1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年二月十八日(火曜日)
午前十時三十二分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 米田 正文君
理事
谷口 慶吉君
天坊 裕彦君
委員
江藤 智君
木暮武太夫君
野上 進君
平島 敏夫君
村松 久義君
相澤 重明君
大倉 精一君
岡 三郎君
小酒井義男君
浅井 亨君
加賀山之雄君
国務大臣
運 輸 大 臣 綾部健太郎君
政府委員
運輸大臣官房長 佐藤 光夫君
運輸省鉄道監督
局長 廣瀬 眞一君
運輸省鉄道監督
局国有鉄道部長 向井 重郷君
運輸省自動車局
長 木村 睦男君
運輸省観光局長 梶本 保邦君
気象庁長官 畠山 久尚君
事務局側
常任委員会専門
員 吉田善次郎君
説明員
運輸省海運局参
事官 高林 康一君
日本国有鉄道常
務理事 山田 明吉君
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本日の会議に付した案件
○特定船舶整備公団法の一部を改正す
る法律案(内閣送付、予備審査)
○日本観光協会法の一部を改正する法
律案(内閣送付、予備審査)
○派遣委員の報告
○日本鉄道建設公団法案(内閣提出、
衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/0
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001・米田正文
○委員長(米田正文君) ただいまから委員会を開会いたします。
初めに、特定船舶整備公団法の一部を改正する法律案及び日本観光協会法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
まず、提案理由の説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/1
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002・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) ただいま議題となりました特定船舶整備公団法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして、御説明申し上げます。
特定船舶整備公団は、昭和三十四年に設立され、現在、海上運送事業者、港湾運送事業者等と費用を分担して、国内旅客船の建造または改造、戦標船の代替による貨物船の建造、はしけ、引き船等の港湾運送用船舶の建造を行なうことをその業務としております。
今回提案いたしております改正は、この業務の範囲を拡大して、老朽貨物船等を解撤して行なう内航貨物船の整備及び港湾運送事業用の荷役機械の整備を公団が行なうことができるようにしようとするものであります。
第一の内航貨物船の整備につきましては、最近の内航海運は、国内の輸送機関の中できわめて重要な役割を果たしているにもかかわらず、船腹の近代化がおくれ、今後における経済の発展に必要とされる適船が不足している実情にありますので、特定船舶整備公団を活用することにより、その代替建造を促進し、船腹の近代化をはかろうとするものであります。
第二の荷役機械の整備につきましては、近年労働需給の逼迫により、港湾における荷役労務者の確保はきわめて困難な状態にあり、この傾向は今後ますます顕著となることが予想されますので、この公団を活用して荷役機械を整備し、労働力不足に対処するとともに、荷役能率の向上と港湾運送事業の近代化とをはかろうとするものであります。
なお、以上のほか、監事の監査機能を強化するため、監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長または運輸大臣に意見を提出することができる旨改めることといたしております。
以上がこの法律案を提案する理由であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
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次に、日本観光協会法の一部を改正する法律案の提案の理由を説明いたします。
ただいま議題となりました日本観光協会法の一部を改正する法律案の提案理由について御説明申し上げます。
日本観光協会法は、外国人観光旅客の来訪を促進し、外国人観光旅客に対する接遇等を改善することにより、国際観光の振興をはかり、あわせて観光事業一般の健全な発達に寄与することを目的として昭和三十四年に制定されたものでありまして、同法に基づいて設立されました特殊法人日本観光協会は、昭和三十七年度に政府の出資をも得まして、その活動を通じ、わが国の国際観光の発展に大きな役割を果たしてまいりました。
しかし、最近における諸外国の観光振興策の強化に対処しつつ、わが国の国際観光を発展させるためには、外国人観光旅客の誘致を一そう強力に推進する必要があります。このため、日本観光協会を国際観光振興会とし、その組織及び業務の範囲を改め、観光宣伝、観光案内その他外国人観光旅客の来訪の促進に必要な業務を専門的かつ効率的に実施する法人とするため所要の改正を行なおうとするものであります。
次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
第一に、日本観光協会の名称を国際観光振興会とし、法律の題名を国際観光振興会法とすることといたしております。
第二に、国際観光振興会を観光宣伝、観光案内その他外国人観光旅客の来訪の促進に必要な業務に専念させるため、その目的及び業務の範囲を改めることといたしております。
第三に、国の業務を代行する政府出資法人としての性格を明確にするため、会員制を廃止し、これに伴い運営審議会を改組するとともに、理事を運輸大臣の任命制とすることといたしております。
以上がこの法律案を提案する理由であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願いいたします。
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次いで、はなはだ申しにくいのですが、今朝、日東航空で、離陸に際しまして事故が起こりまして、スチュワーデス一人と乗客一人が死亡いたしまして、その他に八名の負傷者を出したという遺憾なことでございます。(「場所は」と呼ぶ者あり)その場所は、大阪空港離陸後八時二十一分に——大阪発徳島行きの水陸両用飛行機ですが、八時二十一分離陸後一分後に、飛行場から三キロメーター離れた地点で墜落したのであります。乗り組み員は、操縦士二名、スチュワーデス一名、乗客七名で、現在の死亡は二名であります。以上。原因その他につきましては、目下調査しておりますので、わかり次第また御報告申し上げます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/2
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003・岡三郎
○岡三郎君 乗客は七名しか乗ってなかったの。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/3
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004・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) ええ。電話報告ですから、詳細はわかり次第に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/4
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005・米田正文
○委員長(米田正文君) じゃ報告は、わかり次第もう一度あらためて御報告をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/5
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006・米田正文
○委員長(米田正文君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題といたします。
過般南九州地区における運輸事情について現地調査を行ないました派遣委員の第三班から報告を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/6
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007・岡三郎
○岡三郎君 南九州班の視察報告をいたします。
派遣されました委員は、私と吉田委員及び加賀山委員の三名であります。派遣期間は二月二日より七日までの六日間で、主として南九州地方を中心に運輸事情全般にわたる調査を行なってまいりました。
その日程の概要を申し上げますと、まず港湾関係として、大分鶴崎臨海工業地帯造成状況並びに鹿児島及び種子島西之表港整備状況を視察してまいりました。また、航空関係として、福岡、宮崎、鹿児島、中種子の各空港の整備運営状況を視察し、また航空大学校から説明を聴取しました。次いで、運輸省地方機関のうち、福岡陸運局、宮崎、鹿児島両陸運事務所、福岡管区気象台及び宮崎、鹿児島各地方気象台、第十管区海上保安本部、九州海運局鹿児島支局等より所管事項についての説明を聴取しました。国鉄関係としては、大分、鹿児島両鉄道管理局並びに西部支社宮崎出張所から経営状況の説明を聴取しました。
以上が今回調査視察してまいりました日程の概要でありますが、それぞれの機関からはいずれも詳細な資料の提出があり、当該所管事項についてきわめて熱心な説明があり、また幾多の要望事項が述べられました。以下順次現地の状況をお伝えしたいと思いますが、提出資料は事務局に保管せしめてございますので、主として現地の要望事項を中心に御報告したいと思います。
最初に、港湾整備についてでありますが、第四港湾建設管内、すなわち山口及び九州地区における港湾整備については、先に委員派遣されました北九州班の報告で概略が述べられておりますので、今回視察いたしました大分鶴崎、鹿児島港及び西之表港の順に申し上げます。
まず、大分鶴崎港について申し上げますと、御承知のごとく、昨年七月十二日の閣議決定により、新産業都市区域として大分鶴川地域が内定を受けたのでありますが、当地域の三十九年度以降五カ年を計画期間とする新港湾整備五カ年計画を全体計画であらわしますと、臨海工業地帯造成にかかる起債事業を含めて総事業費は百四十五億円であります。なお、そのうち大分港については、産業及び内貿港湾として、防波堤、岸壁等の整備を実施中で、全体計画五十一億円、本年度実施高は二億円であります。
次に、この際、大分鶴崎臨海工業地帯造成計画について一言つけ加えますと、さきに述べた新産業都市建設事業として、四十五年度完成を期して約千五百万平方メートルの埋め立て地造成及び関連事業を整備中でありまして、すでに九州石油、富士製鉄等石油並びに鉄鋼企業の誘致が決定しておりますが、それぞれの操業時における最終目標生産量は、石油が日産十三万バーレル、鉄鋼が年産粗鋼三百九十万トンになる見込みで、さらに将来は石油、鉄鋼を中心としたコンビナートの形成が期待されるとのことであります。
なお、地元におきましては、背後地輸送施設、道路、住宅等の整備についても格段の配慮を要望しておりました。
次に、鹿児島及び西之表港について申し上げます。
まず、鹿児島港については、新港地区の内貿港湾施設としてマイナス七・五メートル岸壁、泊地しゅんせつ及び谷山臨海工業地帯造成の関連事業等を、また西之表港については、離島港湾としてしゅんせつ及び防波堤等の整備を実施中で両港の全体計画は谷山地域における起債事業を含めて約五十二億円、現行五カ年計画による本年度実施高は四億六千万円であります。
なお、西之表港においては、離島の特殊性及び低開発地域の産業振興の見地から、西之表港の最近における内貿貨物量の増大に対応した港湾施設の重点整備、浜津脇及び島間港改修工事等の整備促進について強い要望がありました。
次に、航空関係について申し上げますと、福岡市は西日本における政治、経済、交通の中心地で、地元では福岡空港の発展に対し非常な熱意を持っておられますが、飛行場敷地百三十六万坪のうち、いわゆる民航としての福岡空港敷地は八千坪にすぎず、特に軍事基地早期撤退、民航移管とあわせ国際空港指定についての強い要望があります。なお、施設関係としては、当空港の滑走路、保安施設等は東京国際空港にまさるものを擁しながら、エプロン、ターミナル施設等は現行便数でもその収容限界を越えている状況で、新路線開発の隘路となっているとのことでした。また、最近の航空機の大型化、高速化と運航量の増加に対応して、管制業務の近代化と能率化に努力しているとのことで、これと関連しての管制官の待遇改善、要員確保についての要望がありました。
大分空港は、昭和三十二年開港して以来、比較的都心に近いという立地条件が高く評価され、急速に発展を見たわけでありますが、その面積も五万二千三百五十坪にすぎず、着陸帯幅員も狭く、滑走路も短く、新産業都市建設に関連し将来の進展に伴なう適格性についてはなはだ問題を持っている状態であります。
次に、宮崎空港は、昭和三十六年第二種空港に指定されて以来、年々急速な整備が行なわれ、特に三十八年度からは総額三億円で三カ年計画によるレーダー設置の決定を見、名実ともに宮崎県の表玄関としてのあすへの前進が期待されているとのことでありました。しかしながら、今後の問題として、大型ジェット機の乗り入れに対応する滑走路千八百メートルの完成と、関連施設の受け入れ態勢の確立が必要であるとのことでした。
なお、航空大学校からは、最近の航空事業の発展に伴い、パイロット養成がきわめて重要問題として取り上げられている今日、これに対する学校の諸施設はおくれがちで、特に練習機の増加と、庁舎、学生寮の整備について十分な予算措置をしてほしいとの要望がありました。
また、鹿児島空港は、昭和三十二年第二種空港として発足以来、年々整備され、三十六年九月より沖繩航路が設定され、入国管理法に基づく出入国の指定、また税関空港としても指定され、国際空港的性格を持つほか、種子島、屋久島、徳之島等離島航路の基地としてもきわめて重要な空港であり、その使命を果たすため、地元の協力のもとに、滑走路の延長工事、ターミナル諸施設の拡充強化をはかっているとのことで、その実現に協力してほしいとのことでした。
次に、国鉄関係について申し上げます。
まず、大分、鹿児島両鉄道管理局管内における運輸概況について総括的に申しますと、旅客はやや好調であるが、貨物は農水産物の生産及び資源の関係から出貨渋滞等が反映して横ばいを示し、したがって営業係数は、大分鉄道管理局では一一一となり、鹿児島鉄道管理局では一四六となっており、本年度はさらにこれより悪化する傾向にあるとのことであります。しかしながら、新線の輸送成績について申しますと、日南線、指宿枕崎線ともに比較的順調な成績をあげております。また、新道路五カ年計画による国道整備及び九州縦貫高速道路の完成による影響等についても十分考慮する必要があると思われますとのことでありました。したがって、両鉄道管理局においては、将来の経営改善策として、旅客については積極的に観光客の誘致をはかり、貨物については第二次製品及び消費物資に対する主要都市間輸送体制強化等をはかることが必要であるが、一方すでに輸送力は限界に達し、一部区間では線路容量を上回るところもあり、単線区間としては行き詰まりの状態で、輸送力増強が焦眉の問題となっております。その抜本的改善策としては、日豊、鹿児島両本線の複線化、電化、電車化、鹿児島操車場の新設等を強力に推進する必要があるとのことであります。
また、新産業都市指定にかかる大分鶴崎、日向細島、谷山、川内等臨海工業地帯の造成に伴う輸送量の増加に対しては、輸送諸施設の強化改善が大いに必要であります。
次に、踏切保安対策でありますが、踏切の整理統合と保安設備の強化に努力する反面、踏切保安の日の設定、踏切防護協力員の委嘱、鉄道子供会、母の会等の育成助長、その他関係機関の全面的協力を得て、踏切事故防止の徹底化につとめる考えであるとのことであります。
次に、博多、長崎間国鉄バス路線申請について若干申しますと、本路線は、長崎本線の補完輸送及び博多以遠の輸送サービス改善等を主眼として、三十五年末に申請したのでありますが、現在地元資本を主体とする九州急行バス他三社と競願関係にあり、昨年五月中旬公聴会が開催され、今日に至っておるとのことで、国鉄の説明によりますと、地元関係県、市及び町議会からそれぞれ関係当局に対し、国鉄による特急バス運行の意見書が提出されているとのことであります。
次に、第十管区海上保安本部について申しますと、当管区は、御承知のごとく、組織改正に伴い、三十七年一月一日に第七管区所管区域のうち南九州地域をその管轄区域として発足したのでありますが、当管区の特殊性として、離島、南西諸島、沖繩及び香港に通ずるいわゆる密輸ルートをかかえており、また遠距離かつ広大な区域に及ぶ南西諸高等における海難事故に対応する巡視船の不備不足があげられるのであります。したがって、老齢巡視船艇の代替建造及び増加建造並びに航路標識等の整備をはかりたいということであります。
次に、宮崎及び鹿児島地方気象台について申しますと、離島航空路開発に伴う航空観測施設等の整備、離島官署に配属されている職員の生活環境の改善及び種子島のレーダー映像伝送装置の整備について要望がありました。
次に、陸運関係について申し上げますが、特に福岡陸運局におきましては、最近の自動車台数の激増に対応する検査登録官の増員とその予算措置についての強い要望がありました。なお、管内における特殊性として、離島における出張車検等についても、予算措置等について十分な配慮を要望しておりました。
次に、離島航路について一言つけ加えますと、主として鹿児島−種子・屋久島航路等については、配船調整及び合理化等の必要性があり、また航路補助の大幅増額等についても強い要望がありました。
最後に、各地において受領いたしました陳情等の要旨について申しますと、宮崎県におきましては、日向延岡地域工業開発に伴う輸送力の強化、南九州地域の国際観光上の重点地域の指定並びに主要国際観光ルートヘの昇格、日豊本線の複線化、電化及び重軌条交換、日の影線建設促進、信号所の増設、特急「みずほ」の延長運転等、多くの要望がなされております。
次に、鹿児島県におきましても、ほぼ同様な趣旨の陳情のほか、鹿児島港建設早期完成、西之表、島間、浜津脇、宮之浦各港の建設整備促進、離島航路の整備強化、国分新線建設促進、鹿児島本線等の線増、電化、電車化の促進、離島航空網の整備等であります。
以上、視察報告を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/7
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008・米田正文
○委員長(米田正文君) ただいまの御報告に関連して質疑を行ないます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/8
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009・岡三郎
○岡三郎君 順序不同になりますが、まず第一に、このいまの報告書の中にもありましたように、日豊線の複線化が緒についておりますが、この早期完成が非常に強く要望されておりまするし、「みずほ」の延長等も非常に地域としては早期に解決してもらいたい、こういう問題がありまするが、なお、現在それぞれの地域の状況については一応知っておりますが、本省としてこれらの問題について一応の御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/9
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010・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) 三十九年度の予算案におきまして、日豊線の複線の計画は具体化をしております。なお、特急「みずほ」の延長運転も、目下国鉄で検討中——と申しますのは、やる方向で検討中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/10
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011・岡三郎
○岡三郎君 国鉄にお伺いしますが、いま広瀬鉄監局長から答弁があったのですが、前向きの姿勢で「みずほ」の延長等をやられる——大体いつごろの予定になるのですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/11
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012・山田明吉
○説明員(山田明吉君) いつからというはっきりしたことは、私ちょっと確かめてまいりませんでしたが、来年度予算で車両費がどの程度実行上可能かという点にかかってくると思います。それで、かねて地元からの要望もたいへん強うございますので、できるだけ早急にやりたいということで、かねて検討をいたしております。ちょっといつからということは私確かめてまいりませんでしたので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/12
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013・岡三郎
○岡三郎君 それではちょっと情けないのですね。この問題は、まあこれ以上追及してもはっきりしない様子ですから、あとに回してもいいのですが、やはりこの日豊線等へ行ってみて、九州の幹線として非常に近代化がおくれております。特にわれわれが考えたことは、今後九州地帯が、いろいろと産業開発の面においても、臨海工業地帯を多く控えて、しかも観光ルートとしても、その飛躍的な、何というか、発展が要望されているわけです。そういうふうに見るというと、鉄道の後進性というか、非常に近代化がおくれているために、非常に文化の恩恵というものが薄くなっているのではないか、こういう面が非常に強く指摘されておるので、いろいろな面における地域格差の撤廃という問題が当面大きな問題になっている現状においては、やはりこういう問題についてもひとつ早急に目鼻をつけてやるということでないと、これからいろいろ質問する観光ルート、観光の問題についても、やはり非常に有望な地域であるというふうにわれわれも考えておりますので、これは後刻さらに質問いたしますが、そういう観点からひとつ急速に御計画願いたいというふうなことを考えておるわけです。これは要望兼質問をあとに残します。
それとの関連で、これは国鉄に聞くわけですが、鹿児島管理局長も非常に精力的に西鹿児島の操車場の問題についていま取り組んでおります。鹿児島県内においては、この問題と、それから飛行場の拡張の問題と、鹿児島本線の電化の問題ですね、こういう問題について非常に強い関心を持っている。特に南部の、南九州の起点としての鹿児島の発展というものを真剣に考えてもらわぬと困る。まあそれぞれの県にもそれぞれの理由があるわけですが、この西鹿児島の操車場については、実態的にもうすでに鹿児島駅は実力は西鹿児島駅に移っている。将来鹿児島駅を貨物専用駅というふうなことにして、そうして西鹿児島駅を旅客その他の中心地にしよう、こういうことで、拡張計画で大要がすでにつくられて、国鉄の利用債等についてもある程度話が進んで、こういうことで県当局に対しても非常に積極的に進めて、県当局に対してもいろいろと要請しておるようですが、西鹿児島駅の操車場の建設について報告がございますか、本省のほうに。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/13
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014・山田明吉
○説明員(山田明吉君) 私ただいま調べてまいりませんので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/14
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015・岡三郎
○岡三郎君 この点についても、現実にやはり地方の実情という点から、早期にひとつ完成する方向で国鉄本社のほうとしても御配慮願いたい、こういうふうに考えます。
それから、鹿児島本線の電化について、最近熊本駅まで延長するということが決定されて、その後における延長についてはまだ漠然としておるようです。これについての考え方をちょっとお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/15
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016・山田明吉
○説明員(山田明吉君) 先ほどの鹿児島の地区改良の問題でございますが、具体的に操車場がどういう現在進行状況になっているか、私つまびらかにしないのでございますが、ただいま御審議願っております三十九年度予算では、鹿児島地区改良といたしまして、すでに相当金をつぎ込んでおります上に、約三億ばかり金をつぎ込みまして、完成をはかる一応計画にいたしております。これは予算が成立いたしました上の実行上の問題でございますので、まだはっきりそうするという段階ではございませんが、そういう方向で予算の審議をお願いしておるわけであります。
それから、鹿児島本線の電化につきましては、ただいまお話がございましたように、一応熊本までの複線化と電化とを考えまして、これもただいま御審議を願っております予算が成立いたしますならば——実行上三十九年度として相当の額を計上して、予算をただいま御審議を願っているわけでございます。
それから、したがいまして、熊本からさらに南鹿児島へ向かっての電化計画、あるいは複線計画は、前の委員会で総裁から申し上げたと思いますが、四十年度以降の第三次計画に織り込んで計画をいたすつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/16
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017・岡三郎
○岡三郎君 そうするというと、国鉄の第二次五カ年計画が四十年度に完成される、その中にこの問題は持ち込まれるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/17
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018・山田明吉
○説明員(山田明吉君) 熊本以南の問題は、第三次の計画として考えるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/18
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019・岡三郎
○岡三郎君 日程としては、おぼろげながらも、大体どのようになっているのですか。いわゆる第三次計画として、大体どのように目鼻がつく、そんなことはお答えできませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/19
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020・山田明吉
○説明員(山田明吉君) まだ正確に鹿児島までいつやるかという結論は得ておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/20
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021・岡三郎
○岡三郎君 非常に地元としては、熊本まで延長されるということについては、もちろん異議ないわけですよ。歓迎するわけですよ。せっかくそこまでやられたならば、やはり画龍点睛というか、鹿児島本線そのものを縦に通すということで、一日も早くこの延長をやってもらいたいという強い要望があるわけです。この点については、国鉄本社自体としてもぜひひとつ検討の中に入れてやってもらいたいというふうに考えます。
それから、ちょっと観光についてお伺いしたいのですが、これは二つありまして、北九州観光ルート、それから南九州観光ルート、二つを国際観光ルートの指定を早めてもらいたいという要望です。これについて現地にいろいろと質問いたしましたところ、運輸省本省としては、観光基本法に基づく法の整備が先で、観光ルートはそのあとのほうがいいのではないか、こういうふうな運輸省本省の意向であるけれども、当面オリンピックを控えて、やはり法の整備よりも、まず指定をしてもらうことのほうが当面必要なのであって、ぜひともこれをやってもらいたいという強い要望です。ということは、特に北九州等においては、産炭地の振興等いろいろと国策的にはかられておりますけれども、やはり何といっても、これにかわるという問題ではありませんけれども、新しい観光客の誘致に伴う振興策を考えていきたい、そういう、歴史的においても、また景色の点においても、まことに優秀なところである、こういうふうに言われたわけです。そういう点で、北九州の観光ルート、それから南九州の別府から宮崎、鹿児島をつなぐ線を国際観光ルートに指定してもらいたい、こういう要望があるのですが、それについて所見をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/21
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022・梶本保邦
○政府委員(梶本保邦君) ただいま御指摘の国際観光ルートの問題でございますけれども、実は国際観光ルートという言葉が生まれ出ましたのは数年前のことでございます。当時内閣にございました観光事業審議会あたりで、この地域を国際観光ルートにしたらよろしかろうというふうな意味の意見の具申やら答申が出たことがございます。ところが、御承知のとおり、審議会のほうでそのような答申なり意見は出ましても、一向に国際観光ルートの整備は進んでおりません。結局、昨年観光基本法の中で、第八条で「国際観光ルート」という問題が初めて法律で取り上げられたわけでございます。そうしますというと、いままでそういった言葉が世上に流布されておりましたし、そこへもってきて基本法でそういうことが法律の用語として出てまいったものですから、もう地方のほうでは早く指定をしてもらいたいという要望が日増しに強くなっているわけなんです。ところが、どのような方法で指定するかということになりますと、ここのところは非常にいい景色だからここを観光ルートに指定しようというふうなことだけでは、やはり国際観光ルートというものの意味が私はないと考えております。そのような審議会で意見が出たとかなんとかということではなくて、いわば運輸省としましては、例の新産業都市の問題、ああいった問題と同じようにやはり国際観光ルートを扱っていかなければ、ほんとうの国際観光ルートの指定の意味がないのではないか、このように考えておるわけでございます。たとえば、国立公園というものは告示で行なわれております。この告示は、自然公園法に基づく告示として行なわれております。やはり一つの法律の根拠があって、はじめて予算の裏づけというものが行なわれるのではないかと考えておる次第でございまして、一つの法律があって、そうしてその法律に基づいて国際観光ルートというものの指定が告示で行なわれる、それではじめて国際観光ルート網というものが全国的に総合的に整備されるのではないか、このように私どもは解釈いたしておるわけでございます。ただ中には、いまにも指定になるとあくる日から直ちによくなるというふうなお考え方で、最近非常に陳情が多うございますけれども、どのような方法で指定するのかということをやはりもっと掘り下げて考えてみなければ、この問題としては発展しないのではないがと考えております。また、観光地というものと新産業都市との関連をどのように解釈すればいいのかというふうなことについても、運輸省としましてはただいま検討いたしておるような次第でございまして、そのようなわけでございますので、そう簡単にいかない問題だと私は考えております。ただ、あまりにも地方で大きな声になり過ぎておりますので、中央としましては、何らかのかっこうでこの問題を取り上げざるを得ないような、いわば政治的な雰囲気の中に置かれているわけでございまして、内閣にございます観光政策審議会も、この問題の取り扱い方について近く結論を出すように私は聞いております。
以上がただいまの段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/22
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023・岡三郎
○岡三郎君 運輸省としての考え方もよくわかるのですが、地方としては、やはりオリンピックを控えて、国際的に宣伝をして、この際ひとつ大きく発展をしていきたい、こういうことで、法律に基づく予算の裏づけ等も、ほしいことはほしいけれども、やはり国としてそういうルートの指定をすることから始めてもらったほうがこの際は地域の実情に即しているのではないか。民間のほうにおいてもホテルの建設等が非常に進んでおりまするし、そういう面においても画期的な一つの段階にあるわけであります。そういうことで、中央としてはいろいろと配慮をしていかれる点についても、先ほど言ったように、よくわかるのですが、ルートの指定というものをしてもらわないと、国際的にも宣伝が立ちおくれてしまうし、ちょうどいい時期であるから、ひとつその資格条件というものを具備して、完全にそういうふうな期待に沿えるということはなかなかむずかしいとしても、今後それは逐次整備していけるということでやってもらいたい、こういう強い要望なんです。特に国際観光としては、東京中心、あるいは近畿地方、いろいろルートがあろうと従来見られておるけれども、いま東京から九州ヘジェット機で一時間程度、非常に手っとり早く来られる、そういうことになれば、やはり九州のそういうふうな景観というものを外国の人に見てもらう一番いい時期であります。それにはやはり、何といっても、国際観光ルートの指定というものがまずされてきてもらわなければ、宣伝をやるにもむずかしい、こういうことだと考えておるわけです。それで、運輸省のほうが、なかなかこの点については、オーソドックスに考えておられますので、何とかここのところをまずひとつ指定する方向に行ってもらって、あと本省並びに民間、あるいは地域——九州全体としてこれに即応する態勢をとることでやっていきたいという強い要望なんですが、いま政治的ないろいろの動きの中で内閣が検討されておるということですが、運輸省自体やはり観光局としての考え方がかなり影響するので、法規的に見て予算の裏づけがなければという考え方はわかるけれども、指定をひとつ早めてもらうわけにいかぬですか、全体の計画として。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/23
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024・梶本保邦
○政府委員(梶本保邦君) 基本法による国際観光ルートというものは、観光基盤施設と旅行関係施設を国が整備の方向に向かって進まねばならないという法律になっておるわけでございます。「観光基盤施設」と「旅行関係施設」という法律用語が観光関係としては新たに法律の中に生まれ出たわけでございますが、結局、私どもはどうしても、とにかく観光ルートというものをいまよりはよくしたいという非常なる希望なり、信念と申しますか、やっていきたいという気持を持っているわけなんです。それにはやはり、ただ単に名目的に、ここは景色がよろしゅうございます、ああよろしかろう、これは国際観光ルートだというだけではいかぬのではないか、そこに強力なる突っかい棒が要る。したがって、観光基盤施設の中には、鉄道、道路、空港、港湾というものが一切がっさい入っておるようなことになっております。旅行関係施設でも、宿泊施設、案内施設、食事施設、休憩施設というようなものも含めるのだというようなことを法律に書いてございますようなわけで、そういったものを整備していきたいというわけでございまして、先生のおことばどおり運輸省はオーソドックスに考えておるわけでございます。それが数年前からいわれておってちっとも進まないから、やはり根底からやり直そうではないかという立場に立っての運輸省は議論であったのでございますけれども、いま観光ルートについての御要望が地方的に非常に多うございますので、そういった地方の御要望というものをわれわれとしても無視するわけにまいりませんので、そういったことについて、何らか方法を早める、あるいはまた、政策審議会あたりでも、その問題をこういうふうな方向で進むということに一歩前進するというかっこうで、何らかこの問題をはっきりさせたいということでいたしておりますわけで、決して逡巡遅疑しておるわけではございませんで、むしろよりよくしたいということでこの問題を根底から耕していきたいと思っておったわけでございますので、おことば、御趣旨よくわかっております。地方の観光課長あたりから、もう毎日のごとく、この問題については、問い合わせ、陳情を受けておりますので、われわれとしても、ぜひ何とか早い機会に善処しなければならない問題だというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/24
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025・岡三郎
○岡三郎君 大要はわかりましたので、私のほうは、最終的にひとつ、オーソドックスにものを考えていく進め方については、全然異論がないわけですが、視察の結果としての実情からいって、当面いい時期を控えておるので、観光ルートの指定をしてからでも、前後する面があったとしても、それは当面差しつかえないのではないかというふうな考え方を持って帰ってきたわけです。われわれ自体としても、基本的な問題から取り組むということについては賛成ですが、それをしも含めて、ひとつこの点は善処してもらいたい、これは要望です。どうぞお願いいたします。
次に、陸連関係、自動車関係について、木村さんが来ておりますので、ちょっとお伺いしたいと思います。
いまの報告書の中にも指摘しておりますが、非常に自動車の量がふえておる。で、車検その他、特に離島関係があって、九州全体として非常に困難している。現在の本省のやり方について文句を言っているわけではございませんが、ただ地域の実情において非常に人手不足がもう限度に達しておる。仕事の量が三倍ぐらいになっているのに、人は一人程度増加したという状態の中で仕事をしておるので、労働基準法による休暇——有給休暇等は全然とれないばかりか、事務所等、給与その他は本省からもらっているが、身分は県のほうにあるというようなことの問題もありますけれども、非常に仕事の量の躍進と言いますか、量が非常にふえたことに対して、陣容がそろわぬ、非常に苦しいという強い要望ですが、これは木村さんのほうで実情はおわかりになっていると思いますが、何とかひとつこれに対する対応策を考えてもらいたいという要請を、これはまことにもっともだというふうに考えて帰ってきたわけでありますが、特に鹿児島あたりは非常にひどい状況ではないかというふうに考えております。この点についてお考えを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/25
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026・木村睦男
○政府委員(木村睦男君) 自動車行政の出先機関が、仕事の量が非常にふえてまいりまして、それに伴って人員あるいは予算が不足しておる状態は、過去十数年来こういう状況で、苦慮いたしております。毎年、御助力を得まして、若干の予算あるいは定員はふえてまいりましたが、それにもまして自動車の増加の傾向が強いので、そういう苦しい状況になってまいっております。これにつきましては、特に九州方面、いま御指摘の鹿児島県には、私も昨年七月に鹿児島の陸軍事務所にも行って実情を目で見てまいっておりますので、よく存じております。これは、わが国全体としてそういう傾向でございますので、この方法といたしてまして、特に陸運事務所、陸運局の仕事の中で、車両検査、登録という第一線、現場的な業務についてその感が深いので、そこで、来年度の予算と関連いたしまして、私のほうで法案の御審議をお願いしておるわけでございますが、車両検査の手数料を上げまして、そして登録と車両検査、この手数料収入がそれによって増加いたします。その増加いたしました収入をそっくりそのまま、車両検査、登録の施設の整備あるいは人員の獲得等に振り向けたいということで、手数料の増加と、それからそのためにこれを特別会計にする、この二つの二本立てで、いままでなかなか解決できなかった、こういった予算、定員の面の飛躍的な強化をはかりたい、かように考えております。三十九年度からその予定で、ただいま手数料の値上げにつきましては当委員会で御審議をいただくことになっております。特別会計法のほうは大蔵省の関係で、その常任委員会で御審議を願って実現したい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/26
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027・岡三郎
○岡三郎君 それから、機構の問題ですね。仕事の面においては縦の系列になっておる点も、身分的にいうと地方公務員になっているのですか、いわゆる県知事のもとに。そういう面で、仕事が非常にやりづらい面があるといいますが、機構の一本化というか、制度というか、そういう点についてはどういうふうにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/27
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028・木村睦男
○政府委員(木村睦男君) 現在陸運事務所が置かれております形は非常に変則的でございまして、占領政策の遺物の一つになっている。つまり、予算、人事権等は運輸大臣が持っておる。身分といいますか、指揮権は府県知事のもとにあるということで、これを早くすっきりした形にいたしたい、運輸省、陸運局、陸運事務所を縦に直結した形にいたしたいということで、いままでもしばしば政府部内においても努力いたしてまいって、ある時期にはそれが実現しそうなときもございましたが、ついに今日までそのままになっております。一昨年来、臨時行政調査会が設置されまして、全面的にこういった政府の行政機構について再検討を加えるということで、この調査会の結論も近く出る予定になっております。われわれとしましては、この調査会に対しまして、いまの陸運事務所のこのいびつなかっこうについては、十分意見を具申しておりますので、この答申を待ちまして善処いたしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/28
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029・岡三郎
○岡三郎君 それから、博多から長崎に至る高速道路の建設に伴う輸送確保の問題ですが、いま三者競合の形でやられているけれども、すみやかに指定というものをしてもらいたい。その場合に、この報告にも書いておきましたが、国鉄関係を一枚入れてもらいたい、こういう地元市町村の要求ですね。いろいろの難点があるかもわかりませんが、この指定の時期、あるいは運輸省のどういうふうにして指定せられるか、なかなか政治的な問題がからんでいるかもわかりませんが、局長の所信をひとつ伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/29
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030・木村睦男
○政府委員(木村睦男君) ただいまの御報告の中にありましたように、博多−長崎間の、長距離になりますが、路線バスを運行したいということで、三者出願が出ております。その中で日本国有鉄道。それからもう一つは九州急行バスという新設会社で、沿線の現在の民営バス自動車が協力して一つの会社をつくっています。またもう一つは、三十五年に一度却下されましたが、西日本特急バスという新しい新規の申請が出ております。昨年の五月に聴聞会を終えたわけでございますが、これらにつきまして、それぞれ地元あるいは県関係方面から賛成、反対の非常に強い陳情がそれぞれについて出ております。われわれといたしましても、慎重に調査をいたしまして結論を出したいと思います。いましばらくお待ちいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/30
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031・岡三郎
○岡三郎君 いろいろと御心配になっていることはよくわかるんですが、大体の時期の見通しは言われませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/31
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032・木村睦男
○政府委員(木村睦男君) 昨年公聴会が終わりまして、運輸審議会でまず審議してもらうことになっておりますので、運輸審議会の関係もございますので、いまここでいつということはちょっと私から申し上げかねる実情にございます。できるだけ早く御報告を申し上げられるようにしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/32
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033・岡三郎
○岡三郎君 これは一つの新しいケースの問題ですがね。これによってほかの長距離バスという問題の内容が生まれてくるのじゃないかというふうにも考えられますが、こういう問題について、民間バスと国鉄バスですか、二線を走らせるのがおおむね妥当であるし、常識的にいってもそれがいいんじゃないか、こういうふうな現地の大体の声ですね。こういう点についても、いろいろと運輸省自体としてお考えがあると思うんですが、われわれとしては、やはり民間を一本通して、国鉄バスを通す、そこにおのずからサービス等の競争というものもあらわれてくるし、そのほか、地元のほうとしては、一本そういうものが、公営的なものが通っていれば、比較的に安心して利用できるのじゃないか、そういう声が潜在しているというふうに考えますので、そういう点の内容についてもお考えがあると思うんですが、ここでこういうふうにしたほうがいいという所見は述べられませんか。これは木村局長でいけなかったら、副総裁でもいいんですが、ぼつぼつ答えを出すべき時期になってきてますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/33
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034・木村睦男
○政府委員(木村睦男君) できるだけ早い機会に運輸省といたしまして結論を出したいと思っておりますが、いま御指摘の問題につきましては、いろいろの議論がございます。こういった長距離バスはどういう形でやることが最もよろしいかということで、いろいろな意見が出ております。われわれもその一つ一つについていろいろ目下検討しています。したがいまして、単数がよいか、複数がよいか、また複数の場合に民営バスと国鉄バスの複数がよいかどうか、あるいは国有鉄道のバス事業というものは一体どういうものであるべきであるか、そういったいろいろ問題がございます。相当むずかしい問題でございますので、若干の時間をかけて現在検討いたしております。いまこの席でそれにつきましての運輸省としての判断を申し上げるまだ時期には至っておりません。十分御趣旨の点含んで検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/34
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035・岡三郎
○岡三郎君 むずかしいという要素は、これは時間的になかなか解消しないと思うのです。あとは運輸省として、あるいは国鉄として、いろいろ要請されておると思うのですが、運輸省として決断される時期がもうきておるのじゃないか。ということは、放置しておくわけじゃないけれども、時間が延びていけば延びていくほど競合というものが拍車をかけられていく。こういう点で、いろいろな問題点があるにしても、やはり判断を一刻も早くして、向こうところを明示したほうがもんちゃくが少なくて済むのじゃないか、こういうふうに考えるのですが、これ以上言ってもなかなか答弁の内容がむずかしいようですから、一応ここでおきますが、すみやかにひとつ、こういう点については、国民大衆の利便という面から考えて、英断をしてもらいたい、こういうふうに考えます。
それから、航空局長いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/35
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036・米田正文
○委員長(米田正文君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/36
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037・米田正文
○委員長(米田正文君) 速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/37
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038・加賀山之雄
○加賀山之雄君 私からも二、三観光の関係からひとつ、梶木さん、先ほど岡君からお話しのあったことですが、観光基本法ができて、その関係の法律を整備して、予算を持ってやっていこう、梶本さんのこの良心的な考え方はよくわかるわけです。そのとおりだと思うのです。たとえば国立公園を指定したといっても、政府は何もやらぬで、ただ地元の要望で国立公園にしたということだけでは、意味がないと思うのです。私は観光ということを考えた場合に、特にオリンピックを控えて、オリンピックが終わったあとがほんとうは観光一番大事なんだ。ヘルシンキなんかでも、オリンピックが終わって急激に観光客が増加した。国内の滞在日数もふえておる。わが国の観光で考えなければならぬことは、国内になるべく足をとめさせるという方策をとるということで、いつまでも箱根、日光、あるいは京都、奈良だけであるまい。幸いにも、われわれ行った南九州から北九州、それから北海道、とにかく観光としては、ほんとうに外国から来た人を喜ばせるに足る史跡とか、ああるいは風致があるわけなんです。ただこれは未開発に残っておる。そこで私は、岡さんが言ったように、良心的な面もいいけれども、ちょうど法律にその名前が出たところなんだから、観光ルートを指定する。地元の意気も上がるし、法律の施行あるいは予算の裏づけというものがそれによって促進されるという面も考えたらいいんじゃないか、かようなことで、せっかく基本法でああいう観念が出てきてはっきりしたわけですから、この際遠慮なく調査をされて、運輸省のほうでこれこれはひとつぜひ国内に来た人に見て帰ってもらいたいところだということで、観光ルートの指定を急がれるほうが、事態の促進になるような気がするわけです。もちろん、そのルートの指定をしただけじゃ、それに行く道路も悪い、あるいは鉄道がまだ十分でない、ホテルもないということでは、まことにあれですが、少なくともそこに早く持っていかなければならぬわけですね。そうして、国内に来たお客になるべく広く回ってもらい、滞在日数を多くする、これは貿易外収支の現状を見ても、どうしてもわが国としてやらなければならぬことであります。それをぜひともひとつ……。これは私ども見たのは南九州だけですが、北九州でも唐津から平戸にかけてのあの風光はだれにでも見てもらいたいという熱心な要望があります。それから御承知のように北海道、これは実際問題としてまだ残されていると思います。必ず日本に来た人は一ぺん北海道に行けということにはなっていないということから、これを急がれる。もう一度梶本さんのお考えを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/38
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039・梶本保邦
○政府委員(梶本保邦君) 外客の日本における滞在日数の問題でございますが、これは残念ながら数年来漸減の傾向にございます。数年前の昭和三十一年ごろには十五日ないし十六日、現在は十二日ないし十三日ということで、数年の間に三日ほど短縮になっております。結局それだけ日本としては外貨の獲得が少なくなっていることだと思う次第でありまして、そのような意味からいたしまして、いわゆる東京から関西までの基幹ルートのみならず、日本のすみずみまで見てもらいたい、またそこへ行っていただいたほうが日本のためにもなるのだという意味合いにおきまして、観光ルートをすみずみまで開拓しなければならないという気持につきましては、私どもそういう気持を前々から持っている次第であります。先生のお説のとおり、私どももさように信じている次第でございます。そのような意味で、ただ根底から問題に取っ組もうとしたために、あるいはこの問題についておくれているようなお感じをお持ちになったのじゃないかと思うのでございますけれども、しかし、いまいわば政治的に地方から盛り上がってきているわけでございまして、そういう点についてもわれわれ十分情勢についてはわかっているつもりでございますので、この問題はこの機を失せず何らか前進をさせていくべきじゃないかというふうな気持を持っていることは事実、またそのような気持で進んでいる次第でございます。御了承いただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/39
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040・加賀山之雄
○加賀山之雄君 その気持はよくわかるのです。そうとすれば、何か具体的に、それを一歩でも進める意味において、事実上の問題として、観光ルートというものを指定して、すみずみまでとおっしゃったが、なかなかすみずみまではむずかしいことだが、しかしせっかくいいところがあるのだから地点を選んで、これは国際観光ルートだと箔をつける、そうして法律を急ぎ、その予算化を急いで、そこを整備していく、新産業都市と同じような考えでいく——これはもう新産業都市以上ですよ。インビジブル・トレードとして、これをひとつぜひ早める意味において、観光ルートというものを至急ひとつ、こことここと——これはまたあとで出てきてもいいが、代表的なものを選んでやられることは、私はこれはなかなか政治的に問題があると思いますよ、また御苦心が出ると思うけれども、やらなきゃならぬことじゃないか、こういうふうに考えているのです。もう一ぺんひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/40
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041・梶本保邦
○政府委員(梶本保邦君) 外客の滞在延べ日数の分布を見てみますと、日光、東京、箱根、熱海、名古屋、京都、大阪、神戸この地区で八五%になっております。残りの一五%が北海道、北陸、山陰、四国、瀬戸内海、九州と、こういうふうな状況でございまして、残念ながら、日本で名実ともに国際観光ルートに値いするものは、いわば日光から京都、大阪までという実情でございまして、残りの一五%がその他の地域、これであってはならないという気持を持っておる次第でございまして、中には、新産業都市の問題を運輸省は知っているだろう。たいへんな与野党あげての大問題であったこともよく知っているだろう、だからその問題を早く処理しなければいけないし、同時に長引くとますます問題が大きくなってくるからというふうな御忠告も実はいただいておる次第でございまして、私どもは御趣旨を体してこの観光ルートの問題を何とか軌道に乗せたい、要するに軌道に乗せるのにどういう方法が一番いいかということで苦心をいたしておる次第でございまして、一歩でも二歩でもこの問題を前進さすという熱意におきましては、決して運輸省としましてはなおざりにしていませんことを申し上げて、御了承を得たいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/41
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042・加賀山之雄
○加賀山之雄君 今度私どもの回りましたところは、いわゆる低開発といいますか、開発がおくれている。今日までおくれてきたということは、逆に言えばこういういいところがまだ残っていたということで、産業から見ても、また観光から見て特別非常にいいところが残されている。これを急速に交通機関等を整備して——先ほど岡さんが言われたように、これは私は、国鉄等も単線で輸送力が少なかった、これらが結果的に言えば、逆説的になるが、非常に功績があったわけで、そういういいところが残っておったわけで、まあしかしこれはそれでほうっておけるものではなくて、いまの地域格差をなくする意味からいっても、それからまた各地域においては非常な開発を熱望しているわけです。これに対して、政府は、あるいは国鉄としても、最善のいままでのおくれを取り戻す私は方策をとらなきゃなるまいと思う。そこで、いろいろ考えた場合に、各出先機関も非常に熱心に仕事をしておられるので、私ども敬服したのですが、まだああいう、何といいますか、働きにくいところで働いている立場の人たちに対する配慮が私は少し少ないのじゃないかと思うのです。たとえば鹿児島で言うならば、たくさんの離島を持っている。この離島というのはまた特別でして、海が荒れたら船がとまる、出張していっても帰りが何日もしけで帰れないというようなことが起きる。そこに定員が少ない。さっき木村自動車局長のお話がありましたけれども、全く働いておるそういう人も気の毒だ。気象関係なんか特にそうです。こういう人にとっては、また子供さんの就学の問題が離島で働く人には問題があるわけです。具体的に言うと、そういう人は鹿児島に出てきて勉強する寮でもつくってもらえないだろうかというような切実な要望がありました。ほんとうに私どもは打たれたわけです。定員とか、それから処遇については、これは十分ひとつ本省においてもお考えを、これは自動車局長、あるいは気象台関係の方、これは航空にもありますが、皆さんそういうことをお考えいただきたいと思うわけです。まあいろいろ離島であるがゆえの特殊のこれについて特別に考える。まあお役所というところはどうしても画一的になって、定員の査定にしろ何にしろそうなりがちなものなんだけれども、離島というのは特別であって、われわれが行った種子島なんかは、あの島に六万から人口があるわけです。そこに住んでいる市長さん、町長さんからまあいろいろお話伺いましたし、それからそこを管理しておる各機関の方々にもお話伺いましたが、これはわれわれのひが目かもしれませんが、何かあきらめみたいなものを感じておられるというような感じを受けた。まあ、本省は見てはくれているのだけれどもどうにもならぬといった、こういう気持があるように思えたわけで、私はそうあってはならないので、離島対策というようなものももっともっと見てもらわなければいかぬ、こういうふうに思うわけです。
これはひとつ自動車局長にお伺いしたいのですが、延岡に車検場はあるのでございますか、ないのでございますか、現在。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/42
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043・木村睦男
○政府委員(木村睦男君) 延岡には出張車検場がございます、施設を借りまして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/43
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044・加賀山之雄
○加賀山之雄君 これは視察報告にはございませんけれども、車検場というのは四十キロ以内というようなことがあって、正式な車検場を延岡にもほしいのだ。そうでないと、宮崎まで、非常に遠いところまで車を飛ばしていかなくちゃならぬ、車も非常にふえたし、そして地元で非常に心配をしておられる方々があって、このことをぜひひとつお考えいただきたい。ほんとうの車検場、出張所でなくて、そこで間に合う、宮崎まで行かないでもいいようにしてもらいたいということを言っておりましたが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/44
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045・木村睦男
○政府委員(木村睦男君) 延岡の出張車検場につきましては、私も数度にわたりまして地元から陳情を受けておりまして、よく実情を知っております。で、現在国が施設を持っております車検場というものは、東京とか大阪を除きますと、大体県庁の所在地に一カ所しかございません。したがいまして、先ほど申し上げましたように、来年度から特別会計になりますと、予算の規模が長期の見通しが立ちますので、これを御承認いただきますと、今度は長期計画を立てまして、いまお話のような出張車検場等を逐次整備いたしますと同時に、県内におきましても直轄の国の施設の車検場もこれからふやしていきたい、こういう考えを持っておりますが、延岡もそういう場合にはこの計画の中に逐次入れていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/45
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046・米田正文
○委員長(米田正文君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/46
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047・米田正文
○委員長(米田正文君) 速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/47
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048・江藤智
○江藤智君 ただいま岡委員並びに加賀山委員の御質問に関連いたしまして、私も一言観光局長にお伺いいたしてみたいと思います。
それは、議題となりました国際観光ルートの指定の問題でございまして、特に北九州の観光ルートの指定ということは、長い間の地元の要望でございます。しかし、観光基本法もできましたし、この際、基本的な法律のようなのも根拠によってひとつ実のある指定をしたい、だからして、一歩でも二歩でも前進するつもりだけれども、いましばらく待ってもらいたい、こういう御答弁のようであったように思います。しかし、一方におきましては、オリンピックもこの秋に控えております。また、北九州の別府、雲仙、あるいは雲仙に至る、また北の唐津を通ってのルートというものは、もう衆目の見るところ、これは国際観光ルートとして日本の代表的なルートに乗せたいという希望があることも事実でございます。そこで、先ほどのお話のように、一歩でも二歩でも前進させたいという方法ですね、現在どういうふうに考えていらっしゃるか。その点をお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/48
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049・梶本保邦
○政府委員(梶本保邦君) 具体的には内閣にございます基本法に基づいてつくられました観光政策審議会、この委員会にこの問題を提示いたしまして、そして何らかの結論を観光政策審議会として得る方向に持っていきたい、それには、とりあえず、この地域というものが国際観光ルートとして適当であろうというふうな意思表示を具体的にしてもらうような方向に持っていったらどうか、法律はそのあとを追っかけるというふうなことに持っていったらどうか、というふうに考えております。やはり告示で行ないませんと意味がないと思います。それには、やはり法律が要るんじゃないかという考え方でございます。しかし、少しでも前進という意味では、政策審議会でこの問題をある程度具体的にお取り上げいただくということで、おそらくかなり近い将来にこの問題の結論を出したいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/49
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050・江藤智
○江藤智君 実は、私がお尋ねいたしておった考え方も、そういう気持ちでお尋ねしたわけでございますが、しかし、内閣の観光審議会で指定をしておるということは、従来もそういう方法でやっておられたんじゃありませんか。ちょっと御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/50
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051・梶本保邦
○政府委員(梶本保邦君) そのような方法で行なわれておった、数年来。ところが、ちっともよくならないし、実効があがらぬものですから。というのは、委員会で報告があるとか、答申があるとかいうことになりましても、必ずしもそれに伴って予算がつくというわけにも参らぬ事情がございますので、何とかそこに一つの突っかい棒として協力したいという気持ちから、法律——新産業都市の指定と同じように、観光という問題を考えていきたいという気持ちになった次第でございまして、そのような強いわれわれ事務当局の要望から、そういった方向に持っていったらどうかということを考えた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/51
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052・江藤智
○江藤智君 観光局長のお考えももっともでございますが、先ほどからの各委員の御要望も同じことだと思いますが、私も、やはり十分ではないかもしれないが、従来の方法ででも一応指定をする。そういたしますと、建設省にいたしましても、運輸省にいたしましても、あるいは民間の各業者にいたしましても、その方向によって非常に集中的に仕事がやりやすくなります。その上で、国の助成をするとかなどというような、新産都市のような国の援助を実行するためには法律が要りますし、また告示をするにしても法律が要るでありましょうから、そういうような法律という問題につきましては、できるだけ早い機会に、今国会でもひとつ通す腹づもりで、われわれも協力をいたしますから、そういうふうに急いでいただくわけでありますが、私が要望いたしたいことは、この際でございますから、多少弱くても、従来のように、正式に内閣の審議会でまず指定をする、そうしてそれの裏づけをする法律案を急ぐ、こういう方向が私は望ましいんじゃないか、かように考えますので、その点を要望いたしまして、私の質問は終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/52
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053・相澤重明
○相澤重明君 観光局長にお尋ねしたいわけですが、観光基本法の問題が議論されますが、それはそれとして、先ほど派遣報告に関連して質疑が出ましたが、観光地帯の設定という問題は非常にやはりむずかしい問題だと私は思う。いわば、日本は四面海ですから、国全体が観光とも言うべきかもしれませんね。けれども、そのうちでも特徴的なものを取り上げて、そして外人の諸君にできるだけ見てもらうというのが国際観光、日本人の多くが骨休みをしながら楽しもうというのが国内観光ということになっていると思うのです。
そこで、国内観光の中心は、目的はどういうものを考えているのか、国際観光というものはどういうものを考えているのかということについては、これはいずれその時期をとらえて私も質問をしたいし、意見も申し上げたいと思うのですが、そういうことはその時期に申し上げることにして、当面の課題として、九州班の報告を含んで、全般の問題として、私は神奈川県選出ですから、丹沢山のイノシシの出るところもなかなか一風変わっていいのじゃないか、そういうものを国立公園にしたいという意見も現在あるのです。たとえば、国立公園になったような場合には、どういう施設をして、どういうふうに内外の旅客にサービスするとか、イノシシが出るからといって、イノシシを取って食ってしまう、それじゃ困るわけです。この間、箱根の芦ノ湖で不幸にして白鳥が子供に食われてしまった。ああいうことでは困るので、そういう点について、観光政策上どういうふうにしたらいいのか、私は丹沢の例を取り上げたのですが、ひとつ御意見を伺っておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/53
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054・梶本保邦
○政府委員(梶本保邦君) お尋ねの点、非常に具体的になってまいっておりますが、私は、まずやはり国立公園地帯に編入することから始めるべきではなかろうかと思います。国立公園地帯に編入するということになりますと、御承知の自然公園審議会というものがございまして、自然公園法に基づいての委員会でございますけれども、そこで国立公園地帯というものの地域を指定いたすことになっております。そこで指定いたしますと、国立公園地帯については厚生省の所管でございますけれども、国立公園地帯の施設整備費という予算がたしか今年度は五億二千万円ほどついておったと記憶いたしておりますけれども、そういったことで、厚生省の国立公園地帯の整備費として予算が盛られているわけでございます。そのようなことで、いわば施設整備という観点から、厚生省が国立公園地帯の整備に当たっている、このような状況でございます。ですから、まずやはり国立公園地帯に編入するということから、スタートしていきますのが、一番手取り早くかつ実情に即した方法ではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/54
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055・相澤重明
○相澤重明君 そういうことになろうと思うのです。そこで、一つの景色を見せる、あるいは観光客にサービスをするという、行くまでの道のりをいま話された。そこで、先ほど来派遣報告に関連をして御質疑をいただいておる中で、景色を見るということが中心に私はなっておると思います。しかし、私はこれからの観光というのは、実は景色を見るだけではいけないと思う。産業観光ということも重要な私は役割りを持つと思うのです。これは、まじめに私も実は研究をしている。その論文を出すとたいへんだから。きょうはそうではなくて、観光の話を聞かしてもらいたいと思うのですが、たとえば、日本の国際収支の改善ということを叫んで、日本にはどういうふうなものができておるか、どういうものが生産をされるか、外国人はどのようなものを日本から購入したいか、ということは、単にパンフレットだけではなかなか十分な商取引というものはできないと思います。そこで、国際的には、ジェトロを中心に、また通産省も力を入れておるところでありますけれども、観光の持つ役割り、果たす使命といいますか、これも非常に大きいと思うのです。そこで、一部実は外国商社の人とも話し合って京浜の工場を見学をしてもらおうということもすでに行なっておるわけです。そのときに、外国の商社の人たちは、やはり工場見学をすると同時に、日本の景色もいいところは見せてもらうということで、先ほど局長が答弁されたように、全国の中でも、箱根あるいは熱海、伊東等に泊まるのが非常に多いわけです。
そこで、私は単に箱根の問題を出すばかりでなくて、全国的に、そういう産業構造の中から見て、産業観光ということをいまや日本の国も樹立すべき段階ではないか、こう考えておるのだが、観光局長は景色だけを見せる、きょうは雪が降ってちらちらしているが、雪景色だけを見せるだけでは私は能がないと思うのです。国際収支改善、そこで日本の産業立国ということからいけば、そういう問題についてどう政府全体として考えるか。特に観光部門を担当する運輸省ということになると、少し私は研究する基本態度というものを知らしてほしいわけです。こういう点について、局長の御答弁をひとついただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/55
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056・梶本保邦
○政府委員(梶本保邦君) ただいま先生のお話の景色云々の問題でございますが、これはまことにそのとおりでございまして、私のつたない体験を申し上げることは、非常にこういう席上で非礼かもしれませんけれども、私、昨年ライン下りをいたしました。例のローレライの岩にライン下りの船がかかるわけであります。そうしますと、乗っている約千人近い観客が期せずしてローレライの歌を歌った。英語で、あるいはドイツ語で、フランス語で、みんな歌った。ローレライの歌というものを子供のときから聞かされて、それを覚えておる。それを各国語で、観客が自分の国のことばで期せずして唱和する。だれがタクトを振るわけでもないし、だれか歌いましょうというわけではなくて、期せずして船の客が一斉に歌い出した。その事実をまのあたり見まして、これからの観光というものは、ただ景色がいいからいらっしゃいませというのではなくして、やはり伝統とか文化とか歴史というものと結びついたものでなければだめだなという気持ちを私持った次第でございまして、そういう意味で、ただ景色だけを売りものにするのは、もはや観光としては古い行き方だと私は考えております。もっとも、きょう雪が降っておりますけれども、これは千代田城の雪景色というのは、世界の三大風景の一つだそうでございます。実は、これも非常に茶飲み話みたいになって恐縮でございますけれども、昨年雪が降りましたときに、東京都内のホテルが急に満員になったのです。国際会議もないのに、どうしてこんなにホテルが急に満員になったのだろうと思って調べましたら、東南アジア地域なり、その他の地域から、東京に雪が降ったと、この景色を写真におさめたいというので観光客が飛行機に乗って日本にやってきた、こういう事実があったわけでございまして、景色でも、雪景色の千代田城というのは世界三大風景の一つだそうでございます。こういうのもばかにならないと考えております。
それからもう一つ、先生のおっしゃいましたお話の中に、産業観光、この産業観光の起こりは、フランスのルノーの工場から始まっておりまして、フランスがあのいわゆる芸術作品だとか、文化というものだけでは観光客を引きつけられない、それでは古いというので、ルノーの工場の見学を一般観光客に開放いたしましたのが、そもそも世界で、と申しますか、少し大げさになりますが、産業観光の始まりでございます。そういう意味におきまして、日本としましても、キャノンだとか、ソニーだとか、まあいろいろのものを、とにかく工場を開放しようということを、運輸省としては、これは商工会議所等ともタイアップしてやっております。それで、いまどういう方法をとっているかと申しますと、有楽町にございます総合観光案内所、あすこで一応のインフォーメーションをいたしております。あれができますまでは、運輸省の観光局へお客が来られましても、ソニーなり、キャノンの工場と常時連絡がとれておるわけにもまいりませんでした。交通公社の窓口に行かれましても、自分のところの切符を買うお客さんでないと、必ずしも、まあ何と申しますか、丁重に扱わない向きもあったようでありますし、また、交通公社としても、そういった工場との連絡を平素とれておるというわけのものでもなかったようでございます。どこへ行ったらいいのか、窓口がなかったというのが実情でございます。ようやく総合観光案内所ができまして、そこでインフォーメーションを行なっておるというのが状況でございます。ところが、なかなか工場を開放することを心よく思われないと申しますか、気持ちよく御協力いただけない工場がまだございますので、そういったところについては、運輸省としましては、できるだけこの趣旨を話しまして、協力を願うような態勢をとっておる次第でございます。
それで、観光基本法の中にも、第七条に、わが国の産業、文化及び家庭生活の紹介の強化等に必要な施策を国が講ずるのだということがつとに基本法の中にもうたわれておりまして、私ども、先生のお話のとおり、産業観光については十分その重要性と、今後われわれもそういう方向に向かって進んでいきたい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/56
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057・相澤重明
○相澤重明君 たいへんユニークな話が出たのですが、だからまあ私は、やはり景色ばかりでない、全体にそういうふうに、いまお話の出たことを非常に喜びとするものです。まあ東海道新幹線をつくるときに、近江鉄道の景色が見えないから景色料をよこせといって取ったのも、およそナンセンスだと私は思う。これはいずれ決算のときにやりますが……。(笑声)とにかく、まあ雪の千代田城は世界の三大景色の一つだそうですが、それもまことにけっこうだと思うのですが、それで、観光問題をそういうふうに考えて参りますと、やはり人間の生活に欠くことのできないのは、何といっても飲み水、それから一段下がっていけば、し尿処理の問題、今度この国会で、池田総理大臣が初めていままでの大臣には珍らしくし尿問題を取り上げられた。これはたいへんいいことだと思うのです。きめのこまかいと申しますか、人間の排せつ物の処理について力を入れるということはまことにけっこうなことだと思う。まあ池田総理大臣のこれを、こう週刊誌にも出ていますが、読んでみると、なかなかこれはりっぱです。ところが、つい二、三日の新聞を読んで皆さんも御承知のとおり、東京都がまた水飢饉かと、こういう……。せっかく外人の皆さんが日本においでになって、そうして楽しく産業を見学し、あるいは景色を見学されてお帰りになろうとしても、ホテルに行ったけれども、まあ便所といいますかね、そういうところで水が出ない、鼻をつまんで歩かなきゃならぬということは、これは鼻持ちならぬ。そういうようなことを解決するのも私は大きな役割りじゃないか。観光事業を推し進める者としては、まず特にことしはオリンピックを迎える年ですから、外人の方が大ぜい国内に入ってくる。そうすると、一番先私が心配するのは、泊まるところと、泊まった場合の、そういう居住に欠くことのできない問題だと思う。池田さんが、総理大臣として、歴代の総理大臣として、なかなかそういう問題に触れられなかったのだけれども、触れたことは非常にいいとしても、しかし、現実にうしろが詰まってしまうということでは、これは少しもサービスにならぬと思う。
そこで、特にこれは国鉄の人にも、一緒におるから聞きたいのだが、一体いまの観光客が利用する、そういう便所といいますか、公衆便所といいますか、ホテルのそういう設備というか、こういうものについて、どの程度ほんとうに力を入れられる気なのか。私は一つの例を申し上げてみたいのですが、品川駅の便所が、地下道における便所が実にりっぱなのができたのですが、これは当時の、言うことを聞いてみると、総工費二千五百万円、総タイル張り、水洗式のモダンなもので、昨年十一月にこの開所をした。ところが、十一月八日に便所を使わせるようにしたところが、大体一日に男性が三百人くらい、女性が二千六百人くらい。それで、使い始めるというと、間もなく詰まってしまった。何が詰まったかというと、これがなかなかたいへんなもんなんです。一々申し上げるのもこれはなかなかたいへんなんです。詰まってしまって、使えなくなって、水が外にあふれて、まさに地下道は黄金の水、黄金の水ということもないのだけれども、とにかくそういうことで、せっかく昨年十一月八日開設したものを、間もなく閉ざしてしまったけれども、しかし、昨年、年末年始の乗降客が多いので、しかたがなく応急処理をして、十二月二十四日から一月四日まで使わしたけれども、まただめになってしまった。こういうことで、ついに使用禁止。しかも、そういう公衆便所というか、駅の便所、そういうものには書いたことのない、「駅長のお願い」というのか、何か紙を張って、いわゆる報道関係の人や、こういう週刊誌の人の非常に大きな話題になったのですね。これは観光局長も聞いているだろうし、国鉄の首脳部は必ず知っておると思うのですが、いわく「ション地獄」と、こう言っておる。こういうことを見ると、せっかく観光客がおいでになっても、これは外人の人が使えないのではないか。もし、いま国鉄の品川駅のような、そういう問題をはじめとして、もし各所に起こったならば、という心配をするわけです。
いま一つは、たとえば横浜港に船がとまります。船で起居しなければならぬお客さんもかなりの数にのぼると思う。それでも足りないから、ホテルも数が少ない、船でも泊まり切れないから、今度は日本人の家庭に分宿する。つまり先ほどの局長が説明されたようなことをする。しかし、日本人の家庭も、水洗式の便所をつくっておるというものも、そう数が多くないわけです。そこで、そういう観光を目的に外国のお客さんを多く迎えるにしても、設備が整わないと、私は相当問題だと思うのですよ。そういうものを、オリンピックを前に、どういうふうに政府は考えておるのか。特に観光部門を担当する運輸省観光局長というのは、これはなかなかたいへんな役割りだ。
そこで、そういう問題について、これは基本的な、そういう起居におきます、立ち居ふるまいに伴う生活に欠くことのできない水の問題、あるいは便所の施設の問題、というようなことについてひとつお伺いしたいし、国鉄として、駅の便所、設備というものは旅客にはなくちゃならぬものなんでありますが、幾らつくってあったって、使えないのでは役に立たぬ、使えるようにするにはどうしたらいいか、ということをひとつお尋ねをしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/57
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058・梶本保邦
○政府委員(梶本保邦君) まことにごもっともなお話でございまして、たとえば、貸し切りバスが東京駅を出ます、その貸し切りバスが横浜の駅に寄ります。なぜ横浜の駅に寄るかというと、お客さんが用を足すため、あそこで右へ入って左へ曲ってその奥のほうということで、車掌の指示に従ってわれ先にとお客さんがかけ出す。中には、あまり国鉄さんのほうでお困りになるので、「ただいま修理中」という札をぶら下げてあるというふうな話を聞くこともございます。それから、ようやく用を足したお客さんが、箱根なら箱根へ行くときに、いわゆるワン・マン道路を通るわけでございますけれども、あれだけの速力を出してあの道路を走りますと、途中にそういう施設が全然ございません。国府津の駅へ参りますと、国府津は水洗式じゃなくて、あそこはくみ取り式でございます。箱根に参るまでに、水洗式の駅の便所は小田原だけなんです。ところが、小田原というのは、御承知のとおり、小説「箱根山」でも有名なように、たいへんなところでございまして、あそこには各社のバスが入り乱れておって、観光バスがそこへ駐車して用を足すような暇もないようなわけで、まことにこの問題は大きな問題になっております。
それから日光へ行くお客さんにいたしましても、埼玉県を通過して、途中で埼玉県で用を足したいと思いましても、設備がございません。埼玉県のおっしゃるのには、自分のところにはびた一文も金が落ちるわけじゃない、受益県じゃないと、とてもそんなものをつくっている暇がございません、こういうことでございます。
私どもは、国鉄さんがいろいろおっしゃるのも無理ないと思うのです。貸し切りバスというのは、本来国鉄が輸送すべきお客さんを貸し切りバスが奪っていったわけで、いわば輸送機関としてはライバルなわけです。ライバルのし尿まで世話しておれるかというのが国鉄さんの言い分だと私どもは考えております。
そういうふうなわけで、この問題はやはり観光の立場から取っ組むべきだというのが私の考えでありまして、私就任以来、このトイレットの問題と取っ組んでおります。それも予算要求をいたしまして、ようやく三十八年度、今年度その予算がついたわけなんです。これはなかなかたいへんなことでございまして、便所は厚生省の所管であるから、運輸省の所管すべきものじゃないというふうなことで、なかなか予算がちょうだいできなかったのですけれども、とにもかくにも二千七百万円の予算がついたわけでございます。その二千七百万円の予算というものを都道府県に補助金として出しまして、そして有料便所の建設、運営、維持、管理を地方公共団体にやっていただくという仕組みで三十八年度から発足いたしたわけでございます。そういうふうな状況でございます。ただ、東京都自体が、運輸省が予算をとったにもかかわらず、都議会のほうで話がうまくまとまりませんでしたので、東京都は三十八年度に設置できませんで、三十九年度に明治神宮の競技場のすぐそばのところに有料トイレをつくるということで都議会を先般予算が通過いたした次第でございまして、そういうようなことで、まことに徐々にではあるかもわかりませんけれども、このトイレットの問題と私ども取っ組んでおるわけでございます。この考え方は、まあ有料トイレにしようということでございまして、あまり料金が高過ぎますと、日本人は立ち小便をすると思うのです。ですから、その料金の限度というのが非常に私はむずかしいと思うのです。そういう意味で、高過ぎても困るし、安過ぎますと運営、維持に事を欠くようなことになっても困りますので、その辺をどの程度の料金にするかということが一つの問題になっておるわけでございますけれども、せいぜい三十円見当でどうだろうかというのがただいま話がまとまりかけておる状況でございます。
それからし尿の問題で、横浜等に宿泊する観光船の問題もまことにそのとおりでございまして、まことに失礼でございますが、あそこはそのまま排せつされるわけです、船の場合には。いわゆる浄化されて出ないわけなんです。それだけに、あそこでオリンピックのお客さんを迎えますのに、大体七千人のお客さんが船で日本に来るということでただいま話を進めておりますけれども、この問題が一つの大きな問題になっております。オリンピック組織委員会のほうでは、移動式の便所というものを考えておられるのですけれども、便所を移動してやるということ自体が、いかにもどうも文明国にほど遠いような感じがいたします。移動式の便所というようなことも一つの方法かもしれませんけれども、でき得べくんば、やはり便所をしかるべき個所に設置するということが今後の方法だと考えております。いま国会にも提案になっております三十九年度の予算案では三千万円になっておりますが、そのうちの二千七百万円が有料トイレ、それから残りの三百万円が観光案内地図板ということになっております。特にこの案内地図板も、便所も、観光基本法の中に「休憩施設」ということばで入っております。この「休憩施設」というのは有料便所を意味するわけでございまして、まことに観光基本法の中には全部漏れなくすべての問題が網羅されておるわけで、私非常に感心しておるわけでございますけれども、そういうわけで、この問題では将来とも運輸省としてはまじめにやっていきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/58
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059・米田正文
○委員長(米田正文君) 速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/59
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060・米田正文
○委員長(米田正文君) 速記を起こして。
一時間休憩いたします。
午後零時二十五分休憩
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午後一時四十三分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/60
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061・米田正文
○委員長(米田正文君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
日本鉄道建設公団法案を議題といたし、質疑を行ないます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/61
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062・相澤重明
○相澤重明君 鉄道建設公団法の審議に入るわけでありますが、運輸省から資料が提出されておりますので、この資料を先に御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/62
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063・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) お手元に資料が三部提出してございます。左肩に小さく資料1資料2資料3とございます。
まず資料1でございますが、これは、ただいま予定の鉄道線路のうち、鉄道建設審議会におきまして着工線及び調査線という建議をされた新線の一覧表でございます。このうちから、本州−北海道、いわゆる青函の連絡鉄道、それと本州−四国の海峡連絡鉄道、この三線が調査線にあがっておりますが、建設費あるいは工期ともにいまの段階では未確定の部分がたくさんございますので、この表からは一応除外してございます。これにつきましては、調査が完了次第できるだけ早期に着工したいと考えております。
ごらんのように、着工線と調査線とに大別いたしておりまして、線名、それから区間、延長、工事費等を記載してございます。もちろん工事費等は概算でございますが、この表の四ページの総括表に示しておりますように、現在の着工線は四十三線、調査線は十五線、合計五十八線、その延長は二千九百九十五キロメートルでございまして、すでに部分開業いたしました区間百九十五キロメートルを除きますと、あと二千八百キロメートルを今後施行する必要があるわけでございます。工事費の面で申し上げますと、総事業費が三千三百十九億円、三十八年度末の決算見込み額を含めまして、いままで使いました金が三百十六億円、したがいまして、三十九年度以降の所要額はおよそ三千億円ということになります。なお、総係費は工事費の十二%として計算をしております。もちろんこれらの新線以外の追加は当然今後考えるべきでございますが、先ほど申し上げましたように、現在の着工、調査の線に一応限定しまして試算をいたしたものでございます。
次に、五ページをごらんを願いますが、この表は、前段で御説明いたしました鉄道新線の建設を三十九年度を初年度といたしまして四十八年度までの十カ年におきまして施行する場合の毎年度の事業計画と、それに対する資金構成を、きわめてラフでございますが。試算したものでございます。もとよりこれは運輸省部内の一応の素案でございますが、策定の方針といたしましては、三十九年度は予算決定額によりまして、また前半の五カ年の規模をおおむね一千億円、後半の五カ年の規模をおおむね二千億円として整理をしてみたものでございます。資金計画といたしましては、国鉄の出資額が毎年度七十五億円、十カ年で合計七百五十億円といたしました。あとは政府資金という形をとっております。政府資金には出資と融資がありますが、この資料では両者を一本として所要額を計上してございます。しかし、この点は今後十分に研究をいたしたいと存じております。
以上が資料1の説明でございますが、ちょっとここで失礼いたしましたが、ミスプリントがございまして、二ページ目の上から二行目に、「北広島追分」の下に、さんずいの江戸の江という字、これは紅葉山と金山でございまして、さんずいを糸へんに改めていただきたいミスプリントがございます。紅葉山と金山でございます。
次に、資料の2について御説明をいたします。これは先般の当委員会におきまして御要求のあったものでございまして、現在の着工線、それから調査線の、建設の目的と申しますか、効果といったようなことから記載をしております。四項目に一応分類をしたものでございます。一般に鉄道の効果は非常に広範にわたりますので、分類にあたっての考え方としては、一番関連の強い項目に分類をいたしました。この点はいろいろ議論があると存じますが、
第一項目の臨海工業地帯整備に関連するものは、ここにございますように、Lという番号の四線でございます。延長は二百キロメートル余りございます。
第二項目は、新産都市と工業整備特別地域に関連するものでございます。御承知のとおり、新産都市は十三地区で、一部は指定済みであり、工業整備特別地域は六地区、これは全部指定済みでありますが、両者とも地域内整備が主眼でありますので、この表に掲げております新線は直接その計画対象にならないかもしれません。したがいまして、間接的に関連するものも記載しておりまして、ここにございますように、全部で十三線、延長は八百三十五キロメートル余り、関連いたしております地区は、備考に書いてございますように、十一地区でございます。
次に、第三項目の地方経済圏整備及び低開発地域開発に関連する新線でございまするが、ごらんのように、新線の大部分がその範疇に属しておるわけで、個々の線の説明は省略させていただきますが、あるものは輸送の改善、あるものは地域開発等、それぞれ特徴を持っておりまして、この三項目は全部で三十八線、延長は約千八百キロメートルに及んでおります。
最後の第四項目は、あとの項目では把握しがたいもので、大都市の交通改善といった性格のものであります。これはごらんのように三線で、延長は百六十キロメートル余りでございます。
最後に、資料3を御説明いたします。この表は、鉄道敷設法別表に掲げられました予定鉄道線と、この法律の施行前からの予定線、いわゆる附則の第二項の線路と呼んでおりますが、予定線の全体が今日までどのように建設されておるかという一覧表でございます。結論から申し上げますと、全体で、ここにございますように、約一万六千九百キロメートルの予定線の約半分の八千三百キロメートルが現在まで開通しております。残りが大体八千六百キロメートルということでございます。この残りの八千六百キロメートルの中から、現在の経済、交通事情を勘案しながら鉄道建設審議会で慎重に御審議を願っておりまして、先ほど説明いたしました着工線、調査線が選定されておるというわけでございます。この二ページ目以下は、いわゆる戦後鉄道新線の建設が再開されました昭和二十七年度以降の経過と現状を表にしておりますが、先ほど来説明いたしましたところと重複いたしますので、説明は省略をいたします。
以上の123の資料が、先ほどの委員会で御要求になりました資料でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/63
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064・相澤重明
○相澤重明君 次に、この資料に基づいて説明をいま一つしてもらいたいのは、たとえばこの鉄道新線の一覧表の2の資料ですね、臨海工業地帯整備に関連する新線四線、新産業都市、これの関係が十三線、こういうようにいま御説明いただいたわけですが、この中で、工事が終わって開業をしたとするならば、どの線区が黒字になる見込みで、どの線区が赤字になる見込みか、これをひとつ御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/64
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065・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) 各線区別に一線々々どの線が黒字、赤字ということでございますが、まあ概括的に申し上げますと、大部分が開業しばらくの間は赤字であるということを先に申し上げたほうがいいかと思います。と申しますのは、新線建設の従来からの経緯、あるいは何と申しますか、各地域の先行投資的な性格でございますので、しばらくの間はなかなか収支が合いにくいということでございます。まあしかし、しいてどれかと申し上げますれば、たとえば、下から申しまして、石狩十勝、あるいは丸森線、根岸線、それから武蔵野線、それから伊勢、それからこの表にはあがっておりませんが、将来たとえば青函燧道等を建設しますれば、これは収支が償うというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/65
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066・相澤重明
○相澤重明君 そうすると、いまの御説明ですと、全体で五十八線区のうちで、根岸、伊勢、石狩十勝、丸森、武蔵野という五つの線区は、一応予想としてはとんとんなり黒字になる線区に考えられる。その他の五十三線というものは当分赤字が続くだろう、こういう見通しですね、運輸省としては。そう了解していいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/66
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067・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) 大体そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/67
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068・相澤重明
○相澤重明君 そこで、運輸大臣は、この鉄道新線建設を、いまのような五十八線中五十三線が当分赤字が続くだろう、こういうことになりますと、全体の投資額から考えてどうしたら一体経営というものができるかということについて御検討されておると思うのですが、赤字はどういうふうにして埋めていく考えなんですか、これは運輸大臣からひとつ御答弁いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/68
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069・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) それは非常な困難な問題でございますが、なるべく黒字になるように経営していくというよりいま申し上げようがないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/69
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070・相澤重明
○相澤重明君 これは大臣けしからぬ話です。なるべくたって、いま言った推定でいって赤字ということは予想されるわけです。赤字が予想されれば、赤字を埋めなければ経営というものは成り立たぬことははっきりしている。ただそれが、今度の公団法の提案によれば、建設した後には、国鉄に譲渡するなり、貸し付けるなり、こういうことになっておるようですが、いくら国鉄が受けたところで、赤字になっておるものをやれば、国鉄はますます経営が困難になる。こういうことであるから、つくってとにかくどんどん赤字のものを国鉄に押しつけるということであれば、私はこんなものをつくる必要はない。赤字の線区をつくる必要がない。国鉄の経営が困難になる。そこで、政府が一般会計から助成措置をとるのか、国鉄に特別な起債をさせるというのか、国鉄にもっともうけさして、そのほうの赤字を埋めろと、こういうのか、どういうことか知らぬが、運輸大臣が少なくとも新線建設をさせるという限りにおいては、これはやはり運輸大臣に責任を持ってもらわなければならないと思う。できるだけ赤字が少なくなるように努力しますといったって、努力だけじゃ経営論は成り立たないと思う。どちらをとるのですか、どういうふうにやるのですか。これはやはり運輸大臣のはっきりしたお考えを聞かなければ、いつでも言われておる赤字新線をつくることであり、政治路線ができることだ、こう非難されてもしようがない。そのことをいま少し、基本的な問題ですから、私はお尋ねをしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/70
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071・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) 大体できた線路は、御承知のように、有償または無償で貸与しもしくは譲渡する。これによりまして、国鉄はほかにもうける線もありますからして、これを移すことによって国鉄が負担するのは、ただ経営上の総係費だけになると私は考えます。そこで結論的において、国鉄に非常な負担をかけ、もしくはどうしても採算がとれないというような場合には、また別途に考慮をするというよりほかしようがありません。と申しますのは、鉄道新線建設するということは、どうしたっていままで恵まれないところに、鉄道開設によって直接間接の利益がそこにあるという線路ですから、たとえ国鉄が損しても、日本全体の考え方からいけば。プラスになる面が多分にあると思います。そういうものを勘案いたしまして、最終的にどうしてもその線がいつまでたっても赤字であるというようなことが判明いたしますれば、そのつどにおいて、あるいは補助金を出すとか、あるいは税制上の優遇——これはむずかしいと思いますが、赤字をなくするように、少なくするように、政府としては考えざるを得ぬと、かように考えておりますが、概括的に申しまして、赤字は覚悟の上でやるということに御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/71
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072・米田正文
○委員長(米田正文君) 速記をとめて。
〔速記中止〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/72
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073・米田正文
○委員長(米田正文君) 速記を始めて。
再び運輸事情等に関する調査を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/73
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074・小酒井義男
○小酒井義男君 先般派遣報告の際に、離島航路の補助の実態について資料を出してもらうように要求をしておいたのですが、その資料が出ましたので、まずその資料の概略を説明をしていただいて、それから二、三質問をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/74
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075・高林康一
○説明員(高林康一君) 離島航路の補助に関しますお手元の資料について若干御説明申し上げます。
お手元の資料の第一ページにございますのは、離島航路に関しますところの県、それから市町村及び国庫の補助の地方別の概況を取りまとめたものでございます。それで、この表の左端にございますように、県の補助になっておりますものは、全体で、航路数といたしましては百二、金額といたしまして三千三百八十三万一千円でございます。市町村については、八十一航路、千七百六十九万九千円でございます。この百二航路と八十一航路は、中には重複しているものもだいぶございます。以上におきまして、地方庁によりますところの三十七年度の離島航路補助の合計は五千百五十三万円であります。同じく三十七年度の離島航路に対する国庫補助は、国庫の欄にございますように、事業者といたしましては二十六事業者、二十九航路でございます。金額が四千二十五万円でございます。なお、この金額は、三十八年度では五千二十五万円、それから三十九年度予算案におきましては五千九百九十万円というふうになっております。以上によりまして、地方及び国庫の合計は、事業者数にいたしまして百四十一事業者、百六十九航路、補助金額の総合計は九千百七十八万でございます。以上の表にもございますとおり、三十七年度の実績によりますれば、国庫補助の額が地方庁によるところの補助額の総計よりも若干下回っているというような状況になっております。さらに、各地方別に見ますと、この表にもございますように、中国、四国、九州、これらの地域についての離島航路補助が非常に大きい比率を占めておる。なかんずく九州地方の離島航路補助というものは、国庫、地方合計いたしまして、各地方別に見ましたときに最も大きい比重を持っておるということでございます。以上が第一表の説明でございます。
二ページ目以下は、それぞれの各地方別の状況につきまして、事業者、航路、県及び市町村によりますところの補助金額、それから国庫補助の概況を示したものでございます。なお、左から二番目の欄の事業者名のところにマルがついておりますしるしは、これは国庫が補助することになっておりますところの航路及び事業者名についてマルがついておるわけでございます。ただ、二番目のたとえば北海道の道南海運というようなところには、国庫補助金がマルじるしがついておるにもかかわりませず出ておりませんのは、当該航路が欠損でございましても事業全体といたしまして益が計上されておりますところには補助金を支給しないというたてまえでやっておる結果でございます。以下、大体同様な内容でございます。ごく簡単でございますけれども、御説明を終わらせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/75
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076・小酒井義男
○小酒井義男君 ただいまの説明によりましても、この補助の出し方が各地方によって違っておるのですね。この表のたとえば六枚目にいきますと、九州が出るわけですが、その九州の欄を見ますと、地方の補助はほとんどどの航路に出してあるのですが、国庫の補助というものがついておらないというところが多いわけです。また、あるところへいくと、地方の補助と国の補助の両方いっておるところがある。あるいは国庫の補助だけがきておるというような、一貫性がないといいますか、どうもちぐはぐな印象を受けるのです。こういうふうになっておっても、これで実情はいいんだというんなら、その説明をお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/76
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077・高林康一
○説明員(高林康一君) ただいま御指摘のありましたように、各地域によりまして、国、あるいは県、あるいは市町村、それらの相互間におきますところの補助金の出し方ないしは対象の取り上げ方、いろいろ違いがあるわけでございます。これは、国の場合につきましては、離島航路整備法の第四条によりまして、航路補助金の交付を受けようとするものについては、それぞれ申請を出しまして、それをそれぞれ欠損を調べていくというやり方をとっておるわけでございます。中には、その申請の結果、補助の対象に必ずしもならない、あるいは、離島航路整備法にいいますところの離島航路というものは、他に交通機関がないものというような、あるいはこれに準ずるものという限定がございますので、必ずしもそれに適合しないというようなところも若干あるかと思います。場合によりましては、申請そのものがないことによりまして、いわば国庫の問題にのぼらなかったというようなものもあるかと思います。いろいろあるわけでございまして、その結果、このように、また県あるいは市町村におきましても、それぞれのお立場で補助航路を取り上げ、あるいは補助金額をおきめになるというような状況でございまして、その結果このような食い違いが出てまいったかと思います。ただ、ただいま先生御指摘のありましたように、国あるいは地方庁を通じまして、離島航路をどういうふうな姿で持っていくかということにつきましては、相互にいろいろ連絡をとりながら、あまり、何といいますか、ばらばらの形にならないように、ある程度一貫性を持っていきたいというようには考えておりますけれども、こういうような方向で今後さらにいろんな点について検討してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/77
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078・小酒井義男
○小酒井義男君 いま御説明があったように、補助申請の手続がないというのは、やはり運輸省としてもこれを取り上げるということは非常にむずかしいと思うのですが、現地へ行って聞いてみると、非常に小さな規模の業者があって、むしろその主人公自体も船に乗っておるというようなのが相当ある。そういうのは、いろいろな書類をつくるというような能力もなかなかない。そういう点で、経営は苦しいんだが、補助をもらうというようなことはなかなかできない。そのために、現在使っておる、運航しておる船舶等も非常に老朽化しておって、もう代替船を建造しなければならぬというような状態になってきているが、財政的にそういう能力もないんだ、こういうところが実はあるように聞いてきたんです。そういうものを何らか解決する方法が必要じゃないかというふうに思うんですが、そういう点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/78
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079・高林康一
○説明員(高林康一君) 御指摘にございましたように、このような離島航路整備法というような法律の存在もよく知らない、あるいは書類を書くのは非常にたいへんであるというようなこと、そういう非常に零細な小企業者がかなりあるのではないかというふうには考えております。そこで、私どもといたしましては、そういう面については、いろいろ法令の啓蒙周知、それから同時に何らかの形におきますところのそういう書式その他についての連絡指導といいますか、そういうようなことについて、もちろん中央海運局においてもいろいろ手当てしております。あるいはまた、旅客船協会というような社団法人がございますが、そういうようなところでもいろいろ手当てをしておるわけでございます。ただ、残念ながら、そういうような手当ての効果がいまだ十分ではないということは、また確かな一面であるかとも考えられます。これらの点については、さらに、私どもといたしましては、いろいろ努力してまいりたいというふうに考えております。
なお、ただいまの御指摘のございました船舶の老朽化というようなことがその結果伴ってまいると考えられます。私どもといたしましては、それらにかんがみまして、老朽いたしました旅客船の代替船の建造を推進してまいりたいというふうに考えておりまして、さしあたり来年度におきましても、特定船舶整備公団という組織を通じまして、それらの中小企業者と公団との共有形式で旅客船の解体整備ということを、代替建造ということを推進してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/79
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080・小酒井義男
○小酒井義男君 資料に関連をする質問なんで、ある程度でとめて、次回以後に譲ってもいいと思いますが、いまの関連がありますから、もう一、二点だけお伺いしたいと思いますが、現在の代替船をつくる場合の融資、たしか七割だったと思うんですが、あとの三割も自己資金でまかなえないというようなのがあるんじゃないかと思うんです。そういうのはどうしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/80
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081・高林康一
○説明員(高林康一君) 実態といたしましては、そういう場合も出てまいるかと思います。それに対する方法といたしましては、たとえば、私どもといたしましては、これらの共有比率、実態的には融資比率でございますけれども、それらの引き上げについていろいろ検討をしてまいりたいというふうには考えております。それと同時に、これらの事業者のみではなかなかやはり困難な場合が多いかと思います。そういった場合には、たとえば中小企業協同組合法というようなものによりまして、何らかの形において共同いたしまして、いろいろ資金手当てなんかをやるというような道も推進してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/81
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082・小酒井義男
○小酒井義男君 融資の返還については、現行法のもとで返還をさせるということが困難なものが出てくると思うんです。そういうものの返還方法については、特別な扱いをすることができますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/82
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083・高林康一
○説明員(高林康一君) 現状ではそれは困難でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/83
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084・小酒井義男
○小酒井義男君 そうすると、特別の方法で融資を受けて船をつくっても、それを返還することができないということになると、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/84
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085・高林康一
○説明員(高林康一君) 返還することができないと、まあ体系といたしましては、公団とそれらの事業者の共有のかっこうになっておりますもので、大体におきましてその船舶の耐用年数というものを基準にいたしまして、ある期間内に買い取る、こういうような形になるかと思います。それがおくれてまいります関係で、非常に何と申しますか、予定したような共有期間が完了いたしまして、自分のみの所有になるというようなことが相当おくれてくる、一種の延滞みたようなかっこうになってくるというような現象が、実は公団といたしましては昭和三十四年に発足いたしましたものでございますから、いまのところはあまりそういうような現象は目についてはおりませんが、やはり、御指摘のように、将来の問題としてはいろいろそれらの問題について検討を重ねていかなければならないんじゃないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/85
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086・小酒井義男
○小酒井義男君 もう一問だけで私は終わりますが、私も実は、現地で長い時間説明を聞き、実情を調査するというような余裕がなかったものですから、きわめて断片的な報告なり現地の要請なりを聞いて帰ったということですから、実態についてはもう少し調査をして、そうして具体的な対策について御質問を申し上げたいと思いますが、運輸省のほうもやはり、私主として長崎地方でそういう声を聞きましたから、あの地方の離島へ通っておる航路の事業の、そういうものの実態をやはり一度調査をしていただいて、それの実情に合うような方策も考えていただく必要があるんじゃないかと思うのです。そういうことをよく、これは私は、長崎地方と言っておりますが、全国的にこういうような補助の出し方というものでより方法はないのか、もう少し全国的に一貫をした方針で補助をするというようなことは考えられないのかというようなことについて、ひとつ御研究が願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/86
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087・高林康一
○説明員(高林康一君) 実態につきましては、各所轄の地方の海運局にいろいろ調査をさらに今後も進めさせていきたいというふうに考えております。と同時に、こういうような補助のあり方、国、地方を通じますところの補助のあり方については、いろいろまた検討を進めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/87
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088・相澤重明
○相澤重明君 この離島航路整備法がつくられた目的、これからいくと、運輸大臣はとにかく、島の人たちですね、いわゆる離島の人たちの交通を守ることにこれはその目的があるわけですね。つまり、島流しになっていたんじゃかなわぬから、とにかくこの人たちに交通の利便をはかる、そのために「「離島航路」とは、本土(本州、北海道、四国及び九州をいう。)と離島(本土に附属する島をいう。)」と、こういうようになっているわけです。そういうことで、この法律の目的、定義というものが出ておって、それに対して、政府は航路補助を第三条で、「毎年、当該離島航路の維持を助成するための補助金を交付することができる。」で、補助金を交付するということなんですから、原則としてこれは補助をしなきゃいけない。先ほどの参事官の答弁を聞いておると、なんですか、補助をしないところもある。補助をしないところというのは、政府の見解というものは、もうかった航路には、あるいはそういう会社には補助をしなくてもよろしい、こういう見解ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/88
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089・高林康一
○説明員(高林康一君) 航路の維持及び改善をはかることを目的にいたしますことは、ただいま先住の御指摘のとおり、第一条の目的にあるわけでございます。こういうような維持、改善が困難であるというような事業体に対しまして、たとえば第四条にございますけれども、航路損益見込み計算書その他の事項をそれぞれ見込みを立ててもらって、そして、それによって額を、いかなる欠損になっておるかというようなことで、欠損がなければ、あるいはまた全体といたしまして事業体が欠損がなければ、それは維持及び改善というものが可能であるというふうに一応推定いたしまして、そして出すものと出さないものとの区分けをしておる状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/89
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090・相澤重明
○相澤重明君 私は、この資料を、先ほど、「昭和三十七年度地方庁及び国庫による航路補助金調」、海運局の定期船課の出された資料を御説明いただいたんだけれども、この中で、一体、各事業者名が航路名とともにあがっておるわけですが、これで、いまの参事官の説明するように、予算を組んで、まあその事業を行なって、その決算書を提出されて、決算が赤字であるから国庫が補助をしなければならぬ、こういう原則論だと私は思うのですね。だから、それが純然たる航路を維持するための赤字になるか、その会社、いわゆる事業自体が会社の経理の中から考えた場合に、全体の中から赤字になるかということの議論というものは、かなり私はむずかしいと思うのですよ。それをどういうふうに把握されておるか、ひとつ御説明をいただきたいのですがね。
それからいま一つは、たとえば北海道なら北海道の二ページにある一番上の、何というのですか、神威というのですか、岩内−川白間ですね、ここには国庫補助が……、これは円ですか、単位は幾らですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/90
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091・高林康一
○説明員(高林康一君) 円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/91
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092・相澤重明
○相澤重明君 二十九万三千三百円ぐらいの国庫補助で、はたして、いまの北海道が補助金を出しておる百十六万九千六百六十五円と考えた場合、これと見合った場合に、これでその会社が赤字を消せるかどうか。この会社の事業費というのは、どのくらいの数字が決算書として出ているのでしょうね。そうでないとわからないですね。二十九万ばかりの国庫補助を出しておって、これでいいということにはちょっとならぬと思う。地方庁の助成を見るとね、補助金を見ると。そこで、そういうことから考えてくると、なお先ほど小酒井さんがお話しになったように、第二表もそうだし、第三表もずっとほとんど国庫補助のないのが多い。もちろん、その事業者名は、たとえば三表の能登商船ならば、ほとんど能登商船が行なっておりますから、そういうことになろうと思うのですが、その他の航路を見ても、敦賀観光汽船とか、何ですか、大飯町というのですか、よくわかりませんが、とにかくこういうそれぞれの航路に対して、国庫補助は一銭も出ていないわけですね。こういうことから比較して見て、私は少し疑問を待つわけです。疑問を持つわけだけれども、その疑問をあなたのほうの説明によれば解明できると思うので、この会社、事業自体の経理内容というものはどういうものなのか、一番初めの北海道の例をあげましたから、ひとつ御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/92
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093・高林康一
○説明員(高林康一君) ただいま御質問のありました例の北海道の神威航運の場合でございます。これは、全体のその会社の職業収支そのものを私いま手元に持っておりませんが、ここで三十七年度の欠損額だけがわかっておりますので、それについて申し上げますと、三十七年度の欠損額は百七十万円、正確にいいますと百七十万四千六百七十四円でございます。事業全体の収支をちょっと手元に持ちませんが、そういう状況になっておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/93
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094・相澤重明
○相澤重明君 そうすると、これはいま言った、たとえば三十七年度の決算ですね、これは神威航運に三十八年ではどれくらいの国庫補助金を出しているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/94
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095・高林康一
○説明員(高林康一君) 全体といたしまして、三十八年度では五百二十五万円です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/95
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096・相澤重明
○相澤重明君 いや、私の聞いておるのは、この百七十万余の赤字の出ておる神威航運の場合にどれくらい出しておるかというのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/96
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097・高林康一
○説明員(高林康一君) 三十八年度につきましては、三十八年度の決算が大体見通しが立ったときに交付いたしますので、現在まだ交付が決定しておりませんので、額が最終的には確定しておらない状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/97
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098・小酒井義男
○小酒井義男君 ちょうど数字が出ておるので、関連して。こういう疑問を私は持つのです。いま質問中のこの神威航運の場合は、県が百十六万九千六百六十五円出しておるのに対して、国が二十九万三千三百円。少し下りまして、雄冬海運といいますか、これを見ると、今度は地方庁が四十七万九百三十八円を出し、国が百四十二万六千三百円出しておるのです。こういうものは、一体どういうわけでこういうことになるのか、ちょっと疑問があるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/98
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099・高林康一
○説明員(高林康一君) この海運の航路補助の出し方、地方庁がどういうふうに出すか、どういうふうな積算で出すか、これは私、それぞれ地方庁のやり方が相違いたしますので、実ははっきり確定的な統一的なものがない状況でございます。私どもといたしまして、国庫の補助金の額といたしましては、それぞれ航路の決算の見込み書を出していただきまして、それぞれにつきましては算出の一定の基準を考えておる次第で、いろいろ費用の額につきまして、雑費、あるいは部品、あるいは船員、あるいは保険料、あるいは減価償却、それらのものにつきまして、それぞれの申請がありましたものについて検討をいたしまして、そうして今度は予算の範囲内においてそれぞれの欠損の状況とにらみ合わせて出す、こういうかっこうになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/99
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100・小酒井義男
○小酒井義男君 これを逆にしてみると、たとえばいまあとに申し上げた雄冬海運の場合に、道庁が百十六万九千何ぼというものをもし出しておったら、国としてはその場合は二十九万三千何ぼというものを出す、こういうことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/100
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101・高林康一
○説明員(高林康一君) 必ずしもそうならない場合のほうが多うございます。と申しますのは、それぞれの地方庁の出す時期その他がやはり相当おくれるというようなことでございます。それぞれ決算の確定を待つものでございますから、前年実績なんかを私ども考えるわけでございますが、当年度実績については必ずしも算定のときには入らない場合が多いかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/101
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102・小酒井義男
○小酒井義男君 私は、運輸省だけに聞いても、地方庁がどういう考えでこういう出し方をしておるかということはわかりませんから、ここで議論をしても結論は得られぬと思いますから、いずれあらためて両方のなにを聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/102
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103・相澤重明
○相澤重明君 いまの航路補助金ですね、いま国庫補助金を出す場合に、赤字が出て、それをいわゆる申請をされたものについて交付する、こういう話でしたね。そうすると、地方庁の補助金も、赤字が出てやはり補助をするという形になろうと思うのです。国が、決算書を出されて、赤字が出たからそれに補助するというのだから、地方庁だって赤字でないものはわからぬものね、原則論からいけば。そうすると、決算書を見て赤字が出ている、こういうことで地方庁はこういう多額の金を出しているということになる。そうすると、結局は、国の補助というのは、これは先ほど申し上げた神威航運の場合でいくと、ほとんどまああってなきがごとき二十九万、三十万くらいのものですからね。名目的なものじゃないかということが言える。ところが、いま小酒井さんの言うように、その下の雄冬海運の場合を見れば、地方庁が四十七万円、今度は運輸省が百四十二万六千三百円。運輸省が赤字と認められた内容そのものが、やはり一つの補助金を支出する基準というものがあると思うのですね。先ほどあなたが言われておったようなその基準というものからいっても、これをこうずっと表を見させていただくと、ずいぶんこれは差があると思うのですね。私は率直に言わせてもらうと、これはつかみ取りだ、お前のところは幾らやる、お前のところは幾らやる、こういうような気がしてならないのだけれども、その基準を策定をしたのは、これはいつなんですか。そういう補助金を出す基準というものが私は運輸省としてはきまっておると思うのですよ。それをきめたのはいつですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/103
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104・高林康一
○説明員(高林康一君) 離島航路の補助基準をきめましたのは、昭和三十三年の三月でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/104
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105・相澤重明
○相澤重明君 昭和三十三年の三月ですか。そうすると、先ほどもお話にありましたように、国内旅客船公団法ができた後にはもう全然変えなくてもいい——離島航路整備法は昭和二十七年にできているんですが、そういうことで、実際にはいまの時期に合った離島航路整備法のものではなくて、当時のこの法が設定された当初の考え方に立っただけでいまの運営をされておる、こういうことに基づいて昭和三十三年に算定基準というものはつくられた、こういうことですか。その点いま少し、どうもこの法律の解釈論になってくるから、旅客船公団法というものが昭和三十四年にできておるわけですね。その前にいまの離島航路に対するところの補助金の算定基準というものをつくった、こうおっしゃるわけです。ですから、法律ができたのは、なるほどこの整備法ができたのは昭和二十七年、その間に、五年なり六年なりの中には、その時点に立ったところの補助金というものを出されておったと思うのですが、結局はいまの海運の問題について、特に近海航路、離島航路というようなものについて、旅客船公団が設立された後には、かなり私は変わってきたものがなくてはいけないと、こう思っておったのだけれども、実はそういう点については、三十三年に基準を策定されたとすれば、その後は変わっていない、こういう理解になるのですが、その点はどうなんでしょうね。いま少し御説明をいただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/105
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106・高林康一
○説明員(高林康一君) 特定船舶整備公団法——三十四年当時は国内旅客船公団と申しておりましたけれども、それが設立されました場合におきましては、その離島航路整備法あるいは離島航路の補助基準というようなものとの関連がどうであるかということであるかと思いますけれども、まず第一点といたしましては、当時離島航路整備法におきましては、これは現行法でもそういうことでございますけれども、離島航路も新造船を建造いたします場合については利子補給をやるということが、いまの離島航路整備法の損失補助とともにもう一つの柱だったわけでございます。そういう建造に対しますところの利子補給、いわばできるだけ安い金利で離島航路就航船の整備をはかるというようなものについての利子補給のやり方というものは、公団ができましたので、実質的にはそちらで共有という形式で今度はやっていくということで、離島航路整備法は、ただいま先生御指摘がありましたように、実質的には変わってまいった次第でございます。ただ、航路補助の問題につきましては、非常にこれは公団の船舶建造ということといわば間接的に、たとえば公団で就航いたしますところの船舶というものの就航に伴いますところの航路欠損がどうであるかという意味でのつながりはもちろんあることは確かでございますけれども、航路補助それ自身の問題としては直接ないじゃないかというふうに考えまして、たとえば償却やなんかの計算のしかたにおいては就航船舶と考え方が違ってまいりますが、直接の立て方としてはないというふうに考えて、いまの査定基準というものについてはほぼ従来の方針を踏襲してまいっておる。問題はただ、「予算の範囲内で」というふうに離島航路法でも三条にございますが、そういうふうなことで実体的に成立いたしておりますところの予算というものが、実際の損失に対しましての補てん率といいますか、そういうものが低いということについては、非常に問題があるかと思いますんで、私どもといたしましては、年々それらの予算の増大ということに努力をしてまいっておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/106
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107・相澤重明
○相澤重明君 先ほど御説明いただいたのには、全体の額で五千二十五万——運輸大臣、よく聞いておいてもらいたい。五千二十五万という補助額だというんだが、運輸省全体として。ところが、昭和二十七年にこの法律をつくった当時の考えは、これでは離島の人がかわいそうだ、これでは離島の人の交通を確保するということがたいへんだということで、何とかよい船をつくってもらい、そしてサービスのできるようにする、そのための国の補助なんですよ。そのために、昭和三十四年には、先ほども申し上げたように、国内旅客船公団法ができ、さらに発展をして、これだけではもう足りないというので、特定船舶公団まで発展しちゃうんですよ。われわれもこの委員会でずうっと審議してきたんだからね。そういうことから言えば、単に決算上の問題ということになれば、船が大きくなり、収入が上がってくれば、普通ならば改善をされるということになるわけですよ。ところが、なぜこの離島航路の整備法という法律をいまでも持っておるかといえば、やはりいくら苦労しておっても、若干の黒字が見られても、こういうところを経営するのはたいへんだろうと、こういうわけだ。これは国の事業としてやはりめんどう見なきゃいけない、こういうのがまだこの法律を実は変えてない趣旨なんですよ。ですから、先ほども参事官から御答弁があったように、この法律の第十二条の「建造融資等に対する利子補給」の問題をはじめとして、関係の法律条文というものは特定船舶公団法になってからかなり変わってきているわけです。これは現実にある法律の問題なんですよ。だから、その法律の適用からくると、いま説明を受けた、全体で五千二十五万余の金だというけれども、実際に国庫補助金というものはあまりにも少な過ぎる。ましてや出しておらないようなところというものは、運輸省があまりにも形式的にとらわれ過ぎてはいないか。いま少し離島関係にサービスのできるように、私は事業者にめんどう見てやる必要があるんじゃないかと、こう思うんですよ。そこで、先ほど小酒井委員の言われる、特に幾らか大きい事業者はまだ自分自身だけでも運輸大臣にこういう形式書類を出すことについてもできるでしょう。しかし、中小企業の場合はなかなかそれはむずかしいと私は思うんです。ですから、のどまで手が出ておってほしいんだけれども、そういうしちめんどくさい書類を政府に出さなきゃいけないから、つい出し渋ってしまう。出さなくてはもらえないと、こういうことになってしまうんじゃないか。だから、私はむしろそれを運輸大臣に考えてもらいたいのは、政府でこういう書類が必要であるということは、ここに書いてありますから、この書類によって申請書を出させるならば、海運局がそのためのサービスをしてやるように、やはり指導すべきじゃないですか。海運局は、そういう法律に基づいた手続を申請をさせるについて、どういうふうにやっているのか、これをちょっと聞かないと、私はせっかくの法律というものが死文化してしまう、こう思うのですよ。これはどうなのです、海運局のいまの現実に扱っている手続は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/107
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108・高林康一
○説明員(高林康一君) 私地方におりましたときのやり方で申し上げますと、大体各地区に旅客船協会というものが——国内の旅客定期航路事業は免許事業になっておりますから、それらの免許事業者で組織されておりますところの旅客船協会というものが、大体地区別にできております。法人格を持たない場合も多いかと思いますが、それらに対しまして、大体こういうような法律がこういうふうな形であるということを、その協会のほうで常に連絡する。私どもは、大体来年度はこういう見通しになるとか、あるいは予算の要求はこういうふうな姿になっているというようなことを御説明すると同時に、しかし、先生がただいま御心配になりましたように、きわめて零細な事業者の方々は、場所が離れているとか何とかというようなことで、こういう会にもなかなか出れない、それらの方につきましては、それぞれの支局なり何なりを通じて連絡させるというようなことをやらしているつもりでございます。ただ、それが必ずしも万全にいっているかどうかということにつきましては、さらに今後とも努力を要する点ではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/108
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109・相澤重明
○相澤重明君 これは、おそらく私のこの資料を見させていただいた限りにおいては、あまり十分な手が尽くされていないじゃないかと思うのですが、たとえば二枚目の東北のほうの女川町の江島漁業協同組合、これは地方庁二十万円、こうなっておりますが、女川という町は小さな町なんですよ。そういうところで二十万円出しているのです。その上の宮古市は十万円です。こういう市や町では、なかなかそういう補助を出すのはたいへんなことだと思うわけです。こういうところを見ると、何かつかみで、大きいところには大きくやり、小さいところはお義理ということで、しかもあまり申請書が出ないようなものはほうりぱなし、こういうような印象を、この資料によって見る限り、そういうふうに受け取れるわけですよ。だから、これはいま一度、小酒井さんの話じゃないけれども、離島航路全般を当委員会として摘出をして現地調査をやる必要があると思うのです。そういうふうに私は受け取れるわけです。そうするというと、どうも離島航路整備法という法律が全く形式に流れてしまって、内容的には死んでしまうじゃないかという心配をするわけです。運輸大臣に、そういう点については、特に離島の人たちがいかに交通には苦労をされておるかという点をお考えいただいて、いま少しあたたかい手が差し伸べられるように、私は五千万ばかりの助成金なんというものは全く少な過ぎると思うのですよ。もっとお考えを願いたいと、こう思うのですが、これはひとつ運輸大臣どうでしょうね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/109
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110・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) 離島の住民はそれが唯一の本土との連絡の手段でございますから、相澤委員の仰せになるように、今後十分考えていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/110
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111・相澤重明
○相澤重明君 それから、補助金を出す場合に、先ほどの一つの基準策定を三十三年に行なわれたというのでありますが、この法律によりますと、「航路補助金の流用の禁止」及び「航路補助金の交付の停止及び返還」というのが十条、十一条に規定をせられておるわけですね。それで、この離島航路整備法施行規則にも、もっと具体的な問題が出されておるわけです。そこで、現在までに運輸省としてはこの第十条なり第十一条を発動したことがあるのかないのか、この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/111
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112・高林康一
○説明員(高林康一君) ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/112
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113・相澤重明
○相澤重明君 ないというのは、ほんとうにないのですか。つまり私は、もし先ほどの補助金を査定する基準というものが出されて、しかもこの中に国庫の補助金を出されておらない航路名、事業者名ですね、ありますが、そういうものと比較して、特定船舶整備公団が成立した以後における私は事業者の推移というものを考えた場合に、これが一件もないというのはちょっとおかしいと私は思う。そんなにあれでしょうかね、法律のこういうものをつくって、これはもちろん違反をした場合の取り扱いなんだけれども、そういうものがはたしてないというのは、私はあまりにもこれは形式上にその審査というものが過ぎてはいないか。法律上の審査を、もし法律上的確にこれを運用するということからいけば、そういうことがあるのじゃないか。むしろあるという答弁が、一件でも二件でもあるというのがほんとうじゃないか。さもなければ、やはり運輸省は、実際はこれは審査をしておらないなという印象を私は受けるわけです。そういうふうに受けるわけです。そこで、そういう議論をしても、ありませんと、こういう答弁なんだから、ないと言うものをあると言うわけにはいかないね。カラスを白と言うわけにもいかないし、サギを黒と言うわけにもいかない。そこで、ないと言うのなら、ないと受け取ります。受け取るが、それでは、このいわゆる二十七年からできました法律に基づいて国庫補助を出したものは、この資料にあるものだけですか、これ以外にはもう、つまり国庫補助を出した年もあるけれども、出さない年もある、こういうことなのか。これはずっとそのまま国庫補助を出しておるのかどうか、出しておる事業者。それから、出してないものはいままでもずっと出してないと、こういうことなのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/113
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114・高林康一
○説明員(高林康一君) お手元の資料は、昭和三十七年度の実際の姿でございます。二十七年以降の実績を見ますと、これ以外に出したものもございますし、それからここにあるものでも出していないものもございます。それはその会社の決算状況なりその他によるというようなこともございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/114
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115・相澤重明
○相澤重明君 出したものもあるし、出さないものもある——全くそのとおりだと思います。しかし、それはわからぬわけだ、これだけでは。
そこで、私はなお御質問をするわけですが、この中で、いまこの三十七年の資料に基づいて出されておるのは、ほとんどがこれは継続をしておると私は見ておるのですが、そういうことですか、それともやはり半分くらいはつけたものと、前年度はつけないものと、こういうふうになっておりますか、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/115
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116・高林康一
○説明員(高林康一君) 大部分が継続しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/116
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117・相澤重明
○相澤重明君 そこで、大部分が継続しておるというと、これはいま少しやはり決算をしてみないといかぬので、資料をじゃあひとつ私は要求をいたします。
この法律制定されてから、運輸省ですから資料はたくさんとってあると思いますから、全部この補助金を出したものを年度別に従って御提出をいただきたい。それによって、先ほど小酒井委員のお話にありましたように、特に私は中小企業の場合は実は非常に困難を来たしておるのではないかということが証明されるのじゃないかと思うのですよ。そこで、この国庫補助金を出し始めてから今日までのをひとつ。これは三十七年のはわかりました。したがって、三十六年までのを出していただきたい。それによっていま一度御質問を申し上げたいと思うのです。
そこでいま一つは、この特定船舶公団法が整備をされましてから、離島航路整備法の造船問題あるいは利子補給については変わってきたんでありますが、先ほど小酒井先生のお話のありましたように、いまの申請というものはどのくらいありますか。特定公団の建造するのに融資をひとつ骨を折ってくれとか、あるいは利子補給をしてもらいたいとか、そういうものは、今日の説明でけっこうですから、今日どのくらいありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/117
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118・高林康一
○説明員(高林康一君) 大体はっきりした数字いま覚えておりませんけれども、特定船舶整備公団の建造規模の数ということでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/118
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119・相澤重明
○相澤重明君 そう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/119
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120・高林康一
○説明員(高林康一君) これは、大体今までのところでは、三十七年度では実績といたしましては二十四隻の建造をやっておるわけでございますけれども、これは実績でございまして、ちょっとはっきり手元に資料がございませんが、大体いつも三十五、六ばいくらいの規模はあったように記憶しております。なお調べまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/120
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121・相澤重明
○相澤重明君 それはきょうの答弁になりませんから、あとで三十七年度の実績と、三十八年、三十九年度のこれから予算をいまやっておるわけですが、それの概略をひとつ、隻数、それからトン数全体を出してもらい、で御提出いただきたい。
それではきょうはこの程度で。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/121
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122・米田正文
○委員長(米田正文君) 次に、日本鉄道建設公団法案を議題といたします。
御質疑のおありの方は、順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/122
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123・相澤重明
○相澤重明君 先ほどの鉄監局長の御説明を受けたわけですが、私は運輸大臣の先ほど御答弁いただいた中で、もうかる線ともうからない線——国鉄に譲渡したり貸し付けたりした場合、そういうことで一体経営が成り立つか成り立たぬかというところまでいったと思うのですね。そこで、経営が成り立つか成り立たぬかという議論をするのには、やはり現在の国鉄の事情というものがわかっておらないと困ると思うのです。それで、運輸大臣は、現在の線区の中で、国鉄の営業しておる線区はどのくらいの線区があって、その中でもうかっておる線区、いわゆる黒字の線区、それからもうかっていない赤字の線区、これは幾らあるのか、ひとつ御説明をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/123
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124・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) 一々覚えておりませんから、事務当局からお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/124
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125・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) 三十七年度におきまして、鉄道部門の営業係数は全体で八八でございますが、全営業キロ約二万キロ。黒字線区はそのうちで約四千九百キロ、二四%でございます。それから赤字線区は一万五千五百二十一キロ、全体の七六%が赤字線区となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/125
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126・相澤重明
○相澤重明君 そのうち黒字の四千九百キロ、二四%の線区は、これをひとつ名前をあげてもらっていいんではないかと思うのですが、どこの線区が一番営業収入をあげておるのか、ひとつその二四%を御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/126
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127・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) いま私ちょっと全部の二四%の線区をおぼえておりませんが、代表的な黒字線区を申し上げますと、第一が東京付近の山手線、これが営業係数が五二、東海道本線、これが五五、高崎線が五七、伊東線が六六、それから歌志内線が六七、山陽本線が六九、室蘭本線が七二、上越線が七四、常磐線が七四、総武本線が七四、以上が黒字線の代表選手といったところでございます。それから赤字線のほうは、これは成績の悪いほうから申し上げます。根北線が一一三九、柳ケ瀬線が八八〇、三江南線が八三三、岩日線が六三五、宮原線が五一二、篠山線が四八五、小本線が四一四、可部線が三八六、小松島線が三七六、深名線が三六六、こういったものが、黒字線、赤字線双方の上位のものを例示的に申し上げたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/127
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128・相澤重明
○相澤重明君 国鉄の担当者もおるわけだが、これはどうなんですか、いまの鉄監局長の説明をされた赤字線の中のひどいのは、一一二九だの八八〇というのですね、係数が。これはこのまま置くつもりですか、将来なくすつもりですか、それともこういうところにもっと金をつぎ込んで維持するつもりなのか、こういう点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/128
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129・山田明吉
○説明員(山田明吉君) 赤字線といえども、これは国鉄の営業線でございますので、特別の事由がない限り、公共性の見地から経営を維持すべきものであるとは考えておりますが、ただ赤字をできるだけ少なくする努力は徹底的に、いままでもいたしておりましたし、今後もいたすつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/129
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130・相澤重明
○相澤重明君 いまの山田常務理事の説明で、徹底的に黒字になるように経営合理化をやりたいという御答弁だろうと思うのですが、八〇〇も九〇〇もの係数が出てきているところは、そう簡単に直りますか。何年計画ぐらいで直りますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/130
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131・山田明吉
○説明員(山田明吉君) それはもちろん立地条件によりますが、一般的に申しますと、そう簡単に近い将来黒字に転ずるとは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/131
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132・相澤重明
○相澤重明君 私の聞いているのは、努力ということはどこでも出る言葉で、やりますということはどこでも出る。そんなことはやはり、それこそ専門委員会では役に立たない。どういう計画でこれは改善をするかということがなくてはならないわけです。そういう赤字線区について、国鉄としてはどういう計画を策定をして企業努力をするのかということをわれわれのほうから質問をされれば、ではこれは十カ年計画、三十カ年計画でやるとか、そういう計画策定というものはまるきりないのですか。ないとなるとずいぶんおかしな話だが、あるかないか聞きましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/132
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133・山田明吉
○説明員(山田明吉君) 各線区について一々申し上げますと非常に時間がかかりますが、詳細に申し上げる材料は実は手元にございませんが、いままでの考え方を申し上げますと、特定線区の経営方式といたしまして、一つの線区を一人の経営者が見るという見方で、これを管理所という名前で呼びましたり、あるいは運輸区という名前で呼びましたり、名称はいろいろ違っておりますが、あるいは駅を統合いたしましたり、それから人件費がやはり経営費の大部分を占めておりますので、いわゆる無人駅をつくりましたり、また動力を、蒸気列車でやっておりましたものをディーゼル方式に変えたり、それから国鉄自体の努力ではなかなか至難でございますけれども、いわゆる出荷誘致、旅客誘致等も国鉄の力の及ぶ限りやりまして、収入をふやし、経費を減ずるという、これは一般的な赤字対策でございますが、そういう対策も徹底的にやっておるわけでございます。しかしながら、先ほど申しましたように、立地条件によりましてわれわれの力の限界がございますので、それらにつきましては、近い将来黒字に転ずるという見込みのない線もございますが、これは国鉄経営全体として、一種の公共負担として私どもは考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/133
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134・相澤重明
○相澤重明君 いまの常務理事の御説明ですと、国鉄は公共性ということをお考えになっておる。私はまことにけっこうなことだと思う。公共性でなければならぬ。いまの赤字線区の話をすると、これはまさに企業性は成り立たないわけです。だから、運輸大臣は、日本国有鉄道法——これは法律の問題になるが、これは一体公共性と企業性とをどっちにあなたはウェートを置きますか。答弁としては両方——それは法律でも両方ということになるのですが、両方じゃイタチごっこだ。そこで、やはり公共性がいわゆる日本国有鉄道の性格なのか、それともいや公共企業であるから企業性というものをもっと独立採算性の趣旨に沿ってとっていくということなのか、これは監督官庁のやはり運輸大臣の方針というものは一番大事だと思うので、その点をまず一つお尋ねをしておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/134
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135・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) 日本国有鉄道のおもな目的は、もちろん公共性であります。その公共性を十分生かすために、企業性を加味して、もうかる線はもうけるようにしていく、こういうことが国有鉄道の基本方針であらねばならぬと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/135
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136・相澤重明
○相澤重明君 そうすると、もうかるところからはうんともうけて、もうからぬところにつぎ込んでいく、政府の金はそれでもなおかつ足りないときに、公共負担というものを行なう、こういう御意見ですね、そうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/136
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137・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) 私の結論といたしましては、そういうことになるかもわかりませんが、かなりに企業性に乏しくとも、それが全体の日本経済から見てどうしても必要であるとか、そういうことは、公共性、企業性を考える以前にその問題について考えまして、それがなるべく企業性に合うように経営していくべきだと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/137
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138・相澤重明
○相澤重明君 それから、先ほどの山田常務の説明で、たとえば赤字の多いところについては、特定線区といいますか、管理所とかあるいは運輸区とかいうようなものを設けると同時に、駅の国鉄職員を置かないいわゆる無人駅をつくっていく、こういう話が出、あるいはまた列車を電車からディーゼル・カーにしていくとか、また旅客、荷物の出荷要請をするとかいうようなことで何とか改善をしたいというお話があったんですが、いまこういう赤字線区といわれるところで無人駅というものはどのくらいあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/138
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139・山田明吉
○説明員(山田明吉君) 全国の駅の数は全部で約四千ございますが、正確にはわかりませんが、いわゆる無人駅というのは数百はでないだろうと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/139
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140・相澤重明
○相澤重明君 運輸大臣にお尋ねしたいのですが、大臣、鉄道を敷いて、そうして旅客を輸送する、荷物を輸送することが地方産業の発展になるわけです。これは日本経済の最も大事な要素になると思うのですが、そこで、鉄道、レールは敷いて、電車、汽車は動いたけれども、駅はあってなきがごとし、風に柳と受け答えるという話もあるが、お客さんはとにかく駅へおりたけれども、だれも国鉄職員はサービスをしてくれない、こういうことになると、これはいまの地方軌道のようなもので、運転士さんと車掌さんがおれば事は足りる、駅をつくる必要はないわけですね、簡単に言えば。なまじっか駅をつくるというと、不便なところにつくるかもしれない。どこでも客がここがいいというところでおりたり、ここがいいというところで乗って、手をあげて乗るということになりませんか。国鉄職員がいないから、無人駅というのはそういうことをやろうとすることなんでしょうね。これは大臣どうですか。これは大臣に聞かなければならぬのですが、駅のお客さんの込んでいるところだけを考えておって、地方に鉄道を敷いたところは無人駅ばかりで、駅には国鉄職員はいない、そういう線路をうんとつくっておる。私は、地方軌道ならばいざしらず、国鉄がそういうふうにやるということについては、ちょっと納得がいかないので、これは大臣に聞いておきたいのです。無人駅をつくるのは、あなたはやむを得ない、こういう考えで、四千余に余る国鉄の駅の中でも数百は出ないだろうけれども、数百に近くある。これは日本語ですから、数百は出ないかもしらぬけれども、数百に近いものがある。そういうことですが、大臣どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/140
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141・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) 駅がなくても、かってにどこでもとまれというわけにはいきません。それはちゃんと汽車の時間表というものに表示してありますから、あなたの言うようなわけにはいきませんが、そういう必要のないところ、保安対策上、人がほとんど通らないというような保安対策から考えまして、経費節減その他から考え、保安対策上必要がないというところは、いわゆる企業性と公共性を勘案いたしまして、無人駅をつくるということもやむを得ぬことと考えております。しかし、あなたのおっしゃるように、それじゃどこでも勝手に手をあげてとめるというわけにはいきませんし、またそういかないように汽車の時間表というものがちゃんとあります。どこの駅を何時に通るということがきまっておりますから、それは御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/141
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142・相澤重明
○相澤重明君 あれですか、運輸大臣は、いまの御説明を聞いておるというと、無人駅もやむを得ないということで、これは汽車の時間表があるからそういうことなんだという。汽車ばかりですか、電車は走らせないのですか。汽車と電車の定義をお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/142
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143・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) 電車というのは、読んで字のごとく、原動力を電気に仰いでいるものを電車と申します。その他のものをディーゼル・カーと蒸気機関車と、そう考えております。動力の違いでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/143
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144・相澤重明
○相澤重明君 大臣は、国鉄の企業合理化という中で、磐城棚倉の白棚線というのを知っておりますか、乗ったことはないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/144
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145・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) 存じません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/145
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146・相澤重明
○相澤重明君 運輸大臣が知らぬとはけしからぬ、これは。大体、国鉄を監督する運輸大臣が、企業合理化を推し進めるのに、こういうふうになれば合理化するということを知らぬなんというのは、答弁にならぬ。なぜ知らぬのか、行かなければいけない。きょう審議を終って直ちに行ってくるべきだ。まあそのくらいの気魄を持たなければ、この鉄道建設公団なんというのはできませんよ。私が聞きたいのは、大臣、何も線路を敷くばかりが私は交通問題じゃないと思うのです。いつまでたっても鉄道線路を敷くだけが交通問題の解決だというふうには私は考えていない。だから、この磐城棚倉は、実は鉄道線路があったのだけれども、それをはずして自動車輸送をやっているのだ。いま非常に成績がいいという——成績がいいか悪いかは、国鉄常務からひとつ説明してもらいましょう、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/146
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147・山田明吉
○説明員(山田明吉君) 御指摘のように、昔鉄道線路がございまして、当時特別列車で経営をやっておったわけでございますが、戦争中に鉄材供出のためにレールを撤去いたしまして、終戦後は、その撤去したレールを敷くかわりに、舗装いたしまして、国鉄自動車がやっておるわけでございます。現在の経営成績は、完全な黒字まではまいりませんが、戦争前の経営成績よりもよくなっておりますが、ただ、これは終戦後その近所がたいへん発展していきまして、客貨ともにふえているというのも一つの原因かと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/147
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148・相澤重明
○相澤重明君 そこで私は、国鉄に、現在の線路の中ですね、線区の中で、たとえばそういうような自動車にかえたほうがいいと、こういうことを検討されたことがあるのか、あるいはまた検討すればそういう線区というものはどのくらいあるのか、これはひとつ重要な問題ですからお答えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/148
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149・山田明吉
○説明員(山田明吉君) 過去において、確かに、御指摘のように、鉄道がいいか自動車がいいかということを研究いたしたこともございますし、またわれわれただいまもそういう研究は続けてはおりますが、過去の実例から申しますと、白棚線はただいま申しましたような状況でございますが、最近の事例といたしましては、北陸本線の杉津線という線がございますが、これは北陸木線を複線化するに従いまして線路のつけかえをいたしまして、したがって、新しい線路ができましたのでいままでの線路が要らなくなったわけでございます。地元の要望としては、何とか汽車を通してくれという御要望がございましたが、北陸本線自体といたしましては、複線ができましたので、旧線が要らなくなりまして、当然それを廃止いたしました。そのかわりに、その土地等は地元に寄付をいたしまして、いままでの汽車のかわりに自動車が通っておるという例はございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/149
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150・相澤重明
○相澤重明君 私は、やはり産業の発達に必要なものは、基本的には何といっても国鉄だと思うのです。同時に、あわせて道路をよくしなければ、いかに鉄道を敷いても、貨客の輸送にやはり支障を来たすと思う。したがって、道路問題も、これは私はやはりなおざりにできない。政府が三十九年度予算においても四兆一千億もの五カ年計画を策定したゆえんだと私は思うのです。そういうことからいって、この鉄道を敷くよりは、道路をつくったほうがいい、よくしたほうがいい、こういうようなことは、いままでの公団のつくる予定線、あるいは現在の日本国有鉄道が営業しておる線区についても、そういう話は閣内ではなかったですか。特に建設大臣との関連が私は出てくると思う。運輸大臣は、自分の所管だから、鉄道線路を敷くということについては、あなたは積極的な御意思があったと思うのですが、建設大臣からすれば、道路をやはりよくなければならない。そうすると、道路と鉄道との競合ということが理想的なんですが、そこで建設省あたりが、そういう問題について、閣内でもって大臣と御相談されたことありますか、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/150
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151・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) そういうことについて議論をされたことはあります。道路の四兆一千億円、五カ年計画等につきまして、鉄道がいいのではないか、道路によるべきであるかということについて論議をされたことはありますが、財政が許すならば双方、あなたのおっしゃるように、道路と鉄道が並行して、それに応ずるような貨客ができ、発展していくことが、一番望ましいことだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/151
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152・米田正文
○委員長(米田正文君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/152
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153・米田正文
○委員長(米田正文君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/153
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154・加賀山之雄
○加賀山之雄君 けさほどのわれわれの視察報告でも述べたところでございますけれども、いろいろ新線建設には説が流れておりまして、赤字線をむやみにつくるのはいかぬとか、あるいは政治線に片奇っていやしないかといわれておりますが、私どもとしては、まだ鉄道網は整備しておらぬ、もっと整備をして日本の国内のすみずみまでを開発することが必要であると、私どもまずこの確信に立っておるわけでございます。ところで、これから開発のおくれたところへ線路をつくるとすれば、これは好むと好まざるとにかかわらず、どうしても赤字線になってくる。これももう必至の運命であると思うわけであります。そこで、政府としては、今回この鉄道建設公団というのを非常に苦心しておつくりになったと私どもは理解する非常にいい御着想であると思う。そこで私は、伺いたいと思いますことは、その根本において、これをおつくりになる以上は、つまりこの鉄道が累年赤字を累積することによって、鉄道の経営がほんとうに破綻に瀕するこういうことに対する配慮がその陰にあるからとおもうのでありまして、そうとするならば、建設公団をつくってこれから送れておる地方の開発のために新しい線をおつくりになる、五千億にのぼる新線を建設なさるとするならば、これはどうしても公共投資という観念で政府が投資をして、そうしてつくっていくと、つまり国鉄がこれを借金でつくるのじゃないということでございませんと、建設公団をつくっても、これは依然として国鉄の借金が大部分であるということであっては、建設公団を非常に苦心してつくられた意味がなくなる。今回予算において、まあ前回は五億であったのが、政府出資十億、つまり倍になっておる。私はここらに政府の御意図もうかがわれるわけでありますけれども、あるいは八十五億、あるいは百億と見た場合に、その中の政府出資が十億では、どう考えてもこれはそろばんが合わないのであって、依然として国鉄に八十億あるいは七十億といった大きな負担をしょわせることになる。ここらの事柄について、運輸大臣としてはいかにお考えになっておるか。これは初年度ことであって、二年、三年たてばこの姿は必ず直すのだというお考えであろうと思いますが、そこらの御解明をひとつお聞きいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/154
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155・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) 鉄道新線建設に対する考え方は、全く加賀委員と同感でございます。私といたしましては、三十八年度は発足の年であり、三十九年度は、工事量その他を勘案いたしまして、財投を十億にし、出資を十億にして発足第二年を迎えるつもりでございますが、さらにその経過を経るに従いまして、あるいは政府保証債であるとか、あるいは財投をたくさんふやすとかいたしまして、どうしても私は鉄道網を早く整備せなければいかないという議論も立てております。あるいは政治路線ばかりやってけしからぬというようなことを申す人もありますが、そういうことはためにせんとする者の議論であると私は考えております。また、道路がいいのじゃないかと言いますけれども、道路は、無料公開の原則に従いまして、有料道路等は若干ありますが、大体がつくってもそれから利潤を生むということはありません。鉄道は、初めは赤字でありますが、何年かたっておれば、その地方の開発に従いまして、それから収益をあげるのでございますからして、運賃がいわゆる取れるわけですから、道路とその点において基本的に、採算面から言えば、国家投資の長い目で見るならば、私は鉄道のほうがよくなるのではないかと、かように考えておりまして、お説のように、公団が発足いたしまして、事業が促進するにつれまして、財政投資をふやすのはもちろん、政府出資をふやすのはもちろん、さらに政府保証債その他によりまして、資金の獲得には自信を持って進みたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/155
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156・加賀山之雄
○加賀山之雄君 運輸大臣の言われますとおり、道路々々と申しますけれども、道路も、ちゃちな道路であればともかく、鉄道にかわるような道路を、本物の道路にしようとすれば、建設費は極端に言えば鉄道の数倍かかる。しかも、その道路を使っての運送費に至りますと、これはトラックで運送する。たいへん長距離運送が行なわれておりますけれども、これは非常に無理をしているのであって、コストは鉄道輸送の場合とは極度に違う。つまり、国鉄というものは大量輸送に適した陸上輸送機関であることは失なわない。そうしますと、道路ばかりにたよる、道路々々というのは、これは非常に間違いであって、やはりまだ日本では鉄道のほうが、整備していない二万キロ余りの国鉄でありますけれども、これを十年間に五千億かけて鉄道網を整備しようという計画は、私はまさに当を得た計画だと思っておるわけです。ところで、五千億と申しますと、年間ベースにして五百億、これはもう容易ならぬことです。五百億といたしまして、これをたとえ半分が国鉄が借金でやり政府が半分出資するとしても二百五十億、容易ならぬことだと思うのです。
そこで、私は、建設公団が五千億の計画を実現するためにつくられる——非常にけっこうだと思いますが、私は少くとも、そういう資金の、いま政府保証とか財政投融資の問題に触れられましたけれども、私が申しているのは、利子のかからない金を国鉄が使うのでなければ、これはつまり国鉄が財政投融資を受けてやるのでは、借金でつくるのでは、どうにもならないわけです。そこらを伺いたいので、少くとも私の観念では、半分くらいは政府がこれは直接投資として、公共投資としてやり、あるいは三分の二と言いたいところですけれども、そういうようなことを考えなければおかしいのじゃないかと、こう思うわけです。そこで、大臣としては、終局のところ一体どれくらい政府がその中で負担するというお気持ちがあるのか、そこらのところをお伺いをしたかったわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/156
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157・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) 加賀山先生の御意見、私ども全くごもっともだと考えておるわけでございまして、先ほど私が御説明いたしました資料番号の1でございますが、これは先ほども私ちょっと御説明いたしましたように、きわめてラフな省内の素案でございますが、これは一応のめどになるかと存じますが、これで考えていますのは、現在の着工線の四十三線と調査線の十五線、合わせまして五十八線というものを今後十年間に一応完了したいということを目標に置いております。なお、これには重大なものが抜けておりまして、先ほど申し上げました青函の海峡連絡鉄道、これは日本としても非常に大事な事業だと考えております。そのほかに調査線にあがっております本州−四国間の連絡ルート、これも二本あがっております。この三本の海峡連絡鉄道というものは、現在の段階でかなり積極的に調査を始めて、北海道に至りましては試掘立て坑等をいま着手しているわけでございますが、なお、この工事費がどれだけ要るかというのは、いまのところまだちょっと調査をさらに進めませんとわかりませんもので、この中から抜いております。したがいまして、陸上の鉄道だけで一応十カ年約三千億という計画を立てておりますが、かりに北海道の連絡鉄道あるいは四国の連絡鉄道というものを入れますと、おのおの一千億、いま加賀山先生のおっしゃいますように、五千億というかっこうになるわけでございます。そこで、現在私どもが考えておりますのは、一応陸上だけに限定いたしまして、十年間で約三千億、それで前半の五年間には大体一千億を仕上げる、それから公団がだんだん充実してまいりました後半の五年間には約二千億ということを考えまして、国鉄の出資分は、これは公団をつくりましたそもそもの目的というものは、国鉄は既設線の改良、輸送力増強ということに専念させまして、そういった面で非常に資金も苦しゅうございますので、大体この数年来の実績に従いまして国鉄の出資というものは、大体年間七十五億、十年間で七百五十億、残りはあげて政府資金ということを一応考えておりますけれども、まあ政府資金には、政府の出資と、それから広く政府の融資というものがあるわけでございますが、この国鉄七十五億に限りましたのは、結局、この公団法を御提出をし、御審議を願う一番もとになります三十七年の鉄道建設審議会の建議に基づいておるわけでございますが、やはりこの建議は、いま先生がおっしゃいましたように、今後新産都市であるとか、あるいは地域格差の是正であるとか、あるいは臨海工業、こういった関係から、従来以上に鉄道新線を積極的にやる必要がある。そのためには、やはり公共投資的な考え方を強く入れて、国鉄の出資と、ほかに政府がかなり大きな部分を持って本腰を入れていくということから、この公団法を提出したわけでございまして、いま先生のおっしゃいましたように、三十九年度の予算では、確かに出資十億、融資十億となっておりますが、この公団の基礎が確立しました暁には、やはり建設審議会の建議を尊重いたしまして、なるべく公共投資的な性格を持たせて、政府の出資なりあるいは政府の融資というものを、今後、財政の規模によりますが、大幅にふやしていきたいというのが私どもの考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/157
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158・加賀山之雄
○加賀山之雄君 次年度あるいはその先の予算のことまで話をしたり、またお聞きすることは早いかもしれません。しかし、本年度の予算はすでに提示されて、これから本院で審議するわけであります。財政当局との間に、公団がいよいよ本年から発足したあと、つまり来年度の予算においては、七十五億はくぎづけにしても、それに見合う政府出資が得られるかどうか、それまでのお話はおできになっているかどうか、そこまでのお話がこの公団をつくられるについてできておりますかどうか。つまり、私が申し上げたのは、少なくとも当面は半々ぐらいまではいかなければいけないし七十五億、それならば来年度は政府出資も七十五億という、その以降、あるいはそれから先は、どんどん政府出資だけが——いまの鉄監局長のお話を聞いても、あとは政府出資に待つのだというお話でしたから、そのお話がある程度できていなければいかぬと思う。いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/158
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159・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) 実は来年度すなわち三十九年度本公団が発足、第二年目にはわれわれとしては政府出資を二百億ぐらい、国鉄出資とそれから政府出資を合わせまして大体二百億ぐらいを要望したのでございますが、財政の都合上まあ今年は十億、それに融資十億、二十億ということで発足いたしますが、先ほど鉄監局長が説明申し上げたように、年を追うに従ってふやすということの了解だけは大蔵大臣といたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/159
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160・相澤重明
○相澤重明君 先ほどの御説明をいただきまして、赤字線区が非常に多いということがわかったわけです。そこで黒字線区というのは山手線を初めとしてごく少数の線区だ、この山手や東海道の線区は、実は旅客輸送、つまり通勤通学のことを考えると、私はまあたいへんなことじゃないかと思うのです。したがって、お客さんが多いから結局は収益も多い、収入も多いということになるわけですね。ですから、収入の多いということは、お客さんが多いということは、むしろそのお客さんたちに負担を多くかけておるということになる。逆を言えば、楽に乗れないということですよ。だから、よく国鉄が、冬のオーバーを着ておるのをはぎ取っちゃうというので、はぎ取りということを言っているわけだ。オーバーを着るのと着ていないのとで、どのくらいの人数が違いますか。乗るのと乗らないのと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/160
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161・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) 大体容積から申しまして一割五分から二割ぐらいではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/161
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162・相澤重明
○相澤重明君 ですから、東京周辺の旅客は、もう実に殺人的な混乱を来たしておるわけですよ。ちょっと電車がおくれてごらんなさいよ。それはもうほんとうに、乗るのにそれこそ四苦八苦なんですね。これは私は公共性なんというようなことをぬけぬけと国会答弁をしておるなんというのは、全くもってのほかだと思う。公共どころか、命を——もうたいへんですよ。そこで、これらのもうかっておる線区には、むしろもっとお客さんが乗りやすいような、いわゆる線路増とかあるいは……。ダイヤをあまり多くされるのは困るのですよ。過密度というのは困るのだ。過熱でなくて、あれは過密というのだ。過密度が多過ぎては困ると思うのです。そこで、もっと旅客にサービスすることを実態として考えておるのかおらないのか。どのくらい現在の乗降客の乗り切れない、定員より現在どのくらい無理をして輸送していますか、どのくらいですか、旅客係数は。
〔委員長退席、理事谷口慶吉君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/162
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163・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) 東京付近の通勤を主体とした大量輸送、これは先生のおっしゃるとおりで、非常に混雑しております。線区によってラッシュ時の乗車効率というものは違うと思いますが、大体二五〇から三〇〇近い非常に混雑をしているわけでありまして、これは、私ども運輸省あるいは国鉄も非常に頭痛の種でございまして、毎年国鉄の予算におきましても、この通勤輸送というものに非常に重点を置いて予算を組んで、たとえば御承知のように、中央線の複々線、高架というような非常に大きな工事をいま鋭意やっております。その他の線区におきましても、ホームを改良する、あるいは連結両数をふやすということによりまして、少しでもこの乗車効率を緩和し、お客さんに満足とまではいかなくても、多少でもいい、また安全の見地から申しましても、乗車効率を緩和し、輸送能率を上げたいということで鋭意努力をし、工事経費の重点もこういったところにつぎ込んでいるわけであります。なお、国鉄だけの問題ではございませんで、運輸省といたしましては、やはり全体の地下鉄あるいは私鉄、国鉄、こういったものを含めまして、総合的な輸送効率を高めてまいりたいということで、たとえば地下鉄の計画にいたしましても、東京付近で今後約二百五十キロ、十路線というものを都市交通審議会で審議を願いまして、鋭意努力をしているわけでございます。従来、御承知のように、山手線で大体私鉄というものは打ち切っております。これを、この十路線をなるべく関係の私鉄が地下鉄を通りまして相互乗り入れができるというような計画を進めておりまして、そういった観点からも、通勤輸送対策、大都市の交通緩和ということには私ども非常に努力しているつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/163
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164・相澤重明
○相澤重明君 運輸大臣に、これは基本的なことですから。いま鉄監局長が答弁されたように、通勤通学運送に三〇〇もの係数が出るなんということは殺人地獄ですよ。しかも、いま国鉄はこういう事態になっておるので、苦しまぎれに時差出勤というのをやらしておるわけですね。これは本来、最も人間としての休養をとって、活動能力のある時期を働くのがこれは一番いいのですよ。そうでしょう。その活動能力の最もいい時期をずらして、そしていまの混雑を何とか緩和をしたいというのが時差出勤ですよ。これはもうこの時差出勤のために、官庁をはじめとして、特に工場等の人たちはどのくらい大きな支障を来たしているかわからぬと思うのです。国鉄が公共性というたてまえをとっておりながら、地方のいわゆる工場や、そういう産業に多くの影響を与えているわけですね。逆を言えば、国はそれを補償すべきですよ、普通の理論からいけば。交通は、国鉄がとにかく動脈として、しかもその主体的な条件を持っておるのだから、本来国がそういう通勤通学の問題は解決すべきなんだ。にもかかわらず、国鉄の現状はそんなふうになっていない。こういうところに問題点が、いまのもうかっておるという線区に特にはなはだしいと私は思うのですね。
もう一つ。そこで、いまの鉄監局長の御説明のように、線路増とか、あるいは混雑緩和の方法を、国鉄ばかりでなくて、関連の交通業界にも協力を要請をする、そういう形になっておる。そこで、私は、いまのもうかっておるごく少数の線区の通勤通学の人たちの苦労を考えた場合に、やはり運輸省が地方の産業の発展ということを考えて公団をつくるということはけっこうだ。新線建設をはかることはけっこうだ。けれども、いま現におる東京都の周辺地域の人たちですね、このもうかっておるという線区の人たち、この人たちの地獄にあえぐような交通の苦しみというものを考えたら、これをやはり私は緊急に整備しなければいけないと思うのです。そういう緊急整備を何カ年計画でやるのか。これはひとつ、私はやはりこの国会を通じて政府がやはり国民に知らせなければ、なに言っているかと、つくってしまえば政府はかってにほったらかしておくのじゃないか。先ほど言った、鉄道を敷くときには、駅もつくります、旅客、貨物の誘致にサービスいたしますといったって、無人駅をどんどんつくったり、一方においては、もうかるというところには全然手が加えられないで、交通地獄を現出しておる。
〔理事谷口慶吉君退席、委員長着席〕
そのあげくの果ては、いわゆる過密ダイヤの結果は、国電鶴見事故のようなことが、一つ間違えばああいう大惨事が起きる。こういうことになると、国鉄に対する信頼性、政府には交通総合対策というものがないのかということになる。そこで、もうかっておるからそのまま放置しておっていいということではないんだけれども、一体これらの線区に対して、どういう具体策をお持ちなのか、何カ年計画くらいでこれを直す気なのか。私はそのことを、当面緊急整備をどうお考えになっておるか、お答えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/164
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165・山田明吉
○説明員(山田明吉君) 通勤輸送につきましては、いま鉄監局長からも御説明がありましたように、極力努力をいたしておりまして、御質問の、具体的に現在何をやっておるかと申しますと、第二次五カ年計画をただいま実施中であることは御承知のとおりでございまして、その中で、特に通勤輸送につきましては、総額大体七百八十億円を投入いたしまして、具体的には、先ほどもお話がございました中央線の中野−三鷹間の複々線化及びその高架化、あるいは青梅線の拝島−東青梅間の複線化、また総武線の十両運転というような線増を考えております。さらに、第三次の長期計画に手をつける前提といたしまして、赤羽−大宮間の線増も計画中でございます。なお、駅の改良につきましては、東京付近では、新宿をはじめといたしまして、渋谷、池袋、赤羽、荻窪というように、ほかにまだございますが、主要駅の大改良工事を実施いたしております。何ぶんにも、人口の増加が非常に早いテンポで行なわれておりますために、どうしても輸送施設が追いつかない現状であることは、非常に私どもも残念に思っておりますが、それに対する一応過渡的な措置といたしまして、御指摘のございました時差出勤も行なわざるを得ないという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/165
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166・相澤重明
○相澤重明君 ですから、いまの御説明を聞いておれば、結局は、人口増のために、これらの黒字線区といわれるところは、なかなか追いついていかないという状態なんですね。また高崎線のような場合でも、先日もスキー旅客の話がありましたが、もうほとんどすわれない。国鉄というのは、すわる交通機関じゃない、立っている交通機関だと、こういわれておるわけです。座席なんか要らない、それまでサービスができない、国鉄の現状では。しかし、運賃はまけやしないです、 これは。三倍乗ったから運賃を三分の一にしたなんという話は聞いたこともない。また、そうもならないだろうと思うのです。そうすると、その人たちの苦しみの中から、やはりそのきめられた料金というものは遠慮会釈なく取り上げて、毎日苦労をしておる。これは、いまのお話を聞いただけでも、私はたいへんなことだと思う。早急にこれはやはり整備をすべきではないかということなんです。
私ども社会党も、実は、国鉄の緊急整備十カ年計画というものを持っているわけです。私ども社会党の案とちっとも変わらないですね。どうですか、社会党の案に同調したら。当面緊急整備をしなければいけないというのが、ここなんですよ。その中には、いま公団をつくっておやりになろうという地方産業の発展のためにも、私どもは新線建設をしてもいいと思う。それは両方やらなくちゃいけない。そこで両方やるにしては、先ほど加賀山さんの話じゃないけれども、今度の公団の投資計画というものは一体どうなるのか。これはやはり依然としていままでの、日本国有鉄道が管理運営をしておる現状の黒字の線区にもほど遠い、先ほども鉄監局長が言ったように、まあ黒字が予定されるのはせいぜい五つぐらいのものだ、こういうことになる。これはやはり国費で、全額国庫負担でやるというのがたてまえですよ。一方において苦しませておきながら、一方においては赤字が出ることを予想しながら、国鉄の経費をもってまかなうという、国鉄の大多数はこうなっておる。ところが実際は——あとでまた数字的にこまかく、法律にも関係をしておりますから、御説明をいただくわけでありますけれども、私は、やはりその基本的な考えは、国家が負担をする、公共投資をするということが前提でなければいけないと思うのです。私ども社会党は、そういう意味で、この緊急整備十カ年計画の法律を実は提案をしておるところなんです。
そこで大臣は、この緊急整備をやる意思がありますか、それともございませんか。これは大事なことですからお尋ねをしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/166
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167・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) 私は、緊急整備の法規でやるよりも、われわれが提案しておる日本鉄道建設公団法による新線の建設を先にやりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/167
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168・相澤重明
○相澤重明君 そうすると、党の立場でいけば、政府の提案者でいくから、なるほど運輸大臣は、私のほうはと、こういうことになろうと思う。私は、国民全体の立場を考えているわけです。国会だから、国民全体の立場で考えれば、自分が苦労して、殺人地獄のような中で、運賃も別にまけられるわけじゃない。三倍以上もの苦しみをしながら、通勤、通学をしておるいまの黒字線区というところ、この状態は解消をしなければならぬ、解消をせよという方向をとっておるわけでしょう。これは緊急整備ですから、だらだらやっていいということじゃないのだ。急いでやりなさい、そういうことでしょう。それから一面において、地方の新産業都市をはじめとして、格差の是正をしていく、地方産業の発達のために貢献をしていきたいというのが、新線建設をやろうということなんでしょう。だから、やはりそれは、いまの、開放経済に向かうという、これは池田内閣の話なんだけれども、開放経済の年だということを言いながら、しかし実際には、この格差というものは非常にはなはだしいわけです。それを少しでも是正しようというのが、いまの新線建設十カ年計画だと私は思うのですが、それにしては、あなたの言われる話を聞いておると、緊急整備のほうはそっちのけにしておいて、新線建設だけをやりたい、こういうふうに私は受け取れたのだが、そういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/168
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169・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) 財政の許す範囲内におきましては、いまの過密ダイヤの解消その他にも尽くしたいが、地方開発、格差是正その他には、われわれの考えておる鉄道建設公団でやるほうをとりたいと考えております。と申しますのは、御承知のように一昨年五月に、各界の権威者が集まりまして構成されておる鉄道建設審議会委員が満場一致をもってわれわれに答申した趣旨もそこにあると考えまして、それでやりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/169
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170・相澤重明
○相澤重明君 私は、全く、権力を握った者はずうずうしいということを国民は考えると思うのです。特に、この混雑の激しい地域で国鉄を利用している者の、これは恨みのことばですよ。何だ、こんなに苦労しているのに、ちっとも手を加えないじゃないか、ということを言われると思うのだ。私はそういうことを言われたくないから、言っておるわけなんです。政府もまさか、そういうふうに考えてはいないと思うけれども、やはりそういう緊急整備ができなければ、そういうふうなことを言われるわけですよ。そうして政治路線とか赤字路線とかいうことをいわれるのは、そういうふうに困っているところを現実に解明をなかなかしないでおいて、一方においては、代議士かなんか知らぬが、そういう人たちが出されたものを優先的に取り上げるというようなことをよくいわれておるわけです。だから、そういうことがなくなるようにしなければ、国鉄の国鉄たるゆえんは私はないと思う。そういう意味で、大臣のせっかくの御所信を、とにかく何が何でも——まるで村田英雄の歌みたいに、何が何でも公団をつくってやる、通すんだと。それは誠意はわかるよ、運輸大臣の。とにかく、公団法を通してもらって、そして鉄道新線建設をやるんだということはわかるけれども、私は他面、いまの既設の線路の中で足りない点はやっぱり直していく。それはやはり、さっきの説明では、私はあまりにも予算が少ないんじゃないか、あまりにも少ない。建設公団をつくって新線建設をやろうとするなら、そのくらいの見合う額を、同じくらいもっとお考えになって、緊急整備をやるべきじゃないか。これはしかし意見のところですね、少し、だけど私は質問しているわけなんです。あなたがそういうふうに言っているから、大体きょうは四時ごろで終わるつもりですが——もう四時になっちゃった。とにかく、私はそういう点について、やっぱり運輸大臣にいま一度再考を促したい。困っているところをどうするか。これはひとつ、ぜひ再考を促したいし、その対策を……先ほどの鉄監局長の御答弁では満足できません。どういうふうに、何カ年計画でどうやるということを、そしてこの三〇〇の係数を一二〇にするのか、一五〇にするのか、いつ旅客が安心して乗れるように、国鉄を信頼して乗れるようになるのか、ひとつ資料を作成して出してもらいたい。これもひとつ、資料の要求。
終わりたいんだけれども、いま一つだけ、次の資料を出してもらう必要があるから、ちょっと言っておきますがね。いままでに五十八線すでに着工をしておりますね。工事を始めておる線がずっと書いてあるわけです、着工線が。この着工線で、すでに国鉄自体が工事をやっておってつぎ込んだ金ですね、これにあがっておるこの数字。これは現物出資ということになるんでしょう。どうなんですか。これはどういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/170
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171・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) これは、現在の着工線、あるいは調査線というものは、公団成立の時期におきまして、開業しておるものは別といたしまして、あげて国鉄から公団に現物出資をするというのが、大体法律案の考え方でございます。で、その金額を申し上げますと、いま申し上げた着工線あるいは調査線、こういったものを含めまして、国鉄から公団に現物出資をする額は、大体二百九億円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/171
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172・相澤重明
○相澤重明君 そうすると、この法律が通って公団が発足するときには、総額幾らの資産になるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/172
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173・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) 先ほど申し上げました国鉄の出資が、現金出資が七十五億、政府の出資が十億、来年度。それから本年度の政府の出資、これはすでに予算は通っております五億、それにいまの二百九億でございますから、大まかに申しまして三百億程度の資本ということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/173
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174・相澤重明
○相澤重明君 これは、いまの鉄監局長の説明でいくと、現物出資が二百九億、国鉄が七十五億出資、政府出資が三十八年度十億、今年度五億、結局政府は十五億、そういうことですか——数字だよ、政府の出資は三十八年度が十億でしょう、いま説明されたのは、七十五億、十億と言った、本年度五億と言った。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/174
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175・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) 三十八年度五億。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/175
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176・相澤重明
○相澤重明君 正式に答弁しなさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/176
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177・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) 不正確でありましたから、もう一回申し上げますと、公団成立の時期によって多少違いますが、現物出資が大体二百九億、それからすでに本年度予算が通っておりまして政府から出資を予定しておりますものが本年度五億、来年度三十九年度は、国鉄の現金出資が七十五億、政府の出資が十億、したがいまして、九十億に二百九億を足しまして二百九十九億ですか、これが時期によって多少違いますが、それが全部資本金額になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/177
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178・相澤重明
○相澤重明君 そこで、いまの話をいま一度繰り返しますと、現物出資は二百九億、国鉄が七十五億出資、今年度は五億政府出資、三十九年度が十億、あまり違わなかったですな。とにかく二百九十九億、やっぱり「ニクラシイ」ということだな。とにかく二百九十九億という金で五十八路線を運営していこうと、建設していこうと。そこで、その中で、二百九億に七十五億ということになると、これは実に二百八十四億というものは国鉄で、政府はたった十五億ではないですか。何が公共性なんだ。国鉄にやらしておるのではないですか、実際は。
それで、あれですか、これは運営の問題になるけれども、公団の役員というのは、どんなですか、国鉄の人間はどのくらい入るのですか、役員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/178
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179・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) この法案が通らなければ決定的なことは申されませんが、大部分は国鉄の人が入ると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/179
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180・相澤重明
○相澤重明君 そうすると、この公団法によると、役員は大多数が国鉄から出るということになると、総裁、副総裁一人ずつ、理事六人以内、監事二人以内ということですから、十人ですね、最高にして、理事六人とした場合。そうすると、よその、よそのと言うとおかしいが、国鉄以外から売り込み、売り込みじゃない、いわゆる出てくる役員というのは、やはり目鼻があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/180
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181・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) 私としては、さような僣越なことは考えておりません。この法案が皆さん方の御協力によって通りますれば、この法案の示すように、設立委員というものができまして、その委員で最善の人事をきめてもらうのですが、御承知のように、大部分が国鉄の出資でございますから、国鉄から大部分の人が入るということはもとより当然と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/181
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182・相澤重明
○相澤重明君 そこで、運営のことがちょっぴり頭をのぞかしたわけですが、そこで、二百八十四億も国鉄が出して新線を建設する公団をつくる、ところが、法律が通って公団が設立をされた場合には、現物二百九億は出資になる。いままで国鉄は二百九億つぎ込んでいるわけですね。あなたのほうでは、現物出資になるものがですよ。すると、この二百九億に対する国鉄のやり繰りが私はたいへんだと思うのですよ。現在まで国鉄はどのくらい国から金を出してもらっておるかということと、あるいはどのくらい利用債というものを発行しておるのか、あるいは毎年払わなければいけない利子というものはどのくらいあるか。それによっては、この二百九億をつぎ込んだ国鉄の経営上におけるいわゆる経理というものが非常に私は苦しくなると思う。これをひとつ説明してもらいたい、いまの点を。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/182
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183・山田明吉
○説明員(山田明吉君) 順序が違うかもわかりませんが、国鉄が外部資金として借りております総額は、昭和三十八年度末、つまり逆に言うと三十九年度の初め、このことしの三月末の見込みでは、大体六千八百億ぐらいの金を借りる見込みでございます。
それから、公団に現物出資をいたします二百九億円と申しますのは、この三十八年度の成立予算七十五億を全部決算する大体見込みでございますが、それを加えまして、過去にずっと投じてまいりました金が二百九億の現物出資になるというわけでございますので、ことばをかえて申しますならば、公団とがここ数カ月の間にかりに成立いたしまするならば、その際に二百九億というものが国鉄の現物出資分になるわけでございますが、その際、二百九億円の現金を出すわけではございません。つまり、いままで二百九億円に相当する金でつくった未完成の設備を金に換算して出すわけでございます。しかしながら、三十九年度に入りますと、ただいま御審議願っております予算の中に、出資金として七十五億円の予算が計上されておりますので、三十九年度には現金として七十五億円を出資するということになるわけでございます。なお、六千八百億円にのぼります借り入れ金の利子は、三十九年度で三百九十九億円の予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/183
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184・相澤重明
○相澤重明君 そうすると、この現物出資の二百九億と国鉄の現金七十五億出資、この金利というものはどのぐらいになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/184
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185・山田明吉
○説明員(山田明吉君) これは、二百九億円はその原資がいわゆる色がついておりませんので、正確にそれだけ切り離した金利計算はいたしておりませんし、また七十五億円というものも、同様に色のついた金ではございませんが、一応私どもいわゆる利子補給をしていただく際の計算基礎に六分五厘という計算をいたしておりますので、それで計算をいたしますと、大体年間七億ないし八億円になるかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/185
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186・相澤重明
○相澤重明君 運輸大臣いかがですか。この三十九年度に国鉄が借り入れなければいけないというのが約六千八百億円と言われましたね。いわゆる借りるやつですよ。それで、払う利子だけで三百九十九億というんだろう。三百九十九億円の利子を、これは国鉄がまるっきりもうかっているという立場でいけば、それはなるほど政府のほうも利子補給も少なくて済むかもしれない。東海道新幹線については利子補給をする、しかし、その他のことについては利子補給はしないということなんですか。それとも、こういう黒字になればもう利子補給はしない、赤字のものについては利子補給をするということなのか、いろいろの考えがあると思うのですよ。これは運輸大臣の考えを聞いておかなければいけないからね。一体こういうものについてはどうやるつもりなのか。企業努力でひとつもうけなさい、こういうことなのか、あるいは全般のそういう現物出資——国鉄に現金出資までさして公団をつくるというのだから、それで、政府もそのほうには出資をするのですから、いまの経営の中で、これだけ苦しんでも、国鉄は借り入れ金に対する利子が出るわけですから、その利子補給をする考えなのか、それとも、それはもう企業努力の一本にまかせる、こういうことなのか、この点のひとつ考え方を聞いておきたい。どうする考えなのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/186
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187・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) 経理の内容に関することでございますから、山田常務理事にお答えさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/187
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188・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) 確かに三十九年度の予算が、いままで借りました外部資金に対する利子の支払いが三百九十億ぐらいになりますが、来年度の予算は、国鉄全体として見ますと、収支償いまして、やっていけるという予算になっておりますので、来年度につきまして、特別に政府で利子補給を考えるということは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/188
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189・相澤重明
○相澤重明君 政府は、なるほどさっきから私が質問をしている中で御答弁されたように、もうかるところがあるから全体の中では黒字が出ておる、赤字ではない、こう言われておるけれども、今までの投資額が六千八百億円であって、これから新線建設をしていけばどのぐらい一体国鉄の負債というものができるかということを考えたことがありますか。これは、私は少なくとも長期計画で国鉄に今後経営をさせようということからいけば、十カ年なら十カ年のこの新線建設をして五千億になんなんとするところのいわゆる投資をするわけでしょう。現在までの約二万キロに対するところの六千八百億円の借り入れをもって、その上でさらにプラス五千億の投資をしていこう、それで国鉄にまかせる、しかし大体は五十八線中の五十三線というものは赤字だ、負債になりますよ、これは。そのときに、将来計画として、これはもう全部もうかるのだ、とは私の計算ではなかなかなってこない。もしあなたのほうで、十年たって鉄道建設公団に対してこの五十八線を建設をして国鉄に譲渡するか貸しつけるかして、とにかく運営されるでしょう、いまの線路と一緒に。その場合に、私は黒字になるとは限らぬと思うのですよ。政府が無理に押しつければ、黒字という、計算上は出てくるかもしれない。私は、そういうことは、無理を承知の上で、とにかく国鉄はどうにかやっていかれるということじゃないかと思う。これは、ほんとうに、先ほどから言った国鉄の公共性、しかも通勤、通学の人たちのサービスを考えていったら、私は必ず赤字になると思う。私は自信を持っておりますよ、赤字になるということを。そんなに簡単に国鉄が黒字になるはずがないですよ。そういうことからいって、そういうことは研究したことがないですか。もうまるっきり、とにかく公団でいってもいいし、十カ年先へいけば国鉄は必ずよくなる、黒字で決算ができます、こういうことだけしか考えておらないのですか、その点はどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/189
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190・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) これは、先ほど大臣も申し上げましたように、国鉄は、黒字線、赤字線両方経営しておりますが、いずれも国家的な立場と申しますか、公共的な立場から、全体で収支を合わせて経営しております。もちろん、国鉄の経理内容を改善するためには、将来黒字線の経営をさらによくし、それから赤字経営の要素をなるべく少なくしていくという努力は企業者として必要でございますが、国鉄の性格から申しまして、全体として収支相償っていくというのが理想の姿でございます。そこで、今後ここに一応掲げてございます五十八線の着工線なり調査線というものが完成した場合に、これはあげて経営は国鉄にまかせるということになっておりますが、さらに、従来も赤字線が多いのに、先生のお尋ねは、さらにかなりの期間にわたって赤字を予想される営業線がふえるという御心配と思いますが、その御心配はごもっともなわけでございますが、これは法案の内容に入りますが、第二十三条で、でき上がった新線をどうするかという問題でございますが、これは譲渡と、それから、貸し付けの方法がございます。で、貸し付けの場合は、これは一応有償を原則としておりますが、先般来の国会のいろいろの質疑等でだんだん明らかになっておりますが、国鉄の経営にかなり負担になるというものは、私どもは無償で貸し付けていきたいというふうに考えております。少しラフな言い方でございますが、かなり長期にわたって赤字経営が予想されるもの、いわゆる赤字線区につきましては、これは無償で貸し付ける、したがって、実際問題として、大部分のものは当分の間は無償で貸し付けるという事例が起こってまいると思います。ところで、従来の建設線の例から考えまして、国鉄の経営に一番圧迫を加えておりますのは、減価償却費であるとか、あるいは利子であるとか、あるいは税金と、こういった、いわゆる直接経費でなくて、間接経費的なものが非常に大きな負担になっておるわけでございます。したがいまして、私がいま申し上げましたように、事実上大部分のものを無償で貸していくということになりますと、利子であるとか、あるいは減価償却費というものは公団のほうで負担してまいるということになりますので、結局経営上の負担というものは国鉄は非常に軽減される。まあ営業係数は、したがって、さきに申し上げましたように、極端なものは別といたしまして、全体でならしますと、ほとんどなくなっていく。したがって、従来国鉄が自分で建設をし、この場合は、利子も減価償却費も税金も全部国鉄が自分で負担をしておったわけですが、これを公団が負担することになりますと、それだけ国鉄の経営には改善になる。したがって、若干の経営上の赤字は予想されますが、従来国鉄が建設線を直営しておった場合に比べまして非常に経営上は有利になると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/190
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191・相澤重明
○相澤重明君 いまの鉄監局長の御説明で、大多数は無償貸し付けと、しかも、国鉄が経営をしても、一定の時期までだと思うのですが、固定資産税とか、利子とか、そういうものは公団が払うのだ、こういう御答弁をいただいたので、大臣それはいいですね。それをお聞きしたところで、本日は、この程度で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/191
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192・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/192
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193・小酒井義男
○小酒井義男君 資料を一つまたお願いしたいのですが、これは運輸省か、国鉄か、どちらから出していただいてもいいんですが、昭和二十七年以降に全線開通をした路線、これは線名、区間、延長、それから列車の組成、運行回数、年次別の営業係数、これだけのものを出していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/193
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194・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) 本日、いま御要求ありました資料の一部は御提出してありますが、先生のさらに足らない点を補足しまして提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00519640218/194
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195・米田正文
○委員長(米田正文君) 次回の予定は、二十日午前十時開会とし、本日は、これにて散会いたします。
午後四時二十五分散会
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