1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年三月三日(火曜日)
午前十時三十二分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 北村 暢君
理事
石井 桂君
稲浦 鹿藏君
増原 恵吉君
武内 五郎君
委員
小沢久太郎君
熊谷太三郎君
小山邦太郎君
高橋進太郎君
村上 春藏君
瀬谷 英行君
田中 一君
田上 松衞君
衆議院議員
修正案提出者 瀬戸山三男君
政府委員
内閣法制局第二
部長 真田 秀夫君
建設政務次官 鴨田 宗一君
建設省都市局長 鶴海良一郎君
建設省河川局長 畑谷 正実君
事務局側
常任委員会専門
員 中島 博君
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本日の会議に付した案件
○河川法案(内閣送付、予備審査)
○河川法施行法案(内閣送付、予備審
査)
○首都高速道路公団法の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/0
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001・北村暢
○委員長(北村暢君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
先ほどの委員長及び理事打ち合わせ会の結果を御報告いたします。
本日は、去る二十六日予備付託になりました河川法案及び河川法施行法案の提案理由の説明を聴取し、次に、首都高速道路公団法の一部を改正する法律案の質疑を行ないます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/1
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002・北村暢
○委員長(北村暢君) それでは、本日の議事に入ります。
河川法案及び河川法施行法案を一括して議題といたします。
まず初めに、河川法案の提案理由の説明をお願いいたします。鴨田政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/2
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003・鴨田宗一
○政府委員(鴨田宗一君) ただいま議題となりました河川法案の提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
現行河川法は、明治二十九年に制定され、その後部分的改正は数回行なわれましたが、根本的な改正はなく今日に至っているのであります。しかるに、現行河川法制定後約七十年の歳月が経過し、当時の社会・経済情勢並びに国情を背景として制定された現行河川法については、今日においては、種々の面において検討を加え、整備、改善をはからなければならない点が少なくないのであります。
まず第一に、現行憲法の制定に伴い、国の行政及び地方制度に大幅な変革が加えられましたが、このために従来の制度を前提とした河川の管理制度について、また、国民の権利義務に関連する河川管理方式の近代化について法制上検討を加え、整備をはかる必要が生じてまいりました。
第二に、各水系における沿岸流域の開発に伴い、かつ、最近の災害発生の状況にかんがみ、水系を一貫した全体計画に基づいて、財政負担の面も十分考慮しつつ、治水事業を計画的に実施する緊要性が一段と強くなってまいりました。
また、近時における産業の発展と人口の増加に伴い、各種用水の需要が著しく増大しておりますが、これらの需要を満たすためには、各水系について広域的な見地に立ち、合理的な水の利用を確保する制度を確立し、水資源の総合的な利用と開発をはかることが現下の急務として要請されているのであります。
そこで、国土の保全と開発に寄与するため、河川を水系ことに一貫して総合的に管理する制度を樹立することが必要となってまいったのであります。
第三に、各河川には、治水利水の両面の要請から、また、近時における科学技術の発達に伴い、大規模なダムその他の施設が数多く建設されてきておりますが、現行法においては、これらの施設の設置または管理に関する規定が必ずしも十分ではなく、その設置または管理の万全を期するため、所要の規定を整備する必要があるのであります。
以上の諸要請にこたえ、現在の国情に最もよく適合した新しい河川管理制度を樹立することは、現下の急務でありますので、ここに現行河川法を全面的に改正することといたしたのであります。
以上がこの法律案の提案の理由でありますが、次にその要旨について御説明申し上げます。
第一に、河川管理の適正を期するため、河川管理制度について現行制度を次のように改めることといたしました。
まず、従来の適用河川、準用河川の制度を廃止して、河川を水系別に一級河川及び二級河川に区分し、一級河川は建設大臣、二級河川は都道府県知事がそれぞれ管理することとし、河川管理の責任を明確にすることといたしました。
なお、一級河川の管理につきましては、建設大臣は、一定の区間を定め、都道府県知事にその管理の一部を行なわせることとしております。
次に、河川の管理に要する費用につきましては、原則として一級河川は国、二級河川は都道府県が負担することとしております。
このうち一級河川の改良工事に要する費用につきましては、建設大臣が施行する場合はもちろん、都道府県知事が委任を受けて施行する場合も、すべて国がその三分の二、都道府県がその三分の一を負担することといたしました。これにより、従来同一の水系における工事であっても、建設大臣と都道府県知事が施行する場合には、国と都道府県の負担の割合が異なっていたため、必ずしもその治水効果が十分でなかった一級河川の工事が、一貫した計画のもとに施行することができることとなります。
また、二級河川の改良工事につきましては、国がその二分の一以内を負担することといたしました。
以上のほか、流水占用料その他河川から生ずる収入の帰属及び都道府県知事が行なう河川管理行政に対する監督につきまして必要な規定を設けました。
第二に、流水の占用、工作物の設置等につきましては、地元の意見を十分尊重して、河川が適正に、かつ、合理的に使用されるよう水利使用の調整及び慣行水利権につきまして規定を設けるとともに、河川管理者の許可を受けて設置する一定規模以上のダムにつきましては、防災上の見地から、その設置及び操作について必要な規定を設けました。
第三に、建設大臣の諮問に応じ一級河川の指定その他河川に関する重要事項を調査審議するため、建設省に河川審議会を設置するとともに、都道府県知事の諮問に応じ二級河川に関する重要事項を調査審議するため、都道府県に都道府県河川審議会を設置することができることといたしました。
その他、河川の区域、河川に関する調査、工事等のための土地への立ち入り、損失の補償等につきまして所要の規定を整備いたしました。
以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを御願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/3
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004・北村暢
○委員長(北村暢君) 次に、河川法施行法案の説明を願います。鴨田政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/4
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005・鴨田宗一
○政府委員(鴨田宗一君) ただいま議題となりました河川法施行法案の提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
本法案は、河川法の施行のため必要な経過措置を定めるとともに、関係法律の整理を行なおうとするものであります。
次に、その要旨を御説明申し上げます。
第一に、新法施行の際現に存する旧法に基づく適用河川または準用河川は、一級河川に指定されるものを除いて、新たな指定を待たずに二級河川になることといたしました。
第二に、昭和四十五年三月三十一日までに施行される一級河川の改良工事に要する費用については、国の負担率の引き上げを行ない、国が四分の三、都道府県が四分の一を負担することといたしました。
第三に、新法施行の際建設大臣がみずから工事を施行し、または管理をしもしくは維持修繕を行なっている河川がある場合においては、その河川が二級河川となった場合においても、昭和四十四年度までの間は、それらを引き続き建設大臣において行なうことができることとするとともに、その費用負担等についても旧法の制度によることといたしました。
第四に、新法の施行前に旧法またはこれに基づく命令の規定によってした処分等は、原則として新法の規定によってしたものとみなすことといたしました。
以上のほか、河川法の施行のために必要な経過措置を整備いたしますとともに、建設省設置法の一部を改正して、河川審議会に関する規定を整備する等河川法の施行のために必要な関係法律の整理を行なうことといたしました。
以上が河川法施行法案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/5
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006・北村暢
○委員長(北村暢君) ただいま聴取しました二法案に対する質疑は、後日に譲ります。
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007・北村暢
○委員長(北村暢君) 次に、首都高速道路公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案は、衆議院において修正議決されておりまするので、これより、衆議院修正個所について説明を聴取いたしたいと存じます。衆議院議員瀬戸山三男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/7
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008・瀬戸山三男
○衆議院議員(瀬戸山三男君) ただいま議題となっております首都高速道路公団法の一部を改正する法律案のうち、第十九条の改正案の中を衆議院において修正することに決定をいたしたのでありますが、その修正といいますのは、第十九条の第五項として、改正案には「監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は理事長を通じて建設大臣に意見を提出することができる。」とありますのを、第十九条の改正案のうち、「理事長を通じて」というところを削除いたしまして、結局「理事長又は建設大臣に意見を提出することができる。」、こういうふうに修正を加えたのであります。
その点について、簡単にその理由を申し述べたいと存じます。
政府が首都高速道路公団法の一部を改正する法律案の内容に、いま申し上げましたように、現行法の第十九条に、五項として一項を加えまして、ただいま読み上げましたような改正の提案をいたしたのでありますが、その提案の理由といたしましては、公団の監事の職責を法律上明らかにいたしたい、こういう趣旨であります。御承知のとおりに、現行法は「監事は、公団の業務を監査する。」、こう簡単に規定されておりまして、必ずしも法文上、監事の職責というものが明確に表現されておらない。この点について行政管理庁の監察の結果、公団あるいは公庫等、政府の関係する機関の監事の役職等について、必ずしも現状においては適切ではない。したがって、これについて勧告がなされまして、それに基づいてこの改正案を出したという趣旨の説明であります。
そこで衆議院におきましては、この改正部分についていろいろ論議がありましたが、要するに、監事の職責を明らかにして、そうして公団の業務の健全な運行をはかりたい、こういうことでありますならば、監事が理事長に意見を提出するのは、これは当然であります。また、建設大臣に意見を提出することも、これは当然の職責でありますが、この際法文上これを新たにするということであれば、直接建設大臣に監事から意見を提出することが監事の職責を全うするゆえんである、こういうふうな見解に立ちまして、先ほど申し上げました「理事長を通じて」というところを削ったわけであります。
もう少しつけ加えますと、実は従来首都高速道路公団法に基づく施行令でありますか、建設大臣の監督規定を並べておりますが、それに基づく監事に関する監督命令によりますと、いわゆる内規によりますと、監事は、必要と認めるときは、理事長または建設大臣に意見を出すように現状がなっております。しかも、行政管理庁のこの部分についての勧告も、やはり同じようなていさいになっておるわけであります。この際、その趣旨を生かしたい。従来直接建設大臣に意見を提出するように内規で指導しておりました場合も、必ずしも公団業務に運営上支障を来たした実例がないという政府の説明でありましたから、筋を通して法案を制定したほうが適当である、こういう趣旨で修正をいたしたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/8
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009・北村暢
○委員長(北村暢君) これより本案の質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/9
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010・田中一
○田中一君 瀬戸山議員はお忙しいと思うから、先に瀬戸山議員に質問しておきますが、いま衆議院の修正案として提案された事項については、しごくごもっともと思いますが、そこで同種類の道路公団法、水資源公団法あるいは住宅公庫法、住宅公団法には、このように、今回の原案として提案された監査結果の報告等は、これは規定されておらないと思います。これは政府の意図か、あるいはどこかの意図によって提案されたものか、あるいは衆議院の委員会の御意見として修正されたものか、最初それを伺っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/10
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011・瀬戸山三男
○衆議院議員(瀬戸山三男君) それは衆議院の建設委員会において、先ほど御説明申し上げましたように、この点についての審議の結果、衆議院の独自の見解で修正案を出したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/11
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012・田中一
○田中一君 政務次官に伺いますが、政務次官に伺ったらいいのか、それとも瀬戸山議員に伺ったらいいのかわからぬけれども、今回の改正で、監事の監査の結果というものの行くえを明確にしてないわけですね。そうすると、現在ありますあと五つの公団、公社、公庫等に対しては、同じような修正を希望すると、修正というよりも同じような監事の監査結果の行くえについての規定があったほうがいいんだという考え方ならば、他の五公団、公庫に対しても、同じような改正案が提案されるものと私は考えていいんでしょうか。それとも、特に首都高速道路公団だけが、監査の適正とか、あるいは監事の監査権というものがだれかによって歪曲される、そのためにはっきりとこういう監査の結果を報告する道を開いたんだということなのか、その点はひとつ明確に説明してほしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/12
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013・鶴海良一郎
○政府委員(鶴海良一郎君) 建設省所管の公団公庫の監事の職務の執行につきましては、すでに大臣訓令が出ておりまして、監事が監査いたしました場合に、必要があると認めます場合には、理事長または建設大臣に意見が提出できるように定められておりまして、それによって運営されているわけであります。その後、行政管理庁におきまして、この建設省関係だけじゃございませんが、各種の公団公庫等を監査されました結果、こういう制度を法律上明文化するのがよろしいという意見がありまして、それに基づきまして、今回首都高速道路公団法の改正の際に、首都高速道路公団の監事についての職務執行の規定を設けたのであります。
なお、今国会におきましては、住宅公団法及び住宅金融公庫法の一部改正が行なわれますので、その際にも同種の改正規定を設けております。これは訓令でもすでに実際上の運営が行なわれておったわけでありまするので、法律の改正の際に、あわせて監事に関する規定を設けるということに政府部内で話し合いができたものでありますから、今国会に改正の法案を提出する事項のない公団につきましては、将来改正の必要の際に、監事の点をあわせて改正するという取り扱いにいたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/13
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014・田中一
○田中一君 そうしますと、この首都高速道路公団に対する第十九条の改正は、他の条項等の改正があるからその機会にこれを入れたんだ、他の公団にも、おのおのそのような趣旨の通達をもって実施をしているんだと、これから一部改正の法律案が、残っている五公団について提案される場合には、この条項を入れる、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/14
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015・鶴海良一郎
○政府委員(鶴海良一郎君) そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/15
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016・田中一
○田中一君 そうなりますと、これはもうこれで私はいいと思うんです。ただ監事の任免権というものがどこにあるわけなんですか、監事の任免権というものは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/16
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017・鶴海良一郎
○政府委員(鶴海良一郎君) 監事は、首都高速道路公団の場合におきましては、建設大臣が任免いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/17
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018・田中一
○田中一君 監事の任免権を、監督官庁である建設大臣が任免するということは共通ですか、全部、道路公団等と。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/18
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019・鶴海良一郎
○政府委員(鶴海良一郎君) 建設省所管の公団につきましては、共通でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/19
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020・田中一
○田中一君 そこで、いまの衆議院の修正案、いわゆる「理事長を通じて」というところは削除されるのは当然であって、これは何も理事長あるいは総裁に任免権のない以上、直接に建設大臣に提出するのは当然である。なぜ原案として、「理事長を通じて」ということになったのか、その経緯を説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/20
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021・鶴海良一郎
○政府委員(鶴海良一郎君) この問題につきましては、考え方が二様あると思います。一つは、監事と理事機関とは対等の関係にありまして、職務もおのずから違っているわけでございます。そういう点を注目いたしますと、衆議院の修正案のような考え方が至当であるということになろうと思います。また、監事といえども公団の組織の部でございまして、公団の活動が公団の代表者を通じて行なわれるというのが通常の考え方でございますから、そういう考え方からいきますと、政府原案のような考え方も成り立ち得ると、これは二色あって、どちらがどうというわけではございませんが、衆議院の修正もございましたので、それに従って運営していくということを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/21
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022・田中一
○田中一君 そうすると、これはやっぱり六公団公庫の各総裁に来ていただいて、そうして円滑な運営をするには、その二つの考え方のうちのどちらがいいのかということを聞かなければならぬと思うんです。私どもは、それらが法律によって規定された任務を完全に遂行してくれればいいんであって、この衆議院の修正案によって、この運営が阻害される点が多少でもあれば、これはとれないと思う、この方法をね。その点は衆議院では、各公団、公庫の理事長または総裁を呼んで、現在の運営の実情をお調べになって、その意見等も聞いてこの修正案を出されたのですか、これは瀬戸山議員に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/22
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023・瀬戸山三男
○衆議院議員(瀬戸山三男君) 公団の総裁にその運営についてただしたことはございません。先ほど御説明の中に申し上げましたように、従来建設大臣の監督命令によって、ただいま修正をいたしましたような監督命令が出ておりますが、その際何らの支障はなかったという政府の言明を得ているということをさっきつけ加えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/23
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024・田中一
○田中一君 これは、鶴海君からね、二つの考え方があるという考え方がおかしいんであって、それが集約されて一つの結論になったということでなければならぬと思うんですよ。なるほど理論的に、あるいは法文上はそういう見方があるということは、まあ一つのどんなものでもいろいろ表裏があると思うんです。また、抜け道もあると思うんです。しかし、結論としては、いろいろ議論があったけれどもこの結論になったというような発言が政府委員から出ないと、私どもはもう一ぺん——衆議院が政府の言明を信頼したというならば、私どもは各総裁、理事長等を呼んで、実際の運営について実情を調べなければならぬと思うんですが、都市局長が政府委員として、一つのこのような結論を出したと、したがってこの修正は歓迎するのだということならばいざ知らず、そういう評論家的な発言じゃ、ちょっと困るのだがな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/24
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025・鶴海良一郎
○政府委員(鶴海良一郎君) 実は、この問題につきましては、建設省だけではございませんで、各省に公団があるわけでございます。それで行政管理庁からの申し出をどういうふうに法文上処理していくかということにつきましては、各省共通の問題でありますので、いろいろ意見はあったと思いますけれども、実は内閣の法制局に一任いたしまして、そこで統一的な条文をつくっていただくということにいたしたわけでございます。その結果、各公団とも、この際改正いたします公団につきましては、政府原案は法制局で統一されました案文に統一されておるわけでございます。建設省といたしましては、各省統一の案文に従って原案を提出いたしたような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/25
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026・田中一
○田中一君 ちょっとまだぼくは釈然としないのだがな。内閣法制局から担当の局長でも——局長はいま予算委員会をやっているから、だれか呼んできてください。そうして正式な、建設省だけでなく、各省にあるところの、かかる同じような団体を、法制局長、どう結論づけるかということを聞いておきたいと思うのです。委員長、さっそく呼んでほしいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/26
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027・北村暢
○委員長(北村暢君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/27
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028・北村暢
○委員長(北村暢君) 速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/28
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029・田中一
○田中一君 先ほどの分でなくて、この要綱で質問するわけですが、首都高速道路債券は、引き渡しがあるという場合は、どういう場合をいっているのですか。従来どおり債券は、外部資金を借りる場合には交付してなかったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/29
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030・鶴海良一郎
○政府委員(鶴海良一郎君) 世銀から外資を借りる場合、世銀の条件といたしまして、債券の引き渡しを要求する場合があり得るということになっておりますが、現実に債券の引き渡しを要求された例は、わが国の場合には全然ございませんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/30
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031・田中一
○田中一君 なくともいいという契約を結んでおるということですか。債券の引渡しをしないでもよろしいということになっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/31
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032・鶴海良一郎
○政府委員(鶴海良一郎君) 債券の引き渡しをするということで契約を締結いたしておりますが、現実に債券の引き渡しを要求された事例はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/32
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033・田中一
○田中一君 債券を引き渡すという前提で契約をなさっている場合には、何も建設大臣の認可を受けないでもいいんじゃないですか。その債券を引き渡せばいいんじゃないですか。外国の銀行または信託銀行に委託しなくともいいんじゃないですか。事務の委託をするということは、どういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/33
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034・鶴海良一郎
○政府委員(鶴海良一郎君) これは発行事務の委託でございまして、債券を発行いたします場合には、国内の銀行等に委託してやっております。それから世銀にもし引き渡す必要があります場合には、それを国内で発行できませんので、外国の銀行等に事務を委託しなければならないという関係で、こういう事例を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/34
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035・田中一
○田中一君 そうすると、従来世銀が引き受けて、一般に募集はしてないのだ、世銀が一括世銀の持っておる保有資金を融資するのだということであって、将来世銀が、手持ち資金が枯渇して、外国の銀行または信託会社から資金を誘導する場合には、それらの銀行、会社に、日本の銀行、信託会社に頼むと同じように募集の事務をさせるのだ、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/35
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036・鶴海良一郎
○政府委員(鶴海良一郎君) そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/36
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037・田中一
○田中一君 この法律は、これは施行はいっでしたかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/37
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038・鶴海良一郎
○政府委員(鶴海良一郎君) 施行につきましては、附則に書いてございますように、世銀の関係等の規定は、四月一日から施行いたします。ただ管理委員会の委員をふやしております規定、これにつきましては、出資団体がふえましてから後に管理委員を任命するという関係がございますので、これはおくらしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/38
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039・田中一
○田中一君 そうすると、金利の支払い等は、これはもう自由にできるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/39
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040・鶴海良一郎
○政府委員(鶴海良一郎君) 世銀から借りました金の金利のことと思いますが、これは、この法律が成立いたしますれば、自由に外国に支払い得るということになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/40
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041・田中一
○田中一君 現在の為替法は変わるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/41
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042・鶴海良一郎
○政府委員(鶴海良一郎君) 為替法は変わるわけじゃございませんが、債券を引き渡しました場合の元利送金につきましては、外資に関する法律の第十三条の二の規定による、大蔵大臣の指定を受けたものとみなしまして適用されますので、送金が自由になるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/42
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043・田中一
○田中一君 首都高速道路公団は、いま世銀に金を借りていますか。借りているのならどのくらい借りていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/43
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044・鶴海良一郎
○政府委員(鶴海良一郎君) 首都高速道路公団は、まだ世銀から借りておりません。これから借りますために、その準備といたしまして法律の改正をお願いいたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/44
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045・田中一
○田中一君 どのくらい借りるような計画でいるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/45
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046・鶴海良一郎
○政府委員(鶴海良一郎君) まだ最終的にきまっておりませんが、内定いたしましたところでは、九十億円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/46
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047・田中一
○田中一君 九十億円ですか、億円ですか……。九十億円。ずいぶんちっぽけなもの借りるんだな。日本が世銀に出している出資金は幾らでしたかな、二百億だったかな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/47
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048・鶴海良一郎
○政府委員(鶴海良一郎君) ただいま資料がございませんので、正確なことを申し上げられませんが、二百億円の予定でございまして、まだ出資は全部終わっていないというふうに記憶をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/48
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049・田中一
○田中一君 それから要項六の、管理委員会の委員五人を七人にした具体的理由は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/49
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050・鶴海良一郎
○政府委員(鶴海良一郎君) この管理委員会の委員の増員をはかりました理由でございますが、現在五人の管理委員で委員会を構成いたしておりますが、そのうちの二人は出資団体から推薦いたしております。現在東京都だけが出資団体でございますので、この二人とも東京都のほうで推薦された人を任命いたしておるわけでございますが、今度の契約によりまして、東京の羽田から横浜の東神奈川まで、首都高速道路を延長しようということにいたしております。そういたしますと、出資団体がふえることになるのでありますが、現在の二人はすでに任命いたしておりますので、さらに、ふえました出資団体からの推薦を受けた人も任命する必要があるということで委員の増員をはかった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/50
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051・田中一
○田中一君 そうすると、今度は、埼玉県に行った場合は埼玉県にまた二人入れる、山梨県に行った場合はまた入れるということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/51
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052・鶴海良一郎
○政府委員(鶴海良一郎君) 現在のところ、埼玉方面とか山梨方面についての延伸は考えておりません。もし将来そういうことの必要が生じました場合には、その際任命にするか、検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/52
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053・北村暢
○委員長(北村暢君) 速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/53
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054・北村暢
○委員長(北村暢君) 速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/54
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055・田中一
○田中一君 衆議院で、いま提案されている首都高速道路公団法の一部を改正する法律案に対して、第十九条の五項を修正して当委員会に送付されてまいっておりますが、この修正の要旨というものを、提案者の瀬戸山議員から伺いましたが、このような修正案というものが、各所に関係機関として設置されている公団、公社等々の監事の職責の明確化といいますか、こういう方向に、政府としては意見の一致ができているのかどうか、そうしてまた、将来何かの機会に、行政措置としてはこれと同じような実効がある政策をやって、この方針で臨んでおるけれども、法律改正の機会の場合には、全部にわたって、このように明確に、監事の監査の結論というものを始末つけるという方向に向かうというような政府の統一見解ができているのかどうか、それを実行しようとするのかどうか、これを伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/55
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056・真田秀夫
○政府委員(真田秀夫君) お答え申し上げます。各種公団、公庫等を通じまして監事の職務権限を明確化したいという要望がございまして、これは監事の点に限らず、各種公団を通じまして、しさいに検討いたしますと、かなり違うようなふうになっている点もございますので、なるたけ将来に対するそういう点は統一していきたいという気持ちを持っております。
監事の点につきましては、特にその主管官庁であります行政管理庁のほうから、昨年来監査をなさいまして、その結果に基づきまして、監事の権限をもう少し、制度的にも、法律上明確化したい、裏づけをしたいというその要望がございまして、いろいろ私どものほうでも御相談申し上げました結果、大体御提案申し上げましたような形で統一したいということで、ただ、この際改正のない法律などにつきましても、一ぺんにやるというのもいかがかという実行上の問題もございますので、さしあたり改正の機会にある特殊法人につきまして、そういう線で規定を統一していきたい、かように考えて御提案した次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/56
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057・田中一
○田中一君 おそらく法制局は、今回衆議院に提案された首都高速道路公団法の一部を改正する法律案は検討され、その後結論づけられて提案されたと思うのです。それは、衆議院で修正されたものが当委員会に送付されたわけです。したがって、原案というものは、当委員会としては衆議院修正案が原案となっているわけなんです。いま第二部長の答弁は、政府原案として提案されたものが統一見解になるのか、あるいは衆議院で修正されたものが、結論的に現時点においては政府の統一見解か、どちらを説明しようとしたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/57
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058・真田秀夫
○政府委員(真田秀夫君) 私申し上げましたのは、政府が国会に御提案申し上げました政府原案についてのお答えを申し上げた次第でございます。今回、首都高速道路公団法につきまして、衆議院で御修正がございましたので、少なくとも、現在におきましては、首都高速道路公団と、それからその他の公団、公庫等との間に、規定に不一致が出てきているわけでございますが、首都高速道路公団につきまして、御修正のような形で法律案が成立いたしました場合には、また、それを前提といたしまして、横の統一ということも考えなければならぬと思っております。ただ、私たちの役所のほうといたしますと、今回の御修正がいいのか、あるいは原案がいいのかということは、これは、法制的には、どちらも成り立ち得るのでございます。ただ、監事の職務権限を明らかにするという観点から、どちらがいいのかということは、これは実は、行政管理庁のほうでお考えいただく立法政策上の問題でございますので、そちらとまた御相談した上で、どちらの方針かにきめると、こういう段取りになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/58
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059・田中一
○田中一君 行政管理庁の担当局長を呼んでいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/59
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060・北村暢
○委員長(北村暢君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/60
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061・北村暢
○委員長(北村暢君) 速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/61
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062・田上松衞
○田上松衞君 第二部長のお話でいいと思うのですけれども、予備知識といいますか、そのことのために必要だと思いますから、あえて申し上げたいと思うのです。
すでに田中委員のほうから言われておることであって、感じは同じかもしれませんけれども、若干、そこに、ニュアンスの違う点がありはせんかということを必配するから申し上げるのであります。
大体、前提といたしまして、今度提出されたところの改正案というものは、三点しかないわけなんですね。いわゆる国際復興開発銀行の地位の保護等についての規定を整備しておきたいという一点と、第二番目は、委員の定数をふやしていくということと、三番目が、監事の職務権限についての整備を、「整備」という言葉を使っておりますね。私は、この感覚は、「整備」ということは、強化する意味だと、こう理解しているわけなんです。提案の趣旨の中にも、そういうようなことが感じとられたわけです。したがって、御答弁なさったところの点が、政府原案についての意見を申された。それは、法制的には、どっちをとろうと同一のものだと考えているので、他の関係において、そうしたほうがいいということになれば、そうなるだろう。どっちでも内容は同じだというふうに受け取れてしまう。私はそこに大きな違いがあると思うのですよ。そうではないはずだ。そうではなくて、監事の職務権限を強化していくということは、説明の中にありまするように、監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、監事は理事長または建設大臣——直接建設大臣に対して意見を提出することができると、これが強化の内容でなければならないと思う。ところが、どっちでもいいんだなんていうことになりますと、「理事長を通じて」ということだと、大臣に対する限りは、監事は直接は言えないということになるので、これは性格が大きく違ってくると思う。そこに大きな疑問を持ちますので、その点をさしておるわけなんです。この点を明確にしたいことのために申しておくわけで、十分その点をわかっておられて、しかるべく的確に、もろもろに関係する行き方を、今後非常に問題ですから、十分腹にしめて次の機会の御答弁をわずらわしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/62
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063・真田秀夫
○政府委員(真田秀夫君) 先ほど私お答え申し上げましたとき、多少ことばが足りなかったきらいがあったかと思いますが、どちらでもいいと申し上げる趣旨は、法制的には、どちらでなければならないというものではないという趣旨で申し上げたのでございまして、政府原案に書かれておりました内容と、それから衆議院で御修正になりました結果の内容とは、これは、はなはだ意味が違うということは重々承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/63
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064・北村暢
○委員長(北村暢君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は、この程度にとどめます。
ちょっと速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/64
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065・北村暢
○委員長(北村暢君) 速記起こして。
次に、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
首都高速道路公団法の一部を改正する法律案の審議のため、首都高速道路公団神崎理事長を明後日の委員会に、また、道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案の審査のため、石油連盟の専務理事池田銀三郎君、全石連会長益田進君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X00919640303/65
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066・北村暢
○委員長(北村暢君) 御異議ないと認めます。
なお、その日時等につきましては、委員長に御一任願います。
本日はこれにて散会いたします。
午前十一時三十八分散会
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