1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年四月七日(火曜日)
午後二時四十三分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 岸田 幸雄君
理事
剱木 亨弘君
徳永 正利君
大矢 正君
小宮市太郎君
牛田 寛君
委員
江藤 智君
大竹平八郎君
亀井 光君
松平 勇雄君
吉武 恵市君
阿具根 登君
阿部 竹松君
小柳 勇君
柳岡 秋夫君
鈴木 一弘君
田畑 金光君
国務大臣
通商産業大臣 福田 一君
政府委員
通商産業政務次
官 竹下 登君
通商産業省石炭
局長 新井 眞一君
通商産業省鉱山
保安局長 川原 英之君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞壽君
説明員
通商産業省石炭
局鉱害課長 佐成 重範君
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本日の会議に付した案件
○石炭鉱害賠償担保等臨時措置法の一
部を改正する法律案(内閣提出、衆
議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/0
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001・岸田幸雄
○委員長(岸田幸雄君) ただいまから石炭対策特別委員会を開会いたします。
まず、委員長及び理事打合会の協議事項について御報告いたします。
本日は、石炭鉱害賠償担保等臨時措置法の一部を改正する法律案について、前回に引き続き質疑を行なうこととなりましたから御了承願います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/1
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002・岸田幸雄
○委員長(岸田幸雄君) では、石炭鉱害賠償担保等臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。御質疑のある方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/2
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003・阿具根登
○阿具根登君 この前、質問をいたして中断しておりましたので、そのあと少し質問してみますが、この前の質問で明らかになりましたのは、政府出資が三億円と供託金移管分が四億八千万円、積み立て金が三億八千万円を財源として、まあ十億三千万円の貸し付けを行なうという予定で三十八年度が発足した、こうなっておりますが、当初の計画のとおりに資金が三十八年度は集まったかどうか。また、現段階において貸し付け額が大体六億円程度ということであったと思うのですが、計画との差がずいぶんあるようですが、どういう理由によるのか、基金の業務の現状とあわせてひとつ答弁を願います。この前質問いたしましたのと少し重複しておりますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/3
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004・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 先般概略御説明申し上げたのでございますけれども、なお、ただいまの御質問によりまして、やや詳細にお話を申し上げたいと思いますが、先般申し上げましたように、今年度三十九年度といたしまして、全般の臨時鉱害関係の復旧といたしましては、三十億を考えておるわけでございますが、その臨鉱法によります三十億の中で、鉱業権者といたしまして負担をする分がございますが、これがおおむね十億でございます。御承知のように国と地方の基金、それに鉱業権者の納付金をもちまして臨時鉱害の復旧をやっております関係上、鉱業権者のほうで負担いたしますものが、いまの三十億の総経費の中で約十億でございます。そのほか臨時石炭鉱害復旧法に伴います効用回復ではございませんで、むしろ自己復旧と申しますか、あるいは一時的に打ち切りをやりましたり、あるいは毎年毎年、たとえば田畑ができないということによります毎年の賠償金額、そういうものがございますわけでございますが、その分が一つの自己復旧をいたします分が千億、これはいまの鉱業権者の負担金としてかかってまいりますのが約千億。さらに先ほど申しましたように、毎年収穫が減りますものでございますので、そういう関係で金銭で賠償いたします年々賠償というのがございますが、これが約千億でございます。ちょっと端数をはしょっておりましたが、そういった鉱業権者のほうに金銭でかかってまいりまするもの、総計いたしますると三十四億六千万円という形に相なるわけでございます。そのうち二十四億、約二十四、五億円でございますが、この分は自己調達を期待をいたしておるわけでございまして、この関係は、あるいは現在の炭鉱でございますので、はたして自己調達ができるかどうかという問題、確かに一つの問題点ではございまするけれども、この中には、御承知のように、整理交付金をもちまして、整理交付金の補助金で付与する分がございますのと、さらに給付留保と申しますか、そういう関係で自己調達できる分野もあるわけでございます。そういうものを見込んでおるわけでございまして、したがいまして、三十四億六千万円中二十四億六千万円は、何とか石炭業者が自己調達できるのではなかろうかということから、あとの十億につきまして本担保基金から融資をしようと、こういう計画であるわけであります。はたしてそのとおりいくかどうかという御質問でございまするが、三十八年度石炭業者の自己調達いたしました金額はおおむね十七億でございます。来年度も約十七億くらいは自己調達できる。そのほか整理交付金の関係で私ども約七、八億はいけるのじゃなかろうかと思っておりまするし、これは先般申し上げたかと存じますが、供託金の中で取り戻しと申しますか、そういうものをやはり一億ばかり見込んでおりまして、その総計が石炭業者の自己調達できる金額と考えておるわけでございます。したがいまして、純粋に自己調達できますものは十七億くらいでございますけれども、ほかに整理交付金からの分がある。それから供託金の積み立て金の取り戻しがあるということで、約二十四、五億くらいは自己調達ができるので、あと十億を準備をして支障のないようにいたしたい、こういう考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/4
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005・阿具根登
○阿具根登君 局長のその考え方はわかるのだけれども、私たちが心配しているのは、局長もいま感じて言われたんですけれども、二十四億六千万円で、この金がはたして業者からできるかどうか。実際の炭価の状態も、御承知のように予算委員会でも質問いたしましたが、まあ油が現在石炭に換算して三千円切っておりますね。こういう状態の中で、私はいまの石炭の能力といまの炭価で、経営者がこれにそれだけの金をさくことができるかどうか、さくかどうか、こういう問題を考える場合に、あまりにもこれは甘きに失しておるのじゃないか。そうすると、そのひずみはどうなるかということを考える場合、まあ計画だからやってみなきゃわからぬと言ってしまえばそれまでですが、非常にこの計画に危険性がある。政府は約十億つくる、しかしあとの二十四億六千万というのは、これは業者が負担せんならぬぞといっておっても、負担できなかった場合になぜ負担しないかという、これに対する対策は何があるかというと、負担してもらいたい、それじゃ困るというだけしかないと思うのです。それでは、これは生産に関係しておらないので、おそらく業者のしわ寄せはここに一番くるんじゃなかろうか。そうすると、計画の場合は、確かに二十四億六千万というものはつくりましょう、しかしあと十億は頼みますということは言っておるけれども、いよいよ実施段階になってくると、私はこれに一番ひずみがくる、こう思うわけなんです。だから、少し政府の考え方は甘いんじゃないか。いま、実際石炭業界の置かれておる立場から見ても、少し甘過ぎるような気がしてならないのです。そうしますと、三十八年度は実績は一体どうであったか、こういうことを先ほど質問したのですがね。これは政府出資が三億でしょう、去年はね。ことしは四億ですね。供託金が四億八千万でしょう。積み立て金が三億八千万、これで実際の鉱害復旧ができたかどうかということになってくるのですが、これは一体どうなっておりますか。それから、前年度中の貸し付けの実績ですね。どこに大体どのくらい貸し付けたのかですね。そして、その条件はそのとおり満たされておるかどうか、そういう点をひとつ御説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/5
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006・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 自己調達に関しますいまの御質問でございますが、まさしく非常に炭鉱はたいへんでございますので、その点を非常に御心配いただきますことは、私もそのとおり心配をいたしておるわけでございますが、ただ、これも御承知だと思いますが、無資力のものは、もう完全に国と地方とでやってまいりますので、かなり大手の融資力というものでございまする関係上、先ほど申しましたように、三十八年度十七億の自己調達ができたということになっておりますが、三十九年がはたしてそのとおりいけるかどうか、計画どおりいくかどうか、この点につきましては、私どもも今後この点をよく心をして考えてまいらなければなりませんし、基金の貸し出しにつきましても、そういう点を考慮いたしまして運用上やってまいらなきゃならぬ、こう考えておるわけでございます。それから、なお三十八年度でございますが、これは先ほど申しましたように、三十九年度が約三十億ということでございますが、三十八年度は二十五億程度でございましたので、かなり鉱害復旧の事業規模も少のうございました。三十九年度はさらに若干の拡大をいたしたわけでございます。その場合に貸し付けの実績でございますが、三十八年度十億貸し付け予定のところ、年度内に約六億貸し付け得ることに相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/6
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007・阿具根登
○阿具根登君 いまのやつは十二月末に四億七千三百四十万円、本年に入って一億円余り貸しておる、それを合わせて六億だとおっしゃるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/7
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008・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) ちょっと御質問がよくわかりにくかったのでございますが、三十八年度、年度内に、この三月三十一日までに十億貸し付け予定のところ、六億貸し付けられる。したがいまして、あとの四億と、それから本年度、いまいろいろ御審議いただいております十億という形に、本年度は当然なることに相なるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/8
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009・阿具根登
○阿具根登君 そうすると、少し数字が多くなるから困るかもしれませんが、本年に入ってから四炭鉱に貸し付けておりますね。去年の十二月までに二十八炭鉱四億七千万、これは貸しておるわけですね。そうですね。二十八炭鉱が何なのかというのは、少し多過ぎるようですが、ことしに入って四炭鉱に一億七百万貸してあるのですが、これはどこどこに貸し付けてあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/9
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010・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) いまの貸し付け先の点につきましては、説明員から説明をさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/10
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011・佐成重範
○説明員(佐成重範君) 正確に申し上げますと、三十八年度におきまして五億八千万、まあこれを約六億と申し上げたわけでございますが——貸し付けたわけでございます。で、これは当初の十億三千万貸し付けるという計画から申しますと、未達になっておるわけでございますが、これは何ぶんにも鉱害賠償基金が昨年の七月一日に発足いたしまして、業務方法書の貸し付け条件といったものを定めますのに、いろいろ、なるべく賠償の促進を期するように折衝を重ねておったものでございますから、そういったことでおくれた次第でございますが、十億三千万の未達の分は、毎年賠償等の三十八年度分の若干のずれ込みということで、この三十九年度にかかってから、やはり貸し付け申し込みがあるというふうに了承しておる次第でございます。この具体的な山の明細でございますけれども、全体といたしまして、炭鉱の数から申しますと三十三炭鉱で、企業の数から申しますと十六企業というものに、この五億八千万が貸し付けられております。まあこれは手元に貸し付け企業並びに貸し付け金額の明細も持っておりますが、どの程度申し上げますか。いろいろ、いわゆる大手もございますし、それから中小に属する山も入っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/11
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012・阿具根登
○阿具根登君 今年度の四カ所。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/12
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013・佐成重範
○説明員(佐成重範君) ちょっと私は実は年度を通じまして全部リストを持ってまいりましたので、ことしに入ってからのと、昨年中のと、実際はちょっと区分けしておりませんけれども、私の記憶では、たとえば宇部の第二藤山などは、ことしに入ってからと記憶しております。二十八のは三十八年度一本の年度を通じましてのリストをいま手元に持っておりますので、ことしに入ってからのが、このうちのどれに該当するかということをちょっとマークしておりませんですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/13
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014・阿具根登
○阿具根登君 それをどうでしょうかね。三十三炭鉱とおっしゃいましたが、私の資料では三十二になっておりますが、どっちでもいいのですが、三十三炭鉱の資料をあとで配っていただけませんか。一応ですね。鉱害がこれだけ起こっておるのに、どこがほんとうな対象になっておるのか。どこがどれだけの政府の援助を受けておるのか、そしてそれをやる気がまえがあるのかということも知りたいと思いますが、ここで読み上げられるのもなにかと思いますので、あとで資料でひとついただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/14
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015・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 御指摘の点は、後ほど御提出をさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/15
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016・佐成重範
○説明員(佐成重範君) 手元にリストがございますので、これを企業明細あるいは貸し付け金額などお話したほうがよろしいのか、あるいは阿具根先生がごらんになるということでございましたら……。ではさっそく即時御配付いたすようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/16
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017・阿具根登
○阿具根登君 それからこの前、質問しましたときに、たしか現在まで残っておる鉱害量はどのくらいかということでたしか三百億くらいとおっしゃったと思うのです。三百五億だったか、それから臨鉱費はそのうちで百七十億ばかりあるのだということだったのですが、これは残っておる鉱害量でありまして、私はこの前も心配して質問いたしましたが、今度ますますこれは鉱害はふえるんじゃないかという心配をしておるわけなんです。それを大体年々何十億を見ておられるか。それもこの対象の中に入って考えておられるのか。そうすると三十数億の賠償で実際年々これが役立っていくのかどうか。この金額だけでは今後起こり得るであろう鉱害量に対する対策のように考えられるわけなんです。そうするといままで残っておる鉱害量、これに対しては一体どういうような対策を持っておられるのか。いままでの鉱害をこれで処理していくとするならば、今後起こる鉱害量は一体どうやっていくのか、そういう点が少し疑問がありますので、教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/17
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018・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 現在まで三十八年度の累積鉱害量といたしまして先般もお答えいたしましたように、三百五億というものがございます。一応鉱害の復旧臨時措置法になっておりますので、四十六年度というものを見通しまして、その間どういうふうに仕事を進めていくか、またその間どういうふうに鉱害が出てくるかというような想定なり判断なりをいたしておるわけでございますが、その情勢をかいつまんで申し上げますと、その後四十六年まで発生をいたすと予想されますものがいまの三百五億にさらに百七十三億ふえまして四百七十八億程度のものに相なるというふうに考えておるわけであります。しかも、その間四十六年度そのときにおきましてまだ不安定な鉱害でございまして、将来処理を要するというふうなもののあることは御承知のとおりでございまして、不安定なるがために四十六年度までに処理が不能だと考えられまするものが百七十九億でございます。したがいまして、四十六年度末までに処理をやっていくというというものが先ほど申しました四百七十八億から百七十九億を引きました二百九十九億、約三百億というものを三十九年から四十六年に至ります間に復旧をいたしていかなければ相ならぬ、こういう形になるわけでございます。その二百九十九億、約三百億の中で自己復旧、先ほどもちょっと申し上げましたが、自己復旧をいたしますものと、それから臨時鉱害復旧によりますいわば臨鉱関係と申しておりますが、二つに分けられるわけでございまして、臨鉱復旧のほうは御承知のように国土保全という面から、国も地方も金を出しまして農地なら農地に回復をしていく効用回復の分でございますが、これが百七十五億でございます。これは自己復旧が百二十四億、そういう姿に一応の想定をいたしております。したがいまして、国で補助をいたしまして復旧をいたします分、すなわち、臨鉱法関係におきまして百七十五億なるものを四十六年まで処理をいたしてまいるわけでございまして、その最初の三十九年度——今回の三十億と申しますのは、これの中の三十億でございます。したがって今後四十、四十一年、それぞれおおむね三十億の処理計画ですべってまいりますと、あとは二十億ぐらいに大体下がってまいりましても、百七十五億は処理可能でございます。三十九年度から四十六年でございますから、約八年間でございますので、もし三十億でありますと、二百四十億になりますけれども、百七十五億。三十九、四十、四十一年ぐらいは少し……、少しどころじゃない、気ばりまして、処理をとり急いでまいりたいというような考え方でおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/18
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019・阿具根登
○阿具根登君 そうすると、その場合、自己復旧は全然計算に入れておられないのですか、自己復旧は百二十四億ですか、いままで。それじゃ自己復旧できない場合の処置はどうなんですか、先ほどから質問しておるものの一貫した流れなんですが、自己復旧で百二十四億ができるのだということで、政府は百七十五億を考えておられるのですね。そうして年々歳々三十億なり、二十億なりしていけば、八年間で大体片づくのじゃないかとおっしゃるけれども、この百二十四億という自己復旧がなされない場合には、一体どういう対策を考えられるかということなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/19
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020・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 先ほど阿具根先生のおっしゃいましたのは、三十億の鉱害復旧をやる場合に、石炭業者の負担する自己調達分が心配である、こう言われた。いま私の御説明申し上げましたのは、その三十億の分を含んだのが百七十五億でございまして、そのほかにさらに百二十四億だから一そう心配だ、こういう御意見でございます。それで自己復旧でございますが、これはまあ臨鉱法によりまして、もとどおり直してもらうよりは、むしろお金で処理をいたしたいという被害者の申し出等がございます場合に、折り合いがつく場合にこういう形で処理をいたすわけでございますので、したがいまして、はたして四十六年までにこのとおりいくかどうかという問題でございますが、これは一応私どもいままでの実績その他から考えましても、そういうケースもかなりございますので、おおむねいけると考えておりますけれども、はたして話し合いがうまくいかないということによりまして、また臨鉱法で効用回復をやるのだというような方面にこれが移ります場合には考えていかなきゃならぬかと思います。大体、この自己復旧のほうは金銭で賠償のけりをつけてしまうほうがいいのだ、これはむしろ被害者の立場や何か、いろいろございましょうが、そういう面がございますので、お答えになったかどうか存じませんが、いずれにいたしましてもこの問題、確かにそうなっていくというようには思いませんけれども、おおむねこのくらいの形でいけるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/20
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021・阿具根登
○阿具根登君 その自己復旧の場合は、各社、各企業でそれぞれ鉱害も違ってくるから、一がいに言えないと思うのですが、政府が言っている三十四億六千万、こういうやつの場合、会社は大体トン当たりどのくらいの鉱害賠償をはじいておるか、これはわかりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/21
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022・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 先般も申し上げたかと存じますが、今後採掘してまいります場合には、それぞれこの地質条件であればどのくらいの鉱害になるだろうという想定から、いまから一トン当たりどのくらいの積み立てをいたしなさいという形でやっておりますが、現在出ておりますものは、過去において採掘をいたしましたその結果が出ておりますのが相当ございますので、したがって、三十四億も権者の負担金がある、そいつを五千五百万トンで割った額がトン当たりの負担だとは簡単に言えませんで、ずっと前からの採掘いたしております関連がございますから、なかなか複雑なトン当たりの値段かと思いますが、ちょっとただいますぐにどのぐらいだということは申し上げにくいんでございますけれども、おおむね一トン当たり採掘する場合に、鉱害としてどのくらいのコストがかかるかというお話でございますれば、先般申しました十七円というのが、大体四分の一でございますので、その十七円を四倍いたしました六十八円でございますか、大体そのくらい。これは平均でございまして、状況によって悪いところもございますが、そんなようなところではなかろうかと思います。ただ、現在出ておりますものは、過去の乱掘、そのようなものが累積いたしまして出ておるわけでございますので、トン当たりどのくらいであったかということは、ちょっといま手元に計算がないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/22
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023・阿部竹松
○阿部竹松君 関連して。ただいまの石炭局長の御答弁ですが、五千五百万トンとか、五千万トンとか、これは北海道も入るんですか。総出炭量は、北海道は全然関係ないわけですね。山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本の一部。ですから、五千五百万トンの標準なんかにならないわけです。ですから、あなたの御答弁のとおり、戦争当時、終戦当時、あるいは終戦以後の鉱害の復旧をやってるわけですが、しかし、あなた方が計数を出して何十億何千万円かかるという基礎は、今日までたどってきてどのくらいかかったという基準が、そこに集計されて今度の国会に出ておる。あれは、将来の見通しとなって出ておるわけでしょう。ですから、これは明確にわかるわけでしょう。明確にわかるわけです。あんた、わかりませんと言うがね。たとえば、この筑豊地区はトン当たり一千円かかる、ここは六百円でよろしい、ここは四百円だということで、わからぬはずがないんです。それを基礎にしてあんた方出しているんですよ。それがわからなくて三十億だ、四十億だという論議はとてもできないわけだ。明確にわかっているはずです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/23
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024・阿具根登
○阿具根登君 ちょっといまのに追加して。阿部委員のおっしゃるとおり、たとえば三十八年度で五億八千万ばかり出しているわけですね。そうすると、条件があるはずなんですね。その条件から考えれば、二十四億というのはトン当たりどのくらい出さねばならぬか。どこに幾ら貸したんだから、そこはどれだけの積み立て金があるはずだということが出てこなければ合わないと思うんですよ。だから、そういう点になぜしつこくこの点ばかり聞くかというと、どうも計算はこれで合うけれども、実際はそうならぬのだという気持ちがしてしようがないんです。だから、貸し付けた以上は、そこは責任持ってそのあとの残額は自己資金なら自己資金でまかなうんだ、その自己資金はトン当たり幾らだということがはっきりわかっておらねばならぬと、こういうふうに思うわけですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/24
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025・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 先ほど阿部先生がおっしゃいましたように、北海道はございませんので、私の申し上げた五千五百万で割ってはいけないと思います。それはおっしゃるとおり。
そこで、非常に御質問の御趣旨はよくわかるわけでございますが、現在三百五億の累積量がございまして、それを三十億で処理をしていくということを申し上げているわけですけれども、その場合のそれぞれの鉱害を起こしたもとになる石炭の量というものは、これはなかなかつかみようがない、前からずっとやっておりますから。戦時中の特別鉱害の復旧がございます。それもまた臨鉱関係で乗り移ってやっておりますから、それを全部足しまして考えれば考えようがあるかと思いますが、先生の御心配になります。今後特に三十九年度に例をとってみまして、三十億やるという場合に、トン当たりどのくらいのコストになるのかどうかという、こういう問題につきましては、先ほど申しましたように、一トン当たり出炭をする場合に積み立て金を取っておりますから、当然この一トンの生産によってどのくらいの鉱害ができるのだということは当然判断をいたしまして、その上で四分の一の積み立て金を取っておるわけですから、そういう意味から申しますと、先ほど申しました七十円程度ということになるわけでございます。ただしかし、それは今後出炭をいたしていく場合の鉱害であって、現状ある鉱害と申しますのは、過去に掘ったものの結果でございますから、したがって、この分はかなり出炭当たり幾らという問題はなかなか困難な点がございますわけであります。いずれにいたしましても、三十四億、この石炭鉱業としては鉱業権者のほうにお金が要るような復旧の計画になっておる、そいつをトン当たり幾らと、こういう関係は非常にその辺が複雑でございますので、御趣旨にぴったり合った答弁はできません。事実上できないと思いますけれども、結局問題になるところは、その二十四億六千万円の自己調達ができるかどうか、この問題だと思いますが、この点につきましては、先ほど一応まあ三十八年度は十七億だと申し上げておりますけれども、実際上今年度一体どうすべきか、この点はよく私ども事態を注視していかなければなりません。ときによりましては、そのために基金の金が足りないという事態が起こりますれば、これはまた私どもとしても善処をして考えていかなければ相ならぬかと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/25
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026・阿具根登
○阿具根登君 私が心配してくどく尋ねますのは、たとえば退職積み立て金というのは、これは積み立てができるようになっておるわけですね。そして今日まで積み立てたわけなんです。ところが、石炭界のこの不況の波の中で、その積み立て金も全部食ってしまったわけなんです。だから退職する人に退職金を払えないのですね。自分たちが何十年と使ってきた人に、しかも約束をして、何十年たったならば何十万円の退職金を差し上げますと、その退職金はトン当たり幾ら幾らと積み立てておりますと、こういうことで積み立てておったはずの退職金すらないのですよ。そうすると、こういう鉱害復旧というのは、またそのあとになる、もっとそのあとになってくるのじゃないかと、まあ民法からいえばそうじゃないのですけれども、しかし、現実問題としてそういう金は食ってしまっておるのじゃないかと、こういう心配があるわけなんです。だから、ここで何ぼ私たちがこういう議論をして、たとえば三億を四億になし、その他のあっせんを政府がして十億の金を貸してやっても、今度業者の持つべき金というものは、もうすでに食ってしまって何も残っておらぬのじゃないかと、こういう心配をするわけなんです。それがさつきも申し上げましたように、当然払うべき、自分が使った労働者に対する退職金を払えないのですから、積み立ててあるべき金がないのですから、だからここで何ぼ私たちが論議をしても、実際問題としては復旧はほとんどおざなりの復旧ではないのかと、こういう心配をするわけです。その自己資金が確実に握られておるのか、持たれておるのかということを知りたいのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/26
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027・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 従来、この賠償につきましては、鉱業法には金銭賠償だけでございましたが、御承知のように臨鉱の形でやっておるわけでありますが、その場合に、いままで金がないという場合に延納等を認めておったわけでございますが、それがようやく国のほうでも貸し付けをしようというので、昨年度この基金というものができたわけでございます。それも本年度出資を増資をしていただきまして、十億をやっていいということでございますので、かなりこの面での助成の政策といたしましてはあるいは先生御心配のように、十分なものとは言えないかもしれませんけれども、ある程度のことはできてまいったというふうに考えておりますが、それで必ずしも満足はいたしておりません。その辺の実情を見ながら善処をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/27
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028・阿具根登
○阿具根登君 まあそういう心配を持っておりますので、的確な数字はなかなか出ないと思うのですけれども、ひとつ十分監視しながらやっていってもらいたいと思います。
それからスクラップ山ですね。これはこのうちに入っておらぬと思うのですが、スクラップ山の鉱害は、一体年間でどのくらいあるのか。これに対する対策は、もちろんこれは国がやられると思うのですが、ことにこれは無資力ですから国がやられると思うのだが、その対策はどう立てておられるか、この問題を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/28
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029・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 三十八年まで整理交付金で出しましたこの分のものによります鉱害、おおむね七十億と考えておりますが、その中でいま先生のおっしゃいましたように、一山一鉱でやって、完全に資力が少ないというものが一体どのくらいあるだろうかということでございますが、これをおおむね四十億というふうに考えておるわけでございます。この分につきましては、先ほど申しましたように国と地方と補助をいたしまして復旧をいたしてまいりますものでございます。約四十億あるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/29
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030・阿具根登
○阿具根登君 四十億というのは、ちょっと低目に見られているのではないですか。私が調査したのでは三十七年、三十八年だけで六十五億から七十億あったと思うんですがね。そうすると、少し低目じゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/30
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031・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 七十億と申しまするのは閉山によりますものでありまして、その中にはもちろん数個の山を持っているところがございますから、したがって有資力というものも含まれておるわけでございますが、先生のおっしゃいました全然一社一山ということで完全にスクラップしているもの、そういうあと金も何もないというような閉山に伴うものがこのうちで四十億、したがってもしスクラップ・ダウンしたものは幾らとおっしゃれば七十億、そのうちで全然無資力のものが四十億ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/31
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032・阿具根登
○阿具根登君 その四十億はやっぱり国と県・市でやるでしょうけれども、計画はどういうふうになっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/32
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033・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 三十九年度、先ほど三十億と申し上げました一が、そのうちの七億は無資力の鉱害復旧でございますので、したがって現在まあ四十億あるそれを七億で順次消していくということになるわけでございます。かなり年数はたつわけでございまするけれども、いろいろ実際上の鉱害の認定でございますとか、あるいは復旧の設計とかいろいろ技術的な問題もございますので、大体七億ぐらいが復旧事業団としてやり得る範囲だろうという考えもありますけれども、四十億、来年度七億という形で処理をしてまいるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/33
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034・阿具根登
○阿具根登君 そうするとスクラップのやつも三百億の中にはいっておるわけなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/34
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035・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/35
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036・阿具根登
○阿具根登君 それも含めて現行法で百七十五億、今後毎年二十億程度の鉱害が発生すると予想して四十七年度までの八年間にこれを復旧してしまうのだと、こういう計画なんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/36
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037・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/37
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038・阿具根登
○阿具根登君 次に質問を変えますが、先般の衆議院で質問がされておりますが、上水道を地元市町村に引き継ぐ場合に、地元市町村の負担を増大させないようにすべきだということがなされておったようでございますね。それに対して二五%を国庫補助と起債で考慮するとこういうことであったのを、各省の協議の結果と言って、国の補助率を検討する、こういうことが言われておるのですね、衆議院において。そうするとこれは二五%の補助率を引き上げられるということに解釈していいのかどうかですね。そしてそれは来年度でなければこれはできないのか。それから全額起債を認めておられる、その元利償還は地方交付税によって補てんするというようなことを言われておるわけなんですね。この二つは一体どういう確信を持って言っておられるのか。二五%、これは上げるのだ、補助率を。こういうことを確認していいのか。とすれば大体どのくらい上げられるのかですね。償還金については地方交付税で見られるということになっておるけれども、これは上積みで見られるのか、一体どうされるのか。このところは非常に希望を持っていいようであるけれども、ばく然としているから、その点はっきりさしてもらいたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/38
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039・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 産炭地におきます上水道に関する対策についてでございますが、お話のございましたように、各省協議をいたしました結果「補助率について引き続き検討いたしますとともに」となっておるわけでありまして、引き上げるということは出ておらないわけでありますが、引き上げるかどうかということを検討するということとともに、それとあわせましていまの全額起債なり、あるいは元利償還金に対します地方交付税による補てん、これは行なうということは明確になっております。したがって御質問の要点である補助率につきましては、引き続き検討するということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/39
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040・阿具根登
○阿具根登君 そうすると補助率は引き続き二五%やっていくかどうかを検討するということなんですか、それとも二五%では少しひどいようだから、少し上げるように検討しようという、どっちなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/40
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041・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) この二五%は非常に少ないという非常に強い御意見があったわけでございます。衆議院におきまして、飲み水じゃないか、二五%はいかぬじゃないか、こういうことでありまして、それを受けましてそれをひとつ検討したい、こういうことになっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/41
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042・阿具根登
○阿具根登君 衆議院の質問のあったことはもっともなことでありまして、それは人間の生活に必要欠くべからざる上水道が、いまのようでは非常な問題をどこでも起こすわけなんですね。それを二五%じゃ少ないからこれは検討するのだ、これは上げる考えで各省と協議するのだ、こういうことに解釈してよろしゅうございますか。これは大臣からひとつ聞いておいて、私はこれで質問をやめます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/42
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043・福田一
○国務大臣(福田一君) 気持ちの上でそういう考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/43
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044・阿具根登
○阿具根登君 大臣の答弁になると、まことにとらえどころのないようなことを言われるのですがね。気持ちの上でというのを抜かして、上げるように努力するという答弁にはなりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/44
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045・福田一
○国務大臣(福田一君) それならば言い直して、上げるように努力いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/45
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046・阿部竹松
○阿部竹松君 法案の内容をお尋ねする前に、数年前に、昨年なくなった日鉄二瀬鉱業所、ここでこの鉱害賠償に関して不当支払いか過払いかわかりませんけれども、二千数百万の金を余分に払ったことがある。あの問題はどう処理してありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/46
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047・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) ただいま御質問の点は、私報告を受けておりませんでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/47
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048・阿部竹松
○阿部竹松君 直接関係のない私どもすら承知しておるのに、局長は御承知おさなくても、説明員の鉱害担当の課長が知らぬとはふしぎですね。別にここでそれを追及するという意味じゃなしに、今後数百億の金を使ってこれを運営していかれるというのですから、明確に聞いておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/48
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049・佐成重範
○説明員(佐成重範君) 日鉄二瀬の鉱害処理のお話でございまして、この鉱害処理は当事者主義によりまして、当該会社と被害者との間におきまして、この協議をしつつ払っていくということでございます。ただ、この日鉄二瀬はその後鉱区を分割しておりまして、一部ずつ合理化事業団の整理交付の対象にしておるということでございます。ただ、この整理交付の対象にいたしましたのは、まだ整理交付の対象にいたしましてから数日しかたっておりませんので、おそらくその合理化事業団が支払ったということには該当しないので、日鉄鉱業と被害者との当事者間の賠償の話だろうと思っております。まあ当事者間賠償のことでございますので、当然これは、被害者あるいはその他の関係者から、通商産業局長に対しまして、いろいろ異議の申し立て、あっせん依頼、あるいはひいては和解仲介というような、通商産業省といたしまして介入するような契機がございますれば、その際に取り上げる次第でございまして、原則的には、鉱業法の原則に基づきまして、当事者間の関係にゆだねておる次第でございまして、当事者間からそのような、通商産業省が介入するというふうな契機か、まだ発生しておらないというふうに私ども解しておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/49
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050・阿部竹松
○阿部竹松君 それに間違いありませんか。私の聞いておるのと全然……、二瀬鉱業所と復旧に当たる業者との関係でなく、二瀬鉱業所に対して、その二千数百万を返還せよという指令を出したと、こういうんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/50
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051・佐成重範
○説明員(佐成重範君) 二瀬鉱業所に対して二千数百万ですか、返還の指令を出したと申しますと、およそ鉱害賠償に関しましては、鉱害賠償は、賠償義務者たる鉱業権者が被害者に支払うということでございまして、これは全く当事者間にゆだねておる次第でございます。したがいまして官庁、通産省を主体といたしまして、この官庁が返還指令とかいうことはないはずでございますが、この合理化促進法に基づきますところの整理交付金の中から、鉱害賠償の所要資金に留保する、留保したものを石炭鉱業合理化事業団が代位弁済するということはございます。しかしながら、この日鉄二瀬に関しましては、日鉄鉱業が、自主的に賠償処理を進めておりますので、私どもの聞いております範囲では、そのような指令というふうなことが、起こる契機がないのではないかと考えております。ただ、きわめて最近のことでございますけれども、日鉄鉱業の子会社におきまして、旧二瀬鉱業を幾つかの鉱区に分割いたしまして、そのうちの一つが、合理化事業団に対しまして整理交付を申し入れまして、それが整理交付の対象として決定されたということは承知しております。それも、ただ、留保割合、鉱害賠償に振り向けます留保割合というふうなものは、これは私、たしか十日ほど前であったと記憶しておるのでございまして、そういったことがきまりまして、交付決定になりましてから、鉱害の申し出の公示を行なうわけでございますので、まだそこまでの段階には至っていないというふうに私承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/51
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052・阿部竹松
○阿部竹松君 あなたは、知って御答弁なさっておるのか、全然知らぬでかっこうつけるためにおっしゃっておるかわからぬけれども、私は、二瀬の鉱区が伊岐須炭鉱の租鉱権でやったり、二瀬にかわって高雄鉱になったりしておる今日のことを言うておるんじゃありませんよ。数年前起きたでしょう、二千四百六十万円か幾ら……。その起きた事件の、これは鉱害に関係してのことなんです。それがどういうことになりましたかということをお尋ねしておるわけです。しかし、当時、あなたが御関係がなくて、御承知おきないということだと、全然違うことを答弁してもらっても、速記録に違ったことがつくから、お気の毒ですから私はやめますが、そういう答弁では、これは違うでしょう。知らなかったら知らないでよろしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/52
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053・佐成重範
○説明員(佐成重範君) 数年前の事柄で、そういう返還というふうなことでございますれば、私、全然聞いておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/53
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054・阿部竹松
○阿部竹松君 川原保安局長さんにお尋ねしますが、筑豊あるいは田川地区へ参りますと、通産省にも届けない、保安局でも知っておったり知らなかったりする採掘現場がありますね。俗に斤先掘り、タヌキ掘り、三尺くらい表土をはがすと石炭が出るものですから、その辺を掘り散らす、トラック一台に十人くらい連れていって……。そういうのがたくさんあるわけです。これも鉱害の対象になると思うのですが、これの手当ては、保安局長さんの答弁になるか、石炭局長さんの答弁になるかわからぬけれども、こういうのが無数にあるのは、どういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/54
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055・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) いまお話のございました斤先とか、あるいは盗掘でございますが、これは私も、特に、三十八年度ああいうふうな生産状態でございますので、石炭が足りないというふうな状況もございました関係上、かなりそういうケースが出ておりました。これはあくまでも鉱業法の違反でございまして、私どものほうでも、極力これを取り締まるようにしておりますが、何ぶん人手も足りませんので、警察とも一緒になりまして、中には告発するというようなことでやっておるのもございます。これは、あくまでも鉱業法の違反の問題でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/55
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056・阿部竹松
○阿部竹松君 鉱業法の違反は、当然、警察の手にゆだねて取り締まっていただかなければなりませんが、それはそれでよろしいのですが、それが鉱害を起こす場合、どうするのでしょうかと、後段のほうをお尋ねしているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/56
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057・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 今度、国会でお願い申し上げます鉱業法の改正にからみまして、そのような問題は、鉱害というふうに新しく改正をやるべく検討しておるわけでございますけれども、現在まで、現行法におきましては、これは不当な行為に伴うものでございますので、したがって、当然これが臨鉱法上の鉱害になるというふうな解釈は、少し——少しどころじゃない、法理論的には無理なようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/57
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058・阿部竹松
○阿部竹松君 しかし、石炭局長さんも御承知のとおり、今年掘って明年鉱害が起きるところもあれば、あるいは、三年後に自然と地盤沈下して鉱害を起こす場合もある。田地田畑の下を採掘したのと、あるいは道路、住宅の付近を採掘したのと、これは違う場合もある。これはどこへ行ったか、三年前あるいは二年前に採掘した御当人がおらない、こういうのが枚挙にいとまないほど、筑豊に行ったらあるわけなんです。これの処置は、どうなさるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/58
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059・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 実際問題として、いろいろ、下で採掘をした業者も違いましょうし、あるいは現在、所在が不明だという——過去の状況によりまして、現在、いろいろ御迷惑をかけておる鉱害もあるわけでございまして、そういうものにつきましては、いわゆる無資力鉱害ということで、できるだけ弾力的に運用してまいりたいと思いますが、ただ、先生のおっしゃるように、盗掘だけで明瞭にそこに鉱害があらわれているというような場合におきましては、法理論上は問題があるというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/59
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060・阿部竹松
○阿部竹松君 その場合には、阿具根委員の質問にお答えなさった金額の中から、国で出費して処置する、こういうことに相なりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/60
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061・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) さようでございまして、無資力の七億の中に、そういうケースは入っておるわけでございまして、これは、国と地方とで両方協力いたしまして復旧をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/61
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062・阿部竹松
○阿部竹松君 そういう金額は、今日まで何%くらい占めておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/62
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063・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) ただいま、ちょっとどのくらいであるというふうに、明確にはわかりかねております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/63
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064・阿部竹松
○阿部竹松君 合理化事業団のほうで、石炭局長のほうに報告ないわけですか。事業団独自の立場で鉱害復旧をやっておられるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/64
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065・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) これは、先生よく御承知だと思いますけれども、鉱害につきましては、先ほど鉱害課長が言いましたように、被害者と権者のほうで、弁済計画あるいは仮弁済計画ということで事が進みまして、その上で通産局長が認定いたしましたりということがいろいろ積み重なった結果、どのくらいの復旧がやれる、どのくらいの予算が要るだろうということでお願いをいたしておるわけでございますので、現実にすかっときまりまして、そうして報告をされているものもございますが、いまおっしゃいますように、特にむずかしい盗掘とか、あるいは不当の行為によりますものは、なかなかむずかしいと思いますので、先ほど申しました四十億の、無資力の中でごく一部じゃなかろうかと思いますが、あるいは条件によっては混在をしておりまして、筑豊あたりでは混在をいたしておるかもしれませんし、その辺のところは、ただいま明確にお答えができない、こういうことを言っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/65
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066・阿部竹松
○阿部竹松君 主務大臣である福田通商産業大臣が御承知であるなら最も好ましいことだと思いますが、しかし、そういう末端のことまで主務大臣は御承知おきないだろうと思う。しかし、石炭局長とか鉱害課長さんあたりは、国の金を出すわけなんですから、当然監視監督というむずかしいことは言いませんけれども、連絡あって、御承知あってしかるべきだと思う、私はそう考えるわけです。しかし、全然御承知なければ、これはやむを得ない。これは事業団の当事者にこの席へおいで願ってお聞きする以外に方法はない。
次にお尋ねしますのは、金銭賠償と、実際田地田畑の場合、復旧工事をやって補てんしてやる分とあるわけですが、たんぼ一反大体どのくらいのベースでやられるわけなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/66
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067・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 先ほど申しますように、効用を回復するわけでありますので、したがって、復旧するのに非常に金がたくさんかかっては問題があるということから、現状反当たり三十五万円というものを一応の基準にいたしまして復旧の仕事を進めておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/67
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068・阿部竹松
○阿部竹松君 金銭賠償の場合はどのくらいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/68
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069・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 金銭賠償の場合は、これはおおむねでございますが、効用回復をいたします総経費の半分ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/69
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070・阿部竹松
○阿部竹松君 そういうことになりますと、筑豊に参りますときに相当聞くんですが、そこに大ボス、小ボス、代弁者かわかりませんが、中におって、事業団なり、あるいはその当該鉱業者、会社そういうところに代弁者というほうが適切か、あるいは代行者というほうが適切か、筑豊には無数におるんですね。そういうのが農民なり中小企業の代表で、私が一切委任されたということで横行しておる、こういう事実がある。これは御承知かどうか知りませんけれども、そういう事実に基づいて、私どもが、国から、あるいは鉱業権者から補償のために、復旧のために出した金が正しく被害者に渡っておらぬのではないかというような心配がある。これから数百億の金を出してやるわけなんですが、これは業者を国のほうでも応援するわけですから、しかし、それが全部が実際与えられる被害者に渡るのであれば問題ない。ところが、被害者にいくまでに何%か天引きされる、こういうことについて何らか処置を講ずる必要がないかということなんですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/70
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071・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 山を閉山いたします際に整理交付金を出しますが、その際に、未払い賃金につきましては、御承知のように、留保いたしまして、事業団が代位弁済をやっております。この場合は、やはり復旧の仕事に要ります金でございますので、被害者に渡る金もございますけれども、主として復旧のための金でございますが、いま先生のおっしゃいますのは、おそらく金銭で片づけようというような金銭賠償の問題だと思いますが、現在私どもも、実はそういう話も聞いておるわけでございまして、ただ、賠償と申しますのはたくさんの人数でございますから、したがって、やはりある程度何と申しますか、組みになりましていろいろ権者なり、あるいは市町村なり、あるいは復旧事業団のほうと話し合いをやってまいりますわけでございますので、そういう際に、やはりそのためのいろいろな諸費用と申しますか、そういうものをあるいは若干見なければならぬ分もあるのではないかと思いますが、私どもは、できるだけそういうことのないように、直接被害者の方々に一切の金が渡るようにするのが理想的だと思いますけれども、やはりそういった交渉事でございますので、そういう面でのやはり何と申しますか、手数料と申しますか、そういうものは歓迎はいたしませんけれども、困ったこととは思っておりますけれども、そういう実態にあることは聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/71
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072・阿部竹松
○阿部竹松君 確かにいま局長の御答弁になったように、困ったことであって、これは何とか処置しなければならぬわけですが、加えて、いままで筑豊には、斜陽産業といわれても、三井とか三菱とか住友、あるいは明治、こういう大企業があったわけです。ところが、筑豊には三井とか三菱とか明治、住友、こういうふうな大企業がなくなる、地方大手といわれる大正にしても高松にしても、御承知のように、前回の委員会でも問題になりましたが、ほとんど組みになりまして、だんだん——石炭局長が何とおっしゃっても、増加の一途をたどっておる。そうすると、いままでのような感覚で鉱害復旧作業をやろうとしても、協力態勢を政府がつくったとしても、相手がだんだん力が弱くなって、いままで三割なり四割を応援してあげれば復旧できたものが、今度五割も六割も七割も応援しなければならぬという状態が起きてくる、こういう懸念等はないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/72
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073・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) さような御趣旨の意味におきまして、無資力鉱害復旧というような事態は、やはり順次増加するんじゃなかろうかというふうに考えております。
なお、先ほどお話のございました金銭賠償について上はねをやっているという事態の問題でございますが、この件につきましては、むしろ今後これも鉱業法の改正によりまして、鉱害の客観的な認定と申しますか、幾ら大きな声を出しても、大体客観的にはこれくらいでございますよといった仲裁の形での判断にやや拘束力を持たせるというふうな形で改正いたしたいと思っております。現場のほうではどのくらい被害を受けたんだ、いや、そうじゃなかろうというふうな話し合いでものをきめておったところに、いま言ったような困ったような現象が起こるんじゃないかと思いますので、そういう場合には国が入りまして、大体こういうことでございませんかというふうな仲裁をやりまして、その仲裁、その判断についていままではあまり拘束力がなかったわけでございますが、それに少し力を持たせるというふうな改正を考えておりますが、そういう面でかなり改善が行なわれるんじゃなかろうかと考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/73
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074・阿部竹松
○阿部竹松君 さいぜんから鉱業法の改正を隠れみののように、ことばは悪いが、使って、鉱業法の改正、鉱業法の改正と、こうおっしゃるが、私が見せていただいた鉱業法の改正案は、そうかゆいところへ手が届くような改正になっておりませんね。私が見てからまた原案が変われば別ですが、そういうことになっておらないんです。それと同時に、そのくらい鉱業法というものを中心にして鉱害復旧の作業、あるいは復旧工事をやろうとするのであるならば、今国会に鉱業法の改正が出たわけですから、その鉱業法の本法のほうを改正してからこの法律を出すのがよかったんじゃないですか。鉱業法が本質ですからね。鉱業法の改正案をつくって次期国会に出すというなら別ですが、今国会に鉱業法改正が出たんですから、鉱業法の改正をやって、それに基づいてこの法の改正を行なうというのが私は筋だと思うんですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/74
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075・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 御質問の話がたまたまそこに及びましたのでそういうことを申し上げたのでございますが、何と申しましても、大宗は臨鉱法に伴う効用回復ということで、日夜九州のほうでは商店もあれでございますし、農家の方も、もっと早くひとつ復旧をしてくれということでやっておるわけでございますので、そういった面で鉱業権者の金の足らない分を少しでも国で助成をしていこうというためのものでございますので、いまの鉱業法の関係と申しますのは金銭賠償の問題で、一部いま何と申しますか、困ったような事態があるんじゃないかとおっしゃいましたので、その分については困ったことであるけれども、何とかそういう方向で少しでも改善をしていこう、こう申し上げたわけでございます。よろしくお願いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/75
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076・阿部竹松
○阿部竹松君 立ち会い討論会でないから、よけいなことは言いませんが、いま鉱業法が今国会で成立しても、今日以後起きた鉱害ではあるけれども、やった原因はもう二年前、三年前、四年前ということになるわけですよね。もし今日の時点からいって法改正をやっても、三年前、四年前の大体採掘した現場がそういうことになるわけですから、ですから、やはり鉱業法の改正によって云々というのであれば、当然先に鉱業法の改正をやって、そしてこの本法を論議するのがたてまえだということ、これは何もたまたまそこへ及んだからということではなかろうと思うのですが、あわせてお尋ねしたいことは、実際問題として、現実に筑豊もだんだん山がなくなって、三年後にいまの経営者が三分の一くらいどこへ行ったかわからなくなるというような状態が起きてくるんではないかと私は懸念するのですが、担当して行政指導なさっておる石炭局長さんの御見解を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/76
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077・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) お話しのように、それぞれ石炭の生産の分野と申しますか、北海道、それから常磐、宇部、九州筑豊というのを考えました際に、お話しのように、産炭地の構造が四十二年に向かいまして順次変わってくるということは私もそのとおりだと思いますが、どの程度に変わるかという度合いの問題もございますし、今後実際の需要確保の点からもその点はよほど注意をして考えてまいらなければならないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/77
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078・阿部竹松
○阿部竹松君 重ねてお尋ねしたいことは、この採掘ばかりでなく、九州に参りますと水洗炭というのをやっておりますね、一ぺん採掘したズリを水洗いして石炭をとっておるわけです。あれも相当とにかく害毒を流すように——まあ外見しかわかりませんが、あれをあのままに放置しておいては、やはり相当長い間影響するのですが、あれについての見解はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/78
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079・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 水洗炭につきましては、水洗炭業法というのがございまして、これはやはり先ほどもちょっと申しましたが、盗掘、斤先等とも、若干の似通った点がございまして、石炭が非常に足らなくなるという場合に、かなりそういった限界的な供給と申しますか、ふえてまいるわけでございますが、私どもも、これは石炭鉱業の全般の合理化を進めておる段階では、そういう供給力というものはあまり歓迎をいたしておりませんが、しかし、まあ地方地方のやはり情勢によりまして、そういう事態もあるのではなかろうかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/79
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080・岸田幸雄
○委員長(岸田幸雄君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/80
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081・岸田幸雄
○委員長(岸田幸雄君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/81
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082・小柳勇
○小柳勇君 大臣が来られるまで、石炭局長に二、三小さい問題ですけれども、聞いておきたいのですが、ことしの六月に粕屋の志免炭鉱が閉山することを労使きめました。もうあそこは三菱の勝田も閉山されておるし、ほとんど粕屋炭田といわれるものは、大きい炭鉱はないわけですね。それが鉱害が安定するのは正確に一体どのくらいかかるでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/82
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083・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 志免炭鉱の閉山に関しましては、いろいろ問題があるようでございまして、特に運輸省からいろいろ御連絡もいただいておるわけでございますが、その場合に、鉱害の安定するのはいつごろかという御質問でございますが、明確にお答えはいたしかねると思いますけれども、おおむね採掘をいたしましてから二年半ないし三年ぐらいには鉱害が安定をするというふうに聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/83
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084・小柳勇
○小柳勇君 そうすると、ここに三十八年末の鉱害累積が三百五億、いま論議しているのは三十四億六千万、その中の一徳の金の利ざやのことを論議しているわけですが、三百五億のこの累積鉱害というのは、もし全部、——これはかりの仮定ですよ、全部閉山するものとしたら、一体どのくらいかかったら安定するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/84
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085・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) この三百五億のうち、先ほどもちょっと御説明を申し上げたのでございますが、さらに今後四十六年までにふえていく分もございまして、その中で百七十九億程度は不安定で処理が不能であろう、こう申し上げておるわけでございますが、これもいずれも今後の発生いたします鉱害でございますから、この三百五億につきましては、ただいま現在においてどのくらいが不安短で、どのくらいが安定かという点につきましては、ちょっと手元に資料がないわけでございまして、少なくとも、本年お願いいたします三十億につきましては、これはもちろん安定した鉱害の処理になるわけでございます。もちろん三十億程度じゃなくて、もっと膨大なものが安定鉱害としてあるかと思いますが、この三百五億の中には、相当まだ不安定な鉱害もあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/85
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086・小柳勇
○小柳勇君 さっきの粕屋炭田の論法でいきますと、三百五億の累積鉱害については、一年間に少なくとも八十億から百億くらい処理していかなければ安定度に落ちついていかぬでしょう。そういうものはどう考えておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/86
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087・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) お話のように、不安定な鉱害で、物理的にすぐ復旧にかかれないというのはいたしかたありませんけれども、少なくとも、二、三年すれば安定するわけでございますから、この累積した三百五億を迅速に処理してまいりまするためには、このうちの安定鉱害について相当馬力をかけなければ相ならぬということになるのは先生のおっしゃるとおりでございますが、ただ、いろいろ認定の問題とか、あるいは復旧の技術的な問題、あるいは復旧事業団の処理能力、この処理能力と申しましても、単にやたらに人をふやすというだけではございませんで、それぞれ技術者、そういうものも整えなければなりませんし、あるいは鉱害復旧の順序と申しますか、下を先にやって上が変になるという点もございますから、こういったいろいろな問題を考えながら、おおむね年三十億くらいの処理をやってまいりたい、ただし、そういう面でまいりますと、かなり時間がかかるわけでございますけれども、できるだけ迅速にいたしますが、三百五億あるから、したがって、これを速急に二、三年間でそれを処理をするということにもなかなか困難な状況がございますわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/87
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088・小柳勇
○小柳勇君 石炭局長の答弁の範囲で聞いていますから、あとまた大臣の御意見を聞きましょうが、われわれは産炭地振興計画として大きく言っておるわけですね。その処理能力の問題とか、処理の復旧の技術的な問題で鉱害賠償の復旧を考えてもらっては困るわけです。それでは企業誘致もできないし、産炭地振興計画そのものもできないわけですよ。産炭地振興計画を十カ年計画などということでは、もう産炭地は死んでしまいますからね。私どもが言いたいのは、この鉱害賠償にしても、産炭地振興計画の一環として、この失業者をどうするか、この荒れた山をどうするか、これは鉱害復旧の技術的なものとか、そういうもので見てもらっては困るわけです。基本的な政治的な問題はあとで大臣に聞きますけれども、いま石炭局長が技術的なものとか能力の問題とか言われたけれども、そういうことでこういう三十億六千万とかいうものを考えておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/88
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089・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 私の申し上げましたのは、おおむね三十億程度は、ずっと鉱害処理をいたしますときの相当ピークの段階であろうと考えております。ただ、先生あるいはお話しの具体的な志免の問題ということになりますれば、これは現在生産をやっておるときの鉱害の安定には二年なり三年なりかかると申しましたので、志免はかなり前から採炭をいたしておりませんから、そういう面でかなりのものは相当安定をしておると思いますので、その分は復旧しようと思えばやれるということになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/89
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090・小柳勇
○小柳勇君 鉱害復旧事業団の処理能力は、実際にはたいしてないのですから、四カ所だけだと思うのですけれども、四カ所しかないのだけれども、鉱害復旧事業団がフルで運転するとしたら、金額に見積もって一体何億ぐらいの処理能力があるのですか、一年間に。
〔委員長退席、理事徳永正利君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/90
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091・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 先ほど申しますように、おおむね三十億程度と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/91
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092・小柳勇
○小柳勇君 そうしますと、私どもがずっと産炭地振興計画で考えている、一日も早く鉱害を復旧して、工場誘致など、産炭地振興計画をしようとするには、その鉱害復旧事業団というのがネックですか。それはどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/92
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093・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) ネックと申しますのは、この鉱害復旧事業団があるから復旧ができているわけでございますが、産炭地振興をやる場合に、どうもそこに鉱害が残っておる、したがって、産炭地のための振興はできないというようなものは、この三十億で私は処理できるのではなかろうかと思います。したがって、そういう何と申しますか、どれをどのようにやっていくかという問題などにつきましては、やはり実行上の問題として考えなければならないと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/93
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094・小柳勇
○小柳勇君 三百五億のものの、北海道はまだどんどんやっているから、たとえば筑豊炭田の半分といたします。その百五十億の鉱害が起こって累積しているとすると、それが安定には、二年半から三年ぐらいで安定するとすると、筑豊のほうはもうほとんど山というのはないのです。もう二、三しかない。そうすると、百五十億の累積鉱害というものの大半は安定したものもあるし、半分くらい安定しているのもあると思いますが、三十億ぐらいの能力の鉱害復旧事業団だけでは処理できない。あとはいろいろほかにもやっていますが、産炭地振興を計画するためにフルにやるとしたら、いま筑豊炭田で行なっている、しかも、これから二年なり三年後に、安定した鉱害については完全に処理できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/94
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095・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) お話の意味が私の答えとちぐはぐになっているのか存じませんけれども、産炭地振興のためには、土地造成なりボタ山処理なりやっておるわけでございます。鉱害復旧と申しますのは、稲が倒れる、水がなくて農地が困る、農地はあるけれども、へこんでしまって排水ができない、そういうような問題につきまして三十億で処理をするわけでございます。産炭地振興の、特に工場誘致だとかというときに、農地の復旧とは関係がございませんので、産炭地振興そのものだけをお考えいただきますれば、一応全然関係がないとは申しませんけれども、この振興法による鉱害復旧とは少し違うのではないだろうかと考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/95
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096・小柳勇
○小柳勇君 わかりました。あなたの言わんとするところはわかりました。三十八年までの鉱害の累積が三百五億ある。三百五億の鉱害があるけれども、産炭地振興計画のほうでは、たとえばたんぼにはハスが花咲いておるというようなやつで、関係のないものもあるから、産炭地振興計画では間に合うとおっしゃった、そのことはそれでいいでしょう。ただ、鉱害復旧事業団のほうで、もう少し金があればもっとやるのだ、もっとやらなければならない、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/96
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097・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) さような意味で、私どもはもう少し迅速に三百五億のうち、少なくとも安定した鉱害については、できれば三年以内ぐらいにケリをつけていくというぐあいにいたしたいと存じますが、気合いはそれでございましても、実際の処理をいたします場合の国土保全の計画の進め方からいきまして、これはもうほとんどが九州でございますけれども、ああいう生産地帯での農地でございますから、どこから手をつけていくかというような問題、それから、やはり田地でございますから、ブルドーザーでざあっとやっていくというわけにまいりません。一ぺん上土をはがしまして、底を上げて、土を盛り、もう少し肥料等をどうだという膨大な復旧等もやらなければなりませんので、そういう面からいたしますれば、もう少し迅速にやりたいんですけれども、ただ、金だけでそういうふうに簡単に迅速にいくものではないというふうに考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/97
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098・小柳勇
○小柳勇君 最後に、具体的な問題ですけれども、粕屋炭田のほうの鉱害の累積がいま約二十四億といわれております。そうすると、二十四億が安定に三年間かかるとしますと、約八億ですね。その金を——その中には鉱害権者として国鉄もありますが、国鉄などにも金を出させますけれども、三菱などもありますから、前の。いまの上程されているこの鉱害復旧事業団の金などの関係は、たとえば国鉄などは資力はあるんですが、鉱害復旧事業団のを利用していまの志免炭鉱から発生した鉱害を復旧したいという場合には、この金は使えるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/98
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099・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) なるべく使いたくないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/99
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100・小柳勇
○小柳勇君 それはどういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/100
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101・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) これは国の仕事でございますので、それ以上に民間のほうがたくさん事務もございますので、なるべくそれを優先すべきである、国のをやる場合は、別途にひとつ考えたいというふうに私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/101
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102・小柳勇
○小柳勇君 国鉄は公社でして、政府そのものの機関ではないわけですね。公社の、国鉄の鉱害復旧については国の金だというような見解で処理されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/102
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103・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 少なくとも、この担保基金の金の融資につきましては、そういった準国家の事業団と申しますか、そういうものに私ども使っていただくのは歓迎をいたしませんで、むしろ筋から申しまして、鉱業権者の民間の困っている方に貸してもらいたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/103
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104・小柳勇
○小柳勇君 最後に、粕屋炭田のほうの鉱害復旧も非常に急いでいるわけです。炭鉱がなくなりましたから、あすこを産炭地振興計画の一環としても、それから、また、国づくりをしなければならぬのですから、国鉄に対しても三菱に対しても、通産省として、鉱害復旧について早急にやれというようなハッパをかけてもらいたいし、過去にそうやられたことがあったらお知らせ願いたいし、もしそれがなかったら、今後の決意を聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/104
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105・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 特に志免につきましては、あとの離職者対策しかり、鉱害もしかり、それから、産炭地振興もしかりでございまして、十分むしろ模範的にやっていただかなければ困る、こういうふうに私ども考えております。そういう線で運輸省とよく連絡をとりたいと考えているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/105
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106・小宮市太郎
○小宮市太郎君 これも小さいことですけれども、石炭局長にお伺いしたい。賠償の問題で、農地の効用回復をせずに、年々賠償といって果実賠償をやるわけですね。その果実賠償で農民は現金収入があるので、農地の効用回復をやらずにきたというのがあるわけですね。ところが、こういうふうにスクラップになったり、だんだん石炭が落ち目になると、そういう点が以前のようにいかないんですね。そういう場合に、農地の回復をやってくれ、こういうふうに今度は逆にやってくるだろうと思います。いままでは農地の回復をしようかといっても、なかなか果実賠償があるものだから、その年々賠償でもって身入りがある。それで、実は農地の回復はやらぬでもいいという向きがあったわけです。ところが、農地の回復ということになると、いま御答弁のあったように、効用回復だから、あるいは生産として、低生産になる可能性があると私は思うのです。そこで、お尋ねしたいのは、三十五万円という限界をきめたというのは、一体どういう計算で三十五万円ときめられたか、その点ひとつ伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/106
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107・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) この点は、実は農林省のほうでおきめになっておりまして、鉱害復旧の場合は、農林省あるいは建設省それぞれのほうで、あるいは上水道については厚生省と、各省のほうでやっておりますのをこっちで取りまとめていろいろなことをやっておりますが、通産プロパーの問題といたしましては、公共施設とか家屋をやっております。いまのお話の三十五万円をどうしてきめたか、この点は、私ども漏れ承るところでは、やはり実際に新しくそういう農地を買うと申しますか、そういうようなものを判断にしつつ、そのくらいのおさまり方で復旧のできるのが妥当であろう、こういうことで、三十五万円というふうに聞いておりますが、本来は農林省の関係でございますから、御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/107
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108・小宮市太郎
○小宮市太郎君 農林省とおっしゃると、もう逃げられて何とも言えないのですが、そうすると、果実賠償といいますか、年々賠償でなくて、そういうケースはまだ相当あると思いますが、幾らくらいございましょうか、わかりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/108
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109・佐成重範
○説明員(佐成重範君) 年々賠償でございますが、大体近年におきましては十億前後の賠償になっております。全国におきまして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/109
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110・小宮市太郎
○小宮市太郎君 効用回復をする場合に三十五万円を限度にしておると、それはどこでおきめになりますか。つまり最高が三十五万円というのですから、その下もあるだろうと思うのですが、どこで決定されておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/110
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111・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 鉱害復旧計画をいたします際に、三十五万円を頭打ちに考えておるわけでございますので、最高三十五万円ですから、それより以下のものもあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/111
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112・小宮市太郎
○小宮市太郎君 いま農地の回復をやったところがあるわけです。そうして筑豊ですけれども、果樹園の造園をやったわけです。それで果樹の植栽をやったところが、どうも完全回復でないものですから、それで湿潤地帯があるわけですね。湿潤地帯といっていいかどうか、初めから湿潤地帯のようですけれども、まだ完全に安定していないというので、だんだん水気が多くなってくる、湿潤になってくる、そこで、せっかく植栽した果樹園がだめになっておるというケースが非常に多いのです。そうすると、もうそれに対する今度は賠償というものは全然考えられないわけなんですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/112
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113・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 一度鉱害だということで復旧の仕事をやりまして、そのあとで、どうもまだ完全に回復されておらないような事態につきましては、やはりそれだけの道を講じております。しかし、ある一定期限を限りまして、その間でもう一ぺん再検査をいたしまして、あるいは金銭で補うか、あるいは効用でやるか、そういうことは、たてまえはできることに相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/113
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114・小宮市太郎
○小宮市太郎君 いまのような状態で、その一定の期間というのは、法律を読みませんから、どうも質問がしにくいわけですが、そうすると、一定の期間というので一応きめられておっても、先行き非常に不安定であるというので、そこで金銭でひとつ賠償してくれと、こういうようなこともできるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/114
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115・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) いまのたてまえは、復旧工率をやったときに、やはり工事の欠缺と申しますか、完全に工事をやってなかったからだということで、ある一定期限をつけましてもう一ぺん再検査を請求をしてやってやるという形、先生おっしゃいますように、かなりそれからずっと年限がたって、やはりどうもうまくいかぬ、思ったとおりの収穫ができない、こういう場合に、それをもう一度これを救うという手は現在ございませんが、その場合、そういう問題もございますので、そういう場合の救済として、やはり新しいもう一つの鉱害と考えるかどうか、そういうようなことで、これも逃げるようでございますけれども、農林省のほうでいろいろ検討を加えておる段階でございまして、明確にここで、そういう非常に年限のたった場合にそうなるというふうに明確には言い切れませんけれども、その辺の問題は農林省のほうでも検討を加えておると思います。
〔理事徳永正利君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/115
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116・小宮市太郎
○小宮市太郎君 農林省のお話がいま出たわけですが、農業の構造改善事業というのを農林省でやっておるわけですね、産炭地振興という一面、石炭局で考えたわけですね。だから、その産炭地振興に農業をどういうように乗せていくか、農業の改善事業をそこへ乗せて産炭地の振興に役立たしていこう、こういう計画等も、現地といいますか、産炭地においては真剣に考えられておる。ところが、いまの御答弁にありましたように、鉱害復旧、農地の回復はしたけれども、効用回復である完全な昔のような回復はしていない。そこで、何といったって土地のことですから、ある一面に土を乗せるというと、ある一面が下がったりねじれてくる可能性が当然あるわけですね。だから、相当の期間土地の移動といいますか、ズレといいますか、そういうものがあるわけでして、それで川下のほうが高くなっちゃって川上が低くなるというような、農業には全く適地でないようなそういう状況さえも出てくる可能性がある。ですから、せっかくこの産炭地振興ということで、これに酪農を奨励したり、いわゆる果樹園芸を奨励したりして、農業の改善事業ということをそれに乗っけてやっていこうという、こういうことを総合的にやっても、根本的に土地の不安定さからこわれていくということがあり得ると思うのです。また、事実あるのですね。そういう場合に、これはだれも補助してくれない。石炭局は、いや、農林省だ、農林省は、いや、これは鉱害だといってお互い同士にやられたんでは、せっかくの総合的なそういう計画を立てているのがむだになると思うのですが、そういう京はひとつ十分農林省と通産省といいますか、石炭局等との話し合いでもって総合的に考えられなければならぬと私は思うのですが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/116
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117・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) お話のような状況もあるやに聞いておりまして、農林省とよく打ち合わせをいたしたいと考えておりますが、この臨鉱法のたてまえからいたしますると、その辺が非常にむずかしい感じになっておりますけれども、実際、農林省とよく打ち合わせをいたしまして、何とかそういう面の改善につきましてもやっていくようにいたしたいと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/117
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118・小宮市太郎
○小宮市太郎君 その点はそれで十分ひとつ双方で話し合いをいただきまして、産炭地の幾分の振興になるようにやっていただきたい。
それから、さっき御答弁にありましたように、三十八年度までに無権者、無資力者の鉱害が約四十億あるというお話ですが、それは国と地方でこれを金を出して復旧するのだ、三十九年度は七億程度だ、こういうお話し、国と県というのはどういうような比率になるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/118
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119・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) これはものによって違うわけでございますが、たとえば農地におきましては国が八三%、都道府県が一七%、それから、公共施設におきましては、たとえば上水道におきまして国が六二・五%、この場合には上水道の管理をいたします地方公共団体でございますから、市町村になるかと思いますが、これが三七・五%、それから、家屋、地盤等復旧費というのがございますが、これが国が六五%、都道府県のほうが三五%というようなぐあいに、それぞれの復旧対象によりまして変わっておるわけでございます。大体以上のような姿でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/119
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120・小宮市太郎
○小宮市太郎君 国が八三%、あるいは六五%程度のそれぞれ金を出してもらうのですが、地方においては、たとえば市町村においては鉱産税というのは皆無になると思いますね、あるいは皆無にならなくても、石炭から入る収入というのは非常に少なくなるわけですね。これが地方に負担させられるということば、かなり地方財政というものを圧迫すると思いますが、そういう児の一七%、あるいは三五%以上の負担というものは、たとえば国の国庫支出金やその他にどういうような関係で入り込みますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/120
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121・新井眞一
○政府委員(新井眞一君) 無資力の鉱害に対します地方財政の分担金につきましては、次のような措置をとっていただいているわけでございます。そのうちの八割を起債、あとの二割のうち約八割、したがって一三%になりますが、これを特別交付金でみてもらう、先ほど申しました八〇%の起債の中で、元利償還が参りまして元利償還をいたします際には、そのうちの五七%は普通交付税でみるという形になっておりますので、実質的に申しますと六一・六%は国であとでみるという形に相なるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/121
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122・阿部竹松
○阿部竹松君 議事進行についてですが、だいぶ時間も経過いたしましたので、きょうはこれで打ち切って、そうして本案を採決するかどうかということをこれからここで理事さん同士で話し合っていただいて、自後、理事さんの集まりで正式にきまったかどうかわかりませんが、復旧事業団、あるいは産炭地のほうの代表に来ていただいて、ここで参考意見も聞きたいということもありますので、そのことをちょっとはかっていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/122
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123・岸田幸雄
○委員長(岸田幸雄君) 速記をやめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/123
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124・岸田幸雄
○委員長(岸田幸雄君) 速記を始めて。
他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/124
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125・岸田幸雄
○委員長(岸田幸雄君) 御異議ないものと認めます。
それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/125
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126・大矢正
○大矢正君 私は、ただいま議題となっております石炭鉱害賠償担保等臨時措置法に対する一部改正について反対をいたしたいと思います。
ただ、これは法案の内容それ自身について反対だというよりは、この法案が将来及ぼす影響について、非常に多くの不満を持っているわけであります。法律の内容それ自身は、基金の三億を四億にするというなら、追加出資をするということでありますから、それ自身、鉱害の担保その他の意味においては賛成をすべき内容のものでありますが、しかし、これはこの法律に限ったことではありませんが、中小企業に関連をする、たとえば公庫なり事業団というものに対する出資の場合においても、これからは法律の改正を必要としないで、予算措置のみで、できれば政令その他でもって実施をするということでありまして、実際的な議員の審議権と立法権の剥奪であるといっても過言でないと思うのであります。そういう意味において、いまさら議論をする気持ちはいささかもありませんけれども、内容については賛成いたしますが、この法律が将来拘束する部面について反対をしておかなければなりませんので、この際、念のために反対理由を明らかにしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/126
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127・岸田幸雄
○委員長(岸田幸雄君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/127
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128・岸田幸雄
○委員長(岸田幸雄君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより採決に入ります。
石炭鉱害賠償担保等臨時措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/128
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129・岸田幸雄
○委員長(岸田幸雄君) 多数と認めます。よって本案は、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/129
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130・岸田幸雄
○委員長(岸田幸雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時三十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614589X00519640407/130
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