1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年四月二日(金曜日)
午前十時二十三分開議
出席委員
委員長 長谷川 峻君
理事 大西 正男君 理事 進藤 一馬君
理事 關谷 勝利君 理事 田邉 國男君
理事 山田 彌一君 理事 久保 三郎君
理事 肥田 次郎君 理事 矢尾喜三郎君
浦野 幸男君 小渕 恵三君
川野 芳滿君 壽原 正一君
塚原 俊郎君 西村 英一君
増田甲子七君 小川 三男君
勝澤 芳雄君 島上善五郎君
泊谷 裕夫君 野間千代三君
山口丈太郎君 竹谷源太郎君
出席国務大臣
運 輸 大 臣 松浦周太郎君
出席政府委員
運輸政務次官 大久保武雄君
運輸事務官
(大臣官房長) 堀 武夫君
運輸事務官
(航空局長) 栃内 一彦君
委員外の出席者
運 輸 技 官
(航空局技術部
長) 大沢 信一君
専 門 員 小西 真一君
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三日三十一日
踏切道の改良促進及び踏切保安員の配置等に関
する法律案(野間千代三君外八名提出、衆法第二
〇号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
連合審査会開会申し入れに関する件
新東京国際空港公団法案(内閣提出第一〇三号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/0
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001・長谷川峻
○長谷川委員長 これより会議を開きます。
この際、連合審査会開会申し入れに関する件についておはかりいたします。
ただいま社会労働委員会において審査中の港湾労働法案について、同委員会に対し、連合審査会開会の申し入れを行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/1
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002・長谷川峻
○長谷川委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/2
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003・長谷川峻
○長谷川委員長 次に、新東京国際空港公団法案とを議題とし、審査を行ないます。
質疑の通告がありますので、順次これを許しまとす。關谷勝利君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/3
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004・關谷勝利
○關谷委員 なるべく簡潔にお尋ねいたしますので、御答弁も簡潔にお願いをいたしたいと思います。
法案の法文上のことについては、他の公団法などと比較をしてみましても、おおむね同じであるので、一、二の点を除きましては疑点を差しはさむ余地はないと思いますので、主として法文以外のと申しますか、実質的な面についてお尋ねを申し上げたいと思います。
お尋ね申し上げたいと思いますことは、まず第一番に位置の選定について、二番目に施工時期の決定について、第三番目に計画の内容について、第四は公団にしなければならない理由について、第五は公団そのものの内容について、第六は新空港実施上の障害と思われる点の除去方法について、この六つについてお尋ねを申し上げてみたいと思います。
第一番の位置の決定でありますが、これは買収価額等に影響をいたしまするし、ことに土地ブローカ等の介入を許さないというふうな意味におきまして、前広く発表するということは、いろいろな点から申しましても慎重を期さなければならないと思いますので、これにつきましてどこだというふうなことをいまここで明らかにしていただときたいとは思いませんが、いろいろ世間では、これは閣内不統一のために長引いて決定を見ないのだというふうなことが流布されておりますし、またいろいろなことが週刊誌等にも出されたりしておりますので、そのようなことを一掃する意味におきまして、いままでの経過を運輸大臣から簡単に御説明願い、さらに運輸大臣がこれについてどういうふうな覚悟で臨んでおられるか、その決意のほどをお知らせ願いたい。これにつきましては、あまり深くお尋ねすることは控えたいと思いますので、この点をよくわかるように、納得のいくように御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/4
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005・松浦周太郎
○松浦国務大臣 關谷委員のお尋ねに対して簡単にお答えいたします。
まず位置の問題につきましては、私の就任いたしました当時以前に、航空審議会の答申によりまして、霞ケ浦、富里等、東京周辺で一時間の範囲内で交通のできるところがいいであろうという答申がきておりました。その後、まだ池田内閣時代でございますが、航空関係閣僚懇談会というものが開かれまして、その懇談会の座長を河野国務相が担当されたのであります。そこで懇談会でもいろいろ議論がありまして、懇談会で出ました場所等もそのほかに数カ所ございましたが、それに対しまして、航空局ではそれぞれ調査研究いたしました結果、結局東京周辺ということになると、やはり限られた場所になってしまうのです。というのは、東京を中心にいたしました西のほうはブルー14といいまして、入間川から厚木までの間に四カ所の飛行機基地がありまして、一日に二千回も高速の飛行機が練習しておりますから、西のほうに出ることはできないのであります。でございますから、現在西のほうに参ります旅客機にいたしましても、木更津を通り、大島を通って、富士山ろくを経て名古屋方面に行くというコースをとっております。北海道方面に参りますものも、浦安の沖を通って茨城県のほうに出て行くといったようとなことで、東京から西のほうには旅客機はほとんど行かれないというのでございますから、特に今度の位置指定は、ああいう巨大な飛行機で、しかも速力が早いのでございますから、このブルー14を越えて向こう側に位置を求めるということはできません。したがって、この審議会の答申の二カ所のほかに東京湾についていろいろの御意見がございますから、その東京湾の研究も加えるということで、ごく最近に至りまして、富里のほかに東京湾並びに霞の埋め立てについて早急に研究をするということが一件。もう一つは、ブルー14以西の四カ所の米軍基地に対しまして、外交ルートを通じて、そのうち一カ所なり二カ所なりを利用さしてもらいたい。利用等についてということばを使いましたが、これは安保条約その他において、日本の東京を守るために向こうで基地と権を得ておるものでございますから、直ちに返還ということばを使いませんでした。これを利用さしてもらいたいという要求を外務省を通じてアメリカに要請することになっております。これらの状況を勘案いたしまして、多数の農村をかかえておるところを選ぶか、あるいはブルー14外における米軍基地を利用する等のことのめどがつきませんならばまた他の埋め立ての方法を考えるかというところが現在の状況でございまして、こまかしいことはいろいろありますが、大筋といたしましては、東京湾内の埋め立てをやれば、結局、これから巨大な艦船になりまして、十三万トン、十五万トンというような船が出入りするのでありますが、位置によっては湾の中の航路を変えなければならない。あるいは木更津の沖というようなことになりましても、同様な船の出入りに非常な支障を来たし、また千葉県の川鉄をはじめとする出光興産その他の、いま沿岸における臨海工業の発展しつつある方面に障害を与えるというようなこと等もございまして、そういっていくと自然とやるところはきまってしまうようなことになるのでありますが、今後の推移を眺めまして、慎重に検討いたしていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/5
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006・關谷勝利
○關谷委員 世間では閣内の意見がまとまらないというようなことを非常に大きく取り上げておるのでございますが、こういうことがあるのかないのか、それともう一つは、河野大臣が閣僚懇談会の座長をつとめておられる。しかしながら座長というものは各閣僚の意見の取りまとめをするのが座長のつとめであって、あくまでもこの空港の問題に対します主管大臣は運輸大臣であるので、運輸大臣が主管大臣であるというこの立場を堅持しながら、閣僚懇談会が進められておるのかどうか、その点をひとつ簡単に明快にお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/6
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007・松浦周太郎
○松浦国務大臣 いまお説のような点に対しましては、私は自分の職責を全うすべく一歩も譲らないという考えでやっておりますが、しかし座長としての発言も相当のことがありまして、しかし、仰せのように運輸大臣の職責を全うするのが私の任務でございますから、どんな困難に逢着いたしましてもそれを貫きたい、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/7
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008・關谷勝利
○關谷委員 大臣のいまの御決意のほどを承りまして、私はこれなら位置の決定も早急にできるであろうと安心をいたしております。あの航空審議会の答申あるいはこの計画書等に盛られておりますように、ことに条文にも書いてありますように、東京都の周辺であるということ、航空管制上支障のないこと、気象条件が良好であること、工事施工に容易な地形、地質であること、都心との距離が一時間以内であること、用地の取得の容易なこと、特にそのあとに書いてありますのは、地上に対しては絶対安全でなければならない、したがって、密集地帯、山岳地帯や、他の飛行場のない場所でなければならない、至れり尽くせりのことが書いてありますので、これらのことを全部守るのだということになりますと、この条件から割り出しますと、おのずから候補地は決定することになる。そういたしますと、この条件を守るかどうかということが位置決定の一番根本になりますが、あくまでもこの原則を貫いていくのかどうか。その決意のほどを——先ほどの大臣の御答弁で、もうお尋ねするのは、これはちょっとくどいかもわかりませんが、この条件を貫いて決定するんだ、こういうふうにお考えになっておるかどうか、この点を伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/8
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009・松浦周太郎
○松浦国務大臣 ただいまお問いになりました点は、位置決定に対する基本観念でございますから、仰せになりました条項を順守して、自分の与えられた職責を全ういたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/9
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010・關谷勝利
○關谷委員 これは局長に、事務的な問題ですからお尋ねするのでありますが、場所の選定についての考え方で、航空審議会の答申は具体的に富里か霞ケ浦のどちらかということで二者択一ということになっておりますが、答申の二カ所以外の場所を決定する場合には、航空審議会に再諮問する必要があるのかどうか。これは手続上の問題でありますが、そういうふうなことが必要であるのかどうか、この点伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/10
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011・栃内一彦
○栃内政府委員 航空審議会は運輸大臣の諮問機関でございます。したがいまして、諮問して答申を得ましたことを尊重するということは当然でございますが、いろいろな事情で他の候補地にきめるという場合に航空審議会に再諮問しなければならないかどうか、この点につきましては、絶対に諮問しなければならないというふうな法律上の拘束はないと思います。ただ従来の経緯から見まして、航空審議会との間で再諮問するか、あるいは何らかの意思の疎通をはかるかというようなことが必要ではないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/11
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012・關谷勝利
○關谷委員 そうなりますと、この審議会というもの、大臣の諮問というものは非常に軽いものになってしまいますね。そんなことならむしろしないほうがいいというふうなことで、結論を出さないで待ってくれといったほうが気がきいているような気持ちがいたします。こういうふうな審議会、ことにあれだけのメンバーが寄って、そしてあれだけのりっぱな結論を出しておる、しかもこの意見は尊重しなければならないということにはなっておりますが、それを今度そのとおりにしなかった場合に、ただ都合でこれはほかにつくるんだということになりますと、これを踏みにじったという結果になります。それに対しては一顧だにも顧みられなかったということになってしまいますが、そんなことであっていいのですか。そういうことでやった場合に、これから先審議会の委員あたりがほんとうに力を入れて答申をするというようなことができますか。そういうことがなくなりやしませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/12
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013・栃内一彦
○栃内政府委員 先ほど申しましたのは、審議会の意思をじゅうりんするというような意味で申し上げたのではないのでありまして、審議会の意思は尊重すべきであるということを申し上げました。かりのお尋ねでございましたので、かりに審議会の答申したところ以外にきめる、そういうことはあり得ないと思いますが、その場合にどうするかという問題につきましては、再諮問をするということもありましょうし、再諮問をしないで事実上の意思の疎通をはかるというようなこともあるいはあるんではないか。それはその場合に決定すべきでございますが、いずれにしても従来の経緯から見て審議会の答申を尊重するということはしばしば大臣が公の席でおっしゃっておられますように、私どももそれが正しいということを考えております。かりに尊重できなかった場合ということでございますので、先ほどのような御答弁をしたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/13
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014・關谷勝利
○關谷委員 それでは航空審議会の答申を尊重するんだ、その方向でいくと思うので、かりの場合はあまり考える必要はないというふうに私は言外に了承をいたします。私の了承が間違っておるかどうかわかりませんが、そのように了承をいたします。位置の問題につきましては、大臣の強い御決意、それと原則は必ず貫く、ことに局長あたりも審議会の意見を尊重するのだというお話もありますので、これ以上追及するのは差し控えます。
今度はその位置の決定の時期の問題についてお尋ねをいたしたいと思いますが、この附則の第一条施行期日のところで、政令で一応きめる、こういうことになっております。そうして位置がきまってからその後「政令で定める日から施行する。」こういうふうなことになっておるのであります。
まずお尋ねしたいのは、期限をきめないで政令に譲ったという立法例がほかにあるのかないのか。これは悪く解釈をいたしますと法律はあってもなくても同じことになる、いつやってもいいんですから、こんな期限についてはこの法律はあってもなくてもいい、こういうふうなことになります。この法律を骨抜きにするものとも解釈をされるのであります。位置がきまったならばすぐに施行するんだということならば非常にすっきりとするのでありますが、位置がきまってからその後に「政令で定める日から施行する。」というような、こんなややこしい立法例は、いままで私が審議をいたしました立法例の中にはこういうものはなかった、こう記憶をいたしておるのであります。これは善意に解釈いたしますると可及的にきめることができるんだというふうな解釈も成り立たないこともないのでありますが、そう解釈をいたしまするためには、あまりにもいままでのいきさつが複雑過ぎまするので、そういう点からこう判断をいたしますると、この点は何やら私たちのふに落ちない書き方でありまするが、こういうふうな立法例がほかにあるのかないのか、それを局長あたりはどういうふうに解釈をしておられるのか、善意に解釈をしておられるのか、これは困ったものだと思っておられるのか、その点をひとつ伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/14
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015・栃内一彦
○栃内政府委員 ただいまのお尋ね、二つに分かれると思いますが、まず第一に従来の立法例でございますが、これにつきましては今度の立法、立案と多少性質が違っておるかもしれませんが、先例といたしましては、奄美群島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律、また海上衝突予防法等につきまして期限の規定を法律でしませんで、施行期日を政令にゆだねているという立法例はございます。もちろん立法例があるということで多くそれが通例であるということではもちろんございません。
それからこの法律の関係のお尋ねの点でございますが、この法律は「第二条の規定は公布の日から、」ということで、これによって場所をきめる政令が出し得るということになっております。「その他の規定は」云々、「その他の規定」と申しますのは、公団設立の準備が始まるという規定が第一に必要なわけでございますが、これは「政令で定める日から施行する。」ということで、悪く解釈すれば、あるいはいつまでもきめないというふうな解釈も不可能ではないと思いますけれども、この法律を提案して御審議をいただいておるというようなことから見ますると、法律が通ればできるだけ早く場所をきめまして、場所がきまりましたら、さっそく公団設立のいろいろな諸規定が働くように、なるべく早く政令でもってその他の規定を動かす、こういうことになるであろう、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/15
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016・關谷勝利
○關谷委員 何やらよそごとのような御答弁でありますが、先例があるかないかというので奄美群島と海上衝突予防法を出されましたが、これは、この場合とは全然性格が違うのですよ。海上衝突予防法というやつは、これは国際条約の関係か何かがあって、一方的にこちらがきめるわけにはいかないので、それでそのほうがきまったときにきめなければならぬというようなことで他動的な関係できめかねる。その場合だから「政令で定める」ということに譲ったのであって、この場合は何もきめられないことはないのです。位置がきまった場合には、すぐにきめるのが本筋であって、それを政令に譲ったことがおかしい。ほかの立法例の先例は——その先例を私はあとでまたよく調べてみまするが、それは他動的な関係でできないのだ、そのために政令に譲ったのであって、こういうふうな場合に政令に譲った先例があるかないか。いま言われた奄美群島と海上衝突予防法の場合には、なぜこれを政令に譲ったかをあとでもう一度私検討してみまするが、それは他の関連性からいって、そうでなければならないような状態にあったから政令に譲ったのであって、このように何にも譲る必要のないときに譲ったものではない。それがこういうふうに政令へ譲ってあるということは、まことに解釈のしにくい点がある。この点は重要な点でありますので、場合によりましては修正を考えなければならないかとも思いますので、私はこの点をお尋ねいたしておるのであります。善意に解釈せられないこともないというふうな、まことに気のいい局長でありますので、答弁をしておられるようでありますが、私はさように甘くは考えてはおりませんので、これ以上あなたにお尋ねしてもしかたがないと思いますが、この点につきましては、またいずれ次の機会に譲ることにいたします。
それから、この国際空港を早くやらなければならないという理由につきまして、新国際空港というものは、SSTが出現しようとしまいが、いまのように発着の回数がふえた場合に、羽田ではもう空間がないということで、この新国際空港をつくるというのが主たる理由であります。それにもかかわらず、このSSTというふうなものを引き合いに出すものですから——SSTというものは、せっかく内容に関係するからということで、SSTというようなものを引っぱり出しておるのでありまして、これができようと、できまいと、昭和四十五年になったならば、羽田では間に合わなくなる。それで急ぐのだということでやらなければ、どうもSSTの開発がおくれればおくれてもいいのではないかというふうなことが、世間いろいろいわれておるし、ことによく事情のわかった者でさえ、SSTは延びるそうだから、二年や三年延びてもいいではないかというふうな意見が国会内部でも起こっております。私は、これはPRの不足であり、皆さん方の説明が悪いからだと思いまするが、これのPRに対しまして、PR不足をこれからどういうふうにしようと考えておられるか。私は、もう少しじょうずにPRしなければいかぬと思いまするが、どんな方法でみんなにわからせるようにしようとしておられるか、私、伺っておきたいと思います。また、意味はそうでなければならぬと思いまするが、あなた方は、いま言うように空間がなくなるから急がなければならぬのだという説明を一回もしてない。その点が隠れるようにSST、SSTというようなことをしきりに説明するものですから、みんな間違った解釈をしておりまするが、これらに対しましてはよくPRしなければいけませんが、これから具体的にどういうふうなことをしていこうと考えられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/16
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017・松浦周太郎
○松浦国務大臣 いまのお話はまことに重大な問題でございます。現在羽田は百万坪ちょっと出るか出ないか、まあ百万坪のところでありまして、これに対する発着の飛行機数及び人間の往来の数は、まあ人間の数でいきますと三百五十万人、世界に百万坪で三百五十万人の乗りおりをする飛行場は一つもありません。三百五十万人クラスになりますと、三百万坪から五百万坪に至っております。それはイタリア及びフランスの例によるものであります。あるいはドイツの各都市における例によるものであります。ところが、いま仰せのように、今度の新空港はSSTという問題が大きいものですから、その陰に隠れてしまっておるのですが、ほんとうはいまおっしゃった副港が必要なんです。一千万人の大都市の付近に、このように航空時代になりまして、もう貨物までが航空でなければ間に合わないというようなスピード時代になりまして、百万坪の飛行場が一つしかないなんということは、これは全く時代おくれの問題でございます。これは万一事故が起きたらたいへんなことだと私は日夜このことを心配いたしております。したがいまして、われわれの予定は、まず着手いたしましたならば、三千メートルあるいは二千五百メートル程度の国内空港あるいは国際的にそれで利用できる程度のものはそこを利用する、まあ国内航空は主としてそこへ持っていって、羽田を国際的にだけに使うということで二、三年の間にこの副港というものをつくらなければならないということが一番大きな問題でございます。したがいまして、この工事は、七百万坪に対するSSTの路線を四千メートル二つと、横の三千六百メートル一つのH型のものを全部一ぺんにつくる考えはない、これは順次つくっていけばいいのであって、先につくらなければならぬというのは、いま仰せになりました羽田の狭隘、いわゆる東京の大都市における副港というものが一番大事であると思いまして、その方向に全力を注ぐために早く着手して、早く副港をつくらなければ、もう羽田ではほとんど空においても陸においても余地がないというところに追い詰められておる現状のことがわれわれの一番心配しておることであります。技術的あるいはその他の問題に対しましては局長から答弁いたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/17
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018・關谷勝利
○關谷委員 大臣のお話を伺っておりますと、何よりも早く着手することが一番のPRだ、こういうふうな御答弁であったと解釈いたします。それが一番有効適切なものではありますが、さらにまた局長のほうもよくこれを徹底さすためには何かの方法を考えなければならぬと思います。これを早く推進するために、大臣が早く着手するというお話でありまするので、それが一番いいことには間違いないのですが、そこへ持っていくためにはやはり側面的なPRが必要であります。この点、よく方法論を考えておいていただきたいと思います。きょう、いますぐ答弁せいとは言いません。
それと、いまSSTの話が出ましたので、ついでにこの点を伺っておきたいと思いまするが、当初昭和四十五年にこれが実現するんだということを伝えられており、その後二、三年おくれそうだということが伝えられております。またそれから後、最近になりましては、そのおくれを取り戻して昭和四十五年までにはできるのだ、こういうふうなことがうわさをせられております。私、この点につきましてはまことに研究不足で、この点は寺子屋の質問になって、知らないからお尋ねをするのでありますが、確実な見通しについて、航空局でどの程度の調査ができておるのか。また日本航空がこれを注文しておるというふうに私は聞いておりますが、そうすれば、日本航空あたりは実情がよくわかっておるはずだ、こう思いますが、どの程度のその点についての調査ができておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/18
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019・栃内一彦
○栃内政府委員 先ほど大臣のお答えになりましたことをちょっと補足して御説明いたしましてから、いまの御質問にお答えいたしたいと思います。
先ほど大臣がおっしゃいました、羽田が一ぱいである、早く国内線の対策を急がなければならない、これはそのとおりであります。
それからSSTの滑走路というものがすぐ必要かどうか、この点もそのとおりでございますが、羽田の一ぱいになりましたときに第一に新空港に持っていかなければなりませんのはやはり国際線でございまして、国際線から新空港のほうに移すということになると思います。場所の決定その他にもよりますが、やはり国際線に使えるような滑走路をまずつくり、そして羽田の国際線をまず新空港に移して、羽田の過密を緩和する。それから新空港におきまして遠からず出現するSSTのためには、工事そのものは二段階に分けてもいいと思いまするが、用地というものはやはりそういうようなかまえでやっておかなければならぬ。それから新空港の建設が二段階に分かれる、これはもう初めからわれわれ、技術的にもそういうふうに考えておったところでございます。
以上、大臣の答弁を補足しておきます。
それからSSTの開発の問題でございますが、これにつきましては、一言をもってすれば、いろいろな説があるということでございます。したがって、現在こうだということをここではっきり申し上げることは不可能でございます。不可能と申しますのは、実体がきまっていないということから出発するわけでございます。ただ、当初四十五年ころといわれておったものがおくれておるということだけは、はっきり申し上げられます。ただこのおくれておるということが、何年おくれておるのか、あるいは何カ月おくれておるかという点につきましては、いろいろな情報がございます。
そこで、先般新聞紙上等に出ました、いわゆる四十八年の初めころになるというふうにされているこの情報の出所と申しますのは、ブラックというSST関係の開発に関する顧問、これは前の世界銀行の総裁で、いわば金融面を主として担当する専門家でございますが、この人の報告書、いわゆるブラック報告書に、修正案としてこういう意見を出したということでございまして、これはもちろん一つの有力な勧告でございますが、しかし実際にこのSST開発を担当しておりますアメリカの連邦航空庁、または航空宇宙局、国防省というような三者の共同開発ということも行なわれておりますが、そこの公のスケジュールというものは、いまだ何らこれに対して決定をしていない。ただ、実際にいままでの経緯を見ますというと、この三者の計画が少なくともすでに九カ月はおくれておるということはいえるわけでございます。今後、現在、ボーイングとロッキードが競争でもって開発を担当しておりますが、これらの開発がある段階に達すれば、おそらく米国の連邦航空庁を主体とする共同開発のグループが見通しをはっきりするんではないかというふうに考えられます。したがいまして、二年あまりおくれるというようなこともあるいはあり得る。ただ一方、別の要素として考えられますのは、イギリスとフランスの共同開発であるコンコードの計画が、昨年英国の政変によりまして一時タナ上げになるのではないかといううわさが出ましたが、その後新内閣も英仏共同開発のコンコード計画を推進するということになりまして、こういうヨーロッパ系のSSTの開発計画、その他正確なデータはございませんが、ソビエトにおけるSST開発計画というようなものがどんどん進んでおるというような点から、アメリカのSST開発もスピードをさらに取り戻そうという努力は、これはまた予想され得るところでございますので、現在のところいろいろな情報はございますが、おくれるということは確かでございますが、どのくらいおくれるかというところまでははっきりいたしません。
日本航空は仰せのとおり五機のSSTをすでに一昨年ですか、発注いたしまして、ロイアルティーをすでに連邦航空庁のほうに払い込んでおります。これによって生産された場合の取得する飛行機の順位を確保するんだということによって今後のSST時代の競争におくれをとらないようにロイアルティーを払って順番は確保しておる。ただ、全体がおくれれば同じような順序で日航の入手もおくれるということになりますが、かつてジェット機について苦い目を見たようなことを繰り返さないような手を打っているということは申し上げられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/19
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020・關谷勝利
○關谷委員 次に飛行場の計画の内容について簡単に一、二点お尋ねをしておきたいのでありますが、新空港は長期にわたって航空輸送需要に対応することができるものにしたい、こういうことが書いてありますが、現在の羽田空港の発着回数はどのくらいなのか。またその発着回数は何回で限度になるのか。新しくできる国際空港の発着回数の能力の限度がどれだけになるのかということをお尋ねいたします。というのは、これがかりに羽田と同じような発着回数で能力の限界に達するということでありますと、また第三、第四の新空港をつくらなければならないということになりまするので、今度できまする国際空港の発着回数の能力というものは相当大きいものでなければならない。またそれができるように設計をしなければならない。私たちが前にちょっと伺ったことがありますのは、H型と申しますか、そういうふうなものでありましたが、そういうふうなものにすれば、それが何回くらいまでできるのか。これは将来にわたりまして、航空というものがどれだけ発達するか私たち予測ができません。自動車のあの発達ぶりあたりでも、私たちが予想しておりましたものとは実に大きな開きがあって発達をしてきておるのでありまするが、あのような調子にこれから航空というものも発達をしていくのだということを考えますると、羽田空港の発着回数はすばらしいものでなければならないということに結論がなってくるのでありまするが、これがどのくらいが限界なのか、その能力の限界を示していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/20
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021・栃内一彦
○栃内政府委員 飛行場の能力の算定は非常にむずかしゅうございますが、私どもとしては定期便の離発着ということでこれを考えております。と申しますのは、定期便は時間を確保する必要がございますので、これを標準にして能力を算定しております。現在、羽田におきましては三十九年に年間八万五千回という数字が出ております。それでは羽田の能力はどうかというふうなお尋ねになるわけでございますが、これは、私どもの計算では十七万五千回というふうに考えております。この十七万五千回の能力は現在の羽田のそのままで可能かというと、決して可能でございません。今後いろいろな点を改良いたしませんとこれだけのものはさばき切れない。したがって、新東京国際空港ができるから羽田のほうは手を抜いていいというふうには決して考えておらないわけでございます。一番ネックになりますのは、飛行機を置く場所あるいは整備をする場所、こういうようなものが非常にネックになってまいります。したがって、飛行場としましては、単に滑走路だけでなく、それらのいろいろな施設が有機的一体となって能力がきまるわけでありますから、その辺のネックをこれから逐次解消していこうということで現在いろいろな手を打っております。先ほどお尋ねの一年十七万五千回というのは、一日四百八十回ということになります。
それから、新空港のほうでございますが、これは何分にも将来の問題でございますので的確なところは申し上げかねるわけでございますが、一応能力の限界としては、年間四十八万二千回というところまではいけるというふうに考えております。この点はいろいろな仮定を含んでおりますので的確には申し上げかねますが、一応の計算上としましてはそういう数字を持っております。これにはいろいろな条件がございますので、いわば極端に言えば計算上の数字というようなことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/21
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022・關谷勝利
○關谷委員 四十八万二千回で十分であるのかどうか私たちにはわかりませんが、いろいろ完備をしてこれだけということになるのでありましょうが、回数がもしこれをオーバーしても、これを改良すればそれ以上に回数が伸ばし得るというふうな方法も考えておいていただきたいと思います。
それから、滑走路の長さでありまするが、この計画書を見てみますると四千メートルということになっておるようであります。現在の羽田が三千百五十メートルであると聞いておりまするが、これではSSTが使えないんだというふうなことでありまするが、現在のジェット機で三千百五十メートルのあの滑走路を使っておりましても、着陸をいたしました際に逆ピッチをかけます。そうすると私たちでも相当なショックを受けるのでありますが、四千メートルの滑走路になりましてもわずかに八百五十メートル違うだけでありますので、三倍も四倍も速度を出しておるこのSSTが四千メートルの滑走路へ着陸をいたしました際には相当な逆ピッチをかけなければならぬのだと思いますが、高血圧の旅客、疲労しておる旅客などが脳溢血を起こすような心配がないこともないのだということを専門家から伺っておるのでありまするが、この四千メートルというのでだいじょうぶであるのか、そういうふうな航空医学というふうな面からの検討も進んで、それで四千メートルということができておるのかどうか、ただばく然と四千メートル程度のものでよかろうというふうな軽い考え方をしておられるのではないのか。SSTのような速度の早いものができた場合には、いまの羽田よりわずかに八百五十メートルしか長くないところで、はたして私はやれるのであろうかどうであろうかという心配をいたしますので、また私ばかりでなくほんとうの専門家がその点を心配しておりましたが、そういう点はよく検討をしてこの四千メートルということが決定せられておるのかどうか、これを伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/22
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023・栃内一彦
○栃内政府委員 SST用の滑走路としてどの程度の滑走路をつくるかという問題は、日本だけでなくて、外国でも非常に重要な関心を持っておる問題でございますが、私どもが四千メートルというものを前提といたしましたのは、決して感じでやっておるわけではございません。と申しますのは、先ほども触れましたように、米国連邦航空庁がSSTの開発の中心になってこれを進めております。米国連邦航空庁のSSTをつくるための設計上の要求性能としまして、気温摂氏十五度のときに三千百五十メートル以内という数字を出しております。この三千百五十メートルというのは、ほぼ現在の羽田の一番長い滑走路に相当するわけでございます。ただここで、気温摂氏十五度という限定がついておりますが、これはこの種の技術的な問題を議論する場合の一種の標準的な温度でございます。しかし場所によっては非常に高温なところもございますし、特に年間をとりますと夏は非常に暑い。たとえば羽田におきまして現在の計画基準温度というものは摂氏三十度ということで考えております温度が上がりますと、飛行機の離陸の性能は悪くなる。いわば空気が軽くなるというような点から飛行機の浮揚力が減ってくる。したがって、滑走路の長さはふえるというのはどこでも同じことでございます。したがって摂氏十五度で三千百五十メートルという場合に、日本の東京あたりでどの程度の滑走路が必要かということになりますと、若干のアローアンスを見ますし、やはり四千メートルというものが必要であるということになります。もちろん滑走路は長ければ長いほど使いよいし、また安全性も増すわけでございます。この点は事故が起こるたびに指摘されるところでございますが、幾ら長ければ長いほど安全と申しましても、おのずからそこに一つの標準なり限度というものがございますので、若干のアローアンスを見るということで四千メートル程度にするという結論を得たわけでございます。
なお、これを裏づける根拠といたしまして、諸外国におきまして、特にフランスあるいはドイツにおける最近のSST用の滑走路も四千メートルというものを前提にしてやっております。こういうような点から見まして、決して四千メートルというものは根拠なくやったものではございません。またこれ以上長くすればもちろんそれだけ使いいい、あるいは安全性を増すということは言えると思いますが、飛行場というものはやはり長ければ長いほどいいというわけにはいかないのではないか、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/23
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024・關谷勝利
○關谷委員 脳溢血を起こさす心配はないかということについての御答弁はなかったようでありますが、これは検討もしておられないので御答弁をそらしたと思いますので、そういうふうなことを一度御検討願っておきたいと思います。
それから今度は、新空港の建設はきわめて大規模であるのと急を要するために、円滑かつ能率的に行なうために公団にすると書いてあるのでありますが、埋め立てとか滑走路あるいは保安施設その他利用者の利便をはかるための諸施設の建設ということは、みな公団が直覚でやるのではなくて、請負にしてやらすということになるのだと思いますが、そうでしょうね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/24
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025・栃内一彦
○栃内政府委員 公団が建設する場合には、やはり公団自体がつくるというのではなくて、いわば専門の建設業者なり何なりに請負わせるということになると思います。運営の場合には、主として公団がやるにふさわしいものは公団の直営でありますが、公団がやるにふさわしくないというようなものは委託をするというようなことになる、思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/25
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026・關谷勝利
○關谷委員 そういたしますと、この公団にするという理由は、運営の面からきておるのであって、建設というような面からきておるのではないということになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/26
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027・栃内一彦
○栃内政府委員 公団をつくるという点につきましては、いろいろな理由がございますが、まずこれを政府自体がやったらどうかという問題から、政府自体ではとてもできない、それでは会社はどうかということで、会社でやるのも弊害があるというような点から、公団が最もいいということになったわけでございます。
公団でやる場合に最もいい長所と申しますのは、まず場所がきまりますと、用地買収なりあるいは補償という問題が起こりますが、これは国みずからがやるよりも公団がやったほうが非常に能率的である。それからまた設計というようなことは、国自身でやってやれないことはございませんが、人事面、経理面、その他から申しましても、この公団が設計をやる、またこれが具体的に仕事をする業者を使ってやるというような点のほうが能率的であろうということであります。しかし何と申しましても、用地の取得なり買収あるいは補償、これは場所の決定によっていろいろと形態が違うというような点で公団が一番能率的ではないか、かように考えております。
それから運営の場合につきましても、政府が直営するよりは公団でやったほうがいい、さりとて純粋の民間にこういう公共的な大きなものをやらせるのは不適当である、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/27
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028・關谷勝利
○關谷委員 用地買収、補償等は公団のほうが能率的だ、設計も公団が業者等に請負わせてやるほうがいいと言うが、これは国がやったって同じことです。公団でやれば早くなる、国がやればおそくなる、そうすると役人が仕事をせぬという結論になるかもしれませんが、そんなことでは答弁にならぬと思います。運営の面でも公団のほうが便利だ——どこが便利なのかと私が聞いておるのに、ただ便利だ、便利だというような答弁では答弁にならぬと思いますが、それなら私のほうから質問いたしますが、第二十九条第一項の規定による公団債の発行というようなことも考えて、用地の買収等につきましても、これは予算外の国庫債務負担行為であり、さらにやれない場合には第二十九条の借り入れ金でやるというふうな、こんな公団債を発行したりあるいは借り入れ金もやれる、そういうようなところが国でやるよりは自由にやれる、機動的にやり得るから、こういうようなことではないのですか。何やらさっきは、そのほうがいいんだというようなことで、理由なしにいいんだ、問答無用でいいんだというような局長の答弁、何ぼ私が簡潔に答えてくれといったって、その具体的なことも何にも言わないで答弁せられたのでは困るのですが、そういうような内容ではないのか、ちょっと答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/28
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029・栃内一彦
○栃内政府委員 先ほどの答弁が不徹底であったということは率直に認めます。ただいま御質問になりましたように、公団でやるのにはいろいろな点がございますが、いま御指摘になりました点は非常に重要な点でございまして、政府でやるといたしますと全額政府の公共事業ということになります。公団でやりますれば、民間から公募債というようなことで資金の導入が可能であるという点がございます。
それから先ほど説明を少しはしょりまして、政府よりも公団のほうが能率的にできると言いましたのをさらに具体的に申し上げますと、この空港の建設、維持、運営のためには、大量の特殊の技能者を必要といたします。これらの要員を確保するという場合に、これはもちろん公務員であっても不可能ということではございませんが、採用資格あるいは給与等、いろいろな方面から人材を集めるという場合には、実際問題として公団のほうが弾力的な運用ができるというふうに考えております。
それから先ほど申しました用地の取得あるいは補償その他の点について、官庁会計よりも公団方式による経理面のほうが弾力性がある。弾力性があるということはいいかげんなことをするという意味でなく、補償等の問題につきましては、地元との折衝という場合に、官庁よりも公団のほうがいろいろな点で処理が容易な場合があるという点があげられます。
そのほか、たとえば経理面で見ますと、予算の流用あるいは繰り越し使用等というような問題につきましても、公団の場合には非常に弾力的な運用ができる、これがまたいろいろな地元との折衝というような点につきましてもスムーズにいく面があるのではなかろうか、かように考えております。
以上が、公団によってやったほうが政府直営でやるよりも全体の仕事がスムーズにいくという理由でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/29
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030・關谷勝利
○關谷委員 それではっきりしたのでありますが、公団の利益あるいは欠損が生じたときの規定がこの第二十八条に規定してあるのでありますが、建設の途中あるいは建設後の数年間は、これは赤字となることが当然だと私たちは思います。ところがこれは、余ったものは積み立て金にしろと書いてありますが、もちろん余ったものはないので、積み立て金もできるはずもありません。そうすると、赤字の累積だけということになってくるのでありますが、これは赤字が次から次へ重なっても繰り越し欠損としてその累積が次から次へ繰り越される、こういうことになるのですか。それとも一般会計から何らかこれを繰り入れをする、そして赤字を消すというふうなことも考えておるのですかおらないのですか、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/30
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031・栃内一彦
○栃内政府委員 現在の考え方といたしましては、繰り越しのままにしておきまして、必要な金は出資なりあるいはただいま申しました民間の資金導入なりということでもって、資金的には不自由のない形で持っていく、こういうふうに現在のところ考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/31
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032・關谷勝利
○關谷委員 累積した赤字に対して出資をさせる、こういうふうなことですが、そんなことに出資をするものはないと思います。それから民間のといいますのは、これは工事等の費用については出資とか民間の資金ということになりますが、公団自体の赤字というふうなものについて出資というか民間の資金の導入ということはできないと思います。この公団の中の運営、管理の面等につきましては出ないということになるのか、そこのところが十分わかりませんが、私は当初はもうけがないから赤字が出るのだというふうに思いますが、その赤字を埋めるために出資あるいは民間資金ということは考えられないと思いますが、これはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/32
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033・栃内一彦
○栃内政府委員 先ほど申し上げましたのは、ことばが足りなかったと思いますが、おっしゃるように、繰り越し欠損金々埋めるために出資なり公募債ということでございませんので、繰り越し金は繰り越し金としておきまして、それでは仕事ができないじゃないかというような御疑問があるのではないかということで、仕事には差しつかえないように、これとは別途の問題としまして、政府出資なり公募債ということで必要な資金を確保するという意味を申し上げたのでございまして、決して赤字補てんのために出資する、こういう意味で申し上げたのではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/33
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034・關谷勝利
○關谷委員 それでは赤字は赤字としてそこへ残しておくということなんですね。まことに不健全な公団、こういうような気持ちがいたしますが、これはやってみなければわかりませんので、それはそのときにまた具体的な問題として一般会計から何とかするということになるのかもわかりませんので、その程度で控えましょう。
この新空港、これの位置が決定するということになりますと、実現を急がなければなりませんが、この際に国鉄では三兆円を七年間に設備投資する計画を立てております。道路では五カ年計画がまた金額をふやしていく、日本鉄道建設公団も、ことしは二百五十四億でございますが、来年からはおそらく五百億程度のものが年々要るということになってまいると思います。治山治水関係においてもどんどんふやしていく。そういうことになった場合に、この空港公団がまたこれを急ぐのだということになってまいりますと、これらの技術陣、労務者というようなものが、そこだけのものということで持っておったのでは、これらの大きなものを全般的にやるのに非常にむずかしいときが来るのではないか。労務者がいま不足しておるというようなときに——私はこれは大臣にお尋ねしなければなりませんが、こういうふうなたくさんの新しい計画ができて、そしてそれに技術陣が要る、労働者もたくさん要る、こういうような場合に、私は、閣議かなんかで、これはその間の技術陣あるいは労務者等を機動的に動かし得るような何らかの機関を設けて、そして急ぐときには急ぐところへそれを重点的に配置するというような、何か全体計画とにらみ合わせて、そしてそこに一つの機動性を持たせるような機関が必要なのではないかというような気持ちがするのでございます。これは実際にそういう事態が起きてみなければわからないかもわかりませんが、私は必ず来るという気持ちがいたしますし、予感がいたしますが、そういうふうなことをひとつお考えになってみてはどうであろうかと思いますが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/34
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035・松浦周太郎
○松浦国務大臣 これは重大な問題でございます。まだ大蔵大臣ともこまかしい折衝はいたしておりませんが、座談的に大体いろいろ話しております。
またいま航空局長がいろいろと答弁しておる中に、でき上がった後における管理、経営は公団が行なうのだ、この点から見て、国際収支の均衡を保つ上に、重要な意義をなす、つまり貿易外収入を確保する任務を果たすのでございますから、港の管理、経営に似たような国費の負担ということは必要ではないか。滑走路であるとかあるいは土地買収であるとかいうようなものは、国の財産になるのですから、私はやはり公共事業費の中から港の経費を出すと同様な考えになってもらいたい。それが日本の貿易外収入を拡大するゆえんであります。一機の飛行機が飛んできて落とす金は、少なからぬ金額になると思うのです。ガソリンも積んでいくでありましょうし、そのお客は日本において相当な金を落としていくでありましょうし、みやげものも買っていくであろう。あるいは飛行機を一日なり二日なり滞留させれば、滞留費もとることができるのでございます。ただ港の場合においても、上屋であるとか陸上の設備、荷揚げの機械というようなものは、同じ政府の金でも、長期低利の融資を行なうことになっておりますから、大体港の例と見合って、財務当局と折衝してみたいと思っておりますが、まだそこの折衝まで入っておりませんが、私の考えでは大部分は公共事業費で行なうべきである、港に準ずべきものである、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/35
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036・關谷勝利
○關谷委員 大臣、お尋ねしましたのは、そういうようないろいろな大きな仕事がたくさん重なってまいりますので、仕事がふえてまいります。その際に、その間の技術陣なり労務者なりを交流する、機動性を持たせるための一つの何かの機関をつくるべきではなかろうか、このようなことを大臣はお考えになりませんか、こういうことをお尋ねしたのですが、それはどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/36
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037・松浦周太郎
○松浦国務大臣 いまの労務管理の問題にいたしましても、同様御質問のとおりに考えておりますが、さらに私は積極的に考えたいことは、いま宮崎にある航空大学の問題であります。今度はお願いして、滑走路を三百メートルか四百メートル延ばしてもらうことになって、あの大学の設備の
一部を今年予算に計上いたしておるのであります。それは三十人や四十人パイロットをつくっても、足りないのです。現在アメリカ人を頼んできて、三倍も四倍も払っているものですから、それでおれがやったって同じじゃないか、高い賃金を払うなら、おれにも半分くらいくれというのが、日本のパイロットの要求なんです。だから私はアメリカ人の手を借りなくても、日本人のパイロットだけで、十分日本の飛行機が国内的にあるいは国際的に操縦できるだけの乗員は日本人が養うべきじゃないか、そうしてそういうものも、いまは宮崎にありますから、宮崎を拡大するか、あるいは大きな空港ができましたならばそこに付属させるか、とにかくいまのような乗員では——いまもストライキを起こしているのです。ということでございますから、空港の管理、経営に対する問題あるいは乗務員の養成の問題等を兼ねて私は要請をいたしていかなければならぬと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/37
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038・長谷川峻
○長谷川委員長 大臣、内閣委員会で設置法がありますから、どうぞ退席してください。御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/38
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039・關谷勝利
○關谷委員 政務次官、聞いておられたと思いますが、大臣ちょっとこんがらかっておられるようでありますので、政務次官会議か何かで、ひとつ、これからの見通しを内閣でいろいろ計画もありましょうから、そういうふうなものを全部総合的に考えた場合に、・私はそういうふうな機関が要るのではなかろうかというような気持ちがしますので、そんなことをひとつ政務次官会議の際にでも出して検討する、いろいろな事柄を検討してもらって結論を出してもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/39
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040・大久保武雄
○大久保政府委員 關谷委員の御質問はまことにごもっともでございまして、最近の公共事業の膨大な長期計画が一斎にスタートをしました際に、計画はあり、資金がありましても、はたしてそれだけの労務動員ができるかどうか。これは事の成否にかかわる重大問題であります。しかも従来官庁、公共団体等が施行いたします工事というものは春から秋にかけての^きわめて工事のやりやすいときにおきまして、いたずらに設計をしております。だんだん秋から冬場になりまして、工事を一斎に出していく。こういったようなきわめて不合理な工事配分をしておる次第でございまして、いわんや北海道その他の寒冷地帯におきましては、冬には工事は実際上できないのでございますから、今後におきましては大きな公共事業が一斎にスタートいたします時期におきまして工事の配分、労務の適当なる調整計画というたようなことにつきましては、政府といたしましても重要なる事項といたしまして考慮いたしたいと私は考えておりますから、關谷委員の御指示の適当なる機関におきましてこれらの点を調整をはかっていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/40
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041・關谷勝利
○關谷委員 それからこれは事務的な問題でありますが、施行期日が万一本年末までに決定しない場合でありますが、これも仮定でありますけれども、局長のように楽観的に考えられておられると、その心配が要らぬのかもわかりませんが、運輸省設置法第八十三条の改正規定は四十一年一月一日以後の定員を一万五千八十五人から一万五千六十一人と、二十四人落とす、これは公団の職員の関係だと思います。この二十四人は、数でこそ二十四人でありますが、これが公団の中校体であろうと思います。これが宙に迷うようなことになったのではたいへんなことになりますが、予算では今年一ぱいしか見てない。四十一年になりますと、予算がないわけでありますが、この公団の中心にならなければならぬ大事なとらの子のような要員を四十一年の一月一日から後は予算もないんだということになるとたいへんなことになりますが、これはどう処置せられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/41
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042・栃内一彦
○栃内政府委員 いまおっしゃいましたように予算的には今年一ぱいということになっております。そこで、先ほどの答弁と関連してまいるわけでございますが、私どもとしましては、附則の第一条でこの公団の設立の準備が政令でもってきまりまして、そうして動き出す。そうして公団ができて現在航空局でやっております準備の仕事がそちらのほうに移る。先生のいまおっしゃいました要員がそちらに移るということと相応じまして、運輸省のほうの定員を落とすということでございまして、非常に甘い考えだといわれればそれまででございますが、私どもといたしましては、この辺が円滑に行なわれるというふうに想像しておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/42
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043・關谷勝利
○關谷委員 そうなればけっこうなんですよ。それなら私は心配しませんが、もし万一の場合は——万一の場合も考えて考えておかなければならないと思います。本年中にきまらなかった場合に、この二十四人が宙に迷うというようなことを、私が繰り返して言うておるように、これはみな公団の中核体になる人々でしょうが、それを万一の場合は予備費でも出すのだとか、なんとかするという答弁がなければ安心してやれませんが、その点どんなことになっておりますか。何も今年中には必ずできるのだということなら、最初にもうそのときには公団としての活動を始めるのでということなら、最初の決定時期の関係もまた位置の決定というようなことも私は心配しません。位置がきまって、その後の政令でことし中にはっきりときまるのだということなら、何もこんなむずかしい質疑応答は要りませんので、説明を聞いてそうですがで済むのですが、なかなかそうはいかない場合がありはしないかと私たち内心心配するところもありますので、その際には予備費とかなんとかで出してこれをまかなうというようなことがなければならないじゃないか、その点は何も考えておらぬのですか、のんきな局長ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/43
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044・栃内一彦
○栃内政府委員 いまのんきであるというおしかりを受けましたのですが、万一の場合に絶対に方法がないというわけではございません。いろいろな方法——予算を流用するとか、あるいはその他予備費の問題とかいろいろ考えられますが、私は現在におきましては、そういう一種の万一の場合を考えて、そういうことでどうやらやれるというような考え方よりも、むしろそういうようなやりくりを考えないで早期に御決定を願いたいという気持ちが非常に強いものでございますので、便法というような御質問に対してはいわば答弁を的確にしなかったというようなことでございまして、万一の場合をかりに想定すれば、いろいろな方法は私は絶無ではないと思います。ただ現在そこを考えるよりも、むしろ早くきめていただきたいというような、楽観的かもしれませんが、そういう気持ちで一ぱいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/44
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045・關谷勝利
○關谷委員 局長のほうが政治家らしくて、私のほうがまるで事務屋の考えるような考え方で逆になっておりますが万一の場合も考えて、安心をして職員が仕事をするということができますように、たとえ万一のことがあってもこうなるのだといって安心感を与えて伸び伸びと仕事をさせるのが局長の仕事ではないか。そこへ私が答弁をさせようと思えば、そんなことは考えぬほうがいいんだ、おまえは政治家としてはまことに小さいぞよ、そんなことを聞くな、そんなことをいま言うべきではないと言って、まるで事務屋に政治家がさとされているようなんですが、まあそれはそれでいいですよ。まことに頭のいい栃内局長のことでございますのでうやうやしく聞いておきましょう。
それから具体的にいろいろ取り越し苦労をするなとこれまた局長にしかられるかもわかりませんが、航空審議会の答申では富里もしくは霞ケ浦ということでありますので、この比較検討ということはなされておるのであろうと思います。聞くところによりますと、これは私があるところで聞いたので、その点が確かであるかどうかわかりませんが、よくこれは検討をしておかなければならない問題だという意味で老婆心までに申し上げておきますけれども、霞ケ浦は埋め立てを七百万坪やりますと、治水計画を十分にやらなかったならば、技術的に計算をすると水位が五十センチ高まるという結果になるのだそうであります。こういうことまで考慮に入れておかないと、せっかくこの計画を始めましても、それがたいへんなことだということになりますので、こういうことは考慮に入れてあるのかどうか。それから百里飛行場の廃止について防衛庁の長官が強硬に反対申し入れをしたというようなことを言っておると聞いておるが、それが真実であるかどうか。またアメリカの基地のうちのどれか一つを返還をしなければ、霞ケ浦にいく場合には、百里飛行場を廃止しなければなりませんので、先ほど大臣は、返還ということばは悪いので、使用ということばを使って言っておりましたが、使用というようなことについて、交渉しておるのかどうか、可能性があるかどうかというような見通し、あるいはそんなことは考えておらないのか。できるのだから心配するなといわれればそれまでなんでありますが、そこまで責任をもって言われるなら答弁は要りませんが、そのようなことを考えておるかどうか。そんな申し入れがあったかどうか。富里は、立ちのきに対して賛成が六百戸、反対が六百戸、そうして条件闘争をやるとかなんとかいうのが六百戸というようなことに分かれておるというようなことが新聞にうわさせられておりまするが、買収について県その他と打ち合わせというようなことはしてみたことがあるのかないのか、見通しが立っておるのか、買収がむずかしそうなのかあるいはやれるのか、そういった見通しを立てるということは、位置決定以前になされなければならない仕事でありますので、そのようなことをやっておるのかどうか、この点を伺ってみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/45
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046・栃内一彦
○栃内政府委員 問題は三つに分かれると思いますが、第一の問題の霞ケ浦の治水の問題でございます。この点はすでに事務的にある程度の調整というものをやりつつございます。もちろんこれは最終的にまだ詰めておるわけではございませんが、洪水調整の問題としまして、現在霞ケ浦の湖面の減少面積は九百万坪以内にとどめるということになっております。一方、現在高浜入り干拓事業というものがございます。そのほかすでに行なわれましたものに、四百万坪の干拓工事というものが行なわれておりまするので、現在五百万坪の干拓の余裕があるというふうに聞いております。いま申しました南浜入り干拓をやれば、この五百万坪のうちの相当部分を取られてしまう。したがいまして、飛行場を湖面につくる場合には、高浜入り干拓をやめて、そうして七百万坪をつくる。そうしますと、単純なる計算によりまして二百万坪というものがはみ出すということになります。この二百万坪というもののはみ出しを調整するためには、放水路の計画あるいは湖岸の堤防あるいは洪水調整池の建設というようないろいろな方法、これを組み合わせるということもあるいは必要かとも思います。この辺は、私どもの考え方では、金の問題ももちろん伴いますが技術的には調整可能であろう、ただ主管省はこの辺になりますと建設省でございますので、建設省とこういう点は今後十分調整を必要とするというふうに考えております。
それから次のいわゆる東京西部の軍用飛行場の返還問題、この点は先ほど大臣がおっしゃいましたように、いわば返還の要求ということでなくて、利用さしてもらうということで、これは外務省が中心になって、その利用について米国と交渉をするということになっております。この交渉の成否という点につきましては、今後外務省筋の交渉の経緯等をよく聞きまして判断をいたしたい、かように考えております。
それから富里地区の問題でございますが、富里地区につきましては、御承知のようにあの付近には非常に強い反対運動のあることも事実でございますが、一方また誘致運動というものもございます。この賛成、反対につきましては時期によって反対が非常に強いという印象を受ける場合と、また賛成がかなり強いという印象を受ける場合といろいろございますが、一つのデータとしまして、三十九年の九月に富里村の議会で調査をいたしました。これの調査によりますと、絶対反対が三四%、それから賛成と条件つき、条件はいろいろございますが、そういうようなものを含めまして六五%、別に不明というものが一%というふうな数字が出ております。これはいろいろアンケートのしかたその他にも議論の余地はあるかもしれませんが、一応村議会でもってやられました、いわば一種の公の調査というふうな性格を帯びておると思いますが、こういうデータを私どもは持っております。航空局が自分自身で賛成、反対というものを地元に行って調査するというようなことは、現在まだしておりませんし、また、現在において航空局がそこまでやるのはいろいろな意味で問題があるのじゃないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/46
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047・關谷勝利
○關谷委員 これで質問は終わったのでありまするが、最後に、これは答弁は要りませんが、位置の選定についていろいろ議論をしております人の中にも、航空というものの技術的な面の無知からくる謬論をなしておるものが非常に多い。幸い参議院にはその道の最高権威者である源田元航空幕僚長ですか、参議院議員がおるのであります。この源田元空将の意見、技術的な面の説明を聞くような会も持つ必要があろうと思います。そういうふうなことは、航空局として積極的にやるべきである。最初にPRがへただ、SSTにとらわれて、その必要性がとんでもない議論になっておったり、この技術的な面がわからないために位置の選定についても議論をやっておったりいたしますのは、航空局のPRが足りないというところに起因するところが多いと思いますので、そういうことがないように、この技術的な説明を聞くような、そうしてなるべく多くの人に徹底することができるような方法を航空局としては考えるべきだと思いますので、この点を申し上げて、質問を打ち切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/47
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048・大久保武雄
○大久保政府委員 本日は關谷委員からたいへん有益な御質問、御意見を拝聴いたしまして、特に最後の点につきましては私もまことに同感でございまして、この問題が進む過程におきましてしばしば源田議員の意見を聴取するようにという手配をいたした次第でございます。
また、たとえば東京湾等の埋め立て等につきましては、これは船乗り、パイロット等の意見も聞く必要がある、かようにいたしまして、できるだけその道その道の権威者の意見を聞きながら、片寄らない位置の選定をいたしたい、かような配慮でおりますけれども、この上とも關谷委員の御意見を尊重いたしまして善処いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/48
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049・長谷川峻
○長谷川委員長 小川君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/49
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050・小川三男
○小川(三)委員 大臣も不在でありますし、關谷先生と重複する点がありますので、これを整理してまいります。資料だけ用意してもらいたいのです。それは、羽田、大阪両空港のバランスシート、最近のものです。それと、公団設立後、公団が事業目論見書を作成するのか、それとも航空局が当たるのであるなら、いまの新国際空港についての事業の目論見書、それだけの資料をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/50
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051・長谷川峻
○長谷川委員長 ちょっと御報告申し上げます。外務委員会できょう十二時過ぎに、日米航空協定に関する決議案が審議されております。それを運輸委員会として御了承願っておきます。
本日はこの程度にとどめ、次会は来たる八日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午前十一時五十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X01919650402/51
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