1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年二月十九日(金曜日)
午前十時三十九分開議
出席委員
委員長 長谷川 峻君
理事 大西 正男君 理事 關谷 勝利君
理事 田邉 國男君 理事 山田 彌一君
理事 久保 三郎君 理事 肥田 次郎君
理事 矢尾喜三郎君
浦野 幸男君 小渕 恵三君
川野 芳滿君 木村 俊夫君
佐々木義武君 田澤 吉郎君
田中 彰治君 塚原 俊郎君
勝澤 芳雄君 泊谷 裕夫君
山口丈太郎君 内海 清君
出席国務大臣
運 輸 大 臣 松浦周太郎君
出席政府委員
総理府事務官
(北海道開発庁
総務監理官) 小熊 清君
運輸政務次官 大久保武雄君
運輸事務官
(大臣官房長) 堀 武夫君
運輸技官
(港湾局長) 佐藤 肇君
運輸事務官
(自動車局長) 坪井 為次君
運輸事務官
(航空局長) 栃内 一彦君
委員外の出席者
北海道開発事務
次官 谷藤 正三君
自治事務官
(財政局財政課
長) 岡田 純夫君
日本国有鉄道副
総裁 磯崎 叡君
専 門 員 小西 真一君
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二月十七日
日本自動車ターミナル株式会社法案(内閣提出
第八一号)
同月十八日
臨時行政調査会の答申における運輸行政に関す
る請願(山田彌一君紹介)(第七七八号)
同(大西正男君紹介)(第八四〇号)
同(大野明君紹介)(第八四一号)
同(高橋清一郎君紹介)(第八四二号)
同(中村幸八君紹介)(第八四三号)
同(栗山礼行君紹介)(第八五五号)
同(内海安吉君紹介)(第八五六号)
同(菅野和太郎君紹介)(第八五七号)
同(小坂善太郎君紹介)(第八五八号)
同(笹山茂太郎君紹介)(第八五九号)
同(坪川信三君紹介)(第八六〇号)
同(永末英一君紹介)(第八六一号)
同(西村英一君紹介)(第八六二号)
同(福井勇君紹介)(第八六三号)
同(湊徹郎君紹介)(第八六四号)
同(山口喜久一郎君紹介)(第八六五号)
同(和爾俊二郎君紹介)(第八六六号)
同(天野光晴君紹介)(第九一五号)
同(岩動道行君紹介)(第九一六号)
同(逢澤寛君紹介)(第九一七号)
同(小川平二君紹介)(第九一八号)
同(金丸徳重君紹介)(第九一九号)
同(正力松太郎君紹介)(第九二〇号)
同(肥田次郎君紹介)(第九二一号)
同(松田竹千代君紹介)(第九二二号)
同(山本幸一君紹介)(第九二三号)
同(渡辺栄一君紹介)(第九二四号)
同(松井政吉君紹介)(第九二七号)
同(上村千一郎君紹介)(第九四七号)
同(小渕恵三君紹介)(第九四八号)
同(金子一平君紹介)(第九四九号)
同(始関伊平君紹介)(第九五〇号)
同(中山榮一君紹介)(第九五一号)
同(根本龍太郎君紹介)(第九五二号)
同(藤山愛一郎君紹介)(第九五三号)
同(細田吉藏君紹介)(第九五四号)
同(森田重次郎君紹介)(第九五五号)
同(井岡大治君紹介)(第九八三号)
同(大平正芳君紹介)(第九八四号)
同(鈴木一君紹介)(第九八五号)
同(田口誠治君紹介)(第九八六号)
同(高橋重信君紹介)(第九八七号)
同(辻寛一君紹介)(第九八八号)
同(西村榮一君紹介)(第九八九号)
同(福田繁芳君紹介)(第九九〇号)
同(穗積七郎君紹介)(第九九一号)
同(赤澤正道君紹介)(第一〇一三号)
同(伊東正義君紹介)(第一〇一四号)
同外一件(上村千一郎君紹介)(第一〇一五
号)
同(高橋禎一君紹介)(第一〇一六号)
同(野田卯一君紹介)(第一〇一七号)
同(野原覺君紹介)(第一〇一八号)
同(服部安司君紹介)(第一〇一九号)
同(古川丈吉君紹介)(第一〇二〇号)
同(粟山秀君紹介)(第一〇二一号)
同(山本幸雄君紹介)(第一〇二二号)
同(今松治郎君紹介)(第一〇三八号)
同(唐澤俊樹君紹介)(第一〇三九号)
同外一件(橋本龍太郎君紹介)(第一〇四〇
号)
同(進藤一馬君紹介)(第一〇四一号)
同(大坪保雄君紹介)(第一〇六三号)
同(木村武千代君紹介)(第一〇六四号)
同(齋藤邦吉君紹介)(第一〇六五号)
同(坂田英一君紹介)(第一〇六六号)
同(松原喜之次君紹介)(第一〇六七号)
大阪外環状線の高架建設等に関する請願外三件
(肥田次郎君紹介)(第一〇三七号)
同外四件(井岡大治君紹介)(第一〇六二号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
日本自動車ターミナル株式会社法案(内閣提出
第八一号)
港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案(
内閣提出第二六号)
航空に関する件(職員の綱紀に関する問題等)
日本国有鉄道の経営に関する件(職員の綱紀に
関する問題)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/0
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001・長谷川峻
○長谷川委員長 これより会議を開きます。
日本自動車ターミナル株式会社法案を議題とし、提案理由の説明を聴取することといたします。松浦運輸大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/1
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002・松浦周太郎
○松浦国務大臣 ただいま議題となりました日本自動車ターミナル株式会社法案の提案理由につきまして御説明を申し上げます。
最近における自動車による貨物輸送の発展は、道路網の整備と相まってきわめて急速かつ顕著なものがあり、他方、大都市における道路交通のふくそうは激化の一途をたどっております。このような現状にかんがみまして、トラック輸送の合理化をはかり、あわせて道路交通の円滑化に資するための施策がきわめて必要となってきているのであります。
このため、特に大都市及びその周辺の地域にすみやかにトラックターミナルを整備しなければならないのでありますが、このトラックターミナルの建設は、用地の取得と施設の建設に膨大な資金を要しますし、またターミナル事業としての収益性は著しく低いため、民間資金のみによることは、きわめて困難な実情にあります。
したがって、ここに民間資金のほか、政府及び地方公共団体の出資による日本自動車ターミナル株式会社を設立して、大都市及びその周返の地域においてトラックターミナル事業を行なわせようとするものであります。
次に、この法案の概要を申し上げますと、第一に、本会社は、大都市及びその周辺の地域において、トラックターミナル事業を行なうことを規定しております。
第二に、政府及び地方公共団体は、会社に対して出資できる規定を設けるとともに、主務大臣たる運輸大臣の会社に対する所要の監督規定を定めております。
第三に、附則におきまして、会社の設立に関する手続規定を設け、政府は、会社の設立に際し、五千万円に相当する株式を引き受けるものといたしました。また、昨年十二月十八日に民間出資により設立されました東京トラックターミナル株式会社を本会社に吸収するため、東京トラックターミナル株式会社は、その営業の全部を本会社に出資することができるものとしております。
その他諸税の減免等必要な規定を設けております。
以上が、この法律案を提案する理由であります。
何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますよう御願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/2
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003・長谷川峻
○長谷川委員長 次に、坪井自動車局長より補足説明を聴取することといたします。坪井自動車局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/3
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004・坪井為次
○坪井政府委員 日本自動車ターミナル株式会社法案につきまして、その概要を御説明いたします。
まず第一に、会社の目的でありますが、日本自動車ターミナル株式会社は、大都市及びその周辺の地域において、トラックターミナル事業を行なうことにより、トラック輸送の合理化をはかり、あわせて道路交通の円滑化に資することを目的といたしております。
第二に、政府及び地方公共団体の出資を規定しておりますが、地方公共団体の出資に際しましては、自治大臣の承認を受けることになっております。
なお、この会社の当初の資本金としては、政府出資五千万円、東京都出資五千万円のほか、民間出資二億五千万円を予定しております。
第三に、会社の事業の範囲でありますが、この会社は、トラックターミナル事業及びこれに付帯する事業を営むものであります。
なお、この会社は、昭和四十年度には、東京都板橋区において、板橋トラックターミナルの建設に着手する予定であります。
第四に、会社に対する監督につきましては、会社は運輸大臣が監督することになっております。
会社の新株の発行、重要な財産の譲渡等、長期資金の借り入れ、代表取締役及び監査役の選定等、毎営業年度の事業計画等につきましては、他の特殊会社の例にならい、運輸大臣の認可を受けなければならないものとなっております。
第五に、会社の設立手続についてでありますが、運輸大臣の任命による設立委員が会社の設立に関して発起人の職務を行なう等、一般の会社の設立手続とは異なる規定を設けております。
会社の設立に際しましては、昭和三十九年十二月十八日に設立された東京トラックターミナル株式会社がその営業の全部を出資することができることとし、会社が成立した場合においては、東京トラックターミナル株式会社は解散し、その権利及び義務は新会社に承継される旨規定いたしております。
このほか、会社の名称の使用制限、会社が発行する社債の発行限度の特例、運輸大臣の大蔵大臣に対する協議、会社の役員等に対する罰則、登録税及び固定資産税についての減免等についても規定いたしておりますが、おおむね他の特殊会社の例と同様であります。
以上でこの法律案の概要についての御説明を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/4
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005・長谷川峻
○長谷川委員長 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/5
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006・長谷川峻
○長谷川委員長 次に、航空に関する件、及び、日本国有鉄道の経営に関する件について、調査を進めます。
この際、運輸省堀官房長及び磯崎日本国有鉄道副総裁より発言を求められておりますので、これを許します。堀官房長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/6
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007・堀武夫
○堀政府委員 航空局職員の収賄被疑事件の経過につきまして、御報告申し上げます。
お手元に資料を配付しておりますが、大体いま逮捕されて、まだ取り調べ中でございまして、その取り調べの内容につきましてはわれわれにはわかりませんで、ただ、いつ、だれが逮捕されたかという事実だけしか、いまのところわかっておりません。
それで、順を追ってお話し申し上げますと・一月二十七日に、航空局監理部の補給課物品係長福田行雄が、任意出頭の形で警視庁に連行されております。ちょうどこの日の午後三時半ごろに、関係書類を押収されております。で、夜七時半ごろに、警視庁からの連絡によりまして、この者に対して逮捕状が出たという旨の電話連絡がございました。
二月一日に、補給課補佐官の竹本安夫という者と補給課の通信器材係員の徳田泰親が、同じく任意出頭の形で連行され、午後九時半ごろに逮捕状が執行されたという連絡がございました。
二月二日午前十時半ごろに、関係書類を押収されております。
それからしばらくたちまして、二月十二日の朝、東京航空保安事務所施設部の機械課機関係長秋池淑也が連行されております。これは元本局におった者でございます。午後四時ごろに、同事務所において関係書類を押収されております。これも、夜になって逮捕状を執行されております。
この事件の前に、九州の海運局福岡支局においても収賄事件がありまして、五名逮捕されて起訴されておる事件がありますが、その資料もお手元に配付をいたしております。
このような二つの事件がありましたので、この機会に省内を引き締める必要があるというので、一月の二十八日に臨時の省議を開きまして、次官から引き締めの趣旨を話をして、同時に、運輸次官の次官名で省内各局等に対して綱紀粛正についての通達をいたした次第でございます。その通達もお手元に配付いたしております。
二月一日には、この一片の通牒で済ますというようなことになってはいけないというので、さらに具体的な注意を伝えたほうがいいんじゃないかということで、さきに臨時省議でいろいろ各省議のメンバーと申し合わせた事項につきまして、全然内容がないというものでもいけませんので、多少具体的にメモ的なものを流した次第でございます。
二月八日には、特に航空局におきまして保安事務所長会議を臨時に開きまして、航空局長から綱紀粛正についての訓辞を行なっております。その他、航空保安事務所長会議のみならず、年度末でもありますので、各種の会議を地方の幹部を集めてやっておりますので、その機会ごとに局長なり私なりが行って非常にこまかい注意を与えて、その趣旨の徹底につとめておる次第でございます。
航空局の事件の全貌が内容的にはっきりいたしました後において、それをよく分析検討いたしまして、どういうことに原因があったか、組織の問題であるのか、仕事のやり方の問題であるのか、あるいは職員のしつけというような問題であるのか、警察当局のその原因についての意見も十分聴取いたしまして、それに基づいてさらに具体的な手を打ちたいと思っておる次第でございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/7
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008・長谷川峻
○長谷川委員長 次に、磯崎副総裁。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/8
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009・磯崎叡
○磯崎説明員 本日は、たいへん心苦しい御報告を申し上げるのでまことに恐縮にたえないところであります。去る一月下旬から新聞紙上に出ております私のほうの大阪付近の汚職事件につきまして、簡単に経過を御報告いたします。
お手元にすでに司直の取り調べを受けております者の一覧表を差し上げておきましたが、今日までで国鉄関係者六名でございます。うち一人退職者がおりますが、国鉄関係者六名と業者十三名が目下取り調べを受けている最中でありますが、今日現在におきまして、なお被疑事実の内容等につきましてはまだ警察方面から十分な連絡も受けておりませんし、いまここでどういう事実があったかということを申し上げるまでの段階に達しておりませんが、それにいたしましても、私のほうの職員あるいは職員であった者が、工事関係あるいは資材の購入等につきまして司直の取り調べを受けつつあるということは、全く私どもといたしましては何と申し上げていいかわからない、ほんとうに申しわけない残念な事柄でございまして、事柄の判明し次第、いずれ具体的な対策等も立てなければならないというふうに考えております。今日現在なおそういう不明確な状態でございますので、とりあえず部内並びに部外に対しましてお手元の差し上げましたような通牒並びに連絡をいたしまして、部内、部外とも引き締めて、今後の、ことに第三次長期計画の工事量の多い時期に入りますので、十分戒心いたすようにやってまいる次第でございます。
ことに今回の取り調べを受けておる者の中には、前大阪工事局長という相当地位の高い者もおることなどにつきましては、全く私どもといたしましても汗顔の至りにたえない次第でございます。事柄の内容がもし被疑事実のごとくなりせば、まことに国民に対しましても申しわけない次第というふうに考えております。
いずれにいたしましても、取り調べの判明し次第、極力今後ともかかることのないように万全の措置をとってまいりたい、こういうふうに考えております。
簡単でございますが、御報告を申し上げます
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/9
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010・長谷川峻
○長谷川委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。肥田次郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/10
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011・肥田次郎
○肥田委員 私はこの前航空局関係の汚職については、ある程度の意見を申し上げたので省略をいたします。で、本日は、この前あまり触れなかった国鉄の大阪工事局の汚職について、大体性格は似たような形になっておるのですが、二、三今後の問題もありますので、質問をしたいと思います。
本来この汚職がどういう階層で行なわれておるか、いわゆる相手方が贈賄し、それから関係者が収賄するという、この関係を見てみますと、あまり下級職にはないのであります。たとえば線路工手だとか、列車の運転士だとか、こういうところに汚職はないのでございまして、それぞれその立場を利用できる、相手に利益を与えられるような、そういう層に限られておる、こういうふうに考えまするので、その点について今後の問題もありますから、質問をしておきたいと思います。
まず、こういう収賄汚職が起こったときに、国鉄当局としては、これらに対しての罰則といいますか、これをどういうふうに処理されておるのかということを聞きたいわけです。相手方の贈賄に対しては、たとえば東洋電機のようにこれに対して取引を停止をする、あるいは有限的な中止をする、こういう処分が行なわれて、これはこれなりに効果があったことだろうと思うのであります。しかし東洋電機のような特殊なメーカーについては、永久停止というようなことは不可能な条件もあって、こういうのは効果がほんとうにあらわれるかどうかということは、双方の誠意を見る以外にないわけです。当面この収賄するような立場にある、相手に利益を与えるような行動ができる、こういう地位にある者が実際に収賄行為をやったような場合、国鉄当局としては、これらの職員に対する罰則というようなものをどういう関係でやっておられるのか。もしそれが今日まで例がなければそれでいいのですが、将来どういう方法でこれに対して対処されるのかということをまずお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/11
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012・磯崎叡
○磯崎説明員 ただいまの御質問に対しましてお答え申し上げます。
まず第一点のこういったことを起こした者に対する事後の処置でございますが、これは当然手続的に申し上げますと、もし起訴されますれば、直ちに休職になるわけでございます。休職にいたしまして判決の決定を待ちまして、有罪判決でございますと、これは懲戒免ということになるわけでございまして、また無罪判決でございますれば、場合によっては復職することもございますれば、あるいはそのまま依願免のようなこともございます。いずれにいたしましても、もしこういった事実が事実として司直の正式な取り調べが済んだ場合においては、部内の懲戒規程によりましてそれぞれ関係者に対しまして適切な処罰をいたしますと同時に、それの責任者に対しましては、たとえば課長、局長、その他に対しまして監督上の責任をとりまして、内容によりまして、おのおの懲戒規程によって処分いたしておるわけでございます。
またその次の今後の問題についてのことでございますが、これはいずれ、もう少し詳しく申し上げたいと存じておりますが、結局一人の人間が同じ仕事を長くするということ自体に非常に問題があるのでございますが、今回の関係者は、実は割合に在任期間が短くて、そう長年にわたって同じ仕事をしておったのではないという者も相当おります。しかし何と申しましても同じ資材を同じ人間が長く買っているということ自体に非常に問題がございますので、やはり担当を一年なら一年、二年なら二年で取りかえる、あるいは相手の業者の信用調査をもっとする、そういった方法によりまして、今後の具体的な対策を立ててまいりたいというふうに思っておりますが、なお相手方につきましては、実は非常に小さい業者になりますと、もう、そのとき限り、一回限りで国鉄と取引しないというような業者も実はあるやに見受けますが、そういったものになりますと、取引の停止等につきましても実はあまり効果がございません。これらにつきましては、結局信用調査なり、あるいはいままでの国鉄以外に対するいろいろな商売の実績等を十分調べた上で、その業者と取引するというような方法以外にはないのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/12
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013・肥田次郎
○肥田委員 おっしゃられるように、たとえば国鉄法の二十九条、三十条、三十一条、それから罰則の五十五条、こういうところで処置を講じられたと思うのですが、もう一つお伺いしたいのは、これはこの前航空局の汚職について取り上げたときと同じことの内容を、ここでも実はお聞きしたいのです。国鉄当局として、こういう収賄事件で逮捕されるというような問題が起きたときに、いままで同じ報告を聞いておったわけです。取り調べをまって処置をしたい、こういう報告を聞きました。もちろんこの取り調べをまって処置をするというのは、手続としては当然そのとおりだと思うのですが、ある程度検察庁あるいは警察段階で取り調べが進められておる間の国鉄としてのこの当事者に対する扱い方というもの、実はこれをわれわれは、何かもう一つ、それをまってあとで処置したいという表現に対して何かこう、あまり大きくならなければいいが、部内に広がらなければいいが、こういう心配があるのは当然ですけれども、ほんとに取り調べに対する協力というものがどのように行われておるのか、実際には打ち捨てというようなことは、なかなか常識的にはやらないだろうと思いますが、しかし、そういうことがありますと、結局同じ結果になりますから……。汚職ということはにくみながらも、背任行為というものはにくみながらも、現実にはこの背任行為というものをかばうような結果になる、こういうことについて、特に何か配慮をされておる面があるのかということが一つ。それからもう一つは、こういう収賄が起こる根本原因、こういうものについてどういうふうに考えておられるかということを、これは将来の防止対策としてお伺いしたいのです。通達や一片の訓示、こういうもので、なかなかこの汚職、収賄というものはなくなるものじゃないのでありまして、相手方のいわゆる誘惑というものが続く限りは、なかなか防止は困難だろうと思う。たとえばこの同一地位に長く置いておかない、これも一つの方法で、警察あたりでもよく、この問題の起こるのを前提として、たとえば二年くらいで交代させるというようなこともやられておりますが、これも非常に消極的なやり方だと思うのです。
国鉄の場合に、先般も、新聞記事を続んでみますと、汚職の原因、収賄の原因というものが全く別な角度で書かれておる記事を私は読みました。それは大阪の工事局の場合に、国鉄の予算というものが、そういう方面に少しも余裕をとっていない。したがってそういうものを請求したというふうな書き方をしてあるわけです。これは新聞に書いてあることですけれども、つまり百数十万円か鉄建建設からもらった金を、大阪工事局次長が、国鉄の運営のために使ったんだというふうな書き方をしておるわけです。それは、国鉄は渉外費などとっていない、だから不自由をするのだというふうなことが考えられるわけですが、実際にその渉外費というものが必要であるかないかということは別にして、相手方の下請業者からいわゆる運転資金を取り立てなければ、国鉄が実際に動きができないという、そんなけちな予算の立て方を実際しておられるならば、これは大いに改められる必要があるだろうし、そして新聞がそういうふうに書いているのですから、それらを何らか否定するような、あるいはそれらに対して実際にはこうだという、何かもっと明らかにするような行為そのものが国鉄として必要じゃないか、こういうふうに一つは思います。
それからもう一つの原因というものは、これは先ほど言いましたように、汚職というものはやはり特定な層に限られている。誘惑を受けるのは、相手は誘惑をすることによって、利益を供与してもらうことによって商売のそろばんが立つのですから、そろばんの立たないところに贈賄をするはずはないのです。したがってそういう面に対する対策と、今度の場合に特異な例は、いま言ったように国鉄に金が不自由だから業者から取り立てている、こういうような姿があるとすればこれは大いに改められる必要があると思います。後者の場合にはその原因をもっと深く究明される必要があるのではないかと思いますが、この二点について特に質問をするわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/13
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014・磯崎叡
○磯崎説明員 ただいま、現に疑いを受けまして取り調べられている最中のものに対する取り扱い方につきましては、やはり本人の人権の問題もございますので、ただ疑いを受けたというだけで身分上の処置をすることはいままでいたしておりません。起訴されて裁判がきまるということで初めて犯罪事実が確定をするわけでございます。ただ疑われたということだけでやめさせるとかあるいは懲戒をするとかいうことは、これは本人自身の問題もありますので、やはり法律的に確定してからということにいたしております。ただ私どもとしまして、もちろん事柄は極力拡大しないようにという気持ちを持っておりますが、特にそういう立場から、もちろん検察、警察当局に働きかけても全く無意味なものでございますし、私どもといたしましては、やはり当座の問題といたしましてはただ傍観する以外にないと考えております。もちろん、取り調べだけ受けて身柄の拘束されておらない者につきましては、やはり従前どおりの仕事をさせております。しかし事件が一段落いたしますれば、先ほど先生のおっしゃったとおり、仕事を変えるとかあるいは場所を変えるとかいう、いわゆる懲罰でない適当な処置も講ずる必要のある場合も当然起きてくるわけであります。
次の、今回の問題がいわゆる国鉄の業務の運営的な面に充てられるための必要な金であったのではないかということの御質問でございます。この点につきましては、実は新聞に出ましたことも私ども承知いたしておりますが、現在の私のほうの予算で申しますと、いわゆるそういった現場の工事局が、ことに用地買収等にあたりまして、地主あるいは現に居住している人たちと円満に話をつけるために、一席設けて懇談をするという機会は、これはやむを得ない必要なことと思いまして、それなどに必要な最小限度の予算は配賦いたしております。しかし、もちろんそれが十分潤沢にあるとは申されませんが、もしそれがほんとうに必要ならば、別途本社に対して稟議をすれば例外中の例外として予算の追加等をしないこともないわけであります。その点実はいま先生のおっしゃったと同じことが、数年前に新幹線の工事が始まりましたときにやはりこういった問題が起きたことがございます。そのときに、新幹線につきましては非常に用地買収でいろいろな意味の金が要るということで、特にそういった面に特別な配慮をしたことも実はございます。普通の工事でございますと、大阪あたりはいまいろいろ大工事をやっておりますが、そのために部外の方々と折衝するための最小限の費用は見ておるつもりでございます。しかし、それがはたして現実の事態に足りるか足りぬかの問題になりますと、これはそのときそのときの判断で、もしどうしても足りなくなれば、やはり正式に本社に伺いを立てて、そして本社のほうでそれをめんどうみるという形はあるわけでございます。そういった点についてあらゆる努力をして、必要な事柄で金が要るのならばそれを要求しなかったということは間違いであるというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/14
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015・肥田次郎
○肥田委員 私は、それでは最後に一つ要望しておきたいのですが、たとえば三十一条には「職務上の義務に違反し、」という第二号があります。ですから、私はものごとを責めるというのじゃなしに、こういうことがあった場合には、三十一条の第二号の職務上の義務に違反するという、これは私は大いに国鉄当局としてこの条項を生かす必要があるだろうと思うのですよ。実際に片一方で捜査が行なわれている、あるいは検察陣のいろいろな取り調べが行なわれているときに不可能なことだと思いますけれども、職務上の義務に違反をしておるかどうかということは、これは平常においても比較的やりやすいことだと思うのです。ですから、違反を前提とするのじゃなしに、忠実に職務を履行しておるかどうか、義務を果たし工おるかどうかということは上司が研究をすることができますし、これは必要があれば、あやしいと思えば、査問委員会とまではいかなくても、それぞれこれらに対していろいろと手を入れることができると思うのです。そういうようなことをおやりになると、絶えずお互いが緊張し合って、そしてこういう不快な事件も起こらないということになるんじゃないかと思います。これも非常に消極的な面ですけれども、いずれにしてもこのたびの場合には何か、おれはこういうことをしたけれども、この金はおれのふところに入れたんじゃないというような形に新聞にあらわれています。ですから、これはいずれにしても正しくないお金を要求して要求したか贈ってきたか知りませんが、そしてそれがどんなふうに使われようとも、にごった金、きたない金はやっぱりきたない金ですから、そういうことのないように予算面でももう少し国鉄も幅のある予算を立てらたる必要があるだろう、こういうことも考えます。そうすれば、おのずから周囲というものがきれいになると思うのです。国鉄自身の動きももっとさっぱりしたものになるだろう、こういうふうに考えますから、特にこの点について要望しておきたいと思います。
以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/15
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016・久保三郎
○久保委員 ちょっと関連して——先ほどの副総裁の御答弁で、たとえば用地買収等に対する渉外費というか、これは当然組んでおる、また足りなければ本社に稟議されればこれを増額していくということでありますが、本件は取り調べ中でありますからよくわかりませんが、新聞等の伝えるところを総合すれば、それ以下のものだと思うのですね。はっきり公開の席で言えないような、言うならばおつき合いとかそういうものも多少あろうし、仕事をやっているからいろいろな面でやはり予算というようなワクで出し得ないようなものが相当現場にはあるんじゃなかろうかと思うのです。そういうことになりますと、当然、苦しいから顔なじみの業者に、こういう金があるからひとつどうだ、君のところで持ってもらえぬかというようなところから、だんだん、最初は必要最小限度のものを要求してもらったというか使った。だんだんそれが高じてふくらんでくるというようなとであって、いま肥田委員が質問したのもそうう点だろうと思うのですが、これについては——といって野方図にそういう渡し切り的なものを多額にやること自体がいいか悪いか、これはまた問題があるわけですが、そういう点をどうしたらいいか、これはやはり研究する必要があると思うのです。
それからもう一つは、工事単価の問題であります。この単価の問題で、国鉄は一般の工事と違って、安全な輸送のための施設の工事があるわけでありますから、そう簡単な工事設計というか、そういうものでいけないことは理屈としてはわかるのでありますが、しかし巷間伝えられるところによりますれば、どうも過多に価格が高くなっていく。価格が高くなっていくということは、工事請負金額というか、そういうものが高額になる。高額になるということは、裏を返せばメリットも多いのではないか。メリットが多いから多少のことは融通がきくということも一つあると思うのですね。これは一がいに申されませんけれども、こと工事単価についてもこれはいろいろな工事なりあるいは車両の製作費もいろいろありましょうが、そういうものを含めてやはりもう一ぺん検討し直すことも一つではないかと思うのです。
それからもう一つは、こういう関係会社と国鉄との関係でありますが、これはもう少し何かくふうがあってしかるべきだと思うのですね。どうもこういうふうな同じようなケースがあとを断たぬということは、この関係について問題があると思うのですね。それは一つにはこういう会社との人的な交流の問題。だから極端な話をすれば、そういうケースをしたものについては一切人的な交流というか、こういうものはしない。交流というと語弊がありますが、退職後の就職なども頼まぬ。頼まぬというとおかしいが、入れぬ。入れたものについてはもう縁を切りますというくらいにやらぬと、どうもうまくいかないと思うのですね。ですから、こういう点もひとつ考えてみたらどうかと思うのです。
要は、人間そのものの気持ちの問題でありますから、これはいろいろな制度や組織をつくっても、人間の心情が曇ってくればどんなことでもやるのでありますから、これはいたしかたないのでありますが、それにしても最小限そういうものを食いとめるのに組織上あるいは予算上、制度上欠陥があるとすれば、それを埋めていくということが私は必要だと思うので、一言申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/16
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017・磯崎叡
○磯崎説明員 いずれも非常にごもっともなお話でございまして、ただいまのお話の、たとえば工事単価の問題につきましても、やはりとかく国鉄の工事は高いというようなうわさがあることも事実であります。これは運転の安全などという非常にむずかしい問題等からくることかとも思しますが、やはり多少設計がオーバーであったりというような点もないではないというような気もいたしまして、実は今後昭和四十年度から、現在御審議願っております予算を実行してまいりますと、また工事費も相当ふえますので、これらにつきましては、いま会計検査院等とも十分相談をいたしまして、知恵を拝借いたしまして、工事単価の積算の方法等も合理化するかわりに、しかし手続も極力簡素化する。しかし内容は合理化する。こういった面ではどこへ出してもおかしくない積算基準等をつくるようにいま特殊な部局を設けまして、検査院の専門家に入ってもらいまして、今後の工事の施行につきましては、いやしくも世間からいろいろ言われることがないように、そういう面で十分やってまいりたい、こういうふうに考えます。また、関係会社との関係につきましてもいろいろな角度から考えなければいけませんし、今回の事柄がもし事実なりとすれば、やはり相当な処置をしなければならない。また、今後どうしても私のほうが直接工事をするわけにまいりませんが、やはり相当有力な土建屋を使わなければ十分工事ができない、これは事実でございますので、それとの関係をきわめて割り切って、ほんとうにドライにやっていくという形をぜひつくってもらいたいというふうに考えておりますので、十分今後こういった点につきましても、私ども自身が注意を払いまして、仕事をしてまいりたいというふうに思っております。
重ねて、いろいろ御心配をかけまして申しわけありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/17
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018・長谷川峻
○長谷川委員長 引き続き航空関係について、久保三郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/18
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019・久保三郎
○久保委員 全日空のDC3はいまだに遭難機が発見できないそうでありますが、そのとおりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/19
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020・栃内一彦
○栃内政府委員 現在までのところ、まだ発見しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/20
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021・久保三郎
○久保委員 そこで、遭難機の捜索について、きのうあたりやっと統一的な機構というか、そういうものを考えているようでありますが、これはたしか三十三年か四年以来、そういう航空機の安全に対しての政府部内におけるいろいろの審議会というか、引き続き昨年もあったわけでありますけれども、当然その中では取り上げられているわけです。どうもいままでの救援体制というか、そういうものが一本化できなかったので、今度も途中で一たん誤認して打ち切った、そこで発見も非常に困難になっている、こういうふうにいわれているのだが、一本化についていままでどういう点が問題になっていたのか。いわゆる航空局から見て、たとえば海上保安庁あるいは自衛隊あるいは警察、こういうものに対して一本化ができなかったという話を聞いているのだが、どういう点で一本化ができなかったか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/21
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022・栃内一彦
○栃内政府委員 ただいまお尋ねの問題は、いままでの経緯を実態的に御説明し、今後どういうふうに処理するかということもあわせて御説明したいと思います。
この救難の問題につきましては、実態的に申しますと、航空局はいわゆる実動部隊を持っておらぬというところに問題があるわけでございますが、制度的に考えますと、海上保安庁なり警察なり、あるいは防衛庁なりというものが、この実行をやるということになっております。航空局としましては、いわば情報というものが一番早く入る。それから航空特に民間航空についての具体的なデータを一番把握しておる。また遭難機がどういう航路を通ったか、あるいはどういう航路を通るであろうかというような情報については、航空局が一番データを持っておる。そこでこの情報を持っておる航空局と、いわゆる実動部隊との関係をどういうふうにすることが一番能率的であるかということから問題が出発するわけでございますが、これをいわゆる指揮命令という形でやることは、現在の制度としてもできないし、また一面かえって能率を妨げるという実質上の問題もあると思います。そこで、あくまでこれを調整あるいは連絡あるいは協議という形で円滑にやっていこうということで、実行は現在もされております。
ただ、これについて私のほうでいわゆる協定書というものの立案を一昨年の暮れあたりから始めまして、昨年の一月以降、数回にわたって協議会を開き、そして大体の原則はみな同意したわけでございまして、その後各省庁別に案文の整理その他を続けておる。しかし思想的には全く各省庁間の話は済んでおりまして、実行上は差しつかえないという段階になっておる。ただ協定書に判を押す、あるいはその以前の条文の整理というものがまだ行なわれておらなかった、こういう段階でございます。
それではどういうような内容で協定をしようとしておるか、また実質的にどういうふうな合意ができておるかという点について申しますと、これは基本的には国際民間航空条約との関連になるわけでございますが、その関係におきまして、日本の国土を含め、その近海につきまして、東京捜索救難区というものが設定されております。これは東京ということばが出ておりますがこの東京都の東京というよりもむしろ日本海域というような意味の東京でございまして、この中の救難の調整は運輸省の航空局がやろうということで、話は各省庁間では全然問題はないわけでございます。したがって、そういう意味の国際的な東京付近を中心に、すなわち隣接のたとえばハワイならハワイというものとの関係において航空局が中心になっているという形は、だれも異議がないわけでございます。
それから、先ほどの情報を一番持っておる航空局それから実動部隊との関係は、随時必要な協議を行なうということで話はまとまっております。
それから、具体的にそれじゃ救難調整本部というものをどこに置くかという点は、現在羽田の東京航空保安事務所に置くということになっております。この点もみな同意しておるわけでございます。と申しますのは、東京の航空局に置くよりも、羽田に置くことが通信系の関係その他で能率的である、しかも敏速な措置を要するというような意味で羽田に置く、そうしてここが中心になって関係機関の間の調整を行なっていこう、この関係機関の協議の調整は航空局長またはその指名する職員が主宰をしていこうということになっております。で、実際問題として航空局長がみずから主宰するということは、おそらくよほどの大きな事件の場合でなければ、かえって適切でないと思いますので、常時からまず初めにだれが主宰するかというような分担をきめてございます。ここで情報がわかりますと、すぐ電話なりその他の連絡方法によって、まずいわゆる通信捜索というものを行ないます。したがって、初めの段階は通信捜索、そして関係のあるところに照会いたしまして、次第に情報を整理していき、どうもこれは事故ではないかというところになりますと、いわゆる実動部隊に対しまして、こういう状況であるから捜索をしてくれということを頼むわけでございます。そして、その場合に、状況によっていろいろ違うと思いますが、最も能率的に捜索するということが重要でございます。いわばオーバーラップが極端になることはむしろ避けるべきである。もちろんある程度のオーバーラップは、場合によってむしろ必要でございましょう。そのような問題は、実態に合わせて、羽田にできますところの救難調整本部でもって行なっていくということになるわけでございます。
そこで、今回のいわゆる浮遊物という問題について手違いがあったということは、私も率直に認めざるを得ないと思います。そこで、実態としましては、海上保安庁の船が拾いあげたものを全日空機のものと誤認したことから始まるわけでございますが、これは、航空局の立場としましては、航空局あるいは航空局の出先である救難調整本部、あるいは名古屋の航空保安事務所というものが中心になって調整を行なっておったわけでございますので、不確実な情報を、何と申しますか、早合点といいますか、そういうことをして、十分の吟味をしないで早合点をした。そしてその浮遊物の出た付近に集中的に捜索をやって、その他の部分については捜索を一時中止したという点は、いわゆるこの救難調整本部の責任である。もっとものをよく慎重に確かめてやるべきであったということは十分反省しなければならない。やはり片々たる情報でもって判断するということは悪かったことである。今後実動部隊から出されました第一線の情報というものを過信することなく、よく専門的な立場から十分分析検討して、そして的確な判断のもとに情報を流す。また、実動部隊に対する救難活動の要請をなすというふうに持っていくべきであろうと思います。
いま御説明しましたように、実態的には、いわゆる航空局の考えておりました協定の内容というもので今回の実態は動いておるわけでございます。むしろ失策というものは、この協定どおりものが動かなかったから失策が起こったというより、中心である航空局なりその系統が早合点をしたというところに問題があるというふうに考えます。しかし、いずれにしましても、せっかく内容にほぼまとまり、あとは条文の整理、字句の整理をすれば関係各省庁間で判をつけるというところまで進んでおります。しかし、この問題は、いまは何と申しましても捜索するということが当面の問題でございますので、この捜索の問題が済みまして、機体なりあるいは機体の断片というものがあらわれてくるということになりましたら、さっそく各省庁間で調印を行ないたい、かように考えております。実態的には各省庁間の意見のそごというものはないということを申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/22
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023・久保三郎
○久保委員 そうしますと、捜索救難機関の一元化ができなかったから、ああいうミスがあったのではない、こういうことですね。そういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/23
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024・栃内一彦
○栃内政府委員 捜索一元化と申しますか、いわゆる指揮命令系統まで一元化ということではございませんで、いわば航空局の系統が中心になって協議の上やっていくという点がうまくいかなかったからというよりも、制度の問題と申しますよりも、むしろ情報を早合点した、不確実な情報を正しいものというように早合点をしたというところに今度の、二時間なり三時間の間の、他の部分をさがさなかったというような失敗が起こったというふうに私は考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/24
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025・久保三郎
○久保委員 だから、ぼくが言うとおりでしょう。いわゆる救難体制の一元化が確立していなかったからそういう間違いを起こしたのじゃなくて、航空局の確認の方法が悪かったのでああいう不始末をした。そうですね。
それじゃもう一つ聞きます。新聞の報ずるところによると、管制本部で河和レンジ通過の際、河和通過四時二十五分、浜松通過予定四時三十九分、こういう最後の通信が録音していなかった、こういうふうに報じられているが、これはどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/25
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026・栃内一彦
○栃内政府委員 この録音は、実際問題として録音はされておりません。私のほうの、この管制に必要な情報を書き込んでいく紙でございますが、これで管制をやっているわけでございますが、その紙に書いてあるということでございます。
それから、いまのテープレコードの問題は、テープレコーダーで全部をいまテープしているわけではございません。この場合は、たまたま日曜日の最も交通量の少ない午前零時から七時までの間で、整備点検のためテープレコーダーの運用を停止していたというふうに報告を受けております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/26
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027・久保三郎
○久保委員 録音は必ずしもやっていないということですね。しかし、新聞等では何か録音しておるべきものを録音しなかったというように報じられているが、時間がありませんから何ですが、少なくともその救難体制の一元化なんというものは、録音の整理とか何か、よくわかりませんが、そんなことに手間どっているようではどうも心もとないとわれわれは思うのですね。それが原因ではないだろうと思う。これはひとつ十分考えてもらいたいですね。
もう一つは、DC3の機能についてでありますが、これはどうなんですか、この使用については………。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/27
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028・栃内一彦
○栃内政府委員 DC3という飛行機でございますが、これはもちろん、御承知のように昔にできた飛行機でございまして、最近では旅客機としては若干は使っておりますけれども、航空会社の運営から見ますと、まあいわば型も非常に古くなっておるというようなことで、だんだん旅客機としては使われていなくなっているという飛行機でございます。しかしこの飛行機は、世界的に非常にたくさん生産されて、またいい性能を持っておる、いわばスピードその他はのろいけれども、安定性があるということで、広く使われている飛行機でございます。
なお、この資料にも出ておると思いますが、製造年月日はかなり古うございますが、耐空証明という点の検査は厳重にやっておりますので、型式が古いから、あるいは製造月日が古いからということで安全性に欠けるということは絶対にないのでございます。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/28
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029・長谷川峻
○長谷川委員長 港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行ないます。
質疑の通告がありますので、これを許します。泊谷裕夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/29
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030・泊谷裕夫
○泊谷委員 大久保政務次官にお尋ねしたいと思うのですが、港湾整備五カ年計画の審議に際して、まず最初に、事業実施体制の問題についてお尋ねをしたいと思います。
急激な人口の都市集中、そして通勤手段やら上下水道の整備も考慮されない団地計画、これは大きな弊害こそ残せ、一般的に有益だとは考えられません。港湾の建設も、その背後地の道路、鉄道それの整備、これなしには十分な機能が発揮し得ないということは御存じのところでありますが、現在の経済体制でさらにこの問題は深刻な格差を生じておると思うのです。このままで、いまの体制を推し進めるとするならば、取り返しのつかない結果を生ずるのではないかと私は考えます。産業政策でも国の開発計画との関連において総合性あるいは計画性が強く要求されておるのに、実施体制に十分な対応がなされておらないように思われます。これらの問題は、すべて政府でなければ総合的に解決をするということはできない問題でありますが、これらの問題について、いかに処理し、推進主体を一元化しようとされておるのか、まずこの問題についてお考えを明らかにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/30
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031・大久保武雄
○大久保政府委員 ただいまお尋ねがございました、また御意見のございましたとおり、産業経済の開発にあたりまして、港湾の持っております役割りというものは、非常に大きいわけでございます。とかく産業経済の計画的発展を作案いたします場合には、あるいは鉄でありますとかあるいはアルミでありますとか、そういったような製品の生産計画はいたしますけれども、それが一体いかなる流れで原料が入ってき、またそれが製品化されて、いかなる形で出ていくかということは、とかく置いておかれがちでございます。とかく長期計画がそごするということありといたしまするならば、港湾でございますと小運送でございますとか、そういったきめのこまかい産業経済計画のボトルネックに一つの破綻を来たす要因が伏在しておるとかねて考えておる次第でございます。さような意味におきまして、ただいま御指摘がございまましたようにあらゆる交通機関の神経がそこに集中し、経済の入り口であり、また出口である港湾の整備というものがきわめて重要なる役割りを果たすことは御意見のとおりでございますから、私もこの港湾の事業体というものはできるだけ一体化いたしまして、育成、発展させていきたいものである、かように考えておりますような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/31
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032・泊谷裕夫
○泊谷委員 根本的な陸海空の輸送形態の一元化についてお尋ねしたつもりでございますが、政務次官、いまおいでになったばかりでございますから、今後機会を見てこの問題についてさらにひとつお考えを明らかにしていただきたいと思いますが、時間の関係もありまして、次に移りたいと思います。
日本港湾協会の統計によりますと、昨年六大港だけで毎月三百隻の滞船が出たと報じております。三百隻といいますとトラック七十五万両に匹敵する貨物でありますが、ことしはさらにそれが四百隻になるのではないかと報じられておるわけであります。運輸省の港湾整備五カ年計画として、港湾整備事業費七千二百億、港湾機能施設整備費千二百億の合計八千四百億を要求したというふうに聞いておりますが、中期経済計画では、運輸省の計画を外国貿易で約十億ドル、貨物で九億一千万トンが九億六千万トンと上回った見込みを立てております。だが、政府の今回の査定は両方合わせまして六千五百億ということになりました。これでは船込みの解消、貨物の取り扱い量に追いつくこと、あるいは海難の急増、これらの事象を解決することにならないと思うのでありますが、いかにお考えになっておるか、港湾局長にお尋ねをしたい。
なお、中期経済計画の閣議決定の時期は御承知のとおり本年一月下旬でありました。この最終決定の時期のズレの関係で投資額の増加というものが考えられぬものであるかどうか。さらに国費三百九十七億、前年に対比して一二%伸びております。このほか百十億の起債が認められたのでありますけれども、地方財政の悪化から港湾使用料の値上げが考えられるのではないかと思いますが、これについて運輸省としてどういうお考えをお持ちであるか、この三点についてお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/32
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033・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 第一点でございますが、ただいま御指摘のとおりに、中期経済計画における貨物の量の伸びというものは、われわれが当初七千二百億円の案をつくりましたときよりも伸びておるわけでございます。しかし諸般の情勢であのようなワクにきまったわけでございますが、七千二百億円の内容の中には、もちろんいま言われましたような貨物の増大に対応する施設の整備、さらにこの新産都市というような新しい開発をしていく仕事、並びに東京湾、大阪湾、関門等におきまして大きな防波堤をつくって、広域港湾をつくっていこうというような構想というものが入っておったわけでございます。最後に申し上げました大阪湾、東京湾の防波堤のようなものにつきましては、われわれが当初考えておりましたよりも総合的な大都市対策というような計画がおくれておりますので、今度の五カ年計画にこれを実施しなくともいまのところではしようがないのではないかというようなことで、そのようなものをはずしまして、また新産都市におきましても、これは昭和五十年を目標にする計画をつくっておるわけでございますが、現在すでに工場も参っておりまして開発のめどのついたものと、今後開発を進めていくものということでいささか当初よりもテンポのずれたものがございます。したがいまして、先ほど申しました貨物量の増大に対するものを第一に考えまして、汝に新産業都市のすでに開発の緒についているものに対して手当をしていく、このようなこまかい調整をすれば、何とかこの貨物量の増大に対しては対処し得るのではないかという点が第一点でございます。
次に中期経済計画との関係でございますが、中期経済計画とこの間きまりました六千五百億円の案は、昭和四十四年を目標にするものでございますし、片一方は四十三年でございますので、大体その中期経済計画の最終年度である四十三年をとりますと、そう矛盾がないわけでございますので、中期経済計画は現在のまま閣議決定されても支障がないのではないかと考えます。
もう一つは地方財政が圧迫されまして、使用料の値上げをもたらすのではないかということでございますが、これは直接には、地方財政の圧迫ということはございますが、そうでなくても現在まで非常に使用料が安過ぎたというのが実情でございまして、赤字を出してまで安い使用料でやっていくということはやはり管理者自身の自覚も足りなかったというような面もあるわけでございまして、ある程度赤字をカバーする——全面的に赤字をカバーするということはむずかしいかもしれませんが、赤字を消すための値上げ、しかもそれを合理的にやろうということで現在港湾審議会の中に管理部会を持ちまして、管理部会の結論に基づいて使用料の値上げをきめていきたい、かような作業をやっておる段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/33
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034・泊谷裕夫
○泊谷委員 決して局長のことばじりをとらえるつもりはありませんが、中期経済計画はお説のとおり実施年度の相違から、約二〇%の伸びで見ますと、数としてはとんとんに合うと思います。だが昨年十二月中旬における当委員会における運輸省の答弁は、この時期的ズレから企画庁の予想しております貨物の伸び、これに対応して運輸省の案より上回っておるものに対しては当然しかるべき措置をとる、そのためにさらに投資額の増加に努力中である、こういう答弁をされておるのでありまして、わずか一カ月足らずで話の運びが変わるということでは困りますので、この点注意をいただきたいと思います。
それで、港湾使用料の値上げの問題にからんで、ただ、赤字であっては困る、管理部会で相談をされるというお話でありますが、私の得た資料ですから、正確であるかどうかは別といたしまして、しかし大学教授が学生を動員して調べたものであるだけに、私は権威があると思いますが、それには昭和三十七年度の港湾収入金額の全貌が明らかになっております。港は神戸、名古屋、横浜の三港を調査したものでありますが、かりに、それを具体的にとらえてみますと、神戸は港湾全収入が七百二十二億です。国に直接この中から入る金は二百七十七億、そのうち関税二百八十五億であります。自治体に収入として求められるものはわずか七億です。船舶収入が二百三十八億、荷役は四十五億、貨物百四十七億となっております。名古屋においては、全収入百八十二億、そして国が三十八億、関税三十六億、自治体五億、船舶三十六億、荷役二十億、貨物八十六億。横浜全収入七百七十二億、国が五百十三億、関税三百八十八億、自治体四億、船舶百十九億、荷役十九億、貨物百十七億となっております。この横浜の関税収入が少ないというのは、これは特殊な、駐留軍の関係によるものだと私は思いますが、ともあれ、この数字から判断して、港の施設は受益者負担というならば、だれがその大きな負担をしなければならぬかということは、この数字が雄弁に物語っいるような気がするのです。
そして特に五カ年計画の初年度でありました昭和三十六年の六大港の自治体負担の実績を見ますと、これは「海運」の四百四十四号から拾ったものでありますけれども、この種の自治体の手数料は、六大港で手数料収入は二十五億四千五百万円、支出は管理費が二十七億八千八百万円、施設整備費などが百五十七億千百万円、こういう形になっておりまして、この中で国で負担したものは三十三億五千八百万円です。特定重要港湾の負担は国で四分の三を行なっているということで、この数字だけをとらえますと、大きく国が助成をし、当該自治体は四分の一の負担でいいということになりますが、この数字にも明らかなように、市の負担は国の約四倍強になります百二十五億九千六百万円が赤字となってあらわれているわけであります。この問題について、監督官庁の運輸省として、いかに地方自治体を圧迫しておりますこのしかけを改善しようとされているのか、自治省の財政課長もお見えでありますから、あわせて自治省からもこの問題についてお答えいただきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/34
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035・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 ただいま御指摘のとおりでございます。われわれといたしましては、国が直接投資する部門は、基本施設につきましては、横浜、神戸におきまして、基本施設と申しますか、外港の防波堤、航路につきましては、全額国が持っておるわけでございます。それから岸壁をつくりますときには、いま言われましたように、四分の三を国で持っている。しかもなお全体の投資の中では率が少ないということは、いま言われたとおりでございます。それからあとで管理者が単独でつくります上屋、荷役機械等につきましては、これは収益的な施設でございますので、やはりそれを使う人がそれに対して適正な対価を払わなければならない。その制度が確立されていなかった、もしくは戦前の率よりも値上げ幅が非常に少ない過去の経緯があった、こういうことで非常に自治体の収入が少ないわけでございまして、先ほど申し上げました管理部会にはかっておりますのも、諸外国の例等を参照いたしまして、収益的な施設として管理者がつくるものについてどれだけの使用料を取るべきか、それで地方財政と申しますか、港湾管理者の財政が健全化するにはどうしたらいいかということを現在調査をして検討してもらっている、こういう段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/35
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036・岡田純夫
○岡田説明員 おっしゃるように、地方の港湾関係につきましては、やはり他の公共事業と同様に単独事業だ。補助事業につきましても、地方負担が多額にのぼっている。今回の五カ年計画によりましては、たとえば単独でまいりますと、従来の百七十億程度の単独事業が六百五十億にものぼっております。これに対処しましては、地方財政計画において、単独事業上、港湾なら港湾の分といたしまして、初年すなわち四十年度は百億というものを一応明らかにいたしまして、これに対応するところの指導なり財源措置についても十分考えてまいりたい。財源措置については、御承知のように補助事業につきましては、地方負担分につきまして、交付税におきましていわゆる経常的な分を見ておりますほか、さらに地方債でもって、いわば交付税で措置した残につきましては一〇〇%というところで許可いたしております。しかしながら、これは起債でございますので、実態に即した運用も考えなければなりませんので、団体によりましてはある程度運用の妙を加えております。
なお、一般財源につきましては、ただいま最初に触れましたような単独事業に対処いたしまして、地方財源に苦慮いたしております。
今回も交付税率を若干引き上げまして二九・五%、したがって引き上げ幅は百四十五億ということになっているといったような努力、それと地方債計画全体のワクを従来よりも約二〇%引き上げまして、これに対処してまいりたい、こういう考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/36
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037・泊谷裕夫
○泊谷委員 地方交付金が二九・五%になったということも承知しております。私どもはすべてのものを含めて三二%をお願いしたのであります。結果的にはそうなりましたが。それで昭和三十七年と三十六年の統計を読み上げたので、それをそのまま引き当てることは適切でないと思いますけれども、先ほども読み上げたように、神戸で国の収入が二百八十七億で、港湾管理者の市に入る金がわずか七億です。そして船舶が二百三十八億円、荷役が四十五億。貨物が百四十七億ということが出ておるとすれば、関税だけとらえてみてもおおよそ三港の関税収入が七百九億になります。三十七年でですね。そして地方に落とされている金、国から出ているのが三十三億です。いかがなものでしょう、これは運輸省として大蔵省に関税収入の何割かを地方自治体にこの際還元してやる措置がなければ、港湾なり一般交通関係の問題について、このままでは壁に突き当たって、どうにも動きがつかないと私は思われるのですが、その考えがおありでありますか、お聞かせをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/37
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038・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 このことは非常にむずかしい問題だと思いますが、管理者の中にも、いま言われましたような意見がございます。それは管理部会の中に入っておる委員の中におるわけでございます。当然それも管理部会の問題になると思います。
なお、先ほど私申し忘れましたが、三十八年、三十九年でブイの使用料と岸壁の使用料を二カ年でもって三十七年のときの倍にいたしました。それで岸壁につきましてはだいぶ姿がよくなってまいりました。あと上屋。それから問題なのは、最近は土地をつくるのに非常に多額の費用を要するようになっておりますので、こういうものに対してどういうような使用料と申しますか、チャージをかけていくかということが、財政全体を健全にするために必要な措置と思っております。
関税につきましては、これは非常に重要な問題でございまして、結びつきから見ると返してほしいというような気も私はいたしますが、いまここで返してもらうべきだというところまではもう少し研究してみなければ申し上げかねると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/38
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039・泊谷裕夫
○泊谷委員 大久保政務次官にお尋ねします。
港湾局長としてはそういう答弁しかできないでしょうね、限界がありまして。だからいまの問題について、政務次官として数ある政務次官の中でも実力者の一人ですから、閣議に話をして、港湾の窮乏を救済してもらう手段として、関税の還元について御努力をいただきたいと思うのですが、いかがなものでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/39
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040・大久保武雄
○大久保政府委員 関税の財政的配分はいろいろな面に使用されると存ずるわけでございますけれども、御指摘のございました港湾との間にリンクしてやるかどうかということにつきましては、リンクそのままということは、これ直ちに制度として取り上げることにつきましては、相当研究を要する問題があろうと存じます。しかし地方財政がなかなか困難な状態にあるということは事実でございまして、目下財政編成の一大問題でもあるわけでございます。さような観点からいたしまして地方財政を何とか救っていくという面において、今後国家に入ってくる資金の適当な配分ということにつきまして、私もせっかく努力をいたしてみたいと考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/40
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041・泊谷裕夫
○泊谷委員 次官から心強いお答えがありましたので、次に移ります。
港湾局長にお尋ねをしたいのですが、主管庁が違いますけれども、総理府付属機関として港湾調整会議が設置されることになるようでありますが、これを見ますと、港湾労働その他港湾に関する施策のうち総合調整を要するものに関し、調査審議する、こういうことになっておりますが、これでは労働問題が主たるものなのか、港湾の輸送形態に対する港湾の整備を含めて、集約その他の部門も含めて調整するのが主であるのか。ともあれどんな目的で、どんな機構でやられるものか。
なお、港湾審議会の、先ほどからちょいちょい出ております管理部会を正式に法令できめる、こういうことが考えられておるそうでありますが、いまのお話からしますと、港湾の管理、運営、財政について検討されるようですね。内容は具体的にどんなものであるのか。
さらに運輸省は次年度予算要求の中で新しい候補地、言いかえますと公団ですね、これを設ける考えがあるやに聞いておるのですけれども、もしそうだとすれば、当然公団管理者との管理権の問題も出てくると思うのですが、これについてどんなお考えをお持ちなのか。以上三点について明らかにしてほしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/41
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042・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 総理府に設置されます港湾調整審議会という名前になったわけでございますが、これは、主として——港湾労働法が今国会に提案されるわけでありますが、これに基づきまして、この法律の施行に当たって必要な雇用調整計画というのを労働大臣がきめることになっておりますが、そのときにこの調整審議会の意見を聞く、これが一番大きな問題であります。この調整計画におきましては、各港における全体の定数というものをどう取り上げるか、この問題は常用と日雇いを含めてどのくらいの人数が適正であるかということをきめるのが一番大きな問題でございますが、こういうことをきめるのが一番大きな問題だと思います。そのほかに、総合調整云々ということがございますが、大体私どもが了解しておるところでは各省固有の仕事ではなくて、各数省間にまたがることである。たとえば港湾で申し上げますと、月末、月初の船積みということがございまして、これは港湾管理者またわれわれだけでは調整できない問題でございます。こういうような問題が調整される問題である、かように理解しております。
また、次の管理部会でございますが、これは来年度予算において予算を認められました。したがいまして運輸省設置法の改正としてこの管理部会の設置を提案しております。この内容につきましては、管理部会の委員は二十人です。この内容は学識経験者、これは学者、それから港湾に経験がある方、そのほかに港運業、倉庫業、それから日本貿易協会、それから船主協会というように、港を利用する人、荷主、こういう方々で二十名であります。現在やっておりますのは港湾財政の確立ということを議題に取り上げてやっていただいているわけであります。
次に、公団というような問題でございますが、当然これにつきましても、それを設置するときにはこの管理部会の意見を聞いてきめるべきことと思っておりますが、この公団はまだ設置するかどうかということはきまっておらないわけであります。ただ、現在までの経緯を申し上げますと、先ほど来ここでお話がありましたように、管理者の財政が非常に苦しい。しかも今後の投資は六大港においては非常にふえるという状況にございますので、これをカバーするためにはどうしても財政資金を投入することが必要だ。そこで財政資金を投入してやるやり方といたしまして、建設だけをして、あとは管理者に運用をまかすということで、三十九年度予算のときに大蔵省に要求したわけでございます。それがただ単に建設ということだけであって財政資金の手当てをするのであるならば、長期低利の資金を貸すというかっこうだけでいいではないかというのが、三十九年度の予算のときの結論でございました。それを受けまして、本年度は特別会計の中に別ワクといたしまして財政資金を管理者に投入する案を大蔵省と四十年度予算において折衝したわけでございます。その結論といたしまして、新たに運営までやる公団というものが考えられないだろうかというのが、四十年度予算における大蔵省の提案でございました。したがいまして、それを受けまして、今後その運営までやるような公団というものが管理者との調整においてどのような姿でできるだろうかということが、今後検討する問題として残されました。したがいまして、この問題を検討していく上におきましては、当然この管理部会の意見を聞いてやっていくことになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/42
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043・泊谷裕夫
○泊谷委員 公団設置については、管理権など重要な問題を含んでおるだけに、運輸省としても慎重にかまえておるということが明らかにされましたので、日をあらためてこれはまた御相談をさせていただこうと思います。
次ですが、従来、港湾用地取得にしても、直接、船の出入港あるいは荷役機械、付随する倉庫、この用地にいままでは限定されているわけですね。しかし、先ほどもお話がありましたように、二月十五日閣議決定を見ました港湾労働法に基づいて、港湾労務者の安定の方策を明らかにしてきたわけです。これによりますと、厚生施設の用地取得の部分について具体的な施策が見当たらない。私の見落としかもしれませんけれども、特に船の大型化に伴いまして、はしけの需要は従来より増すと私は思うのです。たまたまはしけの船内居住が廃止されまして、今度全部陸上居住をしなければならぬことになります。これらに対する用地取得も急がなければならぬと思うのでありますが、その方策について、今次五カ年計画の中に入っていないような気がするのですけれども、具体的にどういうふうに仕込まれておるか、お聞かせをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/43
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044・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 従来からも、この港湾労働者の厚生施設それから住宅のようなものをつくるのにつきまして、もちろんこれは事業者自身がつくるものでございますが、労働省の所管であります雇用促進事業団でございますか、このようなものが港湾に住宅を建設したのが最近ございます。そのような場合には、港湾管理者が用地の取得につきましては非常に骨を折っておるわけでございます。また今度の港湾労働法におきましても、知事はこういうようなことに協力するというような努力規定が盛られておるようでございますし、港湾管理者もこういう用地取得については努力を当然しなければならないわけでございます。で、こういうような用地を埠頭内に設けるべきか、また埠頭を離れたところに取得すべきかというような問題もございまして、現在われわれが港湾機能施設用地として考えておる中には住宅の土地までは実は考えておらないわけでございます。しかし、厚生施設としての労働者のホームとか休憩所、こういうものの用地は当然この埠頭用地の中に考えられております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/44
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045・泊谷裕夫
○泊谷委員 港湾行政の最大の悩みは船込みの解消でありましょう。先ほどありました月末船込みなどは、金融上の措置も願わなければならぬと思いますが、もう一つは、やはり港湾荷役に伴う労働力の確保が重要な問題として今回閣議で相談をされておるはずであります。しかしてそれならば、いまお話のありました知事にげたをはかせたというような程度ではなくして、国のかまえとしてこの雇用安定を確立するために特段のひとつ御努力をいただきたい、こう思います。
次は地方的な問題になりますけれども、数年前新潟港の入り口が浅いということで、ロンドンの外国船船主間においてボイコットされた事件がありましたけれども、そしてまた国際的な信用をたいへん落としたできごとであったわけでありますが、最近また北海道の重要港である小樽港が、これと同じような形になりました。係船ロープが切れて、そして腐った防舷材から突き出ていたボルトで船体をいためたという事故でございます。それでこれは一月六日と新聞の報ずるところには伝えておるのですけれども、アメリカから小麦を輸入しょうとして商社に依頼したそうですが、どこの船会社もお断わり、これは小樽が危険だということで断わったということで大騒ぎになっております。これは、直接的にはユーゴ船のピラン号が船体損傷事故を起こしたのでございますけれも、これは十二月の二日第二埠頭で起こした事故でありました。十二月の二十五日は、今度はイギリスのロレドナー号が同じ事故を起こし、その後またギリシャ船のノースカンテス号など五隻の船が矢つぎばやに同じ事故を起こして、英船のごときは応急措置に八十万かけた、しかもその船長はたいへん腹を立てて、八ミリで小樽の岸壁をくまなく撮影をして持ち帰った。そうして当面、先ほど申し上げましたユーゴの船が日本の港長であります海上保安部長それから管理者であります市長を相手どって係争中であるという話が出ておるわけでありますが、アメリカばかりじゃなく、ロンドン市場でも、往年の新潟のような国際的不祥が起きるのではないかと思われるのですが、運輸省としてはこの事故をどういうふうにお聞き願って、どういう措置をとられておるか、まずこれを最初に聞きたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/45
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046・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 ただいまのことは、私も小樽の港湾管理者から、それが記載された新聞を送っていただきまして拝見いたしました。この問題につきましては二つ原因があると思います。一つは、冬の荒波でもって防舷材が、これは相当腐朽していただろうと思いますけれども、破損してボルトだけが飛び出たということと、もう一つは、小樽の港は防波堤が明治以来のもので非常に高さが低い、したがって港内に打ち込む波が多いために、防波堤内が荒れるという、この二つの原因だと思います。前者の防舷材につきましては、三十九年の冬季風浪災で災害として査定いたしましたので、これについての資金の手当てができたわけでございますから、年度があらたまりますれば早急に復旧されることと思います。
もう一つ、防波堤のかさ上げでございますが、これは北防波堤千四百メートルのうち約半分のかさ上げが四十年度の予算に見込まれてございます。したがいまして四十年度、四十一年度と二カ年で北防波堤のかさ上げが完成すると思います。そういたしますと、現在ございます三本の突堤においては、いま指摘されましたような事故はなくなるのではないか、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/46
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047・泊谷裕夫
○泊谷委員 重要港湾の小樽は、小樽海上保安部が昨年一年とった統計はいまさら読み上げるまでもないと思うのですが、港が暗くて盗難が多いとか、また道路が荷役に占拠されてどうにもならぬというような——大きな柱が四本出ていますね。いまの北防波堤は低く、波のうねりが高い、あるいは防舷材のボルトの問題、こういうことになっておりまして、数多い手当てをしなければならぬと思うのですけれども、その中には第三突堤、南側のワン・バースあるいは同じように北側ワン・バース、こういうものは必要だと思うのですが、いま局長が指摘されました、当面北風に何としても対抗しなければならぬというので、大正以来手を加えられていないかさ上げですね。これはどうしてもことしじゅうにやらなければ——ロンドン市場の不祥の問題、国際的な問題でありまして、何とか急がなければならぬと思うのでありますが、運輸省としてどう考えるか。あわせて開発庁の関係が出てくると思うのですが、それに対する措置について方策があれば、それから当該管理者に具体的な内示をしてあるとするならば、その内容を明らかにしてほしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/47
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048・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 ただいま申し上げましたように、北防波堤のかさ上げは、いま言われましたように、一年間でやれるのが理想でございますが、予算との関係もございまして、二カ年かかるのはやむを得ないというのが実情でございます。なお、港湾管理者、盗難の問題でございますが、これはやはり港湾管理者が気をつけていただかなければならない問題だと思っておりますし、道路の問題につきましては、これは港湾管理者に補助をいたしまして、逐年道路の改良を行なっている段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/48
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049・小熊清
○小熊政府委員 お答え申し上げます。
ただいま先生から御指摘のような事故に対する手当て等につきましては、運輸省のほうからお答え申し上げておるとおりであります。開発庁では、小樽港の整備を担当しているわけでございますが、ただいまの北防波堤のかさ上げ、これは港湾整備全体の問題になりますが、三号埠頭を引き続いて早急に完成をしていくといったようなことを当面早急に整備したいと思います。また、岸壁の維持管理というようなことは、港湾管理者の小樽市の当局の要望でございますが、開発庁といたしましても必要なアドバイスをして、かような事故が未然に防止できるようにいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/49
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050・泊谷裕夫
○泊谷委員 時間がなくなってきたので二つ一ぺんに尋ねますから、お答えいただきたいと思います。
次は、北海道港湾の予算総額の問題ですけれども、これは本年五十五億八千五百六十万円で、三十九年度に対しては一一・七%増になっておるのですが、もちろん全国的なものから見ましてずいぶん低位にございます。特定勘定の減があったことも認めますけれども、港湾全体の北海道に対するワクが年を追って減っていっているのです。昭和三十六年、これは五カ年計画のスタートの年でございますが、一八・二%であったのでありますが、昭和四十年度では前年を一%下回る二二・九%ということに落ち込んでしまいました。これは港湾貨物の取り扱い量の伸びが悪いというふうに説明をされておるのですけれども、交通関係出身の私としてもこれはわからないです。一説によると、青函、青森、函館の両港の取り扱い量が算入されていないという話を聞くのですが、それが事実かどうか。これは運輸省並びに開発庁両方からまずお答えをいただきたいと思います。
もう一つあわせて、これは最後でありますが、政務次官、ちょっと恐縮でありますけれども、北海道というと、札幌、小樽が中心になりまして道新産都市ということの設定を見たわけでありますが、ここでは急激な人口の増大、並びにその傾向を主軸とする工業生産の拡大ということが当然予想されまして、約二千ヘクタールあります石狩湾というものの活用、特に通称言われております札樽新港というものが政治的な話題になっておることは御承知のとおりでありますが、これに関して松浦運輸大臣は、一月の新聞を通しまして、これを銭函に設置するという話をされているのです。開発庁の事務次官のほうは、従来石狩川河口の石狩港に優先力を入れなければならぬだろうということを運輸委員会、当委員会で説明をされておりまして、ここに食い違いを生じているわけでありますが、この問題はいかに始末をされているのか、これまた運輸省と開発庁とからお答えをいただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/50
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051・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 ただいまお話がございました港湾貨物の取り扱い量でございますが、連絡船による国鉄貨物は、港湾取り扱い貨物量の中には入っていないわけでございます。(泊谷委員「おかしいな」と呼ぶ。)ただ、これは、入って——おかしいといいますか、別掲してあるわけでございますから、数量はあるわけでございますが、一般に港湾取り扱い貨物量というときにはそれを除いてある。しかし、内地と北海道を比較する場合には、両方抜けておることになるわけでございまして、その比較のときにはそう問題にならないことじゃないかと思っております。
それからもう一つ、投資額と貨物量の問題でございますけれども、必ずしも投資額と貨物量というのを比例して考えているということはございませんで、一例を申し上げますと、昭和三十六年の貨物量の比較で申しますと、北海道分が全体の六・三%でございまして、投資額は九・八五%でございますし、三十七年につきましては、貨物量が五・九%で、投資額が一〇・〇九%というようなことでございまして、必ずしもこの貨物量の比率でもって投資額をきめているということではないわけでございます。
ただ、こういうことは私ども感ずるのでございますが、両方別々に分けられる。組織の違いから分けられるために、非常にそういう比較的に見られがちでございますし、また実際に融通し合わなければならぬような緊急の事態が生じたようなときに融通しにくいというのが非常に欠点でございますが、北海道については、貨物量から見て低く投資を押えているというような事実は決してございません。
それから、先ほど政務次官に聞かれました札樽新港の問題でございますが、これは銭函付近に口を設けるということで構想がある程度でございまして、まだ、調査のきわめて初期の段階でございます。したがいまして、石狩港は現在やっている仕事でございますから、それはそれとして続けていくし、片方はどういう契機でどういう時期に着工するかということは非常に将来の問題で、現在まだ申し上げかねるくらいに固まっておらない問題でございます。新聞に、札樽新港のことで大臣のお話があったという記事が出たそうでございますが、これは、大臣自身に伺ったところでは、そういう意識ではっきりしたことは申されておらないようでございまして、何か間違いで載ったことではないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/51
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052・小熊清
○小熊政府委員 開発庁は、御承知のように、北海道の総合開発計画を推進して開発事業をやっている官庁でございます。したがいまして、北海道の港湾の整備ということもその大きな項目でございまして、なるべく開発がすみやかに達成できるように港湾の整備も行なっていきたいということを念じているわけであります。ただいま御指摘の港湾整備の投資額の基礎になりまする取り扱い貨物量の統計では、北海道について青函航送分がはずされておるのが普通であります。ただ北海道の貨物量のシェアは、三十八年度でいいますと六%弱、それに対して投資額は、投資額を事業費で申しますと、大体一割程度の事業費を投資していまして、北海道の開発を促進するという観点を強く出すと同時に、もちろん全国の港湾全体とのバランスを考える必要がございますので、運輸省のほうとも、いろいろ御協議をいたしまして、今後とも投資額をふやしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/52
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053・谷藤正三
○谷藤説明員 ただいまの札樽新港の問題でございますが、この前私が当委員会で申し上げましたことと運輸大臣との間に若干の食い違いがあったということになっておりますけれども、実は札樽新港という名で呼ばれておりますところの港湾につきましては、小樽を中心としまして、貨物の取り扱いの関係で、木材その他の関係がどうしても足らなくなってくるということは先生も御承知のとおりでありまして、それに対してどういう形で港湾計画を立てるかということに対して、開発局は札樽新港という名で呼んでいることは事実でございます。しかしながら、実際の面からいいますと、先ほど港湾局長が申し上げましたように、小樽港と現に地方港湾の石狩港がございます。その間でどういうふうに整備計画を立てるかという問題になってまいりますと、開発庁といたしましては、あそこの石狩河口の問題、御承知のように八キロ近くが曲がって北向きに入っております。わずか五百メートル足らずのところでショートカットいたしますと、石狩川の川の水位が下がってまいります。そうしますとそれに伴って千歳川の内水排除、夕張川の内水排除さらに右岸側の当別付近、いま篠津から始まっておりますところの土地改良にからみましたところの内水排除、こういう問題が全部ショートカットにからみまして、どの程度の効果を発揮するかという問題が出てまいります。ショーカットいたしますと、土砂は今度まっすぐ日本海に出てまいります。そういたしますと、石狩の現在の港湾が埋没することになりますので、その埋没させないためには、その地域の防波堤をどういう形で出すべきかという問題が出てまいります。
同時に、また、二級国道の中で現在橋がないというのは石狩川のところだけでございます。そういうふうないろいろな河川関係、道路関係、農業関係、あわせて港湾関係、そういう問題が全部出てまいりまして、これらが総合的な形で、それではどこの港の整備をやるべきか、どんなふうにショートカットしたらいいかとかいうような——河川としてよくても港湾とした場合に、石狩川港湾が全部埋没するようなことになりましては何の役にも立ちませんので、それらのことを技術的に全部検討を加えなければ、その位置をきめるわけにはいかないだろうということで、四十年度から、実は石狩河口の旧河川のところに遊水池がございましたので、あの付近に新しく大きな実験設備をやりまして、全体の計画の実験をやるということに準備をいたしております。その結果を待ちまして、新港を掘るのが経済的であるか、あるいはまた石狩川の現在の河口を強化することが経済的であるかというふうな問題を検討した上で、技術的な検討を全部終わった上で、港湾局長ともよく相談したいということで、技術的、事務的には港湾局長といろいろ相談いたしておりますので、その結果を待ってから適当なる位置に配置を変えたい、こういうふうに申し上げたわけでございます。決して矛盾した形ではなくして調査の結果を待ちたい、こう申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/53
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054・泊谷裕夫
○泊谷委員 道産子大臣の運輸大臣ですから、あまり苦情は言いたくないのですけれども、やはり現地住民にいたしますと大きな問題になりますので、いま政務次官、開発庁の事務次官からのお話で、確かにあまり食い違いはないように思われますけれども、こういうことについて北海道の港、これはやはり開発庁が具体的に調査をしておるわけですが、それを優先せしめて、こういう問題についてはものを言ってもらうようにお願いしておきたいと思います。欲の深いようで、先輩から注意を受けましたけれど、北海道と本州は同じだというのですが、青函の貨物取り扱い量はやはり港から出るのですから、これはきちっと数字は計上してもらって、先ほどのように北海道は従前よい率でもらったじゃないかという説もわかりますけれども、現状は、室蘭はずいぶん骨を折ってもら
ました。苫小牧、釧路についても力を入れていただいたことは感謝いたしますけれども、その反面、長い歴史を持ち、北海道としてかけがえのない留萌だとか小樽、ここら日本海側の港がほとんど配慮されないという実情も考慮いただかなければならぬということを申し上げて、質問を終わりといたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/54
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055・長谷川峻
○長谷川委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時三十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X00619650219/55
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