1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年二月四日(火曜日)
午前十時十四分開会
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委員の異動
一月三十日
辞任 補欠選任
林 塩君 市川 房枝君
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出席者は左のとおり
委員長 竹中 恒夫君
理事
西郷吉之助君
松本 賢一君
市川 房枝君
委員
石谷 憲男君
沢田 一精君
館 哲二君
鍋島 直紹君
松野 孝一君
鈴木 壽君
千葉千代世君
林 虎雄君
松澤 兼人君
国務大臣
自 治 大 臣 早川 崇君
政府委員
警密庁長官 江口 俊男君
警察庁長官官房
長 浜中 英二君
警察庁保安局長 大津 英男君
自治大臣官房長 松島 五郎君
自治大臣官房参
事官 宮澤 弘君
自治省行政局長 佐久間 彊君
消防庁長官 松村 清之君
消防庁次長 川合 武君
事務局側
常任委員会専門
員 鈴木 武君
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本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○消防組織法及び消防団員等公務災害
補償責任共済基金法の一部を改正す
る法律案(内閣提出)
○風俗営業等取締法の一部を改正する
法律案(内閣提出)
○公営企業金融公庫法の一部を改正す
る法律案(内閣送付、予備審査)
○地方税法の一部を改正する法律案
(内閣送付、予備審査)
○地方自治法等の一部を改正する法律
案(内閣送付、予備審査)
○昭和三十八年度分として交付すべき
地方交付税の総額の特例に関する法
律案(内閣送付、予備審査)
○奄美群島復興特別措置法の一部を改
正する法律案(内閣送付、予備審
査)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X00319640204/0
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001・竹中恒夫
○委員長(竹中恒夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
初めに、理事の補欠互選についておはかりいたします。
去る一月三十日の委員の異動に伴い理事に欠員を生じましたので、この際、その補欠互選を行ないたいと存じます。
前例により、互選の方法を省略して、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、さよう取り運ぶことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X00319640204/1
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002・竹中恒夫
○委員長(竹中恒夫君) 御異議ないと認めます。
それでは、委員長から市川房枝君を理事に指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X00319640204/2
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003・竹中恒夫
○委員長(竹中恒夫君) 本日は先議案件が二件、予備審査五件について説明を聴取いたしたいと存じます。
まず、消防組織法及び消防団員等公務災害補償責任共済基金法の一部を改正する法律案を議題といたします。
提案理由の説明を願います。早川自治大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X00319640204/3
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004・早川崇
○国務大臣(早川崇君) ただいま議題となりました消防組織法及び消防団員等公務災害補償責任共済基金法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容の概要を御説明申し上げます。
すでに御承知のように、非常勤の消防団員は、古くから地域住民の生命、財産を守るため、常に防災活動の第一線に立って活躍することを使命といたしております。そのために、消防団員は、一たん事ある際にはみずからの生業を一時放てきし、かつまた、一身の危険をおかし、その任務を遂行するというのがその実態であります。
この消防団員は全国でおよそ百五十万人を数えておりますが、これらの人人の、かかる労苦に報いるための措置は、遺憾ながら十分とは申せないのが実情であります。
このような事情を勘案し、消防団員の処遇を改善する方策の一環といたしまして、消防団員として永年勤続して退職されました人々の功労に対し、市町村から退職報償金を支給する制度を創設するとともに、この制度の的確な実施をはかることが、この法律案の趣旨とするところであります。
以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
まず第一は、消防組織法の改正についてであります。
これは、さきに述べましたように、消防団員が一定年限以上その職にありまして退職いたしました際に、市町村がその者またはその者の遺族に対しまして、一定額の退職報償金を支給すべき責任を法律上の制度として確立しようとするための改正であります。
第二は、消防団員等公務災害補償責任共済基金法の改正についてであります。
従来から、消防団員の公務災害補償につきましては、消阯団員等公務災害補償責任基金が設置されております。
そこで、今回の消防団員に対する市町村の退職報償金の支給責任につきましても、対象となりますものが、公務災害補償と同じく消防団員でありますことから、従来の基金の業務に付加してこれを行なわせることが至当であると考え、ここにこの法律の改正を行なうこととした次第であります。したがいまして、この法律案におきましては、基金の名称の変更を行なうとともに、退職報償金に関する業務を付加したことによる関係規定の整備を行なうことといたしております。
以上が、消防団員に対しまして退職報償金を支給する制度を創設するための法律案を提出いたしました理由と、その内容の概要であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X00319640204/4
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005・竹中恒夫
○委員長(竹中恒夫君) 本案についての質疑は、次回に譲りたいと存じます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X00319640204/5
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006・竹中恒夫
○委員長(竹中恒夫君) 次に、風俗営業取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
提案理由の説明を願います。早川自治大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X00319640204/6
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007・早川崇
○国務大臣(早川崇君) ただいま議題となりました風俗常業等取締法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明いたします。
この法律案は、善良の風俗を維持するため、設備を設けて客に飲食をさせる営業の深夜における営業に関し、営業の場所、営業時間等について必要な制限を定めることができるものとすること、風俗常業及び設備を設けて客に飲食をさせる営業の深夜における営業について年少者に関する禁止行為を定めること、風俗営業等取締法等に違反した飲食店常業者に対して、公安委員会が飲食店常業の停止を命ずることができるものとすること、罰則規定を整備すること等を、そのおもな内容としております。
まず、設備を設けて客に飲食をさせる営業の深夜における営業の規制の範囲を明確にすることについて御説明いたします。
最近におけるいわゆる深夜喫茶等の実情を見ますと、特殊の照明や設備を施すなどいたしまして、外形的には風俗営業と区別できないような形態で営んでいるものが増加の傾向にありますが、このような営業は、一般的に風俗事犯の温床になっているほか、特に少年の非行を誘発し、非行少年のたまり場になっているのが実情であります。
この種営業に対する風俗的観点からの規制については、風俗営業等取締法第四条の二第一項において、「都道府県は、条例により、客席を設けて客に飲食をさせる営業の深夜における業態について、必要な制限を定めることができる」旨を定めているのでありますが、ここにいう業態の意義について明確を欠いておりますため、現実には、営業の手段、方法として行なわれる行為及びこれに付随して行なわれる行為について規制されているにすぎないのが実情であります。そこで、弊害の著しいこの種の営業に対しましては、「営業の場所、営業時間、営業を営む者の行為及び営業所の構造設備」について必要な制限を定めることができることといたしております。
この改正によりまして、たとえば、都道府県が条例によって、深夜において喫茶店を営んではならない場所を定めますと、そこにおきましてはいわゆる深夜喫茶はなくなることになるわけでございます。次に、年少者に関する禁止行為を定めることについて御説明いたします。
最近、風俗営業や深夜飲食店等が、著しく年少者の福祉を害するような方法で営業を営んでいるという実情にかんがみまして、風俗常業者に対しましては、営業所で十八歳未満の者に客の接待をさせ、または客の相手となってダンスをさせること、十八歳未満の者を営業所に客として立ち入らせること、及び営業所で二十歳未満の客に酒類を提供することを、また、設備を設けて客に飲食をさせる営業を営む者に対しましては、都道府県が条例で定めた場合を除き、深夜の営業において、十八歳未満の者を客に接する業務に従事させ、もしくは営業所に客として立ち入らせること、及び営業所で二十歳未満の客に酒類を提供することを、それぞれ禁止することといたしております。
次に、飲食店営業者に対し、営業の停止を命ずることができることとするための規定について御説明いたします。
客に飲食をさせる風俗常業と単なる飲食店営業との差異はきわめて微妙でありまして、外見上区別しがたいものが少なくないという実情にありますため、飲食店営業の名において許可を受けないで風俗営業を営んでいる者や風俗営業の許可を取り消された者で、なお、依然として飲食店営業の名のもとに、風俗営業と同じ形態の営業を継続している者が増加しつつありますので、この際、風俗営業に対する規制の目的を達成いたしますために、風俗営業の許可を取り消し、もしくは営業停止の処分をしたとき、または飲食店営業者が無許可で風俗営業を営みましたときは、公安委員会は、当該違反をした者が、当該施設を用いて営む飲食店営業につきましても、風俗営業者に対して営業停止を命じたときはその期間、その他の場合は六月をこえない範囲内で、営業の停止を命ずることができることといたしております。
また、設備を設けて客に飲食をさせる営業を営む者が、深夜における当該営業に関し、深夜において、法令に違反した場合におきましては、この種違反は、深夜以外におきましても善良の風俗を害するおそれがありますので、六月をこえない範囲内で、当該営業者が、当該施設を用いて営む飲食店営業について営業の停止を命ずることができることといたしております。
なお、公安委員会が、飲食店営業について営業の停止を命じたときは、当該飲食店営業の許可について権限を有する機関にその旨を通知しなければならないことといたしております。
次に、罰則を整備するための規定について御説明いたします。
設備を設けて客に飲食をさせる営業の深夜における順守事項違反に対しましては、罰則規定を欠いておりますため、これに対し有効な取り締まりを加えることが困難な実情にありますので、新たに設けられた年少者に関する禁止行為違反とともにこれを罰則規定にかからしめることといたしております。
なお、年少者に関する禁止行為違反のうち、風俗営業者が十八歳未満の者に客の接待をさせ、もしくは客の相手となってダンスをさせたとき、または設備を設けて客に飲食をさせる営業を営む者が、深夜において、十八歳未満の者を客に接する業務に従事させたときは、これらの違反行為の特質にかんがみ、過失による行為をも処罰の対象にすることといたしております。
なお、この機会に、カウンター越しに客の接待をして客に飲食をさせている営業も、風俗営業に該当するものであること並びに風俗営業については「営業を営もうとする者の資格及び営業を営む者の行為」についても、条例により制限を定めることができることを、法文上明確にするとともに、遊技場営業の許可の更新期間を、ぱちんこ屋及び都道府県が条例で指定する営業については三月、その他の営業については六月ごとと改める等、関係規定の整備をいたしております。
以上が、この法律案の提案理由及びおもな内容であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御賛同を賜わらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X00319640204/7
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008・竹中恒夫
○委員長(竹中恒夫君) 本案についての質疑は、次回に譲りたいと存じます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X00319640204/8
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009・竹中恒夫
○委員長(竹中恒夫君) 次に、公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案、地方税法の一部を改正する法律案、地方自治法等の一部を改正する法律案、昭和三十八年度分として交付すべき地方交付税の総領の特例に関する法律案、奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律案、以上五件を議題といたします。
それぞれ提案理由の説明を、願います。早川自治大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X00319640204/9
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010・早川崇
○国務大臣(早川崇君) ただいま議題となりました公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案の提案の理由並びにその内容の概要を御説明申し上げます。
第一は、政府は、予算で定める金額の範囲内において、公営企業金融公庫に追加して出資することができることとし、この場合において、同公庫は、その出資額により資本金を増加するものとしようとするものであります。
御承知のように、公営企業金融公庫は、昭和三十二年六月に設立されて以来、地方公共団体の経営する水道事業、交通事業、電気事業等の各種公営企業にかかる地方債につき、低利かつ安定した資金を融通し、その貸し付け累計額は、昭和三十八年末において千億円を突破しております。今後、さらに、地方公営企業の順調な発展を期するためには、公営企業金融公庫の業務運営の基礎を一そう充実する必要がありますので、予算で定める金額の範囲内で追加出資をすることができることといたしたいのであります。
なお、別に御審議をいただいております昭和三十九年度予算におきましては、公営企業金融公庫に産業投資特別会計から一億円を追加出資することといたしております。
第二は、公営企業金融公庫の監事の権限を明確にしようとするものであります。政府といたしましては、公営企業金融公庫設立の目的が十分達成されるよう常に努力しているところでありますが、さらに公庫の業務が適正かつ能率的に運用されるよう、監事の権限を明確にしようとするものであります。
以上、この法律案の提案の理由並びにその内容の概要について御説明いたしたのでありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。
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次に、ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
固定資産税及び都市計画税につきましては、昭和三十九年度分から新固定資産評価基準による固定資産の評価に基づいて課税が行なわれることとなりますので、これに伴い固定資産税負担の調整を講ずる必要があります。このため、同定資産税負担の調整措置については別途御審議をいただきたいと考えておりますが、さしあたり、課税の円滑化をはかるためには、固定資産課税台帳の縦覧期間等を延期する措置を講ずることが適当であると考えられるのであります。これが、この法律案を提出した理由であります。
次に、その趣旨について御説明申し上げます。
現行の規定によりますと、固定資産課税台帳の縦覧期間は、三月一日から同月二十日までと定められているのでありますが、課程の円滑化をはかるため、これを昭和三十九年度に限り、一月延期することに改めたのであります。また固定資産課税台帳の縦覧期間を延期することとしたのに伴い、固定資産税及び都市計画税の第一期の納期、固定資産評価審査委員会の開会の期間等も一月ずつ延期することとしたのであります。
以上が、地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及び要旨であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
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次に、ただいま議題になりました地方自治法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
東京府市を合体として東京都制が制定されて以来、都は、府県の事務のほか、特別区の存する区域においては、原則として、市の事務をもあわせ行なうものとされておりますので、東京への人口及び産業の過度集中が進むにつれて、都行政は質量ともにいよいよ複雑かつ膨大となり、一つの経常体との円滑かつ能率的な運営が期せられなくなり、首都として、また大都市としてその機能を十分に果たすことができない状態になっているのであります。この法律案は、このような都行政の現状を改善するため、一昨年十月地方制度調査会から提出されました「首都制度当面の改革に関する答申」の趣旨にのっとり、都と特別区との間において、その事務及び税源の合理的な配分をはかるとともに、当該事務の処理について都と特別区及び特別区相互間の連絡調整を促進し、あわせて特別区の議会の議員の定数の定限に関する規定の整備を行なおうとするものであります。以下、改正法律案の内容の主要事項につきまして御説明申し上げます。
第一に、都と特別区の間における事務の配分について、都が、その負担を軽くして、総合的な計画の作成、大規模な建設事業、特別区及び市町村の連絡調整等、重要な事務に専念できるようにするため、都が処理している事務のうち一般の市に属する事務は、できるだけこれを特別区へ移譲することにより、その合理化をはかるとともに、特別区の権限を拡充することにいたしたのであります。
この法律によって新たに特別区へ移譲されることとなる事務のおもなものは、一、福祉事務所の設置、生活保護、老人福祉、行旅病人及び行旅死亡人の取り扱い等、社会福祉に関する事務、二、保健所及び優生保護相談所の施設の管理並びに伝染病予防、結核予防、トラホーム予防、寄生虫病予防等、保健衛生に関する事務、三、清掃に関する事務、四、土地区画整理事業及び防災建築街区造成事業、五、建築基準行政に関する事務等であります。もっとも、これらの事業のうちでも、特別区の存する区域を通じ一元的に処理することが必要なもの、大規模な建設事業にかかるもの等については、政令で除外することができることといたしております。
第二に特別区の議会の議員の定数の定限を、六十人と定めることといたしたのであります。
第三に、都から特別区への事務の移譲に伴い、特別区の存する上区域において、都と特別区及び特別区相互間における事務処理の連絡調整をはかるため、都区協議会を設けることとし、事務委任条例、特別区調整条例、都区財政調整条例の制定にあたっては、都知事は、あらかじめ都区協議会の意見を聞かなければならないこととしたのであります。
第四に、都と特別区との間における財源の配分については、現行の都区間の財政調整制度を維持しながら、都から特別区への事務移譲により新たに、特別区が処理することとなる事務に要する経費の財源を特別区に与えるとともに、特別区の財政面における自主性を一そう強化するために、市町村民税個人分、電気ガス税、たばこ消費税等、固定資産税及び市町村民税法人分を除く市町村税を特別区税として新たに法定することといたしたのであります。
以上が、この法律案を提案する理由及び法律案の内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
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次に、ただいま議題となりました昭和三十八年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律案の提案理由とその要旨を御説明申し上げます。
前特別国会において可決成立をみた第二次補正予算により、国家公務員の給与改定に準じて地方公務員についても給与改定を行なう場合の所要経費の財源措置を含め、本年度における地方交付税法第十条第二項の規定による各地方団体の財源不足額の合算額に相当する額の普通交付税を完全に確保できる見通しであり、この結果、普通交付税の総額は、五千四百四十九億円、特別交付税の総額は、臨時地方特別交付金を含め、三百六十三億円の見込みで、昨年度にくらべ、それぞれ八百九十億円、四十七億円程度の増加と相なっております。
したがって、現在御審議を願っております第三次補正予算によって増額される地方交付税の額は、百三十七億円でありますが、現行制度によりますれば、その全額が地方交付税法第六条の三第一項の規定により、本年度の特別交付税の総額に加算されることとなるわけであります。
もとより、地方財政の現況は、いまだ立ちおくれている行政水準の引き上げ等のため、さらに多くの財源を必要としているのでありますが、特別交付税の総額も昨年度に比べかなり増額されていることでもあり、また、本年度もすでに余すところ幾ばくもない時期となっております上、予定されている地方税制の改正等、明年度における地方財政の変動に対処する必要等を考慮すれば、この際、今回の補正予算によって増額計上される地方交付税の額につきましては、災害等新たに緊急の財政需要を生じない限り、その全額を翌年度に繰り越し、明年度の地方交付税の総額に加算して配分することといたしたいと考えるのであります。
以上が、昭和三十八年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに、御可決あらんことをお願い申し上げます。
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最後に、ただいま議題となりました奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由並びにその内容の概要を御説明申し上げます。
奄美群馬の復興につきましては、奄美群島復興特別措置法に基づき、昭和二十九年度を初年度とする復興計画が策定され、これに基づいて各般の事業を実施してまいったことは御承知のとおりであります。
復興計画は、昭和三十八年度をもって終了することになるのでありますが、復興事業の、実施により基礎的な公共施設は一応の整備をみ、民生も安定して、群島の面目は一新されつつあるのでありまして、群島住民の生活水準を戦前の本土生活水準に達せしめようという復興計画の目標はほぼ達成し得るものと考えておるのであります。
しかしながら、この間におけるわが国経済の伸長は著しいものがあるため、群島住民の生活水準は現在の本土に比較すれば、なお、その半ばにも達しないのでありまして、復興計画の成果を維持し、さらに群島住民の生活水準の向上をはかるためには、引き続き特別の措置を講ずる必要があるのであります。
このことにつきましては、昨年の第四十三回国会における奄美群島復興特別措置法の一部改正に際し、衆参両院地方行政委員会におきましても、附帯決議がなされたところであります。
政府といたしましては、このような理由から、引き続き振興五カ年計画を策定し、復興計画を補完するとともに、主要産業の振興を中心とする事業の推進をはかるべきであると考え、ここに本法律案を提案いたした次第であります。
次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
第一に、題名を奄美群高振興特別措置法に改め、目的に主要産業の育成等の措置を講ずることを加えるとともに、法律の有効期間を昭和四十四年三月三十一日まで延長することとしたのであります。
第二に、新たに昭和三十九年度を初年度とし、五カ年度にわたる振興計画を策定することとし、これに基づく事業を円滑に実施するため、所要の規定の整備をはかったのであります。
第三に、奄美群島復興審議会及び奄美群島復興信用基金の名称を、それぞれ奄美群島振興審議会及び奄美群島振興信用基金に改めることにしたのであります。
第四に、奄美群島振興信用基金の融資業務に要する資金に充てるため、国は予算で定める金額の範囲内で出資することができる旨の規定を設けたのであります。
第五に、復興計画に基づく事業により取得された国有財産のうち特定のものについて、それぞれの関係地方公共団体に対し、譲与する旨、規定を設けたのであります。
以上、この法律案の提案理由並びにその内容の概要について御説明したのでありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X00319640204/10
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011・竹中恒夫
○委員長(竹中恒夫君) 以上、五予備審査案件についての本日の審査は、この程度といたしたいと思います。——別に御発言もなければ、この程度にいたしたいと存じます。
次会は二月六日(木曜日)午前十時、消防組織法及び消防団員公務災害補償責任共済基金法の一部を改正する法律案、風俗営業等取締法の一部を改正する法律案について審査を行なう予定でございます。
本日はこれにて散会いたします。
午前十時四十分散会
————・————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X00319640204/11
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