1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年三月六日(金曜日)
午後一時十七分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 青田源太郎君
理事
梶原 茂嘉君
櫻井 志郎君
森 八三一君
渡辺 勘吉君
北條 雋八君
委員
植垣弥一郎君
木島 義夫君
仲原 善一君
温水 三郎君
野知 浩之君
藤野 繁雄君
堀本 宜実君
森部 隆輔君
山崎 斉君
小宮市太郎君
安田 敏雄君
政府委員
農林政務次官 松野 孝一君
林野庁長官 田中 重五君
事務局側
常任委員会専門
員 安楽城敏男君
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本日の会議に付した案件
○林業信用基金法の一部を改正する法
律案(内閣提出)
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001・青田源太郎
○委員長(青田源太郎君) ただいまから委員会を開きます。
林業信用基金法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行なうことにいたします。
質疑のおありの方は、御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/1
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002・山崎斉
○山崎斉君 第四十三回国会におきまして森林組合合併助成法が審議せられた際に、この委員会で全会一致で附帯議決がつけられたのでございますが、それは「政府は、可及的速かに、農林漁業基本問題調査会及び中央森林審議会の答申等を尊重し、かつ、農業施策との関連をも考慮しつつ林業政策の根本方針を確立し、これが実施のため必要な立法措置を講ずべきである。」という内容の文書でございます。さらにまた、衆議院でも同法案を審議した際に、農林水産委員会で、全会一致で右と同趣旨の附帯決議が行なわれておるのでございます。こういう経緯にかんがみまして、まあ林野庁も、農林省におきましても、伺うところによると、林業基本法を提出しようという考え方があるように聞いておりますが、これはほんとうに提出されるつもりかどうか、まずお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/2
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003・田中重五
○政府委員(田中重五君) 林業の基本対策につきまして、いまお説のとおりに農林漁業基本問題調査会の答申があり、さらには中央森林審議会の答申も数次にわたってございました。自来、林野庁といたしまして、鋭意新しい社会経済情勢に即応するところの林業政策の方向につきまして、検討を重ねてまいった次第でございます。
で、林業の新しい動向に即応するところの政策の問題につきましては、きわめて広範多岐な問題をはらんでおりますだけに、なかなかむずかしい困難な問題であったわけでございます。現在もあるわけでございます。で、今日までいろいろな角度から検討を加えてまいりましたが、現在の段階におきましては、農林省の内部におきましても、ほぼ検討の最終段階に立ち至っておるというふうに考えております。できますものならば、この国会に、その成案を得まして、林業の政策の基本に関する法案といたしまして提案をいたしたいと、そういう予定で準備を進めておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/3
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004・山崎斉
○山崎斉君 最近の山村の労働力の減少、また労働賃金その他、いろいろな資材の非常な高騰による林業生産コストの増大という問題、それとは非常に関係の深い外材が大量に輸入せられて、しかもその価格は、国内材に比べてわりあい安いという問題、さらには山村振興という面から、山村民の所得の均衡的増大というふうな非常に重要な問題が、林業をめぐって現在提起されておるわけでございます。こういうふうな点から見ましても林業基本法というもの、いままでの各種の政策にも抜本的な検討を加え、林業基本法を早急に提出されるということをお願いしたいと思うのでございます。そういう重要な問題につきましてのいろいろな議論というものは、基本法が提出されたときに、ひとつとくとお伺いすることにいたしまして、私の質問は主としまして、この提出されております法案に関係する事項についてお伺いしたいと思います。
まず第一に、提出されました参考資料を見ますと、その一ページに、出資者の内訳がついておるのでございます。この中で、協同組合が七百五十出資しておるということになっておるのでございますが、この内容というものは、森林組合と木材関係の組合、その他の種苗その他の組合というふうに分けまして、その数と金額というものがどういうふうになっておるか。また会社、個人というものも両者合わせて二千九百何件になっております。その業種別の内訳というものはどういうものか、その点をまずお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/4
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005・櫻井志郎
○櫻井志郎君 関連。いまの山崎委員の質問の、林業基本法案の提出問題について、長官が、できますならば、という答弁だったのですが、そういうやわらかいといいますか、考え方ではなしに、これは急速に必ず提出するという意欲的な考え方で、急速に進んでいただきたい。伺いますれば、すでに法制局と内容の審議にも入っておられるということも聞いておりますから、すぐ急速に確信をもって出すというふうにお願いしたいんですが、それについて補足的にひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/5
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006・田中重五
○政府委員(田中重五君) ただいま私が御答弁申し上げました意味は、私どもといたしましてはぜひとも提案をいたしたい。しかも急速に、その提案の運びを進めて、必ず提案にこぎつけたいという意味で申し上げていることを御了承願いたいと思います。
山崎先生の御質問にお答え申し上げます。この、いま御指示の参考資料の二ページ(2)の「都道府県別出資状況(林業信用基金調べ)」とございます。これの協同組合関係という欄の最後の合計七百五十件、二億六千六百五万円、これの内訳はどうかという御質問でございます。この内訳を申し上げますると、森林組合が百六十一件、千七百四十一万円でございます。それから木材協同組合、これが五百二十九件、二億四千四十三万円、それから種苗協同組合、これが三十五件、六百十四万円。しいたけ協同組合、これが五件、百三十六万円。最後に肥料組合、これが二十件、七十一万円というふうになっております。
それから、その次の御質問でございますが、会社、個人の欄の業種別内訳はどうかという御質問のように承りましたが、その件につきましては、申しわけございませんがいまのところ不明でございますけれども、ほとんどが製材業を主体とするものだというふうに考えていただいていいのではないかと、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/6
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007・山崎斉
○山崎斉君 いまのお話で、森林組合の出資件数が百六十一ということで金額が千七百余万円ということでございますが、森林組合というものは全国で三千七百くらいあるように思います。それに対しまして百幾つというふうに、森林組合の出資が予想外にわれわれとしては少ないように思うのでございます。これは森林組合が、事業を積極的に必ずしもやっていないというようなことにも原因するのではないかと思うのであります。やはりまた、現在の森林組合が林産等の事業をやりましても、組合みずから行なう事業については、農林中金から融資を受けるということをやっております。組合員の行ないます林産事業というようなものに農中からの金を転貸するというふうな仕事を森林組合が積極的にやっていないというふうなところから、この基金に対する意欲というものが非常に少ないのじゃなかろうかというふうに想像されるのでございますが、森野庁では、これに対する、森林組合の熱意というものが少ないように思いますが、その原因は、どういうふうなところにあるのか、その点をお聞きしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/7
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008・田中重五
○政府委員(田中重五君) この基金に対します森林組合の出資が低調であったということは、御指摘のとおりでございます。その原因につきまして一応考えられますことは、いまもお話がございましたように、森林組合といたしましては、その系統資金といたしましての農林中金からの融資ワクが、かなりあるということで、当面、この基金への依存度が薄いというような考え方もございましょうし、さらには林林組合の事業活動、特に林産事業等を中心といたしました事業活動が、なお活発でないという面もございまして、したがって、そういう事業の面におきます資金需要が、必ずしもまだ、大きくないという点もあるかと存じます。なお、これはたまたまそういう事情にあったわけだと思いますけれども、森林組合の総会の開催時期の関係で、基金の設立時、出資の申し込みに間に合わなかったというような点もあるかと存じます。
しかしながら、森林組合につきましては、御承知のとおりに森林組合の合併が目下推進されておりまして、政府といたしましても、これが助成に力を入れている次第でございます。そういうような面から、森林組合の経済的基盤、これが次第に強化をされていくという期待が持てると考えられるわけでございますが、なお、先ほども御質問のございました林業の基本的な方向につきましての林業の構造改善事業、これにつきまして昭和三十九年から予算を計上いたしまして、政府といたしましては、これが事業の推進をはかってまいりたいという考え方がございます。そういう場合に申すまでもなく、特に林業構造改善事業の推進の中核といたしましては、森林組合がその任に当たる、森林組合がその中核体として活動をしていくということに相なるかと思っているのでありますし、そういうことになりますれば、森林組合の内容の充実と相まって、事業の範囲が拡大をするわけでございますから、そこで資金需要の画につきましても、在来の程度を相当に上回っていくというようなことが予想をされるわけでございますし、そういうことになりますと、この林業信用基金への保証付の借り入れ等の必要も高まってまいります。組合によるところの基金の利用の程度は、相当に活発化していくのではなかろうか、こういうふうに考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/8
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009・山崎斉
○山崎斉君 いまお話を伺いました森林組合の合併という、合併して強化されていくと、そういう組合が積極的に林産事業その他の事業を進めていくというお話があったのでございますが、先ほど出資された組合百幾つの中で、ここ二、三年間、合併という措置を進めておるわけでございますし、合併された組合のほとんど全部が——合併した組合のほとんど全部が、これに出資しておるかどうかという点の調査したものはないのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/9
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010・田中重五
○政府委員(田中重五君) 調査をいたしまして御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/10
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011・山崎斉
○山崎斉君 先ほどお話がありましたとおり、林業構造改善というふうな問題の中核となって、森林組合が今後活躍する、活動するということが要請されておるわけでございますが、御存じのとおり森林組合というものは、全体として、そう強力な活動を現在している段階じゃないというふうに、私たちは考えておるのでございます。やはり第一の原因といいますか、そういう面は、森林組合が金融だけの面をとって考えましても、みずからやる組合賞の事業については、融資等を受けてやっていくのだ。組合員がやる林産事業その他の事業に対しては、農中からの金を転貸するのだと、そういう転貸資金というふうなものを森林組合が大幅に借りてやっているというふうに、実は私たちも考えてないのでございますが、その実態か何かわかるような数字その他があったらば、お知らせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/11
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012・田中重五
○政府委員(田中重五君) その数字につきましては、急いで調査をいたしまして御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/12
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013・山崎斉
○山崎斉君 次に、森林組合の関係の方面から、森林法を改正いたしまして、森林組合の信用授与ができるようにしてもらいたいという強い要望があることを承知しておるのでございます。また、それと反対に、森林組合の組合員の九割もが農民である。まあ農業もやり、林業もやるという形態をとっておるわけでございまして、やはり森林組合とか、農協とかいうふうな業種別の区分でなしに、やはり人を中心として農林業協同組合というふうなものをつくるということが、一番現実に合い、また、いろんな活動も活発にできるもとじゃないかというふうな意見が、山村民の中にも相当多い、また、都道府県の林政その他に関係しているものの中にも、そういう意見が、かなりあるということを承知しておるのでございます。今後、山村振興という問題が大きく取り上げられてきておる段階におきまして、やはり林業、農業というものが総合化されて、土地利用の面その他で、総合されて今後進んでいくということも非常に必要じゃなかろうかというふうにも考えるのでございます。
林野庁としましては、林業基本法も提出しようというので、鋭意検討されておるところでございますが、この森林組合にも信用事業をやらすかどうか、あるいはまた、思い切って農林業協同組合というふうな線にいくのか、そこら辺の林野庁の考え方を、まずお伺いしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/13
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014・田中重五
○政府委員(田中重五君) ただいまお話のございました森林組合に、信用事業を行なわせるという考え方があるかどうかという問題につきましては、この点は、私どもといたしましては、非常に重要な問題であり、十分に検討に値する問題であるというふうに考えている次第でございます。また、いまもお話がございましたように、森林組合として信用事業を行なおうという意欲は、比較的その活動の活発な森林組合に、そういう傾向が見られるということも申し上げていいかと存じます。ただ、ここで考えられますことは、森林組合の事業といたしましては、先生も御承知のとおりに、森林法によりまして、その事業が林業経営に関するものというふうに限定がございますし、さらにその中で、必須事業というものまできめられているような形で現在あるわけでございます。で、森林組合が預貯金業務を行なうというようなことになりますと、これにいま、先生のお言葉にございましたように、森林組合員の九割前後までが農協、特に山村農協でございますけれども、そういう組合員とダブっているという状況であるという点から考えましても、その扱う事業の中に、農産物あるいは生活物資というようなものへの事業の拡大ということが避けられなくなってくるというようなこともございます。そういうことになりますと、やはりこの組合の本来のあり方に大きく関連をしてくる、問題であるというふうに考えられますし、さらにまた、最も基本的な問題といたしましても、森林組合は、先ほど来、たびたびお話もございますように、その経済基盤が、まだまだきわめて脆弱であるというような、もろもろの点を考慮いたしますと、森林組合が信用事業を行なうということにいたしますためには、なおなお、いろいろな面で検討を進めてまいらなければならない分野が多いかというふうに存ずるわけでございます。
さらにいま、お説のございました農協あるいは森林組合を統合いたしまして、農林協同組合というような構想はどうかというお話でございます。確かに、その組合員が九割までダブっておるというような状態、あるいはまた、その範囲とするところの地域がおおむね違わない、これも大体、重複しておるといいますか、そういう地域を対象としておるというような面から申しますと、そこに、まるで別の系統の組合が併存するということにも、いろいろ問題がございますし、むしろそれが統合された形において、山村の経済の振興に寄与するというような考え方も、確かにあり得るというふうに考えるわけでございますけれども、いまも申し上げましたように、森林法に基づくところの森林組合の性格と、そのあり方、そういう面からいっても、これはそういうような団体の再編にかかわる問題でもございますし、十分今後検討したいと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/14
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015・山崎斉
○山崎斉君 御説のとおりなかなか重要な問題でございます。慎重に、しかも時間を非常にかけるということでなしに検討をいただきたいと思います。
次に、木材関係の問題についてお伺いしたいのでございます。当初に御説明がございましたとおり、基金に対する出資というものが、この協同組合の中でも木材関係が大部分だということ。また出資をしております会社におきましても、そのほとんど全部が木材業者だということ。さらに提出されました資料の三ページの保証状況調べを見ましても、保証総額が七億円余の中で、木材関係の協同組合が四億四千万円をこす。また、大部分が木材業者である会社、これが二億一千万円で、両者を合わせて木材関係に六億五千万円も保証がされておる。保証総額の九割に近いようなものが木材関係というふうな実態から見まして、本基金に対します木材業界の期待というものは非常に大きいということが、第一に察知できるのでございます。この出資した木材関係の業界というものは、この制度を利用いたしまして、今までに取引したことのないような新しい金融機関から金を借りるということ。あるいは今まで取引をしておった融資機関からも、従来のワク以上に借りるというふうなことを期待しておるわけでございますし、さらにまた、この制度の趣旨も、そういうところにあるように思うのでございます。
こういうふうな点から木材関係の業界というものが非常な期待を持っております。新しい金融機関といたしまして、農林中金というものを考えておるように思うのでございますが、今までに農林中金が木材関係の会社、個人、協同組合というようなものに、関連産業という立場から融資をしておる実績というようなものがございましたら、まずお伺いしたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/15
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016・田中重五
○政府委員(田中重五君) 農林中金から、木材関連産業に融資をしておる実績を申し上げますと、三十八年の三月三十一日現在といたしまして、二十一億九千四百万円でございます。なお、参考までに申し上げますと、林業関係が五十億九千四百万円、合計をいたしまして七十二億八千八百万円、こういうふうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/16
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017・山崎斉
○山崎斉君 いまの木材関係が二十一億円という御説明でございますが、この中には、いわゆるパルプ会社とか、あるいは木材の市場会社というようなものも含まれておるんじゃなかろうかと思われます。そういうものを抜きまして製材関係、これの協同組合というようなものに融資している金額をお聞きしたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/17
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018・田中重五
○政府委員(田中重五君) これは三十八年のいま申し上げましたように三月三十一日でございますが、で、この二十一億九千四百万円、この中にはパルプは入れない数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/18
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019・山崎斉
○山崎斉君 関連産業という立場で、農林中金が木材関係の協同組合に貸し出している金額というものはわからないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/19
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020・田中重五
○政府委員(田中重五君) 資料が少し、いま申し上げました部分と時点がずれているわけでございますが、昭和三十八年の十二月末現在の調査を申し上げますと、木材協同組合に対しまして二件、八千八百万円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/20
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021・山崎斉
○山崎斉君 農林中金の関連産業への貸し出しの総額というものは二千億に近いとか言われておるのでございます。その中で、木材関係には非常に少ないと。まあ関連産業の中でも、一番数も多く金融的にも苦労しておるというのが木材関係業界であり、また、木材関係の協同組合も、そう活発な活動をしていないというふうなところから、木材関係というものは、金融面でいま非常に苦しんでおる実態にあるように思うのでございます。今後、農林中金が木材関係の協同組合というようなものに関連産業という立場から、この制度を利用して、大幅に融資をするということは可能かどうかという点をひとつ、御意見をお伺いしたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/21
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022・田中重五
○政府委員(田中重五君) 木材協同組合といたしましては、いまもお話のございました農林中金等からの貸し出しの要望は相当に強いものがございます。ただ、木材協同組合は、御承知のように、中小企業等協同組合法に基づいておりますし、そのほうの系統融資といたしまして、商工中金がございます。やはりそういうような関係もございますし、農林中金に対しましては、その所属団体となっていないということがございまして、そこに農林中金からの融資に十分でない原因があるかと存じます。で、員外利用としての利用をしておる程度にとどまっているわけでございますが、今後の木材需要の増大、それから、それに対しまして、木材の関連産業のさらに進展ということを考えてまいります場合に、木材協同組合の活動も、さらにさらに向上をいたさなければならないわけでございます。そのためには必要とする資金需要ができる限り満たされるということが必要となってまいります。
で、私どもといたしましては、この新しい制度といたしましての林業信用基金の活用につきまして、さらにその機能を充実することによって、この希望にこたえるようにいたしますとともに、関連の融資機関に対しましても、この種事業に、できる限りの協力をお願いをするということを進めてまいることによって、この要望に、できる限りこたえてまいりたい、こう考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/22
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023・山崎斉
○山崎斉君 農林中金が、木材関係の協同組合に関連産業という立場から、積極的な融資をするかどうかという点につきましては、なかなか私は、いろいろな面でむずかしい問題があって、いままで伸びてこなかったのじゃなかろうかというふうに思うのでございます。
というのは、四、五年前に、木材業界が金融的に非常に困った。農林中金から関連産業として、ひとつ木材関係協同組合に融資の道を開こうじゃないかということで、いろいろまあ折衝をしたのでございますが、その結果、やはり協同組合に貸すのは、まあうまくない、で農林中金の金を商工中金にインターバンクして、十五億円だったと思いますが、商工中金から木材関係の協同組合に貸すというふうな方法を数年前に講じたことがあるように思うのでございます。そういうふうな関係も考えまして、なかなか農林中金が、商工中金の系統組織である木材関係協同組合に思い切って融資していくということには困難な面があるのじゃなかろうかと思うのでございます。
そういうふうな点から、木材関係の業界には、この林業基本法が制定されるというふうな機会に、ひとつ林産協同組合というふうなものができる、そうして林産協同組合が農林中金の系統組織に入っていくと、そうして農林中金から、ひとつ融資ができるような道を開いてもらいたいという強い要望もあるように思うのでございます。しかし、商工中金からいままで木材関係の協同組合も七、八十億円の融資を受けておるというふうな実態もございますし、その他いろいろな面から、林産協同組合をつくるかどうかというふうな問題には、利害得失を十分検討しなければならぬじゃなかろうかと思うのでございます。
で、当面の措置といたしましては、十分御検討を願うことにいたしまして、当面の措置としては、現在のような商工中金の系統組織のままで農林中金から、木材関係の協同組合へ関連産業として融資できるというふうな道を開いていただくように、特段のひとつ御尽力をお願いしたいと思うのでございます。まあそういう点をひとつ、御検討いただいて、いずれまた、今後提出されます基本法審議の際に、その結果をまた、お伺いしたいと思うのでございます。
それから、次には基金の運営についてお伺いしたいのでございますが、業務方法書によりますと、保証の範囲という条で、保証した額の八割を、この基金が代位弁済できるような制度になっておるのでございます。この種の保証機関におきまして、八割でなしに十割を保証するというところも、だいぶんあるように思いますし、この基金でも、ひとつ十割保証する、代位弁済できるというふうな制度に変えていただくことはできぬかどうか、お伺いしたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/23
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024・田中重五
○政府委員(田中重五君) この林業信用基金は、全国でただ一つの基金といたしまして、多数の融資機関を相手といたしまして債務の保証を行なうものでございます。しかも、再保証制がないというようなものでありますだけに、基金の安全の確保をはかるというような考え方からいたしましても、農業信用基金協会等の例にならいまして、やはり融資機関のほうでも、この危険の一部を負担をしてもらう。そうして融資機関におきましても、融資にあたりまして審査の適正を期してもらうというような必要があるかと存じます。
で、まあそういうような意味合いからいたしまして、融資機関と十分に了解の上で八割までの限度においての保証という制度にいたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/24
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025・山崎斉
○山崎斉君 十割の保証をしているという制度のところは、やはり全部再保険というふうな制度があると思います。再保険の制度を持っているような保証制度のものが十割を保証するというふうな実態になっているように思うのでございますが、今後、林業信用基金におきましても、そういう点もひとつ十分研究していただいて、十割の保証ができるようにひとつお考えをいただきたいと思うのでございます。
次に、昨年十月から事業が始められたばかりで、それほど、まだいろいろと保証その他も、そう多額ではないのでございますが、この保証に際しまして、申し込みをしてから保証するということを決定するまでの期間というものは、どれくらいかかるのか、また、いままで保証の申し込みがあって拒否したというふうな事例、また、その拒否した理由、さらには担保の問題でございますが、この法案審議の際には、林野庁のほうから、担保は取らないようにしたいという説明があったのでございますが、その実態は一体、どうなっておるのか。また、この担保の問題に対して、融資機関と基金は、どういうふうな契約といいますか、約束をしておるのかというふうな点について、ひとつお聞きしたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/25
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026・田中重五
○政府委員(田中重五君) 被保証者が保証の申し込みを融資機関にいたしましてから、本人の手に融資が実現するまで、現在の例で申し上げますと、大体十日ないし十五日ぐらいかかっているようでございます。で、融資機関といたしまして、まずその調査をする期間、あるいはその結果について基金に連絡、郵送をいたします期間、あるいは基金が審査決定する期間なり、あるいは基金から融資機関に連絡をし、融資機関が最終的に被保証者に融資をするという、それまでの問の期間でございますが、創立以来、日なお浅いことでもございますので、今後、でき得る限りその手続事務につきまして簡素敏速化をはかりまして、被保証者の便宜をはかりたいと、こういうふうに考えております次第でございます。
それから保証の申し込みがございまして、それを拒否したという実例は、ただ一件だけあるようでございます。その理由といたしましては、融資機関の調査では、ある程度その希望者の質の問題に関連をいたしまして、検討を要する関係から、拒否したという実例があるようでございます。
それから融資にあたりまして、担保の問題でございますが、担保につきましては、原則としては、基金と融資機関との間の協定によりまして、取らない。そうして連帯の保証人を立てるということできめている次第でございます。なお、いままでの融資の実例からいきまして、そういう協定ではございますけれども、担保を徴した実例が二件あるということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/26
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027・山崎斉
○山崎斉君 それから、業務が始まって間もない関係がございますので、そう実態は明らかでないかとも思います。この保証するということによりまして、融資機関の貸し出し金利というものが、何ぼか引き下げられたというふうな実例というものがあるかどうか。さらにはまた、こういう制度ができたために、いままで金融的な仕事がなかった協同組合というようなものが、新たに仕事を始めるというようなことがあるのかどうか。また、新しい金融機関から融資を受けるというようなことができた事例があるかどうか。また、既往の融資額に上積みされたという形で融資を受けることができたというふうな事例等があるかどうかという点をひとつ、お聞きしたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/27
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028・田中重五
○政府委員(田中重五君) 設立いたしまして保証の事務を開始いたしましてから、なお日が浅いのでございますので、全体的に十分な実態を把握するまでには至っておりませんけれども、一、二の例を申し上げますと、たとえば山口県におきましては、従来は、二、三の木材協同組合におきまして、銀行からはきわめて少額しか融資が行なわれていなかった、そういう木材協同組合に対しまして、ことしの一月末現在で、融資のワクが約六千万円にまで拡大を見たというような事例がございます。あるいは京都府におきます事例といたしましては、従来は組合としては、銀行との取引がなかった、ところが、この制度によりまして、木材協同組合の全面的な資金導入が可能となりまして、これも、ことしの一月末現在の融資の額を見ますと、一億円程度になっておるという実績がございます。さらには、大分県の場合のように、木材協同組合の組織が必要とするところの資金なら、銀行が全面的に貸付をしようというような、非常に協力的な例も見られます。なお、保証の融資につきましては、その金利について、保証料に見合うところの引き下げが行なわれておるというような状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/28
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029・山崎斉
○山崎斉君 基金が出発して趣旨というものも、先ほど御説明がありましたように、新たに金融機関から借り受ける、あるいはまた、新しく、いままで協同組合等が仕事をしていなかったものに融資という仕事を始めるんだというふうなところに、この基金の趣旨が、目的があるわけです。そういう点を今後、なお一そう、基金のほうも、また林野庁も、PRを十分行なって進めていかれることをお願いしたいのでございます。
それから、各地を回ってみますと、ところによっては、地方銀行あたりにおきまして、出資金を預託するというような問題については非常に熱心なんです。ところが預託してしまうと、保証の話なんかは、まるでまあ知らん顔をするというふうな金融機関がかなり多いというふうな話を聞くのでございます。
で、今後やはり、出資者と金融機関と基金と、この三つを結ぶ、密接に連絡し合う、そうしてこの基金が十二分にうまく活用されるというふうにぜひとも進めていかなければならぬと思うのでございます。そういうふうな観点からいたしまして、基金も、中央にだけ職員その他の機構を持って、末端にはなんにもその機構らしいものがないというふうなことでは、この出資者、金融機関との連絡、また指導という面が、きわめて不十分じゃなかろうかというふうに思うのでございます。
木材関係の業界等につきましても、金融の面では力も弱いし、協同組合も弱体であるというふうな実態から、先般、先ほどお話ししましたように、商工中金から十五億円を木材業界に貸そうとしましたときも、その半分にも達しない額を、ようやく木材関係の業界が借りる、ことができた。半分以上のものは、ほかの業界に借りられてしまったというふうな苦い経験もあったのでございます。
そういうような点から、今後、指導というような面あるいは連絡という面、十二分に進めていかなければいかんと思うのでございますが、ちょうど基金も新しい出資をするという関係から、事務費として使い得る金額も、従来よりもずっとふえるわけですし、また、予算編成の時期でもございますので、やはり都道府県に基金の嘱託——連絡員といいますか、そういうような人を置いて、出資者とあるいは金融機関と、また基金との、連絡と調整指導というふうなものをやらすというふうなことを、ぜひとも考えていただかなければいかんように思うのでございます。そういう点についてのひとつお考えを伺いたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/29
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030・田中重五
○政府委員(田中重五君) ただいまのお話は一々ごもっともでございまして、基金といたしましても、その制度を十分に生かして、そうしてこれが林業の経営の改善に必要な資金を入手するための方法として満度に利用されることが最も望ましい、こう考える次第でございます。で、そのためには、やはり保証つきの融資を希望する人たちが、その希望に応じて、迅速にその必要額が借りられるという状態が望ましいわけでございまして、そのためには、やはりこの基金の制度、また、その運用の方法、手続、その他ができ得る限り広く行き渡る、PRされるということが必要と存ずるわけでございまして、ことに融資の機関におきましても、そういう考え方を徹底していくことが必要かと存じます。
で、そういうような意味合いにおきまして、現在、それぞれの地方におきまして、県とそれから関係の融資機関と、それから出資者、その三者が一体となりました協議会等が次々と結成をされまして、いま申し上げましたような趣旨の徹底をはかり、基金の正しい運用とあり方についてのPRを行なう。そうして、それが出資した人たちのためになるという方向へ持っていきますための活動を始めているわけでございます。
なおまた、基金といたしましても、そのような問題、さらには融資の実態等の調査、それをするために、それに必要な予算もある程度組んでいるというような状態でございますが、いずれにいたしましても、政府といたしましては、この基金の適正、かつ円滑な活用がはかられますように、できる限りの努力をいたしたいというふうに考えておりますとともに、いまお説にございました駐在員の制度等につきましても、十分に今後検討をいたしてまいりたいと、こう考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/30
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031・北條雋八
○北條雋八君 ただいま山崎委員から、いろいろ質問がありまして、私の伺いたいこともわかりましたけれども、この表の三ページの信用基金の債務保証状況、これで組合と会社と個人を見ますと、ほとんど組合が六五%、会社が三〇%、個人がわずかの四%ぐらいになっておる。この制度が、どういう役割りをするのが政府として目的であったか、はたして、こういう程度でいいかどうか、政府のお考えを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/31
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032・田中重五
○政府委員(田中重五君) この基金の対象といたしまする相手としましては、すでに御承知でございましょうが、森林組合あるいは森林組合連合会、あるいは木材協同組合あるいは個人、それぞれであって林業を営むもの、すなわち林業者等、個人であるからあるいはその林業者等の編成をいたしております組合等が相手方でございます。そこで基金といたしましては、いずれも同じくこの保証つき融資の相手ということになるかと存じますが、一方林業者等の側から考えました場合に、この出資者として、その出資をする場合等におきまして、組合として、これが基金の制度のPRをはかり、あるいは基金の制度を利用するという傾向も、なかなか強いわけでございます。そうして、そのような傾向に対しましては、政府としての考え方といたしましては、これが、このような零細な林業者等の組織化、そうして組織によるところの、その事業の発達改善というものに資するものであります限り、好ましい傾向というふうに受けとめているわけでございます。
そこで今後といたしましても、この基金の制度の活用について、森林組合でございますとか、あるいは農業協同組合でございますとか、あるいは木材協同組合でございますとか、そのような組合が、その基金の利用を進めてゆくということにつきましては、政府といたしましては、そのような方法を認めてまいりたい、こういう考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/32
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033・北條雋八
○北條雋八君 この組合のうちでも、大部分が木材関係の組合であります。またこの会社も、結局製材関係が多いと思うのであります。この初めの提案理由の説明にもありましたとおりに、林業生産の増大——生産性の向上ということがありますが、生産とすれば、造林なんぞが、やはり生産の非常に大事な役目を持っているのじゃないかと思うのです。で、そういう意味で、この森林組合の、このわずかに八十万円、しかもこれは千葉県で一件しかないということなんで、先ほどもお話がありましたが、この森林組合が弱体だから、こういうことになるのだと思う。今後は森林組合の拡充に力を注がなければならないということは、この表を見ても、ほんとうに痛切に感ずる次第でございます。また、個人の件数並びに金額を見ましても、一体この内訳は、どういう用途に借り入れているのが多いのか、個人の四十八件という、この大体の使用の目的はわかりませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/33
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034・田中重五
○政府委員(田中重五君) 最初に御質問のございました、この基金の制度による資金の活用が、造林等にも活発に行なわれるようにというお話でございますが、造林の資金につきましては、御承知のとおりに、農林漁業金融公庫の制度金融がございまして、そのほうから、十分とはいえないにいたしましても、造林の資金が融通されるということになっているわけでございます。それで、この場合、その育林等の資金として、これが利用されるといたしますと、やはり種苗の事業等には、相当に利用をされるということになってゆくのではないかと考えております。
なお、森林組合の、これが利用につきましては、先ほども山崎先生の御質問に対しましてお答えを申し上げましたように、森林組合といたしましては、おの系統融資としての農林中金を持っているということ、しかも、その農林中金の融資ワクに、なお相当な余裕があると考えられるために、この基金への依存度があまり高くないというふうに考えられるということが一点、さらには、この特に林産事業等の事業を森林組合といたしましては、なお十分に活発というところまで進めていないという点につきましても、この基金への資金需要が大きくないことの理由としてあげられましょうし、さらには、ちょうどこの基金の出資の募集の時期と、それからそれへの出資を決定するところの森林組合の総会の時期等のズレの関係もございまして低調であったのではないか、こう考えておりますけれども、今後、森林組合に期待されるところは非常に大きいわけでございまして、森林組合が、その合併等によって経済基盤を拡充をいたし、さらに将来の林業の構造改善等に活発な役割を果たしていくということになりますと、その資金需要も、現在のようなワクの中では、とうてい充足されないということになりますし、そこで、この基金への依存度も一、さらにさらに高まっていくのではなかろうかと、こういうふうに考え、期待をいたしている次第でございます。
なお、この三ページの会社、個人の資金の使途につきましては、まだ未調査でございまして、不明でございますけれども、大体におきまして、大部分が、この製材業関係であるというふうに考えていいのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/34
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035・北條雋八
○北條雋八君 この造林などは、むろん長期低利で、そっちのほうにも大部分依存していることは承知しておりますけれども、やはり短期の運転資金が、これからも保証してもらうことができるのじゃないかというふうに思うのですが、地ごしらえ費みたいなものですね、この融資を受けて保証してもらうことはできないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/35
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036・田中重五
○政府委員(田中重五君) 農林漁業金融公庫の造林資金といたしましては、それは長期であり低利であるという点からいいまして、まあやはり農林漁業金融公庫を利用するほうが有利でございますし、いまもお話のございました地ごしらえにかかる経費等につきましては、やはり公庫のほうで借り受けることができるわけでございますから、そちらのほうの利用にゆだねるほうが林業者にとっては得策ではなかろうかと、こう考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/36
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037・北條雋八
○北條雋八君 そうすると、この法案のねらいというものは、やはり個人の融資に対しては、あまり期待を政府で持っていないということでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/37
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038・田中重五
○政府委員(田中重五君) 個人の融資に対して、期待を持っていないということはないわけでございます。それは、この基金の利用者は組合でありましても、個人でありましても、いずれもそれは、この法律に定められた業務を行なうものである限り、該当するわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/38
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039・北條雋八
○北條雋八君 次に、この表の一ページの、先ほども説明があったんでありますけれども、これは昨年の十二月末の何ですが、一月、二月とこれはふえているんじゃないかと思うんですが、この林業者の出資金並びに都道府県の出資金、これは変わりはないんですか。「林業信用基金調べ」、この出資者別、件数、金額というのがありますね、それで都道府県の出資金額が一億六千六百九十四万円、それは変わりはないんですか、現在でも。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/39
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040・田中重五
○政府委員(田中重五君) いや、注にございますが、都道府県の出資は、県議会の関係で若干おくれているが、本年度中に全部の出資を完了する予定であり、「本年度末で二億六百九十二万円となる見込みである」というふうに……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/40
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041・北條雋八
○北條雋八君 それからこの個人のやつですね、これも変わりはないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/41
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042・田中重五
○政府委員(田中重五君) 個人の分につきましては、設立の直前に、期間をきめまして募集をいたしました。そうして、その時点でひとまず出資を打ち切っているわけでございます。三十八年の九月十日に出資の募集を開始いたしまして、そうして同じ月の二十三日に出資の募集を終了したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/42
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043・北條雋八
○北條雋八君 そうしますと、期間を短期間をきめて募集をされるといいますと、募集を締め切った後に、この金を借りて保証してもらいたいというものがあった場合ですね、今度、次の募集があるまでは、出資をして、そうして保証をしてもらうということはできないのですか、それはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/43
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044・田中重五
○政府委員(田中重五君) その点は、この基金から保証を受けるためには、出資者たる資格が必要でございますので、この出資の期間に出資をしなかったために、出資者でない者は、現在は保証を受ける資格はないということになります。で、将来に対しましては、やはりこの業界その他等からの要望、その他関連する傾向の推移にかんがみまして、また出資の募集をするというような時期については、その時点で検討をいたしたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/44
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045・北條雋八
○北條雋八君 この昨年の九月に締め切った後に、ぜひこの融資の保証をしてもらいたいというものも相当あるんじゃないかと思いますが、それは別に、そういう希望者があるけれども、締め切ったあとだから、それはできないのだということで、政府のほうへ、そういう陳情といいますか、あるいは希望をその後に訴えてきたようなことはありませんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/45
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046・田中重五
○政府委員(田中重五君) 出資者の中に、組合として出資をしております場合には、それら森林組合あるいは農協、木材協同組合というような場合には、その組合員というものは、出資者でなくとも、その出資をした組合員であるということで、組合からの転貸を受けるという制度があるわけでございます。
なお個人の資格において出資の募集の期間に問に合わなかったといいますか、しなかったということで出資者たり得なかったものは、現在のところは、保証を受ける資格を欠いているわけでございますが、そういう人たちであって、非常にその希望が、さらに高まっているというような場合が非常に強く出てまいりますれば、なお検討をいたさなければならないと存じますけれども、現在のところ、この民間の出資については、これは都道府県の出資、それから民間の出資、政府の出資というような形の構成になっております関係で、そこに今度の政府出資の追加をいたしたいということで、法案の改正をお願いをしておるということでもございますので、そういうような政府の追加出資の行なわれたあとの時点において、また十分に検討をいたしたいと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/46
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047・梶原茂嘉
○梶原茂嘉君 いまの出資の問題ですけれども、現在の基金の現行法では、別段、出資の総額の規定とか、そういうものはないので、ただ、政府の出資だけが三億五千万円、で、今回全体の出資の状況と見合って、幾ら民間のほうの出資——これは府県も入りますが、予想以上に多かったために、さらに政府出資を増すというたてまえになっておる。
したがって、これに参加したい、出資したいという民間のものは特別にみるような、欠格的な条件といいますか、それがあれば別だけれども、これに参加出資をして、そして保証を受け得る資格があれば、これは当然出資の申し込みができ得るたてまえではなかろうか、それを基金の当事者が、一応打ち切ってしまう、将来、条件によって認める、あるいは条件によっては認めない、そういう性質のものじゃないのじゃないかという私は気がするのですけれども、もし一定の出資額というのがきまっておって、そして、そこまで一ぱいに上がったから、今度は全体の増資を考えるという場合に、一つのそういう措置をとるということはわかりますけれども、そういうたてまえではない。だから、府県にしても、一応申し込んだ、しかし、諸般の情勢で増し口をしたい、これは一種の増資だと、そういうこともありましょうし、協同組合としても、一応、こういう申し込みをしておいたけれども、相当希望が多いから倍額といいますか、もっと増し口をやろうとか、そういうことは、当然あってしかるべきじゃなかろうか、それを基金のほうで門をばんと締めちゃって、今度、いつあけるかあけぬかわからない、それは情勢判断によるのだという筋合いじゃどうもないように私は理解しておったのですけれども、それは、そうでないように長官言われたので、私の言うことは間違いなんでしょうか、念のためにちょっとお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/47
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048・田中重五
○政府委員(田中重五君) その点につきましては、この基金の、いま申し上げました都道府県と、それから民間の出資と、それから政府出資との一つの比率という問題もございますし、その点で、一応最初の出発を政府出資三億五千万円、都道府県と民間の出資それぞれ一億七千五百万円というような構成を考えたわけでございますけれども、今後、いまもお話のような出資の希望、それが旺盛で、進められるということになりますれば、これはこの基金のたてまえからいたしましても、その要請にこたえるという態度で進めるべきであろうかと考えられますので、十分に検討をいたしまして善処をいたしたいと、こういうふうに考える次第でございます。
で、いまも申し上げましたような政府と都道府県と民間との一定の比率といいますか、そういう問題はございますけれども、そうしてその募集の期間内に、民間出資の異常な伸びを見たわけでございますし、また、それが政府の追加出資の原因にもなっておるということになるわけでございますが、たてまえといたしましては、いま梶原先生のお話のとおり、そういうお考えが正しいといいますか、たてまえ論といたしましては、そのとおりであるというふうに申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/48
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049・北條雋八
○北條雋八君 そうすると、これは非常に希望者が多い場合には、それは一年に一回と限らず、いつでも募集ができるわけですか。その間に借りたいものがあれば、そういう臨機の処置はとれるわけじゃないかと思うのです。それは別に縛ってないから。それはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/49
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050・田中重五
○政府委員(田中重五君) その点は、いまお話がございましたように、一年に一回とかいうふうにきめてあるわけではございません。そういう必要性に応じて、その希望に、できる限りこたえたいということで進めるのが正しいと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/50
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051・北條雋八
○北條雋八君 その要求に応じて、臨機処置をするというお話しで概略わかりました。そうしますと、これでまた、募集をしたときに、民間で非常にそういう希望者があって、また、この出資金が予想外にふえるということになると、これは原則として民間の出資と、県の出資の合計が、国の出資と均衡しなければならないということになるように思いますが、今度は三億五千万円、また出資することによって、いままでの合計を見ますと六億六千万円ですね、民間出資と県の出資が。ですから、バランスがとれておるわけです。またこの次に、案外民間出資が多ければ、また政府の、国の出資も、また追加していくということになるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/51
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052・田中重五
○政府委員(田中重五君) その点につきましては、やはり民間の出資の額の増につれまして、政府出資の額の増をはかる必要はあろうかと存じます。と申しますのは、この基金の保証のワクを全体といたしまして、その額の十倍というふうに押えて、その範囲の中で、個人の保証の限度を二十ないし三十倍というようにいたしておりますのも、政府の出資とそれから民間の出資との半々という形、それに関連がある問題でもございますので、そこで民間の出資が、相当の伸びを示してまいるというような場合には、政府の追加の必要性は出てくるということは予想されると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/52
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053・北條雋八
○北條雋八君 これは先ほども、ちょっとお話がありましたけれども、この森林組合が三千五百以上もございますけれども、そのうちで出資をしました森林組合の数は、どのくらいあるのか、また、これは非常に森林組合が弱体なるがゆえに数が非常に少ないと思いますが、なお、森林組合のうちで、ほとんど休眠状態にある休眠組合というのですか、そういうようなものは、一体どのくらいあるのですか、その点を伺いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/53
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054・田中重五
○政府委員(田中重五君) 森林組合のうちの出資した組合でございますが、それは申し上げたのでございましたが、森林組合として百六十一組合、千七百六十一万円の出資額でございます。なお、休眠といいますか、そういう組合の数につきましては、ただいまちょっと資料を持ち合わしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/54
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055・北條雋八
○北條雋八君 この森林組合のうちで、職員が一人もいないという組合がだいぶあるように聞いております。そういうのは、先ほど山崎委員からもお話がありましたように、農協のほうで、ほとんど実質的には合併してやっておるようなものじゃないかと思うのですが、これは全然職員のいない組合が八百六十、それから一人しかいない組合が七百六十六もある。ですから、ほとんど半分は、そういうような組合が多い。そういうことを考えますと、この際組合の強化、拡充ということに、もっともっと力を入れなければならないということを痛切に感じます。先ほどもお話がありましたが、どうぞその点は、一そう林野庁当局も力を入れて、組合の育成をやっていただくことがほんとうに緊急の要務だと思います。
私は、質問といたしましては、以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/55
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056・青田源太郎
○委員長(青田源太郎君) ほかに質疑ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/56
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057・梶原茂嘉
○梶原茂嘉君 ごく簡単に伺いたいのですが、森林組合の問題ですけれども、昨年出発して、当時の見通しといいますか、計画といいますか、それから見るというと、民間の出資等々によりまして、それが予想以上に伸びたという結果になっているわけです。ところが、今度政府が、それにバランスをある程度合わせるために増資をする。合計七億になるのですか。そうしますると、他の部分も、大体その額になる見通しだと思いますけれども、一度ある程度伸びちゃって、あとの将来の見通しですね、これは相当、やっぱりふえていくのであろうか、大体、こういうところでとまるのであろうか、その今後の見通しをどういうふうにお持ちなのか、それを一つ伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/57
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058・田中重五
○政府委員(田中重五君) 今後の都道府県あるいは民間の出資の増加の傾向について、だいぶ先の話としては、はっきりしたものを持っていないわけでございますけれども、少なくとも三十九年度におきます都道府県並びに民間の出資の見通しといたしましては、大体林業者等の出資といたしまして、現在の三割増し、それから都道府県といたしましては、これは自治省のほうとも連絡をとっておりますが、この三十九年度に目標として設定をした一億七千五百万円、その程度のものが、三十九年度におきましても引き続き出資されるという見通しを持っておりまして、結局三十九年度の出資のそれぞれの総額といたしましては、政府七億、都道府県三億八千一百万円、それから林業者等といたしましてほぼ三割と申し上げましたが、五億九千万円、合計いたしまして約十六億七千万円程度のものを三十九年度におきましては考えておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/58
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059・梶原茂嘉
○梶原茂嘉君 いま一点は、求償権と出資との関係なんですけれども、出資は、もちろん持ち分として会員相互間の移動といいますか、譲渡があると思う。それでこの被保証者が、保証された債務を弁済することができない——弁済といいますか、不可能になって、求償に入って、いろいろの事情で求償し得なかったというときの、その被保証者の出資というものは、いかがになるたてまえになっておるかということなんであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/59
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060・田中重五
○政府委員(田中重五君) それは、この出資の持ち分は、求償権の対象となるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/60
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061・梶原茂嘉
○梶原茂嘉君 対象になる。わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/61
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062・藤野繁雄
○藤野繁雄君 資料を要求したいと思っております。
それは、この資料の一一ページによって見まするというと、1が役員、2が評議員。評議員のほうは詳細に関係が出ているが、役員のほうは理事長、理事、常勤、それから非常勤と、こうなっているが、理事長と常任の理事は、顔見知り合いであるから承知しておるのでありますが、その他の者は、私など承知しておりません。であるから、今後増員の理事も関係がありますから、非常勤の理事は、どういうふうなお方であるかということをひとつ資料として提出を願いたいと思うのであります。
それから、法律の第二十七条の第四項の第三号の関係であるのでありますが、これは評議員会に諮問しなければできない、そうしてこれは決定しておられることと思うのでありますから、現在の予算、事業計画及び資金計画は、どういうふうなものであるか。また、新年度を眼前に控えておるのでありますから、新年度の予算、事業計画、資金計画というものは、どういうふうなものであるかということで、昭和三十八年度と三十九年度の対象の数字を資料として出してもらいたいと思うのであります。
それから現在まで仕事をしておられるのでありますから、現在のところでは、財産目録、貸借対照表、損益計算書をつくったらば、どういうふうな現在の状況であるか、これは決算でないけれど、現在の段階においての数字を資料として御提出をお願いしたいと思うのであります。ただいま答弁は要りませんから、資料としてお願いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/62
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063・田中重五
○政府委員(田中重五君) 御説のとおり資料として提出をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/63
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064・青田源太郎
○委員長(青田源太郎君) ほかにありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/64
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065・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 私からも資料を……。それは、この基金に出資をする財源に関連があるので、これは積み立て金を繰り入れて——一般会計から支出をして、その中から、一般会計から、これに基金が出るという関連で、そのものであるところの国有林野事業特別会計の内容まで、ひとつただしたいので、過去の予算と決算とを、三十六、三十七、それから三十八はまだ経過中ですから、三十八と九の予算の、それらの特別会計の内容をひとつ、資料として出していただきたい。三十七までは決算できたでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/65
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066・田中重五
○政府委員(田中重五君) 御指示のとおり提出をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/66
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067・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 あわせて、特別会計でわかるようなものがあれば、なお提出していただくとありがたいのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/67
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068・青田源太郎
○委員長(青田源太郎君) ほかに、質疑のある方はございませんですか、……。
本日は、これをもって散会いたします。
午後三時七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01219640306/68
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