1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年四月十四日(火曜日)
午前十時四十四分開会
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委員の異動
四月十三日
辞任 補欠選任
大谷藤之助君 近藤 鶴代君
四月十四日
辞任 補欠選任
八木 一郎君 高橋 衛君
近藤 鶴代君 山本 利壽君
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出席者は左のとおり。
委員長 前田 久吉君
理事
赤間 文三君
上原 正吉君
近藤 信一君
田畑 金光君
委員
川上 為治君
岸田 幸雄君
剱木 亨弘君
高橋 衛君
山本 利壽君
吉武 恵市君
阿部 竹松君
椿 繁夫君
中田 吉雄君
鈴木 一弘君
奥 むめお君
国務大臣
通商産業大臣 福田 一君
政府委員
通商産業政務次
官 竹下 登君
通商産業省通商
局長 山本 重信君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞壽君
参考人
日本貿易振興会
理事長 杉 道助君
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本日の会議に付した案件
○日本貿易振興会法の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
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001・前田久吉
○委員長(前田久吉君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
まず、委員長及び理事打ち合わせ会の協議事項について御報告いたします。
本日は、日本貿易振興会法の一部を改正する法律案につきまして、参考人及び政府当局に対する質疑を行なった後、討論、採決を行なうことになりましたから御承知を願います。
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002・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 次に、委員の異動について御報告いたします。
十三日、大谷藤之助君が辞任され、その補欠として近藤鶴代君が選任されました。
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003・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 次に、日本貿易振興会法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、前回御決定願いました参考人として、日本貿易振興会理事長杉道助君が出席されております。
御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/3
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004・阿部竹松
○阿部竹松君 質問に入る前に、杉理事長様どうも御多忙中ですが御出席いただきまして、まことに御苦労さまです。
会長さんに、二、三点お伺いしたいのですが、法案の内容については、通商産業大臣、山本通商局長さんからいろいろ承りました。その際にいろいろとお伺いしたわけですが、杉理事長さんも御承知のとおり、日本から海外に、外務省その他から相当数の大公使、領事、書記官、あるいは民間もそれぞれ派遣されておるわけですが、外務省の派遣されておる外交官等にとっても給料と申しましょうか、渉外費を含めて諸外国より相当安いわけです。私どもが外国へ回ったときに、この点何とかなりませんかという強い要望があるわけです。しかし、私どもは議員ですから、そのつど視察の結果を外務省なり総理大臣の池田さんに、まあ何とかしてあげませんかというお話をするわけですが、これが杉理事長御承知の外交官の例です。ところが、お伺いしてみましたジェトロの職員が、その安いと言われる外交官諸君よりも二割ないし三割諸給与が安いわけです。昔武士は食わねど高ようじという時代もございましたが、諸外国へ日本のジェトロの職員として派遣されて、何といってもやはり行動するには渉外費なりいろいろな費用が必要ですから、金がなくては行動できぬという、これは端的な例ですが、やはり精神だけではなかなかお仕事ができなかろうと思うのです。三割も安いわけです。これはしかし、その今日までよって来たった原因はお尋ねしませんけれどもね、今後こういうような状態でいくものかどうかということをまず第一番にお尋ねしたいわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/4
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005・杉道助
○参考人(杉道助君) 私理事長の杉でございます。どうぞお見知り置きを願いとう存じます。
ただいま海外職員手当その他が在外公館に比較して低過ぎるじゃないかという、きわめて御同情のある御質問をいただきました。ほんとうにうれしい感じがいたします。職員が聞きましたら非常に喜ぶことと存じます。何とかしてこれを少しふやしてやりたいというので逐年努力をいたしまして、ようやく本年は一割増加いたしました。在外公館と比して、八割という程度までになりました。この努力を今後引き続いてやるつもりでございます。上がるということは断言はできませんが、われわれ努力してひとつやらざるを得ないと思います。引き続いて努力いたすつもりでございますから、どうぞさよう御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/5
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006・阿部竹松
○阿部竹松君 一割昇給させてなお二割の差があるやに承るわけです。まあ職員にとって見れば一割でもありがたいことでしょうが、とにかく私どもの希望としては、せめて外務省から派遣されている外交官並みに、今後まあジェトロの予算もワクがあることですから不可能かもしれませんけれども、御努力願いたいということを御要請申し上げておきます。
その次に、この資料によりますと、やめられた方も非常に多いわけですが、退職金等の準備金が少ないわけですね。これは一体どういうことになりましょうか。たとえば長年勤めておられた方がおやめになるということになっても退職金がない、そういうことになると、ジェトロの退職金がない場合に、やめられた方は一カ月の予告手当か二カ月の予告手当を支給してもらっただけでやめなければならぬということなんで、退職金が幾らあって、どういうような方法でお支払いになるか、この点をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/6
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007・杉道助
○参考人(杉道助君) 退職金は剰余金を積み立てて、約六千万円余り、七千万円近く持っております。退職金はその勤務年限その他いろいろのものを基礎として計算して出すことにしております。いまのところはだんだんこれはふえてまいりますので、退職金については、しいてそう悲観すべきものじゃないように、まあ私は心得ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/7
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008・近藤信一
○近藤信一君 ちょっと関連。先ほど阿部さんの質問に対して、海外駐在員の給与がいま杉理事長は一割ほど上がるということでございますが、一割上がって、在外公館の職員とどのくらいの差があるのが平均になっているのか、この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/8
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009・杉道助
○参考人(杉道助君) 二割の差があります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/9
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010・近藤信一
○近藤信一君 一割値上げをしてもさらに二割の差が現在ある、こういうことでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/10
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011・杉道助
○参考人(杉道助君) さようです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/11
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012・近藤信一
○近藤信一君 それからいま退職金の問題でも御答弁がございましたが、この退職金の問題では特に通産省から出向社員が行っているということで、退職したらまた通産省に帰るのだ、こういうふうな気持ちがあるから、退職金なんかどうでもいいのだと、こういうようなふうにも考えられるのですが、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/12
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013・杉道助
○参考人(杉道助君) それはちっとも御心配ありません。退職金を積み立てるのは、当会の理事者が積み立てるので、その点はちっとも御心配はありません。長くつとめておる人に将来の希望を持たせなければいけないので、その点は十分気をつけておりますが、できるだけ多く積み立て金をするつもりでありますから、その点は御心配ありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/13
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014・阿部竹松
○阿部竹松君 御心配がないとおっしゃるのですが、六千万円ですか、これは普通の一般公団、公庫と比較にならないのですが、一例をあげますと、いろいろ公団がございまして、道路公団、輸出入銀行、それから中小企業金融公庫、国民金融公庫等と膨大な数になるわけですが、そこで一期か二期つとめられると、大体一千万円から二千万円の退職金をもらうのですね。杉理事長さんなんかは永年勤続者ですから、あの率でいくと一億くらいもらわなければ相場が合わない、こういうふうなことになるが、杉さんは人格高潔だから自分の分はワク外にお考えになっているかもしれませんけれども、そういうわけにもいかないと思うのですが、そうすると六千万円の金額というのは、この前の委員会で通商局長に承ったわけですが、相当やめられる方もあるわけです。入社率も多い。そういう場合に、どういうふうな方法で退職金を計算されるかわかりませんけれども、給与は安いし、退職金は積み立てとして準備されていないということは、福田通商産業大臣にこの前なぜ民間からもう少し有能な人がこないのか、高級公務員だけではないか、貿易関係だからもう少し民間から優秀な中堅層を入れたらどうかというお尋ねをしたところが、民間からは入ってきません、こういうことなんですね。なるほど聞いてみたら給与も安いし、やめられるときの手当ての準備等もないということになれば、これはなかなか有能な人材を集めようと努力をしても、なかなかそこにとどまっていない、こういうことになりますが、その点の御心配はないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/14
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015・杉道助
○参考人(杉道助君) ただいま退職金の問題について、これまた非常に御同情のあるお話で、われわれ非常に心うれしいのですが、先ほどお話いたしましたように、これはいま約七千万円でありますが、これは永久に七千万円ではなくて年々ふえていきます。この間も内輪で計算して、もし一度に全部やめたらどうなるだろうということを計算いたしました。そうしていろいろ計算しましたら、積み立て金なんかいろいろなものを取り集めれば一億円余り、二億円近くの金がありますから、余裕金といたしましては。だから、いまお話のように退職する人については少し希望を持たせないといけないので、十分この点は気をつけて、将来としても十分気をつけてやるつもりでおります。
それから手当てその他少ないために、民間の優秀な人がこないということでありますが、民間の優秀な人がこないのは、ただ手当てその他の待遇の問題だけではなく、いろいろな深いほかの関係があるので、それで優秀な人が、現在働いているような人はなかなかこない。しかし、働いている人は、現在いる官庁から来た人、またそこで生い立った人と比較して、さまで劣るという——差はないというつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/15
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016・阿部竹松
○阿部竹松君 現在のあれが六千万円で、二億までできるという……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/16
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017・杉道助
○参考人(杉道助君) ちょっと訂正いたしますが、いま二億円積み立てていると申しているわけではございません。つまり計算を、一時に全部退職したらばどれだけ金が要るかというお話をしたわけでございますので、さよう訂正いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/17
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018・阿部竹松
○阿部竹松君 それではその点は了解しましたので、その次にお尋ねいたしますが、実は、これは杉理事長の努力によって初めてできて、昭和三十三年に衣がえしたわけですが、この前の委員会で申し上げたのですが、ジェトロとは仕事の中身と立場が違うわけですが、杉理事長のところのジェトロと、東畑先生のところのアジア経済研究所、四谷にありますが、あれは政府が出資して、土地も物質出資ということでやっておりますが、それから科学情報センターというところも国が出資してやっております。仕事は若干違うようですが、やはり海外へ出ていって外国の資料を集めてきて、集めた資料を国内に販売するというようなことも、似たようなお仕事をやっているわけです。ですから、その三本を一本にして、大きな事業をなさったらどうか、国会図書館等においても一カ年に三千万か四千万も本を買うわけです。科学情報センターも買うわけです。アジア経済研究所も買うわけです。しかし、全部独立の機関ですから、みんな個々に職員を派遣して買うわけです。旅費が膨大なものになって、本はさっぱり集まらぬらしい。ヨーロッパやアメリカなどは簡単に集まるでしょうが、東南アジア等が簡単に集まらぬ。しかし、アジアは将来日本が目をつけなければならぬところだと思うのです。そこがてんでんばらばらのお仕事をなさっている。これを一本にして総合的に事業をやりなさったらどうか。たとえばアジア経済研究所などは膨大な土地と建物を持って、杉先生のほうは私の承知している限りでは、観光会館の五階か六階をお 借りになっているわけです。アジア研究所などは半分外務省に貸しているわけです。これを一本にしてお仕事をなさったらいいのではないか。どうも日本人は島国根性で、こういう種類のもの以外にあちらこちらに研究所をたくさん持つわけです。これを一本にして、つまり十億の金も四カ所集めれば四十億になるわけです。三十億の資金を持っておれば四カ所集めれば百二十億になるわけです。そういう構想で御出発になったらどうかということを常に通産当局に言うわけですが、派閥根性であるか島国根性であるか、えらい人がたくさんいる関係か、なかなかわれわれの要望は通らぬわけです。この点はいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/18
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019・杉道助
○参考人(杉道助君) いまお話の同種類のものが一緒に行動してやるほうが能率的でもあれば経済的でもある、ごもっともです。しかしながら、現実はまた必ずしもそうはいかない。ジェトロの調査を始めたのは十年も前に終戦直後にめくら貿易という時代があった。めくら貿易で貿易をするということはよろしくないから調査するということが必要だ、特に中小企業者みずからが調査する力はないので、何かこれにかわって調査をする機関をこしらえたほうがいいということで発足して今日に至ったようなわけであります。お話の点はまことにごもっともでございまして、そういうふうにだんだん心がけていかなければならないと思いますけれども、そういうような私どもの団体の発達の経路があるために、にわかにそれは理想どおりにというような現実に立ち至っていないので、そういう点については、われわれも十分将来研究もし努力いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/19
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020・阿部竹松
○阿部竹松君 次にお尋ねするのは中共との関係ですが、これは国交が回復しておりませんから、ジェトロで出張所を設けてということを申し上げても、これはとうてい無理な話ですが、私は反対党であっても、自民党の高碕さんなどはりっぱな方ですから、この方の力によって、まあ国交回復するまでは何か道を開いて、国交回復した場合には、あの人の力をもって何とか地固めができるようになるんじゃないかという希望を持っておりましたが、杉理事長は高碕さんと親友だと承っておりますが、現在はとうてい不可能ですが、中共に対して何か構想でもお持ちであったらお示し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/20
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021・杉道助
○参考人(杉道助君) ジェトロといたしましては、中共といわず共産圏におきましても調査団をまず出したいと思っております。しかしながら、これは相手国がこれを承認してくれなければ出せない。相手国が承認すれば中共といわず他の共産圏にも出したい考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/21
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022・阿部竹松
○阿部竹松君 理事長はお忙しい立場ですから、最後に一つだけお伺いして私は打ち切りますが、杉理事長は日韓問題の日本の全権大使として一番むずかしい衝に当たっておられ、まことに御苦労さんです。それと同時に、ジェトロはまたこれは特に貿易の自由化に伴ってたいへんなお仕事だと思うのです。敗戦になって新しく一つ一つ拠点をつくっていくわけですから容易なことではない。そうすると、いかに有能な人物であり、人格者の杉さんといえども、日本の最大の焦点である日韓会談の全権大使とこのジェトロと二つ御兼任になっておるということは、これは八面六臂のお仕事をなさっても容易でなかろうと思うのですけれども、ひとつジェトロのほうは、これはもうたいへん失礼なことを申し上げるので恐縮なんですが、ジェトロのほうは後輩におまかせして、日韓会談に全知全霊をつぎ込むとか、あるいは日韓会談をとにかくどなたかに譲ってジェトロのほうに全知全霊をつぎ込んで、いま御答弁の中に伺いましたが、給与も安い、一切安くて退職積み立て金もないわけですから、通産大臣にお伺いすると、なかなか民間からも優秀な人材が集まってこない。なお極端にいえば、官庁にもなかなか行く人がない。これは極端な例でまことに恐縮ですが、そういうようなことをお伺いしていると、どちらか一つに魂を入れていただくという方法はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/22
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023・杉道助
○参考人(杉道助君) ごもっともな御質問で、実は日韓会談はこんなはずではなかった。当初はそう長くかからないつもりでありました。いろいろな韓国の国内事情もございまして——しかしながら私としてはそう時間はかからない、いまは長引いておりますけれども、首席代表がいろいろやるということにいままでまだ立ち至っていない。すべてがみな専門委員会がやっているようなわけで、その他はときどき政治家同士が寄り合っている。そのほうにひどく時間をとっているものですから、ジェトロのほうに専念をしておるようなわけであります。しかしながらいまお話しのように、私もいつまでもこれにおるというわけにはまいらない。有能な士に、将来はジェトロの発展のためにいつかは交代をしたいという心がまえはしておりますから、どうぞさよう御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/23
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024・田畑金光
○田畑金光君 すわったままでお尋ねしますが、このジェトロの通産省からいただいた資料を拝見いたしますと、いろいろジェトロの海外施設等が北米、中南米、欧州、東南アジア、中近東、アフリカその他等とできておりますが、いま阿部委員の質問にもお答えがあったようでありますが、この共産圏との貿易、これについてジェトロとしては今後どういう方針で臨んでいかれようとするのか。今後わが国の貿易の構造が、従来のアメリカあるいはヨーロッパEEC共同体だけでなくして、広くソ連並びに中共等共産圏との貿易の拡大というのが、国の今後の経済発展の角度から見ましても大切なことになっておるわけでありますが、こういう面について今後ジェトロとしては具体的にどのように進めていかれようとするのか。先ほど申し上げたように、いろいろな施設を海外に持っておられますが、こういう施設はほとんど全部自由主義陣営の国々におけるジェトロの出先機関であり施設のようであります。共産圏の国々についてはどのように今後進めていかれようというお考えですか、それを承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/24
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025・杉道助
○参考人(杉道助君) 先ほども申し上げたように、まずジェトロといたしましては、中共といわず、その他の共産圏等にもまず調査員を出したい。一カ所チェコスロバキアには出しておりますが、その他の国にも出したいと思っております。しかしながら、この調査員というものは相手の国がリサーチということについて非常に疑問を持っておるので、なかなか許してくれない。しかしながらそのほかの貿易の進展のために見本市をやる、すでにこの前もモスクワで見本市をやったことがあります。そのためにいろいろな貿易量がふえた。さらに来年はまたモスクワで以前にやったものより以上の見本市の開催をしたい、こういう心組みでおります。また共産圏の見本市を日本でやるということにもぜひ協力をする。一昨年でしたか、ソビエトの見本市を晴海でやったときも、ジェトロが全くお引き受けしてやったような状態であります。そういうふうにして共産圏に対してはいろいろな方面でできる範囲内において貿易進展のために努力をしております。また今後もするつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/25
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026・田畑金光
○田畑金光君 いまお答えの中にありましたが、ジェトロがこういう共産圏に施設をするについては向こうでいろいろ、まあリサーチということばもありましたが、日本がそういう施設をするについて疑惑を持ったり、あるいはまた好まないのでジェトロの施設もできないのかどうか。向こうからの事情によるのか、あるいはジェトロの予算その他の関係で共産圏にまだ手が伸びないというので今日このような事態になっておるのか、その辺はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/26
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027・杉道助
○参考人(杉道助君) 先ほど申し上げましたように、この調査員を出すのは相手国の事情によることです。それからこれは予算の関係でも何でもない。相手国が承認してくれれば予算を組んで承認を得て、予算を回してもらって出すつもりです。その他のことは、いまの見本市なんかのことは向こうが許して喜んで受けるからやっておるようなわけで、今後もそういうつもりでおります。貿易に関することで相手国が受け入れることであれば、いろいろなことをやりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/27
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028・田畑金光
○田畑金光君 私の申し上げておるのは、見本市だとか調査員の派遣ということは現実になされておるが、先ほどの御答弁によりますと、調査員の派遣はチェコスロバキアですか、一国のお話のようでございまして、その他の国にはまだ調査員の派遣までに至っていない。なぜできないかという事情、理由ですね。たとえば向こう側の国の事情なのか、日本の国内事情なのか。それともまた、たとえば世界各地域、自由主義陣営にはトレード・センターその他の共同施設等が各地に設置されておりますが、そういうものが共産圏の国にはまだできていないので、一体それはどういう事情によるのか、そのことをお尋ねしているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/28
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029・杉道助
○参考人(杉道助君) それは先ほど申しました相手国の事情もありますが、しかしながら、日本の予算の関係もこれは大いにあるのであります。国内事情とすれば。予算が相当あれば出せるところも相当にあると思いますし、また見本市もたびたび開くことができます。見本市というものにもいろいろな方法、いろいろな種類の見本市がありますから、予算さえこれが十分つけば、これもできないこともないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/29
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030・田畑金光
○田畑金光君 ことしも政府の補助金その他予算が若干ふえておるようですが、そうしますと、ジェトロとしては、そういう面の予算の増額について政府とも今日まで折衝なされたが、いま問題になっておるように、共産圏までは手を伸ばすほどの予算措置がまだなされていない、予算さえつけば、そういうところまで手を伸ばしたいのだというように理解をしてよろしいのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/30
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031・杉道助
○参考人(杉道助君) 大体においてそのとおりでございます。
ちょっと訂正します。先ほどチェコスロバキアと申し上げましたが、ユーゴスラビアです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/31
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032・田畑金光
○田畑金光君 そうですか。これは希望でございますが、とにかく今後わが国の貿易をさらに発展させていくためには、ソ連、中共その他の東側の貿易拡大ということはぜひ必要であろうと判断されますので、ジェトロとしましても、政府ともよく折衝されて、しかるべく予算措置等について御努力をお願いしたいと、こう思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/32
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033・杉道助
○参考人(杉道助君) 御激励のおことばをいただきまして、まことにありがとうございました。大いにこれから努力するつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/33
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034・田畑金光
○田畑金光君 それからもう一つお尋ねしたいのは、今回理事が六名以内というのを七名以内と、たしか一名の増員措置が今回の法改正でなされておりますが、一名の新しい理事が増員された場合、その理事の担当する仕事というのはどういう仕事を担当するのか。また一名というようなことで、今後ジェトロのだんだんふえていく仕事をこなしていくのに、理事長としては十分とお考えなされて、この程度の増員に押えられたのか、あるいはこれも段階的にだんだんふやしていこう、しかし仕事の量からいくと、少なくともこの程度の理事の増員は必要だというようなお考えがあるならば、ひとつその辺の事情を聞かせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/34
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035・杉道助
○参考人(杉道助君) このたび理事を一名ふやしたのは、ヨーロッパに駐在する人のために、これを理事として出張させるために増員したわけであります。
なお今後仕事の分量がふえ、仕事の重みというものを考慮いたしまして、ふやす場合には、またひとつよく考慮、検討をしてふやしたいと思います。いまのところではこの程度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/35
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036・近藤信一
○近藤信一君 「JETROの歩み」を配付されまして、これを拝見いたしますると、ジェトロには東京に本部があり、さらに大阪にも本部があるわけなんです。そこで私どもの考え方からいえば、これは大阪は貿易、産業の中心地だから、大阪に本部があるというふうにも思うわけですけれども、特に理事長は、先ほど阿部委員からも言われましたように、非常にお忙しい方でございますし、大阪に本部があり東京に本部がありいたしますと、やはり大阪に行ったり東京に来たり、まことにお忙しいことだと私は思うのですが、これは本部というものが一本でいけないものかどうか、どういう意味で東京と大阪に本部が置かれておるのか、この点をひとつ御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/36
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037・杉道助
○参考人(杉道助君) これは一つところへ集中したほうがいいということは、理論的にはそうでありますが、この発達の由来からこれは原因しておりまして、これは大阪でジェトロというのは生まれた、それで大阪が本部としてある。また大阪は日本の経済、貿易のある意味においては中心地であるから、重要な地点であるがために、やはり本部をそのままに置いているわけでございます。東京はまたこの貿易、経済その他政治の中心であるから、また諸官庁の連絡上からいっても本部を置くことは当然のことでありますが、しかし理事長が非常に忙しいだろうという——忙しいには違いありませんが、この運営の方法というものは人々によっていろいろありますが、私は信用ある人にはほとんど全部仕事を許したほうがいいという——これは私がいままでいろいろな会社や仕事を経営していく上においても、伝票に一々判を押すまでのことをしないで、大まかなところを握って、あとは全部有能の士にまかしたほうがいいという方針でやっているわけであります。それがために、そう東京と大阪と両方あるからといって困るわけではありません。のみならず、このごろは電話が非常に楽にかかる、東京におっても大阪の事情がすぐわかる、大阪におっても東京の事情がすぐわかって用が足せる。しかも私は一週間に一ぺんは必ず東京に参っておりますから、連絡等については不十分ではないと思っております。いま申し上げたように経営の方針というものが、私はそういう方針でやっておるから、そこでこれがために不便、不自由じゃないと私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/37
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038・近藤信一
○近藤信一君 いま理事長の御説明で一応わかりましたが、この国内組織一覧表を見ますると、東京本部というのと大阪本部とありまして、それぞれ分担の部門別に出ておるわけなんです。で、これを見ますと、大阪のほうは総務部と調査部と事業部と相談部、こう四部門になっておりまするけれども、東京のほうにはずっとたくさん部門が分かれておるわけです。この総務部が二つ両方にある、調査部も同じくあるし、他に事業部、相談部がございますが、大阪で調査することと、また事業部の事業関係それぞれ分かれておるようでございまするけれども、やはりこれは一本で調査したほうが私はしやすいのじゃないか、こういうふうにも思うのですが、この点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/38
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039・杉道助
○参考人(杉道助君) これは調査部は初めは全部大阪にあったわけですが、だんだん推移に従って東京に本部を移したほうがいいということになっておりますけれども、大阪も関西一円、九州までいろいろな支部を、または相談所を持っているために、また一面は東南アジアその他——韓国は別ですけれども、そういう点から距離的の点、それからいままでの貿易商社の関係、それから経済的のつながりというもので、やはり大阪にも相当な調査設備を持つという必要を感じておるようなわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/39
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040・近藤信一
○近藤信一君 それからこのジェトロの概況というのを拝見いたしますると、三十九年度の関係で海外見本市七カ所を九カ所にする、ニューヨークの世界博参加、それから新規専門見本市八カ所、アフリカ市場巡回展、こういうふうにありまするが、専門見本市を八カ所予定されておるわけですが、これは一体どこの個所でこの見本市を予定されておるのか、おわかりでしたら御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/40
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041・杉道助
○参考人(杉道助君) 質問がよく私聞き取れませんでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/41
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042・近藤信一
○近藤信一君 この概況を見ますると、見本市が七カ所が九カ所ということに二カ所ふえるわけなんです。これはニューヨークの世界博参加ということと、さらに新規に専門見本市八カ所と、こうあるのです。その見本市を開かれようとする八カ所はいずれの地域であるのか、その点を御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/42
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043・杉道助
○参考人(杉道助君) このニューヨークはもう博覧会に参加しておるのですが、豪州とそれからアメリカ、英国その他まだはっきりきめておりませんが、本年はそれくらいやるつもりでおるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/43
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044・近藤信一
○近藤信一君 そうすると、おおむね従来開かれておった地点ですか、この点は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/44
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045・杉道助
○参考人(杉道助君) いや、開いた所でない所がおもに多いのですが、あるいは開いた所もやる場合もあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/45
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046・近藤信一
○近藤信一君 アフリカ市場の巡回展というのは、これは従来はなかったんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/46
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047・杉道助
○参考人(杉道助君) これは従来ありません。これは巡港見本市船というのがあって、見本市を港々でやっておるわけであります。それに対応して——対応ということもないのですが、港でない奥地のほうの宣伝しない場所をやるということも必要を感じて、特にまたオーストラリアとかアフリカとかいうようなところは、内地のほうへやる必要を感じて、昨年からずっと調査いたしまして、これはやる価値があるというので来年やることにいたしました。しかし、これは初めてのことであります。
それから先ほど各所で八カ所見本市をやるのはどうかというお話があった。これは専門見本市で、専門的のことをやって、従来の一般的のものとは少し趣が変わっておるようなわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/47
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048・近藤信一
○近藤信一君 これを見ますると、おもにジェトロの関係はアメリカ地域が多いように見受けるのですが、あっせん所等の関係を見ましても、ヨーロッパ関係におけるところの新市場といいますか、そういうふうなことはどうですか、何かお考えになっておられるようなことはありますか、ジェトロで。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/48
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049・杉道助
○参考人(杉道助君) ヨーロッパでは今度パリにあっせん所をこしらえる。それからまたイギリス、ロンドンにも出張所を強化する。これもあっせん所をこしらえる。そういうようにヨーロッパについては非常に力をさらに入れるつもりでおります。そうして、いまの専門の見本市もヨーロッパに開く予定でありますが、今後は一そうヨーロッパに力を入れるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/49
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050・近藤信一
○近藤信一君 そこで、先ほど阿部委員の御質問のときに関連質問でしたのですが、この海外の駐在員が一割値上げをしても一さらに現在二割の差がある。いわゆる海外公館に勤めておる方と二割の差がある。こういうことになりますると、非常に希望者は私は少ないのじゃないかと思うし、さらにこの海外へ駐在される人は、おおむねあまり長い期間ではないと思うのですが、その場合に、私どもが聞くところによりますると、ほとんどが独身者が多いということですが、もし家族持ちの場合には特別な何か処遇はあるのかどうか、こういう点をひとつお聞かせ願いたいと思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/50
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051・杉道助
○参考人(杉道助君) いまのお話の、まだ在外公館との差があるということ、これについてはだんだん差がないようにわれわれは努力するつもりであります。
それからいまの海外の独身者でない者について、なるたけ家族を連れていくように慫慂してほしい。家族を連れていけば、家族手当というものを別途に支給しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/51
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052・近藤信一
○近藤信一君 家族手当がつけられるということでございまするけれども、これは一人で海外に駐在しておるということと、家族同伴で行っておるということになると、相当また経費的にも私は高くつくじゃないかと思う。そういう場合に、単なる普通に規定されたような家族手当ということでございまするならば、私は相当生活的にもそんなに楽な生活はできない。海外に駐在しながらみじめな思いでこの重要な仕事をしなければならぬ。こういうことでは、私は実の入ったほんとうの仕事はできないのじゃないかということを憂慮するわけなんですが、そういう点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/52
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053・杉道助
○参考人(杉道助君) ごもっともです。いま家族手当は十分とは申しませんが、給与の四割の家族手当をつけております。なお、お話のようにこれで十分とは考えておりません。できるだけ本給もふやし、同時に家族手当もふやしたい、その他心配のないようにといろんなことを考慮しておりますけれども、これも予算の関係とかいろいろな点でできないこともありますが、そういう点については今日も非常に留意しておりますが、将来とも大いに留意して努力するつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/53
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054・近藤信一
○近藤信一君 家族手当が四割ということでございまするが、この点は海外公館の職員との比較はどうですか。そういう手当の点は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/54
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055・杉道助
○参考人(杉道助君) 公館のほうも四割です。もとは違いますけれども四割です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/55
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056・近藤信一
○近藤信一君 私はこの四割の手当がついていても、これが給与の点で二割少ないということになれば、その開きというものはさらに大きくなっていくと思うのです。そういうふうでは、実際ジェトロで海外にひとつ行って働こうという気持ちにもなれぬのじゃないかと思うし、また海外へ行って働こうと思う優秀な人も、やはり給与の面を考えると、行く希望の方が少ないと思うのです。そうすると、ジェトロの理事長はじめ副理事長や理事の方々が一生懸命にやっておられるわりあいにあまり発展しないのじゃないかということを私は心配するわけなんです。やはりジェトロが発展して、国の貿易に対してひとつ力を注いでいこうということになれば、待遇上の面でももっと私は十分なる対策を立てて、そうして安心して活動できるような方向へ持っていかなければ私はだめじゃないかとこう思うのです。それでないと、先日来いろいろと言われておりまするように、ジェトロの海外派遣員は実際何にもできないのじゃないか、こういうふうな御批判を受けるわけなんで、やはりそういう批判を受けずに、よくやっておるのだ、こういうことにするためには、待遇上の問題でも十分にめんどうをみなければ、私は将来の発展性がないと思うので、こういう点についてひとつ今後の所見を伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/56
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057・杉道助
○参考人(杉道助君) お察しのとおりで、全くわれわれも同感に感じておりますが、今日といえども、給料、手当てについては十分ふやしたいという考えでおりましたけれども、われわれの何ぶん力が不足のために、われわれの思うほどに事が進まなかったのはまことに遺憾に存ずる次第でおりますが、しかしながら、将来とも必ずこれは少なくとも在外公館と同じ程度までには進めたいということについて大いに努力をいたしますから、どうぞひとつ直接間接の御後援をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/57
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058・近藤信一
○近藤信一君 今度の法案改正の要点は二つあると思うのです。それはジェトロに出資する場合に、従来はこの委員会でいろいろと討議をいたしまして、委員会の承認を得て出資をすると、こういうことでございましたのを、今度は予算できまれば、委員会でもう審議しなくてもいいのだ、こういうふうな改正になっておるのです。それからもう一つは、理事の増員の問題なんですが、私どもの考え方からいくと、予算で大ワクがきまってしまえば、それでこの委員会で審議をしなくてもよろしゅうございますから、そういたしますると、従来のように、ジェトロの活動ということをこの委員会でいろいろと私どもが聞いたり、またジェトロの皆さんの御抱負をお聞きするということができないわけなんで、こういうことを私どもはけしからぬじゃないか、やはり一年間のジェトロの歩みというものは、委員会でそのつど十分に討議をして、そうしてやるべきではないかということで、私どもはこういう改正には反対をしておるわけなんですが、ひるがえってジェトロの立場から理事長がお考えになられた場合に、予算で大ワクがきまれば、そのほうがいいのだとお思いになるのか、また委員会でいろいろとジェトロの活動について、私どもが批判したり、また皆さん方から御意見を述べたほうがいいとお思いになるのか、ひとつ理事長の立場から見解というものをお聞かせ願いたいと思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/58
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059・杉道助
○参考人(杉道助君) 私は国会の構成については何の知識もないのです。どうすればいいかということはわかりませんけれども、ジェトロの近況、あるいはジェトロに対する外部の御意見、御指導というものは、種々仰ぎたいと思っております。でありますから、かりに国会でなくても、いつでもお呼び出しがあり、あるいは会合を開いて、ジェトロの近況、あるいは将来の考え、それに対する御批判あるいは御指導というものを仰ぎたいという考えは始終持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/59
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060・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/60
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061・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 速記を始めて。
参考人に対する質疑は他にございませんようですから、御退席を願うことにいたします。
杉理事長には御多忙中にもかかわらず、御出席いただきましてありがとうございました。委員会を代表してお礼を申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/61
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062・杉道助
○参考人(杉道助君) 私のほうもいろいろジェトロの近況、また将来に対する考えをお聞き願いまして、まことにありがとうございました。今後ともどうぞひとつ、何ぶんとも御指導と御協力をお願いいたします。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/62
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063・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/63
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064・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 速記をつけてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/64
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065・中田吉雄
○中田吉雄君 この日本貿易振興会の余裕金の預託先はどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/65
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066・山本重信
○政府委員(山本重信君) 現在、ジェトロの余裕金は三月末で約二億六千万円ほどございますが、その運用の状況を申し上げますと、八千八百万円が信託銀行六行に預託してございます。それから一億七千二百万円が十二銀行に預金として預けてございます。国債とか郵便貯金等はただいまございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/66
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067・中田吉雄
○中田吉雄君 八千八百万円は信託銀行六行、一億七千二百万円が十二銀行ということですが、この余裕金の運用方法は利息が高いからですか。どういうことを基準にして運用されていますか。運動の激しさからですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/67
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068・山本重信
○政府委員(山本重信君) 信託銀行のほうは利息が多うございますので、現在のところでは一番有利な方法と思われます。それから預金の一億七千二百万円のほうは、中には常時必要なものもございますので、あるものは当座になっております。それからあるものは定期預金等になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/68
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069・中田吉雄
○中田吉雄君 時間もありませんので、福田大臣に希望を申し上げて御所見を承りたいのですが、福田大臣におかれましては、たいへん中小企業の振興に対して御熱心で、いろいろ施策を施していただいておるわけですが、やはり何としましても、適当な資金を豊富に供給するということが大切なんですが、そういう点から、私はわずかですが、こういういろいろな政府関係機関の余裕金等も落ち穂を拾うようにして、やはり適当な資金を確保するということが非常に重要だと思うんですが、ところが、残念ながら今回五億円の増資をするんですが、中小企業金融公庫の百億の公募債等の発行とからんで、まあ利付債券等をさばくのに困っています。商工中金なんかの債券を消化できれば非常にいいわけですが、それができぬわけです。そこで私いろいろ通産省、企画庁その他労働省等のそういう基金がどういうふうに運用されているかということを調べてみますと、国民生活研究所、水資源開発公団、海外移住事業団、労働協会、信用保証協会等は、やはりこれは国債または主務大臣の指定する債券を消化できるというふうになっているわけです。国債と同時に、主務大臣が指定される債券をできると、こういうふうになっている。この日本貿易振興会でも余裕金を通産大臣が指定される債券を消化できるという一項目がもし入っておれば、これはやれるわけなんです。そういう点で、私は今回予算が通れば、委員会にかけぬでも、法律上の特別な措置をせぬでもいいというふうに足をそろえられるんでしたら、そういうものもあるんですから、やはりそういうふうにして少しでも中小企業金融を豊かにするような措置をとられることが必要じゃないか。
それから年代別に調べてみますると、くどいようですが、石炭鉱業合理化事業団、あるいはアジア経済研究所、日本貿易振興会というような古くできた法律はそういうふうに国債だけで、主務大臣が指定した債券を持てるようになっていない。ところが、最近できた法律では、たとえば水資源開発公団、これは昭和三十六年にできている。産炭地事業団、いずれ今度審議に入ります電気計器検定所法案というような最近のものは、国債または主務大臣の指定する債券を持つことができるというふうに一応足がそろっている、そういう点で、三十年あるいは三十五年ごろのものはそういうことができませんから、私はそういうのは足をそろえて、今後政府みずからが措置をされて、やはり中小企業金融を少しでも豊かにすることを御考慮いただいたほうがいいと思うのですが、大臣の御所見を承りたいと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/69
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070・福田一
○国務大臣(福田一君) お説のとおり、中小企業金融にいささかでも貢献できる道があれば、そういう措置をとることも二つのりっぱな考えであると私も考えるところでありますが、まあ今回はそういうような措置をとっておりませんけれども、これからはひとつそういう意味で十分研究をさせていただきたい。ということは、予算編成のときにそういうふうな措置をとってしまいませんと、大蔵省との折衝その他なかなかうるさい。かえってまた、この法律だけなぜそういうふうにするんだというような議論が出たりして、いろいろ問題が起きると思いますので、将来は十分そういうことを考慮する、また研究もいたしまして、何とかそういうくふうができるように努力をするということで御了承をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/70
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071・中田吉雄
○中田吉雄君 まあただいまの答弁で尽きると思うのですが、法律のていさいからいいますると、私の調査では、たとえばアジア経済研究所、石炭合理化事業団というような三十五年までのものは国債だけの保有になっている。主務大臣の指定する債券を持つという規定はないのです。ところが、三十六年からのは、水資源、あるいは今度出ます電気計器検定所法案、産炭地事業団というふうなのは、みんなちゃんとそういうふうに主務大臣の指定するものは持てるようになっているのですから、あまり私はこれは大きい問題じゃない、そう予算折衝に支障を来たすような問題じゃない、むしろそういうふうに十分な配慮をして、もう法律のていさいがそうなっておるのですから、これは答弁は求めませんが、来年度の予算折衝になるでしょうが、そういう点はぜひとも考えていただいて、少しでも中小企業の金融の便をはかっていただきたい。いささかも無理でない、法体系がそうなっておる。古いのだけほうってあるわけです。しかも、私の聞いたところでは、一億円でもこれをとったら、信託銀行や銀行が資金獲得の争奪戦でたいへんなんです。これはもうそれほど資金源確保に熱心なのですから、御答弁をあえていただきませんが、くどいようですが、その点を十分ひとつ配慮していただくことを希望いたしまして、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/71
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072・阿部竹松
○阿部竹松君 さいぜん杉理事長にお伺いしょうと思っておりましたが、途中で用事がございまして失礼したわけですけれども、通商局長に一つだけお伺いしておきますが、アジア経済研究所ですね、あれは建物を半分外務省関係の仕事に貸している。ところが、同じあなたのほうで関係しておられる、いま議題になっているこのジェトロは八重洲口の東京観光会館ですか、あそこを借りておる。このいただいた資料を熟読するとわかると思うのですが、一体一カ月幾らお支払いになっておるのか。それと同時に、同じような仕事をなさっておる科学情報センター等も一カ所にまとめるために、自分の会館をみずから政府出資の協力を得て建てるということを承っておるので、膨大な金額を使用料として会館関係に払っておるようですが、その辺はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/72
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073・山本重信
○政府委員(山本重信君) お説のように、アジ研は現在の建物の一部を技術協力事業団に貸しております。それからジェトロは自分の建物がございませんので、八重洲口にございます東京国際観光会館の一部を借りておりまして、その借館料は三千七百万円余りになっております。お説のように、もし可能ならば、ジェトロのような団体は、やはり自分の建物を持って、そしてこうした面で多額の借館料を払わないで済むような態勢が望ましいと思います。これは今後の問題として検討さしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/73
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074・阿部竹松
○阿部竹松君 そこで、最後にひとつお尋ねと希望になるわけですがね。アジ研は半分貸しておって、一億六千万の借館料を取っているわけですね。そこで、坪数においてはるかに観光会館より多いわけです。できればアジ研を半分借りる、そうすると半額以下なんですからね。建てる準備がなければアジ研を借りて、同じ政府機関ですから研究技術の交流にもなりますし、そういうふうな方法がとることができるかどうかということ、もしとれればそういうふうにしたら、同じ政府機関である——完全な政府機関でないにしても、政府出資の法人団体ですから、そのようにやるのが行政当局として当然な措置だというふうに考えますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/74
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075・山本重信
○政府委員(山本重信君) アジア経済研究所の建物には先ほど申し上げましたように海外技術協力事業団が現在入っております。推測いたしますところ、おそらくアジ研の会長の小林中さんが海外技術協力事業団のほうを兼ねておられますので、そんなところから——それからまた仕事の面からいきましても密接な関係がございますのでアジ研に入っておるわけでございます。したがいまして、現実問題としてはジェトロがそこに入り込むという余裕はないと思います。もし考えるとすれば、別の場所を探していく以外にはないのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/75
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076・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/76
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077・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 速記をつけて。
この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、八木一郎君及び近藤鶴代君が辞任され、その補欠として高橋衞君及び山本利壽君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/77
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078・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/78
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079・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 御異議ないと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/79
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080・近藤信一
○近藤信一君 私は日本社会党を代表して本法案に反対するものであります。
反対の理由としては、第一に、本法案はさきに審議いたしました商工組合中央金庫法並びに中小企業信用保険公庫法等と同じように、資本金を増加する場合、政府の追加出資で法律改正をしなくても行なわれるようにすることは、国会の審議権を軽視するものであります。
第二の理由といたしましては、理事の増員は常に私どもが当委員会で主張しておりますように、官僚の天下り人事が多過ぎるのではないかと思います。したがって、私どもは政府の猛反省を促す意味に反対いたします。また、ジェトロの人事が役人の海外派遣のために運営され、内部から人材を育てることに非常に冷淡であると思うのです。この点に対しても反省を求める意味で反対いたします。
第三の理由としては、今回の改正は余裕金運用方法等にまで検討を進めないずさんなものであります。余裕金の運用について商工債券なども買えるように配慮することが必要でなかったのではないか。政府は本案を撤回し、早い機会に法律全体について再検討を加えて、右の趣旨に沿った改正案を提出されんことを申し述べて、反対討論を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/80
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081・赤間文三
○赤間文三君 私は、自由民主党を代表いたしまして賛成をいたします。
ジェトロは、日本が開放体制に向かっておるときに、すこぶるその重要性を今後も増していくものと考えます。したがいまして、本法案が、政府出資を増加をする、理事を増員する、またジェトロの活動をできるだけ容易にして能率が上がるようにやっていくということは、私はきわめて当を得たことと思います。この意味で私は賛成を表するのであります。
なお、この際に希望をつけ加えまするならば、将来機会を得て、さらにひとつ機構を拡充強化するということは、私は必要でもあり、また政府は日本の開放体制に備えるために一そう貿易の振興をはかる必要があるにかんがみまして、これがジェトロの予算等も将来において漸次増加をされたい。また内部においても人材が保有のできるような措置を講じてもらいたい。これらについて私は将来への希望を持っておるのでございまするが、いま申しました、さしあたりの施策として、本案のごときは第一歩としてまず必要であります。まことに時宜に適した法案であると考えまして、本案に賛成を表する次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/81
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082・田畑金光
○田畑金光君 私は民社党を代表して、ただいまの法律案に賛成の意思を明らかにいたします。
今回の法律改正等の内容については、ジェトロの機構の整備、あるいはまた出資、予算措置等においてなお不十分であり、今後わが国が開放経済体制に臨む上から見ますと、もっと努力されてしかるべきだと考えますが、しかし、貿易体制を整備し推進させるという前向きの方向をとっておりますので、その意味において私はこの法律案に賛成の意思を明らかにしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/82
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083・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/83
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084・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 御異議ないものと認めます。
それでは、これより採決に入ります。日本貿易振興会法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/84
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085・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 多数と認めます。よって本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/85
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086・前田久吉
○委員長(前田久吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれをもって散会いたします。
午後零時十四分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614461X02119640414/86
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