1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年二月十八日(火曜日)
午前十時三十四分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 光村 甚助君
理事
鈴木 恭一君
寺尾 豊君
松平 勇雄君
野上 元君
委員
郡 祐一君
白井 勇君
野田 俊作君
最上 英子君
谷村 貞治君
永岡 光治君
横川 正市君
須藤 五郎君
参議院議員
発 議 者 森本 靖君
国務大臣
郵 政 大 臣 古池 信三君
政府委員
郵政政務次官 金丸 信君
郵政大臣官房長 武田 功君
郵政簡易保険局
長 田中 鎭雄君
事務局側
常任委員会専門
員 倉沢 岩雄君
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本日の会議に付した案件
○簡易生命保険法の一部を改正する法
律案(内閣提出)
○郵便局舎等整備促進法案(衆議院送
付、予備審査)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614816X00319640218/0
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001・光村甚助
○委員長(光村甚助君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣提出、本審査)を議題といたします。
政府より提案理由の説明を願います。古池郵政大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614816X00319640218/1
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002・古池信三
○国務大臣(古池信三君) ただいま議題となりました簡易生命保険法の一部を改正する法律案について、提案理由を御説明申し上げます。
この法律案は、簡易生命保険の保険金の最高制限額及び最低制限額をそれぞれ引き上げるとともに、簡易生命保険の新種として特別養老保険の制度を創設しようとするものであります。
まず保険金の最高制限額の引き上げについて申し上げます。
現在、保険金の最高額は五十万円に制限されているのでありますが、最近における社会経済事情の推移にかんがみますときは、この金額では、国民の経済生活の安定をはかり、その福祉の増進を目的とする制度本来の機能を十分発揮することが困難でありまして、簡易保険加入者からも保険金の最高制限額の引き上げが強く要望されているのであります。
また、事業自体といたしましても、終戦直後に大量に募集した契約が、ここ数年のうちに集中して満期となりますので、この集中満期による事業規模の縮小を防止し、さらに事業の発展をはかるため、保険金の最高制限額を引き上げて募集活動の積極的推進をはかる必要があるのであります。これらの理由から、保険金の最高制限額を百万円に引き上げようとするものであります。
次に、保険金の最低制度額の引き上げについて申し上げます。
現在、保険金の最低制限額は一万円となっておりますが、最近の経済事情のもとにおきましては、保険金額としてはいかにも低額であり、保険的価値に乏しいものと考えられますし、また、最近の新規契約についてみましても、保険金額五万円未満の契約はきわめて少なく、しかも逐年減少の傾向をたどっておりますので、この際、保険金の最低制限額を五万円に引き上げようとするものであります。
第三に、特別養老保険の創設について申し上げます。
御承知のように、生命保険本来の機能は死亡保障にあるのでありますが、この死亡保障のみを目的とした終身保険は、従来、わが国におきましては一般に歓迎されず、貯蓄的要素の濃い養老保険が生命保険の主流をなしているのが現状であります。最近における社会経済事情の推移と保険思想の普及に伴い、死亡保障に重点をおいた生命保険に対する需要が次第に高まってきておりますので、このような保険需要の動向を考慮いたしまして、従来の養老保険の性格を保有させながら、安い保険料により、死亡保障を強化した生命保険を提供しようというのが今回の特別養老保険でございます。すなわち、加入者が死亡した場合に支払う保険金額を保険期間が満予した場合に支払う保険金額の二倍の額とするものであります。
したがいまして、この新しい保険は、生命保険本来の死亡保障の機能を前進させ、事業の体質改善に寄与する意義がある次第でございます。
以上が、この法律案の提案の理由であります。
何とぞ、十分御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614816X00319640218/2
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003・光村甚助
○委員長(光村甚助君) 以上で、本案に対する提案理由の説明は終わりました。質疑は後日に譲ることといたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614816X00319640218/3
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004・光村甚助
○委員長(光村甚助君) 次に、郵便局舎等整備促進法案(森本靖君外九名提出)を議題といたします。
提案理由の説明を願います。衆議院議員森本靖君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614816X00319640218/4
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005・森本靖
○衆議院議員(森本靖君) ただいま議題になりました郵便局舎等整備促進法案について御説明を申し上げます。
郵政事業は、国民文化の向上と経済の急速な伸長に伴いまして、年とともに発展し、取り扱い数は最近著しく上昇し、今後さらに激増することが予想されます。
これに対し、国民の負託を受けて、事業を円滑に処理するためには、郵政省は適正な要員の配置と執務上の施設を完備することが必要でありますが、とりわけ郵便局舎の整備は緊急問題と言わなければなりません。
現在の郵便局舎の状況は、全国で一万五千四百五十五局(昭和三十九年一月二十日現在)設置されていますが、そのうち郵政省の所有するものはわずかに千七百六十七局で、他の一万三千六百八十八局は借り上げによる局舎であります。しかも、その借り上げ局舎の九九%までが個人所有のものであるために、国有局舎に比較して、通風、採光等が非常に悪いというばかりでなく、老朽かつ狭小でありまして、公衆の利用上においても、職員の執務上からも、早急に整備する必要があります。
この法案は、この趣旨に基づいて制定しようとするものであります。
したがいまして、この法が制定されますと、昨年八月郵政省が事務次官通達をもって実施に移しました簡保積立金による特定郵便局舎整備資金融資措置は必要としなくなるというのであります。
次に、この法案のおもな内容について申し上げます。
第一に、この法案は、公衆の利便を増進し、事務能率の向上をはかるために、老朽、狭小の郵便局舎を郵政省みずからの手によって建築、修繕、模様がえ等を行なうことを明らかにしています。
第二に、郵政大臣は、郵便局舎等整備審議会を経て、昭和三十九年度以降十カ年間における郵便局舎等整備計画を作成し、閣議の決定を求めるということであります。
第三に、郵便局舎等整備十カ年計画の実施に要する経費の財源については、政府は、各年度に新たに積み立てられる簡保積立金の二十分の一を下らない額を郵政事業特別会計に貸し付ける措置を行なうことをきめるとともに、その他においても財政の許す範囲において必要な措置を講ずることといたしております。
第四に、各省、庁の長及び大蔵大臣または関係市町村長は、郵政大臣が申し出たときは、郵便局舎整備計画の円滑な実施に協力をすることにしております。
第五に、郵政省に委員十二名以内で組織する郵便局舎等整備審議会を設置して、郵便局舎等整備に関する重要事項について調査、審議し、また、郵政大臣に意見を述べることといたしております。
第六に、政府は、この郵便局舎等整備促進法の実施に要する経費の財源に充てるため、郵政事業特別会計法の一部を改正して、一般会計からこの会計に繰り入れすることができることとしました。
なお、この法案実施にあたって、昭和三十九年度以降十カ年間に必要とする経費は一千百十六億円であります。
以上のとおりでございますので、何とぞ十分御審議くださいまして、すみやかに可決くださいますようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614816X00319640218/5
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006・光村甚助
○委員長(光村甚助君) 以上で、本案に対する提案理由の説明は終わりました。質疑は後日に譲ることといたします。
本日は、これにて敢会いたします。
午前十時四十三分散会
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