1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和三十九年四月二十二日(水曜日)
午前十時五十七分開議
出席委員
委員長 久野 忠治君
理事 上村千一郎君 理事 小澤佐重喜君
理事 坂田 道太君 理事 長谷川 峻君
理事 南 好雄君 理事 二宮 武夫君
理事 長谷川正三君 理事 三木 喜夫君
理事 山中 吾郎君
木村 武雄君 熊谷 義雄君
谷川 和穗君 床次 徳二君
橋本龍太郎君 原田 憲君
松田竹千代君 松山千惠子君
落合 寛茂君 川崎 寛治君
實川 清之君 和田 博雄君
出席国務大臣
文 部 大 臣 灘尾 弘吉君
出席政府委員
外務事務官
(大臣官房長) 高野 藤吉君
文部政務次官 八木 徹雄君
文部事務官
(大臣官房長) 蒲生 芳郎君
文部事務官
(管理局長) 杉江 清君
委員外の出席者
文部事務官
(大学学術局審
議官) 村山 松雄君
専 門 員 田中 彰君
—————————————
四月十六日
委員松山千惠子君及び受田新吉君辞任につき、
その補欠として千葉三郎君及び鈴木一君が議長
の指名で委員に選任された。
同日
委員千葉三郎君辞任につき、その補欠として松
山千惠子君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十一日
委員前田榮之助君辞任につき、その補欠として
小松幹君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員小松幹君辞任につき、その補欠として前田
榮之助君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十二日
理事長谷川正三君同日理事辞任につき、その補
欠として山中吾郎君が理事に当選した。
—————————————
四月十五日
私立中学校及び高等学校経営助成に関する請願
(亀山孝一君紹介)(第二七七八号)
各種学校教育振興に関する請願(野田卯一君紹
介)(第二九九〇号)
私立学校振興会法の一部改正に関する請願(野
田卯一君紹介)(第二九九一号)
は本委員会に付託された。
—————————————
本日の会議に付した案件
理事の辞任及び補欠選任
私立学校振興会法等の一部を改正する法律案(
内閣提出第一二二号)(参議院送付)
学校教育に関する件
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/0
-
001・久野忠治
○久野委員長 これより会議を開きます。
この際おはかりいたします。
理事長谷川正三君から理事辞任の申し出があります。これを許可し、その補欠選任につきましては、先例によりまして委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/1
-
002・久野忠治
○久野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
それでは山中吾郎君を理事に指名いたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/2
-
003・久野忠治
○久野委員長 私立学校振興会法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑の通告がありますので、これを許します。上村千一郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/3
-
004・上村千一郎
○上村委員 私立学校振興会法等の一部を改正する法律案につきまして、要点の二、三につきまして質問をいたしたいと思います。
まず、内容の御質問に入るに先立ちまして、私立学校に対してこれを振興するということは、世論も強くこれを認め、必要を痛感し、訴えております。なお、われわれも強くそれを感じておるわけでございますが、文部御当局として、私立学校を振興させるというのは、いかなる必要を感じて振興させようとするのか、あるいはいかなる方法をもって振興策を講じようとするのかという基本的な問題につきましてお尋ねをいたしておきたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/4
-
005・灘尾弘吉
○灘尾国務大臣 私立学校の振興という問題は、年来の問題でございますが、ことに近来その声も一そう高くなったかと思うのであります。御承知のように、今日学校教育の上におきまして私立学校の果たしております役割はきわめて大きいと思うのであります。その観点からいたしまして、現在の私立学校の状況を見ました場合に、われわれといたしましても一そうその内容の充実をはかり、また活発な教育活動をやってもらいたいと念願しておる次第であります。御承知のように今日の私立学校につきましては、私立学校振興会を通じまして財政的な援助をはかりますとか、あるいは税制の上におきまして特別な措置を講じますとか、あるいは特殊の目的に対しましては国が直接助成をいたしますとか、このような方法をとってまいったのであります。しかもその内容はだんだんと充実してまいったと思うのでございますけれども、私学の現状決して従来の程度の国の援助あるいは助成等をもってしましては十分とは言いがたいものがあろうかと思うのであります。ことに私学経営の立場からいろいろ今日まで議論をせられてまいったと思うのでございますが、一面におきまして先ほど申しましたように私学が果たしておる役割が非常に大きい。つまり私学において学んでおる学生の数というものも非常に大きいのであります。そういう学生の立場、あるいはこれを学校に通わせております父兄の立場ということもよほど考えてまいらなければならぬのではないか、このように思う次第であります。一方国立学校等に学んでおります学生あるいはその父兄の立場、それと比較いたしました場合に、あまりにも負担の関係において大きな相違があるということも切実な問題として今日考えなければならなくなってきておるように考えられるのであります。私どもとしましては、当初申しましたような私学が日本の学校教育の面において果たしておる役割が非常に大きいということを基本といたしまして、いま申し上げましたようないろいろな点について再検討を加え、私学の振興についてさらに前進をするようにしてまいりたい、このような心持ちをもちましてただいまいろいろ検討を重ねておるような次第でございます。さようにひとつ御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/5
-
006・上村千一郎
○上村委員 いま大臣がおっしゃったとおり、日本の教育関係におきまして、実は在学をいたしております数の比率といい、特に大学教育などはその最といたすわけでございますが、その学生数といい、その他すべての問題におきまして私学が演じておりますところの役割というものは非常に重大なものである。しかるに私学の在学生と国公立の在学生との父兄負担というものは非常に格差があることは大臣がおっしゃつたとおりであります。こういうような点におきまして何かと文部御当局が御苦心をされておるということは非常に多といたしておるわけでありますが、ものの考え方といたしまして、イギリスなどで行なわれておりますように私学に対しまして経常費その他の問題につきましても大幅にひとつ国が援助してやろう、しかしその私学の独自性というものを考えてこれの介入はしない。要するに財政援助はするけれども、学問の独自性あるいは私学特有の伝統その他を尊重しまして、そしてこれに介入しないというような一つの大きなものの考え方までお考えになっておられるのかどうか、この点につきましてお尋ねをいたしておきたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/6
-
007・灘尾弘吉
○灘尾国務大臣 お尋ねになりました点は、いわゆる私学の振興をはかってまいります上において一番検討を要する問題ではないか、このように思っておる次第であります。日本の私学の現状からいたしまして、私学を経営するに足るだけの大きな資産を持ち、そしてそれをりっぱな人たちによって管理運営をしてもらいまして、そうして私学が経営せられているような状態とはほど遠いものが、現在日本の私学にはあると思うのであります。私学に対する援助をいたしますにつきましても、従来主としてやっておりますようにいわゆる物的施設を中心としての援助でありますればたいした問題もないかと思うのでありますが、私学の経常費、運営費等について援助をするということになりました場合に、この私学の自主性にまかせて野放しにしておいて、それでよろしいものであるかどうかという点は、われわれとしましては十分検討しなければならないと思っておるような次第であります。もとより教育の内容というふうなものにまで立ち入るべきではないことは当然のことでございますが、ただ私学の経理、こういうふうな点になりますと、国費をもって人件費その他に充てていくということになりますれば、野放しにしてよろしいものかどうかということについては、私どもは慎重に検討する必要があろうかと思うのでありまして、この点があるいは私学助成の問題の重要な問題として皆さま方の御論議もいただかなければならない問題ではないかと思うのであります。にわかに自由自在にお金はほしいだけ上げる、それを御自由にお使いくださいというところまではなかなか踏み切れないところが、日本の現状としては考えられるのではなかろうか、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/7
-
008・上村千一郎
○上村委員 ごもっともだと思うのであります。それとともに、きょうの新聞を拝見しますと東京都内におきましても無届けの、要するにやみの学校、各種学校その他につきましても全然正規の手続を踏まなくして学校なる名義を使って開設をする、その数が相当の数に及んでおるというようなことを報じております。そうしてきょうの新聞は、毎日でございましたか、詳細に報じておる事実がある。こういたしますと、私学を振興していく、そうしてそれに対して相当力を入れるとともに、またその内容に——少なくとも正規の手続すら何も踏まなくて、しかも学校なる名称を使ってそうして学校を開いている。第三者としましては、それが正規の学校であるかのごとく入りまして、そしてあるいは詐欺だとか詐欺行為にかかったというような非難が起きることは、全体の私学なり学校そのもののいわば権威と申しましょうかあるいは信頼度と申しましょうか、そういうものが低下をしておる。だから私は私学振興というものをよく打ち出すとともに、またあらゆる財政的な援助を惜しまないとともに、またそういういわばその波に便乗していって、そうして国民の期待を裏切るような行為をなすものにつきましては、相当な処置を講じてやっていかなければならないということを痛切に思い、なお本日の新聞にも大きく報道いたしておりますので、その点につきまして御当局の御見解をお尋ねしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/8
-
009・杉江清
○杉江政府委員 まことに相済まないことですが、私本日の新聞の記事を読んでおりません。おそらく各種学校に関する問題であると思います。各種学校につきましては現在認可制度がとられており、そしてまた各種学校の教育を行なっておりながら認可を申請しないものについては認可の申請を命ずる制度もございます。それによりまして必要な措置をとることはできるたてまえになっております。ただ各種学校は形態内容千差万別でございます。そしてまた各種学校認可にあたっては省令で基準が設けられておりますが、その基準に該当するかどうかという点につきましては、これはかなり判定のむずかしいものもございます。そういったことで、監監官庁も実際問題としてはなかなか認可の申請を命ずることもむずかしいような場合もございますし、監督の行き届かない面があろうと思いますけれども、たてまえとしては、そういう内容のものであれば当然認可を申請すべきだし、またさせるべきだし、そしてそのような指導監督を加えるべきものでありまして、御趣旨については全く同感でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/9
-
010・長谷川峻
○長谷川(峻)委員 文部大臣に関連してちょっと御質問申し上げますけれども、私のほうの委員を見ますと大部分が私学なんです。ところで大学急増なんかの案を新聞で見ますと、私学を六万とか国立を一万とか短大を三万とか、こういうようにして、従来も私学が非常に多かったが、将来も私学が多いと思うのです。そこで私が非常に心配なことは、いままで私学振興ということになりますと、私学出身の与野党の議員が非常に心配をして、時に文部省をバックアップして大蔵省あたりに働きかけて、財政投融資のワクの拡大をしたり、それをとることに専念し、あるいは施設設備の理科研究関係の補助金を出すようにしてみたりして、議員諸君がよく働いたと思うのです。国会の運営なりあるいは審議の過程において、どうしてもやはり従来の日本が明治時代から国立中心、官立中心できた、それがずっと抜けておりませんので、どこかでこれを振興しなければいけない、この急増期において大きな転換期にきておると私は思うのです。早い話が、議員の中でもよく話が出ますけれども、それでは一体文部省の中に私学出身の諸君がどの程度の地位におられるか、あるいは日本全体の大学生の中で私学の諸君が六割以上占めておるにもかかわらず、一体それを世話する部局というものがどの程度のものであるかということがよく問題になるのです。ですから私は、この際は大学急増等々が現実的にある事態でありますから、文部省としては勇断をもって私学全体の問題について前向きにお考えいただきたい。それが上村君がおっしゃった、ある場合には税制の問題にもなるし、私学が高い授業料をとるとか入学金がどうのこうのと新聞記事をにぎわしますけれども、早い話が、私学がどこかの人から三千万円寄付金をもらいますと千三百万の税金がつくのです。ですからどうしても四千三百万寄付しないことには三千万という金が入らないのです。ところが国立の場合には全然税金がかからないのです。そして国の手当てがそれ以上にあるということになれば、ますます私立と官立の格差がつくので、ここはぜひひとつこの際、文部省全体として私学の問題について、いろいろの法案の御審議もさることながら、それの前提としてお考え願いたいということを申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/10
-
011・灘尾弘吉
○灘尾国務大臣 私も、文部行政の中で私学に関する行政について、この辺で一つの曲がりかどにきているのじゃないか、ここいらでひとつ思いを新たにして私学の問題と取り組む必要があるのじゃなかろうか、こういうふうな考え方のもとに、事務当局にもいろいろ検討をしてもらっておるところであります。いずれ成案を得まして、また御討議を願う機会もあろうかと思いますが、なるべく早く方向を打ち出して、そして皆さま方の御意見も拝聴いたしまして、私学の振興について前進したいものと念願をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/11
-
012・上村千一郎
○上村委員 大臣が私学の振興の点につきまして強く御熱意をお持ちになられることば、私はきわめてけっこうなことだと思っておるわけであります。
次に、法案の具体的な内容に入ってまいりたいと思います。私立学校振興会の三十九年度貸し付け計画というのは一体どういうことになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/12
-
013・杉江清
○杉江政府委員 貸し付け予定総額は八十七億であります。その内訳は、一般施設費として四十二億円、理工系整備費として二十一億円、高校生急増対策費として十五億円、それから各種学校の施設費として、ただいま御審議をいただいておりますこの法案が通りますと五千二百万円、それから経営費その他の貸し付けとして約七億、以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/13
-
014・上村千一郎
○上村委員 次に、振興会の資金貸し付けの現況、それからおもな大学に対する貸し付けの具体的な金額、こういうものにつきましてお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/14
-
015・杉江清
○杉江政府委員 資金貸し付けは、三十九年度については先ほど申し上げましたが、三十八年度におきましては、貸し付け総額は六十六億円になっております。三十七年度におきましては五十一億円、こういう状況で十分ではございませんけれども、年々相当の増額を示しております。
なお、大きな大学について現実にどの程度いっておるかということでございますが、これは年度によって違います。三十八年度における状況を見ますと、中央大学においては三千万、日本大学においては四千万、法政大学において二千六百万、慶応で三千百万、早稲田が特にいろいろな事情で多くなっておりますが、二億四百万等でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/15
-
016・南好雄
○南委員 関連。大蔵省に聞くのが筋なんですが、局長に聞いたほうがよいと思いますが、いま長谷川委員から、三千万を寄付すると千三百万を贈与税とかなんとかで取られるが、国の場合にはそれがないのだ、こういうお話であります。私税制のことはしろうとですが、一体これは税法上そういう特殊規定があるのか。よく民間では財産隠匿のために寄付したようなかっこうにするが、脱税の疑いがある。これは徴税上の技術なのか、制度のしなのか。国とか公法人とかいっても、これは性質は違っても同じ取り扱いであるべきだと思います。そんなことくらいは文部省は大蔵省に話をして解決できそうなものだと思います。これはいずれ大蔵省を呼んでここで詰めますが、大臣はそんなこまかいことは御存じないと思いますが、局長は事務官僚の立場として、公法人である以上は差別があるべきではない。ただ、たまたま悪い民間人が脱税のためにそういうことをするが、これは制度ではなくて脱税に対する特別措置であって、寄付は三千万を国立に出すものも学校法人の早稲田大学に寄付するのも税法上に区別があってはおかしいと思います。突き詰めて研究されたことがありますか。そういう奇怪な事実がもし世の中に存在するならば、そういうことこそ私学振興の上から見ても、曲がりかどにこないでも、文部省としては、すでに解決をしておらなければならぬ問題のように思うのです。私は初耳なんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/16
-
017・杉江清
○杉江政府委員 先ほど長谷川先生からあげられました具体的例につきましては、これは一般にはそういうことはあまり起こらないのであります。ただその会社なり個人なりが寄付する場合におきます所得との関係等によって、そういう場合もあり得ると思います。ただその例は私は相当特殊な例ではなかろうかと思っております。現在法人税関係におきましては、一般の法人に対する寄付金について、ある程度損金算入が認められております。それは資本金の千分の二・五、所得額の百分の二・五との合計額の二分の一、これまでは損金算入が認められておりますから、税金はかからないわけです。それを越えると税金がかかる。それからまた指定寄付金の制度等があります。これは施設とか校地に対する寄付金の募集について、大蔵大臣の指定を受けますと、これは全額損金算入になります。だからこれらのものについては、損金算入の範囲内においては税金はかからない。それから指定寄付の指定を受けた範囲においては、全額損金算入になる。しかしそれを出る場合と、いまの指定寄付の制度によらずして一般に寄付する場合に、その制限を越える場合には相当税金がかかる。だからその辺は個々具体的な問題として判断されるわけです。それから所得税関係におきましても一定の制限がありまして、それまではある限度によって税額を控除される制度があります。しかしその制限がかなり低いものでありますから、それを越える場合は相当の税金がかかる。これも人によってどの程度の税金がかかるかは異なってまいります。
こういう状況でございますが、国立学校に対する寄付の場合は、これは全部免税措置がとられるということになりますが、ただその際ちょっと一般に誤解があると思われますのは、たとえば東京大学に寄付する。もし直接寄付したら、これは東京大学の施設ないしその他の経費に充当することにはならないのでございます。その場合には国の一般歳入に入ってしまう。そうしてもし必要ならば国の予算としてその経費を見る。こういうことになってきまして、その番付金が直ちに当該大学の必要経費に充当されるという制度にならないのであります。もしある特定の大学に寄付しようとするならば、これは直接その大学に金を渡したのでは、そういう目的が達せられませんから、多くの場合は後援団体をつくるわけであります。後援団体が金を集めて、その後援団体が建物を建てて、そしてそれを寄付採納する。その場合の、後援団体が金を集めるときには、これと同じ取り扱いがなされておるのでありまして、その間には差別はないのであります。だから確かに国の場合は、それは一般論として言えば免税される。しかしその趣旨は税金と異ならない。一般歳入に入ってしまうんだから、その性質は税金とほとんど同じだ。こういう趣旨において免税措置がとられておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/17
-
018・南好雄
○南委員 局長の答弁は非常に何というか、ほんとうの事務官の返事のような気がするのです。私学には補助金という制度もある。なぜ国に——南株式会社が一億国に寄付して、その一億の金を文部省があっせんして早稲田大学にどうして寄付できないのですか。補助金を出さないのですか。国に出すから免税をする。しかしその金は必ず東京大学にいったり、京都大学にいったりするでしょう。要はただ税金を出さぬために、一応一般会計に入れる形になるだけなんだ。一般会計から補助金も出ておるのですよ。東京大学に対する補助金は、一般会計から文部省を経由して出ておるのですよ。それが東京大学に寄付しても、京都大学にいって全然東京大学にいかぬのであるならば、御趣旨の説明にも一応筋が通る。それではただトンネルじゃないですか。そんなことをして、国立のものに無税で、学校法人の場合には贈与税をかけるなんということをやるのは、明治の官学独善主義の徴税の方法であって、今日のような状態においては、文部省は主計局に行って、この一億円は一般会計に入れてください、この金は早稲田大学に寄付をしたいのだ、補助金として出すかと言って、どうしてあなた確保できないのか。そんなことは幾らでも話せばわかることで、やってやればわかることなんだ。一億円も出して、三千万も五千万もそのほかに税金を取られたら、だれも出す人おりませんよ。どうして国立と私立と——一方は補助金なんだ。一方はただ国がやるということだけなんだ。私学には全然補助金がないというならいいですよ。補助金という制度があるのですから、話し合いによっては、税金を出さずに、補助金で、文部省から早稲田大学でも慶応大学でも幾らでも補助金出せるじゃないですか。そうすれば税金が要らないのだという取り扱いは——あなたにそういうことを聞いてもしようがないのですが、今度大蔵省の主税局長なりをぜひ次の機会に呼んでいただきますが、私どうしても納得できない。学校法人に対する寄付は、官学であろうが私立であろうが、私は区別があるべき筋合いのものではないと思う。ただそこに脱税の疑いがある場合には、これは国に対する一般会計の帰属であっても、調べて取り締まらなければならぬ。これは私立に寄付するからとか国に寄付するとかいう区別じゃない。それは脱税という事実に対する平等の取り扱い。しかし寄付金である以上は——いまあなたがおっしゃったことくらいは私は知っておる。それは三年ほど前にぼくらやかましく言うて直したものだ。しかし今日は科学振興の時代ですから、理科系統と科学系統のほうには、国もつらいのですから、どんどん寄付さして、補助金を出してやったらいいじゃないですか。そんなことくらい、文部大臣幸いいらっしゃるが、あなた大蔵大臣と話して、一般会計に入れて、そうして特殊補助金の形で出してもらって、私学振興に使ったら、むだな税金なんというものを払わないで済む。そういうわざわざ法律をつくったのもそういうところにある。脱税の場合は別ですよ。これは悪いことしているのですから、取り締まるのはあたりまえだ。しかしそれが正当に出されるのでありましたならば、当然補助金の形で新例を開いて、将来やってもらわなければならぬことだ。そうしないとほんとうの私学振興になりませんよ。ぜひひとつこれは大臣、あなたの政治的責任をかけて、私立大学であろうが官立大学であろうが、財界の浄財というものは——元来そういうものに税金をつけるべきものではない。国の一番基礎になる大事な青少年の教育なんでありますから、私立に対する場合には、税金が三割も四割もつくというような、そんなばかなことをいままで見のがしているのがおかしい。そんなことどうして大蔵省と交渉できないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/18
-
019・杉江清
○杉江政府委員 学校法人に対する寄付について、これは現在の税の減免措置を大幅に引き上げるべきである、こういう点については全く同感でありまして、年々その努力を続けておるわけであります。またそれによりましてかなり減免措置の幅が広がっておりますが、なお今後とも大幅にこれを進めていかなければならないと思います。ただ私あえて申しましたのは、国立学校に対する寄付金は、そのままでは当該大学の施設整備に直接結びつかないのでありまして、一般会計に入ってしまうのであります。そこで実際に国立学校の建物を寄付によって建てるような場合は、私学と同じようにして、あるいは指定寄付金の制度その他の税の減免措置の適用を受けて、後援団体が集めて、そして現物給付をするわけです。そのときには区別がございません。しかしそういうふうな寄付金一般について、これは大幅な税の減免措置を進めるべきことは当然だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/19
-
020・南好雄
○南委員 私の言った説明の回答にならない。それは国立に出しても私立に出しても、税法の二項目の合算の半分というものは、これは区別がないはずです。これはあなたがどう説明されようとぼくは知っている。しかしそれが東京大学なら、百億の会社が十億寄付しても一般会計に入るからそれは税金がかからないのだ、事実はこれは東京大学の理化学の実験所を国が建てるのだということで、その十億は生きていくのだ、税金もかからないのだという、そういうところにぼくは文部官僚の考え方の間違いがあるのだと思います。早稲田大学へ補助金を十億円出して、なぜ文部大臣の持っている権限で、この金は早稲田の理工科の設備をやるためにみな寄付したのだから、一般会計に入れてもこれは補助金として出してくれ——どうして国と私立とそんなに区別するのですか。私は根本的に、国立には税金をかけない、私立には税金をかけるというその考え方が、大蔵省であろうが、文部省であろうが——文部省はそれがあたりまえのような考え方をしていらっしゃるなら、それは明治時代ですよ。そんな考えはないはずです。ぼくはそんなことがいままで通ってきたのは奇怪しごくなんです。そうでしょう。そんなものなら学校の経費だって官立にはどれほど国が補助しているか。その上にまた個人の寄付まで何か妙な理屈をつけて、一般会計に寄付をするからこれは原則としてやらぬでもいいのだか——やらぬ例があったですか。そういう例はぼくは一つもないと思う。私が一応寄付して東京大学へやれ——ただ帳面のつけ方だけじゃありませんか。なぜその帳面の例が——私立に全然補助金の制度かないならそれはしようがありません。新しい制度をつくらなければならぬ。いままでの官僚のやり方ではむずかしい。しかし私学振興の補助金というものが現にあるじゃないですか。そうしたら一般会計に入れた金でも、どうしてそれをトンネルにして私立へ持っていけないのですか。無税の扱いを受けるには当然文部大臣も局長も精力をふるってやってもらわなければ、どうして私学振興の目的が達せられますか。こんなことがいまごろここで議論されるなんてぼくはほんとうにおかしいと思う。大先輩の長谷川君やなんかがいっぱいいらっしゃるのに、いままでどうやっていなかったのか、ぼくば非常に疑問です。ぜひひとつこの点に明快に回答をお願いしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/20
-
021・灘尾弘吉
○灘尾国務大臣 お話の御趣意はわれわれの立場からいえばまことにごもっともなんです。そのとおりだと思います。ただ、よく御承知と思いますが、大蔵省のものの考え方はまたわれわれとは違うのであります。したがって、従来学校教育事業はもちろんのことでありますが、あるいは社会福祉事業その他の公益的な仕事に対する税金の問題につきましては、そのほうの当事者はみな熱心に大蔵省に要望しているのでありますが、それがなかなか通らないというのが今日までのお互いの嘆きであったと思います。文部省は従来ともこの問題には無関心であったわけではないのであります。大蔵省にはしじゅう当たっておりますが、なかなかこの壁が破れないというのが嘆きであります。したがって、先ほど私が申しました私学に対する援助あるいは助成ということを考えます場合には、税の問題についてはもっと思い切った考え方をしてもらわなければならぬという考え方を私はいたしております。したがって、いまの御質問はおしかりであると同時に御鞭撻とも伺ったのでありますが、その面につきましては私は極力努力してみたいと考えておりますが、取るものは取る、出すものは出すというのが大蔵省の考え方であります。従来からその問題については年来関係者の間には議論のあった問題で、幾らかずつは改善せられたとは思いますけれども、いままでのような程度ではなかなか私学の健全な育成ということはむずかしい、こうも思いますので、税の面につきましては十分研究いたしまして大蔵省とも当たってみたいと思っておりますが、また御協力もいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/21
-
022・南好雄
○南委員 ぜひ次回の委員会には大蔵大臣、主税局長、文部大臣とそろえていただいて、そして共同でぼくらが当たります。こんなばかな話があり得ることじゃないと思う。ぜひひとつさようお取り計らいのほどを委員長にお願しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/22
-
023・久野忠治
○久野委員長 さよう処置いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/23
-
024・上村千一郎
○上村委員 いまの問題につきまして長谷川委員、南委員からいろいろと御質問をいたしました。実は先ほど文部大臣が私学振興の問題につきまして、曲がり角に来ておると言われた。と申しますのは、ひとつ本腰を入れて全体的な総合的な対策を講じなければならない段階にきておる、こういうことに相なると思いますし、また万般の施策というものが人つくり政策の基盤のもとに立つことは当然でなければならぬ。そういうような点にもっと政府が考え方の基調を少し変えれば、税の問題は簡単に処理がつくものだと思うのであります。たとえば私学の経営自体につきまして金を出し、そして干渉をしないというような大きな政策のもとにいこうとするとなかなかむずかしいが、いまの税務関係だけの処理をしていく際におきましては、これのやりようによっては簡単にいくわけでありますので、ただいま南委員が強くお訴えをいたしましたこの点につきましては、ひとつぜひ強い御意図のもとに、先ほど大臣のおっしゃったような最も基本的な総合的な私学振興の政策をこの際確立していただきたい、こう思うわけであります。
次に各種学校の学校の学校数、生徒数その他の概況につきましてお尋ねをしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/24
-
025・杉江清
○杉江政府委員 各種学校の学校数は七千八百二十校でございます。在学生徒数は百三十七万でございます。その設置音別を見ますと、私立が圧倒的に多いのでありまして、七千八百のうち七千四百八十校は私立でございます。その次に公立が二百七十六校、国立が五十八校、こういう状況になっております。教育内容について心しますと、これは千差万別でございますが、多くのものは実際社会において職業に必要な技術の習得、これが大部分を占めております。しかしそのほか、たとえば補習学校とか朝鮮人学校とか、特殊のものもごくわずかながら含まれております。それから入学資格等でございますが、これは義務教育修了をもって資格としているものもあれば、高等学校卒業というものもあれば、またそれ以上の入学資格を持っておるものもございます。いろいろ千差万別でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/25
-
026・上村千一郎
○上村委員 次に、各種学校の融資対象となる学校は、具体的にどんなものかという点についてお尋ねしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/26
-
027・杉江清
○杉江政府委員 各種学校のうち、今回融資の対象といたしますのは、まず法人立のものに限っております。それはその経営形態という点から、一そう公共性が高いという判断に立ったわけでございます。内容からいいますと、理工系のものに限っております。なお、理工系といいましても、その範囲はあいまいでありますから、政令において具体的にその範囲をしぼっております。法人立ということで非常にしぼられ、しかも理工系、しかもその中をなお具体的にしぼりますので、実際に補助の対象に一応なり得る各種学校としては、私どもでは約三十校程度だろうと思うのです。しかもそれも補助基準に該当するものを一応推定いたしますと、おそらく二十校以下になろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/27
-
028・上村千一郎
○上村委員 法人立に限定したほうがいい、また理工系というふうに限定したほうが、いまのところこの私学振興の融資対象とする場合においてはよろしい、こういうふうにお話しですが、いろいろと御苦心の要ることであろうと思いますのは、各種学校というのは非常に数が多いし、また内容におきましてもきわめて複雑であるというような点もあるから無理もなかろうと思いますが、大体法人立と法人立でない各種学校というものの割合はどのぐらいになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/28
-
029・杉江清
○杉江政府委員 法人立は全学校数の大体一割でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/29
-
030・上村千一郎
○上村委員 なお、各種学校制度について文部省は何か改善策を持っておられるかどうか。実はきょうの朝の毎日新聞を局長はお目通しになっていないということですから、ひとつ目を通しておいてください。これは具体的な問題が出ておるし、しかも数まで出ておる。これは私学振興というものがほんとうに重要な段階にきておる。しかも国政の中で占める文教政策の重要度というものはますます高くなっておる。しかもその人つくり政策の中で、教育制度の中で私学のウェートはますます高くなってきた、こういうようなことで委員各位においてもほんとうに熱意を持って御質問をしておるゆえんのものだろうと思うのです。そういう際において、私学の振興というものを画期的にあらゆる部面で検討し、そして総合的な、基本的な施策を打ち出す時期に来ておる。これは文部大臣もおっしゃったとおりであり、われわれも強くそのことを感じておる。そうする意味において施策を推進しなければならないとともに、その対象となる私学の内容その他いろいろな問題についてはまた別途に検討を要する。これは各文教部会におきましても、また文教調査会その他におきましても、いろいろと論議のあることは文部御当局も御承知のとおりかと思うのであります。そういう観点から、この各種学校制度について文部省はどういうような改善方途を考えているのかということ。特に私学振興会が融資対象を各種学校へ広げていったというような観点から考えまして、特にこの各種学校制度につきましても、文部御当局としては相当な御方針というものを確立しなければならない時期に私は立ち至っているのではなかろうか。こういう意味におきまして、改善の方途をお考えになっておるのか、それとも現状でよろしいとお考えになっておるのかどうかという点につきましてお尋ねしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/30
-
031・杉江清
○杉江政府委員 各種学校は、現在法律の規定も少なく、その内容につきましても、先ほど申し上げたように、千差万別でございます。中にはいわゆる学校と言い得るかどうか疑われるものも相当ございます。一方各種学校のかなり多くの部分は、社会の実情に即し、社会が要求する職業に必要な技術の習得に非常に大きな功績をあげている、青少年の教育のために非常に大きく貢献している、そういうようにいろいろありますので、これを全部いまのままにしておいて、その振興策を考えるということはかなりむずかしい。また税法上等の恩典を与える場合にも、この各種学校の制度がいまのようにあまりに多種多様にわたっておる場合には、その扱いがむずかしいという事情がございます。そういった観点から、実はいつも問題になりますのは、税法上の特典について現在各種学校のうちある制限を設けて、その税法上の特典を与えておるわけですが、特典も現状のままであればもっと圧縮せざるを得ないという税務当局の意向も出されております。また臨時行政調査会では、この各種学校を何とか制度的に改善すべきだというような意向も示されております。そこで私どももこの各種学校の制度改善については研究を重ねております。
ただ、現在中央教育審議会において後期中等教育の問題が審議されておりますが、この各種学校は後期中等教育の一翼をになうものでありまして、この制度改善はそういった観点からも考えらるべき課題であると思います。なお、この後期中等教育に関係しないそれ以外の分野も相当ありますので、その改善は別途検討されなければならぬと思います。そういうことで、現在、確たる成案はまだ持ち合わせておりません。いろいろ検討いたしております。ただ事務的な検討の段階におきましては、先般臨時行政調査会から示されましたような、あの意見をおおむね妥当だと考えております。それは各種学校のうち、特に社会の必要にこたえ、今後これを国としても特に助成していくべきだ、そういうものを集めて、制度化してそれを特に助成していくという考え方が成り立つものと私どもは考えております。その内容としてはやはり職業技術ということで一つ縛るべきじゃないか、それから設置者としては法人立ということで縛るべきじゃないか、それから修業年限についても、あまりに短期なものは一応はずして考えるべきじゃないか、それからその他、授業の形態、教官組織等についても一定の基準を設けて、それに該当するものは、いまの各種学校とは違った制度としてこれを育成するというような考え方は、私どもも一つの有力な考え方ではないかと考えまして、いま検討を進めている段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/31
-
032・上村千一郎
○上村委員 きわめてけっこうなことだと思います。実はきょうの毎日新聞に、「モグリ学校の怪」という見出しで三面にこんなに大きく一ばい出ております。私は各種学校についてちょっと感じたことは、一般の方々が各種学校を信頼して入学手続をする、そうすると、これは真相を調べたわけじゃないけれどもが、三万円、四万円と入学金を取る、入ってみたってもぐりで、しかもそれに対して有力な方々の名前が出ておるから、みんな信頼して行くのです。さもなかったら、世の中にはそうみんなだまされたり、しまったと思うようなことはないはずです。そういう際に、今後いわゆる成規の手続も何もしなくて、もぐりでやったような学校について、知らなければ別だけれども^知って名前を連ねたという方がまたよそにもそういうことをやるというような場合に、一回リストをつくっておいて、次に申請が出てきたようなときには、前にそういうようなことがあったような場合においては、特に注意をするとか、あるいは場合によれば、そういうような人らが名前を連ねてくるような場合においては認可しないというようなことは、行政的措置として、また行政指導として簡単にできるのじゃないかという感じをぼくは持っておるのですよ、むずかしい考えでなくて、実際問題として。その点は何かお考えか、あるいは御意見でもあれば承っておきたい、こう思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/32
-
033・杉江清
○杉江政府委員 そういうふうな事例は相当あると思います。やはり何とか規制措置を考えるべき課題であり、ひとつ今後とも十分検討したいと考えております。ただ、いま私立学校一般に国の規制はできるだけ差し控える、こういう基本原則がとられております。ことに各種学校については、実際問題として目が届かないということもありまして、現状においては相当むずかしいことでありますけれども、しかし、これはやはり今後十分そういうことのないような措置を検討すべきだと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/33
-
034・上村千一郎
○上村委員 もう一点だけ御質問しまして私の質問を終わりたいと思うわけでございますが、次に、私立大学の研究設備に対する国の補助に関する法律の一部改正でございます。従来の補助率が二分の一以内であったものを三分の二以内に改めようとする、私は非常にけっこうなことだと思います。私立大学における研究設備も次第に高度のものが必要となってくる実情、なお整備には多額の経費を要するという実情におきまして、この補助金の補助率を引き上げたということは、私立大学の財政負担を軽減するという意味におきまして、きわめて喜ばれておる改正である。現在の段階で、具体的に、おもな大学の研究設備の拡充につきましての計画というものは、文部当局においておわかりになっておりますか。もしわかっておりますればお尋ねしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/34
-
035・村山松雄
○村山説明員 私立大学の研究設備の補助金につきましては、大学の設備充実計画をもとにした申請に基づきまして審議会で査定をして補助をする、こういうたてまえになっております。したがいまして文部省といたしましては、この補助金に関連なく、私立大学の設備充実計画一般を十分承知しておるということではございませんけれども、少なくとも、この補助金の申請に関する限りにおきましては、各大学が具体的にこういう設備を整備したいという計画書を出していただきまして、それに基づいて設備費の補助金を出しておる実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/35
-
036・上村千一郎
○上村委員 この私立学校振興会法等の一部を改正する法律案はきわめて前進しましたとたろの改正案でございまして、私はきわめてけっこうなものだ、こういうふうに思っておりますが、この機会に、先ほどしばしば文部大臣がお話しになりましたように、私学振興につきましての基本的、総合的な施策にぜひ取り組んでいただきたい、そうしてこれが国民の期待に一刻も早くお沿い賜わらんことを念願いたしまして私の質問を終わりたいと思います。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/36
-
037・久野忠治
○久野委員長 次に、文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
質疑の通告がありますのでこれを許します。山中吾郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/37
-
038・山中吾郎
○山中(吾)委員 私の質問をする前に、いま私学関係の質問が与党からございましたから、私のほうからも要望しておきたいと思います。
大蔵省の考えは、憲法の八十九条の関係から、全面的免税はできないという解釈をしておる、これは明らかなんです。予算委員会の一般質問のときに、田中大蔵大臣が私の質問に対して、局長が耳打ちをされたあと、宗教団体その他の関係において、私学教育関係についてもやはり全面的免除はできないので、という答弁をしております。そこでそれに対して、私学も官立も、これは教育基本法の支配のもとにある日本の戦後の教育制度と、私立学校法という法律ができて、公共性を第一条にうたい、公の支配に入るということが法的に解決をしておるので、完教団体、事業団体と同列に考えるのは間違いじゃないかという論議をしております。したがいまして、委員長にお願いいたしますが、これは田中大蔵大臣、主計局長にどうしてもここに来てもらって、ここで論議をしないと、おそらく文部大臣がいままでと同じような交渉のしかたでは水かけ論に終わって、そうして解決しないのじゃないかと思うので、南委員から要望もありましたとおり、委員長の政治力によってこれはどうしても大臣と主計局長を呼ぶ、呼ばなければほかの委員会はやらないというくらいな決心でひとつ呼んでいただきたいと思いますが、委員長から御答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/38
-
039・久野忠治
○久野委員長 先ほど南委員、ただいま山中委員より御要望の件については、でき得る限り努力いたしまして善処いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/39
-
040・山中吾郎
○山中(吾)委員 それから文部大臣に関連してお願いいたしますが、私学の問題については、国の補助を多くすることによって現在の企業化しつつある私学に対する文部大臣としての良識のある正しい批判もしなければならない非常に根本問題があることを私は理解をいたします。そういう問題があるので、国の補助でなくて融資の関係と、個人が教育事業に対して私財を投ずるという美談に対して免税をするという、こういうことだけは徹底的に進めるべきじゃないか、それは私学に対する国の考え方というものについての疑問を解決したあとにすべきでなくて、それ以前にやるべき政治的な問題であると私は思うので、補助の強化ではないのですから、全面的な免税と融資の関係はそういう解決以前の日本の教育振興のための政策だと私は思うので、その辺については御疑問がないと思いますが、そういうお考えのもとにこの問題を解決するよう特別の努力をさるべき問題だと思いますが、御意見をお聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/40
-
041・灘尾弘吉
○灘尾国務大臣 私学振興方策として、いまお述べになりました免税の関係あるいは融資の関係、これはもう筋道としては私は問題はない、その方向で、もっともっと充実することに努力したい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/41
-
042・山中吾郎
○山中(吾)委員 私学関係はこれで関連質問はやめます。
そこで、外務省の官房長おられますか。——二十日ほど列国議員同盟の春季総会に私は派遣されて参ったのですが、そうして数カ国の在外公館の人々といろいろとお話しをしたときに、外交官の方々の一番大きい悩みは、日本人としての子弟の教育である、そうでない商社の方その他についても子供の教育ということが一番の悩みである、これはもう異口同音に述べられてきておりました。そういう子弟は帰化をするのではないのでありますし、また向こうでは向こうの学校の中で教育を受けても、日本の教育課程の中で育つわけではないし、日本語を十分に教えることはできない、しかし大学はせめて日本の大学を出たいというときに、資格の問題から力の問題、どうにもならない、こういう話を承ったので、これは予算の問題でなくて、日本の文教政策の忘れておる気のつかない穴であると私は考えてまいったわけであります。そこで、直接そういう在外邦人の人々のことについて責任のある外務省では、こういう問題についていままで何らかの措置をされる努力をされたのか、あるいはそういう教育施設についての具体的なある程度の計画を、今後実現をするための計画をお持ちになっておるのか、これを先にお聞きいたしたいと思うんです。文部大臣はひとつお聞き願っておいて、最後に御意見をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/42
-
043・高野藤吉
○高野政府委員 これからますます外国で働かれる日本人の方が多くなりまして、外務省のみならず各界の方々が外国に行かれましていろいろ働く、そうしますと子弟の教育ということが一番頭にくるわけで、問題になるわけでございまして、外務省といたしましても、外務省員ばかりでなく、ほかの業界の方、ほかの各界の方の子弟の教育ということは前から考えておりまして、現実には現在台北及びバンコックには、文部省とも御相談いたしまして日本人学校をつくっております。それから今年度の予算におきましてデリーとラングーンにやはり同じような規模の日本人学校をつくりたいと考えておるわけでございまして、ヨーロッパ、アメリカにおきましてはそれほど希望がございませんが、特に東南アジアにおきましては非常にこの希望が強いのでございまして、今後とも文部省、大蔵省とも御協議いたしまして、いままでないところも逐次ふやしていきたいと考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/43
-
044・山中吾郎
○山中(吾)委員 官房長のお考えと在外の人々の考え方に食い違いがあるように私は聞き取ってきたわけです。先進国地域においては日本人だけの学校は認可にならない。後進国はある程度なる。日本は中進国か先進国か知らないが、朝鮮人学校は認めておるが、一般に先進国においては外国人だけの学校の認可はなかなかできていない。したがっていまお話しになった後進地域についてはあるけれどもヨーロッパ地域にはないというのは、向こうで認めないからじゃないかということが一つ。それからかりにそういうことが認められても、教員をこちらから派遣をしても帰国をしたときに身分の保障がないからなかなか先生は来る人がない、こういうことも言っておられる。それから小学校くらいまでは日本語その他も家庭教育で母親ができるが、中学校からは、中学課程、義務教育の最終課程だけは日本の国内でしてもらいたい、そうして三カ年は親元から子供を離すことはわれわれはもう少しも心配はない、日本の国内に在外邦人子弟のための国立の中学か、まあ都立中学でもいいが、そういうものをつくって、全寮制をとって、そうして教育をする、そうでないと事実上日本の大学には入れない、現在の競争試験の中では。こういうことを言っておるのですが、そういう実態を外務省は把握をされて対策を立てておられるようにいまの答弁では聞き取れない。これは官房長がそういう相当の責任者とすれば、少し迂遠だと思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/44
-
045・高野藤吉
○高野政府委員 ヨーロッパないしアメリカにおいていわゆる正規の外国の学校を建てるということは、なかなか困難な問題ではないかと思います。それからまたそういう外国、ヨーロッパないしアメリカについては、まあ親御さんも大体そこの学校で一応満足して通学さしておるという面と両々相まちまして、とりあえず一番希望の多い東南アジア等に逐次学校を建てております。
〔委員長退席、上村委員長代理着席〕
しかし今後まあヨーロッパないしアメリカにおきましてもそういう声が出てまいりますれば、これはある程度考慮していかなければならぬと思っておりますが、現在のところはやはり東南アジアが一番声が大きいという実情でございます。
それから日本における教育でございますが、これは御指摘のように一番困りますのは、中学校までは一応義務教育で、在外から帰ってまいりましても入れるのでございますが、高学年になりますと途中から帰ってきますと、なかなかいい学校−いい学校といいますか、入れない。どういう学校でもなかなか入れないという非常な悩みがございますので、その点は得り寄り文部省とも御相談いたしまして、在外から帰ってきた子弟のために何か特別の方法を講ずる、特別の制度を考えたいということを、目下考究中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/45
-
046・山中吾郎
○山中(吾)委員 東南アジアだけが声があるというのは、これは事実に反しているじゃないか。というのは向こうではアメリカン・スクールやいいろいろなところに入れておるのですが、それがいま話されたように日本の大学やいい学校には入れないということを言っておるわけです。学資も向こうでやると一万五千か月二万くらい要る。したがってこちらに子供を渡して国で教育してもらっても学資は同じだというんですね。そういうふうなことで、その外地につくってくれということは希望してなかったですね。日本の国内でつくってやらなければならない。で子供を手放す。私は特にそういう教育的な立場から意識的に聞いて歩いたんです。あなたの外務省の感覚とは違うと思うのですが、これは一度お調べになってしかるべきじゃないか。事実また常識的に考えて、子供はやはり日本の教育課程の中で日本の大学を出して、そのあとでアメリカその他の大学に入れるということは考えても、向こうの国に置くということは帰化をするんじゃないですから、非常に悩みを持っているということは明らかであるので、調べていただきたい。なお、その資料で私あとでお聞きしたいと思いますが、よろしゅうございますか。お調べになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/46
-
047・高野藤吉
○高野政府委員 外国のある大学なり高校に入っておりまして、すぐ日本へ帰ってまいりましてそれ相当の学校に入るという場合には、一応入学試験というものがあって入るわけでございますが、その場合に試験が通らないから入れないという面はもちろんあると思います。しかしいまわれわれ外務省で一番困っておるのは、年度の途中で帰ってまいりまして入れないという面で、そういう場合には年度の途中、学期の途中でも入れるように文部省と相談いたしたいと考えております。実際上向こうの高校ないし大学を出てきてそのまま並行移動できるかどうかという問題、御指摘の問題はそういう点にあるかと存じますが、これは向こうの学校の制度と日本の学校の制度との食い違い、学力の相違という点にあるのではないかと思いますが、この点もひとつ調べて検討いたしてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/47
-
048・山中吾郎
○山中(吾)委員 いままでに外務省予算として、国内に在住子弟のための中学校か小学校をつくる予算を要求されたことがあると聞いたのですが、そういうことはありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/48
-
049・高野藤吉
○高野政府委員 国内ではそういうことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/49
-
050・山中吾郎
○山中(吾)委員 私は、そうではなくて、そういう要求をしたが入れられなくてまだそのままになっているんだという話を聞いたわけです。——官房長のいまのお答え間違いならもう一ぺん一言い直してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/50
-
051・高野藤吉
○高野政府委員 国内における学校制度につきましては、文部省で本年度大蔵省に要求されたのですが、これが通らなかったということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/51
-
052・山中吾郎
○山中(吾)委員 本年度要求されたのですか、ちょっと説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/52
-
053・村山松雄
○村山説明員 在外日本人で日本に帰国された方で特に進学で不自由をなさるのは高等学校の場合でございます。そこでこれらの方々の受け入れのための高等学校の特別クラスをつくってほしいという御要望がございまして、本年度東京学芸大学の附属高等学校にそのような特別クラスの増設の要求をいたしましたが、いろいろな事情で予算を認められるに至りませんで、ことしは在外学校の小学校の教師派遣のほうが重点ということになりまして、先ほど文部省のほうから御説明がございましたデリーとラングーンの二つの学校のための教員の定員増だけが認められたという結果になっております。なぜ認められなかったかという事情は、明示されたわけじゃございませんけれども、海外からの引き揚げは何も東京だけに帰ってくるわけじゃございませんで、大蔵省としては東京学芸大学に一つつくってもはたして効果があるだろうかというような疑問もあったようでございますし、まだいろいろ検討を要するということで要求が通らなかったわけでございます。
なお東京都におきましても同様な計画がありましたが、やはり実現に至っておりません。私学におかれましては国際基督教大学で帰国の方の教育のための計画がおありのようでございますが、これも実現を見ておりません。今後の各方面の努力に待つ課題だと考え
ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/53
-
054・山中吾郎
○山中(吾)委員 文部省で要求されたと聞いたので初めてわかったのですが、何か外務省のほうは答弁を聞いておると割合に不熱心ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/54
-
055・高野藤吉
○高野政府委員 国内の子弟の教育につきましてはわれわれはいろいろ考えておるのでございますが、学校を建てるとか増設というのはやはり文部省の主管でございまして、私どもは外国におけるいろいろの施設、先ほど御説明申し上げましたように、現在四つ、今度できますのはそれ以外に大使館及び在外居留民、日本人会と協力いたしまして学校制度に至らないいろいろな寺小屋式な教育は各地でやっておるわけでありまして、逐次これを拡大していきたいと考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/55
-
056・山中吾郎
○山中(吾)委員 外務省の外交官が日本を代表して暑いところに行ってずいぶん苦労をされておるので、もう少し子弟の教育にも熱を持って考えるのが外務省の責任だと私は思うのですが、あなたの答弁を聞くと、人ごとのような話をされているので、もっと文部省へ外務省の立場で熱烈に主張されて、大蔵省を動かすくらいにされるべきだと私は実感を持つので、それを要望いたしたいと思うのです。
文部大臣に最後に御意見を聞いて質問を終わりたいと思います。外国に学校を置くことはそう望んでいない、それはそうでしょう。向こうに行って日本の教育なんかできるはずがないです。それだけの教師を派遣するなんていうことはまた文部省としてもたいへんなことだと思う。そして実際は小学校までは家庭教育で最善の努力を払うから、中学だけは置いてもらいたい。そして向こうではバランスがあるから、やはり在外邦人の子弟だけの学校にしないでそこにぽつんぽつん入ってもどうにもならない。これは私は日本人の共通の悩みとして取りあげてやるべき問題だと思う。それで東京都であろうが、どこであろうが、国が責任を持って一校とか二枚つくってあげるということは、非常にささいなことであると思いますけれども、私は忘れられた文教政策の大事な課題であると考えてきたので、その点は外務省のけつをたたいて、ひとつつくってやるように努力していただきたい。すでに予算要求をされたとすれば、すべて国民はその能力に応じてひとしく教育を受ける、機会均等であるという憲法の原則もあるわけですから、国内につくってやるということは私は非常に大事なことであると思います。そこで来年度の予算については文部省でさらにあきらめないで出して、全寮制度でやっていただきたい、こう思うのです。外務省は調査してください。あなたの私に対する答弁とそして事実が——私はほとんど公館にみな聞いてまいったが、そのときの感じと全然違う。あなたは外国にあられたわけですか、子供さんないんじゃないですか。あるのですか。——違うので、その点お調べいただきたい。文部大臣の御意見を聞いて私の質問は終わります。これはしばらく留守をしておったので、あいさつを兼ねて申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/56
-
057・灘尾弘吉
○灘尾国務大臣 山中さんの新しい事情に即しての御質問でございます。この問題につきましては、文部省としましても昨年来外務省と十分連絡いたしまして、在外邦人の子弟の教育という問題についていろいろ対策を検討いたしておるところであります。いま御指摘になりました日本において教育施設を設けるということも確かに私ども必要なことだと思うのであります。残念ながら今年度は実現いたしませんでしたが、引続いて外務省とも十分連絡をいたしまして努力を続けてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/57
-
058・和田博雄
○和田委員 関連して。ぼくもいまの問題でちょっと念を押しておきたいと思うのです。ぼくはしょっちゅうヨーロッパに行くのです、それから先進国も回るのです。そして公館の諸君が一番訴えるのは、山中君の言った教育の問題です。ですから、私はやっぱり外務省でももう少し熱を入れてこの問題を解決してもらいたい。これらは外交が何といっても非常に重要なんですから、現地に行っている人たちが子供のことを心配しながらやっているのでは、これは能率があがりませんよ。そういう意味で、こういう問題は文部省だけの問題ではなくて、いまの文教、教育の一つの盲点となっているわけですから、やはり外務省とともに熱を入れて、これは閣議で外務大臣と文部大臣が共同歩調をとればできることですから、どうかそういうことでやってもらいたいと思います。これは官房長一ぺんヨーロッパのほうの人たちの実情をほんとうに聞いてください。そうするとよほど認識の違いがはっきりすると思います。私は去年も二度行きましたし、カナダも回ったのですが、行って一番訴えられのはやはり中心になって働いている者の子弟の教育の問題なんです。この点間違いありませんから、その点はひとつぜひ調査してこの問題を解決していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/58
-
059・上村千一郎
○上村委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる二十四日金曜日、午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。
午後零時二十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605077X02119640422/59
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。