1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年四月二日(木曜日)
午前十一時七分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 新谷寅三郎君
理事
柴田 栄君
西川甚五郎君
成瀬 幡治君
渋谷 邦彦君
天田 勝正君
委員
大竹平八郎君
岡崎 真一君
川野 三暁君
栗原 祐幸君
佐野 廣君
津島 壽一君
日高 広為君
木村禧八郎君
柴谷 要君
野々山一三君
鈴木 市藏君
国務大臣
大 蔵 大 臣 田中 角榮君
政府委員
大蔵政務次官 齋藤 邦吉君
大蔵省主計局次
長 中尾 博之君
大蔵省主計局法
規課長 相沢 英之君
文部政務次官 八木 徹雄君
文部大臣官房会
計課長 安島 弥君
文部省大学学術
局長 小林 行雄君
文部省管理局長 杉江 清君
事務局側
常任委員会専門
員 坂入長太郎君
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本日の会議に付した案件
○連合審査会に関する件
○国立学校特別会計法案(内閣提出、
衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/0
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001・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
国立学校特別会計法案を議題といたします。
この際、連合、審査会に関する件につきましておはかりいたします。
国立学校特別会計法案について文教委員会から連合審査会開会の申し出がございました。これを受諾することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/1
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002・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、連合審査会開会の日時は、本日午後一時から約二時間開きたいと存じます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/2
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003・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 前回に続きまして、本案に対する質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/3
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004・木村禧八郎
○木村禧八郎君 大蔵大臣にまず伺いますが、三十九年度の予算案は通過いたしました。予算案は成立いたしましたが、この国立学校特別会計法はまだ成立しておらないのですね、御承知のように。それで、四月一日から収入管理はどういうふうにしておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/4
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005・田中角榮
○国務大臣(田中角榮君) どうしておるかということをまだ私も聞いておりませんから、これは事務当局からお答えをいたしますが、予算は通過しましたが、歳出の根拠法がないわけでありますので、支出ができないということでございまして、歳入は一般会計に入るということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/5
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006・木村禧八郎
○木村禧八郎君 おかしいじゃありませんか。支出ももちろん問題ですけれども、収入のほうはどうなんですか。国立大学の付属病院の収入というのがあるわけですよ。支出ばかりじゃありませんよ。だから、その収入管理のほうは、これは収入管理官を別につくらなければならないわけですし、それは新しく任命して収入管理をしなければならぬのです。文部省の一般会計の予算の収入管理はできないわけです、この法案が通らない以上は。この特別会計法に基づく収入管理をしなければならぬのです。その場合、収入が入ってきたとき、どうするんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/6
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007・田中角榮
○国務大臣(田中角榮君) 一般会計の歳入として入るわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/7
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008・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それはおかしいじゃありませんか。国立の大学の付属病院ですよ、これは一般会計にはないんですよ。一般会計にはありませんよ。そんな、ばかな話はありませんよ。それは文部省に一般会計の予算はあります。しかし、国立学校に関する限りはないわけですよ。この法案が通らないで、どうして収入管理ができますか。一般会計の収入管理では許されませんよ。それでなければ、それは乱すものですよ、会計法を。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/8
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009・田中角榮
○国務大臣(田中角榮君) これは特別会計法は通らないのでございまするから、特別会計の支出がないことはもとよりでありますが、歳入は雑収入として一般会計に入るのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/9
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010・木村禧八郎
○木村禧八郎君 そこが問題ですよ。大蔵大臣は歳出のことばかり言っておりますけれども、もちろん歳出はできませんよ。しかし、それも問題ですよ、歳出できないということも。四月一日からどういうふうにしていますか、その点は。それから、あくまでも一般会計の雑収入で処理することは、これはあとで会計検査院で問題になりますよ。会計法違反ですよ。それをどういうふうに理論づけるか。それは大蔵大臣は簡単にそんなことを言っておりますけれども、それはできませんよ。法制局長かだれか呼んでください。それはできませんよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/10
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011・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) 大臣の御答弁を補足さしていただきます。歳入歳出とも、原則といたしまして国の歳入歳出は一般会計に帰属いたします。ただし、特別会計法を設けました場合には、特別会計におきまして限定列記をいたしましたものだけは特別会計に帰属いたします。現状におきまして国立学校特別会計はまだ法律が成立いたしておりません。したがって、一般会計のそういう歳入歳出の帰属分野というものは影響を受けておらないわけでございます。その意味におきまして、歳入は法律上当然一般会計の帰属になります。
なお、経理の手続につきましては、これは今度は国庫金の取り扱いのほうの手続になりまして、その関係は従来の歳入徴収、すなわち調定収納、それらの関係は、一般の管理機構がすでにございまするので、それの機構に従いまして当然に一般会計に入ってまいります。その関係は、もちろん予算には一般会計の予算におきましてこういうものを予定いたしておらないわけでございまするが、国の財政を運用してまいります場合には、予算で予定いたしませんような歳入が毎年入ることに当然相当額において見込まれるところでありまして、それと同じ取り扱いに相なるものと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/11
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012・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それは、国立学校の特別会計法が通らなかったから、便宜上文部省の一般会計の雑収入等で処理するよりいたし方ないというんなら、わかりますよ。法的にそれが正しいということは、どう判断してもそれはできませんよ。だって、それじゃ、もしこれが通らない場合は、いつまでもそういう処理でいいんですか。一般会計の収入として一般会計にそんなものは計上してありませんよ。国立学校の付属病院の収入が一般会計に計上してありますか。そんなことは計上してありませんよ。それは会計法を乱すものですよ、そんなことは。それは便宜上一時いたし方ないというんなら、わかりますよ。当然それだっていいというんなら、そんな予算がどこにありますか、一般会計に。一般会計のどこにありますか、教えてください。一般会計でそういう歳入管理するあれはどこにもありはしませんよ。もうとにかく特別会計に移してしまったんでしょう。そうでしょう。特別会計の収入になっているんでしょう。特別会計の収入になっておって、この法律が通らなければ、それは特別会計の収入管理ができないんですよ。通らないからできません。それで、便宜的にいたし方ありませんから文部省の一般会計の雑収入で処理するよりしかたがないと、事務的に。そういう御答弁ならわかりますよ。法的に何ら差しつかえないなんて、そんなことは前例にもなりますよ、今後の。これがかりに一日、二日くらいどうにか便宜的に処理できるとしても、これがずっと長期にかりに続いたら、どうなりますか。そんな収入管理は一般会計にはないんですから、特別会計のほうにあるのですから、この法律が通らなければ処理できない。あたりまえじゃないですか。
これは私はいじめるために質問しておるんじゃない。今後の前例として問題になるので、こういう際に——これは異例の事態なんです、こういうことは。異例の事態であるから、われわれは大蔵委員として、財政問題等担当している委員としては、財政法、会計法、特別会計法、そういう法規に基づいてやる、これは憲法の精神ですよ。これを乱してはいけないわけですよ。いまみたいにそういうごまかしの御答弁は、これは許されないと思うんです。これははっきりさせなければいけないと思うんです。ですから、法規課長なり何なり呼んで、明快にしなければいけないと思んです。これは何も責めているわけじゃないのであって、その点はあいまいにしてはいけないというわけなんですよ。それをもう少し法的な根拠をはっきり示していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/12
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013・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) 説明が足りませんで申しわけございませんが、繰り返して申し上げます。
歳入及び歳出がいかなる会計に帰属いたしますかということは、予算できめるべき問題ではなく、この法律できめるべき問題でございます。原則は、一般会計に属します。特別会計におきまして歳入歳出を特定しまして、それに帰属いたしましたことによりまして特別会計の歳入にこれがなるわけです。同心に、一般会計の歳入にはもう取れないということになるのでございます。歳入を取ります根拠は予算にはございません。これを帰属いたしますところの根拠も法律であります。現在歳入を取りますところの手続は学校の管理の権限に基づきましていたしまするし、月謝なり、あるいは病院収入なんかを取る根拠はそちらにございます。したがって、そういう歳入が現実にございまして、これは適法の手続ができます。これの帰属は、この特別会計法が法律として成立しない限りにおきましては、当然一般会計に帰属いたしまするので、一般会計で受けてこれを整理いたしますというのが法規に従った手続でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/13
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014・木村禧八郎
○木村禧八郎君 一般会計といっても、三十九年度、新年度が始まっているんで、そういう病院の収入とか、あるいは月謝とか取ることを、何も私は問題にしているんじゃないんです。管理をどうするか、収入管理ですよ。そういう勘定がありますか。管理はないじゃありませんか。どうやって管理するのかというんですよ。そうしてこれは入ったと。入ったら、これは日本銀行に預けるでしょう。そのときどういう勘定で預けるか。これが通っていないんですよ。その管理法を言っているんですよ。何も取れるとか取れないとかを言っているんじゃないんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/14
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015・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) 管理といたしましては、当然一般会計の歳入として管理いたします。歳出の場合には、予算の項目に従って歳出が行なわれます。歳入の場合もそれに該当するものはさようでございますが、今回の場合は異例の事態でございまして、予算の面ではこれを受け入れるところの明確な勘定がございません。したがって、既存の雑収入にこれを入れて整理する、あるいは別の整理の方法を考えましてこれをあとで整理するということも考えられます。しかし、現状においては、きわめて異例の事態でありまして、そういう手続をまだ踏んでおりませんから、当然その間、収入をもって整理するところの文部省所管の歳入において整理が行なわれておるものと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/15
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016・木村禧八郎
○木村禧八郎君 大蔵大臣に非常な責任があるんですよね。財政法あるいは会計法に基づいて、そういうあいまいな、この法律案が通らないのに、収入管理について文部省の一般会計の雑収入として処理していいというなら、じゃ、ずっとこれからやっていいんですか。そんなことはできないでしょう。だから、法律上これはできないのですよ。収入管理のあれがないじゃありませんか。だれがやるのですか。だから、それは一時的に、こういう非常事態になってしまってやむを得ないから、便法としてそれよりしかたがないというのなら、わかりますよ。それよりしようがないでしょう。収入を受け取った、受け取ったけれども、どこで管理するのです。それで差しつかえないというのなら、何もそんなに急ぐ必要ないでしょう。支出のほうは問題はありますけれども、収入管理に関する限りはそうですよ。だから、私は管理を聞いているので、それがどこにあるのです。四月一日からないじゃありませんか。この法律が通らなければ、それは収入管理のあれはないわけでしょう。ありませんよ。
雑収入にというのは、それは一応それよりしようがないということなんであって、なぜ特別会計の法律に基づいてやらないのですか。一般会計といっても、一般会計の収入にそういう収入は予想されていないんでしょう。一般会計には組んでいないのですよ。特別会計のほうに組んであるのですよ。国立病院の収入は特別会計のほうに入っているのでしょう。だから、特別会計としてこれは収入管理するのですよ。特別会計のもとで収入管理する場合に、この法律が通っていない。そうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/16
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017・田中角榮
○国務大臣(田中角榮君) これははなはだ異例な事態でございます。当然予算が通っておるのでありますから、この特別会計法も三十一日に通していただくという前提になっておるわけでございますが、今日まで御審議が続いておるという非常に異例な事態であることは御指摘のとおりであります。これは会計法及び財政法上のたてまえは、しごく明瞭にお答えしておると思います。学校の月謝は法律に基づいて徴収権がございます。病院の診料費もそのとおりでございます。でありますが、特別会計法が通った場合は、その法律に基づいてその収入は特別会計の特定財源ということになるわけであります。でありますから、特別会計法が通れば、当然特別会計の収入として徴収されるわけでございますが、特別会計法が通らない。通らない場合には、一体それを取らないのかというと、徴収権限は規定しておるのでございますし、なお政府が企図しておる特別会計の財源としてお願いをするという法律が通らないのですから、現状どおり一般会計の徴収管理のもとに一般会計の雑収入になるということでありまして、これはもう通らない場合には、いつでもそういうことになるわけでありまして、これは必然のことであります。
しかし、これは特別会計法の収入よりも、支出ができない。きのう、きょうも急患があって、それに対して血液を貰うというような場合、これは歳出の権能がないわけであります。でありますから、買ってはいると思いますけれども、実際からいうと非常に異例なものであります。この法律が通らなかったということは、会計法や財政上法では非常に無理な問題が起きているわけであります、学校、病院等においては。ですから、私は、歳入に対してはちゃんと根拠法がございますから、国損は来たさないのでありますし、この法律が通れば、それ以後においてまた遡及するというような御修正があるかもしれませんが、いずれにしても、収入は、この会計法が通れば、 この会計の特定財源になるわけでありまして、一般会計から分離されるということにすぎないわけでありますが、問題はやはり支出ができない、こういうことであります。支出ができないということで、一日からいままでの間の収入をやりくりをして、それで払っているとすると、そこに会計法や財政法の紊乱が起こるという問題が支出の面において起こるのでありまして、収入管理の面においては適法であり、国損は来たしておらないし、法律の精神どおり歳入は行なわれておるというわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/17
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018・木村禧八郎
○木村禧八郎君 支出の面はあとで伺おうと思っておった。もちろん支出の面も問題ですよ。しかし、大蔵大臣、やはりおことばを慎まないと、それはいかぬと思うのですよ。支出は会計法違反でできないのだ、病院においてたとえばカンフル注射をやる、そういうもののときにできないのだけれども、買ってはいるかもしれい、 こういうことを言われたのですよ。これは実際問題としてそうかもしれませんね。しかし、会計法上たてまえとしては、やはりこれは許されないのだ。そんな便宜的にできるなら、何も問題ないわけですよ。たてまえ上はできないのだということをはっきり言わなければ……。買っているかもしれませんねということは、これはことばじりをとらえるようですが、やはりあくまでも財政法なり会計法に基づいてやらなければならぬという、そのたてまえをいま論議しているのですよ。これは現実問題としてはまたいろいろな判断もあろうと思うのですけれども、大蔵大抵としては、あくまでもそういうふうに厳密に適用しなければならぬというたてまえは守らなければいけないのじゃないかと思うのです。
それで、私は政府が非常に不用意であったと思うのですよ。一般会計からは落としてあるのですよ。国立学校のこの会計は特別会計のほうに移した。特別会計の構うはこの法案が通らぬと処理できない。そこで、こういう事態をおそらく予測していなかったと思うのですけれども、一般会計から国立学校の特別会計を切り離して、それで同時に出してきた、そこに何らの手当てのしようもない問題が起こってきた、これが通らないと。だから、それはいい悪いの問題の前に、そういう万全の措置がとられ、もしこれが全然このままで通らなかったらどうなるのですか。これは補正予算を組むとかなんとかしなければならぬのです。そうでしょう。だから、そういう点が非常に不用意ですよ。これは今度は特別会計になぜするかという問題に関連してくるのですけれども、もっともっとこの問題は十分にこれは検討されて、唐突のわりに……。私、衆議院の三月二十四日、 この問題に対する質疑の速記録を読んで見ましたが、実際、特別会計法として出してくるについては、昨年十二月に迫って、非常に急に予算編成とからんで出てきたという関連もあって、十分な措置がなされていないというところに問題がある。もちろん、だから、一般会計には、その国立学校の特別会計の収入管理にしようったって、ないですから、一般会計には。だから、授業料とか病院の収入を、これを徴収することができないということじゃないのです。それはできるでしょう。そのことを言っているんじゃなくて、管理のしようがないじゃないですかと言っているんですよ。それはもっと明確にこれは法制局長官等にも聞いて、よく明確にしておかなければならぬ、今後の問題としてですよ。それは大蔵大臣は支出のほうばかり言っておりますが、収入管理もこれは大きな重大な問題ですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/18
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019・田中角榮
○国務大臣(田中角榮君) 収入管理も支出も重要な問題でございますが、収入に関しては根拠法がございますから、この収入が特別会計ができた場合には特定の収入として一般会計から分離されるというにすぎないのでありますから、非常に簡単な議論であります。特別会計ができて、特定財源にこの法律で編定をしますから、その収入は特定財源になって一般会計には入らないということを法律で明らかにしただけでありまして、その法律が通らない場合には、他にもそういうものがあるのです。予期しない国の収入というものがあるわけです。ですから、雑収入勘定があるわけです。でありますから、これは特定財源にならないというだけであって、一般会計の収入管理はいままでの一般会計の収入管理でやればいいのであって、何ら問題はありません。法律論としてはしごく簡明であります。
ただ、私は一番問題は支出の問題であります。支出がなければまあ運営がとまるということでありますから、厳密な議論をすれば、たいへんな事態になるということだけは事実であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/19
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020・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/20
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021・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/21
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022・木村禧八郎
○木村禧八郎君 法制局が来てからこの見解を法制局に聞きますが、大蔵大臣は、予想せざる収入というのもあるというのですが、それは雑収入に入れると。そうでしょう。これは予想せざる収入じゃないですよ。予想せざる収入じゃありません。そうでしょう。病院収入というものは、これは予想せざる収入じゃないです。ただ、その場合、私は徴収できないということを言っているのじゃないのであって、それがいまは一般会計として管理できないのですよ。だれがやるんです。そうでしょう。これはまあひとつ法制局長官に聞いてみます。
それから、次の問題ですが、どうして国立学校の経理を特別会計にしなければならないのか。先ほど申しましたように、三月二十四日の衆議院の大蔵委員会での質疑を見ておりますと、特例会計の経理にしたほうが大学の施設あるいは設備等を、これを充実させるのに非常にそのほうが便利であるし、またそのほうが有効である、こういうふうに説明されておるのですよ。なぜ有効であるのか、その根拠をはっきり聞かしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/22
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023・田中角榮
○国務大臣(田中角榮君) 特別会計は、明治から昭和二十二年まで約六十年に近く特別会計は行われてきた歴史も沿革もございます。その後、特別会計がいいのか、一般会計がいいのか、他に新しい会計方式があるのかということに対しては十分検討を続けてきたわけでありますが、昭和三十九年の予算折衝の段階において、 いよいよ特別会計に踏み切ろうということになったわけであります。
申すまでもなく、特別会計の中で特に病院のようなものは対しては、テンポが非常に速く、内容の充実その他につきましては、より弾力的な財源の問題等は考えられないかということは、つとに識者の間に論じられてきたわけであります。ところが、一般会計の中で処理しておる場合には、一五%前年対比伸びた場合、 これを社会保障とか文教とか、そういうものは最重点施策であるからといっても、倍にしても三〇%、また一五%に対してやはり二〇%程度とか、そういうおのずから一般会計の中には限度があるわけであります。際限があるわけであります。そういう意味で、学校に対しては、土地やなんか不用財産を、売り払った場合でも、それは一般会計の歳入になり、次の年度の予算にまた考える、こういうことで、一般会計の中において弾力性が欠けておるということは御指摘のとおりなわけであります。でありますから、今度は二千百億に上る財産も無償で特別会計にこれを出資をする。また、不動産等不用財産の売却収入はその特別会計の収入となって、弾力的に歳出面に充てられる。また、予想以上の収入があった場合、病院収入等があった場合も、これもその年度の施設の改善、充実に使えるわけであります。なお、病院に関しましては借り入れ金の制度をつくったわけでありまして、かかることによって十分な施設の拡充整備に資し得る、こういう考えに立っておるわけであります。
これは治水特別会計、治山特別会計、また道路の特別会計、港湾特別会計というように、一般会計よりもより弾力的に行なうことの必要なものに対しては特別会計に移し、また三公社の制度が、現在四公社でありますが、四公社の制度になり、また五現業の現業になり、やがては特殊法人になり民営になるというふうに、一般会計の拘束性よりもだんだんと弾力的運営を、自主的運営に加えて弾力的運営が行なわれるような、またそれが必要であるものに対しては一般会計からはずしておることは、過去の例に徴しても明らかであります。また、こうすることが各特別会計においても非常に弾力的にその妙が発揮せられておるということも事実でございますので、そのような例に徴してこの学校特別会計新設に踏み切ったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/23
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024・木村禧八郎
○木村禧八郎君 もう少し焦点を具体的にしまして、要するに、大蔵大臣がいま言われたことは、これは三月二十四日の大蔵委員会でも中尾政府委員がかなり率直に述べておりますが、要するに第一は、特別会計にした場合は、たとえば簿価にしても二千百億をこえるところの資産が学校の財産ということである。これは簿価では二千百億だから、時価にしたらもっとあるだろう。これは特別会計にした場合、 これによってもっとそこに財源の余地があるではないか、できるではないか。もし一般会計の場合、それを売った場合は一般財源に入ってしまう。一般財源に入ってしまって、国立学校のほうに十分に回ってこないおそれがあるではないかという、これが第一の論拠らしいのであります。それから第二は、この毎年十億から二十億程度の剰余金が出てくる。これも一般会計でやったら、これは一般会計に入ってしまって、それが国立学校のほうに回ってこないおそれもあるということですね。また、その他の財源があっても、これを一般会計にしておくと、一般会計になってしまって、特に国立学校のほうに確保できない。そういう関係上、特別会計にやれば、きちんとそのほうに、国立学校のほうにその財源が、いくではないか。これが一番煮詰めたところの根拠ではないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/24
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025・田中角榮
○国務大臣(田中角榮君) おおむねいま御指摘されたようなことが大きな目的であります。まだあります。それはまあ学校の土地が十万坪あって、実際は五万坪は必要ないという場合でも、これを売る場合には、政府が使用するという場合には、無償でこれを取り上げるということだったわけでありますが、特別会計の場合は、それに対する対価を一般会計から払わなきゃならない、こういう問題があるわけであります。でありますから、いずれにしましても、特例会計が一般会計よりも弾力的であるということは、事実そのような事項がたくさんございますので、まあそういうことによって一般会計よりもより合理的だというふうに断じておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/25
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026・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それから、もう一つ伺いますが、いままで一般会計において国立学校の予算を計上しておりましたが、今後特別会計になっても、その国立学校のほうは、授業料とか、あるいは国立病院の病院収入とか、その他だけではとてもまかなえっこない。九牛の一毛といっても過言ではないのだ。大部分は一般会計から繰り入れをするということになっていると思うのです。そこで、今後かりにいま特別会計にした場合、十分に政府は一般会計から特別会計のほうへ繰り入れるという保証があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/26
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027・田中角榮
○国務大臣(田中角榮君) これはもう特別会計に移行いたしましても、一般会計から最重点的主義で文教の刷新向上をはかっていくわけでありますから、一般会計で文教に対して最重点的な予算配分を行なっていくと同じ姿勢であります。より積極的な考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/27
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028・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それならば、なぜ一般会計で全部処理できないかですね。たとえばこの国立学校の財産が簿価だけで二千百億あると、時価に見積もるならばもっとたいへんです。それを売ったとき、一般財源になる。そうなったら、そのままそれをなぜ文教予算のほうに、国立学校のほうに予算が回せないのか。これは回せるのならば、何ら問題はないわけです。また、剰余金が十億、二十億出てきた場合ですね、それは一般財源になる。それをなぜ国立学校の予算に回せないのですか。それが回せれば問題がないわけなんでしょう。特別会計ということになって回せて、一般会計の場合回せないというのは、それは根本の理由はどこにあるのですか。根本の理由は、これは中尾政府委員も言っておりますが、一般会計だとプレッシャー・グループがたくさんあると。プレッシャー・グループがあって予算の先取りしてしまうから、文教予算のほうにしわ寄せされてくるのだと。この問題が根本であって、一般会計とか特別会計とかの前に、予算の先ほど大蔵大臣が言われました弾力性がなくなってきている。下方硬直性ですね、だんだんこれが強くなってきている。弾力性がなくなって、たとえば公共事業で四兆一千億円道路予算が出てくる、あるいは港湾の何ヵ年計画が出てくる、あるいは防衛費何ヵ年計画が出てくる、あるいは治山治水の何ヵ年計画が出てくる、あるいは鉄道何ヵ年計画が出てくる、そういう場合に、もしそれと関連して文部大臣がはっきりと国立学校の整備に関する五ヵ年計画なり十ヵ年計画はちゃんとつくっておいて、それにはどれぐらいの予算が要る、何ヵ年で整備ができる、そこでこれだけ財源を確保する、こういうことをちゃんときめておけば、特別会計であろうが一般会計であろうが、そういう問題が起こらない。
もしこれを一般会計から特別会計のほうに移した場合、一般に危倶されることは、いまの時点では一般会計から十分に特別会計に繰り入れていると。だから、心配がないというけれども、先ほど大蔵大臣言われましたように、この予算には下方硬直性が強くなってきている。今後、どう見たって、道路計画だって四兆一千億でしょう、そちらのほうに、どんどん食われるのですよ。社会保障費にも食われるのですよ。だから、食われないようにするには、社会保障にしましても、文教予算にしましても、ちゃんと五ヵ年計画なり十ヵ年計画なりを立てて、そうして国立大学の設備なり施設を充実させることが目的ならば、その裏づけとしての何ヵ年計画もちゃんと立てて、財政計画も立てて、これだけの予算措置をするんだから心配がないというのなら、特別会計にすることに反対する人はだれもその限りにおいてはないでしょう。しかし、これはまた教育に関する問題でありますから、それを通じて、また文部省が教育上の財政を通じて、大学の学問の自由とか、そういうものを縛る、制約する危険性も出てまいります。しかし、一般会計にしておいたほうが全体としての国民の批判は吸い上げやすい。特例会計になれば、どうしたってこれは、何といったって、いままで特別会計の例がありますように、十分にやはり批判なり審議の的にならぬわけなんですよ。そういう点もある。
だから、問題は、予算全体の中で国立学校の予算の位置づけをどうするかという問題です。この特別会計にするにつきましては、文部省の当局と大蔵省の当局と慎重審議したと。このほうが大学の設備施設の充実に都合がいい、こういう慎重審議したというけれども、根本の問題を慎重審議されていないのですよ、そうでしょう。根本の問題が、一般には、特別会計にすると、一般会計からの繰り入れがだんだん減ってくる。従来の例でいえば、国立病院も特別会計にしました。その後だんだん一般会計の繰り入れが減って、そうして国立大学の独立採算性がだんだんとられてきた。「これはごもっともなお話で、予算はいろいろプレッシャーの強い作業でございますから、御懸念の点は十分理解できるのでございますが、そういう趣旨ではございません。予算のことをここで明瞭に申し上げるわけにはまいりませんが、方針といたしましては国立学校の経費というものにつきまして、財政の許す限り今後とも従来と同じように、あるいはそれ以上に、十分に一般会計からその財源を投入すべきものであるというのが大蔵省の方針でございます。」と、こういうふうに中尾政府委員も言っておりますし、また文部大臣もあらゆる機会に、従来以上に一般会計から繰り入れるつもりでございますと。これは客観的な裏づけなり保証なりというものは何らないのですよ。保証がない。保証とは何であるか。それは五ヵ年計画なり、十ヵ年計画のきちんとした計画ですよ。文部省はこの計画を立てないのですか。この計画を立てて、何で大蔵省と予算折衝をしないんだ。この計画がきちんと立っておれば、何も心配する必要ないんです。今後一般会計から繰り入れが減るのではないかとか、そんなよけいな心配する必要ないんです。文部省は当然立てていなければならぬです。いままで何回もいろいろな審議会で答申されております。特別会計に移すべきであるという答申もされております。これを具体的に検討する場合、いま国立大学の施設なり設備はどうなっておって、本年度はどこの大学のどの設備をどれだけ整備した、来年はどれだけ整備する、再来年はどれだけ整備する、国立大学の数ははっきりきまっておるのですから、計画が立たないはずないんです。その計画を立ててはっきり五ヵ年計画の予算化をしまして、こうこうこういうふうになっておるのだから、そこで一般会計の繰り入れが減る心配はない、こういうふうにしておけば、何も一般会計の繰り入れが前の国立病院のように特別会計にすることによって減ってきて独立採算制が強化されるという憂いがない。一番心配されておるのは、一般会計の繰り入れがだんだん減って、現時点ではそうであっても、だんだん独立採算制になっていくのではないか。なっていくんですよ。なっていかないと言ったって、客観的な根拠がないんです。むしろだんだん減っていくというほうが客観的な資料がある。なぜならば、一般の予算は硬直をしておる、今後なかなか減らない。しかも、文教予算以外のものはどんどんふえてくる。それが全部計画されているじゃないですか。何ヵ年計画が計画されているじゃないですか。ほかのものはどんどん計画されていって、文教予算、特に国立学校予算、施設設備について計画はないのでありますか。ないから、どんどん押されてくる。この問題について慎重審議一つもしてないですよ。枝葉の問題をやっておる。一番もとになる根本の、一般の全体の財政の中の国立学校の整備の位置づけは計画的に何ら作業をやっていない。ですから、みんな心配が出てくる。独立採算になるのじゃないか、授業料が上がるのじゃないか、そういう問題も起こってくるのですよ。あるいはいろいろ合理化も起きるのじゃないか。それを払拭する一番いい方法は、ちゃんと五ヵ年なり十ヵ年なり大学の整備の計画を立て、そうして予算的な裏づけをする、そうして話し合いしてごらんなさい。そんないろいろな心配なんか出てこない。なぜそれをやらないのですか。
文部省に伺います。この予算折衝をされるときに、ちゃんとそういう計画を出して、そうして折衝したのかどうか、この点、文部省に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/28
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029・八木徹雄
○政府委員(八木徹雄君) 木村先生のおことばでございますが、計画はあるのでございます。現在大学の施設設備の整備の五ヵ年計画というものは、進度四年目に入ろうといたしておるのでございます。しかし、現在の五ヵ年計画というのは、いわゆる老朽改築、設備の近代化ということを中心に行なっております施設設備の五ヵ年計画でございますが、しかし、御案内のとおり、昭和四十一年度からいわゆる大学急増時期に入ってまいるわけでございますので、この大学急増を含めた新しい観点に立った五ヵ年計画の策定の必要性にいま迫られておるわけでございます。で、まことに申しわけないことでございますけれども、その大学急増を含めた新五ヵ年計画の事業量の決定は、ことしの八月までに、その原案を修正をされて、現在の五ヵ年計画を修正いたしまして、新五ヵ年計画に移行さしてもらうという心組みでいま準備をいたしておるところでございます。ついては、今回のこの特別会計につきましても、大蔵省側とは、その前提の上に立ってこの特別会計を設定することによって文部省がこれから企図しようとする新五ヵ年計画が積極的に推進できるように、この特別会計をもってひとつやっていただけるという基本的な了解の上に立って、われわれはいまこれに積極的に賛成申し上げ、みなさんにお願いを申し上げておるというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/29
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030・木村禧八郎
○木村禧八郎君 いまの御説明でちょっと気にかかったのですが、新しい五ヵ年計画については、授業料についても改定をする。これは授業料を上げるんですか。上げることが前提になっているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/30
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031・八木徹雄
○政府委員(八木徹雄君) 授業料は、特別会計なるがゆえに授業料を上げないという基本的な了解であります。しかし、永遠に授業料を上げないという約束ができるということじゃございません。やはり社会の情勢、物価の動向、その他当然一般会計によっても処置しなければならない時期があるわけでございますから、その意味で、そのようなときになればもともと協議しなければならぬことでございますが、特別会計を設定して、直ちに授業料をふやして、独立採算的なにおいを少しでも出すといったようなことは、文部省、大蔵省の間では絶対にとらない、こういう基本的な了解の上に進めておることでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/31
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032・木村禧八郎
○木村禧八郎君 文部省は、国立学校が持っている財産二千百億、それが特例会計になれば一般財源にならないで国立学校のほうに確保できるとか、あるいは剰余金等について、これも一般会計から特別会計になれば一般財源にならないで確保できるとか、そういうふうなことをやはり主たる理由として特別会計に踏み切ったのか。
これ以上にもっと重要なのは、国の一般会計から特別会計にどの程度にずっと繰り入れられるかということが重要な問題なんですよ。これについての検討を十分にしたかというのです。この検討は日本の予算全体の検討の問題ですよ。ですから、保証がないのです。大蔵省だって保証できませんよ。それは、繰り入れとかなんとかいわれていますけれども、努力するとか、十分に一般会計からの財源を収入すべきであるとか、そんなことを言ったって、客観的に日本の財政というものは下方硬直性になってきます。さっきくどく言ったように、計画的にもう縛られてきているんですよ。道路予算四兆一千億、五ヵ年計画ですよ。そういう文部省の予算だけでなく、全体の今後の予算、今後の見通しとの関連において、大蔵省と折衝すべきなんです。ですから、新五ヵ年計画についてはこの保証がないのでありますから、単に、国立学校の持っている財産とかあるいは授業料とか、そういうふうなことにとらわれないで、もっと抜本的に、この新しい計画におきましてはちゃんと予算化したらなぜ一般会計で見るような要求をしないのですか。それは財産で一般会計に繰り入れても、財政は硬面性でなければちゃんと国立学校のほうに回ってくるべきなんです。かりにその財産あるいは手数料等が問題が解決しても、全体の最もでかい一般会計のほうで繰り入れが減ってくるならば、これは元も子もなくなってくるのです。そっちのほうが重要なんです。これについては、本来なら文部省が、やはり過去においての予算折衝の場合に、単に文部省というそういう立場だけでなく、どうしたって全体の予算の中での文部省予算の位置づけをやっていかなければならぬ。あなたは新しい五ヵ年計画を策定したのですから、あるいはしようとしているのですから、ちゃんと策定して、その財源を大蔵省に一般会計として要求して、私はそれを見せていただきたいのです。新五ヵ年計画の財源措置を見せてもらいたい。それによって一般会計でどう措置するかということとを折衝して、その折衝の結果こうならざるを得なくなったというなら、まだわかりますよ。まず、たてまえは一般会計が全部見るというたてまえでやらないと、そうしていかないと、そういう主張をすればどうしたって日本の財政の非弾力的な問題について文部大臣が発言すべきですよ。発言しなければならなくなっているのです。こんなアンバランス、道路予算に四兆一千億でいいのか。しかし、四兆一千億認めるでしょう。そのかわりに、文部省予算とし本予算についてはこれだけ確保してくれ。それをやらないから、どんどんほかのほうでは、道路計画は四兆一千億で、今度は治山治水、港湾、何ヵ年計画、今度は防衛庁五ヵ年計画で出てきますよ。第三次五ヵ年計画で。国鉄も出てくる、電電通も出てくる。こういう条件のもとでどうして将来一般会計の繰り入れが減らないで済むということが保証できますか、できないのですよ。
この取りつけを十分にやらないで、単に二千百億の国有財産とか、授業料、手数料の増加だけでそれが確保できるという、こんなことで大学の設備の充実を考えても、とても困難だ。将来このままの特別会計でいってごらんなさい、どうしたって国立病院と同じようなことにならざるを得ない、そういう客観的な情勢なんですよ。そこまで押して折衝しなければならなかったわけです。この三月の二十四日のこの衆議院における国立学校の特別会計変更の質疑を聞いておりますと、そういう時点にまでさかのぼった根本的なあれは十分なされていないし、文部大臣もそういう点について責任ある保証は何ら大蔵省から取りつけていたいのですけれども、将来重大な問題になりますよ。ですから、新五ヵ年計画の計画、どこの学校を何ヵ年に整備して、その財源は幾ら要ってと、そういうものをちゃんと見せてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/32
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033・八木徹雄
○政府委員(八木徹雄君) おことばを返すようでございますけれども、われわれがこの特別会計に賛成をするについては、木村先生に御心配いただくと同じような配慮の上に、大蔵省と協議をいたしたことでございます。すでに御承知いただいておりますように、本年のこの特別会計予算を見ていただいてもわかるわけでございますが、 全体の国立学校のこの予算の八二%に相当する千二百四十億が一般会計から繰り入れになっているわけでございます。学校教育というたてまえからいって、当然これは事業会計的性格を持てるべき性格のものではございませんので、一般会計に依存するということになることは言うまでもないことでございます。ただ、特別会計と一般会計とどちらがベターであるかという、絶対ということばはどちらにも通用せぬのじゃないかと思う。一般会計でも特別会計でも、絶対ということばは通用しないのであって、どちらがベターであるかといえば、先ほど大蔵大臣からお答えになったように、特別会計にすることによって、積極的に、弾力的に運営できるという、その弾力性を持つだけでもベターである、こういうふうに感ずるわけでございます。
なお、その保証が何もないんではないかというおことばでございますが、実は新聞にも出たとおり、暮れの最終段階において、大蔵大臣と文部大臣との間で話し合いをつけたときの覚え書きというものを持っております。いま、その覚え書きを一応朗読いたしますが、これによっておよそ御理解がいただけるのじゃないかと思いますので、朗読さしていただきます。「一、この特別会計は、国立学校の内容の充実を図り、かつ、今後における整備を促進する趣旨のものである。二、 この特別会計は、国立学校会計の独立採算を目的とするものではない。したがって、特別会計にしたことを理由として授業料等の値上げを意図することはない。三、この特別会計に属する不用の財産を処分して、その収入を国立学校の内容充実にあてることを容易にするため、今後においても必要がある場合においては、建交換を行なうに必要な予算と国庫債務負担行為の計上を図ることとする。四、この特別会計の歳出予算の移流用については、教育研究の実情に即して弾力的な取扱いをするように努めることとする。」、こういう覚え書きによって基本的にはこの方針というものが確立され、その上に、先ほど申し上げましたような大学急増を含めた新しい五ヵ年計画をことしの夏までに策定をして、その上に立って——もちろん、その数字の面についてはあらためて協議をしなけりゃならぬことではございますけれども、基本的にはそういう前提に立って、施設設備の拡充強化についてはこれとひとつ積極的に取り組んで了承するように努力しよう、こういうふうに大蔵省側の了解をいただいておるわけでございます。われわれは、その意味において、これは大前進できる課題であるというように確信を持ってこの特別会計に踏み切ったような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/33
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034・木村禧八郎
○木村禧八郎君 連合審査がございますので、私の質問はこれで留保さしていただきますが、ただ一つだけ気になるのは、特別会計にすることを理由にして、それをまた根拠にして授業料を上げる意思はない。しかし、そうでなく、それとは離れてやはり授業料の値上げというものをお考えになっておるのか、その点が気になるのです。
もう一つは、五ヵ年計画というものは、新しい五ヵ年計画がいまできておるなら、それをお見せ願いたいと思います、資料として。それをもとにしてやはりまた審議する必要もあると思います。できたら、資料として提出していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/34
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035・八木徹雄
○政府委員(八木徹雄君) いまの五ヵ年計画、進行途上の五ヵ年計画は、すぐさまお見せすることができると思います。それから、管理局のほうでまだ急増対策に対する美本方針というものが固まっておりませんから、私立と国立で急増にどれだけの人員負担をするかということは、ことしの夏まで待っていただかなければ固まりませんので、その意味で、急増を除いた他の分野における、これからの五ヵ年の新五ヵ年計画の基礎数字というものは、管理局のほうで大体試算ができておりますので、それでよろしゅうございますならば、お見せすることはけっこうでございます。しかし、最終的なほんとうの五ヵ年計画というものは、ことしの夏までお待ちいただかなければ、ちょっといますぐには間に合わぬのではないかと、こう思うのであります。
それから、いま授業料のお話がありましたが、あの表現の中に、何といいますか、非常に積極性がないというような意味で御心配をいただいておるのではないかと思いますけれども、あの表現をするということの中に、基本的には、もう授業料値上げはないのだという前提に立って、しかし、そうかといって、これがもう絶対に授業料値上げをしないというようなことは、社会情勢なり物価の動向なりによって言い切れないことでございますから、だから、少なくとも特別会計にしたがゆえに授業料値上げをするというようなことはしない、まあ客観的に見てこの程度の授業料の値上げをしなければならないというような時点が来れば、それはやはりやむを得ないことであると思いますけれども、基調としては、授業料の値上げをしないという基調の上で話し合いをしておることは言うまでもないことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/35
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036・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それじゃ、いま出し得る限りの資料を出していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/36
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037・八木徹雄
○政府委員(八木徹雄君) 承知いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/37
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038・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 午後一時から文教委員会との連合、審査会を開くことにいたしまして、暫時休憩いたします。
午後零時六分休憩
〔休憩後開会に至らなかった〕
————・————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X02519640402/38
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