1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年三月十二日(木曜日)
午前十時二十九分開会
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出席者は左のとおり。
理事 亀井 光君
藤田藤太郎君
柳岡 秋夫君
委員
加藤 武徳君
紅露 みつ君
佐藤 芳男君
丸茂 重貞君
山本 杉君
阿具根 登君
杉山善太郎君
藤原 道子君
小平 芳平君
村尾 重雄君
林 塩君
発 議 者 柳岡 秋夫君
国務大臣
労 働 大 臣 大橋 武夫君
政府委員
労働大臣官房長 和田 勝美君
労働省労政局長 三治 重信君
労働省労働基準
局長 村上 茂利君
労働省労働基準
局労災補償部長 石黒 拓爾君
労働省職業安定
局長 有馬 元治君
労働省職業訓練
局長 松永 正男君
事務局側
常任委員会専門
員 増本 甲吉君
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本日の会議に付した案件
○労働災害の防止に関する法律案(内
閣送付、予備審査)
○国有林労働者の雇用の安定に関する
法律案(藤田藤太郎君外三名発議)
○労働問題に関する調査
(失業対策事業の運営に関する件)
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〔理事藤田藤太郎君委員長席に着
く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/0
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001・藤田藤太郎
○理事(藤田藤太郎君) ただいまより社会労働委員会を開会いたします。
労働災害の防止に関する法律案を議題といたします。
政府より本案に対する提案理由の説明を聴取いたします。大橋労働大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/1
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002・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) ただいま議題となりました労働災害の防止に関する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
労働災害の防止につきましては、従来から労働基準法、その他労働者の安全衛生に関する法令の実施を通じ、鋭意努力を重ねてきたところであります。ことに昭和三十三年八月以降におきましては、産業災害防止対策審議会の答申の趣旨に沿って、産業災害防止総合五ヵ年計画のもとに国民運動を展開いたし、これによって災害発生率はかなり低下いたしたのでありますが、他面、その間における雇用労働者の著しい増加等の事情もありまして、いまだ絶対数として相当多くの労働者が災害の犠牲となっており、かつ、重大災害の発生も見られる実情にあるのであります。
かかる実情にかんがみまして、わが国産業の進展に伴う労働災害の発生状況に対処するために、この際、政府といたしましては、労働基準法等の施行と相まって、総合的かつ計画的な労働災害防止対策を講じますことはもちろん、特に民間の緊密な協力によってこの対策を一そう推進いたしたいと存じまして、労働災害の防止に関する法律案を第四十三回通常国会に提案いたしたのであります。同国会では、衆議院においては、政府原案どおり可決されたのでありますが、参議院において審議未了となりました。同国会における審議経過等にかんがみ、若干の修正を施した上、これを第四十四回臨時国会に提案いたしたのでありますが、最近における労働災害の発生状況にかんがみ、これを防止する対策を一そう推進する必要が痛感せられ、そのため、この法律案に基づく措置を早急にとることが必要と考えられますので、これと同内容のものを、ここに重ねて提案いたした次第であります。
次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。
第一に、政府は、労働災害の防止のための計画を作成し、かつ、これを公表し、関係各方面と協力して、労働災害の防止につとめることといたしたことであります。
第二に、この労働災害防止計画に沿う事業主の自主的な労働災害防止活動を促進するため、労働災害の防止を目的とする事業主等の団体について定めるとともに、これらの団体に対して政府の助成措置を講ずることとしたことであります。
この法律による労働災害の防止を目的とする団体といたしましては、全産業的なものとして中央労働災害防止協会、特に労働災害の発生率が高い業種に設立されるものとして労働災害防止協会があり、それぞれその設立、業務、管理等について所要の準則を定めているわけであります。
これらの労働災害防止団体は、労働災害の防止に関する技術的な事項について、安全管理士及び衛生管理士をして、事業主等に対する指導及び援助を行なわせるほか、中央労働災害防止協会にあっては、事業主、事業主の団体等の行なう労働災害防止活動を促進すること、労働災害の防止に関する教育及び技術的援助のための施設を設置し、運営すること、その他労働災害の防止に関し必要な事項を全産業的規模において行なうこと、業種別の労働災害防止協会にあっては、特に当該業種の労働災害の防止に関して、労働災害防止規程を設定することを、それぞれ主要な業務といたしております。
右の労働災害防止規程は、労働災害防止協会の構成員であります事業主が、労働災害の防止のために措置すべき事項について、労働大臣の認可を得て定めるものでありまして、これによって、法令の定める基準を、当該業種の実態に即して具体的に補充し、労働災害防止措置の改善向上を行なうことを趣旨とするものであります。
なお、労働災害防止団体には、労働災害の防止に関し、学識経験を有する者を参与として置くことにより、その行なう業務の適正な運営を確保することを期しております。
以上の労働災害防止団体に対しましては、労災保険特別会計の予算の範囲内におきまして、その業務に要する費用の一部を補助することといたしております。
第三に、請負関係にある事業等につきまして特別の規制措置を講ずることとしたことであります。
すなわち、労働基準法等従来の安全衛生に関する法令におきましては、個々の使用者と労働者との関係について、労働災害の防止に関し所要の規定を設けているのでありますが、建設業等に多くみられるように、請負関係にある数個の事業が同一の場所において同時に行なわれる場合につきましては、これらの事業の労働者が同一の場所で作業することから生ずる労働災害の防止に関しまして、特別な規制を行なう必要があるのであります。そこで、この法律におきましては、これら請負関係において最も上位にある元方事業主等に対し、統轄的な安全衛生管理の措置、下請負人の労働者に使用させる建設物、設備等について必要な労働災害防止措置等を講ずる義務を課するとともに、関係請負人及び労働者も一定の義務を負うべきこととしたのであります。
そのほか、労働災害発生の急迫した危険があり、かつ、緊急の必要があるときは、都道府県労働基準局長は、必要な限度において、使用者に対して作業の一時停止等の措置を命ずることができることとして、労働災害の防止に万全を期することとしたのであります。
以上がこの法律案の主要な内容でありますが、このほか、国家公務員、地方公務員、船員、鉱業等についての適用範囲ないし特例に関する規定及び所要の罰則を設けるとともに、附則におきまして、この法律の制定に伴う所要の経過措置等を定めることといたしております。
以上が本法律案を提案するに至った理由及びその概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/2
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003・藤田藤太郎
○理事(藤田藤太郎君) 本日は、本案に対する提案理由の説明の聴取のみにとどめておきます。
ちょっと速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/3
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004・藤田藤太郎
○理事(藤田藤太郎君) それじゃ速記を起こして。
国有林労働者の雇用の安定に関する法律案を議題といたします。
発議者柳岡秋夫君より提案理由の説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/4
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005・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました国有林労働者の雇用の安定に関する法律案について、その提案理由及び概要を説明申し上げます。
現在、五十万人に及ぶ山林労働者は、人里離れた山奥で家族と別かれ、昔ながらの封建的身分差別と非近代的な労働条件に苦しみながら、森林資源の造成、木材生産に従事しているのであります。しかし、池田内閣の提唱する所得倍増政策は、山林労働者をも一そうの貧困の谷間におとしいれ、近代文化の恩恵に浴することもなく、生活の近代化は全くの夢物語にすぎない状態であります。すなわち、これらの労働者の賃金は、依然として人間としての最低生活を維持するにはほど遠い状態であり、労働条件を規定した労働基準法の中心的な規定であります労働時間、休日休暇の規定は、その適用が除外されているのであります。したがって、これらの労働者は、低賃金実態との関連で、今日でも依然として長時間労働が強要されている状態であります。わけても、十五万人に及ぶ国有林労働者は、国有林に専業的に働き、その生計を国有林に依存し、二十年、三十年の勤続表彰を受けておりながらも、林野当局の降雪、積雪を理由とする休業のため、毎年毎年首切りがおこなわれているのであります。そしてその結果は、毎年三カ月から六カ月にわたって失業するという状態が繰り返され、このようにして国有林労働者の身分、生活は極度に不安におとしいれられているのであります。
しかも、これらの国有林労働者は、定員内職員、常用作業用、定期作業員、月雇い作業員、臨時日雇い作業員という雇用区分によって、その労働条件には大きな格差が設けられているのであります。このような国有林労働者の差別支配を強行している当局が、国有林を管理運営する林野庁という名の政府の機構の一部であることは、私の最も遺憾とするところであります。
しかし、最近開催されましたILO国家公務員専門家会議においては、「恒常的な職務を遂行するため必要とされる職員は、常動として採用されなければならないし、その間といえども常勤と非常動との間の法的身分の違いをもって、賃金や労働条件全体について差別の理由とすべきでない」という報告をしているのであります。したがいまして、現在、林野庁が行なっております労務政策は、このILOの見解には全く反しているのであります。このような国有林労働者の現状にかんがみまして、これらの労働者の雇用を継続させ、その雇用と生活の安定をはかる必要があると考えるのであります。これがこの法律案を提出する理由であります。
次に、この法律案の概要について説明申し上げます。
まず、国は、国有林労働者として前年度及び前々年度において、それぞれ継続して六カ月以上雇用された者、また前年度において継続して十二カ月雇用された者については、当該労働者が希望するときは、これらの労働者を常時雇用する国有林労働者として雇用しなければならないものといたしました。
第二に、国有林労働者が一年を通じて労働することができるようにするため、国はできる限り、国が直接実施する国有林野事業の事業量の増大及び作業量の平均化をはかる義務があることを明らかにいたしました。
第三には、国は、前年度において継続して六カ月以上国有林労働者として雇用された労働者で、常時雇用の国有林労働者の対象とならなかった者については、当該労働者が希望する限りは、次年度においても再雇用を保障する義務があることといたしました。
第四には、常時雇用される国有林労働者が、降雪または積雪のために休業せざるを得なくなった場合には、国は、労働基準法第二十六条の規定にかかわらず、特別休業手当として、平均賃金の六〇%以上の手当を休業期間を通じて支払わなければならないことといたしました。
以上が国有林労働者の雇用の安定に関する法律案の提案理由及びその概要であります。何とぞ慎重審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/5
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006・藤田藤太郎
○理事(藤田藤太郎君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/6
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007・藤田藤太郎
○理事(藤田藤太郎君) 速記を始めて。
本日は、本案に対する提案理由の説明聴取のみにとどめておきます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/7
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008・藤田藤太郎
○理事(藤田藤太郎君) 労働問題に関する調査を議題といたします。
質疑のある方は、順次御発言を願います。質疑の通告がありますので、順次これを許します。柳岡秋夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/8
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009・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 先般、昨年の十月から改正をされました職安法の問題、あるいは失対の問題につきまして、その概要を御説明願ったわけですが、本日資料としていただいておりますので、最初にこの資料について事務当局のほうから御説明いただきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/9
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010・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 先般の当委員会で概略御説明申し上げましたが、本日資料でお手元にお配りいたしましたので、先日御説明申し上げました点とダブリます点はどういたしましょうか。また御報告いたしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/10
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011・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/11
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012・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) それでは、最初に、現在の失対就労者の状況はどうなっておるかという資料が二枚つづりで配付してあると思いますが、最初に、性別構成は三十七年現在では男が五六・二%、女が四三・八%、それから年齢は平均年齢で四十九・五歳、男が五十一・五歳、女が四十六・三歳、昨年よりもさらに多少平均年齢が上がっております。
それから、前職の関係は、前職についていた者が七三・五%、女子の場合は、この前職についていた者の比率が四一・九%で、低くなっております。
それから失対事業に就労した期間でございますが、三十七年におきましては、平均で七八・四カ月、六年半程度になっております。この期間も三十六年から比較しますと六・二ヵ月ばかり長くなっております。
それから、転職希望の状況でございますが、全体としましては二九・五%の転職希望者があるわけでございます。そのうち、男は三四・〇%、約三分の一は転職希望をしておる。
それから、世帯の構成状況でございますが、三十七年につきましては、大体二人と三人世帯が一番多い比率を占めております。すなわち、二人世帯が二二・五%、三人世帯が二一・六%。次の世帯収入のところでもおわかりのように、平均的に見ますと、全国平均で三・一八人というのが世帯人員でございます。この世帯人員を基礎といたしまして世帯全体の収入を見てみますと、三十七年で全国平均におきまして、世帯平均人員が三二八人で、平均世帯収入が一万九千六十二円でございます。特に問題になりまする六大都市について抜き出してみますと、世帯人員の平均人員は二・九二人で、全国平均よりも若干下回っております。ただし、世帯収入は二万二千三百十二円で、全国平均よりも相当上回った世帯収入になっております。
以上が三十七年現在における失対労務者の実態の概要でございます。
それから、失対関係の予算の概要につきまして、同じく三枚つづりがお手元に配付されておると思いますが、これでごらんいただきたいと思います。合計から申し上げますと、三十九年度は失対関係の予算といたしましては三百六十四億九千二百万円、三十八年度は三百三十一億九千二百万円でございますので、差し引き増が三十三億でございます。それから規模でございますが、対象人員は来年度は三十三万五千九百人を見込んでおります。これに対応する三十八年度は二十六万六千五百人ということで、広い意味の失対事業の予算と対象人員は、三十八年に比較いたしまして、大幅に伸びておるわけでございます。この中で、昨年の職安法の改正によりまして新しく設けられました就職促進関係の予算と規模は一番上の欄に書いてございますが、対象人員が月々一万人を予定いたしまして、年間で十二万人、予算が四十八億六百万円、措置の内容は小さな項目で五つに分けて内訳が掲載してあるとおりであります。
それから、いわゆる狭義の失対関係事業は算用数字の2の項目にまとめてございますが、規模が十九万四千人で、所用予算額が三百九億四千万円、三十八年度は、規模が二十一万三千人で、予算額が三百四億五千四百万円、規模が若干三十八年度よりも減っております。
それから、その次の三番目の失対就労者の就職対策関係経費、これは対象人員が二万一千九百人で、予算額が七億四千六百万円でございます。そのおもな内訳は四つの項目に掲載してあるとおりでございます。
就職促進措置その他の手当の概要を申し上げますと、最初に、訓練手当は、そこに掲げましたように、三十八年、三十九年におきまして技能習得手当の日額が三十円引き上げられました。それから就職指導手当につきましては、基本手当日額が二百六十円から二百九十円に、三十円引き上げられました。この結果、訓練手当は、三十八年度が一万二千五百五十円、これは全国の平均単価でございますが、これが三十九年度は一万三千三百円になるわけでございます。指導手当のほうは、全国平均で九千百五十円であったものが一万三十円になるわけでございます。
それから、失対事業関係の予算に積算されておりまする事業費単価でございますが、このうちで、労力費の単価がいつも問題になりますが、三十八年度は四百五十八円でございましたが、三十九年度は五百一円九十銭、差し引き十三円九十銭の増、こういう計算でございます。
それから、高率補助は、三十八年度は四億円でございましたが、これを一億増額いたしまして五億円にしております。
それから、雇用奨励関係の経費でございますが、雇用奨励金は、対象人員は六千人で、三十八年度と同じでございますが、金額が二億二千六百万円と、二千万円ほど増額になっております。
それから就職支度金は、規模も九千人から一万五千人と、六千人増大をいたしまして、平均の貸し付け額も、単価二万円から三万円に引き上げております。
以上が失対関係予算の概略でございます。
それから、次に、同じくお手元に半分に印刷しておりまする「就職促進措置実施状況」という表がございます。これは二月二十日現在の促進措置を講じておる状況でございますが、認定の件数が二千六百三十九件でございます。そのうち、具体的に指示を行なった件数が千六百十九件でございます。その内訳は、訓練、指導、職業講習というふうに、五つのコースに分けて具体的に指示をしております。
それから、もう一つお手元に失業対策事業賃金審議会会長の近藤文二氏から大臣あての中間答申がお配りしてあると思います。これが来年度の予算を編成するにあたりまして、失対事業の労力費単価を算定するにつきまして審議会からいただきました中間的な答申でございます。この中の「記」の1のところに、具体的に今回の予算の単価をはじくにあたっての審議会の考え方を明確に書いてあるわけでございます。
以上で私の報告を終わらしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/12
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013・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 この失対の問題につきましては、昨年の国会で、失対の打ち切りではないか、非常にこういう声もありまして、論議のあったところでございますが、十月から具体的に実施をされた段階でありまして、それがどのように運用をされていくかということにつきましては、これからを見なければはっきりしたことは言えないというふうに思うわけでございますが、この改正法案に基づきまして、労働省は、それぞれの局長名をもちまして、通達なり、あるいは通牒なりというものを出しておられるようでございます。その中で、二、三の問題点につきましてお伺いをしておきたいというふうに思うのですが、まず、第一に、就職することが著しく困難な地域につきましては、特例として三十五歳を三十歳に引き下げるというようなこと、あるいは就職促進措置につきましても特別な計らいをする、こういうようなことがうたわれておるわけでございますが、著しく困難な地域というものをどういうふうな観点からとらえられて指定をされておるのか。先般いただきました就職率等を見てみますると、現在、炭鉱離職者との関係で指定をしております地域以外に、やはり相当就職の困難な地域があるのではないかというふうにも思われるわけでございますが、そういう点についての関連からもお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/13
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014・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 失対法の十条三項によりまして、失業者が就職することが著しく困難である地域につきましては、その地域を指定いたしまして、中高年の年齢制限を三十五歳を三十歳に引き下げる、こういった特例措置を設けることになっておりますが、これはさらに規則の七条の二によりまして、その地域の判断基準といたしましては、求職者の数、あるいは求職者数と求人数との比率、あるいは求職者のうち、就職した者の割合、新たに失業した者の数、こういった要素を考慮して具体的に地域指定を行なう、こういう規則になっておるのでございます。私どもとしましては、失業対策制度全般のかね合いにおきまして、こういった考え方で地域指定を行ないます場合に、現行の失業保険法によりまして、失業保険法の二十条の四の規定でございますが、同じような趣旨で失業保険金の給付延長を行なう制度がございます。私どもの考え方としましては、失業保険金の給付延長を行なういわゆる失業多発地域と同じような考え方で十条三項の地域指定を行なってまいっておるのでございます。これらはいずれも失業対策上の同じ趣旨に基づく制度でございますので、地域も同じ地域を指定したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/14
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015・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 たとえば著しく困難な地域というものについて、中央職業安定審議会ですか、その他いろいろ具体的な検討をすべきではないか、こういう答申といいますか、そういうものを出されておるように思うのですが、いま申されました失業多発地域、いままでの指定以外の中で特に検討を要するというような地域があるわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/15
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016・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) ただいまの十条三項の地域指定につきましては、先ほど申しましたような考え方で、具体的には中央職業安定審議会の意見を聞きまして指定行為を行なったわけでございます。いろいろこのほかにも、いわゆる失業多発地域とおぼしきところがあるのではないかというような御意見はおありかと思いますが、安定審議会の意見も、いまの給付延長の指定地域と同様に考えたほうがいいじゃないかということで以上のような措置をいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/16
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017・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 そこで、年齢の問題ですが、三十五歳を原則として、いま言われました地域につきましては三十歳ということになっているわけですが、失業者というものに対する定義ですか、失業者というものを、就職促進の措置をするにあたっての対象はどういうふうにとられているのか。この通達によりますと、失業者の定義というものを非常に狭くしているのじゃないかというふうに思われる。たとえば自営業者等で仕事がもうやれそうもない、したがって、ほかの仕事につきたいというような人は含まれないというような解釈になるのではないかと思いますし、また、おかあさん方でどこか仕事をしたいというような場合はこの措置を受けられないというようなふうにも解釈されるというふうに思うのですが、こういう点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/17
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018・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 失業者の定義はなかなかむずかしいわけでございますが、私ども従来から失業者の定義といいますか、解釈といたしましては、いわゆる失業保険法第三条に規定しておりますところの、労働者が離職をして、労働の意思及び能力を有するにかかわらず、職業につくことができない状態にある、これを原則的に考えているのであります。しかしながら、今日の雇用、失業の現状から見ますると、今回の就職促進の措置におきまして、この失業保険法第三条に規定するいわゆる失業者だけに限定をすることは必ずしも当を得ないのじゃないかということで、雇用労働者であった者だけを対象とするという狭い考え方ではなくて、雇用関係が終了いたしまして失業状態にある者のほかに、自営業者、あるいは家族従業者であった者でも、その地位を失なった場合、あるいは非従業者であった者が求職者として労働市場に登場する場合でありましても失業者として取り扱おう、こういう考え方をとっているのであります。そういう考え方でやりますので、従来の失対事業の適格要件とされておりました失業者という範囲、定義とは実質的に何ら異ならないのであります。ただ、従来失対事業の適格要件としては、世帯要件が一つ加わっておったわけでございますが、失業者という定義自体につきましては、実質的な変更はございません。あくまで自営業者であり、あるいは家族従業者であっても、その者が生計を維持している状態、その状態をどういうふうに判断するかによって、失業者になるか、あるいは失業者でないという解釈になるか、それを具体的に判断していこう、こういう考え方で今度の就職促進措置も解釈をいたしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/18
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019・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 そうすると、いまのお話ですと、被雇用者が新しく職を求めていく場合、そういうものも対象になる、あるいは自営業者で、その仕事がもう望みがないということで、他の仕事に移りたいという場合のものも対象になると、こういうふうに確認してよろしいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/19
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020・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 対象になり得る。ただし、その場合の生計を維持しておる当該ご本人の実態がどういう状態になっておるかという実態的な判断をした上で促進措置の対象として考える。失業者として扱うか、そうでなくて、自営業者として生計を維持しておるじゃないか、失業者じゃないじゃないかという判断をするか、その辺は実態に即して判断をしていきたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/20
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021・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 そこで、認定の問題ですが、たとえば通達等によりますと、所得による制限で、夫婦の世帯の場合、夫婦の所得をそれぞれ対象として制限をしているというふうに解釈をできるわけでございますが、これはやはり失業者というものが本人でありますし、夫婦の所得が生計を維持する所得であるから、おまえは失業者として認めないということはちょっとおかしいじゃないか、あくまでもそれぞれ本人の所得という観点からこの制限というものは設けられなくちゃならぬじゃないかというふうに思うのですが、こういう点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/21
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022・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 認定の要件といたしましてインカム・テストを考えておるわけでございますが、これは所得税の減税点を基準といたしまして、それに満たない所得を得ている場合にはそれは対象に考えよう、要件に該当するというふうに、要件の一つとしてインカム・テストの方法をとっております。その場合の本人と配偶者との所得の計算のしかたでございますが、まあ普通、生活保護法等におきましては世帯単位の所得計算をしておるようでございますが、今度の促進措置の場合には、配偶者がおるときと配偶者がいないときとに分けまして、配偶者がいない単身の場合にはもちろん本人だけの所得、しかも、所得も利子所得、配当所得、不動産所得及び給与所得のうち、賃金としての性質を持たないものだけを所得額の算定に考慮するわけでございますが、配偶者がおります場合は、失業者本人のいま申しましたような所得と、配偶者の前年分の所得のうち、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得及び給与所得を合算した額を対象といたしましていまの所得税の減税点を算定するわけでございます。したがいまして、生活保護法等におけるインカム・テストよりは、配偶者のみを限定して対象としておるという点で、算定のしかたが非常に変わっておると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/22
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023・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 認定の基準で、たとえばいま申された夫婦の、いわゆる世帯主義をとっておるわけですね、配偶者のある場合。こういう場合、やはり大きく考えて、すべての労働力を国の生産活動に寄与させるという観点からいっても、私は、当然単身単位ですべてを措置していくということが妥当ではないかというふうに思うのですがね。配偶者のほうがそれだけ所得があるからということで、本人が失業しておっても、それは資格の要件に足らない、はずされるということでは、この本来のいわゆる職安行政と申しますか、そういう本質からも少しはずれているのではないかというふうに思いますし、これは単身単位ということで考えられないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/23
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024・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 日本の生活の実態が、少なくとも夫婦生活といいますか、夫婦単位で生活を営んでいる実情に着目いたしまして、配偶者があるときには、配偶者の所得までは先ほど申しましたような種類に限定いたしまして算定をして、ただし、扶養家族の控除のほうはこれは別途にございますので、私どもの試算で検討いたしました結果は、いま言ったような基準で、インカム・テスト上、失業者の資格からはずれてくるという例は、実際問題としては皆無でございます。配偶者が、かりにありました場合に、子供が二人あったと想定いたしますと、両方の所得金額が年額にいたしまして三十一万一千七百五十円、これが所得税の免税点でございますので、いま申しましたような基準からいたしまして、ほとんどの要件は満たしているといいますか、この要件に該当しないということで失業者の範囲からはずれていくということは、実際問題としてはないのじゃないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/24
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025・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 そこで、この前の国会におきまして質問をしておる事項でございますが、たとえば非常に就職の困難な地域におきましては、所定の就職促進措置を受けなくても就職のできるような配慮をすべきではないか。たとえばそのときの労働大臣の御答弁では、あくまでも無益な訓練とか、そういうものはしないというような御答弁もあったわけでございますが、そういう点の配慮は今回の通達の中でなされているのかどうか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/25
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026・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) これは失業の多発の状況によりましては、促進措置を具体的にとる場合に、こちら側の訓練施設にいたしましても、あるいは促進指導官の指導の能力の限界からいたしましても、当局側の受け入れ側の限度がございますので、そういった点をこえるような事情が発生した場合には便宜の措置を講じて、所定の正規の促進措置を経ないでも失対事業へ吸収するという例外措置はとり得るようにしてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/26
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027・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 そうすると、それはあくまでもそういう指導官なり、あるいは訓練施設の関係という、いわゆるこちら側の態勢だけの点からそういう配慮をするということですか。いわゆるその失業者の条件なり、あるいはその就職先の地域の条件なり、そういうものは全然考えない、いわゆる労働省側の観点に立ってのみの配慮と、こういうふうに解釈してよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/27
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028・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) こちら側だけの事情ではもちろんございませんで、やはり失業の多発の状態ということが前提になっておるわけでございます。しかも、促進措置等で処置をいたします場合には、大体半年ぐらいが限度でございますので、それをこえてさらに長く促進措置を続けていくという考え方はございませんので、その間に、多発地域におきましても、実情に沿ったような解決方策が、こちら側の事情と、それから発生の事情とを勘案して具体的にとり得るというふうに私どもは判断いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/28
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029・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 そういういま申されたようなことは、だいぶ法案が成立をする段階における労働大臣の答弁、あるいは労働省の考え方からしますと、非常にかけ離れているような感じを受けるわけです。あのときは、無益なそういうものはしないと、そういう場合には。そういうことで、一週間程度の職業講習ぐらいでもいいようなことも考えていきたいと、こういうことも労働大臣のほうからほのめかされておったわけでございますが、そういう点はいかがですか。労働大臣のほうからお伺いしておきたいと思いますけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/29
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030・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) いまの柳岡委員の御質問の点は、前国会におきましても私から申し上げたように、無意味な職業訓練を長期にわたって強制するというようなことはいたしたくない。したがって、一週間程度の短期に、今後の就職についてのいろいろな心得等の講習にとどめまして失対事業に回すということは、十分考慮いたすことに相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/30
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031・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 次の問題に入りたいと思いますが、この認定を受けて、それから具体的な指示を受けるまでの期間ですね、この期間は、通達によりますと、非常に長いような感じを受けるのですが、大体二ヵ月ぐらいかかるというふうに思われるのですが、その点は非常に長いし、また、その間、一体失業者はどうしたらいいかというような問題も出てくると思うのですが、そういう点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/31
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032・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 二ヵ月を限度に、なるたけ早く措置を講じたいということで指導をしてまいっておりますが、一部地域におきましては、御承知のように、非常に殺到のような状況もございまして、まあ私どもの職業紹介は、あくまで個人の秘密にわたるような各人の事情も聴取しなければならぬようなこともございますし、あまり集団で押しかけられても、一ぺんに処理するというわけにはいかない。あくまで指導官を中心とする個別的、具体的なケース・ワーク方式で処理をいたしておりますので、一括連名で措置をしてしまうというふうな手荒なことはいたしかねますので、その間に多少時間がかかっておるというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/32
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033・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 そうしますと、失業保険を受給しておる人はいいと思うのですが、そうでない人は二ヵ月も待たされるというようなことになりますと、いろいろな手当もその間もらえないわけです、具体的な指示がなされない限り。だから、その間、一体どうやって生活をするかという問題が起きてくるのですが、その点についてはどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/33
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034・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 先ほど申し上げましたような失業者の定義から申しましても、他に職がなくて、あるいはほんとうに生業につくための求職活動をやっておるという場合には、これは具体的な措置も早急にやっております。ただ、何といいますか、まあおかみさんと言っちゃ悪いのですが、家庭の主婦が出てきて、ほんとうに生業——正規の民間雇用につくという意欲のない人が来ておる場合もありますし、それから、いろいろな関係で制度の御認識が薄くて来ておる場合もありますので、その辺は多少仕訳をしてかからないと、もともと手当を支給するというのは就職を確保するための措置でございますので、その手当だけをもらいに来るだけの求職者では、これはちょっと困る。その辺の関係がございますので、ほんとうの失業者で、熱心に求職をしておるという方々に対しては、安定所の地域別の状況もありますが、逐次具体的な措置をしてまいっておりますので、非常に支障があるというふうな事態は現在のところ起こっていないというふうに私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/34
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035・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 この認定申請をして、認定の段階で、先ほど指導官の数の問題なり、あるいは受け入れ態勢の問題等で、非常に一時に殺到されても困ると、こういうお話でございますが、今年度の予算で、この就職促進指導官ですか、これはどのくらい増員を予定しており、また、その予定した指導官で十分法の運用をやっていけるのかどうか、その辺もお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/35
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036・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 三十八年度におきまして、すでに石炭を中心にいたしましてこの制度が展開されておりますが、現在専任が四百二十六名おります。そのほかに兼任が五百七十名ございますので、合計いたしまして九百九十六名、一安定所平均二名程度になります。これに、さらに来年度の予算におきましては三百五十人を増員いたしておりますので、安定所当たり三人近い数になるわけでございます。もちろんこれで十分とは思いませんけれども、三十九年度はこの人数でもって対処してまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/36
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037・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 で、職業安定所のある地域は、二ヵ月ということではちょっと問題がありますけれども、まあまあと思うのですが、しかし、いま町村単位に職業安定所があるわけではないのですね。したがって、そういう職安のない地域の失業者というのは、非常にこの措置を受ける、あるいは指示を受けるということがはずされていくのではないかという懸念を持つわけです。こういう点について、できればその自治体の長にそういうものを委託してやるとかということも考えていいのではないかというふうに思うのですが、こういう点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/37
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038・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 現在の職安法によりますと、市町村の協力規定がございますけれども、今回の就職促進の措置について市町村にお願いをするというところまでは現在考えていないわけでございます。しかしながら、安定所の分布の状態も、都市に偏在しておりまして、いなかには手が届かないというふうな状況でございますので、先々では五人未満の失業保険の強制適用の時期等も考えまして、何らかの方法でいなかにも職安行政のサービスが行き届くような態勢は考えてまいりたいと思います。しかしながら、いまのような、安定所をやたらにふやしていくとか、あるいは出張所という形でふやしていくという行き方には再検討の必要があるのじゃないか、もう少し機動性を発揮し、あるいは町村の協力を得ながら、能率的な安定業務の運営をやっていける態勢を考えていくべきじゃないか、こういうふうな考え方で現在検討中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/38
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039・藤田藤太郎
○理事(藤田藤太郎君) 委員長の質問をしますが、いまのお話ですけれども、一つは、職安の地域が市単位に行なわれて、また、市の中では区単位とか地域単位に行なわれているわけですが、隣接市町村から失業者がその職安の窓口に行く、期末手当やその他のときに。隣接市町村の失対労務者が期末手当その他のときにおいて問題を起こしているということを私は見るわけです。これが一つ。
それから、先日も私はお尋ねしたのですが、山の奥のほうへ入っていくと、地域がない。毎日日雇いですから、失業保険をもらいに行かなければならぬということは、これも不可能だという。だんだん調べてみると、林野の労働者なんかは、ほんとうに半分も実際失業している、季節労働している。失業手当をもらってないという現象があるので、これはひとつ十分にあらゆる角度から検討をしていただかないと処理ができないのじゃないかというぐあいに私感ずるわけで、できればひとつ御所見を伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/39
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040・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 失対労務者の盆暮れの手当の問題の御指摘が最初にございましたが、これはなかなかわれわれとしても、こういう公の席で言いにくい事情もございまして、これはいまの隣接町村との問題は、また別の角度から御検討いただいたほうがいいのじゃないかと思います。失業保険の支給事務につきまして、僻地が非常に不便をしているという事情は、私どもも重々聞いておりますので、できるだけ巡回相談所というふうな形をとりながらでも、認定と支給事務は円滑に実施してまいりたいということで、逐次解消しているわけでございますが、なにせ定員と予算の関係がございますから、まだ不便な地域が若干残っていると思います。不便の度合いからいたしまして、漸次改善してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/40
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041・藤田藤太郎
○理事(藤田藤太郎君) もう一つ。いま柳岡委員が質問しましたが、そういうときには、今後考慮していただく中で、一定のワクをきめて、自治体の町村長あたりに、ある一定のワクの中で権限を委譲してやるようなことも、私は、やはり御配慮あっていいんじゃないかという感じがするわけなんですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/41
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042・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 御趣旨はごもっともでございまして、私どもも、町村の協力を得て、どうやら少ない人数で対処してまいっているのですが、なにせ失業保険金は国庫の金でございますので、やはり国家公務員の責任者が支給をするという形をどうしてもとらざるを得ない。したがいまして、町村に全部をまかしてしまうというわけにはいまの制度上はできないわけでございます。その辺がございますので、町村の協力を最大限に得ながらも、何とか国の事務としてのかっこうをとりながら支給をしてまいるという形で善処してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/42
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043・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 いずれにいたしましても、非常に具体的な指示をするまでの期間が長いということは、いろいろ問題を起こすと思いますし、中央職安審議会の中でも、できるだけ早く指示のできるようにと、こういうことも言われているところでございますから、こういう点につきましては、ひとつ十分態勢を整えていただきまして、早期に、認定から具体的な指示に至るまでの期間をできるだけ短くしていっていただきたいというふうに思うわけです。
それから、その次に、高齢者の就労事業に対する就労資格の問題ですが、この中で、子供が主たる家計の担当者になっているという家庭があると思うのですが、そういう家庭の中で、特に貧困な家庭で、その子供の所得だけでは十分な扶養の能力に欠けるというときには、当然その希望者にはそういう資格を与える措置も考えられていいんじゃないか、こういうふうに思うのですが、そういう点はどうなんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/43
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044・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 一応年齢的には六十歳を基準にしておりますが、例外の措置もございますし、また、先ほど御指摘がありましたインカム・テストにおきましても、配偶者の所得は計算の対象にいたしますが、子供の所得は別個でございますので、そういった事情のある場合には高齢者就労事業へ吸収できると考えて、また、そういう方を吸収しながら円滑に運営してまいりたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/44
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045・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 それから、もう一つ問題になりました失対事業の請負化の問題ですが、今度の改正によりまして請負化がますます促進をされるのではないか、こういうような疑問がやはり出されているわけです。こういう点について、三十九年度の予算面からどういうふうに考えておられ、また、実態としてどういうふうになっているのか、その辺をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/45
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046・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 請負方式による失対事業の施行ということができるように相なったわけでございますが、私どもは請負方式を無条件に拡大をしていくという考え方はとっていないわけでございます。この請負方式による弊害面が相当考えられますので、全国的な基準を設けて、弊害の生じないような形で、統一ある基準によって運用をしてまいりたい。したがいまして、請負方式がとり得るということに相なっておりまするが、それを拡大をしていこう、いきなり請負方式に相当部分を切りかえていこうという考え方は毛頭ございませんので、目下その具体的な基準をうんとしぼった形で検討をしておる段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/46
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047・藤田藤太郎
○理事(藤田藤太郎君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/47
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048・藤田藤太郎
○理事(藤田藤太郎君) それじゃ速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/48
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049・阿具根登
○阿具根登君 一つだけ労働大臣に御質問いたしますが、この資料を見てみますと、平均年齢が男で五十一・五歳、女で四十六・三歳、年齢別構成を見てみますと、五十歳以上で五一・六%になります。全失業者の半数以上が五十一歳以上の人だと、こうなるわけです。そうしますと、その要因は何なのかということを考えねばならぬと思うのです。そうしますと、これは大正時代から民間は五十五歳の定年制というのがあるわけです。だから、この五十五歳以上という人が非常にふえている。そうしますと、その当時は年齢も、人生わずか五十年だったが、いますでにもう七十年になろうとしておる。それにもってきて依然として五十五歳だ、しかも、労働力が足らなくて困っておる、こういうときに、依然として五十五歳の定年制をしいて、そうして円熟した人たちを工場から外へ出して、あとは政府におまかせだ、こういうようなやり方がこういう非常なアンバランスな失業状態を示していると私は思う。そうすると、これは労働省の指導によって五十五歳の定年ということを延長さすべきである、六十歳なり六十五歳に延長さすべきである、それが第一の私は失業救済であると思うのです。五十五歳からはみ出した失業者に金をかけて一生懸命に訓練をしたりなんかして別個の仕事をさせるというそのものが私は間違いだと思う。定年延長しただけで訓練する必要はない、その人たちは、その職場においてはこれは皆ベテランです。だから五年なり十年なりの定年制の延長を指導されるということが、まず一番大きな失業対策じゃなかろうかと思うのです。これに対して労働大臣はどういうふうにお考えでしょうか、お尋ねしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/49
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050・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 定年制の問題につきましては、これを延長するように考えるべき時期ではないかということにつきましては、経済界におきましてもだいぶそういう声が出てまいっておることは御承知のとおりでございます。ただ、これにつきましての問題は、現在の日本の賃金形態が、多く年功序列型に相なっておりますので、定年を延長するということは、さらに高給者をたくさん企業としてかかえなければならん。そうして、また、五十五歳以上の人につきましては、むろん老いてますます有能な方もありまするけれども、仕事の種類によりましては、能率が壮年時のごとくにならないというような仕事もあるわけでございまして、これらのにらみ合わせで実行上いろいろ困難な問題があるようでございます。もちろん一部の企業におきましては、一応定年退職をいたし、その際において従来の年功序列型の賃金というものを契約上解除して、同時に、退職金もその際に一応計算して支給した後に、あらためて契約するという形で定年の延長を事実上行なっているところもあるのでございます。で、労働省といたしまして、こういう定年延長を勧奨するということに相なりますると、直ちに賃金の形態なり、あるいは従事する仕事の種類なりにつきましても、ある程度の考えを持っておる必要があると存じまして、これらの点につきまして目下検討をいたしておる次第でございます。いずれ検討ができましたならば、関係の審議会等におきまして、労使、公益等の意見を十分に聞きまして、それに基づいて行動するようにいたしたいと心がけております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/50
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051・阿具根登
○阿具根登君 大臣のお気持はわかりますが、早くその考えを打ち出して決して早過ぎはしないと思うのです。確かにおっしゃるように、賃金形態が他国と違いますから、ある職場においては五十五歳以上になった方はなかなか困難なこともあるでしょう。極端な言葉で言いますと、郵便配達をする場合に、五十五歳の人と二十五歳の人だったら、二十五歳の人がより能率が上がることは、これは当然です。そういう形態が現在とられておるのです。だから、賃金形態については、これは考える余地は私は多分にあると思うのです。しかし、ただこういうかっこうで五〇何%の五十歳以上の方々を職業訓練をして全然違う職業に入れなければならぬというこのあり方が私は間違っていると思う。それよりも、たとえば五十五歳になった人を、いまおっしゃったように、一部の企業がやっておるような、そういう形態でもいいと思う。やはりその会社が責任を持って六十歳なら六十歳、六十五歳なら六十五歳までは会社が責任を持てと、こういうことをしなければならぬと思うのですが、その次の「前職」というのを見てみましても、七三・五%が定職についておったのです。七三・五%が定職についておった。そうすると、その大部分は定年でやめたと、こうなるわけです。七三%も自分は定職を持っておった。そうしたら、定年を延長してくれれば、労働省が金をかけてこんな心配せぬでも、その企業が心配すべきなんです。だから、その点を早急にひとつ打ち出してもらいたい、それが私は第一の失業対策になるのだと思う。弱年労働者は、ごらんのように、三十歳未満は一・八%しかないのです。だから、こういう者は心配する余地はないけれども、一・八%、五十歳以上の人が五一・六%もおる。そのうち定職にいままでついておった人が七四・二%、七三・五%ということを考えるなら、これはこういう施策そのものが私は逆立ちしておりはせぬかと思う。だから、これもひとつ早急に打ち出してもらいたいと思います。
それから、局長、これはちょっと私の考え違いかもしれませんけれども、お尋ねしますが、先ほどの説明でちょっと触れておられましたけれども、世帯人員別に二人から三人の世帯構成が二二%、二一%で一番多い。そうしますと、失業者は高年齢者が一番多く、極端に言えば子供があるような年輩の方、そういう方が多いのに、世帯人員じゃ二人、三人ということになってくると、どうもはっきりしない。たとえば三十歳以下の人だったら結婚して子供が一人おるとか、あるいは結婚したばかりということもあるでしょうけれども、六十歳になった人が世帯人員が二人、三人の構成というのは、先ほど子供の収入は入らないということを言われましたが、これは生活保護ではあるかもしれぬけれども、どういうこれは現象なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/51
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052・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 現在の失対就労者の、先ほどの年齢、あるいは在職期間とか世帯収入、世帯人員の構成、こういうものを見ますと、阿具根先生から御指摘のありましたような、いわゆる普通のつとめをして五十歳あるいは五十五歳の定年でやめてここへ入ってきたというよりは、終戦直後の社会的な混乱から尾を引いてこの失対事業に残って高齢に至っている方々のほうが、高齢者の数の上から見ますと比較的多いわけです。したがいまして、さっきの失対事業に在職した期間という資料の二枚目の冒頭を見ましても、十年以上というのが三十六年は二割に過ぎなかったのですが、三十七年は二四%というふうに、非常に大きなウエートを占めてきて、ここはもう終戦直後からずっと失対事業に固定しておる層が相当部分いるということを示しているわけなんです。したがいまして、普通の場合に想定されるような家族構成とはちょっと違った形が世帯人員の数の上でもあらわれております。大体子供さんは独立して別世帯になって働きに出ておるというふうな場合が多いわけでございまして、私どもが普通に想定する世帯人員の平均よりも若干下回っているというふうな感じが、三十七年の、あるいは六年でも同じでございますが、世帯人員の平均数からすると感ぜられるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/52
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053・阿具根登
○阿具根登君 ちょっとそれじゃお伺いしますが、期間別構成で十年以上が二四・四%になっておりますが、これはいわゆる定職についておったものの中に入っておりますか。日雇い労働を定職として計算されましたかどうか、それをお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/53
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054・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) これは大体定職についておったという前歴が、人生五十年の経験の中には、必ずといっていいほどあると思います。これはご本人の申告によってやっているわけでございますので、日雇いでずっと終始してきた方がどういう御申告をしているか、その辺が一々調査に立ち会ったわけでございませんが、日雇いという雇用形態であっても、港湾、あるいは建設業等においては、そういった雇用形態で長年定職についておった方々が相当あるわけでございますので、日雇いだから前職というものに——前職といいますか、定職というものに入らないという考え方で調査をしているわけではございませんで、日雇いは日雇いなりに、ずっと長年定職として勤務されておる前職があればここへ入ってきておるわけなんです。その辺がご本人の申告でございますので、定職という意識で申告したのか、あるいは若干収入は得ておったけれども、自分の定職ではないという考え方で定職なしという申告をしたのか、その辺はちょっとわかりにくいのですが、男子の場合は七割強が前職があったということになってりります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/54
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055・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 労働大臣が所用でおられないそうですから、またあとでお伺いしたいと思うんですが、運営管理規程の問題ですが、これはこの前の国会におきましてもいろいろ論議をされまして、運営管理規程と労働協約との関係等については、あくまでも自主的に事業主体においてきめるものだ、こういうふうになっておると思うのですが、しかし、労働省から出された通達等によりますと、その内容が非常に厳格に指導されておりまして、実際には各事業主体の中で労働者と事業主体が自主的にきめるというようなことができないんではないかと、こういうふうに思われるのですが、そういう点についてどうお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/55
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056・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 管理運営規程について労働省が示した準則と労使間できめる協定との関係でございますが、これはもちろん協定が優先することは当然でございますが、私どもの考え方といたしましては、失対法で賃金は労働大臣がきめる、こういうことになっております。賃金をきめる前提としての労働時間というものは、賃金とうらはらできめなければ、これは賃金をきめたことにはなりません。したがって、労働時間についても八時間制をとらざるを得ない、そういったような関係と、それから、もう一つは、やはり失対事業を全国的な規模で運営してまいります場合には、やはり運営の根幹になる問題は、統一ある基準で運営していかないとくずれてくる。くずれてくるということは、結局失対事業が維持できなくなってくるという点につながりますので、最少限度の統一基準を設けて運営していかなければ失対事業は維持できなくなる、こういう考え方から統一基準を設けたわけでございます。したがいまして、その基準に弾力性を持たしてある、あるいは基準に明示してない点について、それぞれの土地柄に応じた労使の協約を結んで、自主的に運営していくということは当然考えていいことと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/56
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057・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 たとえばその示した統一基準に反するような協定を事業主体が結ぶというような場合、その事業主体に対する国の補助なり、失対事業の運営に支障のあるようないわゆる締めつけを労働省はやるのではないか、こういうような声も聞かれるわけですが、こういう点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/57
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058・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 御指摘のような事例で、準則の重要な事項について変更が行なわれるというような場合には、場合によっては補助を遠慮させる、あるいは打ち切るというような方法をとらざるを得ない場合もあるかと思います。私ども実際の運営にあたりましては、それぞれの地域の事情、あるいは過去のいろいろな実績というようなものを全然考慮に入れないというわけにはいきませんので、実際問題としては相当考慮に入れながら、できるだけ円滑な運営をはかっていくという方向で指導しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/58
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059・藤田藤太郎
○理事(藤田藤太郎君) ちょっと私から御意見を伺いたいのですが、いま定年制の問題が議論になっておりますが、私は、労働省は労働科学の面からと、それから、やはり労働力を無為に遊ばせるということのないように、今日の労働力が不足しているという面、中高年齢の失業対策の面からも、私はひとつ科学的に調査していただきたいと思う。ちょうど労調会が、たしか昭和五年のときに、人間の体力、握力、牽引力というようなものを日本人と外国人との間に調査をした非常にりっぱなデータがございます。当時の日本人の総合体力というものは、呼び年十五歳と呼び年五十歳と同じ、要するにエネルギーを算定して定年制を呼び年五十歳で切ってしまった。だから、全くいいところだけ生産に動員して、あとはめんどうをみなかったわけですが、新しい戦後の日本の経済下において事情がだいぶ違ってきた。当時のドイツなど、外国の資料を見てみますと、やはり満年五十七、八歳、六十歳と満年十五歳くらいと同じくらいの体力、そういうものが上昇して、定年制が外国にはほとんどありませんが、労働力を遊ばしておくというようなことは国民経済の上からも損失だというものの考え方がそこに出てきている。で、四十九歳の寿命が六十九歳、七十歳になってきている状態でありますから、だから、そういう面と、外国の一九二〇年当時の調査なんですから、今日外国も向上しているし、日本も非常に急速度に体力が向上しているわけですから、そういう面からの分析をひとつしていただいて、まあ年功序列賃金と一がいに他から見て言えるけれども、使用している立場から言えば、単に年功序列というようなかっこうは、労務政策としてそういうかっこうをとってきているわけですから、使っている人からそういうことを言うことは、私はちょっとおこがましいと思っているわけです。だから、そういう面も労働省が直接おやりになる際、そういう専門機関でそういう科学的な調査をされるかして、やはり阿具根委員の言ったように、定年制で五十五歳で首を切ったあとは失対事業に引き受けさすといったことじゃつまらぬことだし、また、労働力自身も街頭にほうり出して遊ばすというのももったいない話ですから、そこらはひとつのそういう面からも深くえぐっていって、そうしてそれの障害の出るようなものは社会的に直していく、賃金や労働条件の問題を直していくという御検討を願いたいということを、大臣もいますから、専門的な職安局もあるわけですから、御検討をぜひ願いたいということを私はお願いしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/59
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060・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 定年制の問題は、これは単に職安行政だけの問題でなくて、労働科学の問題でもありますし、また、賃金その他給与全般にも関係があることでございます。企業の経営上もいろいろな問題があると存じますので、労働省といたしまして主任の局を定めて、各局を通じて総合的に至急に検討に着手するようにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/60
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061・藤田藤太郎
○理事(藤田藤太郎君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/61
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062・藤田藤太郎
○理事(藤田藤太郎君) 速記を起して。
他に御発言がなければ、本件に関する質疑はこの程度にとどめておきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/62
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063・藤田藤太郎
○理事(藤田藤太郎君) それでは本日はこれにて散会いたします。
午後零時三分散会
————・————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01219640312/63
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