1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年六月九日(火曜日)
午前十一時五分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 新谷寅三郎君
理事
柴田 栄君
西川甚五郎君
成瀬 幡治君
渋谷 邦彦君
天田 勝正君
委員
青木 一男君
大谷 贇雄君
岡崎 真一君
佐野 廣君
高橋 衛君
堀 末治君
柴谷 要君
野々山一三君
原島 宏治君
鈴木 市藏君
政府委員
大蔵政務次官 齋藤 邦吉君
大蔵省管財局長 江守堅太郎君
事務局側
常任委員会専門
員 坂入長太郎君
説明員
大蔵省管財局国
有財産第一課長 宮川 国生君
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本日の会議に付した案件
○国有財産法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
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001・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
国有財産法の一部を改正する法律案を議題といたします。
前回に引き続き、本案の質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/1
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002・成瀬幡治
○成瀬幡治君 この前、いわゆる地方審議会というものは有名無実なのか、それとも妥当な審議をしておみえになるのか、実はわれわれとしては、速記録もございませんから、議事録等も手元にございませんから、公的な場でなくてもいいが、ひとつお知らせが願えないものであろうかということを申し上げたときに、それじゃひとつ何とか説明をしようじゃないかということになっておるが、まだ実は私も承っておらなかったわけですが、で、こういう公的な場で御質問するのもいかがかと実は思っておるわけですが、あなたのほうに、地方審議会で、たとえばある案件、特に私は問題になっておるようなところの案件について、地方審議会でどういう審議をしたかということについて明らかに実はしていただいたらいいじゃないか、今後の参考にもなると思うわけですが、そういう速記録をこういうところにお出しになる用意があるのかないのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/2
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003・江守堅太郎
○政府委員(江守堅太郎君) 地方審議会の会長の御同意を得ましたならば、そういった議事経過、議事記録などをお出しすることができるようになっておりますので、何か具体的な案件につきまして御指示がありましたならば、その問題につきまして、会長のお許しを得まして委員会に資料を提出することができると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/3
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004・成瀬幡治
○成瀬幡治君 私がここでどこがどうだということで問題にしなくても、あなたのほうは、もう胸に手をお置きになれば、どこが問題になっているということはおわかりなんですね、そういうことについては。たとえば、地方審議会においてどういう議論をし、どういうふうにこれは用途として使われていく、これは幾らぐらいの値段が妥当なんだ、そしてこれは間違いがないのだ、そして、この審議委員の人たちは、そういうたとえば民間会社に払い下げするような場合に、関係のある人がその審議委員の中に入れるかどうかというようなことは、私は検討済みだと思うのですよ。そういうことで、したがって、そういう場合には、もうすでに速記録を、議事録を取り寄せて検討をしておみえになると思いますが、いま聞きますと、これから会長の承認を得たら出しましょうというようなことになっておるように受け取れるわけですよ。ですから、あなたのほうは、そういうものをすでに取り寄せて、十分検討をしておみえになりはしないか、こうお聞きしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/4
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005・江守堅太郎
○政府委員(江守堅太郎君) 私はいま、お出しをいたしますためにはそういうことが必要だということを申し上げたのでございまして、私どもとしては、もちろん十分、問題になりました案件についての審議会の議事の内容については、速記録をとっておりますところと、そうでないところとございますが、議事録というものをつくっております、また、それに出席した者も、当事者もおるわけでございますので、十分その辺の事情は聞いておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/5
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006・成瀬幡治
○成瀬幡治君 そうすると、問題に一応なったところについては、議事録がすでにあなたのほうにはあるのだというふうに了解してよろしゅうございますですね。そうですね。それはですね、たとえば私個人が見せていただこうというような場合には、公開ではございませんので、それは見せることにやぶさかでない、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/6
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007・江守堅太郎
○政府委員(江守堅太郎君) 御指摘になりますものがどういうものであるかわかりませんのでございますが、非常に問題になっておりますようなものについては手元にございます。で、それについて、まあ個々的に御審議の参考としてお話を申し上げることは、私の責任においてできると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/7
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008・成瀬幡治
○成瀬幡治君 それじゃ、これは私はプライベートにお話を申し上げたいと思います、あまりこういう場ではいかがかと存じますから。
次にですね、この審議会委員の選任の基準というのは、何か通達で出しておるというふうにお聞きしておるわけなんですが、どういう大体基準によっておやりになるのか、御説明を願いたい。少なくとも国民のものをかわって処分されるのですから、国民の各層の利益代表が当然それに入っておってしかるべきじゃないか、こういうように私は考えるわけです。したがって、どういうような基準をお出しになっているのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/8
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009・宮川国生
○説明員(宮川国生君) 地方審議会の委員の選任につきましては、実は地方審議会は、最初は閣議決定で設けられまして、三十一年ごろですか、設けられまして、その後法律改正によって三十二年に法的機関ということになりまして、法的機関となった際に、三十二年六月八日付で通達を各財務局長に流しております。この通達の中に、中央はこういうような委員を選任しましたということを参考に示し、かつ、地方審議会についてはおおむね次のような基準によって選任されたいというようなことが書いてございます。
それによりますと、まず関係行政機関の職員——大体審議会の委員は、関係行政機関の職員、それから地方公共団体の職員、それから学識経験者、その三つに分類できますが、関係行政機関の職員としましては、防衛庁建設本部建設部長、法務局長、国税局長、営林局長、通商産業局長、地方建設局長、関東だけにつきましては首都圏整備委員会の事務局長、こういった方を選びなさい、こういった方からおおむね基準として採るということになっております。原則として次に掲げる者または各界の代表的な人物を任命すると、こういうことになっております。それから、地方公共団体の職員としましては、関係都道府県知事、それから関係市長、それから学識経験のある者からは、まず第一に金融界関係者、次は産業界関係者、三番目は中小企業界関係者、四番目は不動産業界関係者、五番は建設業界関係者、六番は山林業界関係者、七番は学界関係者、八番は法曹界関係者、九番は言論界関係者、十番は都市計画関係者、こういったものから原則としておおむね次に掲げる者または各界の代表的な人物を任命するものとする、こういう通達を出しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/9
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010・成瀬幡治
○成瀬幡治君 私は、先ほど申しましたように、少なくとも国のものを処分するのですから、一応資料として各地方審議会のメンバーが出ておりますが、学識経験者とありますが、民間人というよりも、むしろ非常に行政機関の側にウエートが置かれておって、これでは、決して悪いとは言いませんけれども、行政機関の意のままになるようなふうの構成ではないか、こういうふうに受け取れるのですよ、実際構成人員を見て。幹事の人を見ましても全部そういうことになっておるし、そういうふうに受け取れるわけですが、こういう点についてはどういうふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/10
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011・宮川国生
○説明員(宮川国生君) 地方審議会の委員の定数は三十名以内になっております。ただいま申しました関係行政機関の職員は、関東の場合を除きますと六人でございます。そのほか地方公共団体の職員は、これは各財務局によって多いところ、あるいは少ないところとございますが、大体三、四人程度だと思います。したがって、大体十人くらいがまあいわゆる関係行政機関あるいは地方公共団体の職員ということになりまして、あとのおおむね二十人くらいは、これは学識経験者ということになっておりますので、どちらかといえばウエートは学識経験のほらに置いてある、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/11
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012・成瀬幡治
○成瀬幡治君 ぼくは形式的なことを言うのじゃなくて……。それじゃ別なことばでいえば、これじゃ払い下げを受けられるような側の人が多くて、民間人でいうならば、払い下げにほんとうに無関係だという人は少ないと思うのだよ、むしろ。たとえば何々会社の社長というようなことになれば、一社の社長じゃないですよ。どっかの監査役とか取締役をやっておるとか、何かやっておられる方が多いわけなんですよ。学識経験者の中ではむしろそういう人たちが多いのじゃないかと。だから、むしろ払い下げを受けられる、その立場の人たちが多いのじゃないか、何らかの関係のある人が、一見。全部の件数とは申しませんけれども、そういうような人が多いじゃないか。たとえば公認会計士にすれば、その会社に何らかの関係で、監査しておるとか、あるいは銀行の支店長でいえば、その会社に大きく融資をしておるとかいうようなふうで、どうも見たところ、どこがどらだということを逐一あげるのもいかがかと存じますが、とにかくそういうようなふうに受け取れるわけなんです。こういう点についてはもう少し、全然無関係と言っちゃおかしいわけですが、もっと公平な立場で審議のできるような人を選ぶという意見のほらが私は正しいと思うが、そういうことについては全然考える必要がないというようなお考えなのかどうなんですか。いわゆる名士と称される人ならいいのだ、金持ちならいいのだ、こういう考え方でおやりになっておるのじゃないかというふうに受け取れるわけですが、どうですか。
そうして、こういう人たちはいろいろな仕事があるために、出席はされるかもしらぬが、その熱心じゃないでしょう。これが妥当なものかどうかというようなことについて実際、失礼な言い方になりますけれども、たいへん多忙な人ですから、それほど私は時間的な余裕があるとは思えないのです。どうなんです、それは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/12
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013・宮川国生
○説明員(宮川国生君) 学識経験者の方々、名前をこう見ますと、大体地方のいわゆる財界とか言論界、法曹界、そういった方々の最も代表的な方を選んでおります。したがって、いま先生のおっしゃいましたように、そういう方々はいろいろな企業に関係がおありになるかもしれません。しかしながら、かりに監査役とかあるいは取締役とか、こういったことでその企業に関係があるときは、もちろんその審議には、議決には加わることができないということになっております。そのほか、たとえばいろいろな融資の関係で知っておるとか、あるいは公認会計士の関係で知っておるとか、そればかりではなくて、地方におられて自然と顔なじみができればそういうことがあるかもしれませんが、同時に、大体ここに選びました方はその地方における名士の第一人者といわれておる方々でありまして、そういう方々は決して、単なる自分の知り合いであるとか、そういった点で動かされて意見を述べておられないで、もっと公正に、大局から見て意見を述べられておる、こういうふうに私は思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/13
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014・成瀬幡治
○成瀬幡治君 これを、あなたのほうは、この基準ですね、学識経験者のものをどういうふうに選んだらいいかということについて、もう一度検討をしてやり直す意思はございませんか。
あなたは、それは関係のあった場合にはその審議の委員から抜けてもらうから、それはそれで終わりますよと言う。そういう人情と申しましょうか、人間社会の機微なんというものを無視してのお話のようですが、そういうものじゃないですよ、実際は。運営の審議というものは、たとえばぼくが出ておったら、知り合いに、おれのところ今度やってやるから頼むぞよと言って、抜けるぐらいのことは簡単にできますよ。しかし、結論はどうなるかというと、大体その影響が大きいということはあたりまえのことなんですよ。ですから、ずっと見て、あまりにもぼくは一方に偏した——少なくとも公平な立場からやれるような人を選ぶんだというような立場で、いま少し人選というか、基準というものを検討してみる必要がありゃしないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/14
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015・江守堅太郎
○政府委員(江守堅太郎君) 一般国民の利益を守るのに必要な意見をお述べになる委員の方を選ぶということは、私どもも最も大事なことと思います。ただ、委員を選びます基準というようなことばで表現をいたしました場合に、それではどのような基準でそのような方を選んでもらえるような基準をことばにあらわすことができるかということになりますと、なかなか私どもは苦心をしておるところでございますが、もう私どもは学識経験のある方々という方々こそ、そういった、先ほど申しましたような、一般的な立場で国民の財産である国有財産の管理、処分の適正を期するために、いろいろの御意見をいただくのに、学識経験のある方々からそういった御意見を受けるのだという表現を現在とっておるわけでございます。
ですから、問題は、そういった学識経験のある方と。その基準としては、一応それぞれ関係の金融界、産業界、中小企業、その他先ほど申しましたようないろいろ関係者の方から選ぶという一応の基準を示してございますが、これはあくまで一応の基準でございまして、問題は、そういった基準に基づいて具体的にどのような人を選任するのかという、財務局での実際の人の選ぶ方にあると思います。
で、たとえば名古屋の審議会などを見てまいりますと、確かに仰せのように、公認会計士の方、あるいは会社の社長、銀行の支店長、弁護士というような方々もございますが、その中には、たとえば連合婦人会の代表というような方にも入っていただいているわけでございます。まあこういった、具体的にどのような人を選ぶかということによりまして、成瀬委員のおっしゃるような御心配なさるような向きは、われわれとしても極力解消するように努力をいたしておるわけでございますが、まあ基準を考え直すということ、私も、現在の基準で委員の方々の選任に不十分な向きがあるならば、十分そういった基準そのものについても考え直さなきゃならないと思いますけれども、一応このような基準によりまして、具体的な人選について誤りのないように努力いたしましたならば、いまおっしゃいましたような、とにかく何か利害関係があるというようなことで、一方に片寄った御意見が出るというような心配はないんじゃないかと思います。
ことに、またこれはほぼ三十人をもって構成されておる委員会でございまして、その委員会のいろいろの御論議の中で、特定の委員の御発言というものがそのまま通るというようなこともございません。やはり委員会のいろいろ御論畿の中で、それが統一的な国民的な立場での処分という線が出るような調整をされてまいるのかと思うのでございますが、いずれにいたしましても、いわば国民の利益をそこなう心配のあるような審議のあり方、あるいは委員の選び方というような点につきましては、私どもとしては絶対そういうことのないように今後努力をしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/15
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016・成瀬幡治
○成瀬幡治君 あなたは、素直に受け取って、たとえば学識経験者であるのを、何も東海だけではなくて、北陸を見ても、あるいは中国を見られても、これで一方に片寄っておるとお思いになりませんか。これでは商工会議所の連中みたいなものですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/16
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017・江守堅太郎
○政府委員(江守堅太郎君) 基準といたしましては、先ほど申しましたように、金融、産業、中小企業、不動産業、建設業、山林業、業界といたしましてはそういうもの、そのほかに学界、法曹界、言論、都市計画というような方々の中から選んでおるわけでございます。いわば、たとえば、それでは納税者の利益代表というような人をこの中に入れるということは、あるいは可能かと思います。その場合に、具体的にそういった方をどういうふうにして選ぶかという問題になりますと、これはなかなか、かえって恣意的になされる心配がある。結局こういった学識経験というものを幾つかに分類しまして、そうして選んでいくよりほかにないのではなかろうかと思います。
それから、現在の審議会の審議の現実から申しましても、そのような学識経験のある者として、先ほど申しましたような基準で選んで委員になっていただいておる委員の方々の審議会での御意見というものが、諮問する立場の財務局から見て、これは一方に偏した御意見であるというような事例はなかったと思います。でございますので、基準の問題としてこれをどうするかということが非常にむずかしい問題と思いますが、とにかく運用におきまして、ほんとうに公正な御意見もいただける方々を選ぶということについても、極力努力をしてまいるつもりでございます。商工会議所の会頭というような方も、委員にはなっていただいておるわけでございます。これはやはり商工会議所の会頭という、いわばそういった公的な機関でのお立場での御意見を伺わしていただくわけでございまして、そういった方々が特に自分の関係のある仕事について深い関心を持って、そのために何かするというようなことは、全くそういうことは私はないと信じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/17
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018・成瀬幡治
○成瀬幡治君 あのね、ぼくが言いたいことは、何か、たとえば東海に例をとれば、学識経験のうちで、社長と名のつく者が何人ありますか、一体。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/18
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019・江守堅太郎
○政府委員(江守堅太郎君) 六名。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/19
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020・成瀬幡治
○成瀬幡治君 十三人の中で六人というのは片寄っておりませんか。あるいは、あとは支店長だとか、あるいは専務理事だとかというようなことは、これは大体社長と同じようなものですね、名前が。そうしたら、こういう点で、これでなるほど持てる者のほうの代表が多うて、納税者とおっしゃるけれども、もっといえば、払い下げを受ける可能性のある人たちのほうが多いのですよ。払い下げを受ける可能性のある代表ばかりではないかと言っているのです。そうじゃなくて、公正なる、少なくとも半数以上はそういうことに対して無関係な人を選んだらどうだということを主張したいわけです。どういう形にしろ、困難だというわけではないです。やる気があるのかないのかということ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/20
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021・江守堅太郎
○政府委員(江守堅太郎君) 金融界、産業界というような、それから先ほど申し上げましたいろいろな業界の中で、各界の代表的な方々に委員になっていただくというたてまえでやっておりますが、そうなりますと、やはり金融界で申しますならば、地元の銀行の頭取とか、それから産業界でいいますならば、その産業が何になりますか、やはり何らかの産業の社長をしておられる方というようなことにならざるを得ないのではないかと思います。そのほか、そういった業界に全然関係のない方々としましては、たとえば新聞社の代表の方、あるいは弁護士の方、それからまた連合婦人会の代表というような方々、それからやはり地方公共団体の職員、これは実際問題としては各県の知事の方々に来ていただいておるわけでございますが、そういった方にも、やはりこれはいわば中立的に、国民的な立場でいろいろ御審議を願っております。それから、関係行政機関の職員、これは出先の法務省、国税局の局長でございますが、この人たちもやはりそういった立場での審議に参加しておるわけでございまして、まず第一に産業界、金融界の出身の方々それ自体も、委員としてのお立場はやはり中立公正なお立場であるわけでございますが、それ以外の委員の方々はその立場そのものがもうすでにそういった中立的な立場での委員というふうに私どもは考えて、委員になっていただいておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/21
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022・成瀬幡治
○成瀬幡治君 あのね、こういう考え方はいけませんか。いま言うたのは払い下げを受ける可能性のある側の人ばかりではないか、それにあるいは関係のある人が多いではないか。そうではなくて、そういうことには無関係の、ほんとうに無関係の方を多数出したほうがより公正になりはしないか、こういう意見に対してはどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/22
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023・江守堅太郎
○政府委員(江守堅太郎君) 払い下げを受ける者も、委員であられる場合はもちろんその審議会には参加をしていただく。それから、払い下げを受ける業界に関係のある者はこれは不適当であるという御意見かと思いますけれども、そういたしますと、それでは一体どういう委員をお選びしたらいいのか。もちろん、出先の関係機関の長、これはまあ関係がないのでございますが、たとえば府県の知事の方々でも、これは当然そういった間接的には関係をお持ちでございます。それから、たとえば、私思いつきでございますが、たとえば納税貯蓄組合の長を委員に選んだという場合でも、やはりそれは納税貯蓄組合の長の方も何らかの形において払い下げを受けるほうにも関係があるわけでございます。
要するに、国民全体が払い下げを受ける立場に、大なり小なり、直接、間接には関係があるわけでございますので、やはり払い下げを受ける側の国民の方々から選ぶわけでございます。全然払い下げと関係のない者から選ぶということは、私は不可能ではないか。要するに程度の問題であって、それが非常に濃いか薄いかという問題でございまして、私どもとしては、決して特定の個人の方に着目してお選びしているわけではございませんで、やはりそれぞれの業界の意見を代表してお伺いするのだということでお選びをしておるのでございますので、いまのような選び方をせざるを得ないのではないかというふうに考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/23
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024・成瀬幡治
○成瀬幡治君 あのね、局長がどういうことを言おうと、結局、たとえばこの六月二日に一億円以上のあなたのほうの払い下げの資料をいただきました。全部随契ですね。そして随契なんですから、特定の人に払い下げる。特命と同じです。しかも、そういう人たちは、たとえば何々会社の社長というような人たちは、国有財産の払い下げを受ける直接の関係のある側なのです。あるいはそれに間接的な関係を持っている人たちのほうが多いわけです。
そうじゃなくて、もう少し、民間人から学識経験者として選ぶなら、ほんとうに無関係な人を選んでほしいと思うんですよ。そのほうが国民の財産が公正に守られると思うんです。どんな弁明をされても、直接、間接に、濃い薄いとおっしゃるけれども、濃過ぎるのだ、あまりにも。色の度合いと言われるなら、濃過ぎますよ。もう少し薄い人を選ばれたほうが妥当なんですよ。ですから、私はもう一度検討をしてもらいたいと思うんです。あなたがここで何べんも同じことを繰り返しておっても、これは押し問答になりますからね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/24
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025・江守堅太郎
○政府委員(江守堅太郎君) 仰せの趣旨に従いまして、十分検討いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/25
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026・柴谷要
○柴谷要君 関連で二、三御質問したいと思うんですが、国有財産地方審議会の昭和三十一年六月から法制化される三十二年六月までの一年間は、閣議決定によって審議会が発足をしている。自来、三十二年六月から三十七年三月までの統計が出ているわけです。その統計を見ますというと、六年間で大体開催された審議会の回数が二百七十一回、これを区分をいたしますというと、関東が五十一回、近畿が三十回、北海道が十四回、東北二十二回、東海二十回、北陸十九回、中国三十回、四国が二十七回、北九州が二十七回、南九州が三十一回、こういう二百七十一回の開催になっている。六年間に北海道のごときは十四回しか開催をされておらない。これを一年にしますというと、二回ないし三回という程度の地方審議会なんです。そのようなことで、はたして成瀬委員から御質問のあったような、また御答弁のあったような状態がしっくりできるのかどうか。六年間で十四回。それで、しかし、付議された件数が八十六件。八十六件すべてが決定をしている。売り払いが十三件、譲与が四、交換が十四、貸し付けが三、所管がえが六十九、その他六と、こういう統計がきちっと出ている。これほどの件数を扱うのに、六年間年に二回ないし二回半ぐらいの会議でこういう重要な案件が処理されてきているという現実なんです。これに少しく不審を持つわけでありますけれども、これで能率終われりと大蔵省はお思いになっておられるかどうか、それからまず伺いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/26
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027・江守堅太郎
○政府委員(江守堅太郎君) 地方審議会で付議いたします案件は、売り払いにつきましては五千万円以上の案件でございます。したがいまして、それぞれの局によりまして、具体的に出てまいります案件が多かったり少なかったりになっております。そのために、たとえば関東のようなところでは非常に多いが、北海道とか北陸のようなところでは比較的少ないということになっておりますが、これはやはり出てまいります案件が少ないためにそうなるのでございまして、決して開催回数が非常に少ないから、審議会の機能が低い、あるいはまた熱心でないというようなものではないのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/27
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028・柴谷要
○柴谷要君 そこで、お尋ねしたいんですけれども、年に二回くらいの審議会を開いて決定をしなければ問題が解決をしないということになるから、申請をしても、審議会待ちというようなことで、一年あるいは決定にならないと一年半、こういうふうに長期間を要するとこういうんですが、それが行政上親切な行為である、こういうふうにお考えになられるかどうか、この点をひとつお聞かせをいただきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/28
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029・江守堅太郎
○政府委員(江守堅太郎君) 非常に案件が少ないから、たとえ五千万円以上の申請が出てきても、たとえば一月に出てまいりましても、ほかに案件がないから、審議会は開かぬでほうっておくというようなことがありましては、私は非常に国有財産の処分のしかたといたしまして適当でないと思います。でございます、案件は少ないけれども、それは緊急を要する案件が出てきたらそのつど開催をする、そしてその結果回数が少なかったんだということでありましたら、これはやむを得ないことだと思うのでございます。ただいまの地方羅議会の運営のしかたは、審議会に付議すべき案件が出てきたけれども、ほかにないから、しばらくほうっておくんだというようなやり方はいたしておらないのでございます。その点御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/29
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030・柴谷要
○柴谷要君 私がさきに申し上げたのは、地方審議会の開催のことを申し上げた。地方審議会の回数が非常に少ないということは、やはり、この件数から見ましても、件数はかなり多いわけでございますね。ですから、相当の期日が置かれて審議会にかかり、そこで決定をされて、諸般の手続をされて、決定事項を申請者に通告するということになると、相当期間時間がかかっているのじゃないか、こういうふうに考えるものですから、御質問申し上げたのですが、いまのような局長さんの御答弁のように、申請をされた、審議会を開いて決定をした、自後の問題が出てこなかったから回数も少なかったと、こういうことになれば、それは行政上からいってもまことにけっこうなことだと思うんですが、どうも年に二回ということになると、相当時間的にかかってきますので、かなり長期に置かれて審議会待ちということで、かなり申請者のほうから関係個所に陳情なりいろいろのことが行なわれてきているんじゃないか、余分なことが行なわれてきているんじゃないかと、こういうふうに思うもんですから、お尋ねをしたわけです。
そこで、たいへん恐縮とは思いますけれども、委員の方に対する何といいますか、手当といいますか、報酬といいますか、そういうものをおわかりでしたら、極秘のものであればお尋ねしませんが、公開差しつかえなければ、ひとつお聞かせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/30
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031・宮川国生
○説明員(宮川国生君) 審議会の委員の手当は、会長が三千円、それから委員が二千五百円ということに、一回出席ごとにそういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/31
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032・柴谷要
○柴谷要君 ただいまの御答弁は、一回開催ごとに支給をする車代でございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/32
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033・宮川国生
○説明員(宮川国生君) 車代ではございませんで、やはり委員会に出ていただいた委員会の出席手当でございます。したがって、そのほかに特に遠隔の土地から委員会に出席していただいた方には、旅費ないし肥馬賃の実費はお払いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/33
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034・柴谷要
○柴谷要君 そうなりますと、旅費、汽車賃などは、これは無税ですけれども、この三千円には税がかかるのですか、その点もひとつお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/34
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035・宮川国生
○説明員(宮川国生君) 私、税金のことはあまり詳しく存じませんが、かかると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/35
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036・柴谷要
○柴谷要君 実は政府でつくっておりまする委員会その他の単価が非常に低いのですね。低い。かつて私もこれは引き上げをしなきゃならぬだろうということを言ったんですけれども、昭和三十九年度の手当の問題についても、改善がなされないで、八年度と同じ額が計上されている。中には、これはそこに次官がおられますから、次官関係の労働省の最低賃金の委員会とかなんとかいうのは、一回出づら百円なんというのがある。まことにおそるべき単価だったのを、いま五百円に引き上げておる。まあ三千円だから、ややがまんができますけれども、こういうような委員会の委員のことも少しは考える必要があるんじゃないか、こういうふうに思いますので、これは別に質問でもなければ提言でもありませんが、ひとつ参考にしていただきたいと思います。
そこで、この内容については次回までにひとつ勉強して詳しくお尋ねをしたいと思うのですが、できましたら、関東でけっこうですけれども、三十七年までの統計は出ておるのですが、三十八年一年間の関東審議会で開催が何回、付議された件数何件、その内容は、売り払い、譲与、交換、貸し付け、所管がえ、その他と、こうあるが、一体「その他」というのはどういうのか。この分類したものをひとつ、口頭でもけっこうですから、私にお教えを願いたい。他の委員が御要求であれば、簡単なものでよろしいですから、資料をいただきたい。それをお願いして、次回にひとつ調べたことで御質問いたしますので、きょうはこれで、関連ですから終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/36
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037・宮川国生
○説明員(宮川国生君) 三十八年度の回数が七回で付議件数が三十三件という程度まではわかっておりますが、ただいまおっしゃいました売り払い何件、譲与何件、交換何件、こういった点は後日お知らせいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/37
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038・成瀬幡治
○成瀬幡治君 これまでは随契になっていたのが、今回用途指定になり、政令できめられておると思うのですが、本法ですか。原則が随契で、政令で用途指定……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/38
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039・江守堅太郎
○政府委員(江守堅太郎君) 随意契約は予算決算及び会計令、政令できまっております。それから、用途指定は、現在の法律では管財局の運用で用途指定をつけております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/39
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040・成瀬幡治
○成瀬幡治君 これから国有財産を売り払うような場合は、どういうふうにしておやりになろうとしておるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/40
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041・江守堅太郎
○政府委員(江守堅太郎君) 衆議院でこの国有財産法改正の御審議を願いまして、この用途指定の問題について衆議院で修正をされたわけです。で、従来は特定の用途に供する場合に用途指定をつけるというたてまえになっておりましたのを、今後は原則としてすべての売り払いについて用途指定をつける。ただし、すべての売り払いということでございますので、たとえば指名競争入札というような場合も入ってしまいますので、どうしても用途指定からはずさなければならぬ、こういうものについては政令ではずすということにしようとして、いまその政令を立案中の段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/41
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042・成瀬幡治
○成瀬幡治君 それはいつごろまでにできますか。その立案はこの国会中に間に会いませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/42
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043・江守堅太郎
○政府委員(江守堅太郎君) 法律が公布になりましてからあと、この法律に基づく政令が出るわけでございます。その政令の中身は、ただいま検討してたんだん固まりつつありますので、この御審議の際にそういった点について御報告はできると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/43
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044・成瀬幡治
○成瀬幡治君 原則的にいえば、政令は私は公布と一緒におやりになると思うのですが。ですから、この国会中というのですか、この審議最中に政令で……。衆議院のほうでそういうふうにやってから、もう二週間ほどたっているわけですが、ぜひこの国会中に、ぼくらがこの法律案を採決するまでくらいには、政令案を出してもらいたいと思うのですが、どうですか。当然なことですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/44
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045・江守堅太郎
○政府委員(江守堅太郎君) 政令の案につきましては、まあ大蔵部内で相当固まっておりまして、法律が施行になりましたならば、それと同時に政令を出させる準備を進めております。したがいまして、その政令の案につきましては、ここで御説明もできますし、必要ならば資料を差し上げることもできると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/45
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046・成瀬幡治
○成瀬幡治君 ぼくは政令をいただいてから、もう一度用途指定の問題について御質問がしたいと思いますから、ぜひこの次に間に合わしていただきたい。
天田先生、長いですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/46
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047・天田勝正
○天田勝正君 いや、簡単です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/47
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048・成瀬幡治
○成瀬幡治君 それでは、私は、実は三十七年、三十八年のものが全部随契で支払われておるわけですが、ここに資料をいただきましたけれども、この資料につけ加えて金の支払い条件というものがあると思うのです。その支払い条件はどうなっておるのか。ちょっと悪いですけれども、二十七件あるようですが、支払い条件というものはどうなっておるのか。これは用途指定というものが随契ですから全然ついていないわけですから、これを何に使ってもいいということに実はなると思うわけですが、たとえば学校なら学校に使われておるのか、それが他に使われていやしないか、そういうことはいままで全部随契等でお払いになったものは、何と申しますか、審議会等で議論をされたときに、こういうものに使うのだという一応の私は計画書が出されて、そして随契になっておると思うわけです。それがそういう計画と全然違ったものになってしまったような例があるのかないのか。あるいは何年間たっても全然手がつかずにほうってあって、これはどうだというようなことについて、あなたのほうにお調べになった資料があるのかないのか。
ですから、二つの資料をお願いしたいと思う。第一は、この普通財産の売り払いで支払い条件がどういうふうになっておるかということについては、二十七件で、悪いけれども、一つ一つについてひとつお出しを願いたい。それから、もう一つは、これはまあ古い話で、随契をいままでおやりになって、しかも、その随契はいま申しましたように計画書等が出ておる計画書と全然食い違っちゃって他のものになっちゃったものがあるのかないのか。だから、計画書は出されておるけれども、払い下げを受けてから少なくとも五年以上たって全然手がついておらぬようなものがあるのかないのか。もしあったとするなら、具体的にそれはどことどこなんだ、そういうものに対して今後どうするのだというような資料をお出し願いたいと思うのですが、これはどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/48
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049・江守堅太郎
○政府委員(江守堅太郎君) 非常に主要なものだけでよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/49
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050・成瀬幡治
○成瀬幡治君 それでいいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/50
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051・江守堅太郎
○政府委員(江守堅太郎君) 後日さっそく提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/51
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052・成瀬幡治
○成瀬幡治君 それでは、私はその資料が出てからまた質問したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/52
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053・天田勝正
○天田勝正君 私はちょっと規則のことで伺っておきたいのですが、国有財産の中央審議会と地方審議会の規則を見てみますと、先ほど成瀬さんからも質疑がありましたが、会議の議事録、これが中央審議会のこの規則によりますと、その十条の二項で、「前項の議事録は公開するものとする。」というようにしてありまして、公開が原則になっている。「ただし、会長が公開することが適当でないと認める場合は、この限りでない。」、こういうことなんです。原則はあくまで公開なんですね。しかるところ、今度地方審議会のほうを、その部分について見てみますと、そうしますと、関東の分は「前項の議事録は必要の都度、会長が財務局長と協議のうえ、公開することができる。」、こういうことに今度なっているのです。そうすると、その「必要の都度」というのは、必要のつどを一体だれが認定するのか、こういうことにもなるし、それから「会長が財務局長と協議のうえ」と、こうなっているのですから、一方は、会長が公開するのが適当でないといえば、会長の意思によってそれがきまるわけですけれども、片一方は、「会長が財務局長と協議」と、こうなっておりますから、その一方が反対すれば、それはもう公開ができない、こういうことにもなってしまうのではないかと思いますが。それから、さらに、次の近畿地方のを見ますと、「ただし会長及び財務局長が公開することが適当でないと認めた場合は、この限りでない。」、こうなってしまって、つまり会長にも公開がいかないという権限があるし、局長にもいかないという権限が出てくる、こうなってしまう。その他もありますけれども、北海道地方、今度は北海道に相なりますと、十八条に「その要旨を委員及び幹事並びに財務局長に送付するものとする。」ということだけの規定があって、公開というのは今度は一つもない、こういうことなんです。
以下いろいろ例をあげれば果てしがありませんが、かようにそれぞれの委員会が規則が別々に立てられておる。これは一体どうしたのか。
それで、第一、何を基準にして地方審議会が設けられたのかということになりますと、多くの地方審議会においては、「国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)及び国有財産法施行令(昭和二十三年政令第二百四十六号)に定める」、こういうふうに書いておりますけれども、さて、ところが、東海地方になりますというと、その国有財産法のほうは抜けちゃっておる。いいですか。国有財産東海地方審議会議事規則によりますと、「国有財産法施行令(昭和二十三年政令第二百四十六号)」、こういうものに基づいてこの地方審議会ができるのだと。国有財産法を受けての政令でありますから、それですから、いいのかもしれないけれども、かように地方ごとに根拠を刑にするかのごとく——全くの別でありませんけれども、片方は国有財産法と政令と両方を受けてやるのだと言っておるのに、片方は政令だけ受けてやっている、こういう点、その食い違い。
そうかと思うと、例をあげるばかりで長くなりますけれども、質問を短くするために申し上げるのです。
国有財産関東地方審議会の規則を見ますと、境界査定部会というものに非常に重きを置いている。これをいきなり第二条に持ってきております。ほかの各地方審議会においては、こういうものを第二条に持ってくるというのは一つもございません。しかも、関東地方においては、第四条に、「境界査定部会に付議した案件については、その部会の議決をもって審議会の議決とする。」、こうなっている。本委員会への報告は、かりに、各委員に報告するのですから、報告はするけれども、その審議は受けないのだ、こういうことになっている。これははなはだもってどうも、ほかの地方審議会の規則からすればおかしいのでありますし、さらにこれはたぶん近畿だと思いますが、とにかく他の委員会におきましては、そういう、これには境界査定部会というものを明示しないのですよ。ただ「部会を置くことができる。」と、こうなっておって、これは他の各地方審議会においてはたいていどこかに境界の部会というものは明示されておる。これは中央審議会においても部会は重視するから、それを受けているというほうがあたりまえなんですが、とにかく近畿のほうはそれが一向明示されていない。明示されていなくても、部会を設けることができるのですから、設ければいいのですけれども、設けないこともあるのですね、そうなると。
そういうふうに二、三の例をあげても、中央審議会に準ずると必ずしも言えないのみならず、各審議会がばらばらだ、それぞれ独自な規則をつくっている、こういうことは根拠法が同じなのにどうもおかしいではないかと私は思う。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/53
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054・江守堅太郎
○政府委員(江守堅太郎君) まず、審議会の議事を公開するかしないかという問題につきまして、原則として公開としておる審議会と例外として公開としておる審議会、それから例外とする場合に公開する手続について、それから根拠法規の問題、それから境界査定の問題等について、地方審議会でそれぞれ地方審議会規則の定めた内容が異なっております。これは実は私もごく最近非常にふしぎなことだと思って、私自身も疑問を抱いた点でございますが、この地方審議会をつくりますときに管財局のほうでは、審議会規則の一種の、大体こういった規則でやったがよかろうというような、まあひな型的なものを財務局に示しましたが、それに基づいてどういう審議会の規則をつくるかということは、それぞれの地方の審議会でおきめになったわけでございます。したがいまして、おそらくはその当時それぞれの地方の審議会ではそういった審議会規則をつくったことについて理由があったことと思うのでございますが、私どもの目から見ましても、片方の審議会が公開が原則であり、片方の審議会が公開が原則でないというようなことは、まことにおかしいと私自身思っておりますので、まあ今後の問題といたしましては、何かこれを行政指導によりまして、統一的な、各地方審議会が同じような審議会の規則をもってやったほうがいいのではないかと思っております。ただ、それぞれの地方の審議会でどういうお気持ちでこういうことをやって、そういった別のきめ方をしているのかということについては、実はまだ十分に検討いたしておりません。十分検討いたしまして、それぞれの審議会で、私どもが見ても、これはこういう事情があるのかということがありますればともかく、そうでない限りは、やはり私は統一的に改めたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/54
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055・天田勝正
○天田勝正君 あとの二つのことについては、まだ答弁がないように思いますが、いずれにしましても、先ほど成瀬委員の質問に対しまして、あなたは会長と協議をしてと。これは中央審議会から来ていると思います。ですから、審議会ができた以上は、なるべく秘密は困るけれども、困るにしても、会長が判断をしてそれを公開しないのだと、こういうことは、どうもあってもやむを得ないのではないかという気が私はしている。しかるところ、協議をするにしても、その会長、財務局長両方に並ばれると、いずれか一方が賛成しなければそれは公開ができないということになるし、また両方に権利があれば、これは役所限りで公開しない、こういうこともできる。妙なことになります。
それから、もう一つ、だれでもふしぎだと私は思わなければならないと思うのですけれども、さっき言ったように、北海道の場合のごときは、公開が原則となっておるという局長の答弁ではあったが、公開するということそのものが書いてないのですよ。ただそれぞれの委員には通知すると、こうなっている。だから、それぞれの委員に通知するということもないのなら、まだもっと拡大解釈もできるということになります。ところが、他の審議会と同じように、委員各位及び財務局長には通知するというふうになっている以上は、一言うならば一般には知らせないのだ、こういうことに自然になると思う、全然書かれてないのですから。ですから、それは国有財産法それ自体の精神を結局、大げさにいえばじゅうりんするということになりますか、だれが考えても、中央審議会のほうがより重大なるものを審議するのでしょう。法律的にもそうであるし、学識的にもそうです。ところが、中央審議会のほうは公開をぴたっとうたっておって、そのあとに公開しない場合の例外がただし書きでうたってある。ところが、片方においては公開をしないのだとはっきり言わんばかりの文章になっている。これはどう考えたって私はおかしいのではないか、こういうことを指摘申し上げているわけであります。
それから、どだいこの政令だけから、じゃ持ってきております東海地方審議会のごとくですね、ほかの審議会は法律及び政令に基づいて云々と、こういう書き方をしている。それが昭和二十三年何とかと、こう書くのですけれども、この東海審議会の場合、これはおかしいと思いませんか。いきなり昭和二十三年政令第二百四十六号、これを受ければいいのだと。それは法文のていさい上からも完全ではないでしょう。いかがです。この四十六ページの上のほう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/55
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056・宮川国生
○説明員(宮川国生君) 政令の六条の七と申しますのは、「第六条の二から前条までに定めるもののほか、中央審議会又は地方審議会の議事及び運営に関し必要な事項は、それぞれ中央審議会又は地方審議会の定めるところによる。」ということになっております。これが直接的にはいわゆるこの議事規則をきめました根拠法規ということになるわけであります。ただし、国有財産法はその政令のまた一つ上の親分というような法律の関係になりますので、丁寧に書いた局は国有財産法と施行令と両方書いたと思いますが、東海におきましては、直近最近での上司と申しますか、根拠法規だけを書いたというだけで、これは必ずしも私はかっこうとしておかしいということではないのではなかろうか、こういうふうに思っております。
それから、もう一点は、北海道の場合に、議事録の作成及び議事録の公開について、作成のことが書いてあって公開のことが全然書いてない、むしろ公開しない方向じゃないかというふうに思われやしないかという御質問でございますが、これは北海道の場合、十八条にいまのがございますが、十七条に、会議の経過及び結果については、会長と財務局長が協議の上、発表することを適当と認めた場合必要に応じこれを発表する、こういう規定がございます。したがって、おそらくこれは北海道では、こういう規定があれば何も議事録のそのつど公開ということも必要ないのじゃなかろうかというようなことで、ひな型にはあったけれども落としたのじゃないか、こういうふうに私は思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/56
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057・天田勝正
○天田勝正君 それはまあ、どうせ法律に関係した諸君が書いているのですから、これで違法であるということはだれにも言えないと思う。しかし、まあ九州には一つもあるし、四国、中国以下北海道まで、これだけ数多い審議会がありまして、そのうちいま言う東海の政令だけを受けるというのでいいというのならば、ほかの各審議会はむだのことをつけ加えて書いた、こういうことにもなるのであって、やはりこれは平仄が合ったほうがどう考えたっていいんだし、それで説明を聞けばなるほどといったって、規則を書く限りにおいては、そう皆さん方の意見を聞かなければわからないということでは、むしろ困るのですね。ずっと文章を読めば事柄明白だ、こういうことでなければ困るので、だから、ほかの審議会が全部、政令だけを受けてやるのだ、六条の七というところに書いてあるのだから、それで十分だ、こういうのならば、ほかのもそういうふうになれば別段説明は要しない。ほかはそうでなく、これだけがそうなっているというところに私は問題がある。
それから、境界部会は、これはほかは全部どの地方審議会におきましても、境界部会で定めたら、ここでやはり本委員会の審議に付する、こういうたてまえで規則は書いてありますね。これが関東審議会だけに限って、部会の決定がそのまま当該地方審議会の決定だ、こう書いてある。そうでしょう。それはそれでよろしいのですか。これも他の審議会と違った——違ったのではないだろうけれども、書き方は違いますね。それはどういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/57
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058・江守堅太郎
○政府委員(江守堅太郎君) まず最初に、どういう根拠に基づいてこういう地方審議会の議事規則をつくったか、それは各地方審議会ごとに違っておるではないか、ことに東海においては六条の七という施行令だけに基づいて定めておる、ほかのところは違うがどうだということでございますが、これは、この東海地方審議会の議事規則だけがほかの審議会の議事規則とちょっとていさいの違ったきめ方をしております。ほかの審議会ではすべて、その第一条におきまして、地方審議会の組織、議事運営等については「国有財産法及び国有財産法施行令に定めるもののほか、この規則の定めるところによる。」というような書き方をいたしておりますのに反しまして、国有財産東海地方審議会におきましては、第一条の前に一つ前文を置きまして、この議事規則は国有財産法施行令第六条の七によってつくるのだというのを書きまして、その次に第一条で「審議会の組織及び運営については、国有財産法及び国有財産法施行令に定めるもののほか、この規則の定めるところによる。」というような書き方をいたしておりまして、東海のほうがやや丁寧なきめ方をしたということではないかと思います。ですから、まあこれは内容的には東海だけがこのような異なったきめ方をしておるということにつきまして、私は問題はないと思います。
それから、境界査定部会のお話でございますが、境界査定部会につきましても、この審議会で境界査定部会の決定が審議会の決定にかえ得るものだというふうにおきめになりましたならば、私はそれも別に違法なことではないと思います。ただ、全体の問題といたしまして、最初申しましたように、地方審議会のこういった議事規則あるいはその内容というものが不統一になっておりますことにつきましては、もう少しこれを定めました当時のことを私どもも調べまして、できるものはすべて統一的にいたしたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/58
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059・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 本案に対する質疑は、本日のところこの程度にとどめておきます。
次回の委員会は明後十一日午前十時から開会いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614629X03719640609/59
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