1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年五月二十八日(木曜日)
午前十時三十五分開会
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委員の異動
五月二十七日
辞任 補欠選任
田畑 金光君 高山 恒雄君
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出席者は左のとおり。
委員長 青田源太郎君
理事
櫻井 志郎君
森 八三一君
渡辺 勘吉君
北條 雋八君
委員
岡村文四郎君
北口 龍徳君
仲原 善一君
野知 浩之君
堀本 宜実君
山崎 斉君
大河原一次君
矢山 有作君
安田 敏雄君
衆議院議員
農林水産委員長
代理 野原 正勝君
政府委員
農林政務次官 松野 孝一君
農林省農政局長 昌谷 孝君
事務局側
常任委員会専門
員 安楽城敏男君
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本日の会議に付した案件
○農山漁村電気導入促進法の一部を改
正する法律案(衆議院提出)
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001・青田源太郎
○委員長(青田源太郎君) ただいまから委員会を開きます。
農山漁村電気導入促進法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に続き質疑を行なうことにいたします。
質疑のおありの方は御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/1
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002・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 提案代表者にお尋ねいたしますが、農山漁村振興を目途とした小水力発宙可能地点の調査結果によると、全国で約二千五百地区にわたって六十万キロワット・アワーないし百万キロワットの小水力資源があることが明らかになって、今回の法律の改正案を提案されたわけでありますが、このうちに経済採算ベースに合うものがおおよそ全体の個所数から言ったら何カ所ぐらいになっておるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/2
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003・野原正勝
○衆議院議員(野原正勝君) お答えいたしますが、実は、全国にどの程度の可能個所があるということを、予算を要求しまして、農林省が全国農業会議所へ委託をして委託調査をいたしました。また専門家として非常な権威である広島の織田史郎という方にもっぱら御指導をいただきまして調査をしたんでありますが、その結果が、二千五百十二カ所ほど考えられるということでございますけれども、詳細にわたっての調査は実はまだできておりません。どの程度かというはっきりした数はわからないのでございますが、私どもの推定では、その中でほんとうに採算ベースに乗り得るというようなものは大体半数以下であろうというように考えております。しかもこれをだんだん調べていきますと、たとえば発電地点の近くを送電線が通っている。その送電線にすぐ乗せれば非常に簡単に電力会社に電気を供給できるというような地点が優先されると思います。
また、水資源が将来枯渇をすることがなく、奥の山林資源等、その状況を見ながら、むしろ現在の山林が今後造林されていき、水の資源培養としてもっと積極的に林相が改善されるということになりますと、現有よりも水力の資源がより一そう確保されるというような地帯あるいはまたその地帯が非常に山村として経済が現実に困っている。その山村に小水力発電所を置くことによって、その地域の農村の振興発展、また農民所得の向上にもなる、あるいはまた連係式の電気が発電されることによって、いわゆる単に電灯として利用するだけでなく、十分な動力源が得られるということで、山村におけるいわゆる農村工業のようなものに、あるいはまた電力の利用の高度化によって機械化が促進されるというようなことにいろいろ効果がある。しかも建設単価が比較的安い。どっちから見てもその経営によって経営主体である農協なり、あるいは特殊の法人なりが安定した所得収入が確保されるというようなはっきりした見通しが立って、初めて実は計画が具体化し、また事業が行なわれると、またそういうものに対しては農林漁業金融公庫等から融資をするというようなことになるわけだと思うのでございます。また電力会社側とももとより事前に十分打ち合わせをし、了解を得て、この程度ならばむしろその地帯の電力の開発は、あなたのほうでひとつ担当してもらいたいというくらいに、実は、電力会社側からもそれを積極的に理解のしに協力をしてもらうというようなことができれば、一そう望ましいことであると思っております。そういうようないろいろな条件が備わったときに、この法律によって積極的な開発が行なわれるということになりますと、将来山村の経済の振興発展のために大きな貢献をするところがあるであろうというふうに考えておりますが、現在のところ、発電地点の調査の二千五百何カ所かの中で、一体そういうものがどの程度あるのかということになりますと、実は、精密な調査も必要になってくると思うのでございます。したがって、まず、この法律ができますると、それぞれの地域で、自分の地域にはどれだけの発電可能地帯がある、したがって、これをひとつ積極的に計画してみようというような意欲を持って御計画をなさる、県にも相談をされるというようなところがたくさん出てまいっております。その中からひとつそれを拾い上げて——拾い上げるというと語弊がありますが、そういうものについて、できるだけひとつ国が、農林省が指導をしていただくということにするのが好ましいと、さように考えております。したがって、地点の数等がはっきりしませんけれども、これだけの中でございますから半分くらいは開発ができるのではないか、しかもこれは三年や五年で済むことではございませんので、おそらく七年もあるいは十年も、あるいはそれ以上もかかっていくんじゃないか、いずれにいたしましてもこのことが、非常ないい結果をもたらすというようなことがだんだんと実証されますれば、これは何といっても全国では百万キロ以上の資源が開発をされることになれば、国の産業経済の発展の上にも大きく貢献できるというふうに考えておりますので、この法律をつくることによってその道をひとつ開いてやりたい、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/3
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004・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 まあ詳細な実態調査はまだできていないわけでありますから、これ以上具体的に答弁を期待することも無理だと思いますが、私は少なくとも二千五百カ所の半数にも達しないだろう、これはしろうと的には推定をいたしておるわけであります。しかしながら、いま御答弁にもありましたように、未利用資源を開発する大目的と、このことが従来政治の谷岡に置かれて、日の目を見なかった地域の大きな開発の課題であるという点から考えますならば、立地条件等で困難な事態に置かれておる個所でも、これを国策的な立場から開発をして、国力の増進に寄与するとともに、地域の産業開発の大きな手段の一つにも引き上げるべき重大な課題であると考えるわけであります。そういう点から申しますならば、今回の改正の中に見られるように、単にこの卸売りを業とする売電会社に公庫融資をするという道を開くというにとどまらずに、さらに、それらの経済採算の困難な条件というものを、政府の助成という措置までに配慮をして、これらの二千五百カ所をもっと企業的に取り上げる可能な条件というものをわれわれとしては強く要請をいたして、期待をいたしておるわけであります。そういう点に対して政府当局としては、この法案が通過された後において、それらの実態調査が明らかになるとともに、単に融資の対象にするというだけではなしに、いま申し上げましたような大目的を達成するための地域の格差の解消にも寄与することであります。所得の格差の解消にも寄与することでもありますので、これは会社ではありますけれども、九割は零細な山村民の厚生でもありますので、これに対して将来国としては、融資の対象からさらに積極的な補助の対象にする個所についてはそれを取り上げるという方向で検討願い、善処をこれは強く期待するのでありますが、政務次官のこれに対する御所見はいかがでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/4
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005・松野孝一
○政府委員(松野孝一君) 御指摘の点ごもっともと思います。本来これは、そういう発電地点があると、その発電地点を一歩進めて、それを売電して、その利益をもってその地方の格差を是正していきたいということで、われわれも今度予算を要求いたしまして、山村振興について考慮したいというふうな考えを持っておるので、それと一致しておるので、単に融資にとどまらず、一方において、売電にあたり売電単価ということについても指導を加えたいし、またさらに融資、融資のみならずその補助という問題についても検討を加えて善処いたしたいというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/5
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006・野原正勝
○衆議院議員(野原正勝君) 渡辺委員の御発言まことにありがたいと思いますが、実は、この調査をするには、三十六年度に百五十万円、三十七年はたしか百七十万円だったと思いますが、調査費が要請されたわけでございます。その結果、こういう発電地点がわかったということで、公庫融資はもちろんしていただくわけでございますし、融資のワクも必要に応じて拡大することは当然なんでありますが、われわれの気持ちを率直に申し上げますと、実は、山村の地帯におけるこういうものの開発というものは、山村の振興に大きく役立つのみならず、国の経済の成長にも大きな貢献をする、地域格差の解消であるとか、そういった農業基本法を立法した大きな精神にも全くマッチしておるものであるというふうに考えますると、この発電地点についての詳細な調査、そういうものは、これはもうできればひとつ全額国庫の負担で助成するというくらいになってもらいたいと、私どもはさように考えておりますので、実は、明年度の予算要求には、われわれはそのことを強く考えておるわけでございます。したがいまして、ひとつこの法案について御審議をいただくこの機会に、今後の問題につきましては、政府も、またこの参議院の委員会におかれましても、ひとつこの発電地点についての積極的な開発を指導し、そのためのいろいろな調査費といったようなものをぜひ計上するように積極的な御協力をいただくことを、これはまあ答弁というより、むしろお願いなんでございますが、これは提案者の側の気持ちを率直に申し上げる次第でございます。よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/6
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007・堀本宜実
○堀本宜実君 関連で。
私は、前回の当委員会で、ただいま渡辺委員から御指摘になり、御質問のあった、また野原さんからただいまお答えになりましたことを伺いたかったのでありますが、すでに権威ある松野政務次官からもお答えがあり、また提案者からも、逆にわれわれのほうにも協力を願うというようなお話がございました。で、もう質問は済んだようなものでございますが、実は、この二千数百カ所の地点があげられておるわけでございますが、これはもう調査をしたというのではないと私は思うのであります。ただ歩いてみただけで、ここらでできるだろうという——これは私は現実に知っている。ついていったから知っているのでございますが、百万や百五十万でできようはずがございません。笑わせる話ですよ。そこで、水量は一体どのくらいあるのか、落差はどういうふうな落差で、どこで発電をするのか、発電出力は幾らか、採算ベースはどうなのか、融資あるいは投資は一体どういうことになるのか、これがわからなければやれないのであります。ことに貧弱なものでございますので、そういう点の、ほんとうに機械を据えての、そろばんを持っての計算という指導がなされなければやれません。ことにこれを起こそうという、事業化しようとするところは、山村のほんとうに工業力もなければ、そういう開発力もないところでやるわけでございますので、これは、われわれもこういうことを主張する限り、全力をあげて努力をいたしたいと思いますが、ひとつ重ねて私は、——答弁は要りません。もう先ほど懇切な、やりますという気宇にあふれたおことばがございましたので、私はそれでたんのういたしておりますが、しかし、ことばだけでなしに、現実にそれがやれるように、ひとつ御努力を願いたいと思います。
それから、これも、実はちょっとおくれてきて、渡辺委員の御発言でもう触れておられたかと思いますが、この発電事業は、一応可能の地域は、すでに優先的に大会社が専有——専有ということばは悪いが、とにかく手をつけておると思います。したがって、今後これを行なおうとする場合には、そういう利権の問題、あるいは中間で水をとって発電をいたしますときに、その利用いたしました水が、その流域に再び帰るかどうかというようなこと、あるいは山をくって、その水がもとの川に流れないので、Aの発電はそれでいいが、Bの受ける受け口の水が少なくなるというようなことで、何となく私の関係いたしておりまするこの発電事業については、既往の、すでに計画し、事業を実施しておりまする会社が、いろいろな形で手を回してこれを阻止しようという風潮がございます。これは電気ができて、その電気ができたら必ずあなたのところへ安く売ります。私のほうで投資をいたしますというのならばいざ知らず、そこまでの契約ができないうちの計画については、必ずしも賛成をしないという風潮があることを、私は現実に知っておる。全国全部がそうであるとは思いませんが、どうかそういう点について、ひとつ十分に役所あたりで——この法律ではまことに手が届きませんし、私権に公権が出ていくというわけにはまいりますまいが、そういうこまかい配慮も今後は必要ではあるまいか。これも要望をいたしておきます。
それからもう一つ、離島振興実施地域における電気でございます。離島振興なんというまことに気の毒なところへ、特別な助成をして振興してやろうということですが、これは従前からあったわけです。ところが、かりに二十馬力の発電をいたしておりますが、いまは、電気は単に電灯をともすというだけでなくして、それによって文化生活を営めるという基本になるエネルギーでございますので、だんだん機械をつくって、これを、重油発電というようなものがおおむね多いようでございますが、最近、島嶼部などにおきましては水力がございません。そういうことで非常に消耗量の高い発電機でございますから、それを今度は馬力を大きくして、もと二十馬力のものを五十馬力にこれを改設したいというような場合に、以前に補助をしておったのだから二十馬力分は引くんだというような考え方があるやに聞くのでございますが、私は少し残酷なやり方じゃなかろうかと思うのでございます。たとえば、電柱が立っておるから、その電柱は、配電線は、以前のものを使ってもいい、だからそれは投資の対象にならない、補助の対象にならないということはあろうと思うのですが、すでに老朽化してきたものについて、以前に補助をしたから、今度新しく二十馬力を五十馬力に改設しようとする場合の補助については、以前の補助実績があるから削減しようというのは、少し補助の性格上私はあたらないのじゃないか、こういうふうに思うのでございますが、きょうは、経済企画庁がおいでになりましたら、そういう点について、もし事実がおわかりになっておられれば御答弁を願いたいと思います。経済企画庁はどうですか——おいでにならなければよろしゅうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/7
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008・青田源太郎
○委員長(青田源太郎君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/8
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009・青田源太郎
○委員長(青田源太郎君) 速記を起して。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/9
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010・松野孝一
○政府委員(松野孝一君) ただいまの御指摘の点、ごもっともと思いますので、いわゆる発電地点の調査におきましても、また、水利権の調整その他についても、できるだけ検討いたしまして、農山村が困るようなことはないように努力いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/10
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011・昌谷孝
○政府委員(昌谷孝君) 最後にお触れになりました離島関係の出力を増強することに伴う助成の問題、本年度そういう事案につきまして、企画庁と大蔵省との事務折衝が行なわれたようですが、私どもは、御承知のとおり企画庁で予算化したものを、計画を添えて移しかえを受けるわけです。御指摘のように、もとの部分については、助成の対象から除いて計画したものを、企画庁のほうから私どものほうへ予算の移しかえを受けておるわけです。お説のように、そのことがはたして実情に沿うのかどうか、私どもとしても、いまの御発言等もございますので、今後、さらに企画庁等とも検討いたしてみたいと思いますが、一応、本年度の扱いとしては、企画庁事務当局は、そういうことで処理をしたように聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/11
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012・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 ただいまの、これらの事業主体に対して国で補助をして、積極的にこの大目標が実際の政策のもとに具現化することが望ましいということに対して、提案代表者は、全額をひとつ国で負担してもやらせたいという、きわめて積極的な御発言がありまして、非常に意を強くしたわけであります。ただ、従来は、ともすればそれが国会の答弁に終わってしまって、なかなか具体的にそれが実を結ばないという経過もかなりありますので、私は提案者にお尋ねする前に、これを担当している政府委員として、農政局長に念を押して、意識統一の意味で伺うのでありますが、こういう大きな、繰り返しますけれども、従来、政策の目からはこぼされておった、政治の谷間に置かれておった地域におけるこれは大きな政治課題であるわけであります。したがって、従来の事務的な惰性の中でこれに対処するということでは、せっかく提案した三党が固い決意があっても、事務当局の中でそういう趣旨を十分盛り込んで、これを原案として対処するというかまえがなければ、なかなか現実は実現が容易でないと思うのであります。前回、同僚委員が質問した問題点の中にも、工事負担金については、現行の電気供給規程という拘束がある。このことがかなりこの経済採算を困難にしている大きな要素である。それに対して合理化をし、善処をする方法というものは、遺憾ながら具体的な答弁は得られなかったわけであります。そういう意味から言っても、私は特に中心にこれを担当する農林省としては、それらの電気供給規程等がもっと合理化されるという前に、そうした国の施策の一環として、いま代表者が答弁したようなものを、四十年度の予算からこれを原案として組み込んでいくという、政務次百が御答弁された方向を、農政局長も考えてもらわなければ具体化しないと思うのでありますが、そういう点について、政府委員として農政局長の御決意のほどを伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/12
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013・昌谷孝
○政府委員(昌谷孝君) 前回やりました調査は、御承知のように、ただいまお話にも出ましたような、ごく何と申しますか、大ざっぱな調査でございます。今後この法律が成立をするということに相なりまして、当面国庫融資だと思いますが、各般の制度としての政府の助成を考えてまいります場合、まず第一段は、やはり先ほどお話にもございましたように、その候補地点についての開発調査をより具体的に進めて、何と申しますか、実際に事が起こりました場合の地元での成果が誤りなく達成されるように、そういった調査等についての御援助、御指導がまず第一段としては、私ども考えるべき点ではなかろうかと思います。これらのことを明年度以降予算その他の面でも十分取り入れて検討してまいりたいと思います。この問題はお話にも出ておりますように、単に水の高度利用という、あるいは発電という問題にとどまらず、国としては広く今日問題になっておりますこういった山村地帯の振興方策いかんという基本問題にも触れてくる問題ではなかろうかと思います。御承知のように、農業基本法なり、あるいは今回の国会でお願いをいたしております林業基本法なり、それぞれの掲げます意図をもって私ども堅実に事を進めてまいるわけでございますが、やはりそういうもので覆い切れないものとしての山村振興ということが現地の要望としても、また政治の要請としても強く出てきているように伺うわけであります。そういう意味で、農林省といたしましても単に所管等の問題にとらわれることなく、政府一丸となって、それらの地帯の総合的な振興方策に今後取り組んでいくというかまえで、私は積極的に進みたいと思います。企画庁なり、建設省なり、通産省なりそれぞれ分担していただくべきところはあろうかと思いますが、やはり何と申しましても、私どもがその原動力となって進めませんと、ほかが主体性を持つということは、なかなか期待薄でございます。その意味からいって、私どもがこういった山村振興の問題、また、さらにはその中での具体的な問題としての、それらの地点にある天然資源の完全利用の問題というような形で今後積極的に取り組みたいと、これが私の考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/13
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014・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 提案者の都合で、お伺いをまだしたいのでありますが、最後に、私提案者にお尋ねをいたしたいのは、これはもう三党で、衆議院で提案をされた経過も明らかでありますけれども、何といってもこれらの対象地域の住民というものは、政治意識も非常に低い人たちで占められているわけであります。いわばこの問題を国会で審議をするというあり方は、声なき声をわれわれは代表して審議をいたしているつもりであります。したがって、現象的にはあまり国会における反映は、他の諸課題と比較して鋭く突き上がってはおりませんけれども、実態を直視いたしますならば、これほど重大な課題はまたとないというふうに考えるわけであります。したがって、この法律を、三点おもなる点について改正される機会に、いろいろこれには各省にまたがって、これを合目的に推進する上において、これを阻害する諸条件もあるわけであります。それらを、この法律改正を機会に、われわれは国会の総意をあげて排除しつつ、この改正の趣旨が透徹されるように推進する責任を感ずるわけでありますが、提案者は、これらについていかような決意で改正案を出されているか、その点をお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/14
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015・野原正勝
○衆議院議員(野原正勝君) 御指摘のとおり、全く声なき声というか、山村におけるそういった小水力を開発するような大事な仕事が、必ずしも全国的な陳情とか、請願とかいうものはあまり多くなかったわけでございます。しかし、事実は、山村の実情から見て、どうしてもこの小水力の開発というものは、その地域住民のために役立つものでなければならぬというふうに考えて、われわれはあえて三党の共同一致の修正として、委員長発議になったわけでございます。ここにいくまでの過程の中で、実は御指摘のように、従来から、電力の開発といえば、ややともすればこれは通産省の所管であって、電力会社側がとかくどうも電力のことは自分の仕事なんだ、農林省でとやかく言うこともかえっておかしいというような考え方で、小水力発電聖業なんというものに対しては、必ずしも積極的な理解を持たなかった時代もございます。そこで、われわれもこの小水力資源の発電の開発という事業は、これは単に電力を開発して、エネルギー資源を国の経済の振興発展に大きく役立てるということではなくて、むしろねらいどころは、ほんとうに困っている山村というものをもっとよくしていこう、山村の振興のために大きなひとつ事業として考えてやるべきだという観点に立ちまして、しかも山村地域における小水力の開発というふうなことは、これは電力会社あるいは電源開発会社などがやろうといたしましても、なかなか零細な電力でございまするし、現存の労働事情、あるいは補償問題というふうないろいろなことを考えましても、いつになったら開発できるものやら全然見当もつかない。しかも見ておるというと、最近においては、そうした小水力の開発なんというものは全然捨てて顧みない。むしろ安易に、 いわゆる火力発電に重点を置いて、そうしてコストが安ければいいというような行き方で、しかもその中には多分に日本に生産をされない石油を外国から買い入れて、膨大な輸入にたよって、それでコストが安いというような状況を見ておりまするというと、まことにわれわれの目から見ればこっけいなんであります。これほど大きな資源がありながら、この開発に全力を尽くしてやるべきものが、これを行なわない。むしろ極端に言うならば、現在の電力会社というふうなものは、大きな独占的な企業であるにかかわらず、その崇高な使命を忘れておるのではないか、さようにも実は考えておったわけでございます。通産側にもその点はよくお話をいたしまして、電力会社側にもいろいろと接触をしたわけでございますが、われわれの小水力資源の開発という事業について、最近ではもう非常に理解をされまして、進んで協力するから、ひとつぜひあなたのほうでやってくださいというところまでは、まだ遺憾ながらいっておりません。もう一歩で私はそこまでいくべきものだと思っております。実を言えば、この発電の計画というようなものは非常に特殊な技術を要するものでございまして、できればこの発電地点に対する精密な調査というふうなものは、それぞれの地域の電力会社などが積極的に協力する、むしろ電力会社側が大きな予算も持っておるわけですから、全面的に国家のそうした政策に協力するというぐらいなことがあってしかるべきものだとさえ思っておるわけでございます。農林省はもとより山村の振興については非常な熱意を持っておられるわけでありますが、最近では、通産省側におきましても、従来のような、電力の開発はあくまでも自分の仕事であるから、よけいなところに手出しをしてもらっては困るというような、なわ張り根性的な考え方は今日では全然持ってない、さように私は理解をいたします。非常にその点においては大きな進歩である、さように考えておりまするが、今後具体的には、この立法の真の精神というものが末端にまで理解されない場合においては、いろいろと調査し、開発を進めていく段階において、さまざまな紛争とまではいかなくとも、多少の抵抗なども起こり得るということも考えておりますが、その場合においては、あくまでもひとつ通産側の積極的な協力を得て、十分この精神を理解し、そうしてこの事業が農林、通産両省の完全な理解の上に、電力会社側の積極的な協力によってますます開発を進められていく、それによって山村が大きく明るくなり、建設をされる、エネルギー資源も開発されるということになりますれば、これは一石二鳥、三鳥のことになろうかと、私ども実はこの法律の制定の意義というものはまさしく画期的な意義を持つものである、さように考えておるわけでございまして、御指摘のとおり、まさに声なき声を聞きながら、国会がこの問題を取り上げたということは、まあ近来にない、これは自分で提案しておって言うのはおかしいのでありますが、まことに傑作であろうかと、さように考えておるのであります。よろしくひとつ御協力を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/15
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016・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 この提出された資料の別表の日を見ますと、これはかなり古い資料で、三十四年度の損益計算でありますから、その後の推移等もかなり変貌をしておるのじゃないかと思いますが、この実績を見た限りでは、かなりその成績が上がっておるような資料になっております。しかしながら、私の見た限りでは、これは成績のきわめて優秀な事例であって、多くのケースは経営的には非常に困難な事態に置かれておるというふうに理解をいたしておるわけであります。そこで、私はこの連係式小水力発電事業をやった場合における製造原価というものと、売電単価というものについてのことが非常に問題になってくると思うのであります。その充電単価は、かなり地方の電力会社等によって相違もあるわけでありますが、これに対してもっとこの事業が円滑に運営されるためには、行政庁としてもかなりの育成をする観点から、この充電単価等に対しては、主管庁である農林省を通じて、地方庁を鞭撻して、これらの事業が支障なく運営されるような契約単価であることの指導が私は重大な課題であると思うのであります。そういう点について、主管庁である農林省は、今後この法律改正を契機として、いかように行政的な立場から対処されようとするのか、その点についての御所見を伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/16
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017・昌谷孝
○政府委員(昌谷孝君) 何と申しますか、連係式として一部に地元消費量を含めながら、相当部分を充電しておりましたのが従前の実績でございます。その過程におきましても仰せのような問題がありますので、私どもとしてもでき得る限り効率的な発電単価で、しかもなるべく地元に有利にそれがさばけますよう通産当局ともお話し合いをし、府県庁の指導の指針としてもそういうことでお願いしてまいっております。大体この表にもございますように、従前の実績を見てみますると、三円弱から三円五十銭程度までに、過去におけると申しますか、従来の施設の発電単価としての実績はその辺を示しておるようであります。せんだっての通産当局からの御答弁にもございましたように、今後の一つのめどとしては、やはり三円程度で売って引き合うようなということを一つの指導のめどにするととが安全ではなかろうかというふうに私どもは承知いたしております。もちろん地元によってより有利に処理ができればそれにこしたことはないわけであります。今回の法改正の御方針が、こういう充電をいわばもっぱら目的とする事業を、事業の対象として取り上げたいという趣旨であります。その場合の事業主体としては、農林漁業者の団体の組織する法人、おそらくはいわゆる九割会社というようなものをこの法案に御予定をされておるようにうかがっておるわけでありますが、そういうことになりますれば、従来の農林漁業団体がやっておりました場合とは、同じ法体系の中でもおのずから若干性格を異にしてくることはやむを得ないと思います。したがいまして、行政上の取り扱いとしても、いわゆる卸売り業務を行なう者ということで処理せざるを得ない。したがって、通産省の一般的な御方針であります技術能力でありますとか、経営能力とかいう点の、一つの最小限度の要請にはこたえ得る主体でなくてはならぬことも当然伴って出てくる問題だと思います。そういうことになりますが、やはり主体が零細な山村の方々の団体の持ち寄った資本による企業でございますから、私どもとしては従前にも増して慎重な御指導が必要かと思います。いずれにいたしましても、売電単価としては先ほど申しましたようなところを一つのめどにして、できたあとで、現地で問題がより複雑な形で出てまいりませんように、十分事前の御指導を心がけたいと、さように心がけております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/17
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018・安田敏雄
○安田敏雄君 関連しますが、充電単価が小水力発電事業には決定的な問題になるわけですね。そうしますと、昭和三十六年に、全国の九電気事業社の平均水力におけるキロワット・アワー当たりの水力発電原価は四円三十六銭、これはおもに揚水発電であるとか、ダム発電という比較的規模の大きなものでありまして、その後は、流れ込み方式によるところのものは、九電力会社においては開発しておらぬわけですね。ですから四円三十六銭くらいになる。キロワットの建設単価は十四万九千円に大体平均見ておるわけであります。水力は。ですから、そういう面からいくと、これ以下ならば引き合うという勘定は一応成り立ちますが、問題は、揚水発電みたいにピークどきに活用できないという点で、この線まではきっと売電するということは非常に無理があろうと、こういうようにも考えられます。したがって、そういう点からして考えまして、この間、火力の発電原価がキロワット・アワー当たり三円と言いましたが、私が調べたところは、全国平均で三円十七銭になっておるわけですね。
そうすると、いまの御答弁のように、三円くらいに発電原価を押えていきますと、これは少し無理ではないか、もう少し上げてもいいじゃないか、こういうように考えるわけです。三円二、三十銭くらいでいいではないかというような気がするわけです。というのは、火力発電のほうは、この三円十七銭で発電原価が出ましても、あと石炭の購入費、あるいは重油の購入費、こういうようなものをかけていきますと、一応寿命がある程度短い、そういうような点で、かりに火力なら十年、十五年くらいでその施設をかえなければならぬ、こういうような問題を想定しますときには、水力のほうはそれが必要ないわけですね、比較的。水はどんどん流れ込みで入ってきますから、そういうような点を考慮しますと、三円程度で指導すれば、これは非常に窮屈になってしまうから、そこら辺のところは考えて、もう少し弾力性のあるようにすべきではないか、こういうように私は考えるわけですよ。こういう点について、あくまでも三円をピークとして考えていくのか、それとも多少上のほうで電力供給状況の情勢を見て引き上げていくのか、そこら辺のところはあらかじめ指導方針として考えておく必要があるではないか、こういうように思うわけですが、その点はいかがなものでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/18
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019・昌谷孝
○政府委員(昌谷孝君) 御注意の点は、今後この法律が成立しました後において、私どももなお関係当局と十分協議を重ねまして、なるべく御趣旨に沿うように、と申しますか、地元で安全でなおかつなるべく有利に事が進みますよう考えてまいりたいと思います。三円と申しましたのは、当面、関係当局等との御意見の交換の過程で、その辺が一つの安全性を見ためどだろうかというような御注意もいただいておりますので、私どもとしては大事をとって、そういうふうに一応考えておりますけれども、もちろん地元の有利になることでありますれば、今後関係当局等との検討の過程で、御趣旨のような点を十分干してまいりたい、さように思います。
なお、小水力でございますから、何と申しますか、施設の規模が小さいということは、逆に有利な面もあるように聞いております。と申しますのは、必ずしも高水位のときの水量全量をこなすということが目的でございませんので、比較的に施設そのものの何と申しますか、私流に理解しておりますのは、一応操業度でございますが、そういった施設の操業割合はかえって水量の高いところをねらっていない、この小水力の場合には意外にいいというのが従来の実績のようでございます。その辺のところは、建設単価と、売電単価との関係を考えてまいります場合に、小水力の発電の一つの有利なポイントのような気もいたします。そういうようなことをいろいろ考えてまいりますと、三円というのも必ずしも現実性のない、非常に無理をしいている単価とも思いませんけれども、御発言の御趣旨は、今後この法律成立の後に、関係当局とも十分さらに干してまいりたい、さように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/19
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020・安田敏雄
○安田敏雄君 おそらく現在の状態では、大体三円三十銭くらいから三円五、六十銭くらいで、電気事業者が発電を考えておるではないか、こういうように思うわけでございます。そういう点、せっかくやったものを、採算がとれぬというようなことにならないように十分御指導願いたいと思います。
そこで、もう一点お伺いしたいのは、これは小水力発電というのは、流れ込み方式を主体として考えているようでありますが、たとえば田植えどきのかんがい用水がきわめて不便を来たしておる、そういう場合に、ある程度の調整池式といいますか、というのはちょっとした小規模な貯水と考えて、かんがい用水に時期的には使う。あとは、年間においては発電用に使う。こういうような場合が考えられます。特に山間僻地においては、そういうことを考えましたときには、やはり小規模な貯水式のものについても、採算がとれぬとなれば、認めていく方針なのかどうか。そこら辺のところをどういうようにお考えでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/20
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021・昌谷孝
○政府委員(昌谷孝君) 実際に、従来までに開発されましたものについて、御趣旨のようなものは、比較的に少ないと申しますか、非常にまれなように思います。しかし、御承知のように、現にありますこの農山漁村電気導入促進法におきましても、その第十一条で、土地改良事業との調整ということを特に一条設けて、いま御趣旨のような土地改良事業と、この農山漁村の電気導入事業とをうまく結び付けて活用すれば、もう少し積極的なことができるのではないかという御趣旨の、訓示規定ではありますが、調整規定が入っております。私どももなかなかそういうような具体的な、かっこうな事例にぶつかっておらぬようでありますけれども、今後そういうことを頭において、農地局の行ないます事業と、私どもの行ないます事業との間で、関連のつけ得るものはひとつつけて考えてまいりたい。さように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/21
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022・安田敏雄
○安田敏雄君 それでは、次にお伺いしますが、この法案が通りますと、見通しとしては、山間僻地の財源収入の一部といたしまして、ある程度そういう地帯においては積極的にこの問題と取り組んでくると思うわけでございます。そういう際に、当然建設資金がないわけでございますから、これはいきおい起債なり、あるいは融資なり、こういう方向へいかざるを得ない。その場合に、農林漁業金融公庫を活用するという趣でありますけれども、で、従来、小水力発電事業に対するところの金利ですね、償還、それから最高の限度額、こういうようなものに対する融資の大要がありましたらばひとつ御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/22
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023・昌谷孝
○政府委員(昌谷孝君) 先般、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案として御審議いただきましたときの過程でも出ましたけれども、従前は、この種のといいますか、改正前の制度でやっております場合は、被補助、補助残を通じまして金利は六分ということで扱っておりました。貸し付けの最高年限は二十五年ということで、据え置きが三年入りますので、合計二十八年ということになっております。今後、先般の公庫法の改正によりまして、金利については被補助は五分、補助残は六分五厘ということで、突っ込みの六分をそういうふうに分けて今後扱うということで御審議をいただいた。当時、被補助五分と申しておりましたのは、従前の農林漁業団体が行ないます地元の未点灯の解消、あるいは地元の電力不足に対応する事業としての、この電気導入事業に対しての被補助事業の場合を想定して、五分ということで考えたわけです。したがって、その後、国会におきまする御修正の御発議があったわけでございます。この種事業についても、そのどれで扱うかということについては、まだ政府部内で検討が終わっておりません。あらためて、本法成立を待ちました上で、関係の向きと、この種新しい公庫融資の対象となりますこの部分については、おそらく当面は被補助であろうかと思いますけれども、いかなる利率を用いて御援助申し上げるか、あらためて検討し直さなければならないと思っております。従来の地元電力不足を補うものとして、農林漁業団体が行なってまいりました電気導入事業の、被補助の、今度の改正の五分が、当然にこの事業に適用になるというふうには、まだ私どもとしてはそこまでの結論は得ておりません。なるべく御趣旨に沿って、地元の負担の軽いように取り運びたいという、私どもの気持はそうでございます。政府部内としては、法律の御決定を待った上で、あらためて最終結論を出したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/23
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024・安田敏雄
○安田敏雄君 その計画に対して認可をいたしますというと、当然採算がとれ得るという見通しが立つわけでございますから、その際、融資あるいは補助の問題はただいまの御説明のとおり了承いたしますけれども、そういう際に、その起債というようなものについての考え方がありますかどうか。そういう点は全然考えておらないのかどうかお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/24
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025・昌谷孝
○政府委員(昌谷孝君) この法律の中で扱っておりますのは、御承知のように、第二条で、従来は農林漁業者の組織する団体で、今回の改正によりまして、それらの団体が主たる出資者となってつくっております法人を含めるわけでございまして、したがいまして、農業協同組合、森林組合、あるいはそれらのものが主たる構成員となっておる会社がこの法律の対象でございます。したがって、起債という問題はこの制度からは出てまいらないように私は考えます。で、市町村が事業主体になってこの種事業をやるということになりますれば、これは本制度の問題ではなしに、やはり市町村の本来の、個有の、何と申しますか、事務として、市町村の単独事業として、自治省の単独起債ワクの審議の対象にはなろうかと思いますが、この法律からくる問題としては、農林漁業金融公庫による援助があるだけだというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/25
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026・安田敏雄
○安田敏雄君 そうしますと、普通の県営発電におけるがごとく、将来まあこういう小水力発電事業について、市町村でも県営を同じように採算がとれるならば認めていくというような点については、まあこの法律は出たばかりですけれども、、将来は採算がとれ得るならば、市町村の、何といいますか、公営事業として取り扱っていくというような点についての考慮はどういうように考えておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/26
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027・昌谷孝
○政府委員(昌谷孝君) 私どもは実はそこまでまだ問題を考えておりませんでしたけれども、将来の問題としては、あるいはそういう問題にまで発展するかと思います。そうなりますと、これは自治省が単独起債事業としての適格性の認定を行なうわけでございますので、自治省の御見解等も十分ただした上で、善処してまいらなければならぬと思います。で、私どもは本問題を含めまして、今後のこういった山村の経済の建て直しと申しますか、山村の環境の整備、経済の振興といったようなことをどういうふうにやっていったらよろしいかということは、別途、この問題と並行的な一つの重大な農政上の課題だというふうに考えております。その問題を今後固めてまいります過程では、やはり道路の問題とかという、多少所管の問題等が他にもございますけれども、それらの一環として、いま御指摘のような問題も当然私どもの課題として研究してまいらなければならぬと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/27
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028・青田源太郎
○委員長(青田源太郎君) 他に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/28
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029・青田源太郎
○委員長(青田源太郎君) 御異議ないと認めます。
これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/29
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030・青田源太郎
○委員長(青田源太郎君) 御異議ないと認めます。
これより採決に入ります。
農山漁村電気導入促進法の一部を改正する法律案を問題に供します。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/30
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031・青田源太郎
○委員長(青田源太郎君) 全会一致でございます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、諸般の手続につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/31
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032・青田源太郎
○委員長(青田源太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
ここでしばらく休憩いたします。
午前十一時四十一分休憩
〔休憩後開会に至らなかった〕
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615007X03819640528/32
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