1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年四月九日(木曜日)
午前十時二十七分開会
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委員の異動
四月九日
辞任 補欠選任
山本伊三郎君 占部 秀男君
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出席者は左のとおり。
委員長 竹中 恒夫君
理事
石谷 憲男君
西田 信一君
松本 賢一君
委員
井川 伊平君
沢田 一精君
館 哲二君
占部 秀男君
鈴木 壽君
林 虎雄君
山本伊三郎君
市川 房枝君
国務大臣
国 務 大 臣 赤澤 正道君
政府委員
警察庁長官 江口 俊男君
警察庁交通局長 高橋 幹夫君
自治省行政局長 佐久間 彊君
事務局側
常任委員会専門
員 鈴木 武君
説明員
警察庁交通局交
通企画課長 宮崎 清文君
警察庁警備局警
備第二課長 後藤 信義君
自治省行政局給
与課長 胡子 英幸君
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本日の会議に付した案件
○地方公務員共済組合法等の一部を改
正する法律案(内閣提出)
○道路交通法の一部を改正する法律案
(内閣提出)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/0
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001・竹中恒夫
○委員長(竹中恒夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
本日は、午前は地方公務員共済組合法等一部改正案の質疑、午後は道路交通法一部改正案の質疑を行なら予定でございます。
地方公務員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。前回に続き質疑を行ないます。御質疑の方は御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/1
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002・山本伊三郎
○山本伊三郎君 一昨日の委員会で資料を相当いただいて、いろいろ検討したのですが、この間も実は質問の中で若干触れておいたのですが、今度のいわゆる団体共済の法律は、問題の相当あることはわれわれも承知しております。まあしかし、これが国会の附帯決議、本院の附帯決議を尊重して出されたということかう、われわれとしてはできるだけ協力をしたいという気持ちでおることは事実なんですが、しかし、事、年金制度でありますので、将来の年金保険経済なんかを見ると、やはり心配する点も相当ございます。したがって、追及するという意味の質問でなくして、建設的な意味において若干資料によって質問をしておきたいと思う。
今度の団体共済は、地方公務員共済組合あるいは国家公務員共済組合のように、給与体系、そういうものも一定しておらない八団体ないしは十団体の混成したいわゆる団体が包括されておるので、給与も一応まちまちであることも認められます。そういうことから、いろいろ統計数字もむずかしい中を出されたことはよくわかるのですが、将来、保険経済から見ましてうまく運用できるかどうかという実は一るの心配がございます。きょうは専門家が来ておらないということでございますので、そういうことを質問しても答弁は得られないと思うのですが、たとえばこの資料の第二の十五ページのこの補整給料指数計算表を見ましても、地方公務員共済組合の場合には、こういう複雑な補整はされておらないのですが、木団体共済の給料指数図では、ゴンパーツの曲線を使ってうまく給料指数をつくられておるのですが、こういう点は相当苦心のあとも見えるのですが、実際に給与の実態というものがどういう調査の結果出ておるかということも、この資料では大体わかるのですけれども、入団体おのおのやはり地方公務員に準じておるというけれども、やはり給与はおのおの違うと思うのですが、八団体の給与の実態について、まあ説明ができればひとつその点の説明だけでもしていただきたいと思うのですが、この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/2
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003・胡子英幸
○説明員(胡子英幸君) 御指摘のとおりそれぞれ団体の性格またその内容によりまして相当の差がございます。したがって、給与制度上は、先般も申し上げましたように、一応は地方公務員の給与制度に準ずるたてまえはとってございますけれども、個々の職員の受けております給料の内容につきましては相当の差がございます。これを例を取り上げて申し上げますと、全国知事会の平均は昭和三十九年の一月一日現在で申し上げますと、一人当たりの平均給料が三万五千五百九十四円でございます。この関係団体の中では最高になっておりますが、平均給料で一番低い団体は、国民健康保険団体連合会でございまして、一人当たり平均給料の月額が一万七千八百三十三円、まあこういった状況でございます。全団体を総平均をいたしてみますと、一人当たり平均給料は二万一千四百七十一円ということでございまして、個々の団体によりまして相当な開きがございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/3
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004・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それはやむを得ないことだとわれわれも認識をしております。そこで、給料現価を求めるについても、相当苦心がきれておると思うのですが、そういういろいろの異なった給与水準の人々を集めてやっておるこの実態の中で、農林漁業団体職員共済組合あるいは私立学校教職員組合の場合は、こういう場合にはいわゆる標準報酬給与というものをつくって、それを合理化しようとしておるのですが、今回の団体共済では、本人の利益ということを重点的に考えて、地方公務員と同じように三年平均の給与でこれをやろうという趣旨はよくわかるのですが、標準報酬給与を用いずに、地方公務員と同じようなシステムでやることに若干の矛盾があると思うのですが、その点どうですかな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/4
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005・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 標準報酬制を採用したほうがいいのじゃないかということは、立案の過程におきましても検討もいたしたのでございますが、先ほど説明員のほうから申し上げましたように、各団体におきまして給与制度はまちまちではございますけれども、しかし、たとえば私学共済におきまする各私立学校間の給与制度ほどのばらばらではございませんで、おおむね各団体とも大体地方公務員に準じた制度をとっております関係もございまするし、それから本制度によります給付も、地方公務員共済組合の給付にできるだけ準じていこうという方針でもございまするので、まあ公務員共済組合ほど斉一ではございませんけれども、大体地方公務員に準じてやっていくということで差しつかえないのじゃなかろうか。また、そのほうが組合員にとりましてもプラスにもなりまするので、標準報酬制をとらずに公務員共済制度にならうということにいたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/5
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006・山本伊三郎
○山本伊三郎君 その点はよくわかるのです。個々の組合員の利益から見ると、全部が全部有利とは言えないが、総体的に見ると、やはり地方公務員の三年平均でも、退職当時の給与から見ると若干不利ですが、それには及ばないにしても、三年平均という地方公務員の、国家公務員と同じような措置がとられたことは、われわれとしても了解するのですが、ただ、年金保険経済の上から見ると、若干その給与指数を調べてみますと、心配する点があるのです。そういう点について質問したのですが、その点について保険経済から考えて、無理のないという自信があるのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/6
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007・胡子英幸
○説明員(胡子英幸君) 専門家であられる山木先生の御質問で、たいへん私どもしろうとでございまして恐縮でございますけれども、私どもといたしましては、いろいろ計算をいたしまして、この計算方式によって将来を見通しました場合、少なくとも現状においては十分に保険経済は成り立つものと考えてございます。なおしかし、先ほど来御指摘いただいておりますように、給料の指数別表の補整方式についていろいろと問題点があることも御指摘いただいているわけでございますが、今後五年ごとには再計算を行なうわけでございますので、そういった御心配をいただかなくても済むように、われわれとしても今後ともなお努力を続けてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/7
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008・山本伊三郎
○山本伊三郎君 保険経済から見ると、まあその点が、今申しましたいわゆる給与指数のとり方については若干ありますけれども、それをカバーする上において相当有利に――有利というよりも、保険経済に余裕があると私は見ておる。これはきょうは専門家がおられませんから、答弁できなければけっこうでございますが、たとえば脱退残存表を見ましても、この前の地方公務員共済組合法のときにいただいた資料と比較いたしますと、いわゆる短期間の在職年数でやめられる方が非常に多いです。前の地方公務員共済組合のときの脱退残存表を持ってきたわけなんですが、それによりますと、二十年までにやめる人が四四%程度であります。しかし、この団体共済の場合は約六十何%という人がやめられるような数字が出ておるのでありますから、その点から見ると、同じ地方公務員共済組合法の保険料率、いわゆる組合掛金料率から見ますと、いわゆる千分の四十四ということでありますから、この点から見ると、私は保険経済全般から見ると、決して無理ではない、無理でないというよりも、むしろ保険経済はいいのではないか、こういう見方をしておりますから、その点は心配はないと思う。ただ、給与指数だけが私は一応問題があると思って質問したのですが、この点はどう考えられておるか、ちょっと聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/8
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009・胡子英幸
○説明員(胡子英幸君) 給与指数の問題についての重ねてのお尋ねでございますが、現実に私どもがこの調査に当たりまして、各関係団体から資料を求めたわけでございますが、その調べました結果について実態を見ますと、学校新卒者の採用が比較的少ないというのが実態でございまして、たとえば地方公務員なら地方公務員を何年間つとめて、そうして再びこういった関係団体に就職されておるという方々が比較的多いわけでございまして、先ほど申し上げましたように、全国知事会あたりの平均給料が高いというふうに御説明申し上げましたのも、そういった経緯に基づくものと考えられるわけでございます。そういった関係等がございまして、比較的平均給料というものがその年齢に比較いたしまして、公務員より若干高い団体があるわけでございます。そういった点が給与指数の面にもあらわれておろうかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/9
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010・山本伊三郎
○山本伊三郎君 そういろ点はあまり質問しても専門家の方がおられないのですから、ピントが合ってこないと思いますので、あまり深く聞きたくないのですが、給与指数というのは、平均給与の高低で問題があるのでなくして、その各団体間におけるアンバランス、しかもその上昇率――給与が上がっていく率――そういうものが一定しておらぬというところに一つ問題があって、私心配であるということです。各団体間は、おのおの地方公務員に準じた形で給与が上昇していく、こういう点であればいいんですが、その点が各団体間でまち断ちでないかということから問題があるのであって、そういう点が非常に問題がありますので、今後給与指数と申しますか、給与の実態調査をもう少し正確におやりになったほうがいいのでないかと思うのです。まあしかし、わずか一年足らずの間に調査を十分せよといっても、これは無理です。その点、私了解しておりますが、この点はひとつ今後の問題として十分調査を願いたいと思うのですが、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/10
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011・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 御指摘いただきました点は、私どもも全く同感でございまするので、引き続きまして綿密な調査をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/11
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012・山本伊三郎
○山本伊三郎君 まあこの問題につきましては、またいずれ時間があればお尋ねするとして、財源率についてちょっと気のついたところだけ一応質問しておきましたが、次に法律事項に入りましょう。
簡単な問題ですが、これはまあ了解できる点もあるのですが、この地方公務員共済の法律の百四十二条第一項第三号の奄美群島関係の職員の関係を削除されたというのは、これは何か地方自治法の改正によってなされたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/12
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013・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) これは、今回奄美群島復興特別措置法の一部を改正をいたしまして、従来国家公務員の身分をもってやっておりましたものを補助職員に切りかえることにいたしましたので、不要になりましたので削除いたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/13
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014・山本伊三郎
○山本伊三郎君 したがって、身分が変わったということであって、適用範囲はもうそのまま地方公務員共済組合法に適用されておるということには間違いないですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/14
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015・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/15
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016・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それじゃ次に、百七十九条の運営審議会の問題です。これは一昨日、西田委員からもいろいろと御質問がありましたのですが、この審議会の構成は十人以内ということになっておるのですが、まあ組合員、対象が少ないのですから、十人という人数については私は問題にしないのですが、その任命の方法は、すべて自治大臣の任命になっておると見ておるのですが、この点は地方公務員共済組合法の、地方職員共済組合における方法と一緒にとられておるのですが、相当公平な方法で選任されぬと困ると思うのですが、この点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/16
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017・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) これは、まあ御指摘のように他の共済組合の制度にならったわけでございます。選任につきましては、もちろんお説のようにこの組合員の全体の意思が公正に反映できるように十分留意をいたすつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/17
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018・山本伊三郎
○山本伊三郎君 この場合、団体共済、いわゆる各種団体が集まって運営されるのですから、おのおの団体には団体として言い分なり、特殊な事情というものがあるので、十人だとすると、おのおの団体から一名ずつというわけでもないし、また一名ずつにしても、いわゆる団体側の委員と、それから純然たる組合員を代表する者と、やはりそこに分けなくちゃいかぬと思うのですが、その点、運営審議会の運営上、若干私は問題があると思うのですが、その点はどう思われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/18
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019・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) これにつきましては、十人でございますから、先日も西田委員の御質問に対して申し上げましたように、今回の構成団体になっております各団体から、原則として一名ずつ選任をするということにいたしたい。ただ非常に組合員の数の少ない団体につきましては、あるいは二つの団体で一人ということになるかもしれませんが、原則といたしましては、各団体から一人ずつ選びたい。しかも、その場合におきまして、全組合員の意向が公平に反映できますようにということで、四項にも書いてございますが、できるだけそういう配慮をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/19
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020・山本伊三郎
○山本伊三郎君 各団体といっても、この資料で見ましても、十二、三の団体があるのですが、結局、団体の人数によって勘案すると言われておるのですが、団体から一名ずつというわけにはいかないですね、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/20
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021・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) この団体の中で、これは現在まだ成案を得ておるわけでございませんが、一応の案といたしましては、地方六団体、これは各団体から一人ずつ選任をいたしてはどうか、それから次に二百六十三条の二に該当する団体でございますが、これは公営住宅災害共済会以外は、事業上は、府県、市町村のそれぞれの二百六十三条の三の団体と同一の場所におきまして同一の環境で勤務をいたしておりまするので、その辺を勘案いたしまして、二百六十三条の二該当団体からは、全体から一人ということでよろしいのではなかろうかと考えております。それから、そのほかの団体におきましては、消防団員等公務災害補償責任共済基金、水害予防組合、これは組合員数が非常に少のうございまするし、また、やっております仕事が若干類似性もあるようでございまするし、まあこの二つの団体は、両団体を合わせて一人ということにでもしたらどんなだろうかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/21
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022・山本伊三郎
○山本伊三郎君 人数が少ないからといって、粗雑な運営審議会では私困ると思うのです。代表の選出については、人数比例からいくと、わずか四名とか七名、きわめて少数なところがありますから、これはまあうまく勘案できると思うのですが、しかし、事業自体は、相当、年金制度の問題ですから、本人にとっては重要な問題ですから、運用の根幹となる運営審議会の運営というものは、きわめて私は重要な役割りがあると思うのです。そのために、地方公務員共済組合の本法審議の際には、これが相当論議になったことは御存じのとおりです。したがって、運営については、これをどうこう改めろということを私はこの機会には言いませんが、人数が少ないからあまり――軽視をするということでなくして、指導官庁である自治省としては、十分にこの組合員の意思をくんだ措置で運営をしていただきたいと思う。それには、任命の方法そのものが相当問題になると思うのです。私の憂えるところは、いわゆる団体の役員と申しますか、そういう人が運営審議会のメンバーをほとんど占めてしまって、ほんとうの組合員と申しますか、下部の意向が上がらないような任命のしかたになっては困ると思うのです。その点についてどういう配慮があるか、それをひとつお聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/22
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023・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) これは、その点最も配慮をいたしまして、百七十九条の三項では、「委員は、団体共済組合の組合員のうちから命ずる。」と、こういうことにいたしたわけでございます。この組合員には役員は含まれないわけでございますから、御指摘のような御心配はなかろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/23
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024・山本伊三郎
○山本伊三郎君 その点、実はこの間も質問があったのですが、役員は含まないというのは、私は六団体の性格はよく知っておるのですが、役員を含まないというのは、この団体共済から除外したということについては、ちょっと私も理解できないのです。役員といえども、全く職員と同じような形の人が多いのではないかと思います。知事会とか、知事さんが会長をやっている、市長さんが会長をやっているということは、別の法律で救済されておりますから、適用されておりますから、これは問題はないですが、その他の役員の方々で、全く団体共済の組合員にひとしいような方々も相当おられると思うのです。そういう人が私は相当入ってくると思うので、そういう人が発言権が強いということから、委員に任命される例があるのじゃないかと思います。この前の西田さんの質問に答えて、職員に準ずるような役員については、組合員にするという御意向のようですが、そういうことに関連して、私は実は質問したんですが、その点どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/24
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025・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 組合員に役員を入れるべきかどうかということにつきましては、実は西田委員にお答え申し上げましたように、私どもといたしましては、この共済組合の制度の性質からいたしまして、俗に言います被用者年金というような性格からいたしまして、役員は除くのが適当であろうというふうに判断をいたしたわけでございます。ただ、役員と事務職員とを兼ねておりまして、事務職員がむしろ主体であって、あわせて役員の資格も持つというような者につきましては、実態がそのようなことであるならば、事務職員という点に着眼をいたしまして、組合員とするということも考えていきたいという趣旨のことを、せんだって申し上げたわけでございますが、純然たる役員につきましては、これはやはり除くのが制度上適当であろうというふうに考えておるわけでございます。
次に、運営審議会委員の選任にあたりましては、いま申しましたような考え方でおりますので、純然たる役員というものが委員に選ばれるということは、法律上あり得ないと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/25
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026・山本伊三郎
○山本伊三郎君 十分その点は配慮願いとう存じます。
そこで、役員の問題ですが、この店には私納得ができないところがあるのです。地方公務員共済組合法の中には、特別職である知事、あるいは市長、町村長も含まれておる、しかも、その雇用条件というものは、選挙で選ばれておる方が多い、いわば、地方公共団体における役員に相当する人、そういう人も有利な条件で組合員にされておるのです。たとえば普通の地方公務員であれば、最短年限は二十年であるけれども、いわゆる知事、市長、町村長については十二年という最短年限で特例を認めてやられておるのです。そういう精神から見ると、この団体役員にしても、そういう地方公務員共済組合法で適用されておる方は、これはもちろんそのほうが有利ですから、それでいいですが、そうでない役員というものは包含すべきである、団体共済という考え方からいくと、私は包含すべきである、地方公務員共済組合の例をとって私は言えると思うのです。それを除外されたということにつきましては、やはり私も納得ができないのです。そういう人は相当給与もいいし、また、前に相当な役職から転勤されたという方であるから、年金制度の適用はあえて必要でないのだ、こういう思想があるのかどうか知りませんが、しかし、そういうことの条件は、この制度においては考えるべきでない、やはり団体共済という使命の上から考えると、役員であろうとも、関係団体の一構成員であるならば、やはり組合員として認めるべきであろう、ころ思うのですが、この点は一昨日も答弁されたと思いますが、この見解について私は納得できないのですが、もう一度ひとつお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/26
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027・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) その点につきましては、いろいろ御意見もあろうかと存じます。ただい左例におあげになりました市町村長、知事等につきましては、確かに団体の役員に相当する地位にある者につきまして、地方公務員共済組合法ではその対象にいたしておりますが、これは過去におきましてそういう沿革がございましたので、立法の際、それを包摂することにいたしたわけでございますが、新しく立法をいたします際の考え方といたしましては、先日も申し上げましたように、他の類似の団体共済組合の制度と申しますと、私立学校共済と農林団体共済になるわけでございますが、両方とも組合員の資格といたしまして、団体に使用されている者というような表現がなされておりまして、たとえば、学校法人の役員は入っておりませんし、農林漁業団体におきましても除かれておるようでございます。そういうような事情から今回省いたわけでございますが、ただ、他の場合におきます役員と今回の関係団体におきます役員とで、性質上いろいろ違う点もございまするし、今後の問題といたしましては、そういう点も検討する余地はあるのではなかろうかとは存じますが、今回は、ただいま申し上げましたようなことでこれを除くことにいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/27
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028・山本伊三郎
○山本伊三郎君 この点は、ひとつ今後いろいろ検討していただくということでおきます。
次に、百八十三条によって、理事長は自治大臣の任命ということになっておるのですが、これはどういう人を理事長にするというお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/28
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029・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 現在まだ相談をいたしておりません。法律が成立をいたしましてから施行まで期間もございますので、その間、慎重に検討をいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/29
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030・山本伊三郎
○山本伊三郎君 おそらく法律は、これは成立せなきゃならぬし、また自治省としてもぜひこれは成立させなければならぬお考えだと思うのですが、団体共済においては、理事長の選任というのは相当私はむずかしいものがあるのじゃないかと思うのです。階級的なことを私は考えて言うんじゃないですが、この種の団体から見て、たとえば、全国知事会の会長さんを当てるのだと――おそらくそういうことは考えておらないと思うのですが、やはりそういう団体の最高責任者というものが非常に問題になると思うのです。これは法律事項でないから、われわれはだれにしようとここで何も論議するわけじゃないのですが、理事長というものは、対外的にも責任がありますし、対内的にも責任があるのでありますが、ちょっと想像がつかないのです、どういう人を理事長にするのか。地方公務員共済組合の連合会になりますと、大体われわれも一応の想定はできたのですが、この場合は、おのおの関係団体として、その自分の範囲内における支配をしておった人ですか、それが寄り集まって共済組合をつくる、これは自治省の現在の公務員と申しますか、そういう中から選ふというような構想を持っておられるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/30
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031・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) そのような構想は、ただいまのところ持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/31
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032・山本伊三郎
○山本伊三郎君 理事長の選任については、名目的だといいますが、やはり一つの重要な要素になると思うのですが、全然そういう考え方というか、構想というものはないのですか。自治大臣の任命となっているのですから、あなた方これを補助してつくられると思うのですが、こういう方面の人――人間の名前を言えということは言っておらないのですが、この構成の中から、組合員の中から選ぶという、そういう考えはあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/32
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033・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 組合員の意思を反映することは、運営審議会の委員の選任におきましてこれを考えておりますので、理事長、理事につきましては、必ずしも各団体の代表者をという配慮はする必要はないじゃなかろうか。かつまた、ある特定の団体に偏した選任をいたすこともいかがなものであろうかというような程度のことは念頭にございますが、それ以上のことは、実は法律案が成立いたしまして、ゆっくり省内で相談しようということで、ただいま何も考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/33
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034・山本伊三郎
○山本伊三郎君 もちろん、法律ができるまでにそれはきめるというわけではないと思うのですが、どの法律審議の中でも、私はいつもそれに疑問を持つのですが、法律ができてから役員をつくる。これが選挙とかそういう方法であれば、これはやむを得ないのですが、少なくとも自治大臣の任命ということになっておれば、どういう方面、どういうグループから選ぶかというぐらいのことは、もう考えておかなくちゃならぬと思うのです。
そこで聞きますが、この理事長及び監事は有給ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/34
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035・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) これは有給か有給でないかは、この団体で決定すべきことにいたしておりますが、この共済組合は組合員の数も少のうございますし、発足当初でございますから、できるだけ役員等その他の経費にいたしましても、冗費は省いてまいるように配慮すべきものと考えております。したがいまして、理事は五人以内ということになっておりますが、必ずしも当初から五人限度まで置く必要もないのじゃなかろうかと考えております。それからまた理事につきましても、まあ理事長はあるいは常勤の方をお願いするのがよかろうかと思いますが、その他の者につきましては、非常勤でいくのが適当じゃなかろうか。その程度の考え方をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/35
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036・山本伊三郎
○山本伊三郎君 理事長ぐらいを有給にして、組合員が非常に少ない、五千人程度であるとしても、キャップが名誉職というわけには私はならぬと思うのです。そういう奇特な人があれば非常にけっこうですが、なかなかそうはいかないと思うのですが、しかし、実際問題では理事長よりも事務局長が、そういう方がすべての事務なりそういうものを考えていくと思うのですが、事務局長という制度を置かれるのですか、この組合に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/36
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037・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) これは当然事務局長は置かなければならないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/37
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038・山本伊三郎
○山本伊三郎君 この組合は東京都に置くということになっているようですが、これは五千人くらいの組合ですから、単独に事務所を持ってということについては、いま言われたようになかなか経費のしからいかぬので、これは自治省の中かどこか、いまの地方公務員共済組合のどこかの事務所の一部に置くというようになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/38
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039・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) それもまだ決定的な検討はいたしておりません。ただいまお話の中にもございましたように、地方公務員共済組合あたりの建物の中に一緒に置くのが一案ではなかろうかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/39
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040・山本伊三郎
○山本伊三郎君 監事はどういう人を入れるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/40
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041・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) これもまだはっきりしたことは相談をいたしておりませんが、まあやはり特定の団体の代表者ということになりますことは避けるべきではなかろうか。さりながら、この団体共済組合に全く関係のない、また理解のない人を持ってくることも、これもいかがなものであろうかという程度のことをただいま考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/41
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042・山本伊三郎
○山本伊三郎君 この法律で見ると、監事も大体自治大臣の任命になっているのですが、監事の中に、いわゆる組合員である監事を置くというそういう規定になっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/42
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043・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 監事の任命につきましては、法律上別段の要件は規定いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/43
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044・山本伊三郎
○山本伊三郎君 そこで、監事を選ぶ場合に、理事、理事長のように組合員以外から持ってきてもいいということになるのですが、少なくとも監事の中には組合員出身の人を入れるべきであるという意味で尋ねているのですが、その点どうなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/44
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045・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) その点も一つの御意見といたしまして、今後ひとつ研究をきしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/45
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046・山本伊三郎
○山本伊三郎君 これは法律にははっきりと規定されておらないのですが、少なくとも理事長の場合にはそこまで言えないのですが、理事、監事の中には、団体共済という性格から見て、やはり組合員代表が入るべきが至当だと思うのです。これはまあぜひひとつ入れていただきたいと思うのですが、人数については私は地方公務員共済組合のときのような、かたいことは言わないのですが、少なくとも運営の最高の理事会ですから、そこに組合員代表が入るのはこれは当然だと思いますが、この点は約束できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/46
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047・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 地方公務員共済組合の場合と違いまして、理事にいたしましても監事にいたしましても、全体としてたいへん人数も少のうございますので、まあどこにどれだけということは、先ほど来まだ申し上げておりません。構想はございませんが、理事、監事を通じまして、御趣旨の点は十分ひとつ考慮するようにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/47
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048・山本伊三郎
○山本伊三郎君 これはぜひひとつ人数は少ないからといって、全然組合員でない、関係のない人が理事関係ということは、これはわれわれとしては、どの会社にしても、また民間の団体にしても、そういうことはあるべきではないと思いますので、法律に規定していないここに入れようということは言いませんが、ちょっとこの点、私は法律体系としても不満があるのですが、運用上の問題として、ぜひひとつ理事、監事には入れてもらいたいということを強く要請したいのですが、この点についてひとつもう一ぺんお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/48
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049・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 御趣旨の点は、ひとつ十分検討いたしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/49
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050・山本伊三郎
○山本伊三郎君 次に、法律の逆用上の政府の態度の問題ですが、この法律を見ますると、ほとんど自治省――政府の認可、また監督ということが、地方公務員共済組合、あるいは国家公務員共済組合から見てもきわめて強く出ている。たとえば百八十九条の「事業計画及び予算」についても認可制をとっておられます。これは他の地方公務員共済組合の運営上はそういうこと私はないと見ておるのですが、この団体共済は、政府からの補助金はなし、すべて団体の負担で、また、その組合員の負担で運営するのに、なぜこう強く監督認可制を強化されておるか。臨時行政調査会でも、許認可の件数が多いので、これをなるべく少なくしようという方向を出されておるのですが、この点はどういう考え方で監督制を強くされたか、ちょっとお聞きしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/50
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051・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 御指摘のように、この地方公務員共済組合よりも監督権が強くわたるようになっておりまするが、この点は、私立学校共済組合、あるいは農林漁業団体職員共済組合に全体といたしまして準ずるような方針で立案いたしましたので、そちらにならったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/51
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052・山本伊三郎
○山本伊三郎君 地方公務員共済組合法の各組合の指導監督ですが、まあだいぶ当初よりも、いろいろ自治省も考えてもらってきたようですが、現在、事業計画、予算については認可制でないけれども、事前協議ということで相当強く指導性を発揮されておるようです、まあ従来の共済組合においては。これを今度法文の中でこの認可制というものを置かれると、相当この組合の役員が困る場合があるのではないかと思う。ただ、私はこの法律を通覧しまして、今度の場合は、地方公務員共済組合法のいわゆる地方公共団体という、法律上確立した団体ではない。こう言うと失礼であるかもしれませんけれども、まあ届け出団体というような形であるので、自治省自体が前線に出て運用上の中に相当強い指導をしなければならぬという趣旨が織り込まれているという私は善意な想定をしておるのです。しかし、それがためにあまり窮屈にしてしまって、その役員の運営といううまみが失われてしまうということは、これまた団体共済としては困ったことになると思うのですが、この点について、自治省の今後の団体に対する監督指導についての考え方というものを、この審議の中でひとつ明らかにしておいていただきたいと思うのですが、その点どうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/52
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053・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 地方公務員共済組合法の立案にあたりましては、いろいろ山木先生などの御助言もありまして、相当監督権を整理をするという方針で立案をいたしたわけでございますが、その後の運用の状況につきましては、私どもも、それにいたしましても行き過ぎのないように、十分配慮はいたしてきておるわけでございます。ただ、制度の発足の当初でございまするし、相当多数の組合がございまするので、発足当初はきちんと折り目をつけるべきものは折り目をつけるというようなことでいたしたわけでございます。軌道に乗りました以後におきましては、特に行き過ぎのないように、また十分配慮はいたしてまいりたいと思っております。
それから今回の団体共済組合でございますが、お説のように、私どもも地方公共団体よりはこの地方関係団体につきましては、その運営について適正な指導が必要であろうという考え方は持っております。しかしそれにいたしましても、これにつきましても行き過ぎのないように、なるべくこの監督の規定がものを言うようなことのないように、円滑に法律の規定に従いまして適正な運営がなされるように期待をいたしておりまするし、そのような心がまえで指導をいたしてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/53
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054・山本伊三郎
○山本伊三郎君 次に、百九十三条の「資金の運用」についてちょっと聞いておきたいと思うのです。
地方公務員共済組合の審議の中では、資金の運用については相当いろいろ論議をいたしましたが、その審議の中で、政府のほうの答弁にありました一例をあげますると、資金の運用については労働金庫もその預金銀行として認めてやるのだということであったが、その趣旨は変わらないのですが、運用の面では相当引き締められておる。そういうことで私は非常に不満があるのですが、これはまた後ほど別にお尋ねいたしますが、今度の積み立て金の運用については政令で定めるということだけであります。地方公務員共済組合法の場合には、若干そこに変わった表現で組合員の福祉その他いろいろの問題をそこにあげて資金の通用について規定しておるのですが、今度の場合は「政令で定めることにより、安全かつ効率的な方法により運用しなければならない。」という簡単なことで、すべて政令に委任されておるのですが、政令で定める方法とは一体どういうものを予定されておるのか。それをひとつお聞したい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/54
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055・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 政令で定めます内容といたしましては、地方公務員共済組合法と大体同様な内容を考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/55
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056・山本伊三郎
○山本伊三郎君 そうすると、なんですか、地方公務員共済の場合には「地方公共団体の行政目的」というような一項が人っておったと思うのですが、やはりこの場合は、関係団体のそういう運用上と申しますか運営上の費用にも融資といいますか、積み立て傘を利用してもいいという、こういう趣旨にとれるのですか。その点どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/56
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057・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 先ほど御指摘のありました法律の規定の上の違いでございますが、地方公務員共済組合の場合におきましては、「組合員の福祉の増進又は地方公共団体の行政目的の実現に資する」ということが響いてあるわけでございます。それを今回の団体共済組合の場合におきましては、その字句を省いておりますが、その理由といたしまして、今回は長期給付だけを業務といたしますので、いわゆる福祉事業ということはいたしません関係で、「組合員の福祉の増進」ということをうたわなかったわけでございます。それから「地方公共団体の行政目的の実現」ということにつきましては、これはまあ特に法律にはうたいませんでしたけれども、やはりこの地方団体関係団体が、間接的に地方公共団体の行政目的の実現にいずれも資することを任務といたす団体でございますので、資金の運用上は同様な配慮をいたしてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/57
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058・山本伊三郎
○山本伊三郎君 そこに一つ問題があるのです。というのは、なるほど今度の団体共済は長期給付を目的につくられておることはわかります。短期給付はない。福祉事業を省いておりますが、しかし私が言っておるのは、福祉事業そのものは法律に規定しておらないけれども、関係団体においてもおのおのやはり福祉事業はやっておられると思うのです。また、やらなければならないと思うのです。その場合の資金の運用、それに対して資金を貸し出すとか、そういう運用ができるかどうかということを尋ねておるのです。私はそうやってやるべきであると思うのです。その点どういうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/58
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059・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) いわゆる福祉事業は、先ほども申し上げましたように、この共済組合は業務として行ないませんので、そういう運用はいたさないわけでございます。先生のおっしゃいましたのはどういう場合でございましょうか、ちょっともう一度……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/59
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060・山本伊三郎
○山本伊三郎君 この法律上福祉事業というものは、ここに規定はされておらない、これも私は一応問題はあると思うのですが、それは一応あとの問題として、たとえば知事会なりあるいはまたその他六団体の職員に対して、ある程度の福祉事業というもの、貸し付け事業をやるとか、そういうものをやられると思う。その場合に、自分らの掛けた掛け金であるのに、全然自分らがそれを利用できない、そういうことでは、私はその構成している組合員については相当問題があると思う。したがって、そういうところには、知事会の裏づけ、裏書き等によって、ある程度の組合員のほうの掛け金の、全部とはいわないけれども、ある程度のものは融資をする、そうしてその福祉群業の資金に回してもいいじゃないかというのが私の主張なんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/60
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061・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) この地方団体関係団体が、ただいまお話のような福祉関係の事業を、どういうものをやっておりますか、私どもまだつまびらかにいたしておりませんので、その実情を調べました上で、ただいまの点は、よく今後研究をしてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/61
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062・山本伊三郎
○山本伊三郎君 その点は私も十分知っておるわけではないのです。しかし、私はあの六団体あるいは八団体のわずかな人々は、きわめてそういう点の恵まれない谷間におったと私は見ている、それが今度の団体共済が発議された一つの基本的な考え方だと思う。したがって、私はそういう人にも年金の制度はしけたんですが、それと同時に、その資金を若干融資をして運用する道をこの機会に考えてやって、安全な方法でその資金というものが確保できるならば、私はそういう方向にも資金を出してやる、実情がそうであるかどうかということではなくして、そういう実情のなかったというのは、そういう金の出どころがない、地方団体の場合は、おのおのの団体で、福祉事業が、法律によるよらないにかかわらず、相当やっておることは、これは事実です。そういう意味から、せっかく資金がここに相当できてくるのだから、銀行にこれを預けるといっても、銀行は予定利率は五分五厘になっているのだから、そんな銀行に預けて、銀行にもうけさすだけが能ではない、やはりせっかく零細な給与から掛け金を出しておるのだから、その掛けた一部分でも、そういう方向に回してやるということが、やはり法の精神からいっても私は妥当であろうということで言っておるのであって、地方公務員の場合には、ちゃんとこれを規定しておるのですが、この団体の場合には、何らその規定がないので、その点は私は若干不満に思っているのですが、この点は、ここで法律を地方公務員の共済組合の資金運用の条章に変えよとは言いませんが、何とかそういう措置を運用上考えられないか、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/62
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063・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 御質問の御趣旨は私どももよく了解できます。ただ、福祉事業が共済組合の業務としてないものでございまするので、さしあたりその点検討をいたしてみなかったのでございますが、御趣旨はよく了解できまするので、よく検討をさしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/63
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064・山本伊三郎
○山本伊三郎君 この点は、私は地方公務員共済組合法ができてからでも、自治省の皆さん方とも若干意見の交換をしたことがあるのですけれども、福祉事業が法律であるないということは、私は問題でないという考え方に立っておるのです。というのは、資金の運用というのは、これは別個の立場で運用されておる。法律上政令に委任して銀行ないしは信託会社に預けるというけれども、この法律上から見ると、そういう民間の銀行とか信託会社とか、そういうところよりも、この組合を構成しておる組合員ということが重点に運用されなくちゃならぬというのが私の基本的な考え方なんです。それを長期にわたる膨大な資金が、国家公務員の場合はすべてが政府の資金運用部資金として運用されておる。それは私は全く反対をして、地方公務員の場合に第二十五条の規定で、いわゆる職員についての福祉増進についても使うことができる、こういう一項を入れてもらった。なお、その上に地方団体の行政目的の実現ということを入れる。これは一応了解できるのです。したがって、資金の運用ということについては、私は、まずだれが権利があるかといえば、これを構成しておる関係団体と、その団体につとめておるところの組合員である職員、これが資金の運用の最も権利がある構成だと、私はこの持論をはずさない。その意味から言うと、福祉事業がやれるからということでなくて、現実に福祉事業をやっておるか、または将来そういう方向に進ませるということが資金運用上の私は第一の目的でなかろうかと思うのですが、それが自治省の考え方よりも大蔵省の考え方のほうが強く打ち出されておることを私は知っておりますけれども、そういうことはやはり運用上の問題として考えなくちゃいかぬ。ただ、ここで問題になるのは、長期資金であるから、「安全かつ効率ということが要件でございます。これはわれわれも放さない。その安全であるかどうかということは、この六団体を見ましても、すべてがやはり自治省の一つの指導監督の中にある団体だ、しかも、六団体といえば、知事会なりあるいは市長会、町村長会その他議長会という、きわめて対社会的の信用のある団体であるから、それらが裏書きすれば、決してそんな不安な方法でない。しかも、予定利率は五分五厘ですから、五分五厘以下で回すというようなことは、われわれ少しも要求しておらない。いままでの実績からいっても、おそらく六分五厘、七分に回されているのですから、効率ということも、これは間違いない。との意味からいくと、今後検討されるという御答弁でありますが、ぜひこれはひとつ考えてもらわなくちゃいかぬ。そういう点について、もう一回ひとつ自治省の御見解を聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/64
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065・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) だんだんお話を伺っておりまして、御質問のお気持ちがよく私も理解できました。いわゆる狭い意味の福祉事業ということじゃなくて、広い意味で、職員の、組合員の福祉のための配慮をすべきだというお説でございます。私もよく了解できまするので、ひとつ検討をさしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/65
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066・山本伊三郎
○山本伊三郎君 そこで、また関連があるので、これはこの団体の問題でなしに、資金運用の問題ですが、実は施行令第十六条で、預託する相手方を規定されておるのですが、私のいまの論理発展さすと、組合員の福祉ということになれば、当然労働金庫というものは、これは労働者が借り入れられる唯一のこれは銀行なんです。普通銀行では勤労者に対して融資ということはできない。できる道が銀行法では閉ざされてしまっている。生活資金あるいはそういうものを借り入れるのは労働金庫よりほかにない。地方公務員共済組合法の審議の際には、当然労働金庫も預託銀行として認める、金融機関として認めるのだということであったが、それが何か窮屈なような指導をされておると思うのですが、そういう趣旨からいえば、当然この施行令十六条ですか、ここに預託金融機関として労働金庫というものを入れるべきであるということを考えておるのですが、この点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/66
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067・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 労働金庫も金融機関の一つといたしまして、組合の余裕金を預託をできるということにいたしておるわけでございます。ただ、労働金庫が本来会員の預金等の受け入れ及び会員に対する資金の貸し付けを行なうことによって労働組合等の健全な発達を促進するということを目的といたしておりまするので、共済組合の長期の資金を預託することについては、必ずしも適当でないのじゃないというような考え方で運用をいたしておるわけでございます。この点は国家公務員共済組合法でも同様な方針をとっておりまするので、大体それにならって考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/67
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068・山本伊三郎
○山本伊三郎君 これは大蔵省の諸君ともいろいろ話をしておるのですが、しかし、これはもう当面責任省といえば自治省でありますから、私は国家公務員のことは、これはまあ別のところでまた言いますが、少なくとも地方公務員並びに団体共済については、そういう趣旨で施行令第十六条のこの点については、この中に明文を入れる入れぬは別として、やはり労働金庫も預託金融機関として、はっきりと認められるように施行令の改正を私は要望したい。その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/68
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069・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 施行令の改正ということになりますると、政府部内、関係省とも意見の一致を見なければならないわけでございまして、地方公務員共済組合については、自治省のもちろん所管でございますけれども、同様な国家公務員共済組合の制度との間の調整もとらなければなりませんし、この点につきましては、ひとつ今後引き続き検討さしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/69
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070・山本伊三郎
○山本伊三郎君 国家公務員の場合については、私宅そのときは国会に出ておらないときにあの法律が成立してしまったのですが、あの場合も、いわゆる国家公務員の場合は、ほとんど政府の資金運用部資金の運用ということに実はなっておるのです。その後、私は佐藤大蔵大臣のときですから、相当追及いたしまして、考慮するということになっておるのですが、依然としてそれはされない。これは私は無理を言っておらないというのです。いま労働者が――労働者というよりも、地方公務員なり団体共済の関係職員ということに限定してもいいのですが、困ったときに普通銀行なりその他の銀行で金を貸してくれないです。そうして各団体では貸し付け事業をやっておられるけれども、しかし、それだけではいけないというような場合があるのです。そういうときには、もう労働金庫以外に実際勤労者は資金を借りる道がいまのわが国の金融制度の上にないのです。したがって、私は掛け金を掛けておる、たとえば負担割合百分の五十五と百分の四十五と、その四十五は全部労働金庫に預けさしてくれ、そうは言わない。その一部でいいから長期資金を回してやるということが、この年金制度という福祉関係の法律である以上は、私は当然政府はそう考えるべきであるということだと思うのです。この点を言うと、各省の大臣なり関係者は、御趣旨はよくわかります、検討いたしますということで、もうすでに二年、三年たってしまっておるのですね。したがって、私は労働金庫自体が安全性がないという見方であるなら、これは労働金庫法自体あることが問題だ。安全であるから――あれは大蔵省と労働省の共管になっておりますけれども――認めてやっておるのですね。そういう趣旨から言うと、その一割でもいいと私は言うのです。限度を限ってもよろしい。一割でも、あるいはまた五%でもいい。何らかの処置で、労働者が借り得る道を労働金庫がとっているのですから、それに、預託金庫として、金融機関としてやらすことが当然ではないかと私は思うのですが、この点は検討すると言われるのですが、早急にこの点は、関係各者といっても大蔵省が重点だと思うのでありますから、ぜひひとつそういう点を早急に話をしてもらいたい。なお、私も大蔵省に対しましては、機会あるごとに質問なり要請をしておるんですが、私自身もやりますが、自治省としては、少なくとも自分の管轄範囲内の関係の年金制度、いわゆる共済組合については、そういう趣旨でひとつ主張してもらいたいと思うのですが、この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/70
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071・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) よく御趣旨を含みまして、検討させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/71
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072・山本伊三郎
○山本伊三郎君 この地方公務員共済組合の場合は、組合会なりのそういう議決を経て、その資金の運用をやるということになっているのですが、あれはまだ政令できめてないかう禁止条令という意味に考えてないのですが、それをやられておるという事態の現実は、これは認めなければならぬと思うのですが、この点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/72
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073・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 御質問の御趣旨がちょっとわかりかねたのでございますが、労働金庫に現実に長期の資金を預託しておるという実情を承知しておるかと、こういう御趣旨でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/73
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074・山本伊三郎
○山本伊三郎君 そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/74
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075・胡子英幸
○説明員(胡子英幸君) 現在の私どもの調費によりますと、一部、従前からのいきさつによって定期性の預金を労働金庫にしておる組合もあるわけでございますが、まあこれは現在の施行規程の趣旨に反することになりますので、私どもは直ちにそれを解約して短期の資金にということは指導いたしておりませんけれども、その期間が満了いたす際には、今後、そういったことの行なわれないように、現在の施行規程の趣旨を尊重して、そのように運営していただくよう、各地方公務員共済組合を指導いたしておりますし、また、関係共済組合においても、今後はそういった形下運営をいたしたい。こういう返事をされているわけでございまして、現在、一部そういった定期性の預金のあることは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/75
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076・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それは、私は、胡子課長はあの地方公務員共済組合法審議のときにいられなかったので、言わないのですが、あの審議の中では、運用資金と申しますか、短期給付というか、一部余裕を持っておる資金だけはいいんだ、長期資金はいけないという限定でわれわれはあの自治省の答弁を読んでおらない。要するに、地方公務員共済組合の資金運用については、その預託金融機関として労働金庫も入るということについてはどうかと言ったら、そのとおりですという答弁をされておる。したがって、その後――私は先ほどからちょっと触れておりましたが――指導上の問題として施行令があとからできたのですね。法律審議のときにそう言われておったのですが、施行令があとからでてきて、その中にそれが盛り込まれておる。この一号、二号、三号の中には……。それが――十六条の四号は別ですが――三号の中にはそれは含まれておるのだという解釈をしておったところが、いま胡子課長が、はしなくも言われたように、それはいけないのだという指導をしている、これは国会審議の中の政府答弁とは矛盾しておる、そういうことを私は追及をしたいのです。そもそも法律審議の中では、何も余裕金だけじゃなくて、長期資金も含めて、私は「労働金庫もこれに類する預託金融機関としていいかどうか」、「そのとおりです」、こういう答弁をされておるのですが、その点が自治省としては食害である。したがって、私は先ほど言ったように、そんなむちゃな預金ということでなくて、おのおの常識のある組合機関ではかってやることですから、ある程度の指導はよろしい、行き過ぎない指導はいいけれども、現実に労働金庫を私用しておるものについて、それは違反であるからやめろということについては、私は、きわめて不満もあり、そういう指導は国会審議の中での答弁に食言するという考えに立っておるのですが、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/76
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077・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 共済組合法の御審議をくださいました際のことにつきましては、なおよく調べたいと思いますが、その当時、預託の金融機関の中に労働金庫も入るのかという御趣旨の御質問で、私も入りますということを御答弁申し上げたことは記憶をいたしております。ただ、そのときは長期とか短期とか、またそれぞれの金融機関の性質に応じて、どの程度どうかということにつきましては、実はまだ法律を審議いただきます段階におきましては、私どもといたしましてもそうこまかくは検討いたしておりません。ただ原則的に、金融機関の中に、もちろん労働金庫も含めていくのだ、こういう気持ちで御答弁申し上げたように記憶をいたしておるわけでございます。しかし、先ほど来いろいろ御指摘のような問題点もあり、御意見のあることも承知をいたしておりますので、今後さらに検討をしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/77
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078・山本伊三郎
○山本伊三郎君 政府部内の自治省の答弁として了解いたします、大蔵省あたりが、これは単に労働金庫だけでなくして、相当問題のあるような指導をしていると聞いておりますので、ここでお願いをしておきたいことは、自治省としては年金制度の性格から見て、資金の運用については、その組合員の福祉という大きい立場から考えて、ある程度の預託は労働金庫も含めるべきであるという考え方で、ひとつ強く主張してもらいたいと思う。われわれも他の場で、この点についてはできるだけ早く実現するように努力をしたいと思います。この点はひとつ御了解を得ておきたいと思う。その点、もう一ぺん行政局長から……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/78
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079・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 繰り返し申し上げますように、御質問の、また御意見の御趣旨は、よく承知いたしておりまするので、引き続き検討をきせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/79
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080・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それから次に、今度の法律改正で附則三十一条が削除されたですね。旧市町村共済組合法第二十二項後段又は附則第二十七項の規定により資格を認めておった――これは一部だと思いますが一そういう人々は地方公務員共済組合法附則三十一条で救済されておったものが、今度の団体職員共済ができたために、その三十一条を削ってしまったということですが、それはどういう理由ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/80
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081・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 附則三十一条が御承知のような経過で入りましたので、そこで今度のような団体共済組合の制度がもし当時ございますれば、当然三十一条の対象になっておりました方々は、この新しい共済組合の組合員になる方々であったと思います。まあそこで、今回この制度ができましたので、三十一条を削除いたしまして、こちらの組合員として全部の期間を通算をしていく、こういうことにすることが合理的でございまするので、そのようにいたしますことにいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/81
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082・山本伊三郎
○山本伊三郎君 そこで、問題になるのは、この附則三十一条で、まあ救済と申しますか、救われておった人々は、地方公務員共済組合法の適用であったのですね。ところが、今度の団体共済と地方共済とは、大体骨格は同じような待遇と申しますか、内容であるけれども、やはりそこには若干違うところがあります。そうすると、やはりその人らは、有利な地方公務員共済組合法から、若干不利な団体共済に入らざるを得ないということになると思うのですが、それは何らかの経過措置で救われておるのですか、この点が一つ、われわれとしては、きわめて人数は少ないと思いますけれども、重要な既得権の問題ですから、お尋ねしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/82
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083・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 施行日の前日に年令年限に達します者につきましては、選択できるようにいたしておりまするので、その点は差しつかえなかろうと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/83
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084・山本伊三郎
○山本伊三郎君 そうすると、その点に関しては、本人が選択をして、団体共済よりも地方共済のほらが有利であるから残るということになると、いま言われた旧市町村職員共済組合の第二十二項後段におった人々は、選択をして残った人は、依然として地方公務員共済組合の法律の適用だ、残らない人は団体共済の組合員である。そうすると、運用上から問題がありますけれども、そういう人々は、何の根拠で地方公務員共済組合法の資格を得たかということが問題になる、地方公務員共済組合の資格を持つというのは、附則三十一条で持っておったのですが、これがなくなってしまって、選択ということになると、その人は地方公務員という形で認定事項になるのですか、法律上どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/84
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085・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) これは地方公務員共済組合の組合員として引き続き残るというのではございませんで、組合員としては、団体共済組合の組合員になるわけでございます。ただ、この年金の受給につきまして、選択を許すということにいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/85
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086・山本伊三郎
○山本伊三郎君 その点がちょっとわからぬ。年金の受給ということになると、そうすると選択して残った人は、地方公務員共済組合の組合員として今後継続していく、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/86
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087・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 百四十三条の十七の規定でございますが、施行日から六十日以内に、従来どおりの年金を受けることを希望する旨の申し出をいたしましたときは、施行日の前日において退職したものとみなして、そこでこれまでの年金をもらうことができると、こういうことでございまして、組合員には、もちろん新しい団体共済組合の組合員になるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/87
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088・山本伊三郎
○山本伊三郎君 その点、法文では、はっきりしないのですが、そうするとこういうことですか。六十日以内に申請をして退職ということをみなさなければ、地方公務員共済組合法の組合員としてそのまま続いていく、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/88
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089・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) そうじゃございませんで、六十日以内に申し出をしませんければ、新しい団体共済組合の組合員としてはもちろんでありますが、給付も新しい団体共済組合の給付を受ける、こういうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/89
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090・山本伊三郎
○山本伊三郎君 その場合に、いまぼくの言ったのは反対だったのですが、届け出して残るということになると、地方公務員共済組合の組合員として運用するということに、逆にそうなるのではないですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/90
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091・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) それは、希望を申し出た者は、地方公務員共済組合の組合員として残るのではなくて、その施行日の前日において退職したものとみなして、これまでの年金をそこで受給できる、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/91
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092・山本伊三郎
○山本伊三郎君 切ってしまう。そうすると、結局なんではないですか、いずれにしても、有利な地方公務員共済組合を排除されるということについては、間違いないですね、いずれにしてもそういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/92
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093・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) その点はおっしゃるとおりだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/93
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094・山本伊三郎
○山本伊三郎君 おっしゃるとおりでは……。この前の地方公務員共済組合の問題、ちょっと提起しますが、そういうこまかいといいますか、そういう点が論議されなかったために、いういう問題が残されておるのです。今度もそういう人は、ぼくは人数からいったらほんのわずかだと思うのです。この団体共済ができたために、地方公務員共済組合という若干有利なものから排除されるというこの考え方というものは、既得権尊重というか、附則三十一条を設定された精神が、全部ここで消えてしまうということが、われわれとしては遺憾ではないか、こういうことなんですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/94
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095・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) この団体共済組合の組合員になりますことは、これは法律上当然になるわけでございます。ただ、ここで一応区切りまして、地方公務員共済組合から現金を受けたいというものについては、受ける道を開いておこうということでございます。しかし、地方公務員共済組合と、今回の団体共済組合の給付の内容が差があるというわけではございませんで、差のありますのは、前回に申し上げましたように、最高額、標準給料額が七万五千円で、従来十一万円で押えられておりましたものが、七万五千円に抑えられる、それから最高額が百分の七十と六十との差があるという点だけでございまして、その他の給付の内容につきましては全く同一でございますから、その最高額の限度にひっかかる者が、もしここで退職年金をもらいたいということであれば、その道を開いておこう、こういうことでございますから、実際の扱い上、それによって不利なことになるということはないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/95
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096・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それがあるのです。それは私個人的に調べてないけれども、たとえば、その中に古い人があって、八万円くらいの給料の人がある、しかし最短年限は、まだ年金のつくところまでいってない、もう少し、一年か二年くらいで資格が取れるのであるが、この法律ができて、三十一条を削られたために、余儀なくそこでやめさせられてしまう、年金もつかない、不利な一時傘を取らなくちゃならない、しかも、団体共済にかわっていくということになると、七万五千円の最高給与額が、八万円以上あった、それが七万五千円に押えられてしまう、やめた場合には基準給与というものはきわめて悪く、不利な点があるという人があると思う。そもそもこういう共済年金のような法律というものは、一人であろうが二人であろうが、そういう人があるのですよ。そういう人を、ある程度救済するというのがあの施行法の問題だったのですね。今度は施行法がない、そういう場合に選択をして、それなら有利なほうでやめたらいいじゃないか――やめた場合に、年金ももらえない、一時金しかもらえない。そうかといって、無理にしかたがないから継続していくと、最高給与七万五千円で押えられてしまう、また、最高給付額は百分の六十で抑えられてしまう。やはりそういう人が私はあると思う。現在悉皆調査をしていないが、将来私は出てくると思う。そういう人を考えると、この三十一条を削除することは、きわめて私は冒険的なやり方だと思う。これに落ちた人は当然団体共済の資格を取り、こちらにかわらなければならぬという人であるから、これを削除したというような、そういう機械的なやり方では私は困ると思う、この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/96
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097・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 私ども今回の関係団体職員の全組合員につきましての正確な調査はまだいたしておりませんが、達観いたしまして、お話のようなことにひっかかるのは、ほとんどないのではなかろうかと思っております。しかし、理屈の上から申しますと、お話のようなケースがあり得ると思いまするし、まあこれは前回も御批判をいただきましたように、むしろ今後の問題といたしまして、いまの七万五千円を十二万円に引き上げるという、最高額の引き上げを、なるべく早い機会に公務員並みにするということによりまして解決できると思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/97
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098・山本伊三郎
○山本伊三郎君 これは立法技術だけの問題ではないですよ。これは本質的な問題だから私は言うのですが、そういう考え方というのは、私はやはり問題があると思うのです。したがって、そういう人に対する救済的な方法というのは、やはり何か考えておかなければいけないと思うのです。今後、そういう最高給与を引き上げるのだ、また、最高給付額も引き上げるのだ、こういうようなことを言われましたが、それはここ一、二年に実現するという点については、そう簡単にいかないという見通しがあるが、やっていただけば非常にけっこうですが、これは農林漁業、私立学校なんかの問題と常にからみ合ってしまって、自治省としては、そういう考え方でおられることは非常にけっこうだと思うのですが、これは政府部内自体においても非常に問題があると思う。そういうことになると、将来検討するというだけで、ここで法律を削除してよろしいといろわけには私はいかないのではないかと思うのです。この点について、非常に粘ったところで、これはちょっと間違いであったとも言えない。また、これをどう救済するかということについては、もうすでに原案で削除されて出してきたので、これをいまどうこうするわけにはいかないと思いますが、何かの救済策というものを考えてやらなければ、そういうものは実際上ないと言われていますけれども、あった場合にどうするか、もう救済できない、これはわずか数人の人であったかもしれないけれども、やはり立法府としての責任は私は免れないと思う。だから、行政上いろいろとそういう救済の方法が見出されると言うなら別ですが、おそらく行政運用の上でこれを救済することは、法律上なくなった以上、むずかしいと思うのですが、この点については、何かいい考えはないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/98
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099・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 先ほど来申し上げておりますように、私どもといたしましては、現実にそういうものはおそらくないであろうという判断に立ったわけでございます。それで、この筋道といたしましては、もともと公務員でなかった者を経過的にこの三十一条の規定によりまして地方公務員共済組合法の適用を受けさしておったわけでございまして、このような団体共済組合の制度がなかったために、そういう便宜の措置をいたしておりましたわけでございますから、今回、この制度ができました以上は、こちらに統一するというたてまえは、これは当然のことであろうと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/99
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100・山本伊三郎
○山本伊三郎君 法律を施行される立場の人は、いつもそういう考えでいかれることは、これは安全な方法であるかもしれませんが、しかし、こういう法律というものは、やはり組合員の従来の権利というものをどう尊重するかということがいつも問題になる。これは、単に共済組合法だけではないのです。厚生年金でも、あるいは船員保険でも国民年金もそうなってくると思うのです。これも日が浅いから問題はそうないと思いますが、そういう一つの国民の権利を、一つの法律ができたためにそれが排除されるということは、これは立法府としてはきわめて重要な問題なんです。いままで団体共済があれば、当然それの構成員であるということはよくわかるのです。しかし、そのときは団体共済がないものですから、そういう便法といいますか、やっておった。やっておった以上は、その法律の保護を受けた国民である、組合員である。今度できた法律によってその権利が制限され、排除されるということは、これは立法府としては考えなくちゃいかぬと思います。そういうことを許すことになれば、あらゆる方面にそれは波及してくると思います。単に共済組合の問題ではなくして、あらゆる国民の権利を制約する、こういう法律ができたために制約されるということになれば、問題があると思います。前進さすということであればいいけれども、権利を削減するとか、あるいは制約するということは重要な問題でありますから、この点については、私はどうしても承服はできません。
そこで、これだけ言っておってもなかなか問題は前進しないと思いますが、地方公務員共済組合のときにもこれはあったのです。しかし、われわれは、あの地方公務員共済組合は、全面的に反対の立場から、財源率の問題その他掛け金問題を中心に論議したために、そういうところを落としておりましたけれども、非常に私らも立法府の一員として責任を感じている。たとえば市町村の場合、これもすでに各方面に、自治省にも陳情はいっていると思いますが、市町村の共済条例として地方公務員でない者を市町村長が認めて、そして掛け金も市町村の職員と同じように共済条例の組合員として納めさしておいて、そういう人々が、今度、地方公務員共済組合ができたために、あの地方公務員共済組合法第二条の職員に該当しないから、全部これを排除する、そういうことで通算も認めない。本人は共済条例の組合員として忠実に掛け金を納めてきた、間違いなくそうやってきたのに、地方公務員共済組合法ができたために、そういう人々の権利が全部消滅してしまった、こういう事例が残っております。自治省としては、法律ができた以上、地方公務員でないから地方公務員共済組合法が適用できないということは法律上は言えます。言えますけれども、権利を持っておった本人については、そういうことは簡単に言えない、こういうことになると、団体共済をつくるときに、ほんの一部でも出てきたということは、何らかの救済をしてやらなければ、立法府としての責任がある、われわれのミスであったからしかたがないということは言えない、何らかそういう人々の失った権利を救済しようということを、立法府の責任として言っているわけです。たまたま今度は気づいたから言っているのです。この前のときにわれわれは気づいておらなかったとは言わないけれども、問題が他にあったから、そのまま押し切られた。人数にしたら地方公務員共済組合法ができたために権利を喪失してしまった人は五百人ほどでありますけれども、少数といえども、やはりそういう人が非常に困っているということを考えますと、何か法律上の措置といいますか、何らかそういうことを考えていかなければ私は納得できないのですが、この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/100
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101・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) お尋ねになられております三十一条関係の者が四百四十二人おるわけでございます。この者の中で、先ほど来御指摘になりましたようなことでひっかかります者は、現実にはなかろうといろ判断を私どもはいたしたわけでございます。
それから、なお、後段でお触れになりました共済条例の適用を受けておった者につき威しては、これも調査をいたしましたところ、ごくわずか十数人そういう者があるようでございます。ただ共済条例を受けておりましても、引き続き団体職員であります者につきましては、今回この法律ができましたのでございますから、共済条例の適用を受けておりました期間も、全部初めからこの団体共済組合の期間の適用を受けておった者として通算をすることにいたすことが、これが本人の利益にもなるであろうというようなことで、運用上このような配慮をいたすつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/101
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102・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それは調査が間違っておるかどうか知りませんが、ちょっと違うのです、ぼくの言っておるのは……。十数人というのは、これは前の話で、この三十一条で今度権利を喪失する人の話ではない。前の地方公務員共済組合の制定の際の問題であるが、共済条例の組合員で地方公務員でなかった者、市町村の職員でなかった者は現在で大体五百四、五十人おるのです。そのうち、もうすでに市の職員にかわっておる人もあります。それはいま言われたあるいは百名か二百名か知りませんが、そういう人もあります。しかし私が言っておるのは、もっと包括的に、この地方公務員共済組合法が制定されるまでは、共済条例という地方公務員共済組合法に匹敵するだけの有利な条例を適用されておった者が、地方公務員共済組合法ができたために、その権利が制約されてしまった、制限された、こういう人を救済しなければならぬ、こういう趣旨で言っておるのです。それはちょうどこの三十一条の附則削除によって、またそういう人が、わずかな人であるけれども、ここに出てきたじゃないか、こういう人はやはりともに救うような方法を考えてやらなければ……。あなたのほうとして、これは地方公務員でないのだから、この団体共済に入るのは当然であるということは、法ができた運用上の立場から言えるけれども、立法府としてそういうことは簡単にはできないと言うのです、ぼくの言うのは。そういうことをやるということになれば、われわれ国民代表として国会に出てきて法律案を審議する中で、法律ができたから、わずかの人間でも権制を喪失する者があるのだ、それは当然だということは、われわれの立場としてはそれは言えないと言うのです。行政府としては法律を運用する立場にあるのだから、法律ができた場合、法律以上に運用をするということは、責任があるからできないということは簡単だけれども、立法府としては、そういうものができた場合に、国会の役目は国民の代表としてやっているのですから、権利を制限する法律をつくって、それがいいのか、一部であってもそういう点は許せないだろう、われわれとしてはそういう点を考えなければならない。しかし、法の運用上、行政府で何とかやり得るのだというお考えであれば、これはわれわれとしては次の法律改正まで――法律を改正するということは国会でやるのですが――それまでは一応運用で何とかやる、しかし直ちに、提案されたこの原案を、政府自体がこれを変えるということはできない。国会で修正するということも時間的に相当問題があるから、この点を一体どうするかということで、運用上できないのかどうか、また、運用上できなければ、今後この点の救済について、法改正なり、そういうものについては、国会は法の改正をいたしますけれども、政府としてはどういう考えでおるかということを聞かなければ、このままそうでございますか、まあしかたありませんということでは、ちょっとおきまらぬと思うのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/102
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103・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 共済条例の適用を、公務員でないのに受けておった者の措置についてのお尋ねでございます。共済条例は、本来公務員を対象にしてつくるべきものであったと思いますが、都市によりましては、御承知のように、公務員でない者も便宜適用いたしておったことは、あくまでも事実でございます。そういう人たちについての権利の救済について、地方公務員共済組合法ができました今日におきまして、あるいはまた、今回新しく団体共済組合ができました時期におきまして、なお不利にならないように検討をする問題があるではないか、こういう御指摘でございまして、いろいろお話を伺っておりまして、私どもも相当配慮はいたしたつもりでございますが、なお配慮の足りないものもあるいはあるかもしれぬというふうにも存じます。ただ、まあ私どもの承知しておりますところによりますと、公務員でなくて共済条例の適用を受けておりました者につきましても、いろいろなケースがあるようでございます。そこで、それらのケースの中には、今回の団体共済組合が成立いたしまするならば、それの運用によって十分救済できる者もあるようにも思います。それらの点は、この法律が成立いたしました上で、実態をなおよく調査をいたしまして、一つ一つのケースについて検討をさしていただきたいと思っております。御趣旨は私ども同感でございまするので、運用上救済のできますものにつきましては、救済いたしたい。運用上どうしても救済のできない、制度の問題として検討すべきものだというものが出てまいりましたならば、それはまたその問題として検討もいたしてみたい、かように思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/103
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104・山本伊三郎
○山本伊三郎君 大体時間も十二時過ぎました。もう一言だけで一応この質問は終わっておきたいと思いますが、いま言われました、入れるべきでない者を共済条例で市町村が入れておったと言われますが、この点の考え方は一応是正してもらわぬといかないと思う。というのは、こういう福祉関係の条例でも、別に市側から、または政府側から、一方的に負担を仰ぐというのではなくて、福祉的な法律条例ですから、特に共済条例のような年金の場合は、できるだけ数が多いということは、運用上やりやすいということも要素の中にあるのですね。したがって、これは市町村長の責任だといって押しつけてしまえば、市町村長弱いから、ことばもないと思われますけれども、入れるというのは、きわめて善意の考え方から入れている場合が多いのです。したがって、そういう意味から考えると、あの条例は違反だときめつけるわけにもいかないので、また、いわゆる都道府県議会あるいは市町村議会によって承認を受けた条例ですし、その条例はいかないのだ、またその条例から委任された規則はいかないのだ、こういうぐあいに一がいにいかない。これはやはりあったものはあったとして認めた上で、失った個々の人々の権利をどうしたら救済できるかということを、ひとつお考え願いたいと思います。これは答弁要りません、先ほど言われましたから。ただ一言だけつけ加えておきたいと思います。
まだ若干残っおりますが、これは次として、一応昼までの質問をこれで終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/104
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105・西田信一
○西田信一君 行政局長に念を押しておきたいのですが、先ほど山木委員からの御覧洲で、いわゆる組合員の資格の問題について言われまして、役員である者が、役員であるが実際職員とほとんどひとしいような仕事をしておる役員もあるだろう、こういうものは組合員の資格は当然じゃないかという質問に対して、将来検討したいというお答であったようでありますが、私もこの前の質問で、やはり同じような気持ちでお尋ねしておったのですが、実際、役員ということになっても、実際給料をもらい、それで実際の事務をやっておるという役員が、加入する団体の中には相当あるわけですね。これはぜひひとつ考えてもらいたいと思いますが、ひとつ御検討くださるというお気持ちを私からも伺っておきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/105
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106・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) この点につきましては、十分ひとつ御趣旨をくみまして研究をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/106
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107・西田信一
○西田信一君 また別の問題ですけれども、今度のこの法改正によって、恩給法の改正から、外国の特殊機関の職員の在職期間の通算ということが、今回措置としてとられておりますね。そこで、これに関連してちょっとお聞きしたいのですけれども、このかねてからかなり強い要望があり、国会にも請願がしばしば出されて、国会でも採択して政府に送付しておるけれども、この旧樺太の市町村につとめておった有給吏員、これが相当引き揚げてきておる。こういう方が、国家公務員になっている人はどうなるかわかりませんが、地方公務員として引き続いてつとめておる人の数も相当あると実は思うのです。こういうふうな、まあ満州あたりの外国勤務をした官吏あたりに対してさえ実際そういう措置がとられておるという点とにらみ合わせて考えてみますと、こういう樺太引き揚げ、あるいはまた千島あたりも相当村がありましたから、相当これもあるのじゃないかと思うのですね。そういう人たちの恩給通算――恩給といいますか、恩給制度の問題とも関連いたしますけれども、特に樺太あるいは千島あたりの市町村の、いわゆる地方公務員に相当する、そういう人が、帰ってきて引き続いて地方公務員としてやっておるというような者は、当然考えてやってしかるべきものだと思うのですが、今回その措置がとられておらない。いろいろむずかしい点もあることはわかるのですけれども、こういう点についてはどういうふうに検討されて、そしてまたどういうふうにこれは考えられておるのかということをひとつ伺ってみたい。それからもう一つ、もしおわかりでしたら、そういう該当する人が、たとえば地方公務員として現在働いている人がどのくらいあるかという、何か調べでもあったら、ちょっとお聞きしておきたいのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/107
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108・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) こういう人たちの数でございますが、ただいま正確な数字はつかんでおりませんが、大体市町村に現在勤務をいたしております該当者が百二、三十名かと思います。で、これらの方々の措置につきましては、私どもも前々から陳情もいただいておりまするので、前向きで検討をいたしております。現存まだ結論は得ておりませんが、法制局等との打ち合わせによりましては、あるいは現在の法文の上でも、運用上ある得度救済できる余地もあるのじゃなかろうかと思っております。まあその方向で検討いたしまして、どうしても運用上救済ができないということでございますれば、次の機会に立法的解決をお願いをしようかというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/108
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109・西田信一
○西田信一君 現在の法文上、運用でいき得る道もあるようにも思うのですが、それはどういう点ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/109
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110・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) この経過措置におきまして、地方公共団体の職員という表現を使っておるわけでございますが、この樺太の市町村の職員がそこでいう地方公共団体に該当するかどうかという点でございまして、これは立案の際におきましては、法制局では、ここにいう地方公共団体は、これは現行憲法でいう地方公共団体であって、まあ内地の地方公共団体、府県市町村を言っておるのだ、こういう前提で立案がなされた経緯もございます。しかし、そこのところを何か解釈運用によりまして、樺太の市町村も地方公共団体であるということにできるのじゃなかろうかという点を、先般来法制局と検討をしておる状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/110
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111・西田信一
○西田信一君 まあ私はきょうは地方公務員に関しての質問なわけですけれども、樺太には樺太庁という役所もあった。そういう立場の職員もおるわけですが、それら一切含めて検討されておると、そういう方向にあると解してよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/111
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112・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 樺太庁の職員でごさいました者は、国の官吏として恩給法の適用の対象になっておったと思いまするので、それは現在でも問題がないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/112
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113・西田信一
○西田信一君 そういたしますと、なおさら取り残されておるのが、いわゆる市町村につとめておった吏員ですから、これはぜひひとつ検討されて、現在の法律で運用できるならば、少しも早くこれはそういう処置をとってやるべきだし、それからまた、法律改正を要するならば、すみやかにひとつそういう措置をとっていただきたい。いま樺太だけでなく、私はたぶんあの千島のあすこに、たしか北海道領分になっておったのが六つあるのです、村がね。ですから、こういうものも含めて、そういう措置をとられることを希望するわけですが、ぜひひとつよろしくそういう方向に進めていただきたいということだけで私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/113
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114・竹中恒夫
○委員長(竹中恒夫君) 午前中の審査はこの程度にして、午後一時三十分まで休憩いたします。
午後零時二十七分休憩
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午後一時五十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/114
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115・竹中恒夫
○委員長(竹中恒夫君) 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。前回に続き質疑を行ないます。御質疑の方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/115
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116・占部秀男
○占部秀男君 警察庁にお伺いをしたいのですが、私も一時地方行政を離れていたので、その間にあるいはあったかどうかと思いますけれども、この道路の取り締まりに関連する問題なんですが、労働組合のデモ、あるいは何といいますか、いろいろ文化団体その他のデモがあるわけですが、これに対する最近特別な規制の法律はつくられてはなかったと思うのですけれども、最近何かそうした問題で変わった法律をつくったり、あるいはまた、行政指導的な問題がございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/116
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117・江口俊男
○政府委員(江口俊男君) ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/117
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118・占部秀男
○占部秀男君 実は最近いろいろと請願行動に関連をして国会の周辺へも行進が来るわけでございますが、行進の状態を見ていますと、一時、プラカードであるとか、旗であるとか持って来る、あるいはまた、たすきをかけて来るというように、相当、何と言いますか、行進――行進といいますか、動きを明らかにしたような従来は動きだったのですが、それが最近どうもたすきはないし、それから腕章もないし、プラカードもないという次第で、一体これはどういうことなんだろう、何か特別な規制が、法律じゃなくて、あるいはまた都の公安委員会関係からでも出ているんじゃないかと、こういうふうに実は考えたのですが、この点について警視庁のほうで何かそうした点について規制をするようなものを出したことがあるのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/118
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119・江口俊男
○政府委員(江口俊男君) 警視庁には御承知のように公安条例というのがあります。従来からずっと同じ条例があるわけでございますけれども、ただいまのお話であれば、おそらく国会の周辺の問題じゃないかと思いますけれども、臓入会周辺におきましては、国会が開会中は、国会の審議を平穏に遂行していただく、通院の自由を確保するというような見地から、集団行進は許すけれども、示威にわたるいわゆる集団小城運動というのは、一定の期間に限って御遠慮を願っておるというのが実情でございます。これはずっと前からでございます。ただ、安保当時、相当それが守られなくてプラカードがあったり、たすきがあったりしたことはありましたけれども、これはそういうことを許しておったわけじゃございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/119
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120・占部秀男
○占部秀男君 そうすると、何か四、五年前に、これは長官も御存じのとおり、国会周辺デモ禁止の法律を出そうという流れがあったわけですね。そうすると、その前から国会の周辺は、いわゆる示唆を含んだ集団行進というのはできないと、こういうようなことが公安条例か何かでできておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/120
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121・江口俊男
○政府委員(江口俊男君) 公安条例はあの国会周辺のデモ禁を御審議になる以前から、現在と同じものがあるわけでございまして、その運用として、国会の開会中は、国会に直結している部分については示威にわたる行為は遠慮してもらおうということで行政指導をやっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/121
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122・占部秀男
○占部秀男君 遠慮してもらおうという、ことばはまことにやさしいのですが、どうもデモ行進なり何なりをするということは、国民の国有の権利であって、それをいわば行政指導の中で、いまお話を聞くと、公安条例の運用面として御遠慮してもらうのだと、こういうお話なんですが、どうもその点が納得できないのですがね。できないならできないという、はっきりとした何か法律的な根拠があるなら別ですが、少なくとも国民の権利を制限するのに御遠慮してもらうのだというだけでは納得のできないものを、いまさらながら言うわけじゃないのですが、最近感じているんですけれども、そういう点はどういうふうに一体それじゃ御遠慮してもらいたいということを、実際問題としてデモの主催者との間にやっているわけなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/122
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123・後藤信義
○説明員(後藤信義君) これは警視庁の事務の担当者と行事の主催者のほうと話し合いをいたしまして、ただいま長官から御答弁申し上げましたように、国会の周辺は他の場所と違って特に静穏を保持したいという私どもの切なる願いがございますし、それからいまお話のように、なるほどこれは国民の権利に属することではあると存じますけれども、この形態といたしましては、デモにわたりませんでも、いろいろな方法があるわけでございます。これは先般最高裁の判例に出ましたように、集団示威運動というのは平穏に行なわれればよろしいけれども、その内容として、勢いのおもむくところ、かなり不法な事態が起こらぬとも限らぬ、そういう一種の危険性といいますか、集団の力を内蔵しているものである。しかもまた、示威運動でありますから、そういうことを一般に示そうということがねらいになる運動でございますので、一般的な集会であるとか、あるいは集団行進でありますとか、あるいはその他の表現の自由の範疇に属しまするもろもろの行動とは、おのずから違った面があるということをあの判例で示しているようなわけでございますが、そのような意味で、国会の周辺におきましても、請願その他の平穏な行動をやられるということにつきましては、これはあくまでも尊重いたさなければなりませんけれども、デモという形態におきましてそうした行動に出られるということは、これはやはり問題があるということでございますので、私どものほうといたしましては、できるだけ主催者側のほうと話し合いをいたしまして納得してもらって、示威というものにわたらない集団行進をお願いしている、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/123
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124・占部秀男
○占部秀男君 国会の周辺を静穏にしていかなければならないということは、これはもうもちろんわれわれもそういうふうに考えているわけです。ただ、そのデモ行進があるということは、一年中国会が開会をされている期間中のべつまくなしにやるわけではなくて、ある時期に、しかも短時日の間、短い時期だけ行進が行なわれるわけなんですが、そういうような条件からして、これはそのいまの話し合いをするというやり方自体が、私は少しおかしいのじゃないかと思うのですよ。というのは、いまお話のとおり集団行進はもちろん示威ということが一つの目的でありますけれども、この示し方があるわけですね。たとえばプラカードを出して示威を示す、あるいはまた旗を掲げて、その団体行進をしている団体がどういう団体であるかということを、これはもうもちろん示威を示す以上知ってもらうことが条件なんですから、そういうような旗を立てる。しかし示威行進そのものは粛々として行進をしておる、これなら何ら国会周辺の静穏を乱すとか、
〔委員長退席、理事西田信一君着席〕
あるいは社会の秩序を乱すとか、そういう問題ではないと思うんですね。そういうようなデモ行進と、もう一つは、先ほど長官も言われたように、私たちもあのときにはおりましたけれども、安保のときのような激しいものと、これは集団行進そのものでも、そのときの客観的な条件によって、これはいろいろ内容はあるわけです。それを何かひっくるめちゃって、初めから話し合いをして、たすき一つかけさせない、プラカード一つ立てさせないというぐあいに話し合いを持っていくということ自体が、私は少しおかしいのじゃないか、こういうふうに思うのですがね。その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/124
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125・後藤信義
○説明員(後藤信義君) 先生のお話のように、一般的な問題にこれを解釈いたしますならば、いろいろ御議論もあろうと思うのでございます。私ども、最近の例もそうでございますが、従来行なわれておりますいわゆるデモというものが、平穏な状態においても一種の示威でございますから、全くの平穏ということはあり得ないと思いますが、あるいは交通の秩序を妨害するとか、あるいは官庁の事務を妨害するとかいうような程度にまで示威が喧騒にわたる、あるいは秩序が乱されるというような例は、非常に残念なことでございますけれども、しばしばあらわれておるわけでございます。つい最近の例でも、警察官が負傷するというほどまでデモと申しますか、集団行動が荒れておるような状況がございますので、これは問題を一般的に解釈いたしますならば、示威という形における表現の自由というものは、これはあくまでも尊重しなきゃならぬと存じますけれども、従来からの日本のこの東京において行なわれますもろもろの示威運動というものを、そのまますなおに見ますならば、やはり相当に内容として一般公衆に対する危険性をはらんでいる、こういうふうに考えざるを得ないと思うのでございます。したがいまして、いまお話にございましたように、特に国会の開会中静穏なる状態において国政を審議していただくという意味におきましても、この周辺におきましては、やはりそうした危険をはらんでおる集団示威運動というものは、これはお控えを願うというのが私どもとして一番よろしいのじゃないか、こういうふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/125
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126・占部秀男
○占部秀男君 ぼくはそれが納得できないのですがね。もちろん静穏を乱すということについては、われわれも反対です。反対ではあるけれども、たとえば破壊活動防止法にひっかかったような団体があって、そういう団体がデモ行進をするんだ、まあそういう団体の分子がデモ行進をするんだというと、これはもう初めから相当騒ぐだろうというとは、もう明瞭に私はわかると思うのです。ところが、少なくとも最近の例を見てみると、婦人の団体や、まあ非常にやわらかい――やわらかいと言ってはことばの中に語弊があるのですが――そういう団体まで一律にそういう取り扱いをしておるということ自体が、やはり私は問題じゃないかと思うのです。というのは、いまお話し合いをしておるというのですが、そのお話し合いをして、その主催団体としては、まて警視庁から話し合いをされたんだから、やむを得ず承知はする。それを承知しないと、結局は行進が事実上できないようになるだろうということを心配して、そしてその問題の話し合いについては応ずる、こういうことですが、主催されておる団体の当面の人たち、特に責任者等に話し合いをしてみますと、あまりにひど過ぎる。何ら表示一つ持たさずに、しかも、ちょっと万歳とか――また万歳じゃないけれども、何かちょっと声をあげると、すぐに来て押える、こういうようなことは、いまの民主主義の国家の中であり得べきことじゃないじゃないかというふんまんを率直にわれわれはたびたび受けておるわけですね。それで、確かに権力を持っておるのですから――あなた方が権力を乱用したなんということは私は言うわけじゃありません。あなたはやはり政府の一つの方針に従って言うのでしょうけれども、権力を持っておるのですから、したがって、行進してその権力に取り締まられる側は、もう初手から弱いわけなんですね。そこへあなた方のほうで、そういう話し合いなどに行っても、これはぼくに言わせれば、非常に無用なところまで取り締まっている、あまり、何というか、心配が度を過ぎているのじゃないか、こういう考え方を持つわけなんです。現に、何だかこの間もあすこで見ていましたら、交通に支障を来たしちゃいかぬというので、先頭に立っている人が大きな声でもって、ああこっちこっちと言って、こうやったら、すぐにもう警察官が飛んで行って何か話をしている。あとで聞いてみると、何かちょっと大き過ぎるから言われたのだろうというようなことを、向こうの警察官に取り締まられた人は言っておりましたけれども、こういう点は、やはり一つはその団体の内容、一つはデモ行進をするその要求の内容、一つはそのときの政治情勢、こういうものを判断して、なるべくひとつこれはもう静穏にやっていけるなというようなものについては、そういうような方向をゆるめてやるのが私は民主主義の社会における取り締まりのあり方ではないか、こういうふうに思うわけですね。で、現に諸外国の雑誌なんかも私二、三もらっていますけれども、やはりプラカードをやって、平和の何とかというようなことで、みんな行進しているのですよ。ですから、そういう点については、もう一ぺんこの取り締まり方については何とか再検討をしてみる必要が私はあるのじゃないかと思うのですが、こういう点は、課長はいいですが、公安委員長なり、警察庁長官なりの御意見をひとつ承りたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/126
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127・江口俊男
○政府委員(江口俊男君) 後藤課長からるる実情を申し上げているとおりでございまして、ただいま占部参員から御指摘のありましたように、主催団体といいますか、所属する団体といいますか、そういうものの種類によりまして、十分その差をつけております。ほかの場所へ動きます場合におきまする条件ですね、その最小限度の条件として、国会の周辺だけは、開会中はいかなる団体に対しましても示威にわたることは遠慮してもらうというような一つの方針をとっておるわけでございます。だから例外として、国会はその日は審議がないという見通しで、メーデーのときなんかは、例外として示威行進というものをこのすぐそばを通らせるというような配慮はいたしておりまするが、その以外におきましては、おとなしい団体、おとなしくない団体というものを込めて、最小限度、国会のすぐ近くでは示威はやらせない、こういう考え方で処置しているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/127
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128・鈴木壽
○鈴木壽君 ちょっと関連。
すると、示威ということですがね、プラカードを持ったり、腕章をつけたりということが、すぐこれは示威行動というふうに見て、そして、そういうものがいけない。もしそういうものを持たなきゃならぬとか、つけなきゃならぬというふうにやるなら、国会周辺の行進を許さぬぞ、こういうふうにお考えになっておるのかどうかですね。どうもいま私聞いたような点で、プラカードもだめ、腕章もだめ、こういうものをもし使用したり何かするならば、国会周辺は歩かさないなどというふうに、いまやっておるように見えるのですが、それはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/128
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129・後藤信義
○説明員(後藤信義君) 私どもが示威と考えておりますのは、不特定多数の者に対して影響を与え得るような威力を示すことであるという、概略そういう考え方で言っておるわけでございます。したがいまして、特定の場合にどういう形のものが、示威になるのかならぬのかということは、これはそのときの四囲の状況等からいろいろ判断しなければならぬと思いますけれども、少なくとも大ぜいの人が集まって行進をしながら歌を歌うとか、あるいはシュプレッヒコールを繰り返すというようなことは、これは当然示威の範疇に入ると考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/129
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130・鈴木壽
○鈴木壽君 いや、いわゆる歌を歌ったり何かして、いわば気勢を上げる、そういうことを私聞いているのじゃなくて、プラカードを持つ、あるいは腕章をつける、こういうことが示威にわたる行為として、あるいはその集団の行動として、そういうのもいかぬと、そういうふうにいま取り締まりをしておるように思うのですが、そのプラカードを持つこと、腕章をつけることが、あなた方の言うその示威にわたる行為であるのかどうかということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/130
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131・後藤信義
○説明員(後藤信義君) いま二点についてお話でございます。
一点は、プラカードを持つということでございますが、プラカードは事の性質上、当然集団示威運動の内容、趣旨、目的等が表示されておることが多かろうと存じますが、そのようなプラカードを持つということは、私ども示威になると考えております。
それから腕章でございますが、これは一般的に警視庁の例で申しましても、指導者等が腕章をつけることは別に禁じてはいないと私どもは承知いたしております。しかしながら、腕章の内容が、またやはりこれも通常その指揮者等を表示するというのみにとどまらずして、何らかの目的ないしは趣旨等をその中に表示される場合におきましては、プラカードと同様の意味におきまして示威にわたるもの考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/131
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132・鈴木壽
○鈴木壽君 最近、例として申しますなら、日比谷公開で集会を持って、そうしてそこから集会が終わった後に行進を起こしてということでやってくる際に、もう出口で、腕章がだめだと、こういうふうに言われて取らされた、こういう事例があるということを聞いておりますが、そういう事実はあるのですか、ないのですか。
〔理事西田信一君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/132
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133・後藤信義
○説明員(後藤信義君) 腕章だけを取らしたという例は、私ども実は聞いておりません。最近の例で申しますと、日比谷公園に集まりました集団行動の参加者が旗を持って出ようとした、あるいはプラカード等を持って出ようとしたというようなことにつきまして、警察の人たちによってこれを抑制した、制止をしたという例は聞いておりますが、腕章だけを取らしたという例は聞いておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/133
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134・鈴木壽
○鈴木壽君 そうしてあれですか、腕章だけを取らしたという例は聞いておらぬというが、旗、プラカード等と一緒に腕章も取らしたというような事例がもしあるすれば、これは少し行き過ぎじゃないですか、この点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/134
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135・後藤信義
○説明員(後藤信義君) 先ほど申し上げましたように、腕章がどういう種類の腕章でありましたか、それは存じませんが、腕章も一緒に取らしたというような話は聞いております。その内容につきまして、どういう種類の腕章であったか、それは私ども聞いてはおりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/135
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136・鈴木壽
○鈴木壽君 腕章の内容というか、そこに何か文字等によって示されておる。それから読みとれるいわゆる内容ですね、これが問題だと、こういうふうにお話がありましたのですが、ただ、いまのお答えの中には、腕章がどういう内容のものかわからぬ、こういうお話ですが、たとえば日韓会談反対、そうして所属の団体の名前をつけた腕章だ、こういうのだったら、それはやはり示威にわたるものとして取らせなければならない、それは、つけてはならぬという腕章になるのかどうか、そのことについて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/136
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137・後藤信義
○説明員(後藤信義君) その内容に日韓会談反対とあることだけで、はたして示威になるかどうかは問題があろうかと思います。やはり、かけている数等も問題の一つの中に取り上げるべきであったかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/137
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138・鈴木壽
○鈴木壽君 ちょっと、これは私は非常に重要な問題だと思うのですが、示威にわたるような、そういうようなことは一切だめなんだ、こういうことなんですが、示威というものの、何といいますか、どの程度のものを示威と見るか、さっきあなたがおっしゃったように、いわゆる大きな声を出して気勢を上げ、あるいは歌を歌い、ジグザグ行進をするというようなことなら、私は取り締まりの対象になっても、これはやむを得ないものだと思うのです。ただ、プラカードを持つこと、あるいは腕章をつけることが直ちに示威にわたることとして、一切そういうことは許されない――私は行動そのものにもつと重点を置いた判断をすべきではないか、もちろん行動といっても、プラカードを持つことも行動の中には入るし、腕章をつけることもその中には入るわけでありますが、ただそれをつけた、あるいは多少内容の点において政治的な問題についての意思表示があったりなんかしたにしても、しかし、それを持っているから直ちに平穏でない、あるいはそれが示威にわたるというような、そういう解釈で集団行進というもの、あるいはデモというものを取り締まるというのは、これは私は行き過ぎだと思うのですが、たとえばプラカードを持って、悪い意味において何かあばれる道具にするとか、あるいは旗ざおを持ってどうのこうのということになると、これはもちろん私はいけないことだと思うけれども、単に集団の中の何人かが旗を持ち、あるいはその旗というものは大体所属の団体とか、何かそういうものだろうと思うし、プラカードについても、何かスローガンみたいなものを書くのでありますが、そういうものを持っただけで、これは示威になる、平穏を害し静穏を乱すものだ、こういうような見方で取り締まるということは、私はこれは行き過ぎだと思うのですね。どうです、警察庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/138
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139・江口俊男
○政府委員(江口俊男君) やはりそういう具体的なことについては、届けといいますか、許可を出します際に、当事者同士でよく話し合っていることだと思うのです。たとえば腕章は指揮者だけ巻くとかプラカードは一切持たぬとかということは、話し合いの内容になっているものだと思いますので、その話し合いの内容そのものが守られないということは、やはりその次にどういうことになるかということの心配をいたしまするのは当然のことでございますから、ここで一々具体的に、どの程度までならよかろう、いうようなことを私が申し上げることはいかがかと思いますので、ずいぶん抽象的でございますけれども、話し合いの内容として十分これは打ち合わせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/139
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140・鈴木壽
○鈴木壽君 これは、いわゆる話し合いの段階の問題としてやはり考えるべき問題だと思う。公安条例等によっても、何もそういう規制があるわけでもなし、国会周辺のやつは、別にどうのこうの特別の定めは、東京部の条例にはないのですね。それこそ運用の面で国会周辺は、特に開会中の場合は静穏でなければならぬから、静穏を乱すようなことはしてはならぬ、こういう配慮からやる、その気持ちはわかりますが、その話し合いの段階に、こういうものを持ったのでは行進を許さないのだというようなことが、一つの前提の中にあるものですからね、私はそれを問題にしている。許可をして、持たないことによって許された場合に、あとでいろいろなものを持ち出したりするのはけしからぬ、こういうことをいま言うのではなくて、そのもとになる、腕章をつけた者、あるいはプラカードを持った者、あるいは旗を持った者を集団行進というものにつけ加えることは全然だめだというような、そういうような考え方について私は問題があると思うんですよ。確かにお話のように、約束したものを破ったら、それはその限りにおいて取り締まらなければならぬと思いますし、それはやむを得ないと思うが、しかし、その約束というのは、いま言ったように、そういうものを持ったんじゃ許さないんだぞ、歩かせないのだということを前提にする話し合い、それが私は問題じゃないかと、こういうふうに思うんですがね、この点どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/140
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141・江口俊男
○政府委員(江口俊男君) 国会の閉会中に国会に直近する場所においては最小限そういう示威行動というものを控えてもらうというのが警察の方針でございます。控える控え方ということは、話し合いの内容になることだと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/141
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142・鈴木壽
○鈴木壽君 だからその場合に、腕章をつけることが国会の周辺の静穏を乱すものであり平穏を害することであるのかどうか、こういうところまで考えなければいけないと思うんですよ。プラカードを持つことが国会審議に悪影響を与えるようなそういう事態であるのかどうか。さっき言ったように外で大声を立てて、あるいは歌を歌って気勢を上げて、わっしょわっしょというような、そういうことだったら、私はこれは集団行進をしようとするそういう人たちに、やはり遠慮してもらわなければならぬと思いますが、単に腕章をつけてプラカードを持つことが即国会周辺の静穏を乱すことになり、国会審議に悪影響を与えるという考え方が私はおかしい考え方だと、こういうふうに思うのですが、その点、いま現在行なわれている事例は行き過ぎだと思うんですね。これは取り締まりなり警察の行き過ぎだと思うのですよ。警察の方針だと言っても、それはあくまでも何か不穏な事態が起こるとか、あるいはいま言った静穏を著しく乱すようなそういう行動、行為、そういうものについての規制と私は違うものだと思うんですよ。どうもこの点は、最近の警察のあり方というものは、私は非常に行き過ぎだと思うんです。私はこの周辺の行進等につきましても、これは一体道路交通上の必要からやられるのか、あるいはまた国会の周辺における、さっき言ったように、静穏なそれを、平穏なそれを害するために、そういうことでないようにするためにやるというのか。いろいろこれは考え方があると思うんですがね、何と見ても最近の警官の出方、これは度を過ぎた警官の出動の数ですがね、どうも私はこの点になりますと、あなた方警察の方針だと、こう簡単に言っておられますがね、もう集団行進そのものを、あるいは示威行進そのものを否定するようなこういう態度というのは、私はこれは許さないものだと思うんですがね。いかがですか、その点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/142
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143・江口俊男
○政府委員(江口俊男君) 集団示威行進そのものは国会の周辺を除きましては、原則として、どこでも、交通事情等を除けば許可をしているのでございます。まあ唯一の例外ということが言えると思います。それから腕章につきましては、先ほど後藤課長から答えたとおりでありますが、これも話し合いの内容で、まあ指揮者だけはつけるとか、全体で何本つけるということなんかは、普通行なわれていると思う。しかし集団行進の場合、たいていの場合、現実よりやはり多い数、たとえば現実には三千人しか行進しないというような場合でも届け出、話し合いの場合は三万人の行進になるというようなことでの話し合いが前提になって行なわれているというところに、現実の数が少し御感触が違う点があろうと思うんです。また団体によりましては、言うたとおりの人数が集まったというような場合には、やはり腕章の数にしましてもプラカードにしましても、持たせるということが、そのものずばり、われわれがどうしても規制しなければならぬと思っている程度の、示威運動になるという例も最近ございますので、初めから実際の数というものを予定にされ、それに応じた指揮者の腕章なんかというものはつけているのだと思います。私自身も見かけたような気がいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/143
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144・鈴木壽
○鈴木壽君 関連ですから、私あとでまた……。これで一応終わりますがね、ですから話し合いの段階でのことを私は基本的な問題として、いま申し土げたのです。話し合いによってきまった以上に腕章をつけているのはおかしいとか、プラカードを持つというのはおかしいというような、こういうようなことでなしに、その話し合いの前提になるものは、警察のほうからすれば、そういうものをたとえば十人に一人あるいは百人に一人というような指揮者の限定をする、これ以上つけたらだめなんだぞ、またその行進もだめなんだと、そういう態度であったから、私そこを問題にして、一体腕章とかプラカードとかというようなものは、そういうふうなことで規制をし、あるいは集団行進を許す許さないの一つの前提になる問題として考えていいものかどうか、こういうことなんです。私どう考えても、それは広い意味では旗なりプラカードも、ある意味においてはこれは示威そのものの一つの形態ですからね、しかし、だからといって、集団行進に全然そういうものを持たせないという、持った場合には集団行進を許さないのだぞという、こういうふうな取り締まりなりあるいは指導といいますか、そういうことを言うのは、私はさっきも言ったように行き過ぎだと思うのですがね。いくら国会の周辺だって、それ自体が静穏を害するものであり、平穏をそこなうものであるかどうかということなんでしょうね、そんなこと言ったら、あれですよ、手に何かふろしき包みを持つことも、かばんを持つことも変なことになってきますよ。かばん、何か書いてありますが、これは一体どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/144
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145・後藤信義
○説明員(後藤信義君) これは場合によりまして、やはりプラカードと同じように考えなければならぬと思います。
それから先ほどから腕章とプラカードが問題になっているわけでございますが、私ども先生おっしゃいますように、集団で一定の行動をすること自体が、これは一定の目的をもってやられるわけでありますので、その行為自体が、すでにある一定の形においては示威になっているものと私どもは考えます。したがいまして、通常の都条例において、除外例として規定してありますように、学校の生徒が遠足に行くというようなものとは、おのずから性質が違うものであると考えております。したがいまして、そういう形の示威というものが、より一そう気勢を添えるであろうような形というようなものは、できるだけ控えていただくのが、国会の周辺においてはいいということが私どもの考え方の中心をなしているのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/145
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146・鈴木壽
○鈴木壽君 私関連だからこれで……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/146
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147・占部秀男
○占部秀男君 いま長官の、先ほど私に対する御答弁の中で、団体によって、あるいはその場合によっては差別をつけているのだ、たとえばメーデーのような場合は、プラカードを持って、この国会のそばのところを行進させておるじゃないか、こういうようなお話なんですが、それでは私たちは納得できないのですよ。というのは、メーデーといったってメーデー自身が目的が違うのですからね、国会に示威のためにメーデーをやるのじゃなくて、あれは今日はもう労働者の祭りで、メーデーのときに国会へ乱入するばかはもうほんとうに一人もないのであって、そういうことでは、もう差別をつけているのだということには、私はならないと思うんですがね。その問題は、やはり長官が今御答弁になった中で最小限度国会周辺ではとにかく静穏を守るためにそういう扱い方をしているんだと。それが警察の方針なんだと。そこにやはり私は問題があると思うんですよ。というのは、これは一つの労働政策あるいはまた治安対策の、何と申しますか、大きな問題になると思うんですが、最近、デモの傾向――もちろん国会周辺以外のデモじゃありませんよ、私の言うのは。国会周辺のデモの問題を言っておるんですが――この傾向を見ると、非常にデモをしておる人たちがふんまんなんですね。われわれがこんなおとなしくデモをしているのに、プラカードも取る、あるいはたすきも取る、何も取る、旗さえ持たせない、一体これはどういうことなんだ、こういうようなふんまんが率直に言ってあるんですよ。それがぼつぼついま出かかっているんですよ。で、私はこの問題について、結局そういうことをそのままほうっておくと、警察の政策、あなたが言われた警察の方針、結局は池田内閣の労働政策なり治安政策なりから出ておるんですが、そういうものに対する反感というものを非常に醸成しておるんですね、いま。つくりつつあるんですよ、率直に言って。それがただ押えられて目に見えないというだけの話。こういう情勢なんですね。確かに、一時、安保のあとで、そういうようなことであの騒ぎが起こったことについてのお互いの反省から、話し合いでやっていこう、こういうことで一つのコースはとりましたが、それを永久化していくことが、それがほんとうに労働政策の上から、治安対策の上から正しいかどうか。必要であるかどうか。ここをもうそろそろ警察当局としては、もう一ぺん検討してみる必要があるんじゃないか、こういうことを私たちは心配をしているんです。というのは、あんまりこれでやらせないでいる。あんまりたすきもかけさせないでいる。そうなると、今度は初めから、もうある程度騒動が起こることを意識して、そういうようなものを持って、そうして国会周辺へ集まるというような情勢が、これはもう、組合の幹部や団体の幹部が押えようったって結局は抑えられずに、一部の急激な人たちのあれに乗って、ワッとくるような、そういうような情勢に私はだんだんなってくるのじゃないかと思う、デモそのものが。あのデモに参加している人たちの中から聞くと、葬式デモだ、こんなばかなことがあるか、幹部が弱いからだとか、いろいろな批判があのデモの内部自体に出てくるんですね。これは抑えきれなくなる時勢がくるのじゃないか。そういうようなことでなくて、あの安保以降のお互いの反省というものが一つのコースに乗ったんだから、この際、少しぐらい、はなやかなというか、たいしたことじゃない、プラカードぐらいのもの、あるいは組合の旗ぐらいのものは持たして、そうして組合員の静穏なデモというものを逆につくり上げていく。そこへ考えをいたすのがほんとうのぼくは警察の治安対策であり、また内閣の労働対策のいわばすぐれた道じゃないか、こういうふうに思うんです。ですから、そういうような内容を、一ぺん長官は、警視庁なり各傘下の警察その他を動員して、内容の分析をして、こうした問題についての再検討をするという、そういうところの考え方にひとついってもらいたいと私は思うのですけれども、その点についてはいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/147
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148・江口俊男
○政府委員(江口俊男君) 御意見として十分伺っておきます。検討をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/148
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149・占部秀男
○占部秀男君 まあ結局いまの段階では、長官も非常に言いにくいだろうし、こっちも言っても水かけ論になるので、これ以上言ってもしかたがないのですけれどもね。いま鈴木委員が言われたように、警視庁側としても、もう少し、少しぐらいな、腕章の一つぐらいは全員がつけたところで、 国会に、たいした脅威を与えるという問題でもないし、腕章をみんなが巻いたからといったって、脅威を与えられるほど心臓の弱い議員ばかりでもないわけですからな、率直に言えば。だから、そういう点を、もう少し大所高所に立って、警視庁も、話し合いの中で少しずつゆるめていくような方向を私は考えてもらいたいと思うのです。
まあこれ以上言っても水かけ論ですから、注文だけして私の質問は打ち切りたいと思いますが、鈴木さん……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/149
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150・鈴木壽
○鈴木壽君 集団行進というのは、かりに物を持つ持たないにかかわらず、もうこれは一つの示威的な行動だと、こういうふうにまあ規定されると思うのですがね。そこで、物を持たせなくたって、たとえばプラカードや旗や腕章等を、持ったりつけさせたりしなくたって、その目的が達せられるのじゃないかというような考え方もあるのではないかと思うのです。しかし、まあそれはそれなりに、そういう考え方があったにしても、プラカードを持つこと、あるいは旗を持つこと、あるいは腕章をつけたりすることが、直ちに心配されるようないわゆる示威行動というふうに見ていいのかどうかという、やっぱりここの問題だと思いますね。
それで、集団行進によって心配される事態は、私いま一応二つに分けて考えなければならぬじゃないだろうかと思うのです。一つは、道路交通上の問題として、そういういわば集団行進、多数の人間が、しかも相当な長い距離にわたって町の中を歩く、道路を歩くということによって生ずるいろいろ交通上の支障の問題。それからいま一つは、その集団行進に伴って、それから何かいわゆる不穏な行動といいますか、平穏を害するようなそういう行動が、ときにはやっぱりこれは出てきてますから、そういうものに対する、何といいますかね、予防的なそういうもの。こういう、集団行進に対する対策上は、この二つに分けてやっぱり考えていかなければならぬと思うのであります。確かに過去のいろいろな事例から、心配だというふうに考えられ、したがってそういう心配な事態が起こらないようにするということも、私は、ときには必要だと思います。しかし、いまの集団行進、いわゆる示威行進等に見られるそれは、かつての安保の際に起こったああいう事態をあんまり心配をしなくともいい私は状況になってきていると思うのですがね。これは見方によっていろいろ違いが出てきましょうけれども、私はそう思っている。まあしかし、全然そういうことを、心配を抜きにしたという対策もどうかと思いますから、それはしかしそれなりに、一応、起こるであろうそういう事態に備えてのかまえといいますか、対策というものは持たなければならぬと思うのですが、いまさっき私がちょっと触れましたように、最近のものを見ておりますと、それがどうしても度を過ぎるような感じ、場合によっては警官の数が多いのではないかと思われるようなそういう状況で、かえって警官がたくさん出てきておって、何だかんだやっていると、触発するようなことが出てきますね。もっと私はじょうずにそういうことの警備といいますか、起こるであろう事態に備えてのそれは、もっとじょうずにやらなければならぬことだと思うのです。警官がずらりと並んでいるあるいは、あっちこっちにたむろしている、そういういき方は、もっとじょうずなやり方があるだろうと思う。それから道路交通の点からいいましても、これはいまの、たとえばプラカードを持ってはいかぬとか、あるいは腕章をつけてはいかぬというようなことは、私はやっぱり行き過ぎだと思う。たくさんの集団が行進をしてきて、それによって起こる道路交通上のいろいろの問題、車の交通、人の交通に対して著しく害を与えるというような、そういう事態に対しての措置、むしろそういうものをいまは中心に考えるべきではないだろうかと思うのですがね。そのためには道路交通法の中に規制されている、あるいは政令の中にあるような、右側を行進させろとか、右側を行進しないで何だかんだやるものに対するこちらの措置は、当然私はあってしかるべきだと思うが、最初から当然許されているそういうことに対して、それもだめだ、これもだめだ、言うことをきかなければ歩かせないのだぞというようないまのやり方というものに対して、私はやっぱりこれは考え直してもらわなければならないことだと思うのですがね。
意見もだいぶ申し上げましたが、国会の構内にデモ行進のあった際に、動員されておる警官が自由に出入りしておりますが、これは何ら差しつかえない、当然のこととして行なわれていることなんですか。それとも国会の構内に入るためには、国会の、議長の何か要請なりあるいは許可なり、許可といっては悪いかもしれないが、何かそういうものがない限り自由に警官といえども出入りできない、こういうことなのか、その点ひとつこの機会に聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/150
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151・後藤信義
○説明員(後藤信義君) 一般的に、議長警察権に基づきまして、議長の警察権の及んでおる範囲につきましては、国会の開会中、閉会中で人数は違いますけれども、それぞれ議長から要請がございまして、警視庁のほうから警察官を派遣しております。したがいまして、これらの者が議長警察権によりまして議長その他国会の構内を警備するということでございます。それからいまお話のように、一般的にそういう形で派遣されておらないで、デモの規制と申しますか、取り締まりと申しますか、予防のために配置されている警官がかってに入れるかどうかということは、これはそういうことはございませんで、議長警察権に基づきまして、構内につきましては、それぞれ事前に許可を得て必要な限度で立ち人っているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/151
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152・鈴木壽
○鈴木壽君 私も、国会の構内に入るためには、議長の許可といいますか、あるいは場合によっては議長の要請、そういうものによって初めて可能だろうと思っておりますが、最近の事例で、たくさんいる警官の中で、構内に数人入ってきている事例がありますね。そういうのはおそらく私は許可を取ってのそれではないだろうと思うのですが、こういうことは、いまおっしゃったように、原則的には許されないことでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/152
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153・後藤信義
○説明員(後藤信義君) いまお尋ねの件が、具体的にどのようなことであるかわかりませんが、議長警察権に服するために、議長の要請がありまして、警視庁から派遣している警察官、これは国会の開会中、閉会中それぞれあるわけでございます。いまお尋ねのような件がどのようなものであるか存じませんが、なお具体的にお示しがございますならば、その状況を調査いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/153
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154・鈴木壽
○鈴木壽君 いま言ったように、議長の要請のない限りは、かってに警官は構内に入ることができないのだということだけは確かにございますね。私もそういうふうに了解しておりますが、その点もう一度念のために。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/154
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155・後藤信義
○説明員(後藤信義君) 警察官が常に入れないかどうかということは、私どもちょっとその点問題があると思いますのは、何といいますか、警察官としての職権行使といいますか、議長からの要請がないという形におきましても、それぞれ連絡あるいは面会等のために、もちろん立ち入ることはあろうと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/155
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156・松本賢一
○松本賢一君 ちょっと関連して。
そうすると、いまの議長の要請で人ってきている警官と、一般の警官と、何か識別する方法があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/156
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157・後藤信義
○説明員(後藤信義君) これは外形上別に特別に識別方法はないと私は思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/157
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158・松本賢一
○松本賢一君 そうすると、どういう人なのかということはわからないのですね。同じ警官の服を着ているだけで、いわば不必要に入ってきている場合といえども、ちょっと見たのじゃわからないということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/158
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159・後藤信義
○説明員(後藤信義君) 制服でこの国会の周辺におります。あるいは構内におります者は、これはすべて要請によって来ているものでございます。ただ、あるいは例外的に、デモ等の場合に、あるいは面会所周辺で何かあって、そのために若干入るということは、これはあるかと思いますけれども、制服で衛視と同じような勤務に服していろ者があるわけでございますけれども、そういう者は、すべてこれは議長の要請によって派遣されている者でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/159
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160・松本賢一
○松本賢一君 そうすると、これはそんなことがあっちゃいけないのですけれども、そういうことも万々あるまいとは思いますけれども、議長の要請によって来ている人はあたりまえのことなんですが、そうでない人が不当に入ってくる場合も、場合によってはあり得るのじゃないかと思うのです。特に、いまの集団行進なんかやっているときに、いわば取り締まりが行き過ぎるとかなんとかというようなことがあって、そうして、そういうことは万々あるまいとは思うけれども、なきにしもあらずということが考えられると思うのですが、そういう際に、何か普通の人なら国会内に入ってくるのにはバッジをつけて入ってくるのですけれども、そういったような何かちょっとした識別方法というものは必要ではないかと思うのですけれども、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/160
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161・後藤信義
○説明員(後藤信義君) 先ほどから申し上げておりますように、議長の警察権に服しまして、議長の指揮を受けて警察官として行動をすると申しますか、そういう限りの警察官は、これはもうはっきりいたしているわけでございます。したがいまして、何かそれとまぎらわしいかっこうで入っているということは、ちょっと私どもわからない点があるのでございますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/161
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162・松本賢一
○松本賢一君 そうすると、私が知らないで質問しているのかもしれない。知らないで質問しているのなら教えていただきたいが、議長の要請で来ておられる警察官の方は、普通町で見る警察官と服装がどこか違うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/162
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163・後藤信義
○説明員(後藤信義君) これは違っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/163
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164・松本賢一
○松本賢一君 それなら、われわれが見たならどっちかわからぬでしょう。知っている方ならわかるかもしれないけれども、われわれが見たのではどっちかわからない、この中を警備するために来ておられる警官なのか、あるいは外の一般の警備に当たっておられる警官なのか、どちらなのかわれわれには識別かつかない。その識別がつかない人がそういうことはないだろうと思いますけれども――かりに中に入ってこられる。中に入って警察官としての行動をなさるといったようなことがあたっとしても、ちょっとわからないですね、それでは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/164
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165・後藤信義
○説明員(後藤信義君) おっしゃる意味は大体わかりました。それはおそらく一定の数を限って議長から要請がありました警察官と、そうでなくて、かってにそれとまぎらわしい状態において入っているかどうかというお尋ねでございますが、これはそのような御心配と申しますか、疑いがございましたならば、私のほうとしましては十分にその点は警視庁のほらにも連絡をとりまして注意を喚起したいと思いますが、これは警視庁のほうといたしましては、大体構内に派遣される者というのは、組織上どこどこ何名というように、きちっときまっておりまして、これが議長の指揮下に入っておるわけでございます。その行動は逐一議長の統制を受けておるのでございます。具体的には、国会の警務部長の指揮下に入っておるわけでございます。そのほかに、構内においてかってに警察官が警察権を行使するということは、これは私どもとうてい考えられないことでございます。議長の指揮下に入った者は、これは議長の指揮を受けて行動するというにすぎないのでございまして、警察官として一般の町で見ると同じようなかっこうでは、ちょっと職権行使をすることはできない立場になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/165
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166・鈴木壽
○鈴木壽君 さっき私がお聞きしたことに関連して松木さんからお尋ねがありましたけれども、私実はいまにして思えば、その当時見た事態をはっきり確かめておけばよかったと思うのです。あなた方議長の要請によって派遣されておる警官であるのか、あるいはデモの取り締まりのために来ておる警官であるのかどらか、いまにして思えば……。そのときはあれはどこに行くのかなと思った程度でしたが、あそこの北西の通用門から数人が入っている。ですから、ただ私はいま言ったように、はっきり確かめておかなかったために、ただ、ああいう門から中に入ってくるというようなことが、デモ等のために動員されておる警官が自由にできるものかどうか、私はできないだろうと思ったものですから、それを法的に、あるいは権限の上から、できるものかどうかということを、ただ聞いておきたいと、こう思って聞いたことなんですが、そのときは、あるいは構内におられた警官が何かのために外へ出て戻っていくのであったかもしれない。そこまでは私は確かめておりませんから、これ以上申し上げられません。原則的なこととして聞いておったところなんであります。もし許されない者が、何かまた構内に事件が起こって、いわゆる職権行使の上でぜひとも緊急にそういう措置をとらなければならなかったというのであればともかく、そういう事態でもなかったようだとすれば、今後そういうことに対して厳重に、何といいますか、指示をして、そういうことをやってはいかぬというようにしておかなければならぬのじゃないだろうかという気持ちが中にあったものですからお聞きしたのです。いずれにしても、議長の要請によって出た警官以外の人は、私はかってに、通用門といえども、構内に入ってくるということは、普通の状態では許されないことだと思うのですがね。そういう意味でそこのところを確かめておいただけでございます。
まあいろいろ申し上げたり、お聞きしたのですが、一つの集団行進の問題で、いまの警察の方針で、そういうふうに旗やプラカードや腕章なんかをつげることを許されないのだというようなことは、私はやはり行き過ぎだと思うのですが、さっき占部委員の質問に対して、長官も検討するというような意味のことをおっしゃっておったと思いますが、そういうものを含めてひとつ検討しなければならぬ問題だと思うのですがれ。あくまでもその集団行進、それによって起こるいわば喧騒にわたる、気勢を上げるというような、したがって交通上からも、あるいはその他の面からも心配なようなことが出ないようにするために最小限の規制はやむを得ないと思うのですけれども、ただ、腕章をたくさんつけておれば、これはおかしい、これもだめだ、プラカードを持っておることもいけないのだというと、もう、さっきちょっと話に出たお葬式の行進みたいなかっこうになってしまいますからね。これはもともとからの、集団行進をするというそのものを否定するようなことに通じておるものだと思いますから、ひとつこの点は、いま申しますように検討して直してもらわなければいかぬですね。長官、あれですか、現在のような取り締まりといいますか、あるいは規制、それを指導として運用の面で続けていかれるおつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/166
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167・江口俊男
○政府委員(江口俊男君) 御承知のように各都道府県の公安条例の運用の問題でございますから、第一線をあずかっており実務をやっておる連中とも、よく実情について検討し合って、各先生方の御意見も十分考慮に入れて考えてみたい、こういうのであって、いま、なるほどそれはおっしゃるとおりで改めなければいけませんというふうにも申し上げかねるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/167
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168・鈴木壽
○鈴木壽君 公安条例に基づいておるのなら、私は公安条例を、そういう運用とか解釈とかいうことによってやることは、私はやはり間違いだと思う。さっきも言ったように、国会周辺なるがゆえに旗もだめだし、プラカードもだめだし、腕章も指揮者だけだというような、そういうのは、どう言ってもおかしいので、それこそ国会の審議に支障を与えてはいかぬ、静穏裏に審議してもらう、平穏なうちに審議してもらうのだという、こういうのだったら、何も腕章とかプラカードに制限を加えたり、そこに起こってくる事態がもし平穏をそこなうようなものであったら、これはいろいろな規制あるいは押えるというようなことも私は必要だと思うのですけれども、これはやはりひとつ検討してもらいたいと思うのです。いたずらにそういうことを――先ほど占部さんも言ったように、かえってきちっと集団行進に参加しておる人たち、こういう人を逆に刺激することになります。そうしてさっきも言ったように、ずらりと警官が並んで、警官のかきの中を歩く。一体何を悪いことをしたのかと言いたいですね。そういうふうなことは避けるべきだと思う。しかし、そういう意味でいますぐ、じゃ改めますと、こういうふうにおっしゃれないこともわかりますが、警視庁あるいは公安委員会に、条例との関係もいろいろあると思いますから、十分検討をきせるようにしていただきたいと思います。この点については、以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/168
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169・竹中恒夫
○委員長(竹中恒夫君) 続いて道交法についての御発言がございましたら順次お願いいたします。
これは高橋交通局長さん、前に要請があった資料ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/169
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170・高橋幹夫
○政府委員(高橋幹夫君) この間私がいろいろ御説明をしている間に、表をもってお答えいたしますと言った資料でございます。あわせて、最近資料がまとまっておりましたので、それをつけ加えて出したのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/170
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171・林虎雄
○林虎雄君 一般の乗用のタクシーの乗車拒否について、取り締まりといいますか、方針を承りたいと思います。この間視察いたしまして自動車試験場等も見たわけでありますが、運転免許証を持っておる人が二百七、八十万、実際は二百万くらいのようですが、都内で、もっぱらタクシーを営業しているのは何人といいますか、何台くらいでしょうか、実際に動いているのは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/171
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172・高橋幹夫
○政府委員(高橋幹夫君) これはむしろ監督官庁でございます運輸省当局からお答えしたほうがいいと思います。私のほうで一応調べました数字を申し上げます。
東京で三十八年の十二月末で、やや古うございますが、法人が二十三区内に三百八十四社、二万一千五百三十四台、個人が四千十人、四千十台でございます。三多摩、それから島の部分でございますがこれが法人が八十二社、千九百四十三台、合計いたしまして四千四百七十六、二万七千四百八十七台、こういうのが現在の数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/172
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173・林虎雄
○林虎雄君 営業タクシーの台数が足りないというので、だいぶ増車されて、三十八年の十二月以降、運輸省ですからおわかりだかどうかしれませんが、二千何百台ふえたようなんですが、これは含まれておるのでございますかことしになって増車が許可になったとふうに承知していますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/173
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174・高橋幹夫
○政府委員(高橋幹夫君) ちょっと正確にお答えできないかもわかりませんが、これは含んでおる数字かと思います。それから運転者の数でございますが、これは在籍しております運転者の数が四万五千二百二十七という数字でございます。これよりも多少ふえておるのではないかと、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/174
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175・林虎雄
○林虎雄君 かなり自動車は混乱しておりますけれども、絶対量が少ないかどうか。それと、一般が混雑しているためか、所と時間によりまして乗車拒否を経験をするわけですが、私もちょいちょい経験いたしますが、乗車拒否というようなことは、なかなか取り締まりの上においてもむずかしいと思いますが、どのような取り締まり方針でおられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/175
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176・高橋幹夫
○政府委員(高橋幹夫君) 乗車拒否の問題の前段階として、ただいま御指摘のありましたように、いわゆる自動車のふえる、いわゆるタクシーの供給量と、それに対応する乗客の需要というものが、はたしてアンバランスであるかどうかということが一つ問題かと思うのであります。この点については、いわゆる絶対的なアンバランスであるかどうか、あるいは先ほど御指摘もありましたように、自動車の運行状況によって時間的に非常にアンバランスであるかどうかというような点については、これはいろいろな見方があるかと存じます。私どもといたしましては、乗車拒否のかつてあった時代は、確かに一般的に車が不足しておったというように感じておりまして、私どもといたしましては運輸当局に、特に個人タクシーをふやすことに努力をしたらどうだということをしばしば警察の立場から申し上げたのであります。特に一時流行いたしました白タクというものが非常にたくさんあったのは、確かに需要と供給のアンバランスの一つの典型的な象徴ではないかということで、この白タクというものについても、一つのそういう点のあらわれかと思いますが、私どもといたしましては、しかし絶対数が不足しておるので、この需要供給の云々というよりは、やはり法律にきめられておりますところの道路運送法の十五条の違反というものは、やはり追及しなければいけないということで、取り締まりを昨年から鋭意つとめておるわけでございます。しかし第一次的には、やはり陸運局が主体になってやっていただかなければならないと同時に、その事業を経営している経営者に、やはりそういうことについて関心を持ってもらわなければならない。私どもは、そういう陸運行政がうまくいくような意味において、取り締まりという面でこれに協力をするということで、相当の取り締まり件数をあげたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/176
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177・林虎雄
○林虎雄君 その取り締まりをする場合に、具体的にどうして検挙いたしますか。具体的な事例を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/177
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178・高橋幹夫
○政府委員(高橋幹夫君) 一つは、業者の指導団体である団体が積極的に出て乗車拒否の事実をなくそうという努力をしております。それから私どもといたしましては、特別の警察官の班を編成いたしまして、先般来問題になっておりました銀座、築地かいわいにそれぞれ所要の警察官をパトロールさせる、あるいは乗車拒否の行なわれる時間帯に、そういう所に警察官を配置して、具体的に現認をしてこれを検挙する場合もあります。しかし大部分が乗客側の申し出によって検挙する場合もある、しかしまた反面、乗客側に必ずしも協力をしていただけない場合もあるわけでございます。乗車拒否の場合には、乗客が確かに乗車拒否をしたという事実の供述がないと、私のほうは事件になりませんので、そういう面で実際問題からいうと、乗客の御協力を得られなかった例もございますが、しかし、先ほど申し上げたように、一応そういうような方法で、一つ一つの事案の処理に当たっておるという現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/178
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179・林虎雄
○林虎雄君 いまお答えいただきましたように、この検挙するというその場合には、パトロールも必要ですが、大部分は乗客の申告といいますか、それによってといいますか、乗客が、たとえば私もときおり経験するわけですけれども、そういう具体的な事例があった場合には、その車の番号とか、あるいは会社の名称とかというものをつかんで警察に申告すればいいわけでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/179
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180・高橋幹夫
○政府委員(高橋幹夫君) 事後の捜査でもできるのですけれども、たまたま同一の車に同一の人間がいつも固定されていないというのが会社の実際の状況でございますので、その当時の運転者の氏名とその車の番号と必ずしも一致していない場合もある、しかし、もちろん御通報をいただければ、その事実に立脚いたしまして、その当時の勤務の乗車割りとかあるいは勤務内容を調べれば、そのときにどういうふうであったかということはわかるわけでございます。ただ、事後捜査の場合には、非常に本人が否認をしたりなんかする場合に、立証の方法については相当むずかしさがあるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/180
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181・林虎雄
○林虎雄君 拒否する場合にも、全部が全部悪質だとばかり言えないような場合もあるんです。たとえば、夕方とか、運転している運転者の交代の時期とかいうようなとき、めしを食べに行かなきゃいけないとか、交代の時期だからといって拒否される場合がありますが、との真偽のほどは別として、この場合の判定が、乗客とすれば、ちょっとできないわけですが、最近は回送車という標識を掲げているのがあります。これははっきりしておりますけれども、最近私初めて一度見ただけですけれども、この判定はどうしたらいいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/181
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182・高橋幹夫
○政府委員(高橋幹夫君) 確かに乗車拒否の具体的な立証方法というのはむずかしい問題でございます。また同時に、ただいま御指摘のような回送という問題があって、これは基本的には乗車拒否の前の段階として、いわゆる本人の水揚げ料の問題と、それからいわゆる給料の歩合い制の問題とに関連し、さらにはそれぞれの自動車のキロ数を持っているわけでございます。一日いま三百五十キロかと思いましたが、そういうキロ数を持っておりますので、そのキロ数をオーバーしては運転ができないということで断わる場合もあるということで、先般も実際の運転に当たっている者から、われわれに対して、実情を認識してもらいたいということで、いま言ったようなことを、非常にまじめな運転手さんですが、るる私どものところに申し出ておるという例もありますので、実際の個々具体的な乗車拓否の判定というものについては、一目りょう然の場合はさることながら、一般的になかなかむずかしいのではないかというふうに思っております。したがって私どもは、乗車拒否というのは、単に警察の取り締まりだけですべてが解決するというふうには思ってはおりません。むしろ率直に申し上げて、いま申し上げたような、運転者の給与のあり方とか、あるいは歩合い制の問題であるとか、あるいはタクシー事業の経営者のやり方とかいうようなもの、いろいろ総合的に考えなけりゃならない面があるのではなかろうか、こういうようにも考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/182
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183・林虎雄
○林虎雄君 場所と時間によりますけれども、特に痛感いたしますのは、たとえば銀座とか、新宿とか、盛り場ですが、その場合に、一応乗せておいて、百円前後の所へ行ってもらいたいということになると、困ると言って拒否されるわけですね。遠距離で水揚げが多い所をねらっておる。これらはかなり悪質だと思うのですが、罰則というものはどの程度のものがあるのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/183
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184・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) 道路運送法の百三十条によりまして三万円以下の罰金になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/184
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185・林虎雄
○林虎雄君 いまお答えありましたように、個人タクシーをできるだけ強化していくというような方針で、だいぶ緩和されたということですが、乗ってみての経験から言いますと、四大会社ですか五大会社か知りませんけれども、非常に大きな会社の車と、そして個人タクシーがおおむねまじめに営業しておるような印象を受けるわけですが、個人タクシーの――これは運輸省にお聞きしなければ無理かと思いますけれども――数というものは相当ふえておるわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/185
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186・高橋幹夫
○政府委員(高橋幹夫君) 最近の運輸省の新しい自動車の台数の割り当ては、法人をむしろ重点に置くよりは個人タクシーを重点にしてやっております。私どもといたしましても、できるだけ個人タクシーをふやすということに、私どももそういう点について運輸省に申し入れをしておるということで、運輸省も、いま申し上げたように、個人タクシーを増加することについて相当努力をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/186
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187・林虎雄
○林虎雄君 お答えいただきましてよくわかったわけでありますが、結局、乗車拒否するというような悪質な運転手は、よく指導をする以外に、しかたがないので、したがって、雇っておりますタクシー会社等の指導ということが重点になろうと思いますし、それから個人タクシーは自分の車で自分で働いて成績をあげているわけですから、それだけに勢い親切にならざるを得ないと思いますので、そのほうの強化といいますか、個人タクシーを多くすることが望ましい。ことに個人タクシーなどは年輩者が多いだけに、安全運転の度合いも高いというふうに思います。特に営業会社の指導を一そう徹底するように希望いたしまして、打ち切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/187
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188・松本賢一
○松本賢一君 いま罰則の話がちょっと出ましたが、私は罰則についてちょっとお尋ねしてみたいのですが、こういう例があったらひとつ示していただきたいのです。いままで行なわれた最も悪質な違反、そしてその違反した者がどのくらいの罰則を受けているか、そういう実例がありましたら示してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/188
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189・高橋幹夫
○政府委員(高橋幹夫君) たとえば酔っぱらってひき逃げをして、しかも無免許の場合、正規の判決で……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/189
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190・松本賢一
○松本賢一君 最も悪質な違反をやったというので、おそらくそれが一番重い罪になっていると思いますが、そういう実例として、いままでどのくらいの程度のものがありましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/190
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191・高橋幹夫
○政府委員(高橋幹夫君) いまちょっと企画課長の手元にある資料で調べますが、いままで一番悪質なひき逃げの場合、殺人罪を適用された例があります。野方署管内で、一時新聞を騒がした例が一つあります。そのほかに一件と、二件くらいあったと思います。後ほど調べてお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/191
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192・松本賢一
○松本賢一君 罰則がいろいろ書いてありますが、現在いろいろこれに当てはまる、あれに当てはまるといったようなときに、重なった場合に、その罰則がどういうふうになっていくのですか、プラスしていくわけじゃないと思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/192
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193・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) 数個の違反行為を同時にいたしました場合に、原則として併合罪が適用になりまして、その最も重い刑の半分が加重されることになります。たとえばまず一番典型的なのはひき逃げでございます。一般にひき逃げと申しますので、特殊の場合は殺人罪の適用がある場合がございます。一般に刑法二百十一条の業務上過失致死傷、それから道路交通法七十二条の事故を起こしました場合の負傷者の救護義務違反、同じく道路交通法百十七条に罰則がございまして、その罰則の併合罪が一般的になろうと思います。それから無免許で酔っぱらい運転をいたしました場合、これも同じように併合罪になります。それからいろいろございますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/193
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194・松本賢一
○松本賢一君 もう一つ、さっき私が言った実例を調べてみてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/194
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195・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) ちょっと申し上げます。手元に殺人罪の適用の例がございませんので、この次の機会に調べて御回答させていただきたいと思います。
なお、いわゆる業務上過失致死傷罪と、負傷者の救護義務違反の併合罪につきましての処断刑といたしましては、四年の禁錮までいけるわけでございますが、実際には二年半が最高になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/195
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196・松本賢一
○松本賢一君 今度の改正で多少ずつ罰則が重くなった傾向があるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/196
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197・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/197
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198・松本賢一
○松本賢一君 そういうふうになさった――常識的に何となくそういうわけはわかるのですけれども、そういうふうになさった理由と、それの予想される効果というものはどんなふうになるのか、示していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/198
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199・高橋幹夫
○政府委員(高橋幹夫君) 今回罰則の強化をいたしておりますのは、一つは、先ほど御説明いたしましたひき逃げの問題でございます。これは先般御説明いたしましたように、三十八年度中におきまして相当数のひき逃げ事犯が出て、しかもそれが未検挙に終わっているものも相当あるということで、やはりひき逃げに対する罰則を強化するということによってこの種の犯罪の予防をはかるということに一つの主眼を置いているわけであります。それから同じように、いわゆる酔っぱらい運転も、昨年もそうでございますが、本年に至っても非常に酔っぱらい運転が多いということで、これに対する罰則の効果を期待をする。それからさらに、たとえば道路の左側部分通行義務違反とか、横断転回の禁止違反とか、追い越し規制違反等に対する罰則を強化いたしておりますが、これらはいずれも過去の統計におきまして、重大な交通事故の原因になっておると思われるようなものの典型的なものを抜き出しまして、そうしてこれに対する罰則を強化をしておるということで、この種事犯に対する予防措置をはかる。私どもは、やはりこういう罰則の強化だけですべて必要にしてかつ十分だとは思っておりません。しかしながら、罰則を強化することによって、相当の予防措置をはかり得るというように考えております。ことしに入りまして、いろいろ罰則の強化、特にひき逃げに対しての強化のPRを、新聞等に対していたしたわけでございますが、その結果、ことしの一月から三月までは、昨年の同期に比べまして、ひき逃げは半分に減っておる。これはまだ短期の期間でございますから、もう少し長期の時限で考えなければなりませんけれども、やはりそういうような効果もあるいはあらわれるのではないだろうか、こういうように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/199
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200・松本賢一
○松本賢一君 悪質なものに対する罰則を強化するということを主として考えられておられるのですが、そうでない、いわば形式的なもので、常識で考えたらたいしたことじゃないと思うけれども、しかし、交通上は重大な結果を生ずるような場合があると、そういうことで特にそれを罪を重くしてあるといったようなことに対しては、これはよほどPRをよくしていただかないと、一般の人たちは、なに、たいしたことはないのに、ばかに重い罪になっちゃったじゃないかといったようなこともあり得ると思うのですが、そういう点のPRを、しっかりおやりになるとは思うのですけれども、でないと、常識と罰則とが必ずしも一致しない場合がありますのでね。
それから、まあよく勉強してないから変な質問をしますけれども、悪質な違反に対しては、これはいまの段階では重い罰を科して、少し警告を与えなければいけない運転者が相当あると思うので、これはいまの段階ではやむを得ないと思うのですけれども、ほんとうにまあ善意のあれですね、同情すべき事故とか違反とか、そういうものに対しては、やっぱりできるだけ罪が軽いほうが私はいいと思うのですが、そういう点はどういうふうになっておりますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/200
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201・高橋幹夫
○政府委員(高橋幹夫君) 確かに御指摘のとおり私どもが罰則の条項を適用する場合の違反の処理というものについては、慎重でなければならないと思います。私ども最近特に、たとえばスピード違反にいたしましても、単純なるスピード違反というようなものについては、むしろ指導をしていくというようなことで考えております。そのスピード違反の結果、重大な事故の起こる可能性のあるというようなものについてのスピード違反を厳格に追及をしていく。私どもはやはり違反の件数の多いということを誇りとすることであってはならないと思っております。そういう点については十分第一線の警察官が取り締まりをする場合においても、重点的に、やはりいま申し上げたような悪質な違反、悪質な事故を起こすような違反に取り締まりを集中をする。また、いたずらに件数主義におちいらない、相手の納得を得るようにしろと言っております。したがって、たとえばひき逃げの場合におきましても、まあ原則としてひき逃げは悪いのでございますけれども、それぞれのケース・ハイ・ケースによりまして、警察署長等が検察庁に事件を送致する場合においては、それに対する十分実情を調査した情状に関する処分の意見をよくつけまして、それぞれのあれに適応するような方法をとっておりますが、交通違反の処理件数が多いというために、やや形式的に流れるという点については、今後ともに私どもとしては十分注意していきたい、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/201
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202・松本賢一
○松本賢一君 その点は十分注意していただきたいと思うのですね。特に扱うほうでは、何となく検挙の能率があがったのが自慢になるといったような心理もなきにしもあらずだと思いますから、そういう点はよく御注意いただきたいと思うのです。それと、違反を起こすということは、もちろんそのほかの原因もありましょうけれども、特に日本人の気風と申しますか、何となくものをあせると申しますか、とにかく車に乗って実際町を走ってみても、おそらく日本の自動車のスピードが一番速いような気がいたします。世界じゅう歩いたわけでもないけれども、よその都会と比べますと、日本のほうがどうもはるかにスピードが速いような気がするのですが、何となくそういった気分が日本人にはあると思うので、そういったむやみに追い越したりするとかといったような、そういう心理、これは若い人たちの心理でもあり、年齢的に少し若い日本民族の心理でもあると思うのですが、免許状を与えるまでに、そういう点に対する教育というものはなさっておられるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/202
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203・高橋幹夫
○政府委員(高橋幹夫君) これはそれぞれ免許を受ける場合の方法によりまして、たとえば先般御視察をいただいた警視庁の試験場に、いきなり来て試験を受ける者もございますし、それから教習所に入って所定の教習を経て法規試験を受けて合格をするという者もございますが、教習所におきまして相当数の時間教習をいたしておるわけでありますが、いま御指摘のような点について、いわゆる運転のマナーといいますか、そういうことについては、だんだんと強化をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。ともすれば技能ということに偏しているというような御指摘があるわけですが、やはり機械を運転するのでございますから、やはり正確な技能でなければいけないと思います。その技能の裏づけをするようなやはり運転の態度、習慣というようなものについて、十分に力を入れる、そういうような方針で、今後教習所の指導監督というような点をやっていきたい。また同時に、いろいろな安全教育のような面についての措置、やり方というようなものに重点を置いていくという方向で考えていきたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/203
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204・松本賢一
○松本賢一君 いまの運転のマナーといいますか、そういう点についての教育というか何というか、そういうものは非常に私は大切だと思うのですよ。それさえある程度の高さまで到達していれば、事故は起こしても、あまり大きな事故は起きないのじゃないか、非常に少ないのじゃないかという気がするのですがね。人にぶつかっても人が死ぬような事故にはならぬといったようなことがあるのじゃないかという気がするのですが、そういう点から、やはり教習所とかいったようなところにも十分そういうことを徹底させて、要するに、バスや電車に乗るときに人を押しのけても早く乗ろうとするああいう気分というものが、やはり車を動かしているときにもあるように思うのですね。そういったようなことを十分にあれして、そしてできるだけ違反とか事故というものを防ぐやはり一つのあれにしていただきたいと思うのです。その点ひとついかがでございましょうか。何かいい方法があるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/204
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205・高橋幹夫
○政府委員(高橋幹夫君) 確かに御指摘のとおりで、私どもも従来から、また現在も、検討いたしておるわけでございますが、一つの例として、なかなか道路交通法そのものを読むということが、非常に法律について技術的な点もございますので読めない。そこで、たとえば英国のハイウェー・コードみたいなものも英国ではございますので、そういうものの中に非常に具体的にわかりやすく運転者としての心得あるいは歩行者としての心得、そういうものが書いてあるわけでございます。私どもといたしましては、やはり道交法を読まなくても、いま申し上げたような、そういうハイウェー・コード式のものを私どもつくり上げて、そうしてそれを中心にして安全教育あるいは安全運転の教育というものをやりたいと思いまして、現在ある程度の一次的な草案を脱稿しておりますが、これをさらに各方面の意見を聞きまして、そういうものを中心とした安全教育の教本といいますか、指導要領といいますか、そういうものをつくり上げたいというふうに考えております。一つの具体的な方策はそういうものでございます。
さらに最近は、心理学者その他の学者の御協力を得て、いわゆる適性検査のやり方、これの適性は、精神障害とかいろいろな問題はございますが、やはり運転マナーを測定できるような適性というようなもの、そういう人間の心理的な指導のやり方というようなものについての御意見を伺いたいということで、こういうような企画をいたしておりまして、いま申し上げたような方向で検討いたしたいと思います。ぜひ検討だけじゃなくて、これを実現をして、実際の具体的な場で生かしていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/205
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206・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) 先ほどの松本先生の御質問でございますが、手元にございます資料で見ますと、昭和三十八年に判決があった交通違反でございますが、酒に酔っぱらいまして無免許で運転しましてひき逃げした事犯でございますが、これは先ほど申し上げましたように、罪名といたしましては刑法二百十一条、これは業務上過失致死傷でございますね。それから道路交通法七十二条の救護義務違反、それから百十八条の無免許と酔っぱらい運転、これらの併合罪でございます。これは最高四年半の禁錮までいけるわけでございますが、実際の宣告は二年半の禁錮になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/206
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207・松本賢一
○松本賢一君 なくなったのですか、そのひかれた人は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/207
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208・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) 死亡させております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/208
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209・松本賢一
○松本賢一君 殺人罪を適用したというのはどういう例ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/209
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210・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) いま申し上げました事件は過失でございますが、これは故意犯が立証されまして殺人罪が適用されました。件数は非常にわずかでございますが、これはもしあれでございましたら、次までに調べまして申し上げます。ちょっと手元にございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/210
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211・松本賢一
○松本賢一君 それは殺人の意思があってやったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/211
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212・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) 故意犯として殺人罪が適用になった、かように承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/212
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213・松本賢一
○松本賢一君 そうすると、この殺人なんという特殊な例は別として、交通違反とそれから過失とを合わせたものでいままでは二年半というのが一番重かったというわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/213
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214・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) 従前のデータをすべてここへ持っておりませんのですが、大体において二年半が一番重いのではなかろうかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/214
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215・松本賢一
○松本賢一君 そうするとですね、今度この法律が変わりますね。一年が三年になっておるのがありますね。百十七条ですか。そうすると、これが今度は適用されるわけでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/215
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216・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/216
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217・松本賢一
○松本賢一君 ひき逃げの場合ですね。そうすると、これは当然もっと重くなりますね。この過去のは二年半だけれども。同じ考慮を払って裁判が行なわれた場合には、もっと重くなるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/217
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218・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) まあ裁判官の量刑の問題は、どうも私たちの口から申し上げるわけにはまいりませんが、私たちは重くなることを予想しております。
なお、最高刑は、今回の改正によりますと、たとえばひき逃げで申しますと、四年半の懲役になります。現在は四年の禁錮刑でございまして、禁錮刑と懲役刑の差が相当出てくるのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/218
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219・竹中恒夫
○委員長(竹中恒夫君) ほかに御発言ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/219
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220・鈴木壽
○鈴木壽君 ちょっと、時間がないから、資料として、こういう資料としてほしいのですが、無理でしょうか。私は実は今回の道路交通法の一部改正の中心をなすのは、国際条約の加入に従ってまあ直される部面が相当あるのですね。それに伴って、従来の法の条約とは直接関係ないけれども一部手直しをする、こういうことだと思うのですが、私案は条約をこうまあずっと見たわけなんですが、これは私自身で、もっとよく勉強すればいいことなんでしょうが、なかなかできません。たとえば、条文の点からしますと、道交法に具体的に関係してくるやつは第九条あたりからですな。第九条、第十条、第十一条とこうあるのですが、そうすると、さてその第九条のやつがこちらのほうのどこであったのか、今度さがすのに実は難儀をするのですね。あなた方からいただいておるその要綱なり、こういうのがありますが、この要綱のやつはいまの条約の定めるところに従ってこういうふうに改めた、それは第何条、第何条、第何条と、こういうのを私お願いしたいと思う。できれば、逆にして、この条約の第九条によって動かさなければならぬのはどこであったのか、何条何条にあったのか、こういうのを、詳しいことは要りませんが、もし次回の委員会までに、たとえばいま言った第九条によって現行の道交法の何条と何条と何条をこういうふうにしたという簡単なものでいいですから、そういうものを何かいただければ、かってなことですが、都合がいいというふうに思ったのですが、こういうものはできないでしょうか。来週の委員会のときまでに。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/220
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221・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) ただいま御指摘になりました簡単なものでございますと、すでに原稿ができておりますので、さっそくそれをタイプいたしましてお手元にさし上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/221
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222・鈴木壽
○鈴木壽君 けっこうです。内容を一々こう書いてあるというようなことは要りませんから、いま言ったように、第九条なら第九条によってこっちがこういうふうになった、こういうふうにあるやつを……。そういうふうなかっこうで条約のほうをまずひとつやっていただいて、それからこちらの現行の道交法の条項をこうだというふうに書いていただければ、いわゆる条約に加入することによって改正される部面、あるいは手直しを要する部面というものが、はっきりすぐくるのですがね。そこをひとつごめんどうでしょうが、資料として、できたらお願いを申し上げます。いまおっしゃった程度でけっこうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/222
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223・高橋幹夫
○政府委員(高橋幹夫君) 承知しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/223
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224・竹中恒夫
○委員長(竹中恒夫君) 本日はこの程度にいたしたいと存じます。
次回は四月の十四日火曜日午前十時、地方公務員共済組合法等の一部を改正する法律案、道路交通法の一部を改正する法律案の審査の予定でございます。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時四十一分散会
――――・――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614720X02319640409/224
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