1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年三月三十一日(火曜日)
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議事日程 第十九号
昭和三十九年三月三十一日
午後二時開議
第一 石炭鉱害賠償担保等臨時措置法の一部を
改正する法律案(内閣提出)
第二 麻薬取締法の一部を改正する法律案(内
閣提出)
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○本日の会議に付した案件
議員請暇の件
国産生ワクチン投与に関する緊急質問(伊藤よ
し子君提出)
日程第一 石炭鉱害賠償担保等臨時措置法の一
部を改正する法律案(内閣提出)
日程第二 麻薬取締法の一部を改正する法律案
(内閣提出)
臨時行政調査会設置法の一部を改正する法律案
(内閣提出、参議院送付)
外国為替及び外国貿易管理法及び外資に関する
法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参
議院送付)
印紙税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
参議院送付)
午後五時七分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/0
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001・船田中
○議長(船田中君) これより会議を開きます。
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議員請暇の件発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/1
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002・船田中
○議長(船田中君) おはかりいたします。
議員松村謙三君、同竹山祐太郎君及び同古井喜實君から、海外旅行のため、四月六日から二十五日まで二十日間請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/2
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003・船田中
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。
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国産生ワクチン投与に関する緊急
質問(伊藤よし子君提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/3
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004・小沢辰男
○小沢辰男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、伊藤よし子君提出、国産生ワクチン投与に関する緊急発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/4
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005・船田中
○議長(船田中君) 小沢辰男君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/5
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006・船田中
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
国産生ワクチン投与に関する緊急質問を許可いたします。伊藤よし子君。
〔伊藤よし子君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/6
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007・伊藤よし子
○伊藤よし子君 最近、小児麻痺の国産生ワクチン投与にあたって、たまたま各地に事故が発生したので、母親たちの間に大きな不安を巻き起こし、中には投与を中止する地区も出ましたことは、すでに新聞紙等にもたびたび取り上げられましたところでございまして、今日、緊急な事態はいささか去ったようにも思われますが、まだ全般的に母親の不安が取り除かれたとも考えられませんので、この国産生ワクチン問題に締めくくりをいたす意味合いにおいても、ここに、私は、日本社会党を代表いたしまして、あらためて政府に対し、御質問を申し上げたいと思います。(拍手)
昭和三十五、六年に発生した小児麻痺流行の際、全国の母親の熱望にこたえて、厚生省が、ソ連、カナダから生ワクチンを輸入し、一斉投与に踏み切られた結果、幸いにして、あの流行を押えることができました。あのとき以来、生ワクチンというものの性質上、早く国産品のできますことを、私ともも念願してまいった次第でございます。
今日、関係方面の研究、御努力の結果、国際的な基準に従った国産生ワクチンの製造が実現いたしましたことは、その限り、私も喜んでいる一人でございます。ところが、二月下旬以来、厚生省の指導によって、全国各地で希望者に対し、この国産生ワクチンの投与が一斉に始められましてから、時を同じくして各地で死亡者が出たり、下痢、発熱の症状を呈する子供が出て、世の母親の間に大きな不安を巻き起こしましたことは、政府もすでに御存じのとおりでございます。
この点について、わが党は、すでに先月以来、衆参両院の社会労働委員会において、小児麻痺の国産生ワクチンの安全性につきまして、わが党の委員が先頭になって、厚生当局に対し質疑を行ないますとともに、引き続き、参議院においては、権威あるその道の専門の学者、医師等を国会にお招きいたして参考意見を聴取し、その安全性を確かめてまいったわけでございますが、その前後においても、二、三の死亡事故が発生し、母親の不安が一そう高まり、投与を中止いたす地区も出てまいりました。これに対し、厚生省は、おくればせながら公開説明会などを開き、ただ安全性の強調をのみされてまいったのでございますが、何と申しましても、大切な子供の生命に関する重大な問題でございますから、わが党は、単なる当局の説明だけでは満足しないで、念には念を入れるため、事故の起きました五カ所の地方にそれぞれ議員を派遣し、実情をつぶさに調査することにいたし、私も桑名市の調査にまいった一人でございます。この調査の報告をまとめました結果は、まだ医学的にその死因が時間的に判明しないものもございましたが、少なくとも国産生ワクチン自体が危険であるという結論には達しませんでした。ことばをかえて言えば、国産生ワクチンの安全性は、今日、国際的に最高であると認められているソ連、カナダ製のものと変わりはないと考えてよろしいということになったわけでございます。しかし、何と申しましても、私どもは、直接医学的な研究機関を持っているわけではございませんし、また、ごく常識的な判断にすぎません。
そこで、世の母親の不安を除き、おそるべき小児麻痺から子供を守るため、これらの事故に対して、政府の責任ある御見解を国会の場で御発表いただく必要があると考えまして、私は、ここに、あえて世の母親にかわって、国産生ワクチンの安全性と事故との関係について、まず最初に、政府の代表である総理の御見解をお伺いする次第でございます。(拍手)
第二にお伺いしたいのは、現在までに全国で国産生ワクチンの投与を終えた子供の数と、投与を予定した子供の中でなお未投与の子供の数は何名ぐらいあるか。また、投与を中止をしている地区はどのくらいあるか。あるいはまた、同じ地区内で投与した子供としない子供があることは危険ではないかと考えますが、これらの地区に対し、流行期に備えて、厚生省は今後どのような対策をお考えになっているか、厚生大臣に伺いたいと存じます。(拍手)
次に、お伺いしたいのは、国産生ワクチンの安全性が医学的に認められたといたしましても、その投与にあたっての、いわゆる禁忌条項が、いままでのやり方で完全に守られているとお考えになっているかどうか。この点、死亡者以外に、下痢、発熱の伴った子供が相当出ている地区もあるようでございますが、投与前の子供の健康の判断など、しろうとの母親のみにまかせておいてよろしいものかどうか。保健所などを中心にもっと強力に子供の健康の管理を行なえば、事故や副作用も防げるのではないかと思いますが、この点いかにお考えか、厚生大臣の御意見を伺いたいと存じます。(拍手)
次に、またすでに国産生ワクチンを投与した乳児に対して、事後の健康管理を十分に行なうとともに、一定地域を指定して、国産生ワクチン投与が乳児の健康にいかなる影響を及ぼしたかを科学的、組織的に調査検査して、そのより安全性と有効性を確かめていくことが、今後に備えても必要ではないかと考えますが、この点いかにお考えでございますか、お伺いしたいと存じます。(拍手)
また、このように万全を期して投与を行なっても、万一事故が発生した場合、国としての補償の点はどのようにお考えになっているか、あわせてお伺いしたいと存じます。(拍手)
次にお伺いしたいのは、現在、政府は、三十七年度の調査で、一歳から十五歳までの者は小児麻痺に対し八〇%の人工免疫になっているから、今後は、生後三カ月から十八カ月の新しく生まれた乳幼児のみを対象として生ワクチンを投与すればよいとされておりますが、なお万全を期するため、義務教育前の児童にまで対象の範囲を拡大する必要があるではないかと考えますが、この点はいかがお考えでございますか、お伺いしたいと存じます。(拍手)
次に、本来、生ワクチンのような国民の保健上欠くことのできないもので、法によって定められた予防接種を行なうものは、営利的な私企業の製造にまかせることは当を得ないことでございまして、採算ベースをはずして、国で製造、検定をともに行なって、国民には無償で投与を行なうべき性質のものと考えますが、この点特に総理大臣の御御答弁をお願いしたいと存じます。(拍手)
次にお伺いしたいのは、国産生ワクチンの価格の問題でございますが、ソ連からの輸入生ワクチンが一人一回二十五円に対し、国産のものは四十七円になっております。この点、ソ連生ワクチンは政策的にどうでもなる値段だから比較ができないと厚生省では御説明になっておりますが、これは現在の国産生ワクチンの製造の主体が、六社が合同してできた株式会社日本生ポリオワクチン研究所であり、かつてのソーク・ワクチンの製造用の設備費が償却されないうちに生ワクチン製造に取りかかったため、販売コストの中に二重の設備費が織り込まれて、不当に価格がつり上げられている懸念はないか、この点特にお伺いしたいと存じます。(拍手)
次にお伺いしたいのは、小児麻痺の生ワクチンのみの問題ではなく、予防接種行政全般にわたることでもございますが、今回の生ワクチンの投与にあたって、地域によっては医師会の協力が得られないところも出ていたようでございます。これは必ずしも医師が生ワクチンの安全性を疑ってのことではなく、万一事故が出た場合、立ち会った医師の責任に転じられる懸念によるものではないかと考えます。この点今後の予防衛生行政全般の問題として、責任の所在はどのようになっているか。事故を現場の医師の責任に転嫁するのではなく、逆に、医師の認定によって必要な国家補償を行なうことを制度化しない限り、予防衛生行政に対する医師の真の協力は得られないのではないかと考えますが、この点厚生大臣はどのような御見解であるか、お伺いしたいと存じます。(拍手)
また、国民の日常の健康管理のためには、保健所を充実し、保健所を中心として医師を予防面でもっと活用する体制をつくるとともに、地域の医師が各家庭の生活状況をよく知っていて、いわゆる家庭医的な機能を発揮することが必要であると考えますが、この点について厚生大臣はどのような御見解を持っておられるか、お伺いしたいと存じます。(拍手)
最後に、私は重ねて強く御要望をしておきたいのでありますが、大切な子供の生命にかかわる問題でございますので、国としてはあくまでも事故が起きないよう、投与にあたって万全を期していただきますと同時に、すでに投与を終わった子供に対しても、事後の健康の管理を計画的、組織的にやっていただき、おそるべき小児麻痺患者が一人でも発生しないよう将来にわたっての布陣を十分にしいていただいて、今後はすべての母親が安心して国産生ワクチンの投与を受けられるように、また、あわせて愛情ある保健行政確立のために、政府の一そうの御努力をお願いして、私の質問を終わりたいと存じます。(拍手)
〔国務大臣池田勇人君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/7
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008・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。
国産生ワクチンは無害であり、安全であり、かつ健康管理上必要であることは、学者、専門家の意見の一致するところであります。したがいまして、私は、安心して生ワクチンの投与を受けられるよう、積極的に国民に呼びかける考えでおります。
また、生ワクチンを無償で供与したらどうかという御意見でございますが、ただいまも生活保護を受けておる人、あるいはまたそれ以上の方にも一定の範囲内で無償でやっておりますが、全部に無償にするかどうかは、今後検討していきたいと思っております。(拍手)
〔国務大臣小林武治君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/8
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009・小林武治
○国務大臣(小林武治君) 昭和三十八年度の下半期の小児麻痺特別対策におきまする国産生ワクチンの投与事業は、ことしの二月中旬から下旬にかけて開始しておりまして、この二十日現存における全国の実施状況は、対象児童が三百十二万五千人に対しまして、実施済みの人員は約百九十万三千人であり、実施率は六一%に達しておりまして、この投与は大体予定どおり実施をいたしており、ただ、二、三なお中止をしておるところがありますが、これらも四月以降続いて実施することに相なっております。
それから、投与の方法等につきましては、御案内のように、保健所に対しまして十分に注意しております。すなわち、生ワクチンの用法、貯蔵法、あるいは投与前の指導、投与の方法、また、これに対する投与をしてはならないもの等につきましては、都道府県に対しましてよく注意をし、たとえば、急性疾患にかかっておる者、または病後の衰弱者等については、投与を行なわないように指導いたしますとともに、パンフレット等をつくりまして、投与会場の従業者にも配付いたし、十分の注意をいたしております。
また、投与後の健康管理等につきましても、異状を認めた場合の措置につきましては、保健所長ほか、関係者に十分の指導を行なっております。しかしながら、予防接種事業の性格が乳幼児を対象とするきわめてデリケートなものでありますので、今後一そう衛生教育等につとめまして、いささかも不安のない予防接種を行なうよう努力いたしたい所存でございます。
また、ただいまお話のありました義務教育の者にも投与をしたらどうか、こういうお話でありますが、これはいままでこれらの児童の免疫状況を十分に調査をいたして、その必要がないということで、いまのところこれをいたしておりませんが、なお続いて調査をし、必要があればこれもいたしたい、かように考えておるものでございます。
なお、ただいま国で製造し無償でどうか、こういうお話がありますが、これらはコレラのワクチンあるいは天然痘等もいろいろ関係をいたしておりますので、これらの関連も考慮して適当にいたしたい、かように考えております。
また、価格の問題は、お話のように高いのでございますが、これらはたまたま日本で初めて始めたのでありまして、いろいろの事情で高くなっておりますが、これをできるだけ安価にする努力を続いていたすつもりでおります。
なお、医師会の非協力の問題はどうか。これらは十分医師会の御理解を得て協力をしてもらうということにこの上とも努力をいたすつもりでおります。
保健所の医師の活用、あるいは保健所の近所におる開業医の問題につきましても、お話のように、常勤でなくてこれらの方々に公衆衛生のお手伝いをしてもらっておるのでありまして、お話のような活用をはかりたい、かように考えております。
また、事故の起きないように、いろいろの点においてわれわれも万全の注意をし、一般住民が安心のできるような保健行政を確立いたしたい、かように考えております。
なお、事故に対する責任問題でありますが、生ワクから明らかに事故が出た、こういうことになりますれば、国としても責任を負わざるを得ない、かように考えておりますが、いままでのところさような事実はございません。
以上、お答え申し上げます。(拍手)
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日程第一 石炭鉱害賠償担保等臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/9
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010・船田中
○議長(船田中君) 日程第一、石炭鉱害賠償担保等臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
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011・船田中
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。石炭対策特別委員会理事神田博君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔神田博君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/11
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012・神田博
○神田博君 ただいま議題となりました石炭鉱害賠償担保等臨時措置法の一部を改正する法律案について、石炭対策特別委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
石炭及び亜炭鉱業による鉱害については、従来より、その処理を円滑に推進するため種々の対策が講ぜられてきたのはすでにご承知のとおりであります。
石炭鉱害賠償担保等臨時措置法は、去る第四十三回国会において制定されたものであり、従来までの鉱業法による供託金制度にかえて、鉱害賠償積み立て金制度を採用し、鉱害賠償担保制度のより一そうの充実をはかるとともに、政府資金を加えて賠償資金の融資等をはかるための実施機関として、特殊法人鉱害賠償基金を創設したのであります。しかるに、最近、石炭鉱業の合理化の進展に伴い、鉱害が急増し、その処理の促進が強く要請されるに至っている実情であります。
本案は、かかる実情にかんがみ、鉱害賠償基金に対し、政府が追加して出資できるものとし、昭和三十九年度一億円追加出資して、鉱害の処理の万全を期そうとするものであります。
本案は、去る二月十日当委員会に付託され、同月二十日福田通商産業大臣より提案理由の説明を聴取し、自来、数次にわたり委員会を開き、その間、参考人を招致する等、慎重な審査を重ねたのであります。三月二十六日に至り質疑を終了し、三月三十日、本案に対し、日本社会党多賀谷真稔君外二名より、政府機関の出資金額については法文上明記すべきである旨の修正案が提出されましたが、採決の結果、少数をもって否決され、引き続き原案を採決に付しましたところ、多数をもって可決すべきものと決した次第であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/12
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013・船田中
○議長(船田中君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/13
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014・船田中
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
日程第二 麻薬取締法の一部を改正する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/14
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015・船田中
○議長(船田中君) 日程第二、麻薬取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/15
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016・船田中
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。社会労働委員会理事井村重雄君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔井村重雄君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/16
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017・井村重雄
○井村重雄君 ただいま議題となりました麻薬取締法の一部を改正する法律案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
近年における麻薬中毒者の増加や麻薬犯罪の悪質化は、保健衛生上及び治安対策上重大なる問題となり、さきの第四十三回国会においては麻薬取締法等についての大改正を行なったのでありますが、本案は、最近における麻薬事犯の手口の巧妙化や潜在化等にかんがみ、麻薬取締官及び麻薬取締員の増員、すなわち、百五十名以内であった麻薬取締官を百六十名以内に、また、百二十名以内であった麻薬取締員を百三十五名以内に、それぞれ増員し、麻薬取り締まり体制の整備強化をはかろうとするものでございます。
本案は、去る二月三日本委員会に付託となり、三月三十日、質疑を終了いたしましたところ、麻薬取扱者中、麻薬施用者等の免許の有効期間について、自由民主党及び日本社会党よりそれぞれ修正案が提出され、小宮山重四郎君及び河野正君より趣旨の説明を聴取した後、採決の結果、日本社会党の修正案は否決され、本案は自由民主党の修正案どおり修正議決すべきものと議決いたした次第であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/17
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018・船田中
○議長(船田中君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/18
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019・船田中
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
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臨時行政調査会設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/19
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020・小沢辰男
○小沢辰男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、内閣提出、参議院送付、臨時行政調査会設置法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/20
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021・船田中
○議長(船田中君) 小沢辰男君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/21
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022・船田中
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
臨時行政調査会設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/22
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023・船田中
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。内閣委員長徳安實藏君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔徳安實藏君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/23
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024・徳安實藏
○徳安實藏君 ただいま議題となりました臨時行政調査会設置法の一部を改正する法律案につき、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
本案は、臨時行政調査会の存続期限を本年九月三十日まで六カ月間延長しようとするものであります。
本案の審議にあたりましては、特に池田内閣総理大臣、佐藤臨時行政調査会長及び山村行政管理庁長官の出席を求め、慎重に審議を行ないました。
本日、質疑を終了いたしまして、直ちに採決の結果、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決した次第であります。
以上、御報告を申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/24
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025・船田中
○議長(船田中君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/25
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026・船田中
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/26
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027・船田中
○議長(船田中君) この際、暫時休憩いたします。
午後五時三十六分休憩
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午後十時五分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/27
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028・船田中
○議長(船田中君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
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外国為替及び外国貿易管理法及び外資に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
印紙税法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/28
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029・小沢辰男
○小沢辰男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、内閣提出、参議院送付、外国為替及び外国貿易管理法及び外資に関する法律の一部を改正する法律案、印紙税法の一部を改正する法律案、右両案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/29
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030・船田中
○議長(船田中君) 小沢辰男君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/30
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031・船田中
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
外国為替及び外国貿易管理法及び外資に関する法律の一部を改正する法律案、印紙税法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/31
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032・船田中
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。大蔵委員長山中貞則君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔山中貞則君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/32
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033・山中貞則
○山中貞則君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
初めに、外国為替及び外国貿易管理法及び外資に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
わが国は、世界経済の趨勢に従い、開放経済体制への移行を進めており、その一環として、四月一日から国際通貨基金八条国へ移行するのに伴い、加盟国の義務として、国際収支上の理由で経常取引のための支払い及び資金移動について為替制限をしてはならないことになりますので、この法律案は、これに即応して、外国為替、外国貿易その他の対外経済取引に関する法制を整備しようとするものであります。
この法律案の概要を申し上げますと、
まず第一は、外国為替及び外国貿易管理法の一部改正であります。
すなわち、経常取引のための支払い及び資金移動に対する為替制限を撤廃しておく必要がありますので、外国為替予算制度を廃止するとともに、外国為替予算の廃止に伴い、外国為替予算の作成を主たる任務としている閣僚審議会も廃止しようとするものであります。
さらに、外国為替予算制度の廃止に伴い、今後の輸入貿易の管理は為替制限によらない方法でこれを行ない得るように所要の改正を行なうものであります。
第二は、外資に関する法律の一部改正であります。
その第一は、外国為替予算制度の廃止に伴い、導入外資の対価、果実、元本、補償金等の支払い予定額を外国為替予算に計上する措置を廃止することであります。
その第二は、外国投資家による株式または持ち分の取得は、すべて外資に関する法律の認可を受けなければならないこととし、そのかわり、認可を受けて導入された外資の果実及び元本の対外送金は、弊害のない限り自由に認めることにしております。
その第三は、契約期間または対価の支払い期間が一年をこえる技術援助契約の締結並びに受益証券、社債及び貸し付け金債権の取得については、その対価、果実または元本の対外送金の希望の有無にかかわらず、外資に関する法律の認可を要することにするものであります。
その第四は、従来、主務大臣の事務の一部を日本銀行に委任し得ることになっておりましたのを、さらに外国為替公認銀行にも委任し得るようにいたしております。
次に、印紙税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
この法律案は、印紙税の納付方法の一つとして、納税者の便宜に供するため、印紙の貼用にかえ、昭和三十七年四月以後、法律の委任に基づき、大蔵省令によって採用されてきております印紙税現金納付計器による納税制度について、その普及状況に顧み、これを法律に明定し、計器の設置及び納付印の製造等に関し、承認制度を設けるとともに、計器の販売業者または納付印の製造業者等につき、その開廃業申告、記帳義務及び検査受認義務の規定を設けるほか、これらの違反行為に対する罰則規定を整備しようとするものであります。
また、以上のほか、印紙税にかかる過誤納額を、現金で納付する印紙税に充当することができるよう所要の措置を講ずることにしております。
本院に送付されたものでありまして、当委員会において慎重に審議し、特に外為法及び外資法改正案については、国際収支と外貨準備高、海運収支等貿易外収支の改善策、観光渡航の自由化、輸出振興と国産愛用、外資導入と中小企業等国内産業の保護、共産圏貿易、低開発国援助等について、熱心な質疑が行なわれました。
次いで、本日、質疑を終了し、外国為替及び外国貿易管理法及び外資に関する法律の一部を改正する法律案について討論に入りましたところ、堀委員は日本社会党を代表して本案に反対する旨、また、竹本委員は民主社会党を代表して賛成する旨の意見を述べられました。次いで、採決いたしましたところ、本案は多数をもって原案のとおり可決となりました。引き続き、印紙税法の一部を改正する法律案について採決いたしましたところ、全会一致をもって本案は原案のとおり可決となりました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/33
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034・船田中
○議長(船田中君) 両案中、外国為替及び外国貿易管理法及び外資に関する法律の一部を改正する法律案につき討論の通告があります。これを許します。堀昌雄君。
〔堀昌雄君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/34
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035・堀昌雄
○堀昌雄君 私は、日本社会党を代表いたしまして、外国為替及び外国貿易管理法及び外資に関する法律の一部を改正する法律案に反対の理由を申し述べます。(拍手)
本案は、わが国が国際通貨基金協定八条国へ移行するのに伴い、加盟国の義務として、国際収支上の理由で経常取引の支払いについて為替制限をしてはならないこととなるので改正を行なうのでありますけれども、これまでIMF八条国に移行いたしました国が、その移行直前に、国際収支の不安をもとにして公定歩合の引き上げを行なった国は、その例がございません。(拍手)このことはわが国の現在の外貨準備のきわめて不安定な状態を物語っておるのでありまして、わが国の現在の外貨準備のあり方は、おそらく本日では二十億ドルに近い状態にはなっていると思うのでありますけれども、この中に占めておりますところの資本収支の黒字というものは、おそらく八億五千万ドルに達するであろうと考えられます。しかし、この八億五千万ドルの資本収支の黒字の中身を調べてみますならば、その中には三億六千六百万ドルにのぼるところの短期収支の黒字が計上をされておるわけでございます。皆さんも御承知のように、この短期収支の黒字の主たる部分は、ユーロダラーの取り入れでございます。最近のユーロダラーの取り入れの状態を調べてみますならば、いつもの例でありますならば、一カ月未満ものが五%、一カ月もので二〇%、三カ月もので四〇%、六カ月もの三〇%、一年以上五%というのが通例の姿でございますけれども、最近の状態は、一カ月もの未満で四〇%にのぼるという、まことに短期収支の中身は不安定きわまりない状態にあるわけでございます。
さらに、私どもは現在の世界的な状態を振り返ってみる必要があると思うのでございます。第十八回IMF総会におきましては、今後の国際流動性の問題につきましては、次のような取りきめが行なわれておるわけであります。少なくともIMFは、今後その資金の量的、質的な改善を行なうことによらなければ、今後のドル不安を防ぐことはできないということが問題となっておるのでありますけれども、アメリカの対外収支の赤字は、昨年は三十五億ドルでございましたけれども、本年はやはり三十三億ドルにのぼる赤字をもたらしておるのでありまして、現在の金の外貨準備は百五十四億ドルになっておるのであります。このようなアメリカの金準備の不足、不安というものが今後の流動性の問題の上に大きな意味を持っておりますときに、日本がこの八条国になります際に持っております金準備というものは、わずかに金外貨準備の中の一三%にすぎないのでありまして・イギリス・アメリカ等が九二%とか七五%、フランス、イタリアにおきましても五九%から六五%というように、最も安定した準備高である金の保有がこのように異常に低いような形でIMF八条国に移行した国もないのでございます。
これらを考えてみますと、わが国の現在における状況は、きわめて不安定でございますし、さらに昨年、利子平衡税が行なわれましたその背景にありますものは、一九六一年に日本はアメリカで六千百万ドル、一九六二年には一億一千万ドル、一九六三年には、第二・四半期までで一億八百万ドルにのぼるところの証券を売っておるわけでありますけれども、このことによって起きた利子平衡税の被害は、日本に大きな被害を与えておりますが、カナダは同じ時期に、一九六一年には二億三千七百万ドル、一九六二年には四億五千七百万ドルと、日本の常に四倍もの外貨をアメリカから取っていきながら、これは例外の措置をされておるということは、いかに日本だけがアメリカから差別的な待遇を受けておるかということをあらわしておるわけでございます。(拍手)
このようにいろいろな角度から見まして、現在の日本の状態というものは、きわめて不安定な状態の中で国際社会の仲間入りをするわけでありまして、このことはまさにまる裸でやりぶすまの中に飛び込むのと同じく、このことによって起こるところの日本の中小企業以下の脆弱なる土台を持っております産業に及ぼす影響というものは、今後まことに悲惨なものが生ずるおそれがあるのであります。(拍手)
私たちはこう考えてまいりますならば、このような不安定な時期にIMF八条国移行を受けなければならなかったような、政府のこれまでの施策の誤りを指摘いたしますとともに、このような今回の措置、程度によりましてこれらの誤りを是正することができないということをここに明らかにしておかなければなりません。
以上が、私がこの法案について社会党を代表して反対する理由でございます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/35
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036・船田中
○議長(船田中君) これにて討論は終局いたしました。
これより採決に入ります。
まず、外国為替及び外国貿易管理法及び外資に関する法律の一部を改正する法律案につき採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/36
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037・船田中
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
次に、印紙税法の一部を改正する法律につき採決いたします。
本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/37
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038・船田中
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/38
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039・船田中
○議長(船田中君) 本日は、これにて散会いたします。
午後十時十九分散会
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出席国務大臣
内閣総理大臣 池田 勇人君
厚 生 大 臣 小林 武治君
通商産業大臣 福田 一君
国 務 大 臣 山村新治郎君
出席政府委員
内閣法制局長官 林 修三君
大蔵政務次官 纐纈 彌三君
厚生省公衆衛生
局長 若松 栄一君
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104605254X02019640331/39
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