係団体に対する補助につきましては二千五百万円の増額をはかっております。
それから、社会教育施設の整備につきましては、約六千万円の増額を件なっておりますが、そのうち約二千八百万円が公民館関係の増でございまして、補助単価の引き上げ、設備品目の増加、そういったことを行なっております。それから博物館の関係でありすすが、これは前年度約三百十万円の予算が計上されておりましたが、これか三千三百万円に増額をいたしております。大幅な増額でございますが、県立機関、市町村立機関という予定であります。
それから、二十四ページにまいりまして、青少年団体の活動の促進、婦人教育の振興、この辺はほぼ従来どおりの積算でございますが、その次の家庭教育の振興につきましては、前年度五百万円余を九千万円に増額をいたしております。これは大臣の説明にもございましたように、全国に約八千の家庭教育学級を新規に開設をいたしまして、家庭教育の振興に資したいということでございます。
二十五ページにまいりまして、視聴覚教育の振興でございますが、約一千百万円の増額になっておりますが、このうち七百四十四万円余が視聴覚ライブラリーに対する補助の新規計上分でございます。これは視聴覚教育に対する器材の補給を行なういわばセンターでございまして、設置のおくれておる町村に対して補助をしたいということでございます。他の四百万円ばかりは、先ほど申し上げましたシート式録音機の新規補助に対する増額分でございます。
その次の芸術文化の振興に対しましては、若干の増額が行なわれておりますが、これは芸術祭関係の積算の改善をはかったものであります。
二十六ページにまいりまして、国立第三青年の家の設置費が約二億円認められております。
それから、7の体育の振興でありますが、まずオリンピック東京大会の経費といたしましては、国立競技場、屋内総合競技場、武道館、朝霞射撃場、大会参加選手練習場、日本青年館改修等の施設費を既定計画に基づきまして計上いたしておりますが、そのほか、いよいよ実施の年度でございますので、組織委員会に対する補助十二億七千万円余を大幅に増額をいたしまして、ほかに選手強化のための補助金を競技技術向上助成として計上いたしております。また、東京大会の日本の選手団の参加費の補助も二千万円新規に計上いたしております。
二十七ページにまいりまして、体育断設の整備でありますが、前年度に比べまして二億一千六百万円の増になっておりますが、そのうち二億四百万円はプールの関係の増でございまして、プールの補助金は前年度二億四百万円であったものが四億八百万円と倍増されておるわけでございます。
次は、地方スポーツの振興でありますが、約六百万円余の増額になっております。そのうち五百万円はスポーツテストの普及奨励による増でございます。
二十八ページにまいりまして、学校給食関係の助成でございますが、まずこの断設整備につきましては五億四千五百万円余を計上いたしておりまして、前年度に比べまして一億八千万円の増、かなり大幅な増になっております。内容的な新規といたしましては、備考にございますように、共同調理場四十ヵ所に対する補助が新規として組まれております。
それから二十九ページの上から三つ目の事項でございますが、ミルク給食の関係といたしまして二十六億円を計上いたしておりますが、前年度に比べますと約十三億円の減でございます。前年度の三十九億九千万円の予算の中には御承知のとおり約六億円の設備費が含まれておったわけでありますが、これはいわば臨時的な経費として当然減になっております。そのほか脱脂粉乳の量が減少いたしておるわけでありますが、その要因といたしましては、なま乳の大幅な使用増を見込んだということ、児童生徒数の自然減があるということ等がその減少の原因でございます。なま乳の使用量が一万百四十トンということになっておりますが、これは石数にいたしますと約三十九万石でございまして、このほかに定時制の夜食関係で約一万石の使用が見込まれておりますので、合わせて、なま乳使用量は約四十万石ということになるわけであります。脱脂粉乳に対しまする国庫補助は百グラム四円ということで、これは従来と変わりありません。
その次の栄養職員の設置費の補助でございますが、これは新規でございまして、共同調理場二百一カ所に対しまして、一カ所一人の栄養士の人件費を補助したいということでございます。
一つ飛びまして食糧管理特別会計へ繰り入れでございますが、これも小麦粉百グラムについて一円の補助ということでございまして、方式は従来と全く変わっておりませんが、学校給食の普及による小麦粉の使用量の増に見合う経費といたしまして八千四百万円の増を計上いたしております。
次は私学振興でありますが、振興会の出資金として十五億円、ほかに財投で四十億円を予定いたしております。振興会の出資金はこれによりまして百二十一億円をこえたわけでございます。三十ページの私学関係の事項につきましては先ほど申し上げましたので省略をいたします。
次は国際文化の交流でございまして、まず文化交流の促進といたしましては、文化協定締結国からの学者の招致を、従来のフランス、ドイツに加えまして、イギリス、イタリアについても行ないたいということでございます。ほかにフランス語の研修等を行なうことを予定いたしております。
留学生関係の経費が前年度の約二倍になっておりますが、内容といたしましては、新規招致数を百人から二百人に増加する、それから給与を二万五千円から三万円に引き上げる、それから日本に参りましたとき生時金を一人一万円支給をする、それから国内の研究旅費を学部留学生に対しても一支給する、それから、渡日及び帰国旅費を東南アジア関係だけではなしに欧米の留学生にも支給する、それから、従来国費留学生は国立大学において聴講するたてまえでおりましたが、今回新たに公私立大学に対する委託費を一人年額五十万円、二十人分を計上いたしております。これは三十一ページの一番上にございます。そのほかに工場実習費を計上いたします等の改善を行ないまして、前年度の約二倍ということに相なっておるわけであります。
その次の海外教育協力調査費でございますが、これは先進国における留学生の受け入れ状況を調査したいということでございます。
それから留学生を収容いたしております国際教育協会に対する補助の約一億円の増は、備考にありますような寮の新築費が主でございます。
次は文化財保存事業でありますが、従来の保存修理あるいは防災施設の整備のほかに、三十二ページにありますように、重要無形文化財保持者に対する特別な助成金千五百万円が新規に計上されております。
さらに、国立劇場の建設にいよいよ着手することにいたしまして七億四千六百万円余を計上いたしておりますが、全体計画の大体四分の一見当になっております。
その次は平城宮跡の買い上げ発掘調査費でありますが、買い上げの坪数は大体前年度と同坪数でありまして、発掘の面積は約二倍程度にいたしまして調査を促進したいと考えております。
その他といたしましては、先ほど御説明がありましたが、文化功労者年金の引き上げ、それに合わせまして、同時に芸術院、学士院の年金を四十万円から五十万円に引き上げております。これは普通会員の分でありまして、院長、幹事、部長等の役付につきましても、それぞれこれに対応した改定が行なわれたわけであります。
それから文部省の機構の改革といたしましては、初等中等教育局に教科書給与課を設置いたします。それから調査局に留学生課を設置することといみしております。
それから全体の状況でございますが、一般会計のほかに新たに特別会計が設けられておりますので、これを合計いたしますと五千二百九十五億円でありますが、一般会計から特別会計への繰り入れ分の千百四十五億円余を除きますと、純計といたしまして四千百五十億円余という金額になるわけであります。
以上簡単でございましたが、概略を御明説いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X00119640207/11
-
012・久野忠治
○久野委員長 以上をもちまして予算に関する補足説明を終わりました。
次会の開催予定日は二月十二日、火曜日ということにいたしておりますが、公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午前十一時三十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X00119640207/12
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。