1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年五月七日(木曜日)
午後二時一分開会
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委員の異動
五月七日
辞任 補欠選任
中尾 辰義君 牛田 寛君
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出席者は左のとおり。
委員長 北村 暢君
理事
石井 桂君
稲浦 鹿藏君
増原 恵吉君
瀬谷 英行君
委員
熊谷太三郎君
田中 一君
武内 五郎君
牛田 寛君
田上 松衞君
政府委員
農林省農地局長 丹羽雅次郎君
建設省住宅局長 前田 光嘉君
事務局側
常任委員会専門
員 中島 博君
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本日の会議に付した案件
○住宅地造成事業に関する法律案(内
閣提出)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X02519640507/0
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001・北村暢
○委員長(北村暢君) ただいまから建設委員会を開会いたします。まず、先 ほどの委員長及び理事打ち合わせ会の結果を御報告いたします。
本日は、前回に引き続き、住宅地造成事業に関する法律案に対する質疑を行なう予定であります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X02519640507/1
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002・北村暢
○委員長(北村暢君) この際、委員の異動について報告いたします。
本日、中尾辰義君が委員を辞任せられ、その補欠として牛田寛君が選任せられました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X02519640507/2
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003・北村暢
○委員長(北村暢君) それでは、これより本日の議事に入ります。
住宅地造成事業に関する法律案を議題といたします。
本案の質疑を続けます。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
ちょっと速記とめてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X02519640507/3
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004・北村暢
○委員長(北村暢君) 速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X02519640507/4
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005・田中一
○田中一君 前回の農水との連合委員会において、農水委員の諸君からいろいろ質疑がかわされ、私ども、農地転用許可基準の内容については、詳細理解し得ないものもあるのでありますが、それもあわせてきょうは質問するわけでありますが、現在のこの昭和二十四年の次官通達で出ております農地転用許可基準は、民間企業に、民間の宅地造成事業に対しては、転用を許可しないというたてまえをとっております。しかしながら、一応六十日以内程度に自家住宅を建築する場合には、小さな宅地は転用許可を与えているように聞いておりますけれども、これは一体、今日まで、面積とそれから許可の口数ですね、これはどのくらいありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X02519640507/5
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006・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 農地転用上の宅地の扱いにつきまして、先般来申し上げておりますが、ちょっと御説明が不十分であったかと存じます点がありますので、補足させていただきます。
私ども、農地を宅地に使うことを許可しておらないのではないのであります。農地の転用を実需者に許可するというのが基準原則で、転用してよそに売るという形の転用申請者は、たてまえとしてとらないというのが原則です。したがって、個人の方であっても、会社であっても、自分が自分の住宅なり社宅をおつくりになるというのは、農地法上の転用の対象としては認めておるわけであります。したがって、今度は第三者のために住宅をつくる場合、建て売りは認める、そこへすぐ家をお建てになるということをやりたいというのは認めております。ところで、今度は家を建てない、宅地だけをつくるというお仕事は、公共性の強い地方公共団体なり、住宅公社なり、あるいは公益法人なりにして、それ以外はお断わり申しております。これは一つは、何年も遊休化しまして、値上がりしてからだれかに売るというのでは、やはりいろいろの問題もあるという立場で、建て売りならば認める、そういう仕組みでまいっております。今回初めて、民間業者の宅地造成を農地転用の許可の対象にするかしないかという問題が今度初めて発生いたしました。いろいろ御議論をいたしましたが、いろいろ事業計画を立て、いろいろ監督を受ける建設省も非常に御指導されるというふうに、ぎりぎりしぼられた形の、民間宅造業者には、ともかく転用の対象にするという資格を与えるところまではまいったわけであります。そういうまず趣旨でございます。
したがいまして、この住宅地の転用の件数、面積はどうかということでございますが、五千坪以下の知事が許可している部分は、年ごとに違いますが、三十七年の例で申しますと、二十万五千件、面積は七千二百四町歩許可しております。それから五千坪以上は、住宅は比較的少ないのでございますが、百五十件で七百二十へ町歩、これは農林大臣許可——現実には地方農政局長がやっておりますが、そういう形で住宅には許可をいたしておる。ただ、これはいま申しましたとおり、住宅を実際お建てになる方について許可をしておる、こういう関係でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X02519640507/6
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007・田中一
○田中一君 先日、連合委員会において、いろいろ農水の委員の諸君からも質問がありましたが、その中で一番強く要求しているのは、優秀な農地がばらばらで虫食い葉のように宅地への転用を認めているという現状ですね、ことにこれの住宅地造成、これによってなおさらそれが増大するのではないかというような心配がるるなされたわけなんです。私どもの理解では、現在農林省は、いま農地局長の答弁のような基準で小さな宅地を自家住宅ために転用を許可をしているという現状は、虫食い葉のような現象になるのではないかと思うのです、おのずから。今回のこの法の制定によって、それらのものはどうお扱いになるか。また、いま農地局長は、私が質問しているように、自分の持ち家をつくるための農地の転用は許可するけれども、それは決して虫食い葉のようなものにはならないのだ、今回のこの法律によって許可される、これは三千坪、あるいは小さなものは五百坪ということになっておりますけれども、これらのものこそ虫食い葉のような現象になるのだというようなお考えか。せんだっての農水委員の質問は、大体そういうところに心配があったように見受けられますけれども、今後この宅造法によって転用された農地の接点にある農地、これはおそらく宅地として、住宅地として適格な土地が多いのじゃないかと思うのです。その場合には、農地局としては、自家住宅をつくるためには、五十坪でも百坪でも八十坪でも、従来と同じように転用を認めていこうという方針かどうか伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X02519640507/7
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008・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 問題が二つございまして、まず許可の対象にするかしないかということと、許可の対象にするけれども、どういう形で許可をしていくかという問題とあろうかと思います。農地の転用行政をいまやっておりますが、当初の時期におきましては、一つには、やはり食糧が不足だから農地をつぶさないという線が一つあったことは事実でございます。ただ、最近といいますか、数年前から私どもが心がけておりますのは、いろいろの土地需要が起きてまいりまして、実際農地を使わせないと言っていることが、はたして正しいかどうかという反省の上に立ちまして、どうしても使うならば秩序あるつぶし方をしたい、これがいまの農地法の転用の基本方針でございます。そこで、先般も第三種農地というようなことばを申しましたが、三種農地というのは、たんぼとして二石取れるとか三石取れるとか一石取れるとかという意味でないのでございまして、区画整理が行なわれておる、もう水道、下水がきておるとか、そういう形で市街化が相当進展しておる、そういうところにあるたんぼは三種農地として考える。そのたんぼが収量幾らかということは一応別の角度から考える。そして転用したいという方なりが相談に来る、農業委員会なんかに来たりするときにそっちに持っていく、そしてそういう形で許可をしていく、家を建てるとか工場を建てるのを認めないということであってはおかしいのじゃないか。そういう形で処理をしていく。したがって、この許可基準というのは、全国に発表いたしまして、農業委員会はみな持っているわけであります。農地をつぶせるかという相談にも来るわけであります。あすこはどうだと言うと、あすこはまだとてもそういう状態でないからおやめになったらいい、ほんとうに出されても許可しませんよ、こういう形で一種の事前誘導というものが働いているところに非常に私は一つの意味があろうと思います。したがって、現在住宅地につきましても許可をいたしておりますのは、そういう。プロセスなり、スクリーンを経まして許可されておるわけでございます。ほんとうに美田のまん中に家を建てたいといって出しても、ほんとうは許可しない、お建てになるなら、こちらと——そういう問題のほかに、実は都市計画等の関係で都市計画の中で住宅地域の指定等がございます。そういうものについては、私ども、建設省と相談して、その外に飛び出したいというところにはお断わりしている。その中でお建てなさいということで、都市計画の面におきます工場地域とか住宅地域になるたけ追い込んでいくという立場で実は御協力をいたしておるわけでございます。そこでいまそんな、いま現に先ほど申しましたような数多くの件数は許可いたしておりますが、これが全然虫食い葉でないと断言するほどうまくいっておるとは思いませんが、転用許可基準によりまして、なるべく虫食い葉にならないで農地として温存することを必ずしも固執しない地域に指向させようという考えでやっているわけでございます。
そこで今度の法律でございまして、初めははずせないかというお話もございましたが、しかし、そのはずせないということではない、ただ農地転用の許可基準の原則の上に立って許可という、何といいますか、手続を経つつ住宅行政に協力しましょう、そうしてその御協力をするという気持ちなり精神を尊重して配慮するということでしたので、私は法文に同調したわけでございます。したがって——かつ、この前申し上げましたように、都市計画法に基づく区域内の土地で住宅造成事業規制区域としてしぼられようという、住宅行政の立場からしぼられようという地域でございますので、私のほうは、そういうところは、住宅をつくるということは、むしろ根本的に反対でない……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X02519640507/8
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009・田中一
○田中一君 反対でない——。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X02519640507/9
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010・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 反対でない、で、大事をとって許可制をとります。農地法の転用の原則に照らして差しつかえないものを許可いたします。そういう整備をいたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X02519640507/10
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011・田中一
○田中一君 その第三条の住宅地造成事業規制区域の指定については、ここに明らかになっておるのは、ただ単に都道府県知事が認可をする、許可をするということの前に、市町村長の意見を聞かなければならないということになっております。それから二項には、今度三千坪以上の規模ですが、指定しようとする場合には、都市計画審議会の意見を聞かなければならない。これは全部そうでしょう……。全部建設大臣がやる場合には、その地域の都市計画審議会の意見を聞かなければならないということになっております。そこで、都市計画審議会の委員には、当然その地域の農地局長なり農林局長なり農林部長なり、あるいは中央の農地局長なりがこれに参加して協議を進めるということになると思うのですが、こういうきめ方で、農林大臣の意思というもの、いわゆる農地転用の許可権を持っている農林大臣の意思というものは反映されるという見方をしておりますか。あるいは府県の農地部長なり、あるいは中央からの農地局長なりが、委員として出ている中では少数であるから、農林大臣の意見というものは反映されないというお考えになっておるか、それをひとつお伺いしたいと思う。そうして勝手に規制区域というきめ方を——かりに農地局長等の意見が少数で敗れてきまった場合に、農地法の許可基準というものが、この審議会の意見のほうが強く働いて、そのまま自動的に都市計画区域になるというように理解しておるかどうか、その点をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X02519640507/11
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012・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 住宅地造成事業規制区域内におきましては、農地転用の許可をかりに要しないということにいたすということでございますれば、私どもは、本案に非常に問題がある。ところが、これは民間宅造業者が一応三千坪なり何なりの事業をやろうという、やれる場所でございますね、この場所をきめられても、その人がほんとうにおやりなろうと思うときには、転用許可願いを出してこなければならない。そこで転用許可願いが出てきたときには、私ども先般来申し上げますとおり、転用行政の目で見ますと、その中で差しつかえなければ認めますということでございますので、この住宅地造成事業規制区域そのものにつきましては、許可権を保留してございますので、純形式論で申せば差しつかえない、しかし、それではせっかく指定した地域で、今度あとは法律論ではございません、今度は運用の問題でございますが、そういう地域で出してみたら、やはり不許可になるとか許されないというのでは、非常に問題がございます。そこで、そういう許可権を保留しておる担当者としての農林省の出先なり、あるいは県の農地行政部門が参加しまして、そしてここならほんとうに出てきたって、わたしのほうでは許可するわけにいかぬということを発言することは、絶大なる権力を持ってるわけであります。したがってその運用の問題としては、その事前の段階において調整された地域が出て指定地域が定められまして、そこで出てきたものはなるべく尊重して許可をしていく、こういうことになるべきであろうと私どもは考えます。かつ、一番懸念されます転用の認可の問題が、いま申したとおり、かかることにいたしておりますので、法律論的にはたががはまっておる、それから運用的には、先ほど先生御指摘の審議会なり何なりで、非常に大きなその権限を持っておる人間の発言を通じまして調整をはかっていけると私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X02519640507/12
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013・田中一
○田中一君 そうすると、たとえ審議会が一方的に規制区域をきわめても、農地法による農地転用許可行政というものは生きておるのだと、したがって、生きておるということだけでは困るから、それに対しては、事前の話し合い等が何回か行なわれるから、その場合には、よいというこの転用許可基準に盛られている範囲のものならば、法律第二十条の二項の農林大臣は云々という配慮条項が行なえるということでいいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X02519640507/13
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014・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X02519640507/14
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015・田中一
○田中一君 実は、私ども社会党の内部におきましても、その点が一番問題になっておりまして、農林大臣の持っておるところの転用許可行政というものは、この審議会あるいは建設大臣の一方的な意思によって決定されるのじゃなかろうかという必配を持っておりますので、それがいま解明されて、どこまでも農地法によるところの転用許可基準というものは生きているのだということならば、これはもうその点については問題はないと思うのです。したがって、そういう理解が、先般の連合審査会の場合、同僚の各委員はそのような理解をいま現在でもしておらないのじゃないかと思うのです。それは、せんだっての住宅局長並びに農地局長の答弁が、どうも私が質問したような形で行なわれなかった点もあったかもしれぬのですが、そういう誤解を持っているように印象づけられたものですから、その点はどう見ておりましたか、農地局長は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X02519640507/15
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016・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 私、あのときのお話は、大臣も御一緒でございましたが、転用許可は残っているし、配慮というものは、転用許可の大原則を殺してまで働くものじゃないという趣旨のことを大臣おっしゃいました。それであれば、ここで三条で協議は要らないではないかというお立場で農林大臣は言われた。しかし、ある立場に立てば三条についても協議をかけて、そしてさらに転用をかけろというほうがベターだという御議論は、御議論としてあり得るかと思います。あのときの大臣も私も口をそろえてかんぬきかけて言ったわけでございますが、三条で協議は必ずしも要らないと思います。むしろ逆に三条で協議して転用をはずすということのほうが根本的な問題じゃないかという態度で私ども本件に終始しておるわけであります。したがいまして、考え方の問題だろうと存じます。ただ三千坪といいますと、私のほうの立場で言いますと、一町歩でございますが、一町歩という意味ではございません、この規制区域は。一町歩のものがばらばら出てくる、一町歩以上のものがばらばら出てくる範囲ということでございましょう。この両者の協議にかけるには、あまりにも何といいますか、ほかの大事業のような、地方公共団体がつくる二十万坪、三十万坪ということでございますと、協議ということで、地図の上で相談もできるわけでございます。したがって、これは協議にかけたからといっても、実際問題として、やはり下へ下へとおりてくる形にならざるを得ない。そこでむしろ許可のほうはどうしても要るというのが、私どもの一貫した主張であったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X02519640507/16
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017・田中一
○田中一君 さっき答弁がなかったのですが、たとえば今回のやつは、民間の宅地造成に対しての規制でありますが、公共団体が行なう宅地等の隣地ですね、地域の隣地などは、やはりいままでの農地法の農地転用基準によってどんどん許可していくという方針ですか。あるいは、このような民間並びに公共団体等は、大規模の優秀な都市計画法に基づく都市づくりをして、そこに住宅を誘致するという形のほうに相当肩がわりしてもらって、それで虫食いのようにあちこちと適当な市街地になりますから、どっちみち都市計画法で市街地化して売るなり建てるなりするわけですから、その場合に、いままでのように、小さな敷地を、農地を転用さしていくというような方針を今後ともとろうというつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X02519640507/17
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018・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) たいへんむずかしい御質問なんでございますが、住宅政策としまして、個人がばらばらお建てになるのを許可しないということは、ちょっと問題だろう、お建てになるなら、たんぼのまん中にお建てになって水路をつぶしたり、水路をよごしたりしないでもらいたいというのが転用の立場で、そういうことの上にお建てしてくださいというのが転用の立場で、そこで、ここで私、大体この法律のたてまえから申しまして、あるいは、できました経過から考えまして、宅地造成事業規制区域というのは、相当市街地化された区域なり、その周辺ということで理解いたしております。必ずしも全部そうでないかも存じませんが、ここでかりにある程度市街地が形成されまして、そしてその周辺にたとえば、私どもの先ほど来申しておる、住宅宅地としての区画整理なり、あるいはガス、水道等が敷かれてまいれば、それは私どもの考えます三種のうちの概念に近づいてまいる、したがいまして、将来日本の中に住宅をどこかにつくるという場合に、その周囲に私どもはできることがむしろ望ましいのでございます。何もそういう状態のないところに、美田のまん中にばらばら建てるということは、現在の転用許可基準でもお断わりしておるわけであります。これが拠点になってその周辺ができるだろうという御議論は、そういう状態とすれば、そこからつぶしてもらいたい、それを飛び越えていいところへつくるということはやめていただきたい、これが農地転用の姿勢でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X02519640507/18
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019・田中一
○田中一君 そこまで住宅地造成に協力をしているならば、私は、そういうこっちに三十坪、こっちに五十坪といって、道路もなければ、それこそ通路も不完全なものかしないというような過小宅地というものを、現行の許可基準によってばらばら周辺にやられることは、全体の住宅政策の面からいって非常によくない傾向なわけなんです。しかしながら、当然これは公共団体がやるべきものであろうけれども、それが財政の面、その他の面でなかなかうまくいきません、そういう場合に、逆に地方公共団体等に対して一応こういう申請がこうなっているけれども、それを市街地としてよい環境の道路とか排水路をつくってやるようにしたらどうかというくらいの積極的な町づくりに協力するという方向を示さないと、やはりどうにもならならい周辺の集団的なスラム街が生まれてくるわけなんです。そういう点はおれのほうの所管じゃないから、そういうことは自分のほうでどうにもなりませんということなのか。もう一歩前進して、協力をするという方向にいきませんか。ということは、場合によったら許可しないということです。一応一団地、あすこでは千坪、三千坪というものがなければ、他に新しい町を共同でつくりなさい、そうすれば許可しましょうぐらいの積極的な協力ができないものか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X02519640507/19
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020・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 考え方といたしましては、建設省計画局、あるいはその他の都市計画あるいは地域計画については、非常に御相談して協力いたしている。住宅地域、工場地域の外に工場を持ってくるのは、せっかく建設省がここを工場地としておつくりになっておるわけですから、おやめ願いたい。ただ、いま先生のおっしゃる、個々の住宅はやめてまとまった団地に、かりに農地転用を許可するかという点でございます。私どもの考えは、住宅行政の上からそう申すのではなくて、あなたが個個にお建てになると困ると、農林省のほうでは。といいますのは、私は、転用というのは四条転用、五条転用、法律の上では四条はたんぼをつぶす、五条はだれかに農地を宅地として売る、いずれにしろ御本人がはんこを押して出す、そこでなかなかむずかしいところがあるわけでございます。それはやはり農業の立場で使う。こういうことをやると、ほかの農業に悪影響があるから、ここは許可をしないという場合は十分あり得るわけでございます。住宅行政の立場上散居的な住宅は許可しないのだという意味において農地法を運用するということにつきましては、これは農地法の乱用ではないかと、かように存ずる次第であります。計画があります場合には、協力はずいぶんいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X02519640507/20
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021・田中一
○田中一君 どうも虫食い転用というのは、やはりそうした全体的な、計画的な転用に踏み切らない現在の許可基準による過小宅地をやたらに許可するから、どうにもならぬ町がいつの間にか形成されるのであって、大きな意味の国土計画の面から見ますと、これはやっぱり自分のほうの権限外だから知らぬということじゃなくして、何かそこに総合的な調整機関がなくてはならぬと思うのです。また、今後こういう民間の宅地造成がどんどんできる場合、なるほど排水路一つつくる今度のこの法律の改正によって、道路も公共道路になるわけなんです。そうすれば、公共道路に接しておる新しい農地は、これは適当な負担をしたり、あるいは公共道路ですから差しつかえないわけです、使っても。ということになると、いたずらに隣の農地の所有者が転用する場合には、不当なる利益を受けるという形になるわけなんですね、土地を売る場合には。これが従来のように私の道路であるならば、これはかまいませんけれども、今回の法律によっては公共道路になるわけなんです。市町村道になるわけなんです。管理権は市町村が持つわけなんです。これを使うのは自由です。隣や、その周囲の反対側のほうの農地を持っている方は、公共道路、市町村道路ですから、これは平気でもって使うわけでしょう。こういう不公平もあるのじゃなかろうかと、その場合には、やはり農地局としては、積極的にそうした町づくりに協力する意味において、また、公平に行なわせる意味において、何かそういう両省間の調整が今後の町づくりに必要ではないかというように考えるのですが、これは農地局長の立場からは、どうもおれは返事できぬといえば、今度は赤城さんに来てもらって、赤城さんに善処を促しますけれども、私はそういう問題が必ず起きると思う。その場合に、農地の転用許可をやたらに出されたのでは、これはどうにもならぬことになるのですが、その点はどうです。いま御答弁があったように、自分の権限ではないのだということでもって見のがしていい問題ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X02519640507/21
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022・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) いまの転用基準なり何なりにもございますのですが、農業以外の土地利用計画がございました場合に、それに協力するように農地の許可を運用するということは、原則的に話し合っております。やっておるわけでございます。したがって、先ほど来申したように、住宅区域の指定ができましたときに、そのわきへいって私は建てたいという人にはお断わりしておるわけです、そういう意味では。先生のいまおっしゃったように、ちょっと私もお聞き取りを誤ったかもしれませんが、それを何というのですか、そうするために一切たてまえとして農地法で押えてしまえということを原則にするということについては、先ほど来申しました農地法の限界の問題がございますので、私はいかがかと、ただ、それはなぜ協力しておりますかというと、早い話が、住宅地域の指定、工場区域の指定がございますと、地価が上がります。ですから、そこをはずしたところに出たがるわけです。それに対して私どもは、指定された区域の外に飛び出すものは困るということで押えているわけです。そのことはやや接点辺の問題でございます。もっとずっと飛び離れていったところで、ともかく先ほど言った、住宅というのは散居であってはならぬ、集団制でなけばならぬということで、一般的に散居的な農地の宅地転用を押えろ、そういうことをやれという御趣旨だとすれば、少々問題だということを実は申し上げておるわけでございます。建設省なり首都圏なりがいろいろ御計画を立てます、その計画をわきからぶっこわすことになるような農地転用をやらないよう、了解事項その他をいろいろ定めておるわけです。それから、かつ農地法のたてまえも、そういうどうせ工場をつくるなら工場地域がまとまってもらったほうが、農地壊廃の立場としても被害が少のうございます。そういう土地利用計画がある場合には、極力協力して農地転用上もやっておるわけです。その点は転用基準にもはっきりしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X02519640507/22
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023・北村暢
○委員長(北村暢君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X02519640507/23
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024・北村暢
○委員長(北村暢君) 速記を起こして。
他に御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後三時一分散会
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