1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年二月二十日(木曜日)
午前十時四十分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 鈴木 強君
理事
徳永 正利君
藤田藤太郎君
柳岡 秋夫君
委員
加藤 武徳君
鹿島 俊雄君
紅露 みつ君
佐藤 芳男君
丸茂 重貞君
山下 春江君
山本 杉君
杉山善太郎君
藤原 道子君
小平 芳平君
村尾 重雄君
国務大臣
労 働 大 臣 大橋 武夫君
政府委員
労働大臣官房労
働統計調査部長 大宮 五郎君
労働省労政局長 三治 重信君
労働省労働基準
局長 村上 茂利君
労働省労働基準
局賃金部長 辻 英雄君
労働省職業安定
局長 有馬 元治君
労働省職業安定
局失業対策部長 住 栄作君
労働省職業訓練
局長 松永 正男君
事務局側
常任委員会専門
員 増本 甲吉君
説明員
大蔵省主計局給
与課長 平井 廸郎君
大蔵省主計局主
計官 船後 正道君
参考人
雇用促進事業団
理事長 万仲余所治君
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本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○労働問題に関する調査
(政府関係特殊法人等における労働
問題に関する件)
(炭鉱離職者の移転就職の住宅問題
等に関する件)
(港湾労働者問題に関する件)
(職業訓練職業安定等労働行政一般
に関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/0
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001・鈴木強
○委員長(鈴木強君) ただいまより開会いたします。
参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
政府関係特殊法人等における労働問題に関する件の調査のため、雇用促進事業団理事長万仲余所治君を参考人として出席要求いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/1
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002・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/2
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003・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 労働問題に関する調査を議題といたします。
質疑の通告がございますので、順次これを許します。柳岡秋夫委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/3
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004・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 私は、先般の委員会におきまして、労働大臣に対しまして、政府関係特殊法人の問題につきまして質問をしたわけでございますが、本日さらに具体的な問題について御質問をしたいと思うのでございます。
で、政府の代行機関としての特殊法人がどのように運営をされていくかということは、国民の生活にとってきわめて重要な問題であろうかと思います。しかしながら、現在の政府とこれら機関の関係を見てまいりますと、非常にその根拠法の中でも、監督権の問題、あるいは予算計画、資金計画や業務計画の面を通じて、あるいはまたそれぞれの次官の通達によって、それぞれの特殊機関の自主性を阻害するような面が多分に出ておるのではないかと、こういうふうに思います。労働省所管の中でも、雇用促進事業団、あるいは労働福祉事業団というような関係がございますが、こういう事業団が真にその本来の趣旨に沿って、能率よく、効果ある事業の運営を期していく。そのためには、このあり方について、いま少しく検討をしていく段階にきているのではないかと、こういうふうに思うのですが、まずその点について労働大臣の御見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/4
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005・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 御承知のとおり、公共企業体等につきましては、公労法という特別の法制がございまして、その労働関係を規定いたしておるのでございます。もとより、これが運用につきましても、今日種々問題点がございまして、政府といたしまして、これが打開に腐心をいたしておるところでございまするが、特に政府関係特殊法人につきましては、一般の民間企業と同様、労働組合法、あるいは労働関係調整法等によって規律されながら、しかも、実質的には公共企業体に準じた政府の監督権がございまするので、その労働関係はきわめて特殊であり、むしろ実質的には公共企業体に近いような状態に相なっておるのでありまして、この特殊な労働関係が一般の労働法で規律されておるというところにさらに困難な事情がございまするので、労働省といたしましても、できるだけ労使関係を円満に取り運びますためには、将来どのようなたてまえをとるべきであるか、いろいろ研究をいたしておるところでございますが、いまなお具的体な成案を見るに至っておらないことは、まことに遺憾に存ずるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/5
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006・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 昨年の八月でしたか、行政管理庁の勧告として、これら特殊法人のより能率的な運営を期するために検討を要する面が多分にあると、特に雇用促進事業団におかれては、きょうお見えになっていただきましたが、民間におきまして、非常に知識、経験とも豊かな方が事業団の理事長として呼ばれまして、そうしておりながら、その民間の知識、経験を十分に発揮できない結果となっている。したがって、こういう現状に対して、業務の能率的運営に資する観点から、再検討を加える必要があるのではないか、こういうような勧告が出されているわけでございますが、これに対してどういう見解を労働省として持っておられるのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/6
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007・松永正男
○政府委員(松永正男君) ただいま御指摘の事業団の運営につきましては、われわれといたしましても、性格といたしましては、雇用促進事業団の場合に限定して申しますと、政府がやるべき事柄につきまして、特にその仕事の性質からいいまして、能率的な運営をする必要がある。役所の仕事としてやるよりは、事業団方式のほうが適当であるというものにつきまして事業団を設立いたしまして、これに仕事をやっていただくというたてまえになっておりますので、御指摘のような能率的な運営につきましては、われわれといたしましても、できる限りそういう方向でやっていくようにすべきであるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/7
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008・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 その方向はもちろんそうでございますが、具体的にこの勧告に基づいてどういう面を検討され、どういう隘路、矛盾、あるいは欠陥を直していくことがいいのかというような点についての御検討をなされておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/8
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009・松永正男
○政府委員(松永正男君) 雇用促進事業団におきましては、職業訓練局関係の仕事と同時に、安定局関係の仕事もいたしております。したがいまして、役所の関係では両局にまたがる関係の仕事をしているわけでございますが、先ほど御指摘になりましたような行管の趣旨に沿いまして、事業団が活動しやすいように、たとえば非常にこまかい問題につきまして、労働省に事前連絡、あるいは報告をすべきであるという通牒を出しておったのでございますが、それらを再検討をいたしまして、細部の連絡につきましては、できるだけしなくてもいいようにということで、この通牒を廃止するというような措置をいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/9
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010・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 そこで、やはり能率的な事業の運営をするためには、その前線の事業の遂行に当たっておられる職員の身分なり労働条件の問題について十分な配慮がなされなければならない、こういうふうに考えるわけでございますが、ところが、この事業団法の中でも相当な制約を加えておるわけでございまして、この制約をいかに排除するか、いわゆるもっと合理的な、自主的な解決をはかるための方法をどうやってつくっていくかということが問題になろうかと思いますし、また、大臣も先ほどの答弁の中でそういうことをおっしゃられたわけでございます。そこで、労働省で三十四年の十一月に労使関係法研究会というものをつくったように記憶をいたしておりますが、その労使関係法の研究会はどういうことをやって、現在どういうような現状になっておるか、その辺をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/10
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011・三治重信
○政府委員(三治重信君) 労使関係法研究会は石井照久先生が座長になられて、初め労組法の関係につきましてそれぞれ項目を設定して研究に入りました。大体一カ月二回ないし三回、特別の場合に一回の場合もございますが、ずっと非常に熱心に研究されており、おもに現行法と、それから事実の問題でいろいろ裁判の事例につきまして、そういう相互関係についていろいろ具体的に研究されている。まだそれをまとめる部面にまで至っておりませんで、大体労組法の関係につきましては、各項目ごとの検討が終わらんとしているところでございます。あと、さらにそういういままで研究した個別的な問題を相互の関連でどういうふうに調整をするかという問題が残っております。さらに、あと公労法関係の問題も、同じような方式で今後とも研究をしていこうというふうなのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/11
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012・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 そうしますと、現在までこういう特に変則的なと申しますか、非常に矛盾の多い政府関係の特殊法人の労使関係について、この中で議論をされたというようなことはない、こういうことでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/12
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013・三治重信
○政府委員(三治重信君) そういう政府関係機関についての政労協、政府関係機関についての特別の労使関係というようなまだ特殊な問題の配慮というまでには問題が進んでおりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/13
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014・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 先ほど大臣も言われましたように、この特殊法人の労使関係というものは、現在の公企体労働者以上に矛盾した内容になっておる。賃金の決定方式等にいたしましても、組合には一般労組法を適用しながら、一方ではその予算計画、あるいは資金計画、あるいは給与の問題についても労働大臣と協議をする、あるいは労働大臣の認可を受けなければならない。そして、また、労働大臣は大蔵大臣と協議しなきゃならぬ、こういうような形において、真に自主的に賃金を決定するということができない、こういう非常に矛盾の多い労使の間になっているわけでございますが、労働省は、三十何年でしたか、二年ころですか、公企体の問題について審議会をつくって、そうして公労法改正という目的があったかどうかは別といたしましても、公共企業体審議会というような名称であったかと思いますが、あるいは公労法改正の審議会という名称でしたか、その辺ちょっと記憶ございませんけれども、こういうものをつくりまして、公企体の労使関係の問題について審議をされたはずでございます。これはその後廃止をされておるようでございますが、私は、特殊法人の労使の問題が公労法適用の公企体労働者の問題以上に複雑になっておるという関係からいたしまして、当然この問題について、先ほど大臣の言われたような検討の一つの手段としても、こういう審議会をつくって、そうして根本的な正常な労使関係の設立のための方針を出してもらうということが必要ではないかというように思うのですが、その点大臣いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/14
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015・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 全くさように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/15
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016・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 そこで、具体的な問題に入りたいと思いますが、この事業団法によりますと、給与の問題等について事前に労働大臣の許可を得たり、大蔵大臣と協議をしなくちゃならぬ、こういうことになっておるわけでございますが、今回の各政労協、組合が要求をそれぞれしておるわまでございますが、この要求に対して、労働大臣として大蔵当局とどういうような折衝をされてこられたか、お差しつかえなければ、ひとつお話しを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/16
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017・三治重信
○政府委員(三治重信君) 雇用促進事業団関係の予算のうちで、総合訓練所に限定をいたしまして申し上げたいと思いますが、総合訓練所の予算につきましては、主として失業保険特別会計におきまして、総合訓練所が失業保険の保険施設でございますので、失業保険特別会計からの出資金と交付金によってまかなわれておるわけでございます。それで、出資金は施設、機械等に充てる金でございます。それから交付金は訓練所の人件費、運営費等に充てる金でございます。この予算につきましては、毎年の予算の編成時期におきまして、職員の待遇改善を含めまして、大蔵当局と労働省との間に毎年折衝が行なわれるわけでございまして、その結果が政府原案として出るわけでございます。その過程におきましては、給与の問題につきましてもその他の問題につきましても、雇用促進事業団におきまして来年度予算の実際上の編成の方針を立てまして、労働省にその予算編成についての案を出してくるわけでございます。これを相協議をいたしまして、その結果労働省から、労働省の予算要求案として大蔵省に提出するという経過になっておるわけでございます。その際に、待遇改善の問題、福利厚生の問題というようなものにつきましても、毎年待遇を改善することについての要求額を大蔵省に対して要求をいたしておるわけでございまして、御指摘のような点につきましても、その予算折衝過程におきまして、労働省、大蔵省及び雇用促進事業団が折衝をいたしまして、毎年引き上げについて協議をした結果が予算原案として出てくるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/17
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018・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 そこで、一般の労組法の適用の組合として、当然自主的に団体交渉をして解決をしていくということになるわけでございますが、しかし、団体交渉が成立をしないといった場合には、その労働協約の定めに基づいてあっせん、調停、あるいは仲裁にかけるという事態が起きてくると思うのです。そうしますと、もし仲裁裁定等が出された場合に、当然裁定は労働協約として双方を拘束するわけでございます。それで、現在の事業団の法律からして、私は、事業団の理事者は団体交渉の当事者としての能力はない、こういうふうに思っております、この賃金問題を中心とした予算に関する面では。そうしますと、裁定が出されたら、その裁定は、当然その実権を握っておる政府を拘束すると、こういうふうに思うのでございます。したがって、その場合、公労法ですと、国会の承認を得て予算上、資金上措置をすると、こういうことが明文化されておるわけでございますが、この特殊法人の関係ではそういうことが明らかになっておらないということになりますると、その裁定が予算計画の中でまかない得る範囲ならば、私はそれは何とかなると思います。予算計画の中でまかなえない、それを上回る裁定が出た場合に一体どうするのかということですね。この点、労働省並びに大蔵省の方おいでになると思うのですが、お聞きをしておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/18
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019・松永正男
○政府委員(松永正男君) ただいまの柳岡先生の御質問は、仲裁裁定が出た場合にどうなるかという御質問ではないかと思います。この点につきましては、仲裁裁定は、労働関係調整法によりまして労働協約と同一の効力を持つということになります。したがいまして、その仲裁裁定が出ましたということは、事業団と組合との間におきまして労働協約を締結したと同じことになるわけでございます。その場合に、この雇用促進事業団法に基づきまして、給与の基準につきましては、労働大臣が大蔵大臣と協議をしまして認可をした給与の基準が出なければならないというたてまえになるわけでございます。したがって、給与の基準と相背馳するような労働協約を結んだらどうだろうかということになると思うのでございます。そこで、その問題につきましてはいろいろの問題が出てくると思うのでございますが、現状におきましては、労働、大蔵両大臣の認可を経た給与水準と違った労働協約を結ぶということは、まあ事実問題としてはないのではないかというふうに考えます。もし結ぶ場合には、この事業団法のたてまえといたしまして、やはり大蔵大臣、労働大臣が実際問題としましては認可ができるような内容のものになってくる、これは実際の処理といたしましてはです——のではなかろうかと思います。そこで、現在のたてまえといたしまして、そのような仲裁裁定にいくような段取りになるだろうかという点でございますが、現在の労働協約におきましては、先生も御承知のように、紛争処理の場合につきまして、第十六条、第十七条等で規定をいたしておりまして、「紛争が生ずるおそれがある場合には、甲乙双方は、誠意をもって積極的にかつ平和的に解決するよう努力するものとする。」、「前条の努力にもかかわらず紛争が解決しないときは、中央労働委員会のあっせん、調停または仲裁を申請するものとする。」、それから「中央労働委員会のあっせん、調停または仲裁が不成立に終わるまでの間は、それぞれ争議行為を行なわない。」という規定になっております。一方、労働関係調整法の規定によりますと、仲裁の申請は、原則といたしまして労使双方が同意をした場合に開始をする。ただし、労働関係調整法の三十条でございますが、労働協約に、労働委員会による仲裁の申請をなさなければならない旨の定めがある場合に、関係当事者の一方からの申請でも仲裁を行なうという規定がございます。そこで、現在の労働協約におきまして、この仲裁申請に該当するような仲裁についての義務的な条項があるかということにつきましては、ただいま申し上げました十六条、十七条につきましては、労働協約で仲裁申請を義務づけておるというふうには解釈されないのではないかというふうに考えられます。したがいまして、御設問の事態が理論的にはあり得ると思いますけれども、現実的には、現在の協約である限りは、ないのではないかというふうに考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/19
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020・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 事実問題としてそういう問題が起こり得ないと思うというような御発言でございます。私も、現在の労働委員会のあり方からして、非常に政治的な面もたぶん出てまいりますから、そういうようになる可能性が非常に強いというふうに思います。しかし、労働委員会がほんとうに自主的な権能を発揮をして、そうして労使の積極的な紛争の解決に当たる、こういうような意図を持っておるならば、私の申し上げましたような事態も、必ずしもあり得ない問題ではないというふうに思うのです。したがって、そういう面の現在の法の中での欠陥というものがあるのではないかということを私は指摘をしておきたいと思うのです。労働協約の中でそういう定めがないからというような問題もありますけれども、現実の問題としてはないとしても、しかし、今後そういうことが出てくる可能性がある。したがって、こういう問題については、やはり大蔵当局、あるいは労働省としても、政府全体として根本的にそういう面についての検討をぜひお願いをしておきたい、こういうふうに思います。これは大蔵省のほうから別に答弁がなかったのですが、どうなんでしょうか。大蔵省のほうとしても同じような見解でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/20
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021・船後正道
○説明員(船後正道君) 政府関係機関と特殊法人の職員の給与の問題につきましては、私ども内部のほうで給与課長が主掌いたしておりますが、間もなく出てくると思いますが法律的な見解につきましては、先ほど労働省からお答えになりましたとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/21
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022・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 そこで、さらに大蔵並びに労働省当局にお聞きをしたいのですが、今回の各政労協組合の要求に対しまして、私が調べた範囲では、各組合の回答がすべて七・二%というような回答になっておるわけです、賃上げがですね。これは聞くところによりますと、大蔵当局が公務員の給与がきまるまでは回答するなとか、あるいは公務員に準じて、まあ合計して七・二%ぐらいということで、七・二%ぐらいの回答をしろと、こういうような大蔵当局の意思が働いているのではないか、そういううわさを聞いておりますので、おそらく七・二%各組合とも同じような回答が出されておるということは、それを裏づけをしておるのではないかというふうな感じを受けるわけでございますが、そういう点について、大蔵当局として、この政労協各組合の給与のあり方、これはまあ給与課長がおられないのでちょっとお答えができないかと思いますが、これは給与課長が来てからでけっこうですが、労働省として、そういうような大蔵との折衝の中で、この賃金の問題についての自主的な解決を阻害するような、私に言わせれば、いわゆる不当な干渉がなかったのかどうか、そういう点をひとつお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/22
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023・松永正男
○政府委員(松永正男君) 総合訓練所のみならず、雇用促進事業団全般の給与につきましては、設立以来、考え方といたしまして、公務員に準ずるという考え方の給与をとっております。その場合に、もちろんベースといたしましては、公務員よりは約一三%高いというたてまえにおいて給与が組まれておりますけれども、毎年の改定の考え方といたしましては、全体といたしまして公務員に準ずるという考え方をとってきております。具体的な改定につきましては、昨年におきましても中労委のあっせんを受けまして、その際に、たとえば初任給調整というような措置をあっせんの線に沿いましてとった給与表をつくるというようなことをやっておりますけれども、大きな考え方といたしましては、給与並びに年末手当等につきましても、公務員に準ずるという考え方をとってきております。もちろん予算折衝の段階におきまして大蔵省の見解も十分に聞きまして、その考え方をもとにして給与体系も当然考えるという事実はもちろんございますけれども、これは現在の事業団法のたてまえからいたしまして、事前に大蔵省とも連絡をし、また、具体的な問題につきましては、中労委のあっせんというようなものも尊重しつつきめていくという過程をとっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/23
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024・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 速記とめてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/24
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025・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 速記起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/25
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026・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 それでは一般的な政労協、特殊法人の組合の給与に対する大蔵当局の見解については、給与課長が参りましてからさらにお伺いしたいと思います。
そこで、きょうせっかくおいでいただきました雇用促進事業団の理事長にお伺いしたいわけでございますが、先ほど私が申し上げましたように、行管の勧告にもありますように、非常に十分な知識、経験を、この現在の事業団の運営の中では発揮できないというようなことがこの勧告の中に明文化されておるわけですが、理事長として、現在の事業団と政府との間の関係について、もっと自主的に運営ができるような措置がとらるべきではないかというような御見解を私は常にお持ちではないかと思うのですが、そういう点の御感想と申しますか、ありましたらお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/26
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027・万仲余所治
○参考人(万仲余所治君) 冒頭に柳岡先生から、私が民間の何かベテランであったかのようにおほめのことばをちょうだいいたしましたけれども、私は決してそういうものではございません。ただ、大正の終わりから約四十年間、主として炭鉱の現場で労働関係を扱ってまいりました経験がいささかあるというだけでございまして、おことばに値するような人間ではございません。ただいまのお尋ねでございますが、私は、就任の当初、私にまあこういうことで理事長になれと言われたのであろうということを考えまして、与えられたる命題を十分にこなしていきたいということで就任もいたしましたし、その後もやっております。個人的にはいろいろの意見は持ちますけれども、理事長としては、私は、その前に、現在あります状態のもとに、私の立場として与えられたることに対して全力をあげていきたいと、こういう考えで仕事をやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/27
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028・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 与えられた範囲内での問題について非常に御尽力なさっておるわけですが、しかし、実際に、たとえば当面する労働組合との団体交渉等において、私は非常に矛盾した気持を持たれ、あるいはこうやれば解決できるのではないかということも、法律上、あるいは労働省の監督によってできない面が多分にあるのではないかと思うのです。そういう点について、理事長としては、真の団体交渉当事者としての能力があるというふうにお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/28
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029・万仲余所治
○参考人(万仲余所治君) 先ほどのおことばの中に、雇用促進事業団の理事は団体交渉として能力がないのじゃないかというようなおことばもありました。私は、私の知っております限りにおきましては、団体交渉をやります相手方は、私の事業団における従業員のうちの約半分でございます。同時に、その職業訓練関係の大部分の方が組合を組織していらっしゃるのでありますが、この職業訓練関係の仕事は、私が事業団に参ります前に、いろいろな変遷をたどっておりますように承知しております。約十年前から発足いたしまして、ときには地方公共団体の施設であり、そこの従業員は地方公務員である、ときには国家直接の施設であり、国家公務員であり、ときにはまた地方公務員になったり、いろいろな変遷を経て、昭和三十二年に労働福祉事業団に包括されて、それからが特殊的な立場になってきておるように承知いたしております。そういう変遷もございますし、昭和三十二年に労働福祉事業団ができましたときからの給与体系のたてまえは、大体公務員の給与体系というものに見合って進んでいくというやり方できております。たびたび中央労働委員会にあっせん調停のことが行なわれましたが、その際にも、労働福祉事業団並びに私どもになりましてからは、私どものほうから、われわれの団体は、特に問題になっております総合職業訓練所の職員の給与というものは、従来からの変遷にかんがみまして、公務員の給与体系を一応目安にして、これに対して考えていくべきであるというふうなことを申し上げております。それがおそらく採用されて一応あっせんが成立したり、また、成立しないときがありますけれども、しております状態でございます。私どもの雇用促進事業団になりましてからも、私は従来の変遷等を考えまして、また、職業訓練という仕事が、これは国が力を入れてやらなければならぬ特殊な仕事であるということもかんがみまして、そこの従業員は、大体公務員のいろいろな事柄を目安にしてやってしかるべきものだと思っております。そういうことでやってきておりますので、いろいろこういう問題は比較の問題でありまして、あそこに比べて悪い、ここに比べていいということは、これはたくさんございましょうけれども、私どもは、いま私の与えられたることを基礎にして考えますと、ただいまやられておる事柄は、相手方は十分満足ではありますまいけれども、現在はこれでいくよりほかにしかたがないのではなかろうか、これでやむを得ないのじゃなかろうかという気持ちでやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/29
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030・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 理事長さんは、労働大臣がおられるので遠慮をしておられるのじゃないかと私は思うのですが…。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/30
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031・万仲余所治
○参考人(万仲余所治君) いや、そういうことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/31
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032・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 ひとつ監督権を持った上司がいらっしゃるからといって、私は遠慮していただかなくてもけっこうだと思うのです。
私が先ほど申し上げたのは、決して理事長に団体交渉の能力がないということを言ったのではなくて、この法律上、あるいはたてまえ上、一般労組法の適用を受けた労働組合を相手にした団体交渉のいわゆる当事者として、法律上、あるいは制度上非常に制約を受けて、真の当事者としての能力が欠けておるのではないか、この点が団体交渉をやる場合に非常にやりにくいのじゃないか、こういう面はございませんかということをお聞きしておるのです。これは私ども国会として、当然こういう幾多の矛盾を今後やはり改正していかなければならない。労働大臣も、先ほどから何とかしなければならぬということをおっしゃっておりました。したがって、現実にこの組合と接触をしておられる理事長さんとして、現在のこの労使関係のあり方がこれでいいかどうかということを常に考えておられると思うのです。そういう点を率直に私はお聞きをしたいわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/32
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033・鈴木強
○委員長(鈴木強君) それと、ひとつ柳岡委員の先ほどからの質疑の中に言われておる「行政監察月報」というのがございますね。行政管理庁の行政監察局から指摘をされた中に、「事業団で理事長以下数名の役員を擁しながら、独立法人としての機能を十分果し難く、しかも、雇用促進事業団では、理事長に民間から知識経験豊かな人物を迎えながら、民間の知識経験を十分発揮できない結果となっている。したがって、各事業団の実情に即し、原則として、統制は法令に規定した基本的事項にとどめるよう検討するとともに、法令の一部についても、事業団の自主性を尊重して業務の能率的運営に資する観点から再検討を加える要がある。」と、こういう指摘を受けておるのであります。柳岡委員はここをさっきから何回もあなたに聞いておるのですから、御答弁をそらさないで、こういう指摘を受けた原因が一体どこにあるのか。これは事業団としてもきわめて重要な指摘だと思います。したがって、法律、制度上欠陥があるならば、それをわれわれは国会の審議を通じて、正すべきは正して、ほんとうに本来の事業団の目的に沿えるような運営をすることがわれわれの任務でございますので、そういう意味であなたの御出席をいただいた機会に柳岡委員は伺っておると思う。ですから、こういう指摘が具体的にあった以上は、これに対して事業団は、言うならば十分機能を発揮できないという、何といいますか、言うならば不名誉といいますか、あなたのほうの仕事が十分できないという、そういう断定を下しておられるのですから、どこにそういうあれがあるのか、私ども行管のほうからまたさらに聞きたいと思っておりますけれども、そういう点はどうでございましょうか。あわせて、先ほどの質疑を聞いて不明確ですから、委員長はその点を特にあなたに申し上げておるわけです。お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/33
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034・万仲余所治
○参考人(万仲余所治君) たいへん御懇切なお話を承りまして、私も恐縮いたしております。民間人でありました私の経験、民間のときのことを考えますと、非常におかしいと思う点はたくさんございますが、こういう事業団法ができるときにそういう事柄がもう少し考慮さるべきではなかったであろうかという気持ちは持っております。しかし、できております法律によって、私がそれによって理事長に任命されておりますのですから、私としては現場部隊の部隊長だと考えておりますので、ここをこうしなければ仕事はできないということは私は申し上げるべきじゃないと思っております。しかし、将来、法律を改正していろいろのことをするだんということでありますれば、やりにくいという点はたくさんございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/34
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035・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 具体的な問題につきましては、またひとつお伺いする機会があろうかと思いますので、一応その点についてはとどめます。
給与課長がおいでになったようでございますので、先ほどの問題に返りまして、政府関係特殊法人の職員に対する給与ですね、これを大蔵省としてはどういう考え方でそれぞれの所管の大臣と協議をされておられるのか、この点をまずお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/35
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036・平井廸郎
○説明員(平井廸郎君) 公団、事業団、公庫と、いろいろと政府関係機関がございますが、これらの企業につきましては、先ほど来論議がされておりますように、一般の国家公務員、あるいは公共企業体の職員と違いまして、一応労働三法によって規律されることになっているわけでございます。したがいまして、その給与の決定にあたりましても、当事者間の団体交渉によって決定するというたてまえが基本的には貫かれているわけでございます。ただ、すでに御承知のとおり、これらの政府関係機関におきましては、その性格が民間企業の場合と異なっておりまして、多かれ少なかれ、国民の税金に、あるいは補助金という形で、あるいは交付金という形で依存しておるわけでございまして、その限りにおきまして、その団体交渉にもおのずから実質的に制約が加えられることがあろうかと考えるのでございます。各事業団ごとにおきまして主務大臣が認可権を持ち、さらにこれに対して大蔵大臣が協議権を持っておるというのも、こういう考え方に基づくものであるというふうに私どもは考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/36
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037・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 国家公務員に準じてやる、しかも、いま言っておりましたけれども、基本的には自主的な団交によってきめるべきであるけれども、おのずから制約があるであろう、こういうことなんですが、おのずから制約があるということになりますというと、これは実質的に団体交渉は無意味なものになりますし、また、その賃金の決定は大蔵省が握っておるといっても私は過言ではないんじゃないかと思うんです。そうしますと、大蔵省として、当然その事業団はそれぞれの特殊性があるわけでございますから、その特殊性に沿った各所管の大臣との協議というものは当然なされなくちゃならぬ、こういうふうに思うんです。単に公務員に準じたというようなことで一律にこれを規制をするということではなくして、現在の社会情勢の中で、あるいは政府の経済政策の中で、どこに重点を置くかというような問題も一つの要素になるでありましょうし、あるいは基本的には、賃金をきめる際の考え方としての職務の内容、あるいは責任の度合いとか、あるいはまた基本的には、憲法に保障されておる健康にして文化的な生活を営むためにはどういう賃金であるべきかというような、もろもろの要素を入れて、当然賃金というものはきめられるべきであるというふうに私は思うんです。したがって、先ほど申し上げたんですけれども、各政労協の組合への回答が一律に七・二%という賃上げの回答が出ておるということは、私は大蔵当局がそういうようなもろもろの要素を勘案せずに、単に公務員に準ずるという面を強く出して、各省の大臣に、何といいますか、そういう態度で協議に当たっているというふうに私にはうかがえるわけですけれども、そういう点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/37
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038・平井廸郎
○説明員(平井廸郎君) 政府関係機関を設立いたします際に、その給与を決定する基準は、あくまでもその企業体の構成でございますが、構成と申しますと、学歴であるとか、あるいは男女構成、その他各種の要素を考慮し、かつ、その企業体にふさわしいという形で給与をつくっていくという考え方は基本にあるわけでございます。ただ、ベースアップを行ないます際に、それでは個々の企業体がばらばらのベースアップを行なってもいいものかどうかということになりますと、先ほども申し上げましたように、その性格自体が、やはりある程度、多かれ少なかれ、国民の血税にも依存しておるものであり、かつ、その点からして個々の企業体ごとにばらばらにやるということになりますれば、とるべき客観的基準というものは、率直に申し上げて、ないわけでございまして、その限りにおきまして、企業体の実情というようなものは、基本的には当初の設立の際の給与体系に反映しておるというふうに考えまして、その後のベースアップについては、おおむね同じような考え方で進んでいくのが妥当であろうというふうに私どもとしては考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/38
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039・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 いま各政労協組合が非常に賃金の引き上げで紛争を巻き起こしておるわけでございます。そういうことも、いま給与課長が申されたようなところに私は原因があるのではないかというふうに思うのです。そこで、再度理事長にお伺いしたいわけでございますが、雇用促進事業団の組合が、現在年末手当の問題でまだ解決をしておらないということで紛争が起きております。これはもうすでに二月の下旬にかかろうとしておりますし、政労協各組合の中で、ただ一つ取り残された組合になっておるわけでございますが、こういう点について早期に解決をしていく、そういう積極的な団体交渉を続けてやっていくということがいま必要ではないかと、こういうふうに思うのですが、ところが、なかなか団体交渉が進まない。その団体交渉の進まないという原因が一体那辺にあるのか。私は、今国会のこの委員会の当初に、労働大臣が職業訓練の問題について、あるいは労働力の流動化について、非常に積極的な意思表明をされておるわけです。したがって、職業訓練の事業を担当するこの事業団の任務も、その面では非常にいままで以上に大きくなりつつあるわけですが、したがって、一日も早くこの紛争を解決をして、そして正常な業務の運営に乗せていくということが理事長としての責務であろうというふうに思うのですが、そういう点で、この年末手当すら解決をしておらないという現状をどうやって理事長はその対策をとられようとしておるのか、その辺をお伺いしたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/39
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040・万仲余所治
○参考人(万仲余所治君) いまもって年末手当が解決をしておらないということは、まことにどうもお恥ずかしい恐縮な次第でございます。私が前々から申しておりますように、今日私の置かれた立場におきましては、大体職業訓練に従事しております人々の給与は、年末手当も公務員に準じた行き方が妥当であろうと考えておりますので、昨年の十一月ころから何回か交渉をいたしております。交渉が十分にうまくいきませんので、中央労働委員会にあっせんの申請も出されまして、中央労働委員会より御あっぜんをいただきましたのですが、私どものほうでぎりぎりの線を出しておりますのと、相手側のほうで非常に懸隔のある線が出ておりますので、これではあっせんがとてもできないというので、十二月の十三日かと存じますが、あっせん打ち切りということになりまして、そこで、あっせんの途中におきましても、個々にお話もありましたので、私どものほうでは、もともと私どものほうの給与規程に、きちっと年末並びに六月にはこれこれのものを差し上げますということが規定されております。したがいまして、その当時までは臨時国会が開かれておりましたけれども、まだ公務員の給与というものにおける年末手当というものがどうなるか明瞭でありませんので、それを待たねばならぬけれども、私どものほうとしては、給与規程にきめております勤勉手当をまぜた二・二カ月分というのは給与規程にも入れておりますので、御不満であろうがなかろうが、私どもは期日である十二月の十五日——十五日は日曜でありましたから、十四日に差し上げますが、そのほかにもっとほしいというお話なんです。これは予算面ではそういうかっこうのものはいただいておりません。おりませんが、関連の団体なんかを見ますと、みないささかのものを差し出しておられます。そこで、私は理事長の責任において、一人当たり四千円は差し上げましょうということを私は前々からお話をしておりましたのですが、それが中央労働委員会へ参りまして、なかなかあっせんが決定しません。その途中において、おまえのほうではこれ以上どうしても出せないのかというお話がありました。その際に、もう出ません、いろいろの給与改定もその途中にもやりましたし、出ませんが、どうも、ないそでも、振りしぼればほんのわずかのものならば差し上げることができるかもしれないということを私どものほうは申しましたが、相手方のほうでは、とてもそれでは話にならぬということであっせんが打ち切られたわけです。その翌日、十二月十四日の朝組合の方が見えまして、私はその席へ参りまして、まことに残念である、私どもの実状がのみ込んでいただけないのはまことに残念であるが、しかし、何とか、この問題は、年末手当でもあり、なるべく早く差し上げたいので解決したいと思う。そこで、ないそでを振りしぼって一人当たり五千円差し上げることに——この財源については、私はこれから非常に苦心せねばならぬと思うけれども、五千円差し上げることにしたい。給与規程関係から申しますと、そういうものは何もないわけなんですということを申し上げまして、何とかこれをのんでいただきたいということを言ったのでありますが、それを申し上げたときに、その場で闘争宣言が読まれ、争議に入るという予告がなされた状態であります。私は、御承知のとおり、現場部隊ばかりをやっておりますが、民間の経験から申しましても、こういう交渉は何段階かを設けましてだんだんだんだん少しずつよけい出していくというふうな、そういうやり方をなすべきじゃないというかたい信念を持っております。そういうことをやるのは不誠意である、最後の線を初めから出すのが誠意があるのだという考えを持っておりますし、したがいまして、長い私の労働経験から申しましても、現在私の立場におきましては、十二月十四日の朝闘争宣言が述べられます直前に申し上げました二・二カ月分プラス五千円、ただし、その二・二カ月分というのは、これはまだいろいろ手続はございますけれども、公務員関係とはいささか変わっておるようでありますし、この変わった分については、それだけ特別に御了承を得られると考えておりますが、その線は私といたしましてはこれ以上どうにもならぬ線でありますし、したがいまして、ほかのいろいろな方々から考えますれば、何でそんな最後の線を早く出したらいい、いつまでもそれでがんばっているのかということになるかもしれません。私といたしましては、十二月十四日の朝申しました線が最後の線である。その後、宿日直手当の拒否ということが行なわれ、本月に入りましては無期限ストが二回行なわれ、また、さらに二回行なわれる予定であるやに聞いておりますけれども、私といたしましては、これ以上どうにもしようがございません。ただ、願わくば、一日も早くわれわれの実情を理解していただいて、争議関係が終息し、解決することを望んでおる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/40
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041・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 労使の問題につきましては、これは私から申し上げるまでもなく、やはりお互いの信頼と誠意が一番必要ではないかと、こういうふうに思います。もちろん労働組合として、当然の権利として一部のストライキ、あるいは全体的なストライキというものも、これはやるというような場合もあります。しかし、それは当然労働組合に与えられた労働者の基本的な権利であるということをやはり理解をしていくことが私は必要ではないかと思うのですが、そういう際に、相手の当事者がそれにさらに油をかけるような、火を注ぐような態度をとるということは、円満な紛争解決をしていく上にマイナスではないかというふうに私は思うのです。
ところで、聞くところによりますと、秋田の大館訓練所ですか、あそこにおきまして、話し合いをしようじゃないかというような組合の申し出に対して、おまえらと話はできないということで、突き飛ばしたという暴行事件があったというようなことを聞いておるわけですが、理事長は御存じでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/41
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042・万仲余所治
○参考人(万仲余所治君) お答えを一つ忘れておりましたので、ちょっと先に申しますが、団体交渉はあまりせぬじゃないかということにお答え申し上げますので、この際、ちょっと先に申し上げさしていただきます。
団体交渉は相当にやっております。また、私どもの事業団は、他のいろいろな民間の団体なんかと違いまして、労務関係に従事する人間というものが、そうたくさんおりません。したがいまして、きょうやろう、あすやろう、あさってやろうとおっしゃっても、いろいろな事務的な関係、その他物理的な関係もありまして、日の点においてはすぐにお受けできない場合がございます。そういうことで、たまたま向こうさんのおっしゃったことがこちらが受けられない日であったりした場合もございますけれども、あまりやらぬじゃないかという御質問については、相当にやっておりますと、現に十日前——十二月十日に私は、時間をきめてやろうじゃないか、二時間やりましょう、三町から五時までやりましょうと、ところが、開始が三十分おくれましたので、三時半から五時半までやりますということで、団体交渉に私が列席しますと同時に、重大な団体交渉と思いまして、副理事長以下、理事五人が列席いたしまして団体交渉をやりました。一時間話しましたのですが、もうこんな話はいつまでやっておってもしようがないからやめると相手方がおっしゃいまして、私も、非常に残念だが、やめた事実がございます。あと一時間残っております。しかも、私は、あまりたびたび出るわけにいきませんから、きょうはひとつ二時間やろうじゃないかということでやりましたが、そういう事態もございました。十日前でございます。私は元来声が大きいほうでございますので、大きな声を出しておりますけれども、決して意地ばっているのでもございませんが、私一人でしゃべっておったのですが、そういう事態もございまして、団体交渉をあまりやらぬじゃないか、また、がえんじないじゃないかというようなことはいたしておらぬつもりでございます。
それから、秋田の問題、これは私もそういうことを聞きまして、私みずからが秋田の所長に二回会っております。私どものほうの責任者をつかわしましてよく調べさしておりますが、事実はいまお話のようなこととは全然違います。簡単に申し上げますと、すでにもう争議状態に入っております。十二月二十三日から宿日直拒否という状態に入っております。秋田支部の組合の幹部の方々が所長に会いたいということでありまして、所長は、たくさんの方と会えぬから、支部の三役と会いましょうということでありました。承知されて帰って、その時間になりますと、三役以外の方がたくさんお入りになる。これでは話し合いができませんから、お約束のとおり三役の方だけお残りくだすって、あとの方はお出ください。なかなか出られないのです。そこで所長はタイムをとるために便所へ行ってきたのです。便所へ行って帰ってきましたところ、同じ状態、これではいかぬので、お約束と違うから出ていただきたいということで、話し合って出ていただいたという事実がございます。私はどこに暴力があったか、実にふしぎにたえない。しかも、両方とも私の管轄下の人であります。こういう問題を、非常にたくさんの重要問題をおかかえの当委員会にまでごやっかいをかけねばならぬということは、まことに私は恐縮に存じております。事実はさようなことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/42
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043・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 いま理事長の申されたようなことであれば幸いと思うんですけれども、しかし、現実に秋田の地方新聞に大々的に取り上げられ、しかも、市会なり県会の中でもこの問題が論議されているということを考えますと、私は、事実はもっと違うのじゃないかというふうに思いますが、しかし、まあこのような問題なり、あるいは香川の一部で、おまえストをやるなら退職願いを出してやれ、こういう暴言を吐く。こういうやはりけんかというのは、どっちもハッスルしちゃいますからね。お互いに言うことがあろうかと思いますけれども、しかし、けんかをおさめるためには、両方ともハッスルしたのではけんかはおさまらないと私は思うんです。それで、けんかといっても、これは労働組合のほうは与えられたいわゆる基本的権利の行使であり、やはり相手の当事者としては、その権利を認めた上に立って、いかにして解決していくかというような、冷静な立場で労働組合に対処していくということが私は大事ではないかと思うんです。聞くところによると、あしたまたストライキがあるといわれております。こういうストライキを全国的に何回か続けられるということになりますと、私は、労働大臣が意図しているこの職業訓練の強化なり、この労働力の供給をもっとやっていくというような問題についての非常な障害が起きてくると思うんです。したがって、ひとつあしたのストライキも、なるべく回避のできるような誠意を持った話し合いを早急にきょうにでもひとつやってもらって、そうして具体的に誠意のある話し合いをぜひお願いをしたい、こういうふうに思うのです。
で、最後にまあ大臣のほうにお願いしたいのですが、先ほどから私まあ何回も申し上げているんですけれども、この特殊法人の労使の問題は、私は法的にも、また、実質的にも、やはりそれぞれの事業団の理事者は団体交渉の当事者としての能力がないというふうに断ぜざるを得ないと思うんです。したがって、現在起きているこの紛争を解決するためには、やはりどうしても労働大臣が、これは一般的な労使関係の立場からいけば、私は決して好ましいことではないというふうに思いますけれども、しかし、現実にはそういう状態でございますから、この問題について一日も早く解決がなされるよう、積極的に努力をひとつお願いをして質問を終わりたいというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/43
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044・鈴木強
○委員長(鈴木強君) いまの件は、労働大臣よろしゅうございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/44
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045・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 制度のたてまえ上、どういうことに相なりますかは存じませんが、この問題は、雇用政策の上からいっても、重大な障害の生ずるおそれがあると存じますので、ただいまお述べになりました御趣旨をよく体しまして、早期解決にできるだけ努力をいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/45
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046・鈴木強
○委員長(鈴木強君) それから、万仲さん、先ほどお答えいただきました中に、いまの事業団法のもとにあなたが運営されていることについては、法制度のもとにあること、それはあなたのおっしゃるとおりだと思います。ただ、実際に運営をしてみて、行管からの御指摘もありますように、いろいろ不備の欠陥もあると思うんです、現在の制度の中に。だから、そういう点について個人的には考えを持っておられる、こういうお話でございました。おそらくこういう席上であなたにその個人的な見解を求めても、おそらくお答えしにくいと思うのでございますけれども、時間もそうございませんから、ここでお答えを私は求めることは無理と思いますけれども、何かの機会にわれわれに対してそういうふうな御意見をお聞かせいただくようなことはできますでございましょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/46
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047・万仲余所治
○参考人(万仲余所治君) どうもはなはだむずかしい御質問でございまして、困りますのですが、フリーな立場で何かお話し合いでもするような機会がございますれば、私は、私がいま困っておるということよりも、かくあるべきであるというようなことならばお話し合いをする機会があるかもしれぬと思いますけれども、どうも私も一つの職責を帯びて現場の部隊長をやっておりますものですから、どうも横にいらっしゃいます大臣に遠慮をしておるわけではひとつもございませんけれども、なかなかこれはちょっとむずかしいかとも思うのでございますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/47
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048・鈴木強
○委員長(鈴木強君) それで、結局私は、そういうことが問題の解決をはばむ大きな原因になっておるように思うのです。これは三公社の場合もそうでございましょうし、政府関係の機関、その他たくさんでございますから、そういう制度上にいろいろな問題がある。しかし、実際おやりになっておる方々は、政府から任命されてやっているわけですから、なかなか言えない、行管あたりが指摘をしましても、それに対してもっと具体的な意見を私たちは伺って、そういう方向に直すべきものは直していかなければならぬわけですから。ところが、その意見が出てこない、非常にこれは困っておる問題なんで、ですから、やはり私は、実際に衝に当たった方が貴重な体験を持っておられるので、その意見を聞くことが大事でございますから、これは労働省に対してあなたが意見を具申して制度改正の方向に努力されるとか、ほかの事業団も一緒になってやるとかというふうな御努力をたえずやっていただかないと、いつまでたっても皆さん方の悩みがそのままになってしまって、ひとつも本来の方向に是正ができないと思うのであります。そういう点は十分私はお考えいただいて、まあ私どもも、理事長として御出席になって十分言えないようなことでは何も意味がないですから、何かの方法で、また、きょう時間の関係がありますから、お聞きしたいと思うのでございますけれども、そういう点を十分理解してお願いしたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/48
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049・万仲余所治
○参考人(万仲余所治君) 言えるとか言えないとかいうことよりも、こういう問題は、私どもの小さい井戸の中だけで論じておってもなかなか具体的には解決しない問題だ、そういうことでございまして、方法は、私はこういう方法でお話し申し上げるとか何とかいうことはお約束はいたしかねますけれども私も満二年半理事長をつとめております。いろいろな意味で私が考えることはどこかへ申し上げて、もっとよりいい状態が出るようにつとめたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/49
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050・紅露みつ
○紅露みつ君 関連。いまのお答えもありましたが、委員長の言われましたこと、私も同感でございます。それで、いま理事長が、どこか適当なところで適当な時期にもっとお話し合いをして、内部で解決していきたいと、こういう御意見のように伺いましたけれども、それでよろしいと思うのです。今日はどこがやりにくいから、そこをこれはこうすれば直るんじゃないかというようなこと、解決しやすい道がお話し合いでまだ詰められると思うのですね。それはいろいろな機関もございましょうけれども、やはり大臣が御出席でもちっとも御遠慮なさっていらっしゃらないといわれる。そうあらねばならないと思いますが、どうぞもう一段と御検討なさいまして、新しい機関でございますから、問題のあるのは当然だと思いますので、どうかひとつ内輪で十分なお打ち合わせを要望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/50
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051・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 労働大臣に。いまの御発言にも関連するんですけれども、やはり何かあなたのいまの各事業団に対する行管等の指摘もあるわけですけれども、抜本的になるか部分的になるかは別として、こうしたらいいという制度上のいろいろな問題点が出ておるおりですから、できれば審議会的なものでもお持ちになって、そこでもう少し十分に検討するというようなことも、労働法の問題もあるようですから、やる必要があると私も思うし、あなたも柳岡委員の御質問に御同感の意をその点については表しておったようですが、そういう具体的な審議会でもつくって、早急に制度全体に対する検討を加えるというようなお考えはいまお持ちになっておらないのでしょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/51
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052・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 先ほど申し上げましたるごとく、政府関係の特殊法人につきましては、少なくとも労働関係においていろいろ運用上問題があると存じます。このことは、労働省といたしましても、労働行政上取り組まなければならぬ問題であると思いまするので、労働省関係の類似の団体も三、四ございます。特に万仲理事長のごとき、民間の労務担当者としてのべテランもおられますので、こういう方々と十分当局としても懇談して御意見なども伺いまして、その上で方針を立ててまた御相談をさせていただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/52
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053・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
午前十一時五十七分休憩
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午後一時二十四分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/53
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054・鈴木強
○委員長(鈴木強君) ただいまより再開いたします。
午前中に引き続いて質疑を行ないます。小平芳平委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/54
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055・小平芳平
○小平芳平君 前回の委員会で、中高年齢層の失業者の再就職の問題、それから炭鉱離職者の方々の広域職業紹介による再就職の問題等について御質問したのですが、あいにく他の委員会との関係で、少しく結論のないままに終わった点がございますので、初めにこの点についてちょっとお尋ねしたいと思います。
それで、初めに住宅の問題ですが、大臣からも、また、局長さんからも、住宅は追い出すことはない、一年を越しても追い出すことはないし、また、一たん就職した会社をやめた場合でも、そのためにほかへ引っ越せということはない、公営住宅のワクがあって、その公営住宅のワクへおさまるように、配慮してあるから、そういう追い出すという心配はないということの御答弁あったのですが、それで、契約書では一年で出ていく、それから契約をまた更改して二年に延長することもあるけれども、二年が限度であるというような契約書になっておるようですが、そういうことには関係なく、やはり前回の御答弁どおりと了解してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/55
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056・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 御承知のとおり、労働省が労働者住宅の建設に手をつけますということは、これは行政庁の仕事の割り当てといたしましては例外的な措置でございまして、原則は、一般住宅として建設省の所管になっておるのであります。ただ、現実の雇用情勢から見まして、原則論だけでは雇用の実際上の要求に適合しかねる場合も多々ございまするし、また、労働省としましては、特殊財源といたしまして、失業保険特別会計の資金から、ある程度雇用上の必要な住宅の建築費を支弁し得るというような事情もございまして、例外的の措置として労働省が住宅建設に乗り出すという措置が認められたわけなのでございます。そこで、この措置はあくまでも例外のものであって、しかも、雇用対策上やむを得ざるものであるという趣旨から、当初予算につきまして大蔵省の了解を得た際から、これは就職の際の一時的な宿舎であるという説明をいたしてきております。しかし、何と申しましても、日本全体として住宅は足りませんし、ことに鉄筋コンクリートの住宅を建てておきますならば、まずここ当分のうちは住宅は余るということは考えられないわけでありまして、住宅不足の態勢でございまするので、一たん入られた方につきましては、別に建設省のワクの中でそれらの方々が引っ越して入っていただけるようなワクを確保いたしておりまするが、しかし、それがすぐに間に合わない場合もございます。したがって、あの住宅へ入ったお方は、労働省としましては、役所の責任で引っ越すべき公営住宅を必ずお世話する、そのお世話するまでは入っていていただいてやむを得ない、こういう考えをいたしておるのであります。しかし、大蔵省との話し合い等もございまして、契約書その他は、やはり最初の例外という考え方から、就職後一年以内ということになっておりますが、しかし、事実それでは住宅に収容した趣旨を達成できませんので、したがって、実際上先般申し上げましたような取り扱いをいたしておるわけでございまして、期間に関する限りは、とにかく次の住宅のお世話をいたすまでというふうに御理解いただいてけっこうであります。また、運用上もさようにいたすよう、促進事業団にも十分に指示をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/56
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057・小平芳平
○小平芳平君 心配ないということで、私も安心するわけですが、実際の運営を見ておりますと、管理人が何か出ていけと言うのでしょうか、要するに公営住宅にかわれる人はいいほうであって、公営住宅を待ち切れないでかわっていかざるを得ない人もあるし、それから、特に会社をやめた場合は、もう例外なく出ていかなければならない。一たんまあ横浜なら横浜、名古屋なら名古屋のある船会社なら船会社に就職して、その会社から住宅を世話していただいたんだから、その会社をやめてほかへ転職したような場合は、もうそれこそほとんど猶予なしに出ていかなければいけないぞというふうな運営をしているのか、あるいは入っている人が錯覚を起こしているのかわからないのですが、そういうような話はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/57
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058・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) ただいま小平先生の御指摘のような事例は私どもの耳には入っておらないのでございますが、もしそういう管理人の現場の指導の行き過ぎがあるとすれば、具体的に私のほうで、先ほど大臣が答弁いたしました趣旨に従って指導するように、事業団を通じて指導してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/58
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059・小平芳平
○小平芳平君 そういうふうに指導していただければ、現在持っている不安が一掃されると思いますので、ぜひそういうような指導をしていただきたいと思います。
それから、前回の委員会で御答弁がありました公務員関係に炭鉱離職者で就職している人が相当ある、公務員のほうは相当の成果をあげているというふうなお話がございました。で、これも一つの市の例でありますが、公務員関係として確かに再就職はしておりますが、その人たちが就職しているのは清掃局、それで、清掃局に働くということも、そのこと自体はけっこうなんですが、やはり住宅が、その清掃局の焼却場の構内に、プレハブ住宅というのですか、そういうものが建てられていて、とても夏になるとハエがおったりして、住めそうな所ではないというような悪い環境の住宅に住んでいるというようなことも報告されているのですが、そのような実情はどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/59
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060・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) ただいまの御指摘は、おそらく名古屋の清掃局の問題だろうと思いますが、これはこの前から名古屋市当局と具体的な打ち合わせをいたしておりまして、名古屋市で建てます市営住宅、それから促進事業団が建てます本格的な移転用宿舎、アパートと、両方に分けて現在のプレハブ住宅から引き移ってもらって住宅問題を解決したいという方向で、現在市当局と話を進めているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/60
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061・小平芳平
○小平芳平君 そうしますと、そういう環境の悪い住宅は解消して、公営住宅でありますか、公営住宅へ移転するように措置することを検討中と、こういうことでよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/61
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062・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/62
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063・小平芳平
○小平芳平君 それから、次に職場の問題ですが、やはり山で働いてきた人たちが、いきなりそういう町の仕事に従事しても非常にたいへんである。まあその定着状況について、実際に就職して、最初の就職したところへどの程度定着して働いておられるか、そういうような職場における不安というものについては御調査になっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/63
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064・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 石炭離職者の就職後の定着の問題ですが、これはなかなかっかみにくい状態でございますが、私どものほうで、昨年の法改正によりまして新しくできました離職者手帳制度を通じて定着の状況を見てみますと、就職いたしますと手帳が失効いたしまして、さらに離職をした場合には手帳の再交付手続がとられますが、その状態を見てみますと、全体の〇・五%程度の再交付申請しか現在のところございませんので、まあさほど大きな定着問題といいますか、移動はないのではないかというふうに私どもは観測しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/64
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065・小平芳平
○小平芳平君 実際の統計については私も存じてないのですが、非常に不安があるのです。それで、たとえば船内荷役といいますか、そういうような会社で働いているとしますと、とてもそういう仕事には耐えられないけれども、実際会社をやめたら住宅を出ていかなければならないとか、あるいはその他の面で、会社がやめたらたいへんなことになるからやめられないぞといって、相当病気で寝ていても、何日ぐらい休むとあぶないからというので、それでは会社へ働きに一日だけ行ってこようというようなことも私聞いたことがあるのですが、しかし、そういういろいろな条件が、休んだからといって心配ないということが、いま局長の御答弁のようにはっきりしていれば、それでそういう不安は解消されると思うのですが、よろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/65
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066・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) そういう不定が全然皆無だというふうにも言い切れないのですが、私どもとしましては、新しい職場に就職いたしました際にいろいろな指導をしておりますが、就職後におきましても、会社側との間に立ちまして、いろいろな不満についてのアフター・ケアをやっておりますので、そういう不満が非常に高まって職場を離れるというふうなケースは、ほとんど現在までのところは出ていないように私ども見ておるわけでございます。また、現実にそういう不満がございましたら、県当局を通じて、雇用条件その他の指導に積極的に当たる予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/66
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067・小平芳平
○小平芳平君 実際の県の労働部の人たちがやっておられることを見ますと、それから、また、再就職した人たちの労働条件を見ますと、なかなか安心して働いている、炭鉱をやめてここへ引っ越してきてよかったというような、そういう職場の安定感、住宅の安定感というものが非常に私は欠けているように思うんですが、この点についてはこれ以上申し上げませんけれども、将来とも広域職業紹介の場合は、特に住宅の問題があるし、また、知り合いがないという、全然そういう未知のところへ引っ越してきた人たちですから、そういう不安のないように御指導願いたい、また、運営を願いたいと思う次第なんです。
それから、次に、失対事業の改革についてですが、失対事業についてはいろいろ前国会では問題になりまして、二法案を改正して、新しい体制で出発されたわけですが、その後の経過について簡単に御報告願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/67
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068・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 二月十日現在におきまして、新しい失対法並びに職安法の改正に基づく就職の促進措置の実績を申し上げますと、申請の総数が五千八百三十二名でございます。そして、このうち認定を済ましたものが二千三百六十三名、その認定を済まして具体的な指示を行なったものは千四百五十六名でございます。で、指示の内訳は、訓練関係が、長期と短期とございますが、合わせて七百五十二名、それから職場適応訓練、これはいきなり職場に雇用予約という形で入るわけでございますが、この職場適応訓練関係が二百十名、それから就職指導中のものが三百五十六名、それから職業講習を受けておるものが百三十八名、こういう実績になっております。で、これはわれわれのほうでも十日おきくらいに実績を集計しておりまするが、ことしに入ってからこの制度の趣旨が相当普及いたしまして、実績が毎旬上向きに上がってきている状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/68
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069・小平芳平
○小平芳平君 それが県あるいは地方によって、特に訓練あるいは再就職の受け入れのゆとりの多い地方と、それから非常に窮屈な地方とあると思うんですが、そういう点に対する配慮、あるいはそういう点にについての問題は起きておりませんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/69
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070・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 私どもの指導も、各地方の実情、過去の実績、それから訓練施設等の現実の受け入れ態勢、こういったものをよく勘案をいたしまして、具体的な指導をやっておりますので、現在のところは、そういった受け入れ側の不備のために支障を来たすというような状態は出ておりません。ことしの予算の点からいいましても、月々一万人程度の規模の就職促進措置は予算上も考えておるわけでございますので、大体この程度の実績からいきますと、まだゆとりがあるというふうな状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/70
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071・小平芳平
○小平芳平君 ゆとりがあるということは、訓練の予算のゆとりがあるということですか、それとも労働市場にそういうゆとりがあるという点でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/71
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072・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) これは訓練も、それから職業指導措置、これは手当を支給いたしますが、こういった点でもまだゆとりはございます。もちろんこれは最終目標としましては、各人をそれぞれ就職させるということが究極の目的でございますので、具体的に職安の窓口を通じて求人、求職の結合という最終目標に向かって、こういった過程を経ながら努力をしておるわけでございます。こういうコースに乗ってまいりました場合には、必ず最終目標でありまする就職もさせ得るという目標のもとにやっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/72
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073・小平芳平
○小平芳平君 この点についても、ちょっと問題といえば問題ですが、こまかい問題ですから申し上げませんけれども、やはりあれだけ騒がれた問題でもありますし、また、個々の労働者にとっては、それこそ一家の生活をささえていく上の重大問題ですから、訓練のコースなり就職のコースなり、それを将来に問題を残さないように慎重な配慮をしていただきたいと思う次第なんです。
それから、これは別の問題ですが、労働大臣にお尋ねしたいと思いますのは、労働争議に関連して、第三者機関の問題なんですが、人事院が、去年の暮れのように、人事院勧告を完全に実施するかしないか、政府はおおむね完全実施したとおっしゃる。けれども、われわれから見ると、あるいは特に労働者の側から見ると、実施時期がいつも十月にずらされるというのは完全実施ではないということで、人事院のあり方そのものまでも問題にされるわけですが、それで人事院の問題はきょうはともかくとして、いま公労委、それからまた中労委、地労委等の労働委員会の労働争議に関する調停あっせんというようなことが問題になるわけですが、それで、そういう第三者機関に対する不信感というものが指摘されるのじゃないかと思うのです。これは政府が人事院に対する扱いというような点からしても、どうも第三者機関というものが、はたしてどれだけの機能を発揮し得るものかどうか、疑問にならざるを得ない。そうしてみると、また今度は、公労委にしても中労委にしても、はたして第三者機関としての将来のあり方というものが、どういうあり方が理想的なのか、また、可能なのか、こういう点に対する労働大臣のお考えをお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/73
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074・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 人事院勧告が十月実施というふうに曲げられておりますことは、これはたびたび申し上げましたるごとく、私としてはきわめて残念に思っておるところでございます。
公労委の問題でございまするが、三公社五現業関係の労働紛争につきましては、公労委が調停あるいは仲裁の役割を受け持っておるのでございますが、公労委の仲裁裁定につきましては、この制度の発足当時、往々にして仲裁の実施が値切られたという事例もあるのでございますが、最近におきましては政府もこの点自覚するところがございまして、公労委の裁定は、すべてこれを完全に実施するという一種の慣行をつくり上げてまいっておるのでございます。公労委といたしましても、この認められたる権威をますます発揮されまして、今後とも労働関係の問題を公正適切に処理されることと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/74
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075・小平芳平
○小平芳平君 第三者機関がそうした労使の紛争に果たし得る役割りというものは、やはり当事者から信頼される機関でなければならないのは当然だと思うんです。それから、また、当事者から信頼されるためには、調査機能とか、あるいは第三者機関としての機能を十分発揮できるだけの機構と、それだけの機能が備わっていなければ信頼を受けるわけにならないと思いますが、そういう点について、労働大臣は、こうした機関をより充実し、より信頼を深める方向に持っていかれようとなさるか、それとも反対の考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/75
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076・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 私は、今後におきましても、公労委の果たさなければならない役割りは、ますます増大こそすれ、減るものではないと思いまするし、また、今後の労働関係において、公労委が労使双方の完全なる信頼を受けて、そうしてその機能を実施していかれることが大切であると思いまして、今後とも大いに機能の充実、あるいは機構の充実、こういうことを考えてまいりたいと思っておりますし、また、さまつなことではございまするが、公労委の入っておりまする建物等も非常に古くなっておりまするので、できるだけこれを早く新しい建築に建て直したい、こういう考えをもちまして、これは総額といたしますると六、七億かかるかと思いますが、さしあたり昭和三十九年度予算におきましては調査費を計上いたしまして、ここ数年のうちに中労委、公労委の公館をつくりたいと、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/76
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077・小平芳平
○小平芳平君 いま労働大臣から公労委というふうにございましたが、中央労働委員会、それから各地の地方労働委員会がありますが、こういうような労働委員会全般に対しても同じようなお考えと解してよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/77
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078・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 中労委、公労委、地労委等、いわゆる労働の第三者機関全般についてでございまして、ただいま申し上げました会館は、いわゆる現在の中労委会館でございます。公労委も、新築の上はここにあわせて移転させる。そうして、こういったことがこれらの委員会の機能の発揮にも非常に効果があることじゃないかと、こう思っております。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/78
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079・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 杉山善太郎委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/79
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080・杉山善太郎
○杉山善太郎君 私は、大臣に、労働問題等に関する基本的な問題に関連をして、一、二点ひとつお尋ね申し上げたいと思います。
大臣すでにこれは御了承のことだと思いまするが、現在内閣の総理府に、総理大臣の諮問機関として、これは一昨年四十回の通常国会だと思いますけれども、総理府設置法の一部改正の中で、時限的な立法措置で、港湾労働等対策審議会が設置されたはずであります。起算いたしますというと、大体今月もしくは来月でその時限立法的な、よきにせよあしきにせよ、幕切れになっちゃうのじゃないか、かように判断いたします。したがって、私の常識からいきますと、おそくとも今月もしくは来月に、いうところの港湾労働等に関する——「等に関する」でありますから、その他ですね、たとえば港湾の運送事業であるとか、あるいは港湾の管理運営に関する等の問題も含まれておりますけれども、主として前段申し上げましたように、私は労働問題に関する基本的な問題と、こうお尋ねするわけでありますが、したがいまして、今月——おそくとも来月中には審議会の総会というものの議を経て、審議会長は東大教授の石井さんだと思いまするが、会長名でやはり総理大臣に対して答申が出るのだと、こういうふうに考えております。
そういうような如上の経緯と関連いたしまして、このことは申し上げるまでもないことでありまするが、今日日本が開放経済体制に対処するそういう方向づけの中で、かりに国際収支の関係からいっても、海運や、あるいはこの港湾に関するいろいろな問題に関連をいたしまして、とりわけ、ちょっと申し上げましたように、この港湾労働等対策審議会の審議事項の内容であるところの港湾労働等に関するもろもろの事項であるとか、あるいはそれに関連をいたしまして、他の、たとえば運送事業であるとか、あるいは管理運営に関する事項が出てまいりまするけれども、とりたてこの答申が出ますれば、政府機関として、港湾労働に関する窓口は、私の通念では、労働行政という面では、やはり労働省の所管事項に相なるのではないかと常識的に判断をいたしているわけであります。したがいまして、近い将来に、労働大臣あるいは労働省は、政府機関を通して、この答申の内容を十分身につけ、これを尊重されて、たとえばこれは資本主義経済体制の国でも社会主義体制の国でも、日本を除くおおむねの海運国や、港湾を所持している国は、ILOの国内運輸委員会の決議事項に基づいて、大体港湾労働法というものがすでに処置され、実在し、運用されているわけなんです。ただひとり日本がまだそういうものが処置されていない、そういようなうわけでありますので、私のたださんとするところは、この答申を十分消化された形において、政府は、港湾労働法といったようなものを近い将来に向かって提案をされた考え方があるかないか、そういった点を、ひとつ労働問題の基本的な問題に関連をして、その点をひとつこの際伺っておきたいと、こう思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/80
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081・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 港湾労働の持っておりまする産業上の使命から考えまして、この港湾労働がうまく管理されるかどうかということは、日本の経済に重大な影響があると同時に、日本の国際信用に大いに関係するところであると存じます。したがって、政府といたしましては、港湾労働の問題は、決してないがしろにいたしているのではございません。港湾労働等対策審議会の答申を待ちまして適切な措置を講じてまいりたい、かように存じておるのであります。まだその答申の内容等につきましては、私ども全く承知をいたしておりませんが、もしその答申において港湾労働法というような考え方がありました場合には、十分これを慎重に検討いたしまして、前向きに取り組みたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/81
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082・杉山善太郎
○杉山善太郎君 大体いま大臣の意のあるおことばをお聞きいたしましたし、基本的な問題についてお伺いをする、そういうことで多くを申し上げる必要はないと思いまするが港湾労働等対策審議会の委員構成の中に、もちろん、たとえば具体的に神戸であるとか横浜であるとか、その他の錯綜したやはり湾港の実情というもの、港湾労働等に関する諸問題とか、あるいは港湾運送事業の問題であるとか、港湾の管理運営に関する改善事項、これらの問題は、もちろん労働省、運輸省、あるいは大蔵省、通産省、自治省などにも関連して、非常に複雑多岐に錯綜してそのままになっておりますから、そこで、時限立法的な性格の中で、それを総合調整するための手段として、やはり内閣の総理府の設置法の一部を改正して港湾労働等対策審議会が生まれたのだ、そういうふうに私は理解をしております。そういうような中で、しかも、時間切れがくるという中で、やはり労働省では、労働省の事務次官が、たとえばこの港湾労働問題等の実情調査委員のメンバーにもなっておられる。そういったことに関連をいたしまして、実は、これは公的と私的を混同するようでありますけれども、私は、今日、全日本港湾労働組合の顧問でありますので、そういうような関係で、このことは、たとえば船員労働に対しては、船員労働の特殊性があってやはり船員法がありますように、この海陸の中で、非常な複雑な多様性の中で働いておる港湾労働の特殊性というものの中から、十分しびれを切らして、しかも、これらの権威ある調査が二年という時間をかけて出される答申というものが——それは答申が出たのだが、既成のあり方からいうと、馬耳東風、竜頭蛇尾の結果に終わってしまったというようなことでは今度は済まされないから今度答申が出たならば、ひとつどうしても真剣に取り組んで、ぜがひでも——何も諸外国に港湾労働法が実在をしてすでにどうこうといっても、それに追随する必要はないのですが、今日、前段も申し上げましたように、好むと好まざるとにかかわらず、開放経済体制の中に移行する方向の中で、国際収支が赤字であるというならば、それだけに、やはり海運収入であるとか、港湾収入というもので、そこでそれらを整備改善する中で、物の面も、それから資力、財力の面も必要でありますけれども、人的な、たとえば労務の需給関係であるとか、そういったような問題について十分総合調整するような——従来の体制でははなはだ場当たりであり、やりっぱなしではないか、そういう形で一日も早くこの答申を重視、尊重をして、やはり港湾労働法が日の目を見るようにひとつ努力をしてほしい、また、そういうように強い要望を持っておるわけです。これはそういうような関連ででもありまして、私は、港湾労働法が、答申の後においては、一日も早くできることを期待をしておるわけであります。
そこで、いま大臣は、非常に場所柄、まだ慎重な態度をとられることは当然だと思いますけれども、この港湾労働等対策審議会が、総会の議を経て、会長名をもって答申をする限りにおいては、その一つの基本的な要綱、原案というものが、もはやその理事者、あるいは委員の調査間においては、すでにあるというふうに私は判断をいたしております。そういうような中で、もちろん私は、これが一つや二つの新聞に出ておったから、どこから出たとか、ニュース・ソースはどうであるとかいうことは問題にする必要はないと思います。しかし、時限立法という中で、今月かもしくは来月に具体的に答申されるんだとしても、その答申というものは、かなり権威のある人が時間をかけて実情を調査した答申であるから、答申である限りは、これは従来もそうではないとは言いませんけれども、今度はこの答申に十分やはり取り組んで、港湾労働法を実現する、あるいは労働法を政府の責任において提案をされる意思があるかないか。もちろん私はその当時は議席を持っておりませんでしたけれども、たとえば社会党の中で、衆議院のほうの段階、あるいは社会党議員の関連で、港湾労働立法に関する案が議員立法という形で議会に提案をされておるということも、私も議事録などにおいて了承しておりますけれども、しかし、それからの歴史の流れで、今日までの段階の中では、十分いま内容をどうこうということは申し上げませんけれども、今月にも来月にも答申が出るというふうに考えておりまして、総理大臣に対する答申でありますけれども、従来は行政面が錯綜し、ふくそうしておっても、今後はやはりこの港湾労働に関する、そしてこの職業あるいは雇用の安定、あるいは公共性についても、法律の名前はどうあろうとも、内容的にはひとつ十分善処してもらいたいということを強く要望申し上げて、これはきょうは希望的な問題をしぼって御質問申し上げたいと、私もまだその内容をよく存知しておりませんので、十分検討などいたしまして、さらに一九五〇何年でありましたか、ILOの内国運輸委員会の十三項目のやはり基本決議が港湾労働に関してあると思いますけれども、そういったような問題にもよく目を通しまして、その審議会の答申が出た暁において、今後ひとついま労働大臣の意のあるところの所信が実際の方向において日の目を見てくるかどうかということを、この目で、このはだで感じていきたい、こういうように考えております。
以上申し上げまして、意見も交えましたけれども、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/82
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083・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 杉山先生の非常に示唆的なお話を十分に伺いまして、まことにありがとうございます。私は、港湾労働の将来につきましては、実は心ひそかに非常に心配をいたしておる次第でございます。貿易の拡大に伴いまして、港湾の使命がますます重くなる、これに対しまして、港湾当局は、年々港湾施設の拡充強化を急いでおられるわけでございます。ところが、労務のほうから見まするというと、一般に労務の需給関係が非常に逼迫をいたしてまいっておるような状況でございまして、すでに港湾労働者の労働力の不足が訴えられつつございますが、これはさらに今後大きくなっていくのではなかろうか、この点を心配いたしておるわけなのであります。したがって、港湾労働の問題につきましては、労務の需給面という点から考えましても、よほど根本的な対策を考えなければならぬ時期に当面いたしておることは否定するわけにはまいりません。で、この問題につきましては、すでに先進国におきましても、いろいろ港湾労働について必要な施策を講じておられるのでございまして、港湾労働の国際的な性格から考えまして、わが国としても、これらの外国の実例を十分に検討し、そうして必要なるものはこれを取り入れていくという態度が港湾労働については特に必要であると考えておるわけなのであります。先般、港湾労働等対策審議会のある委員の方と個人的なお話をいたしておりました機会に、いよいよ対策審議会も三月中には答申をしなければならぬことになったが、せっかく答申をしても、政府がさっぱりやってくれぬというようなことではまことにぐあいが悪いし、また、審議会としてもおもしろくない。そこで、どうせやってもらえないということならば、そこらを考えて答申をしなければならぬような気もするのだが、どうだろうというようなお話が雑談的にございました。これに対して、私は、とにかく港湾の労働というものは、いま大きな曲がりかどにきておるのであって、今度の審議会においては、この問題については政府の意向がどうであるというようなことにかかわりなく、必要と思われる施策をひとつ徹底的に検討して御答申をいただきたい。政府としては、いまからそれができるとかできないとかということを考えるべきではなくて、審議会が必要と認めて答申された事柄は、いずれも今後の港湾労働対策としてやらなければならぬ事柄だと思いますから、そこで、その問題については、政府は御答申を待って、慎重に前向きに検討して、そして必要なものは着々実施に向かって努力をするつもりである、かようにお答えを申し上げた次第なのであります。いずれ答申が出ましたならば、その実現に向かって努力をいたしたいと思いますが、またその節はいろいろ当委員会の皆さまからも御協力をいただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/83
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084・杉山善太郎
○杉山善太郎君 労働大臣の意のある御答弁をいただきましたので、私の質問を終わります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/84
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085・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 藤田藤太郎委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/85
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086・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 私は、労働大臣にまず最初にお尋ねをしたいのであります。この前のときに雇用問題についてお尋ねをいたしました。きょうは、この雇用問題の現状がどうなっているかという具体的な問題で少しお尋ねをしたいわけでございます。その前に、私は労働大臣にお尋ねをしたいのでありますが、その第一点は、今度の三十九年度の予算書を見ますと、失業保険会計から百十五億九千万という膨大な資金がこの行政の中につぎ込まれているわけでございます。私はいままでも議論をしてまいりましたけれども、失業保険の本来の姿というのはどういうものなのか、これは私は、失業者を救済するという立場からこの失業保険の保障の会計がこしらえてあるわけであります。ですから、第一に、失業保険というのは、失業した人の生活または将来の就職、その方々がほんとうに失業期間中の生活が保障される、だから、失業保険を単なる保険じゃなしに、失業保障という立場から失業保険というものができたのだと私は思うのでございます。ところが、この失業保険の問題が、だんだん給料も上がるし、積み立ても上がってくる、一応失業者の数が、支出のほうが少しずつよくなってくる、よくなってくれば、そのよくなってきた条件の中においても失業する、この方々のやはり生活をみて上げるというところに基本がなくてはならぬのじゃないか。そうすると、具体的に申し上げますと、失業保険給付を上げることが第一に出てくるのではないか。この労働省のお考えになっているここへ出てきている面、失業者の訓練をやったり、または就職の世話をしたり、こういうことをいわれていることを全面的に私は否定をいたしません。そんなやぼなことは申し上げませんけれども、しかし、これをおやりになるなら、なぜ失業給付を上げていくというところをもっと真剣にお考えにならないのかということを私は申し上げたい。ことしはこの失業保険会計から一万戸住宅をお建てになるというのでありますが、しかし、私は、そこらまでいくと少し行き過ぎではないか。住宅の不足は、単に労働者の住宅ばかりじゃなしに、これは労働者が再生産のためにそこの生産場に入ったために住宅がより必要だということは、これは万国共通でありまして、だから、そういうものは国の計画、建設省を中心とした計画のもとに住宅計画なりが立てられてしかるべきではないか。本来の拡大解釈にも私は限度があろうと思うのです。だから、住宅の問題まで金を出しておやりになるということは、私は少し行き過ぎではないか。少なくとも給付の問題にメスが入れられて、給付を何とか上げよう、上げて失業中の苦しい条件の中で、その給付を引き上げて何とかしようというところに力が入って住宅の問題まで入ってくるというなら、この議論のしかたはもう少し違ってくると私は思う。しかし、そういう基本的な問題には触れないで、その金が千三百億ですか、たまっているから、これを使うのだということで住宅まで私はおやりになるということは行き過ぎじゃないか、こういうぐあいに考える。大臣のお考えをまずここで聞いておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/86
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087・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 私は、原則的に藤田藤太郎委員のお述べになりましたことに反対はいたすものではございません。確かに御趣旨はそのとおりでございます。ただ、実際上の問題といたしましては、保険給付の改善につきましては、昨年審議会の答申がありましたので、それに基づきまして一部実施をいたしておるのであります。本年一万戸の住宅を建設するというのは、炭鉱離職者、あるいは鉱山関係の離職者、さらに自由化に伴う一部の不振産業というような点を予想いたしまして、本年の失業問題の解決のためには、この問題はきわめて重点的な施策である、そうして、これは結局失業者のために行なうものである、こういう見地に立って一万戸の住宅建設を計画いたしたわけなんであります。ただ、これについては一般会計でやるのがたてまえである、まことにそのとおりでありまするが、いろいろ国家財政の現状等から見まして、焦眉の急務に間に合いかねる点もございます。したがって、今年におきましては、便宜上、これを失業保険特別会計から支弁するという形をとったわけでございまして、かような行き方が本来のあり方であるというふうにまでは考えておりませんし、また、本来のあり方であるといたしまするならば、おのずから限度があるわけでありまして、その限度につきましては、今後十分に検討をいたしまして、失業保険特別会計の目的を害することのないように留意をいたしてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/87
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088・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 大臣は、原則的には私の意見に賛成だけれども、やむを得ず、おのずから限度があるからというおことばでございました。昨年の会計でやはり五千戸——このような議論をいたし、おのずから限度があるから、まあことしのところはということだった。ことしになったら倍になって一万戸になって、また同じその議論をここでするなんというようなことは、私は残念なことだと、こう思うわけです。そこで、私は、もっとこの問題を深くえぐってお考えになれないものかという気がするわけです。昨年度失業保険の問題についてありましたけれども、絶対額の給付の問題は一つも移動していないわけであります。手当その他の問題で、たとえば訓練を受けるときには一年間訓練を受ける、そういうところは修正されております。しかし、いまの三カ月、六カ月、九カ月という絶対的な保険給付の問題には一指も触れられていないわけであります。三カ月給付をもらって、あとどうするかということになってくると、これはもうまっ暗やみでございます。私はこの前のときに資料要求をいたしまして、ここへちょうど殺到倍率の資料が出てまいりまして、近畿、東海の〇・八倍のところが殺到率の一番低いところ、ここで中高年の大阪で、それも大阪市で中高年は就労率二五%だというのであります。そうなりますと、あとはこれはどういうふうになるのだろう、あとはもう想像にかたくないと思うのです。特に、もう一つの表に求人倍率の問題が出でおります。愛知、大阪では十四倍、十一倍でございます。この条件下のもとにおいてもたった二五%しか就労の機会が中高年にはないというのですね。ですから、それから見てみますと、他の倍率の高いところ、それから、この求人倍率の低いところ、殺到率の高いところは、私は、中高年の労働問題というのは非常に重大な段階にあるのではないか。ですから、この問題はこの前申し上げましたから、私は繰り返しません。そういう条件のもとにおいて、三カ月でやめたらどう、六カ月、七カ月で、もうそれで打ち切られたら就職の機会のない人はもうお手あげなんです。ここらあたりを私はもっとお考えにならなければいかぬのじゃないか。そういう重大な問題が、失業保険の会計には、失業保険の運営上の問題として私はあると思うのです。私は、この前も一度議論をしたことがあると思いますけれども、アメリカが三十九州に大統領命令でやったという一つの示唆を与えておる。それから、欧州を回ってまいりましたけれども、失業保険は、こんな短期間の三カ月や半年で失業保険を打ち切って、あとは知らぬぞというような失業対策を立てている国は一国も私はなかったと思うのです。せっかく持っている労働力を遊ばして、こんなもったいないことはないわけでありますから、だから、何も失業保険を上げるということに重点を置けと私は言っておるわけじゃないのです。社会の仕組みの中で、どうにもならぬところに追い込まれておる人に支給しなければならぬ。失業しておる人を就職の場につけることが第一義の問題でございます。しかし、第一義の問題でやってもどうにもならぬ人はほんとうに気の毒な人なんです。その気の毒な人をもっと真剣に考えていかなければならぬのではないかという問題がここにあるわけであります。その問題が基本的な問題に触れられないで、そしてこの金は遠隔のところを取り巻く問題にどんどん入っていって、訓練をおやりになること、訓練所のために金をお使いになること、それから就職前の訓練手当をお出しになること、私は、そこらまでは、この前から申し上げておるように、何とかして失業している方々をその就職の場につける努力というものは、われわれも協力いたしましょう。しかし、基本的な問題に手を触れずに、去年は五千戸、ことしは一万戸というぐあいに、住宅の問題にまで金を出すことはいかがかと私は思うのです。もっとこの問題は真剣に、失業保険上、失業保障の立場からは考えることができないのかということを私はここで申し上げたいわけであります。ですから、所管局がこれをここへお出しになるまでに具体的な面でどういう討議をされてきたかという、省内の討議の実態をお聞かせ願いたいと、私はこう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/88
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089・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) この就職者用の住宅というものは、現実に今日就職のお世話をするということになりますと、何といっても欠くことのできないものでございまして、これにつきましては、建設省の一般住宅という対策が強力に進められてはおりますものの、やはり目的の関係上、完全にわれわれの需要を肩がわりしてもらうということはむずかしいのでございます。そこで、ある程度の就職者用の住宅を雇用対策として労働の需要地に準備をするということは、これは現在の職業紹介機構としてどうしても必要だという判断に基づいておるわけでございまして、これは建設省の住宅のように、毎年毎年いつまでも多々ますます弁ずで、これをふやしていこうというわけではございません。やはり全国に就職者のために何万戸かの住宅を用意しておいて、そして、そこで一年、あるいはそれでできない場合においては、他の住宅に移れるまでの間、そういう就職したての方に、ある期間そこに入ってもらって就職してもらう。そして他の住宅をお世話してそちらに移っていただく。したがって、これは住居者は始終回転していくという考え方でございます。したがいまして、早期に相当数建てようというのでただいまこういう計画をいたしておるわけでございますが、しかし、これを毎年毎年いつまでも続いてやるという性質のものではございません。ただ、しかし、それにもかかわらず、福祉事業等に失業保険の金を回すということは、本来、失業保険会計から見れば、これは第二次的な用途でございまするから、おのずから限度がなければならぬということはもとよりでございまして、その限度等につきましては、今後審議会等にも御相談して、事務的にも十分目安をつけて将来の方針を定める必要がある、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/89
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090・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 私は、いま大臣はそうおっしゃいましたけれども、建設省の一般住宅計画、一般国民を対象にした住宅と、おのずから就職の職安の場で住宅が必要だから云々という大臣のお気持ちは私はよくわかる。そのお気持ちはよくわかりますけれども、建設省の一般住宅というものとの、はだに触れる感覚が薄いとおっしゃるなら私は申し上げたい。昨年から厚生年金と国民年金の積み立て金の二割五分は福祉事業に使うというきめができました。私たちの主張は、もっと多くの金を直接福祉事業に使ってもらいたいのであります。しかし、そのきめができて、その金は幾らあるか、二割五分というのは幾らあるかというと、ことしでは厚生年金の積み立て金の分が大体千五百億、そして国民年金の分が五百億、そうすると、大体ことしは二千億を私はこえると思う。二千億をこえた金の、これは労働者と使用者が半々に積み立てるのが厚生年金であります。その二千億をこえた分の二割五分といったら五百億になるわけです。その五百億の金をいま大臣がおっしゃったようなところへ直接お使いになるのに、労働省が主張されて何のはばかりがあるかと私は言いたい。この五百億という膨大な金が、厚生年金の福祉事業に対する使用分として明確に昨年から大蔵省が分けて、去年は四百何十億でしたが、ことしは五百億です。その財源の四分の三は労使が出した厚生年金の積み立てです。この金をお使いになって住宅をどんどんおやりになったら、ここで全体の額が百十五億でありますけれども、五百億の中からたとえば半分とったら二百五十億ですよ、半分とったら。五分の一とっても百億あるのですよ。この金をなぜ住宅に——労働者が積み立てた金じゃありませんかこの金は。この金をもっと大胆にお使いにならないと、一年二千億積み立てられるお金は、積み立て金でありますから、直接いま目途を持っていないわけです。厚生年金とか国民年金の年次的に積み立てられるものを給付に転換をしていく問題ですから、それは使う金としてはあるわけです。ですから、その金をなぜお使いにならないか。失業保険のこの金というのは使途が明らかになっているのです。大臣がいまおっしゃったように、明確に、第一義的には何に使うかということは今日でも明らかになっている。その金をなぜ使わないか。この五百億という膨大な金の何分の一でもいまの就労のための住宅に——いま労使が半分ずつですが、それを労働者住宅によこせといって世間にそれだけ堂々と主張されたって何の遠慮もないと私は思う。国民や労働者は支持すると私は思うのです。四分の三は労使がかけた積み立て金ですよ、千五百億は。だから、それと五百億の国民年金の積み立てで二千億、その中の二割五分で五百億なんですから、三分の二の——直接にやれと言うのは一般行政の上では少し言い過ぎかもわかりませんけれども。ミックスにした半分を労働者住宅に、労働者の就労のために使うんだと労働省がおっしゃっても、私は、労働省とか厚生省という派閥争いでも何でもないと思う。政府自身がやっていく緊急な事態に対しての金の使い方ならば、私は有効にこれが使われると見ていいんではないか、こう思う。その金がどういうところに使われているかということは、私が申し上げるまでもなしに、労働省の皆さんよく御存じだと思うのです。住宅にも使われておりますね。福祉センターとか、体育館とか、医療施設とか、いろいろのところに使われております。使われておりますけれども、本来ならば、そこでもっと目標をきめて主張されて、その金で住宅を建設されたほうが、もっともっと筋が通っているのではないか、こういうことを私は考えますときに、この百十五億の額の問題を私は言っているのではない。本質的な、大臣がおっしゃるように、第一義的なところに失業保険の意義をあらわしたいと大臣がおっしゃっておるのですから、その意義をぜひここであらわしていただきたい。私たちも、具体的な問題でいま就職に困っているから、住宅を建てるか建てないかという議論はしたくない、実際問題として。その労働者の人が住宅不足で困っているから就職ができないから云々という、具体的な住宅という問題について議論をしたくない。そういうことはしたくないんであります。しかし、方向としては、こういう条件がちゃんとあるならば、その条件を十分に生かして住宅を建てられるならば、私は、もっともっと就労の条件をつくるための住宅建設ならば、もっともっと大きな、いま大臣がおっしゃったようなことが生きてくる場が出てくるのではないか、私はそう思う。そういう点からも御配慮いただかないと、そこらに一つポイントを置きかえていただかないと、根本的な議論をここでするのは私たちはいやですよ。住宅をことしは労働省に何ぼ割り当てがあるのだ、その住宅が、国会内でごちゃごちゃ言ったから、一万戸と労働省が出したものを割り当てられたものはみんな実際問題として待っているのですよ。それをここで議論するのは私はあまりしたくない。実際問題として困るから、その受け入れ態勢を持っている市町村においては、ことしはなんぼの割り当てがあるのだという、その基本を私は置きかえていただいて、五百億の半分の二百五十億を労働省が要求されたってこれは当然だと私は言えるような条件がちゃんと整っているのに、その問題が、労使で積み立てた分の半分の金です。それをぜひその方向で労働省が就労のための住宅に使う。まだ約一万戸ではとても足りないから、皆さん方のこういう行政面からいったら、とても百十五億では足らないと思う。だから、二百億とか二百五十億の金を使ってごらんなさい。どれだけの住宅ができますか。ここらあたりに目をつけていただきたいと思うのですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/90
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091・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 厚生年金の積み立て金の運用につきましては、労働省と厚生省とは、別にいままでなわ張り争いというようなこともなく、十分に協調いたしてやっていっておると思っております。したがって、労働者住宅のために厚生年金にも相当多額の融通をお願いいたしております。ただ、問題は、就職者用の宿舎でございまして、これは一般の労働者住宅のごとき、公共団体とか、あるいはまた企業の経営者が、その信用で資金を借り受けて、そうして建築をする。で、その後は経営者の会社からの補助金であるとか、あるいは本人の家賃であるとか、そういうもので返済をしていくというたてまえなのでございますが、就職者用の一時的な宿舎といたしましては、新規の就職者のことでございまするので、現状としては、その収入等の関係から、家賃の額等も配慮しなければなりませんし、したがって、これを企業体、あるいは公共企業体などで引き受けてくれるものもなきにしもあらずとは存じますが、しかし、なかなか一般の労働者住宅と違いまして、採算上に問題がございまするので、何かやはり特別の便法がさしあたってのところは必要ではないか、こう考えまして失業保険の特別会計にお願いをいたしたという次第でございます。その御趣旨は重々わかっておりますが、この間のやむを得ない実情につきましても御了解をお願いいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/91
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092・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 私は、だから、こういうふうにして政府が発表された問題について、具体的に住宅を、建設省という立場の使途との関係においてこういう議論をあまりしたくないのですけれども、しかし、方向というものはそういうところで処理してもらわなければ困るわけです。あの年金の貸し出しは、三年とめ置きの二十年とか三十年とかの年賦で返すということで貸し出しをやっている。六分五厘だと思う。これに対して補助金が要るなら、利子の分も利子補給さなんぼしてやるとかいうことで、むしろ議論がそういうところでされていいものではないか。目的を持っているものに手をつけなくても、そういうところに利子補給とか何とかというかっこうで住宅をどんどんお建てになっていいのじゃないかということを言っている。いまことしの問題についてこういうように発表されてしまったら、非常に私たちも議論がしにくいわけですよ。しかし、方向というものは、来年度からは、そういう方向にしてもらわなければ、私は、こういうことでは、労働者自身には、直接受益を得ている労働者はそれでいいけれども、受けていない労働者の面からすれば、だいぶんに天の声、地の声といいますか、相当私は議論があるところだと思う、不満があるところだと思うのです、こういう金の使い方については。だから、そういう点も、ひとつ大方針としてそういう方向を見出していただきたいということをお願いをしておきます、この問題については。でないと、私は爆発するときが出てくると思うので、ぜひその点はお願いをしておきたい。この程度でこの問題はやめます。
そこで、この前の具体的な問題で、殺到率や、その収容の資料が出てまいりましたが、ことしのやつは殺到率で出ておりませんけれども、どうでございましょうか。ことしの分はまだ見通しは立ちませんか。中学卒とか高校卒の問題については見通しが立つのですか。これは年度末の集計で、こういうものをお出しになるのですか。まず、これを職安局長にお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/92
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093・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 毎年六月末の現在でもって実績集計をいたしております。で、ここに先生にお配りしましたのは、それぞれ三カ年にわたって十月現在の殺到倍率を資料としてお配りしてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/93
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094・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 そうすると、ことしは四万何千ですか、中高年の訓練を——何ぼでしたか、対策をお立てになっているようでありますけれども、これはこの前も少し議論をしたのですから、重複するのは私はいやですけれども、大阪の〇・八二五倍しかないというのですが、実際問題として、中高年の就職率というものを府県別にお調べになったことがあるでしょうか。あれば、ひとつこれをいただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/94
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095・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 府県別の年齢別の殺到率は、資料がございますので、あとでお届けいたしたいと思います。また、被保険者についても、そういった就職率の問題が出ておりますので、これも資料としてはお出しできると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/95
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096・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 そうすると、殺到率と就職率も、昨年の十月現在の就職率は年齢別に出ておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/96
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097・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 年齢別に就職率も資料にしてお出しいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/97
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098・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 わかりました。
そこで、ことしの訓練は大体どれだけおやりになるつもりですか。総合訓練所から、一般訓練所から、それから企業内訓練から、全部含めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/98
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099・松永正男
○政府委員(松永正男君) 三十九年度の職業訓練の計画といたしまして、公共職業訓練所におきまして、総合計十二万一千七十五人の訓練計画を持っております。これは、基礎訓練につきましては一年訓練でございます。転職訓練につきましては、種目によって違いますが、六カ月から一年でございますが、それらを合わせまして、延べ数十二万一千七十五人でございます。そのうち転職訓練、この内容は、炭鉱離職者の訓練、日雇い労働者の訓練、中高年齢層の訓練、その他の転職訓練、こういうふうに分かれますが、転職訓練につきまして七万八千六百六十人でございます。それから事業内訓練におきまして、三十九年度の補助をいたします予定の対象といたしまして四万二千七百二十九人でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/99
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100・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 そうすると何ですか、松永さん。これは十二万一千七十五人のうちに転職訓練が七万八千六百六十人入っているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/100
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101・松永正男
○政府委員(松永正男君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/101
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102・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 十二万一千七十五人と事業内訓練の補助の支給事業が四万二千七百二十九人、こういうことでありますね。そこで、たとえば業種ですね、この会社内で訓練をしているのが私は相当あると思うんです、それをお調べになっておりますかということが一つと、それから学校を卒業して実務につくその技術者といいますか、これはなかなか固定した技術とはいえませんでしょうけれども、職業訓練所のような的確にはいきませんけれども、そういう人が幾らあって、ことしの職場へ出て技術的に間に合う人がそれじゃ幾ら出せるかというような構想をひとつ出しておいてもらいたいと思うんです。それでないと、労働省が百二十六万の技能者が足らない足らないというだけで、それじゃ何年計画でどういうぐあいにそれを満たしていくのかという答えが一つも出ていない、労働省の発表では。だから、その点が単に足らぬというのじゃなしに、足らぬ分はどうするのだ。一度にいかぬことはわかっているんですから、何年の間にどういうぐあいにするんだ、それにどういう要素とどういう要素とが入ってどうなるんだということを明らかにしておいてもらわなければ私たちはつかみようがない、そこのところ明らかにしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/102
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103・松永正男
○政府委員(松永正男君) 事業内訓練の実情でございますが、先ほど申し上げましたのは、共同職業訓練といたしまして国から補助金を出しておりますので、これの対象でございます。そのほかに、三十八年度の実績におきまして、主として大企業でございますが、単独の職業訓練を行なっておりますのが三万一千二百五十九人でございます。それから技能者の養成につきましての長期見通しと、これに対する養成計画見通しという問題でございます。これにつきましては、職業訓練の長期計画を一応つくっておりまして、これは所得倍増計画に対応いたします計画としまして、四十五年までの長期計画をつくっているわけでございますが、で、この計画に対しまして、公共職業訓練におきましては、大体この計画線に三十八年度におきまして接近した実績を示しておりまして、三十九年度のただいま申し上げました十二万人の養成を実際にやることになりますというと、三十九年度におきまする計画線をやや突破するというな実情にございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/103
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104・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 計画線は幾らですか、三十九年度は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/104
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105・松永正男
○政府委員(松永正男君) 三十九年度が計画数十万四千人でございます。なお、関連して申し上げますと、四十五年度にいきまして、四十五年度には十五万二千人、だんだんふえてまいりますが、そのような長期計画は一応できております。これに対しまして、公共職業練訓は、やや計画に近い——過去におきまして計画線より下回る実績がございましたので、ほぼ計画と見合ったような実績として進行しつつあるということが申し上げられると思います。事業内訓練につきましても、同じように、中央職業訓練審議会におきまして御検討を願いまして、四十五年度までの長期計画ができております。これは三十四年度におきまして五万五千人、最終年度の四十五年度におきまして二十六万七千人という計画でございます。これに対しまして、実績におきましてはだいぶ下回るような実績に現在の状況ではなっております。三十八年度におきまして計画数が十四万人ということになるわけでございますが、実績におきましては約八万人といったようなズレが生じてきております。そこで、しかし、これは三十四年度におきまして長期的な、マクロ的な数字で出したわけでございますが、実際には、その後におきましていろいろな技術、技能の内容が変わってまいってきております。それから、毎年労働省におきまして技能労働力の需給調査を実施いたしておりますが、それらの技能者の不足の状況もだんだん激しくなってきておるというような実情にございますので、これらの実情に基づきまして、長期計画につきましても、さらにあらためて現在の時点において検討する必要があるのではないかというふうに考えております。これらを検討をいたしまして、さらに新しい養成計画を立てまして、それに基づきましてそれぞれの分野の施策を進めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/105
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106・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 そこで、公共職業訓練所のほうは計画の実績を上回って進んでいる。しかし、事業内訓練の見通しが、みな実績の半分とは言いませんけれども、三十八年度は十四万人対八万人ということになると、ものの考え方として、これはどうなんですということが私はお聞きしたいわけです。それから、百二十六万の技能者の不足ということをそれじゃ何で解消して、どういうかっこうで解消していくんですか、その話はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/106
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107・松永正男
○政府委員(松永正男君) ただいま事業内訓練でございますが、この零細な事業におきます事業内訓練につきましては、共同職業訓練の形で行ないますものに対しまして運営費の補助をいたしております。それから、最近になりまして、施設の設置につきましての補助もいたしております。そこで、その補助金の効果もあらわれたかと考えるわけでございますが、共同職業訓練につきましては、年々実績が増加をしつつある現状であります。一方、単独訓練につきましては、先ほど申し上げました実績がほとんど大部分が大企業に限られて、三百人から百人ぐらいの規模につきましては、ほとんど事業内訓練が行なわれていないというような現状にあるわけでございます。これに対しまして、昨年度から訓練の施設につきましての融資制度を新しく設置をいたしました。ごく零細の共同訓練につきましては補助金でいく。その上の規模のものにつきましては、融資制度によりまして訓練施設の充実をはかりたい。三十九年度におきましても、引き続きこの融資のワクを拡大いたしまして、この面の助長をいたしたいというふうに考えております。大企業におきましては相当長い歴史がございまして、これは単独で、独力で訓練をみずからやっておるという現状でございます。このような措置をとっておりますけれども、先ほど申し上げましたような実績が急激にたとえば二倍近くになるというような見通しはございませんで、依然として事業内職業訓練をいかに伸ばすかということにつきましては問題があるというふうに私どもも考えております。この点につきまして訓練関係、各事業体の方々とも御相談をいろいろいたしておるわけでございますが、事業内訓練を受けましたものがどのような社会的な処遇を受けるかというような問題、また、学校卒業者との関係におきましてどのような資格になるかというような関係がございまして、教育制度との関係におきましても、この養成された技能者の処遇というような面からも問題があるのではないか、それらをあわせましてさらに検討を重ねまして、事業内訓練についての振興策を掘り下げてまいりたいというふうに考えております。
それから、労働省で実施しております技能労働者の不足状況は、御指摘のように、百二十万あるいは百十万という数字が出ております。これは藤田先生御指摘のように、毎年二月に調査をいたしますが、その時点におきまして、今後六カ月間にどの程度の技能者が要るかという見込みにつきまして、各事業所を訪問調査をいたした結果の数字を復元いたしました数字でございます。抽出率等の関係がございますので、実数そのものがきわめて正確であるというふうには申されないのでございますが、不足の大きな傾向を示すものとしては信頼できる数字ではなかろうかというふうに思うわけでございます。いまのような調査でございますので、これに対して、直ちにそれでは供給力を計算をいたしまして養成するということは、事柄の性質からいいまして、なかなかむずかしいのでございますが、一面におきましてそのような不足、ことに若年労働力そのものの不足というものと関係してくると思うのでございますが、不足で需要が非常に大きいという要請がございますので、たとえば事業内におきましても、労働省で認定するような訓練についての先ほど申し上げた数字は、そういう認定訓練についての数字でございますが、短期の講習をやるとか、あるいは職業訓練所に委託をいたしまして、そこで訓練をするとか、あるいは再訓練を訓練所で引き受ける、あるいは指導員を派遣して巡回指導を行なうといったようないろいろな手を用いまして、訓練所の力のある限りあげまして応援するというような態勢もとっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/107
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108・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 私の聞きたいのは、その御努力されていることはよくわかりました。
そこで、いまの百二十六万とおっしゃってからこれは二年目ぐらいになると思うのです。いまお話を聞いていると、百二十万とか百十万という話が出てくる。何を目的に調査されているのかということがだんだんわからなくなるわけです。単なるこれだけ不足だというアドバルーンを上げて、国民に対してデモンストレーションをやっておられるのか、そこらもけじめがだんだんつかなくなってくる、百二十六万でも百二十万でも、百十万でもよろしゅうございますから、これをそれじゃ訓練で、ことしはどれだけひとつ技術者を養成をするのだ、百二十万の技能労働者の不足、はことしはこれでやって、来年はこれでやって、大体何年くらいに、これが解消するのだ、それがあまり長引くようなことである場合には、それだけの手当をしなければならぬ、だから的確に、そこのところを社会に訴えてもらわないと、ただ、のぼりだけ上げただけで、だんだん二月にほほ的確に近い——的確とはいえないけれども、ほぼ的確に近い調査ができるのだとおっしゃるなら、ことしのそれに応じて不足分を補う、できるだけ早い機会に、また議論が予算上、資金上という問題に入ってくるわけですから、しかし、そういうものを考慮して、どれだけ計画を満たすのだという、計画といいますか、シビアーの問題を言っておるわけではないのですよ、もののたとえとして言っておるのです。何年くらいには、どのくらいになるという、倍増計画もあるけれども、その一環として、どうやるのだということをおっしゃらないと、去年は百二十六万だったけれども、ことしは百二十万だ、十万にしましょう。去年訓練したのから、ずっと並べてみたら、学校卒やらで二十万どころではないと思うのです。そうなってくると、そこのところ、少しもつじつまが合わないわけです、われわれが見ていて。そこのところをひとつ、計画性を示していただきたいということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/108
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109・松永正男
○政府委員(松永正男君) 御指摘のごとく、毎年二月に調査をいたしますものが、三十六年度が百十六万、三十七年度が百二十五万、三十八年度が百十万というような数字が出ております。三十九年度につきましても、まあそう大差のないものではなかろうかと、現在調査中でございますが、思われます。しかしこの数字につきましては、ただいま申し上げましたように、各企業におきます一応雇い入れるといいますか、需要面の見込み数字でございます。したがいまして、これを今後六カ月間に養成して充足するということは、なかなかむずかしい問題でございますが、おっしゃいましたように、これだけのものが不足をしておるのだということのデモンストレーション、効果も一面においては確かにねらっておる面もございます。
と申しますのは、たてまえといたしまして、公共職業訓練が技能者養成の相当大きなウエートを持っておることはたしかでございますが、やはり問題といたしましては、各企業におきまして、それぞれ企業なりの計画を立てまして養成をするということも、同時に非常に必要ではなかろうか、重点といたしましては、やはり公共職業訓練といたしましては、むしろ転職訓練のような面が相当ウエートが大きくなってまいる、養成訓練の面は、事業体みずからが、もう少し大規模かつ計画的にやることが必要ではなかろうか、これがまあ訓練としては進歩ではなかろうかというふうに考えられるのでございまして、その意味におきましては、これだけ不足するのだということの数字をあげます効果、これとあわせまして努力をお願いするという面もあるかと思います。養成訓練につきましては、御承知のように事業内で三年間の養成をいたします。外国等では、もう少し長いようでございますが。したがいまして、やはりそのときどきの需給計画とあわせることも必要ではございますけれども、やはり長期の訓練にならってくる部面が多いのではなかろうかというふうに思われますので、ただいま御指摘のような、百十万の不足があるから、これに対して、どれだけの供給量で、どうなってくるかという点につきましては、私どもとして的確な数字的計画を持っておりませんし、また、申し上げられないことは申しわけないのでございますが、事柄の性質といたしまして、なかなかむずかしい面があるように思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/109
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110・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 まあ私は一面からいえば、正直な言い方だと思うのです。だから雇用計画というものは、この前申し上げましたように、景気変動のようなかっこうの問題と労働行政で要求して、やはりその被害の少ないような方法を労働行政のほうは、経済政策でだんだんに、こう申し上げてきたのですけれども、しかし、そんなに変動で需要の面に大きく百万も二百万も差が出てくる、これからの単純労務者の振幅というものは景気変動で激しくなりますけれども、しかし不足している技能労働者がそんなに大きく振幅をすることはないと判断する。だからノーマルの線が幾らだと、ノーマルとして需要が過去長期の展望に立って、どのくらいのものが必要なんだという大まかなそういう事柄も、単なるデモンストレーションに終わらないで、今日の事態については、どういうくらいにしたら間に合うんだというようなことは、お出しになっていいんじゃないか。ただ、技能労働者が不足する不足ということだけ、われわれが耳に聞かされておっただけでは、どうにも処理のしようがないのだというのが率直な言い方なんですね。われわれ議論する上においても、そうだと思うのです。だから、そうでなしに、たとえば私に言わしめれば、百二十万ここで技能労働者が不足をしておる。これに対しては、ことし三十万なら三十万の技能労働者を養成しよう。四十万なら四十万やろう。そうすると来年度は、百二十万から四十万引いたら八十万だ。そうしていかなければならぬと私は思うのです。そんなことくらいは、われわれにもわかるのです。新しい学卒者その他が入ってくるわけですから、これをどう技能訓練をして生産につけるかというような問題も出てくるわけだ。単純労務なら、あまり要らないわけだが、そういうときに企業内訓練——生産に間に合わない労働力なんというものは、これほどつまらないものはないわけですから、やはり生産に間に合うための労働力の供給というものは、私は事業内でも考えるけれども、労働行政の中でも、それは考えていかなければならない。特に訓練局長というものは、それに全精力をぶつけられていいのではないかと私は思っておる。そういうことが、私はかんでものを言っておるようなかっこうになりますけれども、それくらいのことは、私は訓練局で大まかな筋を立てて、かくかくの条件の中にかくかくの処置をして、こういう状態に持ち込むのだということくらいは、きょう、いまはっきり言えなければけっこうですが、それはやはり出しておいてもらわないと困ると私は思うのです。これは訓練局長に強く要望をしておきます、その点だけは。
そこで訓練の問題と中高年齢の問題については、この前言いましたけれども、もう一度繰り返して職安局長、大臣にも繰り返してお伺いしておきたいんですけれども、私も大阪あたりをずっと調べてまいりましたところによると、中学、高校の卒業比の募集人員だけは、とても集まらない。ひどいところでは三分の一だ。やっとこいいところでも六割か七割しか充足がないという状態なんだ。しかし生産の計画に基づいて労働力を提供せい。入れなければ生産にならないわけですから、何らかのかっこうで労働力がそこに供給されていくわけです。生産の機会に。ところがその外から見ていいところだと。あそこは特に産業の中でもすぐれたいいところだというところだけが充足率が高くて、自由主義、自由経済というだからそれはやむを得ないかもわかりませんけれども、悪いところになったら三分の一も五分の一も満たさないというような状態で、倒産に追い込むようなかっこうも出てきて、ここから以上入ると、いろいろまた意見があると思いますけれども、少なくとも私は、繰り返してこの前のことを申し上げておきますけれども、おのずから程度の問題がありますけれども、中高年の訓練もけっこうでございますけれども、学卒を雇うときには中高年もウエートをつけて私はやはり雇うという規律を労働行政に強く打ち出してもらいたい。これを私は重ねて申し上げておきたいと思う。そうでなければ、ほんとうに弱肉強食の問題に入ってしまって、地方の行政担当者は、みんなそういう要望をしていますよ。何とか国で、そういう規律をつけてもらいたい。でなければやれぬということまで極端に言う人もあります。だから私は、中高年の訓練も必要です。しなければ生産にならぬですから、訓練をしてもらうこともけっこうですが、しかし、学卒のフレッシュな労働力と合わして、中高年に合うようなかっこうの作業内容もこれはあるでしょうけれども、やはりミックスで、これは充足をしていくという規律——教育ですか、私はむしろ教育だと思うんですよ、そういうものをぜひひとつ、ここでしておいていただきたいということをこの前に重ねてお願いをしておきます。そうでないと、中高年のお出しになったこの表から見て、殺到率からいって一番いい条件で二割五分というんですからたいへんなことです。ことしあたりからその訓練をしないと、私は、一度は、来年になるか再来年になるか、必ず大ゆれにゆれるときがきますから、ことしはぜひ、そういう先べんをつけていただきたい。
それから、職安関係でもう少しお尋ねをしたいのです。いま、民間の季節労働というのをとってみますと、農家の方々が食えない、生活ができないから、建設事業で季節労働をやっておられる。古来からの酒屋さんと何とか季節労働なんというのは非常にウエートが小さくなりました。いまの季節労働のウエートの大きいのは、何といっても建設関係ではないかと私は思う。それから林野関係の季節労働、こう私は見ているわけであります。建設関係のやつは、またあとにしまして、林野関係の季節労働なんでございますけれども、六カ月から八カ月雇うて、それであとは失業保険をもらって、それであとを埋めて、そしてまた六カ月か八カ月就労につくと、こういうのをずっと繰り返しておられるわけであります。林野庁でいま起きている問題を見てみますと、せめてその常雇い、定期的に今後は雇われるんだと、あくる年は、ことし八カ月雇ったら、あくる年も八カ月雇われるんだということを、常雇いシステムにして、そういう規律を何とかつけてもらいたいということが労使の間で起きているんですね。わかりますか。ことしは八カ月雇われたら来年も八カ月雇われる、その次も雇われるというかっこうのものの規律をつけてもらいたいというような意見が出ているわけです。
私は、非常にいまの労働基準法の立場からいっても、こういうことは実際問題として議論はしていますけれども、そういう不安定なといいますか、そういう雇用状態であっていいであろうかどうかということを私は非常に疑問に思っているわけです。八カ月も臨時雇い、二カ月更新で、それで繰り返していかぬというのが法律であって、二カ月更新で、繰り返していかないというのが、日本の給与関係にいろいろ年功序列とか、本雇いとか、臨時とか、社外工とかいうのがありますから、そういう身分の差が同じ仕事をしていても出てくるんですから、二カ月更新、それをまた何回も繰り返すということでなしに、正規の労働提供というかっこうのが基準法の精神だと私は思うんです。ところが、そういう季節労務というものが官庁の手で行なわれているということはどうかと、私はまあ非常に疑問を持っている。政府関係の各省においても、二カ月更新の臨時雇いというのが、定員化をずっと眺めて、期待をしながら相当長く続いているのがあるということを私も知っておる。だから、それとあわせて——それはまあそれなりに、ずっと続いているわけです。ここにも問題があります。しかし、その季節労務の林野庁の、政府のやっているところにも、そういう問題があるので、労働省は、この問題をどういう工合につかんでおられるか。で、こういうものについて、どういう工合に見ておられるかということをお聞きしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/110
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111・村上茂利
○政府委員(村上茂利君) 私からお答えを申し上げますが、林業におきましては、林野庁のみならず、一般民間の、たとえば立木伐採業といったような業態におきましても、先生御承知のように冬山とか、そういう季節を限りまして木材の伐採をやるというような慣行になっておりますところは、そのような作業に従事する労務者の雇用形態が臨時的な慣習を持っておるというのは、もう御存じのとおりであろうかと思います。この点、一般の林業におきましても非常に大きな問題を提供しておる。それから林野庁におきましても、いわゆる臨時職員の問題ということで、いろいろ問題があるということを私ども承知いたしておりますが、この点につきまして、どのような雇用形態がよいかという御指摘の問題になりますと、そのような産業の作業形態なり、あるいは労働の期間というものが、どうあるかということと関連いたしてくるわけでございます。
最近の傾向を見ますると、この林野、特に立木伐採作業など、あるいは木材の運材、それから集積等につきましても、かなり機械化が進んでおるようでございます。それに伴いまして、従来いわゆる臨時でございました集材夫とか、そういった職種の労働者が機械を操作するということによりまして、漸次常用化されておるというふうな傾向も一部に認められるようでございます。
そこで、普通の工業的職種の労働者のように、どうあるべきかという問題になりますと、何ぶんにも職場が山また山というふうに移動し、しかも季節的な制約も受けるというようなことがございますので、工業的労働者のような労働形態を考えるということは、なかなか問題があるだろうと思いますが、いま申しました機械化に伴いまして、一部常用化の傾向が促進されておるし、将来も人手不足と関連いたしましてそういった労働者の定着性を高めるという方向に事業主が腐心して、心をくだいておるようでございます。こういった面からだんだん労働関係の改善が期待できると思うのでございますが、何ぶんにも、特に北海道などのごとき、積雪などの影響もございまして、立木伐採の期間がおのずから気候的な制約も受ける、こういう点につきましては、若干問題があるようでございます。
そこで、そういった労働者を人手不足と関連しまして引きつけるために、実際労働しますのは二月ぐらいであるが、また来年来てくれというような形で雇用する形がいいのかどうかという問題は、全般的な人手不足の問題とも関連をいたしておりますので、まあ事業主といたしましては、あの手この手を使って、労働者の明年度における採用に苦心しておるというような傾向が認められるようでございます。
そこで先生御指摘のように安定した雇用形態がけっこうでございますが、基準法のたてまえとしましては、有期の契約としては一年という制約がございまして、通常の場合は雇用の期間の定めのない雇用関係になっておるわけでございます。したがって、常用化されると申しましても、法律的には契約期間に一応の制限があるわけでございます。しかし、いま申しましたように特殊な、臨時ではあるがだんだん常態化されてもおるのが、法の網をくぐるがために、擬装的な解雇をするというようなことでございますと、問題があろうかと存じます。そういった点につきましては、弊害が起こらないように、問題を監督行政としてはかなり把握しておるつもりでございますが、法に触れるような措置は、厳に取り締まってまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/111
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112・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 私は、いま基準局長は契約上の一年、二カ月更新の問題があるわけです。そこで私は社外工と本工との関係をひとつ見ていただいたかどうかということを私は言いたい。同じ職場で同じ仕事を持ちながら、本工の半分も給料がない状態で机を並べて仕事をしている、もっと極端に言えば、職安の労働省の職員と東京都の職員とが机を並べて給料一万円も違うというような現象を、号俸等の関係で、そんなことは処理されるでしょうけれども、そんなのでなしに、会社の中で、同じ仕事をしている。それには退職金の制度がある。期末手当の制度がある。こういうものが、たとえば所得保障の年金制度によって処理をされて、退職金の問題が全般的に給与の中に織り込まれて給与関係が変わってくるとか、期末手当の問題が給与に入れられて変わってくるとかいう外国並みの状態になるならともかくとして、そうでない現状において、期末手当や退職金の積み立てがあるという条件のもとで、私はいまのような法律では、期間更新一年だということだけでは済まされない条件が、私は労働者にとってあるということを言いたいのです。
ですから、八カ月雇われて、来年度八カ月やり、その間は失業保険をもらう。私は、最近聞いた話だが、これも職安局長に私は聞きたいと思っているのだけれども、林野庁の労働者は半分だけは失業手当があるけれども、半分は失業手当がないのだ、百人おったら五十人だけだ、こういうことが平気で事業主から言われて、労働者が泣き寝入りしているということをこの間聞きまして、けしからぬことだと言って私も腹を立てたので、これはあなたのほうを追及するのがいいのかどうかわからぬが、よく調べていただきたい。きょうも一ぺんこの問題も提起しておきたいと思っているのですが、そういうことが常日ごろ行なわれているということなんです。そういう条件が一つある。それから片一方では、更新の問題があって不安定だ。できるだけ安くよく働いて、だから、臨時工だとか社外工の概念に結びつけられて、そして永続的な労働者の生活保障とか、将来に向かっての所得保障というような手続の問題がないがしろにされて、内容を聞いてみると、失業保険まで半分、成績のいいというか、事業主に気に入った者だけが失業保険に入って、気に入らない者は、失業保険に入らないということまでが行なわれるということを聞いて、私は驚いているのです。これは実態はどうか知らぬけれども、よく調べていただきたいと思う。そういうことを考えてまいりますと、これはほんとうに社外工、臨時工の概念で、期日労務者にまで、そういう問題が起きてくるというと、私はたいへんな問題ではなかろうか。問題点だけ、私はきょう提起しておきたいと思いますが、ぜひひとつ、これは調べていただきたいと思うのです。私がいま問題にしているのは、林野庁の政府の機関でやっているところにおいて八カ月、六カ月やって、何とか二年もやったから常用化をしたい、常用化とは何だと言ったら、きまって雇ってもらえることだと、こう言うのです。そんなことがあるかと言って、私は問題にならぬ、そんなことは、なぜ定員化の問題にしないかという議論をいましているところなんですけれども、そういうことが政府の機関で行なわれているのなら、民間はならうのがあたりまえだ。それから、より以上、その抜け道をどうしてこしらえるかというところに民間のほうが入っていくのは今日までの自然の流れです。だから、そこらあたりは労働省として、基準局、職安行政として、しっかり私はつかんでもらわなければいかぬのではないか。二カ月更新を何回も繰り返すなんていうことは、基準法の精神からいってもおかしいと思う。おかしいと思うのに、六カ月、八カ月で、そういうことが行なわれる。私はそういう点についてもっと、ここでは賃金部の部長もおいでになると思いますけれども、私はそういう身分、労働条件の問題について、どうしたらいいかという問題は、賃金部ができるときには私も賛成した一人です、反対が多かったけれども……、そういうあらゆる世界じゅうの国が、どうやっているか、そういうものをつぶさに検討して、みんなに提供して、その中でよりよい労使関係というものを、労使関係に口を入れるのではないけれども、事実の問題を明らかにして資料を出すということだったが、どうも賃金部もさぼっているという言い方はしませんけれども、そういう資料が、あまり出てきてないような気がする。
そこらも私は含んで、こういう問題の結論を出さないと、いためられているところはいためられっぱなしという結論になるのではないかと、こう思う。だから私、職安局長に、失業保険の半額だけしか支給してないというやつを、どうなっているか御存じならお知らせいただきたい。なければ、ひとつ調べてお知らせいただきたい、こう思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/112
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113・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) ただいま御指摘の林野庁の事例については、承知いたしておりませんので、実情を調査して御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/113
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114・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 それではぜひこの問題は、私証人も連れてきますから、ひとつ失業保険の問題だけは明らかにしておいていただきたいと思います。
それから、きょうはまだ時間が早いし、もう少しやりたいけれども、まあきょうは、だいぶいろいろの面で支障がありそうだから、そこで、私はやめますけれども、この次の委員会には、ぜひ失対労務者の今日の現状ですね、それから失対労務者が、今度緊急失対法のあれをとっ払われたわけでございますから、それに見合って、一般賃金並みにおそらく賃金はされたのだと思いますから、幾らに賃金がなって、どういう条件で一般並みになっておるか、それに労働が伴わなければ意味ないのですから、この前、法律でいうた条件に伴って労働が行なわれているいまの失対労務者の就職促進措置と、失対労務者に入ってくる状態、それから、この前もお願いしておきましたが、単に大きい市町村だけで職安の窓口があるのでは、とてもそれは農民の生活が困窮に達していると思いますから、そこらの農民の諸君の就職希望に対する受け入れを、どうしてあげるとか、そういう一連の問題をぜひひとつ、この次の委員会に、できればあなたのほうから説明をしていただいて、そうしてそれによって、私たちも説明によっては質問する必要のないものもあるでしょうから、ぜひそういう手続をとっていただきたい。
それからもう一つは、この次の際には、労働災害の問題を御質問申し上げたいと思いますので、労働省の労働災害防止の、まあ労働災害法がありますから、そのときにまあ入りますけれども、今日の災害の防止の問題については、特に炭鉱の災害と、それから炭鉱災害だけに、地下労働の災害だけに限ってもけっこうでございますから、そこらあたりのあと処置が、どうなっているか。地下災害は、いま通産省が持っているんですけれども、それを労働省として、どういうぐあいに今後やろうとしておられるか。あわせて炭鉱労働者の離職関係と、就労、雇用関係の手当の問題やらその他周囲の市町村等の自治行政の関係も非常にこれは関連が深うございますから、そこらのこともぜひお聞かせをいただきたいと思っておるわけです。宿題のようなかっこうで出しておかないと、そのときになってからあれしてもいけませんから、そこらの一連のことを教えていただきたいと思いますので、お願いをしておきたいと思います。それで、まだなにですけれども、きょうのところは、私はこれでやめたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00619640220/114
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115・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 本日は、これにて散会いたします。午後三時三十一分散会
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