1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年六月四日(木曜日)
午後一時二十六分開会
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委員氏名
建設委員
委員長 安田 敏雄君
理事 石井 桂君
理事 稲浦 鹿藏君
理事 増原 恵吉君
理事 瀬谷 英行君
天埜 良吉君
岩沢 忠恭君
小沢久太郎君
熊谷太三郎君
小西 英雄君
小山邦太郎君
田中 清一君
高橋進太郎君
村上 春藏君
小柳 勇君
田中 一君
武内 五郎君
中尾 辰義君
田上 松衞君
村上 義一君
地方行政委員
委員長 竹中 恒夫君
理事 石谷 憲男君
理事 西郷吉之助君
理事 西田 信一君
理事 松本 賢一君
井川 伊平君
上林 忠次君
熊谷太三郎君
沢田 一精君
館 哲二君
鍋島 直紹君
松野 孝一君
鈴木 壽君
千葉千代世君
林 虎雄君
松澤 兼人君
光村 甚助君
辻 武寿君
基 政七君
市川 房枝君
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出席者は左のとおり。
建設委員
委員長 安田 敏雄君
理事
石井 桂君
稲浦 鹿藏君
増原 恵吉君
瀬谷 英行君
委員
小沢久太郎君
熊谷太三郎君
田中 一君
武内 五郎君
中尾 辰義君
田上 松衞君
村上 義一君
地方行政委員
委員長 竹中 恒夫君
理事
石谷 憲男君
西田 信一君
松本 賢一君
委員
沢田 一精君
館 哲二君
鈴木 壽君
林 虎雄君
辻 武寿君
市川 房枝君
国務大臣
建 設 大 臣 河野 一郎君
自 治 大 臣 赤澤 正道君
政府委員
経済企画庁水資
源局長 崎谷 武男君
建設政務次官 鴨田 宗一君
建設大臣官房長 平井 學君
建設省河川局長 畑谷 正実君
自治政務次官 金子 岩三君
自治省行政局長 佐久間 彊君
事務局側
常任委員会専門
員 鈴木 武君
常任委員会専門
員 中島 博君
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本日の会議に付した案件
○河川法案(内閣提出、衆議院送付)
○河川法施行法案(内閣提出、衆議院
送付)
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〔建設委員長安田敏雄君委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/0
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001・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) それではただいまから建設、地方行政委員会連合審査会を開会いたします。
先例によりまして、私が連合審査会の委員長の職をつとめさせていただくことを御了承願います。
それでは、河川法案、河川法施行法案を議題といたします。
両案に対し質疑のある方は、順次御発言をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/1
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002・鈴木壽
○鈴木壽君 大臣にお尋ねをいたしますが、今度の河川法は、従来からの——従来といいますか現行の河川法をほとんど全面的に書きかえたような形になっておるわけでありますが、最初に、現行河川法がなぜ改正されなければならないのか。改正すべき積極的な理由は何か。この点をひとつ明らかにしていただきたいと思うんであります。確かに、現行河川法は、成立をしましてから約七十年にもなる。したがって、時代のいろいろな要請にもこたえることができないというようなことがいわれておりまして、その限りにおいては、私どもも、改正をするということに対して別に異議があるわけではございませんが、この河川法案の提案理由の説明、これを見ましても、一体いかなる点をどう改正をしなければならないのか、はっきりつかみづらいところがあるものですから、その点をひとつ明らかにしていただきたいと思うのであります。
で、提案理由の説明の中に、まず第一にこうだと、第二にこうだと、こういうふうに大体三つに分けて述べられておるわけでありますが、この第一、第二、第三、これがおそらく現行河川法を改正をしなければならぬという積極的な理由、新しい河川法をつくらなければならぬという積極的な理由であると思うのでありますが、この点につきましてもう少しく具体的にお話をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/2
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003・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) お述べになりましたように、現行法自体が非常に違った時代につくられた法律であって、その後、時代の変遷非常に急なるものがあり、非常に長期にわたっておりますので、何と申しますか、政治をいたします上におきまして、行政をやってまいります上におきまして、川、水というものに対する行政面が変わってきた、しいて申しますれば、水防、災害対策というものに非常に重点を置かれておりまするかつての時代が、今日におきましては、治水と利水という両面から川を考え、水を考えなければならぬ時代の変遷がある。さらに申しますならば、利水に重点を置いて、治水はその範囲内においてこれを処理するというところまで、理想は進むべきだという、そういう時代の変遷を考えますときに、われわれといたしましては、現行河川法をもっていたしましては、これら時代の要求に浴うことが困離である、あまりにも河川法がこれらの問題を処理する上において不備であるというような面からいたしまして、ここに河川法の改正を思い立ったのでございます。むろん、いろいろな角度からいろいろな理由はございます。しかし、基本として考えますことは、いま申し上げた点だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/3
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004・鈴木壽
○鈴木壽君 基本的な考え方をいまお述べになったわけでありますが、確かに現行の河川法が、どちらかといえば、治水の面において重点が置かれておるというようなことは、これはそのとおりだと思うのであります。したがって、新しい時代に即応するような利水の面というものを——ことばはそのとおりじゃなかったのでありますが、重点的に考える、むしろ先行させて、そして治水の面を考えていいのじゃないか、そのためには現行の河川法というのは、それにそぐわないものである、こういうお話なんでございます。一応その限りにおいては、私も了解できるわけでありますが、さっきお尋ねをしましたように、私は、ここにあげられておりまする、第一、第二、第三と、こういう大きな三つの柱と申しますか、考え方、これをもう少し具体的に実はお聞きしたかったのであります。で、第一に、「現行憲法の制定に伴い、国の行政及び地方制度に大幅な変革が加えられましたが、このために従来の制度を前提とした河川の管理制度について、」云々と、こういうふうにあります。具体的にどういうふうなのがいけないのか。管理制度あるいは管理方式、ここには「河川管理方式の近代化」ということが述べられておりますが、一体、具体的にどこがいけないのか。近代化とは一体何か。どうであれば河川の管理が近代化されたということになるのか。こういう点についての説明をはっきりひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/4
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005・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) 御承知のように、世をあげて広域経済を主張し、広域行政を主張しております。行政の範囲は、なるべく広く大きく強力にということで、世界の情勢に対処してやるということが必要であることは申すまでもございません。そういう意味から申しまして、現行の自治制度のもとにおきまして、河川の管理、一つの水系をこま切れ的に管理してまいりますために一貫性を欠いている。利水の面においても、そのためにばらばらになっているというようなことは適当でないという意味から、そういうことを申しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/5
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006・鈴木壽
○鈴木壽君 新しいここで言われておりますいわゆる「河川管理方式の近代化」ということは、いまお話によりますと、現行の自治制度のもとにおける、水系ごとのばらばらな管理をしなければならぬというものではなしに、もっと一貫をした管理方式をとる必要があるということでございますね。そういたしますと、一貫した管理方式ということは、一体だれが管理権を持てば一貫した管理方式がとれるのかどうか。現行のものでいけないとすれば、管理権というものを国のほうに持ってきて、まあ所管大臣である建設大臣がそれを握ってこれをやれば、それが一貫した管理方式になる、先ほどお述べになったような広域的な経済、あるいは広域行政、そういう要請にこたえることができるんだ、こういうお考えなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/6
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007・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) まあ別に申し上げることもないと思いますけれども、私は、まさにそのとおりなんです。現行河川法におきましては、御承知のとおり、水防の上において重要な点を指定してこれを国が管理している。御承知のとおりです。水利権等においても、川の管理については、国が指定してそこを国が治水をする、ある一定の区間を。同じ利根川でも、利根川のどこからどこまでとばらばらにやっているということで、治水の面においても一貫性を欠いている。同様にまた管理の面におきましても、利根川一本考えましても、群馬県から始まってずっと川下の千葉県に至るまで、各県が各様にこれを管理しているということのために一貫性を欠いておりますから、いろいろな面において不便が起こっている。水の利用の面におきましても、非常に繁雑な面があるというようなことでは、新しい時代の川の管理、水の利用という面から支障がありまするから、これを必要のある重要な河川につきましては、国が一括してこれを管理するほうが適当であるという意味において、この河川法を制定したいと考えているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/7
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008・鈴木壽
○鈴木壽君 現行の管理権の所在が知事にあり、各県ばらばらに一本の河川といえども分断されたような形で管理されているんだ、だから治水の面においても、あるいは利水の面においても、一貫した対策がとられないということのようであります。具体的に大臣、いまのように群馬県とか、あるいは千葉県とか、まあいろいろ言われておりますが、具体的にひとつ例をあげていただけませんか。どうしていまのように管理権が知事にあるような形においてばらばらになり、治水なりあるいは利水のいろいろなやり方がうまくいかないんだという、そういうことをひとつ例をあげていただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/8
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009・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) いま申し上げましたように、これは同じ川を流れる水は同じ水が流れます。ところが、その川の堤防を、これをいかに治水してまいるかという面におきましては、県ごとにおいてこの治水計画は立てられております。そこに一貫性はございません。したがって、私は、これでは完全な治水ができぬじゃないか、ことにそれが一たん重大な場面が起こった場合に、隣の県で堤防が切れても下の県に害を及ぼすというような場合もあるわけでございます。現に利根川におきましては、利根川沿岸の各市町村が一体になって利根川治水組合をつくってこれに当たるというようなことで、そういうふうなことまでやらなければならぬ不便をあえてしているわけでございます。したがって、これが指導もしくは計画等においては、当然国において一貫性を持ってやったほうが適当である。また、そういう御要望がありますことは申すまでもないことでございます。私はぜひそうやりたい、また、利水の面から申しましても、御承知のように、東京の水道の水をどうして持ってくるかというような場合におきましても、大所高所からこれが判断をして、そうして決定してまいるということでございますれば、非常に円滑にものが処理できる。にもかかわらず、従来とかくこういう問題を進捗いたします上に、いろいろな面からものの運びが手間どっている。そのために思わぬ御迷惑をかけておるというような事例は私は非常に多い、こう思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/9
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010・鈴木壽
○鈴木壽君 治水の面あるいは利水の面でやや具体的に例をあげておっしゃっておりますが、これは、あとでももう少し私のほうでも具体的にお聞きをいたしたいのでありますが、その知事が管理権を持っているために、ばらばらに治水対策なんかが行なわれておるのだ、あるいはまた、利水の面におきましても、利根川の水をたとえば東京に持ってきたいと思っても、なかなかうまくいかないのだ、こういうお話のようであります。知事が行なう河川の工事等、これはひとつ私は例として取り上げてみたいと思うのであります。ばらばらだとは言っても、これは知事がかってに、自分の県の区域にあるそれを他と何らの関連なしに計画を立て、仕事をするということではないのですね。知事の行なう大きな川のことで申し上げますと、河川工事というものは、もう国の一つの計画、こういうものを土台にして、それに従って工事は、あるいは場合によっては全部一挙にかかるというようなことでなしに、個所ごとに行なわれるわけでありますが、その個所ごとに行なわれるのであっても、これはすべての点で建設大臣の査定を受けなければなりません。実設計というものをちゃんと建設省で見ているのですね。国の方針に反してかってに仕事を進めたり、あるいは工事をしたり、あるいは場合によっては工事をしなかったり、こういうことは現在ないと思うのですね。そうしますと、ばらばらに行なわれておるということになりますと、ばらばらに行なわせておったのは、これは建設省だということになる。ちょっとした仕事でも、いま言ったように、これはあなたの手にまでいかないかもしれないけれども、建設省でみんな査定をし、それに基づいて金を出すべきものであれば金を出し、工事をさせておるのです。しかも、その計画は、先ほど申しましたように、建設省が定めた治水あるいは治山の計画に基づくそういう工事であるわけなんです。知事が管理権を持っているということでなしに、いま言ったように、ばらばらのものがもしあるとすれば、管理権を持った知事の責任ではなしに、これは全体として見ている建設省の責任になりますよ。この点、もし地方で計画に従わない河川改修なり工事なり災害復旧なり、そういうものをやっておるのだというのでしたら、ひとつ具体的に例示していただきたいと思いますし、反対にまた、国の計画なり方針と著しく違ったとんでもないというような、そういう工事をもし行なっておるとすれば、これもひとつ明らかにしていただきたいと思うのですが、それはどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/10
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011・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) 堤防の場合ですと、直接われわれも目に触れる個所が少ない。鈴木さんも堤防を見てお回りになることがわりあいに私は少ないのじゃないかと思うのです、失礼な申し分ですが。道路の場合だとよくおわかりになると思います。道路も同様です。道路も同様でございますが、現に道路を自動車でお歩きになって、これは一級国道、これは二級国道だ、が補助しているのだ、計画しているのだといってお歩きになって、一体道路に一貫性がございますか。広いところもあれば狭いところもある。どうして一体二級国道であんな広い二級国道があったり、どうしてあんな悪い二級国道があったりするのでございましょう。道路ならばよくおわかりになると思います。堤防も同様でございます。従来は知事に管理権があって、一貫性が一体あったかなかったかということは、道路の場合でお考えいただいたら、いまの御質問には、私は堤防でお答え申し上げるより、道路も同じでございますから、道路は始終お歩きになって、これが二級国道だと、これが一級国道だという区別さえおわかりにならぬ。これはやはり一体、道路局でちゃんと指導してやっておるのでございますが、予算は県のほうで予算をつけて、国のほうに、ここをこういうふうにしたい、ここをこうやりたいということは県のほうから持ってまいります。そこで、国のほうで、これに対してこれだけの予算があるから、それじゃこことこことこれだけは改修計画をしようじゃないか、これは御承知のとおりでございます。その間一貫性がございません。金のある県、金のない県、どんどんやりたがる県、やりたがらない県、それを、県の予算がないものを無理に絶対にやれと押しつけるわけにはまいりません。そんなことをしたら自治省さんからどんなに小言を言われるか、それは御承知のとおりでございます。これは、そういう意味において府県と中央との間には十分調整をとりつつ——そうは申しましても、こちらからも御要望も申し上げます。この辺はもう少しやってもらわぬと困るのじゃないかという場合もありますが、おのずから限界がございます。県の予算がないというので、何でもおまえのところ、これだけの川をやらなければ切れてしまうじゃないかと、無理に押しつけることは、これはできません。そういうことでございますから、いまお話しのように、おまえのほうでちゃんと計画を立ててやろうと思えばできるじゃないか、やった例があるかないか、まあそうあらたまっておっしゃられますと、私のほうでもあらたまって申しにくいのでございますが、現に自動車で歩いてごらんになれば、秋田から東京まで自動車に乗っていらっしゃったら、どこの県は悪いか、今度はどこの県に入ったら道路がわりあいにいいか、どこの県が悪いか、この知事は道路が好きなんだろう、きらいなんだろうということはよくおわかりいただけると思います、同じ東北でも。そういう県が、私も方々歩いておりますが、たくさんございます。県会議員さんにいいのがおるところの道路がよかってみたりというようなことが、建設大臣としては公平にやっておるつもりでも、地方に熱心な人がおられるのとおられないのでは、道路が違う、堤防が違うということはやむを得ぬ。そういうものでは水系の場合には非常に困りますから、重要水系については一貫して、いま現に建設省で一貫した、水系に対しての、利根川ならば利根川についての一定の水防の計画というものを立てて、そうして堤防についてこういうふうにして、ああいうふうにして——それは直轄の区域についてはある程度やっております。しかし、全体についてのそういうようなものなしに、知事さんにおまかせしておる。ばらばらになっておるのじゃよろしくないから、重要河川については一級河川として、国はこれが治水、利水の面をひとつ指導していくようにしたいという前進した行政を考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/11
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012・鈴木壽
○鈴木壽君 いま道路の例をとって、まあ何といいますか、おまえ、それをよく考えたらすぐわかるじゃないかというお話でありますが、道路の場合でも河川の場合でも、たとえば確かにこれで一級国道かと思うようなところもありますし、二級国道かと思うようなところも確かにお話しのようにあります。秋田から東京までまっすぐに来たいと思っても、遠回りをしなければならぬというのがいまの国道の状況なんであります。お話しのとおりであります。しかし、それは確かにそのお話しのように、そういうような状況になっておりますし、また、各府県における財政の問題なり、いろいろな問題がありますけれども、たとえば県と県との境の、いまあなたは秋田——東京とおっしゃったから申しますが、山形と秋田の境の道路、こういうような場合であっても、これは地元としては一日も早くやってもらいたいのだけれども、なかなかやってくれないというのが、これは県の責任でなしに、建設省でなかなかこれに金をつけてくれないということなんです。部分的にやっておるということも、県のもちろんいろいろな要望もあるでしょう。しかし、建設省が一貫してやれるような金のつけ方をしてくれということなんです。河川だって同じことですよ。だから、確かにばらばらになっているということは、それはそうだけれども、それとじゃ国が管理権を持ってやればいまのようでなしにきちっとそれこそ一貫してやれるかというと、私はそう簡単なものじゃないと思うのですね。ですから、今回の新しい河川法のねらいが、現行の河川法に規定あるように、河川の管理権は知事が持つのだということに対して、一級河川というものを指定をして、それは建設大臣が管理権を持つのだということにしようとする、その事実はわかりますが、そのそうしなければならぬという考え方にどうも私はまだ納得できないものがあるわけなんであります。第二、第三にあげております水系を一貫した全体計画に基づいて、治水事業はもちろん、利水の面でもそうした総合的な利用と開発ができるようにしたい、こういうことについてはわかりますのですが、先ほど来お尋ねをしておりますようなこの第一の問題になりますと、どうも少しこれは実際に行なわれておる仕事等からいたしてみましても、あるいは一体管理権というものはどこにあったほうが適当であるのか一妥当であるのかという、こういうことからいたしましても、私は問題があると思うのですがね。
そこで、具体的にもう少しお聞きしてまいります。一級河川と二級河川に分けて、今度は一級河川は建設大臣が管理をする、二級河川は知事に管理をさせるこういうたてまえをとることになっておるんでありますが、この第四条でいう「一級河川」というものを指定する場合に、この指定の基準と申しますか、これは一体どういうことになっておりますか。それをひとつ。これは大臣でなくてもけっこうでございますから、それをまずひとつお聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/12
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013・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) この第四条に書いてございますとおりに、「一級河川」とは、国土保全上文は国民経済上特に重要な水系で政令で指定したものに限る、こういうことになっております。この一級河川というものは国土保全上、国民経済上、特に重要なものにつきまして都道府県知事の意見を聞き、河川審議会の意見を聞きまして、それを決定する、具体的な基準というものはまだございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/13
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014・鈴木壽
○鈴木壽君 そうすると、まだあれですか一あなた方の考え方としては、どういうものを指定するかの政令の具体的な内容と申しますか、基準と申しますか、こういうものは立てておらないということなんですか。そういうものを一切あげて第二項にある「制定又は改廃の立案をしようとするときは、あらかじめ、河川審議会及び、関係都道府県知事の意見をきかなければならない。」と、こういうことがありますから、白紙の状態でこういうものに臨むと、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/14
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015・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) 御承知のとおり、一級河川を何本どことどこの川をつくるかということは、予算に非常に重要な影響がございます。したがいまして、大ざっぱに申しますと、現に持っております予算、河川水防予算という程度でございますと、おおむね三十河川くらいの程度を直轄する程度にとどまると思います。ところが、重要な河川は、御承知のとおり、わが国におきましてはおそらく百幾つを数えると私は心得ます。したがいまして、順次これらのものを一級河川にしていかなければならないと思います。ということでございますから、私どもといたしましては、なるべく財務当局と交渉いたしまして、予算の編成等にあたりましてこれらの実情を明らかにして、そうしてなるべく多くの川を一級河川に指定してまいりたい。そうして順次河川の改修をやり、もしくは治水の完ぺきを期して、順次数をふやしていきたい、こういうつもりであります。それには河川の重要性によって順次段階をつけていく、こういうつもりでありまして、いまどこの川ということは、明年度予算をどの程度にきめるかということによって、おおむね何本くらいの川がいけるだろうということをまず第一にきめたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/15
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016・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/16
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017・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) 速記を始めてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/17
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018・鈴木壽
○鈴木壽君 いままでやっておる建設大臣に対するお尋ねとちょっとまた急に変わるようでぐあいが悪いのでありますが、大臣出席の都合でやむを得ませんから、ちょっと自治大臣のほうへお尋ねをいたします。
いま建設大臣は、現在のように現行河川法による河川法による河川管理権が知事にあることによって、治水の対策も、あるいはまた利水の面においても、みんなばらばらに行なわれておると、一貫したものが何もないんだ、しかも、これは河川だけでなしに道路の問題なんかも同様だと、こういうようなことを御答弁なさって、だから、建設大臣が河川の管理権を持って一貫した対策を講ずる必要があるんだということを強調しておられるのでありますが、確かに一部でいま建設大臣が述べられたようなこともいわれておりますが、自治大臣として、河川あるいは道路のいわば一貫した対策が講じられておらないこういう現状を、知事が管理権を持っておるがゆえに、そのようなことに当然なるんだというようにお考えなのかどうか。この点きわめて大事な問題だと思うわけでありますから、それをひとつ最初にお聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/18
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019・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) それも一因だと思います。私途中から参りまして、河野大臣がどういう御答弁であったか存じませんが、私ども、いつも鈴木委員とも地方行政委員会でいろいろ質疑また答弁などいたしております。私は自治省を担当しておりますし、大体地方自治、住民自治という基本的な憲法できめられてある精神というものを守っていくことを主体にしていろいろな行政をいたしておるわけでございます。その立場から申しますと、やはり行政の便宜上、国の縦割り行政がずっと末端までしみ込んでいくという、これはものによってはいたし方のない面もあるかもしれませんが、できるだけ住民の自治にゆだねたいという基本的な考え方を持っております。そういうことから考えますと、私ども、今日いろいろ考えさせられる問題がありますが、ただいま地方行政委員会に御提案願っております例の地方行政連絡会議法にいたしましても、やはりそういったことも意味がありまして、私どもはぜひ早く通していただきたいということを申しておるわけでございます。
で、水の問題、道路の問題はなかなか——川も、川によりましては昔から水争いで人死にがあっちこっちであった事実にかんがみましても、住民の日常の生活と密着しておるわけでございまして、それを河川行政の上から国で一本で扱うということについても疑問がありまして、御案内のとおり、河川法だげだって、これを計画いたしましても日の目を見るまでには実に長い歳月がかかったわけでございます。まあ現大臣になりましてから割り切られまして、ああいうふうに日の目を見たわけでございますが、にもかかわらず、地方的ないろいろな要請がございまするので、やはり地域住民の満足もさせなければなりませんし、非常に困難な問題が随所に出てくることが予想をされるわけでございます。いずれにいたしましても、これはなかなか長年の懸案でむずかしい問題でございまするので、少なくとも現行河川法がもうすでに施行されております現段階におきましては、やはり自治行政を担当する者といたしましては、極力摩擦を避けるということに全力を尽くさなければならぬと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/19
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020・鈴木壽
○鈴木壽君 どうも遠慮されておるのか、少し歯切れが悪いようですね。
私がお尋ねをしているのは、まあ河野さんの答弁されたことも、私いま申し上げましたのですが、こういう形でこの管理権の問題を考えていいかどうかということなんでありまして、地方自治といいますか、あるいは地方の行政についての責任を持っておられる、いわば地方自治を推進する立場にある自治省として、こういう問題についてどう考えるかということを、私はきわめてやはり明確にしておいていただかなければいかぬと思う。私は、河川の管理ということは、これは理屈めいてはなはだ恐縮でありますが、説教するつもりじゃございませんけれども、あらゆる面についてのいわば総合的な一つの行政だと思うのです、河川行政というのはですね。さらにまた、府県の行政というのは、総合的な河川行政を含めたもっと広い意味での住民のいろいろな生活に密接に結びつく問題を処理するための総合行政であると思うのであります。その場合に、河川行政の持つ役割りというものは、私非常に大きいと思うのです。ただ、水だ、川だ、堤防だということだけでなしに、いまは河川そのものはもうあらゆる面に、われわれ住民の生活のあらゆる面にわたって関連しておる問題であり、さらに、そういう関連しておる問題を処理する法律、あらゆる法律に関係してくる問題になってきておるのであります。ですから、その府県における何といいますか、総合的な行政の私は非常に太い大きな柱の一本であると思うのです。しかも、それは河川が、その管理権を知事が握っておるというところに、それを前提にして行なわれ、組み立てられておる、こういうことなんでありますから、いわば柱になる、中心的な柱である太いささえをいま取って国のほうへ持っていこうという、こういうことを、私は、少しことばが過ぎるかもしれませんが、地方における総合行政の破壊だと、それに通じるというふうに考えざるを得ないと思うのでございますが、そういうことに対して、自治大臣としては、先ほど申し上げましたように、地方の自治あるいは地方の総合的な行政というものをできるだけ推進し、そういうことに対してまた大きな責任を持っておる自治省の大臣としてどういうふうにお考えになっておられるのか、こういうことを私端的にお伺いしたいわけなんであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/20
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021・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) 全く同感でございます。しかし、川によるわけでございまして、全部の川を建設省が管理するというわけではないわけですが、やはり別の観点からすれば、川によってはそれを総合的に処理をしたほうが国全体の産業立地的に有利である、また、水の問題はもう大昔から、徳川幕府、まだそれをさかのぼってそれより前から、いろいろな権利関係がからみ合っておるわけでございまして、何か河川を高度に開発して、そして産業の伸展に役立たせなければならぬ場合でも、ときにはつまらぬ所管争いでそれが実行に移せない、国全体にマイナスになっておるという面もなくはないわけでございまするので、やはり建設省側としても言い分があることは承知いたしております。
しかし一自治省としては一基本的にいま鈴木委員が御指摘の考え方に立っておりますが、川によっては万やむを得ず譲歩せなければならぬことはやむを得ないのではないか、かように判断しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/21
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022・鈴木壽
○鈴木壽君 建設大臣おらないのでちょっと都合が悪いのですが、いま大臣もお答えになっておりましたが、あなたのおっしゃる、ものによっては、あるいは川によっては、といいますか、全部でなくて川によっては建設大臣が管理権を持つということもやむを得ないのではないか、こう考えると、こうおっしゃっておりますが、全国の川のうち百本以上を、逐次管理権を建設大臣が持ってやっていきたい、ただ現時点で、財政上の問題もあり、にわかにすぐそういうふうにはならぬけれども、したがって、いまの段階で指定するのは何本であるか、これはまだ聞いておりませんが、数は少ないかもしれぬけれども、やがては百本以上の川にそういうふうにやっていきたい、こういうことなんです。ですから、これは中には、ものによっては、川によってはやむを得ないものもある、譲歩せざるを得ないというようなことでは済まされない問題だと私は思うのですが、あなた一人だけでは……。いま言ったように、そこら辺もう少し大臣にお聞きしてからあなたの考えを聞けばいいと思うのですが、まあしかし大臣おりませんから、あなただけにお答えをいただくのだが、そういうことになりますと、いまの日本の国内の川、これは何千あるか、何万あるか、小さい川まで入れればやたらと数知れずあると思うのでありますが、百本以上となりますと、これは一府県に二、三本ずつが建設大臣の所管のもとに、といいますか、管理権のもとにやられる、こういうことになると思うのです。そうすると、一府県の平均まあ二本なら二本と、こういうふうにいたしましても、その二本の川というのは、しかもいずれも大きな川で、地域住民にとって、さっきも言ったように、至大な関係を持つ川なのであります。さらに、そういう川の管理を中心にしながら、先ほど触れましたように、知事は自分の区域のいわば総合的な行政をやっていく、こういうことになるべきその川が、みな管理権がこういうふうになってしまうと、私は非常に問題だと思うのです。単に権限争いでその権限をだれが持つとかいう事柄でなしに、実際いま言ったような地方の行政の問題として、私はこれはたいへんなことになってくるだろうと思うのです。そういうことに対して、あなたの言うやむを得ざるものはどの程度考えていらっしゃるのか、これをひとつお聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/22
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023・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) 河野大臣がどういう発言をされたか存じませんが、いま局長に聞いてみますと、将来はまあ百本あるいはそれ以上になるかもしらぬと言われたようでございます。私はたかだか二、三十本、日本は残念ながらアマゾンやミシシッピやナイルみたいな、ああいう水量豊富なりっぱな川がありませんので、日本で利根川だ何川だと数えてみたところで、百本といってもどこのクラスまで入れるのか、私にはちょっと見当がつきません。おそらくそういうことまでなさる必要はないのではないか。実際は国の総合開発的な見地からぜひ河川行政を一本化したいと熱望される川はそうたくさんないのではないか。あればけっこうだと思いますが、ネズミのしっぽみたいな川をそれぞれ建設省の所管といったところで始まらないと私は思うわけです。しかし、実際は政令にゆだねられておるはずであります。その点は、一級河川のうちでまあおもなものからおそらく建設省は所管なさるおつもりではないか。しかもそのつど、政令にゆだねてあります限りは、関係の各省にも協議もいたしましょうし、そうしてこれが、ただいま申しましたように住民との生活に密着しておる度合い等も、われわれのほうではよく主張いたしまして、そうしてやはりどの河川をこれに入れるかということについては、十分また意見を述べなければならぬとも考ておりますし、また、地方行政連絡会議法などでも、国の出先機関と当該自治団体とは、そういう問題についても協議の場が今度つくられるわけでございますので、そういう点で十分地方自治の精神をくずさない考えでこの問題に対処していかなければならぬと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/23
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024・鈴木壽
○鈴木壽君 確かにこの法律では一級河川の指定は政令で行なうことになっておるわけであります。しかし、その政令の制定の段階で関係官庁に相談があるだろうと、こういうようなことをおっしゃっておりますが、この法律では、そういう相談をしたり意見を聞いたりすることは何もなくなっていますね。四条二項は、「建設大臣は、前項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、あらかじめ、河川審議会及び関係都道府県知事の意見をきかなければならない。」ということで、関係各官庁のまあ例をいうと、あなたなり、あるいは関係する農林省なり、あるいは企画庁なりというものの意見を何も聞くということは出ておりませんね。あなたは、そういうことを相談があるだろうということを期待しておりますが、相談なしにやれるのです。知事の意見は聞く、河川審議会の意見は聞く、こういう手だては一応行なうようでございますけれども、あなたと相談するということは何もありませんよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/24
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025・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) でなくて、政令はすべて内閣で、閣議できめるわけでございますので、そういった意味で、ものを言う機会はあるわけでございます。しかしながら、事前にはものが言えないわけではございませんので、自治省としては、先ほど申しましたような意味で重大な関心を持っておりまするので、御心配ないように取り運びたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/25
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026・鈴木壽
○鈴木壽君 御心配ないようにといって、まあどの程度心配させないつもりなのか、ちょっとわかりませんが、自治省の事務次官と建設省の事務次官との間に覚え書きが取りかわされておりますね、河川法についての。あなた御存じでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/26
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027・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/27
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028・鈴木壽
○鈴木壽君 これを見まして、私実はいまのあなたの御答弁にも関連をしますからお聞きしたいんですが、第九条の二項については自治大臣に協議するという取りつけができている。指定区間の問題につきましては、この条文の中には自治省とか何とかというものにないのでありますけれども、あなた方の覚え書きの中には、あらかじめ自治大臣に協議をするんだということがうたわれてある。しかし、肝心の——これは一級河川として指定した、そして建設大臣が管理をする、その河川の部分的な区間の指定の問題だけですね。これはそれを知事にゆだねる場合の規定であり、それでまた、それに基づくところのあなた方の覚え書きなんでありますが、肝心の一級河川の指定というものについては、あなたは事前に話し合う機会があると、こうおっしゃるんだけれども、法文からいっても、あるいはこのあなた方の覚え書きからしても、これは何もそういうところに触れられておらない。なぜ肝心なこういうことについてはおやりにならなかったのかと私は思うんですがね。あなたのおっしゃるように、心配ないんだと、こういうことになりますかどうか、あらためて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/28
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029・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) 御心配なさらないようにいたしますと申し上げた意味は、政令、建設省で起案してそのものが閣議にかかるわけではございませんので、事前にやはり関係各省の事務段階で十分検討いたしまして、その結果が建設省から閣議へ提出をされるものと私は承知しております。で、先ほどの覚え書きについても、1では、「あらかじめ自治大臣に協議するものとすること。」とありますが、まあ自治大臣に建設大臣がじかに話されたって、私もなかなかものはわかりませんので、やはりそのことは事務段階で十分検討をして、それが政令の形になって建設大臣に出されるものと考えますので、この段階で、私どもは、自治省の立場というものを十分主張する機会がある、かように考えておることを申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/29
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030・鈴木壽
○鈴木壽君 せっかく建設、自治両省の間に、河川法の運用、解釈等についての覚え書きを取りかわすならば、いわば第九条の2というのは派生的な問題なんで、そういうことに協議をしてどうのこうのというよりも、基本的な問題についてやはりきちっと協議でき、あなたの意見なり考え方なり、こういうものが留保できるようにしておくべきだと思うんですがね。実は私よくこの覚え書きというもの、どの程度これは効力のあるものか、河川法の実際の運用にあたってどの程度の権限を持つものであるか、ちょっとわかりませんが、まあそれにしてもこういうものをおつくりになるのだったら、根本になる問題について、もし異議があるならば十分話し合いをする、協議をするという、こういう機会だけは留保すべきだと思うのですがね。これはミスではございませんか、あなた方の覚え書き。大臣がおっしゃるようにやっぱり、いやそんなものはあってもなくても、政令の段階で事務的にもあるいはまた大臣の間でも、十分やっていけるのだと、こういうふうにお考えになっておられますか。どうぞもう一度。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/30
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031・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) 政令できめますのは、どの川を指定するかということであると私は考えておりますが一その段階ではもう源から海に流出するところまでが指定をされる。その中を区切って都道府県知事に管理を建設大臣がゆだねる。それも全面的ということでなくして、地方の住民の実態、また都道府県の行政等を勘案して、そして知事にこれをまかせるということであると私は考えておるわけでございますが、その段階でやはり地方がその川自体に、区域ごとにいろんな利害を持っておるわけでございまして、この部分だけではぜひ都道府県で握っていきたいという場合には、われわれとしては十分地方団体の、つまり住民自治の立場からしての要求は通る、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/31
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032・鈴木壽
○鈴木壽君 その点はあとで建設大臣のほうからお考え方を聞かなければならぬと思いますから、自治大臣に対してはいまの点はこれくらいにしておきます。
建設大臣はしきりに治水あるいは利水の面におきまして、いずれの面におきましても、現在の河川管理権が知事にあることがいけないのだ、そのためにばらばらな、不統一な、いわば全体的な一貫した計画的な対策が立てられないのだということを強調しておられるのであります。しかし、実際自治省として確かにその利水の面、水の開発利用というような面ですらすらといかないような事態もあるんでありますが、こういうことの責任は、知事が管理権を持っておるのだからと、こういうふうにお考えになってそのようにごらんになっておるのですか、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/32
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033・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) 個々の川について言いませんと、一般的には私はこの問題については申し上げかねますけれども、建設大臣が言われるような面も川によってはあるんではないか。治水、利水と一口に申しますけれども、やっぱり単純に治山治水といったような大きな立場から申せば、国のほうで総合的に計画をいたしまして、そうして何ものにもとらわれないで事業をどんどん進めたのがいい場合が私はあり得ると思います。しかしながら、先ほどたびたび申しましたように、河川、道路と申しますか、特に川の、しかも利水の問題につきましては、昔から地元の住民に結びついたいろんな権利関係が錯綜しておりますので、そういうものを一刀両断にするということに非常に私は危険性を感じまするがゆえに、やっぱり地方自治の立場というものを非常に強く強調しておるわけでございまして、これは川によって違いますが、ただ、産業の総合開発的な面でも支障になっておると考えられますることは、鈴木委員が十分御承知のとおりに一府県の合併促進論なんかの背景には、やはりこのたった一つの川、この川を十分にそういった面に使いまするためには、いまのような状態で置きましては何一つものが進んでいかない、やっぱりこの際、大きな川を数県にまたがって開発利用を考えるよりは、むしろ府県合併でもやってといったようなことが、産業界あたりでは一つの論拠になっておるようにも承知をいたすわけでございまして、なかなか川の問題はむずかしいので、個々について議論いたしませんと、全般について割り切った答えは私としてはどうもここでいたしかねるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/33
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034・鈴木壽
○鈴木壽君 じゃあひとつ具体的に例をあげてお考えをお聞きしますが、東京都の水不足ですね、これはよく利根川から引いてくればいいんだとか、まあいろんなことを言われて、利根川がこの場合に一つの問題の中心になっておることは御承知のとおりであります。しかし、なかなか簡単にはできない。できないのはなぜかというと、群馬県あるいは下流の千葉県、茨城県まで、管理権をそれぞれの知事が持っておるからだめなんだと、だからこれをだれか国の立場にいる、あなたのおっしゃるような大きな立場において国が権限を持ってやったら一挙に解決してしまうんじゃないかと、こういう論がありますね。私も聞いております。しかし、それがはたして東京都の水不足に対する利根川の持つ重要性、それから来る今度いろいろな問題、それが単に管理権というだけでこういうことになっておるのかどうかということ、これに対してどういうふうにお考えになっておりますか。その問題についてお考えになったことございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/34
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035・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) どうも河川行政につきましては、しろうとでよくわかりませんが、しかし、私が先ほどから申し上げておりますることは、川が流れておるその周辺で先祖代々暮らしておる人たちにとっては、この川をめぐるいろんな権限の問題については実に古い歴史があるわけでございまして、住民の生活と度合いは違っても密着をしておる事実はいなめません。そこで私どもといたしましては、自治行政の面からこの河川行政を抜き去られるということはいろんな難点が出てまいりまするので、その点で非常に苦労もしておるわけですが、一方、まあ建設大臣がどう言われたかしらぬが、いまのこういう河川行政についての要請というのもあながち否定できないと思います。ことに、東京都の水不足の問題、これを利根川から引くとか富士川から引くとか——まあおかしな例をあげて恐縮でございまするけれども、東京都が人口がふえて水がたくさん要るから、みな東京都がこの水を飲んでしまうんだ、だから全部水を出せと言われたら、上流の人たちは困るでありましょうし、またよく言われますが、電源地帯ですが、実際あの水力電気のもとになる雨というのは奥地に降っているんであって、だから電源地帯には電力ぐらい安く供給したらどうだと、しかるにそれを使っているのは東京やなんかで、ぴかぴか電気をつけてやっているじゃないか、それについて地元の貧乏な電源地帯に何を還元してくれるのだという議論があったことも、ちらちら耳にいたしております。なかなかこれは私むずかしい問題だと思いますが、これを画一的に割り切るということはなかなかむずかしいし、いまの東京都の問題、またその付近の河川の問題にいたしましても、実情緊急措置しなければならぬ事柄はあるわけでございまするので、それに支障がありますようなことは、ある程度排除されることもやむを得ないのじゃないかというふうに、まあ判断をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/35
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036・鈴木壽
○鈴木壽君 建設省の政務次官おられますね。いま自治大臣に、例として東京都の水不足、それと関連をする利根川の水の開発利用といいますか、まあいろいろ問題があることは確かでございますし、それがまだ東京都民なりわれわれが安心できるような形で解決されておらないのでありますが、こういうふうになってきたのは、知事が管理権を持っているからなんだと、こういうことに結論づけることができる問題なのかどうかですね、建設省としてはどう考えておられるのか。さっきあなたがいらっしゃらない間に、建設大臣は、知事が管理権を持っているから、治水、利水両面においてみんなばらばらで、一貫した計画もなければ対策も立てられないのだと、こういうふうにはっきり言い切っているのでありますけれども、いまの問題ですね、はたしてそれで、かりに今度建設大臣が管理権を持つというような場合に、一挙に解決する問題だというふうに、あなた方お考えになっておられますかどうか、その点をひとつお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/36
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037・鴨田宗一
○政府委員(鴨田宗一君) なかなか御質問が、私の答弁をいたしまするには、非常に条件があり過ぎるように解釈されます。と申しまするのは、ただいま大臣の言われましたとおり、今回の河川法の改正が、管理権を大臣が掌握いたしまして、そうして治水、治山、利水の問題についての総合的な解決をはかりたい、こういう趣旨で提案をしているわけでありまするけれども、しからば具体的な問題として、東京都に対する水不足の問題がこれによって解決できるかどうか、こういうふうな御質問でございまするけれども、この問題につきましては、先ほど申しましたとおり、河川法の今回の改正によって、それが克服できるのじゃないかと、こういうふうな解釈を実はしている次第でございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/37
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038・鈴木壽
○鈴木壽君 これは先ほどから述べておりますように、一つの具体的な例として申し上げてお考えを聞いているわけなんでありますが、利根川の開発利用という問題一特に東京都の水不足に対処してこれを利用したいと、しかしそれをはばんでいるのが、現在の群馬県知事の持っている河川の管理権まあ、下流まで二、三県にわたってのそれがあるわけでありますが、こういうものがあるからそれがだめなんだと、こういうことをよく言うのでありますが、これは巧妙な一つのすりかえじゃないかと思うのですがね。問題は管理権そのものじゃなくて、その水の利用あるいは配分、こういうものに対する水の用途別あるいは地域別の、こういう一つのはっきりした、しかも関係地元の住民たちを納得させるようなものができないということ、かりに用途別なりあるいは地域別なりのそういう配分計画ができたにしても、それは一体たとえば東京都にどのような形で持ってくるかという工事、施設の問題、必要な資金の問題、あるいは場合によっては上流にダムをつくらなければならぬといったような場合に、そのダムの構築に伴ういろいろな補償の問題とか、こういう問題がからみ合って解決をしづらくしている問題だと思うのであります。その点、私はそのように見るのでありますが、どうでしょうか。私は、管理権そのものを振り回しているためにそういうふうになってきているのじゃなくて、いまも私が申し上げたような、そういうことがお互い納得できるまでになっておらないためにこういう心配な事態がずっと続いているのだ。問題は、その調整をどうするかということであろうと思うのですが、それに対する考え方をひとつ、まあ続きでございますから政務次官から。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/38
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039・鴨田宗一
○政府委員(鴨田宗一君) ただいまの御質問でございますけれども、確かに、先生の言われますとおり、いろいろな諸条件はあるだろうと思います。がしかしながら、大きな立場から、大臣が管理をするという面から、この運営の方法によってそれらの点は解決できるのじゃないか、こういうふうに実は解釈されるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/39
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040・鈴木壽
○鈴木壽君 きわめて簡単明瞭におっしゃるのでありますが、大臣、あなたが席をはずしておられる間に、さっきあなたのおっしゃったことに関連をしてただいま自治省その他にお尋ねをしているわけでありますが、一つの具体的な例として、利根川の水を東京都の水不足に対処する一つの対策として東京へ持ってくるというような問題、しかしこれはなかなか実現をしない。これは、管理権が群馬県知事あるいは下流の千葉、茨城に至るまでのそれぞれの各知事に分断された形で握られているために、この問題が解決をしないのだ。で、今度建設大臣が利根川の管理権を一手に握るというようなことになりますと、この問題は解決をする、こういうふうにお考えになりますか。いま政務次官は、最後の点については、そういうふうになるだろう、こういうふうにおっしゃっておりますが、その点どういうふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/40
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041・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) 御承知のように、いまでもすべて行き詰まってしまってどうにもならぬというわけでございません。これが建設大臣になったから何もかもさらっといくというわけにもいかぬかもしれません。しかし、少なくとも、各県がこれをそれぞれ所管しておりますることよりも、一つの川を一つの建設大臣が管理をして一つの判断に立ってこれを行なう、国の審議会にかけてその意見を聞くということのほうが、各県の審議会、各県の議会等の意見がばらばらに対立するということよりも、国全体の立場から見てこれがよりベターに行なわれるということだけは間違いないという意味合いから、私が最初申し上げましたように、広域の経済のもとに広域の行政を期待いたしますが、遺憾ながら河川の管理につきましては広域の行政が行なわれないことでございますから、それをひとつ地方自治体とは別個に、河川の管理は広域にこれを行なっていくことのほうが、国家のため、全体のために有利であるということを申し上げておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/41
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042・鈴木壽
○鈴木壽君 非常に大事な問題だと思うんで、今度の河川法について考えます場合に、この点がおそらく中心の問題だと思うんでありますが、確かにおっしゃるように、各県ばらばらな形でそれぞれ管理権を行使されることは困るということは、一般的には言えると思うのであります。それが治水計画の面におきましても、あるいは利水、特に時代の要請に伴う大きな問題となっておる利水の問題等になりますと、そういうことになると思うんであります。ただ、さっきも申し上げましたように、この問題は各県ばらばらであるということ、これは各県のそれぞれの地域において非常に利害関係の複雑な、ふくそうした、しかもそれはその地区の住民の生活と離すことのできない大事な問題としてのそういう要素を含むところに、こういう問題が出てきておるのであります。それを中央でやれば、そういうばらばらな地元の意向にもかかわらず、一貫したそれがやれるんだと、確かに形はそうでありますが、はたしてそういうことで、地元の利害関係、こういうものの調整というものがうまくいくものであるのかどうか。実はさっきあなたのいらっしゃらない間に自治大臣に、地方のいわば県が持っておる、あるいは知事が持っておる、実際行なっておるところの地方行政の立場、地方の総合行政という立場から二、三お尋ねをしておったんでありますが、河川の問題は、単に川だ、水だ、堤防だということでなしに、その地域の住民の生活あるいは地域の産業構成、あらゆる面についての切り離すことのできない問題として地方の総合的な行政の大きな柱になっておるということ、こういうことを強く考えなきゃならぬと思うのでありますが、それをあなたが、権限を持っているから、地元におけるいろいろな注文なり、文句なり、あるいは利害関係の調整のできない問題も、上からの力なり権限でやってみせるんだ、こう言っても、私はこれは非常に重要な問題として考えなければならないんじゃなかろうかと思うんでありますが、その点はやはりどうしてもあなたが権限を持ってやらなければいけないんだ、こういうことに考えておられるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/42
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043・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) 鈴木さんも、失礼ですけれども御勉強と思います。しかし、私も当該責任者として、現に河川において問題が起こるのはどういう問題が起こっているか。私は地方民と川と切り離すことはできない、それはそのとおりだと私も思います。よって、既存の水利権等につきましては最も強くこれを尊重いたしますということを私は明確にいたしております。公共が優先するといいましても、そういう場合にも必ずそれは、補償なり、賠償なり——どういうことがいいかわかりませんが、必ず既存の水利権については、権利を権利として確保させるべきだということを強く意識するものでございます。がしかし、御承知のように、ただばく然と現在それじゃそれはどうなっているんだということになりますと、川の行政ほど、水の行政ほどおくれておる行政はないと思います。河川法そのものは明治二十九年の姿そのままで今日きておる。これを取り上げましたならば、いろいろな問題が方々から出てまいっております。したがって、それらについてもむろん考えなければなりません。なりませんが、現にそれじゃどうなっているんだということになりますと、時代の産業として砂利屋がばっこして、むやみに砂利を取って、そのために河床が下がる、水利権が侵害される、そこに問題が起こる、それを押えてくれる人はだれも押えない、知事さんも骨を折っておられるが、地元の問題だからなかなかやりにくい、建設省で何とかしてくれぬかというのがこれは現実でございます。知事さんが管理権を持っておられて、一体何をどうなさるとおっしゃるのかと申したいぐらいなものです。ずいぶん反対なさる知事さんもおありのようでございましたが、私は、現にありまする水利権、これは各県にみなそれぞれ帰属したらよろじい、持っておるものはそのまま認めましよう。何か取り上げるとか取り上げないとかいう問題じゃございません、ひとつも。ただ、広域行政をしたほうがいい事態が新たに発生しているじゃないか。いま現に、お話のとおり、一つの川の砂利を下のほうでむやみに取れば、上の砂利がどんどん流れていくために、上の河床が下がる、県が知っておりながらどうにもならぬという問題があります。水利権もそれによって混乱します。そういうような事態が現に——そのほうが私はかえって混乱しておると思うのでございます。そういうものを、水系を一貫して、一人の責任者のもとに責任の帰趨を明確にし、あわせて従来の水利権等を台帳をはっきりつくって、慣行を尊重しつつ、そして権利義務の関係を明確にしていくというように直していくということが、今日急務中の急務だと思うのでございます。
なおかつ、水防にいたしましても、一級河川について建設大臣が管理するものについては、国において責任を持ってこうやります。少なくとも従来よりもその沿岸、その県の負担は軽くなるはずでございます。どの点から言うても、従来よりも悪くなるとか、従来よりも地方民のために迷惑をかけるとかというようなことは、いやしくも考えてやっておりません。地方民に迷惑をかける、沿岸の県民諸君に迷惑をかけるような点があるなら、私は喜んでそういう点は修正もし、是正もし、対策も講ずることに何らやぶさかでございません。少なくとも、現在行政を担当いたしております上におきまして、最小限度これだけはどうしてもやらなければならぬ。先ほども、午前中の委員会でも、もっと進んで積極的に理想を持ってやるべきだという御発言がございました。もっと強力に前進ぜいという御発言もございました。しかし、そうは申しましても、予算の伴わないものをむやみに前進することは適当でない。国が負担をして、そして国の責任においてやるべきことをやりつつ行政は前進すべきものだというたてまえをとっておるのでございます。沿岸の県民諸君に迷惑をかけるとか、既得権——沿岸の県民諸君の権利をどうするとかいうようなことは、いやしくも考えていないのだ。知事さんが、砂利の権利をあっちに移しこっちに移す、移すのがいいか悪いかというような問題が少なくとも当面しておる大きな問題だと、それよりほかに大きな問題がそうあるということは一現実にやっておってないのです。私は、これはそれぞれ見方があるでございましょう、国がやるがいいか県の地元にまかすがいいかということは議論もございましょうが、それは知事さんの御意見を伺いつつ、重要な問題については審議会の議を経て建設大臣がこれをやるというふうに慎重にしておくならばそれでいいのじゃないか、こういうふうに考えてこの法案をつくったのでございまして、いま申し上げるように、なおまだこれでは不十分だと、新しい時代にはもう少し前進しなければいかぬという、その点については、私も異論はないのであります。全くそのとおりと思いますが、まず今回はこの程度で御了承を願いまして、数年のうちにもう一ぺんさらに改正しなければならぬという準備調査を十分した上で、時代に適応する改正はその上でしてよろしいのじゃないか、今回はこの程度でひとつがまんをしておいていただきたい、こう考えておるのが私の心境でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/43
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044・鈴木壽
○鈴木壽君 あなたが水の問題で、おくれておるいまの水の行政、そういうものをもっと前進した形で時代に沿うようにしなければならぬという、そういう気持ちについては、私も敬意を表します。さらに、今度の新しい法律によって、河川法によって住民の不利になるようなことはいたしません、こういうことも、あなたの心がまえとしてのそういう気持ちについては、そのとおり受け取っておきたいと思います。ただ、しかし、さっきからお聞きしておりますように、いわば管理権の問題ということと、いまの総合的な利用開発なり、そういう問題と一緒にして考えないほうがいいのじゃないか、こういうふうに依然として私は考えるわけなんであります。そこで、そのことについてあとでまたお尋ねをしますが、さっきあなたが退席される前にお聞きしますと、一級河川の指定の問題でありますが、大体将来は百河川あるいはそれ以上にしたいと思う、しかし現実は財政上の問題もありなかなかそうはいかないから、重要性を考えてわずかな数から進んでいきたい、こういうふうなお話があったわけでありますが、そこでその重要性なりあるいは指定をする場合の基準というものについてお尋ねをしておる最中にあなたが立ってしまったのでありますが、その重要性というものを、金の問題ともからんでくるようでありますが、どういう点でいわゆる重要性というものをきめていくのか。これは指定の基準ということになると思いますが、こういうものについては全然あれですか、まだ、考え方がきまっておるのですか、おらぬのですか、その点はどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/44
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045・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) これはどうもものさしを持っておりませんから、重要度はどういうものさしではかるか、まだものさしは持っておりません。全国に御承知のとおり百前後の主要な河川がございますが、その中から、まずだれが見ても、相当の専門家もおられますし、また長年にわたる河川行政をやっております者の立場からいたしますれば、おのずからこれには順位がつくわけでございまして、それをそれぞれの主要な河川の度合いによってこれを三十にするか五十にするかということできめていくということでございますから、たとえば道路でも、どれが一級でどれが二級だといって、なぜこれは一級だ、なぜ二級だとおっしゃっても、これはそれぞれの見方によってきめるというようなことでございますから、これについては、ものさしはいろいろ書けば書けますれども、時いたところで、当てはめる場合に……。したがって、これは地方長官の意見もしくは河川審議会の議を経てきめるということにいたしてまいる、こういうつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/45
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046・鈴木壽
○鈴木壽君 一級河川はその重要度に応じて政令で指定をするのだ、こういうことで、その重要性というものはまだはっきりお示しいただいておりませんが、さらに二級河川は、これは知事の管理ということに第十条でいたしておりますですね。この場合、ひとつ管理の問題で関連してお聞きしておきたいのでありますが、河川はいままでの考え方では、知事が管理権を持つということになっておりますが、これはいわゆる機関委任事務としてそういうふうになっているのだ、こういうのがいままでの考え方であったと思うのであります。今度そのうちのあるものについて一級河川の指定をして、建設大臣がその権限を持つということになりますが、いわば機関委任をしておるものであるのだから、それをもとへ戻すのだ、こういう一つの考え方もこれは出てくると思うのでありますが、それはともかくとして、二級河川のいわゆる知事の権限にかかわらしめる管理権ですね、これはやはり従来、現在までとられてきております機関委任事務としてのそれであるのか、あるいは団体委任事務としてのそれであるのか、この考え方についてひとつこの機会にはっきりしておいていただきたいと思いますので、お尋ねをいたす次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/46
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047・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) 今度の法案としましては、知事さんにおまかせする事務は機関委任事務と、こういうふうに解釈しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/47
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048・鈴木壽
○鈴木壽君 そうすると、いまのお答えからいたしますと、この問題は、現行河川法において考えられておりますように、しかも現在までの解釈がそういうふうになっておりますように、やはり二級河川の管理権というものも機関委任事務としてそれをそこへ残しておく——残しておくという言葉は少しあるいは当らないかもしれませんけれども、委任としておくのだと、こういうことでありますんですね。もう一度念を押しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/48
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049・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/49
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050・林虎雄
○林虎雄君 関連。
いままで鈴木委員から管理権の点についてかなり詳細に質問をしたわけでありますが、私もこの点について二、三承りたいと思うわけであります。
大臣は、今度の河川法案におきまして、重要な河川、一級河川は一貫して国の管理のもとに進めることが適当だ、新しい時代に即応する方向であるというお話でございますが、その御意見はよくわかりますけれども、そうなりますと、この第九条の第二項における指定したその「指定区間」というものを知事に委任するといいますか、管理せしむるということになりますと、一貫した方針というものと矛盾するわけになろうと思いますが、この点具体的にどの区域、どの程度の区間を指定するのかどうかわかりませんが、一貫した方向であるならば、あくまでも国が重要な河川は一貫した方向で行くべきが一応の筋ではなかろうかというふうに思いますが、この点第一点として承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/50
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051・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) 一貫した方針を立てまして、たとえばその非常に水源地帯であるとか、その一貫した方針のもとに知事さんにおまかせしても差しつかえないというところをおまかせしたいと考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/51
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052・林虎雄
○林虎雄君 まあ意見の違いですから、その程度にしておきますが、このいままでの法律でも、現在の河川法でも、建設大臣がこの管理権を持って、それを都道府県に委任しておるというたてまえであろうと思います。今度は委任している部分を指定区域というふうに限られるわけでありますから、地方の知事といたしましては、管理権が制限されるという形になろうと思います。
そこで、実際この国が、大臣が管理権を持つといいましても、大臣みずからが一々手にとって処理するわけではありませんから、具体的ないろいろな問題が起こった場合の、緊急の場合の措置ということについては、私はむしろ従来どおり知事にまかせておいたほうが、委任しておいたほうがよろしかろうというふうに考えるのでありまして、これから具体的な事例を申し上げたいと存じます。
私は、長野県で、諏訪湖のほとりに住んでおりますが、諏訪湖は、御承知のように、現在では農業水利、あるいはダムの貯水池というような役割を持っておりまして、大体海抜七百五十九メーター何がしというものが諏訪湖の平均水位でありまして、そうして渇水した場合にはこれが何メーター下がる、豪水時には何メーター上がると、その上がった場合に、その諏訪湖から流れ出るところの天竜川に水門を設けておりまして、ここで一定の操作をいたしておるわけであります。ところが、降雨期になりますと、非常にはんらんをいたします。はんらんいたしますと、諏訪湖の上流の農民の土地は浸水をいたしますので、この水門を全開してもらいたい、あるいは八分聞いてもらいたいというような要請があります。ところが、下流になりますと、それを一挙に聞かれることによって下流の土地が浸水するというような、上流と下流との利害が対立いたします。そういう事実が実はしばしばありまして、最近では——まあ最近といってもだいぶ遠いですが、昭和二十五年の洪水のときには、双方から数百人の農民が出てまいりまして、雨の中で流血の惨事が起きようというような事態にまでなったのでありますが、そのときには、知事がみずから乗り込んでいって、両者の間に調停をして、そうしてかろうじてこの流血の惨事を免れたというような事例があるわけであります。こういうことは、結局双方でも、上流下流とも不満であろうとも、知事が入ってきたから一応ひとつ顔を立ててある程度がまんをしようということになるわけでありますが、そういう事態が今後招来したとき、大臣みずからそこへ乗り込んでいくというわけにいかない。緊急事態でありますから、いっそういうことが発生するかわからない。もちろん出先機関というものはありましようけれども、そういう出先機関にはたしてそれだけ押える力、信願感、信頼の度があるかどうかということを考えますと、こういう問題が惹起することを想定いたしますと、非常に危惧にたえないわけであります。
さらに、反対の現象として、ことし、現在起こっております。現在諏訪湖の上流、下流におきまして、今度は逆に渇水問題が起きて、双方が深刻な対立を続けておりまして、先ほども電話であちらのほうの様子を聞いたのでありますけれども、きのう雨が降ったから幾らか緩和したであろうと思いましたけれども、あちらのほうの雨はきわめてわずかで、全然問題にならないというので、双方は、水門を逆に下流が全開しろ——ところが、上流のほうではその水門をおろしておるために、下流のほうでは、河川の逆流させまして、ポンプ・アップでかろうじてかんがいしているというような状態でありまして、上流、下流の農民はやはり同じように深刻な対立をしております。我田引水といいますか、これはやむを得ない現象でありますけれども、そういう場合にも、いまは知事は出ておらないようでありますけれども、知事の出先機関がいま調停仲介に立っておりますけれども、絶対量の水があれば問題はありませんが、そういう問題は間々生ずるわけであります。
そういう場合に、むしろ私は、大臣の権限を、管理権というものを知事に委任しておいたほうが、そうした処理をよりすみやかに——流血の惨事か起こってからでは間に合いませんから、その前にこれを解決するためには、私はむしろ知事に、管理権を委任しておいたほうがより適切ではなかろうかというように思うのでございまして、この点大臣の御意見を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/52
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053・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) ただいま御指摘になりましたような緊急な事態、緊急問題等につきましては、ケース・バイ、ケースで、この問題は知事さんに委任いたします、お願いいたしますということは、一向差しつかえないと、こう私は考えます。
その他また、集中豪雨がにわかにあったというような水防の問題、これは水防法によりまして、沿岸の市町村長、その他知事さん等によって、これをお願いするということになっておりまして、河川に関する緊急の事態というような問題につきましては、いま申し上げましたように、水防の問題が主たる問題であろうと思いますが、それは水防法。また渇水の問題、そういうことにつきましては、私はこの問題は別途これは知事さんに調停をお願いする、委任するということにして、お願いすることが適切ではないかと思います。かるがゆえに、全体の管理というものと、そういう特殊なものと、区別して考えたいと、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/53
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054・林虎雄
○林虎雄君 お答えでわかりましたが、そうなりますと、私は大臣が管理権を持つということを法文に明らかにすることがどうも納得がいかないと思いますが、それはそのくらいにしておきます。
次に承りたいと思いますことは、鈴木委員から、大臣の留守中にちょっと自治大臣に御質問申し上げたのでありますが、ことしの一月十六日に、建設事務次官と自治事務次官との間に、河川法についての覚え書というものが取りかわされておりまして、六項目にわたっておるわけであります。この点、もちろん大臣も御承知でございましょうが、この六項目につきましては、この法律が成立した場合には、大臣といたしましてこの覚え書どおりに実施するお考えであるというふうに理解してよろしいのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/54
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055・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) 両省の間に取りかわされました覚え書は、私もそのとおり実施するとお約束いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/55
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056・林虎雄
○林虎雄君 大臣に承りますことはこの程度にいたしまして、あとはごく逐条的に時間があればお尋ねすることにいたしまして、これで一応終わらせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/56
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057・辻武寿
○辻武寿君 私は、もうだいぶ皆さんがお聞きになりましたので、二、三の点についてお伺いしたいと思いますが、河川管理の九条の二項について、指定区間でありますが、「知事に、政令で定めるところにより、その管理の一部を行なわせる」、この「一部を行なわせる」という「一部」について、どういうところを委任するのであるか、その内容についてお伺いしたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/57
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058・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) 一級河川の指定区間内の管理のことでございまするが、この管理の内容としますと、工事の実施、それから維持し修繕、それから土地の占用の許可、あるいは秒利の採取、工作物の設置、そういう内容でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/58
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059・辻武寿
○辻武寿君 次に河川区域についてお伺いしますが、これは、河川区域は、両岸五十メートルは全部どの川も保全区域というものがあると思うのですが、多摩川のような非常に広いところですね、ああいうところは川の瀬幅というものは非常に狭いわけです。いまゴルフ場等が両岸につくられておりますが、こういう利用というのは当然考えられるわけで、建設省でいま、堤防を中側にずらして——多摩川の場合ですよ——現在の堤防の位置に公営住宅をつくる考えである、こういうことを聞いておりますが、それはどういう計画なのか、事実なのか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/59
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060・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) 御承知のように、多摩川は上流に東京都の水源地ができまして、最近はほとんどあの川が洪水というようなことがないわけであります。たまたま何とか台風でもあれば、いまおっしゃったゴルフ場の上に水がつかるという程度に水が参りますけれども、最近の統計ではほとんどございません。しかし、それはそれにいたしまして、いまあの堤防の幅、もしくはゴルフ場その他に利用されております丘、これはあのままにしておきますことはいかにも不経済だということから、まず第一にあの川の中に東京都の外環状線——おおむね幅五十メートルないし百メートル程度の環状線を一本入れる予定でございます。そうしてあれを川下から川のある程度の上までのぼりまして、そうして一方荒川は水が一ぱいございますから、堤防のほうを道路にいたしまして、その道路と多摩川をのぼった道路とを結びつけて東京都の外環状線にするという計画で調査を進めております。計画中でございます。その道路をつくります。これは大水が出れば、水の中につかっちゃってよろしい。こわれる水は出ませんから、水の中へ入って、豪水のときだけは使えなくてもよろしいが、そういうものをつくりまして、こういうことで計画しておりますが、その道路の内側で、いま現にあります堤防の中段ぐらいまでの間におおむね十何メートルの幅のアパートを建造いたします。そうしてそのさらに内側に一般の十四、五メートルの二車線程度の道路をつくります。そうしていまの堤防はこれらの構造物によって完全に堤防の代用ができるということにいたしたいということで、今年度おおむね丸子玉川から上の二子玉川までの間に二千戸くらいの住宅公団の住宅をつくりたい。それはもう本年度じゆうにやるという所存で、目下計画実施を進めているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/60
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061・辻武寿
○辻武寿君 私はたいへんいいことだと思いますが、そういった計画は、これは多摩川だけのものなのかどうなのか。堤防ももっと補強しなければならないような河川も非常に多いと思いますし、またところによっては多摩川のようにもっと利用しなければならないようなところもあると思うんですが、現在のところは多摩川だけですか、ほかにもあるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/61
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062・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) いま調査検討いたしておりますものは、いま申し上げました多摩川の堤防に道路と住宅、荒川の堤防を道路というものをいま具体的に調査検討いたしております。当然この計画は、大阪の方面に参りまして淀川その他についても検討すべきものだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/62
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063・辻武寿
○辻武寿君 次に、先ほど大臣がおっしゃったことでありますが、いま砂利の採掘が非常に問題になっている。建設ブームによって、砂利が非常に需要が急激に増大している。日本の砂利は今後五年間でなくなってしまう。毎年一億数千トンですか使用されて、残っているのは七億トンぐらいしかないという話でありますが、われわれが汽車に乗って窓から見ても、ずいぶん砂利を取られて、橋げたがあらわれている、ああいうようなところもときどき目につくわけです。政府は政令を定めて、知事が制限区域を設けて砂利の採取を制限しているが、あまり効果があがっていないと新聞等にも書いているが、効果があがっていない。何もならないので、これは新聞にあるとおり、規制しても効果があがっていないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/63
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064・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) 御指摘のように、あがっていない河川もございます。これらにつきましては、厳重に指示いたしまして、取り締まりを厳にし、もしくは、引き続き砂利の採取を禁止してくれという指示をいたしております。たとえば相模川のごときも、砂利の採掘を禁止いたしました。いま現に禁止しております。その他大都市の周辺の川は、順次これを禁止していかなければならない、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/64
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065・辻武寿
○辻武寿君 それで、砂利の採掘は、業者の採取については、都道府県知事の許可が必要となっているが、許可の基準が、いままで各県ばらばらであった理由ですね、どんな理由でばらばらであったのか。また、今度、指定区域がありますが、その一定の指定された、先ほどの一部は、これは県知事のほうに委任する、そこの砂利の採掘権は知事にあるのか、建設大臣にあるのか、どっちか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/65
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066・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) 現に行なわれておりますものにつきましては、御承知のように、管理権は知事に委任しておりますから、多少、いまの御指摘のように、ばらばらになっている点があるかもしれません。しかも、これは最近急激に問題になりましたことでございますので、十分調査をして、順次指示をいたして適切な方法を講じておりますが、この法律が通過しますれば、管理権が建設大臣に移ります。一定の区間は知事にまかしますか、まかせる部分につきましても、一定の計画のもとに、この計画の範囲内においてまかすわけでございますから、砂利採掘権をまかすといいましても、その計画の範囲内でございますから、それをこえれば、直ちにそれについての指示をいたします。そうして支障ないようにしてまいりたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/66
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067・辻武寿
○辻武寿君 現在では夜、取りに行って、昼間知らぬふりをしている。また、砂利を取ってならぬといっても、それは取ってきた場合に罰則がない。いま大臣が、この法律をおつくりになるとおっしゃっていますが、罰則のないような法律では、幾ら河野大臣、にらみをきかしても、それは効果あがらないと思うのですが、これははっきりと砂利を不法に取った場合には、何らかの罰則を定めるのは当然だと思いますが、そういう点については、どういうふうにお考えなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/67
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068・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) 行為の実体の問題でございまするが、当然河川法によりまして、その砂利の採取の量とか深さとか期間とか、こういうものが明確に指示されまして、それに違反する者は、当然河川法によりまして罰則がかかるわけでございます。ただ、そういうような実体が非常にあいまいだというようないろいろな問題がございまするけれども、これは実体を十分つかんで、それに違反する場合には、当然罰則を加える、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/68
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069・鈴木壽
○鈴木壽君 関連して。いまの砂利取りの問題で大臣がお答えになったことですが、ちょっと違うのじゃないかと思うのですがね。知事に管理権があるからどうにもならぬというふうなことをおっしゃっておりましたが、現行河川法では、土石の採取等はもちろん知事の許可権ではあるけれども、それは建設大臣の認可を受けなければならぬということになっていますね。ですから、責任は、認可するかしないかという最高の決定は、これは建設大臣にあるのですよ。これは十七条と関連する問題として第四十九条の三項にはっきりありますね。その点ちょっと今度あなたが、建設大臣が持てばかってなことはやらせないのだ、こう言っていますけれども、かってに土石の採取等ができないようになっている。知事が許可することになっているのだが、しかも、その許可する場合には、主務大剛の認可を受けなければならぬということになっておりますから、最高の責任の所在は、これは建設大臣ですよ。その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/69
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070・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) 指定区間におきましては認可になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/70
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071・鈴木壽
○鈴木壽君 指定区間ということは、現行の河川法の中で、どこでそういうふうに読めるのですか。いまの川では指定区間とかなんとか、そんなことはないでしょう。ただ直轄の部分については、建設省が権限を持っているところがありますけれども、あとは、指定だとか指定じゃないとかいうことの区別は、いまのそれからは私はないと思っているのですが、あなたがおっしゃることはちょっと違うのじゃないですか。で、私は、土石の採取の許可の問題は、十七条と、それからさっき申しました四十九条の河川行政の監督という、この二つだけで規定されていますから、その点ちょっとおかしいのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/71
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072・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) ここにいまの政令で出ておりますのは、指定河川が非常に、相模川と多摩川と、そういうことだけで、実際には数が少ないのですけれども、この指定した河川につきましては認可事項になっておりますが、それ以外の河川については管理者がやる、こういうふうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/72
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073・辻武寿
○辻武寿君 そういたしますと、現在では、砂利を取った場合には罰則があるのですか。びしびし取り締まれるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/73
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074・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) その問題につきましては、今度の新しい河川法によりましては、罰則の規定によりまして、それを明確に罰則規定をかける、こういうふうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/74
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075・辻武寿
○辻武寿君 それは具体的にはどういう罰則ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/75
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076・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) 第七章の罰則の百二条の三号によりまして、これが規定がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/76
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077・辻武寿
○辻武寿君 きのうの新聞によりますと、建設大臣の、新しく河川管理法を制定し、砂利公団をつくるというような話が新聞に出ておりますが、私はけっこうなことだと思うのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/77
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078・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) それは先ほど、午前にお答えいたしましたとおり、建設大臣も全然知りませんし、河川局においても全然そういうことは考えていない、どこでそういうことが出たか全然わからない。全然建設省では考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/78
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079・田中一
○田中一君 赤澤さんに伺っておきますが、今度の河川法の改正によって一級河川に指定されたもの、これに対する地方自治団体の負担といいますか、財政上のプラス・マイナスの面をひとつ、一応基準が発見できると思いますが、明らかにしてほしいのです。たとえば、これは全部、全川が主務大臣の管理という形にして、だから収入の面で交付金がどう変わるかですね、占用料の収入がどういうぐあいに推定されるか。それから、したがって、地元負担が今度の軽減措置によって多少減りますから、比率がどのくらいになるか。それから一番問題は、台帳の調製費です。これはもう各河川の占用料ですね、この実態というものを調べるのはたいへんなことです。せんだっても九州に行ってみますと、これはもう頭をかかえております。したがって、これらの費用がどうなるか、こういう点を考えて、おそらく交付金も手心されるだろうと思うのですが、大体どうなるか、ひとつ財政当局からでもいいから、命じて、いま即答できなければ、資料を次の建設委員会に出していただきたいと思います。むろん地方行政委員会でもほしいのじゃないかな。それをひとつ出してほしい。大体わかりますか、いまで。パーセンテージでいいですがね、現行の河川法によるところの負担と収入、それから新河川法によるところの負担と収入ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/79
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080・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) この負担区分はわかります。つまり、工事等につきまして、新河川法が行なわれた後には、国の負担分がどうなる、地元の負担分がどうなる、このことは、数字がここにございますが——でなくして使用料とか、いろいろ、いまここへ持ち合わせておらぬことについての御要求がございますが、あとで詳しく御希望の点を承りまして、資料として提出さしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/80
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081・田中一
○田中一君 それから、いまも論議になっている、まあ水系ごとの支派川を含む一貫管理ということになっておるのですが、その間の指定区間、いわゆる知事が委任を受けて管理をしようという要求は、どこから出たものです。自治大臣の要求ですか。都道府県知事からの要求があって、自治大臣がその要求をしたものなんですか。どこからそういう要求が出たのですか。また、その要求するならば、どういう区間をねらっておったか。水系の、知事が管理をしようと要求する、法文にありますけれども、それほどの区間を要求しようとしているのか、それを明らかにしてほしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/81
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082・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) これは知事会その他からの要求がございまして、私どもの判断では、簡単に言えば上流部というふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/82
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083・田中一
○田中一君 その上流というのは、川の発生と、海岸というか海への接点ですね、川はどういう定義をもって考えておられるのですか、川というものを。上流ということだけじゃ済まない。上流はおおむね砂防指定区域になっておりまして、上流は、これはもうせんだって建設大臣も、それは砂防法によって云々という答弁をしておりますが、一体、これはまあ、その上流の砂防指定区域、これが全部知事が自分のほうで、地方自治体が管理権をよこせという要求、これもわかりします。しかし、下流にもあろう、中流にもあろうと思うのです。ただ知事会が要求、したからといって法文にそれを書いたって、しかし、具体的に何がねらいがあると思うのです。河川ごとに違うかもしれませんけれども、どこを知事の管理指定区域としようとするのか、指定区域、これを要求しているのか、これを明らかにしてほしいのです。ただ知事会が要求したから、そういう条文になるのだということでは済まぬと思うのです。ただ当然地方自治団体が管理をしなければならぬのだという、
一つの水系ごとの、その水系のうちの、どうしてもこれは地方公共団体が管理をしなければならぬというものがあろうかと思うのです。それはどこかということを伺っておきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/83
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084・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) 何をねらっておるかということは、一がいに私申せないと思います。まあ知事の腹の中には、砂防工事の行なわれる地帯と考えておる人もありましょうし、私はいろいろあると思いますが、結局、具体的にどうなるかというと、この指定の際に、先ほどの政令の段階でございますので、川ごとにやはり関係都道府県の意見もよく聞きまして、そうして建設の事務当局と協議をしなければならぬ、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/84
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085・田中一
○田中一君 それから、その指定区間ですね、知事が管理をする指定区間というものと、それから国が直轄するという部分との間に、管理方式なり何なりが違っておると、多く災害がそこから起きるのです。片一方は同じ堤防でありながら、非常に強い堤防の部分と、弱い堤防の部分があれば、弱い堤防の部分が必ず決壊をするのが、いままでの例です。河川というものはまっすぐではございません。蛇行しておりますから、大きな水がこっちにぶつかって、こっちがじょうぶならば、必ず反対側のほうにぶつかってそこが破堤する例が多いわけです。ですから、そういう点は、建設大臣等、十分に維持管理規定というものを設けようとするのか、それらの点はどういうことになっておるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/85
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086・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) 場合によっては設けなければならんぬことになるかもしれませんが、しかし、いま御審議願っております地方行政連絡会議法も、そういうこともやはり一つの目的と考えておるものでございまして、全国九ブロックに分けまして、そうして地方団体と国の出先機関、建設あるいは農林、あるいは大蔵関係の出先がございます。それとやはり一つの会議体をつくりまして、そうして国の出先のほうでも、ただいま御指摘のような問題につきまして、いろいろ御要求もありましょうし、自治団体のほうにもあるわけでございますので、ここで十分協議いたしました結果を国のほうで尊重するという法案を、いま御審議願っておるわけでございまして、あるいは田中委員が御指摘になりまするとおりの一つの管理規定をつくらなければならぬことになるかどうか、これは将来考えなければならぬ問題だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/86
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087・田中一
○田中一君 水防法との関連がこの河川法にはないわけです。したがって、河川全体を国が直轄する事故があった場合は、地元負担ということにならざるを得ない、スズメの涙ほどの水防材料費くらいが補助金として交付されるにすぎませんから。この責任をやはり地方公共団体は受けていいという考えですか。いいというお考えですかということ。それで、お話による、自治省としては、やはり何といっても地方公共団体の財政上の問題を黒字財政であって、そうしてよりよい行政を要求していることであろうと思いますが、その場合の負担の増加ということも考えられる。そういう点は、何か話し合いの中には入っておらないのですか。水防上の問題については。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/87
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088・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) 水防上の問題でいろいろいままでも災害が起きた場合は、御案内のように、特別交付税その他で考慮することになっておりますが、この話し合いの中には含まれておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/88
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089・田中一
○田中一君 先ほど干ばつの場合の水争い等の問題、調停あっせんなんて、そんなものできやしませんよ。それを、林委員から質問があったから大体了解しますが、聞こえなかったんですけれども、これは河川局長、建設大臣がその場合には調停あっせんを知事に依頼するという答弁をしたんですか。別途依頼をする、こういう答弁をしたんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/89
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090・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) 建設大臣の御答弁は、御質問者が、知事にそういうものを委任といいますか、知事にまかせてもいいのではないかという御質問に対して、そういう御要望であればまかせてもいい、こういう御返事であった。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/90
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091・田中一
○田中一君 これは、この条文にそういう形のものは出てこないのですがね。法律によらない別途の依頼というもの、あり得るんですよ。知事というものは、地方の知事、国家代行機関の知事としての性格を持っておるんですから、建設大臣がこれを頼むといえば、当然やらざるを得ない。そういう面の依頼というのはあり得るけれども、法律上、そういう御依頼ならばまかせますということでは、これは法の体系を破ります。その点はっきり——さっき河野さんの、聞こえなかったもんですから、もう一ぺん伺うんですが、どういう答弁をしておるんですか。そういうお考えならばまかせますということなら、全部まかせる。知事会は、全部おれのほうにまかせてくれと言っておるんですから、そういういいかげんな答弁では困る。ただ国の代行機関としての意図を受けておる知事として命令するのだというならば、これは受け取れます。この河川法上の、まかしてもいいということとは、おのずから違うと思うんです。その点を明らかにしておいてほしいと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/91
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092・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) これは委任機関の知事の管理権の内容の問題でございまして、その委任の管理権の内容にどういうものを含むかという問題でございます。そういう管理権の内容にそういうものが含まれるということであれば、そのようにいたします、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/92
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093・田中一
○田中一君 もう一ぺん念を押しておきますが、たとえば水争い、それから水門をあけるとかあけないとかという問題、そういう問題はどうも自分の力でできないから、それはそっちに背負ってもらおう、こういうことなんですね。いやなことはみんな背負ってくれ、こういうことなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/93
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094・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) 逆でございます。委任機関の管理委任内容について、知事さんのほうでこういうものはおれのほうがやるということならば、そのようにいたします。こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/94
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095・田中一
○田中一君 林委員の質問は、受け取ろうといって質問しているんじゃないんです。林委員の質問というのは、できないんじゃないかと、だから、みんなまかせなさいという質問、そういうニュアンスの質問をしたと思うんです。ところが、それを逆にとって、いやなものは全部まかせましょうということじゃ、これはほんとうに建設大臣、河川管理というものを真剣にやるという考えには立っておらないんじゃないかな。河野さんいないから、これだけでとどめておきます。
最後に、自治大臣に伺うんですが、いろいろな問題で結局集約されるのは、地方交付金だと思うんですよ。おそらく、交付金の算定というものは、ただいま資料出していただこうというものによって、プラスかマイナスかということになると、この法律の改正によって地方行政が少しでも楽になるという意識的な配慮は、これも法律違反という形になってくると思う、実際。しかしながら、何といっても知事会等のいろいろな要望がある。そうすると、少しは手心をしてプラスになるような面を出してやりたいという親心もあろうと思うんです。それでもまだ問題がございます。そこで実際、この国会が終わると、あなた方来年の予算の——まあ大臣かわるかどうか知らぬけれども、また予算の編成にかからなければならぬ。これができると大体推定されると思うんです。指定されているものも、大体それまでには、どの河川ではどうなる、どうなるということがわかると思う。そうすると、地方交付金等の配分というか、こういうものをもう考えておらなければならぬと思うんです。その点をひとつ、その心組みですね、それをひとつ、何というのか、こういう親心で、あるいはこういう気持ちで扱いたいんだということを言っていただきたいと思います。交付金が減るところ、だいぶあると思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/95
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096・赤澤正道
○国務大臣(赤澤正道君) まあ住民にとりましては、地域内の公共投資が多いということはけっこうなことでございます。一面、けっこうだが、必ずその地元負担、受益負担が伴うわけでございまして、いま新産都市の計画で大きな問題になっておりますが、やはり私は、いまの窮乏しておる地方財政の状態にかんがみまして、こういう新法がいかなる精神でできるにしても、地方にはたよる限度があるわけでございまするから、やはりただいま田中委員が御指摘になりました点につきましては、十分考えていかなければならぬ。しかも、いまの段階では、まだ河川の指定があったわけでもございませんし、まだ総体、どういう影響が地方財政にくるかということについては、明確な数字がつかまれておらぬわけでございます。しかしながら、これは河川の問題に限らず、道路の問題にいたしましても、やはり地方制度調査会などでも、やはり国の道路、あるいは河川等の管理区分、それからまた、これに対する負担区分というものは明確にすべきだというふうに言っております。しかしながら、これについては、大蔵当局ともいろいろ政府内において折衝いたしまするけれども、じゃ・国のほうで管理するから国費で維持、補修まで全部やってくれ、そのかわり、じゃ、地方団体で管理すべきものについては全部地方でやる。しかも、それだけに、税源を与えなければできぬことでございますから、こういう根本の問題がいろいろあると思います。未解決の問題が。しかし、これをなかなか一挙に解決するということはむずかしい事態にもありまするが、しかしながら、一方、今日地方財政の現状を知る者にとりましては大きな問題であると考えますがゆえに、ただいま御指摘の点はよく勘案いたしまして、マイナスにならぬということは少なくとも考えて事の処理に当たらなければならぬ、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/96
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097・田中一
○田中一君 最後に伺います。
そこで、いま一番大きな問題は、知事会でも、知事諸君でも、あなたの意向に——意向というか、政策にかかっておると思うのです。現在、初めに昨年の河川法提案当時の建設省の考え方は、三十本を六十本にしようという考え方もあったらしい。現在では百六本という直轄河川がございます。おそらく、直轄河川は全部指定してくれというような運動にも、あなたの方針一つでもってなろうかと思うのです。全部国にやってもらって、なおかつ交付金等、中央からの財政援助があれば、そのほうが得であるということになると思うのです。現在でも多目的ダム等は全然もう知事の権限でなくなっておりますから、そういう傾向にあるわけなんです。そこで、この河川というもの、これは知事のものでもなければ、建設大臣のものでもなくて、これは民族のものであるということですね。したがって、損か得かでもって、これの指定を、二級国道を一級国道にしてくれというような猛烈な運動があったと同じように、おそらく、五十本や六十本、あるいは百六本というものを、現行直轄河川だけを指定したとしても、まだ、その川はひとつ直接、一級河川にしてくれという要求が知事会等から出るかもわかりません。むろん、その場合には人間も要ります。人間も要りますが、人間の問題は、これは国の直轄河川がふえるのですから、それはいろいろ配置転換もできるでしょうが、これも自治大臣の方針一つでもってどうなるかわからぬものですから、つまらない、そういう自治体だけの財政問題で河川行政というものをきめられても困るわけなんです。これは全く民族のものです。決して行政区域内の長のものでもなければ、建設大臣だけのものでもないということをお考えになって、その点はひとつ慎重に、妥当に、だれが見てもこれならばと納得する線を打ち出してくれることを希望して質問をやめます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/97
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098・鈴木壽
○鈴木壽君 建設大臣はどうですか。出ますか出ませんか。これから私、本論に入ろうと思っていたのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/98
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099・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) ちょっと速記とめて。
〔午後三時四十八分速記中止〕
〔午後四時一分速記開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/99
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100・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) 速記を起こして。
それでは、他に御発言がなければ、両案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
次回の日程は、追って通知いたします。
午後四時一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614135X00119640604/100
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