1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年二月二十七日(木曜日)
午前十時二十五分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 前田 久吉君
理事
赤間 文三君
上原 正吉君
委員
大谷藤之助君
川上 為治君
岸田 幸雄君
剱木 亨弘君
小林 英三君
豊田 雅孝君
八木 一郎君
吉武 恵市君
阿部 竹松君
大矢 正君
椿 繁夫君
中田 吉雄君
藤田 進君
鈴木 一弘君
衆議院議員
発 議 者 小笠 公韶君
発 議 者 神田 博君
国務大臣
通商産業大臣 福田 一君
政府委員
通商産業政務次
官 竹下 登君
通商産業大臣官
房長 川出 千速君
通商産業省鉱山
局長 加藤 悌次君
通商産業省公益
事業局長 宮本 惇君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞壽君
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本日の会議に付した案件
○電源開発促進法の一部を改正する法
律案(衆議院提出)
○参考人の出席要求に関する件
○産業貿易及び経済計画等に関する調
査(鉱業に関する件)
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001・前田久吉
○委員長(前田久吉君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
まず、委員長及び理事打ち合わせ会の協議の事項について御報告いたします。
本日の委員会は、電源開発促進法の一部を改正する法律案について提案理由の説明を聴取し、質疑を行ない、同案審査のため参考人の出席要求の議決を行ない、鉱業に関する件の質疑を行なうこととなりましたから御承知を願います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/1
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002・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 次に、一昨日本委員会に付託されました電源開発促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず、発議者から提案理由の説明を聴取いたします。発議者神田博君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/2
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003・神田博
○衆議院議員(神田博君) 電源開発促進法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
この法律案は電源開発株式会社の理事を現在の五名以内から三名増員し、八名以内としようとするものであります。
御承知のとおり、電源開発株式会社は創立以来十年余を経た今日、すでに、一社としては最大の保有水力設備約二百三十万キロワット及び火力設備十五万キロワットを完成するとともに、超高圧送電線を主体とする一千二百キロメートルをこえる送電設備とこれに関連する変電設備の建設をなし遂げ、これらをみずから保有運営して電気の卸供給を行ない、電力需給の安定、ひいてはわが国産業の発展と国民生活の向上に大きく寄与しております。
言うまでもなく、わが国の電力需要は、産業構造の高度化、生活水準の向上に伴いまして、今後とも、ますます増大する傾向にあります。これに対する供給力としては、火力技術の高度化等を反映して、大容量火力が中心となっていく趨勢にはありますが、この火力の経済性を確保するためには、ピーク供給用、さらには事故時の緊急用電源として、水力を組み合わせることが最も望ましく、火力の建設と並行して約二割程度の水力を開発することが必要であり、今後、原子力発電の開発が進めば、その必要性はさらに増大するものと思われます。
しかしながら、今後の水力開発は、地点の奥地化、開発環境の複雑化に伴い、次第に困難性を増しつつあり、しかも、一時的に多額の建設資金を要し、資本費がかさみますので、いわゆる私企業ベースでの開発が次第に困難となりつつあります。
このような観点から、今後の水力開発は、その相当部分を長期低利の財政資金を使用し、水力電源の開発に豊富な経験を有する電源開発株式会社に担当させることが望ましいのであります。
また周知のごとく、近時、石炭政策に沿って石炭需要を確保するため、電力界が年々一定量の石炭を引きとっていくことが必要とされておりますが、電力界にとっては、重油火力との経済性の比較等からして、今後とも引き続きこれに全面的に協力していくことはかなり過度の負担となることが予想されるのであります。したがって、私企業たる九電力会社にこのような役割を果さしめるためには、その補償措置等種々困難な問題もありますので、石炭政策上必要とされる大規模火力発電設備の建設を電源開発株式会社に担当せしめることとし、昭和三十九年度より政府出資を投入して、その建設をすすめることを予定しております。かくのごとく、同社が電力会社に対する補完的立場から、また、特殊法人として国の政策に協力していくべき立場から、国内資源によるエネルギーの安定供給、国際収支の改善に資する意義は大きく、国民経済的にも同社の今後に期待するところは、ますます大なるものがあると言わなければなりません。
このように、電源開発株式会社の役割りは、今後、ますます重要性を加えていくものと思われますが、会社の現況、業務内容は、補償問題をはじめとする開発の困難性の増大、あるいは電気事業界における広域運営の強化拡充、年間三百億円をこえる売電交渉の繁忙化、海外技術協力の本格化、さらには石炭火力の建設等、従来に比し、ますます複雑困難となっており、特に、直接、経営に携さわる役員の負担はきわめて重く、重要業務の処理に忙殺されている現状であります。これを業務の折衝先について見れば、電気事業界はもとより、国会並びに関係各省をはじめとしてほとんど全国に及ぶ関係都道府県、さらには関係財界団体その他の多きにわたっております。特に、電気事業界における広域運営の進展強化に伴ない、会社役員が、直接、折衝を要する案件が著しく増大してきているのであります。
しかるに同社の理事の定員は、昭和二十七年会社発足当時、五名以内と定められたまま今日に至っています。すでに述べたとおり、水火力を合わせ約二百五十万キロワットの設備をみずから保有運営し、補償並びに広域運営等、業務が発足当時に比し著しく増大、複雑化している今日、五名の理事をもってしてはその円滑な処理を期し得ない実状であります。
よって、この際、電源開発株式会社の理事の定員を三名増員することが必要と認められますので、この法律案を提出した次第であります。
以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同下さるようお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/3
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004・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 以上で提案理由の説明は終了いたしました。
ちょっと速記とめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/4
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005・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 速記つけて下さい。
それではこれより質疑に入ります。御質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/5
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006・阿部竹松
○阿部竹松君 提案者にお尋ねしますが、提案者も御承知のとおり、今国会に電気事業法という法律出ておりますね。それで私はいま御説明を承った法案は政府が提案すべきだと、このように考えておったわけですが、議員立法として衆議院から私どものほうに回ってきた理由をまずお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/6
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007・神田博
○衆議院議員(神田博君) ただいま阿部さんのお尋ねでございますが、この法律案を私最初にお願いいたしましたのは昨年の通常国会でございまして、昨年の通常国会の際に、政府側のほうには相当たくさんの法案が国会に出てまいりました。また、この電発の理事の増員をしたい、こういうことは政府のほうもまた電源開発からも非常な要請でございまして、私どももその必要をかねがね痛感いたしておった際でございまして、政府提案にしたらどうだというようなことにつきましては、私どもも当時そのようなやはり考えを持ちまして、政府がお出しになったほうがいいんじゃないかというようなことで、阿部さんがおっしゃったようなことで、政府とも折衝いたしたのでございますが、ただいまおっしゃいましたように、昨年の通常国会には通産省がたくさんの法案を持っておったから、ひとつもともと電発会社、この法案は議員提案の関係もあったし、そうしたふくそうした関係があったので、党のほうでひとつ善処してもらいたいというような要請もございまして、私どもいろいろ御相談いたしまして、昨年の通常国会に提案いたしたようなわけでございます。昨年の通常国会、御承知のように、ああいう事情で廃案になってしまいました。それから昨年の秋の臨時国会でまたこれを提案いたしました、引き続きまして。ところがこれは解散国会になってまた廃案になったわけでございます。そこで暮れの特別国会にそのまま提案いたしまして、それが引き続き継続審議、こういうような衆議院の段階になってまいりまして、そうして今度の通常国会に持ち越しまして、これが先週の金曜日に衆議院があがった、こういうようないきさつでございます。いろいろ議員立法についてのいきさつを申し上げたわけでございますが、いまお尋ねの政府でやったらどうだというようなことにつきましては、私どももそういうような気持を持ちまして、いろいろ検討いたしたのでございますが、諸般の事情と申しましょうか、諸般の情勢がただいまのような経路を経まして、こういうように御審議をお願いにあがったようなわけでございまして、よろしく御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/7
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008・阿部竹松
○阿部竹松君 議員は法律の提案権があるわけですから、議員立法でも、何ら差しつかえないわけですがね。少なくとも神田先生は与党の議員、この法案を与党の議員が提案しておる。野党の私どもであれば、賛成の場合もありましょうし、政府と反対の立場をとることもありますから、なかなか政府が納得しないから、みずからが提案者になって御審議を願うことはある。しかし、いま申し上げましたとおり、あなたは与党の人間だ。政府はこれを必ず賛成したと思うわけですが、とするならば、あなたも政府の提案のほうがよろしいと、こうおっしゃった。どうもそこのあたりは私の理解力が足りないためかもしれませんけれども、理解ができない。その点をひとつ詳しく、諸般の情勢でなく、その諸般の情勢は何かということをお示し願うと同時に、政府としては出す気持があったのかどうかということを、これは政府当局にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/8
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009・神田博
○衆議院議員(神田博君) 阿部さんの重ねてのお尋ねでございますが、私の舌足らずで御納得が十分でないということでございまして、決して阿部さんは該博なお知識がおありになるのでわからぬというのではなくて、私の舌足らずだと思います。その点はあしからず御了承願いたいと思いますが、ただいま申し上げましたとおり、政府が提案したらどうかというようなこともわれわれの中にはございました。その道行きにおいてですね。しかし、いろいろ折衝した結果、政府もたくさんの法案をかかえておる。ひとつそういういきさつもあったから、党のほうでやろうということでございまして、これを自民党が提案するということにつきましては、実は衆議院の段階におきまして、社会党の皆さん方、商工委員の方方、民社の方々等にも、いろいろ御相談申し上げたんでございます。決して形は単独になっておりますが、単独と申しますか、自民党だけになっておりますが、この提案する段階におきましては、いろいろ御相談申し上げたその際、党議として御返事するわけには参らないが、そういうことならば、ひとつ出していただいて審議をひとつその際いろいろまた重ねようじゃないかというような経過もあったわけでございます。そういうわけで、自民党が簡単にこれはひとつ同意するのだというようなことで出したわけではございません。慎重にその辺のことも御相談しながらそして提案をしてまいった。しかし、御承知のように、昨年の通常国会、また臨時国会の解散、それで特別国会に持ち越した。そうしてそれがまた継続審査になったというような、ちょうど国会の回を重ねることが四回というようなことになったわけでございます。
この電源開発会社が創立されてとにかく十一年たっておりまして、創立当時理事の定員が五名以内、こういうことになっておったわけでございますが、その後、いまも申し上げましたように、水火力合わせて二百五十万キロ、あるいはまた、超高圧送電線が一千二百キロメートルにもなっている。広域運営のいろいろな各社間との相談もあれば、あるいは、発電所がいよいよ奥地化してまいりまして、しかも近来補償の問題が非常に複雑になってまいっておる。都道府県知事その他関係方面との折衝もなかなか役員が参りませんと進捗しないものでございます。広域運営もしかりでございます。あるいはまた、内部関係においても、労務一つ考えましても、これはやはり理事が担当いたしませんと、もう相当数の従業員でございますので、なかなか限られた五人というようなことでは、うまくまいらないというようなことでございまして、そして前々からひとつ増員をしていただきたいという要請でございまして、まあ他の公社あるいは類似の民間企業等に比べましても非常に少ない。それから責任体制を明確にする上からいっても相当数の増員を必要とする。まあ内輪の話を申し上げますと、電発は十名ぐらいほしいというようなことでございましたが、いろいろ検討した結果、三名だけお願いしよう、こういうことでお願いしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/9
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010・藤田進
○藤田進君 大臣が見えられておりますし、大臣見えたら私からという内部の打ち合わせをしましたので……。
いまの、議員提案としてお出しになる動機、その要因、事情というものを、阿部委員からお尋ねをしたわけです。必要性等につきましては、これからあと逐次審議をさせていただきますわけですがね。そこで御答弁の大半は、その必要性を強調された御答弁のように承るわけですが、なるほど憲法上、法制上議員提出というものは否定するものではありませんが、阿部委員も指摘したように、この種法案ないし改正案等については、望ましい姿としては、監督官庁、主務大臣である通産大臣が内閣の意向をまとめられて、もちろん議院内閣制ですから、与党との連係もおとりになるでしょうが、今度の同じ福田通産大臣お出しになっているアジ研その他理事増員という全く同様なケースがあるわけです。お答えの範囲内では、前の国会にも出したということがまず具体的には承れるわけです。前の国会以来、問題になっているとすれば、ますます通産当局とされても法案を出す、改正案を出すために努力される時間的余裕も今国会に対してはあったと思うのです。
第二の、政府もたくさん法案を持っているから議員のほうで、これはどうも理由としては薄いと思います。審議するのは国会ですから、どちらがお出しになろうと、その繁忙については同じこと、あるいは法制局をお使いになるにしても問題ないし、この程度のものであれば、閣議その他がそう何日も審議にかかるわけでもないでしょう。とするならば、どういういきさつでこうなったのか。電源開発株式会社という発足以来の事情、あるいはこれが人事等を過去見ますというと、これは何かここにすっきりしないものがある。この点は衆議院でもかなり論議されているようでございます。具体的に率直に、この際、提案者のほうからまずもっと深めたひとつ御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/10
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011・神田博
○衆議院議員(神田博君) まあいま阿部委員のお尋ねにお答え申し上げましたように、深めた答弁をしろということでございますが、私はありのままに申し上げておるわけでございまして、政府側が非常に法案がふくそうしておって、なかなか回りかねるから、党のほうでひとつというようなことで、相談がまとまったわけでございまして、政府は政府のお立場でそういうこともあろうかと思っております。私どももまあ議員提案だから、また、議員提案にするのだというような簡単な考えではないのでございまして、非常に仕事がふくそうしておる、毎日の仕事も相当あるのに、発足当時の——十年先の——ままでは、ほんとうに運営にこと欠いてはいかぬ、そういう要請に基づいて、またそれを十分検討いたしまして、そうしてその必要性を認めて提案いたしたようなわけでございまして、これはただいまいろいろ申し上げたとおりの事情でございまして、別に裏のあることではないのでございますので、そのとおりひとつ御了承願いたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/11
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012・藤田進
○藤田進君 神田さんも古い大臣をおやりになっているので、あなたが質問をされて私がそういう答弁をして、ああそうですか、それでよくわかりましたと言えましょうかね。あなた、答弁になってないですよ。必要性に触れられるのですが、それはいいのです。あとからまたお聞きいたしますが、政府から頼まれたからやったということのようですけれども、こういう非常に大きな仕事をしているだけに、部外についても、政界その他業界等と関係の深いこれは仕事をやっている会社ですね。過去にもいろいろ問題は相当前にはあったわけです。この法案をお出しになりますとき、福田さんも直接関係者であったわけです。これについては業界である九電力会社も非常な反対をしていたわけですね、当初。それから、まあその他いろいろな方面から再編成後におけるわずか一年有余のときでもありましたし、自来人的その他当時以来問題もあるわけです。そういうことであればこそ、政府が監督されるわけですから、その監督的立場にある通産大臣として、十分このことはその組織機構を通じてお考えになる筋合いのものである。いやしくも、政府は法案を持っており、かつ忙しいから議員提案のほうで頼むと言われたということは、どうも私は通産大臣としての態度も了解ができないわけです。この点通産大臣のほうから、大臣のほうの時間の都合があるそうでございますから率直に……。私もすわって、あまり肩の張らない質疑をさしていただきますから、すわったままでよろしゅうございます。ただつけ加えますが、それで率直なところをおっしゃっていただきたいと思うのです。私も全然わからないでもない。いろいろなことを聞いておりますが、しかし、審議をし、速記を残していきます以上、やはり筋の通った審議ぶりというものが内容の充実したものでなければ、与党、野党にかかわらず、立法府として、参議院当委員会としてあやふやなままに、何だかわかったかわからないということでは、国民がこの審議状態は後日むろん読むでございましょうし、筋の通ったやり方、率直なところを御答弁いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/12
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013・福田一
○国務大臣(福田一君) ただいま提案者である神田議員から御説明があったのでありますが、その御説明を私、聞いておりまして、実は、全くそのままのことを申されておったと、こう思うのであります。で、特に御質問でありますし、率直に申し述べよと言われますから、もう一ぺん私のほうから見たこの問題に対する提案に至るまでの経緯を申し上げてみたいと思うのでありますが、一昨年の暮れの国会は、御案内のように石炭とか中小企業とか、非常に大事な問題が山積をいたしておりまして、何とかしてこの電発の理事増員の問題も——事務が非常にふくそうしておるので、これを増員してもらいたいという要望があったのであり、われわれとしてもその必要性は認めておったのでありますが、しかし、まあできるならば、そういう重要な石炭問題と中小企業問題というような大問題を控えておることでもあるし、まあもう少し延ばしてはどうかという意見もあったわけであります。しかし、一方、電源開発という問題も、これは看過できないことでもございますし、やはりその必要性も認められるということから、与党である自由党といろいろお話をいたしまして、その結果、主たる理由ではございませんが、先ほど神田先生も言われたように、まあ議員立法でもあったし、ひとつそれでは議員立法として改正案を出すことにしよう、こういうことになりまして、政府もこれに閣議において同意見をするという形をとって、議員立法として実は提案をいたしたわけでございます。ところが、その後の経緯を見てみますというと、衆議院——去年の通常国会ではこれは可決に至らず、引き続きまして臨時国会に引き継がれたのでありますが、これまた解決を見ない。そのうち国会が解散になりまして、新しい院の構成が衆議院においてできたわけでありますから、その機会に、先生の言われるように政府提案にこれは切りかえる一つのチャンスであったと思うのであります。それはもう先生のおっしゃるのはごもっともな御意見だと思うのでありますが、しかし、たまたま前からそういうふうに議員提出として出していただいておりますし、まあわれわれとしても、理事増員ということについては異議のないことでもあるし、もう一度出してはどうかということで、いろいろ話をしました結果、今度の国会も、まあ前ほどと言うのはおかしいですが、いろいろたくさんの問題も控えておりますし、従来の経緯から見て、せっかく議員立法として出していただいておるんだから、今度もひとつ引き続きお願いしよう、まあそこは非常に単純な理由であります。何らほかに理由はございません。そういう意味において、ひとつ議員提案としてまた出していただく、こういうことになって、提案をすることにきまったわけであります。自来また引き続き今度の通常国会にこれが出された、こういうことに相なっておるのでありまして、ほかに何か裏に意図があるかと言われますと、われわれ何にもほかには何ら意図はございません。率直な経緯を申し述べよということでございましたから、私もいまここに提案されるに至りました政府との関係を、率直に申し上げた次第であります発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/13
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014・藤田進
○藤田進君 この法案に、それほど政府提出になれば、政府として議会その他にそれだけの時間を要するといったようなことが理由になるのでしょうか。これは理事を増員するということで、内容は重要であっても、手続的なもの等について、法文の編さんにしろ、そんなに労を要しない。閣議はいまのように、かけたとおっしゃるわけで、通産大臣が出されれば、政府提出としても閣議はそんなに時間かかるものではない。そうして委員会審議の段階においても、議員提出ならば、まあ、ほうっておけばいいだろうと、そんなものでもない。少し責任上私は疑わしいと思うのです。アジ研その他、この国会でもこの種のものは出ているわけだ。そのほうが重要であるから、これは政府提出、このほうは議員提出という、その辺がまず第一点として、のみ込めません。さらにお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/14
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015・福田一
○国務大臣(福田一君) 私は実をいいますと、政府提出の法案が重いとか、あるいは議員提案——まあ、一般論を申し上げるのでありますが、重いとかいう考え方は、いかがかと思っているのでありまして、議員の立法権というものは、これは非常に重大な権利でございまして、議員のお方が必要とあれば、法律の改正をなさる権限を持っておられるということは、当然のことと考えております。したがって、議員立法で出したからどうか、あるいは政府提案だから重要である、こういう考え方は持っておらないわけでありますが、しかし、いままでの経緯——一昨年はそういう事情がございまして、議員提案で出していただいたのでございますから、引き続いて議員提案として御審議を願うということについて、われわれとしても議員提案だから軽いとか重いとかいう、そういうことは考えておりませんので、そのことはやはり議員提案としてやっていただいてけっこうである、議員のいわゆる立法権というものを尊重申し上げる意味からいって、これは政府提案と何らそこに軽重を付すべき理由はない、こういう気持でございますので、引き続いてやっていただく、こういうわけでお願いをいたしているというわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/15
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016・藤田進
○藤田進君 そうすると、前回の提出の時期における理由というというのは、石炭その他で忙しかったとおっしゃるわけですか。それだけの理由ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/16
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017・福田一
○国務大臣(福田一君) その当時はなかなかいろいろ皆さんの御協力を得て、この問題の解決をいたしたのでありますが、石炭の問題にしても、中小企業の問題にしても、これはたいへんな——一歩を誤まれば、日本の経済にも、社会問題にも、重大な影響を与えるような大問題である。そのほかに法案が三十本ぐらい出ている、まあ、それを含めてでありますと、三十一本も出すという段階において、なかなか政府としても手が回りかねる、こういう考えから、まあ議員立法でやってはどうか、こういうようなことでございまして、それならばお願いをいたしたい、こういうことであったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/17
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018・藤田進
○藤田進君 前回のときは政府、通産大臣としては、忙しいからといって、あまりタッチしないで、議員提出にすべてをまかせる、忙しいからということだったのですか。そうじゃなくて、やはりそのことがいいか悪いかということは、主管大臣としても、主管省としても、十分検討されて、了解を与えられたのでしょう。その限りにおいては今回と同じことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/18
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019・福田一
○国務大臣(福田一君) もちろん議員立法としてお出しになるときに、これがいいか悪いかということは十分判断をいたしまして、けっこうであると同意をいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/19
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020・藤田進
○藤田進君 政府提出の場合と、議員提出の場合と、その忙しさということについてどこがどのように違いますか。われわれは、そんなに変わらないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/20
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021・福田一
○国務大臣(福田一君) ただいまこれは議員立法でございますので、私がここに出ておりますのは、補助説明員という立場に相なっておろうかと思うのであります。提案者が、実は提案の全責任をお持ちになるのでありますから、主たる質問応答あるいはその他については提案者がこれを担当される。政府側は、議員立法の場合におきましては、総理以下、必要とあればこれは補助説明員という立場でございますので、その意味でいささか負担が軽減される。そういう意味で、審議の過程における負担は軽減されるものと考えておったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/21
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022・藤田進
○藤田進君 そう言われれば聞きたくなりますが、あなたがこの電源開発会社の監督の責任にあるわけでしょう。法案の審議の場合に、いまの負担の問題は精神的なものが主であって、忙しさという面からいえば、時間的、物理的には所管大臣として当然出席もしなければならぬし、そうなれば、議員提出だろうと、政府提出だろうと忙しさという物理的な問題については、何ら変わりはないのじゃないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/22
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023・福田一
○国務大臣(福田一君) 私は物理的な関係では変わりがあると思っております。政府提案の場合には、やっぱりここへ来て提案理由の説明からあらゆる責任において御答弁申し上げることになるわけでありますから、議員立法でございますれば、議員が提案者でございますから、主たる説明はその当該議員がなさる、こういうことになるわけであります。だから、私はその意味で、物理的にはやはり差があると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/23
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024・藤田進
○藤田進君 そうすれば、物理的にあなたのそれぞれ国会中におけるスケジュールから出たくないと思えば出ないで済む、議員提案ならば、だから手も省ける、そう聞こえるわけです。そういうお答えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/24
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025・福田一
○国務大臣(福田一君) そういう意味ではございません。やはり議員提案であっても、議員の方が御質問があればやはり出てこなければなりません。しかし、主たる答弁、主たる責任は、やはり提案者の議員がお持ちになることだろうと考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/25
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026・藤田進
○藤田進君 これは福田さん、いささか形式論じゃありませんか。政府自身としても必要だといわれる以上、政府のこの改正を必要とする所見というものは当然ただされるし、提案の理由の説明も省けるとおっしゃるけれども、これはいまお聞きしましたように五分かそんなものです。ですから、理由の最大のものは、いまのところから承ると、時間的に忙しかった、そこでこれらの労を省くために、他に集中をするために議員提出にしたということについては、大臣なりあるいは通産省当局の政府委員を含めて、それは必要があれば委員会に出席するという態度である以上、とすれば、まだほかにこれは理由がなければならぬ。今回はこの前の経緯にかんがみて、引き続き議員提案ということはいえるかもしれないが、そもそも前回の提出した時期における理由ということに関する限り、もっと他に理由がなければならない。そうでないとすれば、非常に軽視してきた、電源開発株式会社の人的構成等を含めて真剣に政府自身が、通産大臣が取り組んでどうしようという定見を持っていなかったといわれてもしかたがない、いままでの御理由であれば。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/26
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027・福田一
○国務大臣(福田一君) そういう責任の問題とか御批判の問題は、これは私はこれに対してお答えを申し上げるわけにはいかない。藤田委員がそうお思いになるということについて、また政府として責任があるということでございますれば、これを私は弁明するというか、そういうことは質問応答の範囲を越えることであると私は思うのでありまして、ただ経緯を申し上げて、決して他意がなかったのだということを申し上げる以外に私としてお答えいたしかねると思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/27
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028・藤田進
○藤田進君 それは答えようが答えまいがあなたの勝手かもしらぬけれども、客観的にはそういうことが成り立つ。それに対して、いやそうではないというここに理由がなければならぬ。しからば、アジ研のほうは一名の増員である。これは政府が出す。さらに内容もかなり重要であり三名を増員するという電源開発会社については議員提出にする。この違いはどこに求めているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/28
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029・福田一
○国務大臣(福田一君) 先ほど申し上げましたように、電源開発の場合には、一昨年の経緯から見まして議員立法で出していただいておりますので、今度もそういうふうにお願いをいたした、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/29
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030・藤田進
○藤田進君 それが理由ではないのです。この前に出したときの理由、これ自体も。これは、アジ研はその後時期が変わって本国会に出したとおっしゃるだろうけれども、これはもう当然こういう機構に関すること、特に理事をどうするといったようなことについては、当該電源開発株式会社自身がどうあるべきかということがまず第一の動機にならなければならぬでしょう。それをぶっつけて法改正という場において実現していこうとすれば、当然電源開発株式会社は通産大臣に持ち込むのが筋じゃありませんか。監督行政の筋からいってもそうでしょう。通産大臣に持ってきた場合に、通産大臣としてはその必要があるかないか十分検討されて、必要があれば通産大臣のその意思の決定のとおりに処理されたらいい。今回の場合は、電源開発株式会社として通産大臣、通産大臣から議員提案になった。そういう経路なのか。その筋道を、前回お出しになったとき、ないし今回にわたって、その経緯をひとつ聞いてみましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/30
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031・福田一
○国務大臣(福田一君) 先ほども申し上げましたように、一昨年はそういうようなたくさんの重要法案があって、なかなか事務がふくそういたしておりましたので、議員提案でお願いをいたした。今度は議会も解散があったから切りかえるべき時期ではないかということについては、お説のうちに確かに筋の通った面があるというか、われわれとしても納得する問題がございますけれども、しかし、前に提案しておったから今度もひとつお願いしようという、これはまことに単純過ぎるではないかといっておしかりを受けるかもしれませんが、そういう意味で、実は出しておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/31
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032・藤田進
○藤田進君 いや、筋道、経路をいまお尋ねしておるわけです。前回の場合でけっこうです。一応限定してお伺いしますが、どこから話が出てどうなったのですか、この前は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/32
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033・福田一
○国務大臣(福田一君) 電源開発株式会社のほうでそういうような希望をいたしておりますし、通産省といたしましても、それは必要であろうということは認めておったのでありますが、しかし、その場合、先ほど申し上げたような事情がございましたので、与党である自由民主党とも相談し、また自由民主党のほうへもおそらく電源開発のほうから要望があったのだと思っております。そこで、その相談の上で自由民主党から提案をするということにいたしたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/33
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034・藤田進
○藤田進君 まず増員の必要性を痛感して持ち込んできたそもそもの動機、始まりというのは、電源開発株式会社から話が出た、これはそのとおりでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/34
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035・福田一
○国務大臣(福田一君) 監督をいたしておりまする通産省としても、少しこれは少ないのじゃないかという感じは、また、考え方はもちろん持っておりましたが、直接の問題といたしましては、そういう話もあり、それはどうしたらいいかということで、いろいろわれわれとしても相談をした結果、やはり必要であろう、必要であろうが、この際は非常に事務がふくそうしている。たまたま与党のほうへもそういう話が電発からあったのじゃないかと思うのでありますが、そういう話があって、与党のほうでも研究をされた。法案を提案いたします場合には、あらかじめ与党と連絡をとって法案を提案することになっております。そこで、そういう話し合いをしたときに、それならば、ひとつ与党のほうで議員提案で出そうかと、こういうことで話がまとまった、こういう経緯でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/35
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036・藤田進
○藤田進君 そうすると、電源開発株式会社のほうがことの始まりというよりも、通産大臣のほうにおかれても、かねて三名程度は、あるいは何名にしても、増員せざるを得ないだろう、必要だろうと、かねがね両者相まって思っていた、こういうことですか、この事態の真相というものは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/36
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037・福田一
○国務大臣(福田一君) われわれのほうでもそういう問題はもちろん考えておりました。また、電発のほうからもそういう要請があったと、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/37
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038・藤田進
○藤田進君 そうすると、電源開発株式会社としては、筋としては、大臣——所管大臣に必要性を訴え、あなたのほうもそうだと思うと、こういうことだったのだが、通産大臣としての筋としては、与党のほうの、ひとつ、おれのほうは忙しいから、議員の提案としてこれを進めてくれないかという御注文をなさったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/38
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039・福田一
○国務大臣(福田一君) 注文をするといいますか、こういう話し合いがあるのだがという話をしたときに、いや、おれのほうにもそういう話があった、何ならひとつおれのほうでやろうと、実は、私のほうからいえば、いろいろ問題が多いので、そう願えればけっこうだと、こういうわけで、そこいら辺は、意気投合というのもおかしいですが、どちらが特に能動的だというわけのものでもございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/39
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040・藤田進
○藤田進君 将来についても、通産大臣は、電源開発株式会社等について、そういう態度で臨むという考え方ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/40
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041・福田一
○国務大臣(福田一君) 私は将来について、どういう問題が電発で起こるか、これは問題でございますので、概括的にこれを申し上げるわけにはちょっといかないと思うのであります。ただしかし、通産行政に関することでございますから、好ましい形としてはやはり通産省が提案をするという姿が好ましいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/41
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042・藤田進
○藤田進君 本法案についてもそうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/42
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043・福田一
○国務大臣(福田一君) 本法案は、先ほど申し上げたような経緯で議員提案に相なったわけでございまして、私たちとしては、今度の場合は議員提案で御審議をお願いをしている、こういうわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/43
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044・藤田進
○藤田進君 いや、望ましい姿はこうだと、政府提案が望ましいという考え方をいま披瀝された。ですから、この場合でも、望ましいのはそうであったけれども云々ということなのか、この場合は議員提出が望ましい、あり方として……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/44
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045・福田一
○国務大臣(福田一君) 経緯はそういうことであったわけでありますが、私は、こういうふうに一応、議員が御提案になって御審議を願うということであれば、私も議員の一人ですから、いまは通産大臣をいたしておりますが、私も議員の一人であります。議員の一人として考えてみました場合には、議員提案で一応出したのでありますから、議員提案で御審議を願うことが好ましいと、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/45
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046・藤田進
○藤田進君 時点がそれは違うので、私はまだ出たあとのことは言っていないので、出すについて政府で出すべきであったのではないか。私のお尋ねしたような、その趣旨にあるように、あなたも電源開発株式会社そのものの発足が議員提出であったしということは、先ほども言われているとすれば、どこに基本があるんだろうか。議員提案で発足したところの創立されたところの、こういうものは、自後も議員提出ということが望ましいかのように聞こえた。だんだん明らかにしてまいりますと、所管省である通産省、通産大臣が出すのが、これは望ましいんだとするならば、この場合も、その創立以来の経過から議員提出がいいというふうには聞こえたけれども、考え方の基本としては、所管大臣、国務大臣としての私は答弁を聞いているので、一議員がどうだこうだと言っても、それは意味のない話で、この前も政府提出が望ましいけれども、それを凌駕するところのその時点における理由があった、望しくはあるけれども、そういう例外としてこれは出したというふうに解すべきなのか。われわれは受け取る場合ですね。出たあと、それはここへ出ているんですから、これは議員提出として審議をしてくれというのは、これは当然なことです。そうでなくて、提出するまでのその手段がわれわれどうしてもただしておきたいという、その点をこうして重ね重ね聞いているわけです。ポイントをはずさないでひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/46
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047・福田一
○国務大臣(福田一君) 私は一般論から申しますと、これは政府は行政、議員は立法、これは三権分立というのが民主主義のたてまえでございますから、たとえこれが政府提案の法律でございましても、あるいは議員の法律であっても、立法権というものは議員がやはりお持ちになっている姿があってしかるべきだ、これは当然のことであると思っております。ただしかし、行政の立場において監督をいたしている会社の問題でございますから、このことを会社を監督する場合において必要性を認めるということであれば、これは政府のほうから提案をするのが政府側にある場合においては当然だと——当然といいますか、望ましい姿である、こう思います。しかし、そういうような行政府の姿であったといたしましても、議員の側からごらんになって、これは好ましくないと思って提案をお出しになるということも、これまたあってしかるべきじゃないか、これは私はそう思うのであります。ただこの場合において、政府側としてどうであるということであれば、 われわれが一応そういうことを認めておったわけでありますから、できればやはり政府提案にしたほうがいいのではないかという感じはあるのでありますが、事情が一昨年そういう事情で議員立法として提出することにしたので、そうきまり、その後は議員立法でお出しになったので、また議員がそういうような審議権を、立法権を持っておいでになるという趣旨をいささかも阻害しないということも、一つの考え方であるということもありまして、ひとつそのままの姿でまたやっていただこう、こういう気持ちでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/47
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048・藤田進
○藤田進君 答弁になっていない。要するに簡単に言えば、るる言うように、あなたも答弁にあるように、事柄の性質上、通産大臣として政府提出するのが望ましいけれども、他の理由でやむを得ないというふうに私は受け取ったわけですが、重ねて聞けばそうではないとおっしゃる。
提案者にお伺いしますが、提案者としても、前回の場合、あるいは今回の場合とを通じて、本来通産大臣がいわゆる政府提出としてこの改正案を出すことが望ましいと思うけれども、他の理由によってそれも待てないとか何とかで、この際は議員提出という形をとった、こういうことなのか、いやいや、こういうものは政府提出すべきでなくて、むしろ議員提出のほうが妥当である、この二つのうちではどちらをとったわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/48
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049・神田博
○衆議院議員(神田博君) ただいまの藤田さんのお尋ねでございますが、私のほうもこういう案件については、政府がお出しになるのが一応の筋ではなかろうかというような考え方が相当あったのでございます。そういう考え方で実は折衝の過程もございました。しかし、いろいろ折衝いたしております間に、いま通産大臣からもお答えがありましたように、政府のほうではたくさんの法案をかかえておられる、その与党でございますので、そうした政府の事情をお聞きいたしますと、しかもまた、電発の情勢が早く整備したい、事業を始めたいというような要請もございまして、政府とよく御相談いたしまして、党の提案に変える、党の提案にいたしましても、国策会社でございますので、いろいろ経緯はございましたが、野党の方々にもひとつ御相談をしてというような経過も経て、先ほどちょっと申し上げたのでございますが、こういうようにお願いすることになったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/49
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050・藤田進
○藤田進君 じゃ明確にしておきますが、提案者としても、一般的な問題ではなくて、この改正案についても本来政府提出が望ましい、主観的にはそう思ったし、またそのような折衝はもったけれども、他の理由でそういかないので、あえてこの際は議員提出にした、こういうことになるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/50
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051・神田博
○衆議院議員(神田博君) そういうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/51
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052・藤田進
○藤田進君 通産大臣はどうですか。先ほど来の御答弁は、かなり突っ込めば警戒したような形であなたは問題点を不明確にして進もうとされておる。提案者はっきり言っているじゃないですか。しかし、提案者と所管大臣は違うでしょうから、あなたの所信を伺っておきます。この法案について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/52
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053・福田一
○国務大臣(福田一君) 私が申し上げている答弁が確かに——混迷をするということでございますが、なるほどそうかと思います。なぜかというと、私は政府としての立場ということと、また議員としての立場ということと両方お答えしておったかと思うのでありますが、その点が非常に誤解を招いたと思いますが、私は政府という立場から考えてみますというと、やはりこれは政府が監督をしておって必要と認めるならば政府が一応出すのが筋だと思っております。しかし、一昨年そういうような非常な重要な案件をたくさん控えておった関係上、与党と連絡をとって、与党のほうで議員立法にされたという関係がございまして、筋からいえば、政府が出すほうが筋であるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/53
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054・藤田進
○藤田進君 いや、われわれ社会党としても、これから審議をいたしまして、最終的にはこの法案の処理をどうするかは、もちろん審議をしてきめるけれども、まず、概括的に見た場合、電源開発株式会社の現状から見て十分考慮に値するだろうという考え方は、両院とも、われわれも党は党の機関を持っていますから、相談をしてやっている、それがかなり衆議院段階でも混迷したのは、通産大臣の御答弁というものが、議員提出、政府提出をめぐってすっきりしない、やはり将来のこともあるし、立法府の審議態度としてはその点は明らかにして、そして必要性について論じたいという、むしろ前段の問題で、かなり混迷を進めていたと思うのです。私はこの内応に入っていく際においても、あるいはこの委員会には相当の法案が通産大臣の所管にかかっておるけれども、もっとその辺はあまり右顧左べんしないでずばりとものを言ってもらいたいと思うのです。お互いに議員ですからね。わかります。その言葉のあやとか表現の巧拙とか、そんなことじゃなくて、ほんとうの腹がどうなんだろう、これさえわかれば国民に対しても先へ進めると思うのです。
そこで、政府提出が望ましいと両者考えられたわけですが、そうならなかった理由としては、当時前回の場合、石炭政策その他非常に繁忙であった。ということが一つの理由にうかがわれるわけです。もう一つ理由としてうかがわれるのは、この電源開発株式会社の創設というものが、そもそも議員提出で出てきたんだから、この際も、そういうことも加味して議員提出とこういうふうにまず受け取れるわけです。しかし、第二の議員立法で会社創設ができたということは、私は今後とってもらいたくない。いつまでも議員提出の電源開発促進法であり会社法であるということが、そんなに将来つきまとっていくべき性質のものではない。これはやはり創設された以上、あげて国会に対しては、立法府に対しては、行政府である通産省が責任を持ってもらわなければならない。通産大臣が責任を持たなければならない。その責任を持つということは、単に監督行政のみならず、立法の分野においても、法改正等、十分見られる必要がある。それは電源開発株式会社が発議される場合も多くあるでしょう。それは当然のことだと思う。それから第一の非常に繁忙であったということについては、私はどうもそれだけの理由ではのみ込めません。あるいは政府都内にも今日、公社、公団、事業団といったようなものが非常にふえて参りました。昨日も鉄道建設公団ができるというような、もう典型的資本主義の構造なんです。日本の場合も。したがって、他の行政府部内における均衡上の問題とか、あるいは大蔵省の意見もあるでしょう、といったような、私はそれぞれこれもやむを得ない。われわれもあり得るだろうと思われるような理由は、やはりそういうものが明記されておらないけれども、あったに違いない。そういうものも、この際、事の緊急性から見て議員立法にするという理由にあったんじゃないだろうか。ほんとうにあれば、それを何も隠して——といっては語弊があるかもしれないが、まだそこまであなたの言われる段階にきてなかったのかもしれないが、いろいろなそういう事情は委員会に明らかにされていいと思うのです。それがあるからといって、それが池田内閣の命取りになるとか、通産大臣のどうとか、これは問題によりますよ。けれども、そういう事情を率直に言われて、それがどうのこうのということはないと思うのです。私は各委員会で、ここに十何年おりますが、いろいろな大臣にも接触してみた。まあいいところもある、悪いところもある。河野さんなんかとやり取りしてごらんなさい。検討します——あまりそんなことは言わない。検討しますといった翌日はきちっとやっておる。あの人はその場で事をきめる。きめた以上は、それを推進する実行力がある。ですから審議も非常に進んでもいくし、お互いが腹がわかって、国政の上にプラスになっておる面があると思う。マイナスの面もあるでしょうけれどもね。私は人の名前を出して対比しては失礼ですけれども、どうも福田さんの場合は、よく言えば非常に慎重過ぎますよ、ものごとが。そのためにかえってどうもすっきりしない。理論上、感情的にもすっきりしないといったことで、かえってもたもたしてしまう。
私はもとに返りますが議員提出にしたについては、望ましくはないけれども、かようにした理由についてどうもいま申し上げた二つ、その一つは会社の発足以来の経過というものはどうも理由にならないし、そうあってもらっては困る。それから忙しかったということもどうも理由の一つとしては取り上げにくい。私だけじゃないと思う。そうじゃなくて、総合的に見て、もっと議員提出にされるという与党の中の一つの方法ですよ。これは政府が出さなかったり——今度の祝祭日だとか、金鵄勲章だとか、いろんなものがやはり出てきますが、それぞれの議員提出にする理由というものは、どうも政府は忙しいから議員のほうでやっておけ、そういうものが大きなウエートは持っていないのです。この場合も他に、一つ、二つあるいは三つでもけっこう、議員提出にしたという理由はあるに違いない。明らかにされれば、われわれが納得いけば、次に進んで、本体に入っていきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/54
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055・剱木亨弘
○剱木亨弘君 ちょっと関連してよろしゅうございますか。——いまの私は藤田君の意見も速記録なんかに当然なると思いますから、重大な問題だと思います。われわれ党人として、これは提案者に私のほうとしても聞きたいのですが、提案者の神田さんは、これは党人としてずっと長い御経験のある方ですが、いま、日本の国会のあり方について、私はあまりにも政府提案が多過ぎる。立法府としては原則として議員立法がこれは主体でなければならない。たとえそれが行政官庁の行政事項でありましても、立法事項である限りは、これはできるだけ国会議員が発議して、そして議員立法でいくべきだ。ただ、残念ながら、われわれが勉強が不足でそれができない実情でございますが、できるだけひとつ議員立法を本体とすべきだという考え方をもっている。それで、この問題につきまして、その最初のいきさつのいかんを問わず、神田さんが発案者として議員立法をやられて、全く同一の法案を、これを、議員立法やったのを政府が取り上げて政府提案にするということこそ、私はおかしい問題であって、議員立法で政府が認めた以上は、これは当然に議員立法の精神を私は通していくべきだ。その点はちょっと藤田さんと私は違いますけれども、もし、行政権の範囲に属する問題であるがゆえに、議員立法が不適当であるというならば、おそらくこれは社会党さんのほうから、いろいろな議員立法を出すなんということはおかしな問題になってくる。私はどんなことであろうとも、議員である限りはどしどし立法していいんじゃないか。ただ、政府与党であるがゆえに、出すためには政府と連絡をとり、その出すことについて承認を得なければなりませんけれども、しかし、それだから、私に言わせれば、この法案の内容が必要であるかどうかということは、これは審査の対象になりますけれども、議員立法であるとかあるいは政府提案であるとかいうことは、そう論議をされなくても、私はいい問題ではないかと存じますが、この点につきまして、いままでの御答弁では、いかにも議員立法でやるのは不適当だが、頼まれたからやったというようなお考えですが、私どもに言わせれば、むしろ、なぜ政府はどんどん議員立法に持ってこないのかというふうに、これまでも私どもは主張してきたし、また今後も主張したいと存じます。アジ研のことをいま申されましたが、アジ研については、これはもちろん私は議員立法でやってもいいと思う。しかし、そのアジ研の理事をふやすについては、おそらく政府の予算に関係を持つと存じますので、これは政府が提案されたとしても不適当とは存じません。しかも、この問題はすでにもう過去においても議員立法されたのですから、これは理由なく、政府が取り上げて政府提案にするなんということがあったら、私はむしろその逆に、そういうのはけしからん、なぜ議員立法でやっておいて、あのときにはよかったのに、今度はなぜ政府が取り上げるのだと私は言いたい。その点、ひとつ提案者のお考えを聞きたいのです。私は党人として、当然に議員立法を本体とすべきだ、それを議員立法にするのはおかしいということは、われわれ立法府自身としては許すべきことじゃないと私は思う。その点をひとつお考えを承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/55
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056・小林英三
○小林英三君 なお関連して。私もいまの剱木君の御発言に対しては敬意を表している。これは先ほどから委員各位と提案者並びに通産大臣との間の質疑応答を聞いておりますと、これはお聞きになる方はお聞きになる方の権利としていいのですけれども、提案者あるいは大臣の答弁を聞いておりますと、これは社会党であろうが、自民党であろうが、共産党であろうが、それは国会という大きな立法権、あるいは議案を出す権利を持っている。だから私はいま剱木君のおっしゃることは当然であって、今後国会の権威のために、はっきりと率直に提案者は、この議員立法にしたということに対してお答えおき願いたい、速記録にとどめておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/56
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057・阿部竹松
○阿部竹松君 ちょっと関連して。剱木先生、小林先生の御発言は、ちょっと藤田先生の質問の趣旨を誤解されておるのではないかと思う。質問の劈頭にあたって、憲法上あるいは国会法上、議員提案は認められておるのだから、議員提案は大いによろしいと、こうおっしゃっている。ただし、ただし、だね、この種の改正案は、いみじくも福田通産大臣の答弁の言葉の中にもあったとおり、政府が監視、監督の責めがあるのだから、政府がおやりになるのが当然であろう、こういうことを言っておる。議員立法がいかぬとは一言も言っておらぬ。それを拡大解釈して、これはたいへんだということで、相なるべくは剱木先生のお話を、人の発言を疑ってはいかぬけれども、まごまごしておると社会党は議員立法が出せぬことになるような発言になっているということになる。そこで神田さん、あるいは提案者の小笠先生もお見えになっておりますから、お尋ねしますが、ぼくの記憶に誤りがあったり、知っておらぬところがあるかもしれませんけれども、まあ公団、公社、事業団、開発銀行、膨大にある道路公団、こういうところには、理事とかあるいは総裁とか理事長とかがおられる、ふやした場合も何回もある。一つの国会に一件か二件出てくる。しかし、勉強不足かもしれませんけれども、議員提出でこれを増員したという記憶は、私はない。これは立法府ですから、法律をつくるまではわれわれの責任だけれども、法律をつくった以上は行政府の手に移るわけです。そうすると、行政府の責任において処理していくわけです。そうすると、人が多いか少ないか、そういうことは行政府は一番わかっているはずです。通産大臣のほうが——神田先生に、言ってたいへん気の毒だけれども、毎日監督しているのだから通産大臣のほうが詳しいはずです。そうすると、社会党のわれわれだったら、なかなか大臣には言うことを聞いてもらえぬけれども、あなた方は与党だから、与党のほうから大臣あるいは総理に要請して、当然いままでの慣例どおり、これは政府提案として出てくるべきだと私は思う。いままで一ぺんもこの種の問題について、議員立法として改正案を出されたことが、衆議院はいざ知らず、参議院のほうはない。しかし、両院を通らなければ成立しないから、参議院にないということは衆議院にもおそらくないと思う。どうですか神田先生、ありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/57
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058・神田博
○衆議院議員(神田博君) お答えいたします。まず第一に剱木さん、小林さんのお尋ねでございますが、議員提案は憲法上認められている重大な権限なんだから、何も遠慮する必要はないじゃないかというような意味の、いろいろ例を引かれたお尋ねでございますが、理論的には、私もそういうふうに考えております。まことに同感でございます。ただこの問題がいま審議の途上にいろいろ質疑応答をやりましたような経過を経てまいりまして、その経過を申し上げまして御了承を得たいということでございます。
それからただいま阿部さんから、公社、公団で一体党がこうして人員をふやした例があるかということでございますが、これは私もあるという記憶はございません。ただ、予算が伴うものについては、与党の立法も政府から遠慮してもらいたいということになっておりまして、まあそういうことで、これは大体そういうことをやらぬというようなことが、われわれのほうには常識といいましょうか、申し合わせになっております。まあ公団の場合は、御承知のように、理事を増員いたしましても、政府の予算で組んでいるわけでございませんで、事業費等でやりくりするわけでございますので、これは少し違うんじゃなかろうかと。そういうことも検討いたした結果、これは議員提案でよろしい。それから、立法権はまあわれわれが持っているわけでございますが、今度の場合はいろいろ折衝の過程において、まあこの法自体も議員立法であったという——一つの理由だということで、それが全部の理由だというわけではないわけでございます。予算の伴うものに与党が人員を増していくというようなことはないことが私は当然だと思う。この場合はそういうような性質じゃなかったということが、やはり議員提案ということになった事情でございます。簡単でございますが、お答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/58
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059・阿部竹松
○阿部竹松君 関連質問。議員立法であったと再々おっしゃられるけれども、確かにそのとおりですがね、論議するまでは議員の責任であり、政府が出した場合には政府の責任ですが、一たんきまった以上は、議員立法であろうと政府が出された法律であろうと、行政府の手に移るんですから、それはもう何ら発足の根源は関係ないわけです。ですから、私が言いたいことは、電源開発のほうで五名で足りませんということで、三名ふやして下さい、五名ふやして下さいということは、福田通産大臣のほうへ一番先にこれは要請しなければならぬと、私はこう解釈するんです。おそらく福田さんのところへ一番先に行ったものだと思う。ところが福田さんがいやだとおっしゃったから、神田先生のところへしからば頼むということになったのかどうか、それはわかりませんがね。改正案というものは膨大に十も十五もありますが、こういうのは全部行政府で出しておりますよ。それはもうぼくの発言に誤りがあるかどうか、神田さん首を傾けておられるがね、立法考査局にお尋ねしてみなさい。ぼくはやはりそういうことは筋が通らぬじゃないかということなんです。一番監督して一番責任ある福田さんのところでふやしてくれと、こう言うならわかる。あなた方は与党なんです。社会党のわれわれであれば、政府にこれやって下さいと言っても、それが拒否された場合には、もうこれはやむを得ず法の権限の範囲内において法律を作って御審議を願うわけですが、あなた方のほうでそれは監督の立場にある通産大臣、総理大臣を持っておられるんだから、そこらあたりどうもすっきりせぬ。まあ関連ですから、これでやめますがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/59
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060・神田博
○衆議院議員(神田博君) 私ども考えておりますことは、政府・与党というのは一体でございますから、与党がかってに議員立法するわけでございません。また政府側にいたしましても、政府が法案を作って議会に出す場合には、与党に断わりもなしにやっているような仲ではございません。もう実に一体になって、政治の責任をとるということでやっておるのでございまして、もうこの問題につきましても、政府と完全な意見一致で、まあ、どういうふうにしたら電源会社の業務が円滑に十分遂行されるか、それをできるだけ早くするにはどうしたらよかろうと、こういうことを基本的に御相談いたしまして、そこで先ほど大臣からも御答弁ございましたように、当時の通産省としては、非常に大きな問題をかかえてたくさんあると、そこでまあ少し荷を軽くというと言葉がどうかと思いますが、与党のほうでひとつこれは持ってくれぬか、それではひとつこれをやろうじゃないか、というようなことで進めてまいったわけでございまして、いま阿部さんの言われるように、何か政府と党がちぐはぐなことで、こっちが電発から頼まれたから政府へ持ち込んだとか、電発が政府に頼んだが、荷が重いからこっちへきたというような、そんな程度のものではなく、私ども常識人として、十年前発足当時五人でやっている。これはもう責任体制からいって、海外にも理事が出てゆく、これは理事は会議制なんですから、それじゃほんとうに仕事ができないということが、これはもう常識的に読めるわけでございます。そういうわけで、少なくとも相当数増員しなければならぬじゃないかというようなことでございまして、両者検討した結果、三名増員いたしたい、こういうことでやっておりますので、政府と党との間にすきと申しましょうか、意見の相違等はございません。これはまあ、答弁いたしておりますと、みなニュアンスがいろいろ違いますから、多少何か違うのじゃないかと思われることがあろうかどうか知りませんが、これはほんとうに一体になってやっておりますので、この点ひとつ、誤解のないように御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/60
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061・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 委員各位に申し上げます。通産大臣の出席時間は、約束の時間を経過いたしましたので、大臣に対する質疑がございましたら、簡単にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/61
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062・藤田進
○藤田進君 もう質疑はしてあるのです。御答弁をお伺いしている間に、関連をお許しになったわけです。審議を促進する意味で、二度申し上げませんが、私の質疑に対するお答えをいただきたい、そのことをむしろ、委員長、注意されるべきである。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/62
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063・福田一
○国務大臣(福田一君) これはもう要するに、藤田委員のお話しになったことは、政府が出すのが筋ではないかということと、政府が出さなかったのには、裏があるのではないかと、こういう御質問……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/63
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064・藤田進
○藤田進君 裏とは申し上げておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/64
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065・福田一
○国務大臣(福田一君) 何か理由があるのじゃないかということですが、まず第一点は、先ほどお答えをいたしたとおりでございます。第二点の何かほかにあれがあったのじゃないかということでございますが、これは電力の問題であるから、いろいろな問題はあるでありましょう。しかし、この法案を提案する段階において、私たちとして、何も別に裏といいますか、理由というようなことは、何も考えてはおりませんでした。これははっきりさしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/65
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066・藤田進
○藤田進君 そうすると、まあ、理由のない理由でしょうが、剱木委員あるいは小林委員の御同調の御発言があったわけで、これについては、かねて両委員とも、現実の立場に立ってということをおっしゃるわけで、国会は憲法なり国会法、国会規則を中心に運営されているが、それだけでは足りない、先例あり慣行という——特に先例録はこまかく規定されて、こういうものが、議会運営の、あるいは政府が提案なさる場合等々も、慣行ということ、先例ということが中心になるわけでございます。これを否定する人はない。ですから、現段階において、神田提案者も言うように、与党に関する限りは、これは政府が出した場合も、議員が提案する場合でも、一体となって、党の機関にもかけ、党議としてきまり、政府は閣議としてきまって出す。いわば議員立法ないし政府提出というものは、実体的にはもう一本化されている。そこで憲法に定める議員立法、議員提出というものを、われわれも否定するものではないことは、冒頭申し上げたとおり。かといって、現時点この法案審議の際において、いきなり、まあ、すべてとおっしゃったけれども、これはぼくは予算は政府の提案権が専属的だと思っております。あるいはその他の条約もそうだと思う。ですから、これは剱木さんの言葉足らずと理解いたしますが、現状ないし過去の先例、実績、慣行から見て、もうすべて法案に関する限りは、議員提出だということは非現実的な御議論であろうと思うのです。そうありたいとすれば、立法府自体において、もっともっと立法機能についての充実もはからなければならぬでしょう、予算措置もしなければならぬでしょう。そこで、そういう私どもは非現実的な議論は、党の政策の上にもこうした議論の上にもやっておらないわけです。そこでこの事案については、本来両者とも、主管大臣福田さん並びに神田さん含めて、私の質疑に対しての御答弁、私がさらに念押しをいたしまして、お答えの点は、これは本来政府提出にすることが望ましいと考えたわけです。他の関連質問はありましても、この点は変更されていないわけです。とすれば、政府が忙しいから先般の場合も議員提出のほうにお願いをしたということだけではないのだろうと申し上げたわけですが、この点ほかにはないのだと、あれきりだと、こうおっしゃるわけであります。とすれば、われわれのほうで、これをどう判断するかということにせざるを得ないし、また引き続きまして通産大臣御出席いただいて、十分ひとつお考えいただいた上で、さらに明確にしていきたいと思うのです。ただ、電源開発株式会社が当初の発足のときの立法が議員提出であったという理由を言われましたが、ぼくはこの点は、そういう考え方は、一般的にも、具体的にも理由としては好ましくないのじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。この点だけは、まず、ここに議論に出た問題ですから明らかにしておきたいと思います。それで、これは通産大臣やむを得ないですけれども、言っていただかなければいけません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/66
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067・福田一
○国務大臣(福田一君) 仰せのように、議員立法でありましょうとも、通れば法律なんでございますから、これは私は、議員立法のものは議員が提出する、あるいは政府提出は政府がやっておる——あなたのおっしゃるとおり、議員立法であろうと、政府提案の立法であろうと、その意味においては、違った取り扱いをすべきことは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/67
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068・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/68
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069・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 速記をつけて下さい。
他に御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/69
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070・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 次に、参考人の出席要求に関する件についておはかりをいたします。
電源開発促進法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「提議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/70
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071・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 御異議ないと認めます。
なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/71
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072・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/72
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073・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 次に、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、鉱業に関する件の調査を進めます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/73
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074・大矢正
○大矢正君 午前中時間もあまりありませんので、質問の前提ともなるべき政府の鉱業政策の中の特に硫黄産業についての最近の状況を二、三お伺いをしたいと思います。
そこで、私どもが考えております現在の政府の鉱業政策の中の特に硫黄産業に対する対策等につきましては、あらためてまた質問をすることにして、資料として、この際、質問したいと思います。当然のこととして最も近い日に、これから質問を申し上げまする内容の資料を私どもに提出願いたいこともあわせて申し上げておきたいと思います。
そこで、最近三年間——と申しますのは昭和三十五年、六年、七年度の硫黄の、需要量はどの程度であったかということ、あわせて三十八年度はおおよそどういう数字があらわれてくるか、まずこれが第一点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/74
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075・加藤悌次
○政府委員(加藤悌次君) お答え申し上げます。最初の過去三年間の国内における硫黄の需要量についての御質問でございますが、昭和三十五年度二十五万三千三百トン、三十六年度二十四万七千八百トン、三十七年度二十三万七千八百トン、これは現実に需要家のところで消費をした数字でございます。それから三十八年度の見込みといたしましては二十六万二千八百トン、こういう見通しをいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/75
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076・大矢正
○大矢正君 引き続いて、ただいま申し上げました各年度ごとの輸入量、それから国内産出量、これを数字的に御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/76
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077・加藤悌次
○政府委員(加藤悌次君) お答え申し上げます。輸入量につきましては、ただいま申し上げました三十五年から七年までにはございません。本年度の輸入見通し量でございますが、大体のこれは見通しでございますので、このとおりいくかどうかわかりませんが、三万七、八千トンぐらいの入着ベースで輸入がある。場合によれば概略大体三万九千トンでやっておるわけであります。大体三万七、八千トンぐらいではなかろうか、こういうふうに思います。
それから国内におきます生産量でございますが、三十五年度——御承知のように二つございまして、硫黄鉱山で生産されるものとそれから石油精製等からいわゆる回収硫黄ということで副産物でございますが生産されるものと、この二つがあるわけでございますが、この二つに分けて数字を申し上げます。三十五年度は鉱山における生産量が二十四万六千八百トン、回収が八千百トン、合計の生産量が二十五万四千九百トン。三十六年度、鉱山におきます生産量が二十四万一千七百トン、回収硫黄が八千二百四十トン、合計二十五万トン。三十七年度鉱山におきます生産量が二十一万九千五百トン、回収硫黄が八千八百トン、合計二十二万八千三百トン。本年度の見込みでございますが、鉱山におきます生産量が大体二十二万四千六百トンぐらいではなかろうか。回収硫黄が一万二千七百トン。これは百トン単位まで申し上げましたが、見通しでございますので、その辺の相違があるかもしれませんが、それはお含みおき願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/77
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078・大矢正
○大矢正君 次に、最近の硫黄の在庫量はどのくらいあるのかということと、それから輸入硫黄の価格の推移、また国内産硫黄、これは鉱山を中心としてお答えをいただきたいと思いますが、価格の推移はどういう経過をたどっているか、お答えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/78
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079・加藤悌次
○政府委員(加藤悌次君) お答え申し上げます。在庫でございますが、これは各年度ごとですか、最近のやつで…。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/79
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080・大矢正
○大矢正君 最近のでけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/80
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081・加藤悌次
○政府委員(加藤悌次君) 本年度の上期末、と申しますと九月末でございますが、そのときの期末在庫が四千二百トンばかりでございます。それから、昨年の十二月末における在庫量は八千四百トン、で本年度末の見通しでございますが、大体二万トンという見通しでございます。
つけ加えさしていただきますというと、この上期末なり、昨年の十二月末の在庫量、これは消費の状況から見まして、非常に窮屈な過小な在庫である、荷繰りのほうで非常に需要家の面で困っておられる状況であるということをつけ加えさしていただきたいと思います。
それから価格の推移でございますが、外国から輸入いたしております硫黄でございますが、先ほど申し上げましたように、カナダ、さらに最近は中共から入っておるわけでございますが、昨年の夏カナダから輸入しました第一回分が入ったわけでございますけれども、御承知のバラ積み硫黄の港湾荷役を拒否するという問題が起こりまして、いろいろごたごたいたしました結果、現実に消費者の手に渡る価格が割り高になりまして、つまりデマリッジその他非常に経費がかかったということでございます。大体一万五千円くらいというふうに記憶をいたしております。こういう問題がなければ大体横浜、神戸オン・レールで一万二千円程度で入るのではないか。その後、荷役拒否の問題に関連いたしまして、入りました硫黄は全部包装されております。非常に厳重な包装でございまして、まずポリエチレンの袋に入れ、それを、たしか三重か四重くらいのクラフト紙で袋詰めにしてあるわけでございます。そういうことでございますので、この値段が、中身よりも包装代のほうが高くつくというふうなことでございまして、同じカナダからその後入りました硫黄が大体二万七千円くらい、こういうことに相なっておるわけでございます。それからその後中共から一部入りつつあるわけでございますが、これの値段が大体一万三千円ないし四千円というふうに記憶をいたしておるわけでございます。一方国内の硫黄の価格の推移でございますが、過去におきまして三十一年あるいは三年、これは非常に需要の旺盛であった時期でございますが、当時大体平均いたしまして二万四千八百円ぐらい、こういう価格であったと記憶をいたしております。その後化繊等の不況に関連いたしまして、国内でも非常に滞貨がふえてきた。御承知の山の閉鎖、人員整理等もあったわけでございますが、そういう関係で価格が下がってまいりまして、一昨年、三十七年でございますが、大体二万円ぐらいのところを上下しておったのではなかろうか、こういうふうに考えております。本年度になりまして、化繊関係あるいは紙パルプ関係、これがだいぶん生産の上昇をいたしました結果、需要のほうも強調になり、先ほど申し上げましたように、国内生産だけでは足りなくて輸入をしなければならない、こういう状況になってまいりましたために、値段が多少上がってまいりまして、昨年の四月ごろは二万一千円程度、さらに秋の十月になりますというと二万三千円というところでございまして、大体現在ちょっと資料を持っておりませんが、二万四千円ぐらいのところを上下しているのではなかろうか。ちょっと最近の資料いま手元に持っておりませんので、あるいは多少食い違いがあるかもしれませんが、そういう状況で推移をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/81
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082・大矢正
○大矢正君 ただいまの御説明の中で、カナダから入ってまいりましたいわばそうしたビニールの袋に入れたものが二万七千円というのは、横浜に到着しての価格かということ。それから中国から一万三、四千円ぐらいで入るというものは、これは同様横浜を中心として考えてみた場合に、港着でそういう値段なのかどうか。それから最後に述べられました二万三千円ぐらい、十月ごろまたは現在ほぼそれを推移していると言われるこの二万三千円というものは、どこにこの基準において二万三千円という数字が出ているのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/82
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083・加藤悌次
○政府委員(加藤悌次君) 輸入の硫黄の価格の受け渡し状況でございますが、大体横浜オン・レールということでございます。それから国内の価格は消費者渡しの値段でございます。中共から入りますのは、これもやはり包装がしてございまして、横浜オン・レールで二万四千円ないし五千円というところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/83
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084・大矢正
○大矢正君 次に、最後でありますが、三十九年度のおよそ需要見込み、それから国内の生産見込み、輸入の見込み、そうしてまた価格の見通しは輸入及び国内産分も含めて——含めてと申しますのは当然別でありますが、そういうものはどういうような見通しを立てておられるか、お答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/84
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085・加藤悌次
○政府委員(加藤悌次君) これはまだ目下数字を詰めて検討中の段階でございますが、大体の見通しといたしましては、鉱山の生産、これが大体二十五万トンぐらいはやっていただけるのじゃなかろうか、またやっていただきたい、こういうふうに考えております。それから回収の硫黄が本年度のおそらく倍くらいになるのではなかろうかということで、大体二万五、六千トンくらいに見ておりまして、それを合計いたしますというと、国内の生産が大体二十七万五、六千トンになるのじゃなかろうか、これに対しまして国内の需要の見通しでございますが、本年度は、先ほど申し上げましたように、二十六万二、三千トンということでございますが、来年はこれが多少ふえまして、二十八万五、六千トンくらいになるのではなかろうか。それから先ほどちょっと申し上げましたように、本年度の三月三十一日にどの程度の在庫の繰り越しがあるかわかりませんが、先ほども申し上げました、少なくとも現時点における在庫の状況、非常に窮屈な状況にございますので、在庫の多少の積み増しということも需給をはじく場合に考える必要があるのではなかろうか、こういうふうに考えますと、やはりある程度の輸入、おそらくいまの数字で申し上げますというと、大体一万トンくらい、年度を通じまして、こういう数字になるわけでございますが、その程度の来年度は輸入が必要になるのじゃなかろうか、まだ詰めておりますが、現時点におきます見通しは以上のような数字に相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/85
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086・阿部竹松
○阿部竹松君 いまの大矢委員の質問に関連してお尋ねしますがね。加藤さんの前に鉱山局長をやっておられた今の官房長の川出さんですね。あの当時本委員会でいろいろお尋ねした中に、貿易の自由化に関係してお尋ねしたわけですが、まあ硫黄ばかりじゃなくて亜鉛もあれば鉛もあり、いろいろなものがあったわけですが、硫化と硫黄は輸入いたしませんと、こう答弁しておられた。あなた引き継がれる際にお聞きになっておるかどうかわかりませんけれども、そうしますと、いま一万トン程度を輸入しなければならぬという大矢委員の質問に対する答弁、経済状態の変動がありますから見通しが誤りであったといわれればそれまでなんですがね。国内のとにかく回収と鉱山の生産量と相待って国内だけで需要と供給のバランスをはかるというわけにはいかぬわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/86
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087・加藤悌次
○政府委員(加藤悌次君) お答えを申し上げます。第一点の、前鉱山局長が硫黄を輸入するつもりはないということを本委員会で御答弁申し上げたというお話でございますが、私そういう実は引き継ぎを受けておらないわけでございますが、私、推測いたしまするのに、日本は資源的にもこれはアメリカに次ぐ硫黄資源の豊富な国でございまして、資源的には非常に豊富である。したがいまして、国内で必要な硫黄はできるだけ国内生産でまかなうべきものである、そういう趣旨から当委員会でそういう御答弁があったとすれば申し上げたのではなかろうか。ところがこの硫黄の一番の大手需要家でございます化学繊維、あるいは紙パルプ、これは輸出にも関連するわけですが、非常に景気変動の影響を受けやすい産業でございます。生産あるいは価格等を見ておりましても、この変動が非常に激しいわけでございます。したがいまして、現在はそのいいほうになるのではなかろうかと思いますが、一時的に非常に需要が旺盛になったからといって、これは鉱山の通有の特性でございますが、生産が非常に弾力性がないわけでございます。資源はあっても、それをすぐ掘って消費するということのためには、場合によったら新しい山を開かなくちゃいかぬ、当然人も入れなくちゃならぬ、こういうことにも相なるわけでございます。それには時間もかかる、いわゆる弾力性に非常に乏しい産業であるわけでございますので、私どもの考え方としては、やはり将来とも国内の生産はある一定の規模を考えましてこれを持続する。矛の生産の規模に対しまして、そのときどきに起こりますところの供給不足、これはひとつ輸入をクッションとして考えるべきではなかろうか。こういうふうに考えておるわけでございますが、そういった意味から、過去におきまして、日本の硫黄が、先ほど申し上げましたように、非常に割高であるわけでございますので、できるだけ合理化をしていただくように、山の御指導をいたしておったわけでございますが、一応の目標として大体今のコスト二万円くらいのものを一万五、六千円くらいまで引き下げていただかないと、将来輸入の問題もありますし、また国内の今後だんだんふえてまいりますところの石油精製等の回収硫黄という問題もございますので、需要家に対して非常に割高なものを押しつけるということも何でございますので、やはり価格の面で合理化によるコスト引き下げというものを、ひとつ真剣になってお考えいただきたいということで、たまたまここ二、三年、国内の主要産業の不況に際会したということも関係があるわけでございますが、一応そういった目標で各鉱山がいろいろ価格引き下げについてお考えになっておられると思いますが、そういうところに非常に今度のように需要が強調になってきたということで、またここで人を新しくふやして生産をあげる。あるいは休止しておった鉱山を再開する。こういうことでは、過去において石炭においてそういう例があると思いますが、非常にこれは考えものではなかろうか。こういう基本的な考え方に立っておりますので、どうしても国内で不足であり、また無理に人をふやすというふうなことをしない範囲で、いわゆる将来その規模をきめなければならないと思いますが、それをこえる分の需要については、ひとつ輸入ということで、クッション的にこの輸入を考えるということでいくべきではなかろうか。こういう考えでおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/87
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088・大矢正
○大矢正君 一つだけお伺いしておきたいのですが、それはこの硫黄というものを貿易の上において自由化するという考え方があるのかないのか。あるとすればいつごろか。ないとすればいつごろまではないと判断しておるか。これは局長から答弁してもらっても困るから、政務次官から、よく相談して政務次官のほうからお答えしていただきたい。大臣がいればいいが、大臣いないから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/88
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089・竹下登
○政府委員(竹下登君) 私もきのう大矢先生から硫黄に関する質問があるということを聞きまして、いま局長が答弁申し上げた程度の内容についての勉強しかいたしておりませんが、ただいまの御質問に対しましては、硫黄の自由化は今日の時点において非常に困難であるという認識をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/89
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090・大矢正
○大矢正君 困難だという程度では困るんですよ。実際面として。たとえば砂糖の場合だって困難だといいながら、電光石火、だれがやったかしらぬが、やってしまって、えらい混乱を起こしたという事例もあるので、いまは困難だといいながら、三カ月もたったら困難ではなくなったからやったということでは困る。向こう何年程度はおそらくいまの日本の硫黄産業の現状から推しては自由化はできないであろうとか、あるいはすることは無理であろうとか、そういう答弁をしてもらわないと、現在は困難だと言われただけではこれは話にならない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/90
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091・竹下登
○政府委員(竹下登君) これは基本方針を審議会において、今後検討するという今日立場をとっておりまして、その上でいろいろはっきりした御答弁をするのが妥当かと思いますが、今日の時点において、まあここ当分とでも申しましょうか、非常に表現があいまいでありますが、ここ当分非常に困難である、こういう考え方と認識いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/91
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092・阿部竹松
○阿部竹松君 前の鉱山局長と現加藤鉱山局長の御答弁が違うわけですが、別に、私、御答弁違うからといって、それの責任を言いませんけれども、しかし、そのように鉱業政策が一回ごとに変わるということは、これは価格を安くしてという趣旨には賛成ですが、あなたのおっしゃるようにやるとするならば、去年からそういうようなお話であればいいわけですが、毎回変わるわけです。今国会終わるとまたお変わりになると思う。かかるがゆえに、この種の鉱山経営者は本腰入れて開拓をやらぬ。それから山に働く労働者諸君は、いつつぶれるかわからぬものですから、特に硫黄とか、こういう同じ鉱物資源でも身体の消耗度の激しい作業ですから、やめたいという気持が一ぱいあるところへもってきて、来年の保証がない、来年の保証どころか今年度の保証もないというような状態なものですから、御承知の日本一の産出を誇るのは岩手県の松尾だと思う。もう会社が合理化などと言う前に、百人くらいやめていただきたいと思っても百五十人くらいやめるという状態。安くするというても、予算書の説明を受けると、探鉱費が三億円なら三億円、ひとつもふえていない。地下資源の融資をいたしましょうということで、地下資源株式会社に融資するというても、これは金額が微々たるものだ。経営者は、いま申し上げますとおり、将来性がないものですから、なかなか本腰入れて、よそから融資を受けてやろうという腹のすわった経営者はおらぬ。ですから、なかなか加藤鉱山局長の御答弁のようなわけにいかぬわけです。しかし、あなたのお話を聞くと、また再開するという山がある。しかし、それよりも外国商品に頼りたいとおっしゃっているが、あなた御承知のとおり、日本は戦後最大のドルの赤字だと言われているが、なおかつ国内製品を使わない、外国から入れるというのですか。その点をお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/92
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093・加藤悌次
○政府委員(加藤悌次君) 前局長が輸入はいたしませんとお答えしたことについては、これはよく私聞いてみ、あるいは速記録を調べてみたいというふうに思っております。ただ、先ほど私が申し上げましたように、それは原則的な考え方でございまして、非常に弾力性に乏しい硫黄鉱山に対して、急に、需要がふえたから、これをすぐ掘って下さいということでは、いろいろ問題がある。そういうときには、やはり不足のものは輸入する、こういうやはり考え方を前局長も持っていたのではなかろうかというように存ずるわけでございまして、本年度入れました分の最初の外貨の割り当ても、すでに前局長当時割り当てをいたしておるということでございますので、その辺はひとつ、私の推測でございますが、前局長の真意はそういうことであったろうということで、ひとつ御了承をお願いいたしたいと思います。
それから、硫黄を将来どういう方向に持っていくかということにつきましては、率直に申し上げまして、私ども非常に相すまなく存ずるわけでございますが、ほんとうの基本方針についての真剣な検討が、現段階においてはまだなされておらない、と申しますのは、自由化の日程に上っておりますその他の重要金属でございますが、これを開放体制に備えて、どういうふうに持っていくべきかという議論をまず実はいたしておるわけでございまして、先ほど政務次官からお答え申し上げましたように、硫黄あるいは硫化鉱、これは全然自由化の日程には上っておらないわけでございます。で、いよいよ近いうちに、できれば鉱業審議会の中に硫黄問題について特別の分科会を設けていただきまして、今後の硫黄産業のあり方と申しますか、昨年の十二月答申がございました銅、鉛、亜鉛についての合理化計画、基本計画と申しますか、これに準ずるようなものもつくり、いろいろの面から御検討願いたい、こういうふうに思っておるわけでございまして、そういう検討が終わりまして、将来の青写真もかき、これなら十分であるという確信を持ってからでなければ、自由化はなかなか問題にならない、こういう実は感じでおるわけでございます。こういう面から、今後ひとつ御指導を先生にお願いしたい、こういうふうに思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/93
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094・阿部竹松
○阿部竹松君 御答弁の中にありました硫黄の専門部会、これは審議会の中に分科会を持つわけですね。いままでないわけでしょう。
次に、お尋ねするのは、さいぜん大矢委員との一問一答の中にありましたバラ積み、包装積みの輸入の点ですが、あれは昨年の何用かはっきり記憶しておりませんけれども、春、バラ積みで入ってきて、船員の諸君とか港湾労働者から、これは危険であるというので大問題になった。そこで、あなたのほうで指示、指令したかどうかわからぬけれども、今度包装ということになった。ところが今度輸入するのも明確に包装してくるというように、あなたのほうとか、運輸省とか港湾とか、硫黄の諸君の話し合いがついたというように承っておりますが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/94
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095・加藤悌次
○政府委員(加藤悌次君) この問題については、実は単に硫黄の問題だけではございませんでして、ほかのスクラップとか、いろいろの物資にもいろいろそういう問題が起き、あるいは起こりそうだということで、現在私のほうでは通商局のほうが窓口になりまして、労働省あるいは運輸省等との折衝をいままで、あるいは関係の業者、労働組合等との折衝をやっていただいておりまして、現在の時点においては、問題が最終的に落着し、方向がきまってないというふうに私存じておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/95
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096・阿部竹松
○阿部竹松君 そこで、私が政府委員の方々に通商局長さん御出席願いたいというように、三日前から要請してお願いしておいた。ところが、一切鉱山局長の私が答弁できる、こういうことで、あなたにお尋ねしておる。それがあなたそう言って大みえ切られて、それは通商局のほうだなんていっても、それは困る。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/96
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097・加藤悌次
○政府委員(加藤悌次君) 通商局のほうが窓口でやっていただいて、おるわけでございまして、ただいまお答え申し上げましたように、現時点におきましては、この問題がまだ解決のところに至ってないと、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/97
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098・阿部竹松
○阿部竹松君 あなたのほうの態度はどうですか。解決しておらぬにはいろいろな幾つかの問題がございましょう。しかし、バラ積みでカナダから持ってくるということになると、これは危険が伴うわけですから、まさか鉱山局当局、というよりも通産省として、バラ積みよろしいなどということはなかろうと思いますが、そのとおりに理解しておってもよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/98
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099・加藤悌次
○政府委員(加藤悌次君) 基本的には先ほども申し上げましたように、できるだけ国内の需要は国内の生産で充足いたしたいという考え方を持っておりますので、今後の見通しといたしましては、来年度は先ほど申し上げましたように、一万トンぐらいの輸入が必要ではなかろうかという感じでございますが、それ以降の見通しとしては、もう輸入というものを考える必要もないんじゃなかろうか、もしありとすれば、これはもう例外的に考えるということになるんではなかろうかという実は見通しを持っております。ですから、少なくとも硫黄に関する限り、これはいまの包装、荷役問題は一時的な問題でございまして、もしこの問題が解決しないということであれば、需要家に迷惑をかけるわけにいきませんから、割高であってもまあ包装して、できるだけこれを合理化するということが必要だと思いますが——包装のコストを引き下げるということですね、その辺の研究の余地はあろうと存じますが、その結果まあ多少割高であっても、これはやむを得ないんじゃなかろうか。ただ、やはり先ほど申し上げましたように、必要に基づいて輸入するわけでございますから、需要家の立場からすれば、当然これはできるだけ安い値段で手に入れたほうがいいわけです。また、特に輸出に相当なウエートを置いております化繊向けに、これは大半が使われるわけでございますのでそういった面からも、この荷役、バラ積みの問題ができるだけ合理的な方向で解決するように、私ども自身としても願っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/99
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100・阿部竹松
○阿部竹松君 大矢委員との一問一答の中で、あなたの御答弁が、一万トンぐらい輸入しなきゃならぬだろうとおっしゃるから、一万トン入ってくるときは、どういうふうな方法で入れるかということをぼくはお尋ねしておるんだ。おそらくバラ積みであれだけ問題が大きくなったわけですから入れるとは思わぬが、しかし、少しでも安い価格で入れるということは私も賛成だ。しかし、危険をおかしてまでバラ積みで入れなさいなどということは、通産当局では言わないだろうということをお尋ねしておるわけです。もうあなたが一万トン入れるとおっしゃるから、しからばということでお尋ねしておるんで、いまのように国内産で間に合わすということだったら、ぼくは輸入方法なんか全然聞きません。
それからもう一つ、時間が過ぎましたからあわててお尋ねいたしますがね。二週間ほど前に前田委員長のお供をして、中国地方の石油化学等の工場を視察にまいったんです。そのときに原油をそれぞれの油とか、あるいは繊維その他いろいろな製品の過程において、廃品回収ということになりましょう、局長の御答弁の中にもございましたが、硫黄が出るわけです。あれをひとつ硫酸とか何かほかの方法にやるとたいへんぐあいがいいように視察してまいったんですが、そういう方法はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/100
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101・加藤悌次
○政府委員(加藤悌次君) 最初の点についてのお答えでございますが、先ほど私の御答弁がちょっと言葉が足りなくて、先生におわかりになっていただけなかったのじゃないかと思いますが、実は硫黄の荷役につきましては、継続的に今後ずっと大量輸入するということになりますと、また違った荷役の方法があるのでございます。人を使わずに、いわゆる真空吸い込み式と申しますか、ほかの物資についてはそういうものがあるのでございます。そういう方法も外国では行なわれているということを聞いているわけでございますが、先ほど申し上げましたように、今後継続的な輸入という見通しではないわけでございますので、輸入するとすれば、例外的、一時的ということになりますので、この問題はどういうふうに落着するか、ちょっとまだ見通しがはっきりつきかねますけれども、包装によって多少値段が高くなっても、そういうことで輸入せざるを得ないであろう、こういうことでございます。
それから第二点の石油精製等で回収される硫黄を、硫黄ということではなく硫酸で考えてみることはできないか、こういうことでございますが、これは結局まあコマーシャル・ベースで、副産物ではございますけれども、石油精製工場でも考えるわけでございまして、どういう形態で副産物としての販売をしたほうが、当該企業としてより利益が多いかということで、おそらくそれぞれおやりになっているのじゃなかろうかと思うのですが、私、聞いてみますというと、現在硫黄で出しているものを硫酸にするということになりますというと、非常に施設のための経費がかかりまして、現在たまたま硫酸の市況がいいようでございますが、長い目で見た場合に、はたしてそれでいいかどうかというふうな実は心配があるやに承っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/101
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102・阿部竹松
○阿部竹松君 最後に一点お尋ねいたしますが、一万トンと、まあ明確におっしゃっておりませんけれども、一万トン内外を輸入される場合に、いま問題になったその方法ですが、それが大体いつごろ話し合いがつくものかということをお尋ねすると同時に、もう一つ、これは次の委員会に、ひとつ大臣にお尋ねしたいわけですが、それは外国から輸入してくる硫黄、それから廃品回収、この二万五千トン内外ですか、将来ますますふえるというお話ですが、それからその他全国の鉱山から出る硫黄ですね。これをかつて、いまより三代前の事務次官ですかに徳永さんがおられたころ、銅の貿易自由化に対するところの計算センターというものを考えられて、僕らと話し合ったことがある。ですから硫黄もそのような方法でやってみてはどうかというように考えるわけですが、そういう点について、通産当局としてのひとつ御審議をしていただいて、この次でも、またどうせいろいろと法律も出ているようですから、そのときにひとつお伺いさしていただきたいと思うわけですが、きょうはこれで、第一点の質問だけ御答弁願って、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/102
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103・加藤悌次
○政府委員(加藤悌次君) 最初の御質問に対してのお答えでございますが、先ほど申し上げましたように、関係の省庁と業界とで、懇談会等で検討いたしておりますが、いま聞いておりますところでは、次回の輸入が国内に入ってくるときまでに、その問題を解決したいということで、話し合いを進めているというふうに聞いております。ただその結論が、それじゃもうバラ積みでいいのか、あるいは従前どおりの包装をするのか、あるいはもっと簡易な包装でいいのか、その辺はまだ議論の最中であるということであります。
それから第二点の、国内で輸入、回収、鉱山、これをプールして需要家に渡すような構想でございますが、実は私自身そういう御意見を一、二伺っているわけでございます。先ほど申し上げましたように、できるだけ早い時期に、鉱業審議会で基本方針をいろいろ御検討願い、その中でのいわば需給価格の安定のための措置と申しますか、その一環として、十分皆さんに御検討を願いたい、こういうふうに存じているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/103
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104・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 他に御発言もなければ、本件はこの程度にとどめます。
本日はこれをもって散会いたします。
午後零時四十分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X00819640227/104
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