1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年三月十九日(木曜日)
午前十時五十七分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 三木與吉郎君
理事
石原幹市郎君
下村 定君
伊藤 顕道君
委員
源田 実君
小柳 牧衞君
林田 正治君
村山 道雄君
松本治一郎君
鬼木 勝利君
委員以外の議員
発 議 者 草葉 隆圓君
国務大臣
文 部 大 臣 灘尾 弘吉君
政府委員
総理府総務副長
官 古尾 亨君
内閣総理大臣官
房賞勲部長 岩倉 規夫君
文部政務次官 八木 徹雄君
文部大臣官房長 蒲生 芳郎君
文部省社会教育
局長 斎藤 正君
文化財保護委員
会事務局長 宮地 茂君
事務局側
常任委員会専門
員 伊藤 清君
説明員
文部大臣官房総
務課長 木田 宏君
文部省大学学術
局審議官 村山 松雄君
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本日の会議に付した案件
○旧金鵄勲章年金受給者に関する特別
措置法案(草葉隆圓君外十六名発
議)
○文部省設置法の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/0
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001・三木與吉郎
○委員長(三木與吉郎君) これより内閣委員会を開会いたします。
旧金鵄勲章年金受給者に関する特別措置法案を議題といたします。
本案につきましては、すでに発議者から提案理由の説明を聴受いたしておりますので、これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
なお、発議者草葉隆圓君のほか、政府側からは古屋総理府総務副長官、岩倉賞勲部長が出席しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/1
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002・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この法案に関連して二、三お伺いしたいと思いますが、まず最初は、素朴な質問から始めたいと思いますので、発議者並びに総理府賞勲部、それぞれ該当の問題について懇切丁寧にお答えいただきたいと思います。
まずお伺いしますが、金鵄勲章はいつ創設されたのか、そしてどのような者に授与されたのか、まずこのことからお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/2
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003・岩倉規夫
○政府委員(岩倉規夫君) 金鵄勲章の制定は、武功奨励の趣旨で明治二十七年の勅令第百七十三号をもって創設されたものでございます。これが新憲法の施行に伴いまして昭和二十二年政令第四号で廃止されました。武功奨励の趣旨で明治二十七年に制定されたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/3
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004・伊藤顕道
○伊藤顕道君 金鵄勲章の創設は明治二十七年とおっしゃいますと、その後ございました日清、北清事変とかあるいは日露、シベリア出兵あるいは日華事変、大東亜戦争、こういうふうに戦役が相次いだわけでございまけれども、その戦役別の金鵄勲章の受給者の数はどうなっておりますか。これはもっとも数字の問題でございますから、お手元になければあとで資料として御提出いただきたいのです。いまわかっている分だけは口頭でお答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/4
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005・岩倉規夫
○政府委員(岩倉規夫君) ただいまの明治二十七、八年、それから明治三十三年の戦役、それから三十七、八年戦役、大正三、四年の戦役、大正三-九年の戦役、昭和二、三年の騒動、それから六-九年の事変、それまでが年金の支給せられました金鵄勲章の授与があったわけでございますが、総人員につきましては、昭和十四年の末に現存しておられた方の数は五万四千六百六十八人、それまでの人数はそういうことになっております。それから三十八年の一月一日現在で生存が推定されておる年金受給者のそれまでの数は八千六百八人ということに相なっております。それ以前の死没者を含めました総数につきましては、これはちょっと資料がございませんので、後刻お答えいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/5
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006・伊藤顕道
○伊藤顕道君 あとそこに、お手元にない資料等については、いまのを含めて一括してあとで御提出いただきたいと思います。この金鵄勲章についてはいろいろ等級があるように承っておりますが、等級はどのように分かれておるのか。それと、これはいわゆる功級とあわせて授与されるというふうに承知しておるわけですが、そういうことについても御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/6
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007・岩倉規夫
○政府委員(岩倉規夫君) 金鵄勲章の功級は、功一級から功七級まで七段階に分かれております。その功級に叙して金鵄勲章を賜わったということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/7
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008・伊藤顕道
○伊藤顕道君 それからいま金鵄勲章そのものについてお伺いしたわけですが、今度は金鵄勲章の年金、年金についてはいつ制定されて、そしてまたその後廃止されたわけですが、いつどのような意図で廃止されたのですか。せっかくつくったものをどうして廃止したのか、そういうことについて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/8
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009・岩倉規夫
○政府委員(岩倉規夫君) 金鵄勲章の年金の制度は明治二十七年勅令第百七十三号で制定されました。金鵄勲章自体は先ほど申しましたように武功表彰の趣旨でございまして、これに年金を付しますのは武功者の恩賞を特に厚からしめるという趣旨で当時年金の制度で制定されたわけでございます。明治二十七年でございます。金賜勲章の叙賜は明治二十七年の戦役から始まっておりますが、明治二十三年に制定されましたけれども、第一回の金鵄勲章は二十七年から出ておりますので、結局金鵄勲章には最初から年金が付せられていたわけでございます。ところが、昭和十六年の勅令第七百二十五号で昭和十五年四月二十九日以後、すなわち支那事変以降の金鵄勲章叙賜者につきましては年金の授与は廃止されることになったのでございます。その理由は、当時の枢密院の審議の記録によりますというと、金鵄勲章の年金というものは恩給等と違いまして生活費の支給というような趣旨ではなくて、あくまで恩賞である。恩賞でありますので、受給者の側からその増額ということを、当時何かそういう動きがあったらしいのでございますが、受給者側から恩賞の増額を要求するというのは筋が通らない。それが一つ。それからもう一つは、金鵄勲章の年金でございますとこれは終身年金でございますので、生命の長短によって各個人が受ける金額が異なってまいるわけでございます。そういうことでございましたので、昭和十六年にそういう不均衡をなくすというような趣旨から、昭和十六年の勅令によりまして年金の支給は昭和十五年四月二十九日以後は行なわない。ただ、既得権を持っておられた方々についてはなお旧令によって年金を支給する。しかし、昭和十五年四月二十九日、支那事変以降の金鵄勲章叙賜者につきましては一時金を授与するというふうに制度が改正になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/9
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010・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に、各戦役別の旧金鵄勲章年金受給者の数を知りたいと思いますが、これもお手元に詳しい資料がなければ、おわかりの分だけ御説明いただいて、あと一括資料として……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/10
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011・岩倉規夫
○政府委員(岩倉規夫君) ちょっと伺いますが、これは戦没者の数も合わせまして全部ということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/11
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012・伊藤顕道
○伊藤顕道君 はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/12
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013・岩倉規夫
○政府委員(岩倉規夫君) よろしゅうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/13
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014・伊藤顕道
○伊藤顕道君 その数の中で現在の生存者はどのくらいになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/14
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015・岩倉規夫
○政府委員(岩倉規夫君) 金鵄勲章の年金受給者の推計でございますが、これは昭和十四年末の生存者の方は五万四千六百六十八人という記録がございまして、それから厚生省の人口問題研究所によりまして生命表その他を適用いたしまして現在生存しておられると推定した数字が八千六百八人、これは三十八年一月一日現在の推計の数でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/15
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016・伊藤顕道
○伊藤顕道君 その総計のもちろん推計ですが、数はわかりましたが、これは戦役別――各戦役、ダブっているのがあるでしょうけれども、各戦役別に年金をもらって、そうして現在いるのか、そういうことをも先ほどの資料に含めて御提出いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/16
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017・岩倉規夫
○政府委員(岩倉規夫君) これはただいまわかっておりますけれども、あとで提出しますが、ここにございますので申し上げてもよろしゅうございます。
明治二十七、八年戦役による金鵄勲章叙賜者は、昭和十四年末には三百四十一名おられたわけでございますが、三十八年一月一日現在では一名というふうに推定されております。しかしながら、三十三年の戦役では、十四年末には五十三名おられたのでありますが、それが三十八年一月一日現在では二名、それから三十七、八年戦役の方は昭和十四年末には、四万五千八百五十六人おられたのでございますが、三十八年一月一日現在では三千七百四十一名、それから大正三、四年戦役の方は十四年末には千八百五十六名、それが三十八年一月一日現在では六百六十名、大正三-九年戦役の方は十四年末には二千五百六十人、それが三十八年一月一日現在では千二百九十四名、それから昭和二、三年の擾乱でございますが、十四年末には十名おられましたのが、三十八年一月一日現在では七名、それから昭和六-九年の満州事変でございますが、十四年末には三千九百九十二名、それが三十八年一月一日現在では二千九百三名生存を推定されております。合計いたしまして、十四年末の総計が五万四千六百六十八名、それの三十八年一月一日現在の推計が八千六百八名、こういうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/17
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018・伊藤顕道
○伊藤顕道君 金鵄勲章の年金の定額はどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/18
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019・岩倉規夫
○政府委員(岩倉規夫君) 年金の定額は制定当初から数回改正が行なわれまして、これは功級によりまして等差がございますが、昭和二年の改正におきましては功一級は千五百円、功二級が千円、功三級が七百円、功四級が五百円、功五級が三百五十円、功六級が二百五十円、功七級が百五十円ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/19
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020・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この年金の受給者は、死亡した場合にはどう扱っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/20
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021・岩倉規夫
○政府委員(岩倉規夫君) 死亡の遺族に対しましては、五年間支給せられるということに相なっておったと記憶いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/21
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022・伊藤顕道
○伊藤顕道君 私がお伺いしたいのは、年金受給者がなくなったらどうなるかという場合には、遺族になお引き続いて一年間は支給する。ただしその生存者が、本人とそれを通算して五年に満たない場合は五年まで遺族に支給する、そういうふうに記憶しておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/22
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023・岩倉規夫
○政府委員(岩倉規夫君) おっしゃるとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/23
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024・伊藤顕道
○伊藤顕道君 いま金鵄勲章年金についてお伺いしました。金鵄勲章一時賜金というのがその後できたわけです。これはいつ制定されて、いつ廃止されたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/24
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025・岩倉規夫
○政府委員(岩倉規夫君) 昭和十六年に年金が廃止せられまして、年金にかえて一時賜金を賜与せられることになりましたが、この一時賜金は、大正八年の勅令第四百九十二号というのがございまして、戦役、事変に際して賜金、賜杯を賜与することができる。正確に申しますと、「戦役又ハ事変ニ際シ功労アル者二一時賜金又ハ金銀木杯等ヲ賜与スルコトヲ得ルノ件」というものに基づきまして、戦争または事変のたびごとに賞賜内規で定められるということになっておりまして、それが廃止になりましたのは、昭和二十一年勅令第百十二号でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/25
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026・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この旧一時賜金を授与された方ですね。これは戦役別といっても、もう制定の時代から推してあまり古いものではないわけですね。結局日華事変、大東亜戦争、この数はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/26
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027・岩倉規夫
○政府委員(岩倉規夫君) 昭和十五年四月二十九日の賜与者の総数で五万三千九百八十四名ということであります。大東亜戦争等の戦死者にも出ておりましたのですが、この数は約六十万で、大東亜戦争は戦没者だけしか出ておりません。約六十万の方に発令済みだったと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/27
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028・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この数字の中で、現在生存している方はどのくらいあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/28
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029・岩倉規夫
○政府委員(岩倉規夫君) これまた三十八年一月一日現在の推定でございますが、四万九十八名でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/29
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030・伊藤顕道
○伊藤顕道君 年金と一時賜金と時代的に変わってきたわけですけれども、これはどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/30
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031・岩倉規夫
○政府委員(岩倉規夫君) 年金と一時賜金は年金が廃止になりましたときの趣旨は先ほど申しましたが、武功ある者の表彰を特に厚からしめるという趣旨であったわけであります。一時賜金のほうは大正八年の勅令に基づいて制定されておりまして、この一時賜金は金鵄勲章ばかりではなくて、金鵄勲章あるいは普通鵄章、旭日勲章、瑞宝勲章、あるいは一時賜金のみの方というふうに段階を設けまして一時賜金があったわけでありますが、その中で金鵄勲章の分は最高の扱いであったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/31
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032・伊藤顕道
○伊藤顕道君 そうすると、両者はあまり性質上違わないということですか、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/32
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033・岩倉規夫
○政府委員(岩倉規夫君) 武功表彰の趣旨という点からすれば、表彰を特に厚からしめるという点においては、性質上の差異はないと思いますが、ただ年金と一時賜金というものには、これはまた別の観点からの性質の相違があると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/33
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034・伊藤顕道
○伊藤顕道君 いまの点については枢密院の審査報告にその旨が明らかにされている、こういうことでありますが、この枢密院の審査報告というのはどういう内容のものですか、概要を聞いておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/34
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035・岩倉規夫
○政府委員(岩倉規夫君) 枢密院の当時の委員長が、議長に報告をせられたときの金鵄勲章年金廃止についての委員長報告書でございます。それには、先ほど申しましたが、年金を廃止するという政府の勅令案に対しまして、これを審査せられた顧問官の方々の委員会の意見を委員長が取りまとめて、そうして枢密院議長に報告せられたものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/35
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036・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この金鵄勲章は功級に合わせて授与されておったということでありますが、以下申し上げます問題点を承りたいと思います。各戦役別、それから年金か一時賜金かその別ですね、功級別、生死別、それから年齢別の数を承りたい。こういう複雑なものは、いまそこですぐお答えがもし困難であるならば、おわかりの分だけを御説明いただいて、あとは一括資料としていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/36
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037・岩倉規夫
○政府委員(岩倉規夫君) ただいまのお尋ねの年齢別というのは、生存推定の分についてならばできますが、過去の死没者等を全部含めますと、ちょっと作成困難かと思います。それからここでただいまわかっておりますものは、旧金鵄勲章年金受給者であった者の生存推定のものでございますが、これは六十歳以上という議員提案の法案になっておりますので、昭和三十八年に六十歳以上であった方、それが先ほどの八千六百八人のうち六千百六十名、それから三十九年以降に六十歳に達せられる、これも六十歳に達しないで死没されるであろうという方の分は、あらかじめ生命表等によって、統計的除算をいたしてありますが、その数字は、三十九年十五名、四十年百七名、四十一年百三十四名、四十二年百八十三名、四十三年千八百四十九名、四十四年が百六十名、それで終わる、四十四年で六十歳に達せられる。そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/37
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038・伊藤顕道
○伊藤顕道君 外国の勲章で、年金または一時賜金の伴うものがあるのかどうか。それは日本独自のものであるのかどうか。もしあるとするならば、年金、一時賜金別、国別に、そうしてその金額もおわかりならこれも、そこに手元に資料がなければ資料として御提出いただきたい。おわかりの面だけ御報告願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/38
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039・岩倉規夫
○政府委員(岩倉規夫君) 外国の勲章で年金、賜金のつきます勲章はあるのでございますが、ただいまおっしゃいました国別等の詳細な資料は持ちませんので、これはございますから御提出いたします。ただ、金額までの資料が区分けについてはちょっとないのじゃないかと思います。年金を付する立法例を、そういうものを調査の上御報告いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/39
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040・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に発議者にお伺いしますが、この金鵄勲章年金復活に関する請願の処理状況を見ますると、私から申し上げるまでもなく、過去十一回の国会で審査されたわけですが、要点だけ申し上げますと、これは第二十四国会ですから三十一年だと思いますが、それ以後第二十六国会では審査の結果は保留、二十八回も保留、三十回は審査未了、三十一回の場合は、委員会において願意不適当なるものと認め不採択に決定、それから三十四国会では保留、三十六回が審査未了、三十八回が保留、四十、四十一回も保留、そして四十三国会では審査未了。この内閣委員会における請願の処理状況は大体こういう結果であったわけです。こういうことから見て特に三十一国会では、ここで慎重審議した結果願意不適当なるものとして不採択に決定しておる。その他もあるいは保留あるいは審査未了に終わっている、ということは、委員会における審査の結果が不適当である。少なくとも決定ということは過去一回もなかったわけです。こういう点から推して、どうもこのような法案が提案されたことについては、私どもきわめて不可解な感じを抱かざるを得ないわけです。やはりいつも申し上げておるように、これはまた後ほど詳しく伺うところでございますが、やはり社会保障制度の一環として、そういうものを支給するのがきわめて適当ではなかろうか、こういうふうに私どもは確信しているわけなんです。このように、詳しいことは申し上げませんが、たとえば請願の処理状況については、このような状況であったわけです。これをあえて議員提案として提案されたことについては、いろいろ問題が多いわけですが、あえてこれを提案されたことについては、私どももきわめて遺憾の意を表さざるを得ないわけですが、この点についての提案者としてのお考えを詳細にお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/40
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041・草葉隆圓
○委員以外の議員(草葉隆圓君) 伊藤さんの御質問ごもっともな点でありまして、第二十四国会以来ずっと第四十三国会まで請願が続けられ、御指摘の第三十一国会におきましては、内閣委員会で不採択という決定を受けたのであります。これとあわせてだんだんこういう立法に、第二十四国会以来、金鵄勲章年金受給者が、先ほど来賞勲部長の御報告のように、老齢者が多い、ことに年金受給者は一番多いのが日露戦争、満州事変でございます。あとはごくつけたり、こういう人たちは、それによって生活をするという年金のたてまえではなかったのでありまするが、実際はいただいている年金によってずっと終戦までは、大体これによって生活をしておったという人が大多数であると私どもは考えておるのであります。したがって、終戦後これが打ち切られてそうして終戦後の、たいへん老齢にはなったし、生活は困窮してきた、何とかこれに対する特別な御配慮をいただきたいというのが、請願の趣旨であって、したがいまして、また三十入国会以来議員立法として何とかこの点は、旧金鵄勲章年金受給者に対する特別な措置を考えて、当時の年金に見合うということは困難であるけれども、せめて幾分かでもその人たちの生活を少しでも見る、また、その功績に対して微意を表する方法をとることが適当ではないかというので、三十八国会以来、御案内のように、ずっと請願とあわせて議員立法を進めてまいってきておるのでございます。したがいまして、お話のように、従来の請願に対して一度は不採択になりましたが、その後は議員立法とあわせて、保留をしながら議員立法も、場合によりますと、ときによりますと、まさに通過をするというところまでだんだんと空気が一時よりも変わってきたんじゃないかと私どもは考えておりますが、幸いに日本の経済もよくなってまいりますし、ことにこの当時の一つの谷がそのままの状態になっておりまするから、この機会にぜひ皆さまにお願い申し上げて、この谷間の人たちに対してひとつ年金の一時金をこの機会に特別立法によって処置をいたしたいというのが、議員立法として提案をいたしております趣旨であります。どうぞそういう点をひとつぜひおくみ取りいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/41
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042・伊藤顕道
○伊藤顕道君 御説明ですけれども、私がお伺いしたのは、議員立法に触れていまお伺いしたわけではないわけです。三十一年の第二十四国会からこの年金復活の請願が出されて今日に及んでおる、その請願について限定してお伺いしているわけです。その議員立法についてはまた後ほどお伺いするところですが、請願について当内閣委員会で慎重審議された結果、三十一国会では先ほど申し上げたように、委員会においては願意不適当と認めて不採択、こう決定した。あとは大部分は、保留で、期間の関係で審査未了にもなっておりますね。いまだかつて採択されたことはないわけです。こういう当内閣委員会における審議の過程をごらんになって、国会審議の方向はどうもこれは適当でない、こういう方向が明らかに出ておるわけです。請願だけについていま申し上げておるのですが、このような請願の審査状況から推して、これをあえて議員立法とすることにも非常な無理があるのではなかろうか、こういう点をお伺いしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/42
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043・草葉隆圓
○委員以外の議員(草葉隆圓君) お話のように、第二十四国会以来請願がずっと出されて、そうして第三十一国会において本委員会で不採択という決定をいたされ、その後ずっとまた同じように請願が何件かずつ出ておりますが、これは審査未了は別といたしまして、保留という形で参っております。三十一国会の不採択は、当時の情勢において内閣委員会が不採択とするというふうに御決定になったのも、またその当時の事情として御決定いただいたことと存じております。だんだんその後さらに少しずつ請願に対する国民感情と申しますか、それが国会に反映した状態になってまいっておりますから、その後はずっと保留、保留という形できております。三十一国会はその最高の山で、ここから、これを過ぎますとまた少しこれに対する考え方がやわらいでおるという、ことばはどうかと存じまするが、理解を持ってきた、理解の度合いが深まってきたと私どもは実は見て、そうしてこの情勢において理解の度合いが、法案をひとつ提案しながら通過をさしていただく程度まで来たのではないかと存じまして、この点提案は別でございますが、そういう認識を持っておるような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/43
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044・伊藤顕道
○伊藤顕道君 草葉さんなかなかうまいことをおっしゃいますけれども、三十一国会の不採択以後順次やわらいできたというような意味でございますけれども、依然として審査の結果はきびしく保留、保留ということは、適当ということとは違うわけです、説明するまでもなく。少しも適当であろうというような意向は毛頭出ていないわけです、結論として。そこで、これは幾ら言っても押し問答になりますから、これ以上掘り下げてお伺いいたしませんが、このことに対して政府側としてどのようにお感じとりですか。野田さんお見えにならぬので、古屋副長官にひとつこの点についての率直なお考えを責任をもってお答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/44
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045・古尾亨
○政府委員(古尾亨君) この議員提案になっております特別措置法案は、御承知のように、六十歳以上の方の旧金鵄勲章年金受給者に一時金を支給することになっておるのでありますが、これらの者につきまして、ただいま草葉先生からお話がございました一時金を支給すべき谷間の状況と申しますが、谷間の状況にある方に一時金を支給するのでございまして、旧金鵄勲章を復活してこれに一時金を出すという考えではございません。したがいまして、そういう趣旨でありますから、栄典制度と別途にこういうことが措置されても特別の支障はないということで、先般これに対する衆議院の場合に内閣の意見が付せられておりますが、内閣としては、これにつきまして本会議で大蔵大臣が答弁した速記録にもありますように、内閣としては、これに対しては何と申しますか、異議はないと申しますか、そういうものが院議として決定されました以上は、院議を尊重するということを申し上げておるのでございます。その考えはいまも変わりないということを申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/45
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046・伊藤顕道
○伊藤顕道君 いささか的はずれの御答弁なんですが、私がお伺いしておるのは、先ほど来繰り返しておるように、長い間、当内閣委員会でこの年金復活についての請願が取り扱われておる。るる申し上げておるように、三十一国会では願意不適当と認めて不採択になった、その他保留、保留は先ほども申し上げたように、よろしいということじゃないわけで、問題があるから保留にした、あるいは審査未了と、これはまあ審査未了というのは、時間等の関係もあるでしょうから、これは別としても、まあ不採択か保留であったわけです。したがって、国会の審議を尊重するというたてまえからいえば、これは不適当といわざるを得ないわけです、保留ですから、そうして不採択も中に含まれておる。こういう国会の審議の過程は、いまるる申し上げたとおり、それが今度は形を変えて議員立法という形で、議員立法については後ほど申し上げますが、これもまあいろいろな過程を経て議員立法されたということ、こういうことに対して、政府としてはどういうふうに受けとめられたかということを伺っておるわけです。これは政府が国会審議の過程を尊重するのか、尊重しないのかということにも通ずるわけです。国会の審議はまあ形式で、それはどうあろうと与党が議員立法されればそれを尊重するのだ、そういうことなら話は別ですが、やはり政府も三権分立の現段階において、政府側は、立法の府である具体的には当内閣委員会の審議の過程を無視するのか、尊重するのかという考え方によってこの見方が違ってくるわけです。だから、国会の審議をどういうふうに見ておられるのか、そしてその結果、これが適当であるとか不適当であるということになろうかと思う。こういうことをお伺いしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/46
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047・古尾亨
○政府委員(古尾亨君) ただいま伊藤先生のお話でございまして、私の知っております範囲におきましては、政府といたしましては、国会における審議状況は十分尊重をいたして、しかもその際における状況は、各種の資料を作成する、あるいは常時検討をしてまいっておる次第でございます。したがいまして、国会の審議の状況は、行政府としては、十分これを慎重に検討して、内閣が国会で論議されております問題につきましては、政府としては十分勉強をし、また検討して、慎重に取り扱っておる次第でございます。これは一般的な問題につきまして、私ども、常時審議の状況等は十分慎重に検討さしていただいておる、決して国会の審議の状況というものは無視すると申しますか、そういうことはいたしておりません。ただ、お話がございますように、行政府といたしましては、立法府において行なわれまする論議は、慎重にそれぞれの問題につきまして検討さしていただいておるというのが私どもの考え方でございまして、国会の審議の状況を無視するということは絶対にあり得ない。したがいまして、国会で論議されますごとに、この問題につきましても各種の資料を作成する、あるいは検討しておったというのが実情でございまして、したがいまして、先般、ただいま賞勲部長から御説明いたしましたような資料等につきましても、従来から国会でこういう問題が論議をされておりますので、それに対処いたしまして政府の検討という意味におきまして、資料等も慎重に作成をさせていただいておるというのが実情でございます。先ほど申し上げまして私のことばが足りなかったかと思うのでございますが、この問題につきまして最近の衆議院で議決されました場合における内閣の意見ということを私中心に申し上げた次第でございますが、従来から慎重に検討して、資料等も検討しておるというのが実情でございまして、したがいまして、院議をもって決定されましたこの問題については、内閣として異議がないということを先ほど申し上げたような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/47
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048・伊藤顕道
○伊藤顕道君 どうも納得しかねるわけですね。先ほどから申し上げておるように、三十一年の第二十四国会から年金復活に関する請願がなされておる。それで現在まで及んできている。その当内閣委員会における審査の結果は、繰り返して申し上げているように、適当でなかったわけです。適当とは認めていないわけです。保留というのは、問題があるから保留になるわけです。ばさっと決断を下せない、十分検討の余地あり、こういう場合に保留になるわけです。一回でも採択――願意を適当と認められたことがあれば、これはまた話は別ですが、それが逆に願意不適当と認められたことはあったけれども、適当と認められたことは一回もない。そして大部分が保留、審議未了、まあこういう実情ですね。これは議事録をごらんになれば詳しくおわかりになると思いますが。そこで、いまお説明によると、政府としては国会の審議の過程は尊重なさる、そういうことなんですが、これはただ形式的に尊重なさるということで、願意不適当だというものに対して、今度はまっこうから反対なものですから、適当と不適当というのは違うんですから、今度の与党のほうの皆さんが議員立法されればこれは賛成だ、そこのところのつながりがぴんとこないわけです。これは事勲章のことに限って申し上げているのですけれども、これはほかのことにおいても同じことが言える。国会審議の結果不適当と、こういうことがはっきりしている。これは勲章に限らず、この問題に限らず、いかような案件であっても国会審議の案件が不適当だという場合に、政府の立場としてこれに賛成するというのはどうも、どういうふうな御説明をいただいても納得しかねるわけです。だからなお十分検討の余地があるじゃないか、こういうふうに私どもは確信をしておるわけです。特にまあ一度だけ三十一国会で願意不適当ということを除いて考えても、それは別として考えても、保留ということで、保留から一歩も出ていないわけです。したがって、十分検討して――あるいはこれは後ほどお伺いするところですが、精神的、経済的に老残の身を横たえて、哀れな気の毒なお年寄がある。これは当然国としてはほうっておくわけにはいかないのです。これはわれわれもそういう方を救うのには、決して人後に落ちないわけです。決してやぶさかではないわけです。ただ、この旧金鵄勲章と結びつけて、その者だけを云々――そこに問題があるとわれわれは言っているわけです。そういう観点から、さらに社会保障的な考え方から、ほかに考える余地があったのではなかろうか。政府が、このことはあまり、そういう具体的な検討はいままでなされないように受け取られるわけです。その点はどうなんですか。だいぶ政府部内でも問題になったわけです。政府がほんとうにおっしゃるように適当というならば、政府提案として、政府の提案で出されたらいいのじゃないですか、政府がほんとうに確信を持ってやれるなら、政府提案となぜなさらなかったのか、この問題はまたあとでお伺いするところですが、そういったことにも結びつくと思う。この点はいかがです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/48
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049・古尾亨
○政府委員(古尾亨君) 先生の御質問に対しまして、私のあるいはことばが足らなかったかと思いますが、国会でいろいろ論議を、こういう問題についてされました当時からそれに対していろいろな資料を慎重に検討しているということは、私ども行政府としては当然の仕事だと思いまして、慎重に検討をして、この問題に対して努力を、努力と申しますか、研究をしている、いやしくも国会で論議されました以上は、それと並行して努力をしているという意味のことを私申し上げた次第でございます。私が院議をもってということを先ほど申しましたのは、むしろそのあとの問題かと思うのでありまして、論議されております間におきましても、もちろん個々的にはいろいろの意見はあるかと思いますが、まずそういう場合には、そういう問題に対してのいろいろな資料――現状、実情がどうなっているか、あるいはどうあるべきかというような資料を慎重に検討してみなければならない、また、そうしておったということを私申し上げた次第でございまして、ただいまの御質問に対しまして、保留あるいは請願の場合の措置につきましても、十分そういう問題に対して、政府側としては慎重に検討しておったということを私申し上げた次第でございまして、ちょっと私のことばが、順序が先のほうまで飛びまして、その点は私のことばが足りなかったと思いますが、そういうような時代におきましては、そういうものに対処する資料を検討しているということをしておったということを、私は申し上げたかった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/49
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050・伊藤顕道
○伊藤顕道君 なお、これは所管は総理府ですから、総理府が中心になって、いろいろ資料等において検討を重ねてこられたということでありますが、これは閣議でもこれほどの問題だから、相当論議されたと思うのですが、そういう事実はあったのかどうか、閣議では全然問題になっていなかったのか、総理府だけの研究であったのかどうか、こういうことを最後にお伺いして、時間の関係もございますから、本日のところ、私の質問はこの程度にとどめます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/50
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051・古尾亨
○政府委員(古尾亨君) 私の知っております限りで、私閣議には出席しておりませんが、閣議での重要事項は、列席しております総務長官あるいは官房長官から教えをいただいておるのでございますが、閣議として取り扱いましたのは、私の記憶している範囲におきましては、昨年衆議院の本会議に上程される前に、内閣の意見として意見を決定しなければなりませんので、そのときに閣議で、先ほど申し上げましたような趣旨において、この問題が内閣としては異議はないという結論が閣議で決定されましたということは申し上げられると思うのであります。その他の点ににきましてどういう論がありましたということは、私不幸にして関知しておりませんので、御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/51
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052・三木與吉郎
○委員長(三木與吉郎君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/52
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053・三木與吉郎
○委員長(三木與吉郎君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/53
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054・鬼木勝利
○鬼木勝利君 先ほど伊藤委員の資料請求、私ちょっと聞き漏らしたのですが、現在の生存の八千六百八人の方の戦役別とかあるいは年齢別ですね、それから階級別、それをひとつやってもらいたい。将官、佐官、尉官、下士官、それから一般の者ですね、階級別の。これが重大な審議のポイントになるのだから、この点をひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/54
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055・岩倉規夫
○政府委員(岩倉規夫君) ただいまの御要求の階級別でございますが、功級別はわかるのでございますが、階級別はそういう資料がございませんので、わからないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/55
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056・鬼木勝利
○鬼木勝利君 それはおかしいね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/56
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057・岩倉規夫
○政府委員(岩倉規夫君) 幅がございますので、まあ、調査いたしてみますけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/57
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058・鬼木勝利
○鬼木勝利君 それは階級別がわからなければ功級別はそれに与えることができないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/58
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059・岩倉規夫
○政府委員(岩倉規夫君) すでに発令済みの功級別の資料はあるわけであります。その発令済みの分は階級に応じて出ておったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/59
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060・鬼木勝利
○鬼木勝利君 階級に応じて功級をやるんでしょう。その階級別がわからぬで功級別がわかるわけはない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/60
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061・岩倉規夫
○政府委員(岩倉規夫君) ですから、一つの階級が一つの功級に相当しておりませんもんですから、幅がございますので、功級別のものはわかりますが、その一つ一つがどういう――中尉であったのか大尉であったのかというところまではちょっと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/61
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062・鬼木勝利
○鬼木勝利君 個人個人の姓名、住所全部わかっているはずでしょう。今日の生活状態もわかっているはずでしょう。それは調査しておるでしょう。そのための調査費も取っておる。――とにかく資料を請求します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/62
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063・岩倉規夫
○政府委員(岩倉規夫君) ただいまの現存者の実態調査というようなことを一度もいたしたことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/63
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064・鬼木勝利
○鬼木勝利君 いや、私その資料を請求いたしまして、質問はまた後刻いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/64
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065・三木與吉郎
○委員長(三木與吉郎君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/65
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066・三木與吉郎
○委員長(三木與吉郎君) 速記を始めて。
他に御質疑はございませんか。――別に御発言もなければ、本案の質疑は、本日はこの程度にとどめます。
速記をやめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/66
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067・三木與吉郎
○委員長(三木與吉郎君) 速記を起こしてください。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/67
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068・三木與吉郎
○委員長(三木與吉郎君) 次に、文部省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案につきましてはすでに提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより質疑を行ないます。政府側出席の方は、八木文部政務次官、村山大学学術局審議官でございます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/68
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069・伊藤顕道
○伊藤顕道君 本法案に関連して二、三お伺いしたいと思いますが、ただ残念なことに大臣御都合つかないようでありますから、基本的な大きな問題については後日に譲るとして、本日は事務的なことについて二、三お伺いをしたいと思います。
最初は、本省内部部局の関係に限定してまずお伺いしますが、今度新設される国立学校の特別会計制度については国立学校特別会計法案――これはおそらく大蔵委員会で審議されるだろうと思うわけですが、特にこの国立学校関係を特別会計とする理由は一体那辺にあるのか、この点からまずお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/69
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070・八木徹雄
○政府委員(八木徹雄君) 今回国立学校の特別会計制度を創設をいたして、いま衆議院の大蔵委員会で審査を願っておるわけでございますが、これをやることによってどういう利点があるかということで、意義というものが鮮明にされると思うのでございますけれども、まず第一に、この歳入予算の超過額について主として国立大学の病院の事業になるわけでございまするけれども、弾力条項を設けて、そして事業の円滑なる運営をはかることができるということが第一点であります。
それから決算上の剰余金の一部を積み立てをいたしまして、これを施設、設備に充当することができるようになったということが第二でございます。
それから国立学校が持っておるところの不用財産を処分した代金は、これを特別会計の収入として、また国庫債務負担行為制度を活用して、施設整備を行なうことができるようにするということ、それからまた、これも主として病院になるわけでございますけれども、長期の借り入れ金制度を設けまして、附属病院の整備の促進がはかられるということ、研究費その他国立学校の運営費については、実情に即したやり方で弾力的にこれがひとつ措置できるといったようなこと、そういうようなところを主たる利点といたしまして、これから大学急増にも及びます段階でございますので、これらの施設、設備等の充実強化をはかる上に利する点がたくさんあり、歴史的に見ましても、以前にも特別会計制度をして、おったことでございまして、国立大学協会の側からもそういうような要請もあることでございますので、そういう急増対策というものの非常な前進にも役立つというように考えまして、今回国立学校の特別会計制度をひとつおはかりを願ったような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/70
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071・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この特別会計制度にすることによって、国立学校等の独立採算制へ移行するのではなかろうか、こういう点も考えられますし、さらにはそれに関連して問題になっておる授業料の値上げ、こういう問題も起きてくるのじゃないかということで、いろいろ問題があると思うのですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/71
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072・八木徹雄
○政府委員(八木徹雄君) まあ、特別会計制度に踏み切ったときに一番われわれが心配いたしたことも、そういう点に御疑念が起こるのではないかということを一番心配いたしました。しかし、率直に申し上げまして、現在の国立学校の経費の中で果たす授業料の役割りなんというものは、非常にぎょうさんな言い方をすれば九牛の一毛にしかすぎないようなわずかな金額でございます。また、学校教育というものが独立採算制でやれないことは言うまでもないことでございますので、その点はもう大蔵省側とも十分に協議をし、話も煮詰まっておりまして、決して独立採算制的なようなものは一切これをとらない。逆に先ほど言ったような弾力条項を含めたいろいろな優遇措置によっていままでよりもよけい一般会計から金が入り得る余地をひとつ残しておくということでございまして、決してそういうようなことはいたさないことにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/72
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073・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この特別会計制度の新設によって大臣官房、特に会計課ですか、この面について四人を増員しようとしておるようですが、扱う予算額、大体千四百億という莫大な金額を担当するのに、四人程度の増員で十分事足りるのかどうか、この点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/73
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074・木田宏
○説明員(木田宏君) 現在でも文部省の官房会計課で各大学の予算の一般的な運用については指導し、これを管理していくだけの人員がおるわけでございまして、特別会計制度をとることによりまして多少変わってまいりますのは、歳入の管理という点を時々刻々に明らかにして、歳入と歳出とのそのときどきの時点におきます状況を明らかに管理していく、こういうような会計経理上の技術的な面から若干の人員増をお願い申し上げておるわけでございます。この四名で特別会計全部をカバーするということではございませんで、実際の会計は、御承知のように、予算によりまして、ほとんど特別会計予算の執行という点で一般会計予算と同じような執行の体制を文部省も各大学もとるわけでございますから、特別会計としてのそうした歳入のそのつどにおきます状況を明らかにして帳簿を管理していきたい。また、その特別会計の運用という点で各大学を指導するような、そういう関係者をこの際確保するということで四名の増をお願いしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/74
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075・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に、教科書無償給与事務がだんだんふえてくる。年次にしたがって数は増大するので、これは当然のことと思うのでありますが、この無償給与事務の拡充に伴って初等中等局に四名増員して、新たに教科書給与課を新設しようとしておるわけですが、これもこの程度の増員で教科書の無償給与の事務が円滑に運営されるのかどうか、この点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/75
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076・木田宏
○説明員(木田宏君) 現在教科書課では七十名の職員がおりまして、そのうち四十名が教科書の検定の事務に従事をいたしております。他の三十名をもちまして教科書の発行、供給につきましてのいろいろな行政上の事務を担当しておるわけでございます。現在やっておりますのは、教科書の発行に関する臨時措置法という法律がございまして、各末端の学校で需要をしてまいります教科書の冊数を集計をいたしまして、それぞれ注文のありました会社に何部の教科書を、需要先はこれこれの学校であるということで、取りまとめて指示をし、また、その部数に対応いたしまして教科書の定価の動き等を管理してまいる、こういう仕事を現にやっておるわけでございます。で、したがいまして、これは文部省が買う教科書というわけじゃございませんけれども、一応現行検定教科書の流れにつきましては、現在の三十名のスタッフでカバーをするという体制でやってまいりました。しかし、今度は御指摘のように、無償教科書を文部省の段階で購入をするという仕事が始まるわけであります。そういたしますと、従来のように、概数的なというとおかしいのでございますが、もっと正確に個別に冊数を点検いたしまして、そうして文部省が各会社と購入契約を締結するということが必要になってまいります。そういう意味で、この四名の増員をお願いしたわけでありますが、これはこの教科書無償の措置が学年を、年次を追いまして、逐次進めてまいるということでありまして、三十九年度は一年から三年までの子供の教科書の措置をやるわけでございますから、それに対応いたしまして人員の増と考えられますものを四名お願いをしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/76
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077・伊藤顕道
○伊藤顕道君 いままで教科書関係の事務は教科書課が扱ってきたわけですが、今度新たに教科書配給課が新設される、その両者の間の事務の分担ですね、こういうことはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/77
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078・木田宏
○説明員(木田宏君) 先ほど御説明申し上げましたように、現在教科書課でやっております仕事は、大きく分けまして、検定の仕事とそれから教科書の発行、供給に関します仕事でございます。それを一つの課でやっておりましたのですが、教科書の無償給与の仕事が加わって事務量が大きくなりますので、責任体制を分けたい。したがいまして、一応私ども現在の段階で仮称として教科書の供給に必要な教科書給与課ということで御説明を申し上げておりますが、この課は義務教育教科書の無償給与に関連いたしまして、必要な発行、供給業務を主として担当させるようにしたい。したがいまして、その実態は、検定関係の部分が別にはずれまして、残りの教科書の発行、供給等の行政事務を管理いたしますものを今度の新しい課で担当する。基本的にはそのように二つに分けたいと考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/78
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079・伊藤顕道
○伊藤顕道君 調査局に二人を増員して新たに留学課を設けようとするようですが、いままで留学生の受け入れとか、派遣等の所掌事務については国際文化課が扱ってきたと思うのですが、そこで新たに留学課が設けられるとすると、その国際文化課から留学生関係の事務のみを引き出して、それだけを担当させると、こういう方法なんですか。この点はまた新たにこうして課を設けようとする理由は、一体那辺にあるのか、この点を明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/79
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080・木田宏
○説明員(木田宏君) いま先生御指摘になりましたように、今回国際文化課で担当しておりました留学生関係の仕事を分離いたしまして、留学生課という形で課を一課新設したいというふうにお願いを申し上げております。実はこの留学生の国際文化課ができましたときには、現在やっておりますような国費留学生の制度等はございませんで、一般に文化交流ということで国際文化課が所掌をいたしてまいったわけでございます。したがいまして、国際文化課の現在の仕事といたしますと、学者、研究者あるいは教職員の国際的な文化交流という問題、あるいは学術交流の文部省としての窓口という面も一部含めまして、国際関係の諸問題というのは、一応この国際文化課を窓口として処理してまいりました。現在ではそのほか沖繩の問題も国際的な性格を持っておるものでございますから、ここであわせて担当をいたしておるのが現状でございます。
ところで、この留学生の仕事は、昭和二十九年から発足をいたしまして、逐年招致いたします留学生の数もふえてまいりました。現在、現に三十九年度日本に勉強しておると予定されますものが学部、研究留学生等含めまして約四百五十名、正確には四百五十六名というのが国費の三十九年度留学生ということになってまいるわけでございます。そこで、これらの留学生は東南アジアはじめヨーロッパ、中南米の二十数カ国の国々からやって参ります。で、個別にいろいろと受け入れ事務その他がございますので、一括して一まとめに処理するということが困難な部分がかなりございます。したがいまして、人数がふえますとともにこなしていかなければならない事務員というものは、出入国の関係からいたしまして、別途教育し、宿舎の世話をし、そうしてそれぞれの希望の大学にあっせんするということで、一人一人について手がかかるという状況になりますので、この段階ではどうしても留学生事務を責任ある課長のもとで分担するということが必要だと考えたわけでございます。従来とも留学生数の増加に伴いまして、職員の増はこれまで六人ほど年次別にお願いしてまいりました。しかし、一方では文化交流の仕事が活発になります。一方では招致する留学生の数がふえる。また日本から海外に出かける、招かれてまいります留学生もまたふえる、こういうことで、この留学生につきましては、それ自体を分離して、一人の責任ある課長のもとで処理をさせることがどうしても必要だと考えたものですから、今回定員増としては、わずか二名でございますけれども、従来からの増員の部分も加えまして留学生事務を明確にひとつやりたい、これが留学生課をお願いしておるゆえんでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/80
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081・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この際ですから留学生の最近の実態を知りたいと思うのです。そこで、いま三十九年度の予定としては、受け入れが四百五十六名、この点ははっきりしたわけですが、留学生となると、いま受け入れと派遣と両方あるわけですね。どの国から何名来ようとしているのか、あるいは日本からどの国へどのくらい行っているとか、こういうものが知りたいと思うのです。そこで、最近の五カ年間における受け入れ、そして派遣国別、できれば男女別、このくらいの点を明らかにして御説明いただきたいと思いますけれども、いまそういうものが一括そろっているとは考えられぬので、その点について、必要な要点だけを御説明いただいて、あとについては、ひとつそれの一括した資料を早急に御提出いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/81
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082・木田宏
○説明員(木田宏君) 資料をつくりましてごらんいただくほうが的確だと思いますので……。いま三十九年度の現在数として四百五十六名、受け入れのほうで申しましたが、このうち新たに入ってまいりますものが二百名と、こう予定しておるわけでございます。三十八年までは百名招致しておるのでありますが、来年からは二百名というふうに招致数を倍にしたい。それで在籍総数が四百五十六名になる、こういう計画でございます。この内訳は学部留学生と研究留学生と二つに分けてございまして、研究留学生のほうに来年度はうんとウエートを置いて呼びたいというふうに思っておりますが、これらも資料でごらんいただくようにしたいと思います。
なお、海外へ派遣をいたしております留学生の数は、概況だけ申し上げておきますと、昭和三十八年度で五百八十七名出しておりまして、ヨーロッパから始まりまして北米、南米、あるいはチェコとかイラン、アフガニスタンとかいうような特殊なところにも、年次によりましては出ております。かなりたくさんの数にわたっておりますので、これも資料で次回までにお答えをしたいと思います。
なお、男女別という御注文にはどの程度沿えるかどうか、私ちょっと心もとないのですが、沿える限り御指摘の点の資料を調製したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/82
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083・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に、国立文教施設はだんだん整備されてくるに伴って、工事量も増大すると、そういうことで、管理局に技官を七名増員しようとしておる、こういうことでありますが、現在一体どのような個所でどのような工事が進められておるのか、その大綱を御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/83
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084・木田宏
○説明員(木田宏君) 国立学校の施設につきましては、管理局に三十八年度まで教育施設部の定員といたしまして百八十五名の職員がおります。これは施設部の中で地方の公立学校に対します補助業務をやっておる職員を除いた数でございますが、国立学校の施設の仕事を担当しておる者が百八十五名でございます。国立学校の施設は、文部省で直接管理いたしますものと、それから各大学に施設部等の事務部局がございまして、大きい大学で恒常的に工事量のありますもの、そしてまた、大学にまかして差しつかえないと思われます工事量につきましては、その大学の施設部に行なわせるというやり方をいたしております。また、ものによりましては、工事を外部に委嘱をいたしまして、設計等から委嘱をいたしまして、監督だけをやって、業者を指導するというような処理のいたし方もしておるのでございます。ところで、この国立学校の工事予算でございますが、これは昭和三十四年度三十三億でございましたけれども、昭和三十八年には百八十四億というふうに、指数といたしましては五四八という伸びを示しております。さらに三十九年度は特別会計の制度をとって、この機会にまた学校の施設も思い切って充実したいという配慮から二百六十一億の工事予算と、債務負担行為といたしまして三十億その上に足し、約二百九十億の工事を予定いたしました。そういう関係で、この工事量が昭和三十四年度に比較いたしますと、約八倍近く伸びるという状況でございます。これらを施設部の関係者と、大学の施設担当局の関係者とが協力をいたしまして事務を執行しておるという実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/84
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085・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に、国立科学博物館の整備拡充計画については、三十七年度を初年度とする三十九年度までの三カ年計画で進められておる。そこで来年度は最終年次になるわけですが、ここでは動物学とか植物学、地学あるいは古生物学、自然保護学、こん虫学、理工学、この八学部と二十二部門となる、こういうふうに聞いておるわけです。そこで、その後の計画に基づく機構の拡充整備状況は一体順調に進んでおるのか、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/85
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086・木田宏
○説明員(木田宏君) 伊藤委員御指摘のように、まあ三十七年度から三カ年計画で自然史、科学研究部門の拡充をはかるということで進めてまいったのでございますが、率直に申しまして、当初私どもが予定いたしました速度での整備というふうには進んでおりません。人員の点でも当初の希望どおりというふうな進み方ではなかったのでございますが、しかし、三十八年度も八人の研究員の増を見ていただきましたし、三十九年度におきましても、さらに科学博物館に八人の増を予定いたしまして、研究部門の整備を進めておるところでございます。施設の整備も、研究室の増築といたしまして約九千万円の予算を計上し、内部設備といたしましても、それに伴いまして必要な経費を三百十六万入れまして、この整備は、やはり計画的に進めていくという意味で、財政当局からの御協力もいただきまして、三十九年度引き続きの事業として行なうわけでございますが、これで完了するかといわれますと、実は、だいぶ残っておりますと申し上げなければならぬ実情でございます。たいへん恐縮なんでございますが、いま、そのうちどれが残るかという点につきましては、その点ちょっと、私資料を持ち合わしておりませんので、これまた、次の機会にでも御説明さしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/86
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087・伊藤顕道
○伊藤顕道君 承ると、大体この三カ年計画は、予算の関係から、もちろんそういうことに原因があるでしょうが、結局定員が充足されていない。これもせんじ詰めれば、みな予算に関連してくると思うのですが、そういう関係で、三カ年計画は、遺憾ながら必ずしも順調に進んでいないこういうことなんですか。そうして、もしそうであるならば、今後、どのようにこの計画を推進しようとするのか。しかたがないとそのままにほっとくわけではないでしょうから、何か対策を考えておると思いますが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/87
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088・木田宏
○説明員(木田宏君) 三十七年度から科学博物館の同然史部門の整備をはかりました際には、やはり科学博物館を中心にいたしまして、日本の自然史研究の部門というものをここに集約して、大きなものにしていくことが、世界の大勢にも沿うゆえんである、かてて加えまして南極のああいう観測等が行なわれましたので、そういう極地部門の整備も、この科学博物館に担当してもらうことが、将来の研究体制の整備ということから適切であるということで、私どもが取りかかった事業でございます。当初の計画どおりの手順で進んでおるわけではございませんけれでも、目標を変えるというような考えは、現在の段階ではございません。予算の関係上、やむを得ず年次別の事業量がずれておりますけれども、これは科学技術会議等からの御勧告もいただいて始めておる学術事業の一環でございますから、文部省としては、三十九年度で達し得なかったところは、さらに後年度において引き続き努力をしてまいりたい、このように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/88
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089・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に、青年の家についてお伺いしますが、これは、昨年の文部省設置法の改正で、省令で定めることができるように変わてきたわけですが、このことに関連して、昨年は阿蘇、そうして本年は第三青年の家と、毎年、お見受けするところ一つずつ青年の家が新設されているようですが、これは、将来、青年の家については、文部省としてはどういうふうに考えておるのですか。長期展望に立っての設置計画というのは、一体どうなのか、この点について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/89
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090・八木徹雄
○政府委員(八木徹雄君) 御指摘のとおり、第三の青年の家までができることになったわけでございますが、最終終着駅をどこにするかということが、完全にきまっているということではないのですけれども、できればひとつ、広い意味でブロック的な――山ありあるいは海ありと、いろいろ立地条件というものが、それぞれ違った形で、広い意味で大ブロックに一カ所ずつくらいはつくりたいものだと思っておりますけれども、率直に申し上げて、そういうような約束が、それでは完全に大蔵省とついておるかというと、ついておりません。とりあえず本年は、まん中にあり西にありとしたあとでございますので、第三の青年の家は、まだ最終的に方針を固めたということでございませんのですけれども、ブロック的には東北地域に設けたいということで、東北地域の中の適地を、いま、事務的に、技術的に調査をし、適当な場所をきめるのに最後の追い込みをかけておるというところでございますが、できればこの三カ所を六、七カ所くらいまではひとつやりたいものだ、こういうような心組みで、四十年度のときには全体計画というものも大蔵省と協議をして、一つずつ目標だけを立てたいものだ、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/90
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091・伊藤顕道
○伊藤顕道君 私のお伺いしておるのは、当面の問題でなくて、いまお見受けすると、阿蘇とか、あるいは今度は、第三の青年の家というふうに、年々一つぐらいは建っておるようだ、こういうふうに見受けたのですが、そういう考え方に立って、一体文部省としては、長期展望に立ってどういうふうに考えておられるか。たとえば、いまは都道府県とか市町村にも、青年の家はあるわけです。ただ、国の青年の家にについては、将来、各県に一つずつくらい置こうとするのか、あるいは各地方別に、重点地区に置こうとするのか、全国的にはどのくらい設置しようとするのか、こういう国としての青年の家は、どのような構想で考えておるか、将来の展望として一体どうなのか、こういう点をお伺いしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/91
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092・八木徹雄
○政府委員(八木徹雄君) 将来の展望が確実に固まってないがために、非常に不明確なお答えを申し上げたわけでございますけれども、とりあえず三カ所できたわけですが、これ以上、次に進める課題として、もちろん各県につくるという意思はございません。先ほど言いましたように、大ブロックに二カ所程度までが限界だと思っております。で、その場合に、行政地域的にいままで八ブロックといったような形で、八つになるかということでございますが、五カ所ないし八カ所の範囲内にとどまるであろう、こういうことだけ申し上げていいのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/92
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093・伊藤顕道
○伊藤顕道君 国立の阿蘇の青年の家について、ちょっとお伺いしますが、これは三十八年に設置がきまって、今度五人の増員を要求しておるのです。これの現在の建設状況とか利用状況、これは一体どうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/93
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094・木田宏
○説明員(木田宏君) 国立阿蘇青年の家は、三十八年度の予算で二億の経費を計上していただきまして、現在約五万坪の敷地に二千百坪ばかりの施設の工事が進行いたしておりまして、もうほとんど完成に近づきかけておる実情でございます。実は人員につきましては、この完成いたしました時期に、当初からございました国立地方青年の家と同じ規模のものに持っていきたいということで、とりあえずことしは、この工事の進行に伴いまして開設ができるまでの必要な人員と、それから開設直後、そのとりあえずの施設を運営していける人員ということで、四十名の人員を三十八年度に計上していただいたわけでございます。三十九年度、さらに五名の増というお願いをいたしておりますが、これは、工事が完了いたしまして、翌年度に若干残る工事計画もございまするけれども、青年の家としての開設が軌道に乗ってまいるものでございますから、その意味で、完成目標まで一歩進めるという意味での人員増をお願いしたわけでございます。将来は全体規模といたしましては、国立中央青年の家と同様の約六十数名を目標として考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/94
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095・三木與吉郎
○委員長(三木與吉郎君) ただいま灘尾文部大臣、蒲生官房長が御出席されましたので御報告いたします。
ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/95
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096・三木與吉郎
○委員長(三木與吉郎君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/96
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097・伊藤顕道
○伊藤顕道君 大臣お見えになりましたから、いままでの問題を中止して、大臣にお伺いする問題に限定して二、三お伺いしたいと思います。
まずお伺いしたいのは、想定するところ四十一年度ころから大学生が急増するのではなかろうか、こういうことは考えられるわけです。そこで文部省としては、これに対処してどのような具体策をお立てになっておるか、この大綱を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/97
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098・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) お尋ねのように、昭和四十一年、この辺でいわゆるベビーブームの波が大学に寄せてくる、こういうふうに考えておる次第であります。したがって、この大学生の急増についての対策を文部省としましても真剣に検討いたしておるところでございます。どの程度の入学志願者の増加になるか、あるいはまた、どの程度これを収容することが可能であるか、これは物的にも人的にも考えなければならぬ問題でございますが、その辺をいろいろいま調査をいたしておるところでありまして、見込みを立てまして、そしてそれに基づいて具体的な対策を立てていかなければなりませんし、私ども、できれば次の年度におきましては、必要な予算も計上いたしまして、これに処してまいりたいと存じておる次第であります。まだ的確な教字をもって御説明する段階にまで至っておりませんし、また、この問題は、国立、公立あるいは私立を通じて考えていかなければならないと思います。これらの関係の向きともよく話し合いを遂げまして、そしてお互いが力を合わせましてこの事態に処していきたい、そういう考え方でもっていろいろ討検をいたしておるのが現段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/98
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099・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に主としてお伺いしたいのは、大学の附属機関の定員外の無給職員ですね、こういうものについてお伺いしたいのですが、これは国会ごとに文部省設置法の改正案が審議される際、当内閣委員会においていつも問題になっておるわけです。そこで、この大学附属病院の無給医局員、こういう点に問題をしぼって二、三お伺いしたいと思います。
一昨年文部省の調査によりますと、もしこれは数字等に間違いがあったら訂正していただきたいのですが、国立で七千五百人、公立で千九百人、私立で三千六百人、計一万三千人、このことは三月二日の朝日にも掲載されておったようですが、この数字はその後どのように変わっているのか、また、大綱としてこの無給職員は年々増加しているのか、それとも減少しているのか、これは詳しいことについては最近五カ年間における国公私立別、年度別の数字を資料として御提出いただきたいと思うのですが、ただその大綱として年々減少しているのか増加しているのか、こういうようないわゆる大綱についてまず大臣からお伺いして、詳細については別途資料として御提出いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/99
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100・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 国立大学の病院にいまお話しになりましたような人たちがおるということはこれは事実でございます。その員数等につきましては、ひとつ政府委員から答えさしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/100
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101・村山松雄
○説明員(村山松雄君) 大学病院におります無給の医師は、大学によりまして研究生、専攻生、あるいは無給副手、いろいろな名称で呼んでおりますが、いずれも大学と身分関係は持たない。本来本人が臨床医学の学術、あるいは技術を一そうみがくために志願をいたしまして、大学が籍を置くことを許可しておる、こういう関係の者でございます。ところが、臨床医学を研究するということからいたしまして、患者の診療ということをどうしても伴います。そうなりますと、外から見ますと、これは病院の職員たる医師とあまり異ならないような外見を呈しますし、国の機関の診療体制としてどうであろうかという批判も出てまいるわけでございます。この者の数は、これはそういう趣旨のものでございますので、極端に申しますと、時々刻々変動いたしましてなかなか捕捉いたしがたいのでございますが、一昨年の調査時点におきましては大体御指摘のような数がおりまして、その数は必ずしも急速にふえるという傾向ではございませんけれども、常時国立大学で七、八千名、公私立大学を合わせれば一万三千ないし一万五千名程度の者が無給の医師として研究生等の名義で在籍することはこれは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/101
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102・伊藤顕道
○伊藤顕道君 なお、国立大学の附属病院に勤務する医局員ということになると、一応最も進んだ医療を行なっている人ということが言えるわけです。そういう人たちが最も前近代的な人間関係で結ばれておる、たとえばいまの無給医局員、この方々は毎日患者の診察治療に当たっておられるわけですが、これがいま数字も出ましたように、一昨年で七千五百人、しかもこれは多少ふえているいとうような傾向のようですが、これはひとつ大きな問題だと思うのですが、この問題について大臣としてはどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/102
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103・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) この問題はいろいろな事情、多年の慣行とでも申しますか、そういうふうな事情が今日まで行なわれておるのだろうと思うのでございますが、ただたてまえの問題といたしましては、病院の診療体制としては診療に責任を持つ者とそれから研究を主とする者、これが、できれば、分けることが望ましいと思うのであります。診療に必要な者は正規の職員としてこれを定員の中に入れるべきだ。また、もっぱら研究に従事するというふうな者は、その身分は学生なら学生として取り扱う、こういうふうにあるべきものではないかと思うのでございます。ちょうどインターン制の問題もいま検討せられておるところでありますが、これらの問題とあわせまして、やはり将来の方向というものをひとつはっきりさして、そうしてそれが実現に努力する、このような方向で検討してみたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/103
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104・伊藤顕道
○伊藤顕道君 医学部もしくは医科大学の場合には、高校を出て医科コースで二年、大学で四年、インターンで一年、計七年、これはどうしても必要です。ほかの大学なら四年でいいところをもう三年余分にやっておるわけであります。中にはさらに大学院へ進む方もあるわけです。そうなると七年に四年で十一年、高校を出て十一年、ほかの大学の約三倍ですね。三倍の修学課程が積まれなければならぬわけであります。しかも人間の大事な生命をあずかる聖職として、ほかの部門もさることながら、特に研究と経験が積まれることが望ましいわけであります。大学七年かかって出てすぐ開業などということは非常に危険でもありましょうし、しかし、家庭の事情であと医院を継いで開業する方もありましょうし、公私立のの病院に進む方もありましょう。いろいろあるわけでありますけれども、こういうふうに七年ないしは十一年の長い経験と研究を重ねた、しかも非常に責任の重い、人命をあずかるわけでありますから、非常に責任は重大といわなければならぬわけです。そういう方が医局に入れば無給医局員として長い間そのままほうっておかれる。これはどう考えてもどうもうなずけない問題だと思うのです。おそらく聞くところによると、外国でもあまり類例がない日本独自のこういう制度のようにも見受けられるわけでありますが、そうすると、これは非常に大きな問題だと思うのですが、なかなかこれは通り一ぺんの対策では解決されないと思うのですね、数からいっても。これはよほど抜本的にお考えならぬと、減るどころかどんどん無給医局員がふえるという状況にあろうかと思うのであります。何かこれについて抜本的なことは考えておられないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/104
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105・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 多年の問題でありますから、なかなか簡単に解決するということも困難な点がありはしないか、このようにも思うのでありますが、ただ私の心持ちとしましては、一体大学病院としてあれだけの診療をやってまいりますためにどれだけの人が要るのかというところをまず考える必要があろうかと思います。ほんとに千人なら千人の人が要るというものであれば、それだけは大学の職員としてはっきりすべきじゃないかと思うのでありす。それにもかかわらず、実際は七百人なら七百人しか定員がなく、あとの三百人はそういう人にやらしておる。この姿は私はおもしろくないと思うのであります。そういうふうなことで大学の使命にかんがみまして、必要とするものはちゃんと大学の職員としてこれの身分を確定する、こういう方向でもって整備していかなければならぬのではないか。ただ現実問題から申しますというと、いろいろ予算その他の関係もございましょうし、大学の均衡等もございましょうし、また、世間のいわゆる研究したい人たちの希望もございましょうし、なかなかすっぱりした解決をするということは困難な点もあろうかと思いますが、しかし、根本はそういうところでなければならぬ、そういう方向に向かって漸次改善をしてまいりたいというのが私の心持ちでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/105
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106・伊藤顕道
○伊藤顕道君 これは掘り下げて調べれば調べるほど摩訶不思議な現象が出てくるわけでありますね。たとえば教授とか助教授、講師、こういう国の要員ですね。いわゆる国家公務員、こういう方はわずか全体の二六・一%くらいで、無給医局員が残りの七三・九%を占めておる。こういう構成で病院が運営されておる。こういうことなども、これが逆ならまだしも、七三%が国家公務員で、あと残りわずかが無給医局員、こういうのならまあまあそのうちに対策も講じられようということも考えられるわけですが、逆なんですね。二六・一%だけしか国家公務員はいない。あとはみんな定員外、こういうところに大きな問題がある。もちろんこういう長い間の積み重ねですから大臣が言われるように、一、二年でさっそく手のひらを返すように改正するなどということは容易でないと思うのです。しかし、年次計画を立てて、ことしはひとつそのうちの二割を定員化するとか、これを二割々々にしていけばいずれ五カ年計画で、もう定員外の医局員はいないというふうになるわけなんですね。先ほども言ったように、七年ないしは十一年も――ほかの大学よりはよけい苦労をして、しかも無給で何年もおられるということについては、どなたがどう考えても不合理だと思うのですね。こういうようなことからやはり年次計画を立てて漸を追うて、たとえば五カ年計画なら五カ年計画を立てて、五カ年後にはこういうものは皆無にする。そういう具体的な、しかも年次計画でなければ実現が期しがたいと思うのですね。この点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/106
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107・村山松雄
○説明員(村山松雄君) ただいま御指摘の、国立大学における無給の医師とそれから有給の教官との比率の問題でございますが、無給の研究生等のほうがはるかに多いのは事実でございますが、一昨年が文部省で実施しました調査によりますと、三十七年の六月現在で一週間にわたりまして精密調査をやったわけでございますが、有給の教授、助教授、講師、助手、二十一大学の合計が約三千八百名になっております。これに対して研究生等の数は八千名でございまして、先ほど仰せの七六%と二三%よりは、有給の者が多い実態になっております。さらにこの八千名程度の無給医局員の実態を調べてみますと、これは一週間にわたりまして毎日来ているかどうか、何をやっておるか、精密に調査いたしたわけでございますが、調査期間一週間のうちに一日もその大学に出てこなかった者、つまり籍は置いておるけれども、まあたまにしか出てこないといえる者が約三千五百人ほどございます。それから一日だけ来る者、二日ないし三日来る者等々、いろいろございまして、調査期間中毎日出てくる者は二千七百名という数字が出ておりまして、診療に必要な人間ということになりますと、たまにしか来ない者はどうも本人の研究が主であって、毎日出てくる者が診療に必要な数の一応のめどになるんじゃないか。こんなぐあいに考えた次第でございます。
それからさらに診療に必要な要員ということになりますと、大学病院の入院患者の数あるいは外来患者の数に対しまして医療法による医師所要数の基準がございます。それによりましてはじきまして、さらに大学病院は単なる診療機関ではなくて、教育、研究もやっておりますから、その分の所要数の割り増しもいたしまして現在のベッド数や外来患者数が一応与えられたものとするならば、診療にどうしても必要な数というものは千五百名程度じゃなかろうか、かように考えた次第でございます。
そういう考え方に基づきまして三十九年度からこの千五百名の所要負数をこれまた医局等の実態にかんがみまして全部を専任の教官にするということじゃなしに、約三分の一を専任の教官にする。残りの三分の二に対しましてはそれに相当する非常勤職員手当を計上いたしまして、非常勤の職員という形にしたいということで予算の要求をいたした次第でございます。ところが、何ぶんにも多年にわたる慣行を一挙に是正することの困難、私どもの努力の不足等からいたしまして、認められました診療要員の増加はたいへんわずかでございまして、御審議いただいております予算では、ベッド数の増加等も含めまして六十八名にとどまっております。たいへん少なくて申しわけないわけでございまして、さらに努力いたしたい、かように考えておるわけでございます。
それから若干蛇足をつけ加えますと、ただい京医師所要数を、大学病院の入院患者や外来患者数の実情を与えられたものとして計算したわけでございますけれども、諸外国の実情を勘案いたしますと、大学病院は必ず来る患者をすべて拒むことができないという、医療法の一般原則どおり診療するというような体制をとっておるところは比較的少なうございまして、市中の病院等から、これは大学病院でなければ扱えないというような観点から送ってまいりました患者を主体として診療するというようなかっこうをとっておるところが多いようでございます。そういう体制になれば、大学病院に患者が殺到する、したがって、診療要員がたいへんたくさん要るという実態でもなくなるわけでございまして、さらにそういう諸外国等においては市中の病院も相当研究できるような体制になっております。大学を出た人が医学、医術をさらにみがくために大学病院だけがたよりであって、市中の病院に行っては研究ができないという体制では必ずしもないようでございます。そういう体制全般を根本的に検討いたしませんと、無給医局員の問題は抜本的な解決ということはこれは困難であろうと思います。そういう体制につきましても現在いろいろ論議が進んでおりますが、とりあえず私どもといたしましては、いまの診療体制というものを一応与えられたものといたしまして、診療に必要な者の有給化は今後もますます努力していきたい、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/107
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108・伊藤顕道
○伊藤顕道君 時間の関係もございますから、なおこの問題については引き続きお伺いすることとして、最後に資料をお願いしたいと思います。いま一部御説明がありました各国立大学の附属病院入院患者、外来患者の数、そしてそれを受けとめておる教授、助教授、講師とか、あるいは無給医局員の中には病院によっていろいろ多少名称は違っておるわけです。名称は研究員とか、副手とか、助手とかいろいろありますけれども、一般的な大別でけっこうですから、そういうものを一覧表にして近く御提出いただきたいということを最後にお願いして、本日のところ、この法案についての質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/108
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109・三木與吉郎
○委員長(三木與吉郎君) 他に御質疑はございませんか。――別に御発言もなければ、本案の審議は、本日はこの程度にとどめます。
本日はこれにて散会いたします。
午後一時四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104614889X01619640319/109
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