1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年四月三日(金曜日)
午後三時一分開会
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出席者は左のとおり。
理事
梶原 茂嘉君
櫻井 志郎君
森 八三一君
渡辺 勘吉君
北條 雋八君
委員
植垣弥一郎君
岡村文四郎君
木島 義夫君
北口 龍徳君
仲原 善一君
温水 三郎君
堀本 宜実君
森部 隆輔君
山崎 斉君
大河原一次君
小宮市太郎君
戸叶 武君
矢山 有作君
高山 恒雄君
政府委員
農林政務次官 松野 孝一君
農林省農林経済
局長 松岡 亮君
農林省農政局長 昌谷 孝君
林野庁長官 田中 重五君
事務局側
常任委員会専門
員 安楽城敏男君
説明員
農林省農地局管
理部長 小林 誠一君
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本日の会議に付した案件
○保安林整備臨時措置法の一部を改正
する法律案(内閣提出、衆議院送
付)
○農業改良資金助成法の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○農林漁業金融公庫法の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
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〔理事梶原茂嘉君委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/0
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001・梶原茂嘉
○理事(梶原茂嘉君) ただいまから委員会を開きます。
都合により、私が委員長の職務を行ないます。
保安林整備臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明、補足説明並びに提出資料の説明を聴取することにいたします。松野農林政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/1
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002・松野孝一
○政府委員(松野孝一君) 保安林整備臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。
現行保安林整備臨時措置法は、昭和二十八年に相次いで発生した大災害を直接の契機として、主として災害の防除軽減を目的として緊急に保安林を整備するため、十年を限って、昭和二十九年に制定されたものでありまして、以来、保安林の整備は同法の保安林整備計画に基づき計画的に実施に移され、保安林の配備については、ほぼ当初の目標を達成する等相当の成果をおさめたのであります。
しかしながら、最近のわが国経済の高度成長に伴う水資源の急速な需要の増加に対処し、かつ、林地の荒廃による災害を未然に防止して、国土保全の万全を期するためには現在における保安林整備の状況では、なお不十分であります。
したがいまして、このような事態に即応した保安林の整備をはかるためには、保安林整備計画の改訂を行ない、緊急に水源涵養保安林を主体とする流域保全のための保安林の拡大をはかるとともに、保安林配備の適正化を行ない、保安林施業の合理化、保安施設事業の適正な実施を計画的に行なう必要があるのであります。
さらに、保安林整備計画の重要な一環をなします保安林の国による買い入れにつきましては、買い入れ事業が国土保全上重要な地域を対象として行なうものでありますだけに、上述の水資源確保の観点も考慮して、買い入れ計画に再検討を加えた上、国土保全と国民生活の安定の要請にこたえるべく、継続してまいりたいと考えております。
以上述べましたような目的を達成するために、保安林整備臨時措置法の有効期間を、さらに十年延長することとするのが、この法律案の内容であります。
保安林整備臨時措置法の一部を改正する法律案の提案理由及び内容は、以上のとおりであります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/2
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003・梶原茂嘉
○理事(梶原茂嘉君) 林野庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/3
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004・田中重五
○政府委員(田中重五君) さきに保安林整備臨時措置法の一部を改正する法律案の提案理由の御説明を申し上げたわけでありますが、さらに補足しまして御説明申し上げます。
現行の保安林整備臨時措置法は、昭和二十八年に相次いで発生しました全国的累次の大災害の頻発を直接の契機といたしまして、災害の防除軽減を目的とした治山治水基本対策要綱が閣議決定を見て、その具体的措置の一環として緊急に保安林を整備するため、その期間を十年と定め、昭和二十九年五月一日に制定されたものであります。
同法は主として流域別に、一、保安林の指定及び解除に関する事項、二、保安林の区域内における森林施業に関する事項、三、保安施設事業に関する事項、四、保安林として指定された森林等の買い入れに関する事項、五、その他必要な事項を内容とする保安林整備計画を定めて保安林の整備を緊急に実施することを趣旨としたものであります。
この保安林整備計画に基づきまして、昭和二十九年度から保安林の配備及び保安林の買い入れ事業等を実施してきたのでありますが、その結果、現在の段階においては、保安林の配備については当初の目標面積四百六万ヘクタールの指定を達成し得る見込みであり、他方保安林の国による買い入れ等の事業は、買い入れ目標五十万ヘクタールに対して約二十万ヘクタール、その買い入れ費九十二億九千万円となる見通しであります。なお、既設保安林につきましては、第四十回国会におきまして森林法の一部改正をも行ない、施業の合理化、保安施設事業の適正実施をはかり、保全機能の維持増進につとめてきたところであります。さらに買い入れいたしました保安林に対する治山事業は国有林治山事業の中でも特に重点的に事業を行なっており、十カ年間に約百億円の経費を投じて荒廃の復旧防止につとめております。
しかしながら、最近におけるわが国経済の高度成長に伴う水資源の急速な需要の増加に対処し、かつ、林地の荒廃による災害を未然に防止して、国土保全の万全を期するためには、現在における保安林の整備の状況では、なお、不十分であります。
したがいまして、このような事態に即応した保安林の整備をはかるためには、現行の保安林整備計画を再検討して改訂を行ない、緊急に水源涵養保安林を主体とする流域保全のための保安林の拡大強化をはかるとともに、保安林配備の適正化を行ない、保安林施業の合理化、保安施設事業の適正な実施を計画的に行なう必要があるのであります。なお、水需要の動向に即した水源涵養保安林の配備にあたりましては、全国を主として水系により区分した二百十六流域ごとに、林地よりの水流出量と各種用水の需要量とをもととし、科学的かつ技術的方法を導入することにより、配備の適正化をはかる所存であります。
さらに、保安林整備計画の重要な一環をなします保安林の国による買い入れ等につきましては、本法の施行期間内における木材価格、土地価格の急上昇等によりまして、その進行状況は約四〇%となっておりますが、買い入れ事業が上流水源地帯における荒廃した経済的効率の低い林地に対し、早急に治山事業の適正な実施とともに、適正な管理を必要とする地域を主たる対象とするものでありますので、上述の水資源の確保の観点も考慮して買い入れ計画に再検討を加えた上、従来買い入れによる取得を重点として進めてきた実施状況並びに最近における交換希望の状況にかんがみ、今後取得するものの約三分の一程度については、国有林野との交換によって取得することとして買い入れ事業の円滑な運営をはかってまいりたいと考えております。
以上の措置の円滑な運営をはかり、国土保全と国民生活の安定という要請にこたえるべく、今後さらに継続して実施してまいりたいと考えるものであります。
それから、法の一部改正の内容につきましては、お手元に差し上げました保安林整備臨時措置法の一部を改正する法律案関係資料、これにございますのでごらんをいただきたいと思います。
それから、さらにお手元にお配りしております保安林整備臨時措置法の一部を改正する法律案参考資料というのがございます。これにつきましてごく簡単に申し上げますと、これの一ページ(1)の保安林の面積、昭和三十八年三月三十一日現在とございます。つまり三十七年度末におきます配備された保安林、最後に合計四百五万ヘクタールとございますが、これの保安林の種類別、それから国有、民有の所有区分別の内訳の数字でございます。それから次の二ページをごらんになっていただきますと、保安林整備計画の進捗状況という表がございます。この表が、最初の欄に当初この計画を樹立いたしましたときの計画達成目標の面積、それを掲げまして、その時点におきます保安林の面積、これが二百四十八万ヘクタール、こうなっておりますが、以後昭和二十九年から三十七年度末まで百五十七万を配備いたしております。この百五十七万と二十八年度末の二百四十八万の合計が先ほどごらんいただきました一ページの四百五万ということに相なります。で、なお三十八年度に十三万の配備の見込みでございまして、結局合計いたしますと、四百十八万とここにございますように、計画に対して約三%の増という形に相なります。それから次の三ページは、これはこの現行計画にございます。国による保安林の買い入れ実績、これが昭和二十九年から三十八年度までを含めまして最後のページにございますように五百六十六件十九万九千ヘクタール、約二十万ヘクタールを買い入れたと、その金額九十三億九千万円と、こういうことになるわけでございます。最後の四ページは、この買い入れます約二十万ヘクタールに及ぶ保安林の保安林種類別の内訳を掲げてあるわけでございます。
それからなお横とじの流域別保安林現況表というのがございます。これはただいま申し上げました四百五万ヘクタール、この保安林、これの二百十六流域別の国有林、民有林別の配備の状況を掲げたものでございます。それが一ページからあるわけでございますが、なお、十六ページ以降はさらにそれの都道府県別ということになっておりますので、ごらんをいただきたいと存じます。以上でございます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/4
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005・梶原茂嘉
○理事(梶原茂嘉君) 次に、農業改良資金助成法の一部を改正する法律案及び農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案を一括議題とし、昨日に引き続き質疑を行なうことにいたします。質疑のおありの方は、順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/5
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006・森部隆輔
○森部隆輔君 昨日資料を要求しておきましたのに対して、いまちょうだいいたしましたのですが、公庫が貸し付けた金額に対する六カ月以上の延滞した元金が年々貸し付け量がふえていく関係上、延滞の金額も昭和三十二年くらいからは二十億円以上にのぼっておるようでありますが、これらは将来元金はもちろん延滞利子等も大体完全に回収できるお見込みでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/6
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007・松岡亮
○政府委員(松岡亮君) この率でごらんいただきますように、貸し付け残高に対します延滞元金の比率は漸次低下してまいっております。延滞がなお相当あるということは、まあやむを得ない事情によるものが相当ございまして、たとえば災害などが起きまして、しばらく猶予しなければならないというようなことで延滞になる場合が相当あるわけけございますが、いま御質問になりました回収できなくなるおそれのあるもの、これはまあ農林公庫といたしましては、全力をあげまして債権の管理、回収につとめておりますが、なお、きわめてわずかでございますが償却を要するものが年々幾らかふえている、これはきわめて少ない額でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/7
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008・森部隆輔
○森部隆輔君 パーセンテージから見ると、なるほど局長の御説明のように、必ずしも年々増加いたしておりませんが、貸し付け量の絶対量は昨日も申し上げましたように、今後将来にまたがって絶対量は必ず相当大きいものにふえると考えられますので、したがって、延滞金というようなものもその数字においては、パーセンテージは別として必ずしも私は減額しない、相当やはりふえるものがあると、こういうふうに一応考えるのですが、そういう債権管理、貸し付け金の管理に対してはどういうようなことをやっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/8
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009・松岡亮
○政府委員(松岡亮君) 昨日来いろいろと御質問のありました支店の機構を整備いたしましたのも、実はその重要な目的の一つが、債権管理を確実にやろうということにあったわけでございます。それで、最近におきましては、まあ検査部を設置いたしますとか、いろいろな組織上の問題につきましても充実をはかりまして、委託金融機関のほうの管理を十分やっていただくということで、かなり強化しておるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/9
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010・森部隆輔
○森部隆輔君 これは質問じゃありませんが、希望を、いまのに関連しておりますから申し上げておきますが、今後一そう絶対量が、非常に貸し付け金がふえることは当然予想されますので、債権の管理と同時に、きのう申し上げましたように、貸し付けの決定にあたっては、やはり債権者になる公庫、もしくはその他の決定権を持っておるものにやはり十分な責任体制を持たせ、債権の確保が十分できて、元金並びに利子等が約束どおり回収できるようにされることが、一番大事であると思いますが、これは要望を申し上げておきます。
それから、支店の配置でありますが、これを見ますと、かなり、大体において非常な差はないようでありますが、これはやはりそこのそれぞれの支店の所在地の資金力の需要量、あるいはまあいろんな農業関係のすべての用件等、それらの件数と専務の分量等を考慮に入れて、こういうような支店設置をお定めになっておると思いますが、これについてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/10
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011・松岡亮
○政府委員(松岡亮君) そのとおりでございまして、資金需要と、一面においては借り入れる人々の便宜ということから、交通の事情とか、そういうものを考え合わせまして決定いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/11
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012・森部隆輔
○森部隆輔君 きのうも同じようなことを繰り返して申し上げたのでありまして、誤解があってはいけませんから重ねて申し上げておきますが、金融機関は、なるべくそう重複しないほうが、いろんな面においていいと思いますので、きのうも私は、一つの例として申し上げたのですけれども、支店の数を必ずしも非常にたくさんふやす必要はありませんけれども、やはり系統金融の農協の受け持つ分野と公庫が受け持つ分野は、おのずから、先年——二、三年前でありましたか、交通整理と称していろいろ話し合いをやっておりまして、大体区分されております。そういうような過去のいろいろあれもありますし、十分それを尊重して、きのう繰り返して申し上げましたように、今後は金融機関の自主性をあくまでも尊重して、金融機関の責任において、貸し付けの決定を行なわれるように、これまた希望を申し上げておきたいと思います。
ほかにも申し上げたいこともありますが、それはまた、他の系統金融等の問題とあるいは関連して御質問申し上げたほうがいい場合もありますし、その機会にまた申し上げたいと思います。質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/12
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013・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 それでは、私のほうではきょうは特に、農林漁業金融公庫で出された資料に対して、追加の資料をお願いいたしたいと思います。
まず、資料要求をする前に、この法案が衆議院で審議に入った際に、もっぱらわが党の委員から資料要求があったわけです。ところが、その要求した資料が出ておらなかったように思うのですが、出ておったとすれば、その資料をほしいということです。その点を私なりに確かめたら、その要求した資料がなかったということなので、まあこの中に私はないと思いますので、具体的に申し上げます。で、衆議院で要求したからといって、私は、必要でないものは全部削除しますから……。まあ順序不同ですが、これは衆議院で要求したのではありませんが、私のほうからお願いしたいのは、行政管理庁の監事についての勧告の部分だけを抜粋したものをいただきたい。
それから、衆議院の委員会で要求したので出ていないと思われるのは、三十五年度以降の監事の監査報告書、これが出ていないように思うが、出ておればなおさらのこと、委員会にも、公庫の実態を知る意味において、非常にこれは参考になると思いますので、三十五年度以降の監事の監査報告をお出し願いたい。まず、監事に関する資料は、この二つですが、二つとも来週火曜までに出していただけるかどうか、委員長から御確認を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/13
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014・梶原茂嘉
○理事(梶原茂嘉君) どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/14
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015・松岡亮
○政府委員(松岡亮君) 行管の勧告は、もちろん提出いたします。その次の監事の監査報告の事項は、衆議院に提出いたしましたので、そのまま提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/15
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016・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 次は、経費率が一・四四となっていますね。この内訳は、委託費率が一・一一、事務費率が〇・二八、引当金率が〇・〇五、こうなっておりますが、この事務費率〇・二八の実態は、衆議院の審議を通じて明らかになった範囲は、三十八年度は八億五千二百万円、三十九年度九億九千二百万円という政府側の答弁でありますが、この事務費の三十八年度、三十九年度のうちの森部委員が要求した資料に関連いたしますが、本所と各支店というのですか、支所というのですか、この配置図がありますが、本所、各出先支店別の人件費、事務費という内訳に限って、三十八年八億五千二百万、三十九年九億九千二百万円のうちから引き抜いて、本店、支店別の人件費、事務費が、どれだけになっておるかを抜き出した資料を、二年だけでけっこうですから、これを御提出願いたい。なお、本店、支店の人件費の前に、その職員の数をつけ足していただきたいということですが、これは、火曜までにいただけるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/16
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017・松岡亮
○政府委員(松岡亮君) 火曜までに提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/17
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018・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 それから、次は、三十八年度の三分五厘資金の消化状況、これは出していただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/18
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019・松岡亮
○政府委員(松岡亮君) 年度末までの分につきましては、最終集計中でございますので、ある程度推定が入ると思いますが、その程度でよろしければ提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/19
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020・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 もちろん、まだ締め切りができないでしょうから、予定を入れて出していただければけっこうです。お願いいたします。
それから金利とは別に、農業構造改善資金が、三十八年度は、一体どれだけ用途別に出されたか、用途別の貸し出し内訳がほしいのですが、それはどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/20
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021・松岡亮
○政府委員(松岡亮君) 農業構造改善資金については、総額の推定額は、大体提出できるかと思いますが、用途別にしますと、集計の整理、各支店から全部あげて出しますのは、若干時日を要すると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/21
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022・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 用途別がほしいのですがね。予定でいいんですよ。三月なんかはっきりしないわけだが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/22
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023・松岡亮
○政府委員(松岡亮君) 用途別と申しますのは、施設別でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/23
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024・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 ええ、施設別です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/24
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025・松岡亮
○政府委員(松岡亮君) ちょっとむずかしいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/25
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026・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 三十七年だけそれじゃお願いしますか。それから三十八年度の上半期とか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/26
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027・松岡亮
○政府委員(松岡亮君) 三十七年度は、貸し付けをやっておりませんので、三十八年度から……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/27
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028・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 出ないわけですね、さしあたりは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/28
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029・松岡亮
○政府委員(松岡亮君) 日数をいただければ、最終的には出せるわけでございますが、今月一ぱいまではかからないと思いますけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/29
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030・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 それじゃ無理ですね。それじゃこれはあきらめました。
それから農家負債の実態を、農林省がどういう時点で抑えておるか、どういう内容で押えているかは、私もわからぬのですが、できるだけその農家負債の調査された資料をいただきたいのですが、特にその中で、開拓農家については、三十九年二月末で全国一斉調査をやっておるわけです。これは、制度金融の中でも非常に問題点でありますので、大体まとまったころだと思いますので、これはぜひとも来週火曜なり、木曜日あたりまでには出していただきたいのですが、それを含めて農業、林業、漁業別の農家、農林漁家の負債実態というものをほしいわけです。その農家のうちの開拓農家は、特に二月現在で農地局では調べておりますから、大体まとまったころだと思いますが、その実態が知りたいわけですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/30
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031・松岡亮
○政府委員(松岡亮君) まず農家負債の状況でございますが、これは農家経済調査と農家資金動態調査と二つ調査がございまして、これにつきましては、三十七年度まで、どちらかはわかると思います。両方からできるだけ最近時点で提出いたしたいと思います。それから開拓農家の分につきましては、別に農地局の管理部長が来ておりますからお答えいたします。それから農林漁家の負債でございますが、林業については調査がございません。漁家については、漁家経済調査がございますが、これは農家経済調査に比べましてだいぶ簡単でございますので、どの程度出し得るか 出せる範囲で提出いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/31
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032・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 開拓負債は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/32
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033・小林誠一
○説明員(小林誠一君) 開拓の負債につきましては、二月現在で調査をしたのでございますが、まだ集計がまとまっておりませんので、火曜までには提出が不可能でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/33
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034・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 いつごろまでに出ましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/34
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035・小林誠一
○説明員(小林誠一君) 大体五月ごろまでかかるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/35
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036・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 いままで開拓の負債調査をしなかったでしょうね。今度初めてでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/36
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037・小林誠一
○説明員(小林誠一君) 営農実績調査の附帯調査としまして、今回初めて調査を実施いたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/37
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038・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 従来は調査がなかったですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/38
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039・小林誠一
○説明員(小林誠一君) ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/39
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040・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 それじゃ、五月なら、これも間に合わないからしようがない。
次は、都道府県あるいは市町村の農林漁業金融というものに対する種目別の利子補給の損失補償の実態を見たいわけですが、あるいは県が信用農協連等に預託をして低利融資をさせるとか、あるいは県市町村の農林漁業金融に対するいろいろな行政的な援助措置が、県別にまた種類別に異なった行政施策を講じているのですが、金融の立場からこれを全国的に知りたいわけですが、そういう現状把握の資料を出していただきたいですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/40
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041・松岡亮
○政府委員(松岡亮君) 都道府県、市町村の利子補給損失補償の状況から申し上げますと、都道府県が農業近代化資金に対しまして利子補給をさらにやっているところがございます。これはそのまま提出できるのでございますが、さらに県単あるいは市町村が単独で利子補給損失補償をやっておるものにつきましては、件数等については調査したものがございますが、種目別になりますと、多少信憑性がちょっと問題がございますが、できる範囲で提出いたしたいと思います。それから県が県の資金を金融機関に預託して、それでさらに農家へ低利資金を金融機関から出させている例については、件数等については、これはもうそのつどいろいろな形で行なわれておりますんで。的確な資料はございませんので、ある程度の推定にならざるを得ないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/41
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042・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 推定でもけっこうですから、まあできたらお願いいたしたいのですが。
それから各県に信用基金協会ができているわけですね、農業の。その協会の保証がかなりマキシマムに近づいている。で、大体再保証の機能が全国段階で必要ではないかとまあ私は考えるのですが、それに必要な資料として、都道府県別の信用基金協会のその保証限度と、大体現在果たしている機能が、どこら辺までなされているか、そういうものを、府県別の信用基金協会の内容として、その点を整理をした資料をいただきたいのですがどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/42
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043・松岡亮
○政府委員(松岡亮君) 信用基金協会の保証の状況につきましては、各県別に私どもで調整いたしまして提出いたします。それから県の保証状況は、わかり得る範囲になると思いますが。それから先ほどの県の預託の状況でございますが、これはどうも過去の模様等については、ある程度の資料があるかもしれませんが、最近の状況はちょっとつかみがたいわけでございます。これはきわめて短期で、何か起きた場合にそのつど行なわれますので、ちょっと定期的な調査もできがたいものでむずかしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/43
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044・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 それからあと経済局長にお願いするのは、もう一つだけですが、農林漁業金融協議会が三十六年十二月持たれたのですね、あれの結論的なものをひとついただきたいのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/44
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045・松岡亮
○政府委員(松岡亮君) 承知いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/45
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046・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 それでは、あとは農政局の所管だと思うのですが、農業構造改善の資料をちょっといただきたいのですが、農業構造改善は、公庫と密接な関係のある問題ですから。今度従来指定した地区にも、また要請があり、必要があれば濃密的にまた再専業をするということが、新しい方向じゃないかと思うのですが、そういう点が一体今後、かつてこの制度がスタートした際には、全国三千百カ町村というものを踏まえて、まあスタートしたわけだが、それがそういう非常な盛り上げ方によって、今後閣議で了解された事項の中で、どう年次別に今後計画の中で出てくるのかというようなことを知りたいわけですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/46
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047・昌谷孝
○政府委員(昌谷孝君) 構造改善事業の従来までの一般的な進捗状況についての諸資料は準備もございますので、お目にかけられると思います。
最後のお話の第二次専業についての、いわゆる長期的な計画と申しますか、見通しの点につきましては、大体いまの第二次事業の進め方のそういうふうな地元の意向を確かめない前の計画というものは、またいまのところ考えておりませんので、むしろ現地の実態から見てそういう余力があり、かっこの熱意があるというところを、具体的に取り上げていこうというつもりでございますが、お話のような年次計画的なものとしての準備はいたしておりません。したがいまして、そういう趣旨での資料はつくりかねるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/47
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048・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 そうすれば、これは質疑の際に内容的にも入りますが、資料としては三十七年度にパイロットを指定してから年次的な一応計画と実施の年次別の計画がありましたね。あのことに変更なければいいのですが、変更あれば1確かにあるわけですね、もう初年度、二年度、三年度、それぞれ計画と実施の町村数の食い違いが、あれが三十七年から十年を目途としてこれをやるという中で、どういうふうに年次別に狂いが上塗りされたかという修正されたものはあると思うのですが、それは出していただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/48
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049・昌谷孝
○政府委員(昌谷孝君) 三十七、三十八両年度の事業の実施成果、個所数等は準備がございますが、一応この事業を始めます前に、七年間でこれだけの程度の指定をやれる見込みであり、かつやるつもりであるという意味の資料はお出ししておりますけれども、においては多少ずれると思います。で、現状では、これもやはりしいて直せば、三十七、三十八年にへっこみましたものを、後年度にふくらまして合わせるという意味合いでの数字はございますけれども、おそらくおっしゃる御趣旨から想像いたしますと、そういうことでは趣旨が違うのだろうと思います。その辺のところは、実績と目標とは、一々そのつど、何と申しますか、つじつまを合わせるというだけの意味での修正はいたしておりませんので、御趣旨に沿わないと思います。かりに三千百を、当初の予定どおり七カ年間で、計画地域として指定していくとすれば、あとの年度でどれだけのことをやっていかなければならないという意味の数値は一応ございます。それをごらんいただいた上で、むしろ御質疑で内容を詰めていただいたらどうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/49
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050・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 じゃ、その最終のところの調整する数字だけでけっこうですから、それをお出しいただきたいと思います。資料はそういう程度でけっこうです。私の資料要求は終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/50
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051・梶原茂嘉
○理事(梶原茂嘉君) できるだけ早くひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/51
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052・櫻井志郎
○櫻井志郎君 農政局長にちょっと簡単に伺います。この改正案で、農業後継者育成資金、一応の数字としては幾らですか、四億五千万という数字を計上されておるのですが、農業者である限りにおいては、まあこの政令案あるいは省令案で考えておられるような、ことばだけでいえば、これに該当する者には貸せれるんだということは言えると思うのですが、やはり一つの大きな方針として、どういう部門に対する、どういう経営状態に対する後継者養成ということに特に力を入れていくというお考えですか。その大局的な考え方、それをひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/52
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053・昌谷孝
○政府委員(昌谷孝君) いま予定いたしております資金のワク四億五千万円というのは、正直に申しまして、特別にかちっとした計算に基づくものではございません。むしろ初めてのことでもございますから、こういう制度をつくって、今後の普及事業との関連でどういうふうに発展をしていくか、改良資金制度全体の中で弾力的に対応してまいりたいと思っております。で、貸し付けのものの考え方といたしましては、将来にわたっての農家らしい農家の後継者を確保するということが、農政の全体を通じての一つの目標でもございますから、まあなるべくそういう趣旨で活用していただきたいと思いますが、まあ端的に申しまして、後継者がこの資金を活用して、独立の部門をやろうというお気持ちがあるということは、とりもなおさず将来についての農業経営について自信なり、一つの希望を持っておられる証左でもあります。したがいまして、そういう意味では、あまり貸し付け農家の現在の状況によって貸し付けの方向づけをするというようなことは、あまり重きを置いていきたくないと思います。この辺のところは、現地におきましての改良普及員の活動をやりよくすることの裏づけということを趣旨としておりますので、そういった点から、おのずから、ぜひ借りたい、ぜひ貸したいという問題が解決していくだろうと思います。部門といたしましては、いろいろ考えられますけれども、こういった独立の部門を後継者がやってみるというふうに、比較的ふさわしかろうと思われますのは、畜産で申しますと、二頭程度の酪農、あるいは養豚なり養鶏なり、それから果樹で申せば、各種の果樹園をその程度の規模のものをやっていく、あるいは養蚕経営を独立部門としてやっていくようなものが、比較的多いのではなかろうかというふうに私どもは想定しておりますけれども、これも必ずしもどういう部門でなければ貸し付けしないというふうには、限定的には考えておりません。例示的な問題です。
それから、ただ現在の経営者と、独立の経営を営むということを政令あるいは省令等の段階で書くわけでございますが、その趣旨といたしますところの、結局私どものねらっておりますのが、後継者が現在の経営者のもとで、単なる下積みの機械的な手伝い、あるいは単なる労働力ということで扱われておりますことから、多少とも自主的な、独立的な創意を生かせる部門を与えたいというのがねらいでございますから、その意味で、原則としては現在の経営者がやっている部門の拡大でないことをねらっております。つまり、父親が果樹園をやっておる、そこへ、それの拡大として継ぎ足すというようなことで、その間、父親の経営と、後継者たるこの資金を受けての経営との間にけじめがつかない、子供の独立部門をつくったのか、あるいは父親の経営拡大を無利子の金融でやったのかわからない結果になってしまうということになったのでは、この制度の趣旨が生きませんから、その点のけじめだけはきっちりつけていただく。そこはもちろん、必ず別の部門にだけしかやらぬということを固執するつもりはございませんけれども、しかし、あくまでその精神だけは現実に確保できるものでなければ趣旨が生きてこない、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/53
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054・櫻井志郎
○櫻井志郎君 まあ局長の答弁、わかったようでもあり、わからぬようでもあり、多分に精神的な話になってしまったので、具体的にはちょっとつかみにくいのですが、たとえば、あなたのほうから昨日提示されておるこの資料の二十一ページ、この経営面積の区分によって、どのように新しく学校を卒業した者が後継者として入っていっておるかという一つの表を、かりに、こういう問題一つ取り上げてみても、三反歩未満では、わずかに三・六%、一町五反以上では七三%程度、まあ相当程度満足しておる、こういうような一つの資料からだけではもちろん言えません、それは経営内容も、非常に周密な経営内容もあれば、そうでないのもあるから、この経営面積だけでは言えませんけれども、やはりこういう問題等も、ある程度の参考にされるようなことがあり得るかどうか。いまの話は、精神的には私も同感なんですよ。だけれども、もう少し具体的に何かお考えになっている点があるかどうかですね、もうちょっとふえんして言ってみてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/54
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055・昌谷孝
○政府委員(昌谷孝君) 後継者が現実に残っておる姿は、この表でごらんのとおりでございますから、今度の改良資金によりまして後継者に資金を貸し出しを行なうといたしましても、この傾向をひっくり返すとかいうものではなくて、むしろこの傾向の裏づけになることであろうと思います。したがって、行政的にどっかで線を引いて、対象と対象外を分けるというようなことはいたしたくないという意味で、先ほどお答え申し上げたのです。ただ気持ちの問題としてもう少しふえんしてというお話でありますからしいて申しますると、たとえば二種兼業農家——経営面積が概して小さいところですが、二種兼業農家のようなものは、おそらくこの資金の借り受けの申請希望もないでありましょうし、私どものほうも兼業農家で現に農業のほうが従になっているような農家を無理に残すために、この資金を使おうという気持ちは持っておりませんで、そういった意味ではこれは通達等に書くかどうかは今後まだ研究いたしますが、農業普及員諸君が現地で取り扱ってまいりますときの一つの気持ちとして、普及職員の一つのものの考え方としては、そういったことも参考になる一つの指標ではなかろうかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/55
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056・櫻井志郎
○櫻井志郎君 後継者養成という点については相当はっきりした考え方が、いま局長が述べられたような方向で出てくるとは思うのでありますが、一方生活改善資金ですね、このほうでいうと農家の生活改善、言うまでもなく第二種兼業、ほとんど農業所得なんていうものごくわずかであるというようなものであっても、農家という一つの範疇に入る場合には、これは同じように考えているのか、たとえば改善資金の別紙の欄を見ましても、この辺のところも同じような考え方が、その中に方針としてはっきり介在しないと、第二種兼業農家等で農業が片手間であるような方がわりあい余裕もあり、こういうこともやってみよう、ああいうこともやってみよう、たとえば改良した合理的な台所をつくる、特に勤労者の方々はよけいそうした文化生活に魅力を感じておられると思うんですよ。そこで農林省としては、さしあたって今年度はわずか一億五千という零細な金を農家の生活改善に使用していこうということであるならば、最も農家らしい農家に対して、これを適用していくという方法があるんではないかと思うのですが、その点についてもう少し具体的に、もう少しじゃない、初めて聞くんですが、多少具体的に触れて話してみてくれませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/56
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057・昌谷孝
○政府委員(昌谷孝君) 生活改善資金の総体の資金ワクにつきましても、先ほど後継者で申し上げたと同じように初めてのことで、私どももどう見積もっていいか見当がつきませんので、一応、一普及所十万円見当というわずかなワクを設定をしたわけであります。これはやってみまして府県等の貸し付けの状態、計画あるいは希望状態等を見て、年度途中でも、でき得れば全部の資金の中で再調整はしてみたいと思っておりますし、また今後そういった希望を生かして資金の調整はしたいと思います。
それから貸し付け対象農家の問題でありますが、確かに生活問題となりますと先ほどの技術の問題以上にむずかしくなります。技術の問題であれば、希望が上がってくるのは、残りたい方が希望するわけでありますから、比較的矛盾を感じないと思うのですが、生活のほうでございますと、おっしゃるような問題が確かに出てきかねません。そういったことが、この資金の一件当たりの貸し付け限度額を拡大するということにも非常に難点のあった一つの理由でございます。さりとて、農家の生活の改善の必要なことは、きのうの資料でも御承知のとおり、しいて事業農家とそうでない方とで差をつけて考えるというのもいかがかと思われるもので、制度のたてまえとしては、したがいまして、農家の一般的な生活改善ということでその間に差等を設ける、あるいは区別をするということは穏当でないと思いますので、あくまでも制度としては広く門戸をあけたいと思いますが、ひとつ、これも先ほどの後継者資金と似ておりますが、結局この資金が手ぶらで出てくるわけではございませんので、現在やっております県の生活改善事業、生活改善普及員を中核といたします生活改善事業がむしろ先行いたしておるわけでございます。その事業の有効な裏づけ手段として、今度のこの資金を生かしたいという気持ちであります。生活改良普及員が対象といたします中には、形式的には全農家というのでなければならぬというのだと思いますけれども、しかし、多年の生活改善の経験からいたしまして、昨日もお目にかけましたように、やはり生活改善に熱心な生活のグループ等がすでに育ちかけております。どうしても問題は重点的に数少ない普及員が効果をあげていくために、重点的にそういった拠点を設けて普及の拡大強化をねらっていくということが、従来の方向でもございます。今後もそういうことになろうと思います。したがいまして、資金そのものの性格としては農家一般に御利用できる形で開いてありますけれども、実態的にこの資金を使うことをこちらがおすすめをしたり、あるいは積極的にアドバイスをしたりということになりますれば、どうしても現在の生活改良普及員あるいはそれの普及員の制度につながってものごとを考えていくということになります。そういうことになりますと、やはり農家らしい農家といいますか、かなり将来の農村生活あるいは将来の農業の生活及び生産関係に積極的な意欲を持っておられる方が、どうしても対象に浮かび上がってくるわけであります。そういった改良普及員の活動との関連において、前向きの一つの援助がこれによって可能になろうと思いますが、しかし制度のたてまえはそういったことを区分して考えるということはいたさないつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/57
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058・櫻井志郎
○櫻井志郎君 この問題を分離して考えれば、いま局長の言われたようなことも考えられますけれども、農業改良資金助成法でしょう、農業改良資金助成法であるから、やっぱり生活の根拠というものは農業を中心とした、資金量が非常に豊富であるならば、農家という名のつく限りにおいては、これはけっこうではあるけれども、資金量が非常に狭い、そして法律自体が農業改良資金、その中で農家の生活改善、こういうことであるから、いま局長の言われたことを多少ひん曲がって考えると、その責任というものは改良普及員、生活改善普及員の考え方できまるような言い方のようにもとれるんだな。そうではなしに、やはり農業改良資金であり、それをどう有効に使っていくかということから言えば、やはり政府においてその方針というのが、ある筋金というものをはっきりお持ちになっておって、そうして末端の実際に仕事をやる方々がどういうふうに指導し、奨励していくかということでなければ、過去もしくは現在の時点においてこういう方面にグループができておるからこうだという、その自主性にまかしていいことだけなのかどうか、ちょっと私はいまの局長の答弁では疑問を持ちます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/58
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059・昌谷孝
○政府委員(昌谷孝君) 多少私のお答えのしかたが少し慎重過ぎたのかもしれませんが、もちろん、私どもは生活改善の仕事を農林省として生産関係のものと無関係で考えているわけじゃございませんで、やはり農業をよくすることと、農家の家庭生活の近代化を促進することとは表裏一体と申しますか、そういう意味合いでは農業の発達なり、少なくとも農業の進歩向上の方向と、家庭生活の近代化、合理化が切っても切れない関係にあるという意味で申し上げておるわけでございます。したがいまして、生活改善事業の主任務も、当然そういったことにあるわけでございます。現在のグループの結成のしかたを見ましても、そういった点はそういうおのずからなる生活改善と農業活動とのつながりをかなり頭に置いた上でそういった活動が行なわれておりますので、まあ、御指摘のような無目的な資金になるということはむしろない。生活改善事業がかなりそういう意味では、すでに目的的に活動しておりますから、決して制度として特にしばらなくても、無目的な資金の使われ方にはならないという、むしろある程度予測なり確信がありまして申し上げたことであります。したがいまして、私どもとしても、当然生活改善が、ひいては農業生産あるいは農業活動の近代化の一つのかなめになるということで、この資金も農業改良資金の一環として出した。当然におっしゃるようなことを制度の基本的な心がまえとしては、私どもも指導理念として当然出すことでございます。ただ、現在の生活改善の事業の裏づけということで申し上げたのは、そういうつもりでございます。特に、やはり生活改善と申しましても、結局これは底流ではやはり配偶者の確保なり、あるいは後継者の確保なりという問題とつながっておるわけです。そういうことになれば、そういった農家として将来やっていきたい方々が、配偶者を確保し、後継者を確保するための生活の近代化であり、家庭生活の合理化でございますから、当然そういう意味でもつながってくるというふうに考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/59
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060・高山恒雄
○高山恒雄君 一つだけ、資料でお聞きしたいんですが、この住宅金融公庫の問題で、三十八年度と九年度の対比の問題で、三十八年度は丙地域ということで三万八千円みておるわけですね。ところが、九年度では平均でみておるんですが、三万八千円もあり得るということですか。この丙地域は——資料の十四ページの三十八年度は木造建築としてあるんですね。今度は木造全国平均としてあるんです。そうなると、三万八千円もあり得るということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/60
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061・昌谷孝
○政府委員(昌谷孝君) この点はそうでございます。つまり三十八年度は農村地域が主として丙地域でございますから、かたまりました丙地域の単価を三万八千円としてここにあげてある。三十九年度につきましてはこの全国平均の坪当たり四万八千九百円というのは、三十八年度と比較いたしますと若干手直しが行なわれることでございますから……。しかし、丙地域が幾らになるかというようなことについては、まだ建設省のほうで、あるいは住宅金融公庫のほうで、この段階でははっきりいたしておりませんので、丙地域を含めた全国平均だけしかわからなかったものですから……。したがって、三十九年度の丙地域が三万八千円、前年どおりになるかどうかについては、まだ確定をいたしておりません。私どもとしては丙地域の単価も若干改善されるというふうに聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/61
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062・高山恒雄
○高山恒雄君 出していないから、平均を出したということですね。早く言えばそういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/62
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063・昌谷孝
○政府委員(昌谷孝君) そういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/63
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064・森部隆輔
○森部隆輔君 いま櫻井委員の御質問に関連するんですが、農政局長からの答弁と関連してでありますが、農業者の後継者を農村にとどめまして、りっぱな農業者を育成していく。これは非常にけっこうなことだと思います。趣旨としては非常にけっこうなことだと思うのです。農業基本法は御存じのとおり、少なくとも二町五反、二・五ヘクタール以上の耕作面積を持ったものでなければ、自立自営の農家とはいえないのだというのは、農業基本法の趣旨なんです。いまの内地の農家の状況からいいますと、いまの二・五倍から三倍くらいの耕作面積になると思います。いまのこの説明を見ましても、「農業後継者たる農村青少年が、経営主のもとで農業労働に従事するだけでなく、みずからの創意と責任で特定部門の経営を行なう等により、近代的な農業経営の担当者として必要な技術や経営方法を身につけつつ、或る程度の収入もみずからのものとして得られるようにすることが、」云々こうあるのですね。で、実際の問題になると、これは多少モデル的な性格になるのじゃないか、しかも貸し付け限度が五十万円ということになっておりますが、ある部門としてかりに酪農をやっても、少なくとも一頭じゃいかぬから二、三頭やればこの部門としては五十万円やそこらいってしまうのですね。それから果樹園芸にしましても、やはり最近では御存じのとおり虫の防除にしても機械を使う、あるいはいろいろな部門でかなり相当の資金も要るし、どういうことを実際に具体的には考えておられるのか、農業の後継者を農村に育成していくということのどういう想定で——そういうような農業基本法が称しておるような大農、少なくとも二・五ヘクタール、二町五反以上の農業を育成することが農業基本法のうたっておることなんです。その一部分をやらせるということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/64
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065・昌谷孝
○政府委員(昌谷孝君) この補足説明で経営ということばを使いますについては、私どものほうも、はたしてこの場合に経営ということばを使うのが適切かどうかだいぶ迷ったわけであります。それで、確かに経営ということばで表現いたしますと、先生の御提起のような御疑念が出てくるわけであります。私どもがここで経営ということばを使いましたのは、いわゆる農業基本法でいっております農業経営、自立経営につながるような意味での経営ということばと少し違います。確かに今お話にありましたいわばモデル的な一つの姿をここでは考えておるわけです。ただ、収支を責任を持って、単に技術の断片でなしに初めから終わりまで、その投資の段階から収益の帰属の段階までの企業リスクと申しますか、いわばそういう父親の部屋住みでまねごとをやるのと少し一歩進んで、自分の責任と自分の企業その部門についての自分の危険負担においてやらしてみたいという意味で、それを表現するものとして、どうも他に適当なことばがないので経営ということばを使ったのであります。その意味で、ここで後継者に充てがおうとしておる資金の量、あるいはその資金によって営まれるであろう独立部門の経営と申しますか、この経営はそういう意味では確かに練習でございますし、それが個別の独立の農家として自立経営につながるものというような意味の経営とは違います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/65
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066・森部隆輔
○森部隆輔君 そうすると、ある程度モデル式のものだとこう考えていいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/66
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067・昌谷孝
○政府委興(昌谷孝君) モデルといいますか、何と申しますか、いずれにいたしましても一つのテストと申しますか、腕だめしと申しますか、テストなり腕だめしなりというふうにお考えいただいたらいいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/67
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068・森部隆輔
○森部隆輔君 非常に趣旨はけっこうなことで、私は大歓迎でありますが、何だか金額が……。今の御説明等によりまして、農業経営のうちで、一部門だけを切り離して、しかもその経営をその人の創意と技術あるいは知識を持って経営に当たって、でき得ればその所得も幾らかその人が収得することができる、こういうことがねらいだと、こうおっしゃった。抽象的にはわかるのですが、具体的にはそういう人選はだれがするのですか、その選定は。農協なんですか、町村長が選定するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/68
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069・昌谷孝
○政府委員(昌谷孝君) 収支と申しましても、結局簿記の練習をするというようなことでもありましょうし、またこれから上がる収益と申しましても、たかだか若夫婦二人の——基本的な生活費は父親の、当然親元経営のやはり有力なる従業者であるわけでもございますから、そういった基本的な生計費までこれでまかなうというものではないと思います。ただ自分の身の回りの雑用の資金まで一々父親に仰いでいるのを、こういったことを契機として自分で自由になる部分の金もできてきたらいいのじゃないかということを青年諸君も考えておられます。そういう話題が地方では出ますから。そういったことに対応した一つの試みというふうに御了承いただきたいと思います。したがって、どういう人にこの資金を貸すかという問題でございますが、基本的にはそういうことをやってみたいという希望の方を、そこで改良普及員と相談していただいて、改良普及員の改良普及活動の一環としてこういう取り上げ方をしてみたらどうかということがきまっていくということになろうかと思います。もちろん、改良普及員がそういった問題を扱います際には、当然役場なりあるいは農協なりの各方面とはもちろん連絡なしにやるというようなことはさせたくないと思います。最近の改良普及員の方向づけといたしましても、そういった意味では、他の農協なり役場なりとの連絡を密にしながら、改良普及活動をその中で自主的にやっていくという方法で解決していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/69
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070・森部隆輔
○森部隆輔君 いまの質問に対する答弁で私は決して満足しておりませんので、なお足らざるところは他の機会にひとつ質問を続けたいと思いますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/70
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071・梶原茂嘉
○理事(梶原茂嘉君) 本日はこれで散会いたします。
午後四時十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X02119640403/71
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