1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年二月四日(火曜日)
午前十時十九分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 中野 文門君
理事
北畠 教真君
二木 謙吾君
加瀬 完君
委員
植木 光教君
久保 勘一君
斎藤 昇君
中上川アキ君
野本 品吉君
秋山 長造君
小林 武君
豊瀬 禎一君
赤松 常子君
発 議 者 豊瀬 禎一君
発 議 者 加瀬 完君
発 議 者 秋山 長造君
発 議 者 小林 武君
政府委員
文部大臣官房長 蒲生 芳郎君
文部省初等中等
教育局長 福田 繁君
事務局側
常任委員会専門
員 工楽 英司君
説明員
文部省初等中等
教育局財務課長
補佐 佐藤三樹太郎君
文部省大学学術
局審議官 村山 松雄君
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本日の会議に付した案件
○女子教育職員の出産に際しての補助
教育職員の確保に関する法律の一部
を改正する法律案(豊瀬禎一君外四
名発議)
○へき地教育振興法の一部を改正する
法律案(豊瀬禎一君外四名発議)
○教育、文化及び学術に関する調査
(教職員の充足状況に関する件)
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001・中野文門
○委員長(中野文門君) ただいまより文教委員会を開会いたします。
本日の委員長理事打合会について御報告いたします。
委員会の議事運営について協議願った結果、本日は、まず、女子教育職員の出産に際しての補助教育職員の確保に関する法律の一部を改正する法律案、へき地教育振興法の一部を改正する法律案について、発議者より提案理由の説明を聴取した後、教職員の充足状況等に関し政府に質疑を行なうことに決しました。ただいま出席の政府側の出席者は福田初等中等局長、蒲生官房長等であります。
まず、女子教育職員の出産に際しての補助教育職員の確保に関する法律の一部を改正する法律案、へき地教育振興法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
両案について発議者から提案理由の説明を聴取いたします。豊瀬禎一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/1
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002・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 ただいま議題となりました女子教育職員の出産に際しての補助教育職員の確保に関する法律の一部を改正する法律案につき、提案者を代表して、その改正点並びに提案の理由を御説明申し上げます。
まず、本案の改正点を申し上げますと、法第二条の二項に、新たに実習助手を加えようとするものであります。そもそも、実習助手は、教育公務員特例法の施行令によって、寮母とともに教員に関する規定の準用を受けることになっておりますし、その職務の内容も他の教育職員と異なるところがないのであります。しかるに、寮母については、昭和三十年、本法制定の当初から、第二条に掲げる教育職員として法の適用を受けておりますにもかかわらず、ひとり実習助手のみが除外されておりますのは、まことに不合理なことであり、きわめて遺憾とするところであります。現在、国立及び公立の高等学校に勤務する女子の実習助手の数は約一千数百名を数え、しかも、これらの実習助手は比較的若い年令層によって占められておりますことから、その大部分が出産の可能性を持つものと推定するにかたくないのであります。それにもかかわらず、その職務にかわるべき補助者を求める道が閉ざされておりますために、ひとたび実習助手が出産いたしますと、産前産後の休養期間における空白を埋めるによしなく、そのことが直ちに教育効果の低下を来たす原因となりますことは容易に首肯されるところであります。また、実習助手個人についても、自己の職務により忠実であろうとするのあまり、妊娠中の過度の労働から健康を害し、長期欠勤のやむなきに至る事例も少なくないと聞いております。
以上申し述べました理由により、実習助手を、法第二条の第二項に加えて、母体の保護をはかるとともに、学校教育の正常な実施を確保しようとする目的をもって本改正案を提案いたした次第であります。
何とぞ、十分御審議の上、すみやかに御賛同下さるようお願い申し上げます。
次に、へき地教育振興法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由と内容の概略を御説明申し上げます。
へき地教育振興法は、教育の機会均等の趣旨に基づき、かつ、僻地における教育の特殊事情にかんがみ、国及び地方公共団体が僻地における教育を振興するために実施しなければならない諸施策を明らかにし、もって、僻地における教育水準の向上をはかることを目的とし、去る昭和二十九年の第十九回国会において制定されたものであります。その後、第二十八回国会において、僻地の実情に即した同法の一部改正が行なわれ、僻地教育の改善充実に一そうの拍車がかけられましたが、いまだその実態は諸調査によっても都市に比し著しく低位であり、こうした状態に甘んじなければならない現状であります。このような結果は、僻地における児童、生徒の栄養、健康状態が不十分であり、通学条件に恵まれず、しかも施設、設備が整わず、単級、複式学級など条件の悪い教育環境のためであると申せましょう。しかしながら、僻地教育においては、教育の根幹ともいうべき教員が経済的、文化的諸条件に恵まれないために有能な人材を確保することが困難であるということも、僻地教育の振興のために大きな障害となっております。
以上の理由により、今回、僻地学校に勤務する教員及び職員の僻地手当の支給割合の引き上げ、調整額の支給措置を講ずるとともに、国の補助率の割合を引き上げる措置を講じて、僻地における教育の振興をはかるために、ここに改正案を提案いたしました次第であります。
次に、改正案の内容の主要点について申し上げます。まず第一点は、市町村の任務たる「へき地学校の児童及び生徒の通学を容易にするため必要な措置を講ずること。」に、新たに「寄宿舎の設置」の字句を特に掲げてこれを強調したことであります。現在、通学を容易にするための対策としての寄宿舎については、二分の一の国庫補助がありますけれども、その予算はきわめて限られており、ごく一部にその設置をみるに過ぎない現状でありますので、冬季間における山間地、離島、積雪寒冷地帯、急傾斜地帯等の自然的悪条件のもとでは、児童生徒は著しく通学に困難を感じており、学校の作法室、集会室または公民館等の公共施設や保護者以外の住宅に寄宿を余儀なくされております。これでは安定した授業ができないのであります。それゆえに、ここに寄宿舎設置についての市町村の任務を明らかにし、寄宿舎が完備されますことによって、僻地分校の解消、小規模学校の統合等も促進され、教育水準の向上に寄与することの効果を期待するもので、設置の計画としては、僻地の四、五級地の最も条件の劣悪なところから年次計画をもって設置すべきものと考えております。
第二点は、僻地に勤務する教員及び職員に対して、僻地手当の支給割合を最低二%から最高五%引き上げるとともに、新たに一、二級地に千円、三、四級地及び五級地については二千円の定額制の調整額をそれぞれ支給することによって、教員及び職員の待遇改善を行ない、人事異動を円滑にし、有能な教職員を配置したいと考えております。
第三点として、市町村が行なう事務に要する経費のうち、国の補助率を現行の二分の一から三分の二に引き上げております。僻地の市町村はその財政力が貧弱であり、僻地教育振興のための諸施策を積極的に促進する意欲に乏しく、したがって国の二分の一の補助をもってしては実効をあげていない現状でありますので、補助率を引き上げて僻地における教育の充実向上をはかりたいと考えております。なお、本法の施行期日は昭和三十九年四月一白といたしてあります。
以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概略でございます。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/2
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003・中野文門
○委員長(中野文門君) 以上で両法律案の提案理由説明聴取は終了いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/3
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004・中野文門
○委員長(中野文門君) 次に、教職員の充足状況に関し質疑の通告がございますので、これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/4
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005・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 まず最初に、これはだれがぴたりと全責任を負ってくれるかわかりませんが、国会に提出すべき資料について要望いたしておきます。これは本委員会でたびたび委員長を通じて政府の資料提出の怠慢性は指摘したところですが、中野委員長からも、前前国会以来、このことについても指示あるいは文部当局に対して注意がされていることは御承知のとおりですが、たとえばきょう配付されました道徳の指導資料についても、皆さんお手元にありますからおわかりのように、これだけかなりの部数を新聞記者に提示して説明をしておきながら、議員が要求すると、手元に資料がございません、刷り増ししましてお届けいたします、こういうことですね。これは単に今回に限ったことではありません。文書にして、しかるべきところに配付した資料あるいはその他の資料は、私どもの考え方では、当然、このことは以前の国会から、道徳の指導資料配付については本委員会でも論議になったことですし、それでなくても、そういう資料は国会の求めに応じるだけの事前準備がしておかれるべきものだと思うのです。新聞記者には資料を渡すけれども、国会議員にはありません、委員会の審議の日には用意いたしてありませんと、これは少なくとも数カ年間の文部省の国会に対する資料提示の一貫した態度であることはきわめて遺憾なことだと思います。今回はやっと各委員の要求によりまして、きょう間に合いましたが、つど申し上げておりますように、委員会の当日に配付するのでなくして、事前に、少なくとも議員が検討されるような時間的余裕を持って、今後はあらゆる資料というとやや大げさになりますが、少なくとも従前の慣例からして、委員会の審議の日に必要であろうと考えられる資料は、他に配付した場合には積極的に本委員会に提出いただくように強く要望いたしますとともに、委員長からも、この点につきましては文部当局に対して指示をしていただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/5
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006・中野文門
○委員長(中野文門君) わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/6
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007・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 それでは質問をいたします。昨年から今年にかけて、定数問題につきまして、文部当局、地方教育委員会等、いろいろ主管課長会議等で事務的な作業が進められておるようですが、まず男頭に三十九年度の定数の都道府県の算定については、文部省として、こまかなことは要りませんが、基本的にどういう考え方で行政指導を行なっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/7
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008・福田繁
○政府委員(福田繁君) 標準法の改正が実現いたしましたので、その改正の趣旨に従いまして国の予算措置も三十九年度は一応できたわけでございます。したがいまして、私どもとしては課長会議等を通じまして、今後、都道府県が定数を組みます場合の考え方といたしまして指導いたしておりますことは数点にわたるわけでございますが、改正法の趣旨に従いまして、第一点は、小学校、中学校の学級編制に関する問題でございます。これにつきましては、かねての計画どおりに今後五カ年間に最高一学級四十五人編制にするという方針でございますので、三十九年度におきましては、とりあえず、第一年目として小中学校ともに単式の場合は四十九人編制でこれをやるようにということを、それからまた複学級につきましては、これは一挙に三十五人から二十五人の編制がえをする。それから単級の場合におきましては十五人というような、そういう学級編制について法律で大体きまっておりますような事柄については、その趣旨においてこれを編制するということでございます。それから次の問題は、事務職員、それから養護教諭の問題であります。これも従来は、一般教員の定数と、いわば込みで定数を計上したわけでございますが、改正法の趣旨は事務職員、養護教諭については定数を別ワクにして明瞭にするという方針でございます。したがって、事務職員、養護教諭については、これを別に算定をするというような方針に従ってその定数を決定するように、その際にもちろん定数法の改正によりまして、従来の配置基準を引き上げていく、養護教諭については、小学校につきましては九百人について一人の割合、中学校につきましては、生徒千二百人について一人の割合、そういうような割合にしまして、一般教員とは別個にする。それから事務職員につきましては、小学校は十二学級について一人、それから中学校は九学級について一人、中学校は従来どおりでございますが、そういった配置基準に基づいて、定数を計上するということでございます。それからそのほか、現在、各都道府県全部ではございませんが、一部の府県でかかえております過員についての考え方でございますが、これも御承知のように、大体五カ年間でこれを解消していくという考え方でございますので、無理な整理が起きないように、大体五分の四程度の過員はこの暫定定数の中に組み込んでいく、こういうようなやり方でございます。それからまた、特定の県におきましては、そのほかに生徒児童の急減によりまして定数が急激に減るというような県もあるわけでございます。そういう県につきましては、急激な整理を避けますために、大体、小中学校ともに自然退職者の半分程度は新規採用もできるように最低保障するというような考え方で、暫定定数を組む場合におきましては、小学校においては、大体、率で申しますと約九八・五%、それから中学校におきましては九七・五%、これを下らないように定数を確保する、そういうような考え方で、全般的に、三十九年度におきましては過員の整理による急激な減、あるいは生徒児童の急激な減少によって定数が急激に落ち込まないように、そういう配慮をしながら、三十九年度の定数を十分検討してきめるようにというような趣旨で、各都道府県に対しましては指導をいたしてまいっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/8
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009・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 前国会で米田委員から指摘しておりました例の勧奨退職、分限免の問題でございますが、これは石川県でございましたか、とにかく私どもの聞いたところでは一、二県で、そういうことをやらないという委員会における福田局長並びに大臣答弁の指導は、一月中旬に行なわれた主管課長会議では聞いていない、こういうことを教育委員会の責任者が言っておるようですが、主管課長会議においては、国会答弁どおりの指導が行なわれましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/9
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010・福田繁
○政府委員(福田繁君) 一月に二回、主管課長会議をやったわけでございますが、一回は総務関係のいわゆる予算を扱っておる課長会議でございます。この課長会議の席上におきましても申しました。また、その次に開催いたしました人事関係の主管課長会議におきましても、私は国会で申し上げたとおりの趣旨を説明いたしました。それからなお、それにさかのぼりまして、この定数法成立直後に開かれました暮れの十二月何日でございましたか、暮れの押し詰まったときに都道府県の教育長会議を開きました。その席でも同じことを申し上げたわけでございます。したがって、前後三回、同じようなことを会議の席上指導いたしましたので、聞いてないということはあり得ないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/10
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011・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 私どもも、そのとおり説明されたという県教育委員会から直接聞いた経験もあるので、そのことについて疑っておるわけじゃありませんが、現にそのことを、いや聞いていない、指導があっておるはずだ、他県はあなたの今答弁どおり教育委員会が言っておるぞ、こういうことで紛糾しておる県が一、二ありますので、もう一点だけただしておきます。暮れの教育長協議会では分限免についてはだれが説明をされましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/11
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012・福田繁
○政府委員(福田繁君) 定数法成立後の会議でございましたので、その必要がなくなったということを私が説明いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/12
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013・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 総務関係の主管課長会議、それともう一つの主管課長会議、いずれも説明者の名前を言って下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/13
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014・福田繁
○政府委員(福田繁君) 先ほど申し上げましたように、私が直接お話をいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/14
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015・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 次に、そのことについて、国会答弁どおりの指導が行なわれておるものと私は判断しておりますが、先ほど申し上げましたように、石川県等でそのことについてまだ紛糾があっておるようですので、十分の指導をお願いいたしたいと思います。十二月の定数法成立の際に、委員長から全会一致の附帯決議の提案が行なわれましたが、その趣旨に従って各都道府県の定数編成が行なわれておるか、または特に文部省は附帯決議並びに附帯決議に対する大臣答弁ですね、この趣旨が十分尊重されて文部省の行政指導が行なわれておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/15
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016・福田繁
○政府委員(福田繁君) 衆参両院の附帯決議の趣旨に従いまして私どもは指導いたしておるつもりでございます。先ほど申し上げたような内容につきましても、これは附帯決議の趣旨に沿ったものだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/16
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017・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 ここで冗漫になりますので、附帯決議の内容を読み上げることは避けますが、四十五人を適当とする標準定数法の改正については、これこれしなさいという附帯決議の趣旨というものと、特にそれを受けて答えた大臣の各都道府県が決定した定数をできるだけ尊重するように努力いたしますという趣旨とは、若干異なって、先ほど過員についても指導の方針が述べられましたが、できるだけきびしく四十九人で算定して、それからはみ出るものについては、退職勧奨その他の措置によって非常にきびしく暫定定数を守らせようという指導が行なわれておるのじゃないですか。私が言うのは、大臣答弁の都道府県が決定した定数を尊重していく、あなた方が教育上必要な定数をおきめになったら文部省としてはそれを尊重していくのですよ、こういうことでなくて、四十九ですよ。暫定定数を守れ、それを守らない場合にはあとでいじめてやるぞとは言わぬでしょうが、それを強くこう押しつけておるという指導が行なわれておるのではないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/17
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018・福田繁
○政府委員(福田繁君) 私どもは、先ほど申し上げましたような方針に基づきまして、これは一般的な方針でありますが、各県、いろいろ県によりまして事情が異なるところが多いわけです。したがって、各県でいろいろな注文があるわけでございますから、したがって、暫定定数をきめます際にも、先ほどのような私どもとしては一番ゆるい暫定定数というような考え方でございます。そういうものに基づいて各県の事情を十分くみ取りながらやっていくというのが現在の実情でございます。特別シビアーにやる必要もございませんし、そういう指導はいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/18
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019・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 日にちが違うかもしれませんが、一月の中旬に開かれました総務部長ですか、県の課長か知りませんが、その席上で、石川県の総務部長が当該の教職員組合に言ったのでは、官房長が定員定額だから定数を越えないようにやりなさいと、こう言ったと、こういう話をしたというので、先ほどと似たような問題でまだ教組と押し問答をやっておるのですが、官房長、そういう勇気のある指導をしたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/19
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020・蒲生芳郎
○政府委員(蒲生芳郎君) 私は総務部長会議にまいりまして、文部省の三十九年度の所管事項について説明いたしましたが、その際に、標準法の関係につきましては、そういう定員定額とか、定員実額ということは一切申しておりません。先ほど初中局長が説明されましたような趣旨のことを申しまして、大体申し上げますと、説明の内容は、三十九年度から五カ年計画でやっていく、学級編制につきましても、教職員定数の標準につきましても五カ年計画でやっていくのだということを申しまして、それからまた、児童生徒が急減する場合とか、過員を生ずる場合とかにつきましては、局長が先ほど説明いたしました趣旨のことを申したのでございまして、まあ御指摘のような勇気のあることは絶対に申しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/20
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021・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 定員実額制をにおわせるような趣旨の発言は当該会議では官房長は一切言っていないと、これは責任持てますね。——そこで、福田局長にお尋ねしますが、義務教育費国庫負担法によって半額を持つという精神は、私から申し上げるまでもなく、その政令と相待って都道府県の条例によって定数は最終的に決定されていますね。それは一つの基準として国が組んでおる。あとの給与の問題は、自動的に都道府県がきめた定数の給与の総額の半分を負担するという形になっている、この従来の建前を、新定数法を制定する過程にあなた方が描いた、あるいは大蔵その他のいわゆる内閣として描いた意図が、この新しい定数法が制定し、相互にいろいろ約束ごとも取りかわしたわけですが、委員会における、あるいは理事会における大臣答弁等の趣旨がかなり無視されて、と言ったら一番適切だと思うのですが、指導が行なわれておるのではないかという印象を、地方の予算編成、定数編成に当たって受けるのですが、やはり建前として都道府県が条例で定数を決定する、それを尊重して半額を負担していく、特に過員の問題についても、たびたび荒木大臣以来言明されておるように、無理な整理はやらないと、しかも荒木大臣の答弁をかりれば、文部省の基準よりも少ない学級編制をしていただいた県は感謝をこそすれ、今さらとやかく言うことはないと、そういう気持で長野県、福岡県等のように数百の過員を抱えているところ、過員というよりも、より教育的な学級編制をしている県については、感謝の気持で、よくこそやって下さった、また少なくしていきなさいとは言えぬでしょうが、少なくともそれを尊重していくという基本的な態度で主管課長会議に終始臨んでいないのではないか。やはりできれば暫定定数基準を守ってもらいたい。そしてそのあとには、先ほど言ったように、立法の過程において持たれた定員実額制の意図が露骨ににおわされているのではないかと思いますが、ここではっきり都道府県の決定した定数を尊重していくという基本方針のもとに指導を行なったと明言できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/21
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022・福田繁
○政府委員(福田繁君) これはもう豊瀬先生はよく御承知でございますので、あまり具体的に申し上げてもいかがかと思いましたけれども、お尋ねがございましたので申し上げたいと思いますが、定数法の改正によりまして、もちろん定数自体は各都道府県がきめるわけでございます。したがって、まあ国庫負担の場合に予算的にいろいろ考えますと、どの程度幅を持たせていくかということが今後の私どもの一つの努力目標でもあり、考え方でございます。したがって、附帯決議の趣旨に基づいて尊重するということはもちろんでございますけれども、どの程度尊重するかという問題も、これはやはりいろいろな事情があると思いますので、そういう点は具体的にやはり個々の県の事情を考えなければいけないと思っておるわけでございます。たとえば福岡県などは定数法どおりにまいりますと相当大きな減員がくるわけです。したがって、私どもとしては約六百人くらいの過員と、今後、生徒児童の減少に基づく定数減というものを、このくらいはやはり救済措置を講じなければ県としても困るであろうというような考え方でいろいろ考えているわけでございますが、定数法どおりにぴしゃり計算いたしますと、少なくとも相当数の過員が出る。それではやはり県としてもお困りであろうから、私どもこの暫定定数においては、少なくともこういう面を、約六百人くらいはよけいに暫定定数の中に加えていきたいというようなことを考えているわけでございます。したがって、まあ御趣旨のとおりに考えましても、その限度というものは一応あろうかと思いますが、まあいろいろな点から総合いたしまして、そういうふうにできる限り尊重するという精神には変わりないと考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/22
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023・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 結論的に言いますと、基本的態度としては実員実額制のかまえをくずしていないで指導していくのだと、こういうふうに理解してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/23
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024・福田繁
○政府委員(福田繁君) そうおとりになるとまた窮屈になると思いますので、その点は私どもはそうでなく、具体的に各県の現状を見ながら定数法を上回る過員についてはできる限り救済していく、また予算措置も講じていく、また同時にその裏打ちの交付税もつけていく、こういうような考え方でおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/24
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025・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 委員会以外の経緯はこういうところで言うべきことではないから申し上げませんが、大臣の答えた各都道府県の決定した定数法をできるだけ尊重していくというのは、何と申しますか、一番簡単なことばで言うと、実員実額制を尊重しますということなんです。別に、大臣が答えたのですから、あなたが無理に窮屈がらぬでもいいじゃないですか、かまえとしては。窮屈になるという答弁はちょっと気になりますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/25
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026・福田繁
○政府委員(福田繁君) まあ大臣も私のような考え方でお答え申し上げたのじゃないかと思っておりますが、できる限り私ども大臣の答えました趣旨に従って善処したいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/26
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027・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 その大臣の答弁の趣旨というのは、都道府県が決定した定数を尊重していくということは、裏返せば実員実額制でしょう。だから、その基本的なかまえで行政指導が行なわれているのだ。これは別に、何というか、言質をとるとか、窮屈なということではなくて、当然、現行の義務教育費国庫負担法、政令、その他新しく加わった本委員会の決議、大臣答弁等から、すなおに実員実額のかまえで三十九年の定数編成は基本的には行なわれるのだ、これが一番すなおな答え方じゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/27
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028・福田繁
○政府委員(福田繁君) あまり申し上げないつもりでおったのでございますが、大臣必ずしも実員実額ということで申し上げたのじゃないと思っております。私どもはできる限り各都道府県の実情を見て、定数については各県の事情を尊重していく、こういうかまえでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/28
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029・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 必ずしも大臣がそういう趣旨で答えたのではないということは、都道府県が決定した定数というのは実員のことですね。それは定数基準以下の場合もあります。以下の場合も現にある。それから以上の場合もある。だから、必ずしもそのことが四十九を破って四十八になったり、四十五になったりをよう意味しないし、逆に悪い場合をいうと、五十の場合も過去にもあります。三十九年度どれだけそれが残るかわかりませんが、しかし、画一的な定数基準というのは、あくまで標準法だから、義務教育費国庫負担法、現行政令の定めるところに従って都道府県の決定した実員をそれだけ負担していきますということですから、必ずしも実員実額を尊重するということではないといえば、それじゃ灘尾さん、あなたが言った都道府県が決定した定数を尊重するということはどういうことなんだ、こういうことになりますよ。実員実額制度と言い切ってしまえば、あなたもなかなか答えに窮屈になるでしょうが、少なくとも大臣答弁は、すなおに解して都道府県が決定した定数、すなわち実員をそのとおり給与で負担していくということだから実額、それを少なくとも尊重していきます、こういうことでしょう。そういう趣旨でないと、あなたの答弁が一貫しないじゃないですか。制度であると言い切ってしまえばあなたが窮屈に感ずるでしょうが、そういう、いま私が言ったようなことを尊重して三十九年度の定数編成を指導しております。こういうことじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/29
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030・福田繁
○政府委員(福田繁君) 現行法で考えますと、三十九年度の暫定定数を比較しました場合に、現行法を上回っている過員があるわけですから、各県ではその過員をどうするかということも一つの大きな問題でございます。そういった意味で、かりに一〇〇%じゃなくても、そのうちの大部分を暫定定数の中に入れるということによって、その限度においてはこれは実員という意味だということにはなろうと思うのです。そういう意味においては私は尊重するということは申し上げたのでございますが、豊瀬先生のおっしゃる、何か少し違いはしないかというような、私は質問の御趣旨がわからないものですから、そう感じたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/30
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031・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 過員か不足員か、両方の場合がありますね。過員の場合もあれば基準以下の場合もある。まあ部分的な問題でしょうが。とにかく大臣答弁の趣旨は、「都道府県が決定した定数」とはっきり大臣は言ったんですから、少なかろうが多かろうが、都道府県がきめた定数、すなわち実数を尊重していきます、実にすなおじゃないですか。私は別に腹に一物あるわけじゃないですよ。それがそのとおり答えると窮屈だとあなたが答弁すると、大臣が何か腹に一物持って委員会でごまかしの答弁したのかなと、こういうことになってきますよ。附帯決議を受けて、附帯決議について大臣が答弁したのですから、文字どおり解釈して、都道府県が決定した実数を、実員を尊重して編成していきます、これが大臣答弁ですから、あなたもその意を受けて具体的な行政指導を行なっておる、これが一番すなおなあなたがたの態度として私ども理解すべきことじゃないですか。そこにこだわりがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/31
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032・福田繁
○政府委員(福田繁君) 先ほど申し上げましたように、各県にはいろいろな事情がございます。それぞれ違った事情を持っておって、特殊な事情によって考えなきゃならぬ県もございますから、そういったところをかかえておりますので、全部一様に各県できめたものを全部尊重するというわけにはまいらないと思いますけれども、できる限り各県のきめる定数については私どもは尊重していきたい、こういうふうに先ほど申し上げた方針は変わりはないわけでござます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/32
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033・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 まあいいでしょう。それはですね、特に各県の実情があるというのは、たとえば事務、養護についても基準どおりいっていないところがあるし、そういうむしろ定数基準に到達していない問題について、あなたが方そのとおりはいきませんぞと、もう少し増員しなさいということなら非常によくわかる。あなたたちが配付した暫定定数算定方式というのがありますな。それによって先ほど説明のように、三十八年度旧法定数に最低保証率として九八・五を掛けてみたり、九七・五を掛けてみたりするということは、こういう係数を出して指導するということは、少なくとも大臣の答弁した都道府県が決定した定数をできるだけ尊重していきますということにはならないのです。ある県についてはその県の財政事情、あるいは教員構成の中から事務職員が基準よりも三倍もふくれておる。逆に養護のほうは半数以下である。これについては、それは事務職員を押えて養護をふやしなさいと、こういう具体的な、その際には少なくとも養護教諭は現行の何十%ふやしたほうが至当ではないですか。第二年目は六〇%、第三年目は一〇〇%になるような、こういうパーセンテージをあげての指導ならまあ行政指導としては私ども首肯できないではない。ところが、十二月からあなたのところは小学校については旧法の九八・五だけは認める、中学校では九七・五ですよと、こういうことですね。一見、過員整理の方程式的な指導をした。特に養護教諭、事務職員についても現員超過の県については一つのややこしい方程式を出しておる。そのために、たとえば静岡県では、さきの大臣の増員計画によれば養護のごときは二百数十名増員できるのが、文部省が出した暫定定数の算定方式によったために百人ちょっとに減少されている、半数に減じておる。こういう方程式を出して定数の編成を指導したということは、灘尾文部大臣が十二月十七日、本国会で尊重しますと言った趣旨とほ少なくとも矛盾をしておる。もう少しやさしく言えば、とり方によってはひどいという言い方になりますが、無視した指導方針である、こう言えませんか。どうその関係をあなた方は解釈して——この算定方式というのは都道府県に指導しておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/33
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034・福田繁
○政府委員(福田繁君) 私どもは必ずしもそういう工合に考えてないのでございます。御承知のように、従来、交付税の算定基礎になります定数は、これは理論的な計算方式によりまして一定のワクをきめるわけでございます。したがって、そのワクをきめられた範囲においてこの交付税は交付団体に対して交付される、こういうようなことになるわけでございますが、今後のこの改正法によりまして考える場合に、いままでの定数法はこれは御破算になるわけでございますから、暫定定数であっても、もう交付税の算定基礎になる定数というものを一応考えなければ成立しないわけです。そういった意味で、いままで過員については交付税は対象にいたしておりませんでしたけれども、今回の定数法の改正によりまして、いままで過員であったものについても暫定定数に組み込まれたものについては、これは交付税の対象にすると、こういうような方針になりましたので、したがって、これをいつまでも過員をそのままかかえておるということも、これは定数としては困るわけでありますから、無理な整理が起きないように、まあ五年間に徐々に、これをいろいろな配置基準ともにらみ合わせながら解消していくという考え方をとりますと、若干、五分の一とか、そういうものを一応三十九年度は減らした過員を暫定定数の中に組み込む、そういうことによって一応のこの基礎を作るわけでございます。そういうことでございますから、決して都道府県の現状を無視したり、あるいは実情、あるいは都道府県がこれから組もうとする定数を尊重しないということじゃなくして、大部分はそういう現在の実情なり、あるいは今後、都道府県が条例によって組む定数については尊重していくという態度をとるわけでございます。そういう考え方で現在やっておりますので、いささか御質問の趣旨にはずれるかもしれませんけれども、私どもとしてはそういう方向で処理をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/34
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035・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 福田さんは、コーランと劔を一緒に持ってやるような人じゃないと思って信用しておったのですが、なるほど交付税の算定はそうですよ。しかし実際に、荒木大臣以来、生徒減に伴う定数について基本的に、繰り返しになりますが、こういうことを言っているのですよ。まあ一学級が二十人がよろしいか、三十人がよろしいかは、教育学的にいろいろ論議のあるところでしょう。国際レベルも判断しなければなりません。しかし四十五とか、四十というのが、決して過小な学級編制でないということは私も心得ています。したがって、文部省の定めている定数基準よりも下回って、それだけ苦労して、努力していただいていることについては、感謝こそすれ、とやかく言う意思はない、政府の努力によって、次第に五十を四十五、あるいは四十まで切り下げていかなければならないと思っているけれども、予算上、年次計画を立てて、逐次四十五程度には持っていきたいと思っている、こういう考え方を述べているのですね。このことは、ひとつは四十五の新たにできた定数基準というのが理想的なあり方でないということを明確に述べたことがひとつ。それから、したがって、その教育的な観点に立って、国としてはそれまで定数基準を下げてはいかれないけれども、都道府県の努力によって、好ましい一学級の編制基準によって教員が配置されていくことは感謝をしていきたい。交付税の算定基礎には、定数基準等を中心として算定していかれようとしている、かまえとしては、それを尊重してよくやって下さった、こういうかまえでいきたい、こういうことできているし、灘尾さんはあまり本委員会で答弁をしたことはないから、どういう考えを持っているか知りませんけれども、少なくとも委員長の提案された附帯決議の決定によって、大臣は都道府県が決定した定数を尊重していく、こう言っているんですよ。その中で、たとえば福岡県に六百の過員がある。その過員を五カ年間のうちに解消しなさい。解消の基準はこれですよ。自然退職をこのくらい見積もれませんか。中学校から高等学校への異動はこのくらいできませんか。これは基本的なかまえとしては、私は荒木大臣以来、生徒減に伴う定数編成についてのかまえとしては、行政指導が明確に逸脱をしていると言っておる。今回できたのは四十九です。なるほど、しかし少なくとも荒木、灘尾と続いた大臣のかまえは、それは暫定であって好ましいあり方ではない。それ以上の教員を配当したところは感謝をしている。尊重していきたいというかまえです。だから、六百余っておる、九百余っておるとすれば、それは余っておるのではない、過員という用語そのものが不適当だ。よりいい編制を行なっている感謝すべき都道府県ですよ、荒木大臣のことばを借りれば、したがって、五年後に四十五になるのではなくて、五年以前に四十五に到達すれば、それは尊重していく。少なくとも荒木大臣は、それ以上のことを趣旨としては言ったと思うのです。けれども灘尾大臣は、四十五を適当とする定数標準と附帯決議がなっていますから、四十五に、この定数法によれば五年間かかるとも、三年間かかるとも書いてないのだから、昭和三十九年度に四十五の編制をしたところは尊重していきます。二年間でそこまで到達したところは尊重していきます。これがかまえでなければならぬでしょう。ただ、そう理想どおりはいかない各県の実情があるから、そのことによって各県の決定したものについて相談をし、尊重するかまえの中でいろいろ指導していく、たとえば養護の増員が足らぬじゃないですか、事務職員は昨年二千名の増員だったのに二、三百しかふえていない。あなたの県は三百ふやす必要がありますよ、こういう指導は当然あなた方の国会の決議尊重、文部大臣答弁の線を順守していく態度でしょう。しかし、あなたのところは過員だから、初年度二百人程度整理をしなさい、方法は年寄りをやめさせる方法もいろいろあるでしょう。これは、少なくとも都道府県が決定した定数の尊重ということには、即そのまま尊重していく態度でなくして、若干それを逸脱した行政指導である、私はこう判断するのですが、福田さんそうじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/35
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036・福田繁
○政府委員(福田繁君) なるほど、おっしゃるように、学級の教育効果を高める上から申しますと、一学級の編制は少ないほうがいいということはわかりますけれども、この定数法の運用自体におきましては、これは私どもはやはり教育効果の面と、もう一面、財政問題あるいは国庫負担の問題といろいろ関連が出てくるわけでございます。したがって、この定数法の改正によりまして今後四十四人にするという方針を決定し、しかもそれを毎年、学級一人ずつ逓減していくというやり方をとろうということをきめたわけでございますから、したがって、教育効果のみから申しますと、おっしゃるようなことも言えると思いますが、その間のいろいろな関連した問題を考えますと、私どもとしては全般的に申しますならば、一学級の編制を一人ずつ編制がえをしていって減らしていく、そういう方向でこれを運用していきたいということは当然私どもとしては責任がございますので、そうやりたいと考えるのでございます。まあ、御質問の趣旨には沿わないかもしれませんが、今後いろいろ運用上の問題が出てまいりました際には、実情に応じてできる限り考慮を払ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/36
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037・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 一名ずつ減らせという政令をきめたんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/37
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038・福田繁
○政府委員(福田繁君) まだ政令は公布いたしておりません。しかしながら、この三十九年度の予算編成の際におきまして、そういう方針で予算編成が行なわれておりますから、私どもとしてはその方針を実施したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/38
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039・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 聞き方によっては政令は出さないでも一名ずつ減らしていくということは予算でしばればできるんだと、こういう答弁のようですが、今後もそうしていくつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/39
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040・福田繁
○政府委員(福田繁君) 政令は出す予定にいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/40
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041・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 荒木大臣が去った後ですから、荒木さんの言ったことは夢物語ですよと、事務者のあなた方が前の大臣をあざ笑われることは文部省内の問題としては私どもはかまいませんけれども、国会で大臣がきちんと答弁したことをくつがえしていかれるということになると問題がありますが、これは大臣がこの席上に来たときの質問に残しておきます。
次に、問題を進めます。先ほどから触れております養護、事務の充足状況ですが、前、何国会でしたか忘れましたが、文部省の充足計画に基づいて昭和三十八年度の事務、養護の増員の調べを一度出さしたことがあるんですが、現在、各県で定数編成が行なわれておる段階で、少なくとも昭和三十七年三月三十一日の本委員会の附帯決議並びにこれに対する大臣の、異例の文書による所信表明というものは現在適切な指導が行なわれておると思うんです。そこで、あの調査の後は五月一日現在の調査資料が本委員会に配付されたのですが、現段階に立って、三十九年度事務、養護の充足のために三十八年度充足の実績を押えてあれば、その数値を総数で出して下さい。総数でいいですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/41
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042・福田繁
○政府委員(福田繁君) この前——この前と申しましても、昨年でございますが、一応、中間段階で御報告を申し上げたように記憶いたしておりますが、いまわかっております数を申し上げますと、昨年度に比較いたしまして、養護教員で三百五十人、事務職員で五百三十人現実に増員になっておるようでございます。なお、三十九年度の定数と関連いたしまして、詳細な数が確定いたしましたならばまた御報告を申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/42
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043・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 当時の局長のことですから、いきさつについては申し上げませんが、三十八年度の二千名程度の増員計画によらないと六千名の増員ができないわけですが、二千マイナス養護の場合の三百五十ですね、これは三十九年度の七百五十とプラスしてどういう指導を行なっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/43
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044・福田繁
○政府委員(福田繁君) 旧法のもとにおきましては、御承知のように、養護教諭、事務職員の定数は一応予算上は計上いたしますけれども、実際各都道府県では養護教諭、事務職員を置くよりも一般教員を置きたいというので、これに多く流用いたしたわけであります。そういった事情から、実際問題は、特定の県を除いては充足しなかったというのが大きな原因であったと思います。したがいまして、今度の改正法のもとにおきましては、先ほど申し上げましたように、これは別ワクにいたして校長、教員のワクにこれを算入しないで、それに流用できないようにいたしておりますので、その点を各都道府県には十分説明をいたしまして、先ほど申し上げました生徒何人当たりに一人、それから事務職員については十二学級当たりに一人というような、そういう配置基準にいたし、それを充実するようにという指導をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/44
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045・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 そうしますと、昭和三十七年三月三十一日の、表面的に言えば大臣答弁ですね、あの充足計画は新しい定数法ができたからほごにしました、こういうことですな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/45
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046・福田繁
○政府委員(福田繁君) そういうのではなくして、この前、荒木大臣がここで言明いたしました養護教諭五千人増、それから事務職員についても約六千人の増員をはかるという計画は、この今度の標準法の計画の中に私どもとしては織り込んでやっておるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/46
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047・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 織り込まれ、しかも、あなたが私の質問に対して答えたとおり、ワク外にしたということは一歩前進の措置だと考えておるのですが、形においてはワク外という中で織り込まれた、実質は昭和四十三廣まで見通した充足計画ですから、あれは生かされていかなければならないと思っておるのですが、それは数字としては事務職員の配置される、あるいは養護の配置される数字としては、実質今度の新定数法によって生きていくと、こう判断してよろしいでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/47
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048・福田繁
○政府委員(福田繁君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/48
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049・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 だから養護については初年度二千人、それから大体七百五十程度、これは一つの目安ですから、その数字にはなはだ強くこだわるものじゃありません。しかし、初年度の二千人というのが三百五十人しか増員できなかったというのは、これは数字にこだわるこだわらないの問題じゃなくして、養護の充足事務もそのとおりですが、非常に困難だということを物語っておりますね、このままで三十九年が推移されると、あの充足計画というのは一片のほごになる。学校教育法二十八条のただし書き撤回並びに附則百三条の削除を要望して、私どもが自民党の皆さんの協力を得て、大臣からこういう回答をいただいたあの経過というのは意味なきものとなってくる、そういう意味で私はほごになるのですかと、こう言ったんです。問題は三十九年度に、二千分の三百五十という、三十八年度実績を踏まえて、どういう指導を行なっていますかということ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/49
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050・福田繁
○政府委員(福田繁君) 先ほど申し上げましたように、養護教諭につきましては小学校児童九百人について一人であります。それから中学校の場合は千二百人について一人の割合、そういう一応の基準を示しましてやっておりますが、事務職員につきましては小学校については十二学級について一人、中学校については九学級について一人という割合で、これについては定数法の改正に関連いたしまして、事務職員は、特にその資格の改正をいたしまして、従来は短大卒でなければ採用できないというような制約がありましたので、事務職員については、なかなか人を得がたいという事情もございましたので、今度は、高等学校を卒業いたしまして若干の経験があれば、事務職員に採用できるというような新しい、前向きの改正をいたしましたので、三十九年度は、ある程度事務職員も増加するのではないか、また養護教諭については、将来の養成計画もさることでございますが、現実になかなか人を得がたいというのが、また一面困難な事情になっておりますので、できる限り現在の状態において、各府県が、その定員を他に流用しないで、そのものに、これを置いていくというような方針でやってもらいたいということを指導いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/50
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051・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 私は、人間関係というものは、こういう約束をしてくれるかといったものだが、その約束にこだわったり、実現できるだろうかと実現に努力するのではなくて、よし、その約束は引き受けましたといったほうが、その約束の実施については、全責任を持つべきだと考えているんですがね。私の質問に対するあなたの答弁を聞いてみるというと、どうしますかと聞いたほうが、一生懸命心配するのに、こうしますといったほうが……。大体計数だけははじいていますからふえるはずですがね、ふえないのは、事務職員、養護教諭になり手がないのでしょうと、左うちわのような御答弁ですね。そういう考え方があったからこそ国会で二度も三度も、約束どおり二千名を増員できますか、市町村採用どうなっていますかと質問するけれども、一向に三百五十程度にしかふえなかったことがあるじゃないですか。なるほど岩間課長は内簡まで出して、地方指導をしてくれましたし、いろいろ主管課長会議でも、事務、養護の増員については、たびたび指導があったことは、三十八年度については承知しています。しかし、それでもなお、三十八年度は五分の一も充足できなかったということは、よほどの事態だと考えざるを得ない。
しかも、その充足計画というのは、学校教育法二十八条のただし書き、百三条の撤廃という養護、事務職員は必置すべきであるという法律の建前が、ただし書きや附則によって阻害されておる。しかも十年以上にわたって、十数年にわたって、それができない理由というのは、明確には存在しなくなっている。ただ、あるものは政府の予算が組まれないということだけになっている。こういうことを踏まれて二十八条の法改正、百三条の撤廃等についても、政府みずからが四十三年以降は検討していきますと、こういっているのですね。こういう学校教育法改正を含んだ大臣の答弁が二千分の三百五十という事態になっておって、新定数法でワク外で九百五十人に一名、九学級に一名と組みましたから、これで大体充足できる予定ですと、これは少し無責任過ぎやしませんですかね。定数基準として策定され、予算としてみられても、事務、養護の予定どおりの充足ができないだろうという不安を私は持っておる。あなたが絶対にない。前年度の未補充分と今年度の未補充分を合わせて千二百をどうするかという問題じゃないですね、新しい基準ができたから。その中に、あなたの答弁では盛られているというんですけれども、盛られているけれども、内容としては、それだけの数をふやさないと ——若干数値は違っても、三十九年度充足できない。それを充足するように定数基準あるいは予算でみたというだけでなくして、具体的にどう指導していますかと、こう聞いているんです、それを答えてくれませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/51
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052・福田繁
○政府委員(福田繁君) 先ほど申し上げましたように、一応定数はきまっておるわけでございます。したがいまして、それに対して、どう充実していくかということは、もちろんそれと並行してやらなければならないことでございます。昨年も教育長会議、主管課長会議におきましても、再々この問題を取り上げて、充実について指導いたしました。しかしながら、これは先ほど御質問の中にございましたように、やはりある程度、都道府県内の自主性というものを認めなければならないわけでございます。都道府県できめた事柄をいろいろ細部にわたって、かれこれ申し上げるのもどうかという点もあるわけでございます。しかしながら、三十九年度につきましては、昨年やりましたのと違ったやりかたをいたすわけでございますから、その点は十分御理解いただけると思います。それについて私のほうとしては、三十八年度にとりましたと同じような指導は十分やりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/52
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053・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 文部省の五月一日付の資料によりますと、基準より下回っておる県が、小学校二十六、中学三十県、事務で小学校二十五、中学校で三十五、こんなに多くの県が下回っているんですね。それで県を指摘しますと、青森県のごときは事務の場合も五九・一%ですか、北海道が六一・三%しか充足できていない、半分ちょっとというところでしょう。こういう県については、なるほどその都道府県の責任ですね。都道府県条例できちんとすればいいんでしょう、それでやってみて人がいないというんですよ、こういうように特別に取り上げて国会の決議になり、大臣がきちんと充足計画も示した問題については、都道府県の条例できめ、都道都道の努力ですよというあなたの言いかたは若干無責任ですね。それだけの気持があるんだったら、全体の定数についても、先ほど私が指摘しておりますように、福岡県が昭和三十九年度に四十五で組んだら、はあけっこうです、りっぱな県ですね、私どもも一緒になって交付税がつくように努力しましょう、こういって福岡県教育委員会と大蔵省と折衝するのが建前でしょう。そこには六百名の中の二百名くらいは御老齢の方始末しませんか、こういう指導をしている。片一方青森県の五九%程度しか充足できていないところは、都道府県の自主性の問題でございますので、指導はいたしておりますけれども、ふえない県は無能力なんですよ。そういうところに行政指導の一貫性がないというよりも、あなた方のかまえについて、基本的に私は矛盾があると思うんですよ、間違っている。
そこで、その議論を長々とやっておってもあれですから、これはあらためて大臣が来たとき質問するとして、具体的な問題にいきますが、まず養護の場合は、市町村採用が三十八年度で大体あのときの調査では三千何百名かいましたね、これが三十八年度でどのくらい採用できるのでありますか、切りかえが。三千八百七十二か……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/53
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054・福田繁
○政府委員(福田繁君) 市町村負担の職員から採用したのが、現在わかっておりますのは九十二名でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/54
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055・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 そういうところにも、やはり当時の答弁と非常に食い違いがあるでしょう。一つは資格の問題もあるでしょう。しかし初年度の二千名増員という一つの目安は、五カ年間の割り振りの問題と同時に、三千八百七十二名の市町村採用の中の有資格者を優先採用する、それからしかるべき指導によって資格をとらせて逐次採用していく、こういう決意で、千数百は——千七百くらいですか、初年度の採用できる予定は、あのときの答弁では。三千八百七十二名のうちに、その中で九十二名しか、四千近い人数の中で採用できていないでしょう。これはやはり県がぼやっとしておったから、文部省のあずかり知らぬところだ、こういう逃げ方をするのですか。市町村採用が当初計画どおり県費負担に切りかえられなかった大きな理由は、どこにあると見ていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/55
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056・福田繁
○政府委員(福田繁君) もちろん市町村負担の職員の中に、有資格者は全部じゃなくて、割合少ないようでございますが、先ほど申し上げましたように、当初計画の際に約二千人の定数をもちまして、それを充実しようという意図は、一つには現在の市町村負担の職員をできる限り有資格者は優先的にこれに切りかえるという考えでおったわけでございます。これは申し上げたとおりでございます。
ところが、先ほど申し上げましたように、やはり一番大きな原因は、各都道府県では、事務職員、養護教諭の定数については、やはり一般教員を優先するという考え方で、ほとんどこれを充当してしまったというのが、各県の実情のようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/56
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057・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 そういう実情を踏まえておるから、あなた方の指導をやりなさいということをたびたび言いましたね、委員会で。そうして、やっていきますと養成課長も答えましたし、たぶんそういうことができる見通しですと、こう言ったでしょう。たとえば、青森を例にあげてみましょうか、小、中合わせて七十二人不足しておるのです、文部省の五月一日の指定統計によると。ところが市町村費負担のものが七十六人おるのです。この青森を私が指摘しておるのは、先ほど言ったように、ちょっと私の見たところでは、青森県は、島根の二五%とか、こういうのはお話にならぬですが、徳島の三五%ですね、こういうところもあるのですが、一応青森の先ほど例をあげましたから……。充足率が悪いのですね、青森は。全国的に見まして、ほかにも島根の二五とか徳島の三五とか、悪いところはあるのですが、幸いにちょうど市町村費負担のものが、それに該当する数おるのですよ、七十六名と。こういう充足率の悪い県で市町村採用、負担のものがおるところ、こういうところについては、個別指導が行なわるべきであるという意見を申し上げたし、あなた方は、それをやっていくという答弁なさった。ほかに幾つも県の例をあげればいいのですが、たとえば青森について言えなければ、充足度の悪い島根には、もっと悪かったから、こうしました。市町村採用のものを負担するように、あるいは市町村費負担のものが資格をとるためには、どうしたらよろしいか、そういう指導が行なわれたけれども——結局、行なったかどうかをまずお聞きします。そうしてその後に、答弁に、そうしたのだけれど、県が予算として組まなかったなら組まなかった、こういうものを、県をあげて指摘して下さい。これから先、私どもが当該県に行って、文部省がこういう指導をしたそうだけれども、あなたの県は、養護の充足については、こんな不まじめな態度だったとかいう話し合いについては、また別の角度で申し上げるからよろしい。どこでもよろしい、充足の悪い県をどう指導したか、これに対して、県がどういう措置をしたかを、はっきり答弁して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/57
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058・福田繁
○政府委員(福田繁君) 私は一般的に、各県全体について、先ほど来申し上げましたような指導をやってまいりました。あるいは個々の県につきましては、課長以下の段階において相談に参った県については、相当指導いたしたはずでございます。しかしながら、いまここで、その県の名前をあげることは困難でございますので、差し控えたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/58
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059・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 あなたはそうですが——岩間君来ておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/59
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060・福田繁
○政府委員(福田繁君) 来ていません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/60
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061・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 課長補佐は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/61
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062・中野文門
○委員長(中野文門君) 佐藤財務課長補佐が来ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/62
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063・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 あなたに尋ねますが、いまの局長に対することの答弁と同時に、三十八年三月二十二日、これは岩間課長と私が相談して出してもらった書類ですが、御承知ですね、養護、事務職員の充足について、これは各県に対するどういう措置をやったか、それを答えて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/63
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064・佐藤三樹太郎
○説明員(佐藤三樹太郎君) 去る一月の課長会談、それから保健体育課長会議にも私が特に出まして、個々の府県をつかまえては申し上げませんけれども、全般的に必ず充足していただくように指導しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/64
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065・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 福田さん、余ったところはあんたのところは六百じゃ多過ぎるから、適当に始末をしなさいと個別指導をやり、足らぬところは個々のケースについては存知いたしませんと、課長がやったのでしょうと。課長補佐に聞いて見ると、大臣と同じように、全般的な指導をいたしましたけれども、何もやっておりませんと。——少し行政のピントが狂ってやしませんか。あなたがやらなかったという答弁は、岩間課長も、そういう指導を行なっていないということに理解してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/65
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066・佐藤三樹太郎
○説明員(佐藤三樹太郎君) 私がいまお答えしましたのは、公式の席上、あるいは公式の会議等で申し上げる際は、個々の県については、そういう指導はいたしませんが、個々の県が私どもの部屋に来まして相談をされる際には、先生の御趣旨のようなお話は何べんもいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/66
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067・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 手の要る答弁をしないでください。公式の、どの会議の席上でどうしたかというのじゃなくて、どういう指導したかということで、四十数人を並べて、青森県の課長出なさい、お前のところは五九%、そういう指導をしているのじゃなくて、先ほど青森指摘したのですが、個々には指導しているというから尋ねますが、青森県の市町村費負担のうちに、七十六人のうちに、有資格者は何人くらいで、それがどのくらい採用されましたか。青森県で答えられなければ、市町村費負担のものが多数おるところで、充足率の悪いところで、有資格者はどれだけおって、三十八年度にどれだけ採用するように指導したか、県名をあげて答えなさい。あなたでよろしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/67
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068・佐藤三樹太郎
○説明員(佐藤三樹太郎君) ただいま資料を持っておりませんので、個々の県について的確なお答えはできません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/68
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069・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 そういうのは、紙に書いてちゃんとおいておるですか。何々県に何月何日、養護充足について、こういう指導をしたというのは、ただいま資料を持ち合わせませんと言っておるが、文部省に当該県が相談に来る、あるいは私の考えでは、当然このことに対してはたびたび本委員会で、努力しなさい、市町村採用は有資格者が全部吸収できるように努力しますと、こう答えておるのだから、必要があれば呼んで、あるいは出かけていって、各県について指導が当然行なわれておると思っておるのに、それをあなたが、ただいま知りませんと言うのは、事務、養護をあわせて二、三十県の県が未充足なんですよ。それを何も答えられませんというのは、あなたがやっていないということじゃないかな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/69
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070・佐藤三樹太郎
○説明員(佐藤三樹太郎君) 何もお答えできないということじゃなくて、的確に定数的に、あるいは個々の県についてこれこれでしたということを、この席上で申し上げるだけの資料をここにいま持ち合わせておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/70
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071・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 記憶もないということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/71
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072・佐藤三樹太郎
○説明員(佐藤三樹太郎君) 記憶はございます。ありますけれども、ここで的確にお答えできるだけの用意は、いまできておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/72
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073・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 大体、どの県あたりに養護の問題については重点を置いて指導しましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/73
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074・佐藤三樹太郎
○説明員(佐藤三樹太郎君) きわめて最近の例でございますと、島根県の課長が参りましたときに、島根県の養護教諭の充足の問題について話し合いをいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/74
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075・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 島根県は、つい最近のことでしたから、私が数字をあげなくても、あなたのほうが詳しいでしょう。これは文部省の資料ですからね。三十八年度の養護については、どういうことになりましたか。また、あなたの指導内容は、どういうことでしたか。あるいは向こうの持ってきたあなたに対する話というのは、どういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/75
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076・佐藤三樹太郎
○説明員(佐藤三樹太郎君) 三十八年度当初に入ります前の指導なり話というものにつきましては、ただいまここで的確にお伝えできませんが、最近参りましたのは、今度の新法について暫定定数を設けた場合に、島根県はどういうふうにやるか、あるいはどういう実情になっておるかという事情を聴取しましたし、いろいろこちらの希望を申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/76
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077・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 これは最初から、あなたじゃだめだ、課長を呼びなさいと言っておるのだけれども、他の会議へ行って課長は来られぬというから、あなたに対する質問はやめます。私の質問は、事務、養護についてだけ言っておるのですよ。あなたの答弁は、何ですか、聞き違えたのですか。それとも、わざととぼけて答弁しておるのですか。島根県の充足率が悪いというのは、事務、養護のことなんですよ。それについて、どういう指導をしたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/77
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078・佐藤三樹太郎
○説明員(佐藤三樹太郎君) ですから。ただいまもお答えしましたように、最近、課長会議に来ましたときに、特にまた島根県の課長と養護教諭、事務職員について、島根県はどういう事情にあって、今後この暫定定数について、新しくどういうふうに充足するのかと、いろいろ事情を聞きましたし、こちらも、ぜひ充足していただくように希望を述べました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/78
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079・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 同じことを二度答えたって意味がないでしょう。ぼくが聞いておるのは、つい最近に、たとえば事務職員と養護については基準にどれだけ不足しておるか、あなたわかっておるはずだ、あなたのところの出した資料だから。それについて、三十八年度については二千名の中で、もし二千名を基準どおり割り当てていくとすると、島根県については何百人の増員が必要である、このことも数字としては出ている。その中で市町村の有資格者は何名おるということも出ている。それをどういうふうに指導したか。二百人足らぬから二百人三十九年度で一気に埋めなさいという指導をしたのか。それは人を得るためにもむずかしかろう。また、島根県の課長が、私の県では有資格者で雇えるものは、このくらいしかおりません。だから、この程度の増員しかできません、それはやむを得ぬだろうけれども、四十年度にはもっと人を確保するように努力しなさい、こういう指導をやりなさい、やりますと言ってきているんでしょうが。それをどうしたかと聞いているんですよ。先ほどと同じような答弁をするんならやめなさい。私がいま聞いたような内容で答弁できるなら答弁しなさい。あなた政府委員じゃないから、あなたの答弁の間違いについては追及せぬから、私の求めるものが答えられなければ答えなさんな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/79
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080・佐藤三樹太郎
○説明員(佐藤三樹太郎君) 計数的に的確にここで申し上げられませんけれども、いま先生がお話になったようなことを内容としてお話しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/80
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081・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 福田さんに聞きますが、養護の場合は、資格者が少ないということも充足できない一つの理由であると私は思うが、それを認められるかどうか。事務職員については、先ほどのあなたの答弁のように定数法を改正して、市町村の給与負担法を改正して、何というか、格を下げたといいますか、準用のものを採用できるようにした。これで事務職員の場合は人を得られる。ただ各県が、どう努力するかは、後に残る問題であるけれども、人は得ることができる。養護の場合は、予算措置をしても人を確保することができないと私は判断するが、その判断が同じかどうか。そう判断するならば、それは結局有資格者の不足ということが、一つの大きな理由になっておる。どう思っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/81
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082・福田繁
○政府委員(福田繁君) 養護教諭につきましては、もちろんその絶対数がある程度ふえませんと困るわけでございます。したがって、教職員養成課のほうでは、御承知のように昨年から養護教諭の養成を計画的にはかってまいっておりますが、そのほかに現在の養護教諭を採用できないと申しますのは、もちろん資格の問題も一つの原因でございますが、もう一つの問題は、年齢等の関係もございまして、転任が非常に困難だという場合も相当あるように聞いております。そういった個々の個人的な事情も、非常にその県が採用する場合におきまして障害になっておるということでございます。
したがいまして、私は根本的には、いまおっしゃいましたことと同じ考えでございますが、やはり養成について計画的に、今後数年間はできる限りたくさん養成するということが必要であろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/82
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083・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 その年齢等と言われたのですが、高齢であるために異動ができないのが、確保の困難な理由だというふうに受け取れたのですが、そういう答弁ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/83
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084・福田繁
○政府委員(福田繁君) やはり若い方ならば、割合に動きやすいわけでありますが、勤務地等の条件がなかなか御希望に合わないということがあるわけであります。県としては、やはり採用するからには、現在ないところに持っていきたいということは当然でございます。そういう関係から、現在の配置そのままで採用できない場合がございます。そういう転勤ができないという事情で、やはり正式の採用ができないというケースが相当あるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/84
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085・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 十二時に終わる予定でしたので、ちょっと過ぎておりますが、なるべく早く質問しますので、答えも簡潔にお願いいたします。
局長の把握が間違っていやしませんか。というのは、ほとんどの県が、基準を下回っておる。そして一校県費負担の養護教諭が二名おるというところは、私の知っておる限りではいないわけです。養護が二名おる、そうすると、それをほかのところへ持っていくために、高年齢だからじゃまになるということじゃなしに、私が把握しておる問題は、高年齢者の採用を県教委がストップしておるから、有資格者がおっても、三十幾つになると、あなたはもう俸給が高いからだめですよ、こういって採用しないから確保ができない。これを私は言っておる。うちの県でも、そういう傾向がある、福岡県ですが。県教委は、そういう考え方を持っております。だから、このことは、学校に必要な養護教諭を確保することの障害になっております。しかし、高年齢で異動をきらうために充足に支障を来たしておるというのは、それはちょっと把握が間違っていますね。
そこで村山審議官にお尋ねしますが、三十七年度、三十八年度で、新たに一年制の養成所を作りましたね。これで見ますと、これまた、あなたのところの資料ですが、一養成所に三十人でしょう。それなのに応募した者が、多いところもあれば少ないところもあるのですが、生徒数が総数百五十人の収容に対して九十と三十七年度出ておりますね。すなわちその百五十に対する九十という数字が、その後若干異動しているかどうかは別問題として、私が言いたいのは、養成所を作ったけれども、第一に養成所に収容する生徒数が少ない。第二には入る生徒も少ない。こういう現状ですね。それは認めますか。今の数字は、文部省の出した資料です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/85
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086・村山松雄
○説明員(村山松雄君) 国立の一年課程の養護教諭の養成課程は、三十七年度までは五つでございました。三十八年度から三つふやしまして八つになりました。したがいまして、三十七年度までは在学者数も少なかったわけでございます。三十八年の募集状況を申し上げますと、八カ所で二百四十名募集いたしました。応募者が二百九十四名ございまして、結局合格いたしました者が二百十六人、やや定員を下回っております。特に山形大学は、これが少なかったわけでございます。これにつきましては、高等学校に対する周知徹底の不十分、あるいはこれは看護婦有資格者を対象にして募集いたしましたものですから、なかなか志願状況が把握できなかったという問題もございますが、これから極力募集のPRにつとめまして、少なくとも予定した定員は確保いたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/86
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087・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 福田局長に尋ねますが、小、中学校の分校を除く、いわゆる本校だけですね。これに一名養護教諭を配置するとすると、あとおおよそ二万なんぼか足らないわけですが、三万くらい足らないのじゃないかと思いますが、大まかな数字をわかっておったら言って下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/87
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088・福田繁
○政府委員(福田繁君) ただいま数字を持ち合わせておりませんが、約二万と思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/88
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089・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 文部省の指定統計では、小中あるいは高等学校まで合わせて三万六千なんぼの学校数がありますね、その中で養護教諭が、昨年の五月一日付の資料によりますと七千なんぼじゃなかったか、五月一日の指定統計では。数字が合いませんな、万ぐらい合わないのじゃないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/89
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090・佐藤三樹太郎
○説明員(佐藤三樹太郎君) 私からお答えいたします。現在養護教諭の実数は約一万でございます。それで学校数が小中学校の本校だけでございますと三万ちょっとでございますので、残り二万ということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/90
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091・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 三万六千というのは、小中高を合わせての数字ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/91
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092・佐藤三樹太郎
○説明員(佐藤三樹太郎君) 小中高と分校を合わせますと、その程度の数字になります。あるいはもっと多いかもしれません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/92
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093・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 そうすると約二万ですね。村山審議官にお尋ねいたしますが、新たに作った一年課程の養成所で養護教諭を充足し得るとは考えていないでしょうが、約二万の養護教諭が、これから必要なのに、毎年二百四人養成して、全部これが養護教諭に就職するというと、今後二万人を充足するのには何年ぐらいかかるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/93
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094・村山松雄
○説明員(村山松雄君) 直接のお答えをいたします前に、養護教諭の資格取得の状況を御説明いたしたいと思います。
現在、養護教諭の資格を取得いたします課程といたしましては、まず大学、短期大学の正規の課程の卒業者による資格取得の方法があるわけでございます。これが国立大学が七つ、公立大学が二つ、それから短期大学が四つ、計十三でございます。しかし、この正規の課程によりましたものは、養護教諭の養成だけを目的にしているものではありません。看護婦、保健婦あるいは家政学の教育といったようなものを主たる目的にして、あわせて養護教諭の資格も取得できるわけでありますので、これは養護教諭の供給源として中心的な期待をかけることは困難かと思います。それからその次が先ほども申し上げました国立の一年課程の養成所、養成課程でございまして、これは看護婦有資格者を入れまして、養護教諭の一級免許状を取得させる課程であります。これはもっぱら養護教諭の養成を目的としておりますので、指導よろしきを得れば、これは少なくとも定員は確保できるものと思っております。それから三番目は、主として県立の指定養成機関という範疇のものでございまして、これが現在約二十ほどでございます。この設置を文部省として奨励いたしておりますので、三十九年度からは、さらに十ばかりふえるわけでございまして、約三十あるいは三十一ぐらいになるかもしれません。これが千名以上の養成をしておりますが、この指定養成機関も、実は養護教諭だけを目的とするものは少のうございまして、保健婦の養成などと同時にやっておるものが多うございます。したがいまして、この指定養成機関からは、大体三分の一くらいが期待できるんじゃないか、かように考えております。現実に養護教諭の免許状取得状況を見ますと、過去数年間大体一、二級合わせまして年間千五百人くらい免許状を取得いたしております。したがいまして、これがまあ年間供給の現在の最大限、これからもっぱら養護教諭の養成を目的とする課程の振興に努めれば、これが中核になる、かように考えております。
一方、また過去の実績からしますと、養護教諭につきましては、臨時免許状の取得者が毎年七、八百名ございます。臨時免許状は、普通免許状をもって充足できない場合に発行できる建前でございますが、養護教諭につきましては、正規の資格者で必ずしも充足は十分でございません。臨時免許状が出ていると、かように推定いたしますと、助教諭も合わせますと、供給最大限が年間二千五百人程度にはなっているのではないかと思います。
それにもかかわらず、現実の採用状況は、供給可能数よりは下回っておりますけれども、これにつきましては、養護教諭の特殊性から、異動などがあまり十分でないとか、あるいは私ども、これは反省しなければなりませんけれども、養成課程の設置個所が、はたして需要とにらみ合わせて十分適切であったかどうかとか、いろいろな要素を考え合わせて、さらに策を立てなければならぬと思っております。まあ毎年二百四十名だけですと、この二万人を充足するにはたいへんな時間がかかるわけでございますが、そういう状況でございまして、極力やってまいりたい。とりあえずの目標といたしましては、五年計画五千人の充足ということを目標といたしておりますので、養成面からは、どうにか需要に対処できるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/94
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095・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 なるほど二百四十では八十何年かかるわけですが、そんな気長なことは考えていないということだけはわかって一安心したわけですが、いまあなたは、これだけははっきり言いましたね、臨免では二千五百人ぐらいが免許状を取っておる、それともう一つは県指定の……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/95
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096・村山松雄
○説明員(村山松雄君) 臨免が七、八百名、正規免が千五百名程度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/96
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097・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 各県で三十名程度の養成をしているのに、新たに十カ所ふえて千名程度になるということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/97
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098・村山松雄
○説明員(村山松雄君) ちょっと不正確でございましたが、現在が約千名程度養成しております。新たに十カ所ふえますと、何人定員でやるか詳細に存じませんが、おそらく従来の前例によりますと、一カ所二十名程度になるのではないかと思います。その分がふえるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/98
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099・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 それで三百人の養護教諭の確保——三分の一ということでしょうね——ができるのではなかろうかということですが、第一の短大等の養成、第二の専門の養護教諭の養成、これで資格は取っているのですね、ところが養護教諭にならないということでしょう。これ、三十八年度の卒業生で一、二、三について、実際に養護教諭に就職した者の数を把握していますか。北海道札幌女子教員養成所定員五十名から養護教諭就職者何名、盛岡保健婦専門学院三十名の中で、養護教諭就職者何名、昭和三十七年度分、すなわち昭和三十八廣三月末に卒業した者で養護教諭になった数、ほんとうに把握して三百と推定したんですか。質問の意味わかるでしょう、免許状を取得する機関がそれだけあるということは、これは早くから一覧表をやっておるから、よくわかっておるんですよ。それが養護教諭になってないから問題だと、こう聞いておるんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/99
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100・村山松雄
○説明員(村山松雄君) 先ほどの十三の大学、短期大学の卒業者で、養護教諭の免許状を取っておる者の数を申し上げますと、三十五年度で二百八十八名、三十六年度三百十六名、三十七年度で三百二十六名がともかく免許状を取っております。それから一方、その後の対象として、直接の就職状況調査は実はございませんが、学校教諭需給調査による新規採用養護教諭数からいたしまして、その出身別で推定いたしますと、昭和三十七年度に国立大学を卒業しました者で養護教諭になっておる者が十三名ございます。それから公私立大学で十二名、短期大学では六十名ございます。したがいまして、八十五名ほどが大学、短期大学を出まして養護教諭に昭和三十七年度において採用されておるということになります。三十七年度免許状取得者三百二十六名に対しまして八十名、約四分の一程度は、養護教諭になっております。指定養成機関よりは下回りますが、ある程度養護教諭の供給源になっているということは言えようかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/100
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101・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 いまの数字だけでも、充足ができないということはよくおわかりのようですから、次回までに昭和三十七年度、三十八年度国立一年養成課程を終了した者……、三十七年度に入ったのは、今年卒業するんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/101
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102・村山松雄
○説明員(村山松雄君) 一年でございますから、三十八年度に入りました者が、今年卒業するわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/102
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103・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 これの養護教諭、あるいはその他に志望する者の卒業後の就職希望を調査して出してください。
それから先ほど読み上げました札幌女子教育養成所以下現行の二十近い各県の養成所、あるいは県立その他の養成機関の中で、いまだ説明されたもの以外の免許状取得の機関を卒業する者の数と、それから養護教諭に実際就職した者を養成機関別に提出をお願いします。
私の推定では、いまの国立大学十三、公私立校十二、短大六十という数字が示すように、資格を取っても、養護教諭になり手がないというのが現状であろうと思います。
そこで、福田局長にお尋ねしますが、養護教諭の人不足を確保するためには、養成機関を広げていく、それに喜んで行かせる、そうして少なくともそれで養成した者は一〇〇%近く養護教諭に就職させる、これが最もかなめでなかろうかと思いますが、所見は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/103
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104・福田繁
○政府委員(福田繁君) おっしゃるとおりと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/104
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105・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 ところが、さきに設置された工業教員養成所は三カ年間で、大学ではないんですが、これには育英資金あるいは卒業後の就職の状況によっては返還免除規定がなされておる。ところが、国立の養護教員養成所については、何らの恩典がないですね。こういうところにも、まず差がある。給与の面、それから都道府県が、ある一定の年齢を越した人は、人がおっても採用しないというワクもある。三十七年三月三十一日に当委員会で自社両党が確約し、お互いが話し合いをして、大臣が文書にして回答した決議を、決定を充足していくために、そう困難でなく解消できる問題が幾つかあると思うんです。やはり私は、いま申し上げたように、養護教諭になってもらうための専門の養成機関をふやす。そしてそれには他とのバランスをとった至当の措置をする、育英資金等で。こういうことが、一つの人を得る方法である。同時に前段で追及いたしましたように、未充足の県に対しては、もっと積極的に、二十八条を改正しようという決意があるのですから、それに備えて、各都道府県が、具体的に人を入れるためには、どういう措置を講じておるかという指導がなされなければならないと思う。こういう対策を、先ほど要求した資料と同時に検討しておいていただきたいと思います。この問題については、またしかるべき時期にただしていきたいと思います。
それと、もう一つだけ、資料の点では、昭和三十八年度市町村採用三千八百七十二名ですか、これを都道府県別に、もう一度有資格者を調べていただいて、三十八年度にどれだけその有資格者の中から、県費負担に切りかえられたか、また都道府県が、その人々を三十九年度にどれだけ切りかえようとする計画を持っておるか、この資料も同時に出しておいていただきたいと思います。
私の約束の時間から、かなり過ぎましたので、これで私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/105
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106・中野文門
○委員長(中野文門君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/106
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107・中野文門
○委員長(中野文門君) 速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/107
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108・加瀬完
○加瀬完君 さっき局長が、標準法によって地方交付税の算定が変わったというお話でしたね。その変わった、変わる前と変わったあと、すなわち前と現の内容を示していただきたい。
第二は、いま問題が展開されました養護教諭と、国立あるいは私立の病院に正規の資格を持って勤めておる看護婦の実際収入比較、それから、これは前にもお願いをしたのでありますが、集まらないということでございましたが、新聞等でもだいぶ報じられておるわけでございますが、高等学校、これは公立に限ってけっこうです。高等学校の授業料の引き上げの傾向。関東近辺だけでもけっこうですから。
この三点を次回の委員会までに資料として御提出していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/108
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109・福田繁
○政府委員(福田繁君) 誤解があるといけませんから申し上げておきます。さっき交付税の算定方式が変わったというように申し上げたのではなくして、いままで交付税の対象にしなかったものを、今度の改正によって交付税の対象にするようになった、こういうように申し上げたのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/109
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110・加瀬完
○加瀬完君 質問になってしまって悪いけれども、それは何ですか、内容は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/110
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111・福田繁
○政府委員(福田繁君) これは先ほど申し上げましたように、いままでは定数法で計算をいたしまして、その上回る過員については、国庫負担の対象にはなりますけれども、交付税では対象にいたさなかったわけです、これは御承知のとおり。今回は、過員についても暫定定数に組み込んで、その分については、交付税の対象にする、こういう方針でございます。その点が変わったということを申し上げたのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/111
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112・加瀬完
○加瀬完君 そこが、私には少しまだ疑問がございますので、実際どういうように変わりましたのか、前と現の内容を文書でお示しをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/112
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113・豊瀬禎一
○豊瀬禎一君 資料要求です。その他の亡とになりますが、もう三年ばかり前に、一度各都道府県別の教員の男女別の退職年齢の資料を出していただいたことがあると思うのですが、ここ数年の傾向がわかれば、なおよろしいし、あるいは単年度しかわからなければ、なるだけ新しいもので、男女別の退職年齢ですね、特に、定年制がないから、各都道府県の条例等では定まっていないと思いますが、大体例外なく、女子は何歳、男子は何歳ということで、退職の勧奨が行なわれておるようですから、私の言っている年齢というのは、そういうものです。退職勧奨年齢といったほうが適切かと思いますが、それの一覧表を取り寄せて出してください。以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/113
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114・中野文門
○委員長(中野文門君) 豊瀬君、加瀬君から資料の御要求がありましたが、なるべくすみやかに御提出願います。
本日は、これにて散会いたします。
午後零時二十七分散会
————・————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615077X00319640204/114
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