1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年三月五日(木曜日)
午前十一時開会
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委員の異動
三月五日
辞任 補欠選任
古池 信三君 野上 進君
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出席者は左のとおり。
委員長 三木與吉郎君
理事
石原幹市郎君
下村 定君
鶴園 哲夫君
委員
小柳 牧衞君
塩見 俊二君
重政 庸徳君
野上 進君
林田 正治君
村山 道雄君
千葉 信君
山本伊三郎君
鬼木 勝利君
向井 長年君
国務大臣
国 務 大 臣 山村新治郎君
政府委員
臨時行政調査
会事務局次長 井原 敏之君
行政管理庁行
政管理局長 石川 準吉君
事務局側
常任委員会専門
員 伊藤 清君
説明員
臨時行政調査会
会長 佐藤喜一郎君
臨時行政調査会
事務局長 山口 酉君
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本日の会議に付した案件
○臨時行政調査会設置法の一部を改正
する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/0
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001・三木與吉郎
○委員長(三木與吉郎君) これより内閣委員会を開会いたします。
臨時行政調査会設置法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続きこれより質疑を行ないます。
政府側より山村行政管理庁長官、井原臨時行政調査会事務局次長、石川行政管理局長が出席されております。なお、佐藤臨時行政調査会会長も出席されております。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。鶴園君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/1
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002・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 きょうは佐藤会長にお尋ねをいたしたいと、こういうわけで御足労をいただいたのでります。私が前に申し上げたいのは、三十六年の十一月にこの調査会が設置されましてから二年余、調査会が会長はじめ非常に熱心に努力をされておること、そのことにつきましては敬意を表しておきます。また、この調査会が俗称超党派の委員会の構成でありまして、運営についてもいろいろ御苦労なさっていらっしゃるだろうと思います。さらにこの調査会は、三百近くあります日本の調査会、審議会、その中で非常に変わった行動力を持った調査会であります。委員七名、それに専門委員二十一名、さらに調査員が七十名、参与四十名、事務局を持つという非常に行動力を持った調査会であります。そして、二年半という期限を切られた調査会でありますので、いろいろ運営については御苦労しておることだと思います。その点についても敬意を表しておきたいと思っております。
一昨日、この調査会の期限を六カ月延ばすという点につきまして、審議をいたしました。その中でなぜ六カ月延ばすのか、その点について種々問題がある、その中の大きな一つに、この調査会の運営に重要な欠陥があったのではないか、こういう疑念を抱くわけであります。したがいまして、御承知のように、設置法によりまして、会長は調査会を総理するということになっておりますので、会長に御足労いただきまして、それらの問題を中心にしてお伺いをいたしたい、こういう趣旨であります。そこでこれから三、四点につきましてお伺いをいたしますが、ただ前もってお断わりしておかなければなりませんのは、応答の関係もありまして、若干時間が食い込む場合があるかと思いますけれども、その点をひとつ御了承をいただいておきたいと思います。
まず第一は、この調査会は総理大臣に対しまして答申をしようとしておられるのか、それとも意見を述べようとしておられるのか、その点をお聞きをいたしたいわけなんです。で、それは、この会議録を私詳細に検討いたしました。八十三号まで出ておりますが、ほとんど全部目を通しまして、さらに重要と思われるものは全部読みました。さらに中間報告、最終報告等につきましても、必要なものについては目を通し、さらに全体の状況につきましては、事務局がつくりました調査会の現況というものについて見ております。そういう点から私が非常に不審に思いますのは、答申をするのだということをあちこちで言っておられるのですね。現にけさも朝日新聞、毎日新聞等の報道によりますと、答申案を審議したことになっております。さらにこの調査会が出しておる現況によりますと、首都行政については答申したことになっております。それから私の手元に六カ月延ばすことについての理由書がきております。それによりますと、いま答申を作成中だと、こうなっております。委員の中には勧告だという発言もなさっておられる。あるいは答申だという発言もなさっておられる。そういう点があいまいなんですね。私は、内閣総理大臣はこの調査会に対して諮問はしていないように思うのですけれども、ですから私は答申をなさるのじゃなくて、意見を述べられるのだろうと思うのです。その点をまず初めに伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/2
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003・佐藤喜一郎
○説明員(佐藤喜一郎君) いまのお話の点でありますけれども、おっしゃるとおり、特別の問題について諮問がございませんでしたが、法律的な意味では意見ということになるだろうと思います。われわれがあまりそういう面で正確にものを言っておらなかった面はあるかと思いますけれども、意味はそういう意味でやっておると私は解釈しております。
いまのもう一ぺん申し上げますと、特殊の問題について総理大臣から諮問はあったわけでございませんので、そういう意味では答申でもなければ勧告でもなくて、いずれ意見を総理大臣に具申すると、こういうことだろうと私は思います。
いままで新聞あたりがいろいろ書いたことやら、そういうことについてもう少し注意を払えばよかったかと思いますが、委員は、私どもどうもしろうとだもんですから、大体の意を尽くしておればというのであまり気がつきませんでした。けれども、おっしゃられてみればそういうことだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/3
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004・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 私は会議録を見まして、答申にしたほうがいいのかあるいは意見を述べることにしたほうがいいのかという論議は一回もないようでございますね。にもかかわらず、事務当局のほうではやれ答申だ答申だと盛んに書くのです。これは一体どういうところに問題があるのかと私は思うのです。これは調査会は、ほかの調査会、審議会と違いまして、この臨時行政調査会は意見を述べるということが第一義的になっておる。そうして次が諮問に答申するということになっております。にもかかわらず、何かあいまいな形になっておるのですね、答申だとか。答申々々だと言ってきておるのですね、いままで。これはどうも私は事務当局が神経が太いというのですかね、少し粗雑過ぎるというふうな感じを受けるわけなんです。もう一つ問題は、これはやはり調査会は設置法第二条にあります。いうならば原則的な規定に基づいて運営してこられている。私は諮問があったほうがもう少し具体的に、範囲もおのずから限定されて具体的になり得たのじゃないかというふうに思うのです。諮問はないし、ばくたる第二条の趣旨に沿って非常に範囲の広い広大なものになり過ぎてしまった。私はそういう気がするわけです。その点について政府は責任を負う点があるのじゃないかと思うのです。政府としては諮問をしなかった理由はどういうことにあるのですか。それをひとつ長官に伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/4
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005・山村新治郎
○国務大臣(山村新治郎君) 答申であるかあるいは意見であるかという問題につきましては、会長から御意見が述べられたとおりでございますが、問題はやはり行政の改善という大きな目的につきましては、一応この設置法がつくられました目的がなされておる次第でありますからして、したがって、あらためて権威ある調査会の皆さま方に具体的な問題について答申を求めるようなことはいたしませんでも、総体的な面から必ず皆さまからりっぱな御意見が出るということを期待しておった次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/5
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006・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 その点は、そういう考え方もあろうと思いますけれども、一昨日も論議の中でも私申し上げましたように、二年の経過からいうと、やはり諮問等を行なって、諮問をして範囲を明確にし、より目的をはっきりさせて検討をしたほうが、ああいう森羅万象、すべてのものが出てきて手に負えなくなるというような実情にならなかったのではないかという私は感じがするわけであります。時間の関係もありますから、次に移りますが、ただ私はここで念を入れて申し上げておきますが、こういうあいまいな形にしないで、事務当局は答申である、答申であると盛んに書いたりしないように、意見を述べるんだというたてまえで、事務局としての運営をしてもらいたい。その点も申しつけ加えておきます。
次にお伺いをいたしたいのですが、
それは六カ月期限の延長について、これは一昨日、行管長官並びに調査会の事務当局にいろいろ伺い、しかしながら、重ねて私は会長にお尋ねをいたしておきたいのでありますが、それはこの設置法が参議院の内閣委員会で審議されましたときに、この委員会で横川委員が、この期限の問題につきまして六カ月ぐらいおくれる、法案の趣旨としては三カ月ということであるけれども、しかしながら一ぺん審議未了になって、二年六カ月ぐらいでやらなきゃならない、ややもすると、従来審議会とか調査会というものは、期限延長というものが出てきた、しかしながら、この調査会は行政運営の体質改善を目的とするところの調査会なんだから、会期の延長をするようなことがあってはなりませんぞ、権威を失墜しますぞ、三年たったあとまた六カ月延長するというようなことをこの国会にかけるようなことをしないようにしなさい、という質問をしておるわけですね。それに対しまして当時の川島行政管理庁長官は、そういうことはありません、三十九年の三月三十一日で終わります、その旨はまた調査会にもよく伝えておきます、こういうことなんです。それが何のことはない、重ねて会期を延長しなきゃならぬということをこの国会にかけなきゃならぬということになったわけです。私はこの調査会がマネージメント、行政の体質を改善する、能率化をするという機関である。その本尊が、その趣旨に反して六カ月延びるということは、これは調査会の権威を落とすものだと私は思うのです。その点についての会長のひとつ御所見のほどを伺っておきたいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/6
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007・佐藤喜一郎
○説明員(佐藤喜一郎君) いまのお話の点についてでありますが、われわれも現在でも、とにかく結論は所定の期限までやりたいということでずっとやっておるわけであります。ただ先ほどもお話がありましたように、専門部会にいろいろ調査あるいは立案を頼みました結果が、非常に専門委員も熱心にやっていただきまして、いずれもその専門部会の報告はいつごろまでに終わっていただきたいということをしょっちゅう注意はしておるわけでありますけれども、私どもは専門委員の熱意にほだされたり、そういう面で期限を切ってはいましたけれども、延びて、これはだめだというふうにもやれなかったということ。一つには、この会を設置しましてから以来、私ども世論を聞いてみるということを少しいたしました結果、非常に各方面で熱意が強い。昨年の夏ごろ地方懇談会を大体日本で七カ所開きましたときも、各方面の方に御出席を願って具体的に問題の御意見を伺うようになるべくしたのでありますけれども、概括論として大いにやれというような鞭韃を受けました結果、それを反映して調査部員のほうも非常に熱心にやっておったという、こういうような関係から、期限をつけてわれわれの運営が期限どおりに運ばれていくということがちょっとしにくかったということが一つあります。
それから専門部会は非常な専門家がそろっておられますので、部会の間の意見の調整ということがなかなか困難でありまして、まあ、会長の私としては非常にこういうことはしろうとでありまして、未経験で、その責任は幾らでもあるのですが、調整をしないままにわれわれのほうに部会の報告が出ておるものもございます。さてあらためて委員が見ると、これはほかの部会との調整をする必要などもありまして、予想以上に時間がかかったという点ははなはだ遺憾に思っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/7
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008・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 その問題につきましては、いま会長のお話の、予想以上に時間がかかったという点について、私はあとで責任体制の不明確というところで会長にお尋ねいたしたいと思っております。ただ私は、結果論といたしまして、二年半でやるのだという決意でおやりになったわけなんでしょう。それは会長の御発言の中にも、昨年の一月でもそうです。昨年の年末でもそうです。三月三十一日までに終わるのだというお考えをたびたび表明しておられるにもかかわらず、六カ月延長ということは、これはやはり調査会の権威を著しく落とすものだと私は思っておるのです。その点についての答弁はなかったのですが、私はそこではっきり権威を失墜すると思っております。本来能率向上なりそういうものを使命とする御本尊がこういうことではお話にならないと私は思っております。それは私が先ほど引用して申し上げましたように、三年前のこの委員会における審議のときにもそれが出ている。
次に会長にお尋ねいたしたいのは、この六カ月延ばすということを委員会なり党でおきめになったのは大体いつごろでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/8
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009・佐藤喜一郎
○説明員(佐藤喜一郎君) 十二月半ばごろではなかったかと思っております。結論は三月三十一日までに出すつもりであるけれども、印刷や若干残るであろう調整問題あるいは最後の文章の修文とかあるいは印刷とか、そういうことで、われわれの任期の間にこれを完了することがちょっと困難であるというふうに考えまして、委員会で延長を政府にお願いすることにしたのが十二月の下旬であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/9
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010・井原敏之
○政府委員(井原敏之君) ちょっといまの点で補足させていただきますが、十二月のもう予算の折衝、いよいよ最後の復活要求というふうな第二次の査定のあたりにこの話が出たわけでございます。したがって、当初は三月三十一日というめどは、七人委員会はもちろんのこと、事務局も全くその気でやっておったわけであります。したがって、予算についても全然手を打っていなかった。まあこれは事務的な責任が非常にあるわけでございまして、調整を要する問題等が相当ありますので、もう少し事前にめどをつけまして、私ども進言し、補佐をして、延長するにしましても手を打つべきであったと思います。なお、この延期のやむなきに至りました理由につきましては、会長からもお話がありましたけれども、事務当局の責任が相当あるわけでございまして、この点は私以下非常に不敏であった。改革意見の中身はあくまで七人委員会で、これはどこの圧力にも関係なしに進められるのが筋でございます。こういうものの性格上そうだと思いますけれども、それについて、作業の面で十分にお助けができなかった、いまだしの点が非常に多かった、特に私の非力というものが非常に影響があったと私いまでも思っております。これはたいへん申しわけないことだと思いまして、七人委員会の責任というよりも、むしろ事務局の、なかんずく私の責任が非常に大きかったように思っております。おわびを申し上げる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/10
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011・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 井原事務局次長のそういう言い方が、私はやはり責任体制を不明確にしているというふうにあとほど申し上げたいと思います。
ただ、昨年の十二月の十八日、第八十三回のこの委員会、これは今後の、これからの作業の過程を論議したやつです。重要な会議です。一日これは会議をやっております。これは昨年の十二月十八日の会議では、明年の一月の十六日まで各委員は案を出して、そしてそれを審議して、三月の中ごろまでに終わるのだ、こういう論議がこれですよ。これが昨年の十二月の十八日。真剣な論議です。それには、ひとつ、一週いままで二回というのを三回にしようじゃないかという話がきまった。日曜日の夜やろうじゃないか、土曜日もやろうじゃないかという話があった。それから五、六日もたたぬうちに十日もたたないうちに、なんでそういうような変え方をなさるのか。これは無意味ですよ、こんなものを論議したって。しかも、そのときの作業計画というのは、七人の委員がそれぞれ分担をして、ことしの一月の十六日までに出す。そして、各項目について最低二日間の、最低二回の委員会をやればいい。一項目について二回の委員会をやればいい。そう日程にちゃんと組まれている。それを今度は、ことしの一月の十日に六カ月延長の資料が出ている。これを見ると、一項目について最低四回の委員会が要ると書いてある。去年の十二月の十八日は、一項目について二回でいいといっている。今度は四回要ると書いてある。日にちを合わせるためじゃないですか。この間まで二回でいいといっていたのに、ちょこっと年をかえただけで、何で一項目に四回要るのです。はなはだ私は不見識だと思うのです。二回と四回では違いますよ。そして、しかもその中で五、六項目については最低七回要ると書いてある、この延期の理由のところには。こういうずさんな計画を立てるようじゃお話にならないように私は思うのです。ですから、この点を、これはどういうところに実は問題があるのか。一生懸命論議しているのですよ。これはそのための論議です。これは一日——一日といっても二時間ですがね。まあ一時間半ですね、ちうょど。まあ委員会というのは一日いつも一時間半から三時間です。これはそのために論議した、計画も立てた、そして十日もたたぬうちに、一項目について最低四回要るとか、重要な項目については七回要るのだ、そして九カ月という算定を出したのです。これは会長ひとつ、よくつじつまを合うようにするのです、こういうように。これが役所というところだ。私はおかしいと思う、こういう考え方は。ひとつ答弁をいただきましょう。会長でなくてもいいですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/11
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012・山口酉
○説明員(山口酉君) ただいまの御質問に対して、私から……。事務局長を拝命いたしまして、ちょうど第一回のときが、御指摘の十二月の十八日の会議ですが、そのときにまあ法律が三月末に終わることになっておりますので、それまでに全部を終わらせるという計画を考えてみますと、どうしてもただいま御指摘になりましたような当初の計画にならざるを得ない。そこでぜひこういうことでお願いしたいということを、事務局の案としまして委員会に申し上げたわけです。しかし、これは私どもは、実はまあ長年役所で審議会その他の審議の状況を拝見しておりますけれども、実際問題としまして、委員の方々はみな非常にお忙しい本務を持っておられる方でございますので、実際問題としてはこういうことは非常に無理であると、そのときに思いましたけれども、こういうことにどうしてもならざるを得ないということでお話を申し上げたのです。で、まあ調査会自身は、これはみずから法律を直すことの提案権もございませんので、これは与えられた自分たちの期限の中でしか活動できないわけですから、その中で何とかしてまとめなければならないということは当然な考えでございますから、非常に無理であるけれども、それならばこういうふうになるというようなことで、だいぶ御意見がございました。それはよく会議録をごらんになりました鶴園先生は十分おわかりと思いますけれども、私は事務局長としましてその席におりまして、この空気は、これは非常に無理なことをお願いしているということを委員の方々も受け取っておられて、困ったことであるというふうに思われておったと思います。で、そういう事情もございますし、さらにだんだんと私もわかってまいりましたが、内容を検討してまいりますと、かなりこれはむずかしい調整事項がある。で、委員会のほうはできるだけ三月末までに出すという気持ちでいかれましても、それではたしてりっぱな——政府として、いただきましてからこれを実現する上に非常に説得力のある御意見がいただけるかどうかという点についても、実は非常に心配になりましたので、主管大臣の行管長官にも御相談をいたしました結果、せっかく皆さんが非常に御熱心に調査をし審議をされた結果であるから、期退の点でともかく非常な無理をして、せっかくのものに不十分な点があっては困るので、できるだけそういう時間をつくって差し上げるべきであるというようなことになりましたために、急遽提案いたしましたような期限の延長をお願いをすることになったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/12
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013・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 私はさきに申し上げたように、これからの三月三十一日までの作業をどういうふうにするかというこの論議全部見たんですよ。零囲気はともかくとして、この中に出ているのはそんなのないですよ。これはだから委員会が事務局案を了承している、見通しのたたない委員会というもの、これがマネジメントとしては一番必要なことでしょう。委員会は了承している。しかもいま私が申し上げたように、一項目最低二回の委員会でいいというのを、今度は一項目最低四回だと、十三項目のうちの五、六の項目については最低七回と言っている、こういうような理由をつけて六カ月延長すると、こういうお話。私としてはその点についてはどこかに問題があるかと思うというふうに言わなきゃならぬと思っております。
もう一つ、これは長官にも伺っておきたいのでありますが、政府がこの六カ月延長を考えたことについてもう一つ理由があるというふうに言われている。それをひとつお尋ねいたします。それは三月というそういう時期は、国会の開会中に行政改革の答申案か意見の申し出か、ともかく行政改革の案というものを出されるということは国会運営上非常にまずい。さらに政府のいま進めておるところのあるいはいま提案をしている、これからしようとしているそういうものと著しく対立した意見が最終報告でなされると、政府与党の中に混乱を巻き起こすのじゃないか。したがって、九月に延ばして、国会の閉会中に、総裁選挙が終わったところでこの行政改革案が出ることが望ましい、そういう判断があったというふうに聞いている。総理に聞かなきゃならぬことだと思うのですが、行政管理庁長官はそういうことをどういうふうに考えておられるか。確かにうがった考え方だと思いますよ。それが六カ月延長の理由だというふうに言われる。事務過程は先ほど言ったようにちゃんとしている、委員会も認めている。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/13
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014・山村新治郎
○国務大臣(山村新治郎君) ただいま御指摘の、いろいろな政治的配慮をして六カ月延長したんじゃないかという問題につきましてお答え申し上げまするが、実はこの点につきましては、調査会から内々むしろ二カ月程度のどうしても物理的な結果として延長がほしいというお話がございましたときに、私として判断いたしましたことは、ちょうど二カ月といいますと、国会の会期の最終でございます。むしろかえって鶴園委員が御指摘のような誤解を受けるおそれがあると私も考えました。したがって、その点は逆でございまして、ぜひともこれだけの大問題を一党一派の、その党派の利害だけで考えていくべきものじゃないというたてまえで、りっぱな御答申をいただくためにはかえって十分の期間を必要とするのじゃないかということと、同時に法制的に考えてみましても、いろいろの調査会のこういう会期の延長は二カ月とかいうような、半ばというと語弊がございまするが、延長はないようでございますので、それで、その点から考えまして六カ月ということを私が裁定した次第でございます。したがいまして、政治的配慮というよりは、むしろ誤解を避けるという意味の政治的配慮があったことをお知り願いたい次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/14
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015・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 これは常識として、健全なる常識論として、いまの長官の答弁はいただけませんですね。委員会のほうが二カ月程度あればいいと言ったものを九月まで延ばしたということは、これはやはり私が言った、あるいは官庁の中で言っているうわさですね、これが正しいのじゃないですか。国会の開会中にめんどうな行政改革案というものが出されては困る、しかもそれは政府がいろいろやろうとしているところの国防省であるとか、あるいはいまかかっている人事局の問題、あるいはこれから行政管理庁が出されようとしているところの国家行政組織法の根本的な改正とか、そういうものとまっこうから対立するものが出ている。そういう中で国会の閉会中に、あるいは七月の総裁選挙後に、九月あるいは八月ごろにゆっくり出していただこうという判断をされたものと私は思う。長官の答弁は、私は常識論としては伺えないし、また、われわれこういうふうに国会の中におる者にとりましても、こういう御意見は了解できないと私は思います。そういうふうなものによって左右されるような調査会というものは、これまた私はいささか腰がすわっておらぬという気持ちがするのです。ですから会期の延長についてどうもはっきりしないのですよ、私は。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/15
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016・山口酉
○説明員(山口酉君) 会期を六カ月延長いたしますについては、私どもやはり相当綿密な審議をしていただく必要があるということを考えまして、そして具体的にいろいろと案を練りました結果、多少の余裕を見ておきませんと、いろいろ予測以上のこともございますので、多少は余裕は見ましたけれども、その上で私は六カ月どうしても必要である、そういうことで、まあ調査会のほうは非常に遠慮されておるような点はございますけれども、私ども従来いろいろ審議会などに関係いたしました経験から見まして、どうしてもあまり詰めたことをやっても工合が悪いと思ったために、六カ月はどうしても必要であると考えていたしました。政治的な観点は、長官がいろいろお考えになった点はあると存じますけれども、しかし内容的に、事務的に見まして、やはりどうも六カ月ないと安心できないという気がいたしまして、私どもはそのような提案をしたわけでございます。(「大臣の答弁を次官が直しているじゃないか」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/16
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017・山村新治郎
○国務大臣(山村新治郎君) ちょっと誤解があるといけませんからはっきり申し上げますが、このような調査というものは、実際問題といたしまして、どの程度の期間があったらよろしいかということはなかなか測定することはむずかしいと思います。したがって、またまた会期を延長するようなことをお願いするわけにはまいりませんので、私としては責任者の立場からある程度余裕をもったもの、同時に、またさっきの鶴園委員の御指摘とは逆に、国会の会期をすれすれに逃げるような誤解を与えてはいけないというたてまえを配慮いたしまして、六カ月の延長ということをきめた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/17
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018・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 どうも私は、その点については、政治的な配慮があるというふうに言わざるを得ないと思います。また、蒸し返してあとでやってもいいのですが、時間の関係がありますから次に移りますが、調査会は統一した総合的な具体案を出してもらいたい。会長はよく行政について診断をするのだ、診断をするのだとおっしゃるのですが、診断をした上に処方せんをやはり具体的に出してもらわなければいけない、これは過去の機構改革、あるいは行政制度、あるいは公務員制度等の改革の場合にどうしても肝要なことだったと私は思っております。遺憾ながら御承知のとおりに、専門委員会が非常に努力をされたんですけれども、それらはいずれも三部会との間に著しく食い違っておる。同じ部会の中でも食い違っておる。その食い違いは、いずれも官庁のセクトをあらわしておるものです、割拠主義をあらわしておるものです。判断は、かぜを引いているという判断をしている人もおるし、はしかだという人もいるし、じん臓炎だという人もいるわけですが、これははっきり統一した診断をしてもらわなければならない。同時に、たくさんの病弊を持っておりますから、総合的な処方せんを書いてもらわなければいかぬと私は思っております。その点についてここで若干申し上げたいのでありますけれども、それは防衛庁の問題です。これは一部会の第一班ですが、防衛庁を国防省にすることは始ましくないとはっきり理由をつけて言っておるわけですが、これは政府の考え方と相当食い違っている、あるいは政府与党との間に非常に激しく対立をしておる。それから人事局の問題、中央人事行政機関の問題。これは政府は執拗に昭和二十八年以来一貫して、いまの人事院というものを二分割して、人事局と人事院、人事院の機能を大幅に弱体化させるという方向をとっておる、現にいまこの法案はこの国会にかかっておる。それに対して第一部会の第一班が全く対立した意見を出しておる。さらに第三部会の第四分科会、これは政府の案を支持するがごとき考え方を出しておる。いま政府が国会に出そうといたしております国家行政組織法の根本的な改正、いまのこういう調査会、審議会というものを、法律に基づかないでつくろうという、これらについては、第一部会の第一班は、それはならぬ、答申をするものは法律でつくれ、さらに定員の規制につきましても、政府のいま出そうとする法案と、ここに出ている第三部会の第四班の考え方とははなはだしく食い違っておる。私はいま若干の例を申し上げたのですが、地方庁の問題に関しましても、あるいはいろいろ政府のいま進めようとするものと食い違っておるのですが、ここで私の意見を申し上げて会長にどうこう言うのは適当な機会でありません。したがって、申し上げませんですが、ただこれは容易ならぬ調整と決断が要ると私は思うのです。けさの新聞によりますと、毎日新聞の一面に、会長の写真が出まして、消費者局の設置ということが出ましたが、政府はいま国民生活局設置という法案を出しておる、ちょっと不見識な気がしました。太鼓を持っておるという印象を与えるような気がしまして、はなはだ遺憾に思ったんですが、ですからこれは容易ならぬことだと思いますので、ひとつ統一した正しい総合的な処方せんを要望いたしたいと思います。会長……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/18
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019・佐藤喜一郎
○説明員(佐藤喜一郎君) いまその診断よりも処方せんのほうを重点を置けというお話でありましたが、いままでわれわれは病原がどこにあるかということは、過去においても行政審議会がありましたし、われわれの仲間で話し合っておる問題としては大体病原はわかっておるので、むずかしいのはどういう処方せんを書くかということであるというので、処方せんのほうに重点を置いていままで調査会としてはやってきておるということだけを申し上げます。
それから政府の太鼓を持っているじゃないかというお話ですけれども、そういうことは全然ないということを申し上げて私の答弁といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/19
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020・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 私は会議録に目を通しまして、会長が国防省の問題については触れたくないような発言があることを指摘をしておきたいと思います。そういう発言があることを指摘をしておきたいと思います。なお、私は会長に注意を喚起しておきたいと思うのですけれども、それはこの人事局の問題であります。いま先ほど申し上げましたように、第一専門部会の第一班、この考え方と、第三専門部会の第四班との間には鋭い対立があることは先ほども申し上げたとおりであります。ところが、この第一専門部会の第一班は、総合調整のところでありますが、この総合調整のところは昨年の三月に中間報告が出ておる。ところが、その中間報告の最後のところに、この人事局の問題については、第三専門部会に異なった意見があるというカッコ書きがついておる。当の第三専門部会の第四分科会というのはずっとあと、九月になって意見がまとまっておる。だから、第三専門部会の第四分科会というのが意見がまとまったのは去年の九月の末なんです。その専門部会が六カ月もさかのぼって前の案の中に、第一専門部会の第一班の人事局のほうに、異なった意見があるというのを入れるのはいかがか、これは納得できないのです。私はもっと立ち割ってこの問題を解明する必要があると思う。立ち割って解明してもよろしゆうございます。行政調査会内部においてこういう暗躍が行なわれておるような私は印象を受ける、なかなか激しいものでございますよ、私は一例を申し上げたのですが。ですからよっぽど調査会はじめ会長はしっかりしてお進みいただかないと、これは行政管理庁としては伝統的に人事院を二分割するという考え方、したがって、昨年の三月にあの第一専門部会の第一班、この案が出ましたときに、新聞等は、一時動揺したと出た、そしてこの当の調査会は六カ月後に答申をした。しかもこれは中間報告を出さなで最終報告を出した。しかも第一分科会が最終報告を出したあとに出ておるのですね。これはもっと私立ち割って解明する必要があると思うし、時間があれば解明したいと思いますけれども、まあ適当でもなかろうと思いますのでその点をひとつ言っておきますが、もし行政管理庁として御意見があるならば承りましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/20
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021・山村新治郎
○国務大臣(山村新治郎君) 具体的な答申の内容につきましては政府といたしましては、その答申をいただいてからいろいろと検討いたしたいと考えております。ただ、その作成中におきまして行管の職員が臨調の皆さま方のお手伝いを申し上げることは、これはひとつ行管として当然なすべきことであると考えます。しかし、行管の職員の申し上げたことを取り上げるか、取り上げないかは、最終的には七人委員会の権限でございます。私どもといたしましては、その御協力については最善を尽くしたいつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/21
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022・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 私はある意味では、行政管理庁に対して疑いをかけたような発言をしておりますが、それはもっと根本的に、調査会全体の運営の立場から摘出をしなければいかぬというふうに思っております。それは会長いないところで時間をかけまして、はっきりさせたいと私は思うのです。とにかく七十名の調査員がおります。七十名の調査員の中の十四名は民間、その民間の人たちは週二回非常勤です。あとの五十六名というのは、これは各省から出ている。行管が圧倒的だ。しかもこれは常勤、調査会の中の常勤はこれだけです。あとは事務局。各省の利益代表機関みたいに動き回る傾向があったというふうに、そういう点は否定できないというふうに思うのです。というのは、あとほど申し上げますが、ほんとうに仕事をしたものはやはり調査員なんです。専門委員でもないし、調査員ですよ。ですから、これがそういうふうな形にとれる誤解を受けることをしては相ならぬと思います。時間の関係がありますから次に移ります。
もう一つは、附帯決議に関してですが、私はこの附帯決議につきましては、調査会としてそれぞれ十分配慮をして行なっておられるだろうと思いますが、ここでは一点、公務員の身分の変更を伴わないことという附帯決議がついておるわけでありますが、しかしながら、いまの調査会の動向の中にどうもこの附帯決議とそぐわない点がありますが、三点だけ申し上げておきたいと思いますが、一つは国家公務員を地方公務員にするという考え方が出てきておりますけれども、これは国家公務員という身分を地方公務員という身分に変更する。これは十分な配慮が要るのじゃないかというふうに思っております。
それからもう一つは、いま定員は法律によって規定されておりますが、今度の最終報告を見ますと、報告の中には、従来からも行管の中にそういう考え方が強く一部あったのですけれども、いまの法律一本できまっているのを三つに分けて、係長以上の者は法律でやる、それ以外の者は政令できめる。もう一つ省令できめる。三段階にきめている。これはかっての官吏、雇員、傭員という形を非常ににおわせるような感じがありまして、これが公務員の身分変更に発展するのではないかたという懸念を非常に感ずるわけです。ですから、いまの附帯決議の問題について、特にいま心配をいたしておる点について、調査会として十分配慮をいただくように要望いたしておきたいと思っております。会長いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/22
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023・佐藤喜一郎
○説明員(佐藤喜一郎君) たぶんお手元にあるのだろうと思いますが、調査会ができました当初において、附帯決議を尊重し云々という、われわれの申し合わせがありまして、それはちっとも今日でも変わっておりません。したがいまして、いま御指摘になった地方公務員への配置転換であるとか、公務員の身分を三つに分けるなどということは私はないと思いますが、調査会ではそういうことは全然まだ取り上げておりませんから、この点だけお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/23
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024・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 次に、調査会の運営につきまして、私は、六カ月延びる一つの大きな問題といたしまして、調査会の運営について根本的な欠陥があったのじゃないかという点についてお尋ねをいたしたいわけです。これが二カ月なり六カ月延びるというそういう原因をなしているのじゃないかと思いますので伺いたいのですが、これは専門委員会それから委員会、専門委員、調査員、参与、事務局、これはそれぞれの場合を検討いたしませんとはっきりしない面もあると思いますが、これは会長のいないところでもう少し突き詰めて検討いたします。いずれにいたしましても、私は、この調査会の機能については、日本の調査会、審議会という三百幾つあるものの中で非常に変わった行動的な調査会でありまして、その機能については私ども委員会においても非常な関心を持っているところであります。したがって、そういう意味からもお尋ねをしたいのですが、私は一言で言って、調査会の責任体制が不明確だったのじゃないかというふうに思うわけです。それは第一に、調査会の責任体制が不明確である、専門委員に問題、項目は出すけれども、方向とかワクとか根本的な考え方というのはほとんど私は指示されていないと思う。抽象的に申し上げますと困りますので、もっと具体的に申し上げますが、第六回の委員会、これは専門部会の決定とそれから調査項目をきめた委員会と専門委員の合同会議、非常に重要な会議でございますが、その会議録を見てみますというと、非常にあいまいですね。これは第六回の会議録の中で小倉委員の発言が出ておりますが、これが象徴的であります。小倉委員は、方向と根本的な考え方を明らかにしてくれ、委員会でこういう質問をしております。それに対する会長の答弁が載っているのです。これあたりは非常に象徴的だと思うのです。つまり項目はあげたけれども、範囲なり方向なりあるいは根本的な考え方なりというべきものについての指示というものは行なわれていない、こういうふうに私は思うのです。この点について会長はどういうふうにお考えになりますか。いやそういう運営をしたのだというお考えかどうか、どうですか、どうも私は責任体制がはっきりしないように思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/24
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025・佐藤喜一郎
○説明員(佐藤喜一郎君) 専門委員に考え方の指示を与えるということはいたしておりません。それからこれは私だけのことですが、問題の範囲も大体限定しておらないので、専門委員のほうで——場合によって範囲については若干指示したこともありますけれども、自由な結論なり調査なりをしてもらいたいということが大体の趣旨であります。全部そうであったというわけでもありませんが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/25
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026・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 でありますから三分科会の決定、それから三部門の専門部会をつくり、さらにそれを分けて七つか八つの分科会みたいなようなものができるのですが、まかせっきりだというようなこの会議録の印象であります。そして第八回か十回ごろから、すでに専門部会の作業の中間報告はどんどん行なわれている。昨年の三月になりますと、中間報告が取りまとまって出てくる、そしてそれが委員会に報告がずっと行なわれている、その過程において委員会としては指示なりあるいは何かのまとまった意見というものはほとんど出ていない。地方庁の問題については若干出ておりますが、それ以外の中間報告はどんどん出てきて、それが委員会にかかるんだけれども、大体聞きおく程度にとどまっているといっても差しつかえないんじゃないか。したがって、中間報告は、また昨年の八月から九月、十月にかけまして最終報告が出てくる、大体そのまま出てくる、こういう運営が委員会として行なわれておる。さあ出てきてみたところがこんなになっているんですね。三部会のほうは対立がある、意見の合わぬものが一ぱいある。しかもそれが鋭い対立だ、同じ部会の中でも対立がある。そこで私はお聞きしたいのですけれども、調査会として作業過程の報告が出てくる、あるいは専門部会の中間報告が出てくるというときに、委員が一緒になってやはり検討をして討議をする、憲法調査会みたいに検討して討議をしていけば、昨年の十一月には最終報告は答申案のごときものとして出てきたんじゃないかと思うのですが、それはどうも聞きっぱなし、聞きおく、こういうような運営だったんじゃないですか。そこで昨年の十一月に、十三項目にこれを分類して、あわててやり直しを始めた、それは各委員が今度は主査になって、それぞれの分担をきめてその下に五人の作業班をつけて、これはやり直しですよ。専門委員は、当初この会議録を見るというと、答申案を最終的には書くのだということになっている。そこら辺の運営については私は非常に不明確だと思う。さらにもっと申し上げますと、この専門委員会の運営は参与、調査員いずれも私はすっきりした責任体制がないと思う。詳細にまた論議をしてもよろしゅうございますが、ないというように思いますが、その点についても会長のひとつ御弁明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/26
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027・佐藤喜一郎
○説明員(佐藤喜一郎君) 中間報告が出ましたときは、委員会でさらにその出てきた中間報告の線に沿って最終案まで持っていっていいかどうかということをわれわれのほうで議論をしております。何か聞きおく程度にごらんになった面があるかと思いますが、そういう場合は、大体においてこの線でもって不足を補って完了してもらいたいという場合でありますし、また、ある点についてはその点は抜けているじゃないかとか、あるいはこの点はもう触れないでもいいじゃないですかというような示唆を与えて、最終段階で専門委員にやってもらうようにというふうに話し合いをやってきたわけであります。それから最終にきまして、委員が受け持ちを分けましたのは、何ぶん七人がひまがないものでありますから、七人一緒になってできたものを、何本かの柱を立てて調整をしていくことが、時間的に非常にロスが多くてむずかしいだろう、そこで班を分けたのが理由であります。それともう一つは、参与というお話がありましたが、この参与は私が委員の各位と相談して、会長の参与というような意味で、平素調査書類をこの参与には配付しておきまして、何か意見を聞きたいというようなときに、あらかじめ各方面にわたった範囲の人にお願いしておくという意見で、この参与については特殊の人はございますが、大体において一、二回参与会を開いて一般的の意見を聞いたこともあるだけでありまして、これはあまり重要視していただく必要はないかと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/27
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028・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 まあ時間の関係もありますから私は何ですが、もっと突っ込んで言いたいのですけれども、たとえば専門委員会、二十一名の専門委員会、それを三つの部会に分けて、そして会議の持ち方としては部会ごとの会議、それから三つの部会の連絡会議、それから部会の中において今度は班を分けてありますが、その班には主査を置いてそして班の中における意思統一、こういうことを行なう規定になっている。しかしながら、この運営を見ますというと、ほとんど行なわれていない。だから私は、先ほど申し上げたように、最終報告の中で各部会の意見が三つも四つも対立をする。一ぱいあるんですよ。しかもそれはずいぶん重要なところです。さらに同じ部会の中で、一班と二班と食い違う。こういう事態になっている。さらに、いま参与の話がありましたが、この参与は、一昨日も問題にいたしましたけれども、参与はこれはないことになっていた。これは事務局長の説明にも当時出ましたように、参与というものを出すつもりでおったけれども、大蔵省で予算を削られた。しかしながら、設けるというので、四十名設けて、参与制度というものをつくられたわけですが、その参与の中で六人くらいは専門委員と同じことをやっている。これは先ほど会長がおっしゃったように、きわめて非常勤で、現に一回か二回、三回という程度のものでなくて、その参与の中の六名程度の者は専門委員と同じような常勤のまた参与がおる。一体この責任はどういうところにあるか、私はこれはこの専門委員の選定を誤った。専門委員というのはいずれも専門家です。だから専門委員が、中には専門家がおります、各界から出た人が。しかしながら、専門家、そういう専門委員の選定を誤ったから、結局参与の四十名の中から専門的なものを専門委員というような形に持ってこざるを得ないというような運営になったんじゃないかと思うのですが、さらに答弁をいただきましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/28
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029・井原敏之
○政府委員(井原敏之君) 当委員会の御要求によりまして提出いたしました臨時行政調査会の概要の中に、いまおっしゃるとおりの参与をはっきり書いております。これはまあこういう正式の公文書に書いてあるのは、私たいへん恐縮でございますが、私どもの手落ちでございまして、参与は部内の運用としてやっておるわけでございます。したがって、行政管理庁とも実は相談しなかったわけであります。設置法の九条の三項に「調査会は、その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、第一項に掲げる者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。」前回の委員会でも仰せになったように、だれでも呼んできて要すれば意見を聞いたらいいのじゃないかとおっしゃった、あのとおりの運用をやっておるわけでございます。ただ、いま会長が参与会を二回ほど開いたということを申し上げましたのは、そういう人たちを一ぺんまとめて一堂に会して昼食をしながら自由討議をやったということでありまして、参与会というそういう機関をつくったというふうなことではございません。部内でそういうふうないろいろな人の意見を十分に聞いたらいいだろうということで、部内の呼称である参与をこういう公文書の中に書きましたことは、私ども非常に手落ちでございます。それから、通常部内で参与と称しておるものが準専門委員的なことをやっておるではないかということでありますが、これもこういうあらたまった御要求の資料に書きましたことはミスでありまして、確かにこういうここにすでに渡っております資料に出ておる人は、意見を聞いた頻度が多いことは間違いございませんけれども、専門委員に準ずるというような意味で、特定の職とかそういう意味、あるいは専門委員が非常に人選を誤ったからということではございませんので、二十一人専門委員がおりますけれども、やはり前回以来申し上げておりますように、非常に複雑で多岐で、いろいろな人の意見を聞きませんと手落ちが起きますので、そういう意味で各界の学識経験者の意見を聞くためにこういう部内運営をやっておったわけでございます。その点は特に御了承いただきたいとだけ申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/29
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030・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 この中に、専門委員と同じように活動しておる人が六名参与の中におるわけです。さらに昨年の年末の十二月の十八日、八十三回の委員会、これの最後のところに、行政管理庁長官が委員会の労をねぎらいたいという招宴を開いたですね、その招宴の中に何名出るかという話が出ておって、その中に常勤の参与を入れてと書いてあります。
常勤の参与を入れて何名と書いてあります。ですからこれはやはり部内運営といっても非常に不明朗な運営をしておる。もう一つ、飛び飛びになりますが、いま委員の下に五人の作業班を置いてやっておるのですが、この五人の作業班は調査員ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/30
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031・井原敏之
○政府委員(井原敏之君) 現在七人の委員が分担して主査になっていただいております下についております作業班には、調査員の身分を持った者と、事務局の一般の各省の事務官の資格を持った者と二通りおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/31
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032・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 それは調査員じゃない……。(「ちょっとこまかい」と呼ぶ者あり)いやいや、そういうあいまいな運営をするからいけない。非常に不明朗ですよ、これは。(「こまか過ぎるな、会長に聞くようなことじゃない」と呼ぶ者あり)会長は知らないのだよ。(「会長に聞くにふさわしいことをやっぱり聞こうじゃないか」と呼ぶ者あり)いや、会長に聞いてもらおうと思っている。だから私は——ここに調査員というのはないはずですよ。何で調査員がおるのですか。調査員というのは、この中にはっきり規定してある、法に。設置法に規定してあるように「専門委員を補佐して調査に従事する。」のですよ。専門委員はいないのがいまの状態ですよ。専門委員がいないのになぜ調査員がいるのですか。専門委員まだおりますか。おると言ったら文句言いますよ。専門委員はいないですよ。最終報告出ておるんだから。こんな妙な運営をして、行政管理庁ともあろうものが、だめですよ、むちゃくちゃです。責任体制も運営体制もないですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/32
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033・井原敏之
○政府委員(井原敏之君) 専門委員は現在ないわけではございません。最終部会報告を終わりましたので、これが解散するかという話も実は内部に出ましたけれども、解散はせぬ、随時、専門委員には委員が最終意見を書くについても参画してほしいということで、部会は一応作業こそいま部会という形ではやっておりませんけれども、専門委員が全部そのままの資格でおります。したがって、調査員もそのままの形で相当数の者が残っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/33
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034・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 専門委員というのは、「当該専門の事項に関する調査審議が終了したときは、解任されるものとする。」と。だから自然解任ですよ。だから最終報告出ておるでしょう、全部。最終報告が全部出ておるのに調査員がおるというのはどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/34
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035・井原敏之
○政府委員(井原敏之君) 専門部会が一応作業を部会体制でやっておらないから、専門委員は御用済みということには調査会は考えておらぬわけであります。したがって、専門委員の仕事は終わったというふうには七人委員会は考えておられぬわけであります。いまでも随時、専門委員が来て、いろいろな意見を言うていただいているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/35
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036・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 この七条の第三項は何ですか。かってに運営してもらっては困りますよ。だから私はここで結論として申し上げますが、この調査員の参与、専門委員、委員会の運営について責任体制が明らかでない。どこが一体運営するんですか。こういう運営をするから、結局昨年の十一月からやり直しみたいな作業になってしまう。六カ月足らないということになってしまう。私はこの点については責任体制が非常に不明確であるという点を申し上げまして、ひとつ午前中の質疑は終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/36
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037・石原幹市郎
○石原幹市郎君 きょうは、佐藤会長わざわざ御臨席いただいて御苦労さまでございました。たいへんこの行政機構改革には熱意を持って発足されておるようであります。当初、会長みずから声明を出されて、国民の声を聞かれたようでございまするが、資料として、国民の声として配っていただいて大体わかるのでありまするが、各方面から寄せられたこの国民の市を会長としてはどういうふうに受け取られているか。それを何か参考としていろいろな運営の面について、あるいは答申を出す面に考えておられるか、そういうことについて、非常に大まかなことなんですが、お答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/37
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038・佐藤喜一郎
○説明員(佐藤喜一郎君) いまお話のありました点でございますが、委員会の中でとにかく貴重な資料として、もちろん、その中には、ずいぶん簡単な身近に響いた行政の不満不平というようなふうに、取り上げにくい問題もあるのであります。その問題の中にはずいぶん参考になるものもありまして、できるだけこれを取り入れたい。したがいまして、ちょうだいした世論といいますか、国民からのいろいろな御注意やら、投書のようなものの内容を整理して、どういう点にどういう問題があるかというふうな整理をいたしまして、できるだけこれをわれわれの最後の処方せんに盛り込みたい、こういうふうなわれわれの内部で話し合いになっている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/38
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039・石原幹市郎
○石原幹市郎君 いずれ答申に盛られてくると思うのでありまするが、答申が出る前にこういうことを聞くのはどうかと思うのでありまするが、国民の声として、非常に激励的というか、ぜひやってくれとか、いろいろな声が出ていると思うのですが、あるいは理想論ばかり掲げられても困るので実際やれるようなことを強くやってくれとか、ことに行政機構改革というのは、いままで何回やっても、これは率直に言ってあまりうまくいっていることじゃないのです。今度の臨時行政調査会というのは非常な決意をもってやっている形ですが、どうもだんだんたってみるというと、しり細りになっているような感じなきにしもあらずでありまするが、そういう面で、一、二抽象的なことでもけっこうでありまするが、国民の声の上から特に感じられたこと、自分としてこうしてみたいと思うような感づかれたことがございましたら、差しつかえない範囲でひとつ聞かしておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/39
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040・佐藤喜一郎
○説明員(佐藤喜一郎君) これは委員の一人の私の私見として申し上げるのであります。まだいわゆるわれわれの意見がまとまって——大部分の問題については、調整が済んでまとまっておりませんことは事実であります。しかし私の感触から申しますと、われわれの申し上げるこの結論というものが、おそらくすぐやるつもりならば政府が実行できるものもあるでありましょうし、それには準備を要するものもかなりあるんじゃないか。かりに政府のほうでその線に沿ってやろうとなすった場合でも、ある場合には一年、ある場合には極端にいえば三年ぐらいの日子をかけてそういうふうになれるというふうな面もあるんじゃなかろうかと私は想像しております。そういうわけで、私は世間の期待に沿うようなものの出ることを念願しておりますが、どこまでもいままで国民の声を聞きましたその声援をバックにして、委員の皆さま非常に忙しい時間をさいて鋭意やっておるというわけであります。委員の中にもずいぶん専門家がおられますが、私のごときは、民間の考え方というものを、行政の中にどこまで入れられるか、また、入れられたら役に立つのじゃなかろうかというようなことを考えながら、仕事をしているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/40
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041・石原幹市郎
○石原幹市郎君 最後にもう一つ。今度この法律で延長されれば九月までということになるわけなんですが、延長されなければ三月で終わるわけでありますが、いろいろの答申を出されると思いますが、この調査会は答申のしっぱなしということになるのでありまするか、調査会がなくなるのでありますから。そこらの点が、この間行政管理庁長官にも伺ったのでありますが、非常な決意をもって臨んでおられるわけでありますから、何か答申を出されたらそれが実るというか、実を結ぶというようなことについて、行政調査会として、あるいは七人の委員として、将来これをどう見守っていこうかとか、どうしようかとか、そういうことについて何か構想はおありなんでありますか。あるいはまた、答申の中に、そういうことについてのいろいろの構想を盛ろうとされておるのかどうか。そういう点について、われわれも非常にこれは期待を持っている調査会でありまするから、そこについての決意といいますか、お考えを聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/41
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042・佐藤喜一郎
○説明員(佐藤喜一郎君) われわれが調査を完了してしまったあと、どういうものにするかということは、常にだれの頭にも浮かびますのは、アメリカの市民委員会であると思うのですが、国情も違いますし、また、調査会委員の間でときどきそういうことで話が出ておりますが、あとの問題を、実施を監視するようなことを調査会自体として言い出すべきではないのじゃなかろうか、しかし、いままでの国民からの各方面からの激励から察しますと、何か自発的な民間団体で、全部の面にわたってではなかろうと思いますが、たとえば主婦連なら主婦連のような、名前を言ってはいかぬと思いますが、そういったような団体ならば、その団体が利益を、関心を持つだろうというような問題の実施状況、あるいは経済団体のようなものであれば貿易行政、そういうような問題についての答申なり、勧告なりの実施状況を熱心に見守る、あるいは側面から実施を要望するような、そういうものが自発的にできるのではなかろうか、こういうふうに考えております。また、法律の中にわれわれがいまほこりがたまっているから、これは取ったらどうだというわけで、調査をして勧告をいたしますが、また、ほこりがたまらぬように、これからどうしたらいいのかというような問題も勧告自体の中に私は入るのじゃないか、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/42
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043・三木與吉郎
○委員長(三木與吉郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後は一時三十分再開することとし、これにて休憩いたします。
〔午後零時二十四分休憩〕
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〔午後二時十三分開会〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/43
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044・三木與吉郎
○委員長(三木與吉郎君) これより内閣委員会を再開いたします。
午前に引き続いて臨時行政調査会設置法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑を行ないます。政府側より山村行政管理庁長官、井原臨時行政調査会事務局次長、石川行政管理局長が出席されております。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。山本君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/44
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045・山本伊三郎
○山本伊三郎君 冒頭に、実は予算の関係でたびたび欠席いたしまして、内閣委員に御迷惑をかけていることをこの機会に若干お断わり申し上げておきたいと思います。
そういう関係で、実はお尋ねしたいことは詳細にたくさんあるのですが、本日は、実は質問善を忘れてくるような状態でありまして、概括的に基本的な問題をひとつ。
すでに以前に同僚議員なりあるいは各派から質問があったかと思いますが、その点はお許し願いたい。そこで、いよいよこの答申も出るという段階になりつつあったが、若干日にちが切れるので、これを延長しようという趣旨だと思いますが、それにつきましてはいいといたしまして、この臨時行政調査会を設置するときに、私も内閣委員会の理事としていろいろ問題を取り扱ったのですが、その出時の基本的な考え方として、いわゆるいまの国家、地方通じての行政、国民のための行政ということを一つの大きなスローガンとして掲げられたと思うのですが、その点について過去の調査会の審議の中でそういう基本方針を貫いてやっておられるかどうか、この点をまずひとつ長官にお尋ねしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/45
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046・山村新治郎
○国務大臣(山村新治郎君) 臨調内部におきまして、非常に熱心な審議がなされておる次第でございますが、もとよりその審議の根本的な考えといたしましては、国民のための行政、簡素化された行政、なお能率化された行政を目標にして、審議を続けておられることは間違いないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/46
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047・山本伊三郎
○山本伊三郎君 これが最初出されたときにも、あのときは川島さんだと思いますが、相当この問題に触れておいたのですが、なかなか日本の行政機構というものは、きわめて複雑多様で、しかも旧憲法からの引き続いた官僚的ななわ張りというものが、なかなかこれが解きがたい実情であると思うのです。この前やめられた岸総理も、私は一番官僚組織が敵だというようなことを言われたことも、私この委員会で記憶しておるのですが、せっかくそういう考え方で出されたこの答申というものが、はたして消化できるかどうか。この前も同僚議員からもそういう発言がありましたが、私も当初からその点は非常に危倶しております。この点について、もし答申ができたときに、行革本部とかなんとかをつくるということの御方釣があるようでありますが、これはどういう組織でつくって推進されようとするのか。答申の後の処理を、きょうも予算委員会で、憲法調査会の答申が出たあとの問題が若干論議がありましたが、それとこれとは若干趣が違いますが、答申後における処理、消化をどういう方法でやるか、具体的にいま長官が構想を持っておられるならば、ひとつお話願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/47
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048・山村新治郎
○国務大臣(山村新治郎君) 御指摘のように、官僚独善的な弊害のございます日本の行政機構というものを、これを抜本的に改善するということはなかなか容易なことではないと考える次第でございます。したがいまして、この答申をいただきました暁におきましては、あくまでも政府がこの法の精神を尊重いたしまして、その答申に前向きの姿勢をもって取り組んでまいるつもりでございます。
具体的に、しからばどういう行革本部対策をつくるかという御質問のようでございますが、実はすでに首都閥の問題が一部答申がなされておりますので、これに対する取り組み方といたしまして、私が不敏ではございますが、行革本部長となりまして、各省の事務次官級を一応従えまして行革本部をつくって、この問題を事務的に検討中でございます。これが進んでまいりましたならば、閣僚クラスのメンバーによりまして、一段とこの首都圏の問題につきましての推進をいたしたいつもりでございます。しかし将来、全搬的な答申が出た場合の問題でございますが、だんたんにこの問題につきましての当委員会における皆さま方の御意見、あるいは国民の方々の強い要望、なおまた臨調の皆さま方の熱心な作業状況等が反映してまいりまして、ちょうど自民党におきましても、この行政改革をいかにして目的を達するかという意味におきましての特別委員会もできておる模様でございまして、その委員会等におきましても真剣にこの問題と取り組もうという機運がわき起こっている次第であります。政府といたしましては、あくまでも前向きの姿勢をもってこれに取り組んでまいるつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/48
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049・山本伊三郎
○山本伊三郎君 いままで答申は首都圏の問題について出ておりますが、あとは仮説程度でまだ正式の答申は出ておらないのですが、この各部会から出されておる意見を総合して、最後にこれが答申案としてまとまると。しかし、私はどうも政府のいまのやり方についてふに落ちないことが一つあるのです。と申しますのは、臨時行政調査会を昨年の国会でつくるときも問題になったのですが、こういう先ほど言いましたように、国民のための行政ということを一つの基本的な考え方に置きながら、その間この答申が出るまでにすでに政府ではいろいろの問題点を提起された。
その第一は、もうすでに法律案の出ておる人事院改組の問題、今度政府に人事局を設けるということですが、人事院の改組については、われわれは別の意見があるといたしましても、いわゆる民主的な人事行政ということで人事院が設置されて、しかもこれが国民に与える、池田総理がいつも言われるように、いかなる機構もやはり人が基本である、その人事権を政府のもとに置く、このよしあしは別として、せっかく臨時行政調査会が、先ほど言ったような基本的な考え方に立ちながら、まだその結論の答申の出ないうちに、ILOの条約に引っかけて人事院の改組案というものを出されること自体に、私は一つの政府の考えが、ほんとうに臨調を尊重するという考え方があるのかどうか、きわめて疑問を持っておるのですが、これについての御意見があれば所見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/49
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050・山村新治郎
○国務大臣(山村新治郎君) 臨調の答申を尊重することにつきましては、すでにたびたびお答え申し上げましたとおり、あくまでも答申を尊重してまいるつもりでございますることは、同時にこれは総理の施政方針演説の内容にもあるとおりでございます。ただ、この結果が出てまいりますのが、かりにこの法案を通過させていただきましても、九月あるいは早くても十月ごろになると思いますので、それから受け入れ態勢をどういうようにしてつくるかという問題について、当然政府としてはあらゆる観点から検討をいたすと思うのでございます。そしてこの答申の具体化につきましてどういう法案をつくり、どういうような機構をつくるかというような問題等になりますると、相当にやはり日数がある程度までかかってくることも事実じゃないかと思います。その間におきましていろいろと政策実施上におきまして必要な問題等が起きてまいりまするために、一応人事院関係の法律等も出るような次第でございまするが、これらの問題は答申が出ました暁におきましては、十分政府といたしましては調整をいたす考えでおります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/50
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051・三木與吉郎
○委員長(三木與吉郎君) ただいま委員の異動がございましたので、御報告いたします。古池信三君が委員を辞任され、その補欠として野上進君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/51
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052・山本伊三郎
○山本伊三郎君 その点が長官、ぼくらが政府のかってなやり方だと思うのです。少なくとも行政組織というものは、組織という一つのそういう形じゃなくして、それのいわゆるあずかる入の問題を扱った人事行政の問題ですね。しかもそれが非常に問題である。いままで人事院の組織の中にあったものを政府のもとに置こうというのは、これは行政改革上非常に大きい問題です。基本的な問題を含んでおるですね。しかもそのとき必要だと言いますけれども、すでに法律案が出てから四年もたっておる、まだそれが成立をしておらない。私、この間、予算委員会で実は労働大臣にも質問をしたときに明らかになっておるように、何もILO八十七号を批准しても、関係のある法文を整理することすら一年間の余裕を与えておるのです。しかも人事院を改組して人事局をつくるということについては直接ILO条約に関係のある問題ではない、政府の一つの施策として、この際一緒にやったらいいということで出されておるのです。それなら私は日本の公務員行政の基本をなす人事院から人事局を移すという問題ぐらいは、少なくともせっかくつくっておる臨時行政調査会の意見を聞くということ、これは私は少なくとも政府が臨時行政調査会の価値を評価するならば、やはりそれまで待って、その意見を待ってやるというのが国民のためになるというのですから、それを私は待てずにここに強引に押していこうというところに、私はこの臨時行政調査会が、政府はただ政策的にこういう意見を聞いておるけれども、出た上で何とかいいものは残して、あとは根本的にやる、やるのなら私は少なくとも人事院の人事局を改組するという、それをまず臨調の意見を聞いて私はやるべきだと思う。この点についてどう考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/52
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053・山村新治郎
○国務大臣(山村新治郎君) ILO関係の問題につきましては、私ども所管ではございませんので、他の大臣にひとつお尋ねを願いたいと思う次第でございますけれども、たまたま人事局関係の問題につきましては臨調の内部にも一応の意見があるようでございます。しかし、まだ正式のこれは答申ではありませんので、もとより正式の答申が出てまいりました場合におきましては、十分その御意見を尊重してまいるつもりでございます。しかし、いずれにいたしましても、この問題についてこの答申をどういうふうにして実行に移すかという問題は、相当の決意と勇気を持って当たらなければならぬことにつきましては、山本委員のお説のとおりでございまするが、その間におきましての実際の行政面とのテンポをどういうふうにして合わすか、これは実は非常にデリケートなむずかしい点ではないかと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/53
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054・山本伊三郎
○山本伊三郎君 ぼくはILOの問題でお尋ねしているのではない。ILOは純粋に考えて、別に人事院の人事局をどうこうするというようなことに直接関係ないのです。ただ、臨時行政調査会でせっかくこういう貴重な意見を国民から聞き、国民の代表から聞いてやろうというのであるから、何もそういう大きい改革をその答申前にやる必要はないのだ。やはりそこで一応意見を聞いた後に法律案を提出すべきであるのに、なぜILO条約に関連して国内法を整備して出さなければならぬ理由があるか。私は人事局の問題にしぼっておるのですよ。人事局というものを人事院からこちらに移すということは、これは一つの公務員制度の大きい問題ですよ。それが諮問内容にもあるのですからね。あるのに、先にそういうものを移してしまって、あとからまたいかぬから変えるというようなことはおそらくできない。そういうことは政府としては、臨時行政調査会の答申が出るまでそれだけは一応離しておくという考えは持てないだろうか。ILO全般については、あなたに関係ないです。ぼくは問題はいろいろありますけれども、私は人事局にしぼって、なぜそういうことができないのであろうか。これを政府の見解を聞いておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/54
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055・山村新治郎
○国務大臣(山村新治郎君) 問題は実は人事局ばかりでもございませんで、いろいろその答申が出るまでの間におきましても、あるいはまた、答申を実行に移す過程の間におきましても、どうしても一つの政策を実行するためにつくらなければならぬ問題はたくさんあると思うのでございます。しかし、これらの点をつくりましても、最後はやはりこの答申をあくまでも尊重してまいるという方針には変わりはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/55
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056・山本伊三郎
○山本伊三郎君 ぼくの言っているのは、そういうその結論を待ってやるまでの時間的の余裕があるかどうかということを判断して言っておるのですよ。それなら、それほどの緊急な問題であるならば、ILOに関係なく、もっと早くに人事院から人事局を取っちまってもいいんですよ。ただ、そのILOに便乗して取るというところに問題があるのですが、せっかく臨時行政調査会ができておるのだから、それだけははずしてしまって別に考えてもいいじゃないか。ほかの問題は政治的の問題を相当含んでおりますから、私はあなたに尋ねようと思わないが、事公務員制度の根本に触れる人事行政の問題が、たまたまILO条約というものにひっかけてそれらを取ってしまおうというところに、私は臨調があるんだから、臨調の意見を聞いたらどうか。そんなに早急にやるというなら、むしろILOにひっかけておったらまた問題ありますよ。御存じのように、もう四回流れておる。そんなにあなた言われるけれども、人事行政上これは緊急な問題で早くやらなければならぬというなら、これは別にILOにひっかけずに別にやったほうが私は問題が解決する。そこに一つ私は疑問を持っておるのですがね。解明をもう一ぺんしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/56
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057・山村新治郎
○国務大臣(山村新治郎君) 山本委員の御意見は十分これは拝聴すべきものでございますが、私どもといたしましては、あくまでも臨調の答申を前向きの姿勢をもってこれに取り組むことには変わりはございません。ただ、その間におきまして、いろいろ行政上に緊急を要する問題も出てまいりますので、これをいろいろと法律を提出いたす場面もあるかもしれませんが、答申が出てまいりました暁におきましては、いろいろ難問題もあるかもしれませんが、これを実現するために全面的にひとつ政府といたしましては取り組んでまいるつもりでございまするが、たまたま先般自民党のこの問題の行政改革特別委員会におきましても、この行政改革をするということはなかなか容易なことではない。全くそれは山本委員と国じような御意見でございまして、そのためにはこのことだけをもって臨時国会を開く必要があるのじゃないか。むしろ行政改革臨時国会と銘打った臨時国会を開くことによって初めて国民のこの行政改革に対する熱意もあがり、同時にまた、この問題と前向きの姿勢で取り組み得る素地もできてくるのじゃないかという強い意見もあった次第でございます。しかし、これはいずれもこの答申をいただいてから府政といたしまして権討いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/57
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058・山本伊三郎
○山本伊三郎君 この問題については、いま行政上の緊急と言われますけれども、これはもう一つのILO問題についての付属的問題は政治的な問題としてあげられておる。これは私もよく知りつつあるのですが、またいずれ別の機会にこれはやるとして、もう一つ聞いておきたいのですが、いろいろな仮説が出て報告されておりますが、あれは太田委員の第三部会ですか、あれについていろいろわれわれも支持する問題も相当あります。ほんとうの国民のための行政ということになれば、抽象的に言えばそうであるけれども、具体的になるとなかなか判断が出てこないと思うのです。たとえば一つの例をとりますと、私はこれは厚生大臣にも相当この委員会でやりましたが、たとえば現在社会保障関係とか労働行政関係で、府県知事の監督下にあるけれども、身分は国家公務員という者もある。地方制度調査会で私もいろいろ発言しておりますが、こういうものをきちっと今度の臨時行政調査会で出た場合に、勇気を持ってやれるかどうかということなんですね。先ほど申しましたように、これは単に地方と中央という意味でだけじゃないのです。ほんとうにやろうとすればなかなか先ほど言いましたように、官僚組織というものは竹の根の張ったように強いものですから、長官もなかなか勇断があるようでありますが、これをちょとでもいろうてやろうということになると、これはやったら相当私は手柄というより、力のある人でないとやれないと思います。そういう意味において、ああいう仮説を出されておるが、それに対する反響が相当大きい。きょう尋ねるのは内容を目標に尋ねるわけでありますが、そういう仮説というものが答申の間にあってどれほどの権威のあるものかどうか。単に第三部会でこういう点を討議したのだ、第三部会における意見は総合的にこうなんだということの一つの参考の意味で報告されておるのかどうか、その点ひとつお聞きしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/58
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059・山村新治郎
○国務大臣(山村新治郎君) 行革を実際に実現するために非常に難問題が山積するであろうことにつきましては先ほど来のお説のとおりでございまして、これを根本的にその答申の実現をはかるということはこれは一大臣の力あるいは二、三の国会議員の力ではとうていできないと思います。内閣があげてこれに取り組み、むしろ国会のあげての御声援がなければ相当むずかしい問題に当面することは御指摘のとおりでございます。たまたま太田委員の一つの試案につきましての御意見が出たのでございますが、これはあくまでも太田さんの個人的な試案のようでございます。いろいろとその反響は内外にだいぶ大きな反響を呼んでおるようでございます。内閣といたしましては、この答申はあくまでも尊重しなくちゃならない。しかし、そのためには単なる理想論で、実現性のないものであっては困るから、なるべくひとつ実現性のあるような答申をいただきたいというたてまえから各省でもって、いま太田委員と、その実情についての情勢についていろいろと連絡をいたしております。そういう次第でございますので、委員会のあり方につきましては、私のほうからとやかく申し上げるわけにもまいりませんが、あくまでも太田委員の先般の試案は太田さん個人の試みの案でございまして、相当にある程度調整が可能じゃないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/59
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060・山本伊三郎
○山本伊三郎君 私は基本的な考え方として、太田試案といわれますが、私は仮説だと思っておったのですが、どれだけ違うか知りませんが、よく新聞では仮説というようなことばを使っておりますが、基本的に私はいいと思っておるのですが、理想であるかどうかは一応別として、やはり国民のための行政ということで、あの人は出身がああいう総評からの出身ですから、自分みずからもそれについて非常に批判を受けるということをあえてやっておるのだから、私は勇気のある意見を出していると思う。
したがって、それでその試案として出されたんですが、それによって各省との調整といわれますが、その点はわからないのですが、結局各省の意見をいれてくると、実際は行政組織を料理することはなかなかできない。したがって、独自の立場で七人委員会で一応理想であるかどうかは別として、理想であるかどうかは七人委員会で一応検討して、理想だけれども、実現性がないからこうしようじゃないかということをいろいろ調整されるということはいいのですが、各省の意見を聞いてそれで実現性があるかどうか意見を聞くとなれば、また骨抜きになると思うが、その点、私は聞き間違いでありますかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/60
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061・山村新治郎
○国務大臣(山村新治郎君) 決して各省が太田委員に対しましていろいろと注文をつけるというわけではございません。むしろ実情を訴えるというような意味と同時に、また太田委員があれだけの試案を出されたということは相当の勇断がお入り用であったことは山本委員の御指摘のとおりでございます。したがって、太田委員並びに七人委員会といたしましても、おそらく何者にも牽制されない立場から公正な御意見を出されることと存じている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/61
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062・山本伊三郎
○山本伊三郎君 最後にもう一つだけ聞いておきますが、実は臨調の関係になるのですが、もう新聞紙上で言っておりますから、私はその信憑性についてはまだ知りませんが、この国会に政府は国家行政組織法の改正でいわゆる定数の改正とか、そういうものは政令にゆだねて、また、部局の設置を政令でやるのだというような考え方に政府があるということを聞いているのですが、そういうことはないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/62
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063・山村新治郎
○国務大臣(山村新治郎君) ただいまの御指摘の問題は、一部にはそういう御意見もございます。しかし、まだいまのところ政府として決定いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/63
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064・山本伊三郎
○山本伊三郎君 これは私きわめて重要な問題ですから、最後にひとつ注文といいますか、意見を言っておきますが、それは政府としては一々国会で五人、六人の定数を変えるのも法律案として改正する、また、部局の設置を一々国会の議決を経るということは非常にやっかいであると思う。しかし、あれは国会法律事項にしたゆえんというものは、もしあれが政令事項になると、私は先ほどの関連がありますが、官僚組織が非常にはびこってくると思う。したがって、一部にそういう意見があると言われますが、国家行政組織法を担当する行政管理庁ですから、厳にこれは、そういう意見は戒めてもらいたいと思う。民主主義政治というものは、時間がかかります。国会でいろいろ言われるのはいやでしょう、いやだけれども、なぜあれを法律事項としてきめているかということの根本的な精神というものを十分把握してもらって各官僚のなわ張りといいますか、勢力をチェックするのは、あれが国会の法律事項としてあるから私はそれは若干チェックしていると思う。行政管理庁はおそらくやれないでしょう、こう言ったら失礼な言い方でありますが、たびたび、一国会では、部局の設置というものについてはこれはもうやらないのだ、川島さんもたびたび制限しているのだと言われますけれども、一国会には相当出てくる。私聞きますと、ある程度各省でもチェックされておるようですけれども、やはり数は、かなりのものが毎国会出てくる、しかもふしぎなことに、私はあれはいつもここでやっているが、いわゆる実力者という人が大臣になっておるところが非常に多く出ておる、こういう点は、私は厳に戒めなければ、民主主義議会政治というものが、破壊されてくると思いますので、私はこれは意見でありますが、その点長官の決意といいますか、所感だけ聞いて、きょうはこれで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/64
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065・山村新治郎
○国務大臣(山村新治郎君) 国家行政組織法の問題につきましていろいろと意見がありますることは、まあ広い政府でございますし、同時にまた、自民党の中におきましても、かえって政令にまかしたほうがいいという問題まで、一々法律で出てくるということは、国会の権威にかかわるじゃないかという御意見のあることも事実でございます。それらの御意見もございますが、山本委員のおっしゃったことは、国会の尊重というたてまえから傾聴すべき御意見であると考えますので、私どもといたしましては慎重に検討いたしますつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/65
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066・三木與吉郎
○委員長(三木與吉郎君) 他に御質疑はございませんか。——御発言もなければ、本案の質疑は、本日はこの程度にとどめます。
本日はこれにて散会いたします。
〔午後二時四十二分散会〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01219640305/66
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