1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年六月十六日(火曜日)
午後三時四十七分開会
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委員の異動
六月十二日
辞任 補欠選任
小西 英雄君 重政 庸徳君
北畠 教真君 岩沢 忠恭君
六月十六日
辞任 補欠選任
岩沢 忠恭君 沢田 一精君
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出席者は左のとおり。
委員長 安田 敏雄君
理事
石井 桂君
稲浦 鹿藏君
増原 恵吉君
瀬谷 英行君
委員
熊谷太三郎君
小山邦太郎君
沢田 一精君
村上 春藏君
小柳 勇君
田中 一君
中尾 辰義君
田上 松衞君
村上 義一君
国務大臣
建設大臣 河野 一郎君
政府委員
建設大臣官房長 平井 學君
建設省河川局長 畑谷 正実君
事務局側
常任委員会専門
員 中島 博君
説明員
建設省河川局次
長 国宗 正義君
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本日の会議に付した案件
○建設事業並びに建設諸計画に関する
調査(新潟地震の被害状況に関する
件)
○河川法案(内閣提出、衆議院送付)
○河川法施行法案(内閣提出、衆議院
送付)
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001・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
去る十二日小西英雄君、北畠教真君が委員を辞任せられ、その補欠として重政庸徳君、岩沢忠恭君がそれぞれ選任されました。また、本日岩沢忠恭君が委員を辞任され、その補欠として沢田一精君が選任せられました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/1
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002・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) これより本日の議事に入ります。
初めに、本日、新潟に起きました地震の報告について、河川局長より説明したいという申し出がありますので、説明を受けてよろしゅうございますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/2
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003・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) 河川局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/3
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004・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) ただいままで私のほうに入りました新潟地震についての御報告を申し上げます。
本日の一時ごろに新潟市の東北方約三十キロと申しておりますが、地震がありまして、その震度は、新潟、酒田、仙台が震度五、それから秋田、福島、盛岡、長野が震度四、こういうふうになっております。大体、感覚的にいいますと、震度五といいますと関東の大地震に匹敵する地震のように思います。
その結果、現在までにわかりました情報を集めてみますと、鉄道については、全線が交通不能になりまして通っておらないようでございます。それから新潟市内における電信電話、これも全部不通になっておりまして、現在、無電で連絡をいたしております。それから、特に河川の堤防、おもに信濃川、阿賀野川でございまするが、各所に陥没、亀裂、そういうようなものが起こっておるようでございまして、それからの一部浸水もあるようでございます。それから、火災におきましては、二カ所か三カ所火災が起こっておるという情報でございまするが、いまわかっている情報ですと、昭和石油と日本石油のガス・タンクが爆発しまして、それによって火災が発生をしておる、こういう情報でございます。その他、水道、電気、そういうものも全部こわれておるようでございます。それから、新潟市内では、全戸数の約三〇%程度が傾斜をしておる、相当の被害を受けておるようでございまして、現在までの死者の数は、いまのところ、新潟で一人と、それから秋田で一人と、こういうふうに報告を受けております。それから、こまかい話でございまするが、信濃川の昭和大橋が落橋して——橋が落ちておるようでございます。
そういうような状態でございまして、現在のところ、まだはっきりした事実はつかんでおりませんが、非常に規模としては大きく、報告にありますとおりに、新潟市内の三〇%の家屋が相当な被害を受けておるようでございまして、その他のいろいろな公共施設にしても相当ひどい被害があるのじゃないかと、こういうふうに思います。
ただいま、大臣の指示がありまして、建設省としては、技官を派遣いたしました。なお、それに次ぎまして公共関係の災害復旧に対する応急処置を現地で指示するための係官を、至急本日派遣すると、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/4
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005・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) よろしゅうございますね。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/5
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006・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) それでは、河川法案及び河川法施行法案を議題といたし、両案に対して質疑を行ないます。
御質疑のある方は、順次御発言をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/6
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007・田中一
○田中一君 第五条の、二級河川の問題でありますが、二級河川の指定については、都道府県知事が単独で指定をするということになっております。一級河川の場合には、知事の意見を聞くということになっておりますが、これはやっぱり関係市町村の意見を聞かぬでもいいものですか。この点はどういう経緯になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/7
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008・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) 二級河川の県知事の指定のときには、市町村長の意見を聞くことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/8
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009・田中一
○田中一君 ちょっと失敬しました。第九条です。「一級河川の管理」のところに、3の項の「あらかじめ、関係都道府県知事の意見」を聞く、ということになっていますが、この場合に、都道府県知事は、市町村長の意見を聞かぬでもいいのかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/9
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010・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) はい、そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/10
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011・田中一
○田中一君 聞かないでいいのか、聞く必要がないのかと聞いているのです。聞く必要がないならば、聞く必要がないという理由をちょっと聞きたい。指定区間をきめようとする、指定しようとする場合に、むろん都道府県知事の管理する区域になるわけなんですが、それは、知事は市町村長の意見を聞かないでもいいのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/11
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012・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) 私ども、市町村長の意見を必ず聞かなければならぬと、こういうふうには考えておりません。この指定区間については、知事さんが総合的にそのいろいろな、管内におけるいろいろな問題を掌握しているわけでございますので、知事さんの意見は聞くと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/12
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013・田中一
○田中一君 市町村長が異論があったような場合は想定できませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/13
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014・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) もちろん、関係する市町村に対するいろいろなそういうような処置については、知事さんの判断によりまして、市町村長さんの意見を聞くなり、そういうような異論、意見についての感覚をもっていろいろ処置をされると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/14
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015・田中一
○田中一君 そうすると、建設大臣が指定する場合に、知事に相談があった場合には、知事はその事前に、関係市町村長との話し合いをしてから意見を言う、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/15
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016・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/16
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017・田中一
○田中一君 第十一条一項の「二級河川の二以上の都府県の境界に係る部分については、関係都府県知事は、協議して別に管理の方法を定めることができる。」、これはどんなものですか。「定めることができる」——定めなければならないというのではなくて、「定めることができる。」というのは、どういうような形か。それは基準を政府から示すわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/17
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018・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) 別に政府のほうから、どういうふうな管理体系をやれということを指示するつもりはございませんが、それぞれ県間のいろいろな状況によりまして、知事さん方がお話し合いの上管理する、たとえば、両県に並行してまたがっている、あるいは両県をクロスしておるという場合に、それの管理について、あるいは一つの県のほうである程度管理を掌握する、その管理権の内容においても、それぞれその川と、その知事さん方の話し合いの内容によって処置してもらって、特別の管理をしてもらう、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/18
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019・田中一
○田中一君 この「協議」は、非常に重要なものであって、この二項にもあるように、「協議の内容を公示」するということになっておりますが、協議が、この部分の協議がととのわない場合には、どうするのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/19
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020・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) これは、できるだけ協議がととのってもらうように私ども考えておりますが、もしととのわなければ、それぞれの区間の部分について、それぞれの知事さんが管理をする、こういうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/20
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021・田中一
○田中一君 そうすると、大体他県の行政区域の河川を他県の行政区域の知事が管理はできないわけでしょう。そうすると、栃木県の行政区域にある川は、その部分をもし知事管理にするならば、栃木県がやって、埼玉県の場合には埼玉県がやる、こういうのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/21
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022・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) 当然そういうことになるわけでございます。それで、県と県の境界にある堤防のようなところは、一定の区間については、Aの知事さんの所管ではないけれども、Aの知事さんがBの知事さんと打ち合わせをしまして、Bの知事さんの権限といいますか、管理権をAの知事さんが持つということの打ち合わせをしてもらう、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/22
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023・田中一
○田中一君 十二条、河川台帳の義務づけで、三項には、調製、保管等に必要な事項というのは、政令できめるということになっておりますけれども、これはこういう義務づけられることによって、それに対する補助金等の——これは相当たいへんなものだと思うのですよ。補助金等の制度は考えておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/23
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024・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) 河川台帳は、河川管理者がつくるわけです。一級水系については建設大臣がつくりますから、直接国でやる。二級河川水系につきましては、知事さんが管理をいたしますが、これについては、補助をやる場合もありますが、いまのところ、そういうようなところにいかなくても、河川台帳というのは整備できるのではないか、こういうふうに考えております。というのは、御承知のとおりに、現行の河川法ですと、この河川台帳というものは、河川の認定と同時に、その中の土地においても、流水においても、私権の対象にならない非常にきつい規定がございまして、いわゆる公証性というものが非常に要求される。したがいまして、河川台帳を作製するという場合には、非常に注意深く、入念に調査をし、それに従ったような河川区域の公示をしなければなりませんが、この河川法によりますと、河川というものは、河川のあるがままを河川台帳に、極端にいうと、航空写真のようなものでもけっこうでございます。その中では、河川区域というのは、堤防は河川区域である、その中のものは河川区域である、こういうふうにひとりでに認定ができますし、それからもう一つは、その中にそういう地帯が当然認められるわけでございますから、私有地はここが私有地だ、ここが官地だということを、そのまま図示するなりすることによって河川台帳が整いますわけでございますので、製作としては非常に簡単といっては語弊があるかもしれませんが、いままでと違いまして、そのものをそのまま図示するということでこれは事足れりというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/24
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025・田中一
○田中一君 これは、せんだっても九州方面に意見聴取に参った場合にも、人手が足りないということ、専門の技術者がおらぬということ等でもって、なかなか困難だということを言っておるのです。むろん金もかかりますよ。それは、河川の少ない地区もあれば、河川の非常に多いところもあるのです。河川というのは、この最初の定義にもあるように、われわれが目に見える河川ばかりではなく、山奥にもどこにも河川があるわけですよ。こういうものを、おそらくこれは早く台帳をつくれということを言っているのだと思いますが、何年くらいでもってこれをつくればいいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/25
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026・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) 私ども、できるだけ早くつくらなければならぬと思いますが、実際問題としては一年やそこらではできないので、できるだけ早くやって、少なくとも二、三年後には全部完了したいと思います。
それから、前を繰り返すようでございまするが、いままでの河川の台帳だと図面でございまするが、私権の、私有権を認めないということで、河川台帳に対するそういうような措置というものは非常にめんどうでございまして、今度のものは、地形的にそのまま河川という姿を映していくということでございまするので、いわゆる製作的な過程としましては非常に楽なことでもって、河川台帳、少なくとも図面というものはでき上がる、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/26
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027・田中一
○田中一君 航空写真等でも相当詳細に、たとえば、水の取り入れ口とか、そこからどのくらいの水が利用されているとかいうふうなことわかりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/27
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028・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) 小さいところはもちろんわかりません。ですから、航空写真でももっと拡大しなければならぬと思います。もう一つは、やはりその取り入れに対しては、ある程度の構造物とか、それから取り入れのいろいろな水利権の要素とか、そういうものはみんな台帳に入りますから、そういう動作はしています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/28
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029・田中一
○田中一君 どうも大分県知事その他九州の知事に聞いてみると、いわゆる農業用水、慣行水利権として認めているものは、どこに何があるかさえわからぬものもあるというのですよ。これはなるほど、相当川の広い、いわゆる河川といわれているものならいざ知らず、相当山奥に行って段地の水耕などをやっているところは、どこから取っているのだかわからぬところがあるのです。これはむろん、河川から取っているか、あるいはわき水、あるいは清水から取っているか知らぬけれども、少なくとも大量に要る水というものは河川から取っているということになるのですが、そういうものはない、そうですね、台帳的なものでは。そうすると、単に航空写真だけでもって、水田があるなら、これはなるほど水は利用しているのだが、どこから取っているかわからないというようなこともあると思うのですよ。その場合に、相当金がかかるわけですよ。これは何か、たとえばこの新しい規制によって実行する場合には、相当金がかかると思うのです。航空写真一枚だって相当金がかかりますからね。そういう分に対しては、何か補助をするというような方途を考えているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/29
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030・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) 私ども、いま、補助をしてそういう整備をするということは考えておりません。確かに、いま先生のお話しのとおりに、実際問題として、慣行水利権というものは、実態はこれは確かに図面だけではわからないと思います。ほんとうに現地を踏査して初めてそこに、全部自分の目で見なければわからない。そういう動作は確かにございます。しかし、これらの問題については、やはり基本契約なり、そういうような問題とからみ合わして、そういう実際のいろいろな動作というものは当然今後相当量入ってくると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/30
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031・田中一
○田中一君 慣行水利権としてそれらの種類の水利は認められているんですよ。新しくそれを調べて出せということになると、やはり新しい仕事がふえるわけですから、その場合に何か補助をやるような必要ありませんか、水系なら水系によって。そうしないと、これは義務づけておりますけれども、何年までやれとか書いていなければ何でもないのですよ。やりますといって十年かかっても二十年かかってもしない地区もあるかもわからない。これはそういう費用の負担をやはり国がすべきではないかと思うんですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/31
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032・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) 私ども、それについては十分関心を持って、そういうような補助なり、そういうことをやってでもきちっとするということに対しては、十分実は検討しているわけでございます。いまこれを補助をやってやるという結論は出ておりませんが、十分そういう点で、今後河川法を施行するためのいろいろなそういう台帳の整備とか、あるいは施行するまでの準備としてのいろいろな動作に対して、そういう点についての考慮をもっと検討してみたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/32
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033・田中一
○田中一君 そういう、どのくらい費用がかかるか、どうなるかということは検討をしている。しかしいますぐにやるという答弁はできない、補助をするという答弁できない、こういうことですね。これは大臣に聞きましょう。
十四条の操作規則は、大体従来もつくっておりますね、操作規則は。これは、それをさしているんですか。新しく考えようということなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/33
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034・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) これも従来のような内容を考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/34
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035・田中一
○田中一君 その標準管理規程、これは全部各委員に配ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/35
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036・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) 内容ですね、はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/36
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037・田中一
○田中一君 それを委員会に提出してください。
十八条の工事原因者の工事の施行。公共土木工事災害復旧の国庫負担法では、原因者負担のことが明らかになっていますね。たとえば、堤防をかさ上げしようという場合には、それにのっているところの国鉄の鉄橋があった場合には、鉄橋のかさ上げは、これは当然原因者であるところの堤防改修者がこれをやるんだ、国の場合には国がやるんだとなっておりますね。そこで、それとの関連なんですがね。損傷した場合、これはわかりますね。ここにある「河川を損傷した行為」、これはわかります。それから「河川の現状を変更する必要を生じさせた行為」、これが他の工為の施行者、そこの解釈をどういうぐあいにしたらいいかということなんです。これは公共土木工事の災害復旧国庫負担法の考え方というものは、ここに出そうとしているのか。これは説明してほしいと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/37
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038・国宗正義
○説明員(国宗正義君) 第十八条の工事原因者の工事につきましては、河川工事以外の工事、たとえば道路の工事を考えていただけばけっこうでありますが、河川工事以外の工事——他の工事でもって河川工事の必要を生じた場合、次は、河川を損傷する行為自体、たとえばダンプトラックでもって堤防ののりを傷つけた、さような行為によりまして河川工事の必要を生じた場合、あるいは河川の現状を変更することを必要とする行為、たとえば土地改良事業でもちまして、取水ぜきを改造するために河川の個所の工事も行なわなくちゃならない、さような場合におきまして、当該原因を生じた人に施行させることができる規定でございまして、みずから河川管理者が施行することはもとより当然でございまして、それらのものにも工事を施行さし、かつ、後ほどでざいますが、費用を徴収することができる、かようになっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/38
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039・田中一
○田中一君 そうすると、他の原因によって河川の現状を変更しようとする場合には、他の原因者が施行することもできるし、当然これには費用はその人間が持つのだということなのか。あるいは国は関係なく、国が補助するということではなくて、その者が現状を変更しようとする者が費用も工事もするのだ、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/39
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040・国宗正義
○説明員(国宗正義君) 原因を生じた者が費用を持つのが原則でございまして、みずからやる場合にはみずからの費用でもって行ない、河川管理者が行なう場合、この条文にあるわけではございませんが、河川に関する工事は、原則として河川管理者が行なうわけでございまして、その原因者工事を、みずからこちらが行なった場合は、費用を徴収するというたてまえになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/40
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041・田中一
○田中一君 二十一条、「工事の施行に伴う損失の補償」、これの二項ですが、「前項の規定による損失の補償は、河川工事の完了の日から一年を経過した後においては、請求することができない。」、そうすると、請求権の確認というか、確保というか、これは土地収用法にもこういう条文があったと思うのですが、これは何か形式があるのですか。口頭でもいいんですか、請求権というものは。もしそうじゃないならば、これは明細に別に政令できめるとは何にも書いてないのですよ。ただ請求権というものは一年しかないのだということなんですが、それだけでは不親切なんですよ。それについて請求権者がいない場合もありますよ。気がつかぬ場合もあります。大体河川工事というか、河川工事の計画というものは、一々台帳を見て所有権が云々なんて調べない場合もあるのですよ。ましてや、洪水のときなんか、往々にしてあります。まるで請求権がなくなるようなことを好んでやるような形になって非常に不親切な規定なんです。何かこれについては、省令なり何なりでもって、こういう形式でこうしておやりなさい、こういうことになっておらぬように思うわけでありまして、どういう形でもって処理するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/41
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042・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) これは、私のほうでは非常に親切なあまりこういうことを書いたために不親切のようにとられているように解釈しているわけでございますが、一般に生じまする、たとえば私たち工事を執行するためにそこの土地を取るとか、あるいは他人のいろいろな既得権をそういう損害に対して補償するというものは、それぞれ別に土地収用法なり何なりあります。ここに出ておりまするのは、非常に特殊なケースをでございまして、本来ならば、昔だったら補償の対象にならないような、いわゆる間接補償と申しますか、ここに書いてありますとおりに、私どもが補償するとか、あるいは工事をする、それと別に、そのために必要なものはもちろんやりますけれども、当該河川に面する土地について、通路とかみぞとか、かきとか、さく、その他の施設もしくは工作物を新築し、増築し、云々し、こういうような場合に、こういうものもひとつやってあげますよということでございまして、これは当然こういうことは時々その人が不便を感じ、いろいろなことでわかるわけでございます。当然一年間の間にこういうことは事実行為として、口頭であろうが、書類であろうが、こちらも気がつけばもちろんやりますし、お互いにそういうことでもってそういう処理をする、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/42
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043・田中一
○田中一君 たとえ河川工事も公共事業であろうとも、損害を受ける者、所有者の確認なくしては仕事をしてはならないということにきめたことは明らかなんです。えてして権力をもってやる場合、緊急の場合、人のところだろうが何だろうが、やってしまうのです。現にいまだに河川敷になっている民地がどのくらいあるか、民有地ですよ、河川域内に包含されている民地はどこにあるかということすらわからないで、いままでやっているのじゃありませんか。政府は誤認して、これは当然国のものであろうといって誤認してやった場合には、請求権者が、一年でもって、自分で知らないのを政府も誤認してやっているという場合には、一年経過した場合には、請求権がないということにならざるを得ないのです。それならば明らかに、どこにいようとも、その請求権者、所有者を明らかにしなければ、それは使うことはできないのだということにしたほうが請求権の確保になるわけなんです。河川敷内における自分の土地の民有地が、この法律でもって今後それが明らかになりますから、河川敷内の民有地も所有権がはっきりするのだから、そういう場合に一年というのは、親切だと言うけれども、災害時なんかには人のものだろうが何だろうが、やっちまうものなんですよ。わからなくなっているから、そういうこと往々あるでしょう。だから、自分の足一本切られるのじゃないから、痛みを感じないから気がつかないことがあるのですよ。あれはたしかおれのところの土地だったなと思ったって、どんどんやっているから、あれはおれの土地だったのかなというものもあるのです。使えないものだから、災害も受けているし、瓦れきが一ぱいたんぼにでも来れば、どうでもいいという気持ちになるものなんです。それで、しかし、一年でもってだめになるというのは親切どころじゃない。親切ならば所有権の確認がない場合には、別途その所有権の、裏返せば、請求権の確保というものを、確認、確保というものを認めながら、一年待つというのならばいいけれども、だれにもわからぬというつもりでもってやる場合が往々あるのです。いままでの河川法でやっていることについては、たくさんあるのですよ。その場合に、一年待ってやるのが親切だということにはならないだろう。誤認した場合には、裁判でいらっしゃいと言うに違いないのです。調べてみたら、これは田中太郎兵衛の地所だとなったって、一年経過したら請求権ありませんよということもある。これは不親切ですよ。かえってそれならば、災害等によって河川等の変更等があった場合に受ける損害——受ける損害というのは第三者なんです。これがいわゆる所有者ですよ。所有者を確認して初めて請求権の一年以内ということをきめるならばいざ知らずですよ、こんなものは裁判やったら何年かかるかわからないのです。政府は必ず、ああそうだったかと思っておじぎするものじゃないのですよ、いまの行政権者が。そういう点を明らかにしなければだめですよ。一年が親切だなんてとんでもない話ですよ。それはどう扱うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/43
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044・国宗正義
○説明員(国宗正義君) いま先生の引例にかかります民地であって、わがほうがわからなかった、そこへ工事をやったということにかかる補償なり損害賠償の請求は、当該二十一条の適用ではございませんで、それは工事をやる場合に、他人さまの土地をだまって工事をやった、さような場合には不法行為に相なりまして、まさに民法の適用でございまして、その事実を知ったときから三年、それから行為のあったときから二十年という時効にかかる以外は、その間はいつでも請求できるものでございまして、さような不都合がないように河川台帳を整備し、現地の踏査を行ないまして工事をやります場合には、さような不都合がないようにいたしておりますが、当該この条文は、工事をやります土地ではございませんで、工事をやります土地のお隣、それに面する土地、接する土地の、隣地に対する、御迷惑に対する補償規定でございまして、かような条文がなければ、これに向かって金を払うかどうか明らかでないものでございますので、土地収用法、道路法、海岸法、地すべり法及び新河川法にのみある規定でございまして、さような場合に、さようなものを補償すると、十分ではございませんが、これこれの補償をするといたし、この補償の実現のためには、特別に簡易な方法をもって解決いたしまして、もし国が払わない場合には、強制的にでも取り立てることが必要と相なるわけでございます。そのために、ここにございますように、第四項におきましては、土地収用法九十四条の裁決申請はもっぱら権利者、被害を受けたほうの人の保護のためでございます。これには土地収用法に特別の規定を置きまして、全く早い期間に確定し強制執行はできる、その強制執行は、裁判手続によらずして収用委員会の会長が債務名義を付与するという全く便宜、簡易な方法をとっておるわけでございます。さような手続に入りますためには、早く事件を判決する必要がございますので、したがいまして、工事の完了の日から一年以内にやっていただきたい。そして手続に入れば、非常に短い期間の六十日以内でもって確定するという民事訴訟法の特例をもちまして、早く確定いたしまして、先ほども局長が説明申し上げましたように、早く確定し早く手続を完了したい、こういう権利者保護の趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/44
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045・田中一
○田中一君 それは、おっしゃるとおりなんだよ、日本には民法も何もあるのだから。そういう手続をするよりも、あなたのほうで、いいですか、払うからという催告をし、また、その所有者を確認して、あなたのほうで支払いますよという催告を何べんかすることが正しいのであって、所有者がわからぬような場合もあり得るのですよ、実際言うと。民地だろうが河川敷だろうが。たとえば、その人が北海道へ行っておる、土地を持っている人が北海道へ行っておる。北海道のどこへ行っているかわからぬという場合もあるでしょう、わからぬ場合には、わからぬような措置ができるでしょうけれども。けれども、それも確認しないでやることが往々にあるのです。いままでたくさんあるのです、そういう事例は。大体台帳調べて云々という、台帳なんかないじゃありませんか。これから台帳つくろうたって何年かかるかどうか知れないけれども、台帳をつくろうという。そういう場合には一年の猶予なんて、一年以内の請求権なんということを言うことよりも、そのものを確認して、それに対してあなたのほうで、払いますから取りに来てください。はんこ持って来てください——払ってから使えばいいじゃないですか。そういう点はどうも不親切だ。親切にやったというのは、農民等は裁判だ、手続だなんということにはとうていもう弱いほうなんです。なかなかそういう収用委員会に訴えるということだって弱いですよ。そういうものじゃなくして、所有者を確認して、それに対してあなたのほう、ここ借りますから、これでも損害払いますから来てくださいよというくらいのことはしなければなりません。ただここでもって一年の請求権を延ばしたから、だから、それは最大限の好意でやったのだという考え方が間違いなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/45
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046・国宗正義
○説明員(国宗正義君) いま、先ほど来申し上げましたものは、法律でいよいよ話がつかなかった場合の議論をいたしておるわけでございまして、まずだれが所有者であるか、当該の工事の敷地でありましょうとお隣の土地でございましょうと、だれが所有者であるということを見つけるのは、何よりも私どももとより調べるところでございますが、権利者のほうにおきましても、やはり心がけて自分の土地であるという主張をなさる必要があるかと思いますが、こちらからも積極的に調べることは、決して労力を惜しまないところでございますが、したがいまして、さようにわかりますれば、もとよりこちらから申し出まして、あなたの民地を持っている人に向かいまして、みぞ、かき、通路等が要るということを申し入れ、協議をいたすわけでございます。もとより話がつけばそれで終わりでございます。これは、いよいよ話がつかなかった場合におきましても、国と相手方と折り合いがつかなかった場合には、この規定によってやる、さような場合には、早期解決がこの種の損失補償には望ましいという態度でございまして、実際におきましては、慎重に調査をいたし、わかる限り調べ上げまして、協議、交渉等はつとめますことはもとよりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/46
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047・田中一
○田中一君 これは、完了の日からこれは早く工事を清算したいものだからこういうことを言っているのだろうと思うのですが、一年を経過した、一年以内に支払えと書いたほうがずっといいですよ、義務づけたほうが。請求権は永久にあるという見方。請求権が永久にある。時限を置いてあと払いませんよじゃいけない。大体農民等が多いんですが、農民が行っても、受付はおれじゃない、いま署長がいないと言う。どういう書類をつくって持ってくるか知らぬけれども、農閑期ならいいが、農繁期とともにちょうど一年近くなってきたというときには、できやしませんよ。そういうことは、それはもう少し親切にそういう損害のないように措置するのが一番正しいのであって、えてして、こういう公共性という名をかりて、農民に請求権というものを一年で打ち切るぞというような法律の立て方は好ましくないですよ。必ず支払わなければならないのだというふうにしたほうがずっといい。これは施行する都道府県あるいは国がやるんでしょうから、知事か国がやるんだろうから、そういうものたちには、厳重にそういうものは支払えという、義務を遂行しろという法律の立て方をしたほうがいいんです。権力というものをかさに着て、そうして請求権がこれで切れますよということは好ましくない。これはもっともこの法律ばかりではない、ほかの法律にもこういうような例がありますけれども、これはもう少し親切な行き方をしなければならない。取り扱いにしても、それはなかなか、つかまらない人はたくさんいるんですよ。どういう形式でもって請求権の確保をするんですか。これはおそらく中断方式もあると思うのですよ。一年三百六十四日目に中断だ、時効ですからね。これは時効の中断をして、そうしたらまたもう一年間いいのか、一年じゃない、もう三百六十四日間いいのかどうか。時効の中断というものはやはり民法で明らかにしておりますよ。これは、ずばりと一年経過したものはおまえの請求権はないのだよ、払わないのだというきめ方は官僚主義ですよ。どうなんですか、時効の中断はどうなんですか。どういう形式でもって請求権というものを確保するんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/47
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048・国宗正義
○説明員(国宗正義君) この請求の方法は、これは工事の完了の日から一年と書いてありますが、かような損害、損失につきましては、工事を計画いたします当初、すなわち工事に取りかかります前から、ここらあたりの掘さくを行なえば通路がなくなる、みぞを必要とするということは、おおむねわかりますから、その時期からすでに請求権の話し合いもあるわけでございます。そうして仕事が完了すれば、いよいよさような害があるということが確定いたし、話がついておればそれで終わるのでございますが、つかなかった場合におきまして、一年と申しておるわけでございまして、これは時効ではございませんで、いわゆる法律上除斥期間でございますので、したがいまして、中断の方法はありませんで、一年過ぎればそれで請求権は消滅するということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/48
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049・田中一
○田中一君 それならば供託することにするんだ。一応は取っても取らなくても、来なかったら供託する義務を課したほうがすっといいですよ。供託する義務です、支払う気持ちは持っておるんですからね。供託する。この請求権を中断するよりも、必ずそれは補償金は支払う。供託をしなければならない。何の太郎兵衛への支払い金として供託しなければならないと書くべきですよ。やはり河川法が、明治二十九年の河川法を変えるのだから、それくらいやったっていいと思う。供託するんだと。協議がととのおうとととのわまいと、その分は供託するのだというほうがずっといい。どうもこういうところに、いまの憲法、新憲法下におけるところの立法に、こういう官僚的な一方的なものがあるんですよ。供託にしなさい、供託に。必ず供託しなければならぬといえば、清算もできるのですよ。これはこんなのたくさんあったんじゃ、とても工事の清算もできないというので、一応一年にやったんでしょうが、供託制度というものは、ほかにもあったでしょう、補償の場合には、公共用地の取得の特例などに供託制度がありますよ。今度の土地収用法にも供託制度を持っておりますよ。供託制度をとりなさい。請求権の中断なんというのはないですよ。それはほかの法律にはありますよ。あるけれども、そんなのよくないというのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/49
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050・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) いろいろなお話ですけれども、まあこの文章で、私どもは何も職権を乱用してというつもりはないのですが、いま次長からお答えのとおりに、実際問題として、土地を収用するなり、あるいはその工事をやるためにいろいろな損害を与えるということについては、できるだけ、つぶれる土地はもちろんのこと、その付近の人々にも——用地買収に該当しない人たちに対しても、十分な処置を講じて入念にやると、これはおそらく運営上の問題でして、運営よろしきを得なければ、いろいろな問題が起こると思うのです。私ども、決してそういう意味でなく、そういう面についての配慮をしてやるということでこの条文にも特にここに引用しているわけでございまして、決してそれを強圧をかけて出すべきものも出さないと、それに対しては、こっちは知っておるけれども一年以内に持ってこいというつもりはございませんので、十分そういう点については、運用面について私ども努力し、そういうようないろいろなトラブルが起こらないように努力していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/50
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051・田中一
○田中一君 一体、補償金は払おうという腹でいるならば払えばいいんですから、供託にしなさいよ。配慮するなんて要らぬですよ。配慮なんということは当然です。義務ならば——補償は義務ですよ。払いなさいよ。日本には供託制度があるんだから、配慮して一年間待ってやるんだなんということはいけないですよ。しかし、まあこれをまた修正すると——修正しようかな、そのほうが……。とにかく、これはどうも、この問題こだわってぼくは言ってるけれども、だれか農村関係の同僚議員のうちでもこの点は一体どうお考えになるかですね、ほかにもあります。ほかにもこういう同じ法令がありますけれども、しかし、これは逆に供託しなければならぬのだとしたほうがずっといいです。一応供託ということになれば、支払い義務というものは遂行することになるんですからね、供託すれば。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/51
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052・小山邦太郎
○小山邦太郎君 議事進行について。
いまの質問を伺っておって、非常に大事な問題ではあるが、一応質問は質問としてそれに対する答弁を求めて、そうしてあとに意見に属するものは意見をまとめてひとつお話を伺うということにして、質問を全般にわたって進行を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/52
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053・田中一
○田中一君 いまの小山君の発言は何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/53
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054・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) 質問は質問として進行さして、いまの問題については、意見としてあとで述べてもらうと、こういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/54
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055・田中一
○田中一君 二十二条の「洪水時等における緊急措置」、それから第四款の緊急時の措置」等にもわたることなんですが、これは第五十二条にもわたることなんですがね、せんだって地方行政委員会との連合で建設大臣は——これは大臣に聞いたほうがいいかな。緊急時の指揮権というかね、指揮権、指示権というか、これはもし御希望ならば知事におまかせしてもよろしゅうございます、というような答弁をしたようにぼくは記憶しておるんですがね。これはどういう性格にこれをしようとしているのかですね、これはやはり明らかにしておかなければならぬと思うんです。管理権は国が持っているんだ、この管理権は。この部分、これは一つの事例だ。それで、まあ地建の——今度設置法でも変われば、地建の局長あたりが代行するのだろうけれども、で、緊急時、この場合に実態というものがほんとうに明らかになっておらぬと困るから、知事にまかしたらいいではないかということを、たしか林委員だったか鈴木委員からも、そういう質問がありました。建設大臣は——ちょっとはっきり聞き取れなかったが、建設大臣は、それは御希望ならまかしてもよろしゅうございます、というようなことを言っておりました。——ああ、ちょうど建設大臣が来たから……。
河野さん、もう一ぺん言います。洪水時等における緊急措置、それから五十二条にも、緊急時の措置等ございますが、これに対して、国が当然管理すべき管理地区と指定されていると——ダムなんかおおむねそうなんですが、これに対して、緊急時にいろいろこうする、ああするとありますけれども、これらのものは地元におる知事のほうが詳しい、だから知事に国が持つ管理権を全部まかしたらいいではないか、こういうような質問を地方行政委員会との連合でもって、同僚議員からそういう発言があったのです。そうすると、建設大臣は、御希望ならばその場合知事におまかせしてもよろしゅうございます、こういう答弁をしたようにぼくは記憶しているのだけれども、ぼくの聞き違いかどうか知らぬけれども、そういうような私は答弁のように聞いておるのですがね。それからもう一つ、ちょっと私思い違いがあったのです。渇水時の場合でも同じことです。緊急時ですから、渇水時の場合でもやったらいいじゃないかということを言ったら、御希望ならおかませしてもよろしい、というような御答弁があったように記憶しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/55
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056・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) 私の申し上げますのは、いまお話しのように、渇水時といい洪水時といい、機宜の処置はとらなければならぬ、そういう場合に、管理権とは別に、管理権を持っておりまする建設大臣が知事にその管理を委任するということはいいのでございまして、それはその場所等によって、ケース・バイ・ケースで、この場合においては、これはひとつ何々県知事にこういう場合においては緊急処置を委任しようじゃないかといって、委任していくことは適当であろうと、こう私は存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/56
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057・田中一
○田中一君 そうすると、その非常時の場合の緊急措置として委任するのか、事前に、かくかくの状態の場合には知事が応急措置をとれということを事前に命令しておくのか。その点はむろん、この間も話したように、知事は、地方行政機関の長としての知事と、国の代行機関としての知事があるわけですね。その場合には、建設大臣がそれを言うか、総理大臣がそれを言うか、だれが言うか知らぬけれども、少なくとも緊急措置としての指示はできるわけですよ。その場合、常時そういう非常時の場合の措置権を与えておこうとするのか、あるいはその事態が起きた場合に急遽——たとえば、いま新潟地震がどうのこうの等があっても、河川の堤防が切れたという場合でも、急遽そういう命令を出そうとするのか、そこの点は措置はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/57
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058・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) 私は、ケースによって多少の相違はあるかもしれませんが、いま田中委員のおっしゃったような場合には、常時管理権を委任しておいたほうがいいのじゃないか、常時知事さんに十分関心を持って勉強していただいておいて、そして機宜の処置を誤らぬようにしていただくほうがいいんじゃないか、こう思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/58
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059・田中一
○田中一君 大臣のことばはちょっと足りないのです。それは非常時の場合です。非常時の場合を想定して、その場合にはという前提ですか。もしも、今回の河川法の改正についても、知事会等は、従来どおり管理権というものを一級河川についても全部知事にまかせろ、こういう要求がございましたけれども、それは、非常時の場合にはそういう措置をとるように常時何というか指示をしておくということなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/59
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060・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) いや、いまお話しのように、ダムでございますとか、非常に渇水もしくは洪水のときに異常な危険をはらむ個所というものの管理、この管理を常時必要あればまかしておいたほうがいい、こう思うのでございまして、河川水系全体についての管理とは別でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/60
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061・田中一
○田中一君 念を押しておきますよ。そうすると、渇水時または洪水時等の非常時の場合にはこうしてくれということを、事前に委任しておくということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/61
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062・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) そういう非常事態の場合に備えますには、常時その個所、その目的については管理の委任をしておくということが必要だろう、こう思いますので、その区間を区切って、そしてその目的を限って、たとえば猪苗代湖の管理を委任するとか、何々ダムの管理を委任するとか、こういうことでいいんじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/62
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063・田中一
○田中一君 そのダム等は、位置とかということになりますけれども、現象だ、一つの。非常時の渇水の現象とか、それから洪水の現象とかというものを、そうした現象が起きた場合にはということを事前に言っておくのかどうかということ、ちょっとそこのところ、もしもかりに常時ある区間、これはある区間は委任できるようになっております。しかし、非常時の場合、当然建設大臣、国が管理しなければならぬ部分について、渇水等、取水等しなければならぬ場合、水を取らなければならぬ場合があるというような場合の措置を常時——ややこしいけれども、常時ふだんからそういう措置をとるように通達をしておくのかどうかということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/63
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064・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) 大体そういう個所は全国的に……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/64
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065・田中一
○田中一君 個所じゃないのです。そういう現象が起きた場合……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/65
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066・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) 現象の起こる場所はそうたくさんはないと思います。何川ならばどういうもの、何川ならどういうもの、どういう場所ということだと私は思います。したがいまして、そういう個所についてその目的、そこで水を放水しなければいかぬ、もしくは水をダムから早く事前にやらなければいかぬとかいう、目的もきまり、場所もきまっておると私は思います。したがって、その場所、その目的のために、これこれの区間は知事にひとつお願いする、頼むというふうにしておくことが適当であるというものについては、常時その目的のために知事に管理権を委任しておくということのほうがいいんじゃないか。別にやかましくそれがこの法律改正の趣旨に反するというようなものじゃないものについては、なるべく目的達成に便益のようにしておくほうがいいんじゃないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/66
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067・田中一
○田中一君 なるべくとかなんということばが入ると、私はそれは理解に苦しむのですよ。だから、渇水という事態、河川に沿っている水田の渇水という事態は、これはその取水の個所というものはきまっておらないのですよ。きまっておらぬわけですよ。どこの個所に起きるかわからない。その行為ですね、渇水だという認定をして水を供給しなければならぬという場合は、どの場所かわかりません。そうしたことを措置をするということを常時委任しておくかどうかということなんです。答弁がせんだっての地方行政委員会のときもちょっとあいまいだったから、ぼくは念を押して聞いておくのですが、そういう場合には、前もって、かかる現象が起きた場合は、知事に委任されておるところの給水権、給水措置をとりなさいということの委任をしておくかどうかということを聞いておるのです。建設大臣、そういう答弁があったからですよ、せんだって。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/67
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068・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) その個所を指定して、そうしてその個所内においてはそういうことをおまかせする、こういうことにいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/68
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069・田中一
○田中一君 そうすると、そういう現象が起きた場合には、その個所について委任する、こういうことですか。常時じゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/69
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070・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) 常時です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/70
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071・田中一
○田中一君 常時というのは、その行為を言っているのです。給水という行為を委任しているので、区域というのはきまってないのです。河川の流域に、どの高いところに渇水が起こるかわからぬですよ。取水の個所、違ったところから取水するかもわからないですよ。その場合、区間をやっておくのでなくて、そういう現象が起きた場合に、それに対する応急措置というものを、ここで常時それを委任しておくのか、どうなんです。個所じゃないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/71
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072・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) 洪水の場合には、緊急の措置が必要でございますけれども、渇水の場合には、もう半日、一日を争って……。事前から累積していくわけですから、したがって、その段階までに十分建設大臣としても命令ができるし、処置ができる、知事さんにしかるべくという命令が出せるということだと思うのです。したがって、渇水の場合には、いまお話しのような事態が起こることは少ない。ただ洪水の場合には、水防は水防法によりますけれども、たとえば、ダムの管理等におきましてそういう事態が起こる。これは時間を争いますから、そういう場合のためには常時、いつ集中豪雨が来てもすぐ処置がとれるように、その管理を知事に委任しておくということが必要じゃないかと、こう思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/72
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073・田中一
○田中一君 くどいですが、区間じゃないのです、その応急措置……。河川の区間じゃないのですよ。私の言っているのは、そういう現象に対しての処置を伺っているわけですよ。区間じゃないのですよ。河川管理というのは区間をいっているのです。区間でなくて現象です。現象に対しての応急措置をどうするか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/73
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074・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) いまのお話ですけれども、区間でないとおっしゃられますけれども、やはりそういうような動作をするというのは、ダムならダム、あるいはこの区間、こういうような区域、そういうような場所といいますか、施設が対象になって、その施設にどういう現象が起きたときに、応急的にどうするのだ、こういうことになろうかと思うのです。その応急措置をするときに、ふだんから、ここではこういう動作がある、こういう操作ができるということを十分管理、承知しておらなければできませんから、そういうものを全部管理してもらいまして、応急のときには、いついかなるときに非常事態が起こっても、すぐ動作できるというふうにしてもらわないと、非常事態が起こったときにすぐ管理を委任するということは、これは不可能だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/74
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075・田中一
○田中一君 この法律の体系としては、区間委任ということになっているのです。そうでしょう。だからあなた方は区間にこだわっている。区間外、いわゆる建設大臣が当然管理をしなければならない個所、これは衆議院でもおそらくこんな問題の質疑があったのじゃないかと思うのです。そういう、ここでもってどうしてもこれは応急措置をとらなければならないのだという個所というものはきまっておらないのですよ。たとえば合流点でもって、Bの川から大きな集中豪雨があって、流れてくると、Aの川のどこかにぶつかるというようなこと、それは国の管理区間なんです。ところが、洪水とかいろいろなこと、渇水の場合には、そんなことはタイミングに余裕があるからできますよ。けれども、そういう行為ですね、現象ですよ。現象に対する応急措置というものは、区間をさしているんじゃなくて、現象に対する措置なんですよ。川というものは、水が区間を流れているんじゃなくて、全線に流れるんです。集中豪雨は河口まで流れていくものですよ。その間に、どの区間どの区間に災害が起きるか、応急措置が必要な区間というものはきまってないんですよ。そうでしょう。その場合、常時そういうものに対する、国の管理区間であっても——あなた方の言っているのは、そういう場合には都道府県知事にまかせるんだと、その区間区間だと。まかせるのはわかっているんですよ、法律に書いてあるから。そうでない場合の応急措置については、ふだんからそういう委任をしておくかどうかということを聞いているんですよ。これはしつつこく聞いてまた小山君から議事進行が出るかわからぬけれども、これは大事なことなんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/75
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076・村上春藏
○村上春藏君 関連して。それはこういうことなんでしょう。いわゆる洪水のときの非常措置については、その事の起こらない前に、非常措置をいわゆる知事に委任しておくかどうかと、これだけの問題でいいんじゃないですか。あるいは洪水、高潮であるとか、そういうときは突発的な非常事故なんだ、だから、それを委任しておきますかと、これだけでいいでしょう。それだけでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/76
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077・田中一
○田中一君 そいつを聞いているんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/77
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078・村上春藏
○村上春藏君 だから、いろいろ聞いていると答弁がしにくいんだ。それからもう一つ、渇水というのは、さっき大臣の答弁のとおり、こんなものは刻刻にわかるんです。渇水の状態というものは、急にくるんじゃないから、それはぼくは、大臣がまだ指示をする機会が十分あると思う。洪水の場合は、それはどうしたって事前から知事に委任しておかなければ間に合いませんよ。だから、聞き方が、非常に複雑に言うから答弁がしにくい。簡単にひとつまとめて言ってもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/78
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079・田中一
○田中一君 大臣も河川局長も、区間というものを前提として説明しようとするから食い違いがあるんですよ。現象を言っているんです。現象なんということばが、村上君、理解しにくいかどうか知らぬけれども、そうではないんです。あなた方は、法律の体系からいって、区間というものにこだわっているけれども、私の言っているのは、そうじゃないということを言っているんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/79
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080・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) お話しになる点はよく理解をするわけであります。村上さんのおっしゃることもよくわかりますが、問題は、豪雨もしくは非常な大洪水の際に、水防のほうは一応水防法によってやりますけれども、ダムその他に異常に貯水をして、それを事前に放流しなければ非常に災害が起こるというような場合が一番多いと思うのであります。一番憂慮すべき点だと思います。そこで問題は、今回はいろいろ御審議の過程におきまして御意見がありまして、これらについては、命令をして、放流させることを命令する、指示するということについて、政府の権利を強くいたしたわけであります。しかし、権利は強くしたけれども、その機宜の処置はいかなるときにだれが命令するかという問題が残っておるわけであります。それがいま一番やかましく論議されておると私は理解をするのでございます。そこで問題は、事前に、そういう事態がいついかなるときに起こるかということはわからぬ、これはそのとおりでございます。しかし、そういうふうな現象が起こるのは、普通の川の場合だったらば水防法でやる、しかし、いま申し上げるようにダムであるとか特定の湖水であるとかいうところに水が異常に貯水した場合にそういう問題が起こるだろう、こう思うものですから、そこで、その場所が指定できるじゃないかというふうに——決してこだわって申しておるのじゃないのであります。そういう考えでお答えをしたのでございますが、田中委員のように、もう少し広範に考えて、いつどこで集中豪雨が起こるかわからぬ、それについて緊急に措置をしなければならぬ場合がどこで起こるかわからぬじゃないかということも、決して私は想像がつかぬわけじゃございませんので、そういうことにつきましては十分検討いたしまして、今後、個所の指定で間に合うか、それとも事前に、いまおっしゃるように知事に委任をしておいたほうが適当であるか、行為を委任しておいたほうが適当であるかということにつきましては、いずれにしても委任することはこの法律によって定められておるのでございますから、それらにつきましては十分今後検討いたしまして、決して機宜の処置を誤らぬようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/80
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081・田中一
○田中一君 第二十五条「土石等の採取の許可」、これですが、非常に現実的な問題なんですがね。いま知事が許可しております。これは許可した数量を大体常識からいって十倍ぐらい掘さくしておるのが普通だと思うんです。そこで、もう今度、そのおのおの管理区域によって許可権限が違ってまいりますが、この間も、だいぶ前にも、建設省はアドバルーン上げて、砂利採取に対する規制をしようということを考えておりました。私どもなども、これはもうどうしてもしなければならぬと思うんです。これはただ、むろんこの条文だけではどうにもならないのでありまして、砂利公営方式でもとったらどうかと思うんです。管理者が自分で行なう。そして、現在砂利業者という者がいますがね、この砂利業者等には販売権を与えればいい。採取権は、直接やる。これは許可だけで民営にまかしたって、昔は河川監視員というのがいたけれども——これは漁業権などの場合にはよく漁業権者が出ていますよ。河川の土石の採取なんというものには、どの県、どの川に行ったって、かりにいたとしても、おそらくあなたの選挙区の神奈川県にしても何人というぐらいしか監視員はございません。あれだけ大きな直轄河川を持ちながら、何人というしかいないと思うんです、監視員というものが。大きな間違いを犯していますよ。これはひとつ何とか考えてもらわぬと、もう河川改修やりながら今度は河川の荒廃を待っている……。農業用水にいたしましても、許可する場合には許可水量というものを大体想定して、この河川はどのくらい取ってよろしいといっていますが、事実はそうじゃない。事実は十倍程度のものを取っていますよ。そうして枯渇しておるいまの砂利、砂等でありますから、これは公営にして安く供給したらいいじゃないか、私は思うんです、それが一挙両得じゃないかと。許可して業者にまかしていいんだということになれば、これはおそらくイタチごっこになると思う。この点でもってひとつ、いまないでしょうけれども、許可している砂利採取権、許可している部分の実態というものを調査して出していただきたい。まあ富士川、相模川なんぞはこれからは掘らせぬぞと言っているが、これはまたどうかと思うのです。実態を調べて——危険だと言っているんですけれども、どっか一つの河川をきめて実態を調べてください。おそらく十倍以上……。せんだってもダンプが十台も来て、だれが命令するのか知らぬ、おそらく請負が命令するんじゃない、下請が命令するんでしょう。まるで監視所に飛び込みそうな勢いで来て七倍も積んだという、払暁に。こういうことは、やっぱり許可する量以上のものを掘さくしているに違いないのでありますから、これはひとつ実態を調べてください。そうしてこの点はもう少し——今度の場合には別に修正しようとは思いませんけれども、別途何かの措置をとるようにしていただきたいと思うんですが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/81
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082・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) 御指摘の点は、私も実はかねがね考えておった点でございまして、いまお話しの富士川もしくは馬入川の実態から見まして、何らかの措置をしなければならぬというので、馬入川のほうは採掘、採取を禁止いたしました。禁止しても採取しておるというようなことでございまして、しかも、砂利の資源というものは非常に重要な段階にきております。したがって、これにつきましては、全国的に一ぺん調査をいたしまして、これをどういうふうに今後扱うことがいいかということにつきましては、次の機会までに適当に善処いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/82
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083・田中一
○田中一君 この三十四条「権利の譲渡」のところ、ちょっと伺いたいのですがね、二十三条、二十四条、二十五条と、この三条に対する権利の譲渡というものがありますがね、これは内容はどうなっているのです。「第二十三条から第二十五条までの許可に基づく権利は、河川管理者の承認を受けなければ、譲渡することができない。」、それから「前項に規定する許可に基づく権利を譲り受けた者は、譲渡人が有していたその許可に基づく地位を承継する。」となっているのですが、これは実態はどういうことになっているのですか。こういうものは僕は必要ないのじゃないかという気がするわけなんですよ、実際ね。新規、新規でいいのじゃないか、権利なんていう権利じゃないのじゃないかと思うのですがね。伺いたいのは、土石の場合にも、何坪なら何坪という許可をするとなっているか。土地の占用の場合でもどうなっているのか。何年間の契約をするのか。流水等もどうなっているのかという許可の基準というものですね。それを現行法の実態からいってどうなっているか、ひとつ説明してほしいと思うのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/83
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084・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) この三十四条の条項は、ここに書いてございますとおりに、二十三条から二十五条でございまして、二十三条は「流水の占用の許可」、二十四条は「土地の占用の許可」、二十五条は「土石等の採取の許可」でございまして、こういうものにつきましての権利は、一応この河川管理者の承認を得なければいけないというふうにして、みだりにそういう権利がほかに譲渡されるということのないように注意する、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/84
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085・田中一
○田中一君 私、疑問に思っているのは、これらのものははたして権利かということなんですね。権利となりますと補償の対象にもなるわけですね。権利ではないのじゃないかと思う。土石の採取にしてもね、場合によればたまってしょうがないから、持ち出さなければならない場合があるのです。じゃまでしょうがない場合があるのです。掘さくしなければならぬ場合がある。だから権利という通念でこれらのものをきめられるかどうかということを非常に疑問に思っておりますがね。その点はどうなんです。それをひとつ、ちょっとばかり疑問があるのだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/85
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086・国宗正義
○説明員(国宗正義君) 三十四条に「権利」ということばを使ったがゆえに、従来から存在いたしましたところの流水占用の許可、土地の占用の許可、土石採取の許可の内容が、ことさらに変わるものではございません。これを、学問上、法律上のそういう地位であり、必ずしも排他性を持つところの物権、債権等の権利ではないという御意見もないわけではございませんが、さように表現するよりは、財産上やはり保護に値する地位にほかならないのでございますから、「権利」とあらわし、さようにいたしまして、その権利の譲渡には、「河川管理者の承認」と書きあらわしたわけでございまして、かように書いたがゆえに、従来の地位なり権利なり財産上の地位なりが、ことさらに変わるものではございません。
なお、補償に関しましては、権利であるといなとにかかわらず、財産上保護に値する地位でございますれば、それを侵害する場合には補償がございます。一定の河川管理上の事由で取り消す場合には補償を要しないということも、従前と全く同じでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/86
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087・田中一
○田中一君 建設大臣に小柳君から質問があるそうですから、その前にちょっと伺っておきます。
河川局長、この三つの実態ね、契約がどうなっているか、許可基準がどうなっているか、その期間はどうなっているか、それに対する占用料はどうなっているかという点、あとで資料で出してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/87
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088・小柳勇
○小柳勇君 私は、四点大臣に質問をいたしておきたいと思います。
第一は、この河川法が通過すれば、関係職員が配置転換が起こるということで非常に心配をして、再々河川法案反対の陳情に見えているが、そういう事態が起こるのかどうか、大臣からお聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/88
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089・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) ただいま御審議いただいております河川法の改正案が実施されます暁における建設省職員の実態につきましては、ことさらに変動はございません。ただ、いま別に建設省設置法案を御審議いただいております。これは私といたしましては、従来直轄工事が、終戦後特に大幅に行なわれておりましたものが漸次少なくなりつつありますけれども、最近におきましては、御承知のように、建設業界が非常に発展いたしまして、しかも、大規模な機械等を使用いたしまして、非常に能率をあげてやっております。したがって、もう政府自身が直轄して、直営してやる必要はない、こういう考えに立ちまして、従来の直営工事をなるべくやめて、そうして請負工事に出して、民業に依存しようということにいたしたいと思います。そういうために、実は従来直轄工事を監督していらしった、指導してもらっておりまする職員、これらの職員の諸君が、今度は直轄工事自身がなくなりますから、そこで、これらの諸君がどうなるかという問題があります。これらの諸君はできるだけひとつ、希望される方には再教育いたしまして、そうしていま申し上げました請負工事の監督のほうに回っていただく——若い人は大体そういう人が多い。そこで、建設省の建設大学校等につきまして、内容を多少整備いたしまして、そういう方向に持っていくというような意味合いにおきまして、それぞれの諸君の意思によって配置が変わってくる、仕事が変わってくるという場合はあり得る、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/89
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090・小柳勇
○小柳勇君 いまのお話しは、この建設省設置法の改正に関係することで、河川法案の通過によって、直轄工事から請負ということには関係ないのですね。この河川法案が通過することによって、直接職員の配置転換が起こることはないと、こういうことでいいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/90
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091・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) 具体的に申し上げますれば、建設省がこの法案が実施されることによってどの程度河川の指定をするか——一級河川の指定をするか、直轄するかということにかかってくると思います。いまは非常にたくさんの川を部分的に管理しておりますから、それぞれの管理場所におられる諸君が水系ごとに管理することになりますから、異動していただかなければならぬ場合が起こる、もちろんそれは全体的に見れば事業量も多くなるのでございますから、それによって仕事が変わるということにはならない。場所的には私は変わることはあるだろう。その仕事自体が変わるということはない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/91
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092・小柳勇
○小柳勇君 私は、その場所の変わることをいま聞いたわけです。一級河川、二級河川が指定されると、おのおのこの職場の異動が起こるのではないかと、それを聞いているわけですが、それは異動がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/92
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093・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) それはもうそういうふうにならざるを得ないと思います。ただし、いま設置法の改正におきまして、大蔵省と十分折衝いたしまして、これらの職員には住宅の問題その他について十分考慮するという予算も要求いたしておりまして、あまり不便をかけたり迷惑をかけたりしないような措置は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/93
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094・小柳勇
○小柳勇君 簡単に、あとで速記を読んでわかりやすいように質問しますから、要点だけ答弁してください。いまの答弁はあとで聞くつもりだったのですが、じゃ、この法案が通ることによって職場の異動が起こる、一級、二級の指定のあり方によって、現在働いておる人たちの職場の異動が起こるということはあり得るのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/94
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095・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) あり得ます、場所ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/95
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096・小柳勇
○小柳勇君 第二点は、今度は身分の変更、いま県の管理の河川には県の職員が管理しておるわけですね。国の河川では国の職員が管理しておりますね。その国費から県費職員へ、県費から国費への身分変更もあり得ると、そう考えていいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/96
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097・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) そういうふうにすれば職場は変わらずに済むのでございますが、それを身分を変更することは適当でなかろうと思いますから、国費の人は国の河川のほうにかわっていただき、そうして県の人は県の河川のほうにかわっていただくようにしますから、県と国との間の身分の変更は最小限度にとどめる、一応ないとお答え申し上げていいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/97
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098・小柳勇
○小柳勇君 次の問題は、そこなんですがね、これは運輸省にも労働省にも関係する問題なんですが、県費職員と国費職員との身分移管の問題で、大臣、地方自治法のたてまえでは、地方に働く者は地方公務員として県費職員として見ていったほうがバランスがとれるわけです、管理もうまくいくわけです。そういうことでいま労働省では身分移管の問題が出ております。わが党としてもこれを取り上げておりますが、そういうものが起こる場合に、場所を変えるのがいいのか、身分を変えるのがいいかということについては、検討されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/98
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099・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) 実はこれは観念論かもしれませんが、若い人が県の職員より国の職員になりたがる。ことに技術者等は、国で募集すればその募集に応ずる人が多うございますけれども、県が募集した場合には応ずる人が少ないというのが現実だと私は思います。そこで、お話でございますが、身分をみだりに国から県に移すということは、本人の同意といいますか、本人が了承なさらなければ私はやりたくない、初めに入るときにそういう意味で採っておりますから、という考えでございますが、なお検討の必要があれば検討することは私は決してやぶさかではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/99
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100・小柳勇
○小柳勇君 もう一つ関連するのですが、この建設事務所あるいは現場の工事事務所など大幅に縮小、拡大が考えられておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/100
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101・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) それは、いま申し上げましたように、従来は直轄して直営工事をやっておりましたから、直営の場所に監督事務所が、工事事務所がございました。それを順次切りかえてまいりますので、監督の立場に立ちますので、これらの直轄いたしておりました工事事務所を数を減して、そうして出張所として残す場合があります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/101
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102・小柳勇
○小柳勇君 そうしますと、管理事務所などの縮小、拡大もあり得る。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/102
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103・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/103
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104・小柳勇
○小柳勇君 そうしますと、職員の配置転換、身分変更あるいは事務所の縮小、拡大もあり得るといたしますと、当然職員の今後の生活に不安があるということも予想されるわけです。そういう意味でわれわれにいま陳情があるものと思いますが、この法案が通ったといたしましたならば、大臣はそういう代表の諸君を呼んで、その不安を除去するように話し合いをしてもらいたいと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/104
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105・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) その点につきましても、私もつとに考慮をいたしまして、これらの諸君には十分御納得のいくように、いずれもいま考えておりますことは、若い諸君には勉強をして上級の道を開くということを、極力勉強されることを推奨いたしておるわけでございます。
次に、場所の変更が起こります。これにつきましては、非常に御迷惑と考えますので、特に住宅その他につきましては特別に配慮いたしまして、予算等につきましてもできるだけ準備をするようにいたしております。がしかし、いずれにしてもそういう事態におきまして、代表の諸君と懇談をする申し出があります場合に、いつでも十分納得のいくように懇談をして、お話をするということにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/105
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106・小柳勇
○小柳勇君 最後ですが、要請をかねてもう一回大臣から聞いておきたいんですが、われわれにも再三陳情がありますから、大臣にもいろいろ陳情があったと思いますが、そういう職員の諸君は心配している、思い過ぎるほどに心配している点もありますから、法案の通る通らぬにかかわらず、早急に関係の職員にもこの法案の趣旨なり、今後の措置について説明して、納得した上で、快く話し合いに応ずる措置をとっていただきたい。大臣の御決意を聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/106
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107・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) 私、決して組合の諸君から申し出があって、回避したことはございませぬ。あればお目にかかるつもりでおります。いままでもお目にかかっております。なお、今後もそういうことがありますれば、十分お会いして、ひとつお互いの理解の深まるようにいたしたい、こう考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/107
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108・田中一
○田中一君 もう二、三点ちょっと聞いておきたいんです。三十八条の水利調整、第二項の問題ですがね、慣行水利権に対する見解をどういうぐあいに見ているか。これはまあ言いにくかったら、言わぬでもいいんですがね、その競願の場合ですね、水利使用申請の競願の場合には、先願権というか——先願権というものを認めるのか、その点はどういうぐあいに行なおうとするんですか。非常にむづかしい問題があると思うんですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/108
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109・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) 水利権の問題の場合に、慣行水利権につきましては、たびたび御答弁いたしておりますとおりに、十分尊重いたしまして措置をいたします。それから新規の水利権の申請の場合の競願の場合でございまするが、これは必ずしも先願第一であるというふうには私ども考えておらないわけでございますが、たまたまそういう水利権の内容が同等であるという場合には、当然そういう先願権も見なければいけないと思います。これに対しては十分な、そういうような公益性その他を考えまして、措置いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/109
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110・田中一
○田中一君 それからダムに関する特則のうちの四十七条、四十八条等でありますが、慣行水利権者の意見ですね、これは御承知のように、操作規程の中にもいろいろあって、大体関係市町村長、警察署長、都道府県知事等に連絡するようになっておりますけれども、市町村長と、それから慣行水利権者といいますかね、これとの意見が一致しない場合もあります。慣行水利権というものの合法的な合理性というもの、同時に発言権というものを、こういうダム操作等にどこまで認めようとするのか。これはやっぱり権利者なんですよ。権利者を代表する者は、都道府県知事あるいは関係市町村長だということにはならないと思うのですね。あるいは農民組合もありますし、あるいは水利組合もありますし、いろいろあります。したがって、慣行水利権者の合法的な立場というものをどういう形でもって——この法律の中に出てこないのですよ。慣行水利権者というやつですね、これは、たとえばここにある危害の防止のための処置にしても、いろいろこれに対する団体がありますね。水利組合もあれば、あるいはしいていえば農民組合もあるでしょうし、いろいろなところがあると思うのですよ。そういうものの姿が出てこない。行政機関だけが出てきておるわけですね。したがって、慣行水利権の水利権者というものは、この法律の中でもってどういう形の、合法性はわかりましょう——慣行として、慣行としてという見方じゃなくて、もっと合理的な合法的な取り上げ方があるのではないですか。どこにありますか。どうもないと思うのですが……。この中にはないのですがね。その点どう思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/110
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111・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) 慣行水利権の尊重という問題ですが、これは水利権なら水利権が新たに設定されたときに、こういう慣行の水利権の人方に対するいろいろな処置に対しては、そういう既得の権利として十分に尊重するということでございまして、その慣行の水利権の所有者がいろんな施設をそこに持っておる、そういうような場合に、いわゆる操作をするときにいろんな、何といいますか、危害といいますか、損害といいますか、がある面とこれは別でございまして、いわゆる水利権の尊重においては、水利権のときに十分いたしますし、それから、それに対するいろいろな施設なんかの場合には、そういう危害防止として十分処置をする、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/111
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112・田中一
○田中一君 施行令の四条と十七条の関係です。四条の「旧法による河川敷地等の帰属」と、それから「旧法により公用を廃止した河川敷地等の処分の経過措置」、これはどういうぐあいに持っていこうとしておるのか、まず伺っておきます。これは聞くところによると、来年の四月一日までに処分を早くせよ、そうすると帰属は都道府県になると、こういう措置をとっているらしいのですが、一年じゃとても間に合わぬ、もっと延ばしてくれというような連絡というか、ゆうべおそくぼくのところにやってきまして、これはおそらく工事でもしておるのじゃないかと思います。工事か何かしておる。はっきり台帳も何もないのですから、明らかにならぬものだから、一年くらいでは間に合わぬからもう一年くらい延ばしてくれないかという陳情が来ておるのですが、これはどういうものですか。一年間でしょう。四月一日になっていますね、確かに……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/112
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113・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) これは実際のその土地について調べさしていただかなければならぬと思います。確かに、お説のとおりに、四月一日で一応切れるわけでございます。その後になりますと、これは一応国の帰属になります。ただし、いわゆる国有財産法によりまして、国の帰属に必要ないということであれば、県なりに払い下げができるわけでございます。実体、その土地がどういう土地でございますか、それによって差はあると思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/113
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114・田中一
○田中一君 そうすると、その実体というものが的確に把握できないものもあるわけですよ、台帳がないのですからね。これからやろうというのですよ。大まかな線でもって申請して間違いの手直しくらいできるというならいざ知らず、相当広範な土地があるという場合ですね、一年じゃ間に合わないから二年くらいにしてくれぬかということで来ているのですが、それは一年で十分間に合うのだ、一年間で払い下げ等を、帰属をきめるからという考え方と、それから、したがって完全に来年の四月一日までにはそれぞれの帰属をきめる、だから、都道府県ではほしいならばほしいと早くいってこい、それまでは全部希望どおりにしてやると、こういうふうに考えていると見てよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/114
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115・畑谷正実
○政府委員(畑谷正実君) この廃川敷地の問題は、河川敷内の処置とは別でございまして、これは全部実体的にその実体を掌握してございますから、この点は問題ないと思います。
もう一つは、追加して申し上げますと、四月一日以後においても、これは、二級河川は、建設大臣が大蔵大臣と協議をすることによって処置はできますし、一級水系におきましても、大蔵大臣が処置をいたしますけれども、国の帰属に必要でないという場合には、県に帰属することができるようになっておりまして、そのケースによりまして処置はできると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/115
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116・田中一
○田中一君 逐条審議はこれでやめますが、一応ここで建設大臣に総括的に希望しておくわけです。
明治二十九年制定の河川法が、昭和二十九年以来いろいろ試案が建設省から出ておりますけれども、ようやく河野建設大臣の代になってこうして改正ということになったわけであります。しかし私どもは、この改正は、建設省が一昨年の秋にアドバルーンとして一つの構想を、草案を発表したときのもののほうがいまよりもずっとよいというように自分じゃ考えているわけです。あまりにもふくそうする権利、それからいわゆるあいまいな慣行水利権等、慣行によるところの水の分配が行なわれているという点については、水を利用する側のほうの各所のいわゆる利益代表的な要望によってゆがんできた河川法であるということに見るわけなんです。そこで、せんだっての総括質問におきましても、建設大臣は、何とか近い将来によりよいものに持っていこうというような非常に意欲的な答弁をしているので、それを了といたしますが、いま小柳委員が質問したように、これがために建設省に、直接河川行政等に危険をおかして、ある場合には洪水、集中豪雨によるところの河川保守のためにあるいは地域住民のために挺身している多くの職員のあることを忘れては困ると思います。私ども不十分な河川法と思っております。しかし、とりあえず一歩前進したということについては共感を持って迎えておりますが、新五カ年計画による河川改修事業もこれから相当強く前進するものと思いますが、ひとつこの際、建設大臣から今後の心がまえ、それから民族に奉仕する水行政という点にまで、国民全体に希望を持たせるような措置をとっていただくことが望ましいのでありまして、見解をひとつ伺いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/116
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117・河野一郎
○国務大臣(河野一郎君) ただいま、だんだん御発言でございましたが、この委員会を通じて熱心に御意見を伺いました諸点、これらを通じて私もまた意見を申し述べました点につきましては、深く私も考慮いたしまして、この河川法案が現実になりますれば、これによって初めて河川に関する台帳の作製、実態の把握というものもある程度私はできてくると思います。また同時に、これによりまして将来の水の利用につきまして、跳躍する一つの素地が私は築かれると思うのでございます。これらを十分考慮勘案いたしまして、一方には国費をもって十分ダムの建設その他水利用に対する素地をつくる、そうして、民族として十分水を利用して、そこに産業の新たなる開発を可能ならしめるように、また、ならしめるような法律に漸次することを私は考えなければならぬと思っておるものでございまして、この上とも、できるだけひとつ努力したいと思っておりますから、一そう御協力くださいますように切にお願い申し上げる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/117
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118・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) 他に発言もないようでございますから、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/118
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119・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) 御異議ないと認めます。両案の討論、採決は次回に譲ります。
なお、稲浦君及び田中君から、委員長の手元に、両案に対する修正案が提出されておりますが、これらの審議もあわせて次回に譲ります。
本日は、これをもって散会いたします。
午後五時三十二分散会
————・————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614149X03519640616/119
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