1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年三月三十一日(火曜日)
午前十一時三十二分開会
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委員の異動
三月三十一日
辞任 補欠選任
山下 春江君 谷村 貞治君
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出席者は左のとおり。
委員長 鈴木 強君
理事
亀井 光君
高野 一夫君
藤田藤太郎君
柳岡 秋夫君
委員
加藤 武徳君
鹿島 俊雄君
紅露 みつ君
佐藤 芳男君
徳永 正利君
丸茂 重貞君
谷村 貞治君
山下 春江君
山本 杉君
横山 フク君
阿具根 登君
藤原 道子君
小平 芳平君
村尾 重雄君
林 塩君
国務大臣
厚 生 大 臣 小林 武治君
政府委員
法務省入国管理
局長 小川清四郎君
厚生政務次官 砂原 格君
厚生大臣官房長 梅本 純正君
厚生省医務局長 尾崎 嘉篤君
厚生省医務局次
長 大崎 康君
厚生省薬務局長 熊崎 正夫君
厚生省社会局長 牛丸 義留君
厚生省児童局長 黒木 利克君
厚生省年金局長 山本 正淑君
事務局側
常任委員会専門
員 増本 甲吉君
説明員
法務省入国管理
局参事官 池上 努君
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本日の会議に付した案件
○国民年金法及び児童扶養手当法の一
部を改正する法律案(内閣送付、予
備審査)
○重度精神薄弱児扶養手当法案(内閣
送付、予備審査)
○社会保障制度に関する調査
(在日朝鮮人の生活保護、永住権及
び失業対策に関する件)
(総合病院常岡病院の火災に関する
件)
○社会福祉事業振興会法の一部を改正
する法律案(内閣提出、衆議院送
付)
○医療金融公庫法の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/0
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001・鈴木強
○委員長(鈴木強君) ただいまより開会いたします。
国民年金法及び児童扶養手当法の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず、政府より提案理由の説明を聴取いたします。小林厚生大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/1
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002・小林武治
○国務大臣(小林武治君) ただいま議題となりました国民年金法及び児童扶養手当法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
国民年金法は、昭和三十四年の第三十一国会で成立以来今日まで数回の改正が行なわれ、現在では、拠出年金の被保険者は二千万人、福祉年金の受給権者は三百万人を擁する制度に成長しているのであります。しかしながら、本制度の発展と内容の充実をはかるためには、なお一そう努力しなければならないところであります。
また、児童扶養手当法につきましても、昭和三十六年の第三十九国会において成立して以来、手当額の引き上げ、支給制限の緩和等の改善が行なわれてきたのでありますが、国民年金制度と同様に、なお一そうの内容の充実を必要とするところであります。
今回の改正法案は、以上の趣旨のもとに、国民年金制度及び児童扶養手当制度につきまして、年金及び手当の支給の対象となる障害者の範囲を結核、精神病等の内科的疾患に基づく障害者にまで拡大するとともに、支給制限を緩和することによりまして、両制度の改善をはかることとしたものであります。
以下、改正法案のおもな内容につきまして、国民年金に関する事項から御説明申し上げます。
第一に、障害年金等の支給範囲の拡大についてでありますが、これには二点ございまして、第一点は、障害年金及び障害福祉年金の支給の対象となる者は、現行法では四肢の欠損等の外部的障害者に限られておりますが、これを拡大し、結核性疾患、非結核性の呼吸器疾患及び精神病に基づく障害者についても支給の対象とすることにいたしたのであります。
第二点といたしましては、母子年金及び母子福祉年金の支給の対象となる障害の子の範囲を、障害年金と同様に、内科的疾患に基づく障害者にまで拡げることといたしております。
なお、準母子年金、準母子福祉年金及び遺児年金の支給の対象となる障害の子等の範囲の拡大も母子年金と同様であります。
第二に、福祉年金の支給制限の緩和について申し上げます。これにつきましても二点ございます。まず第一点は、受給権者の扶養義務者の所得による福祉年金の支給停止の基準額を扶養義務者に扶養親族がない場合の四十万円を基礎とし、以下その扶養親族数に応じて緩和することといたしました。その結果、扶養親族が五人である場合は従前の六十万円が六十五万円に緩和されることとなるわけであります。
第二点といたしまして、福祉年金の受給権者が、戦争公務により廃疾となったこと等に基づき公的年金を受給している場合は、福祉年金の併給の限度となる額を七万円から八万円に引き上げることといたしております。
次に児童扶養手当に関する事項について御説明申し上げます。
第一に、手当の支給対象となる障害の児童の範囲につきましては、国民年金と同様に、結核性疾患、非結核性の呼吸器疾患及び精神病による障害児童にまで拡大し、手当を支給することができることといたしたのであります。
第二に、支給制限の緩和についてでありますが、国民年金と同様、受給者の扶養義務者の所得による支給制限の基準額を六十万円から六十五万円に引き上げることといたしております。
最後に、障害を理由とする年令及び手当の支給範囲の拡大に関する事項につきましては、昭和三十九年八月一日から施行し、公的年令と福祉年金の併給の緩和に関する事項につきましては同年一月一日から適用し、その他につきましては、公布の日から施行することといたしております。
以上がこの法律案の提案理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/2
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003・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 本日のところ、本案に対する提案理由の説明聴取のみにとどめておきます。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/3
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004・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 次に、重度精神薄弱児扶養手当法案を議題といたします。
政府より提案理由の説明を聴取いたします。小林厚生大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/4
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005・小林武治
○国務大臣(小林武治君) ただいま議題となりました重度精神薄弱児扶養手当法案について、その提案の理由並びにその要旨を御説明申し上げます。
政府は、かねてより、母性保健対策を講ずることにより精神薄弱児の出生を防止するとともに、不幸にして精神薄弱の状態にある児童につきましては、児童福祉法に基づく児童福祉施策の一環として、児童相談所による相談指導、在宅指導の助成等を行なうほか、精神薄弱児施設または里親制度を活用しての援護の措置を講ずることによって、その福祉の増進をはかってまいったところであります。しかし、これらの諸施策は、かかる児童の将来の自立のための保護特にその生活及び職業の指導に力点がおかれていたのであります。
今後、精神薄弱児の福祉の増進するためには、これらの児童が家庭にあって介護されている場合には、在宅指導を強化するとともに、特に重度を精神薄弱児の父母その他の養育者には、国の責任において特別の手当を支給することにより、その福祉の増進をはかる必要があると考えられます。
かような家庭にある重度精神薄弱児について、国が一定の手当を支給する制度を設け、精神薄弱児対策に一歩前進をはかりたいと存じ、この法律案を提出した次第であります。
次に、重度精神薄弱児扶養手当法案の内容について、その概略を御説明申し上げます。
第一に、支給対象者の範囲でありますが、この手当は、日常生活において常時の介護を必要とする程度の精神薄弱の状態にある二十歳未満の児童を監護する父母またはその児童を養育する父母以外の者に支給することといたしております。ただし、その者が公的年金給付を受けることができる場合または一定額以上の所得がある場合などにおいては支給しないことといたしております。
第二に、重度精神薄弱児扶養手当の額は、一月につき、監護しまたは養育する重度精神薄弱児一人当たり千円といたしております。
第三に、重度精神薄弱児扶養手当に関する費用は、給付費及び事務費とも全額国庫で負担することといたしております。
第四に、この法律の施行期日でありますが、昭和三十九年九月一日から施行いたすこととしております。
以上が重度精神薄弱児扶養手当法案の提案理由及び要旨でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/5
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006・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 本日のところ、本案に対する提案理由説明聴取のみにとどめておきます。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/6
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007・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 社会保障制度に関する調査を議題といたします。質疑の通告がございますので、順次これを許します。柳岡秋夫委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/7
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008・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 当面、日本の国内におきましても、また、韓国内におきましても大きな問題となっております日韓会談に関連をいたしまして、現在日本の国内に在住する朝鮮人の実態等についてお伺いをいたしてまいりたいと思います。
まず、厚生行政の中で、日本の国籍を持っておる者と、そうでないいわゆる朝鮮人との間に、たとえば生活保護なり、あるいは社会福祉施設の利益のなり、あるいは社会福祉施設の利益の享受等について、どういうふうな差異と申しますか、すべて平等ではないというように思いますけれども、どういうような違いがあるのか、まずそういう点をお伺いしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/8
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009・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 日本の法律の中で、特に厚生省関係の法律の中で、朝鮮人、韓国人といわず、一般外国人に対する処遇を日本人と異にしているものとしてないものと二つあるわけでございまして、異にしていないものをまず言いますと、それは被用者に関する社会保険、健康保険なり厚生年金なり、そういう被用者に関する社会保険、それから、一般の社会福祉関係の法律、医事、薬事、公衆衛生、環境衛生関係の各法は、これは大体属地主義といいますか、一般日本人と一般外国人の間の処遇を異にしていない法規でございますが、生活保護法なり国民健康保険法、国民年金法、戦傷病者戦没者遺族等援護法というような法律は、これは一般外国人に対する処遇を日本人の処遇と異にしておるものでございまして、法律のほうで明文をもって処遇を異にしております。この二つに大体大別されるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/9
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010・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 生活保護等について異にしておるということでございますが、法律上明確にその規定をしておると、こういうお話でございますが、それは法の中で「国民」ということばがございますから、この「国民」の中に朝鮮人が入らないということで明らかになっておるということであろうと思います。そこで、この外国人、特に朝鮮人が非常に在住する人口の割合からして、生活保護を受けておる者が多い、こういうふうに聞いておるわけでございますが、その割合と申しますか、数字的にどういうふうになっておりますか、お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/10
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011・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 生活保護法の適用に関しましては、ただいま申し上げましたように、法律上は日本人の処遇と異にしている法律でございますが、在日の朝鮮人につきましては、これは戦争中、あるいは戦前より日本に日本人として在住していた人が多数ございまして、そういう人たちに対しましては、いわば法律の正規の適用ではございませんが、行政措置として同様の適用をしてまいったわけでございまして、それらの人々の現状を申し上げますと、最近の数字といたしまして、昭和三十八年の十一月現在で申し上げますと、一般外国人の総数で被保護者の数は五万九千六百六十九人で、三十八年七月現在では五万七千五百七十九人でございます。そのうちの朝鮮人として登録されている者が五万六千九百二人、したがって、その他が六百七十七人、これは同月の被保護者の総数百七十四万六千六百五十八人に対しまして、比率から申し上げますと約三%くらいに当たります。ついでに経費でございますが、保護費は、三十七年度の保護費で申し上げますと、これは正確にはわかりませんが、大体地方公共団体の負担分も合わせて約二千億の経費になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/11
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012・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 百七十四万何がしというのは、それは全体の生活保護を受けている数字ですね。いわゆる在日朝鮮人の数はわかっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/12
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013・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) これは実際はなかなか確定することがむずかしいようでございますが、出入国管理庁等のいわゆる外国人の登録によって登録されているものが約五十七万二千人くらいになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/13
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014・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 そこで、厚生省から出しておりまする通牒によりますと、いま局長の申されましたように、戦時、あるいは戦前からの居住者と、こういうことになっておりまして、その中で、当分の間、保護事業をすると、こういうことになっておりますね。この「当分の間」というのは一体どういう期間なのか、いわゆる今後政府は日韓の正常化と、こういうことでいわゆる会談を急速に進めておるわけですが、そういう段階で、この通牒にある「当分の間」というのは、それとの関連なり、関連がないと言えばそれまでですけれども、どういうふうに考えておるのか、その辺をひとつお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/14
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015・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 通牒にいいます「当分の間」は、日韓会談、今日の段階よりも前に出ておりますので、そういう意味では直接関係はないわけでございまして、ただ、それが日韓会談の成立、あるいは日韓との間に条約なり、そういうものが制定された以後どうなるかということは、これは一にかかって日韓会談でどういうふうに韓国人の法的地位がきめられるかというような問題と関連してくるわけでございまして、それは会談の結果を待たなければわかりませんが、私どもが従来取り扱ってきた「当分の間」という意味は、そういういわば両国の国際関係が調整されて、たとえば条約なら条約が制定されたときに、そういうものは条約の中、あるいはその付属書等で明確に規定されるから、それまでは従来と同じ当分の間日本人と同様の取り扱いをしますと、そういう意味の当分の間でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/15
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016・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 そうしますと、いま政府が行なおうとするのは、いわゆる南朝鮮、韓国との間の正常化の問題ですか、当然現在日本に在住をしておる朝鮮人の中では、それぞれ南あるいは北の国籍を持っておる方がおるわけです。したがって、もし国民の反対を押し切って、政府が強引にこの日韓会談を成立をさして韓国との間の国交が開かれるという場合には、いま申されました朝鮮人のそれぞれの国籍によって差異が出てきやしないかと、こういうふうに私ども考えるのですが、いま言われたような生活保護の問題、あるいはその他の問題でも、そういう韓国と北朝鮮との国籍の違いによって差別が出てきはしないか、その辺はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/16
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017・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) これは、結局は日韓会談の中で韓国人の地位をどういうふうに、処遇をどうするかという問題との関連もございますが、しかし、私どもがいま考えておりますのは、日韓会談で、いわゆる韓国の国籍を持っておられる方々が永住権を取得されたにしても、これはあくまで外国人でございますので、生活保護の正規の適用は受けられない。要するに、従来と同じように、一般外国人に対する処遇の一つの行政例として生活保護の適用をするということでございますから、そういう点では、条約が締結され、韓国人がそういう法的地位を縛られるにしても、日本人になるわけではございませんので、その点は従来と変わらない。それでは韓国人の国籍を持たないその他の朝鮮人の人たちはどうなるかというと、これはやはり日本の国内に在住する外国人でございます。したがって、一般外国人に対しましては、従来と同じように、当分の間、同様の手続をとるというような規定もございますし、また、一般外国人としての処遇として生活保護の適用を受けている例もございますので、実質においてはその点の変わりは出てこないのではないかというふうに私は考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/17
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018・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 ぼくはいまのに関連してお尋ねしたいのですけれども、いま言われた韓国人の国籍その他の国籍で、どこでどういう手続で――六十五万の朝鮮人が大体八万ほど帰られて、まだ五十七万おられる。じゃあ、この人は韓国人、この人はその他というのは北朝鮮をさすのだと思いますが、どういうかっこうでそれを認定をしたりしているのか、そこのところをちょっと聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/18
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019・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) これはこちらで認定するわけでございませんで、全く従来は出入国管理令によって登録された一般外国人として登録をされておる、朝鮮人として登録されておるわけです。したがって、日韓会談後これがどうなるかということは、これはまあ会談の結果でなければわかりませんけれども、おそらく日本のほうでこれを認定するというようなことは、これはないと思います。その点については。全く相手側のそういう登録申請の問題はあるにしても、日本のほうでこれを認定するという問題は出てこないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/19
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020・高野一夫
○高野一夫君 ちょっと関連質問で、私が承知しておる点を申し上げて伺ってみたいのですが、私が承知しておる限りでは、在日の朝鮮人は南北合わせて五十八万八千人、そのうちの五十七万が韓国、残り九千九百が北鮮、不明が約八千か七千ある。それで、なぜ韓国系、それから例の在日居留民団とか朝鮮総連とか、いろいろ分かれておりますが、分けているかというと、彼らの分け方は、南だ北だと分けているのは、その本籍による慶尚南道、あるいは慶尚北道、あるいは忠清、その本籍が三十八度線以北にある者は北朝鮮として朝鮮総連で扱っている。それから、三十八度線以南に本籍を持っている者は、居留民団で韓国人としての待遇を与えて扱っている、こういうふうに私は調べて承知しているつもりですが、だから、登録に韓国人、北朝鮮の人民共和国系という登録よりも、本籍で分けて、彼ら自身が本籍で分けている、こういうふうに聞いているのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/20
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021・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) これは私どもの所管でもございませんし、在日のそういう外国人一般の登録をやっておりますのは、法務省の入国管理局のほうでございますので、私あまり責任のあるそういう点の答弁はいたしかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/21
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022・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 先ほどちょっと私も質問しましたのは、結局いま在日朝鮮人の自由往来といいますか、その自分の本国に帰ったりするようなことが非常にきびしくなっておりまして、韓国の国籍を持っている者と、いわゆる北朝鮮の国籍を持っている者との間に差別があるような印象を受けております。したがって、会談が成立をして、さらに明確なことになりますと、一そうそういう厚生省の所管の面でも、そういう差別がより出てくるのではないか、こういう危倶を持っておりましたのでちょっとお伺いしたわけです。そこで、先ほどのお話ですと、五十七万の在日朝鮮人のうち、生活保護を受けているのが五万六千九百二人、大体一割ぐらいの者が受けているわけです。外国人全体の中でも、五万九千六百人のうち、五万六千ということですから、ほとんどの外国人の中で朝鮮人が多数を占めている、こういう割合になっておりますが、非常に朝鮮人の生活保護を受ける者が多いということは、いわゆる日本国内における朝鮮人の生活内容というものが、非常に職場の面でも、あるいは営業の面でも、不当なというのはちょっと語弊がありますが、非常に苦しい立場で生活をしておることがうかがえるわけです。そこで、在日朝鮮人のそういう生活の実態と申しますと、これは厚生省の所管に入るかどうかわかりませんが、いずれにしても、民生という面からも、在日朝鮮人の日常生活についてどういうような把握を厚生省としてせられておりますか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/22
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023・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 生活保護の適用につきましては、その法律的な問題は別といたしまして、実務においては日本人の生活保護の適用と同様の資産調査をやり、その他の手続をやっているわけでございますから、私どもとしては、もう生活保護の一般の被保護者という形で取り扱っているわけでございまして、特に在日朝鮮人についてどうこうというような、そういうこだわり方はしておりませんので、いまのような御質問に対しては、私はわからないと答える以外にございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/23
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024・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 朝鮮人の生活実情について全然厚生省として把握をしておらない、いわゆる日本国民と同様に考えてやっている。しからば厚生省なり、あるいはその他で、生活実態調査とかなんとかいろいろやっておるわけでございますが、そういう場合には、朝鮮人のそういう生活についても、そういう調査の中に入れられておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/24
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025・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) ほかの行政は私存げ上げませんが、生活保護については、被保護者の調査その他は全部同じようにやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/25
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026・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 生活保護についてのみはそうだというんですが、私の質問はそうじゃなくて、朝鮮人の生活実態も含めて、いろいろな厚生省で調査をされておられるのかどうかということなんです。いろいろあるでしょう。厚生省で出した生活白書なりも――生活白書は違いますか、生活実態調査もやっておられますし、いろいろやられておると思うのですね。そういう中に、先ほどのお話ですと、まあ生活保護の面だけをとらえてお答えになったと思いますけれども、日本国民と一緒にすべて考えておられるし、また、そういうふうな調査をしておる、こういうふうにお伺いしたわけですが、そうしますと、朝鮮人だけの特定な人たちの生活がどうなっているかということについての調査は全然どこの局でもしておらない、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/26
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027・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 特に朝鮮人を対象にした調査というものはやっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/27
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028・阿具根登
○阿具根登君 関連して。その場合、生活保護を申請する場合は、日本のような民生委員の手を通じて生活保護を申請されておるのか。それとも、韓国人なら韓国人、あるいは北鮮系なら北鮮系の民団を通じて申請をされておるのか。
また、もう一つお伺いしたいのは、この予算は、これは日本人を対象にした予算であるはずであるから、そうすると、これは日本人としての取り扱いをきれておるとするのか。それとも、これは別ワクで考えられるのか、その点はっきりしないのですが、その二点をひとつ答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/28
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029・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 韓国人につきましては、民生委員を経由するか、あるいは直接福祉事務所にいくか、これはもう日本人と同様に取り扱っておるはずでございまして、その点の差別はございません。
それから、予算は、これは両方くるめて予算として計上されておるわけでございます。特に内ワクをもってというようなものではございません。生活保護費として計上ざれた予算の中で必要な経費を支出しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/29
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030・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 そうしますと、私は、朝鮮人を含めて、外国人というのは、魚油保護ばかりでなしに、健康保険、国保の問題もありますし、まああなたに直接関係ないかもしれませんけれども、たとえば厚生年金、失業保険、そういうものもございます。いま厚生省としては、日本に住んでいる人間として、日本の国民とあらゆる社会保険、社会保障について差別はしていない、こういうぐあいに理解しているわけですか。実際のものは自由になっている、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/30
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031・小林武治
○国務大臣(小林武治君) それは先ほど局長が説明したように、もう日本国民と限定されて法律があるんですよ。たとえば国民年令とか国民健康保険とか、こういうものにははいれない、日本国民に限定していますから。厚生年金とか、あるいは健保とかいうものは入っておる。現実に使用者は入っておる。日本の会社、工場その他につとめておるものは、被用者はその適用を受けておる、こういうことです。一番顕著なものは国民年令ですね。国民健康保険、こういうものは、法律では日本国民と、こう書いてあるので入っておらない。生活保護の問題は、従前から、これは日本人であって長い間同様の取り扱いを受けてきて、そうして日本の在住者を対象として考えております。そういうことで従前からの扱いをそのままにやっておる。それで、この費用等は、日本人だ外国人だというのじゃなくて、毎年生活保護人員がこれだけある、また、これだけふえるだろう、こういうことで全体に対して予算を組んでおるからして、その内訳は何も別はない、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/31
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032・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 それじゃ国保は入っておらない。被用者の問題は、生産点でございますから、あなたのおっしゃるように、それは差別するわけにいきませんでしょう。しかし、国保に入っていないとすればどういう処置をされるのですかね、国保の関係は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/32
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033・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 国民健康保険につきましては、いま大臣のお答えされたように、原則としては、これは一応待遇は別にしておるわけでございますが、法律の規定によって、条例によって市町村がそれを選択できるような規定がございますので、市町村の条例によって入っておるところもあるし、排除しておるところもある、そういうふうな、いわば実体的には中間的な形をとっております。しかし、国民年金等については、これはもう初めから排除されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/33
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034・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 あなたのほうは皆保険をおっしゃっておって、条例によって入っているとか入っていないというのがおかしい。条例によって準用するとか、何かかわる処置を講ずるというなら皆保険の趣旨が通るのだけれども、この人は国籍が違うから、外国人だから市町村が選択の自由があるというのは、それは日本の国籍のある国民をもって皆保険という理屈もあります。それがあなたの厚生省の言う皆保険か知らぬけれども、たとえば一つの部落があって、五百人おって、半分は朝鮮人、半分は日本人だ、あとの半分は市町村で自由だ、こういうことになれば、このごろのように、国保が市町村体制を脅かさなければ運営できないような状態になってくれば、市町村としては、そういうめんどうなことはやめていただきましょうということに財政上の問題からなる。そうすると、日本のこの四つの島に住んでおる国民の全体の生活保護については、底上げはするけれども、貧乏と病気というものは日本のようなところでは関連しておる。その病気の問題は市町村の選択権にまかしておくというようなことは、形式上の理屈は言えても、実際上の理屈は通らぬじゃないですか。それはどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/34
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035・小林武治
○国務大臣(小林武治君) それは国民皆保険というのは、日本人が国民皆保険と、こういうことで、あなたのお説は立法論だからそういうことが言われるので、そういう必要があれば、またこれは考えなければならぬ。いまのたてまえはこうなっておると、こういうことです。それはいけないから直せという御意見であれば、また十分参考にしなければいかぬ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/35
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036・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 そんな議論をしておるわけじゃないのですよ。国民皆保険というのは、日本の九千六百万の国民の保険を上げていこうという趣旨に法律ではなっておる。それから、これは入っていないと、こうおっしゃる。それはそれにかえるとかかえぬとかという問題を言っておるわけじゃない。一つの部落で五百人おって、二百五十人は皆保険、あとの二百五十人は朝鮮人だから、そこを国保に入れるか入れぬかは市町村の取捨選択にあるのだというようなことでは、実際の医療――病気がなおるという実際上の皆保険概念が生きていないじゃないですか。だから、国保に準用すとるか、それに見合うような処置をとるというところに、実際的にも形式的にも、皆保険という意義が生きてくるのではないか、私は、いま外国人を全部入れるとか入れぬとかいうことを言っておるのじゃない。外国に行っても、保険制度、医療制度が皆医療制度になっているところでは、外国人にはそれに応じて、ある程度の掛金とか税金を払って加入するというのが進んだ社会保障の国じゃないですか。そこをぼくは聞いておる。法律をいま変えろとか変えぬとかいう議論じゃない、どうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/36
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037・鈴木強
○委員長(鈴木強君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/37
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038・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/38
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039・小林武治
○国務大臣(小林武治君) いまこちらの役所から説明しているようになっておると、こういうことを私は申し上げておる。いま社会局長から申し上げたでしょう。いまは国民健康保険で日本の国民の皆保険をうたっておる。そうして保険者というものはいま国じゃない、これは市町村である、そういうことで市町村が選択的に条例等で入れているものもある、これが現状である、こういう御説明を申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/39
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040・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 だから、それはわかっておるのです。それは先ほど聞いて、それで私が疑問を出しているわけですよ。皆保険といえば、あなたのおっしゃるように、九千六百万の国民を皆保険するということは法律のたてまえだから、それを変えろとか変えぬとか言うておるわけではない。しかし、私の例をとっておるのは、市町村に選択権があるということで、それでは五百人の中で半分は自由だ、半分は皆保険だと、皆保険というのは、やはり四つの島に住んでいる者の病気をなおし、それから予防もし、そうしてそこに住んでおる者の最低の生活保護をみるというのですから、貧乏と病気というものは関連をしていますよ。理屈で突き詰めていけばそれは別だという議論が出るかもしれませんけれども、関連をしておる。だから、実質的な皆保険医療制度を日本でつくろうとしたら、何らかのみんなが適用を受ける処置を講じなければならぬということを言っておる。だから、法律を変えろとか変えぬとかいうことを前提にして言っておるのじゃない。市町村の選択であるということになれば、市町村は国保でもう非常に財源が苦しくて困っておる。だから、市町村の選択なら、そんなものはやめておこうということになったら、残った朝鮮の人は健康保険の医療制度の問題についてはどんなかっこうになるのか、これでは全体の自主的な皆保険の意義が生きてこないのじゃないかということを私は言った。これに対しての御意見を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/40
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041・小林武治
○国務大臣(小林武治君) だからして御意見として承って考えましょう、こういうことを申し上げております。これは御意見なんです、あなたの。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/41
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042・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 いや、大臣の見解を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/42
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043・小林武治
○国務大臣(小林武治君) まだ見解はいますぐに申し上げられない。これはわれわれ検討しなければならぬから、御意見を十分尊重して検討しましょう、こういうことを申し上げておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/43
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044・阿具根登
○阿具根登君 もう数年前になりますので、私もはっきりした記憶じゃないのですけれども、その当時、同じこの社労委員会で質問申し上げました生活保護について外国人が対象になっておるかおらないかという問題では、対象になっておりませんと、だが、韓国は特に日本人であったし、あるいはそういう時代もあったので、これはやむを得ずやっておりますと、こういう答弁だったのです。いまの御答弁では、これは当然その中に入っておるのだという答弁なんですね。そうすると、生活保護の場合は、これは全然それが入っておる。韓国人だから北鮮人だからと、そんなことを考えておりません。日本人と同じです。そこまでいっておられれば、国民皆保険で藤田委員が言うのに対して、これは市町村にまかせておるのはおかしいじゃないか。生活保護の場合は全然そんなことを考えておらない、日本人と同じように考えております、予算も日本人と同じようにとっております、こういうことです。しかし、私が数年前に聞いたのは、予算は、外国人じゃありません、外国人の生活保護という予算はとっておりません、日本人の生活保護です。しかし、日本人として長い間おられて、また、永住権も持っておられる方はやむを得ずやっております、こういうお話だったのです。だから、そこがどういうふうに違ってきたのか。また、いまおっしゃるのだったら、国民皆保険でもその思想、その理論でいくならば、いま言われることは当たらぬのじゃないか。当然これも日本人であって、日本に永住権を持っておられるのだから、同じように国民皆保険の中に加えるべきですと、こう御答弁になれば私は理解できると思うのです。その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/44
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045・小林武治
○国務大臣(小林武治君) それは御意見であるから、承って、ひとつ検討しましょうと、こういうことで、いまはこうなっておる。しかし、こうあるべきだということは御意見なんです。だから、御意見は十分参考にして考えましょうと、こういうことでありまして、それで、要するに国民健康保険法は排除しておるのじゃない。そういうものもできると、こういう規定になっておるが、当然できることにするということは、これはひとつの立法論であって、いまはそれもできると、こういうことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/45
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046・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 そういう議論をしているんじゃない。法律に入れろとか何とかいうことを言っておるのじゃないので、そういう事実上の問題が出てくるから、市町村の選択権の自由ということばかりじゃなしに、全体が受けるように厚生行政で指導をしてやるほうが、私は、皆保険の実をあげることになるのじゃないかということですよ。私のことばが足らぬのか知らぬけれども、そういう指導をして、片方で置いてきぼりになる人たち、一緒に住んでいて、片方は何によって医療の処置をするか。日本の国土に同じように生活の道を立てている人を、あなたのおっしゃるように、御意見だから承っておきますということだけじゃいけない。だから、そういう問題は行政指導か何かで 法律をどうこうせいということを言っておるわげじゃない。行政指導でそういうことのないように、日本の国籍がないから云々というようなことでなしに、それじゃ日本から追い出すというわけにもいかないでしょう、生産点にみなついておられるわけでしょうから。永住をとっておられる人もあるし、短期間の人もありますけれども、みんながやっぱり全体の相互扶助に立って部落だとか地域で生活が行なわれ、生産も行なわれているわけです。それを、まるでいまのような突っ放すような答弁じゃ私は気にいらぬわけです。それは見解の相違だから、私は何とも言いませんけれども、そういう選択権が市町村にあるなら、それがまんべんなくいくように行政指導をきれていかれるのがいいのじゃないかという意見ですよ。立法論を言っているのじゃないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/46
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047・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) ちょっと阿具根先生の先ほどの御質問に対しまして、私が先ほど申し上げましたことがもし誤解がありましたらと思いまして、ちょっとその点訂正さしていただきますが、生活保護法の適用は、原則としては外国人として排除されているわけでございますが、朝鮮人は、従来のそういういろいろな経緯から、日本人と同じような取り扱いをしておる、この取り扱いが同様であるということで、法律上の点は、これは日本人だけが生活保護の適用でございますから、その点は前にここで御説明申し上げましたのと同じように私ども考えておりまして、別に変わった点はございません。
それから、国保の点につきましては、これも法律の制度としては、先ほど藤田先生の御指摘のように、これは排除されておりますから、大臣の御答弁のように、法律論としてはこれはそれとしてでございますが、しかし、市町村が実態に応じて条例で加入することができるという道が開けているわけでございますから、これは結局は藤田先生御指摘のように、市町村におけるそういう生活の実態に応じて、そこにいる多数の人を排除するというわけにはいかない。そういう場合には各市町村の判断にまかして、ほとんどいま私は現状としては入っておるほうが多いのじゃないかと思います。そういう大体指導をやっているんじゃないか。これはまあ私、社会局長でございますから、責任のある答弁ではございませんが、そういうふうに私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/47
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048・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 質問をしている段階でちょっとわからない点があるのです。整理していただけませんかね。いま阿具根委員のおっしゃったことについて社会局長から御答弁がありましたから、やや私もわかりました。しかし、最初に柳岡委員にお答えになったときには、全体の外国人の適用が五万九千、朝鮮人が五万六千、そうすると、三千人というものが朝鮮人以外の人がいるわけですね。一体それはどこの国籍を持った人になるのですか。それと、阿具根委員のおっしゃった、あなたの言うように、法律上は日本国民、これは政策として朝鮮人というものが戦前、戦中から日本におられた。したがって、その人には日本人扱いする、それはけっこうです、私たちも賛成だ、そういう行政指導というか、政策的には。しかし、そのほかにまだ一般人がいるということになりますと、阿具根委員の質問に合っていないから、それをまず明確にしてもらって、それから藤田委員の言われている、そういう思想に立つならば、皆保険という精神は、そういう選択権を地方自治体にまかすのじゃなしに、もう少し精神をとったらどうかという、こういう法律解釈を言っている、そこのところちょっと整理してくださいませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/48
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049・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) まず、被保護者の人員の点でございますが、五万九千六百六十九人というのは三十八年、昨年の十一月現在のこれは実績でございまして、それから、その内訳を申しましたのは、ちょっとこの点は訂正させていただきたいと思いますが、内訳の実績がわかっておりますのは、昭和三十八年の七月の調査の結果がわかっておりまして、そのときの外国人の被保護者の総数は五万七千五百七十九人でございます。そのうち、朝鮮人が五万六千九百二人、その他が六百七十七人、先ほど六百七十七人と言いましたのはそのときの数字でございまして、ちょっと前の五万九千の内訳ではございませんので、この点をちょっと訂正させていただきます。したがいまして、その五万七千五百七十九人のうちの五万六千九百二人が朝鮮人、残りの六百七十七人がその他の外国人、これは台湾と、それから中国人、それから無国籍というようなものがその内容でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/49
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050・鈴木強
○委員長(鈴木強君) それはあなたの言われている戦前、戦中は朝鮮人が日本人であって、戦争後独立したんですから、その人たちが日本にいる場合には適用する、これはいいと思うけれども、台湾、中国、無国籍というもの、一体こういうのは答弁されたその他の外国人という項の中に私は入らないと思うのですがね。それから、一体日本人が外国に行って困っている場合に、そういうふうな外国の例なんかはどんなものなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/50
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051・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) これはただいま委員長御指摘のように、一般の朝鮮人とは事由が違う点もございます。これは諸外国においても、その地に正当に入国して、そうして生活に困った場合には、その本国に送還するか、あるいはその土地で当分の間生活保護のめんどうをみるというような措置をやっておりまして、日本もそういう意味の取り扱いをやっておる、それを便宜生活保護でみている、そういう例もございまして、この「その他」という中にはそういうものは相当あるわけでございます。しかし、朝鮮人はそれとはまた別で、従来のいきさつで、法律的には適用外であるけれども、取り扱いは従来と同じ日本人と同様の取り扱いをしている、そういうふうな、二つはちょっと性質が違うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/51
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052・鈴木強
○委員長(鈴木強君) ですから、ぼくはもう一つ聞きたいのですが、そうすると、法律論的に外国人は入らない、特に朝鮮人の場合は例外として認めているわけでしょう、これは政策的に。そうすると、その他の外国人というものは、法律解釈からいって、適用できないんじゃないですか。それはどういう解釈ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/52
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053・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) これは立法論としては、そういう特別の法律をつくるということも考えられるわけでございますが、しかし、基本的には生活、生存そのものの問題でございますので、そのために別な法律をつくるよりも、生活保護という一つの制度がございますから、その制度を連帯して――これは大体外国でもそういうふうな排置になっておるわけでございまして、法律上は生活保護の適用――純粋な適用ではございませんが、それぞれの行政措置としてやるということで従来やってきておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/53
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054・藤原道子
○藤原道子君 関連して。どうもわからないんですよ。生活保護法は、外国人は法の適用の対象とならないのであるが、当分の間これを準用するという社会局長の通達が出ていますね。それならば、私がしばしば当委員会で質問いたしました、らい療養所なんかに入所している人たちの障害年金、これなんかだって生活保護法で当分の間これを準用するということで、内地人と何ら差別なく適用されているということになれば、これも同じじゃないかと思うんです。それは一体どういうことなんでしょうか。しかも、らい療養所にいる人たちは身体不自由者なんですね。同じ部屋に四、五人の人が同居している、同じ病状で同じ生活をしておる人たちが、一人は障害年金の対象になって千八百円支給されている。同じ病状でありながら、これがいただけないというようなことで差別されているということは、人道上からいっても非常な大事な問題だと思います。だから、生活保護の準用ができるならば、当然これも準用してしかるべきだと思いますが、それは一体どういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/54
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055・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 外国人を生活保護の被保護者にしておりますのは、これは準用じゃなくして、いわば生活保護に準じてやるということで、これは日本人でございましたら、いわばそういう受益権というものは一つの権利として認められるわけでございますが、そういう一つの適用だけをやるということでございますから、したがって、それに基づく権利としてそれを認めるようなことでもございません。ただ、取り扱いを生活保護と同じようにするということでございまして、その点はまあ別に特別な法律をつくるならば別でございますが、便宜、生活保護で日本人と同じように、そういう実体的には保護の適用をしておる、そういうのが外国人に対する処遇でございます。だから、処遇だけは同様だ、こういう点でございまして、それから、第二番目の、らい療養所の問題は、これは立法論でございますから、この生活保護のように、現実に生活、生存そのものに関係があるというような生活保護の適用と同じようにするかどうかという別の問題がそこにあろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/55
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056・藤原道子
○藤原道子君 私は、権利として認めているんじゃないけれども、準じて処遇しているといるならば同じだと思うんです。生存権に問題があるというけれども、ここに入院している患者の中には、戦前からずっといる人もいるんです。戦前から徴用されて来て、それで日本で酷使されて、その結果発病して入っている人もある。そういうことになれば、人道上からいってもこの適用は可能である、こう思うんです。問題は厚生行政ですからね。で、私は、これは大臣にお考えを伺いたい。非常に差別されていま大きな問題になっているんですよ。それから、法で除外されているというならば、生活保護だって同じなんだから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/56
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057・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これはもう私先ほどから申し上げておる。国民年令は全然準用も適用もしておらない、こういうことでありますから、年金をやるのが当然だというのはあなたの御意見だから、そういうことも考えられるから、私どもも検討しなければならぬ、こういうことで、それは法律を直さなければできない。したがって、あなたの御意見だと、こういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/57
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058・藤原道子
○藤原道子君 私は意見じゃない。そうやるべきだと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/58
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059・小林武治
○国務大臣(小林武治君) それが御意見です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/59
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060・藤原道子
○藤原道子君 御意見だって――大臣きょうどうかしておりますよ、答弁が。あなたの御意見だから承っておきます、これでは話にならないでしょう。現実に起きておる。それならば伺います。らい療養所ですよ、岡山の療養所で、療養所当局がマイクを通じて、日韓会談が成立すれば一人五十万円前後は支給がある。いまのうちに韓国国籍にしておくほうが有利じゃないかというようなことを患者に勧奨しておる。それで患者は非常に動揺しておる。患者一人一人に、いまのうちに韓国国籍に変更しておけと、こういうことも行なわれておりますが、これも私の意見だから、あなたは聞いておくのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/60
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061・小林武治
○国務大臣(小林武治君) そういうことは全然知りません。存じません、そういうことは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/61
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062・藤原道子
○藤原道子君 こういう実態があるということを全然感知してない。もしあったらどうします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/62
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063・小林武治
○国務大臣(小林武治君) 私は知りません。これらは聞かなければ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/63
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064・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 大臣、不規則な発言はやめてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/64
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065・藤原道子
○藤原道子君 まじめな答弁をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/65
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066・小林武治
○国務大臣(小林武治君) 私は、いまそういうことがあるかないかも知りません。いまあなたからそういうことをお聞きしただけですぐに意見を言えと言われても、できることもできないこともあると、こういうことで、いまのことについては、私は意見を申し上げられません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/66
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067・藤原道子
○藤原道子君 きょうの大臣の御答弁は不満足です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/67
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068・阿具根登
○阿具根登君 大臣、少し勘違いされて、私らの発言が意見だとおっしゃるけれども、そうじゃないのです。先ほど牛丸局長に私が質問いたしましたように、この前ここで質問したときには、こういう問題じゃなかったのです。もっと、たとえばそのころはたしか十万人ということだったのです、生活保護を受けておる朝鮮人の方が。そういう場合に、日本人の生活保護でさえも非常に厳選されておって、日本人の予算の中から国民の知らないように外国人の生活保護をやるのはおかしいじゃないか、これは別個に別ワクでやるべきだと、そういう意見が出たわけです。それを、実は問題はそうだけれども、実際は日本人と同じようなんだからこれでやってもらいたいということだった。それをいま牛丸局長は肯定されたから、その関連でいきますと、生活保護の場合も、実際の法律論からいくとおかしいじゃないかと、しかし、現実問題として、これは当然日本人と同じようにすべきだということでやっておると、こうおっしゃるなら、国民健康保険でもその理論でたぜいけないかと、国民健康保険でも、これは法律論からいくならば、これもだめなんでしょう。それを市町村に委託されて、そして市町村が認定した人はよろしいということになっているとするならば、生活保護と国民年金と同じ性格の法律論を論争しておるのに、一方はそういうように、一つの、何というのか、助成ずる手段がある、一方はそうじゃないんだと、それがおかしいじゃないかということを言っておるのですから、それは意見じゃないです。厚生省の行政指導に国民年金と生活保護について差異があるじゃないか、なぜ、その差異があるのですかということを聞いておるのですから、意見じゃないです。そこをはっきり言ってもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/68
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069・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) これはただいま阿具根先生御指摘のように、法制的には同様の制度になっておるわけでございます。なぜ生活保護だけがそういう措置をとっておるかというところがその問題でございますが、これは私どもの考えでは、生活保護というのは、要するに外国人がその国に来て、そして生活するための最少の必要でございます。したがって、これに対しては、法律では制度として排除しているけれども、そういう臨時的の措置をやるべきじゃないかというのが一般外国人に対して生活保護を行政措置としてやっておる理由でございます。で、朝鮮人に対しても、その点についての理由は同じでございまして、これは生活するための最少の必要だけはみていくべきじゃないか、むしろ人道的な問題なり、国際相互間の信義の問題で、外国に行きましても、日本もそういう措置をとられておるわけでございますから、それと同様の措置を日本でもとっていきたい。そういう点で、他の一般の社会保障の制度とは区分けして、生活保護だけはそういう措置をとっていきたい、こういうところで区別しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/69
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070・阿具根登
○阿具根登君 健康保険は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/70
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071・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) したがいまして、国民健康保険は、生活保護と同じ程度の緊急度を持っているというふうに私どもは解釈していないわけでございまして、その人の生活に因るというその点と、国民健康保険なり国民年金なりとは制度上の差があるのじゃないか、そういうことで生活保護だけを、いまのような人道的な観点から、そういう外国人にも便宜の処置をしている、そういうわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/71
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072・阿具根登
○阿具根登君 そこで藤田君の疑問になってくるわけなんです。先ほどの答弁では、生活保護はそういうふうにやっておるけれども、健康保険のほうでも同じようにやっておるのじゃないかという答弁だったけれども、いまの局長の話では、これとこれとは全然別個だと、こうおっしゃるならば藤田君の疑問のようになる。これは市町村においては、少し財政が苦しくなれば、あなた方はみませんということができるじゃないかというわけなんです。そうするとおかしいじゃないか。生活保護と健康保健で、病気にかかっても医者にもかかれないのだということとどう違うか。それをあなたのいまの解釈では、これは違うのだ、病気になった場合はみてやれぬ、たとえば市町村の情勢によってはやむを得ぬ、こう割り切っていると、こうおっしゃる、だから藤田君の疑問が起ってくるわけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/72
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073・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) いま病気の例が出たわけでございますけれども、病気になった場合でも生活保護の医療補助をやるわけでございまして、そういう点では、区別は、生活保護法、国民健康保健法とは緊急度の点については私どもは差があるのじゃないかという点で、生活保護は特別にそういう外国人に対しても措置をしているということでございます。
それから、ただ国民健康保険は、これはいままでとはちょっと別な問題でございますが、制度としてはそういう制度になっておりますけれども、市町村が条例によって加入することができるような道は開かれておるわけでございますから、絶対的な排除は事実の運営としてはやられておりません。条例によって市町村がそこの住民を全部入れようということになれば、朝鮮人に対しても入れることはできるわけでございます。その点は、これは健康保険だけの問題でございますが、他の制度とは違って、そこにそれだけの考慮がきれておる、その点は別でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/73
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074・藤田藤太郎
○藤田藤太郎君 だから、私の言っているのは、人道上の問題として生活保護の問題はやって、こういうぐあいに、法律の準用といいますか、そういうことでそれで医療している。私は、医療扶助の問題は、生活保護でやる限りにおいては、その方々の医療扶助はやっていくと、私はそういう理解の上に立っているわけです。そこで、日本の医療制度を見ると、健保があり共済保険があり、要するに被用者保険がある、それから国保にしても特別国保があって、あと残ったのが、とにかく保険制度を全国民に施行しようじゃないかというので残った人だと私は思う。いま地方自治体において赤字で困っているのは、所得のあるいい人だけはみんな健保にとられてしまったあとだから、その財政上こんなに困っている。これを市町村がかかえているわけです。この制度の論議はいずれあらためて私はいたします。いたしますけれども、そういう条件のものだけを市町村がかかえておる中で、市町村に条例で選択権をまかしていくということになれば、人情として、そのボーダーラインの人たちや、その生活保護の手の離れたところあたりの人、職業、就職にしても、自由だ自由だといったところで、これはなかなかそううまくいっていないのが現実だと思う。そういう人を結局より自治体においてみていく、行政の援助をしなければならぬのが私は実態だと思う。その実態の人を、取捨選択権を市町村にまかしておくだけでは、私は法律を改正するという論議はここでいたしておりません。いたしませんけれども、その実態に沿ったように、市町村にできるだけやるように指導されるのが厚生行政ではないか、私はそう思う。私は、いまの国保の全国の現状は、一般会計から持ち出してこれをみんなカバーしているわけですから、持ち出しにならないときは、もう膨大な赤字で困っているというのが私は国保の実態だと思う。そういうことであれば、いまの取捨選択権が市町村にありますということになれば、私は、その方々は、極端な例を先ほど二百人なり二百五十人なりという例を一つとりましたけれども、そういうことになりはしませんか、そういうところをどう指導されるのですか、こういうことを私は尋ねたら、それは意見だ、意見だから聞いておきますということだけを大臣は言われるけれども、私は意見の議論をする問題じゃない、実体をどうされるのですか、こう聞いているわけです。それはやはり厚生省の考え方を言っていただかなければならん。牛丸局長の話によると、そういう問題についても、できるだけ市町村に加入するような角度で行政指導をいたしたいとおっしゃるのですから、それなら大臣もそういうぐあいに理解されていいわけです。私はそういうことも聞きたくなってくるわけです。あまり問題を外には広げませんよ、この問題に限ってだけ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/74
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075・小林武治
○国務大臣(小林武治君) よく御趣旨はわかりました。できるだけさような処置をとるようにいたしましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/75
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076・高野一夫
○高野一夫君 法務省からお見えになったので、私、確かめておきたいのですが、実はきょう在日朝鮮人問題が出まして、どういうわけで韓国系、北朝鮮系と分けるかと、こういう話が出た。そこで、私が調べたところによると、総数が在日朝鮮人五十八万八千人、概略。そして南が五十七万、北が九千九百、ざっと一万弱、北か南かわからんというのが約八千人、こういうふうな私は資料を持っておるのですが、ところで、どういうわけで北と南に分けるかというと、三十八度線以南に本籍を持っている者は韓国系として居留民団が扱う、三十八度線以北に本籍を持ってる者は朝鮮人民共和国系として朝鮮総連がめんどうをみている、そして不明八千人というものは、どこに本籍があるかわからんもの、いわゆる不明が約八千、こういうふうに私は承知しているつもりなんだけれども、それで間違いかどうか、確かかどうかということをさっき聞いたのですが、これは厚生省の所管でもないので、どこかそういう方面の確かなところで一応ただしておきたいということで法務省からおいで願ったことになるわけです。そういう点について、はっきりした点を一応御説明願っておいたほうが、今後当委員会における朝鮮人問題の討議に非常に私は基礎ができると思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/76
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077・小川清四郎
○政府委員(小川清四郎君) ただいまの御質問でございますが、私どもといたしましては、すなわち、入管行政の問題といたしましては、この南北を区別するということにつきましては、一応外国人登録の面でつかまなければならないのでございます。ただいま総数についても大体お話がございましたが、私どもが外人登録法上でつかんでおりますところは総数についてつかんでおりますので、そのうちで、外国人登録に国籍欄という欄がございますが、その欄の記載につきましては、終戦後、特に、旧、もとの外国人登録令に基づきまして一斉に登録をさせましたときには、登録欄には「朝鮮」という記載で一本になっておった次第でございます。ところが、たまたま昭和二十三年の八月に大韓民国ができまして、そのときに、当時総司令部に対しまして韓国政府のほうから強い要望がございました。その根拠は、大半が三十八度線以南に住所を持っているということに基づくものだろうと思いますが、そういったはっきりした者については、国籍欄を「韓国」ないしは「大韓民国」というふうに書いてもらいたいという要望がございました。日本側といたしましては、この「朝鮮」という国籍欄の記載はあくまで暫定的なものでございまして、それを「韓国」と書いたから韓国政府に属するというものじゃないというたてまえで一貫しておりますので、強く拒絶をいたしたのでございますが、当時の状況で、覚え書きなども再三にわたって出されたようでございまして、われわれといたしましては、本人の自由意思に基づいて、もし「韓国」と国籍欄を書きかえたいという者については、いろいろ文書をもって申請すれば、窓口の市町村で「韓国」と書き直してもよいということにいたしましたために、現在では国籍欄が「韓国」となっております者もございますし、ないしは「朝鮮」そのままになっておる者もございます。入管行政上の取り扱いといたしましては、全然区別をいたしておらないのでございます。したがいまして、在日朝鮮人の本籍地がどうなっておるかという意味合いにおきましては、ただいまお示しになった大体そういうふうな数字だろうと思いますが、私どもは、その数字によりまして南と北を差別待遇をするという趣旨のものではございませんので、私どもの調べておるところは、韓国籍が大体どのくらい、朝鮮籍がどのくらいということしかお答えできないと思うのでございます。大体の数字でございますが、「朝鮮」と書いております者が大体三分の二くらいでございます。それから、ただいま申しました手続に基づきまして「韓国」と書き直した者が三分の一程度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/77
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078・高野一夫
○高野一夫君 そうすると、その朝鮮というのが三分の二くらい、その中には、やはり南もあれば北もあるということで、わざわざ大韓民国に変えないというだけなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/78
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079・小川清四郎
○政府委員(小川清四郎君) そのとおりでございます。すなわち、いずれの政府と申しますか、国も支持しない、あるいはめんどうだからそのままにしておくという者もございますので、南北の区別は直ちには出てまいりません。したがいまして、御承知のように、この数字がはっきりと支持する国をあらわしておるのだというふうには私どもは見ておりません。扱い上も、ただいま申し上げましたように、全然区別をいたしておらないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/79
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080・高野一夫
○高野一夫君 居留民団と朝鮮総連でも、自分たちは北に属するか南に属するかということに非常に重大な関心を持ち、双方ともそれぞれの立場を持っております。そこで、居留民団を調べ、朝鮮総連を調べて、三十八度線以南の本籍を持っている者と北の本籍を持っている者とを調べた数を総計したのが先ほど私が申し上げた結果なのです。そうしてその数字は、政府のほうでも、警察庁で調べてはいないのですか。私が申し上げた数字は、これはただばく然とした数字を申し上げたのではないので、相当根拠のある数字を申し上げたつもりなんですが、堂々と言えませんけれども。ですから、朝鮮総連でもはっきり調べ、居留民団でもはっきり調べて、自分たちがめんどうをみるべき在日朝鮮人というのはこれこれだと、北と南で。それを日本の政府のほらでもちゃんと把握をしておるのじゃないかと思っているのですが、それはどうですか。法務省の入国管理のほうでなお一番わかっているのじゃないかと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/80
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081・池上努
○説明員(池上努君) 実は、出身道別の統計というものはございます。これは大体外国人登録が全部で五十七万、いまから約五年前の昭和三十四年に、当時の登録人数に基づいてその出身地別の統計をつくりまして、それが実はかなり古いので数字が変わっておりますので、本年またその現在の五十七万について内訳を調査すべく、作業の予定にはなっておりますが、それがまだできておりませんのですが、私が前に一ぺん調べたときのでは、三十八度線より北はたしか一万人くらい、残りの約六十万くらいが三十八度線以南の出身というふうに一ぺん確めたことはございますが、ただいま手元には持ってきておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/81
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082・高野一夫
○高野一夫君 これはとにかく、まあ最初の社会党側からの質疑からだいぶはずれてきましたけれども、朝鮮の民主共和国というものがあって、大韓民国というものははっきり二つある。その在日朝鮮人がどっちかの国籍に所属すべきだ、日本人でない限りはどっちかに所属すべきでしょう。それを政府が把握せぬというのはおかしいじゃないですか。ちゃんと居留民団がつかんでいるのですよ、六十万なんという概算でなく、五十七万なら五十七万というものは居留民団がつかんでいる、九千九百というのまで朝鮮総連がつかんでいる。どっちか不明だというのは八千人ある。われわれはそこまで数字をつかんでいるのですよ。ですから、これがいま双方とも国交が回復していないにしても、やはりいま独立した国として政権をつくっているわけですからね、北と南で。それで、日本人でない限り、在日朝鮮人、それなら北の朝鮮であるか南の朝鮮であるか、これははっきり区別して扱わなければならぬものでしょう、日本人としても。その統計は役所にありますよ。私は自分で調べたんじゃないのですよ、はっきりある。それで、学校だってそうでしょう。初級、中級、高校、大学なりの北鮮系の学校、南鮮系の学校、はっきり区別しているじゃないですか。在日の教育機関でも、教員の数まで全部わかっている。それは入国管理局で一番つかんでおいてもらわぬと困るのじゃないかなと思うのですがね。今後この朝鮮人問題は、いろいろな意味において、外務委員会はもちろん、いろいろな委員会で問題になると思うのですが、その根拠の基礎が、はっきりした答弁が政府からなされないと、どうも北か南か、えたいがわからぬ、どちが多いのだという。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/82
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083・小川清四郎
○政府委員(小川清四郎君) 私どもがただいま申し述べましたのは、入管行政上、そういうふうな数字を調べることによりまして国籍をはっきりしなければならないかどうか、また、はっきりすることができるかどうかというふうな観点からお答え申し上げたのでございます。外国人の国籍は、私ども日本側がこれを決定することにはなりませんで、あくまで本国の政府がこれをきめるわけでございますから、ただいま平和条約発効によりまして、元日本人であって、平和条約発効によって日本の国籍を失ったという状況において、国籍につきましては、ある意味において、必ずしもはっきりしていない状況というままになっておるのでございます。もちろん国籍をはっきりするために、その後平和条約が発効と同時に、その前後にはっきりする交渉を始めたわけでございますれども、まだ十数年たちまして現在交渉中でございます。したがいまして、国籍を決定するのはやはり日本国政府の問題ではございませんので、これはもう国際慣例上はっきりしておる次第でございますから、そういう意味合いにおきましては、ただいまのような不安定な状況も、ある程度やむを得ないと思います。ただ、民団と総連に所属しておる数字を調べるといたしますれば、これはまた別個の観点からされねばならないのでございまして、入管当局としましては、その数字を必要とする場合にはもちろん調べ得るわけでありますけれども、目下のところ、ただいま参与官から申し上げましたように、古い数字しか持ち合わしておりませんので、それは今後の問題として検討したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/83
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084・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/84
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085・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 速記を起こして。
それから、厚生省に資料をお願いしたいのですが、先どほその他の外国人六百七十七名というのがございましたが、そのうち台湾、中国、無国籍と、こうおっしゃいました。一体それが何名になっておりますか。と同時に、本国送還か、あるいは生活保護か、こういう点で行政的にやられているそうですけれども、一体この実態がどういうふうになっておるのか。何年間くらい同じ人がそういう保護を受けっぱなしで、本国にも帰れなくて、日本でやむを得ず生活保護をやっているか、そういう具体的なものを、文書でもいいですけれども、出してくださいませんか、お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/85
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086・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 調査済み次第提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/86
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087・鈴木強
○委員長(鈴木強君) それでは、本会議休憩後再開することにいたしまして、それまで休憩いたします。
午後零時五十九分休憩
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午後四時四十二分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/87
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088・鈴木強
○委員長(鈴木強君) ただいまより再開いたします。
午前中に引き続いて社会保障制度に関する調査を議題といたします。
質疑のある方は、順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/88
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089・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 先ほど入管の方から、現在の日本に居住している朝鮮人の国籍の問題についてお答えがあったわけでございますが、詳細をつかんでおらないというようなことでございます。しかし、この前、第何次かにわたりまして、一応帰国をいたしておる事実があるわけでございますが、そういう帰国にあたって、やはりその国籍が全然把握できないまま、本人の自由意思によってそういうことがなされたということになると、やはり問題があろうかと思うのですけれども、そういうこととの関連は一体どうなっているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/89
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090・池上努
○説明員(池上努君) 北鮮に帰還いたしました総数は、昭和三十四年の十二月の第一次船以来、本年三月二十二日の第百十五回まで出ておりますその総数は八万一千七十三名になっております。さらにその内訳を申し上げますと、朝鮮人が七万四千六百十六名、それから日本人が六千二百八十九名ですが、ただ、その内訳は、まだ第百十五次の内訳の報告がまいっておりませんので、第百十四次船までの出国者の内訳を申し上げたわけでありますが、その場合に、朝鮮人が七万四千六百十六名、日本人が六千二百八十九名。それから、それではこの出国した朝鮮人の国籍をどういうふうに確認しておるかと申し上げますと、これは本人が持っている登録証明書が、現在のところ、唯一の証明文書でございますので、登録証明書で朝鮮人であるということを確認しているだけで、それ以上に、さらにそれじゃ韓国籍であるか、あるいは朝鮮籍であるかどうか、出身地が三十八度以北であるか以南であるかといったような調査は全然いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/90
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091・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 終戦後、いわゆる戦争が終わってから日本に入国した朝鮮人の数を把握いたしておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/91
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092・池上努
○説明員(池上努君) 非常に往来が激しいために、必ずしも正確な統計はとっておりませんのですが、昭和三十一年から六カ年間の年間に新規に日本に入って来た朝鮮人、その数は三十一年度が七百七十六名、三十二年度が二千百二十二名、三十二年が二千三百二十一名、三十四年が千八百二十六名、それから三十五年が四千四百五十二名、三十六年が六千五百五十名となっておりますが、その後の統計がまだでき上がっておりませんので、現在までのところ、大体四、五千名の者が最近は韓国から新規に入って来ている、こういうことになるわけでございます。そのほかにこっそり入って来た者、これはどのくらいあるか、全く見当がつかないので、実は非常に困っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/92
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093・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 この数字は、結局日本に住居をいま持って日本で生活しているという人の人数でございますか。それとも、行き来した場合の入国した数ですか、どっちですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/93
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094・池上努
○説明員(池上努君) まあ日本政府としては、現在のところ、朝鮮の人が日本に居住地を求めて入国するというような入国のしかたは一切認めておりませんで、たとえば商用であるとか、文化的な活動をするためとかいうようなことで一時的に来る者だけの入国を現在認めておりますので、ただいま申し上げた数字は、すべて一時入国者でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/94
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095・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 厚生省にお尋ねしますが、先ほど問題になっておりました生活保護の適用者、これはいわゆる戦時中といいますか、終戦まで日本にいた人、それで引き続いている者について適用をしているということで、いわゆる戦争後日本に入国をして、そして生活に困ってこの法の準用を受けている、そういう方はこの中に含まれておらないのかどうか、そういう点はおわかりになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/95
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096・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) まあ形式論から申しますと、入管の登録を受けている者だけが生活保護の適用になるわけでございますから、ほとんど大部分は従来から日本におった人だと思います。しかし、私どもはそういうことじゃなくして、入国管理令に基づいてそういう登録を受けているかどらか、結局そこを基準にしまして、登録票を持っている人に対してやっている、そういうふうな取り扱いをやっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/96
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097・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 そうしますと、終戦後入って来た人も含まれているというふうに解釈していいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/97
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098・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 結局登録票がどういうふうにして下付されるかという問題にかかっているわけでございますので、先ほどの入国管理局からの御答弁のように、終戦後は原則としてそういうふうなものを認めていないというふうなことでございますので、それと符節が一致しているというふうに御理解願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/98
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099・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 入国管理局に重ねてお尋ねしますけれども、そうすると、終戦後は一切そういう朝鮮人の登録は認めておらない、そうした人は一人もいないと、こういうことでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/99
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100・池上努
○説明員(池上努君) 外国人登録法の規定によりますと、六十日をこえて日本に在留する外国人はすべて登録をするということになっておりますから、いま申し上げた戦後に入って来た朝鮮人でも、六十日をこえて日本にいる場合には登録するということになって、いまの登録行政にはあらわれてくるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/100
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101・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 そこで、まあそういう入国管理局のほうのお答えですから、厚生省のほうとしては、ただ登録のその証明書があれば、困っておれば生活保護法を適用すると、こういうことになっておりますから、何人かその数はおわかりにならないけれども、含まれているというふうに解釈できるわけでありますね、その点はわかりました。
それで、先ほど私が、その朝鮮人の生活実情についての調査はどうなっているのかということにつきまして、局長のほうから、朝鮮人は一切含めないでいろいろ調査をしておる、こういうお答えでございました。にもかかわらず、この生活保護の適用者の中には朝鮮人も一切含めておるということでございます。そうしますと、何か矛盾しているような気がするわけですね。生活保護のたとえば予算をとる場合、当然あらかじめいろいろな調査をして、そうして大体このくらいの生活保護者が来年度なら来年度あるだろう、したがって、このくらいの予算を大蔵省なりに要求しなければならぬという場合の調査は、全部日本の国籍を持った日本の国民だけの調査によって出して、そうして朝鮮人のほうは一切調査の中に入れないで、それで生活保護の予算なり人数をはじき出すということは、私はちょっとおかしいのじゃないかと思うのです。日本人と同じように扱っておるのだということが再三言われておるわけですから、当然全体の実態調査をして、その上でやらないと、先ほど阿具根先生が言われたように、何か日本の生活保護を受けられるような人も、そのきびしい規制によって落としてしまって、そうしていわゆる数の関係ですね、予算のワクの関係で落としてしまうというようなことも、そういうところからも私は出てきはしないか、こういう疑問を持つわけです。したがって、そういう点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/101
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102・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 問題は二つあるわけでございまして、法律上のたてまえは午前中において申し上げましたようなたてまえになっておるわけでございます。しかし、実際は、在日朝鮮人に対しては生活保護の取り扱いをやっておるわけでございますので、したがって、予算の編成その他につきましては、年間の被保護者総数、たとえば三十八年の十一月の百七十四万六千六百五十八名というものは、これは朝鮮人で生活保護を受けている者も含めた数字でございまして、したがって、年間の見込みを立てます場合には、すべてを含んでその伸びを考えていくと、こういう予算の立て方をしておりますので、内ワクで外国人を特別扱いする、そういうふうな予算上の立て方なり取り扱いは一切やっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/102
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103・藤原道子
○藤原道子君 午前中の質疑の中で、国民健康保険は法律では除外されているけれども、地方地方で条例等でやっている、こういうお答えでしたね。ところが、私、国民健康保険を調べてみましたけれども、本法の中では、これを除外しているというのはどの条文にあるのですか、これないんです。それをまず伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/103
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104・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 国民健康保険法のたしか第六条だと思いますが、第二章の第六条に適用除外という規定がございます。それの第八号に「国立のらい療養所の入所患者その他特別の理由がある者で厚生省令で定めるもの」という規定がございまして、原則としては、第六条というものは、これは適用除外を列挙しておるわけでありまして、そうして、その第八号で国立のらい療養所の入所患者を例示して、その他特別の理由ある者で厚生省令で定めるものは除くと、こうなっております。この規定を受けまして、国民健康保険法の施行規則の第一条の第二号に、これ以外に結局どういうものが除外されるかということで、「日本の国籍を有しない者及びその者の世帯に属する者。」というものを除いております。「ただし、日本国との条約により、日本の国籍を有する者に対して、国民健康保険に相当する制度を定める法令の適用につき、内国民待遇を与えることを定めている国及び条例で定める国の国籍を有する者及びその者の世帯に属する者を除く。」と、結局施行規則の第一条の第二号で、日本の国籍を有しない者は適用除外するのだということになって、そして、その例外として、条約で内国民待遇を与えている者、そういう国は、向こうがそういうことをやっているときはこちらもやる。もう一つは、条例で定める国籍を有する者、ここで韓国なり朝鮮の問題というものが条例でここへ書かれる。そういうような法律の仕組みになって、実際は各市町村の条例で、ここで朝鮮人を適用の中に入れる、こういうやり方をやっているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/104
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105・藤原道子
○藤原道子君 本法には、結局市町村に住む者という規定になっているのですね。ところが、施行規則で、省令でお定めになったことは私も承知いたしておりますが、省令のほうが上回るのじゃないでしょうか、地方条例より。これはどうなんでしょう。ということになれば、私は、そうした本法の中にない規定でございますから、それとまた何といいますか、そういう便法で地方地方でやるというようなことになると、まことに混乱が起こるので、これはむしろこの本法にございますように、市町村及び特別区に住む者の規定として、こういう省令はむしろ廃止してしかるべきではないかと、こう考えるのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/105
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106・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) どうも保険局長でもございませんので、まあ私ちょっと責任ある答弁はできませんが、この点は、午前中に大臣も答弁しましたように、まあ将来の一つの立法論としては検討する必要の対象になる問題かと思いますので、まあその程度でひとつ御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/106
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107・藤原道子
○藤原道子君 そこで、食い下がるようでございますけれども、らい療養所の患者さんたちのいまの実態を見ますときに、やはり福祉年金制度を生保でも準じた扱いをするということになっているのです。それで、まあ、らいはなおらないものというようなことでいままでほうり込んできました。監禁して治療があと回しになったような事例がたくさんあるわけなんです。ところが、今日では、らいは伝染病であるというととはもう周知の事実になっている。そこで、こうした重体におちいって苦労している人たちに対して、もっとあたたかい法の準用、こういうものをぜひ考えてほしいと私は考えておりますが、まああなたにそれを聞くのはどうかと思うのですけれども、ぜひそういう点の配慮を願わしい。これに対しての御見解を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/107
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108・尾崎嘉篤
○政府委員(尾崎嘉篤君) らいの患者さんに対しまして年金関係が――朝鮮の方々に対しましての年金が行なわれていないというのは御指摘のとおりでありまして、これは年金関係が日本の国籍のある人だけに適用になるというふうなたてまえ、このたてまえがいまいろいろ議論になっているわけでありますが、そういうふうなたてまえで貫かれておりますので、いまわれわれとしましては、なるべく一緒に暮らしていられる方々ですから、できるだけそれに近い待遇をするようにというので、らいの関係の方々に対しまして、国立療養所の経費の中から、不自由者の特別な慰安金という経費をつくりまして、それで補って、できるだけ年金をもらっている方々に近い待遇をするように努力しているわけであります。なお、日本の方でございましても、らいに関しましての偏見と申しますか、そういうふうな関係で名前を変えられたりして、戸籍面との関係を断っておられる方がありますから、そういうふうな方方に対しましては、同じようにやはり年金が適用できないのでありまして、そういうような方々についても、もしできますれば、同じ取り扱いをいたしまして、できるだけさらに予算の範囲内で差を縮めるように努力はいたしていきたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/108
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109・藤原道子
○藤原道子君 それは不自由者年金で特別な若干の手当が出ておりますが、今度の場合でも、日本人の場合は三百円上がっておるが、朝鮮人の場合は百円、こういうふうなことで、非常に悲しがっておりますから、できるだけ――愛情ある特別の措置でございますから、やろう思えばできると思います。そういう点もぜひ考えていただきたい。
さらに、けさほどちょっと触れましたけれども、岡山療養所で、日韓会談が成立すれば一人に五十万円ぐらいの支給ができるのだ、だから、いまのうちに韓国籍にしておくほうが有利だというようなことがマイクで放送された。それで患者が非常に動揺してしまう。また、一部におきまして、会談が妥結したならば、軍属として、あるいは軍人として、徴用者としていままでの日本のために働いてきたのだから、韓国籍になるならば、軍属、徴用者等に対する恩給給付が与えられるのだというような、希望を持たせるような話がきれておる。こういうことで韓国籍に移すようにというようなことの運動があるやに聞きますので、まさか厚生省当局としてそういう指示があるとは私は思いませんけれども、そういうことが事実行なわれているとすればたいへんな誤解を招くのじゃないか、こう考えますが、それに対して何か聞いておいでになりますか。そういう指示をした覚えはありませんということになるのでしょうが、そういうことに対しての点をお伺いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/109
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110・尾崎嘉篤
○政府委員(尾崎嘉篤君) 午前中の藤原先生の御質問の中にそういうようなお話がございましたので、実はびっくりいたしましたような状態でございまして、われわれのほうから指示したというようなことは全然ございません。直ちに休憩中に岡山のほうに電話で問い合わせてみたわけであります。岡山という先生のお話だけで、ちょっとわかりませんでしたが、おそらく、らい療養所の関係だと思いましたので、邑久と長島の両療養所の庶務課長に問い合わせてみましたところ、所内でそういうようなことについて放送を流したことはないというようなことを言っております。
なお、日韓会談についての放送の申し込みが患者自治会のほうからあったという、これは事実のようでございます。しかし、それも向こうの自治会のほうから、理由は言いませんけれども、都合で取りやめてきたというので、患者関係からも放送をやったというようなことはない。したがいまして、どういうふうなことを放送しようとしておったかという内容もわからない、こういうような回答でございまして、先生のお話のようなことは、ちょっと庶務課長は承知いたしていないのでございますが、もし場所、時日というようなことをお漏らし願えれば、私ども再度取り調べてみます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/110
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111・藤原道子
○藤原道子君 このことは、発言した以上、重大でございますから、私のほうでも調査いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/111
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112・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 この問題につきましては、いま会談が急速に進められておりますので、それに対する大臣の見解等もお伺いしたいと思ったのですが、大臣は衆議院のほうに参られておるようでおられませんので、いずれまた機会を見ましてお伺いしたい、こういうふうに思いますので、この問題についての質問はこれで打ち切りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/112
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113・小平芳平
○小平芳平君 入管の方にお伺いしますが、先ほどのお話でも、入管としては、外国人の登録は、相手方の国籍がどらあろうと、そういうことは別に関係のないことであって、事務以外のことだというふうにおっしゃっておられましたのですが、そうすると、日本国の政府のどこかの役所でそういういう相手国の国籍を調べて正確に登録しているようなところがあるかどうか。それから、この法的地位の問題というようなことになった場合に、非常に親の代から日本の国に住んでいて、しかも、日本で教育を受け、日本語を話し、何ら変わりなく生活してきたのだけれども、終戦のときに外国人になったというような場合が多いのですね。ですから、そういうような人たちは、今度は法的地位でどう扱うかというようなことを論ずる場合に、その相手国の国籍が全然つかみようがない。大体三分の一と三分の二というようなことで交渉しているのかどうか、ちょっとその点お伺いしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/113
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114・池上努
○説明員(池上努君) 私も、実は日韓会談の在日韓国人の法的地位の委員会に顔を出しております関係で、ただいまの御質問、要望にお答えするつもりですが、現在一番新しいデータは、昭和三十八年の十二月末現在で朝鮮人の総登録数が五十七万三千二百八十四名でございます。これは三十八年十二月現在です。そのうち、朝鮮という登録をそのまま使っているものは三十五万七千七百二名、それから、登録上の国籍欄を韓国と書いているものが二十一万五千五百八十二名であります。で、その国籍の証明をする唯一の権限を持っているものは、あくまで本国政府でございまして、たとえばアメリカ人であるということをわれわれがかってに認定するわけにいきませんで、アメリカの旅券であるとか国籍証明書というものをこちらで公的な文書として認めるか認めないかということできまってくるわけです。ですから、現在そういった色分けをどこかで調査しているかと言われましても、おそらく国内官庁としては、どこにもそういったことをやっているのはありませんで、私どもの外国人登録の面だけで多少それに近い数字が出てきている。そのほかに、休憩前に御指摘のありました出身地別の統計を見ますと、大体三十八度線以南の道から出身して来ている人は五十八万二千二百五十四名、ただし、これはちょっと数字が古うございまして、先ほど申し上げましたように、昭和三十四年の統計で分けてみたわけです。そういたしますと、三十八度線以南から出身して来ているのは五十八万二千二百五十四名。それから、三十八度線以北の出身者が一万三百四十二名、それから、南北両鮮にまたがっているので分けられないのが江原道というところがございますが、ここらの出身者が六千五百三十名、そのほかに本籍地をよく覚えていないという連中もかなりおりまして、八千四百七名が本籍地をよく覚えていないというのがあるわけであります。結局昭和三十四年の四月現在の登録者を見ますと六十万七千五百三十三名、こういうことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/114
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115・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/115
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116・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/116
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117・藤原道子
○藤原道子君 医務局長にお尋ねいたします。昨日の午前六時十分ころに伊丹の常岡病院で火災が起こりました。新聞が報ずるところによれば、九名の死者を出したということでございますが、その実情をまずお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/117
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118・尾崎嘉篤
○政府委員(尾崎嘉篤君) ただいま藤原先生のお話がございましたように、三十九年三月三十日の午前六時三十分に兵庫県伊丹市の行基町にございます常岡病院、ここで火事がございまして九名の方がなくなり、三名の負傷者を出しましたこと、はなはだ申しわけなく、また、犠牲になられました方に対しまして、はなはだお気の毒に思っておる次第でございます。
この火事の原因、出火場所等につきまして、警察と消防署でいま取り調べ中でございまして、私たちのほうへは、まだ明らかになったという報告はございません。焼けましたのは、本館の木造二階建ての建物でございまして、これは昭和十九年に帽子工場として建てられたものを改築したものだということでございます。一階を治療棟として使っておりまして、これは九十九・八坪、二階が病棟になっておりまして七十二・四坪、十五室、三十床に一般患者を入れておったそうでありますが、当日は二十六名の在院患者があったということでございます。朝五時二十分ころに外科の外来患者が、これは救急患者だと思いますが、ございまして、二十分間ぐらい処置をして患者さんは帰られた。そのときには何らの異常は認められなかったが、そのあとで六時三十分ごろに火が出て本館が焼けたと、こういうわけでございます。当日の宿直者は、医師一名、看護婦四名――看護婦と申しますか、看護要員が四名です。看護婦が一名、准看護婦が二名、看護助手が一名ということでございます。なお、この病院には、当時、雑役婦二人、給食関係の人五人が宿泊しておったということでございます。
この病院につきましては、三十七年度におきまして、医療監視の際にも、避難訓練等の実施をしたことがあまり書いてない。実際やっているのかどうか明らかでない。また、階段の手すり等がないというようないろいろ指摘をされているようでございますが、この病院は、都市計画に該当のために建てかえなければならないことになっているようでございまして、全面改築の予定であったために改築が行なわれてなかったというふうなことを私ども聞いております。
そういうような状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/118
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119・藤原道子
○藤原道子君 その程度のことは私も承知しているんです。ところが、二十六名の患者さんの中で九名も焼け死ぬような状態というのが納得がいかない。看護婦が一人に医者が一人、准看が二人、看護助手が一人。それで百六十床くらいあるのでしょう、あの百六十床くらいのところにこれだけの要員でおくということ自体が間違いだと思う。これは常に私どもが当委員会で医療行政に対して警告もするし、ただしてもきたはずなんです。ところが、ことしになってからでも、福島県で三人火事で焼け死んでおります。また、新潟県の佐渡ですか、佐渡でも一人焼け死んでいると思うんです。一体医療行政に対してどういう指導がなされておったのか、これが問題だと思う。結局これは移転が予定されていたからまだ改築ができなかったんだと言われるけれども、現実にそこには患者を入れておるわけなんですね。私どもは、最近町を歩けば工事工事だ、頭上に注意しろ、足元に注意しろ、町は交通難で左右きょろきょろしなきゃならぬ。せめて入院したときくらいは安心して医療を受けたいというのがすべての人の願いだと思う。ところが、人が足りない、病院の施設が悪いというようなことで、点滴注射で死ぬ、あるいは保育箱の中で焼け死ぬ、喀血して窒息して死ぬ、あるいはお産のときベッドからころがった拍子にお産をした。こういう事例が相次いで起こっているにもかかわらず、それに対する対策ができていないところに、あまりにもいまの厚生行政は人命を軽視しているのではないか、心から私は怒りを感ぜざるを得ない。最近相次いで起こった火事についてそのつど注意したというが、注意した後どうなっているか、その監督はどのようにされてきているのか、これをお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/119
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120・尾崎嘉篤
○政府委員(尾崎嘉篤君) いまお話のとおり、病院の設備等、ほかのホテルとか料理店に比べまして、日本では進展が十分でないというふうな点、われわれとしても責任を感じ、できるだけこれを推進するように努力せねばならないと思っているわけでございますが、この病院の建築の防火関係につきましては、まず消防庁が、やはりこれは消防行政全体としていろいろごらんになっておられるのが一つと、私のほうの関係の医療行政といたしましても、医療監視といたしまして病院を見て回る。そして、その改善すべき点は指摘し、また、その裏づけといたしまして、たとえば改善命令を出すとか指示をするとか、これに対しましては、地方公共団体病院では起債等につきましては優先しますが、こういうような常岡病院が該当しております個人病院につきましては医療金融公庫の融資を優先し、また、ベッド数がかなりある地区でも、利率を引き下げて六分五厘で融資するというふうに、できるだけ考慮を払ってこちらは応援しているわけでございますが、何ぶん個人病院につきましては、全部国が直接いろいろ行政をやるというわけにもまいりませんが、将来もそういうことができるだけ起らないように、さらに一そうの努力をしたい、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/120
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121・山本杉
○山本杉君 私はラジオでちょっと聞いただけですけれども、非常ベルがこわれておって、二階にいた患者はほとんど火事になったのを知らなかった。もう火が回ってきてやっと気がついたというようなことをラジオで聞きましたけれども、そういうようなベルがこわれているというようなことを、いまのお答えのように、これから気をつけるというのじゃなくて、具体的に調べ、そしてそれをちゃんとしなければならぬという規則はないものでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/121
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122・大崎康
○政府委員(大崎康君) 医療法、あるいは施行規制におきまして、ベル云々の規定は現在ございません。ただ、この施設につきましては、避難訓練の実施の有無ということが、私どもに対する報告によりますと、日誌の中に記載しておりません。したがいまして、それを医療監視の際に注意をいたしているわけでございます。この施設が具体的にいろいろ火災等のための避難訓練をどのくらいやっているか、実は私ども詳細な情報を得ておりませんけれども、それは十分注意すべき点であろうかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/122
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123・藤原道子
○藤原道子君 三十七年の一月二十五日に東京でもって七人焼け死んだ。このときにもずいぶん大きな問題があって注意いたしました。その後わずかな間に十八名ですかの人がとにかく焼け死んでいるのですから、こんな残酷なことはないと思うのです。幾ら経済が高度成長しようとも、病院がいまのようなことでは私は相ならんと思うのです。結局、国立病院の六割は老朽だ、一般病院も四割から五割は老朽化している、こういう統計を出しておりながら、それの改善ができない。しかも、多数の患者をかかえて一人の夜勤は無理だということは、私たちが口がすっぱくなるほど申し上げておりますけれども、百六十何床の中で、看護婦は一人、准看が二人、こういう医療行政では、私は人命は守れないと思う。私は、こういうことであなた方の言いわけを聞きたくてこうした質問をするわけじゃございませんので、国民の医療を守っていくのだ、人命を尊重するのだというところで、いまの日本の低医療政策というようなものも、ひとつはこういう結果を招いていると思います。それらにいっては、また別途審議すべきでございますけれども、とにかくいまのような不安な状態の病院は一日も早くなくしていただきたい。安んじて医療が受けられるように、私は強く要望いたします。まだ申し上げたいのですが、時間がないからといってだいぶせかされております。けれども、問題は人命でございますから、私は大臣に対して、おいでになったらちょっとこの点――政務次官、笑いごとじゃないのです。現実に枚挙にいとまないほどこういう悲劇が同じ状態で繰り返されている。これに対して一体厚生省はどうするのですか。政務次官の御答弁を認めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/123
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124・砂原格
○政府委員(砂原格君) 藤原先生のお説のごとく、まことに遺憾な限りでございます。とうとい人命を失いますことは、われわれといたしましても、当面の監督の衝にあります立場から申しますと、はなはだ国民に対して申しわけのないことだと、遺憾の意を表するものであります。もちろん厚生省といたしましては、監督の責任の立場上からは、あらゆる角度で、そうした危険にあります病院、あるいは常に火災等に対しての訓練等も十分その経営者に適切な処置をしていただくように申しておるのでございますが、何さま厚生省の直接扱いますいわゆる厚生省所管の病院でない個人の開業の場合にはあまり深く立ち入って監督権を振り回すように強く督励をすれば、また反面には官僚のあまりにも干渉であるというので、相当個人開業の方々からはおしかりを受けるようになるわけであります。非常にこういう問題が起こりますときには、われわれ当面の責任者といたしましては、ほんとうに藤原先生のおっしゃるように、まことに相済まぬことだと思いますが、注意をいたしておりましても、実際によく俗に言います、のど元過ぎれば熱さを忘れるというようなことばがございますが、ほんとうにそうしたできごとがありました瞬間には、非常に各地域とも注意をしてくださるのでありますが、日がたちますと、たいていおろそかになりがちなのであります。とりあえず、局長通達で、各地の衛生部長に厳重な警告をさらに強く通達しておるような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/124
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125・藤原道子
○藤原道子君 やめようと思ったのですが、いまの政務次官の答弁で納得がいきません。医療行政は厚生省が担当しているのでしょう。そうでしょう。そうじゃないですか、個人であろうとどうあろうと。あまり強く監督すれば問題が起きる、医師会がこわいのですか。私は人命尊重が優先すると思う。注意してもやらないところは何回注意してもいいじゃないですか。いま山本委員が言われたように、ベルもこわれていたというのですが、避難設備も十分でなかったから、階段の入口まで出産後間もない人が赤ちゃんを抱いてそこまでのがれて、そこで死んだ。しっかり産婦さんが子供を抱いて、それで階段の入口で死んでいたというじゃないですか。こういうことを起こしているのに、のど元過ぎれば熱さを忘れるなんてのんきなことを言っていられない。もっと真剣に考えてもらいたい。私が間違っているかどうか知りませんが、医療の元締めはおたくなんです。厚生省がよほどの決意をもって指導しなければ、国民は何で生命を守ってもらえるか、もう一ぺんお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/125
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126・砂原格
○政府委員(砂原格君) 私の申し上げますことは、もちろんそうした人命を尊重するという点において、決して厚生省がのんきな扱いをしておるというものではございません。もちろん開業医に対しましても、いろいろな面から、建物が十分でないものに対しては、それぞれ厚生省のほうから適切な補修の要求その他をいたしております。けれどもが、今回の問題の起こりました病院に対しましても、再三注意を促しておりますけれども、これが本年一月以降にも病院の調査に行っておるはずでございます。そこまで注意はいたしておるので、ただ、遺憾ながら、注意を十分勧告いたしましても、それが履行されていなかったということは実に遺憾なことでございますが、今後もこうした面については、一そう厳重な処置をとっていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/126
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127・村尾重雄
○村尾重雄君 いまの常岡病院の出火なんですけれども、私立病院の今後の火災とか、その他緊急な場合の訓練というものをいま少し厳重に監督すべきであると思います。それから、要員を十分に補充すべきであると思うのです。きのうの朝ラジオで常岡病院の出火を聞きまして、私驚いたのです。最初は死人が四人ということだったのですが、夕刊を見ますと九人になっている。実はこの病院は帽子会社の工場から発足したように仰せられておりますが、いまの富士帽子の前身、の堀抜製帽の付属病院として発足したのです。昭和十六年だと思います。十七年ごろから、市の要望があって、伊丹市民の人々を診療することになり、病院と認めることになった病院で、九人も死んだということは、私はよく知っておるものですから、どうしても得心がいかないのです。南向きの病院で、西東に並んでおって、玄関を入ったところにも階段があるし、西側にも階段があるのですし、建物も高くないのです。二階建てといっても、火が出たということで、窓から下に飛びおりてもけがをするような病院ではないのです。木造は木造なんですが、一たび火が出たら、火が出たということを知らせさえすれば、おそらく重症患者でない限りは、人手を借りて歩けるものなら逃げることは簡単だと思っている。それをあれほどの死人が出たということは、外科手術の何か治療後にガスを使ったあとだとかいうふうに新聞には報ぜられておりますが、火が出たのを各病室に知らすだけの基礎がなかったのだと思うのです。こういうのはてんで、たとえばベルがこわれておっても、火事だと言えば端から端まで聞こえる病院なんです。しかも、そんなにがんじょうなやつじゃないのですからね。大声上げればすみからすみまで聞こえるような病院で、実はきのうも子供と夕刊を見ながら話ししておったのです。こんな病院で犠牲者が出るということは思われない、これはよほど何か朝の六時ごろで深く眠っておったとか、また、宿直の者が全然いなかったとか、何かやはり病院としてのそういう宿直等に不備があったのだということを深く感ずるのです。この点で、帰れば一ぺん病院をたずねてみたいくらいの気持ちを持っております。そういう点で、やはりだいぶ裏の工場を転用して病院が大きくなっているそうですから、こういうような病院患者に対する病院側としての、やはりこういう場合の準備に対して私は相当手落ちがあった、簡単な手落ちじゃないと思うのです。もちろん朝が早かったということも原因でありましょうけれども、十分これはやかましく督励される必要があると思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/127
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128・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 速記をとめてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/128
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129・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 速記を起こして。
社会福祉事業振興会法の一部を改正する法律案(衆議院送付)を議題といたします。
これより質疑に入ります。質疑のある方は、どうぞ順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/129
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130・藤原道子
○藤原道子君 質疑に入ります前に、私、資料を要求したいと思います。
社会福祉事業振興会法の一部を改正する法律案、これを拝見いたしますと、結局、医療公団とか、あるいは社会福祉事業振興会等が個々ばらばらなんですね。据え置き期間もばらばらだし、利率もばらばらになっておる。ことに社会福祉事業振興会では年に五分一厘一毛という年利になっておるわけなんです。ということになると、借りるのはたしか六分五厘だと思うのですが、そうすると逆ざやになると私は考えるのです。それで、長期事業計画を毎年立てなければならない、こういう場合に、一体これでやっていけるのかどうかというような疑問が起きてまいります。これは先ほど申し上げましたような各関係公庫だとか事業団等の利率から見ましても、非常にばらばらになっておる。こういう点で、お手元で、もうちゃんと調査も計画もおできになっておると思いますので、それらにつきまして納得のいきますような資料をぜひ提出してほしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/130
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131・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) ただいまの御要求の資料は急いで提出いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/131
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132・藤原道子
○藤原道子君 この本法の審議中に出ますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/132
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133・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) ただいまの資料の中の御質疑の点の第一点で、結局逆ざやになるんじゃないかという点でございますが、これの三十九年度見通しの資料は直ちにつくってお手元に差し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/133
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134・藤原道子
○藤原道子君 いや、ほかのもこうして利率がばらばらであるというところに私たち不安を感ずるわけなんです。ですから、それらは私もよく承知しておりませんので、それらもあわせて提出をしていただきたい、こういうわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/134
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135・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 関連の貸し付け制度の利率の資料は、直ちにつくりまして御提出いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/135
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136・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 大臣にお伺いしたいわけですが、この池田政府の所得倍増政策によりまして、確かに経済の成長も見られたわけでございますが、巷間いわれておりますように、非常にあらゆる面においての格差の増大、特に環境衛生の問題なり、あるいはここでいま討議されようとしておりまする社会福祉施設の問題にいたしましても、非常に立ちおくれが見られるわけです。これら社会福祉の施設等について、厚生省として、今回の三十九年度予算を見ましても、非常にわずか二十五億ですか、その程度の予算しか組んでおらない。したがって、その熱意が私は非常に足りないのではないかというふうに思うんですが、一体、厚生大臣として、これら社会福祉施設のいわゆる整備拡充というものについてどういうような方針をお持ちでございますか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/136
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137・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これはほかの機会にも申し上げたのでありますが、日本の社会福祉事業というものは、戦争前までは国が手を出すということよりか、篤志家の篤志だけにたよってきたという沿革がありまして、その後、戦後初めて近代的な社会保障、あるいは社会福祉というものが始まってきたのでありまして、そういうわけで、その後も施設費というものは政府が出すということよりか、民間でつくって政府が経営しており、それの措置費を政府が出すという、こういうふうな伝統的なやり方をしてきたのでありまして、これがいい、あるいは悪いという、こういういろいろな批評があります。私どもは、もう少しやり方をある程度改めて、国が施設費もある程度責任を持つ、こういうふうな態勢にこれからいかなきゃならないというふうに思っておりますが、いままではそこまでいっておらなかった。この社会福祉事業振興会法にしましても、これはまあ数年前に国会の議員提出でこれができたのだそうでありまして、このほうは社会福祉法人のほうの改築とか整備とか、そういう手直しのほうの資金を貸す、新築等については、いま厚生年金のほうからある程度の金が出ると、こういうふうな二本立てになっております。それで、この社会福祉施設のやり方について、たとえば国有で民営にするか、いまのように民営で国有にするかと、こういうふうないろいろの考え方をあらためて検討しなきゃならぬときがいまきておると、こういうふうに思っております。で、こういう費用がことしも二億だが、ふえましたが、とにかく前のやり方が、こういう施設費、建築費そのものは、いままでの伝統が民間でおつくりになる、そういうふうなものが受け継がれてきておるからしてこういう状態であるが、方向としては、私はこれをこれからあらためなければならぬと、こういうふうに考えております。
それから、いま藤原委員からお話の、いま六分五厘で借りて五分一厘で貸すということは、ただいまのところ、政府出資金が八、九億もあるからして間に合う、それで逆ざやは出ない。しかし、こういう借り入れが多くなれば当然逆ざやが出るから、利子補給なり、あるいは政府出資をふやすことによってこの会がお話のような欠陥が出ないようにしたいと、こういうことを考えております。それから、いまお話の利率の問題は、たとえば医療金融公庫はこれは別でありますが、年金の事業団からの借り入れ、あるいはまあいま六分五厘で貸しておる類似のものはいまこの二つでやっておると、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/137
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138・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 いま大臣から、これから考えていきたいのだと、こういうことでございますが、厚生省自身が、すでに昭和三十七年の白書の中で、社会福祉施設の非常な立ちおくれというものを認め、そして、これからその増設なり、あるいは施設の改善、特に老朽施設が非常に多いわけですが、その改善、あるいは設備の近代化というものをやっていかなくちゃならない緊急な問題であると、こういうふうに厚生白書ちゃんといっているのです。しかも、三十七年の白書でそういっておりながら、三十九年度の予算においても、あるいはいまの大臣の答弁においても、これから大体そういうふうにしていくのだということでは、私は、いま非常に経済が成長して、先ほど言ったように、非常にアンバランスが多いこの社会の中で、ますます問題が起きてくると思うのです。先ほど常岡病院の火災の問題がありましたけれども、私は、いまのままでいきますと、そういう施設の中でも、いつそういう火災が起きて身体の不自由者が焼け死ぬか、あるいは老人が焼け死ぬか、そういうことが起らぬとも限らぬのですから、もっと私は積極的な計画を持って、年次別でもいいですから、やるべきだと思うのですが、厚生省はこの老朽施設の改善について五カ年計画というものをすでに立てられていると思うのですが、それは一体どういうことになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/138
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139・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 民間社会福祉施設の老朽施設に対します整備五カ年計画は三十八年度から実施しておるわけでございまして、これはとりあえずのそういう問題として計画のとおり厚生白書で申し上げたとおりの必要性を感じ、そして緊急五カ年計画で老朽度の高いものを整備していこう、こうういことで三十八年度予算から実施に入ったわけでございまして、三十八年度は振興国庫補助が、その老朽施設に対する整備費だけとして二億三千四百九十万円、それから融資が二億六千万というように、これは主として年金福祉事業団からの融資でございますが、そういう実施を三十八年度みております。それは老朽施設を五カ年で整備する第一年度に当たりまして、三十八年度は実施率を一六%と見て、坪数で大体九千二百坪程度になりますが、これはすでに実施を現在いたしておるわけでございます。来年度予算におきましては、その五カ年計画の第二年度といたしまして、実施率は一八%、坪数にいたしまして一万六百坪程度のものを予定をして、これも予算措置を二十五億の内訳として計上し、それと見合う年金福祉事業団からの融資をただいま折衝中でございまして、この点も、第二年度としてそういう計画を来年度に実施する予定でございます。そういたしまして、大体四十二年度までに緊急度の高い老朽施設を、大体これは全部で五万八千坪くらいを予定しておりますが、完了する。これはこれとして実施しておるわけでございまして、しかし、さらに全体として考え直す時期にきているという点は、先ほど大臣の御答弁のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/139
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140・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 そうしますと、この五カ年計画が達成される四十二年ですか、になりますと、この三十七年度現在で、たとえば教護院の場合は老朽施設が三四・四%、それから保育所については二九・五%、さらに、また、児童福祉施設全体としては三千三百八十九カ所の改築整備が差し迫まって必要とされておる、こういうふうにいわれておるんですが、こういうものがその五カ年計画の中で解消されていくと、こういうふうになるわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/140
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141・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 老朽施設の整備の計画は、これは建物の保安度一万点を満点としまして、四千点以下のものということで、施設別に一応積み上げた計算がございまして、その安全度が四千点以下のものについては四十二年度で全部完了する予定になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/141
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142・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 その保安度の中には、いわゆる耐火構造と申しますか、いわゆる火災に対するそういうものも保安度の中に入るわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/142
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143・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 当然そういうものも入ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/143
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144・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 そこで、二十三年の十二月二十九日に、この福祉施設に働く職員の配置の最低基準、こういうものも出されておりますし、また、二十七年の六月二十五日には社会福祉審議会の意見も出されております。さらに、また、三十七年の七月二十三日には中央児童福祉審議会から中間報告も出されておるわけでございますが、こういうものに対して厚生省がとられてきた、いわゆるこれに対する措置ですか、そういうものについては現在どうなっているか、お伺いをしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/144
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145・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 最近の最低基準は、ただいま柳岡先生御指摘のとおり、二十三年以来、各審議会の勧告なり検討に基づいてつくってきておるわけでありますが、昨年社会福祉審議会の答申がございましたので、最近のものは、現在その答申に基づいて、実施の一番新しい基準を最近検討しております。近くそれを実施に移したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/145
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146・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 こういう最低基準が、現実に各福祉施設に行ってみますと、非常に数が少なく、守られていないということが実際にあるわけですね。この職員の労働条件等について、これは福祉施設の職員だけでなくて、全般的にいま人が足りないということで、非常に不足していると思うんですが、いわゆる地方公共団体、あるいは厚生省なり、こういう福祉施設の問題については、これは当然厚生省として責任があるわけでございますが、いわゆる一般の私的の、民間の福祉施設の職員の基準の問題についてはどういうふうになっておりますか。この最低基準というのは、おそらく地方公共団体等が運営するところの福祉施設の基準だというふうに思うんですが、民間の福祉施設のこの職員の配置基準というものについては、厚生省としてはどういうような指導をし、また、どういうように把握をしておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/146
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147・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) これは公私を問わず、私どもとしては同じ基準でやっておるわけでございまして、施設によって、その収容人員によって職員の数を何人というふうに施設別にきめております。もの点は、公立であろうと民間の社会福祉施設であろうと、こちらで指定をし、委託をするものについては、措置の問題についても同様の基準でやっております。
それから、ついででありますが、職員の待遇にいたしましても、国家公務員のベースで待遇をきめておりまして、それを基準にして事務費の支給をする、そういうふうな仕組みになっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/147
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148・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 厚生省で今度法案の資料として出されました内容を見ましても、また、白書の中で言われておるものを見ましても、非常に融資の需要が多いようになっておるのですね。特に三十七年では、振興会が一応三十七年の貸し付け経費として計上した額に比べますと、非常に申し込みが多くなって、大体半分しか貸すことができない、こういうことがいわれておるわけです。したがって、三十八年に至りましてもそういうことが言えるわけでございまして、三十九年度の今回のこの原資をもってして、はたしてそういう借り入れの需要に満足して応じられるのかどうか、そういう点をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/148
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149・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 御指摘のように、借り入れの申し込みに対しまして貸し付けの比率は非常に現在のところ低いわけでございまして、その点は三十八年度におきましても多少よくなってきますけれども、大体比率は同じようなものでございます。したがいまして、私どもとしましては、従来のような政府出資だけで資金のそういう申し込みの需要に応ずるということになると、どうしてもこういう事態が生じますので、借り入れ金の制度を今回来年度の三十九年度から実施しまして貸し付けの原資をふやしていきたい、そういうふうなことで今回の法律改正を提案したわけでありまして、そういう点は先生がおっしゃったような現象になっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/149
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150・阿具根登
○阿具根登君 関連して。出資金だけでは非常に先行きが心配だから、今度は借り入れ金にするのだと、こういうことですが、いま資料を見てみますと、三十八年度では大体一億五千万円出ておりますね。それを資金運用部資金から借り入れるにしたって、政府の出資金を今度は減らしておるわけですね、これは一体どういうことなんですか。出資金をわざわざ減らして、そうして今度は借り入れ金をやるからいいじゃないか、ちっともそこに親切がないじゃないか、いままでの出資金を減らさないで、出資金は出資金として、いまそのほかにまた債券なら債券、こういうのを考えられるのならわかるけれども、政府の出資金を減らして借り入れ金をやるというのは、どうも本末転倒ではないかと、こういうふうに思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/150
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151・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 年度別に見ると、確かにただいま阿具根委員の御指摘のとおりになりますが、出資金の総額は、初年度の二十年度から累計いたしまして、現在十億五千万ございます。そうして三十九年度の運用原資というものは、これは償還金がございますので、これは借り入れを入れまして、大体六億くらいになる見込みでございまして、単年度だけでそういう議論をすると、これは多いにこしたことはございませんけれども、いろいろと予算の最終段階で、出資金は一億、それから、借り入れ金三億、そういうことで最終的にきまったわけでございまして、結局政府出資金としては、いままでの出資の累計によってそれが運用原資になるので、その点については前年よりも相当ふえておるわけでございますから、そういうことで……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/151
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152・阿具根登
○阿具根登君 そういう答弁はおかしいと思うのです。単年度で見ればそうだとおっしゃるのはわかりますよ。しかし、借り入れ金なんかを調べてみますと、これは四、五年前までは何十万ですよ、それがいま一件二百何十万の金額になっているわけです。それだけ物価も高くなっているわけです。だからこういう借り入れ金制度を考えられたと思うのです。そうすると、これはいままでのやつを加算すれば九億五千万円になるのだというのじゃ通らないと思うのです。それなら、この分でいけば、一億五千万円が二、三年続けば、これは十一億、十二億にすぐなるでしょう。ところが、それで追いつかないから、違う制度をしたならば、政府出資金は出資金として、少なくとも三十八年度に実施したぐらいの金を出しておいて、今度は借り入れ金をふやすというならわかるのです。しかし、単年度だけでこら見られるということには私はならないと思うのです。これは通算すれば九億五千万から十億になります。なりますけれども、貸し付けの状態がそれではやっていけないのです。金額から見ても一件数百万の金になってきている。そして、いま柳岡理事さん申し上げたように、半数にも満たないような貸し付け金になっているわけです。だから、こういうことをやったならば、もっと政府としては、出資金は出資金として考えるべきじゃないですか。政府の出す腹は痛めないように減らしておいて借り入れ金をふやすというのは、私は本末転倒だと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/152
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153・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これはいろいろ考え方はありますが、政府の出資金というのは、やはりなかなかむずかしいです。何とかして資金ワクをふやすためにこういう方法を今度はつくったので、それでわれわれが、ことしは去年より五千万出資金が減ったが、とにかく三億借り入れ金を得たということは、資金のワクの増大には非常に役立っておりますので、私どもはこれから資金を多くするということを主として考えて、そして、たとえば逆ざやの問題は別の方法で解決していこう、こういうふうな考え方をしておりまして、政府の非常にいやがる出資金というのは少なくして、そのかわり、これから借り入れ金でいきましょう、こういうふうに変えたのでありまして、お話のようなことはごもっともだと思いますが、ワクをふやすにはどっちがよかったか、こういうことでやったというふうに御了承していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/153
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154・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 いま大臣は、出資のほうはむずかしいので、いわゆる財投といいますか、資金運用部資金のほうから借り入れた、こういうことですが、その借り入れる先は国民年金の特別融資ワクの中に入っているわけですね。私はこの前の本会議の中でもちょっと大臣に質問して、大臣はさっそくその翌々日の記者会見かなんかで、年金の特別勘定を設置できるように検討していきたいというようなことをアッピールしたようでございますが、大体この国民年金というのは被保険者のものじゃないですか。ですから、私は、いわゆる年金の特別融資ワクの中から、二五%のワクの中からこういうところに出資をするというのはおかしいと思うのです。そのほかのいわゆる純然たる資金運用部資金、ほかのワク以外のところからそういう借り入れをするならわかりますけれども、国民年金の融資ワクの中にこれを含めておるということは、私は、大臣が、先般特別勘定をつくって、これは被保険者のものとして、これから運用について十分検討していきたいという立場からしても、矛盾しているいるのじゃないか、こういうふうに思うのですが、そういう点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/154
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155・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これは、いまの厚生年金のほうは新築とか、あそこから直接出すものはそういうふうに限定されているわけです。このほうは改築とか、そういう対象が違うので、私がワクを大きくしたいというのは、これは別問題でございまして、とにかく振興会の貸し付けのワクをふやしたい、こういうことかう出ているわけでありまして、ほかから持ってきたらいいじゃないか、これはむろんそういう議論はでき得るのでありまして、できればわれわれもそうすべきだと思いましたが、とりあえずいまのような便法をとった、こういうことで、これは今後の問題としてまた考えなければならんと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/155
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156・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 いまの答弁じゃちょっと納得できないのです。国民年金の特別融資は、いわゆる年金そのものの原資というのは、とにかく被保険者が積み立てた金ですから、ですから、そういう被保険者のいろいろな施設に使うならわかるのです。そうでなくて、社会福祉事業振興会の事業の運用のために、そういう限られた二五%というワクの中から三億円引き出すということは、これは国民年金の積み立て金の性格からいっておかしいのではないか。そういうものでなくて、いわゆるそのほかの項目といいますか、同じ資金運用部資金でも、そのほかの項目の中からそういう金を借りるならば、まだ私らも納得できるのですけれども、そういう点について、いまの答弁では、どうしてそうなったのか、そういう点も明確でないし、また、国民年金の積み立て金についての考え方はどうなのか、そういう点も明確でないので、もう一度ひとつ大臣のほうからお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/156
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157・小林武治
○国務大臣(小林武治君) お話のようなことは当然考えられるのでありますが、国民年金を国民の福祉のために使うということは、直接の関係がどうかということにもなりますが、とにかく国民全体の問題でありますので、まあこれをことしは承認したと申しますか、そういうことでこれが成立した、こういうことで、御議論のようなことは私はやはり十分に考えなければならんと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/157
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158・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 一歩譲って、国民年金の積み立て金も広く国民の福祉施設に使うのだということは、そういうふうにしてもいいというふうに一歩譲っても、二五%のワク内からそれをとるというのは一体どういうことか。いわゆる二五%の残余、あと七五%ですか、あるわけです。そのほうは厚生年金の積み立て還元融資なんかの問題、あるいはその他一般資金運用部資金の財投の支出計画がここにずっと出ていますけれども、そういう中に、ほかの面へどんどん使われているわけですから、たった三億円といっては語弊がありますけれども、わずか三億円くらいの金を少ない二五%の中からさらにとるということは、私はおかしいと思うのです。いわゆる二五%以外のところから三億円をどうして引き出さなかったか。そういうことは大蔵省と交渉する場合にやったのかどうか。初めから二五%のワク内ということで交渉したのか、それとも二五%のワク外でこの三億円という金を認めさせるべくやったのか、そういう点をお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/158
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159・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 私ども、当初の予算要求では別ワクで、いま柳岡先生おっしゃったような趣旨で要求したわけでございますが、最終的には現在申し上げたような結果になったわけでありまして、将来私どももこれはひとつもっと努力してそういうふうな方向に実現していきたい、かように考えているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/159
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160・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 ひとつ将来――将来といってもいつのことかわかりませんが、来年度は、そういう基本的な立場からいけば、さっき逆ざやの問題が出ましたけれども、こういう形で利子補給をするというようなことでなしに、できるだけ政府出資によってみられるように、政府の一そうの財政的助成をお願いしたいと思いますけれども、ひとつ来年度は、もしさらに資金運用部資金からそういう金を借りる、こういうことになれば、ぜひこの二五%のワク外から、別ワクの中からできるだけ引き出すという強硬な対大蔵交渉をお願いしたい、こういうふうに思います。
そこで、これに関連して、厚生大臣、年金積み立て金の特別勘定ですね、これを新聞記者発表の中で表明されたわけでございますが、将来の方針として、一体どういうお考えでああいうことを言われたか、ひとつお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/160
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161・小林武治
○国務大臣(小林武治君) 年金の積み立ての特殊性から、そういう姿であるべきだというのが私ども厚生省の考え方で、これを大蔵省と強く交渉する、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/161
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162・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 この問題は直接には関係ございませんので、またあとで御質問したいと思います。
そこで、次の問題として、社会福祉事業振興会法によりますと、社会福祉事業振興会の仕事として非常にたくさん出ているわけですね。四項目にわたって業務の範囲を規定をしておるわけでございますが、社会福祉事業振興会の職員の数を聞いてみますと、わずかに三十人名、三十八名の職員でここに規定された仕事がはたしてやれるのかどうかという疑問を私たちは持たざるを得ないわけです。そこで、調べてみますと、振興会の現在やっておることは、融資と共済制度の運営だけだということなんですね。この振興会法ができましたのは昭和二十八年ですか、つくられておって、もうすでに十年を経過しておる。十年を経過しておって、いまなお業務の範囲がこの法に規定されたとおりやられておらない。その一部しかやられておらないということは一体どういうことなんですか。これは厚生省として、当然こういう法律ができれば、その法に基づいて振興会の事業を運営していく指導、監督の義務があると思うのですが、そういう点、十年間なぜこうした共済制度だけの仕事しかやらないでいるのか、そういう点をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/162
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163・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) この二十三条の規定で業務の範囲が規定されておるわけでございますが、振興会の最も主たる業務は貸し付け業務でございますので、これに専念してきたわけでございます。もちろんそれ以外に、福祉事業に従事する職員の研修とか、その他の福利事業に関する計画はあるわけでございます。第一項の事業と比べて、これは相当の事業の差がありますし、また、御指摘のように、職員の数も来年度四十名になりますが、現在…十八名ということで手も足りないようなかっこうでございまして、現在のところはそこまで手が伸びていかなかった。結局二十九年の法制定以後貸し付けの業務をやり、それから三十六年に職員の退職共済制度ができまして、それの準備並びに施行の仕事で追われたという事情でございまして、これからはその事業の範囲に規定されるものまで手を広げていきたい、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/163
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164・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これは柳岡委員がおっしゃるように、せっかくできたものがあまり活用されておらなかった。厚生省がなまけておったと申すか、これにあまり力を入れてない結果こういうものができておるので、私はこんなふうな、変なことばで言えば、中途はんぱな形で置いてはいけない。やるならもっと、たとえば十年かかって十億円しかならぬ、こういうふうないいかげんなものでこの会を運営したことが非常に悪い、これは率直に認めます。これがせっかくあるならこれを活用して、資金のワクなり、これからあらためてひとつやりたい、こういうふうに私は考えておるのであります。前のことは、これはわれわれの注意が足りなかった、力の入れ方が足りなかったということをおわびを申すというか、遺憾の意を表する以外にないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/164
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165・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 大臣からひとつ力強い決意の表明がありましたから、それはそれで了承いたしますが、現在、民間の社会福祉施設として、これはいろいろ範囲が広うございますから、的確に把握できているかどうかわかりませんが、一応現在常識的に社会福祉施設として考えられる施設がどのくらいあって、そこに従事する職員は一体どのくらいおられるのか、わかりましたらお教え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/165
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166・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 三十九年の一月三十一日現在におきます施設の数は四千九百九十三、これは退職事業の適用を受けている事業に入っている施設の数は四千九百九十三施設ございまして、その職員は三万三千七百九十七人になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/166
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167・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 いまの共済制度に加入契約をしている施設の数、あるいは職員の数はそれでわかるのですが、いわゆる契約をしていない施設数、あるいは職員数というのはわかりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/167
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168・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 対象になる数が同じ時点におきまして五千七百八十七ございます。したがいまして、契約をしている施設は、比率でいけば八六・二%ぐらいになります。それから、職員の数は、その施設の職員の全数で三万九千三百五十五名でございまして、そのうちの三万三千七百九十七名でございますので、比率からいいますと八五・二%がその中に入っているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/168
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169・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 そういう対象施設数、あるいは人員がおって現実に契約をしているのは八六・二形、また、人員にしても約六千人近くの未加入者があるということでございますが、この未契約の施設はどういう原因で契約できないのか、それをお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/169
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170・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) これは、この退職手当法というものは、結局任意加入の制度でございますので、そういう点で自己負担があるとか、そういうような一つの財政的な理由もございますし、それから、非常に小さい面もございますし、そういうことで、結局私どもとしては、なるべくこういう施設に入るように慫慂はいたしておりますが、現実としては十数%のものが実際の問題として加入していない、そういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/170
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171・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 こういうことで施設に働く人は、先ほどもちょっと申し上げましたように、身体障害者を扱い、あるいは老人を扱い、子供を扱い、非常に一般の職場の従業員と違った苦労があるわけですね。したがって、それだけに、職員に対する待遇なり労働条件にしても、十分考えてやらないと十分な保護ができないし、仕事ができない、人も来ないということになろうかと思うのです。したがって、私は、任意加入にしているということは、やはりちょっと問題があるのじゃないかと思うのです。たとえば厚生年金にいたしましても、あるいは失業保険その他の問題にいたしましても、やはり五人以下のところは、これはいま問題になっておりますが、しかし、五人以上のところは強制的にこれを加入せしめてやっているということから考えても、私は、こういうところに働く職員こそ、もっと政府がめんどうみるなりして、この退職金のやはりめんどうを十分みていく必要があるんじゃないか。したがって、任意加入ということでなしに、ある程度強制力を持ってやる考えがないものかどうか、あるいはそういうことがいままで考えられておったかどうか、そういう点をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/171
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172・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 民間社会福祉事業の実態は、もう先生御存じのとおりでございまして、私どもも、できますならば職員の待遇改善としてそういう方向でいくべきだと思うわけでございますが、現実はちょっといま直ちに強制加入をできるかどうか、この点については、私どもも、もっと実態をよく見てやっていきたいと思いますが、将来の問題としては検討すべき事項だと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/172
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173・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 ひとついまの点につきましては、地方公共団体と申しますか、公的な福祉施設の職員は、それぞれの共済組合なり、あるいはその他に入っているわけですね。したがって、民間のこういう施設の職員が一部取り残されているということでございまして、同じような仕事をしながら、片方はそういうこと、片方は取り残されておるということでは、やはり問題があろうかと思います。したがって、そういう点はひとつ十分検討されて、もしその経営者が負担能力がないということで職員が入りたくても入れないということでは問題がありますから、そういう点でもひとつ国のやはり助成というものをもっと考えていただきたいというふうに思います。そこで、今度の予算を見てみますと、福祉施設費として二十五億四千万円ですか、計上されているわけですね。これは予算の説明によりますと、単価が五万から五万五千、こういうことで計上されているようでございますが、これは一体どういう建物を想定してこの単価が出されたのか、そういう点をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/173
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174・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) これは建設単価というのは、毎年予算編成上は、建設省の御意見を聞きましてその年度の建設単価というものを出しておるわけでございまして、特にこの民間の社会福祉施設の建設単価というのじゃなくして、共通した単価になっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/174
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175・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 この予算は、先ほど私が質問しました、いわゆる五カ年計画を遂行するために計上された予算でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/175
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176・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 二十五億四千万円の三十九年度社会福祉施設の整備費補助金は、これは所管からいいますと、社会局、児童局全体の、いわゆる社会福祉施設に対する――従来はそれぞれ、たとえば保護施設なら保護施設の施設整備というふうに計上されておったものを総合いたしまして、全体としての施設整備費の補助金として計上したものでございますので、これは都道府県なり市町村なり、そういうものの設置いたします施設に対する補助も入っておるわけでございます。もちろんその中には公益質屋とか、そういうようなものも入っておりますし、老朽民間福祉施設の分もこの中に計上されております。その全体が二十五億四千万、こういうふうになっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/176
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177・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 単価の問題でいま言われたようなことになりますると、老朽施設の整備拡充、あるいは、いわゆる保安度一万点を基準にして、四千点以下のところを全部解消していくんだ、こういうことでございますが、その保安度の中には、いわゆる火災に対する面も十分考えていくということになりますると、いわゆる耐火建築等においては、五万五千円ぐらいの単価では私は足りないと思います。また、この補助が二分の一から三分の一ということでございまして、そうなりますと、実質的にはそれが五分の一なり、あるいは六分の一ぐらいの補助にしか当たらぬ、こういうことになるのではないかと思うのですが、そういう点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/177
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178・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これはほかのものにもみんな共通した問題ですが、二分の一補助のたてまえになって、私どもは二分の一のつもりでやっておりますが、実際は二分の一にならない。三分の一、あるいはそれ以下であるという場合が実際問題としてあるということは否定できません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/178
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179・藤原道子
○藤原道子君 関連。常識で考えても、五万や五万五千円でできると思うほうがどうかしている。木造建築だって、もうこんな単価ではできませんよ。それがわかっていながら、あまりにもこういう低い単価で押えるというところに問題があると思う。これはどうなんですか。建設省と相談してきめたとおっしゃるけれども、建設省ということになれば、また呼ばなければならないことになるけれども、建設省では事実この単価でできるというような確信を持ってきめるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/179
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180・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) まあこれは予算編成の技術に属することでございますが、実際の問題といたしましては、一応きょうの時点におきまして予算が成立しまして、いよいよ実行の段階になるわけでございますが、実行の段階でただいま藤原委員の御指摘のような問題が出てくるわけでございます。したがいまして、予算単価は、三十八年度五万円のものが、三十九年度は五万五千円、これはブロックの単価でございます。それで、今年三十九年度の実行として、それをどこまで修正するかということは、これはいろいろこれから話し合いになるわけでございますが、参考までに三十八年の実行単価で申し上げますと、特別に必要なものは六万円という単価を認めるというような措置もとっておるわけでございまして、この点は、これから予算を実行していく上で、一応予算上は五万五千円になっておりますけれども、個々の問題としてはそれよりも高い単価もある、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/180
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181・藤原道子
○藤原道子君 大臣が各方面に矛盾が出ておるということをおっしゃいました。だけれども、この矛盾を認めていてこのままで過ごすわけにはいかないと思う。これに対して大臣は将来どういうお考えを持っておいでになるか、御決意のほどを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/181
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182・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これは国全体の問題でありまして、大蔵省が一律の基準単価というものをつくって押しつけておるわけですね。私どもはこれでいいと思わぬので、いろいろもっと単価を上げろということを各省とも交渉しておりますが、なかなか大蔵省がそれに応じてくれない、これがほんとうのところであります。しかたがないからして、あと設計のときに坪数を減らすとか、あるいは自分の足し前を多く出すとか、こういうふうなことでいままで間に合わせておりまして、ことにいまの学校問題なんかも、当然小学校、中学校の補助金などもみんな同じような関係にあると、こういうことで、大蔵省がこれは統一的にやっておる。そうしてわれわれがいろいろ要求するが、なかなかまだその域に達しない、これが実情であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/182
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183・藤原道子
○藤原道子君 これはほんとうにうそみたいな単価ですからね、これでもって各省が連絡して強力に大蔵省へ当たってもだめなんですか、くどいようですけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/183
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184・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これはどこでも単価を改定しろということは毎年の問題で、各省とも同じような問題が起きております。まあこのほうは鉄筋コンクリートでないので、ブロックだからして、いま言うように特別なあれで、六万円とか幾らとか、特別なあれをやればまあできるものもあると、こういうことのようです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/184
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185・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 この二十五億という予算を執行することによって、先ほど局長も言われた三十九年度一八%ですか、これの整備がこの中でできる、こういうことでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/185
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186・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) この中の補助内訳でそういう予算計上をしておりますし、それと年金福祉事業団からの借り入れと、両方で施設整備の一八%を三十九年度で実施するわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/186
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187・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 わかりました。そこで、この振興会が、先ほど融資の問題で、非常に資金が足りない、したがって、半数程度しか需要に応じられないという点はわかったのですが、この貸し付け限度ですね、これが五百万ですか、五百万というような金で、はたしてその民間がこれから施設を改善し、近代化していくということができるかどうか、そういう点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/187
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188・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) これは振興会の貸し付けは、柳岡先生御存じのように、新築は考えておらないわけでございまして、まあ改築とか修繕とか、それから災害復旧の修理とか、それから事業の運営の資金とか、そういうものでございまして、現在まあ五百万を単位としておりますが、場合によっては七百万くらいまでこれは特別な基準として認めることもやっております。したがいまして、新築は、これは別の資金からのあれでございますから、一件当たりの経費としてはこれで十分ではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/188
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189・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 まあ新築でなくて、修築、あるいは運営費というような内容であるから十分であろう、まあこういうことでございますが、しかし、先ほど申し上げましたように、非常にこの老朽施設が各福祉施設にわたって出てまいっておりまして、おそらくこういう施設は、もう新築同様に改善をしなければならない事態にきているのじゃないか、こういうふうに考えられます。したがって、まあ最高七百万円くらい考えられる、こういうこともお答えになりましたので、ひとつ限度額につきましても、この出資の増額と申しますか、資金の十分な確保によって十分その需要を満たすことができるようなひとつ措置をとっていただきたい、このように考えております。
それから、この振興会のこの資料の中にも若干出ているようですが、貸し付けのその内容についてでございますが、どういう施設が一番多く利用しておるかということですね。そういう点と、さらに、その未回収の分がどのくらい年々あるものか、いわゆるそういう回収できない貸し倒れのものはどのくらい出てきて、それに対してどういうような措置をとっておられるか、ひとつお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/189
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190・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 昭和三十七年度の資料がございますので、三十七年度の実績で第一の問題について申し上げますと、貸し付けの多い順から申しますと、児童福祉関係の保育所、養護施設等は、たとえば保育所は三十七年度全体の件数が百二十八件のうち、児童福祉施設で七十一件、そのうち養護施設が二十七件、保育所が二十二件、それから生活保護の保護施設は全体で三十二件、そのうち養老施設が十八件、こういうようなのが大口でございます。そのほか身体障害者更生施設が九件、そういうのが大口でございまして、結局保護施設と児童福祉でほとんど占めておって、あと数件が精薄者の授産施設、更生保護施設、公益質屋、そういうものに二件ないし三件が貸し付けられておる、こういうような実績でございます。
それから、貸し付けの償還の比率でございますが、これは三十七年度末で見てみますと、大体償還率が九七・六%というようになっております。これはこげつきその他のもの、いろいろその他そういう問題が起こるわけでありますが、これはたとえば契約の更改をしてもう一ぺん借りかえをするとか、そういうような措置を実情によっては講じておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/190
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191・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 わかりました。それでは最後に、いままでの御答弁について整理をしていきたいと思いますが、振興会としていまこれから今年度貸し付ける原資というものは現実にどのくらいあるのかということが一つ。それから、先ほど局長のほうで老朽施設の五カ年計画整備の問題と関連しまして、この二十五億のほかに、年金福祉事業団ですか、そういうような資金も入れてやっていくんだと、こういうことでございますが、補助金の二十五億はここへはっきり数字が出ておりますけれども、年金福祉事業団のほうからそれでは幾ら三十九年度支出が予定されておるのか。それから、そのほかに何か金が出るようなところがあれば、その他どういうところから幾らこういう福祉施設の新築、あるいは整備拡充のために予定をされておるのか、それをひとつお伺いして質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/191
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192・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 第一の原資の点でございますが、…十九年度は政府出資金が一億、それから、借り入れ金が三億、そのほかに、いままで貸し付けておりますものの償還金二億を予定しておりまして、その合計六億を貸し付けの原資と予定しております。
それから、第二の、老朽施設に対する整備費の問題でございますが、三十八年度の実績は、年金福祉事業団では二億六千万円を借り入れております。そして、そのときの補助金が二億三千四百万円であったと思います。したがって、今年度はそれよりも相当上回ると思うわけでございますが、大体私どもまだこれは確定した数字ではございませんが、四億ぐらいを一応予定しております。これはこれからの決定にまつわけであります。そのほかに、結局施設の整備費は、そういう国の補助金とそういう融資のほかに、府県の補助が四分の一ございます。そして自己が四分の一負担するわけでございますが、これはたとえば共同募金の配分金とかそういうようなもの、あるいはその施設に対する補助金とか、そういうようなものが自己負担分の原資になる、そういうようなかっこうで全体をまかなっていくわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/192
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193・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 恐縮ですが、もう一つ最後に伺いますが、一番最初、厚生大臣にこれからの社会福祉施設の問題についての方針をお伺いしたのですが、その方針に従って、三十九年度に厚生省として重点的にどういうような施設を考えておられるか、いわゆるあらゆる面でいま施設の不足はできてまいっておるわけですが、新たに厚生省として、大臣のいわれた方針に従って三十九年度どういう施設をどういう所につくっていくのか、大略でもけっこうですから、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/193
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194・小林武治
○国務大臣(小林武治君) まあ重点的にいたしたいというのは、重度身体障害、あるいは精薄関係の対策と、それから病弱老人の収容所、いま老人ホームにはそういうものがない。すなわち、病気になれば非常に困るので、そういう病弱な者を入れるための特殊の施設をひとつ考えていきたい。
それから、あとは、ただいまお話の老朽施設をひとつ改善したいと、こういうふうなことを優先的に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/194
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195・小平芳平
○小平芳平君 先ほどの柳岡委員の質問に対するお答えでずっとわかってきたのですが、これで三十九年度の原資は六億円、それで三十七年度の申し込みが六億七千万ですか、これに対して半分の三億ほど、半分に満たない金額が貸し付けとなっておりますが、それでお伺いしたいのは、三十九年度はどのくらいの申し込みがあるか、その申し込みに対して六億では相当足りないかどうか。それから、特にそのワクと、それから幾ら幾ら借りたいという人に対して、それを査定するか何かして、相当減らして貸していると思うのですが、そういう点と、それから、申し込むには申し込んだけれども、半分くらいしか借りられないという人と、両方出てくると思うのですが、この傾向として、だいぶこの傾向を見ていきますと、申し込んだ人はだいぶ借りられなくなってきておるような気もするのですが、そういう見通しはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/195
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196・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) 三十九年度はこれからの問題でございますが、一応三十八年度の私どもの予想を申し上げますと二百五十件で、大体貸し付け件数の比率が六五・八五、大体六六%くらいというふうに考えて、大体このような結果に三十八年度はなっておるわけでありまして、そうしますと、今度はいままでの貸し付け原資よりも、いままでは大体三十八年度が貸し付け原資が三億四千二百万円、今度はそれが六億というふうになりますので、貸し付け件数の申し込みに対する比率はもっと大きな比率になる。この点は相当緩和されるのではないかというふうに考えております。
それから、申し込みにつきましては、これは業務方法書によりまして、大体簡単に申し上げますと、七五%貸し付けするということでございます。まるまるということは、大体一般にもやっておりませんが、貸し付け対象事業費の七五%ということを限度として査定をしていく、そういう実施をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/196
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197・小平芳平
○小平芳平君 申し込んだら七五%に削るわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/197
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198・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) これは初めからわかっておりますので、貸し付け対象事業費がたとえば一千万円、そうしますと、七百五十万円ということは初めから借りるほうもそういうふうに予想して借りる。したがって、それからさらに削るということは原則としてはやってない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/198
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199・小平芳平
○小平芳平君 そうしますと、ここに出ている三十七年度六億七千四百四十六万一千円ですか、これは七五%に削る前の数字なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/199
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200・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) これは事業量の数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/200
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201・小平芳平
○小平芳平君 削る前の。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/201
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202・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/202
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203・小平芳平
○小平芳平君 そうすると、計画をした人は一千万円を計画して、そうしてその七五%だけ借りて、あと二五%は当然自己資金でやっていくというたてまえになっておるわけですね。
それから、もう一つは、件数が、たとえば百人で申し込んで七十何人しか借りられないと思うのですが、そうすると、その残りの二十何人の人はそのワクがないから貸せられないのか、それとも、相手が不良事業者みたいな関係で貸せられないのか、そういう点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/203
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204・牛丸義留
○政府委員(牛丸義留君) これは府県を通じて申請がくるわけでございます。申し込みがくるわけでございまして、そういう各地方の意見も聞いて査定するわけでございますが、結局緊要度から優先順位をつけていくということで、絶対量が足りないわけでございますので、緊要度の高いものから貸し付けて、あとは翌年回しということで、これは措置委託しておりますから、その中で不良とか何とかということは、あまり要素としては私どもとしては考えていない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/204
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205・藤原道子
○藤原道子君 柳岡さんの御質問で、大体わかったようなわからないようなこともありますけれども、大体初めから七五%ときめてかかるということがおかしいのですよね。それはまあここで議論はいたしませんが、先ほど資料をちょうだいいたしまして、来年度は損益金なしということになっている。けれども、これはどうしたって、もう六分五厘で借りて五分一厘一毛ですか、これで貸し付けていくわけですね。ということになれば、来年はこういうことで損益金なしという資料をいただいたんですけれども、長期計画を立てる場合、これはどういうことになるのですか。これならはっきり償還金もふえてくるという点もあるでございましょうから、将来の逆ざやというようなことの心配がなお私には解消できない。これに対してどういう対策をお考えになっていらっしゃるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/205
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206・小林武治
○国務大臣(小林武治君) このことは、先ほど申し上げたように、このまま押し進めていけば赤字が自然出てきます。出ないようにするというのには、政府出資をふやすか、利子補給をするか、いずれにしろ、この会は赤字が出ては困りますから、そういう措置は当然政府としてしなければならぬと、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/206
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207・藤原道子
○藤原道子君 それでは、ここで大臣は、はっきり赤字が出ないように将来措置をする決意でおいでになるわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/207
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208・小林武治
○国務大臣(小林武治君) 当然そうあるべきだと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/208
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209・鈴木強
○委員長(鈴木強君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/209
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210・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 速記を起こしてください。
他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/210
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211・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もないようございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/211
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212・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより採決に入ります。
社会福祉事業振興会法の一部を改正する法律案(衆議院送付)を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/212
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213・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 挙手総員と認めます。よって本案は、全会一致をもって衆議院送付原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/213
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214・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 私は、この際、本案に対する付帯決議案を提出したいと思います。先ほどから質疑の中で、この振興会のやはり任務の重要性も十分理解されるところでございまして、その貸し付けにあたりましても、十分な原資がまだ確保されておらない。こういう面からも、次のような附帯決議を提案したいと思うわけでございますので、何とぞ御審議の上、御決議あらんことをお願いしたいと思います。
附帯決議案を朗読いたします。
附帯決議案
社会福祉事業振興会の健全な運営を図り、増大する需要に応ずるためには、政府は、今後更に本会に対する財政的助成に努めるべきである。
右決議する。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/214
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215・鈴木強
○委員長(鈴木強君) ただいま提出されました柳岡委員提案の附帯決議案を議題といたします。
柳岡委員提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/215
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216・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 挙手総員と認めます。よって柳岡委員提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
小林厚生大臣より発言を求められておりますから、これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/216
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217・小林武治
○国務大臣(小林武治君) まことにごもっともな決議でありますので、尊重して努力をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/217
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218・鈴木強
○委員長(鈴木強君) なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/218
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219・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
八時まで休憩いたします。
午後六時五十三分休憩
――――・――――
午後八時二十五分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/219
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220・鈴木強
○委員長(鈴木強君) ただいまより再開いたします。
委員の異動についてお知らせいたします。本日山下春江君が委員を辞任されまして、その補欠に谷村貞治君が選任されました。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/220
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221・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 医療金融公庫法の一部を改正する法律案(衆議院送付)を議題といたします。これより質疑に入ります。質疑のある方は、どうぞ順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/221
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222・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 昨年でしたか、医療法の一部改正がございまして、いわゆる公的医療機関の規制並びに医療機関の適正配置というような面の改正がなされたわけでございますが、これに伴って、厚生大臣も、特にこの医療機関の配置について、国立病院等の統合というようなことをいわれておるわけでございますが、それの大臣の方針に従って、いま各地におきまして、医療機関の、特に国立の病院等の統廃合が進められている、こういう動きがあるようでございますが、この点について、ひとつどういう方針をもってどういうふうに進められておられるのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/222
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223・小林武治
○国務大臣(小林武治君) 御承知のように、国立病院とか国立療養所は、戦争前に陸海軍の必要によってつくられた医療施設でありまして、一般の住民は全然対象にして考えなかった施設であります。それが終戦後の事情変更で国立病院になって一般の診療を始める、こういうことに変わってきたのでありますが、設置の目的そのものがもともと住民を対象に全然しなかったということで、その場所が必ずしも適正であるとは思わない。ことに陸軍と海軍と別々に設置したから、一つの場所に重複しておるようなものがある、こういうことで、私は、まあ一般論としては、ある程度これの統合等も考えてしかるべきだと思いまするが、実際問題としてはなかなかこれはできません。いま療養所等について考えておりますのは、大都市等でもってきわめて近接して施設がある、大阪とか名古屋とか、東京とか。こういうものがありまするので、さしむきこれらの病院施設の能率をあげるためにも、ごく近接しておるようなものは一緒にして、そしてりっぱなものに建て直したほうがよかろうと、こういう方針を立てておりますが、まだ一般的にそういうふうな計画はできておりません。すなわち、東京とか、名古屋とか大阪とか、こういう方面において療養所を統合しよう。しかし、統合しても、ベッド数を減らそうとか従業員の減らそうとか、そういう意図はなくて、こういうもののいまの機能というものは維持したいと、こういうことでやっております。したがって、まだ全国的に統合などという計画は持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/223
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224・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 まあいま大臣は、そういう全般的な問題でなくて、一部のところで、しかも、ベッド数を減らすとか、そういうことのないようにやっておるのだ、こういうことでございますが、現実に私が調べた中では、その統廃合というのが、いま大臣の言われたようなきれいな形での統廃合ではなくして、いままで精神病院であったのが、それをやめて違ったものにするとか、あるいはベッド数にしても、結核患者のベッドを統廃合によって少なくしていくとか、そういうような非常にうしろ向きな形での統廃合が行なわれていると、こういうふうになっております。したがって、各地でこの問題についての紛争が起きているわけです。私どもの地元であります千葉におきましても、たとえばいまのところ小康を得ておりますが、松籟荘という療養所が一部一つの病棟を閉鎖をすると、こういうようなことが理事者側から提案をされて、しかも、その中にはいまだに五十人からの患者が入っておる。しかし、看護婦が足りないと、こういうことでその病棟は閉鎖をしてほかの病棟に移すんだと、まあこういうことが出されまして、だいぶ問題が起きましたが、幸い理事者側も、その病棟の廃止については撤回をいたしましたから、いまのところ問題はないようでございますが、しかし、そういう形のものが各地に行なわれているように私どもは把握をしておるわけでございます。したがって、そういう統廃合をする場合には、やはりそういう地域の住民なり、あるいは地方自治体なり、そういうもののやはり意見というものを十分に聴取をしてやる必要があるんじゃないかと、こういうふうに思いますし、そういう統廃合が、いわゆる医療制度全般についての制度調査会の答申の線に沿ってやられておるのかどうか、そういう点をもう少し詳しくお話しをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/224
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225・小林武治
○国務大臣(小林武治君) 具体的ないまのようなお話については、また事務のほうからお答えいたしますが、御承知のように、国立療養所のベッドも、いま結核関係の利用者がだんだん減ってきておる。減ることについてはいろいろまた非難がございますが、とにかく事実として減ってきておる。そして全国でもっていま八〇%ぐらいの利用率と、こういうことで、ある程度あきベッドが生じてくる。そこに対しまして、最近精神病の問題が非常にやかましい問題がありますので、あいたベッドはひとつ少しでも精神病のベッドに転換しようと、こういうことで、全国でおそらく数カ所そういうことをやっておるところがあります。それについてもまたいろいろ御意見があるのでありますが、私どもは、まあ結核のほうに十分追い打ちをかけるというような措置をいたしたいと存じますが、あいたものは、いまの現実の必要によって、私は少しでもひとつ精神病の病棟に転換したいと、こういうことで問題になっておると思います。お話のように、機能の縮小とか、あるいはその場所をやめるとか、こういうことについてはむろん地元の方々のことも考え、相談をして進めると、こういうふうにしたいと思っております。で、いま申すように、全国的に病床の転換というようなことはあちこちでやっているところがありまするが、そのほか、全体的にいまこれをこういうふうにしようというふうな一般的の計画はまだない、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/225
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226・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 そのことにつきましては、また時間の関係もございますから、医療制度全般についての論議を次の機会にまた行ないたいと思いますが、医療審議会が、厚生大臣に対して、医療機関の適正配置の問題で答申がなされていると思うのですが、この答申についてどういうふうにこれを受けとめて実施をしようとするのか、その点をひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/226
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227・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これは答申は、これから新規に公立、あるいは公的病院を設置する場合のことでありまして、既設のものについては、これをそのために整理するとか、そういうふうな問題はありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/227
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228・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 そうしますと、既設のものについては、先ほど大臣の言われた統廃合というような形での配置がえはあるにしても、そういう配置がえでやっていくということで理解していいわけですね。
そこで、この前の医療法の一部改正の一つの趣旨は、無医地区ですね、お医者さんのいない地域、あるいは僻地における住民に対して十分な医療を受けられるようにすると、こういうふうな目的も医療法一部改正の中にはあったと思うのですが、この無医地区に対する対策、これはその後どういうふうにとられておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/228
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229・小林武治
○国務大臣(小林武治君) 無医地区の問題は、いまどなたも同じ医療を受けられるようにわれわれはつとむべきだと、こういうことで無医地区の解消ということを考えておりまして、無医地区には主として診療所を公立でつくってもらう、それに補助金を出すというふうな方法で、できるところはそういうことでやりますし、できないところは、やむを得ずいまのところ、たとえば診療車を回すとか、あるいは病人の輸送用のマイクロバスをやるとか、あるいは船をつくるとか、そういうふうなことをやっております。全国でも、実は国民健康保険の直営診療所というのが二千数百ございますが、これはそれに医者が従事することが非常に必要でございますが、何としても、いまのところ、医業というものが自由業のために、これをわれわれが配置等を強制的にするということは、非常にこれは不可能でありまして、何とかそういう山の中にも魅力があるというか、働きやすいようにすると、こういうふうな考え方をしなければなりませんで、いま二千数百あっても、実はその中で数百も現在医者がおらないと、こういうふうなところも出ておるのでありまして、私どもとしては、いまはやむを得ないから、できるだけ町に親病院を置いて、その親病院から二月でも三月でもそこの診療所に行ってもらおうと、こういうふうな方法をいま奨励をして、その向きのお手伝いをいましておる、こういうことであります。私は、やはり、たとえば経済的理由だけではありません。お医者さんは、やがて子供の教育等のために、たとい待遇がよくても山の中に行かない、こういうふうな問題もあり、また、国民健康保険としては、医者の手当と申しますか、報酬も払えない、こういうふうないろいろの問題も出てきておるのでありまして、口に言いまするが、との無医村の解消ということは、われわれの努力にもかかわらず、きわめて困難な問題であるのでございます。いろいろ手当てをしておりまするが、なかなか実際において思うにまかせない状態であると、こう言わざるを得ないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/229
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230・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 具体的に三十九年度の予算の中で、そういう無医地区の解消、あるいは僻地における医療の問題についてどういうふうな計画になっておるのか、その点をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/230
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231・大崎康
○政府委員(大崎康君) 僻地医療対策費として三十九年度で計上いたしました額が一億七千九百十万七千円でございます。その内訳は、僻地診療所に対する整備運営費の補助といたしまして一億三千六百七十二万七千円でございます。それから第二番目には、僻地患者の輸送車といたしまして千百四十万円、それから三番目には、特別僻地巡回診療車船といたしまして二千六百五十二万円、それから、無歯科医地区の診療車といたしまして三百五十万円、その他、僻地巡回診療班の経費といたしまして若干を計上いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/231
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232・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 いま非常に無医地区が多いわけでございますが、これに対して、この三十九年度の予算は、その解消をするためにどういうような位置づけにあるのか。いわゆる大臣というよりも、厚生省も医療整備五カ年計画とか何とかいったものをつくっておられるのでございますが、そういうものには、おそらく無医地区が含まれているかどうかわかりませんけれども、その無医地区解消は、僻地における医療の万全を期するための計画として、三十九年度の予算、いま言われたような内容はどういう位置づけにあるのか、それをお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/232
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233・大崎康
○政府委員(大崎康君) 無医地区につきましては、人口、交通、経済事情等の諸条件の著しく悪い僻地につきまして、二百三十七カ所につきまして整備をいたしたわけでありますが、昭和三十八年度からは新しく第二次計画の目標というものを定めたわけでございますが、計画数は百九十四カ所でございます。で、これを厚生省の考えといたしましては五年計画をもって実施いたしたい。で、三十九年度におきましては、そのうちの三十九カ所の解消をはかりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/233
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234・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 そうしますと、その計画の中で一応のそういう解消の方向がとられる、こういうふうに理解していいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/234
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235・大崎康
○政府委員(大崎康君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/235
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236・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 そこで、この本改正案に関連してお伺いするわけでございますが、いわゆる医療機関、特に公的医療機関は、これはこの医療金融公庫とは直接関係がないと思いますが、私的医療機関の関係で、やはり重要な国民の生命を守る、そういうものでございますから、これに対する融資というものについては、その条件をもっと容易に借りられるとか、あるいは十分利用のできるような条件にしなければいけないのじゃないか、まあこういうふうに思うわけでございますが、ところが、いままでの状況を見てみますと、非常に貸し付け限度にいたしましても、あるいは利子の面にいたしましても、非常に高いのではないか、あるいは限度額にしても低いのではないかというような、そういうほかの、たとえば年金事業団ですか、そういうところと比べまして条件が悪いと、こういうふうに見られるわけでございますが、こういう点は改善をする余地がないものかどうか、そういう点をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/236
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237・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これはもうお話のようなことが当然問題になるのでございまして、年金事業団は六分五厘で貸しておる。ところが、こちらのほうは八分とか、あるいは七分とか、こういうことである。これを何とか平均化すべし、衆議院で非常にやかましく論議をされまして、そして私どもも、今回はそういうものはできるだけ年金事業団のほうに合わせるのが当然であるということで、厚生省も長いことこういう主張をしておりますが、何ぶんにも他の関係があってそういうことが実現しなかったのでありますが、ことしは、もう衆議院の段階におきまして、ぜひひとつ実現をはかれ、こういうことで、結論的に申せば、いわゆるベッドの少ないようなAの地区と申しますか、そういうところはひとつ次の年度から七%まで引き下げろ、こういう御要望があり、私どももそうしたいということで、これはまあ大蔵省の問題でありますが、いろいろ話し合った結果、それだけは一応お約束をしたようなかっこうになりまして、まだ六分五厘まではいきませんが、とにかく、あるものは七分まで持っていく、こういうような了解が成り立ったと申しますか、そういうものが実現するというふうにこちらでも申し上げておいていいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/237
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238・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 償還期限について、年金福祉事業団との差異はどういうふうになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/238
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239・大崎康
○政府委員(大崎康君) 償還期限につきましては、医療金融公庫と年金福祉事業団に若干差がございます。それは各施設、あるいは建築物の態様によって違うわけでございますが、たとえば病院の新築の場合におきましては、医療金融公庫におきまして、耐火の場合は通常償還期限は二十年でございます。これに対しまして、年金福祉事業団におきましては、耐火は償還期限が二十五年でございます。その他ほぼこれと同様な若干の差があるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/239
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240・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 この年金福祉事業団は公的医療機関に対する融資をやっているもので、いわゆる医療金融公庫が私的医療機関というふうになっていると思うのですが、公的医療機関のほうは、これは財政と申しましょうか、資本力からいってもそう心配がないのではないかと思うのです。ところが、私的医療機関の場合は、これは民間ですから、たとえて言えば大企業と中小企業というような関係にもなろうかと思います。いわゆる私的医療機関の場合は中小企業的な性格を持つものでありまして、したがって、それだけに、公的医療機関に対する融資以上にそういう貸し付け条件というものを緩和をしていかなくちゃならぬというふうに思うわけです。それに対して、先ほど大臣はいろいろな事情と言われたのですけれども、どういう事情があったのですかね。このほかに事情がある、こう言われたのですけれども、この医療金融公庫の原資を見ましても、大体厚生年金の還元融資、あるいは国民年金の特別融資、こういう中から出てくると思うのですね、しかも、年金福祉事業団のほうは三十四億ぐらいのワクでございますけれども、医療金融公庫のほうは四十三億もこういうワクをつくっているということになると、同じ積立金の中から出された金を、片方の公的医療機関に出す場合には条件がいい、私的医療機関のほうに出す場合には、いま説明がありましたように、条件が悪いということは、どういうことでこういうふうになっているのか、非常におかしいと思うのですけれどもね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/240
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241・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これは金利というのは私どもだけでかってにできないのですね、大蔵省とある程度横の連絡をとっている。そうして、いまの横の連絡というのは公庫ですね、いろんな公庫がありますが、そういうものとの権衡問題で大蔵省か難色がある、こういうふうに承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/241
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242・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 まあ他の公庫との権衡上そうなっているのだ、こういうのですけれども、しかし、この医療金融公庫の融資先はいわゆる医療機関でありまして、ほかの公庫と私は性格が全然違うと思うんですよ。いわゆるいまでもお医者さんにかかる率が非常に高い。しかも、無医地区もまだ相当解消しておらない、僻地における住民も非常な恩恵を受けられない、こういうような人命を守る機関が非常な不足をしておって、これを適正に配置をして、そして全国民に平等な医療を受けさせようという方針を持っておられるわけですから、そういう面からの医療金融公庫の持つ性格というものは、他の公庫とは全然私は違う、そういうふうに思うんですね。ですから、そういう面をやはり強調をされて、そしてこの貸し付け条件の緩和をもっとはかるべきではないか、そういうやはり積極的な意欲を厚生省としては持つべきではないか、こういうふうに思うんですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/242
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243・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これは毎年きわめて積極的な熱意を持ってきたわけでありまして、これは厚生省が弱くて実現されない――私どもは他の公庫との権衡もあるが、これは医療金融としての権衡をとってもらいたい。すなわち、厚生年金からの医療機関に対する貸し付けとの権衡をとれということで、ことしようやく、まあみんなで騒いだといってはどうかと思いますが、国会でもって論議の結果、近ずけることに一歩か数歩か前進した、こういうことでありまして、これはもう柳岡委員のおっしゃるとおり、私どもは主張し続けてきたが、力が足らず、これまでいかなかった。ことしはある程度前進できるような見通しができた、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/243
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244・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 医療金融公庫の利子が六分五厘から八分、九分と、こういう三段階に分かれておるわけですが、そういうことは、いわゆる年金福祉事業団が六分五厘で貸すというのに比べますと、二分ないし三分の割り高になっているわけです。そういう利潤といっては語弊がありますが、そういう利子を取ってあがった金、収入ですか、そういうものが一切医療金融公庫の運営というものになっているわけですか。医療金融公庫の運営費というものは別なワクで厚生省が見ておるということではなしに、いわゆる出資したら出資したワク内で医療金融公庫は運営をしていく、こういう仕組みになっているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/244
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245・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これはもう御案内のように、政府から百十億円も出資しておりますから、その利差と申しますか、そういうもので運営されている、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/245
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246・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 そうしますと、その運営のため利子が下げられないというようなことも考えられるじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/246
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247・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これは、まあ経営上の問題というよりか、いままでこういうふうになってきたのは、すべて大蔵省が横の権衡のために譲らなかった、こういうことでございまして、いまおっしゃるような理由からじゃありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/247
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248・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 もう一つ、たとえば国民金融公庫、あるいは中小企業金融公庫等におきましては、個人とか、あるいは法人という区別なしにこれは貸し付けをしているわけでございますが、医療金融公庫については、法人でなければ貸さないということになっておりますか。それとも、この段階があるわけですかね。個人の場合は限度額幾ら、あるいは法人の場合は限度額幾ら、こういう区別をしているわけでございますが、これはどういう理由で区別をしているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/248
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249・大崎康
○政府委員(大崎康君) 医療金融公庫の貸し付け限度額でございますが、これは従来個人につきましては三千万円、それから、法人につきましては五千万円が一応の限度でございます。で、これはどういうふうにして差をつけたかということでございますが、これは平均的に見ますと、法人のつくるベッド数が通常の場合は多いわけでございます。したがいまして、法人につきましては、個人の建てますものよりも限度額を多くいたしておるわけでございます。しかし、この点につきましては、個人、法人別に限度額を違えるということにつきましては、多少問題があるのではないかと考えておりまして、今後におきましては、ほかの標準、たとえば病床数というふうなものを勘案をして限度額をきめるべきではないか、こういうふうに考えておりまして、十分今後も検討したいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/249
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250・藤原道子
○藤原道子君 いろいろお考えを伺ったのですけれども、結局中小企業と大企業の格差のようなもので、この据え置き期間なんかを見ましても、非常に乙種と甲種と違っておる。さらに助産施設になりますと、またぐっと下がってくるのですね。ベッド数ベッド数とおっしゃいますけれども、少ないベッドでさらに使命を全うしていこうとするときには、非常に苦しさもつきまとうわけですね。にもかかわらず、こういう区別をされておるということが私たちには納得がいかない。これは将来も改める意思はないのですか。利子においてもそうだし、据え置き期間においてもそうだし、償還期間においても、さらに小さいところになると、よけいに区別がついておるわけです。なぜ同じ公庫が貸し出すものであり、同じ使命のもとに苦しんでおる人たちに対してこういう差別をつけなければならぬのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/250
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251・大崎康
○政府委員(大崎康君) ただいまの御質問でございますが、あるいは御質問の趣旨を若干はき違えておるかもしれませんが、それはもし間違っていましたら御容赦をいただきたいと思います。
医療金融公庫の利子でございますが、新築、それから甲種増改築資金については、これは六分五厘でございます。それから、乙種増改築資金でございますが、これは原則として八分でございます。この点につきまして、年金福祉事業団の利子である六分五厘との差があるわけでございます。それで、この差というものは、元来、医療金融公庫が発足いたしましたときに中小企業金融公庫からいわば分かれたと申しますか、そういうふうな形になっておりまして、一方、年金福祉事業団の年金は保険料の還付というふうな思想があるわけでございます。その当初におきましては確かに差があったわけでございます。しかしながら、いろいろの御指摘になったような事情がございまして、この乙種増改築資金につきましても、これは年金福祉事業団と差がないようにすべきじゃないか、こういうふうなことでございまして、先ほど大臣から御答弁申し上げましたとおり、これは十分検討をいたしてみたいということに衆議院段階でもいろいろ御議論があったわけでございます。で、その他貸し付け限度額、あるいは償還期限、あるいは据え置き期間等につきましても十分検討を加えたい、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/251
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252・藤原道子
○藤原道子君 この償還期限ですが、こういうものが助産所あたりになると十年以内、九年以内、八年以内と、こう段階がついておるのですね。この助産施設なんかの、何といいますか、償還期限、それはどういうわけでこういうふうな差をつけなければならぬのですか。これは耐火建築が十年、ところが、甲種の大病院、これは十八年の償還期限ですね。そうすると、助産施設が約半分、十年以内、こういうところに、私たちは中小企業というとおかしいが、中小施設に対しての思いやりが足りないのじゃないかと、こういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/252
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253・大崎康
○政府委員(大崎康君) 助産所につきましては、診療所とこれは合わせてあるわけでございます。診療所につきまして、これは貸し付け限度なり、あるいは償還期限、貸し付け限度が低い、あるいは償還期限が短いということは、その対象とする貸し付け金額が、やはり病院などと違いまして、少ないという事情からこのように定められてあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/253
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254・藤原道子
○藤原道子君 金額が少ないということは企業によってでしょう。ベッド数とか何とかいうものの制限で少なくなっているんですね。それを支払う能力というものは、やはりそれだけに同じことになるんですよ。小企業の場合はよけい苦しいのですよ。それだのになぜ年限を短くしなければならないのか、貸し付けの金額によってとあなたいまおっしゃった、全額というものは、大きいところは大きいなりにたくさんでしょう、小さいところは小さいなりに少なくなるけれども、それを運営していく面においては、やはり小さいところは小さいなりに、よけい苦労していると思う。だから、こういうところも結局診療所と同じになすったと言うけれども、診療所だって、先ほどの柳岡委員の御質問のように、僻地等にはこれをだんだんふやしていかなければならぬ、苦しいやりくりをしなければならないのに、それが償還期限が短くされておるというようなところに、育成するするとおっしゃるけれども、私たちはその意図が逆に感じられる、これはどうなんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/254
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255・大崎康
○政府委員(大崎康君) 医療金融公庫のいわば貸し付け金もやはりこれは一種の金融でございます。これは他の金融機関の金融ベースに乗りがたいものにつきまして、これを医療金融公庫から融資する、これは法律のたてまえがさようになっているわけでございます。そういたしますと、金融でございますから、先生の御意見もまことに私ごもっともな点があると思いますが、そこは貸し付け限度額なり償還期限というものが額によりまして差があるということは、ある程度これは私やむを得ないんじゃないかというふうな気がいたしております。しかし、先生のお気持ちよくわかります。したがいまして、なお今後とも検討いたしたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/255
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256・藤原道子
○藤原道子君 私は、政府として診療所をふやしたり助産所をふやそうという意図がおありになるでしょう。しばしば私そういうふうな御答弁を伺っているのです。そういうことになると、こういうところへこそもっと思いやりがあってしかるべきだと思う。利子の面もそうだし、償還期限の問題もそうだし、さらに、据え置き期間も一年以内、ほかは二年、こういうふうな差をつけるところに、はたして僻地の医療対策であるとか、あるいは、また、大切な助産所施設等に対してどれだけの意欲を持っておられるのかということが疑わしくなるので御質問している。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/256
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257・大崎康
○政府委員(大崎康君) 御指摘の点も確かにごもっともな点がございますが、私がいま御答弁申し上げましたように、これはやはり金額が大きい場合には償還期限も長くなる、それから、貸し付け限度につきましても同様な差が、これは私どもにおきまして、別に診療所につきまして病院と云々ということはございませんけれども、やはりその辺の差はやむを得ないんじゃないか、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/257
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258・藤原道子
○藤原道子君 それはやはり柳岡委員の先ほど来の御質問の点でだいぶわかりかけてきていたのですけれども、小さいところは限度額も少ないしするから、やはりこれでいたし方ないのだというふうなお考えなんですね。これを是正していくような御検討をする余地はない、こういうことなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/258
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259・大崎康
○政府委員(大崎康君) 御意見によりまして検討いたしてみたいということは十分考えておりますが、現在のところ、本日の段階におきましては、これでもやむを得ないのではないか、こういうふうに考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/259
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260・横山フク
○横山フク君 関連。いまの次長の答弁はおかしいと思うのだ。それは医療金融公庫も金融機関ですよ。だから、他の金融機関と同じという形でいったのでは、何も医療金融公庫をつくる必要はないのだ。医療金融公庫の特殊性というものがある。そういうものを考えたらば、それは他の金融機関と同じように、貸し付け額が少ないから償還期間は短かくする、そういう形は、そんならば、何も極端に言ったらば医療金融公庫をつくる必要ないですよ、一般金融機関によってその窓口を開けばいいのです。そこのところに医療金融公庫をつくった特殊性というものを考えるし、また、政治性というものを考えて、やはり助産所はどういうふうなあり方にあるかということを考えれば、それがそんな高利的なものじゃない、薄利というか、利益というもののない助産所等においては、住宅金融公庫から比べたって非常に悪いですわ。住宅金融公庫だって額は少ないですよ。しかし、返還期間は長いですよ。それを金融機関であるからというような形で、そしてあなたの答弁じゃ、まるっきり一応藤原さんの質問に対して、ただすげなく断わっては悪いから、顔がつぶれるから、顔を立てるような言い方をするだけであって、基本的には考える余地なしと言わんばかりの答弁だ、そういうんじゃ何も政治はないと思う。これは次長の答弁じゃないと思うんです。大臣の答弁だと思うんです。次長は事務的にやるのだから、一応現在の段階の陳弁をつとめる以外の何ものでもないと思う。政治的にどうお考えになるかという形で、現在の助産婦のあり方と将来とか、あるいは助産所のあり方等を考えた場合にどうするかという形からいくべきだと思う。ですから、これは大臣の御答弁を伺うほうがいいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/260
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261・小林武治
○国務大臣(小林武治君) 一番大きいのは金利なんです。要するに……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/261
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262・横山フク
○横山フク君 いや、金利も……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/262
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263・小林武治
○国務大臣(小林武治君) いや、通常の金融機関と違うのはですね……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/263
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264・横山フク
○横山フク君 大臣は先ほどから金利をおっしゃるのです。もちろん金利も低いにこしたことはないのです。しかし、年限というものね、あれ医療金融公庫は建物なんですわ。建物を建てて一年でもってすぐ返還ができるような営利的なことは、助産所にしても医院にしても、そうできるもんじゃない。ある程度据え置き期間というものは長くなければいけない、あるいは返還期間が長くなかったら返せるものではないんです。金利だけじゃない、償還期間のことを言っておるんだ、藤原先生のはそれだと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/264
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265・小林武治
○国務大臣(小林武治君) いまお話を聞けば、助産所というものに対しては年金事業団では融資対象にしておらない。かつては中小企業金融公庫だけで三年以内の期限であったそうであります。これが医療金融公庫において十年になった、これは一つの沿革でありますが、お話のこともごもっともと存じますので、続いて検討いたしたいと、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/265
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266・横山フク
○横山フク君 そのかつての中小企業では三年だったのが十年になったんだから、三倍になったからいいというようなお話なんですが、その十年というのは、建物の耐火建築や何かでもって普通に借りる場合は、たしか実際に貸しているのは六年になっていますよ。でありまするから、それは規定はどうあろうと、実際に貸しているのは六年なんだし、そんなもんじゃ短いし、それじゃ中小企業のほうが三年だったから、今度は六年ならいいというのではやはり前進というものではないんです。局長も常に言っておられるけれども、助産婦が減っていくのをどうするかという問題で、ただ、教育程度だけじゃなくて、いろいろな施設、助産所によってやっていって初めてそこに営業の道が開かれていくのだ、そのためには政治的に助産所をつくるような形に援助しなければいけないのだということをこの委員会で言われているのです。それでは、その道を開くためには最大限の方法を講ずるのはあたりまえのことなんだと私は思うんだ。それを中小企業がこうだったとか、年金事業団は融資の道がないのにこれだけ開いてやったんだからいいのだというような形は当たらぬと思う。年金事業団の問題は別として、個人企業の小さいものだから年金事業団の対象になるならぬの問題はあとの問題として、少なくとも、医療金融公庫はほかのものとの列とか何とかでなしに、これはもう少し年限を長くする……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/266
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267・小林武治
○国務大臣(小林武治君) いま私は沿革を申し上げて、これだけ延びておる。しかし、これでいいとは言っていないので、今後検討すると、こういうことでございますから、さように御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/267
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268・藤原道子
○藤原道子君 私は、なぜ診療所、助産所の問題を特に最後になって取り上げたかというと、僻地の診療所を育成しなければならない。当然国がやらなければならないのに、力がなくておやりになれないのじゃありませんか。だから、こういうことも貸し付けの対象としてこれをふやそう。さらに助産所でございますが、過日も予算委員会でも御質問いたしましたように、結局助産所がいかに大切かということは私言うまでもないと思うのです。施設で生めないために、妊産婦の死亡率なんか世界一じゃありませんか。こういうことに対しても、もっと厚生行政に真剣さが私はほしいと思うのです。さらに、精薄だとか、その他の原因にも、出産並びにその周辺の事情がこれに大いに関係があるということまで明らかになっているのだが、この出産所を国がふやしていけばいいのに、一向にふやさない。そしていまの助産婦が予算の関係で共同でやろうということでいろいろ苦労して、助産ということに大きな使命を持っておやりになろうとしている。ところが、いま横山委員が言われましたように、ほかの金融の対策はこうだったから、延びたからこうだとか、いろいろおっしゃるけれども、家を建てて、そこで病院なら何十床というけれども、この助産所なんかそれほど大きいものではないと思うのです。そちすると、それで上がる収入の中から返還をしていかなければならない。それだのに、大病院のほうは二年以内だ、こっちは一年。しかも、償還期間が非常にこれは短くなっていると、こういうところにあなた方がふだん言っていらっしゃるのと具体的なあらわれたときの相違があらわれていると私も考えるものですから、この点を明らかにしてほしい、こういう御質問をしたわけなのです。逃げる答弁ではなくて、ほんとうのお考えを聞かしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/268
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269・尾崎嘉篤
○政府委員(尾崎嘉篤君) 大きな施設、病院等につきまして、償還期限とか据え置き期間が、小さい診療所等よりもずっと有利な条件になっている、こういうようなお話でございます。確かにそういうふうになっております。これは先ほどから答弁いたしておりますように、大きな施設、病院等のほうが借ります金の額が大きいというような従来のほかの金融の例によっておるわけでございましょうが、確かに小さい施設におきましては、小さい金額でも、払うのにやはり苦労があるというような点から、この点は前向きの姿勢でできるだけ研究をしていく、改善をしていくというような方向でわれわれとしても考えてまいりたい。また、年金事業団との差もつめていくようにしてまいりたいと、こういうふうに思っているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/269
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270・藤原道子
○藤原道子君 もう私やめますけれども、せっかくできたこういうものに私は大きな期待をかけているから質問もくどくなるのです。そういう心がまえだから、火事があればすぐ人が死ぬ、患者が焼け死ぬ、そういう結果があらわれているのです。もっと具体的な問題で効果あらしめるような私は運営をしてもらいたい。もう答弁要りません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/270
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271・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 最後に意見を申し上げ、また、御質問したいと思いますけれども、私どもしろうとが考えますと、また、現実にその地域なりで生活をしておりますと、私的医療機関というのはぼこぼこいっぱいできるような気がするのです。医療法というものがあって、特に都市におきましては、何か医療法によって規制はされていると思うのですけれども、非常に開業が目立つわけですね。ところが、一方では、先ほどから申し上げましたように、無医地区における医療機関というのが非常におくれているということで、私はこういう形のものが一日も早く解消されなければならないと思いますけれども、そういう面で、医療金融公庫の今後の融資方針と申しますか、これは医療金融公庫自体がきめることなのかどうか、その辺はよく詳しくは存じませんが、厚生省は、やはり所管の監督官庁として指導監督されるわけでございますから、いわゆるそういう医療金融公庫の融資をする方針としてどういう方針を持ち、今後やっていくのか、そういった点を一つお伺いすると同時に、国民皆保険という立場からいって、これはどうしても私的医療機関の果たす役割りというものは非常に大きいものがあるわけです。したがって、先ほどからいろいろ御質問しましたような貸し付け条件についても、もっと他の年金福祉事業団等との比較におきましても、それと見合うような形で貸し付けに当たっていくか、そういうような方針、方向をぜひ示していただきたい、こう思うわけであります。これを一つお伺いして質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/271
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272・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これは御承知のように、医者の開業については制限がありません。たとえば地域何メートル離れた、こういうふうなことは全然ありません。全く自由にまかされている。そうして、いま制限しようというのは、公立病院の病室を制限しよう、こういうことでありまするからして、偏在ということはいまありまするが、これを矯正する適当な方法がいまないということを言わざるを得ないのでございます。それで、貸し付けにつきましては、たとえば病院の病床等を計算をしまして、これの少ない地域に優先して貸し付ける、こういうふうな方法をとっておりますから、その面において多少の規制をしている、こういうことが言えます。
それから、無医地区の解消につきましては、実は無医地区等においては、せっかくでありますけれども、こんな金を借りる人はありません。借りても商売にならぬというか、とにかく医者が行かない、こういうことでありますので、無医地区におきましては、ほとんど直営の診療所でやっているので、医療金融公庫から借りてやるという私設の医療機関というのはあまり期待ができないということでございまして、お話のような向きのことは、ぜひひとつ配意いたしたいと思いますが、実情を申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/272
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273・阿具根登
○阿具根登君 医療金融公庫の役員さんをひとつ紹介してくれませんか。どういう方々が役員になっておられるか。とにかく外郭団体でいえば、役人がほとんど天下り式になっておられる。このごろ新聞でも相当問題になっておりますが、この理事長以下どういう方々が役員さんであるか、その点をひとつお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/273
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274・小林武治
○国務大臣(小林武治君) いま個々の名前を申し上げませんが、これも他の公団等の例にそう漏れるものでは、例外ではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/274
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275・阿具根登
○阿具根登君 率直に小林厚生大臣だからはっきり申されたから、これ以上追及したくないんですが、ところが、非常にこの審査がひまがかかるということなんですね。しかも、役員の構成は、官僚の方々がこの役職についておられる。一体こういう機構をつくるたびに、まあ役人の方が入っていけぬということは私も極端だと思うが、しかし、労働省にしても厚生省にしても、大蔵省にしても通産省にしても、特に通産省や大蔵省は民間のおえら方に皆なられる。ところが、その民間に行けないところは外郭団体をつくってそのおえら方になられる、こういう風潮が非常に多いわけなんです。それで、例に漏れぬということをおっしゃったんですけれども、それならば、事情をよく知っておられるはずの厚生官僚がなられているならば、もっとスムーズにいくはずなんだけれども、それが非常にひまが要っているということになってくると、いろいろとまたうわさが出てくる、こういう点もありますので、まあそういう官僚上がりの方が一番詳しいのではあるけれども、そういう人が外郭団体の責任者、あるいはそのポストにつかれるということがいいのであるか悪いのであるか、これは確かにいろいろお考えになってやられたことと思うんですけれども、しかも、こういう金融公庫ということになれば、これは相当な権力を持ってくるわけなんです。相当な力が加わってくると思うんです。だから、そういう人事機構でいいのであるのかどうか、もっと第三者的な人をたくさん入れるべきじゃないか、そうして実際に厚生省なら厚生省だけのお気持ちだけで動かされるというような団体ではないような機構をつくるべきじゃないかと私は思うんですが、大臣の御所見を伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/275
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276・小林武治
○国務大臣(小林武治君) いまのお話の公社、公団等に対して役人が天下りか横移りか知らんが、非常に多いということは、これはこの国会でもだいぶ問題になりまして、議運等でも政府の強い反省を求められております。閣議等でもこの話が出まして、やはりこういう形はあまり好ましくない、したがって、十分これからもみんなで配意していこうということを申しております。それで、いまの公庫の貸し付け等にも手間がとれる、こういう非常な非難があります。それで、私ども役所としても、この正確とか迅速とか、こういうものにつきましてもう少しひとつ公庫を監査して適当な指導をいたしたい、こういうふうに考えております。御意見は私どもも同感をしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/276
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277・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 他に御発言もなければ、柳岡秋夫委員から委員長の手元に修正案が提案されておりますので、この際、本修正案を議題といたします。柳岡秋夫委員より趣旨説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/277
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278・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 私は、医療金融公庫法の一部を改正する法律案について、次のような修正案を提出したいと思います。
政府原案によりますと、今後、公庫の資本の増加について国会が事前に審議できるのは予算を通じてのみということになっております。予算を通じて行なうということになりますると、財政的見地が主となるということでございます。しかし、医療金融公庫に関しましては、そういう見地だけでは足らない特殊な理由が存すると思います。すなわち、この公庫が融資をいたしております医療機関につきましては、そのあり方に関して将来の確固たる方針がまだ確立をされておらないわけでございまして、そうした医療制度の青写真ができ上がった後において、その中でこの医療金融公庫がどういう役割りを果たしていくべきかということを審議をする必要があります。そういうことをしないで、ただ資本金を増加させさえすればよいというような性格のものではないというふうに考えるのでございます。したがって、医療制度の方向が確立するまでは、単に財政的見地からというだけでなくて、公庫の運営の方向に関する審議と資本の増加とは切り離すことができないというふうに考えます。で、私の修正案によりますれば、法律の改正と予算の審議、すなわち、法律面と財政面いずれからも審議できるのでございまして、昭和三十九年度の公庫への増資額が二十九億を予定しておりますから、八十一億円から百十億円に改めたい、こういうものでございます。
以上が修正の内容でございますが、皆さん方の御審議をいただきまして、ぜひ御賛成を得たいと考えるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/278
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279・鈴木強
○委員長(鈴木強君) それでは、ただいまの修正案に対し、質疑のある方は御発言を願います。
別に御発言もなければ、原案並びに修正案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/279
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280・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 御異議ないと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/280
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281・高野一夫
○高野一夫君 ただいま柳岡委員の御提出の修正案に対しましては、どうも残念ながら同意をいたしかねるのでございます。だが、公庫の資本をふやすというそのことにはわれわれはもちろん何らの異存はなく、そして、かつ、最初から今日まで年々実際問題として増額させているわけなんです。ことに、この第四条におきまして、公庫の資本金は八十一億円だけれども、「必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、公庫に追加して出資することができる。」、こういうふうにもなっておりまするし、今後年々やはり増額をしなければなるまい、融資申し込みが非常に多いので、そう考えるわけでございまして、その点については、政府のほうでもできるだけ融資申し込みに応ずることができるようにされることと期待をいたしております。そういう意味におきまして、資本の増額というそのことの修正案の目的には、非常にその点はわれわれけっこうだと思いまするが、これを直ちに今回の法律改正の中に百十億円に改める改正を行なうということについては、周囲の状況、特に予算もすでに決定をいたしました今日においては、その修正をすることについては賛成ができかねる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/281
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282・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/282
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283・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより医療金融公庫法の一部を改正する法律案(衆議院送付)について採決します。
まず、ただいま御提案がありました柳岡秋夫委員提出の修正案を問題に供します。柳岡秋夫委員提出の修正案に賛成の方は挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/283
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284・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 少数と認めます。よって柳岡秋夫委員提出の修正案は否決されました。
それでは、次に、衆議院送付原案全部を問題に供します。衆議院送付原案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/284
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285・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 挙手多数と認めます。よって本案は、多数をもって衆議院送付の原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/285
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286・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後九時二十九分散会
――――・――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X01719640331/286
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