1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年五月二十六日(火曜日)
午前十時五十六分開会
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委員の異動
五月十九日
辞任 補欠選任
山本 杉君 田中 清一君
徳永 正利君 古池 信三君
五月二十日
辞任 補欠選任
古池 信三君 徳永 正利君
田中 清一君 山本 杉君
五月二十一日
辞任 補欠選任
丸茂 重貞君 鈴木 一司君
五月二十二日
辞任 補欠選任
鈴木 一司君 丸茂 重貞君
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出席者は左のとおり。
委員長 鈴木 強君
理 事
高野 一夫君
徳永 正利君
柳岡 秋夫君
委 員
加藤 武徳君
紅露 みつ君
佐藤 芳男君
丸茂 重貞君
山下 春江君
山本 杉君
横山 フク君
阿具根 登君
藤原 道子君
小平 芳平君
林 塩君
国務大臣
厚 正 大 臣 小林 武治君
政府委員
厚生政務次官 砂原 格君
厚生大臣官房長 梅本 純正君
厚生省児童局長 黒木 利克君
厚生省年金局長 山本 正淑君
社会保険庁年金
保険部長 實本 博次君
事務局側
常任委員会専門
員 増本 甲吉君
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本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠互選の件
○国民年金法及び児童扶養手当法の一
部を改正する法律案(内閣提出、衆
議院送付)
——————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/0
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001・鈴木強
○委員長(鈴木強君) ただいまより開会いたします。
理事辞任の件を議題といたします。
亀井光君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございましたが、これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/1
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002・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたします。
つきましては、直ちにその補欠の互選を行ないたいと存じます。互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/2
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003・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 御異議ないと認めます。それでは、理事に徳永正利君を指名いたします。(拍手)
——————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/3
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004・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 国民年金法及び児童扶養手当法の一部を改正する法律案を議題といたします。
これより質疑に入ります。質疑のある方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/4
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005・徳永正利
○徳永正利君 まず、国民年金法という法律は不完全なものであるということはわれわれも十分承知しているのでございますが、それがために、毎国会この問題の多少の改正をみて、いろいろな議論がされておる。そこで、ごたぶんに漏れず、毎国会においていろいろ大幅な附帯決議がついておるわけです。政府は、この附帯決議というものを、そう簡単にものを考えているのじゃないだろうと思うのですが、昨年本院のこの委員会においてつけた附帯決議について、どういうような研究をし、そうして、どういうような改正をみたか、各項目ごとに年金局長から御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/5
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006・山本正淑
○政府委員(山本正淑君) 附帯決議を政府といたしましてはもちろん尊重すべきでございまして、また、その線に沿いまして検討いたし、また、翌年度の予算折衝、あるいは政策の決定等に取り入れるべきものは取り入れるという態度をとってまいっておる次第でありますが、実は、この附帯決議を私ども政府としていただきまして、これには二つの種類があるわけでございまして、一つは、速急に実現をしようと思えばできるといいますか、しなければならぬといいますか、そういった性質のものと、それから、少し研究に時日をかしていただきたい、こういった性質のものとあるわけでございまして、昨年度いただきました当委員会の附帯決議におきましては二つの項目に分かれておりまして、第一の項目といたしましては、すみやかに改善をはかるべきである、こういった趣旨のものと、それから、可及的すみやかに適切な措置を講じろと、こういった二つの種類のものに分かれておるわけでございますが、第一の、改善を行なうべきであるという種類のものにつきましては、これは実は拠出年金と福祉年金と両者に関連する事項が多いわけでございまして、この問題は、当面、毎年福祉年金が問題になっておりまして、政府といたしましても、福祉年金につきまして改善措置を講じて国会の御審議をわずらわしているわけでございますが、拠出年金と関連する事項につきましては、やはり拠出年金の改善というものを考えなきゃならない。ということは、拠出年金につきましては、事の性質上、毎年制度を変えていくということは困難な事情がございまして、法律にも、五年ごとに数理上の再計算をすると出ておりまして、数理的な再計算をする時期におきまして拠出年金の改正というものを考えていくのが適当であろう。それを待ち得ないような性質のものは、当然、もちろん五年たたなくても考えなきゃなりませんけれども、そうでないものにつきましては、五年ごとの再計算の時期に、やはり制度の改善というものを政策として取り上げていくのが適切じゃないかと、かような考え方に立っておる次第でございまして、昨年の附帯決議の中で、そういう意味におきまして、まず第一番の「各年金の年金額を大巾に引き上げることとし、厚生年金の改正との均衡をはかること。」と、こういった問題は拠出年金が中心となっておりまして、かつまた、厚生年金の改正を今次の国会で御審議願うという手順になっておりますので、それとの関係等もございまして、今後の問題——厚生年金の改善後におきまして、国民年金の拠出制を中心といたしました制度の改正を考える。その際に大きくものを考えていきたい、かように存じておる次第でございます。
それから、二番目の「老令年金、社会福祉年金の支給開始年令を引き下げること。」、これにつきましても、やはりこの老令年金、すなわち、拠出制の年金が現在六十五歳の支給年齢でございまして、厚生年金が六十歳である、あるいはその他の制度はまた違った年齢であるといったような、各種の年金制度につきまして、年金受給年齢というものが必ずしも一定いたしておりませんが、これはまた職務、就業の実態等の違いによりまして、それぞれ歴史的な経緯があるわけでございますが、これをどうするかという問題は確かに問題でございまして、やはり将来はなるべく合わしていく。合わしていくためにはどういうステップをとっていったほうがよろしいかと、こういう点でものを考えていかなきゃならぬと思うのでございまして、これにつきましては、厚生年金の改正におきましても、若干現在の法律の立て方を変えて、減額年金、あるいは、また、退職を要件としない年金の支給といったようなものも加味していきたいと考えておりますので、そういった問題ともからみまして、また、国民年金の現在の年齢が適当かどうかということを拠出制の問題として考えていきたいと思っております。それから、老齢福祉年金は現在七十歳支給でございまして、これはむしろ拠出制の国民年金が、老齢年金が六十五歳であるということと理論的には別に関連がないと思います。これは政策として幾らが適当であるかということから考えられたものであると思いますので、七十歳をどこまで下げてくるか、いろいろ御意見といたしましては、拠出制の六十五歳まで下げるべきである、一挙に下げられなければ、年を追うて下げていくということも考えられるじゃないかという御意見もいただいておるわけでございまして、私どもといたしましても、この老齢福祉年金の年齢を引き下げるという問題は、他の福祉年金の内容改善とどちらを先にすべきか、また財政とのかね合いにおいてどの程度まで順を追うべきであるか。たとえば一歳この年齢を下げますと、大体受給者が三十万人前後というものが増加いたしまして、金額といたしましても、約四十億前後が一歳について増加していくということに相なりますので、そういった問題とのかね合いにおいて考えたいと思っております
それから、第三番目に「福祉年金の給付制限を緩和すること。」、これは前々から言われていることでございまして、今回の改正におきましても、給付制限の緩和ということは若干考えております。
それから、第四番目の問題並びに第五番目の問題、これはやはり拠出制の年金制度との関係におきまして十分考えなければならない。かつまた、福祉年金につきましては、いま申しました給付制限の緩和等も考えまして、あるいは受給対象等につきましても、欠の「可及的すみやかに適切な措置を講ずること。」という事項といたしまして処理をいたしているつもりでございます。
そこで、この二番目の「可及的すみやかに適切な措置を講ずること」ということにつきまして、まず、第一番目の「夫婦とも福祉年金をうける場合の減額制度を廃止すること。」という問題でございますが、これにつきましては、実は事務的にはぜひともこれを廃止いたしたいという方針で進んでおりましたが、いろいろ他の改善措置との関係上、政府といたしましては、最終的には今回は見送るということに相なった欠第でございます。それから、二番目の「母子福祉年金、準母子福祉年金については、精神薄弱者を扶養する場合は二十才に達するまでこれを加算対象とするよう努力すること。」、この問題は、精神障害者につきましては、この二十歳まで加算対象とするという措置を、昨年でしたか、講じたわけでございますが、精神薄弱者につきましては、なお精神薄弱者対策として、今後国民年金との関連において考えなければいけない事項が残っておるのでございまして、それをどう考えるかという問題とかね合わして、将来検討いたしたいという所存でございます。
第三番目の、内科疾患の扱いにつきましては、今回の改正におきまして、精神、結核障害の内科疾患について重度の者に障害年金を支給する、あるいは障害福祉年金を支給するという措置を講じております。
四番目の「福祉年金と他の公的年金との併給の限度額の不均衡是正」の問題でございますが、これにつきましても、戦争、公務による扶助料との関係につきましては、今回併給額の限度を引き上げているのでございます。ただ、問題として残りましたのは、他の一般の公的年金との併給限度額が二万五千円ということで押えられているわけでございまして、これも緩和すべきじゃないかという御意見は拝聴いたしておりますが、これにつきましては、現在の二十五年で二万四千円という拠出年金額を今回改定する措置を講じておりませんので、そういった問題との関連におきまして、二万四千円との併給問題は、将来の問題として検討さしていただきたい、かように存じている次第でございます。
五番目の「拠出年金について物価変動に対応する年金額のスライド規定を設ける」、これもすべての年金制度を通じましての大きな問題でございまして、わが国の年金制度におきまして、この点は非常に西欧諸国におくれている点だというふうな意見も強いわけでございまして、今回の厚生年金改正におきましてもいろいろ議論があったわけでございますが、これも拠出年金、すべてを通じまして、速急に何らかの具体的措置を講ずる必要があると考えておりますが、他制度との関係もございますので、今回国民年金だけについて措置を講ずることはできなかった次第でございます。
それから、第六番目の「年金受給要件に達しない者の実納保険料がその被保険者のものとして確保されるようにすること。」、この御趣旨は、おそらく年金支給の期間を満たさないで死亡したといったような場合の措置かと存ずるのでございますが、これにつきましては、当初この措置はなかったわけでございまして、国会の御審議中も御意見をいただき、制度が発足いたしました後におきまして三年以上の保険料を納めておる場合に、本人が死亡したという場合には、死亡一時金としてしかるべき人に支給するという措置を実は考えて法律改正をいたしたのでございますが、三年以内の者というものについては、現在支給されないままに残っております。ただ、この問題は、年金制度といたしましては、この保険料を掛けたものは、掛け捨てになることをすべて一〇〇%ないように本人に返してやるというようなことでは、年金制度としては実は制度が成り立たないという理屈があるわけでございまして、これは政策的に、三年以上保険料を掛けてある者については死亡一時金を出すという措置が講ぜられましたが、それをさらに短縮するのが適当かどうかということについては、政策問題として検討しなければならぬ問題と存じておる次第でございます。
なお、この問題は、他の年金制度を通じまして、やはり掛けた保険料を返すということはあまりとっておらないわけでございまして、そういった問題があるということを御了承願いたいと思います。
非常に簡単でございますが、昨年いただきました附帯決議の扱いにつきましての従来とりました措置並びに今後として残してある問題ということを御説明申し上げました次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/6
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007・徳永正利
○徳永正利君 この国会に厚生年金の改正法案が出ているようでございますが、五年ごとにいろいろな拠出年金については検討を加えるという、その五年というのは今度はいつになるのか、何年を目標にやるのか、お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/7
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008・山本正淑
○政府委員(山本正淑君) 国民年金につきましては、五年目ということで、昭和四十一年というふうに理解いたしておるのでございまして、現在の段階におきましては、昭和四十一年に間に合うようにというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/8
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009・徳永正利
○徳永正利君 拠出年金について、物価の変動、その他どういうものを基準にするのが適当であるか、いろいろな議論はあると思いますが、スライド制的な規定を設けるように検討をしておるというお話でございます。で、一体、日本のこういった年金制度の中核になるものというものをどういうふうに厚生省はお考えになっているか。厚生年金であるとか、国民年金であるとか、あるいはそのほかいろいろな年金がございますが、一体何を中心にして持っていくお考えであるか。たとえば諸外国の例もいろいろあるだろうと思います。その点をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/9
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010・山本正淑
○政府委員(山本正淑君) ただいまの御質問でございますが、歴史的には、どの国におきましても、労働者年金というものが先行しているかと存ずるわけでございまして、わが国におきましても、やはり労働者年金が制度としては先行してできたわけでございます。ただ、被保険者の数からいいますと、今日、皆年金という体制をとりましたわが国においては、国民年金の被保険者の数が一番大きい、こういう現状になっているわけでございまして、この問題は将来どう取り扱っていくかということは、この将来の産業構造なり人口構造がどうなっていくかということを見きわめて、こういった制度をどうするかという問題と関連して出ていくわけでございまして、今日の段階におきましては、やはり労働者年金の中核体としては厚生年金というものがあり、一般のそれ以外の年金としては国民年金という、そういう二つの柱が並立しているということで、どちらが柱であるかということよりも、やはり二つの柱である、こういうふうに考えなければいけないのではないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/10
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011・徳永正利
○徳永正利君 二つの柱、あるいは三本の柱をお立てになってやるのもけっこうだと思いますけれども、だからこそ、いろいろな年金制度において、支給年限にいたしましても、条件にいたしましても、ちぐはぐになって、それが一斎に動いていない。一斎に動かぬ原因もよくわかりますけれども、どこかで私は、やはりその年金というものは、将来、その中核になるものを中心にして、そうしていろいろなものを考えていくということをお考えになっておってもいいのではないかというふうに考えるわけでございます。それはそれとしまして、今度のこの改正点にいろいろなというほどのものでもございませんが、わずかなものの改正をみておるわけでございますが、その中で、福祉年金と他の公的年金との併給の問題でございます。なぜ併給になって一定の限度をつけなければいかぬのか、また、この問題は、最初から歴史的というほどのことばでもございませんけれども、見て、厚生省としては意欲的にこれに取っ組む御決意があるか。ほかのものはなかなかやっていらっしゃるようでございますけれども、意欲的にこれに取っ組む姿勢というものがないわけです。これはお認めにならざるを得ぬと思います。この点はどういうふうに考えておられるか、年金局長にその明確なこの点についての御見解を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/11
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012・小林武治
○国務大臣(小林武治君) いまの年金なり保険なりを何を中心とするか、こういうことでありますが、これはもう抽象的に申せば、社会保障だから、国民全部一本にやるのが当然であります。ただ、将来の目標はそこにありますが、過渡的ないろいろな原因があって一本にはできない。それで、たとえば医療給付の保険の問題にしましても、私どもはいまのところ、地域保障、職域保障、この二本立てで当分やる以外にない。で、これの理想としては一本でいくのが当然でありますが、それは将来の課題として、やはり二本立てにしておって、その間のバランスをできるだけとっていく、こういう方向をとって、ほんとうのバランスがとれたら一本でやれる、こういう問題になるのでございます。この年金の問題も同様でありまして、国民年金、厚生年金、共済年金、いろいろありまするが、いまのように職域と地域、この二つの年金を当分の間併用する、そうしてその間の格差をなくす、権衡をとる、こういうことをできるだけつとめて、そうして、その格差がなくなれば、やっぱり一本でやれるという目標が実現する、こういうことで、いまはこの柱を置いて、その柱の間の差をなくしていく、こういうあらゆる努力をするということにいま考えております。
それから、併給の問題でありますが、理論はありません。要するに、これは大きく申せば、それぞれの理由によってできたものでありますから、一体みんなもらうのがあたりまえじゃないかと私は思うのでありますが、しかし、何としても、これは大きく申して国家財政に支配される。すなわち、多くのところは、私はほんとうの腹をいえば、やっぱり財政上の制約じゃないか、こういうふうに考えております。理屈からいえばそれぞれもらう原因が違うのですから、そういうものは私は普通ならやっていいのだ、こういうふうな考え方をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/12
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013・徳永正利
○徳永正利君 いま大臣のおっしゃったことは、一応わからぬではないわけでありますが、それでは他の公的年金との併給の問題は、この中には、要するに無拠出年金にはいろいろな制限があって、今度は修正になって二十万円と相なるわけでございますが、二十万円を限度にして、そうして片方では十万円しか収入がないのだ、それで食うに困っているその者にはいわゆる無拠出年金をわずかであるけれども差し上げよう、こういうことに相なっておる。ところが、一般の収入の十万円と公的年金収入が十万円しかない、ほかには一文もないというものとどういうふうに違うのか。同じ公的年金の十万円というものは、これは二十万円に使えるわけじゃないのです。倍に使えるわけじゃないのです。それはどういうことか、私にはとんとよくわからないのです。その辺ひとつ教えていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/13
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014・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これはお話のとおり、なかなかわからない。実際これは一番大きな原因は、どうして財政負担を減らすか、こういうふうなところがら私は出発しているのに違いないと考えておりますが、いまのようなやり方は、私はいい方法だとは思いません。しかし、そういうふうなお話をできるだけ緩和するようにこれからくふうをしていかなきゃならぬ。たとえばほかにいろいろ所得制限などをしていますが、これだって、私は、そう妥当性があるとは思わない。やはり社会保障というからには、できるだけ国家は平等な負担をめいめいにしてやる、こういうふうに私は考えるべきじゃないかと思うが、何としても、財政の貧弱と申しますか、負担を減らす、こういう点からいろいろむしろくふうをしてこういうことをやっているんじゃないかとさえ思われる。そのくふうをなるべく除くようにむしろ進めなきゃならないかと私は考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/14
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015・徳永正利
○徳永正利君 大臣は全く同感だと、いわば社会保障制度の貧困であり、日本の財政の能力がないからこういう結果になっているというような御趣旨のようでございますが、それならば、もう少し法の前に平等であるべき国民に、片方は十八万円家賃が入ってそれで生活している、その人には無拠出年金の一万何がしかを差し上げましょう。しかし、片方は、原因は違うけれども、公的年金を持っているんだと、これが十万円の場合はおまえはだめだと、なぜそこに不均衡をおとりになるのか、片方が十八万円で、片方が十万円ですよ。その均衡をおならしになればいいと、こういうふうにまあ考えるわけなんです。その辺が、どうしてそういうものを、こう区別をつけて頭打ちで押えてみたり、これはただ財政的に金がないというだけの問題では私はないだろうと思うんですが、その辺をひとつ御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/15
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016・山本正淑
○政府委員(山本正淑君) いま大臣から御説明申し上げました、いわば政策的な立場からの事情、それ以外に理論的な何か考え方を持っているかという御質問かと存ずるのでございますが、実際は、いま大臣から御説明がありましたように、政策的な問題だと私も思っております。ただ、現在いわゆる全額税金でまかなっております福祉年金と、そして拠出制の国民年金というものとが一つの法律の中にあって、そして拠出年金というものが主体である。しかし、これは成熟するにはある時日を要するために、これを補完する意味において福祉年金を考えておる、その補完しておる制度というものが一つの年金制度の中に含まれておるために、ものの考え方といたしまして、拠出制の年金と無拠出の福祉年金と、同じ体系の中における国民年金というものとの両者が併給されるというたてまえをとっておらないわけでございまして、したがいまして、簡単に申し上げますれば、拠出制の国民年金においては、二十五年で二万四千円という年金が支給されることになっておりまして、その二万四千円が支給されるものについては、それで不十分であるといたしましても、福祉年金を併給してもらえないわけでございまして、これは一つの法律体系の中にあるがためにそういった理屈になっておりまして、もしもこれが一般の税金でまかなっておるからというので、国民年金と別途の法体系で、すべての国民年金を含めての、すべての年金制度に対しての補完的な、あるいは補充的な役割りを果たすというたてまえにいたしておりますと、いま先生が言われましたように、すべての年金制度との併給というものを、これは無制限といいますか、あまり制限を加えないで考えてもよいじゃないかと思いますが、法律体系上苦しいところがあるわけでございまして、単なる政策、いわゆる財政上の問題で片づけば、それじゃ現在の法律体系をそのままにして併給というものを天井をはずしてやっていけるかどうかという問題につきましては、ちょっと疑問があるんじゃないかと考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/16
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017・徳永正利
○徳永正利君 ちょっと疑問があるのはこっちでございまして、二十五年で二万四千円というのは、私はちょっとこの年金額をいま記憶にございませんが、二十五年間掛けて、そして一年間に二万四千円ですか。まあ月に二千円、それは将来は、いまから考えると、まことに問題にもならぬようなあれですけれども、まあそれはそれとして、いま局長が言われました、同じ法の体系の中で、この二万四千円というやつは、二十五年掛けて、そして二十五年の暁に国民年金としてちょうだいできるのが一年に二万四千円。それが引っかかっておるために、そういうようないまの併給の問題が停滞している、理屈的には財政的なものは別としてというふうに理解してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/17
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018・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これは私は、いまの福祉年金という問題は、将来永続すべきものかどうかということは問題があります。
これはいま、たとえば老齢年金を始めても、これはまだ相当将来にならなければ始まらぬと、こういうことで、補完的にこれが出てきておる。したがって、いまの問題が将来まで長く尾を引く問題とは思いません。やがて老齢年金というものは、本格的な支給というものが始まれば、また私は何らかの改定が行なわれるのであろう、こういうふうに思っております。しかして、まあいまの二万四千円というような問題をここで言われることは、私どもとしても非常に心苦しい。現に、もう厚生年金が最低保障額五千円、定額五千円と、こういう案が現にいま提案されております。したがいまして、国民年金が二万四千円だというふうな話は、やがて間もなく私は解消されるので、これをいまあなたがおっしゃるように、標準にしておるのはおかしいと思いますが、そういう事情にあるということだけはひとつ御了承願います。私は、いまここにも書いてあります不権衡の問題は、まあとにかく公務扶助料については今度八万円まで伸びた。ところが、従来の文官恩給においては、相変わらず二万四千円か何かに押えられておる。これは私は非常に不権衡だと思うので、この拠出年金にかかわらず、いま現に問題にしなければならぬと、こういうふうに考えております。いまの併給についての不権衡というものはそういうふうな状態にある、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/18
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019・徳永正利
○徳永正利君 大臣のお考えは、不均衡が二万四千円と八万円の間にあるという印象を受けたのであります。私の申しておるのは、八万円とか二万四千円とか言っておるところがおかしいのであって、もしもいろんな財政的な問題とか、いろんなことがあれば、二十万円を下に下げて、法の前に平等な立場をとるべきじゃないか。なぜそれがやれないのか。局長は、これが将来拠出年金の二万四千円が頭を上げるからその辺に押えざるを得ないと言って、遠い遠い二十年計画ぐらいを立っておられるようですが、いま大臣がおっしゃったように、二十年先に二万四千円なんてばかなことはないと思います。われわれも努力しなければならないし、当燃改定されることに大きな期待と希望を持っております。それだから、いまの片方では八万円何か扶助料をもらったら、もうおまえにはやりません。片方では十九万円収入があっても、あなたにはあげましょう、八万円しかないのですよ、ほかには収入は。これはこの間奈良に行きますと、奥さんがなくなった、自分の目がだんだんと、洋服の仕立屋さんですが、目がかすんできて仕事ができぬ。近所の人が親切に白いつえをもらえと言われますから、私は役場に参りました。それでいまこうして白いつえをついて歩いておる。しかし、私はたった一人のむすこを大学を出して、そしてタイか何かで死んだ、そして扶助料をいま九万円かそこそこもらっておる、もうこれよりほかには破れ家が一軒しかない、家の修繕ももちろんできぬ。ところが、福祉年金というものがあるということで楽しみにしていきましたところが、おまえだめだと言われた、なぜだめだと言ったら、むすこのなくなった扶助料を九万何千円かをもらっているからだめだと言われた、私はこれで生活保護法にもすがらぬで、何とかこれで生活していこうと言うのです。そういう人になぜ一万二千円の福祉年金を差し上げられないのか、あまりにもひどいじゃありませんか。二十年先、二十五年先の二万四千円という拠出年金が浮かび上がった場合、その拠出年金、無拠出年金の二十年先の併給を頭に描いていま現実にそれを押えるということは、あまりにもおかしいと思うのですが、この辺は局長はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/19
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020・山本正淑
○政府委員(山本正淑君) おっしゃるとおり、いまの徳永先生のお話がございましたように、一般的な所得制限があるじゃないか、確かにそのとおりでございまして、一般的な所得制限が、このよしあしは別といたしまして、現実にあるのだから、併給の限度額を設ける必要がないのじゃないかという御意見、私はそういうふうなものだと思います。本質的には確かにそうだと思います。したがいまして、一般的な所得制限が何らかの形でというのは、これは一般会計から出ておりますので、したがって、何らかの形で、あるということはいたし方ないといたしましても、それ一本でいいわけじゃないかというふうに思うのでございまして、その点は、実はこれは今回七万円を八万円に上げるといった際におきましても御意見があったところでございまして、どこまで上げるか、あるいはもう限度はずしたっていいじゃないかというような御意見がありましたが、ただ、結果的には、先ほど大臣も言われました財政上の関係もございまして、要するに、昨年の九月までもらっておった人たちがもらえなくなることがないように、しかも、昨年の九月までもらっておった金額はもらえるようにということで八万円という線が政策的に引かれたわけでございまして、おっしゃるとおり、理論的に考えますと、一般的な所得制限がある以上、この併給に別のまたワクを設ける必要は実はないと思っております。ただ、そういたしますと、上のほうはそういうことになるわけでございます。下のほうも同じような理屈にならなければいかぬわけでございますが、そこに、先ほどちょっと申しました、同じ法体系の中で併給の問題、これはいまも御指摘がございましたが、将来拠出年金が出る時代になれば、私どもは二千円というものはあり得ないのだから、その辺は目をつぶってもいいのじゃないかという御意見でございますし、私もその辺のところそういうふうにもちろん考えますが、なお、制度として少し研究さしていただきたい、かように考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/20
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021・徳永正利
○徳永正利君 私は、八万円とか二万四千円の線とか、そういうけちなことを基準にものを言っているのじゃないということはわかっていただけたと思うのでございます。まあこの併給の問題はいろいろな最初から理屈のある問題で、わかったようなわからぬような理屈が繰り返されておる。で、局長も、私もそう思うということでございますから、来年はひとつ前向きの姿勢で取り組んでもらいたい。大臣も、主としては財政の問題だとおっしゃる。財政の問題なら、先ほど言ったように、何の年金であろうとも、一つの線があるのだから、どこから入ろうが、その本人のポケットに入る金というものは二十万以下なら、どこから入ろうが併給、福祉年金、無拠出年金をやるということでないと、私は法の前に平等であるべき国民が不平を言う、これは不平は私は当然だと思うんです。まあいろんな財政的な問題ならそのように処置の方法もございましょう。ところが、厚生省は今日までこれにひとつも真剣に取っ組んでいない。いまだかつてこの併給の問題について、まあ内輪話をここではするわけにはまいりませんけれども、もう少し熱意をこめて、根性を入れてひとつ取っ組んで前向きの姿勢でひとつ進んでもらいたいということを特に御要望申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/21
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022・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これはもう私は卒直にお答えを申し上げ過ぎていますが、もうわかっています。あなたの言うとおりだとわかっています。しかし、たとえば今度一万円伸ばしたら幾らになるか、すぐ言う、二十何億になる、これが一番大きな原因であるということは言うまでもありません。理論はありません。そういうことで、むろんわれわれとしては、一体この所得制限とか、こういうものはおかしいのだと、たとえば千百円やるということは七十歳になったという事実でいいんですから、そのほかにいろんなものをくっつけるということは、私は、あの人は達者であるからやらぬでもいいからやらぬ、寝ているからやるということでありません。七十歳になったという事実がこの年金の原因になっている。こういうことからいたしますと、いろんなもろもろのあれをくっつけているということはほんとうの姿ではないが、しかし、国の財政上からすれば、ひどく極端に言えば、どうしたらこれを少なくするか、このくふうが、政府であるか大蔵省であるか、あるいはわれわれであるかもしれませんが、そういうことでこんな遺憾な状態にある。しかも、これはあくまでも私は妥当じゃないんじゃないか、こういうふうに考えておりますので、したがって、御意見のとおり、私はよくわかっておりますから、そういう努力もしなければならぬ、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/22
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023・徳永正利
○徳永正利君 局長はよく大臣のいまの意見を聞いただろうと思うんです。ひとつよく耳に抜けぬようにとどめてもらいたい。財政的な問題であれば、さっき言ったように、いろんなまだほかにこの中で打つ手があるわけです。少なくとも、平等な線にこれを持っていく方法があると思うんです。それは私が言うまでもなく、局長のほうがよく御承知だろうと思うんです。どうかこの問題は、ひとつ真剣に来年度は検討すると同時に、態度を明らかにして、ひとつ改正案を、きめ手を確立してもらいたい、かようにお願いする次第でございます。
それから、もう一点、地方では事務費が少なくてもうどうにもならぬという声が聞えているだろうと思います。一体これについてどのくらい事務費が足らぬというふうにお考えか、その点をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/23
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024・實本博次
○政府委員(實本博次君) 事務費の問題でございますが、現在厚生省から地方市町村のほうに交付いたしております事務費の総額が、三十八年度の交付税の市町村交付金の総額が二十四億、それから、印紙の売りさばき手数料が八億一千万、合計三十二億二千万の金を交付いたしております。それでもって実はその市町村で実際事務を行ないます上につきまして、どの程度こういったものが充足してまいっているかということを、いろいろいままで断片的な調査なり資料なりでもってやってまいっておりましたが、今回、いろいろ先生のおっしゃったような事務費の額について、非常に窮屈に感じているところが多くなってまいりましたので、これの実情、その実態調査を本年度やりまして、それでもってその足らずがどの程度になるかということを捕捉いたしまして、この差を縮めてまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/24
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025・徳永正利
○徳永正利君 事務費というのは、これこそ財政的な問題で、いつも大臣は一生懸命がばんられるけれども、大蔵省から落とされるというような結果を繰り返しているのでございますが、これは安福さんも地方の年金課長をやって、苦しさをよく十分知っておられるし、また、厚生省の中にも、現場に出てからずいぶん苦しい目にあわれた経験者ばかりだろうと思いますが、私は、これ以上もうこの問題に深く入ってみましてもどうにもならぬことでございますから、これはひとつ、まあ、国民年金ばかりではございません。国費による事務費の配分はこればかりではございませんけれども、本年度はなお一段とやられるようでございますので、いろんな資料のもとに増額をはかられるように要望いたしまして、私の質問をこれで終わることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/25
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026・鈴木強
○委員長(鈴木強君) いまの点、ひとつ要望でありましたから、答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/26
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027・實本博次
○政府委員(實本博次君) 先生のお話のように、来年度の予算におきましては、先ほど申し上げました実態調査をもとにいたしまして、ぜひ必要額を充足してまいりたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/27
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028・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 先ほど徳永委員のほうから附帯決議の問題について、どういうふうになっておるのかという質問に対して御答弁があったわけでありますが、この国民年金が発足して以来、相当な改善がいろいろ行なわれているわけでございますけれども、しかし、改善が、何か大臣に言わせると、国家財政に大きく制約をされるのだということを言われますけれども、改正の基本方針と申しますか何か一つの目標を持った改正の方針というものがなければいけないのじゃないかと思うのです。それが毎年毎年の改正の中では、何か場当たり的なような感じを受けるのですね。したがって、改善する場合に、どういうような将来の展望を持って毎年毎年の改正というものを考えていくのか。国民年金については、社会保障制度審議会の答申にも見られますように、非常に多くの問題点があるわけですね。しかも、今度の改正案をつくるにあたっての答申の中では、根本的な改正について何ら提案がないのは遺憾であるということまで社会保障制度審議会では言っているわけです。そういうふうに、何か改正にあたって、はっきりした将来の目標に向かって一つ一つ改善をしていくという方針が確立していない。毎年毎年国会なら国会でもって強く要望されたということになると、それをやっていくというようなことが私はあるのじゃないかと思うのです。たとえば今度の改正の中で児童扶養手当の一部改正もありますけれども、一方では重度精神障害者ですか、これに対して千円出そうとかいう法案を出している。こういうふうになると、非常に同じ社会保障というワクの中でばらばらな法律がまた出てくるということを見ましても、社会保障というものの中の大きな目標に向かって、国民年金なりほかの年金もそうでございますけれども、その一つの目標、山に向かって、頂点に向かってどういうふうに年々の改正を——国家財政に制約があるなら制約があるでいいですよ。制約の中でどういうような方針で改正していって一本の完全な社会保障の確立に向かっていくのかという、やっぱりそういう方向を持たなければ私はいけないと思う。それがないような気がするのですが、その点ひとつお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/28
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029・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これは政府としても大体の方向は持っております。ところが、じゃあ私はあえて申しますが、年金制度については、ことしは厚生年金保険法の大改正を出しておりますが、社会保障制度審議会では、国民年金も改正しろ、一体実際問題として、この二つわれわれ並べてお願いできるような事情にあるかどうか、これは政府部内の事情についても考えなければならない。厚生省といたしましても、これだけの大きなものをひとつお願いしておる、これは三十九年度が改定の時期だから、これによって出る。しかし、国民年金はどうするんだ、国民年金は、私はしばしば、四十一年度が改定期になるから、その際に厚生年金に見合うような改正をしたい、こういうふうに思っておりまして、一広の方向と申しますか、もくろみがあってやっております。幾ら必要でも、一度にはできない。これはできた順に解決していかなければならない。それじゃ国民年金は何もしなくていいかというと、数年来いろいろな要望があるから、要望の中の急ぐものを何とか政府部内の意見をまとめて出していきたい、こういうことで、これはことしお願いした。たとえば夫婦の受給制限の撤廃とか、他の公的年金との不均衡の問題とか、いろいろこれはわれわれも考えて相談しておるが、結果的に見ればこれだけしかできなかったということをおわびを申し上げなければなりませんが、われわれとしては、目標を持って厚生省としては計画も立て、大蔵省にもいろいろの要望をしておる、こういうことでございます。ことしはとにかく年金問題については厚生年金の大改正をお願いするのだ、そして四十一年にはその時期がくるから、国民年金を次にやりたい、こういうふうに考えておるのであります。
重度精薄の問題も出ましたが、これなどは政治としては一番大きな穴であって、われわれがいろいろの機会に聞いて一番気の毒に思うのは、とにかく実際問題として重度精薄者の問題でありまして、これは国として手当てをしておらぬ。これも皆さんからおっしゃれば、思いつきだとおっしゃるかもしれませんが、こういう大きな穴を埋めていくことが、とにかく法体系を整えるということのほかに、そういうことはやらなければなりません。法体系の問題を別にして、ぜひこういうことをやらなければならぬということでやっておりまして、やがて全体がそろえば整備とか体系ができますが、まだそういう時期まで社会保障、あるいはいろいろな福祉関係のものはできておらぬ、こういうことでやむなくやっておるということをひとつ御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/29
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030・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 それぞれ多くの問題がありますから、いろいろまあ私らから見れば、もっと基本的の改正をしていかなくちゃならぬほうが先にあるのじゃないかというふうな感じもしますけれども、そういうものをいわゆる昭和四十一年度まで待っておって、それでほかのこまかいと言うと語弊がありますけれども、小さな問題を改正していくということは、何か逆なような気がするわけです。やっぱり徐々にでも、四十一年にはほかの年金との均衡がとれるようになるように、基本的な問題もあわせて年々改正していくというならば話がわかるのですけれども、根本的な問題は四十一年まで待っておる、そしてほかの問題だけを思いつきのような形でやっていくというような感じを私は受けるものですから、何か政府には方針がないじゃないかというような印象を受けるわけですね。
いま重度精薄者の問題を言われましたけれども、これなども、当然国民年金の対象の中に精神薄弱者を入れて、それでやっていけば、すべての人に社会保障の立場からできると思うのですけれども、その重度精薄者を特別にワクをつくって、しかも別の法律でやっていくというようなことは、これはやはり一貫したその方針というものがないと言われても私はしかたがないと思うのですね。そういう点で、まあ大臣はよく国家財政ということを言われますけれども、三兆二千億からの膨大な予算の中で、私はあまりにもこういう最も必要とする社会保障費というものは少ないのじゃないかというように思うのです。そういう点で、まあこれは政治全体の私は問題だと思いますけれども、しかし、いまのような状態では、昭和四十一年度に根本的な改正をやるというようなことを言っても私はおぼつかないのじゃないか、もっと積極的にこの年々の改正の中で、前向きな基本的な問題についての改正をやっていかないと、いま言われた大臣の四十一年度には必ずやると言ったことがほごになっていくのではないかというような感じも私は受けざるを得ない。したがって、そういう点はひとつ十分注意していただきたいと思います。
それから、もう一つ、障害年金の対象に、先ほどまあ徳永委員の質問の中にも言われましたけれども、精神薄弱者を入れなかったということについて、これは社会保障制度審議会の答申の中では、特に強く要望されておる点だろうと思うのですが、これをなぜ含めなかったのか、そういう点をひとつお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/30
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031・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これは私からお答え申し上げますが、私は、いまの精薄者の問題も非常に不満足です。しかし、何しろ学者さんかどうか知りませんが、いろいろ理屈がありまして、精薄は保険事故じゃない、こういうことを言うて、厚生省の当局もそれに同調しておる。私は、いまあなたが、精薄なんかはいまの年金に入れたらいいのじゃないか、私も最初年金に入れてもらいたいということを強く主張したが、それは保険事故じゃないから年金の対象にならぬ、こういうことでどうしても話がまとまらぬからして、私はやむを得ずこういう方途を選んだ、こういう事情になっております。そればかりじゃありません。たとえば今度重度精薄はできても、身体障害者の子供は入っておりません、これらの対象に。だから、いまこれができても、精薄者が二十歳以上になっても年金はもらえない、また、身体障害者は二十歳以上になれば年金はもらえるが、二十歳以下ではまだそういう制度がない。これだけやってもまだそういうふうな大きな穴があいております。私は、理屈はどうか知りませんが、年金でやってもらいたいということを就任以来強く主張しておりますが、なかなか同意が得られない。こういう点から、いろいろ言われるような抜け道でもってこんなものができた、こういうことでありまして、やはりいろいろこれについては、おっしゃるとおりのものであるが、いろいろ理屈があってなかなか通らない、こういう事情、いまの精薄問題も同様であります。これらは理論を変えてもらうかどうか知りませんが、とにかく何らかの手当てをしなくちゃならぬというふうに私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/31
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032・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 いま保険事故でないからということを学者が言ったというのですが、しかし、社会保障制度審議会の中には、少なくとも日本の学界といいますかを代表するような人がおって、そうしてその人たちが、この答申に見られるように、第一に、この障害者の範囲に精神薄弱者を入れるべきじゃないか、こういうふうに言っておるのですから、厚生省が一体どの学者に同調してそういうふうになったのか、それをお聞きしたいわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/32
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033・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これはそこまでまだ議論が熟さない。私は、何とか議論が熟して適当な措置をとるようにしたい、こういうふうに思っております。いろいろ内部事情等につきましては、この際申し上げるべきことではないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/33
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034・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 そうすると、精神薄弱者を含めなかったという理由はつまびらかにできないということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/34
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035・小林武治
○国務大臣(小林武治君) 私は、いま申したように、保険事故であるかどうかというふうな議論が、やはり一応これはまあじゃまになっておるといいますか、入らなかった理由の一つではないかと、こういうふうに見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/35
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036・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 あまりにも私は政府が審議会にとらわれ過ぎているんじゃないかと思うのです。やはりこの国民年金にしろ、その他の年金制度にしろ、もっと社会保障的な立場を強く出してやっていけば、いま言われたような保険事故にならないのだというような議論は私はなくなってくると思うのです。むしろこの国民年金制度も、保険料を払った割合に応じて給付がされるというような関係からすれば、一種の社会保険といわれるかもしれませんけれども、しかし、それ以上は、私は、やはり社会保障としての面が強く出ている制度でございますから、したがって、免除者の問題なども関係がありますけれども、一番困っておる人にやはり老後の安定をはかるとか、あるいは日常生活に不自由な人に安心した生活をさせるということが、やはりこの国民年金制度の中で最も重点的に考えていかなくちゃいけないことではないかというように思うのですね。したがって、いま言われた精薄者の問題等についても、保険事故でないからという考え方は、やはり社会保障制度審議会というものが先に出ておるというふうに思うのですが、そういう点は、ひとつはっきり大臣から、あくまでも社会保障としてこの国民年金制度というものはあるのだという考え方を聞かしていただきたいと思うのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/36
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037・小林武治
○国務大臣(小林武治君) まあよくわかりました。私もその点に前々から不満を持っているからしてこういうことまで申し上げておるのでありますから、御趣旨に沿うように、ひとつだんだんと意見をととのえたいと、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/37
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038・鈴木強
○委員長(鈴木強君) とにかく大臣は、厚生関係に対しては、やはり権限は私は持っておると思うのですね。ですから、大臣もそういう考えを持っておるならば、社会保障制度審議会の答申もあれですが、閣議として意見が一致すればできるのじゃないですか。厚生官僚がどう言おうとも、やはり大臣の権限において乗り切っていくような決意を持っておれば、私はできることだと思いますから、そういう点は、ぜひ内部の御統制を十分にしていただきまして、いまの柳岡委員のひとつ御趣旨に沿うような道は開かれていくと思いますから、お願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/38
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039・小林武治
○国務大臣(小林武治君) 私はそういう権限を持っております。私も学理とか理論というのはある程度尊重する、こういうことを考えておりますから、これはまあ無理論、あるいはいわゆるほんとうの学理に従わないということは私は適当でない、そういう点もやはり尊重する。しかし、それがはたしてまだ定論であるか、これは社会の承認を得た議論であるか、こういうふうな問題になりますので、理屈を無視してやるというわけにいかぬから、そういう点、私はまだ自信がなかった、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/39
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040・藤原道子
○藤原道子君 社会保障制度審議会の御意見とだいぶ違ったような御意見が出た、学者の中であるというようなこと、ちょっと納得いかないのですけれども、局長にこれらに対してのお考えを聞きたい。いま私たちは、何がなんでも心身障害児の問題を何とかしたいということで明け暮れ苦労をいたしております。黒木局長はこの道については非常な専門家でありますので、あなたのお考えをこの際ひとつお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/40
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041・黒木利克
○政府委員(黒木利克君) 実は、国民年金審議会の専門委員の方々の結論が、精神薄弱は精神障害に入らないというような結論だったと思いますが、児童局といたしましては、大臣のおっしゃるように、精神薄弱も気質的な精神障害と考えられるのじゃないかというふうに考えて、大臣のお考えに賛成なんでありますが、おそらく国民年金審議会のほうで、精薄児というものが先天的なものもあり、あるいは出産時の事故によるものもあり、あるいは子供は赤ん坊のときになることが多くて、二十歳過ぎにはめったにこういうことにならない。でありますから、したがって、従来のような拠出年金の線からすれば、ちょっとそぐわないのじゃないかというようなことからこういうことになっているんだろうと思いますけれども、先ほど申しましたように、確かに拠出とか保険とかいうたてまえを中心にすればそういうことになりますけれども、しかし、それにしても、気質的なオーガニックな精神障害と考えれば筋が通るわけですから、私のほうも、そういう線でできるだけ実現できるように、内部におきましても努力をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/41
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042・藤原道子
○藤原道子君 できるだけやるとおっしゃいますが、できるだけというのがいつもできないのですよ。私たち非常に不安なんですよ。もし、保険に入らないとすれば、私どうも先ほど来御質問を伺っているんですけれども、法律ができ過ぎちゃって混乱するのですよ。社会保障もばらばらなんですよ。柳岡さんがおっしゃったように、重度心身障害児の手当法がまたここで出る、そして、またこの保険では、入る者もあれば入らない者もある。これは私たちも心身障害児のことが心配でたまらないわけです。千円ぐらいで、心身障害児−重度心身障害児ですよ、重度というとどの程度かということになると、いまの状態で千円ぐらいもらって重度心身障害児がそれでいいのかしらん。将来、心身障害児に対して、厚生省としてはどういう対策を考えておられるか。私は別の機会にこの問題を十分御質問したいと思うのですが、その点だけでもきょうは伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/42
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043・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これはそのとおり、いまあなた千円とおっしゃるが、いままで何が出ておったか、これ一つでも非常に大きな前進でありますので、私ども、出発はやはりこの程度でやむを得ないということでありまして、私ども、もともと千円をくださいといった話ではありません。御意見に全く同感でございまして、たとえばいまの問題は非常に心配しておるのも御趣旨のとおりでありまして、これだけの問題を、政治の貧困と言えばそれまででありますが、とにかくいままで放置してあった、それをようやくこれを持ち出して、このわずか千円をこれだけのものにやるのでも、政府部内としては非常な議論をしまして、やっととにかく実現した。これは見方はいろいろありましょう、おまえら力が足りないから、政府の配慮が足りないからとか、いろいろの見方がありますが、私は、従来のやり方がよくないからしてこういうことを出発さしておるのであります。まず出発をしておいて、それからして改善をしたいと、こういうことでありまして、御趣旨は全く同感でありまして、われわれ喜んでこの程度のものを出しておるのではないということだけはひとつ御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/43
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044・藤原道子
○藤原道子君 今後の対策を児童局長からお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/44
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045・黒木利克
○政府委員(黒木利克君) 実は、精神薄弱児の手当の問題は、将来の児童手当の本格的な発足に際しましては、これに吸収していくべき性質のものではないかというふうに考えまして、現在児童手当のいろいろ準備をいたしておる最中でございます。しかし、単にこういう手当だけでも解決できない問題がありますから、いろいろ施設を整備いたしましたり、その他いろいろな在宅の子供たちの福祉のための相談、助言の仕組みをつくりましたり、現在、精薄児対策につきましては、総合的に体系的に施策を実施したいということで、いろいろ検討しておる最中でございます。いずれ重度精薄児手当法案を審議もしていただきますから、そのときに大体の構想も申し上げることができると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/45
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046・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 先ほどの徳永委員の質問に関連してちょっとお尋ねしたいのですが、年金制度が国民年金、厚生年金、国家公務員、公社共済年金、幾つもあるのですが、将来一本化する方向に進んでいくのだ、しかし、とりあえずはバランスをとっているというようなお話だったのですが、たとえば受給年齢なんかの場合でも六十五歳、六十歳、五十五歳と差があります。年金額においてもまちまちなんですけれども、私は、この額の問題はきょうはとにかくとして、年齢の面で、これは大臣ができるだけバランスをとってやっていくのだという御答弁をさっきいただいたのですが、これはどこへ大体基本を置くわけなんですか。早い話が、国民年金と厚生年金と国家公務員の三公社五現業の場合の年金とは、年齢が十も違う。国家公務員と国民年金とでは十も違う。ですから、これを厚生年金あたりのところに置くのか、そこら辺ははっきりしたまだ方針がきまっていないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/46
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047・小林武治
○国務大臣(小林武治君) まだはっきりした方針はきまっておりません。要するに、バランスをとるということは、給付の額の問題、給付の条件の問題、あるいは給付年齢の問題、いろいろな問題があります。ことに年齢の問題については非常にやかましい論議が、要するに、地域年金と職域年金については問題としてあり得るわけです。これらもやはり相当権威ある検討をして、また今後の問題にしなければならない。また、現在では、すでに人口構造の変革から、定年はやらない、こういうようないろいろな問題も出てきておりますので、こういういろいろなことを勘案して考えていく、しかし、その間に実質的ないわゆるバランスというものは考えていかなければならない、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/47
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048・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 午後一時まで休憩いたします。
午後零時六分休憩
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午後一時二十四分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/48
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049・鈴木強
○委員長(鈴木強君) これより再開いたします。
午前中に引き続き、国民年金法及び児童扶養手当法の一部を改正する法律案に対する質疑を行ないます。
質疑のある方は、順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/49
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050・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 午前中の質問の中で、社会保障制度審議会の答申に基づいた改正がなされていないという点があったわけでございますが、あまり多く申したくないのでございますけれども、やはり社会保障制度審議会というのは、一般の審議会と若干性格が異なっておるわけでございまして、この審議会の答申については、やはり今後十分尊重すると申しますか、取り入れるという、必ず尊重するというような形でなしに、必ずそれを実施していくというかまえをぜひ厚生省としては今後とっていただきたいというふうに思うわけでございます。
そこで、先ほどいろいろ附帯決議の問題等に関連をして御答弁があったわけでございますが、一体、厚生省として、この年金の額との関連で、現在最低の保障額と申しますか、それを一体幾らぐらいが妥当であるというふうにお考えになっておるのか、その辺をひとつお伺いしたいわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/50
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051・山本正淑
○政府委員(山本正淑君) 社会保障制度審議会から一昨年答申勧告がなされまして、その際におきましても、最低生活保障ということが、抽象的ではございますが、ある場合には具体的にいわれておりまして、具体的と申しますのは、生活保護費を四十五年を目標として三倍にすると、こういった具体的な目標が盛られておるわけでございますが、その際におきまして、年金についてどういうお考えであったかということについては、私どもの理解といたしましては、やや抽象的になっておるようでございまして、年金制度というもの、この場合、もちろん拠出制年金を前提としてのお考え方と存じます。年金額というものは、でき得べくんば最低生活費というものを下回らないということが望ましい。しかし、場合によれば、まあこれは過渡的でございましょうが、下回ってもやむを得ないといったような表現になっておると私は理解いたしておるのでございまして、私どもの理解といたしましては、もちろん経過的な問題は別といたしまして、基本的には、やはり老後保障という観点からものを考えます以上、拠出制の年金につきましては、その年金額が最低生活費を下回らないということを考えなければならぬと思います。もちろん個々には貯蓄等もありましょうけれども、制度としての立て方はさようにあるべきではないか、かように考えます。ただ、その額が幾らであるかということにつきましては、いろいろまたこのものの見方が違うかと存じます。昭和二十九年に厚生年金を改正しました際に、一つの説明といたしまして、やはり生活保護費が二級地において幾らであるといった説明もされておりますし、また、昭和三十四年に国民年金法が提案されました際におきましても、その当時の四級地における六十歳の老人の基本的な生活保護費が幾らである、こういったものの数字が一つのめどとして示されているわけでございます。そういう意味におきまして、やはり生活保護費というものが一つのめどとして考えられるわけでございますが、他に適当な基準がないという意味におきまして、やはり生活保護費というものが一つの基準として考えられるわけでございます。ただ、ぴたり生活保護費によって算定される、ある老人の生活保護費の額というものが最低額でなければいけないということが一番正しい言い方かどうかということにつきましては、私ども若干疑問を持っておりまして、額といたしまして明確に申し上げるわけにはいきませんが、いま先生の御質問の御趣旨に沿った答弁といたしましては、やはり生活保護費が一つの基準になる、かように考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/51
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052・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 憲法二十五条に規定するものが具体的になっているのは、やはり生活保護の問題だと思うのですね。したがって、最低として、やはり私は生活保護費を下回るような年金額であってはならない、少なくとも生活保護費以上の年金額というものを考えなくちゃならぬと思いますね。したがって、まあ今度改正されました生活保護費自体も、私はそれでいいということは言えないと思いますが、まあこれを一人当たりに直してみましても、四千円というものをこすわけでございますから、この国民年金の年金額にしましても、まあ昭和四十一年というお話でございますが、ひとつ十分検討していただきたいというふうに思います。
それから、保険料の徴収の問題でございますが、いろいろいわゆる納付制度と申しますか、自分で持って行って保険料を納めてくるというようなシステムでなくて、集金をするというような原則のようになっておると思うのですがね。法文上は、それぞれ納めなくちゃならぬと、こういうふうになっておると思いますが、現実の問題としては、やはり自分で個々人が持って行くというわけでなくて、大体地方自治体なり、あるいは農協なり婦人会なりを通じて集金をして納めていくというのが実態であろうと思うのですね。そういう徴収上の欠陥というものが非常に多くあらわれているということが新聞にもときどき伝えられます。で、いわゆる保険料が三カ月分をまとめて納めるというような関係から、掛け金がむだになるというような問題、あるいは事故が突然起きて、たまたまその時点で納めてなかったというためにもらえなかったというようなことが非常に多いというふうに伝えられておるわけですが、現実にその実態を厚生省としては把握したことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/52
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053・實本博次
○政府委員(實本博次君) 国民年金の保険料の徴収の問題でございますが、これはこの制度が、自主納付、みずから進んで保険料を印紙を購入して手帳に張って納める、形式上はそういうたてまえをとっておりますが、いま先生のお話のように、現実には、市町村から、あるいは民間の自主団体である納付組織、婦人会等が中心になった納付組織が中心になって集めて回っていただいておる、あるいは市町村が専任徴収員を置きまして徴収に回っておる、こういうところでございます。特に都会地におきましては、専任徴収員が集めに回っているところが多うございますし、それから、農村のほうに参りますと、婦人会その他の、あるいは民生委員さんといったような方々が、自発的にそういった被保険者から集金して回っていただいている、こういうふうなことで、市部と農村におきましては、ややそういったニュアンスが違いますが、両方そういった民間の力もかりまして保険料の納入をやっている、こういう実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/53
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054・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 そういう実情は私も了解しておるのですが、そういういわゆる実態の中から、たとえばもう母子年金はすでにもらえるのですよね。そういうのが、集金人がたまたま来なかったとか、あるいはたまたまその直前に事故にあったと、そういう事故が起きたということで、むだな掛け金と申しますか、実際にその年金なら年金がもらえなかったケース、そういう案件がどのくらい全国的にあるのか。それを把握したことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/54
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055・實本博次
○政府委員(實本博次君) そういうものを全国的に社会保険庁のほうから調査したことはございませんが、ただ、個々のケースとして、それぞれの市町村なり都道府県におきまして、そういうケースがまま起きるということがあるようでございますが、ただ、これは市町村のそういう専任徴収員、あるいは納付組織の代表者といったような人たちの講習会、あるいはそういうケースケースの、一種のケースワークでございますが、そういうふうなものの講習会なり指導会を行ないまして、そういうことによります不利なケースというものをなくしていくような指導はいたしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/55
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056・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 法律上は、加入者が市町村役場に持って行って支払う、こういうことになっているのですが、しかし、現実には、先ほど申し上げましたように、集金人が集めるなり、あるいはそれぞれの組織を通じて集金をする、こういう実態ですね。たまたまそういう集金の関係から失格してしまったと、こういうことが起きた場合に、一体その責任はだれにあるわけですか、どこにあるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/56
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057・實本博次
○政府委員(實本博次君) ケースによって違いますが、こちらから徴収をして納付していただく、徴収納付告知書を出して納付していただくといったようなケースではございませんで、あくまでも納める人のほう、被保険者の方が納めにくるという、形式上の立場から申しますとそうなっておりますので、そういう場合の責任と申しますか、それはやはり納付する人のほうの側に出てまいる、形式的に申しますとそういうことでなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/57
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058・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 形式的にはそうなるかもしれませんけれども、本人は支払う意思は十分にあるわけですよ。ただ、実際の制度が、集金人が来て集めていくから、それまで待っているとか、あるいは何か農協の会合があるときに納めるとか、そういうことになっているから、納付する国民はそういうものだと思っているわけですよ。それがいま言われたような形式的な形で処理をされるということは、これはやはり一つの問題があるのじゃないかと思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/58
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059・實本博次
○政府委員(實本博次君) 私が申し上げましたのは、あくまでも形式的な問題でございまして、実際の運用といたしましては、納付組織と申しますか、先ほどからの、民間の方が自主的にそういう納付組織をつくってやってもらっているケースでは、納付組織に納めたものは、その形式的な検認月日として認める、ですから、納付組織のほうに払ってもらえば、それが有効に納付したというふうに扱っておりますので、納付組織にさえ納めていただけば、そういう不幸なケースがないように運用いたしているはずでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/59
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060・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 それはその一つの場合、一つのことであって、集金人がそれじゃあ集めるところは一体どうなるかという問題も起きると思うのですよ。農協なら農協で集める場合には、農協まで持って行けばそれで納めたことにするということも一つあるかもしれませんけれども、ところが、都会みたいに、集金人が集めているところでは一体どうなるかという問題があると思うのですよ。前に、大山社会保険庁長官ですか、この人がこういうことを言っているのですよ。「非常に問題があるので、集金人のミスによる失格は今後も起こる可能性が多い。したがって、これからは実情を調べて検討したい」と、こう言っているのですがね。先ほどから聞いていますと、実情についてはまだよくわからぬ、こういう話だし、いま聞いても、一々の具体的な事象が出てくると思うのですが、そういう場合にどうするかということがまだはっきりしておらないということではやっぱり問題があると思うので、そういう点、はっきりした方針をやっぱりこの際厚生省として出してもらいたいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/60
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061・實本博次
○政府委員(實本博次君) 納付組織によります場合と、それから先生いま後者の例としてあげられました、市町村から専任徴収員が回る場合とございますが、納付組織の場合、先ほど申し上げましたように、納付組織で納めていただいたという場合は、その納めたときを検認月日として成立させておりますし、それから、市町村から専任徴収員が集めに行きます場合は、これはもう当然役所が行ったことでございますから、そのときに有効に検認してまいる、こういうことになっております。ただ、先生御心配していただいておりますのは、おそらく金銭の授受で、納付組織の人なんかは、全く民間の任意な団体でございますから、そういう組織でもって被保険者から納入された金銭が、あるいは盗難にかかったとか、あるいは忘失したとかといったようなケースとしてはどうなるかというふうな御心配だろうと思いますので、この点につきましては、それぞれいろいろなケースが各市町村、あるいは都道府県ごとに少しずつ出てまいっておりますので、長官が他の機会で申し上げましたような、そういうことによる事故の全国的な一掃運動と申しますか、そういうものを考えておりますので、そういう機会に、なるべくそういう不幸なケースをなくしていきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/61
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062・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 都会では、大体市町村の職員が集金をしているということですが、やはり先ほどからいろいろ出ておりますように、準備が非常に足りないということで、結局一般会計からの負担が大きいために、こういう集金のための職員もなかなか使えないということで、世田谷あたりでは、ことしに入ってからほとんどまだ回っておらないというような状況なんですね。また、ほかのところにおきましても、三カ月に一度回るのがやっとだ、こういう状態なんです。そうしますと、たまたま集金人が行ったときに留守になったとかというような場合もあるだろうし、したがって、非常にそういうための失格者というものがあるわけでございまして、この点は、ひとつ何とかもっとすっきりした、国民が損をしないような、故意に支払わないという人は別としても、十分支払う意思のある国民がそういうことのために損をするということがあってはなりませんから、ひとつこの点は十分検討を早急にして、間違いのない指示をひとつ出していただきたいというふうに思います。まあ厚生省では、そういう場合に、市区町村ではある程度融通をきかして、納めたことにしてもらえるような措置を書類上つくるということについては、そういうことをやっちゃいかぬと、こういうきびしい指示を出しておるようでございますが、しかし、これはやはりその根本をもっと改めない限り、直らないものでありますから、その根本の問題を十分ひとつ検討して、直していただきたいというように思います。
それから、最後になりますけれども、積み立て金の問題ですが、私は、もう本会議で一応大臣に質問しておりますけれども、すでに国民年金審議会なり、あるいは社会保障制度審議会あるいはまた資金運用審議会等におきまして、この国民年金なり厚生年金の積み立て金は、やはりもっとその保険者なりに還元をするという方向を打ち立てなくちゃいかぬ、そのためには特別勘定等も設けるべきだ、こういうことがしばしば言われているわけです。しかし、国の財政上のことということで、これがいまだ見送られておりますが、そして、わずかに二五%の還元融資ということでございますけれでも、大臣は、先ほどの答弁の中でも、そういう方向をぜひ今後とっていきたい、こういう答弁でございますが、ひとつ再度この問題について、明確に今後の方針をお伺いしておきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/62
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063・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これは福祉増進のためにできるだけ多くのものを還元するということは、まあ当然なことでありますが、ことに私は、まあこの前も申し上げたと思いますが、融資したものが還流した場合に、いまのところ、厚生省がこれについて何らの権限を持っておらぬ、要するに、しりが抜けていると、こういうことでありまして、これをある程度話し合いをつけただけでも相当な幅が増すと、こういうふうに思いますので、さしむき、やっぱりこういう問題からひとつ片づけたい。全体として、前々から特別勘定等も設けて、そして、これの使途をある程度明確にするというふうなこともいま相談をいたしておることは前にお答えを申し上げたとおりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/63
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064・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 まあ非常にこの積み立て金が年々膨大になっていくわけでございますから、これを政府が非常に有力な政府資金として当てにすることは、これは当然かもしれませんけれども、しかし、国民がほんとうに額に汗して働いて、それで老後の安定を願う、そういう気持ちから一生懸命納めているわけですからね。ですから、こういう金は、その社会保障という目的に沿った運用をはかってもらわなければならないし、また、それが当然だろうというふうに思いますから、いまの御答弁ですと、何か前の答弁よりも一歩後退したような感じを受けるのですけれども、ひとつ特別勘定を設けて、そうして、その運用の管理にあたっては、いまのような形でなしに、被保険者代表と申しますか、そういう国民のやっぱり意見も十分に入れた中で有効な運用をはかれるようにひとつお願いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/64
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065・小林武治
○国務大臣(小林武治君) 御趣旨に沿うように努力いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/65
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066・柳岡秋夫
○柳岡秋夫君 まあこれで終わりますが、先ほどちょっと言い忘れたので、再度徴収の問題についてお伺いしておきたいのですが、この納付組織について厚生省がどういう指導をしておられるか。さらに、また、手数料が出ていると思いますけれども、この手数料は現在どのくらいですか。そして、その手数料で、はたして喜んでそれぞれの組織がやるかどうか。やはりこういう手数料については法定化をする必要があるのじゃないかというふうに思うのですけれども、そういう点についてひとつお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/66
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067・實本博次
○政府委員(實本博次君) 納付組織をどういうふうに取り扱っていくかという御趣旨が第一点でございますが、納付組織、これはどうしても地域の広いいなかのほうの町村に参りますと、どうしても一軒一軒山の奥まで専任徴集員が集めて回るということは非常にロスが多うございますので、やはりこういった地域の組織、婦人会なり、そういった民間の組織を通じてそういう零細な保険料を各戸に集めて回るということを、むしろそういう組織でもってやっていただくということが、まだ当分この制度を成り立たしていくためには必要じゃないかというふうに認識いたしておりますので、したがいまして、郡部におきましては、やはりこの納付組織というものを、よく御苦労いただけるように、こちらから考慮する部分はしていく。たとえばいまおっしゃったような手数料の問題、あるいは指導訓練の機会とか、そういうものをもう少し拡充してまいりたい。予算の上で申しますと、これは印紙の売りさばき手数料の中からそういうふうな組織のほうの手数料として差し上げておるということで、三十八年度は全部で売りさばき料が八億一千万の予算を計上いたしまして、それを交付いたしております。これが三十六年、三十七年からずっと比べてみますと、毎年およそ一億ずつぐらい予算をふやしてまいっておりますが、そういう手数料をもう少し上げてまいりたい、それから、一般的な事務費の問題とも関係がございますが、こういう納付組織の民間の人たちの講習会、指導会といったような庁費的なものも予算として確保していきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/67
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068・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/68
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069・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 御異議ないと認めます。それでは、これより討論に入ります。
御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/69
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070・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 御異議ないと認めます。それでは、これより採決に入ります。
国民年金法及び児童扶養手当法の一部を改正する法律案を問題に供します。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/70
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071・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 挙手総員と認めます。
よって本案は、全会一致をもって衆議院送付の原案どおり可決すべきものと決定いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/71
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072・徳永正利
○徳永正利君 私は、この際、本案に対する附帯決議案を提出したいと存じます。案文を朗読いたします。
国民年金法及び児童扶養手当法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案
政府は、国民年金制度の重要性にかんがみ、左の各項を速かに実施するよう努力すること。
(一) 厚生年金保険法の改正との均衡をはかり、各年金の年金額を大巾に引き上げるとともに、老令年金、老令福祉年金の支給開始年令を引き下げ、福祉年金の給付制限を緩和するほか、保険料、給付要件支給対象等についても社会保障の精神に従って改善を加え、右の実現のため、大巾に国費を支出すること。なお、積立金については還元融資の枠を拡大するとともに特別勘定を設けること及び事務費についても速かにその増額を図ること。
(二) 特に左の事項については、可及的速かに実施すること。
(1) 各福祉年金の年金額を大巾に引き上げ、その所得制限を緩和すること。
(2) 夫婦が、ともに老令福祉年金を受ける場合の減額制度を廃止すること。
(3) 老令福祉年金及び障害福祉年金における配偶者所得制限を廃止すること。
(4) 母子福祉年金及び準母子福祉年金については、精神薄弱児を扶養する場合は、二十歳に達するまで、これを加算対象とすること。
(5) 障害年金及び障害福祉年金に関しては、配偶者並びに子につき加算制度を設けるとともに、障害の範囲を拡張すること。年金加入前の障害についても同様に拡張して支給すること。
(6) 福祉年金と他の公的年金との併給の限度額の不均衡を是正すること。
(7) 保険料の免除を受けた者に対する年金給付についてはさらに優遇措置を講ずること。
(8) 拠出年金、福祉年金ともに、物価変動及び生活水準向上に伴い、自動的に増額せられるよう検討すること。
(9) 年金受給要件に達しない者の実納保険料がその被保険者のものとして確保されるようにすること。
右決議する。
内容につきましては、すでに審議の過程において明らかになっておる点をここに書き上げたものでございまして、説明を省略いたします。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/72
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073・鈴木強
○委員長(鈴木強君) ただいま提出されました徳永委員提出の附帯決議案を議題といたします。徳永委員提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/73
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074・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 挙手総員と認めます。
よって徳永委員提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
厚生大臣より発言を求められておりますから、これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/74
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075・小林武治
○国務大臣(小林武治君) ただいまの決議の趣旨を尊重し、善処したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/75
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076・鈴木強
○委員長(鈴木強君) なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614410X02719640526/76
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077・鈴木強
○委員長(鈴木強君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後二時二分散会
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