1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和三十九年三月十日(火曜日)
午前十時二十二分開会
—————————————
出席者は左のとおり。
委員長 青田源太郎君
理事
梶原 茂嘉君
櫻井 志郎君
渡辺 勘吉君
北條 雋八君
委員
岡村文四郎君
木島 義夫君
北口 龍徳君
仲原 善一君
藤野 繁雄君
堀本 宜実君
森部 隆輔君
山崎 斉君
大河原一次君
小宮市太郎君
戸叶 武君
矢山 有作君
安田 敏雄君
牛田 寛君
高山 恒雄君
政府委員
公正取引委員会
事務局長 竹中喜満太君
農林政務次官 松野 孝一君
食糧庁長官 齋藤 誠君
林野庁長官 田中 重五君
事務局側
常任委員会専門
員 安楽城敏男君
説明員
林野庁林政部長 丸山 文雄君
林野庁林政部森
林組合課長 松本 作衛君
—————————————
本日の会議に付した案件
○林業信用基金法の一部を改正する法
律案(内閣提出)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/0
-
001・青田源太郎
○委員長(青田源太郎君) ただいまから委員会を開きます。
林業信用基金法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続いて質疑を行なうことにいたします。
質疑のおありの方は、御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/1
-
002・藤野繁雄
○藤野繁雄君 私はこの前の委員会で資料の提出をお願いしておきましたが、資料をただいま拝見しましたから、これについてひとつ質問を行ないたいと思います。それは毎年度の予算、事業計画、資金計画に関する件であります。法律第二十七条の四項の第三号によれば、理事長は、あらかじめ評議員会に諮問しなければならないと規定してあるのであります。それから第三十三条の第一項には、「基金は、毎事業年度、予算、事業計画及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に農林大臣の認可を受けなければならない。」それから附則第十条には、「基金の最初の事業年度の予算、事業計画及び資金計画については、第三十三条第一項中「当該年度の開始前」とあるのは、「基金の成立後遅滞なく」と、こういうふうに法律で規定されておるのであります。
そこで私のお伺いしたいところは、第一点として、本年度の予算、事業計画、資金計画の内容と評議員会に諮問せられたところの年月日と評議員会の状況、農林大臣の認可の年月日及び基金が出資者に通知せられたところの通知の年月日、第二点は、予算の過不足があった場合の過不足、それから事業計画、資金計画が現在どういうふうな状態に進行しておるか。第三点は、計画と実施とが相違しておったならば、どういうふうな理由によってそういうふうに相違しておるのであるかということを、法律及び資料に基づいて御説明をお願いしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/2
-
003・田中重五
○政府委員(田中重五君) いま御質問の要旨につきましては、お手元に林業信用基金法の一部を改正する法律案関係参考資料というものを差し上げてございますので、それで、まず、予算につきましては、予定損益計算書の形で三十八年度、三十九年度につきまして掲げてございます。内容について、まず、林政部長から御説明申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/3
-
004・丸山文雄
○説明員(丸山文雄君) ただいま長官のほうから話のありました本日提出いたしております基金法の一部改正法律案参考資料、この中の事業計画、資金計画等につきまして、要点だけ簡単に御説明申し上げます。
まず、この表の中で一ページが三十八年度予定損益計算書の概案でございます。二ページが事業計画のもとになります予想保証総額。それから三ページが三十八年度の資金計画案でございます。これがいいますならば、三十八年度の基金協会の予算書に最も近いものでございますけれども、これが三ページ。それから四ページが、引き続きまして、三十九年度の予定損益計算書の概案でございます。五ページがそのもとになりますいろいろ運用資金の計算の方法の整理になっております。六ページが三十九年の事業計画の基礎となります保証の総額及び年間平均保証残高。七ページが三十九年度の資金計画案でございまして、これが三十九年度の基金協会の予算と報告というふうに予想されるわけでございます。その他二、三表つけておきましたが、この資料に基づきまして、簡単に要点だけ御説明いたしたいと思います。
それで、まず二ページをごらんいただきますと、三十八年度の、これは十月一日に発足いたしましたから、三月三十一日まで、つまり半年分でございますが、何ぶんにも初めてのことでありますので、的確なる予想は困難でございますけれども、ここに書いてありますように、三十八年度の予想保証総額というものを約三十五億四千七百万というふうに考えております。それにつきましては、下の説明の保証総額算出基礎の中にカッコがついておりますものでございますが、業界の出資が四億五千四百万円、それの二十倍。それに三月末までを考えますと、大体三十八年度分の県の出資金が二億六百万円ぐらいになるわけでございますが、これをラウンドで二億と押えまして、それの十倍がまずもとになる。それから、平均の借り入れ期間は大体九カ月くらいということになりますので、九分の十二をかけまして百四十七億というものが一応算出のもとになる数字として出てまいります。そこで、百四十七億八千二百万というものが、実際に回るのは大体六〇%ぐらいであろうということで六〇%をかけまして、その半年分でありますから、十二分の六、つまり二分の一ということでございますが、それが四十四億ぐらいになる。これがいわゆる当期の保証のおおよそのめどである。それに対しまして、一番最後の欄にございますように、初年度のことでありますので、これに八がけをいたしまして、それで先ほど申しました三十五億四千七百万というものが三十八年度の保証総額になるであろうということをひとつ基礎として出したわけでございます。
それに基づきまして、次の三ページにまいるわけでございますが、三ページの表の昭和三十八年度資金計画案の右の欄にございます資金の調達方式のところで、三十八年度に入ってくる金、その計算がございます。保証業務収入といたしまして、ただいま申しました三十五億を基礎にいたしまして、千六百万が入ってくる。千六百万の計算の基礎は、備考に書いてございますが、三十五億に対しまして、いわゆる二厘を年率に直しますと〇・七三%になり、九カ月、そういう計算をいたしまして千六百万。それから、余裕金の運用といたしまして、三十八年度中に現金として入ってまいりますものがその次に書いてあります。二百三十三万幾らです。それから整理の都合上、いわゆる出資金の受け入れが大体十億円入ってくるわけでございます。
そういうものとの見合いにおきまして、資金の使途といたしまして、左側にございますように、保証のために要するいわゆる事業費、これが約三百七十八万円、その中には求償権の回収につきましては、三十八年度中は求償権という問題が起こりませんので、これはゼロでございます。保証事業の運営のために要する管理費、これが全部で三百七十八億、それから一般管理費といたしまして下に書いてありますように、役職員の給与であるとか、諸般の事務費、それから特に設立当初における出資募集費、このことに関する経費、これが二百万円ばかりございます。それから、固定資産の取得費といたしまして事務所を借りる経費であるとか、机、いす、金庫等の備品でございます。そういうものを、いろいろ使途と調達方式に分けますと、右の十億一千万円の中からこういうものの経費を使用いたしまして、それで後期に繰り越しとして九億五千六百万円三十九年度に残っていくという計算になりまして、資金の使途と調達方式とが合計において十億二千九百万円で合っておる、こういう一応予想を、見込みを立てております。
これを一ページに戻りまして、予定損益計算書の形に直してみますと、借方、貸方の関係は大体こういう姿になるのではなかろうかと考えている次第でございます。
それから同様にいたしまして、五ページの表でございますが、三十九年度の損益計算表付表にあります資金計画の元になりますものといたしまして、運用資金の資金源といたしましては、十三億五千六百万円という数字が出ております。ただいま申しましたように前期からの受け入れ金は九億五千万円であります。それから出資金の受け入れ部分、これは五億、右に書いてありますように、政府が、たびたび申しておりますように、三十九年度三億五千万円追加いたしました。それから都道府県も大体初年度の例にならいまして、その半額一億七千五百万円、民間が、先般御説明いたしましたように、大体前年度の三割アップくらいを予想いたしますと、一億三千六百万円、これが最終的な三十九年度末の姿になります。一応年央という考え方をとりまして、都道府県、民間につきまして二分の一を掛けまして、大体平均的の計算の基礎を出しているわけでございますが、政府とただいまの都道府県及び民間の合計の年央をとりまして五億六百万円というものが、出資金として常時計画の対象になる金として積算いたしております。それから三十九年度の代位弁済額といたしまして三角印がついておりますが、一億六百万円、先ほど申しました三十八年度末保証残高が三十五億になるであろうという場合、大体その三%というものを一応目標にいたしておりますので、それを掛けました一億六百万円、それを引きました十三億五千六百万円というものが運用資金の資金源になりまして、この運用方法につきましては、その下の2の運用種別といたしまして普通預金、定期預金、有価証券、金銭信託、こういうものでこれを運用してまいりたいということが一つあるわけでございます。
それから六ページの三十九年度事業計画案、この基礎となります債務保証総額百七億四百万円という数字がございます。この百七億四百万円というのは参考でございまして、ほかの計画案の計算には出ておりません。そういう考え方でごらんいただきたいと思います。それぞれの事業計画、その他のもとになりますのは、説明の三行目でございますが、三十九年度の平均保証残高を八十億二千八百万円と押えまして、この金額が先ほど申しました運用資金との関係におきまして、事業計画その他のもとになっているということに相なるわけでございます。先ほどの三十八年度の順序で申し上げますと、七ページにまいりまして、三十九年度資金計画案でございますが、ここの右側に書いてありますように、前期繰越金九億五千六百万円、それから保証業務収入といたしまして、備考をごらん願うならばおわかり願えると思いますけれども、前年度からの金額に見合うのが三十五億ある。それから三十九年度におきましては、ただいま申しました八十億という二つの計算から出てきますのが五千六百万円。それから余裕金の運用といたしましては、五千八百万円というものがちょうど御説明いたしましたいろいろな定期預金その他のものから出てまいるわけであります。そういうことで、それから今度は使途といたしまして、保証事業費、これも大体三十八年度の例にならってまいるわけでございますが、一般管理費にいたしましては、法案で御審議願っておりますように、三十九年度につきましては、業務の増大等を考えまして、常勤理事一名を増員いたしております。
それから今後の問題でございまするが、いろいろ半年間の経験に基づきまして職員等も若干足りない。いろいろな実態調査その他の必要もございますので、そういう意味で、職員を大体十人くらい増加したいという現在における考え方に立ちまして、そういうものを入れておりますので、一般管理費につきましては、三十八年度をそのまま引き延ばした場合より、若干増になっているということを御注意願いたいと思います。そういうことに基づきまして、資金計画案といたしましては、使途が十七億八千万円で調達方式の部分が十七億八千万円というのが、この資金計画でございます。これを三十八年度と同じような意味で、損益計算書の様式に引き延ばしましたのが四ページにございます。三十八年度と内容の若干違う点はありますが考え方は同じようなものでございます。
以上、一応、御説明を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/4
-
005・田中重五
○政府委員(田中重五君) なお、予算書の内容について、御質問ございました点について申し上げますと、三十八年度予算につきましても、まだ案の段階でございまして、林業信用基金の協議委員会に対しましては、あす、十一日にこの委員会を開催をいたしましてはかる予定でございます。そういう状態でございますので、農林大臣の認可なり、あるいは出資者への通知につきましては、まだ行なわれていないという状態でございます。三十八年度につきましては、初年度であり、設置早々であるということもございまして、このように予算の編成がおくれておりますが、その実績につきましては、 ほぼ、この予算に見合う予定でございますけれども、計数的に現在のところ明確にできるという段階ではないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/5
-
006・藤野繁雄
○藤野繁雄君 私、お尋ねしたいのは、この法律には予算と書いてありますが、その予算形式でなくして、損益計算ということで出されていいんですかね、一方の事業計画と資金計画は法律の文句のとおりなんです。しかし、法律で予算ということを明記してある以上は、予算の形式で出されなくてはできないのじゃないかと思っているのでありますが、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/6
-
007・丸山文雄
○説明員(丸山文雄君) ただいまのお話でございますが、ここに提出いたしましたのは、予算書という御要求に対しまして、こちらが若干あるいは聞き違えた面もあったかと思いますけれども、実質的にはこの資金計画案、先ほど御説明いたしました、三十八年度で申しますと、このお配りしてございますところの三ページにあるものが、大体こういう計算でよければこれがそのまま基礎になりまして、たとえば繰り越し金、そういうものが予算書面では整理されるかもわかりませんけれども、これが大体そのまま予算書の形になるということに御理解願いたいと思います。予算書の形で必要がございますれば、また追って提出いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/7
-
008・藤野繁雄
○藤野繁雄君 いや、これが最初の予算及び事業計画、資金計画だから、しかも参議院が先議にされているのだから、その点はよく検討しておかなくちゃできないと思っておるのです。それで、一体、普通の場合の予算というのと、事業計画というのと資金計画というのは、これは明らかにしてあるのです。区別してある、その、法律では予算というのと損益計算だけで、それが予算になるかどうかと、こういうふうなことなんですが。
それから、さらにこの内容について質問してみまするというと、こういうふうなことになってくるのですよ。三ページの資金計画ですね、資金計画には、設立及び出資募集事業費として、二百二十二万二千円というのを計上しておられるのにかかわらず、損益計算ではそれが落ちているということは一体どういううふうな理由か。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/8
-
009・丸山文雄
○説明員(丸山文雄君) 御質問の第一点の、この三ページの三十八年度の資金計画案、これを収支予算の形に直しますと、先ほど申しましたように、書面で御提出いたしてもいいわけでございますが、支出のほうが、上から参りまして、資金計画案にありますように、保証事業費が三百七十八万円、それから一般管理費が二千九百四十二万五千円、それから、固定資産の取得が三千七百万円とまいりまして、これで大体支出の合計が七千万円になるというのが予算書の形に引き直した場合でございます。それから、収入につきましては、ここにありますように、保証業務収入が千六百万円、それから、余裕金運用収入もこの金額をそのままもってまいる、そういう形に整理いたしまして、それから出資金受け入れその他を加えまして、合計が大体ここにありますように十億という数字が出てくるわけでございますが、予算書の形におきますと支出と収入がどうもバランスがとれませんけれども、先ほど申しましたように、この資金計画案が予算書の形になりますと、バランスは違いますが、内容的にはほぼ一致するものであるということになるわけでございます。
それから御質問の第二点の、資金計画案にありまする一般管理費の中の設立及び出資募集費二百二十二万二千円というのは、損益計算書のほうでは当年三十八年度の償却部分を計上してございますので、それでこちらのほうが六十七万五千円少なくなっておるということでございます。当年度の償却部分を計上したもの、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/9
-
010・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうするというと、資金計画の設立及び出資募集費のうちの初年度で償却すべき分のみを減価償却費で損益計算では出しておる。そうするとここでは減価償却ということであるが、固定資産、設立費等の償却等ということであるから、それならばそれでいいとして、しからば設立費は幾らかかって、その設立費は何カ年計画で償却される見込みであるかと、こういう点です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/10
-
011・丸山文雄
○説明員(丸山文雄君) 設立費は八十万円かかっております。それから出資募集費は百四十二万でございます。それでこれを三カ年償却というたてまえにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/11
-
012・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 関連してちょっと伺いますが、資金計画のいま御説明の設立及び出資募集費の二百二十二万二千円、これの内訳はどういうものですか、全体で。そうしてそれの損益にどう反映しておるか、その点を少し詳しく……。
それから関連して伺うのは、資金計画に保証業務収入が一千六百十八万六千円と計上しておるのに、収益に四百八十五万六千円というのは一体どういうことなのか。同じように資金計画では余裕金運用収入が二百三十三万七千円なのに、現実に利益と見ておる余裕金運用収入が二千八百八万八千円、まるでけた違いに資金計画と利益の見積もりが違う。この数字の相関性はどうなのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/12
-
013・松本作衛
○説明員(松本作衛君) 第一点の設立準備の内容でございますが、設立準備費及び出資募集費の内容でございますが、設立準備費といたしましては、設立委員会を招集いたしました経費、それに伴います印刷費等及び設立の披露に伴います経費、これが先ほど部長の申し上げました八十万円でございます。それから出資募集費でございますが、これは出資の取り扱いを金融機関にお願いいたしましたので、出資の取り扱いに伴います手数料、それと出資募集に伴います各種の印刷物等の経費、これが百四十二万一千円でございます。
それから第二点の御質問の資金計画と損益計算との間の数字が合わないではないかという点でございますが、実は先ほど申し上げましたように、資金計画と予算といいますのは、ほとんど内容が一致してございます。したがいましてむしろ基金の収支状況を御説明したほうがよかろうというふうな考え方で、この損益計算をつけたわけでございますが、この損益計算は当年度におきます。その年度におきます収支の状況を見るためにつくりましたわけでございますので、実際の資金の出し入れとは当然違ってまいります。その点がいま御質問のところにも該当するわけでございますが、たとえば三十八年度につきまして保証業務収入、これが損益計算書では四百万しか出ていない。ところが資金計画、これでは千六百万出ているという点でございますが、資金計画のほうではこの保証業務収入、これは保証を開始いたしましたときにあらかじめ取ることにいたしております。したがいまして金としては千六百万入ってくる計算になるわけでございますが、実はその保証のうち当年度の収入として仕分けさるべきものが、月割計算でいきますと四百八十五万六千円になるということでございます。同様にいたしまして、余裕金の運用につきましても資金計画のほうにおきましては実際預金の利子が入ってまいりますのは定期等一年以上のものにつきましては当年度内には利子が入ってまいりませんで、翌年度になるわけでございます。ところが一方、損益計算のほうにつきましては本来その年度に預けたものにつきましては、収入があるべきはずのものであるというふうに考えられますので、この分を預金利息収入としてあげておるわけでございます。その点の食い違いでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/13
-
014・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 もう一つ関連して。資金計画と損益の計上の経過はわかりましたが、保証業務収入は規定された手数料が保証した際に入る、したがって資金としては繰り入れるということでございますが、そのことは保証料そのものは収入にイコールになるのじゃないか、保証料という収入は、これは資金の保証料収入という資金の総額であり、そのことはまた当該利益に計上さるべきものじゃないですか、それをいわゆる未経過分だけを考慮したということの説明であればわかるのですけれども、いわゆる既経過未経過の区分では、損益にはそれを仕分けしたということなのかどうかその説明がなかったし、それから先ほど伺った設立費八十万、それから出資募集費百四十二万ということですが、藤野委員の質問されたことに関連して、私もお伺いしたいのは、出資募集費は一体損失じゃないのか、それは一体どう資産、負債の関係で経理をされるのか。それから設立費八十万というものを一体何年で償却をするという年次計画があるのかということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/14
-
015・松本作衛
○説明員(松本作衛君) 第一点の保証業務収入につきましては、ただいま御質問にありましたような月割りに考えまして未経過分を落としたという思想でございますが、具体的には一応保証の平均期間を九カ月というふうに考えておりますので、九カ月分を考えまして、三十八年の十月から九カ月間で一応一期間を終わるというふうな考え方で、その九カ月を仕分けをして未経過分を落としてやるということでございます。
それから第二点の設立費、出資募集費でございますが、いずれも設立及び設立時の出資募集に必要な経費でございますので、当該年度の経費というふうに全部落としませんで、三カ年間でこれを償却していくというふうな考え方に立って、三カ年間で償却するということにいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/15
-
016・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうすると、次は八ページの林業信用基金残高試算表、これは二月二十九日現在、これによって見まするというと、その損益の差は一千三百八十一万三千四百六十四円になる。今度は一番最初の昭和三十八年度予定の損益計算書によれば、最初は損益はゼロですね。そうするというと、損益がゼロということになるのであれば、いまから、この試算表からいえば一カ月の間に一千三百八十一万三千四百六十四円収入せなくちゃできないが、この収入の内訳はどういうふうになっているかということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/16
-
017・松本作衛
○説明員(松本作衛君) 先日藤野委員からの御要望で、貸借対照表をつくれというふうなお話もあったわけでございますが、現在時点におきまして全体の期間の間の現金収支以外のものも全部計算するということができかねましたので、やむを得ず二月二十九日現在におきます基金の勘定ごとの残高を取りまとめたわけでございまして、これは二月二十九日までの具体的な収支がございましたものを取りまとめておりますので、決算の形式のように期間を区切りまして、その間で本来支出さるべきもの、収入さるべきものというような計算をいたしますと、また別の計算になるわけでございます。たとえば余裕金の運用収入等につきましても、三月末になりますと相当額が出てくるということでございますので、三月三十一日現在におきましてあらためて決算をした段階になりませんと、予算との相違額につきましても明確になりかねる点があるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/17
-
018・藤野繁雄
○藤野繁雄君 いまのことはわかっているのですよ。それだからぼくの質問しているところは、現在において千三百万円以上の収入がなくちゃできないが、一体千三百万円の収入は、三月三十一日になったならば何と何とをめどにして収入される予定であるかということをお尋ねしておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/18
-
019・松本作衛
○説明員(松本作衛君) 目安といたしましては、今後の保証を行ないますことに伴います保証料収入、それから余裕金の運用に伴います利子収入等を予定してございますが、先ほど御説明いたしましたように、収支の差額とこの現金の収支とにつきましては、性格上食い違いがございますので、収支の差額として計算します場合と、残高の資産におきます現在時点の収支差額とにつきましては、食い違いがある点を御了解願いたいというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/19
-
020・藤野繁雄
○藤野繁雄君 ぼくもこのくらいのそろばんはわかっているのですよ。わかって質問しているのだから、あなた方は、どことどこをどうはじけばこういうふうになるという説明をすればいいのです。決算は何回やったかわからずに……、あなた方よりもぼくは詳しく知っているのです。必ずどことどこをはじけばどうなるという数字が出てこなければならない。もうこれ以上は質問いたしません。
その次、そうするというと、昭和三十九年度の予算、事業計画及び資金計画は、まだ評議員会の決定を見ていない。したがって大臣の認可も受けていない、出資者への通知もしていない、これだけ明らかになったのであります。それならば三十九年度の予算と事業計画、資金計画はいま示されたのでありますが、これについて評議員の同意を得、農林大臣の同意を得、そうして出資者に通知される予定の期日があったらばお示しを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/20
-
021・田中重五
○政府委員(田中重五君) いま御指摘の二千九年度につきましての予算に関する評議員会への格間なり、あるいは農林大臣の認可、出資者への通知につきましては、先ほども申し上げましたように、設立後、日が浅いためになおその段階に至っておりませんが、早急にこの点について促進をいたしまして決定を見たい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/21
-
022・藤野繁雄
○藤野繁雄君 次は第三十一条。三十一条によれば「基金は、業務方法書で定めるところにより、その業務の一部を融資機関に委託することができる。」これは「業務の一部」とはどんなものであって、現在どういうふうな融資機関に委託しておられるか、その事実をお示し願いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/22
-
023・田中重五
○政府委員(田中重五君) いまの林業信用基金法の三十一条に基づきまして、林業信用基金の業務方法書がお手元に差し上げてあるわけでございますが、その方法書の七十六ページ、第七章雑則で業務の委託、第三十一条というのがございまして、「基金は、債務保証業務の一部(債務の保証の決定を除く。)を融資機関に委託することがある。」ということで、それに基づきまして、融資機関への業務の委託の内容といたしましては、おもに被保証者の信用調査等を中心に委託しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/23
-
024・藤野繁雄
○藤野繁雄君 これはそれを委託しておる。しかし、その委託しておるところの金融機関はどういうふうなものであるかという質問にまだお答えいただきません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/24
-
025・田中重五
○政府委員(田中重五君) 融資機関といたしましては、先般お手元に差し上げました林業信用基金法の一部を改正する法律案の参考資料というのがございますが、それの五ページでその融資機関の内容をお目にかけております。全体といたしまして四百十五行でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/25
-
026・藤野繁雄
○藤野繁雄君 これは現在委託しておるということでありますね。
それでは林業信用基金制度についてという事務次官通達、これをお尋ねしたいと思うのであります。そのうちにこういうふうなことが書いてあるのであります。昨年の十月の農林事務次官から都道府県知事あての通達の第二に「林業信用基金制度と都道府県との関係」中に、「国、都道府県及び林業信用基金が定例的に連絡するよう当職において配意するので御了知願いたい。」と、こう述べてあるのであります。これは先般山崎先生もお尋ねになったかと思うのでありますが、「当職において配意するので御了知願いたい。」としてあるのでありますが、具体的にはどういうふうなことであって、それでその関係をどういうふうに予算的には示されておるのであるか。予算は全くこの関係でないのであるか、あるのであるか、これをお尋ねしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/26
-
027・丸山文雄
○説明員(丸山文雄君) ただいまの御質問は、県もいろいろこの制度の運用のために努力してもらいたいという趣旨を受けての県等に対しまして、どういう配慮を考えておるかという御質問であろうかと思います。それにつきましては、ただいまお配りしてございます三十九年度の事業、資金計画といたしまして、四ページでございますが、三十九年予定損益計算書案のほうに入ってございますけれども、一番左側の欄の科目のところの保証事業費の中の内訳の二番目に、保証業務促進委託費というのが一応考えてございます。約一千万でございますが、この中の五億二千二百万というのが大体民間出資になるであろう。まあ一部予想が入ってございますけれども、そういうものの大体二%程度ぐらいの経費を県に予託しまして、これは例といたしましては、御存じのとおり農林漁業金融公庫等も、融資する場合は県等に調査委託等をしておりますが、そういう例にならいましてということで、この制度のひとつ円滑な運営に協力を願いたいということで、三十九年度はこういうことを考えたということで、目下こういう姿で検討しておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/27
-
028・藤野繁雄
○藤野繁雄君 いまの、そうするというとですね。四ページの昭和三十九年予定損益計算書のうちのいまのお話の金額は、これは昭和三十九年度ですね。昭和三十八年度はいかがいたしておりますか、お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/28
-
029・丸山文雄
○説明員(丸山文雄君) 三十八年度につきましては、こういう意味の形式的なことはいたしておりません。しかしながらいろいろ役所といたしまして会議等をできるだけ招集いたしまして、そういうところで基金法の趣旨に沿っていろいろやっているという事情でございます。特別に三十九年度で計画いたしておりますような事項につきましては、三十八年度については実行いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/29
-
030・藤野繁雄
○藤野繁雄君 次は、同じ通達の第三、協同組織の整備強化、これを見てみますというと、「都道府県においては、今後における協同組織化の進展と相まって、これらをできうる限り協同組織を通ずる出資に切り替えるよう指導するほか、林業信用基金の発足を機に協同組織化の助長等協同組織の整備強化に努力されたい。」こういうふうな通達が出されておるのであります。これはまことに適当な通達であると思うのでありますが、すでにこの通達によって、都道府県別に出資に切りかえられたのがあれば幾ら切りかえられたか。また、将来の見込みはどういうことであるか。これを具体的にお尋ねしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/30
-
031・田中重五
○政府委員(田中重五君) いま御質問の趣旨につきましては、引き続き今後におきまして協同組合強化の一つの軸として、林業信用基金の運用がなされるように、この事務次官通達の趣旨に沿いまして進めていこうと、こう考えているわけでございますけれども、現在のところでは、この趣旨に沿って出資されたものはどれだけあるかにつきましては、必ずしも具体的数字をもって把握はしていない現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/31
-
032・藤野繁雄
○藤野繁雄君 今度は林業信用基金理事長あての通達によって見まするというと、その第三に「森林組合及び事業協同組合であって林業信用基金の債務保証業務に係る融資機関としての取扱いを受けるものは、」次の条件を備えておらなければできない、こう書いて、1、2、3があります。その第1は「払込みの出資の総額がおおむね百万円以上であること。」2「常時勤務する役員及び職員の人数の合計がおおむね五人以上であること。」3に「主要な経済事業の分量の額が年間おおむね千万円以上であること。」こういうような条件がつけられておるのであります。そこでお伺いしたいのは、森林組合及び事業協同組合別に、右の条件を具備しているところの組合がどれくらいあるか、また具備している組合中に融資機関として取り扱いを受けているところの組合が幾つあるか、また現在、そうでなかったとしたならば、今後の見通しはどうであるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/32
-
033・田中重五
○政府委員(田中重五君) いま御質問の要旨の、農林事務次官通達の林業信用基金理事長あての第三にあります。この要件を満たすものといたしましては、森林組合につきましては二百六十六組合、それから木材協同組合につきましては二百四十六組合、こういう状況であります。それから、こういう要件を満たしておるものであって、どれだけ出資をしておるかということにつきましては、いまのところではないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/33
-
034・藤野繁雄
○藤野繁雄君 次は出資問題であります。この基金法を制定する当時においては、法律第七条にも書いてあるように、五億円を下るものであってはならない、そういうようなことで、五億円を限度にして、かりの金額として政府は三億五千万円を出資した、しかるに昨年の十二月三十一日で見れば、ほとんどその倍額である九億七千百三十万円になった。なおこれは増加の傾向である。これは日本の森林業がいかに重大であるかということを森林関係者が認識して、森林の開発に力を入れようとする結果であるのであります。まことに喜ばしい傾向であると私は信ずるのであります。であるから、またさっきの三十九年度の事業計画、資金計画等によってみましてでも、出資を増していかなくっちゃならない、またいろいろの通達から考えてみても出資は増していかなくっちゃならない、また増資の希望がある、こういうふうなことであれば、増資はできるだけ簡易な方法でできるようにしなくっちゃならない。しかるに、林業信用基金の定款第八条によってみまするというと、これは基金が出資の募集をしなくてはならない、こう書いてある。加入しようと思っても、増そうと思っても、基金が募集しなかったら増しも加入もできない、こういうふうな不合理はないのでありますから、これは法律事項でもないのであるから、すみやかに定款を変更して、いつでも増資も加入もできるようにしむけるべきである、またそれが立法の精神であると、私はこう考えるのでありますが、この点についての長官のお考えを伺いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/34
-
035・田中重五
○政府委員(田中重五君) 出資しようとする場合、普通まあどういうような手続でどこへ出資の申し込みをいたし、またどのようにして出資金の払い込みをするかというようなことが、やはり出資者にとりましてわからない面が多いわけでございますし、まあ不便なわけでございます。そこで出資について必要な一切の手続方法を示しまして、そうして出資を簡易、円滑に行なうことができるようにいたしますために、基金が出資募集を行なうというようなことにいたしておったわけではございます。しかしながら、出資の募集といいますと、株式の増資の場合のように、一定期間を定めなければならないというようなものではございません。希望者がいつでも出資ができますように、期間を定めずに行なうことがむしろ好ましいということはごもっとも、お説のとおりだと存じます。それでこの本制度のたてまえといたしましては、現在のところでは、この定款の規定に基づきながら、今申し上げましたような、出資者の希望にこたえられるような、不便を解消するような方法で運用をしてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/35
-
036・小宮市太郎
○小宮市太郎君 この法律の十七条ですね、役員に関する条項なんですが、役員として理事を一名ふやすということをここに提案されておるようですが、さっきの資料を見ますと、役職員の給与のところに役員三名、もちろんこれは理事長と理事二名、職員二十八人についての給与とこう書いてあるのですが、役員三名の月平均の給与はどのくらいになっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/36
-
037・田中重五
○政府委員(田中重五君) 理事長が月二十一万円でございます。それから理事が十六万円でございます。それから監事が十二万八千円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/37
-
038・小宮市太郎
○小宮市太郎君 それから職員の二十八人の給与ですね、この給与に先立ちましていろいろ参考書というか資料をさがしましたが、ございませんのでお聞きしたいのですが、大体職員の平均年齢はどのくらいになっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/38
-
039・田中重五
○政府委員(田中重五君) 職員の平均年齢はおよそ三十四歳でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/39
-
040・小宮市太郎
○小宮市太郎君 三十四歳というとかなり若い人がいると思いますが、退職手当引き当て金等とこう書いてございまして、その引き当ての根拠といいますか算定の基礎、それからその算定をする退職金の基金といいますか、そういうものの積み立てというようなものはどういうようになっているのか、その詳細をお聞きしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/40
-
041・松本作衛
○説明員(松本作衛君) 退職金の引き当ての比率は役員が百分の六十五、職員が千分の十五ということでございまして、これは退職金の引き当て金として経費に計上しておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/41
-
042・小宮市太郎
○小宮市太郎君 それから、これは法律が通っておりませんのでお答えはたいへんむずかしいと思いますけれども、役員の構成を見ますと、大体理事長が前の林野庁長官、それから理事は前の水産庁次長、それから監事は前の自治大学の校長、こういうように高級な政府の官僚の方がついておられるのですが、これはまたとかくの批判もあると思います。しかし、これはここでは批判については申し上げませんけれども、もう一人理事をお加えになるその方の予定というようなものがすでにあるのでございましょうか、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/42
-
043・田中重五
○政府委員(田中重五君) その予定はまだございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/43
-
044・小宮市太郎
○小宮市太郎君 それでは、これはそれ以上お聞きいたしません。
次に私がお伺いしたいのは、直接この法律の条項ではございませんが、林業に対する一部の問題についてこの際お伺いしたいと思います。と申しますのは、林業基本法というものが将来政府のほうで構想されておるということも伺っておるんですが、大体この林業の経営者としての自立可能な規模というものですね、これは北は北海道から鹿児島までですから、ずいぶん状況も違うと思いますけれども、おおよそ林業の自立経営のできる規模といいますか、そういうものはどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/44
-
045・田中重五
○政府委員(田中重五君) これはなかなかむずかしい問題でございますが、日本の林業の経営者といたしまして、国有林なり公有林を除きまして、私有林について申し上げました場合には、相当規模の大きな山林経営者ときわめて零細な面積しか所有をしていない山林の所有者とそれぞれ存在するわけでございますが、それでその大きい山林所有者はまずおきまして、その零細性を示すものといたしまして、日本の山林所有者の戸数が約二百七十万戸ございますけれども、そのうちの約九割前後のものは五町歩に満たない山林しか所有していない、そういう状況であることと、それからまた山林所有者のやはりほとんどが農業を合わせ営んでいる、農業者が林業を合わせ営んでいるといったほうがいいと思いますけれども、そういうような状態でございます。そういう農業を営みながら合わせ林業を営んでおるという形でございまして、そこで林業だけで自立できるというような一つの計数を出してまいりますことは、いろいろな前提条件が必要でございますし、その前提の相違によりまして、またその答えも変わってくるかと存じます。そういう意味合いからいいましても、林業だけで自立するのには、どの程度の面積があればいいかということには、いますぐお答えをしかねるわけでございますが、ただ、林業の営み方が、たとえば余裕の資金ができたためにひとまず植えておく、それから切る場合には、やはり家計の事情からその必要が出てきたので、その必要の程度に応じて切る、そうして収入をあげるというような、そういう斫伐の実態を離れて、計画的にとにかく植栽し、そうして一定の樹齢になればこれを切る、計画的に仕事をやっているのだという、そういう形がとれる最低限度の面積はどの程度であろうかということになりますと、大体少なくとも五、六町歩から上ではなかろうか、こういうふうに考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/45
-
046・森部隆輔
○森部隆輔君 関連して、林野庁長官にお尋ねしますが、林野の所有面積による階層別の調べがございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/46
-
047・田中重五
○政府委員(田中重五君) ございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/47
-
048・森部隆輔
○森部隆輔君 その資料をひとつもらいたいと思います。それから、合わせて、ついでですからお願いしたいのですが、最近の外材の輸入、最近の、少なくとも五年間くらいの推移を一つ。それからもう一つ資料でお願いしたいのは、戦前と戦後ではだいぶ様子が変わっていると思いますが、比較的、三十年以上、四十年以上というような、いわゆる樹木の相当大きい、直径一尺とか、五寸以上とかいうようなものと、いわゆる近ごろの二十年、三十年の丸太材、足場材なんかに使うような、樹木の比較的若い木材が近来非常に需要がふえているのではないかと思いますが、そういうものの調べはいまわかりますか、ありましたら、ひとつ資料をもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/48
-
049・田中重五
○政府委員(田中重五君) ございますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/49
-
050・森部隆輔
○森部隆輔君 わかりましたら、ひとつ参考にもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/50
-
051・田中重五
○政府委員(田中重五君) あまり最後の資料につきましては、特に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/51
-
052・森部隆輔
○森部隆輔君 ただ、戦前と戦後ではだいぶ違って、近ごろでは比較的二十年、三十年という若い、直径二寸とか三寸の丸太材のようなものがかなり要るのではないか、つまり、長年の四、五十年もたった大きな樹木、直径一尺とか、七、八寸以上のものより、幼年樹のほうが需要が多いのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/52
-
053・田中重五
○政府委員(田中重五君) そういうものの流通量でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/53
-
054・森部隆輔
○森部隆輔君 そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/54
-
055・田中重五
○政府委員(田中重五君) その資料は提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/55
-
056・森部隆輔
○森部隆輔君 なるべく早い機会にひとつお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/56
-
057・小宮市太郎
○小宮市太郎君 林業基本法というものをお出しになるとするならば、いつごろお出しになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/57
-
058・田中重五
○政府委員(田中重五君) 林業基本法につきましては、この国会ででき得る限り早期に提案をいたしたいと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/58
-
059・小宮市太郎
○小宮市太郎君 そうすると、大体そのときに質問することが多いと思いますので、略したいと思いますが、ただ、私が思いますのに、生産基盤への投資はわりあいに進んでいるのじゃないかと思うのです。ところが地域的にバランスがとれておらぬ、こういうように思うのです。時に林道等は、里山に近い地帯は案外林道もよくできている。そこで里山では非常に過伐が多いということ、しかし、奥地林道というのが非常にまだ未開発が多いので、森林資源が未利用のまま放置されているというように私は感ずるわけなんですが、そういう点、どういうようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/59
-
060・田中重五
○政府委員(田中重五君) 林業経営の生産基盤の一つといたしましての林道の開設につきましては、これはきわめて重要な問題でございまして、林道の開発の成果いかんが、林業の振興の消長にかかわると申しても過言でないと存じます。そういう意味合いからいたしましても、早急に林道の開設を急がなければならない、こう考える次第でございますけれども、いまお説のとおりに、なお、林道の拡充については不十分なものがあり、したがって、里山で伐採がある程度集中するということも、そういう偽らざる実情かと考えます。で、林野庁といたしましては、でき得る限り林道の開設を急ぐために、全国森林計画におきましても、林道の開設目標というものを設定をいたしまして、国有林、民有林を通じまして、その急速な実施をはかっていくという考え方でございまして、三十九年度の予算におきましても、そういうような考え方で、三十八年度に対しましてはある程度の予算の伸びも期待をすることができる、こう考えておりますが、いずれにしましても、林道の開設、特に奥地に対する開設、これは林業経営の緊急中の緊急な事業だろう、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/60
-
061・小宮市太郎
○小宮市太郎君 わかりました。
次に、木材の流通面についてちょっとお伺いいたしますが、私の知るところでは、流通面での合理化が非常におくれているのじゃないか、こういうように思うので、特に木材の販売は、おおむね立木で行なわれるという点、そこでその取引形態は、昔のようにやはり山林ブローカーが介在をして、前近代的な取引が行なわれているのじゃないか。したがって、森林所有者は中間搾取が行なわれている。そこでそういう点もあって、共同販売ということが、今日非常に叫ばれると思いますが、そういう共同販売ということを、どういうふうに御指導なさっておるのか。その点をお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/61
-
062・田中重五
○政府委員(田中重五君) 木材の流通面につきましては、確かにお説のとおりに、なお前近代的な、したがって非合理的な面がなお少なからず残存しているという実情は、お説のとおりでございます。これは林業という一つの産業自体の後進性に基づくことのあらわれであるかとも考えられますけれども、この後進性を打破していく上におきまして流通の面の近代化、合理化もぜひとも必要なことでございます。木材がその流通との関連をまず生じますのは、立木所有者から立木を買い付ける、その段階からでございますが、むしろ立木は所有者の手で一定の規格に基づいた丸太にいたしまして、一定の取引用場までその所有者が運んだ上で、そこで販売をするというのと二つの方法もございます。現在森林組合等では、やはり木材としてこれを販売する場合に立木の形でなく丸太という一つの商品としてこれを販売することのほうが、森林所有者にとって有利であるというような考え方から、森林組合によるところの立木伐採と、それから共同販売、そうしてたとえばそれを原木の市場に出すというような形での、つまり伐出資本というものを排除して、森林組合自体の事業として、またそれが山林所有者のためであるというような形における流通の方法が、これは森林組合の自覚によって漸次進められておる。なおその量におきましては、日本全体の流通量のまだわずかなものではございますけれども、そういう方向で、まず丸太販売の過程におきまする流通の合理化といいますか、そういうことが積極的に意欲的に進められておるという現状でございます。
それからなおその次の段階といたしまして、その原木を製材資材として買い付けて、そして製材が流通していくという、製材加工過程におきます流通の段階がございます。ところが、この製材の段階におきましては、これも先ほど立木所有者のきわめて零細性を申し上げましたが、製材業につきましても、きわめて零細な多くの製材業を営む者が存在をしておりまして、そうしてそういう過当競争の結果としての丸太の買い付け資材の入手という面でのもろもろの非合理化、非合理性、そういうものが存在をいたしております。そのことが、いたずらに過剰馬力によって生産されるところの製品安、しかも過当競争によるところの原木高というような状態を招いて、製材業者自身を苦しめておるというような状態でございます。これにつきましても、やはりそういう零細な事業の共同化、あるいは企業の合同、そういう方向へ進むことが、そういう非合理な状態からみずからを救うものではないか、要するに組織化が必要であり、その組織としての力を発揮することが、製材業者みずからのためであるというような考え方で漸次進められていく、方向としてはそういうことではないか、こう考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/62
-
063・小宮市太郎
○小宮市太郎君 確かに合理的にこの需給の基本計画というものが立てられて、その基本的な政策を行なわれなければならない、こういうふうに私は思うのですが、これはまた次の林業基本法で出てくると思いますから、これ以上質問はやめますが、ただ一点その点についてお聞きしたいことは、零細な製材業者もあろうと思いますけれども、製材業の中で非常にまじめな零細業者が政府払い下げができない、こういうように嘆いている部分もあると私は思う。ですから、そういうまじめな製材業者は、結局金融面においても恩恵を受けない、こういう点があるんじゃないかと思うのです。ただ、いまおっしゃるとおり、そういう零細な製材業者は協同組合等をつくって強めるというようなことも二面考えられると思うけれども、一面そういうものがあるんじゃないかと思いますけれども、いかがです。それは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/63
-
064・大河原一次
○大河原一次君 ちょっと関連して、合わせて答弁願いたいと思いますが、長官は、先ほどいわゆる共販体制に対して森林組合等のこの自主性において云々ということが述べられたと思うが、これは私記憶十分でないのですが、さきに森林組合の行なうところの共販体制に対して政府がこれに対する何といいますか、資金の援助といいますか、融資等が十分に考えられておったと思うのですが、現在はどのような、この資金面における手当てが行なわれておるかということです。これもひところの傾向といたしましては、公庫資金なり系統資金に比べて比較的地方銀行の融資が相当の部分を占めておるというふうな、そういう傾向もあったと思うのですが、その点現在どうなっているか、あわせて答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/64
-
065・田中重五
○政府委員(田中重五君) 森林組合に対します金融の面の助成といたしましては、すでに御承知のとおりの公庫からの融資の道が開かれております。それからさらには、現在御審議をいただいておりますこの信用基金の、こういう道も開かれているわけでありますけれども、なお今後さらに特に重要な金融の面での助成の措置は、十分に考慮を払ってまいりたいとこう考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/65
-
066・小宮市太郎
○小宮市太郎君 十二時になりましたので、午後にいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/66
-
067・青田源太郎
○委員長(青田源太郎君) それでは、ここでしばらく休憩いたします。
午後零時一分休憩
—————・—————
午後二時十五分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/67
-
068・青田源太郎
○委員長(青田源太郎君) ただいまから委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き林業信用基金法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行なうことにいたします。
質疑のおありの方は、御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/68
-
069・小宮市太郎
○小宮市太郎君 さきに共同販売について協同組合等を指導強化をして生産者の不利益にならないようにやろうというようなそういうお答えがあったわけですが、共同販売について他の協同組合と他の消費組合といいますか、そういうものとの紛争というか、そういうものがあって、公正取引委員会がそういう事件を調査したことがおありであるかどうか、まずお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/69
-
070・竹中喜満太
○政府委員(竹中喜満太君) 御承知のように、独占禁止法の二十四条は、協同組合について適用除外の規定を設けております。共同販売の場合でありましても、一定の取引分野の競争を実質的に制限することによって、不当に対価を引き上げることとなる場合、あるいは不公正な取引方法を用いる場合はこの限りでありませんけれども、一般的には適用されないことになっております。その他の任意組合につきましては、これは独占禁止法をまともにかぶることになりますので、一定の取引分野における競争を実質的に制限することになれば、独禁法の違反になります。その間の紛争調停というようなことは、ちょっとただいまのところ私記憶がないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/70
-
071・小宮市太郎
○小宮市太郎君 実はこれは新聞によりますけれども、一月の三十日から二月一日にかけて大分県椎茸農業協同組合、これを公正取引委員会事務局福岡地方事務所が、独禁法第十九条の不公正な取引制限の疑いで事実調査を行なったということが出ているわけなんです。これは御存じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/71
-
072・竹中喜満太
○政府委員(竹中喜満太君) そのことは、先般、審査部のほうから報告を受けまして、そういう記事が出ておるので、事件として取り調べるだけは取り調べよということで、福岡の地方事務所にその旨指示しておることと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/72
-
073・小宮市太郎
○小宮市太郎君 一月の三十日、二月一日と、こういうような調査の時期から、もう相当日時もたっておりますが、新聞によると、調査の結果を近く東京の公正取引委員会に送るが、違反容疑が濃いので、あらためて強制調査を行なうか、または圧力を排除する内容の勧告が出される可能性が強いといわれておる、こういうように新聞に報じておりますが、いまそういうやり方といいますか、手当てをなさったかどうか、内容を御存じであるかどうか、もう少し詳しく御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/73
-
074・竹中喜満太
○政府委員(竹中喜満太君) 内容につきましては、私詳しいことは存じておりません。それで審査部のほうでそういう調査をするということは聞いております。したがいまして、その新聞の記事に書いてありますことは、福岡の地方事務所の審査課長なり何なりが担当審査官に指定されまして、それで調べた結果を、一応新聞記者に聞かれてお話したというようなことと思いますけれども、何ぶん公正取引委員会の決定でも何でもありませんので、個人的の見解をただ述べたのじゃなかろうかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/74
-
075・小宮市太郎
○小宮市太郎君 個人的見解とおっしゃったのですけれども、これはしかし新聞の報ずることは、かなり重要だと思うのです。内容は十分御存じないとおっしゃるけれども、これには非常に詳しく書いてあるのです。この調べによると、大分県下でただ一つのシイタケ市場である大分県椎茸市場、大体年間十二億円程度の取引をやっていて、シイタケでは全国生産の二分の一をここで取り扱っている。ところが、昨年十月に、伊藤忠商事の傍系会社であるサンエーという会社が新たに伊藤忠大分シイタケ市場を開設、シイタケ売買に乗り出して、最近では一回の立ち会いで千八百万円の売買を行なうまでになってきた。非常に大きくなってまいったわけですね。そこでその椎茸農協では組合員に対して出荷の停止といいますか、出荷についてそういう指導をやった。これは当然農協としては自己を防衛するためにやったんだろうと思うのですが、これが非常に強く出ているわけですね。ですから、私はこれは一例であって、こういうのが将来もあるんじゃなかろうかと、こういうように思うのですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/75
-
076・竹中喜満太
○政府委員(竹中喜満太君) ただいまのお話から私が考えますのに、農業協同組合といたしましては、指導事業は、これは当然やることが建前になっております。ただ、協同組合の場合に、不公正な取引方法はこれは適用除外になっておりませんので、そういうふうに競争者に出荷することを抑制することが、不公正な取引方法になるかどうか、あるいは組合の指導事業であるかどうか、そこいらに問題があるんじゃなかろうかと思われます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/76
-
077・小宮市太郎
○小宮市太郎君 これはまあ野放しにすると、商売は何といったって商事会社のほうがうまいでしょう、ある意味においてですね。ところが農協としては育てている農民ないしは林業者、こういうものを何といっても共同の力で守らなきゃならない。しかも、そのためには共同販売というのがいま強く進められておる、また進められなきゃならぬ。ところが、おっしゃるように野放しになると、結局紛争になると思うのです。紛争になると、いまの独禁法の問題が商事会社から持ち込まれている、こういうようになると思うのです。そこらの微妙な点ですけれどもね、将来どういうようにこれを取り扱っていかれるか、そのお考えをちょっと聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/77
-
078・竹中喜満太
○政府委員(竹中喜満太君) これは農業協同組合なり、その他の協同組合につきましては、これは将来伸ばしていかなければならない、そういうたてまえからも、独占禁止法は二十四条で特に協同組合については適用除外の規定を置いておるわけなんです。それでいまお話のような紛争が起こりました場合も、私のほうといたしましては、農業協同組合の何といいますか適用除外にされている趣旨の事情を十分考慮いたしました上で、他の事業者と扱いは別にして判断をしなきゃならないのじゃなかろうかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/78
-
079・小宮市太郎
○小宮市太郎君 特殊林産物の需給表などを拝見をすると、シイタケというのは年々生産高はふえているわけです。輸出も今後伸びていくと思うのです。そういうわけで、いまの大分の問題が一つきっかけになって、こういうのが各所で起こらなければいいのですけれども、起こる可能性も私はあると思うのです。で私が初めにお尋ねしたとおり、公正取引委員会では、ただ福岡の事務所が個人的見解を言ったというんで、何ら中央の公正取引委員会では問題にしていない、こういうことなんでございますか。はっきりしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/79
-
080・竹中喜満太
○政府委員(竹中喜満太君) いや、個人的見解と私が申し上げましたのは、たまたま担当官が事件を調べた結果、そういう印象を受けたということを、新聞記者諸君に申し上げたのが出たんだと思うのです。おそらく向こうが調査をした事実を、自分の意見をつけて審査部のほうへ送ってきておると思います。したがいまして、審査部の中でまたそれを検討しまして、さらにそれを整理しまして、委員会にもはかりまして、最終的な結論を出すわけでございまして、審査部の段階でいまどの程度になっておりますか、私報告を受けておりませんので、よくわかりませんけれども、相当慎重に議論をして検討いたしますので、そうすると何と申しますか、いいかげんと言っちゃなんですけれども、結論については相当慎重な態度をいつでもとっておりますので、これについても同じだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/80
-
081・小宮市太郎
○小宮市太郎君 何度も念のために申し上げておきますけれども、農産物の輸出等がもっと開放的になりますと、こういう問題が特に起こってくると思いますから、おっしゃるとおり慎重にやっていただきたい。特に生産者を守っていくという保護の立場からも、慎重な態度で臨んでいただきたいということを希望として申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/81
-
082・竹中喜満太
○政府委員(竹中喜満太君) 御趣旨よくわかりましたので、本件につきましても、またその他の問題がございましたときにも、慎重に処理いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/82
-
083・小宮市太郎
○小宮市太郎君 それでは次に、国民所得倍増計画中間検討の中で、林業に関して、「林業については、開放体制への移行は、すでに一部を残してほぼ完了しているが、」云々と、こういうことが書いてあるのですが、開放体制への移行は、すでに一部を残してほぼ完了したというのは、一体どういうことを具体的に指しているのかですね。これをちょっと長官にお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/83
-
084・田中重五
○政府委員(田中重五君) この場合の林産物としては、まず木材のことを言っていると思います。それで木材につきましては、御承知のとおりに、戦争中から戦後にかけての過伐、乱伐というあとを受けまして、戦争前後より戦災復興等に対する需要を満たす供給が十分でなかったために、国外から輸入して、その需要の足りない分を満たしていくという木材貿易政策がとられまして、原木のままであるいはごく第一次的な加工のままで輸入されるものにつきましては、すべて無税でございまして、ただ外貨の関係で輸出先の国によりましては、外貨割り当てというようなことをいたして今日に至っておるわけでございますが、そういう点も現在ではすべてAA制でございまして、そういう意味では木材は他の品目に先んじて開放体制はとられているということを指していると思います。ただある程度加工度の高い製材品については、一〇%程度の関税をかけておりましたけれども、これについても現在といたしましては無税で輸入されるという形でございまして、一部を残すという意味は、たとえばもう少し加工度の高い繊維板でありますとか、あるいは合板というような加工度の高いものとか、そういう製品についてのことを指していると思います。なおいわゆる南方産の銘木類等については、これは奢侈品としての関税がある程度かかっているという現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/84
-
085・小宮市太郎
○小宮市太郎君 いま外材についてのお話がありました、これについてはさっき資料の要求がございましたから、それが出てくればはっきりすると思いますが、大体ソ連材と南方方面の材木が大部分だと思うのです。これは私の感じですけれども。そこで、ソ連の木材を輸入する議定書というのが二月一日できたですね。その議定書の中に、大体木材は丸太で二百二十五万立米というように私の資料では見ております。ところが製材のほうはPMというしるしがついていて、これは将来取引をやってもいい、そういう意向を示したものだというように聞いておりますが、その製材関係のものを将来輸入するかどうか、それから南方方面の輸入の状況は一体どういうようになっているか、ちょっとお知らせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/85
-
086・田中重五
○政府委員(田中重五君) あとでその輸入数量につきましては、資料を御提出申し上げるわけでございますが、昭和三十七年度の実績でまいりますと、大体国内の木材消費量約六千万立方メーターのほぼ一八%でございますか、一千一百万立方メーター程度の輸入をいたしております。そのうちで、ほぼ半分がいわゆる南洋材と称しまして、主としてフィリピンから輸入をされております。あとの半分のまたその半分程度は、米あるいはカナダから輸入をされております。残りの部分、これが三十七年度では百六十万立方メーターだったかと思いますが、ソ連から輸入をされておりまして、それが三十八年度の見込みとしましては、もう十万立方メーターくらいふえてまいるかと存じます。で、三十九年度になりますと、いまお説のとおりの二百二十五万立方メーターを輸入する。で、この数量につきましては、昨年の十二月の暮れから始められました日ソ交渉の中で、木材についてはこうするという話し合いが持たれたのでございまして、三十九年度のソ連からの木材輸入といたしましては、一応二百二十五万立方メーターと、こうきまったのでございましたが、その際にソ連側の希望といたしまして、そのほかに十万立方メーターの製材品を、これもぜひ日本側で輸入してほしい、こういう希望があったわけでございます。ソ連側のそういう輸入−ソ連側からいえば輸出するという希望というものは、つまりそのように木材等を数量的に拡大することによって日ソ貿易の規模を拡大したい、こういうような意図から出ておると思います。ところが日本側といたしましては、午前中の御説明にも申し上げましたとおり、製材工場はそれぞれ原木の入手に困っているわけでございますけれども、一方みずから製材した製材品の過当競争によるところの販売競争というようなこともございまして、製材安の原木高というようなかっこうに苦しんでいるわけでございます。そこで、ソ連から製材資材が原木の形で輸入されることは、原木不足のおりから好ましいわけでございますけれども、その丸太が製材の形で日本の国内を流通するということは、先ほど申し上げました製品安の原木高の現象からいいましても、製材業者にとっては好ましくない、そういうことがございますし、さらに国内の需要の面からいいましても、二百二十五万の原木が輸入されれば、それから生産される製材で間に合うという状況でございますし、そこで国内市場を圧迫し、あるいは製材工場を圧迫するような製材品の輸入というものは困るということをソ連側に申し入れいたしまして、それで一応製材品の十万立方メーターの輸入につきましてはPMになったという経緯でございます。それから南洋材につきましては、先ほども申し上げましたように、わが国に輸入される約一千一、二百万立方メーターの中で、最も多くを占めておる数量でございますし、さらにその大部分は、現在のところなおフィリピンから輸入されるものが最も多いという形でございます。ところで、フィリピンから輸入される部分は、これはいまのところやはり丸太のままで、原木で輸入をするということが望ましいし、またそのように行なわれております。ただ、いまの開放体制というようなこともございまして、南洋材につきましては、南洋材の製材、これがごくわずかではございますけれども、輸入がされておるという形がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/86
-
087・小宮市太郎
○小宮市太郎君 南洋材はまあ原木、丸太で輸入されるというのですが、これは戦前は特に南洋材といえば、ラワン、セリアといいますか、ああいう種類の木材が風靡したと私は思っておるのです。家具並びに建築材について。今日は特に建築の様式、構造も変わってまいりまして、ほとんど大きい建物はコンクリートになってしまった。そうすると柱材というものは、ほとんどというより、非常に使用する面が少なくなってきた。ですから内部の構造、こういうものに木材が使われる、こういう傾向に建築のほうもあると思うのです。そうしますと、非常に大きなラワン材、セリア材というものですから、したがって広い板が取れる、加工も非常に簡単である、こういう意味から相当開放体制になれば南洋材が入ってくるんじゃなかろうか、こういうように私は予想するのですけれども、そういう傾向はございませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/87
-
088・田中重五
○政府委員(田中重五君) 南洋材が丸太で輸入されました場合に、これがどのような形で加工されていくかと申しますと、これを加工する都市によって、都市といいますのは、東京とか大阪とか名古屋によって違いますけれども一、大ざっぱに言いまして半分が合板、半分が製材、こういう形でこれが加工をされます。そうして合板になったものの品質のいいものは、また主としてアメリカ本土へ輸出をされるという形でございます。また、それが国内で合板としてこのラワン材が建築材として使われる場合でも、それは幅広の板として使われるよりは、合板という形で使われる場合が多いわけでございます。そして一方ほぼ半分は製材と申し上げましたが、その製材につきましては、これはもともとラワン材の製材品というものは、以前はそれほど使われたのではなかったのでございますが、戦後の日本の針葉樹の不足しておる分野に対してラワンが製材の形で浸透をしてまいった。それで現在建具とか、あるいは農機具とか、あるいは床板、雨戸、そういった面に相当にラワンは製材の形で浸透しておりますが、ただその幅広の形での利用ということでなく、これは要するにそれぞれ必要ないま申し上げました用途に向けて製材されて使われているというのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/88
-
089・小宮市太郎
○小宮市太郎君 よく御説明わかりました。したがって私が希望したいことは、今度の予算にもほんのちょっぴり出してございますが、林業基本対策の推進ですね。いわゆる林業の基本対策の方向を明らかにする、あるいはまた林業生産、林産物の需給及び流通等について、特にその施策を確立する。こういうことをうたわれておるわけです。ところが金額はわずか四百万足らずだと私は承知いたしておりますが、林業基本法とともに非常に重要な課題だと私は思うので、その点はもっと取り組み方をしっかりやっていただきたい。こういうように考えるわけです。その所見というか、その取り組み方について、これは愚問に近いと思いますけれども、お示しを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/89
-
090・田中重五
○政府委員(田中重五君) 林業の基本対策の推進ということにつきましては、林業基本法の提案ということでその方針を明らかにいたしたいと思いますが、いずれにいたしましても、特にこの近年の産業の振興、所得の伸び、そういうことに相対比をいたしますと、農林漁業がその生産性の面で、あるいは所得の格差の大きな点で非常に立ちおくれているという認識に立ちまして、まず農業においてさらにまた沿岸漁業におきまして、その振興対策あるいは基本的方向が明らかにされたのでございましたが、同じく農林業の中の林業におきましても、先ほど申し上げました国の経済の発展、諸産業の伸び、国民生活の向上、そういうことに相応じて今後木材の需要はますます増大していくであろう。で、そういう総需要量の拡大していく木材というものに対する供給の状態はどうか。これを見てみますと、林業経営の今までのあり方からいいまして、とうてい十分にその需要を充足し得ない。充足し得ないということが、特に木材価格の他の物資に比較して、さらに顕著な暴騰という形で現われているということ。そしてそういう木材の価格の異常な値上がりに対応しながら、外材が先ほども御説明いたしましたように需要量のほぼ二割に近い数量で日本の木材市場に進出しつつある。そのために、現在日本では外材を買うための外貨を三十八年度では四億ドルも払っている。ところで、日本にない物資ならばこれは輸入もやむを得ないかもしれないが、日本でそのために生産に努力をすれば、十分にその自給率を高めていくということができる物資について、このように輸入をしているということについては、やはり十分に反省の必要があるというような、そういうことから国内の林業生産、これを十分に振興をいたしまして、総需要の伸びに対応する総生産の拡大、それから生産性の向上、ひいては林業経営者の所得の向上ということを、ぜひともはからなければならないのではないかというのが、林業基本法を提案する考え方のごくあらましでございますけれども、そういう考え方に立ちまして、この国会に提案を予定をいたしますとともに、その法案に基づいてまず実施するであろう事業の計画を構想をいたしまして、三十九年度予算に要求をいたした次第でございます。
その林業の基本対策に基づく振興をはかっていくために、林業の構造改善ということを考えているわけでございます。その林業の構造改善をそれぞれそういう構造改善の成果があがるであろうと考え、その可能性をはらんでおるというような地域をきめまして、その地域から林業の構造改善振興をはかっていきたいという考えで、この三十九年度は、この構造改善に踏み出していく初年度というふうに考えまして、まずいま計画をいたしておりますそれぞれの地域の中で、さらに三十九年度としては地域をしぼって、そうしてその地域について構造改善を進めていく計画を樹立するということで、計画の樹立費を約二千五百万円計上をいたした次第でございます。で、その計画樹立した二千五百万円を進めていくために、先ほどお話のございました四百万円足らずというお話でございましたが、本庁におきますそのための会議費、その他の事務費を計上したのがいま先生おお話の金額でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/90
-
091・森部隆輔
○森部隆輔君 ただいま小宮さんの御質問で私がお尋ねをしようとしている事柄がだいぶ省けるので、重複しましたことを除きまして二、三の点だけお尋ねいたしたいと思います。最近、山村における労働力が非常に払底いたしております。したがって労働賃金が非常に高まっております。一方、いまいろいろお話を聞いておりますと、いま政府でも考えておられますが、山村の一部の人力が、よく事情のわからない人は外材の輸入等の影響もあり、また督来の国内における木材の需要ということ、それは建築物もありましょうあるいは木工品もありましょうが、要するに木材の需要がどういうふうに将来あるだろうか、こういう点でいわゆる造林を新たに新植するとか、伐採後における他の作物、たとえば果樹園にするとか、こういうようなことで造林に対する意欲が、少なくとも私の地方においてはかなり減退しておるように私は承知しておりますが、そういう傾向は全国的にはないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/91
-
092・田中重五
○政府委員(田中重五君) いま御指摘のように、林業に対する望みを失って、果樹なり何なりに移していくという傾向が全国的にあるかどうかというまず点でありますが、林業に望みを失ってというようなことでの全国的傾向は、私どもなお関知はいたしていないわけでございまして、そういうことでなく、もうすでに十分御承知のとおりの農業の近代化、そういうことで果樹、園芸、樹園地、あるいはその他の農業の方向に進んでおるということは、農業構造改善の実施とともに、御承知のとおり明らかなことでございます。それから一方、将来の木材の需要はどういうことになるのか、たとえば外材がどんどん入ってくるのではないか、あるいはまた木材にかわる代替資材の進出もあるのではないか、それは確かにそういう一つの見通しはあり得るわけでございます。ところが、一方におきまして、木材の需要をいろいろな資料に基づきまして将来を展望いたしました場合に、まあその数量につきましては、先ほどお求めになりました資料とともに差し上げたいと思いますけれども、その需要量に対しましては、国内の木材供給をもってしてはなおとうてい追いつかない、それから相当代替資材が進出するということも予定して、なおかつ外材に依存せざるを得ないというのが、今後四十年目の時点における木材の需要と供給との見通しでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/92
-
093・森部隆輔
○森部隆輔君 それじゃ重ねてこういうふうに考えていいのですか、一部の人がただいま私が申し上げたような懸念を持って造林に対する意欲が従来よりか、数年前よりかちょっと弱まっておる、いま山林の値段は下がっております。数年前から比べますと。これは御承知のとおりでありますが、したがって、造林に対する意欲が減退しておることは、決してこれはそういう心配は要らないのだと、木材の需要というものは、いろいろな意味において、かりに代替材で建築がだんだんと行なわれる、あるいは木工品にかわる他のいろいろなものができるとしても、なおかつ需要が相当増大する、外材の輸入も関税、あるいはその他の方法によってある程度コントロールする、したがって造林をするということに対しての意欲減退ということは、そう心配要らないのだと、こういうふうに説明して考えてよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/93
-
094・田中重五
○政府委員(田中重五君) それはただいま先生のおっしゃるとおりでけっこうだと存じます。それで将来の木材需要の増大に対応して供給を考えました場合には、いまの代替資材なり、外材の進出を加えても、なおかつ国内の供給量は増大されなければならないということでございます。それでいま、もし造林意欲が先生のお話のように減退していると見受けられる面がありとすれば、それは木材の将来に対する不安よりも、伐採した場合には植えなければならない、これはもうすべて山持ちの共通な心理でございますが、植えなければならない、そのための人夫賃なり、その他の諸資材が非常に高騰していて、ここで切ることは考えものだ、木を植えなければならないからというようなことは、あるいはあるかもしれない、こう考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/94
-
095・森部隆輔
○森部隆輔君 それではもう二度お尋ねいたしたいと思いますが、この労力不足に対して、田畑農業とはおのずから違いますが、たとえば共同作業、あるいは機械力を利用して、いわゆる草を切るとか、こういうような方面にもやはり何とか考えておられるか、またそういう実例もありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/95
-
096・田中重五
○政府委員(田中重五君) いまお話の機械を駆使して、しかも共同作業でということは、これはたびたびお話の出ました林業基本法の中身の重要部分でございますが、現に機械力の導入、しかもそれを共同作業で行なってもらうということにつきましては、森林組合を対象といたしまして、森林組合に対するチェイン・ソーであるとか、あるいは下刈機であるとか、あるいは集材機であるとか、つまり植栽あるいは伐採つきましての機械に、それぞれ経費の二分の一を補助いたしまして、そうして森林組合がそれぞれ結合員の山を植栽し、あるいは伐採して、いわゆる協業の一形態として進めていくということを助成いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/96
-
097・堀本宜実
○堀本宜実君 関連してちょっと伺いますが、長官いまのお話を聞いていると、たいへん安心をするわけですが、植林の原価計算といいますか、たとえば農業で麦をつくれば一日の労賃が幾らになる、米では幾らになる、たとえば他のビール麦は幾らになるというような作業別にそれぞれの一日アット、一時間アットの収益計算というものが出ておるものがあるのですがね。そういうものがわが国の植林で、杉であるとか、あるいは松だとかヒノキだとか、あるいはその他いろいろ樹種があると思いますが、そういうものについてございますか、そういうものはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/97
-
098・田中重五
○政府委員(田中重五君) ちょっといまのこういうものについては出ておるのだとおっしゃったものの内容がよくわからなかったのでございますが、収支計算といたしましてはそれぞれ相当地域別にございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/98
-
099・堀本宜実
○堀本宜実君 そうですが。それではもう一つ。私は最近、いま森部さんが聞かれたようなことをやはり地方で聞くのですがね。これは三十七年が三億数千万ドル、輸入がですよ。それから三十八年は三十七年より大きい数字だったと思うのですよ。そうしますと誇大に言う人は、近く材木の輸入がいずれの輸入品よりも最高の地位になるのではないかというようなことを心配しておる向きもあるやに、ときおり聞くのですが、そういうことになりますと、自然林ならいざ知らず、日本のいま山村農村のように労働力というものがたいへん枯渇いたしまして、植林にも事を欠く時代が参りました。特に私はこういうふうに考えておるのですよ。農家の人がいままで自分の地域で自分の耕地を耕しておる間は、自分の労働力の一日アットがどのぐらいするものかという評価を知らなかった。ところが、最近道路工事に出たり、あるいはいろいろな工場で働いたりいたしますので、自分というものがもう、すきくわを持たないで、工場や作業場に雇われて行った場合に、一日幾らになりますか、まだそういうことは知りませんけれども、少なくとも農作業をするよりも多くの収入が得られる。たとえば一日が千円になるといういまの高度の成長をする過程における農業者が——あるいは農業者というのは少し林業のことに当てはまらぬかしれぬが、しかし、農業者と総じて申し上げて差しつかえないと思いますが、植林をする人たちが自分の労働賃金というものをそういう他の産業で評価をされる。そうすると自分の植林投資というものが、はたして一日そういうことについて計算して、逆算して、これだけ輸入がだんだんふえて、この輸入というものが開放経済で、どこまでも自由貿易というものになった今日、はたして引き合いにかかるのだろうか。これはこう考えることが当然だと私は思う。そう考えないで、その解明がなされないで、植林が可能だとかあるいは引き合いにかかりますとか、腰だめで言うこと自体が、私は間違いだと思う。少なくとも計算をしてこういうふうになるのだという指導をすべきであり、また農業というものはそういう計算の上だけでその農業をやること自体があやまちだという人もありますけれども、私は一つの企業である限り、経済の成り立たない問題を指導するわけにも強要するわけにもまいらぬ。それは経済上成り立つのかどうかという問題がやはり先に立つ、こういうふうに思うのであります。ことに最近聞くところによりますと、現在のように将来外材が入ることによって、日本の材がどのくらい下落をするだろうかということを聞きますと、二割程度は下落するだろう。これは識者、くろうと筋が言っておるようです。そうするとそういう下がるであろうということを予定して造林し得るかどうかということが、やはり私は問題になるのじゃないか。これがやはり日本の民有林でも官有林、公有林でも相当大きな問題ではないかというふうな気がするのですがね。そういう方面の経済的見通しといいますか、そういうことの指標になるような表がありますか、あるいはどういうふうにお考えになっておりますか、表でなくてもけっこうです。あなたのお感じを聞かしていただければけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/99
-
100・田中重五
○政府委員(田中重五君) 最初の御質問の農業者といいますか、その経営者が自己の賃金をどういうふうに評価されているかどうかということにつきましては、たとえば国有林の地元におきますところの農山村、こういう地帯では農閑期には国有林に出役をいたしますので、そこでその賃金はそれなりの評価としてあらわれておると思います。民有林の経営をされておるところにおいても、その点はやはり同じように客観的なものさしはあると、こういうふうに考えるわけでございます。ところで、そういうように評価された人夫賃で、なおかつみずから植え育て、将来伐期になった場合に、現在の外材の輸入、木材資材の代替進出というものの中で、はたしてペイするのかどうかというお話だと存じますけれども、その点につきましては、いろいろ考え方がございまして、まず今後の林業の経営については、先ほども申し上げましたように、生産性の向上を極力はかる、そうしてコストの低下をできる限り研究をしていく。で、現在、一般的に行なわれております方法といたしましては、ほとんどが、なおきわめて後進的な、原始的な、たとえば畜力を利用し、地形を利用する、あるいは気象的な条件を利用するというようなやり方で行なわれている。その経営のしかたを極力近代化をする、それからまた、そういう経営が近代化されて動いていくような前提条件としての、林道をはじめとするところの公共投資、これを国として積極的にはかっていく。そういうようなことが、林業経営の近代化につながり、またそのような、賃金を吸収していくような生産性の向上ということになるということがいえると思います。それから一方、価格につきましては、これは外材の将来につきましても、いまお話しのような、いま植えたものがペイするのかどうかということになりますと、相当先の時点の需給の状態、価格の状態を推定をするということになるのでございまして、非常に困難な問題かと存じます。しかしながら、いままでの木材の価格の推移、これの少なくとも明治以後を振り返り、それの上に立って将来を見通しました場合には、やはり木材のその利用の形は異なっていくにしろ、その需要の増大傾向ということは、これは否定できない。むしろますます拡大されていくというふうに考えることは、妥当であろうと考えられます。だからこそ、外材の進出なり代替資材の進出なりをもってしても、なおかつ供給の増大をはからなければならないという点では、将来木材価格のごく健全な上昇傾向、これもその上昇していくという見通しに立つことも妥当じゃなかろうか、そういう考え方でいる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/100
-
101・森部隆輔
○森部隆輔君 それでは、なお一、二お尋ねいたしたいのですが、さっき、労力不足、これらに対しては、共同作業あるいは機械の導入、こういうことを進めていくというお話でしたが、実際のところ、実情は、私の知り得る範囲においては、森林組合の活動というのは、正直なところ、非常に低調なんですね。また、あの専門の技術員の指導というようなものも、これまた、それほど他のもののようにはされてないですよ。それで、これは森林組合の活動というものをもう少し強化し、実際に林業に関係のある農業者、あるいはほんとうに林業だけをやっていく者に対しても、一そうの活動を期せられたいと思うのですが、それらに対してどういうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/101
-
102・田中重五
○政府委員(田中重五君) 森林組合につきましては、ことに今後の林業の基本対策の方向が、森林所有者の零細な人たちの活動に期待するところが大きいという意味におきましても、森林組合の活動、その努力の助長ということが、きわめて重要なことである、こう考えている次第でございます。すでに森林組合の強化の方法といたしましては、森林組合の合併、助成をはかることによって、これを進めていく、で、その資本金なり、あるいは常勤の職員であるとか、あるいはまた、その所管する区域の広さとか、そういうものの零細性を克服して、合併強化するということで、その森林組合の大型化につきまして、数年来助成をいたしております。引き続き三十九年度におきましても、その助成をはかっている次第でございます。なお、その強化されていく森林組合に期待をいたしますことは、林業の基本対策の線に沿いまして、林業経営は各面において近代化をされていく、合理化をされていく、それをでき得る限り協業の形で進めていく、そういうものの中核となる、中軸となるものは、森林組合である、そういう認識のもとに、森林組合の活動というものに対して私どもは期待をし、その推進をはかっておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/102
-
103・森部隆輔
○森部隆輔君 いまの森林組合の活動の低調ということは、あなたも御肯定になったのですから、現実がそういうふうに非常に低調なんですから、今後、森林組合の活動に対しては、格段の力を入れていただきたいという、これは希望を申し上げます。
それからなお、さっき、共同作業あるいは機械を導入しておるというような事例、これはあとでいいですから、そういうものをお示しを願いたい。
それからもう一つ、いまのは希望でございますが、これは、森林行政には直接関係ないようでありますが、やはり国有林との関係がありますのでお尋ねいたしたいと思います。私の郡内にも、一カ村そういうところがあるのですが、山村ですから、村の面積は非常に広大なんです。ところが、田畑は、二、三十町歩しかなくて、山林がおもなんですね。ところが、その山林のほとんど八割以上は、国有林なんです。そこで、これは戦前からそうでしたが、村の財政というものは、山林以外には賦課の対象がないのですが、国有林が大部分であるので、村税は賦課できないし、村の面積は広大なので、結局、道路や土木事業なんかにも費用がかかる。それで、国から、どういう名義でしたか、戦前、相当金をもらって、いまもなお、出ておると思いますが、その金額が、なおかつ十分でない。町村の財政も、人件費の増額やいろんな点でかなり困っておる現状なんです。そういう山村でありますから、他に工業の見るべきもの、あるいは税の対象になるような収入もないようです。そこで、町村合併なんかも、その村だけは取り残されておる、孤島みたようなかっこうになっております。いま、どういう基準で、国有林のそういうような場合には、町村に助成されておりますか。国有林が町村の大部分を占めておる、こういうふうな場合は……。私の知っている村なんかは、ほとんど八割以上国有林なんです。その村に、水田はない、耕地もほとんどない。ですから、その村の財政というものは、税収入もごくわずかしかない、国有林のために圧迫をされておるのですね。戦前も、いろんな名義で金をもらったことがある、いまも出ておると思うのです。現在は、どういう名義において、そういう場合は助成されていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/103
-
104・田中重五
○政府委員(田中重五君) 最初の第一点の森林組合の活動の状況の資料、あとで調製をいたしまして提出をいたします。
なお申しわけございませんが、先ほど機械を助成する経費の半分を国が補助すると申し上げましたけれども、三分の一でございますので、つつしんで訂正をさせていただきます。
それからあとの問題につきましては、現在国有林野といたしましては、その国有林野の所在する市町村に対しまして、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律というのがございまして、その法律に基づいて交付金を出しております。それで、その出し方といたしましては、昭和二十九年の国有資産の評価、それに基づきまして、それを基礎として、その交付金の金額を算定をいたしております。で、大まかに申し上げますと、そのそれぞれの市町村に対する交付金の算定の基礎といたしましては、国有林野のその近傍類似のものとの価額の評定、それをもとにいたしまして、そうしてそれの千分の十四、百分の一・四、それをかけたものを基礎としまして交付金を算定をしておる、現在三十八年度におきまして、その交付金の総額が大体五億を若干こえるという程度の交付金を出しております。ところが、その後三十七年度に、その二十九年度に調べました結果を評価をし直しまして、そして三十七年度の評価に基づいた結果によって、三十九年度の交付金の算定をいたすことといたしまして、その予算額といたしましては、いま申し上げました三十八年度に比べてほぼ一億円、三十八年度よりはふえる、こういう見込みでございます。
なお、この交付金の中身で申し上げますと、保安林の所有者につきましては、市町村は固定資産税をかけないということになっておりますが、国有林の場合には、それが保安林でありましても交付金の対象としておる、こういうことがございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/104
-
105・森部隆輔
○森部隆輔君 まだほかにありますけれども、またお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/105
-
106・青田源太郎
○委員長(青田源太郎君) 本日は、これをもって散会いたします。
午後三時二十五分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X01319640310/106
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。