1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年六月十六日(火曜日)
午後一時三十九分開会
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委員の異動
六月十二日
辞任 補欠選任
岡 三郎君 椿 繁夫君
六月十三日
辞任 補欠選任
椿 繁夫君 岡 三郎君
六月十五日
辞任 補欠選任
井野 碩哉君 松野 孝一君
六月十六日
辞任 補欠選任
松野 孝一君 源田 実君
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出席者は左のとおり。
委員長 米田 正文君
理事
金丸 冨夫君
谷口 慶吉君
天坊 裕彦君
吉田忠三郎君
委員
江藤 智君
河野 謙三君
木暮武太夫君
野上 進君
平島 敏夫君
村松 久義君
相澤 重明君
大倉 精一君
岡 三郎君
浅井 亨君
中村 正雄君
国務大臣
運 輸 大 臣 綾部健太郎君
政府委員
運輸大臣官房長 佐藤 光夫君
運輸省海運局長 若狭 得治君
運輸省船舶局長 藤野 淳君
運輸省鉄道監督
局長 廣瀬 眞一君
事務局側
常任委員会専門
員 古田善次郎君
説明員
日本国有鉄道常
務理事 石原 米彦君
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本日の会議に付した案件
○小委員長の選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○東海道新幹線鉄道における列中運行
の安全を妨げる行為の処罰に関する
特例法案(内閣提出、衆議院送付)
○運輸事情等に関する調査(日本国有
鉄道の運営に関する件)
○小型船海運業法及び小型船海運組合
法の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/0
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001・米田正文
○委員長(米田正文君) ただいまから委員会を開会いたします。
初めに、委員の異動について報告いたします。
六月十五日付をもって井野碩哉君が辞任し、その補欠として松好孝一君が選任され、本日付をもって松野孝一君が辞任し、その補欠として源田実君が委員に選任せられました。
なお、この際、源田君を航空、海難、路面交通事故対策に関する小委員に指名いたします。
また、六月十二日付をもって岡三郎君が辞任し、その補欠として椿繁夫君が選任され、同十三日付をもって椿繁夫君が委員を辞任し、その補欠として岡三郎君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/1
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002・米田正文
○委員長(米田正文君) ただいま報告のとおり、岡君が一たん委員を辞任したことにより、鉄道事故防止対策に関する小委員長が欠けておりましたが、この際再び岡君を同小委員長に指名することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/2
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003・米田正文
○委員長(米田正文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/3
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004・米田正文
○委員長(米田正文君) 参考人の出席要求についておはかりいたします。
航空、海難、路面交通事故防止対策に関する小委員会において、参考人の出席を求め、航空事故対策について意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/4
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005・米田正文
○委員長(米田正文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、その日時及び人選等については、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/5
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006・米田正文
○委員長(米田正文君) 御異議ないと認め、さよう取り計らうことにいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/6
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007・米田正文
○委員長(米田正文君) まず、東海道新幹線鉄道における列車運行の安全を妨げる行為の処罰に関する特例法案を議題といたします。
本案の質疑は前回の委員会において終局いたしておりますので、直ちに討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/7
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008・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 私は、日本社会党を代表して、本法作案に対し反対の討論を行なうものであります。
本法律案は、提案理由にも明らかなように、高速度で走行できることにかんがみ、これが安全確保に万全を期する必要があるとのことが一貫して流れている思想であります。しこうして、その底本的な考え方は、安全確保は処罰法を制定することによって確保できるという考え方に立っているのであります。わが党は、このような考え方こそ基本的に間違っているものであって、この法律案をもってしては決して政府が言う安全確保の万全を期することができないと考えるものであります。
すなわち、鉄道交通安全については、今日国民全体の社会問題だけに、全般の問題として取り上げるべきもので、しかも高速度走行のみを主としてとらえた特別立法などは、まさにつけ焼き刃的な手段であり、本質的には国民の負担にこたえる施策ではないと考えるのであります。新幹線ができたからといって、これだけについての法律制定は、法律論からしても、法体系上からも、誤りがあるのであります。すなわち、安全の度合い、速度の問題、危険度合い、危険率によって、それぞれ個々の法律を制定しなければならなくなり、そしてまた、機能と性格別に、たとえば今日最も危険率の高い国電関係特別法と、理論的にも法律を分類しなければならなくなる結果となるのであります。したがって、かかる見地から、私は鉄道業務全般から安全確保を論ずべきものだと考えます。もとより、鉄道業務の中で安全確保がおろそかにできないことは、機能条件の相違はあっても、全線区に必要であることは言をまちません。したがって、鉄道全般の安全確保の法律として今日鉄道営業法が制定されているゆえんもここにあると信じます。しこうして、本東海道新幹線につきましても、この法律のうち外にあるわけではなく、もし今日現行鉄道営業法に新幹線営業に伴って不備不足があるとするならば、当然改正をこの中でして、新幹線の特殊性を確立すべきものであります。しかも、今日幸いに鉄道営業法は、全面改正の方針のもとに、運輸大臣の諮問機関として臨時鉄道法制調査会が設置され、数回にわたって討議検討され、その作業が着々進行いたしている段階でもありますので、せっかくこの中において十分検討すべきものであると考えるものであります。
わが党は、私並びに同僚の委員をして、かかる立場から、本委員会において、法律案全部はもとより、各条文についてもそれぞれ指摘をいたしてきたところでありますが、現行法、すなわち鉄道営業法、刑法との関連、適用解釈についても、いまだ明確を欠くものが多々あるのみならず、各条文解釈、適用についてもきわめてばく然とした規定であり、具体的には、第二条三項の「そこなうおそれのある行為」、第三条一号「これに類する行為をした者」、第三条二号の「線路内にみだりに立ち入った者」等々は、特に犯罪の予防に名をかりて乱用、悪用の危険なしとしない。ひいては善良な大衆運動、労働運動の弾圧にも悪用される懸念が多分にあり、こうした事柄は、もしあるとするならば、憲法の精神にも反することは明らかで、わが党といたしましては断じて国民の名においても許してはならないものであります。
さらに、第四条の条文におきましても、ただ単に走行中の列車に「発射した者」と記載されているのみで、何々を発射した者との具体的な明文もなければ、処罰法でありながら、犯罪構成要件の具体性もはなはだ不明確であります。したがって、われわれは今日、これに類似する破防法、鉄道公安職員の職務に関する法律、道交法、公安条例等々で法の乱用、悪用によって多くの国民が刑事上の責任を追及されている点を最も留意しなければならないと考えます。いやしくも法律として処罰を規定する限りは、その内容を明確にして、これに類する等々の条文適用による犯罪の構成は、民主国家体制の中では断じて許されない行為だと考えるのであります。
以上申し述べましたが、結論として、わが党は、第一に国鉄の安全確保は本法律案のみにおいては万全を期しがたい。第二には、基本的に国鉄の安全確保は、鉄道営業法の全面改正が先決である。しかして、その間は鉄道営業法及び刑法の運用、適用で規制ができるその証拠は、明治三十三年来今日まで鉄道関係の犯罪の多くは一般の刑法と鉄道営業法を適用してきているからであります。第三は本法律案そのものの内容はきわめてばく然であり、場当たり的である。実施の段階では乱用、悪用の危険性を多分に有している。したがって、私は反対をいたすのであります。
以上をもちまして反対討論を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/8
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009・谷口慶吉
○谷口慶吉君 私は、自由民主党を代表して、本法律案に賛成するものであります。
本法律案は、本年十月一日より開業予定の新幹線の列車が時速二百キロメートル以上の高速度で走行できる能力を持っており、異常の際に急ブレーキをかけましても、なお列車が停止するまでには二千メートルの距離が必要であるとされております。また、かかる高速運転のため、万が一にも事故が発生いたしましたら、その被害のほどはきわめて悲惨なものが予想されるのであります。また、時速二百キロメートルをこえる高速度のため、運転方法も現在のものと異なり、自動列車制御設備等一連の運行保安設備による全く新しい運転方式が採用されているのであります。かかる高速運転と、新しい運転保安設備による列車運行に対しましては、現行の鉄道営業法などの規制のみでは運転の安全は期しがたいと信ずるものでございます。
本法律案は、以上申し上げますような理由により、新幹線の運行保安確保のため妥当なものと信じ、賛成するものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/9
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010・浅井亨
○浅井亨君 ただいま議題となりました東海道新幹線鉄道における列車運行の安全を妨げる行為の処罰に関する特例法案、この法案に対しまして、公明会といたしまして、次のような附帯決議をつけまして、そうして賛成いたしたいと思います。
次に附帯決議を朗読させていただきます。
以上の決議案を提出いたしまして、今日までこの内容については種々各委員から審議されたことでありますが、なお一そう、政府におかれましては、この点に多大な、また深甚な配慮を払って、そしてこの法案を完全ならしむべく推進していただきたい、このことを申し上げまして、私の討論といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/10
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011・中村正雄
○中村正雄君 私は本法案に賛成いたします。
現行の刑法なり鉄道営業法におきましては、東海道新幹線におきますような高速度の列車を運行することは予定されておらないわけでありますので、このような列車の運行という一つの新しい鉄道の技術の発達によりましては、これらに対しまする特例法をつくることもやむを得ないものだと考えております。
ただ、意見を申し上げますならば、列車の運行を妨げる行為の絶滅を期するためには、処罰を重くするということのみによって達成できるわけではありますせんので、これらの安全を妨げる行為をなくするように、設備の面において、あるいは宣伝、PR等の面において十分、本法の運用にかんがみまして、国鉄当局におきまして、それらの処置をとられますことを望んで、賛成の討論といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/11
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012・米田正文
○委員長(米田正文君) 他に御意見がないようでございますが、討論は終局をしたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/12
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013・米田正文
○委員長(米田正文君) 御異議ないと認めます。
これより採決に入ります。
東海道新幹線鉄道における列車運行の安全を妨げる行為の処罰に関する特例法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/13
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014・米田正文
○委員長(米田正文君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、諸般の手続は、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/14
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015・米田正文
○委員長(米田正文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
次に、ただいま浅井君の討論中に述べられました附帯決議案を議題といたします。右附帯決議案を本委員会の決議することに賛成の方の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/15
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016・米田正文
○委員長(米田正文君) 全会一致でございます。よって、本案は全会一致をもって委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、運輸大臣から発言を求められましたので、これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/16
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017・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) ただいま御決議になりました附帯決議の御趣旨、まことにごもっともと存じます。政府といたしましては、附帯決議を十分に尊重いたしまして、東海道新幹幹鉄道の運行の安全に万全を期してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/17
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018・米田正文
○委員長(米田正文君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/18
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019・米田正文
○委員長(米田正文君) 速記を始めて。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/19
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020・米田正文
○委員長(米田正文君) 次に、運輸事情等の調査に入ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/20
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021・相澤重明
○相澤重明君 先ほど東海道新幹線の列車運行の安全を妨げる行為の処罰に関する特例法が通過をしたわけでありますが、先日東海道新幹線においてまくら木が百十六本ほど焼けた、こういうことが伝えられておるんでありますが、その真相を私は発表してもらいたい。それからまた、それに対して、今後そういう場合にはどうするのか、どうしてそういうものを防ぐことができるのかという対策もあわせてひとつ御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/21
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022・石原米彦
○説明員(石原米彦君) ただいまの御質疑に対しまして、御説明申し上げます。
先般、六月の十目に、名古屋付近の笠寺の近くの山崎川と申しますところで、新幹線の橋まくら木が百十米余り燃えたのでございます。当時の状況は、工事人夫が三人で作業をしておりまして、風は西北の風十メートルというかなり強い風が吹いておりました。このまくら木は他のところは大部分コンクリートまくら木を使っておりますが、橋の上には木のまくら木を使っております。これは、ほかのところのまくら木と同じように、防腐剤としてクレオソートを注入したのを使っております。それが表面の油が燃え出しまして、風であおられて次々に燃え移ってまいりまして百十本余り燃えたという事故でございます。しかし、これは非常はまれなことでございまして、木のまくら木は現在のところ全部クレオソート注入油を使っておりますが、燃えたという例はございません。ほとんどございません。これは蒸気機関車の石炭のがらが落ちましてまくら木が燃え出したということはありますが、こういうふうに蒸気機関車でもないのに燃え出すということは非常にまれなことでございます。
それで、発火原因につきまして、警察とともにまだ研究いたしておりますけれども、はっきりいたしておりません。たばこの吸いがらであるか、あるいは作業中でございましたので、穴あけの作業をやっておりましたので、穴あけ作業の摩擦でありますか、どうもそこらは、いずれにしてもあまりはっきりそれらしい原因がないので、目下研究しております。それから、油の規格その他につきましても、合格品でございますけれもど、技術研究所におきましてさらに分析を加えまして、何らか異質のものであるかどうかといったようなことを研究いたしております。これらがもう少しいたしませんと原因がわかりません。ただ、危険状態という問題に対しましては、実はほとんど問題はないわけでございまして、その事故の直後に、軌道検測車という精密な検査をする車両がございますが、それを通しまして、線路そのものには異状がない。つまり、表面の油だけが燃えましたので、木の本質をいためるという問題ではないのでございます。したがって、直ちに新しい列車を動かしてもよろしいし、その表面だけ塗れば、そのまくら木をそのまま使えば使えるのでありますが、念のために取りかえたということでございます。しかし、これは実質的には危険は考えられませんが、今後あってはならぬことでございますので、原因につきましては徹底的に調べまして、善処いたしたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/22
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023・相澤重明
○相澤重明君 いま新幹線のまくら木の焼けたことについての経過報告があったのですが、本来高架線のところで使っているのはコンクリートのものでしょう。だから、まくら木として木のものを使っているのは、橋のところに使っているということになっているわけですね、いままでは。そうすると、橋上においてもしこのまくら木が燃えるというようなことになると、これは新幹線いくら速度が速いからといったところで、燃えているものを走って消すことができるかどうかということは、これはなかなか問題だろうと思う。そういうことで、いまの結果論として、まだ具体的な分析が出ていないから、私もよくわからないのだけれども、とにかく新幹線の必要なまくら木が百十本とか百十六本とか燃えたということは、そういうものを使った場合にどうなるかということも一つの研究課題ではないか。ですから、普通の路盤でコンクリートまくらを使ったならばわりあい心配ないのだけれども、橋のようなところにはどうしてもそれを使う、またそれを取りかえる場所もあるだろうというようなことを考えると、これは単にそういうことで心配はないのだというだけで私はやはり済まされないと思う。今後そういうことが再び起こっては困るわけで、またそういうことが起きたとするならば、それをどう早く防止するか、なくすようにすることができるかということを、そういうことをやはり研究してもらわなければいかぬと思う。もうすでに十日ということでありますから、一週間近くなるわけですから、これはやっぱり現場で、この新幹線開業を目前に控えているのに、こういう事故が起きたときにはどうしたらいいかということを私は心配するわけです。ですから、先ほどの法律のときにも、私は冒頭に申し上げたんですが、実際に国鉄当局がほんとうに要らない頭を、よけいな苦労をしなければならぬことが、そういう一つの問題であらわれてくるのだから、やはり緻密なひとつ計画のもとに、そういうことをなくするように、また心配がないということをはっきり示す必要があるだろう、こういうことで実は質問をしているわけなんです。趣旨としては、私としてもぜひそういう心配がないようにやってもらいた
いと思うのですが、そういう機関は、どこで研究をするのですか。いま言ったような、そういうまくら木が燃えた、あるいはそういうふうなものをどうしたらなくすることができるかというようなことは、どこで研究されるのですか。技術研究所ですか、どこですか。
〔委員長退席、理事谷口慶吉君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/23
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024・石原米彦
○説明員(石原米彦君) これは二つの問題がございまして、結局、火がどうして出たかという問題と、その火がどうして移っていったかという、二つの問題になります。それで、火が出たからということは、これは現地で警察と協力いたしまして調べることになりますが、むしろ単純な問題になると思ます。
それからこの油の問題につきましては、技術研究所内に化学の研究室がございまして、そこに専門家がおります。それでさらに分析を重ねまして、はたして普通のクレオソートと異質のものであったのか、あるいは普通の従来の別格に合格するものでもそういう現象が起こり得るのかどうかという点につきまして、専門の化学研究室が研究いたすということになります。
なお、普通のところはコンクリートのまくら木を使っておりますが、橋梁の上は鉄のけたの上にじかにまくら木をつけますので、コンクリートですと、レールからの力がつまりかたく伝わり過ぎましてかえってまくら木がつきませんので、弾力性のある木のまくら木を使わざるを得ないということになりますが、その上に、従来のように犬くぎでちゃんととめてございませんので、この間新幹線でごらんいただきましたように、大きな鉄の座を入れまして、その間にさらにパットを入れまして、十分面積を広くしてバネでかたくとめております。そういったようなとめ方をしておりますので、表面がちょっと焦げたくらいでは全然軌道の狂いというものには及んでまいりませんのですが、お説にもありましたように、万々一の問題があってはなりませんので、十分に専門家に研究させまして、今後そういうことが二度と起こらないようにいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/24
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025・相澤重明
○相澤重明君 これは結果論で、調べてみなければわからぬのだけれども、その生産の過程によっても若干違うのじゃないかという私気もするわけです。私、昔——昔と言うと語弊があるかもしれないけれども、昭和の初めに、品川の構内に、いまのまくら木に注入する油——それでまくら木の注入作業をやったわけです。この際にも、やはり研究した上で、いかにしてまくら木の腐蝕をとめるかということが目的であったわけです。これを長く使えるかという目的でそういうことをやったわけですが、これはまくら木を生産する場所によって木の硬質というものもあるわけですね。木によってまくら木の材料はだいぶ違ってくるわけです。あるいはその生産地帯によっても違ってくる。それから今度はそれをまくら木に、同じ長さに切って使用するにしても、いま言った油の問題についてもやっぱりこれは違ってくると思う。ですから、あまりいままで聞いたことがない事故が新幹線の中で起きたということについて、私はこれは奇異に感じておるのです。ですから、単に愛知のいまの笠寺ですか、そこの付近のものだけがそういう事態なのか、あるいは他の新幹線の中で橋梁関係に使うまくら木がそういうように対象的に考えられるものとすれば、私はこれはやっぱり研究しなければいけないと思います。ですから、そこの時点における燃えたということだけをとらえて、それで火がどういう形で出たかということと、そのまくら木がそこだけの問題ということでしぼるのでなくて、やはり全般的にこのまくら木の問題として私は研究する必要があるだろう、こういう点について、どこからそのまくら木は出されたのか、どこの出産地のものなのか、そういう点もひとつ研究してもらいたいし、それもひとつ資料として出してもらいたい。そういうことによって、鉄道技術研究所で研究した結果、これはもう異質のものが油の中に注入されておった関係でそうなったのか、それともそういういままでにないような例が起きる可能性があったという要因がわかれば、たいへん将来のために私いいと思う。そういうこともひとつお調べになった上、資料を御提出を願いたい、こう思うのですがね。委員長から資料要求してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/25
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026・谷口慶吉
○理事(谷口慶吉君) 委員長から石原常務理事に申し上げますが、資料の提出できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/26
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027・石原米彦
○説明員(石原米彦君) よろしゅうございます。研究が済みましたら、御提出申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/27
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028・相澤重明
○相澤重明君 新幹線のまくら木の燃えたことはそれで終わります。
それから、きょうは、これは委員長に聞くのですが、あと、さっき委員長から、内房線のお話をこれからやるのだという話なんですが、事故対策なんかについては、まあここに小委員長おるのだけれども、そういう日程なんかも委員長理事打合会においては考えたのですか。これは委員長のほうに質問なんですがね、今度は。もしきょうそういうことがきめておられなかったら、私は緊急にひとつお願いをしておきたいのです。
それは小委員長に、あとで委員長、理事打合会の結果、本委員会として一応きめておいてもらいたいのですが、できれば、これは運輸大臣がおりますから、運輸大臣にぜひ行ってもらいたいと思うのですが、東海道本線の、吉田さんが総理大臣のときに、大磯から自動車で国会へ来るの、いつも汽車の通過が長くて通行を遮断される、こういうことでワンマン道路というのができた、あの戸塚の駅ですが、戸塚の駅の泥縄というものは非常にたいへんなものです。そこで、単に駅の乗降客の混雑ばかりでなくて、自動車関係等交通問題を含んで非常にたいへんなものですから、できれば朝七時から八時のラッシュ時をひとつ大臣に恐縮ですが一緒に委員会として見てもらいたい。事故をどうしたらなくすることができるのか。これは実は戸塚の駅は戦前におきまして非常に大きな事故を起こしたところですが、カーブのところでもって死傷事故を起こしたいわれの土地ですが、幸いに最近は事故がないですが、非常に乗降客が多いわけです。交通も非常にひんぱんなわけです。そういうことで、私ども神奈川県の中で幾つかの最も交通ひんぱんな個所の中の重要な一つとして関心を持っているわけです。幸い本委員会でも非常に熱心な各委員の御討議をいただいておるので、この際本委員会としてひとつ現地調査をできればやってもらいたい。もし委員会として全部の人がなかなか行けないというならば、せめて事故対策でもいいから各委員の御協力をいただいて、事故の起きない前にそういう点を直していく、こういうことにひとつおきめをいただきたいことがあるので、大臣に御都合がついたら、もしどうしても行かれなければ鉄監局長に代理をしてもらい、国鉄は正副総裁のうち、もし総裁が土曜日で自宅へお帰りになったならば、月曜日の朝でけっこうですから、朝七時から八時までの間、東京へおいでになるとき、私どもお供いたしますから、ひとつ現地を見てもらいたい。総裁はちょうど通勤途上でありますからいいと思う。そういうことで、運輸省、国鉄御当局のひとつ特段の御配慮によって、でき得れば二十二日の月曜日の午前七時から八時まで、ワンマン道路ができたいわれの国鉄東海道線戸塚駅の朝のラッシュ・アワーをひとつ現地調査をしていただきたい、こういうことをお願いをしたいのですが、委員長、理事のほうで事故小委員会等の持ち方についてもしお打ち合わせがあったならばお聞かせいただきたいし、もしなければ、ひとつ私の提案をぜひ御了承いただきたいと思う。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/28
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029・谷口慶吉
○理事(谷口慶吉君) 私からお答え申し上げます。ただいま相澤委員の御要望の件につきましては、委員長、理事並びに岡事故対策小委員長と打ち合わした結果、御期待に沿うようにひとつしたいと思います。御了承いただけますか、よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/29
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030・相澤重明
○相澤重明君 ぜひそれじゃそういうようにお願いをいたします。
それから、きょう私は実は期待をしておったのですが、何か資料が手元に配付されるかと思ったのですが、運輸大臣、きのう国鉄の基本問題か何かのことで新聞発表がされておりますね。だいぶたくさんの鉄道新線建設とか、あるいは増強対策が発表されておって、二兆九千億ですか、二兆幾らか知りませんが、だいぶ新聞に大々的に出されておって、当運輸委員会で私ども常にお互いに、こうしたらいいだろう、ああしたらいいだろうという通勤通学輸送、事故対策、こういうことを叫んでおったのですが、私どもはまだ内容はよくわからなかったけれども、新聞発表されておるわけです。そこで、そういう新聞発表されておるなら、私ども内容を知りたいわけです。あるいは新聞のはどういうことなのか、よくわかりませんからね。ですから、ここでそういう資料を御提出いただけませんか、大臣。これは新聞に出ておったことだけで、あの新聞を見ろというだけでは、私どもやはり運輸委員会としては困るわけです。そういう点について資料を次の委員会に御提出いただきたいのですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/30
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031・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) きのう新聞にごく概要が出ておりましたのは、昨日の国鉄基本問題懇談会において、国鉄側が現在の時点において作成いたしましたごく素案でございまして、これをもとにいたしまして懇談会で逐次検討してまいる見込みでございます。したがいまして、今後どういうふうに変わるかわかりませんが、御参考に供するという意味で、この次の委員会に提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/31
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032・相澤重明
○相澤重明君 それから、岡小委員長がそばにいるのですけれども、小委員会の話は、先ほど申し上げましたように、いつになるかわかりませんから、国鉄当局に聞いておきたいのですが、先日小委員会で私からいろいろ資料要求したものについて、いつごろ出していただけますか。いくら国会といっても、資料がそろわないのでは困るから、いつごろ出せるのか、それもあわせて——事故対策の問題を含んでおりますから、いろいろ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/32
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033・谷口慶吉
○理事(谷口慶吉君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/33
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034・谷口慶吉
○理事(谷口慶吉君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/34
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035・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) 小委員会用の資料はすでに整っておりまして、すぐ間に合うようになっておりますので、至急提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/35
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036・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 この場合、運輸大臣にお尋ねしておきたいと思います。緊急のことですから、的確にこの間の事情を把握しておるかどうか存じ上げませんけれども、きょうの午後一時に新潟、北陸、山陰一体にかなりの地震が発生いたしました。この国会もかなりゆれておりましたが、その関係の地震がそこに非常に大きく影響したのではないかというように思いますが、私どもただいま受けた情報では、新潟、酒田が震度五でありまして、すでに電話は一切不通になっておる。市内ではもう二十六カ所ぐらい火災が発生をしていたり、あるいは駅前関係の大きなビルディングは倒れておる。加えまして、市内のガソリン・スタンドが六カ所ぐらい爆発した。すでに死者が十六名、二名は救出された等々のいまお話を承りましたが、こういう関係について運輸大臣どう把握をしておるか。とりわけきょうは運輸委員会ですから、電話が完全に不通だということになりますと、その連絡はなかなか得られないかもしれませんが、おそらくや、こういう事情の中では、私は鉄道もかなり被害をこうむったのじゃないかと思いますので、もし把握をしておりましたら、その概略をこの委員会で明らかにしていただきたい、こう思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/36
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037・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) 御趣旨のような事故があったことは聞いておりますが、ただいま吉田委員の指摘されたように、通信機関が途絶いたしておりますので、詳細は私といたしましては把握いたしておりません。わかり次第、当委員会その他を通じて被害状況その他について申し上げたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/37
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038・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 国鉄の関係について、監督局長どう把握しておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/38
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039・廣瀬眞一
○政府委員(廣瀬眞一君) 鉄道の被害につきましても、私どもまだ把握しておりませんので、至急情報を集めておる最中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/39
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040・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 鉄道監督局長は国会におりましたからそうだったと思いますけれども、国鉄の常務理事がおりますから、国鉄側としてはどう把握しておりますか。これは重大な問題ですから。社会的な問題だし。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/40
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041・石原米彦
○説明員(石原米彦君) たったいま国会係が電話で聞いたところをちょっと申しておりましたが、新潟地方とは電話通信が途絶しておりますそうです。それから新潟の駅前とか、水上、それから信越線の駅において陥没が起こっていて、列車運行が支障をしておるようなところがあるようであります。ただし、それらの詳細は、その程度の第一報をいま受けましたので、まだつかめておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/41
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042・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 ただいままでの大臣並びに関係者のお答えを承りますと、私が知った範囲よりまだ詳細に知っていないという事情ですから、これ以上求めようとしても困難だと思いますが、ぜひ鉄道の輸送関係については、法案もさることながら、この地方における私はやはり大きな民生上の問題にもなろうと思いますので、的確にそういう問題をすみやかに把握をして万全を期していただきたい、こう思います。
以上を申し上げて私は終わります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/42
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043・谷口慶吉
○理事(谷口慶吉君) 次に、小型船海運業法及び小型船海運組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案は、衆議院において修正されておりますので、この際修正点について便宜政府側から説明を聴取いたします。若狭海運局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/43
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044・若狭得治
○政府委員(若狭得治君) 衆議院におきます修正点について御説明を申し上げます。
衆議院におきます修正点は、自家用の船舶に関するものでございまして、本法が内航海運業法という事業法の形態をとっておりますために、同じく内航運送に従事いたしておりましても、内航海運業者の船舶あるいはその業務でなければこの本法の対象にならないわけでございますが、内航の需給関係の規制ということを中心の目標といたしております本法の運用にあたりましては、自家用の船舶につきましても必要な規制を行なうということが必要になってまいりますので、衆議院としてはその点を修正されたわけでございます。
具体的には、第二十五条の二といたしまして、総トン数二十トン以上の船舶であって、内航海運業の用に供する船舶以外のものを内航運送の用に供しようとする者は、あらかじめ運輸省令で定める事項を運輸大臣に届け出るということを規定いたしているわけでございます。また、届け出の内容を変更した場合にも、その変更した日から三十日以内にその旨を運輸大臣に届け出るということが一つでございます。
それから第二十五条の三といたしまして、運輸大臣は、改正法案の第二条の三第一項の規定によりまして船腹量の最高限度が設定されている場合におきまして、自家用の船舶の届け出があった場合におきましては、それが内航運送の用に供されることによりまして、内航海運業の健全な発達が阻害され、内航運送の円滑な運営に著しい支障が生ずるというような場合には、その届け出をした者に対しまして、最高限度を設定した期間中の一定期間を限りまして、当該届け出にかかる船舶を内航運送の用に供しないように求めることができるという改正でございます。
なお、この修正に関連いたします附則におきまして、経過措置を定めているわけでございます。
以上が衆議院における修正点の内容でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/44
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045・谷口慶吉
○理事(谷口慶吉君) 本案の質疑は次回に譲り、次回は十八日午前十時から開会の予定とし、本日はこれにて散会いたします。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X03119640616/45
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