1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年三月三日(火曜日)
午前十時三十三分開会
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委員の異動
二月二十七日
辞任 補欠選任
鈴木 壽君 藤原 道子君
杉山善太郎君 永岡 光治君
二月二十八日
辞任 補欠選任
永岡 光治君 杉山善太郎君
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出席者は左のとおり。
委員長 鈴木 強君
理事
高野 一夫君
徳永 正利君
藤田藤太郎君
柳岡 秋夫君
委員
加藤 武徳君
亀井 光君
紅露 みつ君
佐藤 芳男君
丸茂 重貞君
山下 春江君
山本 杉君
横山 フク君
杉山善太郎君
藤原 道子君
小平 芳平君
林 塩君
村尾 重雄君
政府委員
厚生政務次官 砂原 格君
厚生大臣官房長 梅本 純正君
厚生省公衆衛生
局長 若松 栄一君
厚生省環境衛生
局長 舘林 宣夫君
厚生省医務局長 尾崎 嘉篤君
厚生省医務局次
長 大崎 康君
厚生省薬務局長 熊崎 正夫君
厚生省社会局長 牛丸 義留君
厚生省援護局長 鈴村 信吾君
事務局側
常任委員会専門
員 増本 甲吉君
参考人
東京都民生局保
護部長 高鍋三千雄君
東京都衛生局医
務部長 斎藤 三郎君
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本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○医療金融公庫法の一部を改正する法
律案(内閣送付、予備審査)
○戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一
部を改正する法律案(内閣送付、予
備審査)
○派遣委員の報告
○予防接種法の一部を改正する法律案
(内閣提出)
○社会保障制度に関する調査
(唯生会篠田病院の閉鎖問題等に関
する件)
(トルコぶろの規制問題に関する
件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/0
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001・鈴木強
○委員長(鈴木強君) ただいまより開会いたします。
参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
唯生会篠田病院の閉鎖問題に関する件調査のため、参考人として、東京都衛生局医務部長斎藤三郎君、同民生局保護部長高鍋三千雄君の出席を求めて説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/1
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002・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/2
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003・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 医療金融公庫法の一部を改正する法律案並びに戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
右両案に対する提案理由の説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/3
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004・砂原格
○政府委員(砂原格君) ただいま議題となりました医療金融公庫法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。
改正の第一の内容は、医療金融公庫に対する政府の追加出資についての規定を整備することであります。
医療金融公庫は、私立の病院、診療所等の設置及びその機能の向上に必要な長期、かつ、低利の資金であって、一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通することを目的として、昭和三十五年七月設立されたものであります。設立以来、公庫におきましては、逐次貸し付け原資の増額をはかるとともに、貸し付け限度額の引き上げ、貸し付け利率の引き下げ等、その貸し付け条件を漸次改善緩和し、医療の適正な普及向上に寄与してまいりました。これに応じて、公庫の資本金も創設当初の十億円から、現在の八十一億円に増加されているのであります。昭和三十九年度におきましては、政府は、公庫の貸し付け原資として百三十五億円を予定し、これに要する資金として資金運用部資金の借り入れ金八十五億円及び貸し付け回収金二十一億円のほか、一般会計から二十九億円を出資することといたしたのであります。このような従来のいきさつにかんがみ、政府の公庫に対する出資金は、さらに将来も引き続いて増加する必要が予想されますので、資本金が法律上一定額とされていたたてまえを改め、政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において公庫に追加して出資できることとするとともに、政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとすることにいたしたのであります。
次に、改正の第二の内容は、公庫の監事の権限に関する規定の整備であります。監事は、公庫の意思決定機関及び執行機関とは独立して、公庫の適正なる運営を確保するために設けられた監査機関でありますが、このような監事制度に期待されている機能を十分に発揮させるためには、特に監査結果の積極的な活用をはかる必要がありますので、監査結果に基づいて、監事が総裁または総裁を通じて主務大臣に対する報告を行なう権限を有することといたしたのであります。
以上がこの法律案の提案理由でありますが、何とぞ慎重にご審議の上、すみやかに御可決あらんことを御願い申し上げるものであります。
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次に、ただいま議題となりました戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
戦傷病者、戦没者遺族等に対しましては、戦傷病者戦没者遺族等援護法、夫帰還者留守家族等援護法、旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律、さらに昨年制定されました戦傷病者特別援護法等によりまして、各般の援護の措置が講ぜられてきたところでありますが、今般さらに援護措置の改善をはかることといたしまして、この法律案を提案することといたした次第であります。
次に、この法律案の概要について御説明いたします。
まず第一は、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部改正であります。
その改正の第一点は、軍人軍属に対する公務傷病の範囲の拡大についてであります。すなわち、現行法におきましては、軍人または準軍人の大東亜戦争中にかかった傷病であって、故意または重大な過失によることが明らかでないものについては、これを公務上の傷病とみなし、これらの傷病により死亡したときは、その遺族に対し、遺族年金及び弔慰金を支給することといたしておりますが、この範囲を大東亜戦争のみならず日華事変まで、軍人または準軍人を軍属まで、さらに死亡のみならず傷病にまで拡大し、障害年金、遺族年金等を支給することとするなど、公務傷病とみなされる要件を大幅に緩和いたしました。なお、日華事変中の故意または重大な過失によることが明らかでない傷病にかかる障害年金及び遺族年金の額につきましては、現行の障害年金及び遺族年金の額の十分の六といたすことといたしました。
改正の第二点は、日華事変以後の公務傷病に併発した傷病により退職後二年以内、結核及び精神病については六年以内に死亡した軍人軍属並びに戦地における勤務が六カ月以上で、復員後一年以内、結核及び精神病については三年以内に死亡した軍人軍属で、公務上の傷病により死亡したものであることの立証が困難な場合には、その遺族に対し遺族一時金十万円を支給することとしたことであります。
改正の第三点は、旧軍人恩給の停止から戦傷病者戦没者遺族等援護法の施行までの期間中に再婚し、同期間中に離婚により当該再婚を解消している戦没者の妻等に対し、遺族年金等を支給することといたしましたほか、従来、何らの処遇もされていなかった判任文官等の内縁の妻、別戸籍の父母等に対して遺族年金等を支給することといたしました。
第二は、旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律の一部改正であります。軍人が大東亜戦争中に勤務関連にかかる傷病により死亡した場合に支給される特例遺族年金の支給要件を、大東亜戦争後の未復員期間中の勤務関連にかかる傷病により死亡した場合にも支給できるよう、その制限を緩和することといたしました。
第三は、戦傷病者特別援護法等の一部改正であります。療養を中断したため療養の給付を受ける権利を失った再発患者に対して療養の給付を行ない得ることとするとともに、療養の給付、補装具の支給等に関し、援護上の不均衡を是正することといたしました。さらに、療養中の戦傷病者が死亡した場合に支給する葬祭費の額を増額することとし、また、これに関連いたしまして、未帰還者の死亡の事実が判明した場合に支給する葬祭料の額についても同様に増額することとするため、未帰還者留守家族等援護法の一部を改正することといたしております。
右のほか、所要の条文の整理を行なうことといたしております。
以上がこの法律案を提出いたしました理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/4
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005・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 本日は、右両案に対する提案理由の説明聴取のみにとどめておきます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/5
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006・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 次に、派遣委員の報告に関する件を議題といたします。
先般、委員会で行ないました委員派遣報告のうち、まだ三班(福岡県、熊本県、長崎県、岡山県)の派遣報告が済んでおりませんので、本日これを派遣委員の方から御報告願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/6
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007・亀井光
○亀井光君 ただいまから御報告を申し上げます。
去る二月十八日から二十二日まで、福岡県、熊本県、長崎県及び岡山県を視察いたしましたが、そのおもなるものの概要について、以下順次申し述べます。
なお、視察県における要望事項をお手元に配付してありますので、御高覧をお願い申し上げます。
まず、福岡県におきましては、炭鉱離職者対策と三池炭鉱災害の問題を主として視察したのでありますが、中小炭鉱の労務不足が訴えられ、求人数が増加しているにもかかわらず、依然として中高年齢者の就職問題に困難を感じ、産炭地域振興によって現地で解決する必要があるとされております。さらに、今後は板付基地における駐留軍労務者の大量離職問題も残されております。
三池炭鉱災害による入院患者は、二月十七日現在で二百七十八名となっておりますが、これまでの死亡者総計は四百五十八名で、熊本大学におります重症三名を除いて、死亡の危険ある者はなくなったといわれております。患者は、病状によって一級から四級に分類されて、一、二級は長期専門の治療を要するので大学病院に移しまして、そのほかは医療調査団の報告に基づき、労災療養所にまとめる方針であります。また、遺家族の就職対策のために特別相談所を設置しておりますが、県外希望者はきわめて少数とのことであります。すでに宮浦坑、四山坑は生産が再開され、三川坑が完全操業の態勢に入り得る時期は三月二十日以降とされております。なお、三池炭鉱労働組合からは、労災病院で認められているように、入院患者に対する家族付き添いを認めてもらいたい等の陳情がありました。
次いで、労働福祉事業団の大牟田労災療養所を視察し、三井天領病院を見舞いましたが、労災療養所は、本年二月、健康保険組合の結核療養所を買収して引き継ぎを受けたもので、現在は給食、給水、暖房等の設備がなく、付近の国立療養所銀水園の援助を受けておりますが、早急に百二十床の整備にあわせまして、逐次受け入れ可能にする予定であります。また、三井天領病院では、炭鉱災害患者八十四名を収容しておりますが、患者には職場復帰の明朗性を養う必要があり、日時をかければ回復の希望は持てるとのことでありました。
次に、熊本県においては、厚生及び労働行政に関する当面の実情を聴取したのでありますが、まず、社会保険関係につきましては、健康保険適用事業所数は月平均四十件程度の増加で、被保険者数別に見ますと、五十人未満事業所は九二・四%を占めており、健保、日雇い、国保はいずれも赤字財政であります。失業保険では、前年に比べ、適用事業所数と被保険者数はともに増加を示しておりますが、これを規模別の増加傾向から見ますと、三十人未満事業所が純増の大半を占めており、炭鉱の不況による保険料滞納額の増加が目立ちます。また、医療機関の整備状況については、人口一万当たり病床数は、精神、結核、伝染病は全国平均を上回っておりますが、一般病床は少なく、その適正配置に難点があります。らいは、新患、再発が少なく、収容者の半数以上は退所可能といわれておりますが、この際、これらの患者の社会復帰対策の確立が強く要請されているのであります。結核は、病床数の多いわりあいに死亡率が高く、九州地区の各県は、いずれも全国十位以内に入り、当県は四、五位にあります。これは検診の機会が少ないため発見率が低く、従来の北海道、東北地区にかわって、いまや九州地区の結核は風土病化そうとしたとさえ言われております。結核予防法による医療費は一件当たり点数が少なく、その請求額も七〇%くらいにとどまるとのことであります。問題の水俣病については、有機水銀によるものと決定して、その原因的なものは解決しましたが、なお補償関係が残されております。今日では患者の発生もなく、汚泥調査、工場排水にも検出されないとのことであります。
次に、労働行政関係については、基準法適用事業場を規模別に見ると、百人以下が九九・八%、その労働者数は八八・四%を占め、千人以上の事業場はわずか十カ所にすぎませんが、災害防止の強化、女子年少労働者の保護、中小企業労務管理の近代化及び最低賃金制の普及拡充に重点を置いております。当県は新産業災害防止五カ年計画による基礎を昭和三十七年におき、災害千人率三七%減少を目標としておりますが、三十八年における災害発生状況は、特に建設事業に多い傾向を示し、死傷目標を上回りましたが、死亡者数は減少いたしております。また、最低賃金額三百円以上を目標として指導しておりますが、九州地区は一般に低賃金であり、他県との割り振り上、高額は望まれないとのことであります。なお、婦人少年室の定員不足が訴えられました。
ついで、国立熊本病院と井関農機熊本工場を視察いたしました。熊本病院は、公的医療機関整備計画による県中央病院としての特別整備病院に予定されておりますが、敷地が平たんでなく、付属施設が分散し、明治八年の建造物で、すでに老朽化して、年々アリの害をこうむっております。管理、医療及び看護の面では県下に高く評価されておりますが、看護婦の充足、給食費の引き上げ、必要医薬品の大幅使用等について日患同盟熊本支部よりの陳情を受けました。また、井関農機熊本工場は安全管理指定工場としての県下における優良事業場でありますが、従業員八百十七名、女子作業員が多く、鋳物工場としてはじん粉が少ないということであります。
長崎県におきましては、県行政の問題点について実情を聴取いたしましたが、当県のごとき、離島へき地をかかえた地域では、高度経済成長に伴う所得格差はますます増大し、生活保護世帯につきましても三六・七%という全国第四位の高い保護率を示し、石炭産業の合理化に伴う炭鉱離職者対策、特に中高年層対策をかかえて、佐世保基地における駐留軍離職者対策とともに、県の大きな悩みの種となっております。医療機関の運営については、医療施設の離島が占める割合に比し、医師及び看護婦確保の困難なことが顕著であります。これらの事態に対し、看護婦修学貸し付け金ワクの大幅拡大、公私養成所に対する補助限度ワクの拡大等による要員確保の促進が強く要請されております。特に公的医療機関においては、人件費が運営費の七〇%を占め、累積赤字のため、施設の維持はおろか、縮小等を考慮せざるを得ない事態に立ち至っております。また、結核死亡率は九州第一位でありますが、結核検診三カ年計画によって毎年八、九千名の新患が発見されているのに反しまして、病床数は逐年減少をたどり、居宅治療の増加が目立っております。
次に、労働基準行政につきましては、適用事業場二万のうち、九五%が三十人未満の零細事業場となっており、労働者数千人以上の大企業は二十カ所を数えるにすぎません。昭和三十七年における労働災害減少率は全国第一位でありましたが、新産業災害防止五カ年計画による三十八年の千人率は目標より多少上回り、全国水準並みであります。最低賃金は平均額二百九十四円で目標に達しません。労災保険の収支率は、石炭関係による納入率が悪くて、ますます悪化の傾向にあります。
なお、当県は海底炭鉱が多いので、保安対策も重大でありますが、切り羽まで歩いて一時間以上もかかるという困難が伴うので、監督定員数を増し、現在の危険手当百六十円を、せめて三百円程度に引き上げてもらいたいという要望が基準局当局からありましたことを付け加えておきます。
また、婦人少年の労働問題に関する実情を聴取しましたが、若年労働者の県外転出が八割に達するということであります。
ついで、県内唯一の温泉治療病院である国立小浜病院を視察しましたが、ここでも人手不足と設備等の関係で、温泉治療に重点を置くことが困難な実情にあるとのことであります。
最後に、岡山県においては、主として薬事法の施行に関する実情を調査いたしましたが、当県の薬局適正配置に関する条例は昨年九月十一日付で制定され、それ以後の新規開設は同条例の適用を受けることになったのでありますが、「同条例施行前に提出された薬局などの開設の許可申請については条例の適用はしない」という経過措置をめぐって現在問題が起っております。条例施行を前にして、店舗、構造設備とも不備のままの許可申請に対する取り扱いについて薬事法上の疑義があるもので、この際、立法上の精神と行政上の解釈を明確にしておく必要に迫られている問題でございます。
以上、報告を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/7
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008・鈴木強
○委員長(鈴木強君) どうもありがとうございました。
なお、お手元に配付いたしております第三班に対する要望事項につきましては、これを会議録末尾に掲載したいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/8
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009・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/9
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010・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 次に、予防接種法の一部を改正する法律案を議題といたします。
前回に引き続いて質疑を行ないます。質疑の通告がありますので、これを許します。藤原道子委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/10
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011・藤原道子
○藤原道子君 今回の予防接種法の改正でございますが、内容はまことに簡単でございますが、非常に重大な問題を内在いたしております。そこで、社会的にも非常な不安が起こっておりますので、こういう点についてただしてみたいと思うのであります。
厚生当局におかれましては、率直に国民の不安をここでなくするよう、あるいは不安ありとするならば、それの対策を直ちにとっていただきたいということを、まず最初に申し上げておきたいと思います。
今回の改正によりまして、生ワクチンが国産品のものを使用される。これに至りました経過を見ますと、非常に研究等の日時が少な過ぎるのじゃないか、あるいは、また、これに対して適切なる人体実験と申しましょうか、これが行なわれていない、こういうことが非常にわれわれとしても不安でございますが、これらについての経過、あるいはこうしたことに対する安全性の実証等についてお伺いをしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/11
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012・熊崎正夫
○政府委員(熊崎正夫君) 生ポリオ・ワクチンの安全性の問題につきましては、藤原先生御質問のように、期間が短いというふうなことをおっしゃられてはおりますけれども、実は、製造に着手をし始めましてから、国家検定を終えまして出てまいりました期間は確かに短いわけでございますけれども、しかし、その前に、政府としましては、生ポリオ・ワクチンの安全確保につきましての種々の研究段階を経てきておるわけでございます。その点を経過的に御説明申し上げます。
実は、ポリオワクチンにつきましては、生ポリの採用の前はソークワクチンを使っておったわけでございますけれども、その後、昭和三十四、五年ごろから、ソ連その他の国におきまして生ポリオワクチンの有効性が盛んに論議をされまして、わが国におきましても、やはりソークワクチンの製造を進めると同時に、片一方で生ワクチンの研究を開始したのが昭和三十五年でございます。昭和三十五年には千五百万程度の予算をとりまして、予防衛生研究所におきまして動物による安全試験の研究を開始をいたしました。それから、昭和三十六年に入りまして約一億二千万近くの予算を組みまして、まず第一に、野外実験による安全性及び有効性の試験を実施するということで、弱毒性生ポリオウィールスワクチン研究協議会という学者の協議機関をつくりまして、そこで三十六年の四月から六月にかけまして、全国の施設六千人を対象といたしまして、生ポリオ協議会が安全性の実験投与を開始をいたしたわけでございます。それからあと、引き続き三十万人の子供を対象にいたしまして、北海道、熊本、福岡でやはり生ポリオ研究協議会が実験投与を開始をいたしたわけでございます。片や各国のやはり生ポリオワクチンの実態を調査する必要があるということで、同じく三十六年の七月に国内のワクチンの学者を八人、カナダ、ソ連、アメリカ、イギリス、西独、スイスに派遣をいたしまして、約一カ月以上にわたりまして詳細な現地調査を行ないました。この学者方は、みなそれぞれ先ほど申し上げました生ポリオ研究協議会のメンバーの方々が主体をなしております。先ほど申しました六千人並びに三十万人の方々の実験投与につきましての追跡調査を、三十七年に五百万の予算を組みまして、やはり同じく研究協議会で追跡調査の検討を行なったわけでございます。したがいまして、過去におきまして、生ワクチンの安全性につきましては、厚生省としては予算も相当組み、また、研究協議会の先生方の慎重な検討のもとに生ポリオを採用すべきかどうかということをやったということは、この予算関係の一部を見ても御承諾いただけるのではないかと思います。それから続いて、国産品の生産をやりますにつきましては、過去の、いま申し上げました三十七年度までのいろいろな研究の結果を参考にいたしまして、それで、やはり過去におきまして最も安全性が確保されておるというセービン博士の株をこの際採用すべきだということで、三十五年以来研究を続けました。中身も、セービン博士の株につきましての実験投与が主体でございまして、やはりセービン博士と連絡をいたしまして、それでセービン博士の株を入れた生ワクチンの生産ということに踏み切るという措置をとりました。しかし、生産を開始する前には、やはり経口生ワクチンの基準というものをつくる必要があるということで、この基準は厚生大臣の権限によってつくられるわけでございますけれども、その基準作成にあたりましては、WHO——世界保健機構におきまして基準がつくられておりますが、それとほとんど全く同じ中身の基準を厚生省令でつくりました。したがいまして、ワクチン製造につきましては、大体基準ができ上がります際に、すでに過去の実験投与によって、これからつくられ、生産開始されますワクチンにつきましては、基準ができ上がりますときに、すでに各学者の間では、もう再びいわゆる野外実験は必要としないというふうに結論を出して、それで基準をつくりまして生ワクチンの国内生産を開始するという措置をとったわけでございます。なぜそれでは人体実験をやる必要はないのだということになりますと、これは先ほど申し上げましたように、研究協議会において数十万人の人を対象に詳細な研究をされ、それと同時に藤原先生御承知のように、三十六年の七月から八月にかけて、当時の古井大臣の御決断によりまして千三百万人分の緊急生ワクチンの投与をやり、それから三十七年にかけましては、また千七百万人を対象にいたしまして、同じくセービン博士の株によりますワクチンの投与をやってきたわけであります。三十八年以降、引き続き八百五十万、あるいは二百四十万というふうに大量に投与をやりまして、その製品はソ連あるいはカナダの生ワクではございましたけれども、中身というものは全部セービン博士の株を使っているワクチンである。したがいまして、過去の実験投与といいますものは、大体五千万人近くの実験投与を終えている。しかも、片一方において、同じことを繰り返しますが、生ワクチン協議会においても詳細な追跡調査までやっているという過去の実験によりまして、すでに安全性は十分確保されているというふうに判断をいたしまして、製造基準を昨年の七月つくりましたときに、すでに生産を開始することを予定されております。国産のワクチンについては人体実験の必要はないということを各学者も判断をいたしまして、政府もそれを追認いたしまして生産に踏み切ったということでございますので、この一月二十日に最終的な国家検定を終えまして、製品として出ました現在の国産ワクチンにつきましては、私どもとしては安全性は十分に確保されているという自信を持っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/12
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013・藤原道子
○藤原道子君 いまの人体実験を過去において五千万人かでやってきたということでございますが、これは輸入ワクチンでございます。国産ワクチンは今度初めて使うわけです。子供を小児麻痺から守る運動をやっていらっしゃいます中央協議会、ここで出されておりますニュースを拝見いたしますと、この中に、外国製薬を国産する場合、同じ製法、同じ内容のものでも、製品を販売するには、二年間の野外実験をして安全性を確かめなければならない、これが薬事法できめられているにもかかわらず、政府はこれをやっていない、こういう記事が載せられているわけです。私は不勉強でございまして、昨日これを拝見しまして、薬事法をいろいろひっくり返して研究してみましたが、これがどこにも出ていないのでございますが、薬事法にそういう規定がございますか。ありとすれば何条にあるのか。もしこれが、薬事法の規定があるにもかかわらず、それをやってなかったということになると、これは問題だと思う。その点についての御説明お願いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/13
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014・熊崎正夫
○政府委員(熊崎正夫君) 薬事法の中に、先生ただいまお読み上げになりましたような規定は全然ございません。何かの誤解ではないかというふうに考えておりますが、ただ、いわゆる医薬品を製造する場合には、これは新しい薬でありますると、やはり治験例といいますか、実験のデータが必要でございまして、二つ以上のしっかりした研究機関において——主として大学病院あたりが多いのでございますが、そういったところで、最低二カ所以上の試験研究機関において六十以上の実験の例がなければこれはいかぬというふうなことで私ども製薬メーカーに指導をいたしておりまして、そういう実験データをとるという場合に、相当な期間が必要であるということは想像できるわけでございます。それがまあ大体一年とか二年とかという期間を要する場合もございますし、場合によってはあるいは半年で済む場合もあるだろうと思いますが、少なくとも二年間とかいうふうな行政指導なり何なりを私どもがやっておるということは全然いたしておらないわけでございますから、何らかの間違いではないかと思います。
〔委員長退席、理事高野一夫君着
席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/14
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015・藤原道子
○藤原道子君 実は私、非常に心配でございますので、昨日、北里研究所へ、つまり生ワクの今度製造している現地を視察いたしましたし、それから、責任者である笠原博士にもいろいろ伺ってまいりました。ところが、あなたのほうのお考えではいまのような御答弁でございますが、実は人体実験というにはちょっと当たらないが、親御さんたちからちゃんと承諾書を得て、東大で百人、慶応、慈恵その他で三百人の実は実験投与をいたしております。しかし、これに対して何ら異常は認められていないというようなことのお話がございました。厚生省ではそういうことをしてないと言っておるが、これは発表してもいいのかと言いましたら、けっこうでございます、こういうふうなことでございましたが、もしこれをやったとして、北里研究所で言うように、人体的な影響はあったかなかったか、その点を伺いたいことが一つ。さらに外国品でいろいろ実険してきたから、国産品はセービン株と同じものを使っておるんだから絶対心配はない、こう言い切られまして、もし万一これによっての異状、後遺症等が起こりました場合には、あげてこれは国の責任だと思いますが、そういうことに対してのお考え等もございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/15
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016・熊崎正夫
○政府委員(熊崎正夫君) ただいまのお話ですと、学者の方々が数百人の子供を対象にして実験投与をやっておられるというふうなお話でございますが、私どもはそういう話は聞いてはおります。しかし、先ほどから再三申し上げておるように、この国産生ワクチンにつきましては、野外実験をやる必要はないという私どもは正式の見解を表明いたしておりますし、また、そういうふうに信じておりますので、厚生省側からこういうことをやったほうがいいとか、それが望ましいとかいうふうなことを指導したりなんかした事実は全然ございません。ただ、大学の研究者の方々が自主的にそういう研究を続けておるというふうに私どもは拝承いたしておるわけでございます。
それから、事故があった場合の点につきましては、公衆衛生局長のほうから御答弁いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/16
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017・若松栄一
○政府委員(若松栄一君) 予防接種というものは、ワクチンを使いますものは、ワクチンには場合によっては何らかの副作用がございます。しかし、ある程度の副作用はございますけれども、重篤な事故というものは予想いたしておりません。しかし、ワクチンそのものが悪いということでなしに、何らかの間違いで事故を起こしたことは従来にもございます。もしその間違いが、公権を執行する者の過誤あるいは過失、こういうふうなことでございまして、当然国が責任を負うべきものである場合は、当然国家賠償の責任に応ずることになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/17
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018・藤原道子
○藤原道子君 さらにお伺いいたしますが、こうした大事な製薬でございますから、これが株式会社として発足したというところに、私どもは割り切れない気がしてならない。これに対して、当然国が責任を持って行なうべきものと思うのです。それから、さらに、ソ連にしてもカナダにしても、相当国が援助して、そうして株式会社というような営利事業にゆだねているということは、私の知る限りでは、ないように考える。これを、国の責任でやるべきものを、しかも、株式会社として、前にソーク・ワクチンでいろいろ問題がございましたその六社にゆだねた、六社が株式会社として発足したという点が私たちは納得がいかないわけです。株式会社というと、六社のみがやるわけですね。日本生ポリオワクチン研究所、こういうことの名前で発足したわけですが、これを株式会社とされました理由——これでは価格の点において、利潤の点において国民に不安、疑惑を抱かせますことはあたりまえだと思いますが、これに対して国はどういう見解を持っておいでになるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/18
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019・熊崎正夫
○政府委員(熊崎正夫君) 現在、国産生ワクチンをつくっておりますのが株式会社であることは御指摘のとおりでございます。ただ、ワクチン製造につきましては、現在、大体六社ということになっておりますが、この六社の内訳をごらんになりますと、武田薬品、それから東芝、この二社を除きまして、あとの四社は財団法人であるわけでございまして、いわゆる公益法人でワチンクのメーカーになっているというのが四社でございまして、純粋の会社といいますのは、あと残り二社だけでございますから、そういう意味で、純粋のいわゆる商社というふうな考え方でないことはあらかじめ御了承いただきたいと思うのでございます。それで、なぜそれじゃ国でやらずにそういうふうな会社をつくったのだということにつきましては、これはいろいろ問題の存するところだろうということは私どももわかるわけでございますけれども、しからば、国でやるといった場合に、どこでやるのが適当かということになりますとすれば、おそらく藤原先生は、国立の予防衛生研究所があるじゃないか、そういうところでなぜやらないのだというような御疑問を持たれると思いますけれども、実は、ワクチンにつきましては、検定をやるところと、それから製造をやるところは、さい然と分けなければならないわけでございます。したがいまして、予防衛生研究所は検定をやるところであって、そこで別個に製造するということは考えられないわけでございます。やはり何らかの国の機関をつくってやらなければならない、こういうことになるわけでございますけれども、その点は、こういう生ワクチンをつくる場合に、生ワクチンの製造は大量に製造ができるわけでございますし、つまりロットというものが非常に大きいということで大量に製造ができますし、また、ワクチン・メーカーという六社につきましては、非常に日本のワクチン学者が全部それぞれタッチをいたしておりまして、従来とも、各種のワクチンにつきましての実績を持っておりますし、数社にやらせるよりも、それぞれの社から出資をさして一つの会社をつくってやらしたほうが適当だというふうに考えまして、一億二千万の資本金を持つ研究所をつくったわけでございます。それで、この研究所ができ上がる前に、先ほど来申し上げておりますように、国としましては、三十五年度以降、一億数千万の国家資金を投入をいたして研究を続けておりまして、その研究が終わったところで国産ワクチンの製造に踏み出したわけでございますから、いわば昨年から製造開始をする前の段階におきましては、相当な国の予算を使っておる、その結果に基づいてこういう会社ができたのだと、こういうふうに御了解をいただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/19
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020・藤原道子
○藤原道子君 そこが納得いかないのです。国が相当の金を出してここまで育成してきたわけです。それを株式会社にしなければならないというところがおかしい。きのう研究所の説明によると、いろいろ六社が、公益法人と、それから何というのですか、株式会社とあるので、資金を出すためにいろいろ不便があってこういうことにしたというようなことでしたけれども、各出資者は二千万円づつだというのです。そこで、私は、それだけでできるはずがないと思うのです。やっぱり国が何らかの援助をしなければならないとすれば、公益法人なり財団法人なり——利潤追求の株式会社にしたということは、私はどうしても納得がいかない。しかも、それだけじゃございません。今度の生ワクは、昨年度は十七円でした。今度は四十七円だというのですね、非常に価格が高いのですよ。それで、私いろいろこれは問題だと思いまして調査いたしました。ところが、いまあなたは、予研——公衆衛生研究所ですか、ここは研究をするところです、製品をつくるところは別個にしなければならないとおっしゃる、それはそうだと思うのですよ。ところが、ここにどうも納得がまいりませんのは、三百万人一ロットの検定料が三千四百万円取られているのです。国の責任でやるべきはずのこうした生ワクに対して、諸外国では国が援助をしているのです。国が援助をしてつくらしておる。それは私は、どう考えてももうかるはずのないワクチン製造に国が責任を持ってやれというのが私たちの主張なんです。それにもかかわらず、同じ国家の機関で一ロットで三千四百万円も検定料を取っているということはおかしいのです。というと、三百万人で三千四百万円ならば、一人十何円かになるのですよ。これだけの価格は国が取っているのです。どうしてそういうことをしなければならないのか。これが納得まいりませんが、どういうわけです。何かこれは、基準が非常にむずかしい検定だそうでございますから、三千四百万円が高いというのじゃないのですよ。もっと金かけて検定してよろしいと思うのです。けれども、ワクチン製造業者からこの検定料を取るというところに私には納得のいかない点があるのです。これはどういうわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/20
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021・熊崎正夫
○政府委員(熊崎正夫君) 国の検定機関であります予防衛生研究所、あるいは国立衛生試験所が検定をする場合に検定料を取るのは、これはたてまえ上当然でございまして、いわゆる生ワクの研究所として発足しました国産ワクチンのメーカーが、でき上がりました製品について三千万円以上の検定料を負担せなければいかぬということは、これは私はいわゆるコマーシャル・ベースで生産を開始した会社としてはしかたがない、こういうふうに考えておるわけでございますが、ただ、藤原先生は、会社でおやりになるのがおかしいので、なぜ国でやらないかという御主張でございますけれども、日本のこれまでの戦後とってまいりましたいわゆるワクチンにつきましての指導方針としましては、あくまでもやはり民間の会社を育成していくという、コマーシャル・べースに立った育成のしかたをずっとやってきておるわけでございまして、これは生ワクチンに限らず、痘苗から、その他一切のワクチンにつきまして、やはり会社でつくったものを厳重に検定をして、それで製品としていくという方針をとっておりまして、アメリカ、カナダ、そういった自由主義諸国家が共通にとっている方針に従って、私どもはそれが妥当だということで判断をしてやってきたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/21
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022・藤原道子
○藤原道子君 外国では国が援助していると私は言ったのです。それなのに、その援助をしないどころじゃなくて、検定料まで吸い上げるところが私は納得がいかない。
さらにお伺いしますが、予研のすべての検定料の中に生ワクの検定料の占める率を伺いたい。相当額にのぼっているというふうに聞いている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/22
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023・熊崎正夫
○政府委員(熊崎正夫君) ただいまのところ、予研の検定料の歳入の中で、生ワクの検定の歳入はどのくらいになるかというはっきりしたパーセントの数字は持っておりませんので、いずれこれは調べた上で回答いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/23
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024・藤原道子
○藤原道子君 私の聞くところでは、検定料の中の三分の二から三分の一の間くらいだというふうに聞いている。そこで私は悲しいのです、日本のやり方が。小児麻痺というものがどういう病気か、子をかかえた親の苦労、そして、また、発生したときの国の騒ぎを考えると、これは当然国の責任で生ワクは無料で投与すべきだ。それを今度は株式会社にゆだねて、国の補償はない。さらに検定料を過酷に取り立てている。もう私は過酷ということばをあえて使う。そのはね返りが全部子供の上にかかってくるのです。そういうところが私たちが追及したいところなんです。きょう大臣がおりませんから、こういう点は大臣と問答をしたいと思いますが、私はこういうふうな考え方です。しかも、予研の収入の中に生ワクの検定料がばく大に占めておる。日本は、予防接種の子供たちから吸い上げなければ日本の研究機関はやっていけないのかと言いたい。ここに私は大きな問題がある。それが後手後手になってきて大騒ぎをする結果になるのだと思うのです。これはあなたとやってもしかたがございませんから、今後大臣に伺いたいわけです。
さらに、安全性の問題で、昨年カナダの薬に異常な問題があったというようなことで、各国にデータを求められたやに聞いております。諸外国から生ワクのデータ、これが寄せられているかどうか、その内容もあわせて伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/24
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025・若松栄一
○政府委員(若松栄一君) 御承知のように、一昨年カナダで用いましたワクチンの中で3型のワクチンがどうも麻痺を起こしたかもしれないという疑いが持たれました。したがって、それを綿密に調査いたしました結果、カナダにおきまして四百万人接種した中で、四名の軽い麻痺の起きた患者がワクチンとの関係を否定できない——明らかにワクチンによって起こったという意味ではございませんが、ワクチンとの関係も否定ができないという報告がございました。そのほか、その後引き続きまして、アメリカにおきましても、同じように注意深く調査研究をいたしました結果、約千三百万人接種した中で、やはり同様に3型ワクチンとの関係が否定できないという形のものが約十一例出ました。しかし、これはいずれも非常に軽いものでございまして、重篤な症状には至っておりません。そのようなことがございましたので、アメリカにおきましてもカナダにおきましても、一時この投与の形を変えまして、たとえばおとなにはしばらくやるな、小さな子供には害がほとんどございませんでしたので、小学校以下の子供はそのままやってよろしいが、おとなについてはしばらく調査の結果がわかるまで待とうというような措置が行なわれまして、そこで、さらに追跡いたしました結果、これはそれほど問題にするにあたらないということで、そのような制約が一切解除されまして、現在では世界各国とも3型については何らの制限を付する必要はないという結論になっておりますので、私たちもそれに従ってやっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/25
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026・藤原道子
○藤原道子君 ソ連のデータはきておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/26
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027・若松栄一
○政府委員(若松栄一君) ソ連にはそのようなデータがございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/27
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028・藤原道子
○藤原道子君 データを求めたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/28
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029・若松栄一
○政府委員(若松栄一君) 私どもいろいろなものに発表されるものを収集いたしておりますが、ソ連においてはそのような発表がないと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/29
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030・藤原道子
○藤原道子君 私は、たいしたことじゃないというようなことではなく、日本の場合はもっともっと真剣にやってほしいということを強く要請します。さっき国家補償のことを明言されましたので、その点はさておきまして、そこで、お伺いしたいのは、非常に今度の価格が高いことは前にも申し上げたとおりなんです。松戸あたりでは一人六十円くらいで接種をしている。私は、予防接種のたてまえから考えまして、全額国の負担でやるべきだ、こう考えている。予防接種に類するものは、先進国ではほとんど無料でやっているやに聞いている。アメリカなんかでも非常に安い、無料のところが多いように聞いておる。これをなぜ無料に踏み切れないのか。人づくりをやかましく言うならば、まず子供のときから健康に育てていきたい。そのためには、国がそのくらいの責任を負うのは当然だと考えておりますが、価格の問題について、さらに生ワクの負担、これはどういうふうな率でいまやっておられるのか。将来は私はこれは必ず無料にしていきたい、こう考えておりますが、それに対してのお考えを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/30
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031・熊崎正夫
○政府委員(熊崎正夫君) 公費負担問題につきましては公衆衛生局長から御答弁いただきたいと思いますが、価格の問題で、私ども末端価格四十七円というふうに申し上げておりますが、松戸のほうで六十円という話は、これはワクチンの価格以外に、いろろな接種の手数料というものが加味されまして大体六十円近くの値段になったというふうに私どもは承知をいたしております。
それから、四十七円というのは非常に高いのじゃないかというふうな御意見でごさいますけれども、実は、先般の委員会におきましても私ちょっとこの問題に触れましたように、過去におきましても、第一回に古井元厚生大臣のときにやりましたソ連の生ワクチンの単価は三十円でございます。それで、当時の三十円、いわゆるソ連の輸入ワクチンでございますから、これに検定料も入っておらないし、それから梱包して現地に届ける梱包代、あるいは希釈液とか、そういういろいろな諸掛りに類するものは入っておりませんので、そういったものを全部原価計算してみますると、大体三十円プラス十円くらいということで、当時の第一回にやりました三十円の値段というものは、それに諸掛りを入れますると大体四十円くらいになるということで、まあ、四十円と四十七円、まだ国産ワクチンのほうが高いわけでございますけれども、しかし、そうべらぼうに高いような値段ではないのじゃないか、こういうふうに私どもは考えておるわけでございます。
それから、前にさかのぼって恐縮でございますけれども、最初に私が御説明申し上げましたように、生ワクの生産に踏み切る前に、国としましては一億数千万の経費を少なくともかけておる。本来からいえば、こういうワクチン製造につきまして国が直接相当な経費をかけるということは 普通の場合にはないわけでございまして、やはり研究の経費といいますのは、薬の場合を例にとりますと、それぞれ業者のほうで負担をしているわけでございますが、政府としましては、やはりこういう生ワクチン製造の重要性ということを考えまして、過去において研究経費として一億円以上の金をかけ、また、予防衛生研究所におきましても、生ワクの検定を行なうためにいろいろな庁舎をつくり、いろいろな機械を買ったというふうな事実がございますので、その辺もあわせてお含みおきをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/31
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032・若松栄一
○政府委員(若松栄一君) 最初に、先ほどの御答弁の中で、ちょっと訂正させていただきます。ソ連関係の事故の例につきましては、一昨年の十一月に外務省を通じて照会を出したそうでございますけれども、回答が得られなかったそうでございます。これだけ訂正させていただきます。
次に、予防接種を公費で負担いたすべきではないかという御意見でございますが、現在御審議をいただいております予防接種法は、御承知のように、昭和二十三年の法律でございまして、このころはまだ日本の国力もございませんでしたし、また、地方財政等もなかなか窮屈でございましたので、全般的にこれを公費によるというようなことでなしに、やはり国民がみずからも受益するところがあるのだから、国民の負担でやってもらいたいという趣旨が盛られたわけでございます。しかし、お話のように、これは強制接種でございますし、本人の受益もさることながら、社会防衛的な意味もございますので、公費で負担するということは当然考えてしかるべきものだと思います。諸外国の例を申しましても、われわれが手元に資料を持っておりますものでは、半数くらいの国は公費で負担しております。半数くらいの国は、一部のものについては公費を負担されております。そういうような情勢でもございますし、また、現在の日本の経済的な発展の情勢から見まして、やはり大幅に公費負担をしていくという考え方で将来は進めていきたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/32
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033・高野一夫
○理事(高野一夫君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/33
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034・高野一夫
○理事(高野一夫君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/34
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035・藤原道子
○藤原道子君 そこで、いまの局長の御答弁で、ソ連の分には検定料が入っていないから、外国製品だからということですね。私の聞いたところでは、昨年輸入のお薬にも、やはり四カ月ぐらいかけて検定を行なっているというふうに聞いているんですが、そうすると、その検定料は、緊急投与であるから国が負担したのですか、それとも、外国のものはそのままやるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/35
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036・熊崎正夫
○政府委員(熊崎正夫君) 緊急投与でございますので、予防衛生研究所で全部負担するということになっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/36
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037・藤原道子
○藤原道子君 それならばわかるのです。
そこで、いま非常に危険だということで、横浜をはじめ、各地でもう日本の製品は不安だ、ソ連製の生ワクを入れてほしい、そういうことはできないものだろうかというふうな不安な気持ちでいられる、そういうまあ要望もきているわけです。これに対してはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/37
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038・熊崎正夫
○政府委員(熊崎正夫君) 国産ワクチンにつきましての安全性については、先ほど来申し上げておりますように、私どもは十分安全性は確保されておりますし、ちょうど二月から三月にかけまして投与期間になっておりますので、国民の御理解によりまして、すみやかに生ワク投与の計画数量が完全に接種が完了することを私どもは強く期待をいたしているわけでございます。一部に、ソ連から生ワクを輸入してやったほうがいいというふうな御意見があることは私も承知をいたしておりますけれども、しかし、ソ連の生ワクチンを輸入するというふうに考えた場合にも、これは輸入したものは必ず過去におきましても検定をいたしているわけでございますから、これからソ連のワクチンを輸入してやるとすれば、やはり検定をやらなければならない。検定には、先生御指摘のように、大体において四カ月はかかるわけでございます。そうしますと、私どもの計画としましては、大体流行期が六月以降に始まりますので、おそくも五月一ぱいまでには全部の接種を完了しなければならぬわけでございますが、検定のために四カ月おくれてしまうということになりますと、流行期にワクチンの投与がないままに子供は突入するわけでございますから、どのような不測の事故が起こるかもわからない、したがいまして、私どもとしましては、外国の製品がいいからそれを入れろというふうな一部の声に惑わされずに、国産生ワクチンの安全性を国民の皆さんに信頼していただきまして、すみやかに二月、三月の第一回投与分を終えるように、各県にそれぞれPRをつとめてお願いするように努力をいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/38
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039・藤原道子
○藤原道子君 それならば、もっと懇切丁寧に理解を求めるなら求める方法があろうと思うのです。私の手元にきましたこれ見ますと、各地で不安なおかあさん方の気持がよくわかるでしょう、あなたは。あれは危険だといわれれば、わが子のためにはどんなことでもしたいというのが親の気持ですね。したがって、各県へいろいろ運動に出かけているわけなんです。ところが、それに対して、なに不安ならやらなくてもいいじゃないか、不安ならやるなというような官僚的な権柄ずくの答弁があったとか、あるいは陳情に行っても十分な説明が聞かれない、大丈夫だからやれ大丈夫だからやれという、その一点ばりだ。それにはこういう経過を経て、こういうことをしてこうなんだから絶対に大丈夫ですという確信があるなら、そういうふうな理解を求める、納得せしめるというところに欠けているのじゃないか、そういうことが今日いろいろな問題を起こす原因になっているのじゃないか。埼玉とか京都とか、いろいろきておりますし、東京からもきております。こういう点については、そうした高圧的な態度でなく、理解を求めることが必要ではないか、これは強く私は抗議をしておきたいと思います。
それから、同僚藤田議員が一昨年だったか、予算委員会で御質問していらっしゃいます、この生ワクの問題で。その中で、年齢を生後一年半なんてけちなことをしないで、もっと学齢児童まで、義務教育ですか、この年齢までやるべきじゃないか、たしかそういう御趣旨の御質問があったと思います。そのとき池田総理の御答弁等から見て、私たちはそういう方向へ踏み切っておられると思っておりましたが、今度も相変わらずなんです。もっと年齢を私たちは今度は学齢まで、次は義務教育全員、そうして二十くらいまでは生ワクの投与をやるべきだと考えますが、これに対してのお考えを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/39
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040・若松栄一
○政府委員(若松栄一君) 小児麻痺という病気は非常に感染の機会の多い病気でございまして、しかも、大部分がいわゆる不顕性感染、症状のあらわれない感染でございまして、そうして免疫を獲得してまいります。したがって、現在のようなポリオワクチンというものが使われない以前におきまして、大体国民の免疫度をはかってまいりますと、大体十二、三才でほとんど九十数%が免疫を獲得いたしております。つまり生まれてから十二、三才までの間にほとんどの国民が全部感染を受けて、そして免疫を得ておるというのが日本の実情でございまして、これがもう少し文化生活といいますか、環境衛生等がもう少し高まりますと、逆にこの免疫を獲得するまでに年齢の高いところまで時間がかかります。したがって、そういうな関係で、日本におきましては子供だけがほとんどかかっておりまして、それ以上は、学齢以上はほとんどかからない、アメリカあたりでは、学生あるいはおとなもこれにかかるというような状況でございます。そういうことで、日本におきましては十二、三才以降においてはほとんど免疫ができておりますので、この三十六年以降の大量接種におきましても、十二、三才以下のものについて臨時応急の免疫を与えまして、したがって、これで日本の国民は、生まれてからお年寄りまでほとんど免疫が与えられたということになったわけでございます。したがって、今後は新しく生まれてくるお子さんだけを定期的にやっていけば、国民のほとんど全部が安心であるという状況になっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/40
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041・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 免疫とおっしゃるのですね。免疫の根源はこの前資料など読んで、非衛生的な面も通じて、免疫になったとおっしゃるんですけれども、私は学者じゃないので、そういうことはよくわからないが、免疫の期間というものは大体どのくらいか。一ぺん免疫になったら一生免疫になるのか。そういうことなら、三十五年、六年のあの盛期に、相当年の多い日本人がかかっておるわけですから、そうも言えないと思うのです。その原理をひとつ聞かしていただきたい。文化的になったら云々というお話でありましたが、この前資料によると、アメリカでは一才から四十何才まで同じような率で罹病率があるわけですから、免疫というのはどれだけの効力があるのかというところをまずひとつ聞かしてもらいたい。そして、あなたのおっしゃる話を聞いておると、生まれた子供だけやっておけば、あとはみんな免疫で安心だということを一〇〇%受け取っていいのかどうか、そこのところあたりを少し学術的に話をしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/41
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042・若松栄一
○政府委員(若松栄一君) 小児麻痺の免疫は、一度獲得すればほとんど一生と考えていいといわれております。ただし、これが絶対であるかどうかということは学問的な証明ができませんので、いかんともいたすことができませんが、少なくとも二度かかる人間は絶対にございませんし、日本におきまして高年齢でかかるという人がほとんどございませんし、そういう意味から、小児麻痺というものは、いわゆる不顕性感染を受けた場合、つまり全然発病しなかった場合でも一生の免疫が得られるというふうに考えて差しつかえないと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/42
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043・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 それは学術的にも実証的にも明らかにしていいわけですね。そこのところを私は聞きたい。そうでなければ、あなたのおっしゃることをしているなら、日本の要するに終末処理関係を通じて免疫になるというのは一貫した主張だ。文化生活になったら免疫にならぬということはあの当時の理論の中心だった。ところが、年のいったのも相当かかったじゃないですか、あの当時。そういうことで、どういう方法でそういうことをされたのか。外国のデータを見ると、四十何才といっても同じ率でかかっておる。そこのところあたりが明らかにならないと安心ができない。それで、あなたのおっしゃるとおりいいというなら、それは生まれた子供だけやっておけばそれでいい。私らも納得しますし、国民も納得すると思う。しかし、そこのところがまあまあだというようなことでいいんですか。これはひとついま答えがすぐ出なければ、私は、学術的に明らかにその問題をしていただきたい。それが議論の中心になるのですから。よその国のデータを持ってくると、四十幾つまで同じ罹病率がある。それは文化国家かというと、アメリカにしたって、そんなに全部が全部文化的な生活をしておるわけじゃないんですから、そこのところあたりが明らかになれば、私はこの問題を議論をするのが非常に省けると思うのです。確信を持ってひとつ確実に証明をしてもらいたい。そうすれば、私は、このデータから十八カ月ということ、いままでやってないところで十八カ月でいいのか十カ月でいいのか、そういう問題は、そこのところは確信を持ってきょう答えができなければ、次の委員会でも明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/43
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044・藤原道子
○藤原道子君 最近生ワクの問題が各国ともにいろいろまだ研究過程ですね。ソ連あたりでも二回投与しなければならないのじゃないか、その間隔はどのくらいにしたらいいかというようなことを検討されているというふうに私は聞いているのです。そういうこともあわせて、いま藤田議員の御質問の答えとともにお聞かせ願いたい。
それから、後進国では赤ちゃんに多く発生する、先進国は年齢に差別なく発生しているというようなことをこの間も聞いたのですけれども、そういうことで、私たちいつまでも後進国後進国という考え方も持っていらっしゃらない、大国と言っていらっしゃるのですすから、どんどん整備されているのですから。それから、流行期においては高校生も出ておれば、二十過ぎた人も罹病し、五十何才の人も罹病しているでしょう。そういうことがあるとするならば、この際、やはり年齢を引き上げるのが妥当であるというふうに、私たちは不安を持つからお聞きしているのです。藤田さんと同じように、私も学者じゃありませんから、学問的に立証されればそれで納得いたしますが、この点を明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/44
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045・高野一夫
○理事(高野一夫君) 若松局長、学問的の説明が非常に時間がかかるようでしたら、資料にまとめて提出されて、この次さらにその資料に基づいて説明されてけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/45
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046・若松栄一
○政府委員(若松栄一君) 結論的なことだけを申し上げておきますが、私どもが免疫があると言いますのは、国民の一部を抽出的に選びまして、その人たちの血清の中に持っている中和抗体の値を調べているわけでございます。私ども数年来から流行予測調査という事業をいたしておりまして、国民の中の一部について、ポリオの中和抗体がどのくらいあるかということを、全国各地の地方衛生研究所等を使いまして、相当数の人数について調査いたしております。その結果が、いま申し上げましたように、十二、三才以降になりますと、ほとんど九十数%の免疫に達する、それまでは生後から一年一年免疫を持っている率が高くなってきます。したがって、現在の段階におきましては日本人の免疫の保有状態から考えまして、十二、三才以降を免疫にすれば、それ以降のものについては緊急投与その他の方法による免疫は必要がないというふうに申し上げたわけでございます。データ等についての資料は後刻また差し上げて御説明申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/46
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047・徳永正利
○徳永正利君 局長、九十何%はだいじょうぶだ、あとの何%かが残るわけだと思うのですが、それはどうでもいいんだというわけじゃないだろうと思う。何かあなたの答弁は、ちょっと聞いているとすれ違いがあるようです。九十何%といっても、とにかくそういう病気には一〇〇%なってもらいたくないし、ならしちゃいかぬのです。そこをどういうふうに押え込むかということを一応基本に置いて、あとはもう必要ございませんというようなものの考え方、ものの言い方というのは、ちょっと私ども納得できません。その辺をもう少し考えてもらいたい。この次の委員会で資料も添えて説明があるそうですから、そのときにとくと伺いたいと思います。そこをもう少し研究してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/47
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048・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 私は、われわれのこの委員会で多少なりこの問題を突っ込んで議論するということで終わることではないと思う。一度かかったらもう不具者になるのですから、その心配は国民こぞっての心配ですから、国民が納得するようなたてまえで、学術的にきちっと説明されないと、私たちのここの議論だけで、われわれだけが納得したかせぬかの状態でこれは政治的に処理する問題でない、生命に関する問題ですから、そういう意味で、ぜひデータ等を説明をしていただきたい。この次でけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/48
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049・高野一夫
○理事(高野一夫君) 若松局長の学問的資料ですけれども、あまり学会で発表するような書き方ではわれわれわからないから、学問的であり、かつ、われわれしろうとにもわかりいいような資料にしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/49
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050・藤原道子
○藤原道子君 しろうとにもわかるような学問的資料を要求するのですが、おたくで出した資料の中に、こういうことを書くからよけい誤解を招くのだという記事がある。これは「「経口生ポリオワクチン基準」に適合するものであり、かつ厳重な国家検定に合格」、そこまではいいのですが、カッコして、「(三十九年一月二十日予定)したものである。」と、こう結んである。そうすると、厳重な国家検定試験に合格したものであるといいながら、カッコして、一月二十日予定なんていう記事が出ている。これなんかもずいぶん人を食った資料だと思う。これではだいじょうぶだろうと見込んでやったんだというようなことを言われても、これは弁解の余地なしだろう、こういうことも、もっとしろうとにわかりやすく、それから三十八カ月なんて書かなくたって、三年何カ月というふうにしたっても、そのほうがしろうとにもわかりいい、こういうふうに考える。さらに、私は最後に確認しておきたいのですが、もしも支障があった場合、明らかに生ワク投与によって支障があったという場合には国家補償するということ、それから、もう一つは、薬事法云々ということは薬事法にはないということ、それから、環境衛生局長から、二十三年に制定した法律であるから、その当時の国情から推して予防にも金を取っているけれども、いまの事態はやはり検討の段階にきておると言われたこと、これらを私は確認いたしまして、たいへん委員長はお急ぎのようでございますから、私の質問はきょうはこの程度にしておきます。いずれまたあらためて大臣にもいろいろお聞きしたいことがありますが、きょうはこの程度で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/50
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051・高野一夫
○理事(高野一夫君) 別に御発言もなければ、本件に関する質疑は、本日のところはこの辺でおさめたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/51
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052・高野一夫
○理事(高野一夫君) 御異議ないと認めます。
午後は篠田病院閉鎖事件について、東京都から医務部長、保護部長を参考人として呼んでありますから、御出席願います。
暫時休憩いたします。
午前十一時五十八分休憩
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午後一時十七分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/52
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053・鈴木強
○委員長(鈴木強君) ただいまより再開いたします。
本日は、唯生会篠田病院の閉鎖問題に関する調査のため、東京都衛生局医務部長斎藤三郎君及び同民生局保護部長高鍋三千雄君を参考人として御出席をお願いしております。
社会保障制度に関する調査を議題といたします。御質疑のある方は、どうぞ順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/53
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054・藤原道子
○藤原道子君 私は、この際、まず、政府当局にお伺いしたいと思います。都下の篠田病院に起こりました病院閉鎖の問題でございますが、突然、赤字であるから病院を閉鎖する、一カ月後に全員病院を移ってもらいたい、こういう一方的な突如としての申し出なんです。これに対して、御案内のように、病院におきましてはいろいろ問題が起こっていることでございますが、私どもが断じて見のがすことができないと思いますのは、まだ患者が厳然として八十数名残っておる。きょうあたり二十七名くらいに減っているかもわかりませんが、とにかく患者が残っているのにもかかわらず、給食を停止、これは二月の二十一日に申し出たことでございますが、病院で薬も支給しない、患者がいるのに給食も停止する。それから、労働者に対しても、一月分の賃金がいまなお七千円支給されたばかりで、あとは全然考えられていない、こういうことが起こっているのでございますが、これに対して厚生当局はどういうふうな見解を持ち、どういうふうな指導をされてこられたか、まず、この点からお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/54
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055・尾崎嘉篤
○政府委員(尾崎嘉篤君) お話の篠田病院につきましては、たしか三十七、八年ごろから経営状態が悪くなりまして、土地を売り払ったりして赤字を消そうといろいろ努力をしておったようでありますが、その経営が何ともならない状態になってきて、お話のように、三十九年一月六日に、二月五日ごろに経営困難のために病院を閉鎖したいということを患者とか職員のほうに連絡したようでございます。それから、患者さんに付近の病院に移るようにケース・ワーカー等とその他で交渉をしたが、なかなかそれにがえんじないというふうなので、ずるずると二月に入ってき、そこで厚生省のほうにも——私のほうの指導課長が相談を受けたりして、東京都のほうの衛生当局、また、民生当局の方々にもごあっせんを願ってやっておった。ところが、お話のように、二月二十一日ごろに、いままで使っておりました薬剤とか重油がなくなって、そういうような状態で給食または薬剤の投与ができなくなった。こういうような状態で、これは病院側の話によりますと、経営状態が悪くて不渡りを出すというふうな状態で、そういうふうなものが買えないんだというふうなことで、まあそういうふうなことを大体予見できておるので、患者さんにはほかの病院に移ってくれ、こういうふうに言っておったんだと、こういうふうに私は聞いておりますが、なお、職員についての給料も経営状態が悪くて出せない、これを出せと言っても、出せないものははたから何ともならぬのじゃないかと思いますが、厚生省のほうは、こういうような緊急事態に対しましてあっせんいたしまして、たとえば薬剤等につきましては、国立療養所のほうから少し融通をするというふうにして、応急措置はとられてきていままでやってきておるわけであります。早く関係者の了解によりましてこの問題が解決することを望んで、東京都のほうでいろいろ御努力をしてもらっておる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/55
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056・藤原道子
○藤原道子君 私は、いまの御答弁で、どうも聞き捨てならないと思うんですが、労働者の賃金は、経営状態が悪くて払えないものはしかたがないというように私は受け取ったんですが、そうおっしゃったんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/56
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057・尾崎嘉篤
○政府委員(尾崎嘉篤君) まあしかたがないというよりも、いまの病院側の言い分では、経営状態が悪くて払えないでおると、こういうふうに私は聞いておりますということでございまして、もし、しようがない、やむを得ないんだというふうに申し上げておりましたら、これは訂正さしていただきます。そうは申し上げなかったように思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/57
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058・藤原道子
○藤原道子君 そういうふうに聞こえた。私は、そういう指導だから問題だと思うんです。経営状態が悪いというけれども、いろいろ内容を調べてみますと、あそこの病院へは一回も顔を出していない理事であるとか、それから篠田さんがやっておる新宿にある篠田診療所のお医者さん、看護婦さん、これらの給与が全部篠田病院から出ている。それから、借金借金というけれども、借金は親戚だとか細君だとか、子供までが債権者になっている。それでもって、経営が悪いから、だから病院は閉鎖するんだ、おまえらかってに病院を移れ、こういうふうでは日本の医療はめちゃめちゃだと思うんです。さらに私がどうしても納得ができませんのは、いまあなたが江間指導課長が相談に乗っている、こういうふうにお話になりましたが、一月の十二日ごろかに篠田病院のほうから御相談に行ったら、江問指導課長は、結核は先行きが暗いから、他の科目に転向したほうがいいのじゃないか、こういうふうに示唆したと言うのです。私は、個人的に言われたのだと言われるかしれないけれども、少なくとも指導課長だ。病院がいま再建ができるかどうか、患者は他へ移されても——これらの人は命入患者が半数ですか、そうしてあとが生保であり、日雇い健保であり、健康保険、かってに出ろと言ったって、いますぐそういうことができるかどうか、ここに問題があると思う。だから、私たちは、指導しているとおっしゃるかもしれないけれども、これに対しまして、病院側の看護婦長も知らない、お医者さんも知らない、突然福祉事務所から患者を連れ出しに来る、それで途中で連れに来た人を見てびっくりして、どうしたのだと言ったら、福祉事務所から迎えに来た、こういうことがあっていいのでしょうか。少なくとも病院なんです。これはどうお考えになるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/58
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059・尾崎嘉篤
○政府委員(尾崎嘉篤君) 私が聞いておりますのは、指導課長は、二月の一日に組合のほうの方が来られたり、また、二月三日に東京都の方と病院側と話し合いをしましたときに、私たちのほうで、よく御指導してあげるようにと、こういうことを示唆しているというふうに聞いております。それから、いま生活保護等につきまして、病院の婦長さんとか医師の方が知らなかったというふうなことでございますが、その点は私どものほうもその状況を明らかにしておりません。できるだけはっきりして、その病院の事務当局、また、担当のお医者さん、看護婦さん等にもわかってもらってやるのがこれはいいと思いますが、その状況はちょっとここで私存じません状態でございまして、お答えしにくいわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/59
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060・藤原道子
○藤原道子君 私はそうでなければならないと思うのですが、現実には生活保護患者なんかは、福祉事務所が恩恵的な態度で、めんどうをみてやっているのだから、こっちに移れと言ったら移るのがあたりまえだ、こういうふうな態度があまりにも最近ひどくなっております。そのために、無理やりに転院させられて広尾病院に移されました人は三日目に死亡しております。移しちゃならないという安静の患者を移して、三日目で死んでいる。あるいは、また、生保患者で、転院して即日死んだという、そういうケースが出ている。ですから、転院しろと言っても転院しないでがんばっていられては困るという頭もあるらしいですけれども、転院ができる状態であるかどうか、受け入れ態勢がりっぱにできているかどうか、本人や家族が納得しているかどうか、こういう点から、病人なんですから、私はあたたかく見てやってもらいたい。ことに指導課長がどう言われたか知らないけれども、結核は先行き見通しが悪いからほかへ転科したほうがいいなんて指導すれば、何とか再建しようと思ったって、ああそうかとなるのはあたりまえじゃないか。そういうような指導をされているところに、いま各病院で起こっているいざこざ問題、警官が介入するとか、看護婦がいないうちに患者が死んでしまうとか、こういうところに医療行政担当の責任者がたるんでいるのじゃないか、私はそういうふうに考えざるを得ない。病院でありながら、きょうボイラーでたくものもなくなった、それで町から三本患者へ寄付して、その町の寄付によってボイラーの燃料がささえられる、あるいは国立から薬を出して云々、ほんとうに院長に医療に対する責任感があったら、私財だって持ち出せるわけだと思う。私は、そういうふうで、医務当局にもっと真剣に医療行政に取っ組んでもらわなければ困る。
そこで、私は東京都の方にお伺いしたいのでございますが、現状においてまだ患者さんが約八十人ぐらい残っているはずでございますが、これに対してどういう対策を立てておいでになるのか。先ほど申し上げた福祉事務所も東京都の関係じゃなかろうかと思うのですが、福祉事務所に対しましてどういう指導をされているか、こういう点についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/60
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061・高鍋三千雄
○参考人(高鍋三千雄君) ただいま御質問の点は、第一点は、福祉事務所に対しましての患者の取り扱いでございますが、強制的に、あるいは何か恩恵的というか、そういった気持でやっていやしないかということでございますが、決して強制的というようなことはやっていませんので、これを移します場合には、主治医と、それから本人の同意が前提となっておりますので、私どものほうでも、一月の六日の日にこういった突然経営者側のほうからやめるからという申し出があったということを、十日の日に患者のほうの代表の方がお見えになりまして、こういった申し出はあまり突然であるから、もうしばらく待ってもらいたい、そうして再建ということに民生局のほうでも努力してもらいたい、こういうお申し出がございました。一方、また、一月の十日ころに病院側からお見えになりまして、こういった不渡り手形を出しまして、その日のいろいろな食糧とか医薬品を買うのにも非常に事欠いているからやめさしてもらえないだろうか、こう申し出がございました。こちらのほうにつきましては、できるだけ再建、あるいはやめるにしても、よく話し合いをして穏便にやってもらいたい。福祉事務所、あるいは民生局といたしまして、生活保護者に対します取り扱いといたしましては、そのような場合につきましても、生活保護の中で病気にかかっている方々について、病院を生活保護の指定病院として指定しております。本人がそこを希望されましたときにはそこにお願いしているわけです。したがいまして、その指定病院の側でやめたいという意思がありました場合は、突然やめられても困りますので、法では一カ月問の猶予期間を病院側で持たなければいけませんので、その間に東京都、あるいは国、あるいは福祉事務所がその入院患者をほかの指定病院に転院させなければならない、こういうふうなシステムになっておりますので、一月の両者の間の話し合いにつきましては、まだ正式に病院からの辞退届も出ておりませんので、できるだけ再建、あるいはやめるにしても穏便にやってもらいたい、こういうことでお願いしましたが、どうも事態が解決いたしませんので、一月十六日に衛生局並びに民生局のほうで病院のほうへまいりまして、いろいろ実情把握をかねて説得にまいりましたのでございますが、患者に会うこともできませんし、それから、病院のほうでは、もうどうしてもこのような状態だから続けることが非常に困難だということをいわれますが、しかし、病人の生命等を考えますと心配でございますので、私のほうといたしましては、一応患者の代表の方々につきましては、転院されます病院の受け入れ態勢は十分準備しておりますということをお答えしております。また、現に私のほうでは準備しておりますし、それから福祉事務所のほうに直接手紙、あるいは病院を通しまして、ほかへかわりたいという希望も相当ございましたので、そういった方々につきましては、福祉事務所のほうを通しまして、それで直接お会いして確めて、そうしてそういう方に対しては転退院させなさい。しかし、退院を拒否されておる方につきましては、まだ一カ月の猶予がございますので、できるだけケース・ワーカーを派遣しまして、病人だから、再建問題等はそういったこととは別問題にして、とにかく治療が先決だから転院をしてもらいたい、こういうことをいまおすすめしている段階でございます。大体御質問の点は以上のことと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/61
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062・斎藤三郎
○参考人(斎藤三郎君) この篠田病院のこの問題が発生した昨年もそうでしたが、われわれとしては医療法に基づきまして、入院している患者さんがはたして適正な医療を受けているかどうか、そういうことを主として監視する意味で、監視員を何回も繰り出しております。ところが、あの土地の二千坪というものを昨年の七月に処分いたしまして、これは患者会、あるいは職員組合のほうと話し合いの結果、この規模をできるだけ縮小して、それで再建をはかるという話し合いになったわけでございます。われわれはこれで問題が解決したんじゃないかと思っておったところが、その後依然として経営は予期に反して、その効果が見えなかったわけでございます。そこで、ことしの一月六日に手形に不渡りを生じ、経済的の行き詰まりのために病院閉鎖の方針を決定した。これは病院側の言い分でございますが、それで、入院患者については転院を、あるいは職員については一カ月分の退職金を支給するというような条件にして、二月五日をもって閉鎖するというような通告が出されたわけでございます。ところが、これに対しては、患者会及び病院従業員労働組合は、これは擬装閉鎖であるといったようなことで、納得できないということで反対の態度をとった、こういうようなことでございます。そこで、さらに三十八年の十二月の分の診療報酬の四百八十万円、このものを差し押さえの仮処分を受けましたために、その金があれば金繰りができたんだけれども、それができなかったために最悪の事態、閉鎖せざるを得ないようなことになったんだ、こういうようなことを申しているわけでございます。これにつきまして、われわれとしても、先ほど申し上げましたように、非常に事態が切迫しておりますので、もう十数回にわたりまして病院のほうに監視員——課長も含めまして出張いたしまして、いろいろと何とかできないものか、いろいろと両方の意見を聞きまして、その線を出そうと思いましたが、なかなかこれが結論に達しなかったのでございます。そこで、実は先ほどもお話がありましたように、現在いま患者に使う薬品がないというようなゆゆしき問題がございましたので、これはもう当然そのことが患者の治療に支障を来たすわけで、重大な問題でございますので、国のほうと打ち合わせの結果、病院と、国立病院のほうから一時的に薬品を拝借をしてこの急場をひとつしのごうじゃないかということで、約六万円程度の金額になりますが、国のほうから借りて病院の患者の治療に充てたわけでございますが、この薬品もまだわずかなものでございますので、もう最近では相当逼迫しておるという状況でございます。したがいまして、病院側としては、できるだけ都のほうでひとつ何とかめんどうをみてもらいたいということを申し込んできておりますけれども、現在この法人そのものもまだ存在しているわけでございますし、入院患者も相当いると思うのでございますので、どこまでも病院の責任において処置すべきが当然であるということで、再三再四、病院の管理者でございまして、理事長でございます篠田氏に対して勧告やら指導をしているわけでございます。
参考までに申し上げますが、入院患者の状況は、二月の二十五日現在、総数八十七名でございまして、その内訳は、生保関係が十二名、健康保険、あるいは国保関係が十六名、結核予防法によります入所命令関係が五十九名在院しておったわけでございます。ところが、今日それがだんだんと転退院をいたしまして、現状は、生保が十一名、健康保険、あるいは国保関係が十五名、命令入所患者が五十三名、総計七十九名が現在在院の患者でございます。われわれとしては、どこまでも何とか病院が再建できることを希望しているわけでございますし、なお、また、患者会.あるいは組合のほうからも、ぜひ病院の取り消しであるとか、あるいは結核予防法に基づく入所命令の指定病院の取り消しなどはできるだけしないようにしてもらいたいという申し入れも受けているわけでございます。その後なかなかいろいろ問題もあるわけでございますが、先ほどもお話が出ました給食用に使うところの重油といいますか、そういうものも町のほうの見舞金というようなことで出されております。しかし、現在のところ、その他の薬品、あるいは患者の給食などに要するものは、全部一応病院側でもってこれを支給しているという状態でございます。しかし、これがいつまで続くか、そういうことについてはちょっと予測もできない状態でございますので、われわれとしては、どこまでも医療法の線で病院を十分監視していかなければならない責任を持っております。ただ、先ほどちょっとお話が出ましたが、衛生局におきましても、どこまでも転退院につきましては、患者、あるいは家族の納得したものについて行なっているものでございまして、こちらから強制的に転退院をさせるというような意図は毛頭ございません。と申しますのは、現在指定しております篠田病院もその一つでございますが、結核の指定病院というものは、これはその命入患者をその病院に預ける、入院させるというようなことはできない性質のものでございまして、幾つか東京の都内、あるいは都下にございます結核の指定病院に入院することを命令しているのでございます。したがって、入院につきましては、患者と病院との契約に基づくものでございます。したがって、われわれとしては、どこまでも本人の意思を尊重して転退院をしていただくように、今後もしそういう時期に到達するならば、できるだけその線で治療、あるいは先ほどお話がありましたような危険の出ないような方法で転退院していただくように、できるだけ御指導も申し上げていきたいと、こんなふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/62
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063・藤原道子
○藤原道子君 そこで、いろいろ御苦心のことはよくわかるのでございますが、私どもが一番心配いたしますのは、事は病人でございますから、やはりいまあなたがおっしゃったように、どうしても再建が困難なものならば、よく納得の上で、患者の病状に支障のないような扱いをしてもらう、そういう場合に、いやしくも強制的な動きがあってはならないと思う。お互いに何といいますか、真剣になっておりますから、トラブルが起きやすいと思うのです。そういう場合にも、あくまでも納得の上でそういうことをお考えになっていただかなければ困る。と同時に、いままだ八十名からの患者さんがいるわけですけれども、この人たちがいま薬もろくにないという、これは都のほうで委託して命令入所患者は入れているわけでございますね。ということになれば、この治療にはやはり責任をお持ちにならなければならないと思う。ところが、カナマイシンその他もほとんどないというように私は伺っております。それでは本来の精神に反するのじゃないか。病院の運営がまずい、うまくいかないということと、命令入所患者をお預けになったというあなた方の責任というものは、やはりおのずから別であろうと思う。ところが、その病院が経営困難なために薬もろくにない、給食もいつとめられるかというふうな不安な状態では、結核患者なんかの病状には悪影響があるのじゃないか、これを私たちは非常に憂うるものでございます。と同時に、そこで働いておる従業員の人たちも、一月分の月給は七千円もらっただけで、あとはまだ俸給を得ていない、これではやっていけるはずがないと思う。それらもあわせて、都ではどういうふうにお考えになっておるか。それから、これからもう再建ということには全然見通しを持っていらっしゃらないのかどうか、それもあわせてお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/63
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064・斎藤三郎
○参考人(斎藤三郎君) 結核予防法に基づきます命令入所につきましては、その八割というものが全部国庫の負担でございます。二割が都の負担、こういうことで、その支払いはもう猶予なく支払っているわけでございます。病院としては、当然その費用によって病院を経営するものだと、私たちはそう考えております。ところが、実際問題として、病院の負債その他で病院の運営がどうにもならぬ、必要な給食費や薬品の金の支払いもできないというような状態になった場合にどうするか、これを都で補てんすべきかどうか、そういうようなことについては、われわれとしては現状においては予算もとってございませんし、初めてのことでございますので、十分検討を要する問題だと思いますが、非常に困難なことではなかろうかと、こんなふうに考えております。しかし、実際に病院の院長はじめ、その他の人たちが、全然もうどうやっても金繰りができないといった場合にどうするか、それをわれわれとしては、その場合にこれが再建のための見通しがつかない、そういう現状でいつまでもその薬品を都のほうでこれを支弁しろというようなことについては、いま即答しかねる問題でございます。ただ、緊急やむを得ず、この二、三日でもってこの急場がしのげるというふうなものについては、これは別途考えて、患者の治療に支障のないようにしていきたいという気持ちは十分持っております。ただ、いつともわからない、永久にその病院の運営についての資金を都から出すということについては、それは非常に困難かと、こういうふうに考えております。
それから、その見通しでございますが、実は、これは医療法人でございまして、その規定に基づいて、その収支決算その他の報告書を会計年度の終了後二カ月以内に提出しなければいけないという規定もございますが、これも病院側としては実行しておりません。ですから、われわれとしては、もう繰り返しそれを言っておりますが、いま病院の中ではてんやわんやでございまして、なかなかこちらの要求に応じないような現状でございます。しかし、われわれとしては、今後もそういう意味で、はたして再建が困難であるかどうかということについては検討を続けていきたいというように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/64
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065・藤原道子
○藤原道子君 私は、都が責任を持ってこの病院の運営に当たれと言うのじゃない。私が申し上げたのは、命令入所患者はあなたのほうでそこへ委託したわけです。ところが、その患者が、病院がいまそういうふうな状態に置かれて、十分な医療が受けられないというならば、これに対して私は、絶対にその病院をやっていけと言ってはおりません。治療に支障ないように円満な解決をする責任が都にあるのじゃないか。それから、もう一つは、そうした不安な状態に置かれているということは病状に悪影響を来たすのじゃないか。したがって、そういうことの解決には努力はされているのでしょうけれども、もっと積極的に、成り立ちができるのか、再建ができるのかどうなるのか、もしそうでないならば、都があっせんして十分な話し合いをして、それで納得の上で対策を考えていくというような、病人を中心にした考え方をしてもらいたい、こういうことなんです。
それから、もう一つ、何だか都が払っているのに、債務があるから押えられて患者の治療に回らないというのですね。聞くところによると、何だか月に三十万円くらいあれば債務のほうは何とかなるのじゃないか、月賦でいけばというようなことも聞いているのですよ。そのくらいなことは、百何十床からのベットを持ってやっている病院でやりくりのつかないことはないと思うのです。問題は、もうからないからやめようというところにあるのじゃないでしょうか、というようなことで遺憾なきを期していただきたい。これは都のほうに。
そこで、私は、厚生当局にお伺いしたい。最近結核は斜陽だ斜陽だ、結核問題は解決したのだというようなことで、厚生省としては結核病床の縮小とか、結核に対して魅力のないような宣伝ばかりがなされている。それと、また、一面におきまして、政府の低医療政策から病院の運営が非常に困難になっている。その一つのあらわれは、このごろ国立でさえ差額の徴収ということが非常にきびしく行なわれている。はなはだしいところは一日に二万円、三万円の差額を取っているところもある。国立では最高二千円ですか、二千五百円くらいらしいが、差額を徴収している。いまの篠田病院のようなところはますます苦しくなってくる結果になると思うのです。これは基本的な問題ですから、医療対策については、また別にあらためた日に御質問したいと思いますが、そういう指導だから東京都の結核病棟が最近どんどん減らされていく、これも重大な問題だと思うのです。結核患者がないのじゃない。結核病院へはいれない、重症患者は空床があってもはいれない、こういう傾向が各地にあらわれている。
もう一つは、結核問題は解決したというようなことで、精神病棟に追いかけられて、厚生省では結核病床をどんどん精神に転換している。私どもは、精神病棟が足りないから、これをもっとふやさなければならないということはいつも申し上げていることです。だからといって、結核病棟をこわして、これを廃止して、それで精神病床をつくれなんということは申し上げていない。ところが、現在各地で摩擦が起きております。いま花巻の療養所でも、あなたのほうは再三転換ではないというようなことを言っておられたけれども、現実は、花巻は精神病院に転換する。いろいろ反対がある。納得しない上はそういうことしないと言いながら、こっそり契約してしまっている。もういまどんどん工事が進められて、ピケを張ったり、警官隊を導入したり、こういうことで大騒ぎをしておりますが、これは一体どういうわけなんですか。ことに花巻におきましては、精神病患者の登録はたった一人。花巻、北上地区を通じて、結核要入院患者として登録されている者が千五百人、ところが、そこの二百床の結核病棟をつぶして、無理やりにここを精神病棟にして警官隊まで導入せしめる、こういうことは一体どういうことなんですか。さらに、県当局では、ここの地区でなしに、もっと青森寄りのほうへつくってほしいという要望があるけれども、便宜上厚生省はそういうことを行なわれているのではないかと私は思う。こういうことが各地に起こっている。児童医療センターをつくる。これは日本にないからつくらなければならないことは指摘してまいりました。ところが、そこの国立総合病院をつぶしてつくれということは言っていない。地元が非常に要望しているにかかわらず、これをつぶしてそういう児童医療センターをつくる。安上がりで簡単にできる方法、こういうことがいまやられているのじゃないかということを非常に憂えるものでございますが、基本的にこうした問題に対するお考え方を伺いたい。花巻に対してのいまの騒ぎをどういうふうに収拾しておいでになるのか、これもあわせてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/65
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066・尾崎嘉篤
○政府委員(尾崎嘉篤君) 結核の仕事が魅力がない、解決してしまったというふうな考え方ではないかというお話でございますが、確かに結核の患者が減ってきている。しかし、いま、さらに追い打ちをかけて、早くこの結核問題を精力的に解決していかねばならないというので、追い打ちをかけるように、医療対策としては、たとえば結核予防法の命令入所その他を拡大していこう、これは御承知のとおりでございまして、それが解決してしまっているというふうな認識に立っているわけではないわけでございます。ただ、現実問題としまして、国立療養所等にも、場所により、施設によりますが、患者さんがあまり入ってこないところ、また、全般的にこの結核の関係に興味を若い医者が示してくれないというので、医者の入手等にも相当困っているところが、これは全般的な問題として起こっておりますが、われわれとしては、できるだけ追い打ちを強化していかねばならない、こういうふうに考えるものであります。それでは、なぜ結核の患者の病棟を精神ベットにかえたりするのかというお話でございますが、これは結核の患者さんのおりますところをあけてかえたりするわけではございませんで、たとえば花巻療養所にベッドが二百床余りありますのに、入っている患者が百人ちょっとというふうな状態で、病棟が相当あいているのでございます。それで、そこにおります看護婦さん等も、まあほかに比べまして人手に余裕がある、そういうふうにして遊ばしておるといっては悪いのでございますが、ほかに動かしていくというような事態もいろいろ困難な問題があるので、そういうようなところに精神病棟を建てて、実は結核と精神を合併しよう、医療対策として、できるだけこの施設の人たちを活用し、その地域に対しての医療需要にこたえたいということを考えているわけでございまして、現在、花巻療養所において、いままでの結核病床につきまして、それをこわしたりなんかはしていないのであります。それよりも、別の所のあき地にいまの新しい病棟を建てようというふうにやっているわけでございまして、患者の方が入ってくるように努力をしなければいかぬわけでございますが、いまの結核病床は余っている、また、これにも修理を加えて、できるだけ入ってもらいやすいようにする。また、この新しく建てます病床も、ことし一ぱいでできるわけではございませんので、くい打ちを始めているという情勢でございますので、職員としても、結核患者が入ってくれば十分医療に当たれるような態勢にあるわけでございます。なお、この花巻地区には、確か精神病床が全国平均よりもずっと下回ってしかないというので、県当局からも、その精神病棟をつくってくれることを希望せられておるように私は承知しておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/66
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067・藤原道子
○藤原道子君 おかしいと思いますね。いま結核病棟のまん中へ精神病棟をつくろうとしておるのですよ。それから、もう一つは、要入院の登録患者は千五百人いるのです。それで結核病棟があいているというのはどういうわけですか。それから、もう一つ、あなたはいま結核病棟をつぶすわけではないと言われましたけれども、いまの工事計画等の現状から見て、また、現地の当局の話によると、これは転換だといっている。だから、この点を明らかにしてもらいたい。それから、確かに精神病床が全国平均より下回っておる。けれども、県当局は花巻よりも別のほうへほしい、こういう要望があるのに、なぜこれを強行しなければならないのか。それから、入院したくても入院させないことが一つ。いま一つは、生活保護患者のときには家族の給与もございましたが、命令入所になると、なかなか家族の生活その他で入りにくい、こういう点も大いに影響しているやに聞きますが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/67
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068・尾崎嘉篤
○政府委員(尾崎嘉篤君) 花巻の新しい病棟をつくっておりますのは、玄関と申しますか、正面の所でございまして、あき地でございまして、先生の言われる所ではないわけであります。確かに私たちも、初めに、先生のいわれる三つ並んでおります病棟のまん中の病棟、そこに患者さんが一人しかいないという病棟がありますが、そこに計画したことがございます。しかし、いまの先生がお話になったような点もわれわれ反省いたしまして、患者さんが入ってこられるならば、この点、病棟をつぶすことに積極的になることはないんじゃないかというので、別の所へいま建てよう、こういうふうにしておるわけでありまして、お話は前の時点のお話だと思います。
それから、第二に、結核の登録患者が千五百人おるのになぜはいれないのか、これは私のほうにいわれましても、これは公衆衛生局から県の衛生部のほうの問題でございますので、われわれも、結核患者を花巻等に入れてもらいたい、こういうふうに医務局側としては望んでおるわけでございまして、この点、公衆衛生局とさらに一そうの連携をはかっていきたいと思います。それから、命令入所と生活保護の関係は、それは私ちょっと医務局としては答えにくい問題でございますので、許していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/68
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069・藤原道子
○藤原道子君 はっきり伺っておきますが、それは転換ではないのですね、明らかに。それははっきり伺っておいてよろしゅうございますね。花巻療養所は転換ではない、精神病院と併設である、こういうふうに理解してよろしいのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/69
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070・尾崎嘉篤
○政府委員(尾崎嘉篤君) 現在のところは一部やっておりますが、将来、結核患者が五年、十年先にはぐっと減ってくるだろうということは、追撃戦の結果もありましょうが、予想しますので、そうした暁には、漸次その不用になります度合いによりまして精神病棟に転換していきたい、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/70
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071・藤原道子
○藤原道子君 いまのところはというのが厚生省の言うくせ者なんです。いまのところはそうであっても、来年度に転換するということにごまかされる危険性がある。いまのところはというのはどの程度に理解したらよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/71
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072・尾崎嘉篤
○政府委員(尾崎嘉篤君) いまのところはといいますのは、この一つの病棟しか建てていない状態でございますので、これができますのにもかなりの時間がかかります。また、患者の入りましたぐあいによりまして結核患者を追い出してやろうという気は全然持っておりませんので、結核患者が入ってきております状態、ほかの療養所との関連性等を考えまして、しばらくの間は並存でいく、そうして将来において、十年先になればこれはわかりませんが、精神関係の病棟が漸次多くなってくる、こういうふうな態勢でやっていきたい、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/72
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073・藤原道子
○藤原道子君 入院患者がいないからそうするのだということがいつもあなた方の言うことでございますが、大阪の療養所だって、無理やりに遠くと合併してやっている例がある、また今度の厚生省の計画でも、ずいぶん各地の結核病棟を減らしていくという整備計画も出ているわけです。ところが、一方で結核はまだ解決していない、こういう世論がまた高まってきておる。と同時に、今度の答申を見ましても、結核病棟はいま減らすべきでない、結局四十一年度までは現状でいくべきである。と同時に、結核病棟はこのままにして、さらに精神病はうんとふやしていけというようなことが、たしか答申に出ていたと思うのでございますが、これらを勘案いたしまして、政府がもうからない結核、結核は解決したしたといって、死亡率が減っただけで結核に対するそういう縮小計画を立てておいでになるところに私たちの不安があるわけです。けさほど視察された報告によりましても、九州の長崎なんかでも結核はふえておる。死亡率もふえておる。こういうことでございますから、こういう現実を無視して、低医療政策の犠牲に結核患者をすることのございませんように、私は強く要求したいと思う。医務局長のお考えを伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/73
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074・尾崎嘉篤
○政府委員(尾崎嘉篤君) 結核のベッドを無理やり減そうというのでなく、先ほどから申しておりますように、結核病床として、その地域で入院患者がなくて、余っておるといってはおかしゅうございますが、ベッドがあいておる、職員はそこで比較的ひまな状態におるというところをできるだけ利用していきたいというので精神病床へ転換しておるわけでございまして、決して結核患者がたくさんおりますところをどんどんかえておるということではないわけであります。さらに言えば、将来結核の追撃戦の中心になろうというふうな考え方で、国立療養所の一部は鉄筋化をどんどん進めておる。それもできるだけ急ぎたい、強力にやっていきたいということで努力しておるわけでございまして、この点少し誤解があるのではないかと思いますが、御了解願いたいと思います。
なお、結核療養所につきまして、いま昭和四十一年までずっとそのままに置いておくのではないかというお話は、あれはおそらく医療法第七条の二項に関しましての医療審議会の答申のお話ではないかと思いますが、これは確かに人口万当たり二十三という数字が出ております。これは二年前ですか、医療法の一部改正が出ましたときにここで御審議を願いましたから御承知のとおりに、その地域地域でこれ以上の病床があるときには、そこで公的医療機関はつくらさぬという上の天井をきめたのでございまして、その天井の数が人口一万当たり二十三というわけでございまして、そこまで整備していこうというような目標とか何とかではないわけであります。
なお、精神関係につきましては、いま全体が十六くらいですか、それを二十までふやしていこう、それまでは認めていこう、こういうふうなアッパー・リミットの考え方であります。ただし、この要望書の中に、お話のように、結核につきまして多少期日の要望がございますが、これは答申とは別に、その付属文書としての何でございますが、それにも結核の追い打ちをやれというふうなことが言われております。と同時に、将来やはり追い打ちをやれば患者は減ってくるであろう。そうした場合の転換のことも考えてやらないと、やはり医者が集まるようにしてやらないと、結核対策自体としても、かえってマイナスになるという考え方で転換の問題も一部書いてあるような状態でございまして、この点もあわせて御了承願いたいと思います。
なお、結核患者は、この最近の出ました実態調査におきましても、四百万が三百万ですか、百万くらい減っておる。こういうような実態で、これだけ努力しておりますので、地域的にはいろいろありましょうが、全体としては結核患者は減っていかねばなりませんし、減っておるものだと私は感じておりますが、できるだけさらに強力に公衆衛生局等と一緒になりまして、この結核の撲滅に努力をしていきたいと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/74
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075・藤原道子
○藤原道子君 政務次官にお伺いしたいのです。私は、いまお聞きのとおり、結核問題で非常に重大なときにきていると思う。ところが、結核がいま少なくなったから、追い打ちをかければさらに少なくなるであろう、こういうお考え、追い打ちをかけていけば少なくなるのはあたりまえなんです。ところが、入院させなければならぬという患者さんがたくさんあるのに結核病棟があいておるというところに問題があると私は思う。それと同時に、命令入所患者は、菌が出なくなれば退院さしてもいいというたてまえでございますから、手術したあと、この菌が出なくなったら、どんどん病床の回転で追い出しているわけです。ところが、また再発する。だから、われわれは、ほんとうに結核に対して努力しようという御意思がございますならば、コロニーの施設、回復者の社会復帰までに至る施設が必要である、こういうことを追及している。ところが、それに対して、結核が少なくなったからその病棟を精神病棟にかえていくという考え方でなく、よりあたたかい社会復帰のできる施設へ転換して、より完全にやっていくのが私は道だと思うのですが、厚生政務次官はどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/75
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076・砂原格
○政府委員(砂原格君) お説のとおりでございまして、ただ、先ほどから医務局長が申し上げましたように、医療が非常に進んでまいりまして、特に結核に対する医療技術が進歩した関係からも、患者が減少しつつあるということはまことに喜ばしい現象であると同時に、一方では精神病者がふえつつあるということもいなめない事実であります。したがって、両者が両立するような方向に持っていかなければなりませんと同時に、結核患者の面でも、現在の国立病院等におきましては施設がまことにお粗末なわけで、ほとんどが軍の転用等の関係で、古い建物になっております。ほんとうに精神的にもそうした病室へ入っておる入院患者に苦痛を感ぜさせるようなものもたくさんあるわけであります。したがって、こうした病室の整備等も急いで、患者の人も十分明かるい気持ちで静養してもらって、結核患者はできるだけひとつ早くなおってもらうようにする一面、精神病棟に対しても早く対策をとって、こうした面にも善処をしていきたい、かように考えております。先生のお考えのほうへ厚生省として極力努力を払っておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/76
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077・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 先ほど篠田病院の問題で藤原委員のほうから質問があったわけですが、私も若干関連をいたしましてお伺いしたいわけでございますが、先ほどからのお話を聞いておりますと、篠田病院が経営の不振におちいったのが大体三十七、八年ごろから、こういうお話でございます。また、東京都の方の話ですと、この法に定められているいわゆる財産目録なり、あるいは会計収支状況なり、そういうものをさっぱりつくらない、こういうこと等があります。私は、医療機関の問題は非常に人命に関する問題で、一般工場なり、あるいは会社なりの設立と違って、きわめて重要な問題だと思うのです。したがって、昨年の国会におきましても、この医療機関の適正配置というような問題で法律の一部改正が行なわれて、法律上にも非常に制約を受けておると思うのですが、そういうきわめて重要な機関を許可するときは、法律上形式的に合っていればいいというような形で許可をして、あとの経営については一切——いままでのお話を聞いておりますと、何か監督といいますか、指導がおざなりの形になっているのではないかというような感じを受けてしかたがないのです。そこで、この篠田病院について、東京都として、いつごろからこの病院がそういう経営の不振におちいっておったのか、いつごろそういうことがわかったのか、その辺をちょっとお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/77
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078・斎藤三郎
○参考人(斎藤三郎君) お答えいたします。三十七年度までは決算報告が出ております。しかし、赤字経営であるということでございます。ところが、三十八年になりましてこれが表に出てきまして、縮小その他、先ほど御説明申し上げましたようなことに相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/78
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079・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 三十七年ごろから赤字と、こういうことになっているわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/79
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080・斎藤三郎
○参考人(斎藤三郎君) 三十七年度までは報告が出ておりますし、そのずっと前、三十七年以前から赤字が出ておりますので、そのつど経営上の指導についてはやっておったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/80
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081・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 先ほどのお話ですと、まだ病院を廃止すると、こういうことになっておらない。もちろん廃止をするということになれば届け出をしなければならないと思うのですけれども、その届け出はまだないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/81
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082・斎藤三郎
○参考人(斎藤三郎君) 医療法人の辞退——認可取り消しの申請はございませんし、それから、なお、結核指定病院としての辞退届けもまだ受理しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/82
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083・高鍋三千雄
○参考人(高鍋三千雄君) ただいまの辞退問題に関連いたしまして、生活保護法の指定医療機関としましての辞退届けは、先月の二十五日に正式に文書で出てまいりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/83
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084・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 三十七年度までの報告で赤字であるということがわかっておって、それ以後経営の問題について指導してまいった、こういうことでございますが、わずかまる一年ぐらいで給食もとめる、あるいは患者も追い出さなければならぬ、こういうまことに急迫した事態が出てくるということは、おそらくその報告の中で私は事前に察知できたのではないか。できないとすれば、その報告をただ形式的に見て、十分内容の吟味をしなかったのではないかという疑問を持たざるを得ないのですが、そういう点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/84
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085・斎藤三郎
○参考人(斎藤三郎君) 医療法人の認可の場合には、直接係員が現場にまいりまして、届け出の内容その他に間違いがないかどうかということをよく調べまして、その上で医療機関整備審議会にかけましてこれを許可するわけでございます。ところが、実際に報告があったものについて、東京都の場合には非常に数の多いものがございますので、一々それを現場に行って調査するというようなことは、実際問題としては困難であるわけでございます。したがって、書類上不審のあるものについてはもちろん行くわけでございますけれども、まあしかし、こういうような例はまことにまれなものでございますので、その点確かに何かもっと早くやるべきではなかったかと、今日においては考えられるわけでございますが、その当時は——昨年の特に七月におきましては、いろいろと内容その他についても検討しましたし、病院側としても、あるいは患者、あるいは組合側としても、これで再建できるんではないだろうかというようなことでやっていたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/85
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086・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 この篠田病院の問題について、東京都だけの問題として片づけるんでなくて、厚生省等にこういう問題が起きておるということを報告したのはいつごろですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/86
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087・高鍋三千雄
○参考人(高鍋三千雄君) これは経営上の問題でございませんで、生活保護法の患者の問題でございますが、私のほうは毎年一回ずつ監査を実施いたしておりまして、三十八年におきましては十一月八日に監査を実施しておりますが診療、基準看護、基準給食、こういった点につきましてこまかく監査いたしております。いままでにそういった関係につきまして不良な点というのはございませんで、良好な成績であったことを申し上げます。それから、厚生省に対しましては、やはり昨年の七月にそういうことでございましたので、三十八年の十一月八日に行ないました監査も厚生省直接にやっていただきましたわけでございまして、その後、こういった患者側からの希望とか、あるいは病院側からの希望というものは、生活保護法に関する限りは、そのつど厚生省のほうに連絡いたしまして、いろいろ御相談いたしまして処理いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/87
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088・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 生活保護に関する限りはということの内容はちょっとわかりませんが、いわゆる病院のこの患者に対する診療、あるいはいろいろな看護ですね、そういう面が生活保護の患者に対しては十分やられておったと、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/88
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089・高鍋三千雄
○参考人(高鍋三千雄君) 説明が不十分で申しわけございませんが、私どもの所管しておりますのは、厚生省は生活保護関係は社会局でございまして、都におきましては民生局の保護部が所管しております。したがいまして、その他の結核患者の入院者とか、それから病院の許可、認可、あるいは経営の問題は、これは衛生局のほうがやっておりますので、そちらのほうから御説明があると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/89
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090・斎藤三郎
○参考人(斎藤三郎君) 厚生省に連絡をいつしたかということでございますが、申しわけありませんが、手元に記録がございませんので、もし何でしたらそれの資料を差し上げたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/90
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091・尾崎嘉篤
○政府委員(尾崎嘉篤君) 私、ちょうど担当官がおりませんで、こちらの手元に調査がございませんが、ことしの一月の初め、四、五日ごろに、病院を二月に閉鎖したいという通告を出したというので騒ぎがありました。そのときに私、担当官にこれを聞きましたら、もうすでに事情をよく知っておりましたから、昨年のうちからこの連絡はあったものだと思うのです。なお、この病院の、私、先ほども経過のほうで、三十七年ごろから悪化したと申しましたが、これはちょっと間違いでありまして、三十五、六年ごろの経理も赤字であったようでございまして、特に三十七年の暮れになりまして賞与も払えないように窮してきた、それで土地の売却をするとかいうようにして再建に乗り出した。しかし、それはうまくいかなかった、こういうふうなことで、病院側のこれは話でございますが、多少二千坪の土地を売ったりして、努力はしておったようでありますが、ちょっとその点間違っておりましたので、訂正さしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/91
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092・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 また医療機関全般についての問題につきましては、あらためて御論議をしてまいりたいと思っております。この問題について、少なくとも、いま局長が申されましたように、三十五、六年ごろから経営がおかしくなってきたということであれば、私は、もっと早くその対策について、やはりある程度強力な指導というものが必要じゃないかというふうに思うのです。法律上におきましても、いろいろ立ち入り検査の問題も規定されておりますし、それから、もし違反をした場合には、当然罰則の規定もあることであります。そういう点も、私は、何も罰則の規定に基づいて、刑罰なり、あるいは罰金を課せろと、こういうことじゃないのでございますけれども、しかし、事、人命を預かる病院の問題でありますから、こういう最悪の事態に至るまでに、やはりもっと真剣に指導行政というものをやってもらわなくちゃ、私は、これは篠田病院だけの問題じゃないと思うのです。いま中小企業は二月に二百件以上もつぶれている、こういうことがいわれておりますし、病院関係におきましても、診療費等の関係もありますし、看護婦の不足というものもありますし、どんどん縮小したり、あるいは廃止をしてゆくという傾向が私どもはどんどん出てくると思うのですね。そういう場合に、単に病院経営者の立場だけでこの大切な医療機関が左右されるということには問題があると思うのですね。やはり患者あっての病院ですから、患者の立場に立って、あるいは病院で働く労働者の立場に立ってこの病院の経営というものを考えてもらわなければ、これは単に篠田病院だけの問題でなくて、今後全国的に起きてくる可能性が私はあるのじゃないかと思うのです。したがって、こういう点については、地方自治体においても、厚生省と十分やはり事前に連絡をとって、早期にこの経営の診断をして、そうして健全な医療機関の発展を期してゆくということをぜひお願いをしておきたいと思うのです。
で、次に具体的な問題ですが、ここの病院の労働者とその経営者との間の労働協約といいますか、そういうものがあることを御存じですか。もしそういうところまでお知りでなかったらけっこうですが、あるとすると、その退職金の問題なり、あるいは退職する場合の条件なり、そういうものがその中に規定されているかどうか、そういう点をちょっとお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/92
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093・斎藤三郎
○参考人(斎藤三郎君) これは労働局所管のことだろうと思いますが、実はいま存じておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/93
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094・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 労働問題は労働局主管だから知らぬと、まあそういう表現ではないと思うけれども、厚生省医務局でもそうだと思う。やはり看護婦さんにしたって、また、いろいろ従業員の生活環境がどうなっているかということ、また、人の労働力なしに病院経営はできないわけですから、だから、私は、機械的にそういう分業で行政的にはたとい分類されておっても、いま問題になってくるのは、病人の皆さんが閉鎖されたら困るということが一つと、それから、働いている方々が、今日限りやめなさい、私のところにはもう要りませんという、そういう使いっぱなしで処理されるという、そういうことは、私はいまのお話ではいけない問題だと、私はそう思うのです。今日この病院がこういう状態になってきた原因は何か、これを追及していけば、経営上の問題として、労働条件その他のことが経営の中心になる課題ではなかろうかと、私はそう思う。具体的な事務的な問題は労働行政か知りませんけれども、病院経営というのは、働いている人の労働力、それが治療につながるわけですから、絶対条件ですから、そういう見方じゃ困る。具体的なことは労働関係によって——いま資料を持ち合わせませんけれどもぐらいな話ならまだわかるけれども、ちょっと私はいまのお話じゃ困るのではないか。むしろ労働行政の関係であっても、病院経営の中心をなすのは医療行為ですから、医療行為がどうして行なわれるかという、労働者の働いている条件、勤務時間、それから賃金その他の状況が大体どうなって、どういう労働がされて、治療にどういう効果をあらわしているかということは、私は、いま東京都のほうに特に言うわけじゃありません。厚生省の皆さんも、そのことを度外視してはちょっと困ると思うという気がします。いまも問題になっている、生産さえすれば労働者はどうなってもいいのだという行政が世界中で許されているかどうかという問題も大問題になっていると思う。病院もそのとおりだと思う。やはり労働条件が医療行為の前提となると思う。あなたのことば足らずだったらそれでいいんですが、少し御所見承っておきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/94
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095・斎藤三郎
○参考人(斎藤三郎君) 労働協約の中に入るかどうかわかりませんが、実は保安要員の確保ということがございます。これは病院に入院している患者に給食、あるいは医療の点で、その職員に労働争議といいますか、その場所で保安要員を確保しないと病院の適正な運営ができませんので、その方面については、われわれとしては、代表両方と折衝の間でも十分私としては聞いていきますし、また、監視もともにやっているわけでございます。篠田病院については、先ほど申し上げましたように、病院の人は非常に誠実に勤務しているわけでございまして、これはわれわれとしては、その点については安心して職員の方に一応まかしてあると、もちろん注意はしておりますし、監視はしておりますが、現状はさようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/95
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096・鈴木強
○委員長(鈴木強君) それでは、お忙しいところを、東京都の高鍋、斎藤両部長さんにおいでいただいたのですが、なおこの篠田病院の閉鎖によって、患者の問題、さらに、そこに働いておった職員の問題、当面緊急を要する問題が残っておると思います。したがって、厚生省もそうでありますが、ひとつ都当局におきましても、最善の配意を尽くして問題の解決をはかるように努力していただくと同時に、特に患者八十何名でございますか、残られている方々の措置については、これは人命問題でございますから、ゆゆしい事態の起こらないように、特に慎重な配意をいただくようにお願いしたいと思います。
それから、先ほど質疑の中に出てまいりました柳岡委員の、厚生省当局に篠田病院の経営の悪化した状況について報告をした時期ですね、これがまだはっきりしませんから、それと、いまの労働協約の問題がどうなっているかということでございますね、これは労働局のほうの所管だと思いますが、ひとつ衛生局の医務部長さんのほうからお話をしていただいて、その資料を国会のほうに出していただくようにお願いしたいと思います。
東京都の方、どうもありがとうございました。
それでは、この件についての質疑はこれで終わります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/96
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097・鈴木強
○委員長(鈴木強君) それでは、次の問題に移ります。藤原君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/97
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098・藤原道子
○藤原道子君 簡単にトルコぶろの問題でちょっとお伺いしたい。
時間の関係もございますので、ごく簡単にお伺いしたいのですが、最近トルコぶろの問題が毎日毎日新聞をにぎわしているわけでございます。小林厚生大臣も現地を視察されました。その結果、いろいろと協議を進められているというふうに新聞で取り扱っておりますが、厚生当局としてどういうふうな御協議が行なわれたか、法改正をやるのか、いろいろ法律の改正はむずかしいので、風俗営業の取り締まりのほうへ移したいとか、そういうことで厚生当局も協議しておるというふうに出ておりますが、その協議の様子をちょっとお漏らし願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/98
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099・舘林宣夫
○政府委員(舘林宣夫君) トルコぶろの規制に関する問題に関しましては、先週の金曜日、二月の二十八日の日に、大臣みずから都の二、三の施設を視察され、われわれ担当官も随行いたしまして施設を見たわけでありますが、昨日、厚生大臣が各省の関係者を呼びまして、トルコぶろの規制に関連する諸問題についての実情の説明を求めたわけでございます。ただいま藤原先生からお話のございました、トルコぶろを厚生省としてどうするかという問題になりますと、従来から問題になっております公衆浴場法でこれが何とかならないか、こういう問題になると思いますが、御承知のように、公衆浴場法は、本来、公衆衛生を目的とする法律でございまして、この法律の第二条に、これを設置する場合の構造設備の許可基準といいますか、そういうものは公衆衛生上の見地から基準をつくる、こういうふうに書いてございます。第三条のほうには、風紀に関する必要な措置を知事が条例で定めて守らせることができるようになっておりますが、これは構造設備の許可基準でない条項でございまして、これは措置でございますので、いろいろお話になっております具体的に個室をやめさせるとか、あるいは適当な個室をかりにつくるにいたしましても、これにいかがわしい行為が行なわれないような設備をつくらせる、たとえば非常に広い窓をつけさせるとか、透明な窓をつけさせるとかいう具体的な措置をこの第三条に盛り込むことは、現在の措置という考え方から、少し無理かもしれないというような論点もいろいろあるわけでありまして、いま一つは、本来、この法律が公衆衛生関係の法律でございますので、このような法律をもとにいたしまして風紀の取り締まりを盛り込む限度が、従来、御承知のように、この第三条の措置というのは、男女混浴の禁止が限度であるという通達が出されておることから考えましても、おのずから限界があるというふうなことで、いろいろ私どもも検討いたしておるわけでございます。警察庁のほうでも、この問題をどうやったらいいかという検討もいたされておるわけでございまして、いろいろ話し合いはいたしておりますし、また、問題点の所在というものも、昨日かなり突っ込んで大臣の前でお話があったわけでございますが、今日それではどの手段をとってまいるかということは、なお今後十分話し合いをし、相談してまいりたいと、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/99
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100・藤原道子
○藤原道子君 私は、公衆浴場法というのは、公衆浴場でしょう。だから、公衆浴場であるならば個室は要らないと、こう言うんです。ですから、公衆浴場法を改正して、個室の禁止をしたらそれで済むんじゃないか。私は、トルコぶろそのものがいけないとは言っていない。大体が公衆浴場法で個室を必要とするか、ここが問題なんです。私は、風俗営業風俗営業といって、警察の取り締まり取り締まりは、私はあまり好きじゃないんです。だから、公衆浴場法を改正して個室を禁止すれば、それで、あとは見通しのきくところでトルコぶろを楽しんだらいいと、そういうことに考えられないか。私は、聞くところによると、厚生省は風俗営業のほうへ押し込もうとしている。警察のほうは、それはまあ困るというようなことで押し合いになっているというふうに聞くんですが、どうなんですか。私の考えでは、公衆浴場であるから、公衆のための浴場でございますから、トルコぶろ——ほかからは全然のぞくこともできない。窓があったって、たびたび言っているから省略しますけれども、申しわけ的なものです。こういうものが公衆浴場法として必要かどうかをお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/100
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101・舘林宣夫
○政府委員(舘林宣夫君) お話のような筋が問題点であるわけでございまして、一番基本的な考え方からしますと、そもそもトルコぶろというものが公衆浴場法の対象営業であろうかというところにもいささか問題がないわけではないのであります。本来、銭湯のようなものを頭に描いて公衆浴場法はできたのでございまして、その後、あの法律ができてから、トルコぶろがあとから出てきた、こういう筋合いでございますので、トルコぶろは——もちろんトルコぶろの中にも、かなり大衆が大きな部屋で一度にトルコぶろに入るような装置もございますから、そのようなものを除きまして、現在個室だけしかないというトルコぶろが相当あるわけでございます。そういう状態が公衆浴場法で考えられておった公衆浴場であろうか。また、これはむしろ公衆浴場法の規制外の形態であるかもしれないという論点が一つあるわけでございますが、ただ、かりにこれを公衆浴場法の範疇で規制してまいるといたしますと、ただいま私が申し上げましたように、この公衆浴場法の本来の目的は、公衆衛生に害のないように規制する法律でございますので、個室があるそのことが公衆衛生上はなはだしく困るということが明確になりますと個室を禁止するということになりますが、個室があることが必ずしも公衆衛生上の見地からは危険ではない。もちろん個室の中において、まあ蒸気を使う営業でございますから、何らか健康に密室の中で支障があるようなことがあっては困るということで、のぞき窓等があるいは必要であるかもしれませんけれども、個室そのものが公衆衛生にきわめて有害であるということを打ち出すのは、この法律の基本的な考え方としては問題がある、こういうような論点があるわけでございます。これはまあもちろん第三条に「風紀」という字句がごく軽く入っておりますから、それは「風紀」という字句が入っているから、考えて考えられないことはないではないかという議論もあることでありまして、この点も私どもは十分討議をいたしておるわけでございますが、本来、公衆衛生法でございまして、この「風紀」というのは、先ほど申しましたように、男女混浴をさせないように規制をする程度の考え方で風紀を考えているのであって、そもそも今日問題となっておりますトルコぶろの中で行なわれる業態のようなものを考えるよりも、むしろトルコぶろは公衆浴場的性格よりも、風紀にきわめて抵触するような営業形態である、そういうものを本来的に公衆浴場法で取り締まっていくということはいかがかという問題点もございますので、なお検討中ということを申し上げるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/101
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102・藤原道子
○藤原道子君 私たちは、トルコぶろができたときに、これをどこで取り締まるのだ、公衆浴場法の範疇じゃないじゃないかということを言ったことがある。ところが、そのとき厚生省は、公衆浴場法の範疇でやるのだと言ったのです。大体トルコぶろを公衆浴場法でやるということがおかしいのですよ。だけれども、あなたのほうで進んでこれを引き受けている。それで行ってみると、トルコぶろなんというのはほとんど個室ばかりでしょう、新宿のほうなんか。こういう事態に立ち至りました。したがって、なすり合いをしていてもしようがない。ただ、これに対して、至急に適正な規制を加えられるように——業者もだいぶ風当たりが強いようなので、緊急にあしたあたり大会を開いて、個室は全廃をしたいというようなことを言っているけれども、さて組合に入っていない業者が半分、東京は半分以上でしょう。それをどうするか、ここでも悩んでいる。ところが、きのう、新聞は読売でしたか、これの「編集手帳」では、私たちがくだらないことを騒ぎ立てるが、世界的有名になっている優秀な観光資源じゃないか、これを、やれあれが心配だ、これが心配だで禁止してしまうというようなことは、世界的名声を博しているトルコぶろのために残念である——それからずっとおしまいにまいりますと、トルコぶろは、かくして規制的禁止によって個室の特徴をなくしてしまう、「かくして日本は有力な”観光資源”を洗い流して清潔になり得るか。」というような茶化した記事が出ている。私は、この間の業者の新聞でも御披露したように、観光資源だ観光資源だということをうたっている。私は、文明国で、個室に入って女が裸のようになって男の裸体の背中を流すようなことはない。そんな国辱的な観光資源はなくして、もっとりっぱな日本の観光資源の開発をしたらいいと思う。そういうふうなことがおちゃらかしでなくて、トルコぶろの規制を急いで真剣にやってもらいたい。風俗営業ではやっておりますけれども、これは公衆浴場法でやっていきますと言ったんだから、あなた方がこれを処置しなさい。幸い小林厚生大臣も力を入れているようでございますから、大臣がおいでになってからさらにいろいろ聞こうと思うのですが、そういう意味で、至急に結論を出してやってもらいたい。風俗取り締まりだと、ただ単に男女混浴だけだというような解釈でしょう、厚生省は。これを風紀に及ぼしていっていいでしょう。風紀上害があれば公衆浴場法で規制ができるでしょう、真剣に取りかかってくださいよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/102
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103・紅露みつ
○紅露みつ君 関連。局長に伺いますが、大臣に随行なさって実地にごらんになりましたね。それでどうお感じになりましたか。公衆浴場法でございましたら、あそこで書いてありますように、混浴しなければ風紀に影響はないというふうに書いてあるのですね、あの三条には。そうですね。あのときはそうだったかもしれないのです。そんな感じだったかもしれない。しかし、少なくとも、あれをごらんになったら、これは風紀上よろしいと、いま藤原委員がいろいろと読みあげましたように、観光資源としてとなると、そんなような感じは飛んだのではなかろうかと思うけれども、あの状態のもとでは風紀に悪影響があるだろうと、おそらく思ったろうと思うのですが、いかがですか、どんなふうにお感じになりましたか。あのままでいいかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/103
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104・舘林宣夫
○政府委員(舘林宣夫君) これは私は、現地を視察する前も見た後も同じような感じでございますが、健全なところもあり、健全でないところもある、こういうことでございます。したがいまして、あのような環況のもとに健全でない行為が行なわれる余地は十分あると思いますが、また、すべての入浴客が不健全な行為をするとも思えませんし、また、トルコ嬢も、そのような不健全な行為をする従業員であるとは思いませんけれども、きわめて密室的なところで男女が裸体、あるいは裸体に近い状況にありますことは風紀を乱す環境にあり得る、かように考えました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/104
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105・紅露みつ
○紅露みつ君 風紀を乱す環境であるということは、それはお認めになったわけですね。それは可能性が十分にあるのです。あれを見て風紀に関係がないなんて言う人があったら、それはちょっと頭が少し変だと思うのです。ですから、悪いところもあり、いいところもありと言われることは、実際に現場をつかんだわけでないからそのようにおっしゃるのだと思うのですよ。だけれども、十分にその可能性のある環境なんだから、これはきのうも厚生省では協議を関係者としていらっしたのですが、その結論というものが結論でない結論、とにかくお別れになるときには何らかの線が出たのだろうと思います。しかし、大臣が直接主宰なすったようですから、おっしゃりにくければしかたがありませんけれども、おっしゃれる範囲で、どういう方向でいきますか。これを風俗営業に入れようというのか、あるいは浴場法を改正するか、おそらく「公衆」なんていう字はあの上に冠してはならないと思う。公衆じゃない。たとえばこれも問題には初めからございましたけれども、東京温泉のように、一応公衆と言えるほどの大きいものがありますれば、まずちょっと恕してもいい点があると思いますけれども、近ごろのものは、御存じのとおり、全部が個室で、二人以上はいれるところはないでしょう、複数のところはない。そしていろいろもうだいぶ耳に入っていらっしゃるでしょうし、目からも入っていらっしゃるでしょうから、私は繰り返すつもりはありませんけれども、一体どういう線が出たのか、言えるところまでお話になっていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/105
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106・舘林宣夫
○政府委員(舘林宣夫君) これは先ほど来申し上げておりますように、いろいろな問題点がございますので、なお今後検討を続けたいということで、昨日のところは確定した線は出ない状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/106
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107・紅露みつ
○紅露みつ君 どこへ押っつけるかという押っつけ合いをやっぱりしていらっしゃるように見受けられるのですが、いま風営のほうがああして改正案が出ているものですから、これを改めるならば、これはチャンスだと思うのですよ。公衆浴場法を改めるのでございますればまた別でございますけれども、そうでなければ、いまが一つの大きなチャンスだと思いますから、ちゅうちょなくひとつやっていただきますように、どうでしょう、その心がまえは。政務次官がいらっしゃるのですが、きのうの会議に政務次官は列席していらしたのですか、あなたは。私は行って見たのですけれども、会議を開いていらっしゃるので、局長が御承知ですが、途中から大臣は抜けていらっしてお目にかかったのですけれども、政務次官はあの席においででございましたならば、もう少し結論でなくても、その線をおっしゃっていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/107
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108・砂原格
○政府委員(砂原格君) 私は昨日の会議へは出席いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/108
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109・紅露みつ
○紅露みつ君 怠慢。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/109
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110・砂原格
○政府委員(砂原格君) 怠慢——非常に精励をいたしているのでございますが、他の方面をやっておりまして、その会議へはよう出席いたしません。この問題は御熱心に諸先生方から御意見も伺っておるので、先般、厚生大臣も自分自身で現地を視察して回っておるので、大臣も、本件は何とか適切な方法をとりたいという考えで、本件には真剣に取り組んでおると思います。先ほどから局長が申し上げますように、目下検討をいたしておるのでございます。いましばらくの御猶予をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/110
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111・紅露みつ
○紅露みつ君 政務次官としても、やっぱり大臣がおいでにならないから、局長もお苦しいでしょうから、与党の立場もありますので、そう追及しようとは思っておりませんけれども、まごまごとここで論じているうちにはどうかなるだろうという安易なお考えであるならば、それは改めてもらわなければ困る。それはなぜかと申しますと、私ども議員ばかりでなく、地域の婦人層が立ち上がっておりますよ。そうしてあの様子を見て歩きまして、これは請願も陳情も、それから書類ばかりでなく、皆さんが固まって出ていらっしゃるのです。陳情に。私どもこれは非常に突き上げられた形でもあります。で、私ども婦人議員が、これは党派をこえて、四年前にも深夜喫茶等の問題で、この一連の問題をついたわけでございます。今回はあのときとはたいへん違いまして、もう地域の婦人層がみんな立ち上がっておりますから、これはこの時期を過ぎればというような安易な考えがあるのだったらば、ほんとうに一掃していただくということを皆さんに申し上げると同時に、大臣が真剣にお考えになっていてくださることは、私どももそれは受け取っておりますが、なお、そのことをよく大臣にお伝えいただいて、早急に何らかの解決をはかっていただく、あるいはきょうの読売なんかに出ておりましたね、個室をぶち抜いて、何人か複数ではいれるようにしたらばというような業者の自粛案というようなものが出ておりましたけれども、業者の自粛案というものは、それは非常に信憑性の薄いものですから、何事につけても、それは常利でございますから、そういうことがつるりと出たからまあよかろうというようなつもりでは、なかなか婦人層は今度は引っ込まないと思います。ですから、しっかりと、またこれが繰り返し繰り返し出ないように、風俗営業法に入れるならば風俗営業法に入れる。いまこれが当委員会にかかっておるのですから、ちょうどいいチャンスなんですよ。そうでなくって、これはもう浴場法じゃないというならば、いまの風営に入りますか、浴場法でいこうというのだったらば、公衆なんていうものではないから、この際やっぱり浴場法も出して改正をすべきだと、こう思いますから、よく皆さんも検討なさるのでしょうけれども、大臣にもそのようにお伝えいただきまして、早急に解決策を立てていただく、そういうことを要望しておきます。よろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/111
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112・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 政務次官いかがですか。いま強い要望がありましたから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/112
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113・砂原格
○政府委員(砂原格君) 御要望の御趣旨を大臣に伝えまして、十分検討いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/113
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114・藤原道子
○藤原道子君 局長にも政務次官にもひとつ聞いておいてほしいのですがね。いまいいものもあれば悪いものもあるとおっしゃったのですが、悪いもののほうが多いのですよ。そりゃ認めるでしょう。それから、あれが直接どうとかこうとかとおっしゃったのだけれども、外国ではなぜ日本に興味を持つかというと、外国では男女が一つ部屋で話すのさえ、ドアーをあけておかなければ、一つの部屋で話しているのだけでも、何らかの関係が起きたというふうに見られる慣習があるのです。抗弁の余地なしなんです。にもかかわらず、日本では、事もあろうに密室で男女——若き女に——というようなことを興味本位に見ておると同時に、いかに日本が後進国であるかということを物語っているわけです。昔の湯女と同じなんです。こういう点から私たちが心配していることも十分にお考えになって、昔の日本の常識でなく、広い視野に立っての常識で判断をしてもらいたいということも強く要望しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X00919640303/114
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115・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 他に御発言もなければ、本日の本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時散会
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