1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年六月十七日(水曜日)
午後二時四十分開会
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委員の異動
六月十七日
辞任 補欠選任
郡 祐一君 徳永 正利君
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出席者は左のとおり。
理事
館 哲二君
鈴木 壽君
中尾 辰義君
委員
青柳 秀夫君
石原幹市郎君
太田 正孝君
西郷吉之助君
徳永 正利君
長谷川 仁君
増原 恵吉君
吉江 勝保君
秋山 長造君
小酒井義男君
林 虎雄君
基 政七君
政府委員
自治政務次官 金子 岩三君
自治省選挙局長 長野 士郎君
事務局側
常任委員会専門
員 鈴木 武君
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本日の会議に付した案件
○公職選挙法の一部を改正する法律案
(閣法第一六五号)(内閣提出、衆議
院送付)
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〔理事館哲二君委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/0
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001・館哲二
○理事(館哲二君) ただいまから委員会を開会いたします。
公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。
前回までに説明を聴取いたしておりますので、これから質疑を行ないます。御質疑の方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/1
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002・中尾辰義
○中尾辰義君 きょうは大臣がおいでになりませんから、局長にお伺いしますが、改正法案の第二十六条、補充選挙人名薄の登録申請のことについて改正を加えられておりますが、改正の内容について説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/2
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003・長野士郎
○政府委員(長野士郎君) 第二十六条の補充選挙人名薄の調製につきましての改正の内容については、一つは、従来、補充選挙人名薄につきましては、選挙が行なわれます場合に、その具体の選挙に公示または告示がありましたときに、同一の市町村に引き続き三カ月以来住所を有しておりまして、そうして年齢が二十歳以上になっておる者で、なほ選挙人名薄に登録されていない者が申請をする、申請をすることによって、要件を満たしておれば登録をされるということだけでございましたが、最近のように人口の移動が非常に激しい場合、選挙の一定の期間だけに補充人名薄に登録をするということでは、選挙事務に忙殺されておりますところの選挙管理委員会の当局が、十分にその趣旨を徹底することがなかなか困難な面もございますし、それからまた、そういう意味でやはり登録漏れが出てくるということもあるわけであります。したがいまして、そういう該当の方が非常に多い状況にもかんがみまして、「登録の申出」という制度をもう一つ新たに開かしていただきまして、三カ月以来の住所要件を満たしていないけれども、住所を移転したような場合に、あらかじめ申し出をしておく、そうしますと、その次の選挙の場合に選挙管理委員会が調査をいたしまして、その申し出以後三カ月以来の住所要件を満たしておるということになった場合には、その申し出に従って登録をする、選挙になってからの申請がなくても登録ができるようにするという、いわゆる「登録申出」の制度を創設をしたわけであります。
それからもう一つは、本人の申請ということを基本に考えるべき性質のものでございますので、従来の扱いが本人以外の者が登録申請をするということができるような扱いになっておったように思うのでありますが、それを、登録の申請は本人申請にして誤りなきを期していく、こういうことにいたしたいというのが第二十六条関係の補充選挙人名薄の関係の改正の内容でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/3
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004・中尾辰義
○中尾辰義君 それで、いま申し出制ということを新しく加えられたということになりますが、「登録の申請」と「申出」というのはどういうふうに違うのか、新しい項目でもありますので、はっきりとひとつ説明をしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/4
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005・長野士郎
○政府委員(長野士郎君) 「登録の申請」は、現在、特定の選挙が行なわれる場合に、その特定の選挙に投票できる資格を得るために、具体の選挙に間に合うように登録の申請をするということに相なっております。「登録の申出」と申しますのは、人が移転したときに、すぐ申し出ができるようにしたいと考えておりますから、特定の選挙ということはまだわかりませんけれども、要するに、将来行なわれる選挙に対しての登録を要求するといいますか、そういうことができるように、将来選挙について調製される補充選挙人名薄への登録の要求をする、こういうことに相なると思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/5
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006・中尾辰義
○中尾辰義君 そうしますと、新しく移転した場合、補充選挙人名薄の申し出をするわけですね。そうしますと、今度はさらにまた、もう一回本人の申請をやると、こういうことになるのですか。それとも、申し出をすれば、もうそれで自然と名薄に載るのかどうなのか、その点をはっきりしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/6
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007・長野士郎
○政府委員(長野士郎君) 登録の申し出がありましたならば、それはあらためて登録の申請をする必要はないようにいたしたいと考えておりまして、その人が登録されるだけの資格を取得いたしましたときには、その日以降の補充選挙人名簿に申し出をしておけば、登録してもらえるということにいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/7
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008・中尾辰義
○中尾辰義君 従来、補充選挙人名薄の申請の期間というものが限定をされておったわけですね、何日か。今度はそれがどういうふうになるのですか、その期間が。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/8
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009・長野士郎
○政府委員(長野士郎君) この「登録の申出」という制度を新たに開きますが、従来からやっておりますところの選挙に際しましての登録申請という制度も、従来どおりあるわけでございまして、したがいまして、その登録の申し出をした人は、といいますか、その登録の資格を取得できました日以降に、具体の補充選挙人名薄をつくるというときがありました場合には、その補充選挙人名薄をつくりますときの登録、従来でいえば通常の申請に基づく登録をやりますときの登録の際に、そういう資格のある者をあわせて登録をする、こういうことになるわけでございまして、従来の登録申請の制度というものをやめてしまうということではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/9
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010・中尾辰義
○中尾辰義君 そうしますと、従来の申請期間というものはそのままで置いておいて、そのほかに登録の申し出制度というものをつくったわけですね、こういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/10
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011・長野士郎
○政府委員(長野士郎君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/11
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012・中尾辰義
○中尾辰義君 もう一つお伺いしたいのは、これは本人申請になるのか、本人が行かなければならないのか、それともほかの代理の者でいいのか、この点はどういうふうになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/12
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013・長野士郎
○政府委員(長野士郎君) 先ほど申し上げましたように、登録申請は、原則として本人の申請というものを考えていくべき性質のものであるというふうに考えられます。従来のような、だれかそのほかの人がかわって申請をする、あるいは極端な場合には、ほかの人の承諾の有無にかかわらず、申請ができるということになっておりますことは、どうも選挙権という国民にとっての基本的な権利の扱いとしては適当でない。また、そのために、実際に本人がその場所に居住しておって、そして三カ月以来の住居要件を満たしておるかどうかということが、必ずしも判然としないという場合にも、形式的に登録をされまして、登録が間違っておるというような事態もままあるようでございます。したがいまして、そのことは、やはり本人の基本的な権利の行使についての手続としての登録でございますので、本人が登録をするということがたてまえであるべきだというふうに考えられるわけでございまして、したがいまして、今度の改正におきましては、本人申請というたてまえを通してまいりたいというふうに考えておりますが、ただ問題は、実際上の扱いとの調整をどうするかということで私どもが考えました場合に、本人申請という意味は、本人が本人のことは一番よく知っているわけでございます。したがいまして、住所の移転をしたこと、あるいはどこにいつから住所を持ったかというようなことは、そういう状態の、ほんとうに本人と同じように知り得る状態というものについての取り扱いをどうしていくかという問題が残るわけでございます。また実際問題としても、一家族の者がそれぞれ別々に申請をしなければ受け付けられないのだというのも、多少かえって本人のためにも不便を与えるということにも相なるわけであります。そういう両方のことを考えますと、取り扱いは政令で具体化さしていただきたいと思っておりますが、一つは、本人と生計を一にしているような家族の者が、本人にかわって本人の状態というものを説明し得る、証明し得るという状態が事実上考えられますので、そういうものにつきましては、本人の作成した申請書を本人にかわって持ってくることもこれはいいのではなかろうかというふうに考えております。それからもう一つは、そういう状態でない場合、たとえばどういう状態かということは、たとえて申しますと、本人が病気をしておって他に身寄りがないということもあり得るかもしれません。そういうような場合に、第三者が扱うことができるかどうかという問題が出てくるわけでございますが、これにつきましても、やはり本人と同じ状態でその人の証明ができる、その人の居住の事情その他の証明ができるということがどうしても必要であり、要求されると考えられるのでありまして、そういう場合で本人申請によりがたいという事情が明らかになるようなものをつけまして、そうして本人にかわって申請をするという扱いを開かざるを得ないというふうには考えております。しかしながら、いずれにしても、今回考えておりますのは、そういう意味で居住の事実、本人が居住と称するもの、前住所地というようなものにつきまして、本人と同じように証明し説明し得るということを、これは絶対の要件にいたしたいと考えておるわけでございます。全部の場合に本人が一々出頭しなければならないというふうにいたしますと、かえって実情に反する場合がございますので、いま申し上げましたように、生計を一にしております場合、あるいはどうしても第三者によらなければならない正当な理由がある場合に、しかし第三者が本人にかわって居住の事実、実態その他を証明し得るというような場合には、扱い得るようにいたしたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/13
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014・中尾辰義
○中尾辰義君 あなたの言わんとするところは、ちゃんと住所がはっきりしておって、しかも不正な登録などを防止したいという、こういう意向だろうと思いますが、私はその点については大いに賛成なんです。ただ一つ、提案理由にも出ておりますように、「より多数の有権者に選挙権を行使する機会を与えるよう配慮を加えることとしたのであります。」、このように、より多くの有権者に選挙権を与える、これが提案の説明になっているわけですが、あまりこれを本人申請主義で限定しますと、いま言ったような弊害も出てきますし、本人と同等に本人の状態を詳しく事情を知って説明ができる者であれば、それでもいい。しからば、日雇いなんか、朝五時ごろあるいは六時ごろ行って、帰りもおそい、こういうような方々、あるいは女中さんなんかで、なかなか出られない、まあそういったような人もあるわけですね。日雇いといえば本人ですが、日曜日に行けば役所は休みだ、こういうのは一日休まなければ行けない。こういうふうになるように思うのですが、そういう点はどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/14
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015・長野士郎
○政府委員(長野士郎君) 本人申請主義だけというわけではございませんで、先ほども御説明申し上げましたように、「登録の申出」という制度を開きまして、いつでも申し出ができるようにいたしたい、これで選挙人の便宜を非常にはかれるようにいたしたつもりでございまして、したがって、住所を移転したというような場合には、おおむね一回ぐらいは役場に出てくるとか、いろいろのことがあるわけでございまして、そういう場合に、ついでといってはあれでございますが、登録の申し出を受け付け、登録の申し出をするようにその人に教えるというようなことを、役場の窓口を通じてもいたすように指導いたしたいと思っているわけでございます。また、いまお話しのように、日雇いとかそういうこともあると思いますが、そういう方で家族のない者——何か家族がおられれば、その方が出かけていくということは必ずしも不可能なこととは思いません——生計を同じくしておるような者というものを考えたいということは、そういう趣旨でございまして、そういう意味で絶体絶命、何ともかんとも出頭できないのだということが一体あるのかないのか。そうなれば、投票そのものも、どこかの時間をかけて行かなければならないわけでございますし、まあそれだけは行けるが、登録には行けないという事情というものを考えました場合に、それはあるかもしれませんが、そういう場合はごくまれな場合であろう。また同時に、その理由が正当な理由があるという場合には、第三者に委任をして登録の申請ができる道は、少なくとも開きたいと思っておりますので、そういう必要があれば、そういう道によって登録をすることも可能であろうと思います。しかし、それはあくまで一般的なものに考えるかどうかということになりますと、やはり原則は本人申請がたてまえだろうと思うわけでございまして、そのたてまえの中での容認し得る限りの例外は、選挙人の便宜という点を考慮いたしましてそれは考えていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/15
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016・中尾辰義
○中尾辰義君 局長さんのお話はわかるのですが、実際問題として、選挙がいつあるのかわからない前から、そういったような申し出をする人はあまりないのじゃないか。やはり町に選挙ブームというものがある程度盛り上がってから普通はたいがい行く。それにしてもやはり棄権率というものが三〇%ないし四〇%あったわけですからね。ですから、それは本人が行けない場合もあり得るということは考えなければならぬ。そういう場合を私は心配しているわけですよ。そうしなければこの提案理由の説明のとおりにならない。「有権者に選挙権を行使する機会を与える」と。極端な例を言いますと、これがために投票率は下がるということもあり得るわけです。これはいま一つの例を申し上げますけれども、ある大都市のある区の選挙管理者が、自分のところの投票率を上げんがために、その役人が選挙人の名薄をかってにつくった例もあるんでですね。これはあった。そういうこともありますから、どうしても本人が行けない場合の点について、ひとつ御考慮願いたいと思うのです。
もう一点は、「政令で定めるところにより」と、こういうふうになっているわけですが、こういう点は一番大事な点でもありますし、これはあなたに聞くのはどうかと思いますけれども、法律と政令というのは、その限界点というのはどこにあるのか、その点についてお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/16
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017・長野士郎
○政府委員(長野士郎君) 法律と政令というのは限界点がどこにあるかということなんですが、これはまあ非常にむずかしい問題だと思うのです。ただ、法律で大体の原則がはっきり規定してあります場合には、その取り扱い、ある程度の例外、例外的取り扱いというものについて、政府が執行者の立場として、その執行上の必要というものを加味しながら、行政命令としての政令を制定するということは、これは許されることだろうと思います。で、その範囲がどこまで及び得るのかということになると、これはいろいろむずかしい問題がありまして、ちょっと私どもでは答えられないわけでございますが、そういう委任を国会の立法によってお認めいただいて、その原則的な一つのたてまえというものが法律上はっきりしておる場合、その執行に関するもの、あるいはその具体的な細目というものを、政令で委任を受けて制定をする、こういうことは可能であろうと思うのでございます。
それから先ほどのお話の、かえって便利にならないのじゃないか、選挙ムードがわかなければ、なかなか登録ということができないのじゃないだろうかというお話でございますが、それもごもっともだと思います。ただし、私どもこれからは非常にPRをいたしまして、いままででございますと、選挙のたびごとに補充名薄に登録ができるのはいつでございますよ——それは非常に短時日でございます。したがって、住民のすみずみにまで伝達することに非常に困難があったわけでございますが、これからは、いつでも選挙管理委員会に申し出をいたしておけば、ちゃんと名薄に登録がしてもらえますよということでございますから、いつでも、名薄にまだ載っておられない人は、どんどん申し出ておいてください、いつでも申し出ていただけます、そうしておけば、要件を満たしさえすれば、一番最初に名薄をつくるときに載せてあげます。こういうことでございますから、非常にわかりやすくなる。わかりやすくなるから、名薄に載っていないと思われる人は、進んでいつでも選挙管理委員会の窓口においでいただけるということでございますので、その点では、申し出制度を開くことが、かえって名薄の脱漏を防ぐ上においても非常に有効な役割りを果たすのじゃないだろうか、選挙のたびごとにということは、具体的な日にちが非常にわずかでございます。三日間とか四日間という日にちしか受け付けないということになるのが現状でございますので、それよりは、いつでも申し出ていただく、PRも非常にしやすくなりますし、また、そういう関心を持っているといなとにかかわらず、非常によくわかり、いつでも申し出ることができるので、選挙人の便宜をはかることにもなるんじゃないか、まあこう思っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/17
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018・中尾辰義
○中尾辰義君 申し出制度の期間をつくったことは私は賛成なんです。従来補充選挙人名簿の申請期間が短かった、その短い期間の間に住居を移転した者が殺到して申請する、こういうことがあったわけですから、それを期間を延ばしたという点については私は賛成をするんですけれどもね、ただ、どうしても本人でなければいけない、その点が多少私は不満なんです。ですから、どうしても行けない人のためにも道を開いていかなければいけないのじゃないか、あなた方がおっしゃる点は、ただ不正がいけないとおっしゃるのです。不正登録はいけない、それは当然です。その点私も賛成なんです。そういうものはどしどし取り締まっていいのじゃないか、私はこう思う。そのために本人でなければいけないということは、少し行き過ぎじゃないか、だれでも満二十歳以上は選挙権を持っているのですから。持っているけれども実際選挙意識、政治意識というものが、それほど上がっておりませんから、ですから政治意識、選挙意識の向上という点については、これは政府が何億という金をかけてそれでPRしているのです。棄権してはいけませんとあなた方はPRしているのだから、なるべく行けるような道を開くのが当然だと私は思うのですね。ですから、その点についてよくひとつ御考慮願いたい。
それで、もう一つ。いまの法律と政令の問題ですが、こういうものは法律で明記すると、どういうふうになるのか、政令のほうがなぜ都合がいいのか、その点について説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/18
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019・長野士郎
○政府委員(長野士郎君) 法律と政令との区別というようなお話は非常にむずかしい問題でございまして、私どもよくお答えできないように思いますが、私ども法律書き屋といたしまして、やはり法律に書くに似つかわしいこと、あるいは政令で手続的に書いていくことのほうが、むしろ技術的な問題も含めて考えて、そのほうがいいと思われるようなことが、何となくあるわけです。また、こういういまの手続というようなものには、技術的なものも入ってまいります。またその範囲も、具体の事情に応じて考えていく必要もあります。先ほどのお話にもございましたように、本人申請ということを法律ではたてまえにさしていただきますけれども、必ずしも本人申請というものを、形式的にも実質的にも、本人申請一本やりでものを考えるということも、必ずしも適切でない場合もあると思います。そうすると、そういうものは取り扱いとして政令である程度のゆとりも持たしていくということも必要なことにも相なります。また同時に、この政令というのは、そこだけを規定さしていただこうというわけではございませんで、登録の申し出をする方法といたしまして、必要な資料なり説明なりというものを求め得るようにいたしたいとも思っているわけであります。その資料の提供を求めたり説明を求めたりすることもできるようにいたしたい、そういうこともございまして、それをどの範囲にしていくか、それも非常にこまかいことにも多少相なりますので、政令で具体的な取り扱いとしておまかせをいただいて、事態に即応いたしますようなかっこうにしてまいりたいということでございます。現実と取り扱いとの関係を両々にらみ合わせまして、実態に即し、制度の目的にも沿うようなかっこうで考えていぎたいということもございまして、政令で書かしていただくように改正法案を提案をさしていただいているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/19
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020・中尾辰義
○中尾辰義君 もう二、三点お伺いしますが、今度連呼の件ですがね、今度衆議院、参議院及び都道府県知事の選挙について、午前九時から午後五時までの間に限ってできるようになる、認められたわけですが、この中で五大市の市長ですね、たとえば大阪の市長なんかは、衆議院の大阪第一区、第二区よりか選挙区域が大きいわけでしょう、大阪市全区ですから。そうすると、大阪市内は二区ですか、大阪府が五つの区になる、小さい衆議院の選挙区が連呼を認められて、大きい大阪市長の選挙はないというのは、少し私はおかしいと思う。そういう点はどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/20
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021・長野士郎
○政府委員(長野士郎君) 連呼につきましては、この法案が一つは特例法の恒久化と申しますか、そういう問題として出発をいたしておりまして、したがって普通に言いますと衆議院議員の選挙の規模と同程度かあるいはそれ以上の規模で考えるべき選挙というふうに考えたわけでございます。したがいまして、そういうところがら、通常一般的な考え方といたしまして、参議院議員、衆議院議員、都道府県知事というところで一応の区切りをつけて提案をさしていただいたわけでございます。お話のように五大市という問題は確かにございます。そのお話のとおりのところがあるわけでございますが、この点につきましては、五大市の市長の選挙の取り扱いは、連呼のみならずいろいろな問題でもなお検討をしてみたいというところもございまして、今回ここに直ちに入れるということをいたさなかったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/21
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022・中尾辰義
○中尾辰義君 もう一つ、今度特例法にかんがみましてポスターの公営掲示場ができたのですが、この公営掲示場をつくった理由はどこにあるのですか。その点についてひとつこの際聞いておきます。従来はどこでも張れたんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/22
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023・長野士郎
○政府委員(長野士郎君) ポスターの公営掲示場につきましては、昨年の衆議院選挙におきまして最初に試みられたたわけでございますが、それによりまして文書図画のといいますか、掲示につきましては、現在選挙法におきましてもいろいろと制限があるわけでございますが、とかく従来の選挙におきましては、いわゆる違反文書と申しますか、そういうものが非常に街頭に多くはんらんいたしておった、ポスターの公営掲示場ということは、一つはそういう意味での違反文書というものを非常になくする、同時に、街頭に所きらわずポスターを掲示することによって、選挙そのものによる非常な見苦しさといいますか、そういうものが選挙そのものにあまりいい影響を与えないということがあったわけでございまして、それも公営掲示場に掲示するということによって、そういうわずらわしさといいますか、見苦しさというものもなくなる、またさらに付加いたしますれば、ポスターの掲示というものについて、どこに掲示するかということをめぐりまして、いろいろと戸別訪問なり選挙運動が行なわれるということも、これで防げるというようなこともあったようでございます。昨年の衆議院の選挙の結果が、当初特例法ができたときはそれほどの世論でもなかったように思いますが、これが選挙を終わりましたあとのいろいろな方面の意見をだしてみますと、非常に好評であるところが多かったように思います。特に著しいのは、選挙民の側からの批評といたしまして、選挙に出ておりますところの候補者の氏名というものを一覧のもとにながめられ、ある程度比較ができるといいますか、そういうことが非常によろしいというような世論調査の結果が出ておりますが、そういうことは、私ども最初それほど気がつかなかったことでございますけれども、そういう意見もございます。ただ、その場合にポスターの公営掲示場はいいけれども、数が非常に少ない、数をふやすべきだということは、これはもうあらゆる意見においての一種の条件のようになっておったように思います。今回は、そういう成果の上がりましたポスター公営掲示の制度を恒久化するにあたりまして、したがいまして数をふやすということで掲案をさしていただいたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/23
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024・中尾辰義
○中尾辰義君 いまのポスターの数の問題ですが、たしか三年ほど前に選挙法の大改正がありましたそのときには、逆に参議院も衆議院もポスターの数がふえているわけですね。参議院の全国区の場合は十万枚、衆議院の場合は一万二千、参議院地方区の場合は一万二千に、さらに衆議院の選挙区の数によって五千ずつふやす、三年前には非常にふやして、今度また減すというのは私はどうも理屈が合わないと思います。ですから公営掲示場というものは、これはつくっても、数だけはもとのままだというなら、少しは私は話はわかるけれども、この改正法によりまして、東京の場合は——参議院の東京地方区の場合は何枚数が減るのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/24
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025・長野士郎
○政府委員(長野士郎君) 東京の場合で申しますと、東京の場合の投票区の数が大体現在のままでまいりますと千二百二十五カ所ぐらいでございます。したがって、これをかりに七カ所平均、これは具体的にまだあれでございますが、一応の平均値で五カ所から十カ所ということで、七カ所平均ということになりますと、八千五百枚をちょっとこえるぐらいのところに相なります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/25
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026・中尾辰義
○中尾辰義君 そういたしますと差し引き幾ら減るわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/26
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027・長野士郎
○政府委員(長野士郎君) 一万二千枚でございますから……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/27
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028・中尾辰義
○中尾辰義君 いやいや、参議院の地方区ですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/28
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029・長野士郎
○政府委員(長野士郎君) 参議院の地方区の場合は一万二千枚足す衆議院の選挙区が一つふえるごとにたしか五千枚でございますか、そういうことになっておりますから、一万二千枚プラス五、六の三万枚、四万二千枚ということにポスターがなり得たわけでございます。したがいまして八千五百枚ばかりでございますので、その差だけ減るということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/29
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030・中尾辰義
○中尾辰義君 だから結局東京地方区の場合は四万二千枚張れた、それが大体三万から三万五千ぐらいになっちゃうわけでしょう、そういう点がこれは新しく出る人には不利です。名前の通った人ならいいかもしれないけれども。公営掲示場なら公営掲示場でもかまわぬでしょうけれども、それならば、まず、この前の衆議院の場合のように、ひとつも目立たない片隅のほうに掲示場をつくるようなことをせずに、やはり人の目につくようなところに掲示場を設定すると同時に、もう少し私はふやすべきじゃないかと思うのです。そうしなければ、三年前にはふやしておいて、そしてまたいま減らすというのは、私はどうも納得がいかぬ。こういうことを勘定に入れてこの法案をおつくりになったのか、それとも現役優先でおつくりになったのか、どうなんです、その点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/30
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031・長野士郎
○政府委員(長野士郎君) 確かにいまお話のございましたように、ポスターの枚数は減るわけでございますが、ただ従来の何万枚のポスター、多ければ多いほどいいということであるのかどうかというものも考えてみなければならない点だろうと思います。ポスターの公営掲示場にいたしまして、少なくともその選挙に出られる候補者のポスターというものが一望のもとといいますか、一覧し得るということは、ポスター効果としても非常に効果があることでございまして、したがいまして、単なる枚数だけの問題でこれを考えるということが、必ずしも当たるかどうかということも、これは検討に価することだろうと思います。
それからまた個所数も、もっとふやすべきじゃないか、この御議論も確かにございますが、従来衆議院の選挙につきましては、三カ所ないし五カ所ということでスタートしたわけでございます。これを今度は恒久化するにあたりまして、五カ所ないし十カ所ということで一応考えていきたいということにいたしておるわけで、約まあ倍増したいということでございます。そこで、これは現実の問題といたしまして、経費の問題もございますが、特に個所につきましては、大都市等におきまして相当人口の密度が高いわけであります。この前の衆議院の選挙の場合でも、たとえば東京で申しまして荒川区とか、あるいは墨田区というようなところは非常に調密地帯でございますが、ここでは三カ所にいたしまして、大体町内会単位には一つ必ず置けたそうでございます。こういうところでは、これ以上もう置く必要がないというところまで置いているわけでありますけれども、私どもそういうところも今後は倍増以上にしたいということでやっておるわけでございます。人口の非常に密度が高うございますので、面積的には場所が非常に狭いというところもかなりあるわけでございまして、そういうところもやはり投票所単位に、五カ所ないし十カ所掲示できるということになりますと、ポスター効果としては、公営掲示場というものに集中されていくことが、相当な効果もあがり得るわけございますので、それをもって、数が非常に減ったということだけでこれを判断するわけにもまいらぬのじゃないか。
それからもう一つは、公営掲示をいたします限り、数にある程度制約があってもやむを得ない。しかし、これは昨年の衆議院選挙よりも倍にふやしてひとつ考えていきたいということでございまして、新人抑圧とか、そういうことでこれを考えておるわけでは決してないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/31
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032・小酒井義男
○小酒井義男君 関連してお尋ねしたいのですが、ポスターの掲示場所ですね、従来の三カ所ないし五カ所という場合に、実際五カ所やっておるのがどのくらいあるということについての全国的な実情をお調べになったことがありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/32
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033・長野士郎
○政府委員(長野士郎君) 衆議院選挙の場合には、全国平均いたしますと三・二四カ所になっております。これは正直に申しまして、あのときは解散寸前にこういう制度が取り上げられまして、準備が非常にできません。自治省といたしましては、なるべく個所数をふやすようにという指導をいたしました。しかしながら、大都市を中心にいたしましては、三カ所以上設けたところはございまん。そこで、今度も五カ所以上十カ所といたしましても、そのままにしておきますと、五カ所でとまってしまうというおそれが出てくるわけでございますので、これを先ほどお話がございましたように、実は政令でその基準を書かせていただきまして、人口なり面積に応じまして五カ所から十カ所までの間を、このくらいのところは七カ所、このくらいのところは九カ所というような刻みを入れまして、少なくとも五カ所に落ちないようにやってまいりたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/33
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034・中尾辰義
○中尾辰義君 それで、この辺のところは五カ所、この辺のところは七カ所というお話があったわけですが、そういう掲示場の位置というものは選挙管理委員会がきめるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/34
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035・長野士郎
○政府委員(長野士郎君) 選挙管理委員会がきめるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/35
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036・中尾辰義
○中尾辰義君 ついでにお伺いしますけれども、地方の選挙管理委員会のメンバーですね、委員のメンバーはどういうような方法できまるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/36
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037・長野士郎
○政府委員(長野士郎君) 選挙管理委員につきましては、これは地方自治法に規定しているのでございますが、その地方団体の選挙権を有する者の中から、当該地方団体の議会が選挙するということで、議会の選挙によって選任をされるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/37
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038・中尾辰義
○中尾辰義君 議会において承認を得ることになっているらしいですが、実情は、大体各政党から推薦があるように思われる。そういう場合に、やはり掲示場の位置の決定というものを、これは第三者が見ても公平なところへやってもらわなければ……。自分の運動員の多いようなところに掲示場を持っていくというようなやり方もあり得るわけです。そういう点は、ひとつあなたのほのでよく指導していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/38
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039・長野士郎
○政府委員(長野士郎君) 選挙管理委員会につきましては、御承知と思いますが、政党の制限がございまして、同一党派に属する人が二人になることを禁止しているはずでございます。公平に運営をさせているつもりでございますが、同時に、これは場所が非常に不適当なところにあるということをままお見受けになったといたしますと、もう一つは、一般の住民の方々の協力ということに関係がございます。ぜひこの協力を得まして、そうして非常に見やすい場所というものに張りたいわけでございます。しかしながら、そういう場所は、あるいは交通機関等で交通のじゃまになるとか商売のじゃまになるというような苦情がままあるようでございますが、今後そういうことがないように、協力を得まして適当な場所に立てることができるようにいたしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/39
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040・基政七
○基政七君 ちょっと一つだけ質問させていただきたいのですが、選挙法を改正するごとに選挙の公明化、できれば公営化したいということは、私たいへんいいことだと思うのですが、掲示場のお話も出ましたけれども、今度の場合、参議院の全国区の場合、どういうふうに考慮されましたのですか、自治省の審議の経過がございましたら御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/40
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041・長野士郎
○政府委員(長野士郎君) 参議院の全国区の場合でございますけれども、できれば公営掲示の趣旨に従いましていたしたいというふうに考えたわけでございます。しさいに検討いたしますと、まず第一に、現在の五号ポスターの大きさで考えますと、参議院の全国区の場合は、百人程度の候補者というものが常に予想されるわけでございます。その場合の占有する場所の大きさその他を考えてみますと、相当大きなものに相なりまして、設置個所というものが著しく限定されるおそれが一つはございます。それからもう一つは、参議院の場合でございますと、かりに参議院全国区について考えますと、九州を中心にしてお出になるようなお方は、北海道に張ってもらっても意味がない、こういう御意見がだいぶあるようです。それからあるお方は、漁港なら漁港を中心にして張ってもらいたい、あるお方は、中小企業地帯を中心にというように、非常に職能的にお考えになっておられまして、運動の主体というものが各府県平等というわけには必ずしもまいっていない実態があるようでございます。そうなりますと、ポスターを多少規格を制限するといたしましても、あるお方は、ある二、三の府県を中心にして集中的に十万枚というものを活用いたしたいというお考えと、必ずしも沿わないわけでございます。同じ密度で全国的にこれが掲示されるということに相なりますし……。しかし、その掲示を義務づけてあればいいわけでございますが、義務づけてありませんと、かえってせっかく大きなものをつくりましても、九州の方については北海道のほうは穴ばかりあいているということになりますので、どうもその選挙におけるところの実態と、それから参議院全国区におけるポスター公営掲示というものを実現いたします場合の実質的な問題は、なかなか調整がにわかにつけがたいところがあるように思いましたので、今回はやむなく見送ったような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/41
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042・基政七
○基政七君 実情は、確かに伺いますと無理からぬ点があると思いますが、公営掲示の問題になります場合には、やっぱり一つは公明選挙が大事な問題だと思います。もう一つは、選挙が済んだあとでポスターがまだ町にはんらんしておることは、非常に住民に見苦しいし、町の美化にたいへんな悪い面が出てくるのが、その意味で、私は公営掲示板の設置ということは、たいへん大きな有効性を持つのではないかと期待しておりますが、全国区の場合、十万枚にいたしましても、その県に全国区の候補者の張る制限は、その地方参議院の候補者の数を上回ってはいけないことになっておって、今度の場合はそれがなくなりました。そうしますと、ある所に集中されますと、前のように、やはり今度は住民のほうから非難が出てくる。大体持っていくのは、人口の多い所に集中すると思います。そういうことになりますと、せっかくの掲示板を設定いたしました当時のよさが、今度の場合、初めての選挙ですから何ともわかりませんが、何かそういうところにまた妙なものが出てきそうな気がするのです。ですから、いま急にこれはできないと思うですが、その辺を自治省方面で専門的に御研究になったら、もう少し何かいいものができたのではないかという気がするのですが、今度の場合は、いまは間に合わない。それと、もう一つは、全国区の場合は、新聞の利用度を高めるとか、放送、テレビの利用度をもう少し何か幅を広げるとかいうようなことも、やはり実際問題としては公平を期し、公営化を促進するという意味において考慮されてしかるべきだと思うのですが、その辺についてどういうふうに御検討になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/42
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043・長野士郎
○政府委員(長野士郎君) 全国区につきまして、お話のようにポスターの問題だけでございませんで、新聞広告でありますとか、経歴放送の問題でありますとか、いろいろ検討をいたしたのでございます。今回の改正案におきましても、全国区は、新聞広告は四回でございますのを二回ふやしまして六回にいたしております。一番多くなっているわけでございます。それから、はがきが十万枚でございます。ポスターの公営掲示ということとかみ合わせまして、はがきについてもある程度枚数をさらにふやしていく、そしてそういうものとの関連も考えながら、公営というものの拡充化をして、ポスターの大きさはある程度縮めても、公営掲示という方向に持っていけないかということを種々検討いたしました。しかし、どうしても最大の問題は、全国区の運動の形態が非常に違うということが最大のネックでございます。物理的な問題よりも、むしろそちらのほうに問題がございます。また、現在投票区は全国で大体四万五千ぐらいあるわけでございますが、公営掲示というのは、一つは選挙の公明化でもございます。選挙費用の節約でもござまます。四万五千に四カ所、五カ所にいたしますと、もう二十万こえてしまいます。かえってポスターをふやすという結果にも相なりまして、しかもそれが非常に有効でない形になるということがございまして、どうも運動の実質の問題にそぐわないということが最大の?路でございます。今後、選挙公営全般をいろいろくふうをいたしまして、なるべく参議院の全国区だけがそういう形にならないようにいたしたいと思いますが、ただ、先ほどちょっとお話のございました、いままでは全国区につきましては、その府県では当該地方区の参議院議員のポスターの枚数をこえてはならないということになっておったわけでございますが、今度の場合も、改正法におきましては、それと同じ趣旨のことは、なお法律としては残しまして、地方区の張られるポスターの枚数以上にそこへ全国区のポスターを張ってはならないということにいたしますが、ただ、公営掲示場ということにいたすと、ぐあいが悪うございますので、いままでのように一万二千枚、衆議院の選挙区一つこえるごとに五千枚をこえて張ることはできない、いままで張り得た枚数をこえて張ることはできないという規定は残してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/43
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044・館哲二
○理事(館哲二君) 他に御発言もないようでございますので、本案に対する質疑は終了したものと認めます。
速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/44
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045・館哲二
○理事(館哲二君) 速記を起こして。
——————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/45
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046・館哲二
○理事(館哲二君) 委員の異動について報告いたします。
本日、郡祐一君が委員を辞任され、その補欠として徳永正利君が選任されました。
——————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/46
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047・館哲二
○理事(館哲二君) 皆さんに申し上げますが、委員長の手元に、鈴木壽君から修正案が提出されておりますので、この際、本修正案を議題といたします。
まず、本修正案についての説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/47
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048・鈴木壽
○鈴木壽君 私は、この際、自由民主党、日本社会党、民主社会党の三党共同になる修正案を提出いたします。
まず、案文を朗読いたします。
本法律案は、当初政府原案によりますと、連呼行為及び街頭演説の時間を、ともに午前八時から午後八時までとしていたのでありますが、衆議院において、街頭演説は現行法どおり、連呼行為についてのみ午前九時から午後五時までに修正してきたのであります。この関係につきましては、いろいろ議論のあり得るところでございますが、参議院議員の選挙は、おおむね六月及び七月の日照時間の長い時期に行なわたるのが通常であり、また、その選挙が広域にわたる等の特殊事情を勘案して、参議院議員選挙に限り、連呼行為は午前七時から午後八時までとするものであります。
何とぞ御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/48
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049・館哲二
○理事(館哲二君) 本修正案について御質疑のおありの方は御発言をお願いします。——別に御発言もなければ、これより修正案並びに原案を一括して討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでありますので、討論は終局したものと認め、これより採決を行ないます。
まず、鈴木壽君提出の修正案を問題に供します。
本修正案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/49
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050・館哲二
○理事(館哲二君) 多数であります。よって鈴木君提出の修正案は可決されました。
次に、ただいま可決した修正部分を除く原案全部を問題に供します。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/50
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051・館哲二
○理事(館哲二君) 多数であります。よって修正部分を除いた原案は多数をもって可決されました。
以上の結果、本案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
なお、本案の審査報告書につきましては、委員長に御一任願います。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時四十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614226X00719640617/51
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