1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年三月三日(火曜日)
午前十時五十二分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 三木與吉郎君
理事
石原幹市郎君
下村 定君
伊藤 顕道君
鶴園 哲夫君
委員
源田 実君
塩見 俊二君
林田 正治君
千葉 信君
鬼木 勝利君
国務大臣
国 務 大 臣 福田 篤泰君
国 務 大 臣 山村新治郎君
政府委員
臨時行政調査会
事務局次長 井原 敏之君
行政管理庁行
政管理局長 石川 準吉君
防衛庁長官官房
長 三輪 良雄君
事務局側
常任委員会専門
員 伊藤 清君
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本日の会議に付した案件
○臨時行政調査会設置法の一部を改正
する法律案(内閣提出)
○防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を
改正する法律案(内閣送付、予備審
査)
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001・三木與吉郎
○委員長(三木與吉郎君) これより内閣委員会を開会いたします。
臨時行政調査会設置法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続きこれより質疑を行ないます。政府側より山村行政管理庁長官、井原臨時行政調査会事務局次長、石川行政管理局長が出席されております。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。鶴園君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/1
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002・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 私は、この臨時行政調査会につきまして三つ大きな問題があるように思います。その中のまず第一番目の問題についてお尋ねをいたしたいわけですが、それはこの臨時行政調査会が六カ月延長するという提案の趣旨ですね。私は、この臨時行政調査会というのは、長官も御承知のように、三年前の通常国会に出まして、そしてそれはいろいろ問題がありまして審議未了になったわけです。続いて次の臨時国会に出ましてさんざんもめまして、当時の川島長官も種々苦労され、非常に苦労されて、そして衆議院でも参議院でも附帯決議がついて、やっと成立した法案なわけですね。その法案を、日にちが足りないから六カ月延長するといって重ねて国会に出される。これは三年前の古傷がよみがえりまして、容易ならぬ問題を引き起こすだろうというふうに長官はお感じだろうと思うのです。しかも、いま臨時行政調査会は、各専門部会が最終報告を提出しまして、その専門部会の報告は、公務員の間にもいろいろ問題をかもしているわけです。そして、いよいよこれから答申をつくろうというこの重大な時期に、重ねて国会に出して、六カ月延長せいという論議を国会でやらせる。これは容易ならぬことだと私は思うのです。どういうふうにお感じなのか、それをまず長官に聞きたい。これは普通の法案と違うのです。しかも、この重要な段階に六カ月延長する。もう一ぺんこれは論議しなければなりませんですよ。しかも、いま出ているのですから、関心のある問題が全部ですよ。これは私は容易ならぬことだと思う。長官のまず気持ちを聞きたいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/2
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003・山村新治郎
○国務大臣(山村新治郎君) 三年前にいろいろと当委員会におきましてこの法案を御審議願いました経過につきましては、当時は、私は、そのいきさつを知りませんでしたが、その後いろいろと伺いまして、皆さまの御苦労に衷心から敬意を表する次第でございます。そのころいろいろといきさつのございましたのも、要するに、現在の行政機構に対するところの改善の熱意が与野党ともに非常に盛り上がっておられまして、いかにしてこれを具体化するかということについてのお気持ちから、いろいろないきさつがあったと私は拝察をしておる次第でございます。したがいまして、この臨調ができ上がりましてから、委員の方々におかれましては、この当委員会におけるところの経緯等にかんがみまして、十分その法案の趣旨並びに附帯決議の趣旨等を尊重されまして、おそらく各種の審議会におけるところの類例のないほどの熱心さをもって、各委員の方々は本問題に取り組まれてまいっておったと思うのでございます。ただ、その出発する当初におきまして、確かに最初に法案が流れたいきさつもございまして、大体七カ月ほど出発がおおくれております。これがまあ物理的な一つの、原因となりまして、いよいよ三月の最終段階になりまして、委員の方々はもとより、なるべく三月までにりっぱな答申を出そうと張り切っておられるのでございますが、取り組んでおられますうちに、問題があまりにも複雑であり、また、あまりも膨大な問題でございますために、かてて加えて当初の七カ月の物理的な発足のおくれたということが原因いたしまして、ここ最終段階になりまして、もう少し時間がほしいということに相なってまいった模様でございます。佐藤会長におかれましても、内々に、できればひとつもう三カ月か四カ月あればりっぱなものができ上がるつもりだが、という内々の任期の延長についての御相談もございましたので、その後政府といたしまして、いろいろな角度から検討いたしました結果、ぜひともこのりっぱな答申を期待する意味におきましては、委員会の御意思等もございますので、これは六カ月程度延長いたしまして、この間においてりっぱな答申をいただきたい、こういう気持ちのもとにこの法案を提出いたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/3
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004・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 いまの長官の答弁の中で、二つ私は問題があるように思うのですが、その一つは、この法案が何か与野党非常な熱意をもって、というようなお話のようですが、私先ほど申し上げたように、第一回に出されましたときには、これは三十六年の三月一日に法案が出たのです、通常国会にですね。それが審議未了になっておるわけなんです。この審議未了ということは、その審議する日数が足りなかったという簡単な問題じゃないわけですね。そして、あと次の臨時国会にまた出たわけですよ。その間、その臨時国会に出ましたときに、いろいろ問題があったわけなんですよ。これは熱意で一致というような、そういう抽象的な、また、簡単な問題じゃなかったわけです。いろいろな問題があったのです。そして結局しぼられたところが、ああいう衆議院でも、参議院でも附帯決議がついた。ですから簡単な問題じゃなかったわけです。しかも附帯決議が守られているか守られていないかという点については非常に疑義がある。それらは一応おくことといたしまして、長官のお感じになっているような、そういう行政機構なり行政制度を改革するということについてみんなが熱情を燃やしたというような問題ではないという点を私ははっきりしておいていただきたい。
もう一つ問題は、出発当時にあたって六カ月も七カ月もおくれたというお話なんですね。それが決して六カ月延長ずる理由にはならない。それはこの法案が成立しますときに、この委員会でその問題についてやかましく論議があったのです。これはこの委員会成立にあたりましてのこの委員会における論議ですけれども、これは横川正市委員が長官に質問しておるわけです。それはこういう調査会というのは、期間の延長がしばしば問題になる。それは非常に権威を失墜させる。こういう調査会の期間が延長になるというようなことは非常に権威を失墜するものだ。だからこの調査会については、これはどうしても三月三十一日、三十九年の三月三十一日には終わるのだ、こういうかたい決意をもって長官は当たらなければいけませんぞという質問をしているわけですよ。それに対して、この長官ははっきり答弁しているのですよ。これは少なくとも制定された期間に調査を完了するということをはっきり言っておるのです。三十九年三月三十一日までに調査を完了しまして、所期の目的を達成するというようにわれわれは努力いたします、新たに委員になられた各位にもこの趣旨をよく徹底いたしまして期限内にできるようにと、重ねて言っておるのです。また、この横川委員が、三年後になって私どもがまた期間を延長するというような審議はないようにしてくれということまで言ってあるのです。そういうことはしない。横川さんは、そういうことになると調査会の権威を失墜しますぞ。これだけやかましく言って、長官は、そんなことにはなりません、三十一日までに終わりますと言い切っておる。それを六カ月延長するということは一体どういうことなんです。いいかげんな運用をしたのじゃないかと私は思います。そう言わざるを得ないのです。なぜその後、長官の発足にあたってのこういうかたい決意が事実と反したのか、一体その責任はだれにあるのか、長官ですか、会長ですか、責任を聞きたいです。だれが一体この責任があるのか。これだけ言って成立したものを、調査会の権威を失墜するとまで言って回答を求めているのを、六カ月延長するということはだれの責任になるのか、責任をまず。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/4
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005・山村新治郎
○国務大臣(山村新治郎君) 先般の当委員会におきましての皆さま方の熱心なこの法案に対する御質疑の内容は私も承っております。横川委員の御質問に答えまして、前長官が、必ずこれを三月三十一日までに仕上げるという意味のかたい決意を申し述べられたことは、これは当時としてはおそらく川島長官におかれましても、かたい決意のもとに三月三十一日までの答申を期待しておったと思うのであります。また、発足をいたしました委員会の面々におかれましても、必ず三月三十一日までにこれを仕上げようという熱意のもとにこのお仕事に取り組まれてまいっておったと思うのでございます。先ほど申しましたように、おそらく各種の審議会、各種の委員会がございますが、この調査会ほど熱心にかつ真剣に、また、いずれも七人の委員の方々が各界におけるところの第一線級の人物であり、重要な御自分の本業の仕事について非常にお忙しい方々であったにもかかわりませず、一週間のうちに二日あるいは三日という日をさいてこの問題に取り組まれたということは、これは私は、相当に委員の方々も三月三十一日に仕上げよう、りっぱな答申を出そうという熱意のもとに最初からこれに取り組まれておったと私どもは思うのでございます。ただ問題は、あまりにも大きな行政機構の改善という大問題でございますので、調査をされておりますうちに、いろいろと間口も広がってまいりますし、奥行きも深まってまいった模様でございます。そのこと等が一体当初に申しました出発のおくれ等もからみ合いまして、現段階におきましては、どうしても三月三十一日までではほんとうに完全な答申を出すだけの時間的の余裕がないという見通しになったのじゃないかと思うのでございます。したがいまして、この問題についての責任がどこにあるのかという結論的な御質問でございまするが、これはもとより行管長官といたしましての私に責任がございます。しかし、その問におきますところのいろいろと大きな機構、大きな問題に対するところの真剣さとからみ合いますときに、ひとつその問の事情はございましたでございましょうが、何とか今回の六カ月延長につきましての御協力を懇請いたす次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/5
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006・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 これは川島さんの答弁は、行政管理庁長官がかわったって政府の方針であると、だからこれはだれがあと長官になろうとも三月三十一月までに終わりますと、こう言っておられるわけです。そうしてこれは第一回の三十七年の二月の十五日、第一回の臨時行政調査会の委員会が開かれて、その委員会の開かれた席上における川島管理庁長官のあいさつがあり、その中にもはっきり言っておられる。それからこの会議録を見ますと、佐藤会長も盛んに三月三十一日までに終わるのだということを言っておられるのですね。長官もそういうふうにお考えになっておられ、会長もそういうふうに考えておられる。それが現実問題としていま長官のおっしゃるように、六カ月延びなければならない。私は六カ月で足りるかなと思っているのですよ。まだ足りるのかなと思いますけれども、一応六カ月延長してくれということです。ですから、私は、長官の責任とおっしゃるけれども、これはやはり会長に責任があるのじゃないかと私は思う。会長は運用してきたわけですね、設置法に基づきましてですね。設置法という法律ができまして、それで調査会ができて、会長はその運営の総括責任者として出ているのですから、会長に私は責任があるのではないかと思うのですよ。この会議録を見ましても、行政管理庁長官がそういうような役割りを果たしているように見えないのですね。ですから、これはやはり私は会長に責任があるというふうに考えるわけです。ですから、いずれこの問題は理事会でも話をして、会長を呼んで会長の意見を聞いてみたいと私は思うのです。
それから次にお尋ねをいたしたいのですが、私はこの事務体制ですね、新しくできたこの臨時行政調査会の事務体制には、これははっきり手抜かりはなかったように思います。それは三月三十一日に出ましたときは、同時にこの法律の施行令の案が出ています。この案によるというと、専門委員というのが当初十五名置くことになっております。ところが、六カ月おくれて発足するので、この専門委員は二十一名になっている、大幅にふやしている。それから調査員も、三月一日にしたときに、当初案では五十名になっている、それが六カ月おくれて発足するからということで七十名になっている。ですから重要な役割りを果たす調査員、それから専門委員、いずれも大幅に人員をふやしている。体制としては、六カ月おくれたけれども、二年半でやれる、こういう体制をつくってあると思うのです。ですから調査会の事務体制としては抜かりはなかったと私は思うのです。その点はいかがですか、なかったと私は思うのです、これを見ると。とにかく当初案よりも大幅にふやしたのですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/6
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007・井原敏之
○政府委員(井原敏之君) 鶴園委員のおっしゃいますように、事務の体制としては、極力と申しますか、延長ということは実は一切考えておらなかったわけでございます、昨年の暮れごろまで。先ほど大臣からお答えいたしましたように、いよいよ最終段階になりまして重要事項の調整等でどうしても時間切れになる。若干ふえんになりますけれども、六カ月というのは非常に大事をとったあれでありまして、佐藤会長としてはまるまる九月まで答申を全部あたためておこうというようなのんびりした気持ちは、会長以下委員は一切持っておりません。いま部内的なスケジュールとしましては、四月中には大体全部各項目総合調整のとれた原案らしきものをつくろうじゃないかということで鋭意やっておるわけであります。あくまで六カ月の延長というのは、調査会が形の上でなくなってから答申を出すわけにまいりませんので、非常に大事をとった上でのお願いでございます。その点は、ひとつ重ねて事務の立場からとしても御了承いただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/7
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008・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 いま事務局次長の答弁がありましたように、私も、六カ月確かにおくれた、しかしながら、体制といたしましては三年のときよりも専門委員も調査員も大幅にふやし、二年六カ月くらいでやれるだけの陣容ははっきりあったというふうに思うのです。にかかわらずこれがおくれた。そのおくれた理由として説明の中にありますのは、調査審議が広範多岐にわたった、こういうような理由があげてある。私は二年半という期間、その期間については行政管理庁長官がこれだけ約束している、人員もはっきりしている、その能力を越えたことをやったんじゃないか。期間ははっきりしているのです、期間は厳重に守ると言っている、人員もはっきりしている、にもかかわらず、六カ月延ばしている。できなかったということは、これはやはり能力を越えたことをやったんじゃないかという私は感じを持つわけです。これはいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/8
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009・井原敏之
○政府委員(井原敏之君) 私から調査会を代表したお答えを申し上げることは僭越だと思いますが、事務の立場で見ておりましたところでお答えを申し上げたいと思いますけれども、まあいまの調査会、ことに七人委員会は、決してオールマイティーというわけではないわけであります。しかも先ほど来大臣も申し上げておりますように、行政の問題というのは非常に複雑で、困難で、関連が多いということは、調査が進めば進むほど実感として七人委員は受け取ったわけでございます。そこで確かに所定の期限内におくれたのは手張り過ぎたといいますか、欲ばり過ぎたのではないかとか、力以上のことをやろうとしたのではないかという仰せでございますが、あるいはまあそういう御批判もいただかざるを得ないかもしれません。私、七人委員会なり、調査会がむろん万能とも思っておりませんので、その点はおしかりはおしかりとしていただかなくちゃいかぬと思っておりますが、ただ繰り返して申し上げますことは、問題が非常に困難である、しかも一つの問題だけで、それだけをすかっと結論にして答えを出せばいいというものではございませんで、いろいろな問題に関連がしてくるわけでありまして、次第に取り上げ方も多岐にわたったということはこれは必然であったわけであります。特に三つの専門部会を設けまして、それぞれ大きな項目の分担をしたわけでありますが、この出てきましたものは必ずしも全部調子がそろって呼吸が合っているわけではないわけであります。これは委員会に上がりまして、その重要事項でそういう呼吸の合っていない点の調整等たくさんあるわけでございまして、これを、期限が迫れば迫るほど問題の重要さというものがどんどん出てきたわけでありまして、特に能力以上のことという仰せでありますけれども、あまり七人委員会としては問題を欲ばるものではないという感じは持っておると思います。したがって、専門部会の段階というのは、確かに問題をかなり広く、まあ言うなれば店を広げておりますけれども、七人委員会はやはり最重要なことにしぼって答申を出すということでありまして、そういう方向で検討が進められておるのでございますので、その点は部会段階の少し店を広げ過ぎたという御批判はあるかと思いますけれども、七人委員会の段階では十分これにしほりがかけられるように私は見ておるわけであります。ただ、非常に背伸びし過ぎたのではないかという御批判については、これは調査会としてもあるいはいただかなければならぬおしかりかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/9
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010・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 能力の限界を越えて、あるいは人員の配置、あるいは二年半という年限、そういうような中で、能力を越えて何もかにもやり過ぎてしまったというのがこれは一般の批判ですよ。行政管理庁がどういうふうに考えておられるか知りませんけれども、一般の批判です。その問題については別に触れますが、また、いま事務局長で答弁になった、確かに専門部会は広げたけれども、委員はこれをしぼるという、これは私は容易ならぬ発言だと思う。これはあとで問題にいたしたいと思うのです。何か委員会というものと、七人委員というものと、専門委員というものが、ここで切れたような印象を与えるということははなはだしくよくない、そういう運用をされるからおかしなことになると私は思うのです。ですからそれは別にしまして、私は、この調査会がこういうふうに六カ月延びたということは、やっぱりこの運営に欠陥があったというふうに思います。さらにやみくもに問題を広げてしまって機構改革といわれるもの、あるいは行政整理、あるいは行政運営といわれるものについては森羅万象あらゆるものを取り扱う、広げ過ぎている。これは運営の欠陥と両方相まっておると思うのですが、しかしながら、私はここで、本来臨時行政調査会というのが行政運営の体質改善をやるんだ、能率をはかるんだ、こういう趣旨でできておる調査会が六カ月も延ばしてくれと、これは調査会の権威を全く失墜するものですよ。体質改善をやって能率化しようというその趣旨のためにできた調査会が、自分自身が二年半でやらないで、六カ月延ばしてくれ、この醜態は一体何ですか。これは調査会の権威をはなはだしく失墜するものですよ。私は、この点について長官の意見も承りたいと思うし、会長の意見も承りたい。設置の趣旨にはなはだしく反しているのですよ。能率を向上するということが適当といって、何ですか、六カ月も延ばさないと間に合わぬという、そんなばかな調査会がありますか。長官の御意見を承りましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/10
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011・山村新治郎
○国務大臣(山村新治郎君) 鶴園委員のおしかりの点につきましては、行政管理庁長官として十分御意見を拝聴いたします。そしてこの六カ月の延長をしていただきますならば、この中におきましては必ず委員会からりっぱな答申が、むしろ六カ月ぎりぎりでなく、早目に出されることを私は期待します。当時七人委員会にむしろ行管としてあるいは最初から九月三十日までというふうにつけべきだったと思いますが、それをつけなかったことはむしろ私どもの責任でございます。しかし、実際問題といたしまして、いざ取り組んでみまするというと、なかなか大きな問題でございますので、物理的にはやむを得ない延長と考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/11
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012・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 いま長官がおっしゃるように、やむを得ないというお話でありますが、とても私はそういう理屈では納得できないわけです。ですからこれから逐次お伺いをしたいと思うのです。
先ほど私が申し上げたように、この臨時行政調査会が委員、専門委員、調査員そして参与、それに事務局、約百七、八十名の陣容で動いたわけです。この調査会の機能については私も非常に期待したわけです、行動力を持った調査会としてですね。日本のほかの調査会あるいは審議会とかわりまして、非常に機動力を持ち、行動力を持った調査会として非常に期待をした。しかもこれは御承知のとおりに、超党派であるというような委員会になっておるわけです。超党派としての委員会の運営のしかたいかん、さらに行動的な行動力を持ったもの、日本では非常に変わった調査会、この運営いかんということは私も非常に期待をした。したがって、これはこの運営が失敗したように私は思います。したがって、この問題については私も非常に関心を持っておりますから、運営の問題については別にまたやりたいと思いますが、私はここでやみくもに問題を広げてしまったという点について、若干お尋ねをしておきたいのですが、首都圏行政ですね、首都圏行政について特別部会を設けてやっておられるのですが、これは私はきわめて奇怪に思うのです。それは臨時行政調査会の第一回から第五回まで会議を開いて、その会議の要旨が出ております。その要旨を見てみますと、何も首都圏行政というようなものが論議されていない。ところが、突然十三回ですか、三十七年五月九日に行政管理庁の政務次官がこの調査会に出て長々と首都圏の整備行政について試案だといって一案、二案、三案といって説明しているんですよ。そのあと、会議録を見てみると、何か調子づいちゃって、首都圏をやれ、首都圏をやれということなんです。これは一体どういうことなんですかね。このために私は、こんなものはやる必要ないと思っておるのです、首都圏行政なんというものは。思うのですが、それはあとで触れますけれども、それはいずれにしてもようやく調査会が専門委員を委嘱して、それから調査員もはっきりきまって、そうして調査要綱もだんだんきまって、さてこれからというときに、ぽかっと首都圏行政が出てくるわけです。これで五カ月か六カ月は振り回されるわけです、委員会が。この会議録を見てみると、最初からこんな問題の多いところにこういう問題を……これは一体諮問したのですか。首都圏行政について諮問をしたのですか。どういう経緯でこれは出ておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/12
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013・井原敏之
○政府委員(井原敏之君) 首都圏行政を取り上げたいきさつでお答えを申し上げたいと思いますが、当初三つの専門部会をつくりまして、そのほかに特殊問題を別途に考えることがあるということは、すべり出しの当初からのこれは各委員の申し合わせであったわけであります。その段階で、首都圏をやるか何をやるかということはきまっておりませんでした。ただ、初めからそういう特殊な問題で重要なものもやることがあるということは七人委員としては了解済みであったわけであります。
それから具体的に首都圏を取り上げることに相なりましたのは、やはり委員の中に首都圏の問題——東京都が非常にたいへんなことになりつつある。特に交通、住宅等をはじめとしてたいへんな問題になりつつあるので、これは確かに行政の問題としては特殊な問題であるけれども、放置できぬという考え方が次第に七人委員の中にあったわけであります。そういう段階で、時の行管政務次官から首都圏についての考え方の説明を一ぺん聞いたということがあったと私も覚えておりますが、その後、前回の委員会でございましたか、伊藤委員のおっしゃいましたのに私お答えしたわけでありますけれども、東京都知事の諮問機関である都政調査会が東京都の問題について答申を出したわけであります。また、それと前後いたしまして、政府の地方制度調査会も首都圏小委員会が特に検討いたしまして、やはり首都圏の問題について行政改革の意見を出したわけであります。そこで、時の行政管理庁長官の川島大臣が、臨時行政調査会の佐藤会長と、都政調査会の会長でありました田中一郎さん、それから地方制度調査会の会長はちょっと失念いたしましたが、その方々を呼ばれまして、実は同じ東京都の問題について若干ニュアンスの違いのある答申が出たのでは、政府としてもいろいろとあとあと進めていくのにまずいので、臨時行政調査会あたりが中心になって一本の改革意見にしてくれたらたいへんけっこうだと、そういう意味のことを委員会に来て言われたわけであります。そういういきさつがございまして、当臨時行政調査会といたしましても、特殊問題であるけれども、非常に喫緊な改革を要する問題という認識で取り上げて、特にこれだけ切り離して先に答申をするというようないきさつになったわけでございます。私ども見ておりまして、その間に問題は三つの専門部会で調査審議が進んでおる最中でありましたので、委員会に——確かにこれは調整の問題としてずいぶん時間をかけておりますけれども、首都圏行政をやったから全体のペースが非常に乱されて、これに時間を食ってついには延長の問題にまでしりがきたんではないかということは、私ども中で見ておりましたところでは、大体ないように見ておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/13
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014・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 私がお尋ねをしたのは、これは諮問をしたのかと、政府が。で、調査会は、この調査会の現況というものをまとめてもらって、これを見てみますというと、首都圏の問題について、首都圏行政について緊急なものとして検討を要望されたというのが書いてある。諮問をしたとは書いてない。これは諮問したのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/14
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015・井原敏之
○政府委員(井原敏之君) 諮問という形では受けておらぬと思いますが、内容は諮問に相当するような政府からの要望であったというふうに調査会としては受け取りました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/15
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016・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 だからそういうあいまいな話をされてはかなわないのですよ。それで、この取りまとめによりますと、事務局で取りまとめてもらったこれですね。これによると、「答申」と出ていますね。首都行政について三十八年の八月十三日に答申したと、このうしろのほうにも答申したとなっている。これは諮問したのかどうか聞いている。諮問してないのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/16
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017・井原敏之
○政府委員(井原敏之君) この現況に「答申」と書きましたのは、総理大臣のところに改革意見を持っていった日付の意味で、八月十三日に持っていったという趣旨でございます。これは答申ということばは諮問に対するものでありまして、その点は的確でないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/17
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018・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 的確でないじゃなくて誤りですよ、「答申」と書いてあるのは。二カ所とも「答申」と書いてある。諮問したのか。答申と書いてあるのだから、これは諮問したと見なければならない。諮問はしてないのです。そういうあいまいなやり方を——諮問したのか諮問しないのか、答申なのか、意見を述べたのか、そこら辺あいまいな、いいかげんなこういうようなやり方ではお話にならないですね。その点は答申じゃないのですね、諮問をしたわけでもないのですから。
そこで、いまお話の中にどうしても問題が二つある。一つは、これは調査会の設立の趣旨というのは、行政運営と行政制度の基本的な事項を取り扱う、それを審議するんだ、こういう個別的なものよりは。やみくもに広げてはだめですよ、個別問題でしょう。いま次長もおっしゃった個別的なものをやろうということになったという話、そういうことをするからいけない。しかもいま次長もお話しのように、これは田中一郎さんを委員長にして、都政調査会も答申している、地方制度調査会も、これも答申している、首都圏の問題について。首都圏整備委員会という行政委員会もある。そこでやることになっている。そういうものに何ものこのこと政務次官が出て行ったり、何か乗っかっちゃって、諮問でもないのに、一番大切なときに。ですから言っているじゃないですか、調査会は一年間何もやらなかったようなものだと。一生懸命会議をやったけれども、何にもやらなかったようなもんだという話になるのですよ。その点、こういう設立の趣旨が、行政運営と行政制度の基本的事項を取り扱おうと言いながら、こういう個別的な問題に手を広げられたという点にですね、何か問題があるのじゃないか。あるいはこういう混乱した事情があるから、これに一発乗っかって調査会が何かフットライトを浴びようという野心があったんじゃないか。この調査会の会議録を見ると、どうもそういう印象ですね。そういう問題を調査会がやると脚光を浴びるし、新聞にも載るし、調査会に重みがつくだろうというような話になって、どうもいいかげんなものじゃないかという気が私はする。もう一つ、私がいま申し上げたなぜこういう個別的な問題を取り上げたということと、もう一つ緊急を要したという問題、これは臨時行政調査会が取り扱った、そうして答申を出したのは昨年の八月、緊急を要すると言いながら、政府は何も、いままでほったらかしだ。どこに緊急性がありますか。緊急性ないじやないですか。結論もほったらかしでしょう。答申は昨年の八月——意見でありますか——。緊急でも何でもないでしょう、この結論は。どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/18
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019・山村新治郎
○国務大臣(山村新治郎君) 去年の八月に、首都圏の問題の御意見を臨調から政府といたしましては受け取りましてから、さっそく行政改革本部をつくりましてこの問題に正面から取り組んで検討いたしております。したがって、政府といたしましては、早く、御意見を賜わりましたその趣旨を尊重いたしましてこの問題に取り組んでいる次第でございますので、ただ、現実の問題といたしまして、いろいろと政府部内におきましても意見が分かれておりまするために、またその結果が、政府としてこの答申にどうこたえるか、どういうような具体的な方策を、法律を出すかという結論が出ておりませんことはまことに申しわけない次第でございまするが、非常に真剣にこの問題については取り組んでおりますことは御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/19
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020・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 この答申が出まして、これは「答申」と書いてあるんですから、答申じゃないそうでありますが、意見の申し出があったというんですが、答申があってから、政府としては、どういうか、何とか本部というものをつくりまして、そうして昨年中に五回ぐらい会議を持っておられるけれども、本年になってから一回も開いておらないという話なんですが、どうも私は緊急なんかではないというふうに受け取れますし、また、本来の調査会の設立の趣旨、基本的事項というものからははずれた個別的なものへ入ったというふうに私は思うのです。
それはまあ別にいたしますが、次にこれはどうなんですか、科学技術行政というものに入ったですね。この科学技術行政というものは、これも会議録の五回まで、このときに運営方法なりあるいは調査方法なりを具体的にきめているですね。それが最初出てこないんです。科学技術行政というのは、これも個別的な問題ですよ。科学技術行政というこれは個別的な問題なんですね。なぜこういうものを取り上げるのか。それは総合調整として取上げるのはいいですよ。項目の中には入っているけれども、明らかにこれは個別ですよ。しかもこの科学技術行政については、本来こういうものを答申する機関は幾らもあるものですよ。それをこんなもの取り上げて、しかもこれだけの陣容で粗末過ぎるですよ。私は、科学技術行政というものについてはりっぱな答申をするところが幾らもあるのに、どういうわけでここで取り上げたか。それもやっぱり会議録を見ると、何か時事的な問題、何かフットライトを浴びるようなものをやろうじゃないかという論議になっておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/20
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021・井原敏之
○政府委員(井原敏之君) 科学技術行政を取り上げましたのは、首都圏のときのような政府側からの申し入れというようなものがあったわけではございません。ただ、これは第一専門部会の第一班、内閣総理府の総合調整機能の問題を検討しておる部会がございますが、これの答申の中にやはり総理府本府並びにその外局等のあり方について検討したわけでございまして、部会報告に出ておるわけでございます。それが委員会にも報告されたわけでございますが、七人委員会としまして首都圏を取り上げましたのとはニュアンスが違いますし、これはやはり重要な問題として、特殊問題というおしかりがございますけれども、しかし、これは非常に重要なので、これはもう少し専門部会の総理府の外局のあり方というようなところで軽く触れるだけでは不十分である、また、それだけの価値があるということに七人委員会としてもなりまして、別個にやっぱりまとめて、もう少し掘り下げた意見にしようということになったわけでございます。いきさつはそういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/21
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022・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 いきさつはわかりますが、しかしながら、これが特殊問題であることは明らかだし、設立の趣旨からいって、これはどうもこういうものを論議されるのはおかしいし、さらにこういう科学技術行政についてはこれを審議する審議会というのがある。だから特に臨時行政調査会がこういう個別的な問題を取り上げるというのはどうも趣旨がはっきりしない。この中の論議でやっぱり脚光を浴びるようなものをやろう。しかしながら、もうそういうものは幾らも出ているのですよ。科学技術行政についてはまたりっぱな委員会があるでしょう、科学技術行政については。ですからこういう問題に触れて、しかもこれはこの中では重要な地位を占めているのです、いまの調査会の中にはですね。もう、一つの部門を構成している。こういうことをやるからどうにもこうにもならないのだが、ただ次長に伺っておきますが、これをきめたいきさつは、何回の委員会に出ておるのですか。それはあとでいいのですが、これを議題にして調査するというのは何回の委員会でやったのか、それをひとつあとで承りたいと思います。
次は公務員制度。この公務員制度は問題にしないということじゃなかったのですか。ところが、この公務員制度の全般にわたって出しちゃったのです、調査会は。この第一章の人事管理体制の強化、人事管理体制の適性化、公務能率の増進、定員化確立から始まって、給与から服務、勤務評定、研修、表彰、職階制採用、定年制、これは公務員制度のほとんど全般にわたっていますよ。だから公務員制度はこれは取り上げないということになっていたんだ。会議録が必要であればここで読み上げますよ。川島長官も、当時の政府委員であった山口さんも口をすっぱくして言っていられた、これは取り上げないのだと、これは臨時行政調査会の目的外だと。それでは納得しないと思って、三カ年という期間ではとうていそういうものには及びませんということも言っているのですよ。職階制とか給与ということはやりませんということも言っている。それにまた念を入れて、公務員制度には別に調査会があって、答申も出ているから、二重になるようなことはしませんと、こう言っているのです。また、それだけでは足らぬので、また別のところでは、公務員制度というものは、行政管理庁の所管外だ、臨時行政調査会というのは総理府に設けられるけれども、実際は行政管理庁の所管になるのだ、公務員制度というものは、行政管理庁の所管外だから、こういうものを取り扱うはずはありませんじゃないか、至るところにこう出ておる。しかも、衆議院、参議院の内閣委員会で論議になった一つの焦点はこれなんですよ。公務員制度を取り扱うか、取り扱わないかという問題だった。ところが、これだけでも調査会手一ぱいなところに、これ一つだけだって調査会みたいなものが要ります。公務員制度自体だけで。それを公務員制度全般にわたって取り扱うというに至っちゃ、何をやっておったかと私は思う。それは行政制度なりあるいは行政運営に触れる点の範囲内で、幾らかそれは中に入っていくということは否定できないと思います。しかしながら、ここまで広がってしまったら、これは何をかいわんや、公務員制度全般にわたってやっておられる。それで、事務局次長は、それをぐっとしぼろう、委員会でしぼるだろうということをお話しになるけれども、それじゃ委員会の責任になる。委員会がやらしたのでしょう。だから専門部会は、こんなものを広げたのでしょう、これをやった経緯はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/22
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023・井原敏之
○政府委員(井原敏之君) 臨時行政調査会設置法案を御審議いただく段階で、いろいろと公務員制度の問題に触れるか触れぬかというような論議があったことは、私どもも速記録で見ております。確かに臨調がおそらく行政の運営改善を中心に考えるということが出発点であったことは間違いないわけでありますけれども、しかし、運営の問題は、やはり制度あるいは機構組織の問題にもなりますし、特に、運用にあたってこれは人間の問題に及ばざるを得ないわけであります。この法案が審議されました委員会で、運営が中心であるから、公務員制度全般にまではなかなか手が及ばぬだろうというようなことをたしか政府委員がお答えをしておると思いますけれども、あとで、しかし改革に関連する問題では全然ノータッチというわけにはいかぬということは、念のためにお答えはあとでしていると思いますが、そういうことでありまして、はなから公務員制度は調査会の審議の対象外であるというふうには調査会側としても受け取っておらないわけであります。しかし、そうはいうものの、公務員制度調査会からの答申も出て間もなくでもございますし、確かにおっしゃるとおりに、これだけでも大調査会が要るような中身でございますので、そうは言いましても、委員会としましては、運営なり、行政改革の問題に関連する面で、特に能率の増進、それから公務員のモラルの高揚といいますか、士気の高揚といいますか、そういう面からすれば、行政改革でこれを除外しては問題の解決がないということから、やはりこれは触れるのだということで、専門部会に事項を割りつけましたときから、公務員の問題は人事管理なり、能率増進なり、あるいはモラルの問題等に関連して、やはりこれは論議して、改革意見は出すべきだということで、そういうねらいで部会に問題を預けたわけでございます。しかし、それを受け取りました部会のほうといたしましては、人事管理なり、能率増進を中心としましても、それが給与の問題にもなりますし、職階の問題にもなりますし、いろいろの問題になりますので、確かに部会報告は、その点では手を広げておるという印象はおありかと思いますけれども、これは部会という段階である程度やむを得ない。一つのことだけでというわけにいかない、非常に関連の多い問題でございます。したがって、附帯決議の線は十分に尊重しながらも、一応は人事管理なり、能率向上なり、士気の高揚なりということを中心にして、調査結果をまとめた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/23
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024・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 そういう答弁ははなはだしく事実を曲げるものですね。私は先ほど簡単に言ったから、いいかげんな答弁なさったのかもしれぬけれども、これはちゃんと会議録に出ておるんですよ。これはまた一番問題になっておる、一つの焦点になったんですから、おかしいですよ、そういう言い方をするのは。これはこういう答弁をしていますよ。「公務員制度に関しては総理府に公務員制度調査室というものを設けて、そこで切り離してやっておるわけです。私どもの方の所管といたしましては、公務員制度の問題は取り扱っておりません。」だから私はやらない、公務員制度のことはやらないというのは牽強付会の議論じゃありませんということを言っている、答弁しているんですよ。これはみな引っぱってみてもいいですよ、それは。おかしなことを言うですな。
ここでもはっきり言っている。「公務員関係の職階の問題であるとか、あるいは待遇の問題であるとか、そういういわゆる公務員の人にくっついた制度というものがある。そういうものは事実上今度の三カ年間の委員会ではとうてい触れられない。」と言っている。また、公務員制度の場合は政府は別に調査会をつくってやったのです。ですから二重になるようなことはしないということを言っている。または国務大臣は、これはこの調査会の趣旨というのはこれは行政の総合調整の問題と責任体制を明確にする問題、二つを期待しているのであって、公務員のことを調査してもらうわけではい、こう言った。だからはっきりしているですよ。しかもこの会議録を見ますと——おたくで出している会議録だ、委員会のこの会議録三十七年三月七日第四回のときに、この調査要綱を出したらどういうことをやるかというと、その中には長官自身が公務員制度全般を、広げたものを出している。答弁はこういうことをしておいて、そうして調査要綱が、行管自身が公務員制度全体に広げた案を出している。しかも、その説明がおかしい。説明はこう言っているんですよ。これは事務局長御丁寧にこういうことを言っている。公務員制度に触れてはいけないという附帯決議がございますので、名前だけは公務員制度としませんで、能率を上げるというようなことにいたしました。中はしかしながら、公務員制度全般に及ぼすというような言い方をしておいて、三年後にもう一回審議してもらうというようなことがあるというふうに思わぬものだからこういうむちゃなことを言っている。とんでもない、それは。ちゃんと言っている、自分でも。附帯決議がございますので、公務員の能率ということにいたしました、内容はそうじゃない、というような言い方をしている。内容はそうじゃないですよ、出ているのは。公務員制度全般ですよ。ですから、これもやはり衆議院の附帯決議にもはっきりしておりますように、この委員会における審議というものを尊重して運営してもらいたいんだという附帯決議がついている。それが、こうなってみると、自分みずからが、これは附帯決議もあるけれども、実は出したというような言い方じゃ、これは通りませんですよ。だから、公務員制度まで広げてしまう、これだけでもりっぱな委員会ですよ、調査会をつくらなければいけない。首都圏行政をやる、科学行政をやる、まだありますよ。広域行政まで手を広げちゃった。広域行政というのはその後に出てきたから、またこれを取りまとめてやろうというんでしょう。そんなことをしたら調査会が二年間にやれるというふうに考えること自体がおかしい。私はこの公務員制度の問題を取り扱ったことについてもう一ぺんはっきりした回答をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/24
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025・井原敏之
○政府委員(井原敏之君) 公務員制度一切触れないという御趣旨のようには附帯決議を理解していないわけなんです。附帯決議で特に申されておりますことは、人員整理を意図しない、公務員の身分の変更をやらないということのように調査会としては承知しておるわけであります。それは附帯決議に明らかなごとく、そういうことは考えておらぬわけでありまして、ただ国会答弁の中で、いま、前のいろいろ御引用になりましたけれども、最終的には公務員制度には全然ノータッチという言い方では非常に自繩自縛になるという御注意までいただいて、ちょっとその点は政府委員がたしか申し直しておるというふうに私は——これはあとで明らかにしてよろしゅうございますけれども、いま手もとに持っておりませんが、そういうことでございまして、趣旨は要するに行政改革を考える場合に、公務員問題にノータッチでは考えられぬということは、これは七人委員会の一致の考え方で初めからそういう考え方です。したがって、人員整理問題を意図しあるいは公務員の既権益を損するというようなことは答申で考えないということは、部内の決議でもしておるわけでありますけれども、公務員問題には及ばぬというのが約束だったというふうには、そう手広くは考えていないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/25
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026・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 私も公務員制度に触れないわけにはいかない、それは思います。しかしながら、公務員制度全般にわたるのはどうかと言っておるわけですよ。それは全然ノータッチというわけにいきませんよ。しかしながら、ここへ出ておるものは定年制から職階制から給与からこれは公務員制度の全般ですよ。
それからいま事務次長は妙なことをおっしゃったのだが、第五回の会議要旨三十七年三月十四日のこの三一ページを見てごらんなさい。事務局長はこう言っておる「公務員制度にふれてはいけないという国会の附帯決議があったのでこういう表題にした。」と、こう言っておるのですよ。表題というのは公務員の能率の問題としてあるのですよ。表題はこうでも中身は公務員制度全般にわたっておりますということですよ。中身は全部そうだもの、現に全般にわたって表彰制度から、研修から待遇からみなですよ。だから私はこういう運営のしかたは根本的にもうだらしがないのですね。この調査会というのは、これはもう一ぺん答弁してください。いいかげんな答弁じゃいけませんよ。この問題は私は証拠をあげて言っておるのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/26
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027・井原敏之
○政府委員(井原敏之君) 第五回とおっしゃいましたが、いま速記録を持ってきておりませんが、あの当時は速記録をとらず発言要旨でやったと思いますが、そのときの事務局長が説明いたしましたことをいま引用なさいましたが、公務員制度に触れてはならないという国会の附帯決議もあり、ということは、これは誤りでございます。私に言わせれば、公務員制度に触れるなという附帯決議があったようには私どもは理解しておらぬわけでありまして、先ほども申し上げましたように、人員整理を意図しない、あるいは公務員の自分の変更をしない、これは非常にはっきりしておるわけでありますが、公務員の問題、そういうふうに非常にこう何といいますか、さびしい制約、それ以外の制約があるようには受け取っておらぬわけでありまして、したがって、そのやることが、あるいはこれは公務員の制度の問題じゃないかとおっしゃるようないろいろ調査結果もあるかと思いますけれども、公務員制度にはノータッチというふうには実は調査会は考えておらぬ、だれも考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/27
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028・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 いやぼくは附帯決議を承知しておりますよ。附帯決議はどういうものかということは。しかしながら、事務局長のこのだらしのなさはどうですか。それを言っておるのです。誤解しちゃ困りますよ。附帯決議は私は頭に入っていますよ、自分でつけたのだから。事務局長のだらしなさ、公務員制度に触れてはいけないという附帯決議がついておるからという、こういうことを事務局長が委員会に出て発言するということ自体おかしいじゃないですか。しかもそれを今度は次長がそれは誤りでございますという訂正なんだ。一体どういう意味ですか。これは局長の発言を次長が取り消して、間違いでございます——しかもこれはおたくで発行しておるのですよ。私がつくったものじゃないですよ。しかも私が言っておるのは、会議録をあげて言っておるのだから、会議録の中は行政制度には、公務員制度には、こうこうこういうことでやりません。ただそれは触れなければならぬ面もありますという言い方もしておりますよ。それがそうでしょう。全然ノータッチというわけにはいきませんよ。それは認めておるのですよ。誤解のないようにしてください。しかしながら、全部にわたっておるじゃないですかと言っておるのですよ。公務員制度に触れてはいけないと言っておるのではないが、全部が出ているではないですか。定年制から職階制から給与からそれから表彰制度から研修から、もうこれは公務員制度全般ですよ。そういうあいまいなことをするから何ぼ日にちがあっても足らぬのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/28
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029・山村新治郎
○国務大臣(山村新治郎君) ただいまの御指摘の問題につきましては、特に第五回の臨調の事務局長としての発言が問題になったようでございますが、いま事務当局に聞いてみますというと、当時は速記はたぶんつけてなかったのじゃないかということを聞いております。したがいまして、その趣旨の発言がまずかったか、あるいはその発言の書き方が適当でなかったか、どちらかであったような気がいたします。もとよりその処理につきましては、私は責任を持ちますけれども……。したがいまして、鶴園委員が御指摘のように、やはりこれだけの問題と取り組むにあたりましては、公務員問題には触れないわけにはまいりませんが、しかし、附帯決議にございますところの人員の整理並びに公務員の身分の変更の問題について絶対に触れないという趣旨につきましては徹底しておったと思うのでございますので、したがいまして、その間の問題につきましてのことばのあやにつきましては御容赦を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/29
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030・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 それば長官聞こえませんよ。ことばのあやであるとか、それから速記をつけていないというようなことは、これは承知できませんですよ。この中を見ますと、速記中止という条項があります。採用制度を審議するときには速記を中止しておりますよ。だから速記をつけておったと見なければならぬ。しかもこれは要旨ですよ、出ているところは。こんなおかしなものを出しては困りますよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/30
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031・山村新治郎
○国務大臣(山村新治郎君) 後段の会議におきましては速記が入りまして、速記中止等のこともあったと思いますが、第五回のころには速記はなかったのじゃないかということを事務当局から承知をいたした次第でございます。そういう次第でございますから、おそらく当時の事務局長が、この法案の趣旨を曲げた発言をするはずはございませんので、何かの間違いであると私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/31
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032・井原敏之
○政府委員(井原敏之君) 速記を何回目からつけましたかということはいまちょっと忘れておりますけれども、いま鶴園委員の御指摘になったころは、係員が要点筆記をやっておったのでございます。そこで確かにそれは要点筆記に誤りがあるということじゃなしに、公務員制度には触れるなというようなちょっと間違ったことを言ったと思いますが、真意のありますところは、先ほど申し上げましたように、また、調査会一同が理解しておりますように、首切りはやらないのだ、目的としないのだ、身分の変更はやらないのだということが中心でございます。それから公務員制度全体にやっておるじゃないかということでありますが、実はあの部会の報告も、実質は現在の公務員制度は原則として否定しておるわけでもなんでもないわけでございます。国公法の考え方自身も原則としては了承というか、制度としてはいい。ただそれについていろいろ運営にいまだしの点、まずい点があるということをほとんど申しておるわけでございまして、制度論の改正ということを部会といえどもやっておるわけじゃございません。確かにこれでは森羅万象ではないかということになりますと、そういう面があるかと思いますけれども、しかし、あれでも私は重要な問題で、何もかも公務員関係の問題を網羅しておるとは思わないのでございます。制度論をやっておるじゃないかとおっしゃいますことは、現在の公務員制度の運用から論議しておるわけでございまして、しかし、国家公務員法のたてまえは、部会といえども原則としては了承して、これはいい制度だ、しかし、運用の面でいろいろいまだしがあるということをいろいろと調査審議して、部会報告をまとめておると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/32
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033・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 この問題は、私は先ほど言っておるように、公務員制度にノータッチでいいということは言っていない。それは行政運営、行政組織の根本的の事項を審議する場合に、それが関連して出てくることは認める。しかしながら、この委員会における一つの焦点であったわけです。ですから事務局長は、あるいは附帯決議がついたというふうに誤解をしたかもしれぬ。それほどこれは論議になっておるわけであります。それが公務員制度の、ほとんど全般にわたったということについては、これはいけない。そういうことでは幾ら日があっても足りないじゃないかということを言っておる。もう一つつけ加えまして、広域行政の問題も触れますが、公団、公社、事業団、これですね。これまで広げちゃった。これはむちゃな話ですね。公団、公社は百幾つあるのですよ。どうなさるおつもりですか。それも委員のほうからこういう発言がある。会議録の第五回を見まするというと、事務局のほうは公共事業だけにしたいというわけですよ。これ以上広げたんじゃとてもやり切れぬとこういう。ところが、委員の連中は、いや、公社もやれ、公庫もやれというような調子なんですね。そのうち、こんなに広げてはどうにもなりませんと事務局長は言っても——二年という期間では公共企業体までだ、それ以外は触れませんと言っておるにかかわらず、公庫、事業団まで入っちゃった。このだらしなさはどうですか。こんなことをするから幾ら日があったって足りません。しかもはっきり言っておるのです。公共企業体、公団、公社等については別な審議会があって、りっぱな答申も出ておる。それで十分ではないかという話までしておる。それを公団から公庫まで広げてしまってですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/33
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034・井原敏之
○政府委員(井原敏之君) 公社、公団、事業団等のあり方、あるいは設置の基準の問題、その他、政府の統制の限界といいますか、そういう問題、これは大きな問題でございまして、仰せのごとく、すでにまあそういうものについて公共企業体等合理化審議会の答申等もございます、ほとんど実現しておりませんが。従来とも問題はあったわけでございますが、調査会といたしましては、第二専門部会が行政事務の再配分、行政というものの守備範囲と申しますか、そういうことから公社、公団、事業団というようなものの性格なり設立の基準なりあり方というようなものはこれはぜひ問題にしなければ、これは先ほど御指摘の科学技術や首都圏と違いまして、特殊問題というわけにまいりません。非常に重要な問題、しかも独立採算をたてまえとしておるのに非常に政府の規制が強いとかいろいろな問題がすでにあるわけでありまして、また、せっかくそういうもので本来の行政から切り離して別のものをつくってありながら、その趣旨が必ずしも達成されていないとか、いろいろな問題がありますので、これはやはり行政事務の再配分、あるいは行政というものはどこまで出ていけばいいものかというような論議を中心にしております第二専門部会としては、当然問題にせざるを得ないというようないきさつもございまして取り上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/34
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035・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 事務局次長は、何か都合のいいような答弁をするのだけれども、そうではないでしょう。たとえば国鉄は民営に移しなさい、国有林野事業は民営に移しなさいとかいうのをみんな出しちゃったでしょう。それは中間報告に出ているでしょう。だから、いまおっしゃったような範囲のものならいいんですよ。ところが、そういうものはすでにこの合理化審議会に出ておるじゃないですか。おたくの事務局長が言っているんですよ。出ておる。それで間に合っているのだ。そうしてあと二年という年月では公共企業体までです。公庫とかなんとかいっても入りませんという言い方をしておって、ずるずる入ってしまった。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/35
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036・井原敏之
○政府委員(井原敏之君) 公共企業体等合理化審議会は、私の承知しておりますところでは三公社だけについていうておると思います。臨時行政調査会は、公団、公庫、事業団というような、いわゆる政府関係機関といいますか、その他、そういう種類のものまで考えようとして一応問題にしたわけでございます。また、他の専門部会で、国鉄なり若干のこのたぐいのものを民営に切り離したらというような報告を確かに出しておりますけれども、あれは部会の段階のそういうことでありまして、いま七人の委員が手分けをしてこの問題を検討しておる段階では、私は先ほども申し上げましたような観点でやっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/36
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037・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 次長は中間報告見てないんじゃないですか。だから、これはやはり臨時行政調査会事務局としては、四回までそういう案を出してないのですよ。ところが、こういう論議になってやみくもに広がったのですが、いずれにいたしましても、私はいま若干伺ったのですが、首都圏行政の問題、公務員制度の問題、科学技術行政の問題、公団、公社の問題、それから広域行政の問題、いずれもどうもいままでの論議の中から私が判断するのは、これはやみくもに問題を広げ過ぎちまったということですね。続いて運営の中に少し入っていきましょう。
参与制度について聞きたいのですが、この問題。また御丁寧に会議録を見ると、この参与制度というのを出しているのですね、事務局が調査会に。この参与制度というのは、大蔵省に予算を出すときに大蔵省に削られた、予算はないと。しかしながら、参与制度というものをつくる、こういう説明をしているのです。だから、設置法の中には参与制度出てこないのですよ。われわれのところへ出ているところの設置法の設立のときの予算の中にもこの参与制度というのは出てこないです。大蔵省は切ったと説明している、ちゃんと会議録の中で。だが、参与制度を設ける、こういうのです。そうして約四十名の参予制度を設けた、それに対しまして川島管理庁長官が、そのために金が要るならば予備費から幾らでも出す、こういう会議録。私はこの会議録を見て実におもしろく思ったんです。野党がいないと思ってかどうか知らぬけれども、好きなことを言っているのですね、実に好きなこと言っているんだ。川島長官はその参与制度のためには金が要るなら予備費の中から幾らでも出すと書いてある。一体どういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/37
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038・井原敏之
○政府委員(井原敏之君) 参与制度とおっしゃいますと、いかにも立法事項できまっておるような印象でございますが、これは調査会はいろんな人の協力を得られるように設置法でも認められておるわけであります。したがって、行政に関係のあるいろいろな人からいろんな話を聞いております。特に前回も御報告いたしましたように、特に調査会の姿勢としては各界の意見を聞く、役所だけの片聞きでは問題を考えないということを、特に調査会の姿勢としておるわけでございます。そういうことでありまして、参与というのは部内の私どもの呼称でありまして、実は不特定多数のいろいろの人から入れかわり立ちかわり意見をいただいておるわけでありまして、それを特にあらかじめお願いをして、あなた方には特にときどき御迷惑をかけるが、この部会報告について印象を言うてくれとか、こういう問題についてはいかがですかというようなことをかねて聞く人をプールするといいますか、そういう調査会としての配慮から、四十名ばかりの人にかねてお願いをしておるわけであります。しかし、参与というのは先ほど申し上げましたように、私ども部内でそう呼んでおるだけでございまして、何といいますか、諸謝金というようなもので、出てきていただいて調査審議に意見を出していただくというような場合には、心ばかりの日当を出しておるというような運営をやっておるわけでありまして、これは行政改革である以上は、冒頭にお断わりしましたように、とても七人の委員だけでどうにもなるような簡単な問題ではありません。幾ら人の話を聞いても足らぬぐらいに広がりの大きい複雑な問題でありますので、こういうことでいろんな各界からの人のお話を承ろうという趣旨でございます。御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/38
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039・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 趣旨はわかるんですよ。しかしながら、この法案は何も説明がない。そうして大蔵省で予算を出して、削られたというのですね、事務局次長の説明になっている。資料四十二号として参与制度の設置についてという議題で出しています。事務局次長は説明しておる。予算折衝のときに削られたけれども、参与制度というものをつくりたい。御念がいっているんです、これは。そうして何かプールだというお話。話にならぬですね。行政管理庁のまた行政管理庁が要りますよ、これは。行政管理庁自身がこんなことをやったんでは話にならないですよ。意見を聞きたかったらどんどん呼んだらいいじゃないですか、参与制度というものを置かなくたって。われわれへの説明のときにはそんな制度は聞いていない。出ていないんです。それは専門委員と調査員と同じ人じゃないですか。いずれも非常勤なんです。これは参与制度ですよ。部内でどういうふうにおっしゃろうと参与制度。ちゃんと出しておる。参与制度設置のことについてといって、資料四十二号というのを出しております。りっぱなものを出しております。しかも川島長官は、金が要るならなんぼでも出すというような調子で、何をやっているのかと私は思うんですがね。それは、ですから趣旨はわかりますが、私は行政管理庁ともあろうものがこんなことをしては困るというふうに思うんです。聞きたければ意見はどんどん聞いたらいい、制度を設けなくたって。それだけではなくて、この参与というのは専門委員と同じような働きをしておる。これは一体どういうわけです。私のまとめてもらったものの現況という中の一二ページ、「専門委員」等となって、専門委員の中に参与が七、八人入っておる。だからこの参与という人は専門委員と同じような働きをしている。こんなばかなことをしてはだめですよ。どういう神経なのか、えてかってなことをやっておるんじゃないかという気がするんです。専門委員と同じ囲いの中に入っておる。この参与というのは、聞くと、専門委員と同じ働きをしておるそうです。専門委員と同じような働きをしておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/39
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040・井原敏之
○政府委員(井原敏之君) 話を聞きたければ、幾らでも呼んで聞けばいいじゃないかとおっしゃいましたが、そういうものです。参与というものはそういうものでございます。ただここに書いておりますのは、若干の人は少し頻度が高いわけでありまして、その人たちにはこういうふうに——だからそういうおしかりがあるなんということを考えるんでしたら、そこに第一書きません。私ども一向にやましいとは思っておらぬわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/40
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041・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 それはそこまでこまかく言うだろうと思わなかったでしょう、事務局次長。しかし、私はこの運営が非常に問題だと思っておるからこまかく見たんです。これからずっと突っ込みますよ、この運営を。この参与が何をしておるのか。あなた方、何かのときに聞くんだと言うけれども、ここでは専門委員と同じ役割りを果たしておる。この参与というものは頻度が商いなんて、専門委員自身が週に二回ぐらいしか来ない。大体頻度が高いというが、専門委員と同じです。だから専門委員のところに載せておる。正直なんです。しかし、こういう運営では私は調査会というものは第一信用ならないように思うんですが、あとこまかい問題、また運営の問題についてはあとでもっと根本的にやります。きょうはこれだけ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/41
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042・千葉信
○千葉信君 きょうの質疑応答を聞いて、私はどうも、答弁のほうが納得できないような答弁がずいぶん多過ぎるまま委員会が進行しておると思うのですが、たとえば臨時行政調査会の事務局から出てきている資料、これを根拠にして聞いているのに、その資料とは違った答弁がしばしば行なわれている。おまけにいまの参与に関する答弁のごときは、まさに質問者を愚弄していると思う。もう少し答弁するほうで用意を十分整えて、少なくともその調査会の事務局から出てきた資料と食い違うような答弁を行なわないように、次回まで慎重に私は研究してきて出てきてもらいたいと思うんです。そうでないと、委員会の質疑は混乱するばかりですから、委員長からもひとつそのように答弁するように注意をうながしておいてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/42
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043・山村新治郎
○国務大臣(山村新治郎君) ただいまの千葉委員の御指摘の点は、十分私ども今後努力いたしまして、おしかりをこうむらないように善処するつもりでございます。ただ一つ御了解いただきたい点は、決して委員会を尊重しない意味でお話を申し上げたのでなく、むしろ正直にありのまま出したわけで、悪意のない点は御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/43
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044・三木與吉郎
○委員長(三木與吉郎君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/44
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045・三木與吉郎
○委員長(三木與吉郎君) 速記をつけて。
他に御質疑ございませんか。——別に御発言もなければ、本案の質疑は、本日はこの程度でとどめます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/45
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046・三木與吉郎
○委員長(三木與吉郎君) 次に、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。防衛庁長官福田篤泰君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/46
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047・福田篤泰
○国務大臣(福田篤泰君) 今回提出いたしました防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案の提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
まず、防衛庁設置法の一部改正について御説明いたします。
第一に、第二次防衛力整備計画にのっとり、防衛力の内容充実につとめることとし、従来の定員を改め、防衛庁本庁の職員を二千九百三十二人増加することとしております。その二千九百三十二人のうち二千百七十一人は自衛官であり、残りの七百六十一人が自衛官以外の職員であります。
自衛官の増加は、海上自衛隊及び航空自衛隊並びに統合幕僚会議事務局及び統合幕僚学校の自衛官でありまして、海上自衛隊における増員は千六百七十二人で、艦艇の増強及び航空部隊の整備等のために充てるものであり、航空自衛隊の増員は四百九十六人で、飛行部隊等の新編並びに既設の部隊及び機関の改廃を行なうにあたって必要となる人員であります。
自衛官以外の職員の増員と七百六十一人は、内部部局、附属機関、陸上自衛隊及び海上自衛隊等の要員であります。
第二に、従来大蔵省で行なっておりました日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定第七条第二項に基づくアメリカ合衆国政府に対する円資金の提供の事務は、事務処理の便宜上防衛庁の所掌事務に改めることとし、この事務を防衛施設庁に行なわせることとしております。
次に、自衛隊法の一部改正について御説明いたします。
第一に、航空自衛隊の整備に伴い第八航空団を新編するとともに、航空団の任務遂行の円滑を期するため、航空団に飛行群を新編することとしております。
第二に、政府が近く再開することに予定している南極地域における科学的調査について自衛隊は輸送その他の協力を行なうこととしております。
第三に、自衛隊の予備勢力確保のため予備自衛官五千人の増員を行なうとともに、予備自衛官に予備自衛官としての矜持と自覚を保持させるため、予備自衛官の呼称及び制服の着用等についての規定を整備することとしております。
第四に、友好国との親善関係の増進に寄与するため、自衛隊の学校において委託を受けて外国人の教育訓練を実施することができることとしております。
第五に、第十師団司令部の所在地名を町村合併に伴い守山市から名古屋市に変更することとしております。
第六に、飛行教育集団司令部の所在地を、その任務の円滑な遂行をはかるため宇都宮市から浜松市に移転することとしております。
以上、法律案の提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げましたが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/47
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048・三木與吉郎
○委員長(三木與吉郎君) 本案の自後の審査は、都合により後日に譲ります。
速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/48
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049・三木與吉郎
○委員長(三木與吉郎君) 速記をつけてください。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時三十二分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01119640303/49
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