1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年六月四日(木曜日)
午前十時五十九分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 米田 正文君
理事
谷口 慶吉君
吉田忠三郎君
委員
木暮武太夫君
河野 謙三君
野上 進君
平島 敏夫君
前田佳都男君
村松 久義君
岡 三郎君
小酒井義男君
浅井 享君
国務大臣
運 輸 大 臣 綾部健太郎君
政府委員
運輸大臣官房長 佐藤 光夫君
運輸省鉄道監督
局長 廣瀬 眞一君
事務局側
常任委員会専門
員 吉田善次郎君
説明員
日本国有鉄道常
務理事 石原 米彦君
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本日の会議に付した案件
○連合審査会開会に関する件
○東海道新幹線鉄道における列車運行
の安全を妨げる行為の処罰に関する
特例法案(内閣提出、衆議院送付)
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001・米田正文
○委員長(米田正文君) ただいまから委員会を開会いたします。
初めに連合審査会に関する件についておはかりいたします。鉄道公安職員の職務に関する法律を廃止する法律案について法務委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/1
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002・米田正文
○委員長(米田正文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、開会の日時等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/2
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003・米田正文
○委員長(米田正文君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/3
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004・米田正文
○委員長(米田正文君) 前回に引き続き、東海道新幹線鉄道における列車運行の安全を妨げる行為の処罰に関する特例法案を議題といたします。
御質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/4
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005・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 法律が提案されて、条文だけこう見てまいりましても、現行法の営業法あるいは刑事訴訟法等々の関連から見ても、かなり問題があるような気がするのです。そこで私は、東海道新幹線が今日どの程度建設が促進されているか、この状況全般にわたって、やはり法律審議に先立ちまして、私どもは参考にしなくちゃならないと思いますので、その説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/5
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006・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) 東海道新幹線の工事のまず進渉状況を概略御説明いたします。
御承知のように、全線五百十五キロメートルでございますが、運転に必要な用地の確保はすでに全部完了しておりまして、現在各工事はきわめて順調に進んでおります。東京から大阪駅に至る五百十五キロメートルの試運転は、現在のところ−当初は八月に入ってからという予定をしておりましたが、工事の進捗状況が良好でございますので、若干繰り上がりまして、七月の下旬から全線にわたり試運転が行なえるというのが現在の見通しでございます。したがいまして、営業開始は予定のとおり十月一日から確実にできるというふうに考えております。また、営業に備えまして新幹線を管理運営する組織といたしましては、四月一日に新しく新幹線のための支社が発足しております。
以下、各工事別に進捗状況を御説明いたします。
まず路盤工事でございますが、五百十五キロメートルの路盤工事のうち、川崎、西谷、保土谷、浜松地区の一部を残しましてすでに完了しておりまして、路盤本体の出来高はほとんど一〇〇%に達しております。なお、いま申し上げました若干の地区につきましても、用地買収はすべて完了いたしまして、五月末までには竣工の見込みでございます。
それから、次は軌道工事でございますが、路盤工事の完了区間から逐次軌道工事が進められておりまして、三月末で四百三キロメートルの軌道敷設工事が完了しておりまして、六月中旬には全線の敷設工事が完了いたす予定でございます。
次は電気の工事でございますが、軌道工事と並行いたしまして電気工事も進められておりまして、三月末までで三百三十二キロメートルのいわゆる架線の工事が完了しております。その他、送電線、変電所、信号・通信ケーブル、列車無線基地等の工事も順調に進んでおりまして、七月下旬には全線にわたりまして電気を通すことができる予定でございます。
次に車両の関係でございますが、営業当初必要である営業用の電車は全部で三百六十両でございますが、この製作も順調に進んでおりまして、三月末には小田原付近のモデル線区に六両搬入いたしましたが、その後大阪の電車基地−これは鳥飼にございますが、四月十三日から、また東京の電車基地には六月上旬から、それぞれ搬入いたしますが、鳥飼基地にもうすでに数個編成入っておりまして、八月末までには三百六十両の組み立てが東京と大阪の両基地において完了する見込みでございます。
それから試運転でございますが、三十七年の十月から小田原付近の綾瀬−小田原間のモデル線区で試運転を行なっておりますが、これを現在は熱海を越えまして三島まで延長しております。これで綾瀬−三島間約八十キロメートルになります。また大阪付近では、米原と大阪の電車基地である鳥飼約百キロメートルの区間につきましては、すでに四月の二十八日から試運転を開始しております。なお、先ほど申し上げましたように、七月の下旬から東京−新大阪全線にわたりまして試運転をいたしたいということを考えております。
次に乗務員の養成状況でございますが、まず電車の運転士につきましては、三十七年の十月から養成を開始いたしまして、養成予定人員は全部で約二十名でございますが、現在すでに二百名近くが終了しておりまして、養成未了の者につきましては、九月までには全部養成を完了する予定でございます。
次は車掌でございますが、昭和三十九年の四月から養成を開始いたしまして、養成予定人員は約二百名でございますが、すでに東京、大阪におきまして百名近くの者が終了いたしまして、引き続いて両所におきまして養成中でございますので、七月までには全員の養成を完了する予定でございます。
その他の要員でございますが、保守関係の要員につきましても、適性のある者を選別いたしまして、技術的に高度な再教育を現在行なっております。したがいまして、冒頭に申し上げましたように、三十九年の十月一日からは予定のとおり営業ができるというふうになっております。
以上申し上げましたように、私ども予定しておりますとおりに、現在のところきわめて順調に各工事が進んでおるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/6
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007・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 鉄監局長の大筋の建設の状況、さらに十月に予定どおり営業開始できるまでの概略の説明がございましたから、それはそれとして、その上に立って若干質問をしたいと思います。
十月に予定どおり営業が開始できるとすれば、特殊な幹線だけに、かなり、この法律の中にもございますように、従前と形態が変わっておるわけですね。速度もそうでございますし、それのみならず、在来線から見ますと各般にわたって形態が変わってくると思う。ですから、そういうものも含めて、ダイヤ編成なども早目に策定をして、しかも、せっかくできた線ですから、お客さんにより利用していただかないと、この線をつくった趣旨には沿わないわけですから、そういう準備作業というものは抜かりない方向で進めなければならぬものじゃないかと、こう私は思う。そこで、ダイヤの発表などというのはいつごろやるのか。
それから、ついでですから、それともう一つは、内外に、国鉄がこの新幹線についてかなり経費を投入して、大々的に「夢の超特急」などといってPR活動をやってきたと私は思っている。その中を見ますと、東京−大阪間三時間で結ぶ、こうパンフレットなどにも書いてございます。そこで私は、いま鉄監局長が、十月には予定どおり営業開始ができる、こういう確信ある答弁をしたので、さてダイヤ発表をいたしまして、営業開始と同時に−先ほど申し上げたような内外にいろいろ宣伝をしてきた、とりわけ国民の輸送量の増強、産業経済基盤を強化するという面に大きな力点を置かれてつくられたわけですから、宣伝どおり、国民に約束をしたとおり、三時間で営業開始と同時に運行が確保されるかどうかということを、私はこの際聞いておきたいと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/7
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008・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) 東海通新幹線の建設につきましては、政府も、国鉄も、非常に重点的にやったわけでございまして、この東海道新線建設の趣旨は、もちろん先生御承知のとおりでございまして、まあ「夢の超特急」というようなはでなキャッチ・フレーズを新聞等が用いたことはございますが、趣旨はあくまでも、現在の東海道の行き詰まりを打破する、要するに輸送力増強という観点からやったわけでございまして、国の内外にかなり高く評価されまして、国内はもちろん、諸外国におきましても非常に強い関心を示しております。いわば世界が注目しておるということは、おっしゃるとおりでございます。そこで、当初の計画といいますか、完全にでき上がりまして、目標と申しますか、東京−大阪間一番速い列車は三時間、それから各駅にとまります急行も四時間ということは、この東海道新幹線建設の計画どおり、その目標でやっておりまして、もちろんこれは必ず達成できるというふうに考えておりますが、開業当初は必ずしも三時間では参らないかというふうに考えております。これは、先生御承知のように、新線の場合にはやはり路盤が固まるまで若干の日時を要しますし、線路あるいは車両の規格としては十分に高速運転にたえるものになっておりますが、一応線路が安定をするほでは、あくまでも安全性をとりまして、計画どおりの三時間、四時間というのはしばらくの間は無理かと思います。運転をしながら、十分に安全の確信を得ましたならば、逐次スピードを上げてまいりまして、ごく近い将来に当初の計画どおりに運転ができるというふうに考えております。
ダイヤ等もなるべく早目に発表する、これはもちろん必要だと存じまして、国鉄のほうでも、内々線路のできぐあい等を見まして、いまダイヤを引いておると思いますが、詳しい点は、具体的な点は国鉄当局から説明をさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/8
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009・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 鉄監局長のお答えでは、三時間で大体東京−大阪間運行できるようになっているけれども、新線の開業当時にはそうはまいらない、近い将来にできるだけ内外に公約をした線で、三時間で運行できるようにしたい、こういうことです。私は、必ずしも、しゃにむに三時間で走って、事故が起きたらたいへんなことですから、そのことだけ主張しようとは思いませんけれども、今度のこの法律はあくまでも「時速二百キロメートルという世界でも最も速い速度で運転され、在来の鉄道と比較して次のような特殊性をもっております。」 というような書き方をしておりますね。かくかくしかじかということになっておりますが、ですからこの法律を特例法としてここで制定しようとする主眼点は、二百キロの高速で走るという立場から非常に危険性があるので、かくかくしかじかの予防的なつまり措置をとっておかなければならぬ、こういうことだと思うのですね。こういうことであれば、今度は逆に、いまの答弁では、二百キロで走るということにはならないのですね。近い将来にはそうしたい、こう言っているんですね。具体的に近い将来ということは、これは近い将来ですから、将来というのはかなり遠いものですけれども、あなたは近いと言っているのですから、さしてあまり時間を食わないんだと思うのだが、一体おおよそのめどは何月ごろから約束どおりの三時間で東京−大阪間を結ぶか、こういう席上で明らかにしてもらわないと、この提案された法律の面と私はマッチしないような気がするのですよ。ですから、先ほど言ったように、何でもかんでもいままでやってきたこと等をかんがみまして早く突っ走れというのは私の趣旨ではないけれども、今日に至るまでかなり技術的にも相当研究費用等を投じて、絶対に開業と同時に二百キロで運行ができるという、こういう確信に燃えて建設をした、こういうことはいままでのたび重なる委員会でもそのつど明らかにしてきたところなんですから、いまになって今度は、最近の将来に向けてそういうふうに運行したいということになりますと、どうも私どもとしては、速く走るばかりが能ではないけれども、何かこの法律を提案するにあたって不自然な感じ方をするので、この点はやっぱり明らかに、おおむね近い将来といったって、いままで試運転過程を経て、なおかつ試運転しているわけだし、十月までにはかなり日数がございますから、したがって、一体近い将来というのは何月ごろなんだ。かりに来年になるなら、来年の何月ごろなんだ。こういうことも明らかにしなければ、この法律を審議するにあたって非常に私どもは矛盾を感じなければなりませんから、この点が一つ。
それからもう一つは、おそらくやこれは、国鉄から説明させますとこう言っておりますから、あとでこの説明あろうと思いますけれども、ダイヤなどというのはそう簡単に編成できるものじゃない、これは技術的にも。ですから、もうできているんだとぼくは思うのですよ。ですから、国民に発表することは、いままだそこまで固定化していないとしても、少なくともこういう問題を取り扱っておる委員会などには、概略こういう方向でやるのだというものぐらいは私は示していいのじゃないか。こういう特別立法までつくってやるというぐらいな考え方に立っているならばですね、これが一つ。
それから最近、これは運輸大臣、前の委員会でも私は指摘しておきましたが、運賃料率の問題があるんですよ。最近運輸大臣は−その当時は、そういうことはもう政府政の公定料金の値料上げ抑制の政策によって断じてありませんと言明しているのです。言明しているのだが、直接はこのいまの東海道新幹線の運賃料率には関係しておりませんけれども、どうも最近の、これまた根岸線の開業のときに自民党の高橋国対委員長がつまらぬ発言をしたこと等が新聞に書かれて、いやその趣旨はそうじゃないのだと、こう言って、いまとかく問題をかもし出しているのだが、国鉄側としては何かそれは、いま鉄監局長も言ったように、近い将来だと思いますが、運賃を値上げしなければならぬ、しかも定期券も改定しなければならぬ、あるいは貨物運賃もかなり手直ししなければならない、こういうふうなことはかなり新聞でにぎわうようになってきたのですね。しかも、私はこの前の委員会でも申し上げましたように、行政組織法との関係で私は運輸大臣に聞いたことがある。ところが、全くつまり基本問題懇談会だとかいうものはお茶飲み程度で、国鉄の基本の問題を話し合う程度だ、こういう答弁であることは、会議録を見るとおわかりになる。そういうかっこうで作業を進めた模様であるけれども、事実問題としてはそうではないような私は印象を受けるのですが、こういう点一体どう−これは大臣ですから、この前の委員会で答弁しておりますから、ここのところは大臣から私は答弁してもらいたいが、もう一つの本質的な質問は、ダイヤの改正、ダイヤを新しく策定するわけですが、それとあわせて新幹線の料金、料率をどう一体考えているか、お聞かせ願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/9
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010・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) いつ当初の計画どおり三時間の運転ができるかという問題でございますが、私先ほどごく近い将来と申し上げましたが、まあ数カ月で当初の計画どおり運転ができると存じます。なお、この法律の関係で、第一条にございますように、「主たる区間を二百キロメートル毎時以上の高速度で走行できる」というのがこの法律案の御審議を願っている趣旨でございますが、新幹線は五百十五キロメートルのうちで、カーブが小さいために二百キロメートル以上の高速で運転できない区間がございます。これは東京−横浜間に一部と、熱海駅の付近、それから京都−大阪間の一部の三カ所で、全部で二十四キロメートルでございます。この区間はカーブの関係で二百キロメートルは出ませんが、その他大部分の区間四百九十キロメートルは全部二百キロメートルで走れるということになっております。停車する場合、発車する場合、その前後は違いますが、線路の規格としましては、いま申し上げましたごく一部の区間を除きまして全部二百キロメートル以上で走れるということになっております。
なお、営業当初はどうなるかということでございますが、営業当初は路盤の固まりぐあいその他で除行区間が若干出ます。それで三時間が出ないということでございまして、除行区間を除きましては営業当初からやはりかなりの区間で二百キロメートルが出るというふうに考えておりますので、かりに先ほど申し上げましたように営業当初三時間で走れないからといってこの法律が必要ではないということではないので、やはり大部分の区間は二百キロメートルでずっと突っ走りますので、営業当初からこの法律はぜひ私は必要であるというふうに考えております。
それからダイヤの問題は、これは全線にわたっての二カ月間の試運転期間がございますので、その結果等も考えませんと具体的に細部まできまらないと思いますが、現在国鉄ではある程度予想したダイヤは持っていると思いますので、これはあとで説明をいたさせます。
それから運賃料金の関係でございますが、東海道新幹線のまず運賃でございますが、これは現在の東海道線の複々線、線増という考え方でございますので、運賃は現在線と全く同じでございます。急行料金につきましては、サービスもよくなりますし、なお国鉄といたしましてはやはり経営の収支ということも考えなければなりませんので、現在の東海道を走っております特急よりも一、二等いずれも若干高目のものを考えているようでございます。これはまだ運輸省に正式に手続がございませんので、内容は私詳しくは承知しておりませんが、特急料金につきましては現在線よりは若干高目のもの、しかしこれも、新幹線をつくりました趣旨から考えまして、なるべく現在線の長距離の客は新幹線に移ってもらわないと困るわけでございますから、お客さんが利用しやすい程度のものということを国鉄は考えておるというふうに存じます。
それからなお、一般の運賃の問題でございますが、これはまあ新聞等にも若干出ておりますが、これはあくまで公式的なものではなくて、国鉄がさらに第三次長期計画を立てる場合にかなりの賞金を要しますので、これをいかに自己賞金と外部資金に配分するかという問題がございますので、将来にわたりまして国鉄の運賃−貨物、旅客の運賃をどうするかということは、まだ私どもは全然もちろん成案は持っておりません。なお、現在、国鉄基本問題懇談会におきまして、国鉄のあり方、特に長期計画、またこれに対する賞金の措置をどうするかということをいろいろ御懇談を願っておりますが、最終的にはやはり懇談会のいろいろ御意見を承って私どもはきめてまいりたいということでもございまして、現在の段階では政府といたしましては全く白紙の状態であるということを申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/10
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011・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) ただいま鉄監局長が申しましたように、基本運賃については上げる意思はありません。また、上げるべきじゃないと思っております。ただ。サービスの向上等のことがございますから、急行料金と申しますか、基本料金以外の手数料的と申しますか、基本運賃でない部分についてはただいま検討中でございます。
それから、基本問題懇談会につきましては、この前吉田委員からるるおしかりをこうむりましたが、政府といたしましては、基本の問題について関係の次官が寄りまして話をするということは法の趣旨に反するものではないという見解をとりまして、ただいまやっているのか現状でございます。国鉄総裁が運賃について新聞紙上その他に発言いたしておりますのは、いま直ちにやるということを言うておるのじゃなくて、新改定五カ年計画の賃金充実の方法としては運賃問題も考えなければいかぬが、現在の運賃はあまりにも他の物価と比較して安過げるからこれを改定したいのだ、それが値上げになることは当然予想されますが、適当な改正をやりたいのだという趣旨を申しておるのでございまして、昭和三十九度中に上げるとか、四十年に幾ら上げるかということを申しておるのではございませんから、御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/11
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012・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 ダイヤ関係その他について国鉄側から答弁があろうと思いますから、それはそれとして、どうも大臣のいまの答弁では私は理解できない。で、基本料金は上げない、その他の関係については料率等を改定して−実質的にはこれは運賃ですよ、そういうものは手直しをする。手直しするということは私はいけないということじゃないのですよ。ただ、政府の運輸交通の政策として、一面では公共料金であるから、その抑制策によって上げない、押える。で、一面は、今度は物価はどうかというと、これは統計のとり方いろいろありますけれども、国会の中で池田さんが本会議などでたびたび用いられる数字によれば、六・七%くらい物価が騰貴していることは間違いないですね。さすれば、国鉄側としては、政府の今日の所得倍増計画に見合う輸送量増強、幹線の増強等々から必然的にやらなければならぬのですから、やるとすれば資金が必要となってくる。反面政府は、今度その資金調達はしないで、逆な面で物価はどんどん上げていって、料金のほうは押える、こういう小学校の一年生でもわかるようなやり方をやっていくところにぼくは問題があるような気がする。これは石田総裁は当然やはり、このまま第三次計画に基づいて輸送量増強計画を進めるとすれば、運賃値上げをしていくということを言うのは当然だと思う。ですから、私は、運輸大臣、その物価抑制策で押えるなら押えるんだけれども、押える反面、かかる経費、かかる資本投資をどういうかっこうでいま運輸大臣当面の責任者としてやらんとしておるかということをやはりこの際聞いておかなければ、私はいけないことだと思うので、まあ基本の問題ですから、たまたま本委員会の小委員会にもこれらの問題を基本的に討議する小委員会がございますから、そういうところで私は大臣といろいろ議論してみたいと思いますが、どうもいま大臣の答弁では何か釈然としないものが私はあるのですね。
それからもう一つは、基本問題の懇談会ですけれども、各省庁の次官クラスが集まって話をするくらいはいいじゃないかという理解に立ってそういう懇談会というものをつくった、こういう意味の答弁ですがね。これは大臣、あなたいくら国会で私どもに詭弁を弄して答弁しても、これは「はいそうです」かということになりませんよ。総理府に設置したのですね。しかも、これは、その中に入っているわけじゃありませんから、私はどういう問題を議論しておるのかよう存じ上げませんけれども、やられる趣旨はいいと思うんですよ。いいと思うが、そういう事柄を設置する場合に、行政組織法に明らかになっているのですね。ですから、そういうものを経ずして、法律も何らつくらずにやっていくというのでは、政府みずからが脱法行為をしているのではないか。そういうものは、必要があったら、堂々と行政組織法の中にありますような法律を制定して、その上で、堂々と公然とぼくはおやりになって、扱った問題を国民全般にこういう問題を扱っているということを明らかにするということが当然ではないかというふうに思うので、どうも大臣は、前の委員会でもおしかりをこうむった−ぼくは決して大臣をしかったためしはないので、法律的な解釈として、見解として、こういういま動きがあるようだが、行政組織法との関係がどうなんですかということをあなたに聞いただけの話で、ぼくは運輸大臣をしかりとばす権限も何もないし、それほどの者でもありませんから、この点をひとつ、そういう解釈に立たないで、もう少しく、基本問題でありまするから、大臣の考え方を明らかにしていただいて、そのことが必要であるならば、当然法律を策定するように−事後処理になるかもわかりませんがね、そういう方向で仕事を進めていかなければならない性格のものではないかということを聞いている。どうですか大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/12
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013・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) あなたのおっしゃるのも、考え方の一つでございます。私どもも基本問題を懇談するということは、当面の問題といたしましては、第三次五カ年計画を実施するためにはどういうあり方でいいかという、全く事務当局が懇談をして、打ち合わせをしてきめるのですから、その成案を得ましたならば、それが内閣に関する、組織法に関するものであれば、そのときに私は行政組織法による委員会をこしらえてもおそくはないと思います。何事も運輸に関することは一切相談相ならぬというものでは私はないと思っております。そこで、事務当局だけで、いわゆる行政組織法による調査会とは別に、関係のある各省の次官が寄りまして、そうしてその主催もまた、そういう趣旨であるから、内閣の官房副長官が主催をしてやっているので、そこである種の結論が出て、それが事務当局だけで政府だけで、やれるものであればやるが、おそらくはそういう問題の基本問題でございますから、専門家である運輸委員の御高見を聞いてやるということは、そのあとにやったってひとつも私は差しつかえない、かように考えているのであります。全くあなたと私とは見解の相違であると申し上げる以外に、この時点におきましては、答弁のしようがないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/13
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014・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 どうも大臣は、見解の相違だと、こういう答弁ですがね。そう見解が相違をしていないとぼくは思うのです。話し合うこともけっこうですけれども、いまあなたが、そこで話し合った結論に従って、つまり行政組織法に基づく懇談会という正規のものを手続によってつくってもおそくはない、こう言っておりますから、そう変わっていない。問題は、あなたの先ほど言ったように、いま国鉄が池田内閣の所得倍増計画の交通小委員会で出している結論に従ってそれぞれの計画を進めて私はいるのだと、こう思っている、何だかんだ言っても。だから、具体的には、第三次五カ年計画か何か存じ上げませんが、第三次計画というものを策定しているじゃないか。これは計画だけ紙に書いて策定するくらい簡単ですけれども、その結果資金を必要とするものですから、それをどうするかということで、これは基本になりますから、基本問題を検討するように話し合っていると思うのですね。」 しからば、今日の国鉄の現状の経営の内容、財政事情等々勘案してみて、大臣どうですか、何か次官クラスのグループ、いわば好みのようなグループが交通問題を話し合って出たものが、政府の行政措置でできるものはやるけれども、できなければほかの法律に基づく委員会をつくってやってもおそくないという、こういう大臣の考え方というのは、どうも私は積極性がないような気がする、答えは明らかだと思うんですよ。そういう話し合いをしていることは、私は反対でも何でもない。大いにやったらいいと思う。やったらいいと思うけれども、出てくる答えというものは、政府の行政措置でできない答えが出てくるにきまっているんです。これはもう明らかに言えると思うんですね。それからつくって、一体急務中の急務、緊急であらねばならぬ国鉄の問題を、それから行政組織法に基づいて、今度は調査会といいますか、懇談会といいますか、名前はどうあろうとも、法に基づいた小委員会のようなものをつくって、つまり政府の諮問機関のようなものをつくって答申されて、それを具体的に政策、施策に反映するというようなやり方というものは、私はおそ過ぎると言うんです。だから、そういう話し合いをしていることは反対だというんじゃないんですよ。したがって、あなたと私はそう見解は変わりはない。やるなら、最初から、答えがわかっているのであるから、堂々と法律に基づいて、出てきた答えが日陰者にならないようにやったらどうかということを言っているので、見解の相違だと、こう言っておりますけれども、何も基本的に見解の相違は私はないと思うが、大臣はどうですか、その点は。答えははっきりしているんですからね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/14
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015・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) そのやり方について、私どもと吉田委員とは見解が違っております。私は、行政組織法による委員会によってやることは、それは一番正しいんですが、それが時間的に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/15
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016・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 正しいことをやればいいじゃないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/16
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017・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) 正しいというより、そのほうが、何といいますか、慎重を期するようなことになるでしょう、あなたのおっしゃるように。もう結論がきまっておるとおっしゃいますが、またその関係事務当局の間で話しているうちにいい知恵が出ないとも限らない。その出た結果に基づきまして行政組織法による委員会にしたって、私はそれはおそくはないと、かように考えておるのでございまして、扱い方——基本的にはあなたと私は一致しておると申してもいいと思いますが、その扱い方については、遺憾ながらちょっと私は見解が違っていると、こう申しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/17
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018・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 こういう問題で大臣とやりとりしたって、これは何時間もかかると思いますから、あえてもう申し上げません。大臣と私とはかなり年代が違いますから、時間の差、それがまあ年代でそう差がついているのかもしれませんがね。どうもまだ私は釈然としませんが、先ほど言ったように、この委員会にもこれに類する問題を討議する小委員会ができておりますから、そこでもっと大臣といろいろな意見を交換してこの意見を深めてもらいたいと思いますから、この問題についてはこの辺で終わりたいと思います。
そこで、先ほどの新幹線の問題に戻りますが、ダイヤの関係はどうなっておりますか。石原さん、来ておるかな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/18
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019・石原米彦
○説明員(石原米彦君) 新幹線関係を担当しておりますので、お答え申し上げます。
ダイヤと速度の関係につきましては、鉄道監督局長がただいま御答弁になりましたので、骨子は全部尽きておるのでございますが、技術的にダイヤ速度の基礎になります問題について一、二補って申し上げたいと存じます。
鉄道監督局長の御答弁にもありましたように、近い将来におきまして二百キロの速度で東京−大阪間ほとんど通し運転をするということ、したがいまして、あらかじめ公表してございます。一駅停車のものは三時間、それから各駅停車で四時間という公約といいますか、それを実現し得るということは、技術的に見まして現在までの結果は十分に自信を持っております。たとえば車両について申しますと、すでに二百五十キロ以上の試運転をいたしまして、全然問題はございません。それから、すでに最初の車は、一昨年の六月から試験列車を使っておりまして、最近これをばらして検査をいたしてみたのでございますが、致命的な欠陥は何も発見されておりません。さらに、営業車両がすでに、東京においても、大阪においても、できておりますが、これは試運転車両に使いましたものの最もいいところを集めて実施いたしましたので、車両から申しますと、二百キロというのは相当余裕のある速度ということになります。それから線路の構造から申しましても、これは過去の高速試験から、車両、線路構造は全線同じでございますから、これも二百キロというのは十分に余裕のある構造であると考えられております。それから架線と車両のパンタグラフとの関係、これを非常に心配いたしておりましたのですが、これも心配はございません。それから耳が痛くなるという問題がございます。これも営業車両では、何か来週御試乗いただくそうでございますが、全然なくなってしまいました。これは、営業車両でその点を直しまして、乗りごこちは、その点全然なくなりました。二百キロで走りましても、現在線の百十キロで走りますのよりもだいぶ乗りごこちがよろしいのでございまして、これは御説明いたしますよりも、来週一度お乗りいただきまして、速度が二百キロになりましたならば、一番よくおわかりいただけると存じます。それから、その他の諸問題にいたしましても、大体技術的に予想されます問題で、近い将来の問題といたしまして、公約の三時間、四時間運転というのを恥をかくということは絶対にないという自信を持っております。ただ、鉄監局長の御答弁にございましたように、一つだけ問題がございまするのは、開業当初の、何ぶんにも土工部分のどろが固まっていないというところ、つまりコンクリートや鉄でできました部分については、今日でも二百キロで運転しておりますし、もちろん営業を開始しますれば二百キロで運転いたしますのでございますが、土工部分につきまして、これも大部分のころは土質を選びまして丁寧な工事をしておりますからだいじょうぶなんでございますが、全線で十数カ所土質、地質の悪いところがございまして、たいていは土盛りをいたしまして半年くらいで大体沈下しなくなるのでございますが、土質の悪いところでは一年、二年たちましてもなお沈下を続けるというところ、それからまた土質によりましては、雨がある程度以上降りますと、草が十分つきませんうちにくずれ出しまして、これも線路がすぐにあぶなくなるところまではなかなかくずれないのでございますが、ある程度以上の雨量が降りますとくずれ出すといった問題がございます。そういうようなところがございまして、いわゆるそういう要注意個所が十数カ所ございますので、これの見きわめをつけませんと、全線通しての二百キロ運転というのは自信が持てないわけでございます。したがいまして、どろの落ちつき、草の茂りましたところなんかは、さらに現在沈下の防止の防災工事をずいぶんやっておりますし、それからくずれやすいところは工事を現在追っかけてほとんど全線にわたってやっております。そういうようなことによりまして十分強くはしておりますが、なお、何ぶんにも現在までの試運転期間というのは五百十五キロメートルのうちの三分の一に満たない程度でございまして、もう少し試運転を長期間にわたりましていたしませんと、最終的にこのくらいの速度ならばよろしい、これもきょうみたいな天気のいい日だけではございませんので、暴風雨のときは例外といたしまして、相当程度の天候不良のときにも差しつかえないというダイヤを組まなければなりませんので、その速度をきめかねております。もう少しいたしましてから、この基礎になります速度がきまりませんと、ダイヤ全体がきまらないということになります。ただし、どういうダイヤにしてどういう利害得失があるかというようなことにつきましては、これは新幹線運営の基本になりますので、ずっと前からいろいろ研究はいたしております。ただ、運輸省の御認可を得まして公表するという自信を持った段階に至りますのに、もう少し試運転を重ねないと自信が持てないということでございます。
なお、ダイヤにつきまして非常に長期間かかるかというお話でございますが、実は新幹線は、速度その他の技術はたいへんにむずかしゅうございますが、ダイヤにつきましては単純でございますし、特に単純にすることを心がけております。現在の東海道線のように過密になっておりません。営業当初は十分に余裕を持っておりますので、単純なダイヤを引くことにいたします。したがいまして、問題になりますのは、主として新大阪駅の接続の点が現在線とからみますので問題がございますが、この点をさえ考えますればあとは、非常に短時間に、速度さえきまれば、直ちにダイヤは、それではこれでいこうというふうにきまりますので、もう少し十分自信がつきますところまでまいりましてから、ダイヤは決定いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/19
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020・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 ダイヤの関係はそれでけっこうだと思いますが、どうも石原常務理事の御説明を聞いておりますと、何から何まで御心配がないということで、まことに夢のようなお話しになるので、たいへんこれは現段階では喜ばしいことだと思います。さすれば、こういう立法の必要がないような気さえするのですが、反面、この法律が出てきた、こういうことですから、これはこれで、あとあと本論になって私どもは疑義の点はただしていきたいと思いますから、いまのところはあと回しにしますけれども、何といたしましても、いま石原さんが答弁されたように、土盤の関係、線路構造の関係、すべて整えられている、こういうことでございますけれども、やはり営業開始と同時に、運行を扱ったり、あるいは商売するわけですから、営業をしたりするのは人だと思うのですけれども、企業につきものですからね、こういう人の関係、要員の関係についてはどうなっているのか。若干鉄監局長の先ほどの冒頭の答弁では、かなり早い時期に専門的なそれぞれ必要とする教育などをしたようでございますけれども、こういう関係でございますね、これも法律では、この二条で明らかなように、速度だけをたいへん重点に置いて考えられているようでございますけれども、私どもは、速度はもとよりでございますけれども、各般にわたって在来線から見ますれば形態が変わっていることだけは間違いないと思うのです。そこで必然的に、要員の関係、労働条件、こういう関係が問題になってくる。ですから、いま申し上げたように、要員の関係についてどうなっているのか。しかも、労働条件、具体的には賃金であるとかあるいは、労働基準法に基づく諸条件がどう考えられているのか、この際これもひとつ聞かしていただきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/20
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021・石原米彦
○説明員(石原米彦君) 労働条件、それから定員の最終的な決定に対しましては、ただいま労働組合と折衝中でございますので、決定的に申し上げることはできませんが、大体養成関係につきまして、最も時間を要します。また重要性もございます問題といたしまして、まず動力車の乗務員、運転士の問題がございますが、これはすでに、鉄道監督局長の説明にもございましたように、一昨年の六月からモデル線におきまして試運転を開始いたしまして、直ちに養成課程をつくりまして、モデル線区に教習所の分室をつくりまして、ここを土台にいたしまして、逐次養成して、養成した者は一応従来の職場に戻して、また繰り返して連れてくる、養成に来てもらうというようなことにしておりますし、ことしの四月から、大阪におきまして鳥飼の車両基地、これは大阪の少し手前でございますが、それから米原の百キロまでの間の試運転を開始いたしまして、これはすでに複線運転を始めまして、新製車両をどんどん入れますので、列車回数も非常にふえます。ここにおきましては、本格的な養成をどんどんいまいたしております最中でございます。それから車両保守の要員につきましても、モデル線が始まりましてから、ただいま申しましたように、順繰りに来てもらって、職場に帰ってもらうという形で養成を続けております。それから電気並びに線路の保守要員、これは総員で二千数百名になると存じますが、これの半数以上は、現在の工事をしております要員、新幹線工事局におきまして従事しております工事要員から適当な者を転用いたしまして、それ以外の者を現在線から持っていって補うということにいたします。しかし、現在線から転用いたします線路、電気関係の要員も、大体新人は少なくて、大部分は相当経験のある者、優秀な者に行ってもらうというふうに考えております。なお、これは申すまでもないことでございますが、非常に重要な、しかも新しい技術の入った仕事でございますので、全体といたしまして十分信頼性の置ける成績のよい人ということにしております。
それから、労働条件そのものにつきましては、おっしゃいますように、従来の鉄道とだいぶ違った条件がございますので、これは個々の職種につきまして個々に現在折衝中でございますので、最終的にきまりますのは先になりますが、労務管理の中の、たとえば休養管理であるとか、あるいは宿舎、寮の関係であるとかいうものにつきましては、少なくとも在来の関係よりも格段によくする。その他の職場環境というようなものにつきましても、何ぶんにも新しくつくります点もございますので、従来のものよりも格段に手の入った近代的なものに考えてやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/21
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022・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 そうしますと、こういう理解でよろしゅうございますか。たとえば運転乗務員の場合は、ここにも書いてありますように、二百キロの高速度で走るわけですから、かなり精神的にも肉体的にも疲労が多いと思います。従前のたとえば電車を運転したりあるいは蒸気機関車を運転している者から見ますと。で、飛行機なども、たとえば鹿児島あたりに行くと、四人乗りぐらいの小さい飛行機で旅客輸送をやっています航空事業がございますが、これなども速度というのは大体順航速度百五十キロぐらいです。それからさらに、新幹線の場合は二百キロですから、五十キロも速いということがございますので、われわれしろうとでございますけれども、車両に両翼をつけたら飛ぶのじゃないかという、そのくらいに考えられる速度でございますね。ああいった航空パイロットなどについては、かなり賃金にしても、あるいはその他給与にしても、あるいは勤務時間にしても、休日の時間にしても、特殊性が認められています。いろいろな諸条件が具備されている。ですから、今度の場合もそういうことを考慮されて、いまのお答えでは、なにせ新しいものだからいろいろな諸条件を勘案してやりたいというような答弁ですから、具体的には、いま申し上げたような例のごときは、たとえば給与の関係でございますと、現在ございます給与規程などというのは当てはまらないと思うので、こういうものを改廃して整備をしつつ条件を保たしていく、こういう理解でよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/22
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023・石原米彦
○説明員(石原米彦君) たとえば乗務員の疲労の問題につきましてまずお答えいたしますと、これは心理学者あるいはお医者なども加わりまして、労働科学を基礎にして、試運転開始以来疲労度につきましてもいろいろと検査をいたしております。それによりますと、二百キロの速度の列車に乗務いたしますと、初めのうちは非常に皮労が高いのですが、大体一カ月ぐらいたちますと、そう疲労が現在線と変わらなくなてまいるのでございます。これは初めは、速度が速くなって乗務条件が変わったということと、それからそれに伴う緊張感というものが非常に強いので、そういう疲労度にも響いてくるのだと思いますが、反面新幹線では、何と申しますか、乗務員の疲労を助けると申しますか、あるいはいままでの人の力だけでやっていたものをカバーするといったようなものもだいぶございまして、たとえば現在おそらく乗務員が一番神経を使っておるだろうと思いますのは、踏切でございまして、これは一キロメートルに二つ平均踏切がございますので、これで何が出てくるかわからぬ、これは非常に乗務員の頭を悩ましていると思いますが、東海道新幹線では踏切は一つもございません。そのほか見通しの問題なども、大部分高架で非常に見通しがよくなっておりまして、信号も、見にくい信号というのがあると、乗務員は非常に神経使うわけでございますが、車内に、目の前に信号が出るということで、これは霧の日でも、雨の日でも、そういうことを心配することはないわけでございますが、そういうような問題あるいはブレーキを一つ使いそこないますと、最終的には列車衝突というような事態が最悪の場合には起こりますが、これは保安設備でそういうことを補うような設備が、自動列車制御装置といったようなものもついております。そういった面で、プラスの面も、マイナスの面もございますので、少しなれてまいりますと、在来のものに比べて、疲労という点だけについて見ますれば、そう高くはないのでございます。もちろん、責任の問題といったようなことにつきまして、あるいは万一何か起こったといったようなことになりますと、こういう職務評価の問題ではいろいろ問題があると思います。
なお、職務評価に基づきまして、職務の重要性に応じて当然に給与をつける、給与の格差の問題といいますのは、新幹線などはそのうちの最もきわ立った問題でございますが、全般的な問題としても、現在国鉄といたしまして、組合ともども研究している問題でございまして、それらに基づきまして、今後十分その点もだんだんと反映させるようにしていかなきゃならないものだと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/23
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024・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 将来だんだんと改善してまいらなきやならぬ、こういうことですから、これは開業までにまだかなり時間がありますから、労使双方十分検討してもらいたいと思います。たとえばいまの疲労度の問題は、説明は説明として、医学的に、科学的に出た答えが直ちに——それぞれの人の体質にもよりますることでもあるし、画的一に、一つのデータが出たからといって答えはそうだというふうには思えませんからね。そういう面を含めて、特に超スピードで走りますから、交代時間をどうするとか、あるいは自宅待機の時間をどうする、こういう具体的な問題は、やはり出てきようと思うのです。ですから、そういう方面を含めて、ぜひ、せっかくこの十月から間違いなく開業できるということですから、人の面についても万遺憾なきを期して、先ほど石原さんが言われました技術的な面では何もかにもたいへん心配がないようになっておりますから、こう人の面についても心配のないようにしてもらわなければ、これは必ずしも石原理事が言ったようなことにならぬと思いますから、老婆心ながら、労使双方で円満に話し合って一つの方向を出すように、この面については要望しておきたいと思います。
それから、きょう直ちにここでお答えを求めても無理だと思います。いままでの答弁では。で、大体要員の関係については大筋わかりましたけれども、具体的に、たとえば東京駅に何と何の係を何名置くとか、あるいは新大阪駅に何と何を置くとか、名古屋には何と何を置くとか、いろいろなそれぞれの配列、具体的な計画はお持ちだと思うのですよ。ですから、この次の委員会までにそういう全体の要員配置はどうするのかというものを資料として私は求めたいと思うのですが、委員長、どうですかね、委員長として要求してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/24
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025・米田正文
○委員長(米田正文君) いまの資料要求について、国鉄どうですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/25
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026・石原米彦
○説明員(石原米彦君) ただいま具体的な各駅の配置についての資料のお話がございましたのですが、さいぜん申しましたように、現在各職別、各系統別に折衝中でございまして、これは各職、それから各現場の労働条件に具体的に合わせてきめてまいらなければ、組合としても話のつかない問題でございますので、総体の、大体のこのくらいの見当ということですと、これは申し上げられるのでありますが、具体的な一駅の何職、たとえば東京駅の何職が何人といったようなことについては、もう少し折衝を重ねませんと、いまの段階では申し上げかねると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/26
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027・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 ちょっとそこのところ、僕はおかしいと思うのですね。現在線に勤務しておりまする者をどうこうするという関係の折衝とか、先ほど僕が質問した労働参件をどうこうするという問題なら、いまのあなたの答えでいいと思いますけれども、少なくとも、冒頭にあなた方が答弁しておる、十月に間違いなく営業開始できると確信を持っております。こう言っているのですね。だとすれば、当然東京駅では各職種ごとに、しかもこれだけの輸送を計画をしてダイヤを編成してやるには、もとより金は幾らで機材が幾らで人が幾ら要るということは、当然あなた方の——どこで計画やるかよう存じ上げませんが、計画されているものだと思うのですよ。だから、私の言っている意味は、事務掛名とか、それから駅長が二人いるわけないでしょうから駅長が一名とか、助役、運転掛が何名とか、あるいは技術掛が何名とか、従前やってきたことですから、おおよそあなた方計画を持っていると思うのですよ。そういうものを明らかにせずして、この法律だけここでやってくれというのは、あまりにも国鉄が虫がよ過ぎませんかね。その程度のものはちゃんとできていると思うのですよ。これは、きちんとコンクリート化されたものではないとしても、そういうものはお持ちのはずですよ。なければ十月から開業できませんよ、いまごろないということであれば。ですから、ぜひそういうものを出していただかなければ、われわれ審議するといったって、参考になりませんよ。いろいろな関係が出てくるのですから、ぜひこれはひとつ出してください、次の委員会までに。かなりこれは日数がありますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/27
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028・米田正文
○委員長(米田正文君) その点、いま要求がありましたから、詳しくできておらなければ、いまできている段階のものでいいでしょう、そういうものを出してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/28
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029・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 それからもう一つ。委員長及び理事打合会でひとつ……。こういうお話でございますから、もう十二時過ぎておりますから、これ一つで、本日はこの程度で終わっておきますけれども、このたいへんきれいな資料がございます。ここに輸送量の見通しとして——まあ輸送量の見通しということだから、こんな程度でいいのかどうか、まことに短文で、十五行ぐらいこう書いているのですが、これだけでは私は、新幹線開業にあたっての計画、この見通し等が読み取れませんので、おそらくこれも具体的に、先ほど若干触れたようだけれども、全般にわたる輸送計画というものが樹立されていると思う。それも資料として、次回の委員会に提示していただきたい、こう考えているわけです。委員長どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/29
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030・米田正文
○委員長(米田正文君) 石原理事。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/30
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031・石原米彦
○説明員(石原米彦君) けっこうでございます。提出をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/31
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032・米田正文
○委員長(米田正文君) 提出をさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/32
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033・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 じゃ、私はきょうのところはこんな程度にして、次回にいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/33
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034・小酒井義男
○小酒井義男君 二、三点この特例法と鉄道営業法との関係でお尋ねをしたいのですが、これ特例法の三条の二号ですと、「東海道新幹線鉄道の線路内にみだりに立ち入った者、ということになっておりますし、鉄道営業法でいくと、「停車場其ノ他鉄道地内ニ妄ニ立入リタル者」というふうになっておるのですね。そうすると、特例法では停車場は含まれておらないというふうに理解をしてよろしいかどうかというこうこと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/34
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035・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) 営業法の地内立ち入りとの関係でございますが、この法律におきましては、あくまで列車の高速運転、それから高速運転に伴う列車の安全の確保ということを考えておりますので、法律の中に入りますが、三条の「次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。」、それで、一号で、「列車の運行の妨害となるような方法で、みだりに、物件を東海道新幹線鉄道の線路(軌道及びこれに附属する保線用通路その他の施設であって、軌道の中心線の両側について幅三メートル以内の場所にあるものをいう。)」というふうに書いてございまして、常業法とは違いまして、線路の中心から片側三メートルということに非常に厳密に規定しておりますので、営業法の停車場内とか用地内とかいうばく然とした広い観念とは違いまして、罰則が重いわけでございますから、非常に厳密に規定をしております。確かに、先生のおっしゃるように、とらえ方が違うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/35
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036・小酒井義男
○小酒井義男君 そうしますと、駅の構内に立ち入った場合は営業法のほうで罰せられると、こういうことでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/36
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037・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) 営業法に規定してございますような違反行為があるということになりますれば、これは営業法のほうにいくわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/37
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038・小酒井義男
○小酒井義男君 それから、これも同じことなんすが、営業法の三十九条と特例法の四条の関係ですね、これも走行中の列車ということであって、営業法にあるような停車場、車内、こういうものは含まれておらないのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/38
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039・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) まあいまと同じような考え方でございまして、特例法におきましては走行中の列車と限定しております。そうでない場合は、営業法にいくわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/39
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040・小酒井義男
○小酒井義男君 それから、これは直接関係はないのですが、ちょっと営業法を見ておって感じたのですが、営業法の四十条は「科料ニ処ス」としてありますが、これは金額はきめてないですか、どこかほかにきまっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/40
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041・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) 罰金等臨時措置置法に規定法がございまして、千円以下でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/41
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042・小酒井義男
○小酒井義男君 時間も経過しておるようですから、私はきょうはこれで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/42
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043・米田正文
○委員長(米田正文君) 本案については、本日はこの程度といたし、散会いたします。
午後零時十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X02819640604/43
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