1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年三月三十一日(火曜日)
午前十一時四十三分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 北村 暢君
理事
石井 桂君
稲浦 鹿藏君
増原 恵吉君
武内 五郎君
委員
岩沢 忠恭君
熊谷太三郎君
小山邦太郎君
高橋進太郎君
瀬谷 英行君
田中 一君
中尾 辰義君
田上 松衞君
国務大臣
建 設 大 臣 河野 一郎君
政府委員
大蔵政務次官 齋藤 邦吉君
建設政務次官 鴨田 宗一君
建設大臣官房長 平井 學君
建設省道路局長 尾之内由紀夫君
建設省住宅局長 前田 光嘉君
自治大臣官房参
事官 山本 弘君
事務局側
常任委員会専門
員 中島 博君
説明員
大蔵省主計局主
計官 青鹿 明司君
大蔵省主税局税
制第二課長 川村博太郎君
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本日の会議に付した案件
○道路整備緊急措置法等の一部を改正
する法律案(内閣提出、衆議院送
付)
○公営住宅法第六条第三項の規定に基
づき、承認を求めるの件(内閣提
出、衆議院送付)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/0
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001・北村暢
○委員長(北村暢君) ただいまより建設委員会を開会いたします。
まず、委員長及び理事打ち合わせの結果を御報告いたします。
本日は、道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案及び公営住宅法第六条第三項の規定に基づき、承認を求めるの件の質疑、討論、採決を行なう予定であります。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/1
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002・北村暢
○委員長(北村暢君) それでは本日の議事に入ります。
道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
御質疑のある方は、順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/2
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003・田中一
○田中一君 大蔵政務次官にお伺いいたしますが、ガソリン税の増徴等、最近家庭燃料並びに乗用車等にも相当多くのプロパンガスの使用が増大しております。昨日の本委員会で、建設大臣並びに大蔵当局では、これに対する何らかの一いわゆる公平の原則から見て何らかの措置をとりたいということが、閣議でも発言があったそうであります。家庭燃料には、ある地方では八%程度の条例による徴税をしておるところもあるそうでありますけれども、これに対する大蔵省の態度というものは、いつごろ、どのように、どういう方法で、どの使用者に対する消費税的な課税を行なうか、その点を明らかにしていただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/3
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004・齋藤邦吉
○政府委員(齋藤邦吉君) 家庭燃料のプロパンガスの問題につきましては、税制上の問題また公平、いろいろな点を勘案いたしまして、目下検討中でございまして、いつという結論を出す時期については明確に申し上げかねますけれども、慎重に検討いたしまして、できるだけすみやかに結論を出したい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/4
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005・田中一
○田中一君 これは大蔵省に聞いてもどうもしょうがないかもしれぬけれども、プロパンガスというものは、安全性はどうなんでしょうね。これは運輸省に聞かなきゃわからないのかな、それではそれは別にしましょう。
いままでの傾向としての、きのうの答弁では、ごく少数だと、こう言っておりますけれども、東京などの大手のタクシーなどは大部分取り付けをしております。したがって、今回のガソリン税の増徴によって、それが促進されるという傾向にあるわけなんですが、一体そうした需要がどの程度に伸びたならば、課税対象として持っていこうかという考え方が、むろんこれには徴税方式等でもってなかなか困難な点があると思う。ガソリン税は庫出し税になっておりますけれども、どういう方法でいくか。少数だから、消費量が少ないから、徴税が困難だから税金を取らないということは、公平の原則からはずれると思うのです。その点は――そのようなケースがございますか。これは少ないから、いわゆる目こぼしにした、また、徴税が困難だということは、どの程度の困難ならば、税を免れるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/5
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006・齋藤邦吉
○政府委員(齋藤邦吉君) プロパンガスにつきましては、家庭燃料そのほか、タクシーにも使用されるという現状であるわけでございますが、おそらく徴税するということになれば、徴税方式をどういうふうにするか、手続的にも非常にむずかしい問題がたくさんあると思うのでございます。また、実際タクシーにおいてどの程度今後消費されていくであろうか、そういうふうな将来の見通し等もあわせ検討いたしまして、そういう問題を含めて、できるだけすみやかに結論を出すようにしたいと、こういうふうに考えているわけでございまして、いま具体的に、どういう方式でどの程度になれば徴税するかというようなことを申し述べる段階ではありませんが、将来の推移等を検討いたしまして、十分適切なる結論を出すようにいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/6
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007・田中一
○田中一君 それから、昨日建設大臣が、とりあえず本年度の計画は――本年度といいますか、ただいま提案されている新道路整備五カ年計画は四兆一千億ということに妥協した。しかし、明年あるいは明後年にこれを再び、三たびか四たび新しい五カ年計画を立てて、そうして税収の見通しなどをきめながら新しい五カ年計画を立てると、こういうことを大蔵省は了承したと、こういう発言をしておりますけれども、それは池田内閣並びに田中大蔵大臣がいつまで続くものかしりませんが、これは大蔵省としての省議なりあるいは閣議なりで決定したものでありますか、それともただ大蔵大臣並びに建設大臣との話し合いできめたものであるか、その点は、あなた方事務当局としては、それに対する承知のしかたはどんな程度です。これは政務次官に伺うよりも……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/7
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008・青鹿明司
○説明員(青鹿明司君) 予算の編成の最終段階で、投資規模をどうするかということが大臣折衝にのぼったわけでございますが、その際に建設大臣から将来財政事情が許せばこれを改定したいという御発言のあったことは事実でございます。ただ私どもといたしましては、新道路五カ年計画のスタート現段階におきまして――将来いろいろな事情でもってあるいはこれを改定するということはあり得るかもしれませんけれども、現段階では、ともかく四兆一千億を誤まりなく達成するということに主点を置いて考えておりますので、ただいま私どもから、改定するとかしないということはちょっと申し上げかねる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/8
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009・田中一
○田中一君 そうすると、まあ大体長期計画というものは、ことに財源をガソリン税に依存しているという現状から見れば、当然先行きのほうが確固たる見通しがつかないものだと思う。本年度の六千億程度のものではこれは四兆一千億という金が泣くわけです。ここには四百五十億程度の一般財源をつけておりますけれども、将来ともに一般財源のつけ方はことしが一番多いと思うんです。そこで、将来一般財源のつけ方というものを――建設大臣はそれに依存するということを言わないで、このガソリン税一本やりで考えておられるようです。将来ともにガソリン税をもっと増徴して、値上げをして、それでそれに依存しようという考えを持ってるらしいけれども、私どもは、どこまでも一般財源として投入すべきであるという見解を持ってるんです。有料道路その他については、これは世界銀行の借り入れ金でも何でも借金してもかまいません、一応有料道路というものに対しての認め方をわれわれ国民としてしておるんですから。しかし、一般財源として将来ともにどのくらいの規模のものを投入しようとするか、おそらく予算打衝の最後の段階では、そのようなことも話し合ったものだと思うんです。その点はどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/9
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010・青鹿明司
○説明員(青鹿明司君) 四兆一千億の事業を執行いたします際に国庫の負担がどの程度になるかということでございますが、これは当然公共道路につきましての補助金あるいは有料道路についての出資金が要るわけでございまして、まだ中身はきまっておりませんので正確に国費の負担額が幾らであるかという計算はいたしかねるわけでございますが、一応の過去の実績等から推定いたしましたところでは、約一兆七千六百億というような計算をいたしておるわけであります。四兆一千億のうち一兆七千六百億が国費の負担であるという私どもの計算であります。
それでちょっと申し上げておきますが、このうち財源の大宗は、やはり特定財源であるガソリン税の収入に依存せざるを得ないということでありますが、将来の税収がどの程度になるかということは、ただいま主税局あるいは建設省、通産省その他、今後慎重に検討すべきだと存じますので、そのうち一般会計の負担が幾らになるかということは、ちょっと計数的に申し上げにくいわけでございますけれども、ただ大勢的に考えますと、現行の二兆一千億の計画を策定いたします際に、一般財源とガソリン税との負担の割合が、全体を一〇〇といたしますと、一般財源が八・一%ぐらいでございます。それから三十六年から三十八年度までの実績を見ますと、これが約一〇%強になっております。計画では八・一%の予定であったものが、実績では一〇%をややこえるくらいのものになっております。それで今度の五カ年計画でどうなるかでございますが、先ほど申しましたように、まだ計数ははっきり計算ができていないので申し上げかねるわけでございますが、一般財源の負担は、いままでの実績よりオーバーせざるを得ないのではないかというふうに考えております。それからその事実――その例証であるというわけではございませんけれども、三十九年度の予算を編成いたします際に、揮発油税収の三十八年度対三十九年度の伸びは二二・八%でございますが、一般財源のほうは、前年度が三百六十億でありましたものを四百五十億と、二五%増額いたしているわけでございまして、私どもとしても、この計画達成のために、今後とも相当な一般財源の負担をしてまいらなければならないのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/10
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011・田中一
○田中一君 ガソリン税の免税されている業種――使用業種といいますか、これはどんなものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/11
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012・青鹿明司
○説明員(青鹿明司君) 税制上の問題でございますので、私、詳細誤りなく申し上げかねますので、ただいま主税局の担当者を呼んでおりますから、少々御答弁をお待ち願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/12
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013・川村博太郎
○説明員(川村博太郎君) 現在ガソリン税を免税しておりますのは、石油化学工業原料としての消費、石油化学工業第二次製品の製造に直接供するための揮発油消費、それから航空機の燃料、ゴムの溶剤等、そういうものについての消費につきましては、ガソリン税を免税しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/13
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014・田中一
○田中一君 そうしますと、その数量は、税をかけているものと税をかけていないものとの比率は、どうなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/14
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015・川村博太郎
○説明員(川村博太郎君) 三十九年度の数量で申し上げますと、一応予算で見込んでおりますものは、需要見込み数量といたしましては、一千八十五万八千キロリットル、これが需要見込み数量でございます。そのうち免税見込み数量といたしまして八十八万五千キロリットル、差し引き九百九十七万三千キロリットルが課税数量でございますが、期間のズレがございますので、その調整をいたしまして、差し引きの年度内に収入となる課税標準数量といたしましては、九百七十五万キロリットルになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/15
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016・田中一
○田中一君 農耕用の使用量などに対しては、どういう措置をとっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/16
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017・川村博太郎
○説明員(川村博太郎君) 農林業用の消費数量につきましては、これは多分に推計が入っております。現在農林業用につきましては免税しておりません。で、自動耕うん機とか、そういう農業用の機械の台数及び一台当たりの消費数量、これを農林省の資料等に基づきまして、主税局で推計いたしました数字は、三十九年度の推計消費量といたしまして、三十三万一千キロリットルでございます。これは農業用でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/17
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018・田中一
○田中一君 それじゃひとつ角度を変えて道路局長の尾之内さんに。道路局では、いま大蔵省が言っているように、明年あるいは明後年ガソリン税の税収並びに一般財源を投入することが可能になった場合には、新しく五カ年計画を立ててくれ、また、立てるというように、また、立ててもよろしいような話し合いができておるという話は聞いておりますが、大体の腹案としては、道路局の希望としては、先般建設大臣から一応の要求額は聞いておりますけれども、事務当局としてはどういう考え方を持っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/18
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019・尾之内由紀夫
○政府委員(尾之内由紀夫君) 新五カ年計画としては、御承知のように、五兆円の規模のものを計画しておったわけであります。この規模は、昭和五十五年を目標といたしまする国土建設のビジョンに基づく、総額二十三兆八千億ぐらいの道路整備を頭に置いてつくったものでございます。したがいまして、現実におきましては財政事情で四兆一千億となりました点は、計画といたしましては五兆円というものは、できれば望ましいと、こういう考え方を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/19
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020・田中一
○田中一君 そこで、社会の事情の変更によって、将来この五カ年計画を改定する場合、来年度五兆円で足りるというのでなくて、もう少し大きな規模のものを考えておるのじゃないかと思うのです。たとえば地方道のうちの幹線道路も全部整備するとか、そういうような問題も考慮されておりますか。せんだっても、大体の地方道等の整備の説明もありましたが、もっと足りない、ほんとうに完全にするのにはどのくらいいるのかという考え方はむろん道路局は持っておりますね。いまの時点で完全に道路だけは整備しようということになりますと、どのくらいの金がかかりますか、いまの時点で。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/20
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021・尾之内由紀夫
○政府委員(尾之内由紀夫君) 先ほど申しました五十五年の一応目標と申しますのは、全国にわたります自動車道路も、非常に、道路の近代化としての幹線道路の整備を、約六千七百キロぐらいあります、そのぐらい整備をするという目標を持っております。それから一般、それ以外の国道並びに県道につきましては、大体ヨーロッパの先進諸国の水準並みに持っていくというところまで必要な投資を考えております。それらを合わせますと、おおむね二十三兆八千億ぐらいになると思います。これを一度にはなかなかたいへんでございますので、とりあえず第一次の最初の五年間では五兆円ぐらい必要であろう、かようにはじき出したものでございます。したがいまして、どのくらいかということになりますと、近代化の道路は別にいたしまして、その程度の規模のものが必要と、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/21
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022・北村暢
○委員長(北村暢君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/22
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023・北村暢
○委員長(北村暢君) 速記起こして。
別に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/23
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024・北村暢
○委員長(北村暢君) 御異議ないと認めます。
それではこれより討論に入ります。
御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/24
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025・北村暢
○委員長(北村暢君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより採決に入ります。
道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/25
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026・北村暢
○委員長(北村暢君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じます。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/26
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027・北村暢
○委員長(北村暢君) 次に、公営住宅法第六条第三項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
御質疑のある方は、順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/27
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028・田中一
○田中一君 大蔵省、自治省来ておりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/28
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029・北村暢
○委員長(北村暢君) 自治省より山本参事官が出席をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/29
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030・田中一
○田中一君 公営住宅建設三カ年計画の実績表を見ますと、第一期の二十七年、二十八年、二十九年は、この法律の制定された年でありますから、一応十八万戸の計画が六九%しか完全実施をしなかった。これは一応了解いたします。しかし、第二期から第四期までの実績を見ますと、ことごとく国会が承認した戸数よりは少ないのであります。これに対して、いままで原因は何かという点を追及してまいりますと、予算が足りない、こういうことです。むろん法律には予算の許す範囲ということになっております。むろん予算の編成権は大蔵省が持っておるからそういうことになっておりますけれども、これはわれわれはもう承服できないのです。大臣、政務次官等、行政官であると同時に国民の代表であるはずであります。あなたたち自身が、こういう結果を見て、これをこのままでいいということにはならぬと思うのです。ことに先般やめた早川自治大臣は、地方公共団体に対して非常に多くの住宅政策を促進させようというような計画を持っておったので、たとえ国からの補助金がきても、地方公共団体において、自分のほうの財源上受け切れないものもありますし、その場合には、財源があるところへそれを振りかえて一応完成はしておるのです。その原因というのはどこにあるかということを考えますと、そういう地方自治体の財政事情によるものじゃなかろうかと考えたのですが、そうじゃない、どこまでもこれは大蔵省が予算をくれないのだという結論に、従来というか、前回までの質疑の結果、そのようになっております。それで大蔵省は、これに対する第五期三カ年計画については、完全に二十万戸というものを建設し得る予算を計上するという点についての確約を願いたいと思うのです。これは大蔵省の政務次官、ほんとうのこの約束を実行するという自信をもって答弁して
いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/30
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031・齋藤邦吉
○政府委員(齋藤邦吉君) 過去におきましては、御質問の、御意見にありましたように、計画どおりいかない、そういう面があったことは、私どもも率直に認めておるわけでございまして、今後、昭和三十九年度から始まる三カ年二十万戸建設計画については、過去のこういう遺憾なことのないようにしなければならぬと、こういうふうに私どもは考えておるわけでございます。一応三十九年度の建設予定戸数の六万戸をベースとして考えますると、戸数面では一一%程度の伸び率で建設するということが必要であるのでございまして、戸数の面から申しますれば、過去の予算の伸び率から見ましてもさほど困難なものではない、かように考えております。
しかしまた、戸数を整備するだけでなしに、やはり住宅建設となりますと、その質を向上させるということも必要でございますので、そういう面の財源も確保するということが必要になってこようかと思うのでございますが、いずれにいたしましても、三十九年度から始まる二十万戸三カ年建設計画というものにつきましては、財源の確保をはかりまして、私ども財政当局としては、必ずできると、また、できるようにしなければならぬと、こういうふうにかたく信じておることをお約束申し上げておきたいと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/31
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032・田中一
○田中一君 そこで、これに加えまして申し上げたいのは、規模の問題は、いま政務次官も言っておりましたが、今回提案されている承認事項として第五項に、「公営住宅は、良好な環境を確保するように、総合的な住宅団地計画に基づいて、その建設を図り、必要に応じて共同施設の建設をあわせて行なう。」ということになっております。この「必要」というのは、建設をする側の必要度が直接の窓口になりますけれども、団地の居住者の必要というところに要求があるのだというように私は理解しておるわけです。したがって、この共同施設の建設も、当然これは戸数にはございません。戸数以外の建設でありますけれども、これも御了解――御了解というか、いまの発言の中に含まれているのだというように理解してよろしゅうございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/32
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033・齋藤邦吉
○政府委員(齋藤邦吉君) まあ住宅でございますから、住む人の立場を考えるということは、私、当然だと思いますので、お話のような点も法律上から含まれると、こういうふうに解釈をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/33
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034・田中一
○田中一君 自治省に。私ども住宅建設に非常に熱意を持っておる者といたしまして、いままでの公営住宅建設三カ年計画の経過を知っております。先ほど申し上げたように、地方自治団体の財政的理由によって一応建設省は、建設計画を諸般の実情から見て、何々市に何戸の住宅を供給しようと、こういう申し入れをいたしましても、自治団体の財政上の実情から見て、とうてい受け切れないというような現状から、やむなく返還している事実がたくさんございました。その際に、むろん当該自治体の長である人が住宅政策に熱意があった場合、自治省に対して足りないところを起債でまかないたいからといってあなたのほうに申し出た場合には、必ずこれにこたえて地方債を認めるというような心がまえがあるはずであります。いまの大臣は知りませんけれでも、早川大臣は、強くそういうことを発言しておりますので、この点、ひとつ自治省の真剣な答弁としてこの点を明らかにしてほしいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/34
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035・山本弘
○政府委員(山本弘君) 公営住宅の建設につきましては、国のほうで予算がきまりまして、そして戸数がきまってまいりますが、地方団体が事業主体といたしまして建設事業を行なうわけでございます。そのいわゆる地方団体の裏負担分につきましては、地方債その他の財源ということになるわけでございますが、せんだっての委員会でも申し上げましたように、地方債の充当率も、今年度から若干上がってもおりますし、自治省といたしまして、そういう住宅政策に対する前向きの姿勢で政府主体の住宅施策の全面的協力という意味から申しましても、国の予算が二十万戸分に見合う額として確保される限りにおきましては、地方債その他の財源を十分考慮いたしまして達成いたしたい、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/35
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036・田中一
○田中一君 加えて建設省の補助金が、実際の建設費と比較いたしますと非常に低額です。これに対する手当ても、地方自治団体ができない場合には考慮するということを約束していただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/36
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037・山本弘
○政府委員(山本弘君) 御説のとおり、ただいまの補助単価その他につきましては、必ずしも実情に見合うものではございませんので、いわゆる超過負担という問題が起こってくるわけでございます。そういう問題が生ずることによって地方財政を圧迫するということで、地方団体が計画戸数の達成ができないということが絶対にないようにいたしたい、かように存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/37
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038・田中一
○田中一君 大体それでいいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/38
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039・北村暢
○委員長(北村暢君) 速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/39
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040・北村暢
○委員長(北村暢君) 速記つけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/40
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041・中尾辰義
○中尾辰義君 私は一言お伺いしておきたいと思うのですが、この七百八十万戸の建設の中で、三百万戸政府住宅にする、こうなっておるのですが、いままで民間住宅はどのくらいできておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/41
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042・前田光嘉
○政府委員(前田光嘉君) 最近の数字を申し上げますと、昭和三十八年度は五十万戸と推定いたしております。昭和三十七年度は四十七五尺昭和三十六年度は四十五万八千戸ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/42
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043・中尾辰義
○中尾辰義君 合計幾らですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/43
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044・前田光嘉
○政府委員(前田光嘉君) 民間住宅の合計でございますが、百四十二万戸でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/44
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045・中尾辰義
○中尾辰義君 その中で、民間住宅の内訳ですね、自分の資金で持ち寄ったのもありましょうし、貸し家を建てたものもありましょうし、いろいろあると思いますが、その内訳は大体どのようになっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/45
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046・前田光嘉
○政府委員(前田光嘉君) 詳細な数字は、申しわけありませんが、最近の%で申し上げますと、持ち家――自己所有の住宅が四五%、貸し家が四五%、それから社宅等のいわゆる給与住宅が一〇%という傾向でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/46
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047・中尾辰義
○中尾辰義君 いまの都会など、非常な安普請の壁一重で隣の声が聞こえるような住宅ができておりますが、貸し家で。ああいうのもいわゆるあなた方のおっしゃるところの「一世帯一住宅」の中に入っているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/47
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048・前田光嘉
○政府委員(前田光嘉君) われわれのほうでは一定の基準を引きまして、いまお話のような非常に小さい住宅は勘定いたしておりません。基準といたしましては、世帯において変わりますが、普通の世帯、四人家族ですと、十二畳以上の住宅、こういうふうにいたしまして、それ以下のものは住宅としては計算いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/48
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049・中尾辰義
○中尾辰義君 十二畳以上のものですね、そうすると。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/49
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050・前田光嘉
○政府委員(前田光嘉君) 二人家族につきましては、九畳未満のものも入れております。二人家族ならば、九畳未満のものは住宅としない。四人家族でございますと、十二畳未満のものは住宅としないという計算でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/50
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051・中尾辰義
○中尾辰義君 そうすると、二人家族で九畳未満のものは住宅としない、こういうわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/51
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052・前田光嘉
○政府委員(前田光嘉君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/52
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053・田中一
○田中一君 そうじゃないのだ。住宅としないのじゃなくて、住宅の勘定にはいっていないということだろう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/53
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054・前田光嘉
○政府委員(前田光嘉君) そういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/54
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055・中尾辰義
○中尾辰義君 そうすると、一人で四畳半とか、そういうものを借りておりますね、アパートなんかで。そういうのはどうなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/55
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056・前田光嘉
○政府委員(前田光嘉君) 住宅の実際建っておる実態は、いまお話のように各種さまざまでございますが、われわれが住宅の数を計算いたしますときには、そういう小さい規模のものは住宅としては計算をしていないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/56
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057・中尾辰義
○中尾辰義君 だから、一人で四畳半を借りているでしょう、アパートなんかの場合。そういうものは住宅の、おたくの「一世帯一住宅」の数の中に入っておるのか、入っていないのか、それを聞いておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/57
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058・前田光嘉
○政府委員(前田光嘉君) 入っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/58
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059・中尾辰義
○中尾辰義君 そうすると、さっきおっしゃった二人で九畳未満のものは入っておらない、九畳以上のものが入っておる、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/59
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060・前田光嘉
○政府委員(前田光嘉君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/60
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061・北村暢
○委員長(北村暢君) 別に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/61
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062・北村暢
○委員長(北村暢君) 御異議ないと認めます。
それではこれより討論にはいります。
御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
なお、附帯決議は、討論中にお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/62
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063・田中一
○田中一君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議案となっております公営住宅の三カ年計画の承認案件に対しては、附帯決議を付して賛成するものでございます。
過去四期の計画を実績の面から見てみますと、はなはだ不十分のものがあります。しかしながら、今回は、提案された内容につきましては二十万戸伸びております。しかし、戸数については、もうとうていわれわれ並びに国民が納得するものではございません。しかし、この中に、地域別の住宅需要に即応する、そうして母子世帯、炭鉱離職者等特別の緊急の要求に対しても、これを配慮しようと、また、長い間議論してまいりましたところの不燃化の問題も、原則としては不燃、堅牢な構造とすることを規定してございます。同時に、団地計画の実施を大きく増大し、かつ、この団地の居住者の必要に応じてあらゆる共同施設をもあわせて建設するという、従来、前四期とも議論になりました点が、ことごとく今回の提案の計画によって解決されるのではないかという希望を持つものでございます。しかし、何といっても戸数が足りない、同時に、いままでの実績が財政当局の不熱意によって阻害されたという点から見ましても、今回の提案については、完全にこれを建設することを要求するものであります。
そこで、ここに各党の話し合いの結果、代表いたしまして、附帯決議を付したいと思います。その案文は、
本法制定以来、四期にわたる公営住宅建設三カ年計画はいずれも達成されていない。
公営住宅は、国民の強く要求しているものであるから、第五期三カ年計画においては、政府は責任をもって完全に達成すべきである。
右決議する。
以上附帯決議を付しまして賛成の意を表します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/63
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064・北村暢
○委員長(北村暢君) 他に御意見もないようでございまするが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/64
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065・北村暢
○委員長(北村暢君) 御異議ないと認めます。
それではこれより採決に入ります。
公営住宅法第六条第三項の規定に基づき、承認を求めるの件を問題に供します。
本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/65
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066・北村暢
○委員長(北村暢君) 全会一致と認めます。よって本件は全会一致をもって原案どおり承認すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/66
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067・北村暢
○委員長(北村暢君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
次に、討論中に述べられました田中君提出の附帯決議を議題といたします。
田中君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/67
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068・北村暢
○委員長(北村暢君) 全会一致と認めます。よって田中君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。ただいまの決議に対し、河野建設大臣より発言を求められておりまするので、この際御発言を願います。河野建設大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/68
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069・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) 政府といたしましては、附帯決議の御趣旨を了といたしまして、これらの達成に全責任を持って当たることを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/69
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070・北村暢
○委員長(北村暢君) 本日はこれにて散会いたします。
午後零時二十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X01819640331/70
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