1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年四月十四日(火曜日)
午前十一時三十分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 米田 正文君
理事
金丸 冨夫君
谷口 慶吉君
天坊 裕彦君
吉田忠三郎君
委員
江藤 智君
河野 謙三君
木暮武太夫君
野上 進君
平島 敏夫君
前田佳都男君
相澤 重明君
大倉 精一君
岡 三郎君
小酒井義男君
浅井 亨君
政府委員
運輸政務次官 田邉 國男君
運輸大臣官房長 佐藤 光夫君
運輸省海運局長 若挟 得治君
運輸省船舶局長 藤野 淳君
運輸省鉄道監督
局長 廣瀬 眞一君
事務局側
常任委員会専門
員 吉田善次郎君
説明員
日本国有鉄道副
総裁 磯崎 叡君
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本日の会議に付した案件
○運輸事情等に関する調査
(小委員及び小委員長選件の件)
(日本国有鉄道の運営に関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/0
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001・米田正文
○委員長(米田正文君) ただいまから委員会を開会いたします。
運輸事情等に関する調査を議題といたします。
この際、前回の委員会において設置を決定いたしました三個の小委員会につきまして、各小委員及び小委員長を指名いたします。
一、通勤輸送対策に関する小委員会、井野君、江藤君、河野君、野上君、以上自民党、相澤君社会党小酒井君社会党の六名でございます。
二、鉄道事故防止対策に関する小委員会、加賀山君、谷口君、天坊君、前田君、以上自、岡君社、浅井君公明の六名でございます。
三、航空、海難、路面交通事故防止対策に関する小委員会、金丸君、木暮君、平島君、村松君、以上いずれも自、大倉君、吉田君、いずれも社、中村君民社、これで七名でございます。
ですから、一、二、三の小委員会といたしまして、六、六、七の委員の数になりました。
それから小委員長は、通勤輸送対策に関する小委員長は江藤君にお願いします。鉄道事故防止対策に関する小委員会については岡君にお願いいたします。航空、海難、路面交通事故防止対策に関する小委員会では平島君に小委員長をお願いいたします。以上のように御了承をお願いします。どうぞよろしく御協力をお願いします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/1
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002・大倉精一
○大倉精一君 先週、先々週から、港湾労働対策審議会の答申についてぜひとも質問したい、こういうことで、労働大臣をお願いをいたしておったのですが、先週は、特に出先の吉田君からいろいろとお骨折りを願っておりましたが、その中であえて労働大臣の出席不可能ということに了承したのでございます。今週はぜひということを私は言っておった。ということは、会期が非常に短い、あと短くなりまして、この答申案に対して、この会期中にぜひともやってもらわなければならぬ事項があるわけです。そういう点をやらないというと、あとあと会期でもってできない、こういうことで、ぜひ今週はお願いしておったところが、聞いてみると衆議院でどうしても離れられぬ事情があるそうですけれども、どういうわけで一体こちらへ来れないのか。きょう私は時間があると思うのですが、そういう事情について、委員長として、参議院側としての要請に対して、どういうぐあいに御努力願ったか、御報告を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/2
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003・米田正文
○委員長(米田正文君) 委員長として申し上げますが、御要望の点については、前回の委員会においても質疑が行なわれるように努力をいたしましたが、御希望の企画庁の長官及び労働大臣の出席が困難でありました。それで、本日も再びその質疑が行なわれるように両大臣の都合をきょうは折衝いたしましたが、労働大臣はどうしても本日は衆議院の委員会へ呼ばれて、法案をきょう審議することになっているので、きょうは都合がつかないということでございました。企画庁長官も午前中からだの都合がつかないということでございましたので、委員長としては、できるだけ早い機会に御要望の大臣をそろえて質疑ができるようにいたしたいと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/3
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004・大倉精一
○大倉精一君 これは労働大臣ばかりじゃないのですから、従来の例からいって、どうも大臣は衆議院優先というような、そういう主張があるそうですから、今度の場合は、先週、先々週から参議院側として要求しておるのですね。大臣は衆議院だけの大臣でないと思うのですよ。それで、まあきょうは理事会等でいろいろ御苦労願ったということを一応了承はしますけれども、それでは一体今後いつになったら、この会期末を控えて、この問題について審議がこの委員会でできるのか、その見通しがついていないから非常に不安なんですね。ですから、委員長として、会期末あと短いのですから、この問題に労働大臣来てもらわなければ質問ができませんから、場合によっては総理大臣——最終答申ですから、総理も御出席願ってもらいたいと思いますが、大体どういう見通しをつけたらいいか、委員長ひとつお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/4
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005・米田正文
○委員長(米田正文君) 大倉委員の御希望の質疑は、私も重要な問題だと思いますから、できるだけ早く御希望に沿うように努力をいたします。本日もまた、委員会後においても政府側とも折衝いたします。そして、できるだけ早くあなたの御希望のとおり進むように努力いたすつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/5
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006・浅井亨
○浅井亨君 このたび、日本の全民衆が非常に悩み、また不安を覚え、またある面においては非常に激怒さえも覚えているというような問題がいま目の前に決行されんといたしております。こういうような事態に立ち至りましたいろいろな原因があると思うのでありますけれども、まずお聞きしたいというよりも、まず申し上げねばならない問題は、労働運動というものは国民大衆の幅広いところの賛成がなければならないということが、これは根本でなければならないと思うのであります。しかしながら、現在行なわれんとするところのこのストという、法の上からいっても違法である、また国民大衆の真のこのストによって受けるところの被害は、ただ一つ、電車とか、汽車とか、いろいろな交通機関によって自分の足を運ばしているたくさんの労働者階級にその被害が及んでいくわけでございます。そういう点から考えましても、真にこのストということは、国民大衆から見て、まことにもってざんきにたえないというよりも、これは一日も早く解決しなければならない問題と思いますし、また、社会的に見ましても、国家的に見ましても、この問題は一日も早く解決しなくちゃならない。こういう問題に立ち至るまでの労使双方のあり方というものにつきまして、私自身が次にいろいろな観点から質問を申し上げたい、このように存ずるわけでございます。
第一番目に質問したいのは、いわゆる労働者に与えられたところの権利は、団交というものがあります。しかしながら、そこにストという違法まで犯さねばならないというようになったその原因、それをまずお聞かせ願いたいと思います。
運輸大臣はきょうどうしたのですか。一番初めから私が申し上げておったんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/6
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007・米田正文
○委員長(米田正文君) こちらへ出るという約束をしておりましたけれども、いま衆議院のほうの運輸委員会に出ておるそうですから、からだのあき次第……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/7
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008・浅井亨
○浅井亨君 向こうの委員会ですか——別の委員会であるのならば、こういうような日本全国に及ぼす問題のあるときには、運輸大臣みずからがここに出席されて、その答弁に立たれてこそ、真の誠意があるんじゃないかと、こういうように私は考えるのですが、それを申し上げたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/8
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009・磯崎叡
○説明委員(磯崎叡君) ただいまの先生の御質問でございますが、一応経過だけを簡単に申し上げて、御答弁にかえたいと思います。
私のほうの関係の組合、すなわち国鉄労働組合並びに動力車労働組合及び新国鉄労働組合等は、昨年九月以降、いわゆるベースアップということばで表現されます新賃金の要求を私どもに対してしてまいったわけであります。昨年の九月以降本年の二月まで団体交渉をたび重なって行なってまいったわけでありますが、大体要求の骨子は、詳細は省略いたしますが、六千円ないし八千円のベースアップの要求でございます。私どもといたしましては、とてもそれを受け入れるだけの財政的余裕等もございませんので、団体交渉をずっとやっておりましたが、去る二月の十七日に、国鉄労働組合並びに動力車労働組合は団体交渉を打ち切りまして、公共企業体等労働関係法で認められております——同法の第二十七条の第二号によりまして、関係当事者の一方が労働協約の定めに基づいて委員会に調停の申請をしたときに、調停委員会の活動が開始されることになっております。いわゆる調停委員会に対しまして、調停の申請をいたしたわけであります。それが二月の十七日でございます。その後、調停委員会におきまして、数回にわたりまして労使双方から事情の聴取がございましたが、今日に至るまでまだ調停の具体案は示されておらないのは、御承知のとおりでございます。
一方、国鉄労働組合並びに動力車労働組合は、その他の公共企業体あるいは五現業等の各組合などといろいろ協議をしておったわけでありますが、去る四月の四日にいわゆるストライキ宣言というものを公にいたしまして、来たる四月十七日午前零時から正午に至るいわゆる半日ストを決行するということを天下に明らかにし、またその間の事情について詳細な声明文を発表したのでございます。私どもといたしましては、現在まで、団体交渉におきましても、また調停委員会の席におきましても、極力、新賃金等につきまして、私どもといたしましてできる限りのことはしたいという気持ちを持ってはおりましたが、いずれも組合側の納得するところとならず、ついに四月四日のストライキ宣言ということになったわけでございます。
一方、御承知のとおり、やはり公共企業体等労働関係法の第十七条によりまして、一切の争議行為——いわゆる同盟罷業、怠業、その他業務の正常な運営を阻害する一切の行為につきましては、これは禁止されておるのは、これまた明白な事実であります。この法律もございますので、いわゆる半日ストと申しまして、列車をとめるということは、明らかにこの十七条に違反いたしますので、私どもといたしましては、重ね重ね、職員に対しまして、また組合に対しまして、この違法なストライキを行なわないよう、申し入れを数回にわたってやっております。まず各組合に対しましては、総裁並びに私から、直接組合の責任者に対しまして、紙に書いたものでわれわれの意思を明らかにし、また口頭によりましてこの違法なストライキを決行することはよくないということをるる説明をいたし、数回にわたって直接いろいろ話をいたしましたが、なお今日に至るまでその事情は変わっておらないわけでございます。
一方、職員に対しましては、直接、このストライキはいわゆる違法なストライキであるということを明らかにいたしまして、職員がこれに参加してはならぬということも、実は今日また第二回目の職員に告ぐという訓示を全国に出しまして、職員の自重を求めておる次第であります。
新聞等によりますと、昨日の晩、国鉄労働組合におきましては、正式なストライキの指令を出したというふうにも伝わっております。また、その辺の詳細は今日まだ明確にわかっておりませんが、いずれにいたしましても、現在の段階におきましては、四月四日のストライキの宣言に従って準備が進められているというふうに考えているわけでございます。
他方、もしこのストライキが決行されたということを仮定いたしますと、その影響は、先生がただいまおっしゃったとおり、非常な甚大なものでございまして、組合側が公にいたしました計画が、もしそのとおりに実行されるといたしますると、約七千本以上の列車がとまり、約一千万人近いお客さんの足が奪われるという結果にもなりますし、また、貨物輸送におきましては、一段とその影響がはなはだしく、生鮮の食物その他緊急を要する物資の輸送等にも相当響くということも明らかでございますし、私どもも、今までに、半日——十二時間にわたりまして全線がとまったという実は経験を持っておりませんので、その結果があるいは予想以上にあとあとまで波紋を残すということも考えられます。通常の場合といたしましても、これだけ大きく列車がとまりますと、やはり数日間あるいは十数日間はその影響は免れないということにも相なると思われます。そういった非常に大きな影響がございますので、私ども公益事業に従事する者といたしましては、何とかこのストライキを食いとめなければいけないという熱意を持ちましていろいろやっておりますが、なかなか現在の段階におきましては、まだ情勢が変わっておらないということを申し上げざるを得ないと思います。
なお、本日の新聞に出ておりますが、昨日——冒頭に申し上げました調停委員会の非公式な懇談会でございます、その席に私どもの総裁が出席いたしまして、主として賃金問題の大きな焦点になっておりますいわゆる賃金の格差の問題につきまして率直な意見も申し述べてまいったというふうに、私総裁からじかに聞いておりますので、そういったことによりまして、私どもといたしましては、実情は実情として、極力、調停委員会に実情を明らかにいたしまして、そうして調停案等が出ました場合には、政府の御意向等も十分承った上で、また現在の予算のたてまえから申しまして、私どもの過般国会において成立いたしました予算におきましてはほとんど人件費の余裕はございませんので、もしそういった場合には当然予算措置等も必要になってくると思いますので、十分政府の御意向も承った上で、善処いたしたいというふうに考えております。
現在までの経過は、大体以上のようなことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/9
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010・浅井亨
○浅井亨君 いまのお話をお聞きしておりますと、昨年の九月から賃金のベースアップということについていろいろと申し越しがあった、このようなお話でございますが、いわゆる国鉄自体の経済状態から、そういう賃金のベースアップというのはできない。それに対して、国鉄自身として労務者に対する真に思いやりのある回答というものはせられたことがあるのですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/10
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011・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) 私どものいたしました回答は、初任給の改定の回答だけでございまして、その限度におきましては、いたしました回答は、国鉄労働組合及び動力車労働組合等の非常に大きな要求とはへだたりのたいへん大きなものでございました。もちろんこれは、それでもって満足をする、満足を与えるというものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/11
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012・浅井亨
○浅井亨君 向こうの要求が大き過ぎると、こういうような御返事でございますが、国鉄労組の方々の賃金と普通民間のそういう同種の企業体、こういうところの黄金の格差というものは、これは研究されておると思うのですけれども、こういうことについては特にいろいろな観点から研究されていると思うのですが、どのような格差があるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/12
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013・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) 国鉄関係の職員の賃金と一般民間企業の賃金の差の問題につきましては、非常にこれは見方が、いろいろな見方がございまして、労働省の統計等によりましても、たとえば年齢の構成あるいは居住地の構成その他非常にさまざまでございます。一律に、一がいにどちらが高い、どちらが安いということは申されませんが、ただ全体といたしまして、国鉄関係の職員の賃金が一般に比較いたしまして非常に高過ぎるということはないということは明らかでございます。詳細な数字等につきましては、いろいろな数字がございますが、私のほうの以外の数字につきましては、いろいろ私ども明確にできない点もございます。ただ、現在問題にいたしておりますのは、主としていわゆる政府関係機関内部における賃金の格差の問題、すなわち、民間企業との差の問題もございますが、私のほうの組合の相当強い主張の一つは、同じ政府関係機関の中の格差の問題を実は相当取り上げているというふうに申し上げてよいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/13
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014・浅井亨
○浅井亨君 それでは、そういういろいろな観点もありますけれども、その格差についてほんとうに研究せられておると思うのですが、その賃金を定める基本政策というのはあるのですか、基本となるべきものは。それから、いわゆる民間とこういう国鉄のほうと差があると、また国鉄内においても職務によって差がある、こういうことですが、その賃金を定める基本というものはどこに置かれておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/14
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015・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) 国鉄の給与につきましては、日本国有鉄道法の第二十八条におきまして、一応のいま先生の御質問の基準がきまっております。抽象的なものでございますが、一応読みますと、「職員の給与は、その職務の内容と責任に応ずるものでなければならない。職員の給与は、生計費並びに国家公務員及び民間事業の従事員における給与その他の条件を考慮して定めなければならない。」という定めが、抽象的なものでございますが、現在法律できまっておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/15
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016・浅井亨
○浅井亨君 そこでですね。いわゆる今度のベースアップについて、組合側がどれぐらいの賃金上げを請求し、また政府自身として、国鉄自身として、どれぐらいのものが妥当だと、どうお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/16
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017・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) 組合側の要求は、先ほど申し上げますとおり、組合によりまして多少差がございます。概算的に申し上げますと、六千円ないし八千円程度の要求でございます。これは多少、組合によりまして、職種によりまして要求が違っております。それに対しまして、私のほうの回答は、いわゆる先ほど申し上げました初任給の改定以外につきましては、団体交渉の過程におきましては、現在の国鉄の財政状態その他の状態からいってこれに応ずることができないという関係の団体交渉をしておったわけでございまして、使用者側といたしましては、この給与につきましての具体的な数字を現在まで出したことはないわけでございます。また、調停委員会等におきましても、その内容は、数字につきましては私どもとしては案を出しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/17
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018・浅井亨
○浅井亨君 それでは、国鉄のほうで——賃金というものはやはりその時代時代に応じなければならないと思うんですが、先ほどの御答弁によりますと、同種の問題でありましても非常に賃金が安いように思われる、こういうふうなお答えがあったように思うんですが、いままで何年間かの間に何回ほどの賃金のベースアップをしたのですか。現在池田政策によりまして、いわゆる所得倍増じゃなくして、物価が倍増になっている。物価はどんどん上がっているわけです。それによって生活も苦しくなってくる。それに対するベースアップというものはやっていないんですか。そうすれば、片手落ちじゃないか、そういうことになるわけです。おまけに、こういうところに働いている方々は、ほんとうに命がけの仕事をしているわけなんです。そういう方に対するほんとうの思いやりといいますか、真心といいますか、ほんとうにその真心、思いやりがあるならば、必ずこの労務に携わっている方々もその真心に打たれて、このような問題は起こらないのではないか、このように私は考えるわけです。その点いかがなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/18
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019・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) その点に関しましては、一つは、やはり従来の慣行とでも申しますか、私のほうが政府企業から離れまして、昭和二十四年以来、いわゆる公共企業体として、公共企業体等労働関係法によって労働関係が律せられ、したがって、賃金問題はまず団体交渉でやる、団体交渉の結果が出ましたときは、それを調停委員会なりあるいは仲裁委員会に持っていく、こういう労使の慣行によりまして現在まで賃金問題を含む労働条件を解決してまいった。非常に古いことは別といたしまして、最近のいわゆるベースアップの実績だけ簡単に申し上げますと、昨年の四月——これはパーセンテージが若干あれでございますが、簡単な数字で申し上げますと、三十八年の四月に六・五%、三十七年の四月に六%、三十六年の四月に一〇%、三十五年の四月に四%、それから以前は省略いたしますが、大体毎年あるいは二年に一ぺんぐらい、これはほとんど全部仲裁委員会の裁定でございます。仲裁委員会の裁定につきましては、やはり法律によりまして、労使双方とも最終的な決定としてこれに従わなければならない、服従しなければならない、こういうふうになっておりまして、政府並びに国会はそれに対して適当に御措置になるわけでございますが、当事者といたしましては、仲裁の裁定には最終的に従うというように法律できまっておりますので、この仲裁の決定によりまして、いま申し上げましたように、大体一年に一度ぐらいずつ、パーセンテージは毎年若干違っておりますが、いままでベースアップをしてまいりました。従来の労働慣行から申しまして、団体交渉だけで、国鉄の財政状態を無視すると申しますか、国鉄の財政状態の中から団体交渉だけによって給与のベースアップが実施されたという前例は実はないわけでございまして、いずれも仲裁裁定の出ましたあと、場合によりましては補正予算等の措置を国会で講じていただきました上で措置をしてきましたのが、現在までの実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/19
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020・浅井亨
○浅井亨君 パーセンテージはいまお聞きいたしましたが、いわゆる国民生活の上で、物価というものがどんどんと上がっているわけですが、この賃金のベースアップ六・三%とか、また三十七年は六%上げた、こういうことによって、その物価の上昇したことによってこれは生活に不安が来たさないかどうかということは研究されたことがあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/20
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021・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) その点につきましては、個人々々の生活ということになると、またこれは別な問題になりますけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/21
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022・浅井亨
○浅井亨君 一般的でよろしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/22
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023・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) 一般的と申しますと、仲裁委員会あるいは調停委員会等が、先ほど申し上げましたよその民間の産業あるいは生計費の実情等を十分検討されました上で、これでいいという決定を出されたものでございますので、一応これでやっていくというのがいままでのたてまえでございます。もちろんこれは、たとえば最近のベースアップは昨年の四月でございました。その後昨年の四月から現在までの物価上昇その他がもしありとすれば、それはこの要素には入っていないことは、これは事実でございます。昨年の四月に出ました仲裁は、それ以前の生計費の実績等を主として基礎にいたしまして、将来かくなるだろうという予測推定はあまり入れないというのがいままでの仲裁のやり方でございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/23
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024・浅井亨
○浅井亨君 一つお聞きいたしますが、これは三十九年の三月五日ですから、この間の予算委員会の総裁の答弁の中にこういうことをおっしゃっておるわけです。それは、「第一に国鉄は昭和二十七年以来人間というものは、ほとんどふえていない。四十五万であります。しかもその間に、輸送需要というものは非常にふえている。それを人間をふやさないで、いろいろな合理化の手を打ってやってきたということは、御承知のとおり、国鉄は人件費が一ヵ年に約三百億近くかかる。これはもうとてもやっていけない。だからして、できるだけ合理化の手を打って、人間をふやさないでいくということにやってきたのでありますが、しかしこれも、いまや極限に来ておる。これはもう四十五万なんという数字にこだわらないで、必要に応じてやっていかにゃいかぬということが一つ。」、またその待遇の問題でございますが、「私は、いまの国鉄の職員に対する待遇というものは、いわゆる三公社並みということになっておりますが、これははなはだ不公平だ。一体、専売公社の人間と国鉄の人間と、同じように取り扱うなんていうのは、これは職務給というものを全然無視した考え方だ。これは、私は、今度の仲裁裁定に持ち出す考えであります。とにかく運転士なんていうものは、これは命をかけておる。専売公社の仕事なんというものは、たばこをつくって売れば、それでいい、これは、政府はやはり考えてくれにゃいかぬと私は思う。大蔵大臣がここにいらっしゃいますから、まず第一に私は、こういうことを言って差しつかえないと思う。」、そうしてこの問題に対しまして締めくくりとして、「国鉄総裁の責任において、ぜひとも是正せにゃならぬ問題だと考える。」、このようにおっしゃっているわけでございますが、こういう点から考えましても、職務給ということはどういうことであるか、はっきりした基本があっておっしゃったのかどうか知りませんが、ほんとうに国鉄に働いておられる方々の精神的心労、また人の上においてもこのように数を増していないというようなところから考えますと、まことに重労働というか、超人間的な働きをやっている方々であると思うのでございます。こういう方に対して、いままさに法を犯してまでストをやらなきやならない、そういうような窮地に落ち込ましていったという政府の行き方といいますか、その熱意といいますか、真心に対して、断然これはもっとあたたかい手を与えなければならない、このように私は感じております。しかしながら、労組といたしましても、法を犯してまでやらなければならないというような、そういう労働運動史上に一大汚点を残すような行き方というものは、私は断然これは排撃しなければならないと思いますが、こういう点について、ほんとうに当局者は真心あふれる施策を考えていたであろうか、なかろうか。これは先ほど聞きますと、九月からそのような問題が起きている。いままさにストを決行せんとするところまで追い込んでいった、いまここであたふたとお互いに話し合っていくというような、そういうような政治であってはならない。もっと民衆の声を聞き、ほんとうの労務に携わっている方々の意見を聞き、そうしてそこにあたたかい手を施していく、すなわち、見えざるを見、聞こえざるを聞いていくのが真の政治のあり方ではないか、このように私は考えるのでございます。こういう点について、総裁はこのようにおっしゃっておられる。その総裁自身がこの国鉄に働いておられる方々に対しての心がまえというものを述べられていると思うのでありますが、それ以後今日まで、ほんとうにこの働いている方々と話し合った、このようにやってきたというところの実績がありますならば、それをお聞かせ願いたいと、このように思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/24
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025・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) 去る三月五日の予算委員会におきましてただいま先生がお読み上げになったようなことを総裁が申し上げたのを、私も聞いておりました。そこの話の中にもありますとおり、総裁が職務給と申しましたのは、非常に広い意味でございまして、限定的ないわゆる学問的な意味の職務給と言ったわけではございません。いわゆる屋外の危険作業に従事している者と屋内のすわった仕事をしている者と違うというふうなばく然たる意味を含めて申したと思うのでございますが、その申している内容は、実は昨日の調停委員会におきまして総裁が申し上げたことは、それをもう一ぺん繰り返して申したのでございますが、一つは、三公社と申しながら、現在の国鉄職員の給与、これは給与総額を頭数で割りますと、一人当たりのいわゆる手取りが出てまいります。それで申しますれば、もちろん専売、電電に比べまして国鉄職員は若干高いことは事実でございます。それはただし、人員の構成が非常に違っているということでございまして、たとえば男女の性別で申しますと、国鉄は九八%が男でございますが、電電並びに専売は六四、五%が男で、残りは女子でございます。それから年齢から申しますと、私のほうの平均年齢が現在三十八才何ヵ月でございますが、電電並びに専売は三十五才前後でございまして、三才ないし四才の違いがございます。また、家族構成あるいは地域等につきましても違っておりますし、勤続年数から申しましても、国鉄職員の平均の勤続年数は現在十八年でございます。電電、専売におきましては、女子の多い等の関係もございまして、十四年何ヵ月ということになっております。そういった客観的な男女性別、勤続年数、あるいは年齢等の構成から見ますと、さらにそれに働いております勤務時間の長短を入れて考えますと、時間当たりの給与は国鉄のほうが低いということになるわけでございまして、これは例を具体的に申しますと、たとえば同じ年に高等学校を出て二十年なら二十年勤めた者が現在幾らもらっているか、こういう具体的な例を比較いたしますと、残念ながら国鉄のほうが電電、専売よりも低いというのは事実でございます。ただ、私のほうとしましても、私のほうの給与はよくわかっておりますが、よその公社の給与は必ずしも詳細な資料をいただくわけにもまいっておりませんので、正確な比較はできませんが、先ほどの総裁のお話にもありましたように、相当な開きがあることは事実でございまして、総裁といたしましても、まずそのほかの公社との差だけはぜひ埋めてやりたい、とにかくいわゆる追い着いてやりたい。それにさらに加えて、実は総裁はきのうスモール・エックスと申したそうでございますが、追い着いた上に、さらにスモール・エックスが必要だろう。そのスモールーエックスの理由としましては、ちょっと申しましたが、作業が非常に危険作業が多い、責任が非常に重い、あるいは勤務時間が不規則だといったような、いろいろな角度から見まして、追い着くだけでは気の毒じゃないか、それをある程度プラス・スモール・エックスでもいいから追い越すべきじゃないかということを、昨日総裁は調停委員会で、その予算委員会の話をもう少し具体的な形で申しておりますけれども、私どもといたしましても、確かにそういった面から、せめてほかの二公社の水準まで追い着く、格差の是正だけはぜひやらなければいけないというふうに思っておりますが、何といたしましても、現在の予算事情では、過般成立いたしました国鉄の予算におきましては、全然そういうゆとりがございません。どうしても政府その他にお願いをいたしまして、たとえわずかの格差でありましても、それを是正する場合には予算措置等を講じていただきませんと、結局やるべき工事をやらないでそれを人件費に回すというような非常に不健全な経営をしなければならぬということにもなりますので、何とかその格差の是正だけは今回やるべきだということは、私どもも公開の席上で申しておるのであります。そういった努力をいたしますとともに、一方、職員に対しましては、先ほど先生のお話のように、とにかく違法なことをやって、そうして処分まで受けていろいろな不幸な人を出すことはやめてくれ、われわれとしてもできるだけの努力をするからというふうに申しておりますが、いままで昨年の九月からことしの二月の調停にのぼるまでの数ヵ月の期間というものは、やはりなかなかそういった問題が——国鉄だけの資料、あるいは組合側が持ってまいります資料だけでは、必ずしもオーソライズされたものではございません。やはりとかく自分のところを悪く見て他人のところをよく見過ぎるというような傾向もございますので、やはり第三者の調停委員会あるいは仲裁委員会等が、正確な資料でもって、そうして正確な判断でもって、その格差が幾らであるべきかということを判断していただきたいというふうに私どもは思っておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/25
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026・浅井亨
○浅井亨君 いまないそでは振れない、まあこれはもちろんでございまして、予算措置を講じなければならない、このようなお答えになったように思います。予算措置については、去年の九月からこういう問題は起きておるのですから、だから、そういう賃金のベースアップということに対しては、どんなふうな予算措置を講じ、どのようにいままでやってこられたか、それをひとつ伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/26
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027・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) これも従来の慣例で、たいへん恐縮でございますけれども、従来の予算の要求と申しますか、ことにいわゆる経費の要求——人件費は経費になりますが、経費の要求につきましては、現実予算要求時点における経費と頭数——頭数だけは若干増員を見る場合もございますが、人件費のベースになります基準内賃金、基準外賃金等につきましては、現実時点の賃金をとって計算をいたしまして、三十九年度中にこれだけ上がるだろうからこれだけの経費はほしいという要求は、いままで政府部内では許されておりませんし、また慣例上、どうも後手後手に回って申しわけないのですが、実際のいままでの過去十数年間のやってきた方式によりますと、予算執行途中におきましてこういう問題が出まして、そうして年度途中におきまして補正をしてそれをカバーする、こういったのが私どものほうの通例の行き方でございます。したがいまして、三十九年度予算におきましては、その意味におきましてはベースアップに充てるべき金は全然見ていないというのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/27
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028・浅井亨
○浅井亨君 それでは、このような問題が起きまして、これを解決せんとするならば、やはり労務者自体の生活の問題が根本だと思いますので、そういうことに対して、もしも賃金をベースアップしようというときには、いわゆる予算措置をこのようにして講じて、補正予算で取りたいというような気持ちがほんとうに心の底からあるかないか。私の申し上げますのは、考え方ではないのでして、どこまでも真心の問題でありまして、いわゆる技術の問題ではないのです。真心がどこにあるかということをお聞きしたいわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/28
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029・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) その点につきましては、これも昨日総裁が明らかにしておりますが、自分たちといたしましては、調停あるいは仲裁の結果が出ましたならば、誠意をもってこれを尊重して実行してまいりたいということを申しております。また、過去の実績をごらんくださいましても、昭和二十四年から数年間は多少仲裁裁定を値切って実施したことも実はございますけれども、その後昭和三十年以降は仲裁裁定は全部完全実施しているという実績をごらんくださいましても、そういう第三者機関から出ましたことに対しては、いままでのやり方でまいりましても、できるだけこれを尊重し、できるだけこれを実施するという考え方でまいりたいと思います。
〔委員長退席、理事谷口慶吉君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/29
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030・浅井亨
○浅井亨君 それで、いまのお答えで大体腹には入ったわけでございますので、次に、先ほども、ストをもしやったとして、そのときの影響について、汽車が何本、貨物が何本、このようなお答えがあったように思うわけでございますが、これは国民経済の上からいっても、たいへんな損害であると思います。それに付属したところのまたいろいろな問題がたくさんあって、この被害は甚大であると私は想像いたすわけでございますが、それにつきましても、一番問題になりますのは午前中である、こういうような話でございますが、いわゆる通勤通学者、ほんとうに下層階級の人々がただ一つたよっているこの国鉄または電車というようなものの足を奪われてしまいますと、非常な混乱を生ずると私は思うのです。それにも増して問題になっておりますのは、いろいろな各種の団体の輸送でございますが、この問題は、全部ストップしなければならないというような羽目に立ち至っているということは、もう御存じのことと思うわけでございますが、こういうことに対しましてどのような対策をお考えになっているのでしょうか、それをお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/30
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031・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) もし不幸にいたしまして、労働組合が宣言いたしましたとおり、十七日の午前零時から十二時間、一切の列車がとまるという事態が起こったといたしますと、これは、先生がおっしゃるとおり、非常に大きな影響でございまして、通勤者、通学者はもちろんのこと、あらゆる旅客あるいは貨物の足がなくなってしまうわけでございます。一方、これに対しまして、私どもといたしましては、できるだけの措置を講じまして、何とか最小限度の列車を動かさなければならないという気持ちもございますが、実際には、もしストライキが起こった場合には、わずかな人間でもって汽車を動かすということは、非常に危険でもございますし、また実際問題としてはかえって混雑を激化するということにも相なりますので、できるだけそういった事態が起こらないように最善の努力はいたしてはまいりますが、一たんこういう事態が起きた場合には、その場その場でできるだけの解決の措置をとってまいりたいというふうに考えます。各種団体、たとえば中学生等の修学旅行等もそのうちの一つの問題でございますが、過般も東京都の各中学の校長の代表の方々が見えまして、ことしはオリンピックもございまして、実は中学生の修学旅行は、全部四月の初めからオリンピックの始まるまですっかりぎっちりきまっておるわけでありまして、もし十七日前後に一本でも二本でも抜けますと、その子供たちをあとで輸送してやる方法が実はないわけでございます。そういったことで、一生涯修学旅行ができなくなってしまうというような結果にも相なりますし、そういった関係の同じような事態がほかの団体にもあるように私は聞いております。こういったことにつきましては、もしそういう不幸な事態が起きた場合に、そのあとの始末につきましても十分考えなければいけないというふうに思っておりますが、現時点におきましては何とか十七日の事態を回避することに全力を注いでおるわけでございまして、不幸そういった事態が起きた場合の、ことにいまの子供たちの問題等につきましては、その後の問題としてまた考えてまいらなければならないというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/31
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032・浅井亨
○浅井亨君 今日までいろいろと労使ともに対策を講じられておられると思うのですが、もちろん押し詰まってここまできたわけでございますので、真剣に両方ともお考えになっていると思いますので、そこで現時点においては、内々のお話もあるかもしれませんけれども、われわれ新聞紙上で見るだけでございまして、はっきりしないわけなんです。現時点においてどのような見通しですか——決行されると思われますか、それとも決行されないか、こういう点はどのようにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/32
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033・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) 私ども当事者といたしましては、極力こういった事態を避けるあらゆる努力を今後続けてまいりたい、こういうふうに思っております。
〔理事谷口慶吉君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/33
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034・浅井亨
○浅井亨君 それ以上は申し上げることはできないというようなことは、いわゆる調停にかかっている以上は、それはもちろんのことであるわけでございますが、しかし、もしこれが決行されたといたしますと、いわゆる貨物の輸送、また団体の先ほど申し上げました問題ですが、こういう問題がいわゆるしわよせしてだんだんとあとに残るわけですが、これを平常の姿に回復するまでにはどのような政策を立て、またどれくらいの日時でこれを平常の姿に返すことができるかということもお考えになっていると思うんですが、その点ひとつお話し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/34
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035・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) 実は、けさ午前十時に、私が本部長になりまして、部内に対策本部を設置いたしました。関係の部局長をもって構成したわけでございまして、こういった組織によりまして、部内的には、いろいろいま先生のお話しのようなもし不幸にして事態が起こった場合のあと始末につきましては、まあできるだけのことをやってまいりたいというふうに考えておりますが、もちろんどういう形で、また各地相当さまざまの形、あるいは何と申しますか、やり方等もいろいろ違ってくると思いますので、一がいに推定は非常にむずかしいことでございますが、もしこういった事態が半日起こった場合には、まず旅客輸送におきましては一週間から十日は正常に復することはむずかしい。ことに客車等が非常にめちゃめちゃになってしまいまして、これをもとに戻すのにどうしても一週間ないし十日かかりますし、貨物の減送が数字的に申し上げますと大体六十万トンくらい、こういうふうに考えておりますが、この六十万トンの貨物輸送ということになりますと、ことに貨物の中では、たとえば生鮮の魚とか、野菜とか、こういったものは途中腐敗のおそれ等もございますし、急に温度が上がってまいりますと、どうしても魚などは輸送途中のいろいろな問題等も考えなければいけませんし、そういった各貨物の性質等によりまして優先的に輸送しなきゃならないものがあると同時に、逆にその影響を受けまして、非常に輸送がおくれてくるものもあるわけでございまして、貨物につきましてもやはり二週間前後の影響は免がれない。トン数からいたしますと六十万トン程度ではございまするが、影響が残る、やはり十日では回復がちょっと困難ではないかというふうに考えております。もちろんこれは、冒頭に申し上げましたように、非常に各地区各地区いわゆるストライキのやり方も一様ではないと思いますので、一がいに申し上げられませんが、もしいま組合本部が発表いたしましたようなことがそのまま行なわれるといたしますれば、ただいま申し上げましたような影響が発生するというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/35
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036・浅井亨
○浅井亨君 それで、いよいよ決行されだとすると、やはりこれはどこまでも違法でございますので、ある程度の処分はしなくちゃならないと思いますが、その処分についてはどのようにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/36
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037・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) その点につきましても、仮定の問題でございますので、たいへん申し上げにくい点もございますが、ただ、いままで私どもが数回にわたりまして労働組合並びに一般の職員に対しまして公にいたしました文書等の中にはっきりいたしておりますが、もしこういった違法な行為に参加した場合には、やむを得ず法に従って断固たる処分を行なうということを明らかにいたしております。各自が自分の責任と自分の勇気によって法律を守ってくれるということを私どもは実は確信いたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/37
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038・浅井亨
○浅井亨君 先日も、実は衆議院の本会議におきましていろいろ質問がありました。その政府の当路者の答弁を聞いておりますと、法律をたてにした処罰ということが、聞いていた私自身は、あまりにも残酷なような、ただ法律をたてにした回答であって、何か威圧を感ずるような気持ちを私は受けた。そういうような姿というものは、私はこれは考えるべきものじゃないかと、もっと真に働いている人、労働者の立場になって、法を犯してまでやらなければならないという、そのような姿にまで生活が追い込まれる、食えないのだというようなところまで追い込んでいった政府というものは、もっとあたたかい真心あふれるような答弁があっていただきたかったと、このように私は感じたわけです。これは私の感じでございますが、こういうことになりますと、いわゆる団交権を与えられた一つの労組であっても、ストにまで突入しなくちゃならないという羽目にまで追い込まれていった。しかしながら、この日本の産業労働者の姿を見ますと、日本の産業労働者の中で約六三%以上の方々が組織を持っていないそうでございます。そうすると、団交権を与えられないこういう未組織の方々は、ほんとうに困っているのじゃないかと、このように思うわけでございます。その方々が真に自分の権利、また自分の生活に対するところの保障、そういう問題で、何ら言うところもなし、困っている人がたくさんある、こういうような方々が日本国中に充満している、このように私は思います。そういうことを考えますと、こういう生活に追われている方々がたくさんおられる、それに対する政府の真のあたたかいところの救護の政策というものが行なわれていないからそのような問題が起きてくるのじゃないかと、こういうふうに私は考えられるわけでございますが、これは、労働大臣もおりませんので、お聞きするわけでもないけれども、ほんとうにそういう方に対しての施策というものを推進しなければならぬと思っております。もちろん、この問題につきましては、全く労働組合としても、法を犯してまでやるというようなことは、国民大衆の憤激を買っているということは、これはもちろんであります。われわれとしても、その生活の保障ということに対しては同情を禁じ得ないものでありますけれども、ここまできたということについては、政府自体のいろいろな施策において間違いがあるんじゃないかと、また国民全体が、資本家も、また労働者のほうも、どちらも、労使ともに、真の自重と、そうしてお互いに尊敬し合い、話し合っていかなければならないということは、これはわれわれ常に耳にすることでありますし、またそれが真の政治のあり方でなければならない、こういうふうに私は思うわけでございます。そういうふうに考えてまいりますと、このたびのストは、絶対にこれは阻止しなければならない、また絶対にやめるべく、互いに真心と、そうして誠意を持ってお互いに話し合って、一日も早くこれを解決しなければならない、それが国民大衆の真に願っているところでないかと思います。また、それこそが、いま現に行なわれんとするこういう問題に対しまして、われわれ自身が特に関心を深くし、またこういう問題を今後なからしめんがためには、真に政府自体として一段の協力をしていただきたい、一段の進展を、一日も早く、一分も早くこれを進めていただきたいというのが念願でございますが、こういうことに対しまして、それはもちろんお考えになっていると思うのでございますけれども、要するに根本の解決策というものは、ここに真に救うべき一つの根本精神がなければならない。すなわち、民衆を基盤にした生活の保障、これを根本にしたものでなければならないと思うのでございます。
いろいろ質問したいことはたくさんあります。しかしながら、先ほどからのお話もありますが、ただ質問せんがための質問ではありません。どこまでも真心と真心との触れ合いをもって早く解決していただきたいというのが私の念願であります。
以上を申し上げまして私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/38
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039・大倉精一
○大倉精一君 関連ですから、道行きはやめて、端的にずばずばお伺いしますから、歯切れのいい答弁をお願いします。
ストライキがいい悪いという段階はもう過ぎて、目の前に迫っております。何としても回避しなければならぬ。そこでお尋ねしますけれども、国鉄並びに運輸省は、現在の国鉄の職員の給与はこのままでいいとお考えになっているのか、あるいはベースアップしなければならぬとお考えになっているのか、端的にひとつ両方から。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/39
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040・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) 私といたしましては、先ほどお答えいたしましたとおり、いわゆるほかの公社との格差の是正はやるべきだというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/40
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041・大倉精一
○大倉精一君 国鉄の法の二十八条二項には、賃金をきめる基準に格差を是正せいとは書いてありません。
そこで私は聞きたいのは、昭和三十八年十月以降いまの国鉄の従業員の給料はこのままで据え置いて差しつかえないのかどうか、生活には差しつかえないのかどうかという、この見解を承っておる。国鉄と運輸省の見解。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/41
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042・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) その点につきましては、先ほどからるる申し上げましたとおり、現在までの段階におきましては、過般の国会で成立いたしました予算によってやってまいる方針でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/42
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043・大倉精一
○大倉精一君 二十八条には、予算のワク内でやれとは書いてありません。ありませんから、もう一回言います。いまの国鉄の職員の給与というものは現在のままでいいのか悪いのか、端的にひとつお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/43
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044・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) その点は、先ほど申しましたとおり、格差の問題といいますのは、単に比較だけの問題でありませんで、この二十八条に書いてありますとおり、生計費、国家公務員等のいろいろな比較の要素がございます。その要素の中の相当大きな部分ということは事実でございます。その部分を是正すべきだということを私は申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/44
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045・大倉精一
○大倉精一君 答弁は的確にお願いしたい。上げぬでもいいのか悪いのか、上げる必要があるのかないのかということを聞いておる。つまり、格差の問題と違って、国鉄職員の生活の問題からいって上げなくてもいいのか悪いのか、上げる必要があるのか、これを聞いておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/45
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046・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) 格差の問題と申しますと、ベースと別のようにお考えかと思いますが、これはやはりベースの中の一つでございます。したがいまして、私が格差を是正すべきだと申しましたのは、その限度においては国鉄職員の給与は安いということを申したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/46
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047・大倉精一
○大倉精一君 運輸省どうだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/47
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048・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) 国鉄職員の給与問題でございますが、ただいま国鉄当局からるる御説明がございましたが、運輸省といたしましても、国鉄職員の労働の質、内容等考えまして、やはり他の公社と比べまして格差はなくすべきであると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/48
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049・大倉精一
○大倉精一君 他の公社と比べてという発言が盛んに出ておりますけれども、今度の問題の一番焦点は、生活の問題ですよ、生活の問題。国鉄職員の生活が、調停申請書によりますというと、ここ数ヵ月間に一〇%の値上がりがある。しかも、大衆消費物価が非常に大きな値上がりがある。したがって、このままでは、生活は圧迫され、非常に不安があるからして、これこれ上げてもらう必要がある、こういう主張ですね。あなたのほうは、生活に不安はないのだというふうにお考えですか。あるいは物価の値上がりと比較して、何もいま国鉄職員は、ほかの他産業なんかとの格差を是正しさえすればいいのだと、それだけをお考えですか。その辺がポイントだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/49
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050・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) 格差の是正ということは先ほどから何べんも申し上げております。それが一つの、何と申しますか、給与の内容になるわけでございます。したがって、生計費その他の物価の問題も全部含めました上で、現在の給与が高いか低いかということを議論をします場合には、それと同種類の産業あるいは同じような仕事をしている公務員の連中との給与の比較が、やはり生計費あるいは物価の問題と関連して、給与をいかにきめるべきかというときの、給与をきめる際の一つの基準になるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/50
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051・大倉精一
○大倉精一君 そういう自主性のない職員の待遇、扱い方はないですよ。ほかの公社がこうきめたからおれのほうはこうきめるのだ、向こうのほうの産業がこうきめたからおれのほうもこうきめるのだ、そんな自主性のないものないです。やはり、日本国有鉄道の職員の給与はこうきめるべきだ、こういう確信を持ってあなた方は生活を保障しなければならぬ。いまの論法をもってすれば、今度の春闘で公社がこれだけ上がった、逓信がこれだけ上げた、国鉄はこれだけ上がったが、格差があるからもう一ぺん上げようかと、そうなるのですか——そうなりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/51
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052・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) 大倉先生もよく御承知のとおり、給与というものは絶対的にいま現在で新しいものをきめるわけでございませんので、過去の、いままでの何十年の給与に、どういうふうにこれを改定していくかという形でもって給与がきめられているのが現在までのいきさつでございますし、またそれ以外に絶対的な立場から給与をきめるという方法でなしに、従来の給与をどういうふうに是正するか、どういうふうに修正するかという形でいままで何べんとなく給与がきまっておるわけでございます。その是正のし方、あるいは修正のし方の問題としまして、いろいろな、二十八条にきめてあるようなものを参考としてきめるというふうに書いてあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/52
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053・大倉精一
○大倉精一君 これはどうもここら辺が私ポイントだと思うのですよ。二十八条にはそういうこと書いてない。二十八条には、過去の賃金の歴史に従って是正せいとは書いてない。あるいは格差を昇正せいとも書いてない。結局、国鉄職員の生計費をまかなうに足るものを出せと、こう書いてあるのですね、それで、きのうも調停委員会でもって国鉄総裁が賃金は上げなければならぬというぐあいに証言をしておられる。それにもかかわらず、あなた方はまだまだあいまいなそういう答え方をしておられる。そこで、国鉄総裁が言っておることを私取り上げて、賃金を上げなければならぬというぐあいにお考えになっておるなら、なぜ本年度の予算に、予算要求にその額を計上できなかったか。あなたがさっきの答弁で、従来の慣行からいって、計上せずに、きまれば補正でやるのだとおっしゃる。それならそれで同調しましょう。しましょうが、しからば、国鉄総裁が賃金は上げなければならぬというぐあいにお考えになっておるならば、去年の——三十八年の十月ですか、国鉄労働組合が賃金要求した場合に、あなたのほうも自主的に、現在の状況では国鉄の職員の給与はこれこれあるべきである、こういうことを算定して国民に示すべきなのである。調停委員会というものは、そういう両方の立場に立って、どうしても解決つかない場合には調停委員会に出すのでありますが、調停申請書を見まするというと、二月の幾日までかかっても、なお検討中、なお検討中でもって、一切要求回答に応じていない。こういう無責任なことありますか。去年の十月から二月まで四ヵ月もかかって、なお検討中でもって、何にも回答を与えない。そうすれば、国鉄職員どうすればいいか。二十八条は一つの国鉄職員を保護する条文だと思う。団体行動権を取り上げてしまって、そのかわりにお前たちの生活は保障してやるぞ、こうなっておるのですよ。国鉄職員が、現実の問題としてこれだけなければ生活が非常に圧迫されて不安でございまするから、これだけ下さいと、こう言っておる。それが高ければ高いでいいでしょう。高いからこれこれしなさい、何らかはある。でなければ、私はあえて言うが、法律違反をやっておるのは国鉄です。世間の一般の人は、ストライキをやればやるほうが悪いのだ、あるいは法律違反になると言う。二十八条を守っていないのはだれだ。いまの社会の常識からいって、去年の給料を今日そのままでいいとはだれも常識で考えていない。物価は七%、一〇%上がっておるといって政府は発表していますけれども、これは平均物価であって、一番上は自家用自動車から、下はネギ一本、イワシ一匹まで含むのです。主婦連合の人が去年、だれでも買わなければならないものを五十品目集めて、過去一年の統計をとってみたら、二四%ぐらい上がっていた。これが消費者大衆の実感ですよ。それをあなた方は、公社の格差を是正するとか、そういうことだけでだましておるといいますか、これは法律違反をやっているのはあなたたちじゃないですか。それじゃ一体何の力もない労働者は何をやったら自分たちの生活が保障できるか。私はあえて言いたいが、これだけ決意をして、これだけ交渉して、やっと国鉄総裁が調停委員会によって賃金を上げなければならぬと言い出したんですよ。黙っておったら、一体だれが言い出すか。法律以前のことと私は思う。ですから、私は、これをやらしておるものは当局である、こう断言しても差しつかえない。これを解決するには、国鉄は自主性を持って案を示すことだ。それ以外にないんですよ。これは副総裁とそれから運輸省に所見を伺いたい。あなたたちはこの二十八条を守らずにストライキをやるのは違法だ違法だと言うが、一体労働者は何をもって自分たちを守ろうとするのか、一ぺん所見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/53
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054・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) 二十八条には、第一項はともかくといたしまして、第二項に、生計費と、その他の公務員、民間の事業の従業員、こう書いてございます。したがって、ここで三公社の格差を論ずるのは当然でございまして、決して異物をもってきて論議をしているわけではございません。ただ、いま先生は、最近になって突然私どもが格差問題を言ったというふうにおっしゃいましたが、これはたいへん私どもといたしましては正しくないお話だと思います。と申しますことは、二月の十七日に調停委員会にかかりまして、御承知のとおり、労使双方を呼んでいろいろ話を聞きました。そのときすでに格差問題は出しております。最近二、三日前から突然言い出した話では毛頭ございません。この点は、十分組合も知っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/54
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055・大倉精一
○大倉精一君 まだ答弁なっておらぬですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/55
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056・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) 去年の秋以来、労使双方、いま国鉄副総裁から答弁いたしましたように、格差問題を含めまして、団体交渉をやってきたのでありますが、労使双方の意見がなかなか一致しないということで、現在調停段階におるのだ、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/56
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057・大倉精一
○大倉精一君 あした本会議でやりますから、関連だからあまり言いませんが、いまのあなたの答弁は非常に自信のない答弁ですよ。私はそれらに対する基本的な問題をお伺いをしている。にもかかわらず、この答弁はきわめて自信のない答弁です。そういうことで大きな事態が解決できますか。自信もなければ、確信もない、そう言っても私は過言でないと思います。ですから、格差格差と言いますけれども、どうもその辺が私にはわからないから、それならばそれで、一体どのくらいだということを示したことがありますか。おそらく具体的なものはない。私はこれでやめますけれども——議事進行でやめますけれども、いずれあした本会議場でわが党の同僚諸君が質問するでしょう。質問するでしょうが、そういうようなことでこの事態をあいまいにしていこうということは、事態が許さぬ、許さぬです。ですから、そういうあいまいもこたる態度であるなら、毎年繰り返さなければならない。これはやむを得ないのです。私はきょうはこれで質問を終わりますけれども、あえて最後に言いますけれども、これは法律違反をやっているのは運輸省であり国鉄である。
もう一つ最後につけ加えたいことは、こういう大きなストライキをやって、社会的、経済的に大きな混乱を起こした場合に、この混乱に対する責任は、これはあなたたちにあるのですよ。これも予算委員会で言いましたけれども、労働組合と大臣とが同列に立って、責任はおまえにあるのだ、おまえにあるのだ、こう言ってみても、行政の最高責任者は運輸大臣であり、総裁であるのです。社会に対する最終的な責任を持たなければならぬですよ。人を首切って処分したからといって、社会的責任はごうも抹消されません。それを最後につけ加えまして、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/57
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058・岡三郎
○岡三郎君 議事進行。同僚の浅井さん、それから大倉さんから、当面のこれは大きな問題ですから、これについて質問があったわけですが、いま運輸大臣も国鉄総裁も御多忙でこの解決に奔走せられていると思うのですが、私はやはり、この問題を論ずるのに、政務次官と副総裁でいかぬとは言いませんが、しかし、あまりにも重要だから、この際この委員会としては——与野党という対立の問題ではないわけです。これは何とかとめるようにお互いが努力しなければいかぬ。われわれ自体としても、国鉄がストライキをやる、ほかのほうがストライキをやる、だれもこれを好ましいと思っている者は一人もない。ただ、あまりにも政府のやり方自体がイージーゴーイングで、ちょっと押しつけ過ぎておる。こういうことで、やはりすなおに戦いというものを平和裏に落ちつけるということを、当面国労なり動力車労組というものと直接関係しての仕事をしているわけですから、委員長においてはやはりその点について善処してもらいたい。できるならば、私はやはり、総理大臣も率直にここへ来て、いま一番当面の問題は運輸省関係の問題ですからね、ですからここでやはり聞きたいと思うのですよ。そうして、でき得るならば、試案でも何でもいいから、参議院の運輸委員会としては、この程度の賃金の値上げは認めるべきものだということで、やはり勧告すべきだと思うのです、政府自体に。私はそういうふうに考えます。いまはっきりと副総裁が言っているように、格差の是正というものは緊急の問題であって、押しつけるだけではなくて、もう少し何とかしてあげなければならぬ、こういうことを言っているわけだ。これはやはり国全体としての立場から検討せられて現在まできておると思うので、それは運輸大臣と国鉄総裁とそれから内閣総理大臣を呼んで、この委員会としては何とかこういうふうな闘争をやめてもらうためにひとつ最善の努力をする。調停委員会がいまやられているけれども、調停委員会などというものは、二月の十七日に受理してから、このせっぱ詰まった中で、のんきしごくで話にならぬと思うのですよ。政府自体も話にならぬ。そうして違法だへちまだと言っている。違法を言う前に、やはりなぜそういうことが起こったかということについて胸に手を当てて、先ほど浅井さんが言ったように、真心をもって、真実をもってやはり受け答えをしていくという姿勢がなければ私はいかぬと思う。国労、動力車は手足を縛られてスト権がないのだから、それを手足をほどいてやることは違法だ、手足を縛っていいかげんにやっておいて、あっちこっちなぶりものにしておいて、真骨頂おこってから、そういうことはいかぬ——これではやはり、根本問題を、おこらした問題を端的に責任者からお聞きして、それからわれわれとしてもわれわれの意思を明確に表明したいと思うのです。だから、委員長においてひとつ善処してもらいたい。私はここでこの程度ではこの問題おさまらぬと思う。やはり解決の方向で、参議院の運輸委員会としては——本会議で質問したってこんなものはだめです、やりとりだけですから。だから、ほんとうに天下の参議院の運輸委員会として、この問題に真剣に取り組むならば、与野党ということを抜きにして、ひとつ運輸委員会全体として、国鉄当局にも運輸省当局にもある程度のデータがあるわけですから、少なくともやはりこの程度にすべきである——これは法的効力はもちろんございませんでしょうけれども、百何十日間もやっていて、初任給六百円だけ値上げする、そんなばかな回答をいままでやってきて、騒いじゃいかぬなんて、大ばかですよ。この時代に六百円の初任給だけで、あとには全然一言も触れないで、それで闘争とかストライキとかヘチマとか言っている。この大ばかのやったことをほうっておくわけにいかぬですよ。だから、国労に対してやはり忠告し、ストをやめろと言う限りにおいては、それに対して国鉄自体もはっきりやらなきゃいかぬと思う。そういうことを抜きにして、ただ違法だ、ヘチマだと言っている。そんなばかなことは私はないと思う。百何十日間もこんなことをやられておっては、世の中たまらぬですよ。国労には国労として政府に請求があると思う。委員長としてはその点善処してもらいたい。そうしなかったら進行しないですよ。責任者を呼んでもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/58
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059・米田正文
○委員長(米田正文君) いまの岡君の提案については、今日このスト回避の問題は重要な問題になっておりますから、当委員会としても重要な問題として取り扱わなければならぬと私も思います。それできょうは浅井委員の質問もお聞きしたようなわけですが、ただいまお話のあったように、あすは本会議でこの問題について政府全体としての所信をただすことになっております。そういう事情でありますから、なおこの問題は、私一存でなくて、理事会にもはかってひとつ方針を相談をいたします。それで、きょうは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/59
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060・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 いま委員長が、岡委員の労使問題の取り扱いについて理事会に相談をする、こう言う。何をあなたは相談しようとしているのですか。具体的に、岡委員は、浅井委員の発言に関連をして、事が重大であるから関係者をここへ呼んで具体的にその問題を検討しようじゃないかという議事進行の、いわば動議のような提案をしているわけです。一つの問題を提起しているのですよ。それをいまあなたは、これから理事会を開いて相談をすると、具体的にあなた何を相談しようとしているのですか。あなたこの委員会をどういうふうに運営しようとしていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/60
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061・米田正文
○委員長(米田正文君) いま岡委員から、この問題の処理のために、所要の大臣も総裁も呼んで、ここでもう少し詰めてみて解決案を出そうじゃないかという提案があった。それについての理事会で相談をいたしたいという趣旨を私は言っておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/61
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062・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 その趣旨はそれでまあいいとして、浅井委員のいろいろ質問をしたかっこうの中で、重大な発言をしているのですよ。違法な争議行為を中止すると、こう言う。私は、法律を認識しないから平気で浅井さんはああいうものの言い方をしたと思いますけれども、重大な問題ですよ、これは。ですから、私どもは、岡委員が言ったように、関係者全部出してください、法務大臣も、ただいまから要求しますから。運輸大臣はもとよりそうだ。総理大臣も出しなさいよ。そのことを要求します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/62
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063・米田正文
○委員長(米田正文君) いま吉田君からも要望がありましたが、きょうの審議の予定は、午前中理事会で相談をした結果に基づいてきょう審議をしてまいりましたが、いま新しい事態になりましたから、これは理事会においてもう一度相談をした上で進めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/63
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064・岡三郎
○岡三郎君 で、この問題は、ちょうど昼どきになっていますから、その間によく相談してもらって、とにかくきょうひとつやっぱりそろえてもらって、あしたは本会議でやられると言いますけれども、本会議は御存じのようにとにかくやりとりで終わっちゃっているわけです。ですから、そういう運輸委員会は場でないのですから、これは専門部会ですから、特に当面の国鉄の問題ですから、重点が。だから権威を持ってこの委員会としてはやはり明確にする必要がある。ですから、いまの点については了承いたしますから、ぜひとも午後の二時なら二時に再開してもらいたいというふうに考えます。いま一時前ですから、関係大臣呼んでもらって。そうしないというと、いいかげんになってしまうと思うのです。みずから自分の委員会を冒涜することになりますね。その点をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02119640414/64
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065・米田正文
○委員長(米田正文君) ただいまの御提案については、先刻申し上げましたように、理事会で御相談をした上で進めます。暫時休憩をいたします。再開は午後二時にいたします。
午後零時五十五分休憩
〔休憩後開会に至らなかった〕
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