1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年四月二十一日(水曜日)
午前十一時五分開議
出席委員
委員長 長谷川 峻君
理事 大西 正男君 理事 進藤 一馬君
理事 關谷 勝利君 理事 田邉 國男君
理事 久保 三郎君 理事 肥田 次郎君
小渕 恵三君 川野 芳滿君
壽原 正一君 田澤 吉郎君
塚原 俊郎君 西村 英一君
山村新治郎君 小川 三男君
島上善五郎君 泊谷 裕夫君
野間千代三君 山口丈太郎君
内海 清君 竹谷源太郎君
出席政府委員
運輸政務次官 大久保武雄君
運輸事務官
(大臣官房長) 堀 武夫君
運輸事務官
(航空局長) 栃内 一彦君
委員外の出席者
運輸事務官
(航空局参事
官) 手塚 良成君
運輸事務官
(航空局監理部
総務課長) 紅村 武君
運 輸 技 官
(航空局技術部
管制課長) 泉 靖二君
建 設 技 官
(計画局技術調
査官) 池田 迪弘君
建 設 技 官
(道路局企画課
長) 豊田 栄一君
専 門 員 小西 真一君
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四月十六日
委員田中彰治君辞任につき、その補欠として山
村新治郎君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
新東京国際空港公団法案(内閣提出第一〇三号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/0
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001・長谷川峻
○長谷川委員長 これより会議を開きます。
新東京国際空港公団法案を議題とし、審査を行ないます。
質疑の通告がありますので、これを許します。肥田次郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/1
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002・肥田次郎
○肥田委員 今度の新空港公団法で問題になる点について簡単に質問をしたいと思うのですが、その前に、今度の空港の候補地についていろいろと取りざたをされながらも、幾つかの候補地があげられて、その候補地があたかも議論の焦点になっておる。政府部内でもこの候補地については容易に決定しがたいような実情にある。そういう関係の中で、この公団法を審議するということについて、きわめて私は無責任さを感ずるのです。公団法ができてから候補地をきめるということでは、本末が転倒しているのではないか。候補地の目安が大体ついて、政府部内でも意見の一致を見て、そして公団法について審議に入る、そして公団法が成立すればすみやかに着工ができる、こういう体制でなかったらいけないと思うのですが、それがあべこべになっておる。この関係について今日までそれぞれの質問者から若干の問題点にも触れられ、政府のほうからもその問題点については答弁がありましたが、なお判然としない面が残っておるし、新聞その他で、いろんな風説といいますか、そういうものが入り乱れてきておる。この点について、その関係を明らかにしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/2
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003・大久保武雄
○大久保政府委員 ただいま御質疑のありましたように、本来ならば候補地をきめて公団をつくるということも考えられるわけでございますけれども、本件の場合におきましては、候補地を先にきめたあとで公団をつくるということに相なりますと、相当広大な面積を空港のために確保しなければならないといったような準備行為がその間にはさまってまいりますので、土地の取得等についてのかなり困難な要素も入ってくるおそれもございますので、公団が設置されました後すみやかに場所を決定する、かような考え方で進んでおるような次第でございます。
また、場所の決定にあたりましては、航空審議会から御答申もいただいております次第でございますから、政府はこれを尊重いたしまして、すみやかに決定いたしたいと考えております次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/3
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004・肥田次郎
○肥田委員 重ねて質問しますが、やはり答弁はわれわれが考えておるものと全く相反する答弁なんです。私が特にこの点について質問する問題点は、必要を迫られておる空港は一体建設に何カ年を要するのかということです。第一次のいわゆる着陸可能な程度にするまでには昭和四十五年だというのがこの公団法の中で一応の目安として出ておる。五年間かかるのです。その五年間という目安は、公団法ができて、土地の買収に着手をして、おもむろに工事を始めて五年間かかるのか、それとも、そうではなしに、直ちに着工できる状態で五年間かかるという計算なのか、その点は一体どうなんでしょうか。必要性との関係等についてその点を明らかにしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/4
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005・栃内一彦
○栃内政府委員 いま仰せられましたように、第一期、第二期ということで考えております。用地の点がまだはっきりしないのでございますが、かりに富里に決定した場合、あるいは湖面に決定した場合というふうに考えますと、陸地の場合には、買収及び移転補償に要する期間を三年間と考えておりまして、第一期の建設工事は約三年半と考えております。しかし建設工事は、買収及び移転補償の交渉開始後約二年で着工可能と考えられますので、第一期工事は通算約五年半というふうに考えております。これは全体の長さでございます。
それから湖面の場合には、工事自体の工期は若干延びると思いますが、漁業補償というものは一年程度で解決するというふうに見ておりますので、最終的には大体陸地の場合と同じような段取りでできる、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/5
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006・肥田次郎
○肥田委員 私もここでいろいろな実際着工する前段について問題が起こってくることは、これは承知しておるのです。いま航空局長の言われるように、農地補償あるいは漁業補償というようなものまでお考えになっている、これは一つの計算の上で当然そういうことも起こり得るだろうという前提の上でそういうことをお考えになっておるだろうということもわかるのです。しかし、有力大臣あたりからいろいろな説がふんぷんとして流れておるでしょう。そして、そういうものが流れながら、その中でわれわれがここで公団法について審議をしなければならぬというその関係について、第一不愉快じゃないですか。あなたのほうで腹の中に、実は空港予定地というものはここまであるのだ、あるけれども、これはいま表向きにできないのだ、いろいろな問題が起こってくるから、これは明らかにできないのですね。政府としては、運輸当局としては、ここまで明らかにもう予定地というものを持っておる、こういうふうに理解をしていいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/6
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007・大久保武雄
○大久保政府委員 運輸当局といたしましては、航空審議会の御答申もある次第でございますから、これをとくと尊重いたしまして決定いたします決心でおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/7
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008・肥田次郎
○肥田委員 私がさらにお伺いしたいのは、そういうことになってくると、われわれが予想する問題点というものはきわめて明確になってくるのです。たとえば、土地の収用ということになってくると、今度のこの空港については、初めて強力な土地収用法というようなものでも発動する考え方ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/8
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009・栃内一彦
○栃内政府委員 土地収用の関係でございますが、私どもとしましては、こういう強制的な法律はできるだけ適用しない、またしたくないという考えで、できるだけ納得づくで売買の交渉を進めたいということを考えております。ただ、わずかの部分が残って全体が完成しないというようなやむを得ない場合、これは事情をいろいろ具体的によく勘案しなければなりませんが、そういう場合がかりに起こった場合には、やはり収用法というものも必要ではないか。しかし、そういうことの起こらないようにできるだけの努力をいたした甘い、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/9
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010・肥田次郎
○肥田委員 航空局長、そういう点については、これは問題点を一つ、二つ私は持っております。それはどういうことかというと、賛成、反対という歴然たる姿があらわれていますね。これはいずれの地域でもそうだろうと思う。そうなってくると、七百万坪という膨大な土地を収用するのに、賛成、反対というこの層がどういうふうにあらわれてくるかということを考えると、これは容易なことじゃないと思う。三年やそこらで七百万坪という土地の収用ができますか。先ほどから次官の答弁にもあったように、航空審議会の答申もある、だからわしらにはわしらの腹がきまっているのだ、こういうことになれば、この問題は解決方法について成算があるのですか。七百万坪の土地を収用する、反対者もある、強力な反対もある、賛成者もむろん一部にはある、そういう中で、二年や三年でこの土地を収用するということが可能だと思われますか。この点について、この考え方というものをもうちょっと、なるほどそれならできるだろうというような考え方があればひとつ聞かしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/10
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011・栃内一彦
○栃内政府委員 もちろん政務次官がおっしゃいますように、航空審議会の答申を尊重するということでございますので、第一候補としては当然富里村ということになっております。ただ霞ケ浦周辺あるいは湖面一現在のところ湖面というような問題も取り上げられておる次第でございまして、いずれがどうかというような問題、これはもちろんございますが、かりに第一候補の富里村にいたしましても、先般富里村の議会で調査いたしましたものによりますと、絶対反対は三四%ということになっております。こういう賛否の関係は、もちろんいろいろな調査の方法もございましょうが、私どもとしては村議会の調査というものが一応信頼できるというふうに考えております。今後かりに富里村にきまりますれば、おそらくいろいろな具体的な問題に入っていく、その場合には、当然条件というようなものが具体化してまいると思いますので、さらに条件等についていろいろ折衝するというような過程を通じて、次第に賛成の方がふえていくというふうに期待しておりますし、またそういう努力を県なりあるいはその他の公共団体を通じてやる必要がある。そのためにもまた、航空局だけの力ではできないわけでございまして、公団というものが実際のそういう仕事をやっていくということで、この問題は解決し得るのではないか。また代替地の問題等も付近に取得し得るという見通しも持っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/11
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012・肥田次郎
○肥田委員 反対のグループの反対理由というものは相当明らかで、しかも全く対立的なものなんですね。土地を取られるということに対する絶対反対の考え方、永年営々として耕してきた自分の農地を取られる、少々の補償をもらっても容易にそれだけの、今日までの努力を補うものには足りないだろうという、だからこの人たちがほんとうに自分らの農地を転換をして、どこかに新しいまた仕事の場所を求めていく、それに対して十分な補償というものができた場合には、これは賛成ということになるかもしれない、これについてはいわゆる金に糸目をつげないような補償というものを考えればあるいはこれは可能かもわかりません。ところが、もう一つの面では、この航空機というものに対する利害関係のあずかり知らない者があるのです。国としての利害関係はなるほど大義名分が立つとしても、ジェット機が一日に千回以上ぶんぶん飛び回る、こういうことについて、飛行機に一生乗らない人もあるのです。そういう人たちを航空機が来るということについて賛成をさすということには、これはなかなか容易なことではない。そういうものも含めて、言われるように現在三四%か三六%という計算になっておられるようですけれども、私は、飛行場ができるということについて、いままでのプロペラ飛行機で飛ぶ程度のものについてはこれはもちろん反対はなかろうと思うけれども、今日ジェットの音はすでに公害とも言われておるのです。そういうふうなときに、こういうものに対して理解を求めて、そうして賛成をしてもらうということは不可能なんですね。現に、大阪の場合に、大阪の国際空港を拡張するのに非常に困難を伴っている、土地の買収さえもなかなか容易に、思うようにいかない。一面では国際空港の拡張というものを、ジェットの時代化に応ずるようなものに拡張しろといういわゆる自治体の代表あたりは住民の意思をごまかしてやってきておるけれども、あの地域の住民と、そして逐次住宅化が密になってきておるところで賛成をしておるというような面は、これは全然ないのです。そういうような状態ですから、あなた方のほうで新空港というものについて軽々しく考えられておると、容易なことじゃないと思う。この空港予定地というものが、そういうことからもきまらないだろうし、政府部内でもいろいろなことを言う人がある、いや、あそこはどうだ、ここはどうだ、これはそういうふうに問題点をぼやかしておいて、運輸省当局のいうように、審議会の答申があるから、おれらのほうはもう腹はきまっているのだ、こういうことになるとすれば、よけい問題は複雑になってくる、こういうふうに思うのですが、あなた方の立てておられる目標期間内の昭和四十五年までにはっきりできるという体制はもう問題にする必要はないのでしょうね。これは念のために確認をしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/12
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013・大久保武雄
○大久保政府委員 ただいま御指摘がございましたように、これを具体化しますためには、相当困難もありますことは十分承知いたしております。しかしながら、これを進めるにあたりまして、具体的な交渉につきましても、また精神的な問題につきましても、物心両面とも誠意を尽くしまして、期間内に必ず実現させたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/13
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014・肥田次郎
○肥田委員 これは公団法の審議の問題点とは関連があるようで一若干議論になりますから、この程度にしておきます。
その次に質問いたしたいのは、いろいろと空港を新設するについての制限というものがいわれております。周囲に米軍の航空基地あるいは航空自衛隊の基地がある、そういうことのために、いろいろと制限がある、こういうことがいわれておりますが、これは私はわからないのでお伺いしたいのですが、現在四千メートルの滑走路の基地をつくろうとしておる英米仏独、こういう関係について、予定地の周囲に日本が現在置かれておるようなその国の航空基地というようなものが密集しているのかどうか、この点についてひとつ答弁をしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/14
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015・栃内一彦
○栃内政府委員 外国におきますSST用の空港、特に私どもが例示としてあげておりますのはフランスの北飛行場という飛行場でございますが、この飛行場はパリの北方にございます。すでにもう用地が確定しておりまして、設計図等ももちろん最後のものではないかもしれませんが入手しておりますので、非常にもう具体化しております。これは現在の使っておりますオルリーとル・ブルジェというものがございますが、ル・ブルジェのほうと比較的近いようでございますが、この場合に新空港をつくればル・ブルジェのほうは一応やめるというように聞いております。それからニューヨーク周辺の新空港、これは御承知のようにケネディ、ニューワーク、ラガーディアとございますが、新しい空港につきましては都心からかなり離れたところにいま検討しておるようでございます。これはなぜ離すかという点は、いままでの空港との間の空域を分離するというようなところから検討しておるというように聞いております。
そのほかハンブルグ、これも都心からかなり離れたところにいま候補地をきめておるということで、周囲の既存の飛行場との関連を考えておるというように聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/15
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016・肥田次郎
○肥田委員 私はそんなことを聞いておるのじゃないのです。新空港は、ここにあなたのほうから出されておる資料にあるように、それぞれみな新空港が予定されておる。すでに確定しておるところもあるように書いてある。この周囲にいわゆる軍用の航空基地があるかどうかということを聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/16
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017・栃内一彦
○栃内政府委員 御質問の意味を間違えまして恐縮でございます。
私のほうで現在軍用基地が、諸外国においてどの位置にあるかというところまでは調査はしておりませんが、当然飛行場の設計という場合には軍用基地との分離ということを考えておるというふうに推定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/17
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018・肥田次郎
○肥田委員 大体、常識的に、日本のように軍備を持たないという憲法のもとに新しい形態の中で今日成長していっておる国と、それから今日まで軍備を持ってそれぞれ世界最強を誇るところの空軍を持っておるアメリカだとか、あるいはイギリスだとか、こういうふうな国の軍用基地がどこにあるかということぐらいは御存じでしょう。この中におられる人でも、知っておられる人があるでしょう。それを私は聞いておるのです。別に皮肉で聞いておるのじゃなしに、日本のように、先般来質疑の中で問題点になっておるのは、軍用基地があって、それがために航空基地をそこがいいと思っても持っていけないところがある。たとえば、横田基地のようにアメリカががんとしてここに腰を据えておるために、どうにもならない。百里には新設の自衛隊基地がある。こういうふうに、五つも東京周辺に航空基地があるのです。こういうようなところで、たとえばここに書いてあるように、あなたのほうで出されておる新空港、これはニューヨークの場合には、ボーリング・グリーン、ベアフォートというようなところ、あるいはイギリスではスタンテッド、こういう地域、一日一千回から航空機が離着をやろうというところに、そういう妨害になるようなものがあるのかどうかということをお伺いしておるのですから、これは常識的に御存じだと思って私は聞いたわけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/18
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019・栃内一彦
○栃内政府委員 イギリスの軍用飛行場がどの地点にあるか、あるいはアメリカの軍用飛行場が、特にニューヨーク付近でどの地点にあるかという点は、申しわけございませんが、いま明らかにいたしかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/19
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020・肥田次郎
○肥田委員 次官に、これは質問というよりは、次官の考え方を聞かしてもらいたい。まあ、質問ということには間違いないのですが、質問というよりももっと別な意味でお伺いしたいのは、これも先般来問題になっておったのは、いろいろと土地を選定するについて一番拘束される条件というのは、このうしろに掲げられておる地図にもあるように、日本の航空自衛隊の基地、アメリカの空軍基地というようなものがあるから、非常に拘束を受けるということです。これらがなかったら拘束は受けないわけです。拘束を受ける必要はないわけです。自由に民間機が滞空をしながら着陸を待つということも可能なわけです。こういう点について考える場合に、日本は戦争する必要はないのですから、東京を守るというようなこういう空港が東京近在に必要じゃないということにも通じるわけなんです。そうすると、おのずから世界の五つの国がSST用の新しい時代に適応するような空港をつくろう、こういう際に、これらの空港がなぜどこかへ移転をするとか、これらの空港と、真に日本として一番必要なこの新空港とのとりかえができないのか、こういう疑問が起こってくると思うのです。これは先般来いろいろな意味でたびたびやはり問題になっておったと私は思うのですが、あなたはそういうようにお考えになりませんか。新しい日本の百年の航空対策として基地をつくろう、そういう際に、これがよそへどいてくれればもっともっと適切な土地が得られるというような場合に、ただそういうものを、これはもうしかたがないということで、新空港をつくるよりしかたがない、こういうふうに考えておられるのか、もっとほんとうに、いわゆる日本人らしい気持ちを持っておられるのか、この点についてお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/20
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021・大久保武雄
○大久保政府委員 先ほど栃内航空局長から御答弁申し上げました外国のSST用の飛行場の設定に関する問題にも関連いたしてまいりますが、結局新しいSST用の飛行場を建設いたしますには、外国でもやはり空のホールディング・エリアの接触がない、すなわち空の管制において絶対安全であること、これは飛行場を設置いたします際の第一前提として検討しておるだろう、かように考えております次第でございます。
わが国といたしましても、飛行場を設定いたします上において、特に民間の超高速機の離着陸いたします飛行場でございますから、空域の安全性というものは何をおいても最優先的に考えなければならない問題であることを御了解を得たいと存ずる次第でございます。つきましては、ただいま私に対しまして御質問がございました米軍基地との関連についてでございます。いわゆるブルー14と称せられまする一連の米軍基地は、日米安全保障条約に基づきまして米軍が設置いたしておりまする基地でございます。もちろん憲法によりまして日本が求めて戦争をするということはございませんが、日米安保条約に基づく防衛ということはあり得るわけでございまして、さような関係からこの基地が設定いたされております次第でございます。そこで、この基地の持っておりまするブルー14といういわゆる空の管制領域というものと重複しないように設定していきますことがやはり要請されてまいりますわけでございますので、航空審議会の答申もこれらをおもんばかりまして、富里もしくは霞ケ浦、かような御答申をいただいておりますような次第でございますが、ただ霞ケ浦につきまして、一部百里基地との問題が起こってまいります。そこで将来軍用飛行場を、アメリカの空軍基地を返してもらったらどうだろうという問題につきましては、日米安保条約の関係もございまして、私がここで御答弁を申し上げるまでに至りませんが、それらの基地を日米共同防衛という関係から日本においてこれを利用さしてもらう、かような交渉は今後におきましてもアメリカに対しまして私どもは続けてみたい、かように考えておりますような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/21
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022・長谷川峻
○長谷川委員長 肥田さんにちょっと申し上げますが、建設省は道路局長が決算委員会に行っております関係上、企画課長の豊田君が来ておりますから、御了解願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/22
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023・肥田次郎
○肥田委員 重ねてお伺いしますが、現在でも東京の西の地域に、正確には西北になりますか、四つの航空基地がある。横田、入間川、立川それから厚木、この四つの基地があって、これが非常な民間航空の障害になっておるということは御承知だろうと思う。いまの日本という立場から見ると、戦争放棄をしておる、戦争には一切手を出さないという日本の立場から見ると、こういう基地があるということは、日本としても迷惑しごくなんです。東京都民にしても、この一連の民間航空機は東京を基点にして大阪、福岡と西へ飛ぶわけですから、迷惑しごくな存在なんです。ですから、次官の言われるのは、次官の立場では、容易に、それについては自分の考え方を言われることはむずかしいだろうと思います。これはわかります。わかりますが、現実にこれで非常な大きな迷惑——迷惑というよりも大きな経済的な損失もここに生じておるということは、これは御承知だろうと思う。私は東京−大阪を往復する間にただ一度、富士山の北側を通ったコースを乗せてもらったことがあります。東京をたってこれを通ると、大阪へ着くのにバイカウントで四十五分ぐらいで着く。ところが、これを大島回りをすると、結局一時間十分ぐらいかかる。これだけ違うのです。この経済的な損失はたいへんなものなんです。この地域をもっと幅広く民間航空用に開放するというようなことはできませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/23
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024・大久保武雄
○大久保政府委員 ただいま御質問がございましたように、ブルー14も、有視界飛行と申しますか、非常に視界の明確であります場合におきましては、ブルー14を通るということを許されております次第でございます。何と申しましても、一日に一千回以上もジェット戦闘機が飛んでおりますこれらの空域を、日本の民間航空が安全を最も重視する立場におきまして通過するということをあらゆる場合に広げていくということは、現在の段階におきましては無理ではなかろうか、かように考えております次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/24
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025・肥田次郎
○肥田委員 そうすると航空局長にお伺いしますが、現在この富士山の北側を通るコースというものは、われわれしろうとでわかりませんが、これはどの範囲を通ってもいいということになっておるのですか。これの幅と高さ、この関係についてお知らせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/25
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026・栃内一彦
○栃内政府委員 具体的に非常に技術的な問題でございますので、専門の課長から説明いたさせたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/26
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027・泉靖二
○泉説明員 お答えいたします。現在ブルー14を横切りまして西のほうへ出ます一つのルートが設定されております。これは三十九年の六月に実現したルートでございます。羽田の上空で高度をとりまして、ある高さをもちまして軍用飛行場群の上を通過いたしまして、名古屋の方面に直行するルートが設定されております。これは羽田の上空を高度四千メートルまで上昇いたしまして、それから航空路、ブルー14の西側の空域を通過していく経路になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/27
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028・肥田次郎
○肥田委員 そうすると、この空路を通れるというのは気象条件によるんですか。空路があいているときにのみ通れるという、そういう制限されたルートなんですか、どうなんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/28
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029・泉靖二
○泉説明員 現在のこの空域を使用しております軍用航空機がピークにおきまして約千機ございます。羽田のほうはそれに比べて非常に少ない交通量でございます。それで実際の管制方式と申しますと、この軍用飛行場群を使用している飛行機のの間を抜けまして、羽田のレーダーと横田のレーダー、これが協力いたしまして一つ一つの飛行機を誘導する、こういうやり方でございます。したがいまして、ここを通れます航空機は、高度も制限がありまするのでジェット機に限られております。それから軍用航空交通の間を抜けるという制限がございますので、かなり少ない度合いになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/29
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030・肥田次郎
○肥田委員 そうすると、ほとんどこのルートを通るということは自由にならないという前提のもとに通れる範囲だ、こういうふうに考えていいのですね。
それから、今度の新空港の場合には、高度はおそらく八千、九千以上、一万メートル以上の高度ということになるのでしょうが、この場合でも同じことですか。変わりはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/30
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031・泉靖二
○泉説明員 ただいまの御質問の意味が、新空港がもし羽田にできたという想定でございますならば、同じようなことが起こると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/31
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032・肥田次郎
○肥田委員 新空港は富里か霞ケ浦か木更津かどこかわかりませんが、新空港は航空当局の考え方では、いわゆる国際線ということになる、羽田は国内線として残しておく、こういう計画のようですから、その前提の上でお尋ねしているわけなので、そういう場合になってくると、当然、新空港はジェット機ばかり、こういうことになるだろうと思う。そういう際にでもみんな木更津沖へ出て大島を回って、そのコースが近い場合もありますが、そういうようなコースを通らなければいけないのか。国際線は全部このコースを通らなければいけないのか。そういう際には高度の関係でもっと幅広く開放されるようなことになるのかどうか、これが一つ。
それから、もう一つは、経済的な面で、高度三千メートルを通る、通らないは例外として、羽田を飛び立って、先ほど言った富士の北側のコースを通ってずっと西へ行くような場合と、大島を迂回をする場合との経済的な比較、これは名古屋を起点にしても大阪を起点にしても回るコースは同じですから、その経済的な比較というものは、どれだけの利点になるかということがわかっておったらお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/32
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033・栃内一彦
○栃内政府委員 第一問につきましてまずお答えいたしますが、私の考えとしましては、国際線は、東京から出まして、方角によって違いますが、できるだけ早く海上に出る。海上に設定されたルートに従いまして、あるものは西に行く、あるものは東に行くというようなことでやっておりますので、国際線につきましては、東京−大阪間というものはほとんど問題にならないというふうに考えます。それから、特にSSTの場合には、なるべく早く海上に出すということが基礎的な常識でございますので、そのことはさらに言えると思います。
それから、現在の東京−大阪間の迂回の問題でございますが、これは、ただいま私数字を記憶しておりませんが、大体二割ないし三割の違いがあるんじゃないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/33
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034・肥田次郎
○肥田委員 航空局長、これは簡単な資料でけっこうですから、二割ないし三割というこの点の——これは直接日航あるいは全日空あたりでわかっておることだと思いますから、その経済的な大島回りの損失、それから富士山回りの利点、こういうものについてあとで資料でひとつ知らしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/34
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035・栃内一彦
○栃内政府委員 仰せのとおり資料を調製いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/35
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036・肥田次郎
○肥田委員 それでは、その次にお伺いしたいのは、結局今度この公団法に計画されておるのは大体七百万坪で、四千メートルの滑走路が二本、それから横風用を考えたのが一本、ざらに国内線用が二本、こういうふうに一応の計画が示されておりますが、ここで私は一つお伺いしておきたいのは、七百万坪という現在の計画というものが、ざっくばらんに言って、一体いつぐらいまでの航空機の発展に応じたところの計算ということになっておるのか。これは私はしろうとでわかりませんが、およそここ十年来の航空機の進歩というものを見ておると、航空機の利用は全く船にとってかわってしまっておる。それと同時に、国際間の往来というものがきわめてひんぱんになってまいりまするから、今日までの計算でもっては、およそ計算の方式が変わってくるだろう、こういうふうに思うのです。ですから、いまあなたのほうで立てておられる七百万坪は、よその四カ国のものに比較してみても、たとえば、ワシントンでは、現在千二百万坪のダレスの飛行場がある、さらにニューヨークのケネディには六百万坪の飛行場がある、それから新空港でさらに七百万坪から千二百万坪、こういう計画が立っておる。イギリスにおいても、おそらくそれに近いものだろう。それからフランスにおいても九百ないし千五百万坪。ドイツにおいても七百五十万坪から千二百万坪。こういうふうな資料があなたのほうで出されておるわけです。いまあらゆる困難をして七百万坪の土地を確保した。これからさらに十年または二十年たった後にこの飛行場を拡張しなければならぬというような状態が起こってきたとするならば、おそらくこの土地の拡張は不可能になってくる。それならば、いまけちなことを考えずに、同じやるのならアメリカやフランス並みの千二百万坪でも千五百万坪でもいいから、それだけの計画をなぜ立てないのかという疑問を持つわけです。そういう点について、この七百万坪あれば国家百年の空港として十分任務を果たせるんだ、こういうことでお立てになったのか、それともいまの状態でこれ以上のものをつくることは不可能だろうというふうな貧乏さいふを計算に入れてこういう計算になったのか、その点をひとつ明確にしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/36
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037・栃内一彦
○栃内政府委員 これは非常にむずかしい問題でございまして、今後の技術の進歩その他をいろいろ考えますと、将来どういうような航空機の形態になるかという問題もございます。ある考え方によりますと、非常に短距離で離陸できるようになるんではないか、あるいは今後飛行機が大型化するとますます大きくなる、この両極端の考えがございまして、しかも、これが経済的ないろいろな問題がございますので、理論的にどうというだけでは判定できない。したがって、私どもとしまして考えましたのは、羽田が一ぱいになる、そこで新しい大きな飛行場をつくろうという考えが出ましたが、その場合に、一つの飛行場で最も能率のあがるものをつくろうではないかという考え方でございます。と申しますのは、もちろん飛行場を広げれば広げるほどいいわけでございますが、単に広くても、また滑走路をそこにどんどんふやしていくということをいたしましても、決して全体の能率はあがらない、いわば一つの適正規模というものが考えられるわけでございます。これは空域との関係、したがってまた滑走路相互間の距離ということにからんでまいります。そうしますと、一番面積を有効に使うにはどういう姿がいいかということで現在資料として配付してありますような形のものが一番能率的である、非常にやかましく言えば、単位面積当たり一番飛行機を消化し得るということであって、これより狭くても能率的ではない。また極端に大きくても——もちろん大きければ大きいほどいいわけでありますが、能率は必ずしも大きさに伴ってあがらぬというような観点から設計したものを実際の地面に当ててみますと、大体七百万坪ぐらいになるというようなことでございまして、今後それができまして一体どうなっていくかという問題はいろいろな想定がございますが、私どもとしましては、さいふに締められてというよりも、もっと技術的な意味で考えたい、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/37
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038・肥田次郎
○肥田委員 私はしろうとですからあまり反論する頭は持っておりません。ただ現在この比較をしてみた場合に、千二百万坪というのがすでにそれぞれの国にある。日本はいま百万坪の羽田を二年後にはもう使えなくなるとこの間松尾さんが言っておったような状態だから、急いでつくらなければいかぬ。それには将来のことも考えて七百万坪だ、こういうことになる。日本は国が小さいから七百万坪でいいんだとお考えであったらそれでいいわけです、ただ、いま局長が言われたようなことは非常に学者らしい表現で、しかも日本の国柄に沿ったような表現をされておりますが、あなたの発言は何年か後にも記録に残っておるわけです。当時はこれでよかったんだ、いやこういう計算でこれはつくったんだ、こういうことで残るわけです。ただ私が心配するのは、残る、残らぬは別にしても、現在よその国ではみな七百万坪というような飛行場はもう小さいと言われておるときに、なるほどいわゆる立体上昇ができるような航空機ができた、けれども今日の百四、五十人乗りという飛行機は小さくなるのでしょう。三百人、六百人というような大型の航空機、さらに超大型の航空機ができて、そういうものが日本をめがけてどかどかとやってくるというような際に、七百万坪ぐらいで幾ら効率的に使えるものをつくったとしても、これはいかにも狭いです。それだけそこに向かって人が集まるのですから。結局そういうことになるだろうと思うのです。そういう点がありますから、お伺いしたわけで、あなたのほうでいや七百万坪あればここ百年はだいじょうぶだ、こういうことをおっしゃれば、私はしろうとですから、これ以上申し上げることはございません。
その次にお伺いしたいことは、この新空港と道路関係の問題なんですが、この道路関係については、それぞれのを見てみると、これは私の目算ですが、今度これが霞ケ浦になれば大体九十キロ近くになると思う。あなたの計算では、これを数字的に算術的に合わすと七十四・四キロ、富里の場合には五十四・九キロというふうになりますけれども、大体道路というものはそうきっちりはいきませんから、私がざっと計算すると、霞ケ浦の場合には九十キロ近くになり、富里の場合でも六十キロ近くになる、こういうふうになにしてみたのですが、こんなに遠いところは、ニューヨークの今度の新空港が七十キロ前後になるだろうということで、あとはほとんど三十キロ以下ですね。現在の東京の羽田空港も、都心との関係はわずかに十五キロですが、一時は一時間近くもかかったが、今度ハイウエーができても、それでもなおかつ都心からというと二十五分から三十分くらいかかる。こうなってまいりますと、道路の関係も問題になってきますが、道路の距離の関係はともかくとして、この新しい空港ができることと、それから道路の関係というものをどういうふうに考えておられるのか、これは航空局のほうからまずお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/38
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039・栃内一彦
○栃内政府委員 この道路の問題は、航空審議会の小委員会でもいろいろ問題になりましたところで、空港はできたけれども、道路ができないということでは何もならぬではないかというようなお話がございまして、専門委員として建設省の方にも入っていただきまして、当時建設省としては公の数字はまだ固まっておらぬということの保留づきでいろいろ資料について伺ったわけでありますが、その資料をもとにしまして、私のほうで道路の長さとかいうようなものを整理したわけでございます。今後この場所が決定いたしまして、また公団が設立されまして、具体的な飛行場の建設ということに相なりますれば、それとおくれないように道路のほうもやっていかなければならぬ。この道路につきましては、建設省が主管官庁でございますので、建設省のほうにお願いし、両者間で緊密な連絡をとりますが、その場合に、建設省のほうにおかれてみずからやられるか、あるいはいろいろな道路関係の公団を利用されるか、その辺は建設省の御判断の問題でございますが、いずれにいたしましても、空港と道路とは非常に緊密な関係がございますので、両省間で十分連絡をとってやっていきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/39
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040・肥田次郎
○肥田委員 空港と東京とを結ぶ道路については、あなたのほうでは、建設省との協議の上で道路の設定をしていくというお考えですが、この公団と道路とを結びつけてというような考え方はなかったわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/40
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041・栃内一彦
○栃内政府委員 新空港公団が空港に至る都心からの道路もともにやるという考え方は、あるいは一つの考え方かもしれませんが、運輸省といたしましてはそういう考え方はとらなかったということでございまして、道路の問題は、やはり道路の専門の建設省にお願いいたしたい、そうして両者の関係は緊密な連絡によって調整をして、機能的にぴったり合ったものにしていきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/41
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042・肥田次郎
○肥田委員 それでは建設省の豊田課長にお伺いしたいのですが、御承知のようにまだ新空港は海のものとも山のものとも、というわけにはいかぬでしょうが、幾つかの候補地があってその決定はなかなかむずかしい。しかし運輸省のほうには成算ありというところだそうですが、その際に空港を結ぶ道路については、あなたのほうでこの公団法ができればもう文句なしに協力体制がとられて、道路の建設は空港の建設におくれないように間に合う、こういうふうにお考えになりますか。あなたのほうの計画というものは、事前に今日まで新空港と道路との関係について御協議をされたことがあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/42
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043・豊田栄一
○豊田説明員 お答えいたします。ただいまの御質問の直接のお答えになるかどうか存じませんけれども、私ども道路のほうの立場といたしましては、将来の展望に備えまして、いろいろな意味の勉強はいたしております。そういう点で、いつから云々ということについては個別な問題がわからない限り申し上げられないと思いますけれども、いずれにしろ、日本の長期展望に備えた形での勉強はいたしておるつもりでございます。したがいまして、いま話題の国際空港につきましても、われわれといたしましては、調査の一段階においていろいろな勉強はいたしておりますが、鶏と卵のお話になって恐縮かと思いますけれども、そういう点の固めの時期等に相応して具体的にやっていくものと私どもは考えております。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/43
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044・肥田次郎
○肥田委員 現在道路の緊急整備という計画の中で、富里あるいは霞ケ浦、こういう方面に対しての最も近接する道路計画というようなものがおありなんですか、そのルートの何があれば、それもお知らせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/44
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045・豊田栄一
○豊田説明員 お答えいたします。御質問の点につきまして、すでに東京から地方に出ていく道路、それからまた地方から入ってきます道路については、諸種の計画がございます。いまの空港に関する位置がはっきりいたします場合には、むしろ取りつけ道路という形でもって新しいルートというものが部分的には出てまいるかと思いますが、既存の道路をできるだけ利用するという点、そういうのが私どもの基本方針でございまして、そういうような臨み方で大体臨んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/45
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046・肥田次郎
○肥田委員 さらにお伺いしますが、富里付近は船橋競馬場に行っている道路というのがあるのですが、これからブランチをして、そして富里の場合には富里に道路をつなぐ、こういうようなことも可能なんですか。
それからそうなってくると、それらの交通量というものとそれから現存の道路との関係というものは、これはどういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/46
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047・豊田栄一
○豊田説明員 お答えいたします。いまの御質問の固有名詞につきましては、私どもも、交通量の把握につきまして、空港ができますことによってのそういう点について、やはり個別的なルートに沿ってのいろいろな勉強をした上で結論をつけなければ、技術的な問題がからんでおりますので、そういうものを詰めた上で初めて言えることかと思います。したがいまして、いまお話しのございましたのを直接どうするということでなくて、きまりましたものについて、交通量なりあるいは技術調査の上でもって正確なお答え——またそういうような設計をするということになるかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/47
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048・肥田次郎
○肥田委員 これはまだ企画課長が新空港の規模について御承知ないようでしたら何だと思うのですが、大体今度できる新空港は一日一千回くらい離発着があるというのです。飛行機も大型になってきますから、そこに来られる人数というものがどの程度になるか、これはちょっとわれわれもつかめませんけれども、とにかくばく大な人がその間を通るに違いない、こう思うのです。いわゆる車が通るに違いないと思うのです。そうなってくると、運輸省当局では、現存の道路にブランチをするというような考え方があるようですが、これは専用のハイウエイをもってしても、私はこの程度のものが必要な状態になるのじゃないかと思うのですけれども、あなたのほうでそういう際に、現存の道路にブランチをして、そして空港とをつなぐというようなことを想定した場合に、現存の道路がそういう条件のもとでそのまま使えるというふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/48
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049・豊田栄一
○豊田説明員 それはやはり設計の問題でございまして、その内容といたしましては、いま先生の御質問のような点は、設計の内容によってきまることだと私どもは感じております。したがいまして、あるいは量の把握によりましては別に専用を考えなければいかぬということもあるかと思いますが、その辺は何と申しますか、完全に技術検討を終わった上で詰めていく問題だと私どもは思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/49
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050・肥田次郎
○肥田委員 私がこういうことをお伺いしているのは、空港と道路との関係が明らかにされないで、空港は空港だけでつくる、あとは道路は建設省と相談してつくるのだ、こういう答弁だからお伺いしているわけなのです。空港と道路というものは、これはもう同時に計画されなければならぬものである。そういう性格のものであろうと私は思う。ですから、空港に対する交通量というものを計算に入れて、そうして現存の道路にブランチをする、あるいは建設省で計画中の道路がどこにあるから、この道路をどこに持っていく、そうするとこれだけの交通量がはけるだろう、こういう計画というものが当然協議の上で、運輸省で一つの筋というものを持っておられるだろう、こう思ったのですが、何か簡単に、道路というものは空港さえできればあとはひとりでに進んでいくだろう、こういうふうに答えられて、ばく然としておるので、まことにたよりないので、私はあなたのほうに、専門家にお伺いしたわけなのです。ところが、交通量が多くなったら道路を拡幅するという、むしろその場合には新設したほうが事がしやすいほど拡幅というものはむずかしいのです。私どもの聞くところによると、東京あたりでは建設費はたった二割程度で、あとの八割は補償だと言われておる。それほど困難なのですから、道路を拡幅するということになると容易ならぬことである。ですから、新空港をつくろうというような場合には、当然これに対する道路というものは同時計画をされていいものだ。そういうものを運輸省と建設省とで当然連携をとられた上での、一つの何か青写真でもあるのじゃないか、こう思ったのですが、運輸省のほうでないようなので、あなたのほうにお伺いをしたのです。あなたのほうで、そういう点について、これをあなたのほうもごらんになったことがあるか。ちょっと見てください。運輸省でこういう資料を出してきておるのです。こういう可能性を、これを前提にして、われわれは考えていいものかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/50
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051・池田迪弘
○池田説明員 ただいま豊田課長が御説明申し上げておりますように、この空港の位置につきましては、先ほどのお話にあったと思うのですが、まだきまっておりません。それで、先生からお話のありました仮定の位置につきましては、われわれのほうといたしましては、今後空港の位置がきまりました場合には十分に調査をし、そして空港の供用開始には間に合うように努力をするつもりでおります。
ただその前に、空港候補地をきめる場合に、一応の用地をさがしておきたい、こういうふうに考えておりますが、この路線そのものについては、なるほどこちらのほうで既定の高速自動車道の利用可能なところもあるかと思います。また、交通量につきましても年間四十何万回になります離発着、それあたりの精度によって合うようなものをつくっていかなければならないので、初めのうちはそういうものを利用しながらも、結局その容量が一ぱいになりましたならば、新しい専用道路を設けなければいかぬ、こういうふうに考えております。それで、このお示しの図面は、一応仮定として、こういうところを通るんじゃなかろうかというところをただ白紙に入れただけでございまして、通過地点等につきましては、先ほど申しましたように、技術的な調査の上で検討すべきものだ、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/51
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052・肥田次郎
○肥田委員 そうすると、道路の関係については、用地の問題はむずかしいとしても、新空港の場所がきまれば、五年もあればりっぱに道路はできる、こういうように理解をしてよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/52
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053・豊田栄一
○豊田説明員 いまの池田調査官の答弁にもございましたように、そういう意味での精度が上がるにつれまして私どもは努力いたしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/53
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054・肥田次郎
○肥田委員 先立つものは金なんですが、財源、いわゆる道路建設費用についても、それは優先的に当然そのほうへ振り向けられる、こういうことになるのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/54
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055・豊田栄一
○豊田説明員 現在の道路整備五カ年計画の中で全部という意味ではございません。というのは、あの中で、まだそういうふうな意味でフレームのきまらない問題もございますので、そういう点では熟度に応じて育てていくという態度で臨みたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/55
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056・肥田次郎
○肥田委員 運輸省にしても、航空当局にしても、それから建設省にしても、空港をつくって道路がないというような、そんなことは常識上ないことなんですから、空港と道路がテンポが合わない、こういうことにはならぬだろうと思いますから、これはこれぐらいにして質問はおいておきます。
そこで、念のためにもう一つお伺いしたいと思うのですが、一日一千回から大型の飛行機が離発着をするという際の利用者数というものは、大体どのくらいに踏んでおられるのですか。そうすると、先ほどばく然としておったが、大体この交通量がどういうふうになるかということが計算できると思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/56
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057・手塚良成
○手塚説明員 いま一千回とおっしゃいましたのは、工事が二期工事に分かれて、最終的に完了して、一応フルに動くという時期を想定いたしておりますが、そういう時期になりました際は、これは国際線、国内線で分かれますけれども、大体三千万人前後、それを輸送いたします飛行機の離発着回数が四十八万回程度、一応いろいろな前提を置きましての推定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/57
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058・肥田次郎
○肥田委員 したがって、道路はそういう規模で計画されなければいかぬということになりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/58
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059・栃内一彦
○栃内政府委員 ただいま仰せられましたように、道路は当然そうなければならぬ。ただ、建設省の答弁なされましたのは、おそらく開始当初は既存の道路のブランチということである程度できるんじゃないか。次第にそれが増すに従って専用道路をつくっていきたい、こういう趣旨であろうと私は推察しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/59
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060・肥田次郎
○肥田委員 そこで私は先を急ぎますから簡単に言いますが、問題点は、私はやはりそういうところだろうと思うのです。羽田の空港がだんだん飛行機の離発着が多くなる。そうすると交通が困難になって、一時間二十分ぐらい予定をしなければ羽田の空港へ着かなかった時期が長い間あるのですよ。こういうことが何年かあって、そうしてやっと空港へのハイウエーができた、こういうことなんです。そういうことじゃ新空港をつくっても意味がないじゃないかということにはならぬでしょうけれども、そういうことがいままで絶えず前例にあるのですから、少なくともこの新空港という場合には、そういう関係も最初から当然計画をされてやらなければいかぬだろう。道路をつくってももうかりますよ。この道路はもうからぬはずはないのです。現に週刊誌あたりにはいろんなことを書いています。民間の有料道路をつくる会社ができておる、こんなことも書いております。名前は差しつかえがあるから言いませんが、そういうことさえ言われておるのです。ですから、道路というものは空港のあとからくっついて必要に応じて当然できるだろう、こういう考えじゃ私はいけないと思うのです。
それから次の質問に入りますが、現在の航空安全問題について少し質問しておきたいのですが、よくわれわれが耳にすることは、札幌に行って、札幌に着陸できないから東京に帰ってきたら、東京に着陸できないで、また時間待ちをしておった。大阪に着陸できないので、大阪からまた東京に舞い戻ってきて、そして時間待ちをする。こういう地上の条件などいろいろなものがあるのですが、こういう際に一元的な航空管制というものがとれるのかどうか。同時に、現在は東京、大阪だけが国際空港ですが、北海道、東京、大阪、福岡、少なくともこういう四地域については、航空局直轄の空港というものがあって、そこで計画的に、地上の条件あるいは飛行機の条件、こういうものに沿ったところの管制がとれるような状態でなければいかぬと思いますが、その点は現在非常に不安定な状態だと私は思うのですが、どうなんですか。その点について将来の計画、それから現在安全なのかどうか、こういうことについてお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/60
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061・栃内一彦
○栃内政府委員 ただいまの御質問は、おそらく、千歳に行った、千歳において非常に気象条件が悪いという場合に東京に引き返すことがあるというお話に関連しての御質問と思いますが、これは現在のところ、千歳まで行きました飛行機が羽田に帰ることがございます。その辺の連絡は無線なりあるいは有線なりというもので、飛行機との間もまた地上相互間も通信系ができておりますので、連絡に支障があるということはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/61
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062・肥田次郎
○肥田委員 連絡は完全にとれるのですね。あとは飛行機の問題だけだ、こういうことになりますか。たとえば札幌からあと返りして東京に帰ってきた、ところが東京がふくそうしておって着陸ができないので、また時間待ちをさせる、こういうようなことはないのですね。大阪の場合でも同じことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/62
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063・栃内一彦
○栃内政府委員 ただいまのお話は、おそらく千歳に着くべきものが羽田に帰ってくる燃料が不足ではないかという問題との関連だと思いますが、羽田におきまして管制いたしておりまして、着陸機をきめる場合には、通常は順序あるいはジェット機がプロペラ機に優先するというようなことがございますけれども、いまのような緊急事態という場合には、何ものにもかえて優先的に着陸させるということをしております。いまのような場合でも、羽田に帰る燃料は当然持っておるわけでございますから、優先的に着陸させるというような措置によって安全は保たれる、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/63
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064・肥田次郎
○肥田委員 先般も航空局長は、現在東京と大阪だけがいわゆる国際空港で、あとはみんな共用だ、こういうふうにおっしゃっておった。国内航空の安全対策としては、これで十分だとお考えになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/64
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065・栃内一彦
○栃内政府委員 私は、軍民共用ということは決して望ましくない、かように考えております。したがって、理想としては分離すべきである。ただ段階的に、現在たとえばエプロン地帯を分離するというようなことで漸進的に進めております。現在のところ、両者の間で協定いたしましてやっております。したがって、安全にこと欠くというようなことはないと思っておりますが、今後の問題として、理想的にはやはり分離していくというのが適当であろう、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/65
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066・肥田次郎
○肥田委員 分離ということではなしに、私はいまの程度で安全度は十分かということを聞いているわけなんです。民間専用空港のあるとかないとかいうことじゃなしに、たとえばずいぶん飛行場ができましたが、いわゆる計器着陸できる飛行場というのはごくわずかなんです。しかもいわゆる有視界飛行でみんな飛んでいっておる、着陸できないで帰ってくる、こういうことをよく聞くのです。そういうことがさらにこうじて、運航停止というようなこともやっておることもある。そういうたくさんの飛行場がありますが、これらについてそれぞれいわゆる計器着陸ができるような、純計器着陸とはいかなくても、それぞれにこの着陸ができるような、そういう設備、それから現在東京、大阪だけという貧弱な計器着陸可能な設備をさらに福岡あたりにもふやして、そして非常の際に万全を期する、こういうことについて計画はどういうふうになっておるのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/66
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067・栃内一彦
○栃内政府委員 私は現在のローカル空港が、もちろん計器着陸はできないわけでございますが、ビーコンというものは一応各ローカル空港につくっております。このビーコンがありますがゆえに、ローカル空港でもIFRの運用ができる、こういうことになっておるわけでございます。これはもちろん基礎的な問題でございますが、IFRの能率をさらにあげるというためには、別のレーダー等が必要になってまいります。これは御指摘のように、主要空港にのみ設置してございますが、今後やはり段階を追うて、利用度の多いところ、あるいは気象条件の特に悪いところというようないろいろな観点から、そういう設備をだんだんにやっていくべきだ。もちろんこれには一カ所当たり数億円の費用がかかりますので、これを一斉にやるということはできませんので、気象条件なり利用状況なりを勘案して、逐次ローカル空港にも及ぼしていくべきである。現にローカル空港の一つである宮崎につきましては、現在それらの設備を施工中でございまして、遠からず完成する、こういうことになっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/67
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068・肥田次郎
○肥田委員 くどいようですが、東京、大阪以外に、たとえばわれわれが常識的に北海道、東京、大阪、福岡、九州の地域ですね、こういうところに、国際空港ですから結局さしあたって九州と北海道、こういうものに民間専用の国際空港というものの計画はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/68
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069・栃内一彦
○栃内政府委員 九州から申しますと、板付の米軍基地の利用関係がだいぶ変わってまいりまして、地元におきましては板付を国際空港にしてくれという非常に強い要望がございます。この点は、私どもも板付というものが民間の利用に将来全面的になるということはもちろん希望しておりますけれども、現在の段階で米軍がこれを手放すというようには見ておりません。ただ民間機の利用が量的に非常にふえているということは事実でございますし、現在あそこから沖繩行きの日航機が飛んでおります。将来は九州の国際線の中心ということになっていくのではないか、またそういう方向にいくことは、私どもも念願しております。
それから北海道の問題でありますが、千歳は現在自衛隊との共用でございますが、これは現在のところやむを得ず共用しておるということでございまして、これを国際空港にするということは、現在のところはちょっとできないのではないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/69
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070・肥田次郎
○肥田委員 航空機の発展ということだけじゃなしに、国際上の情勢変化というものも予測を許さない状態にあると私は思うのです。現在大阪空港は主として韓国との航空路があるからというので、拡張工事なんかをやっておると思いますが、これは早晩中共との航空路もできる、あるいはウラジオ、ハバロフスクあたりとの空路の関係も問題になってきておる。ですから、西のほうにさらに国際空港が必要になってくることは論をまたないと思うのです。それからもう一つの大きな目的は、やはり民間機の大型機がいつでも着陸できるような、そういう航空安全の問題、こういう一連の関係を整備するということが新空港をつくると同じように重要な問題だろうと思うのです。ですから、そういう関係については、すみやかにやはり計画を立てて、着々その計画の実現という方式をとってもらわなければ、今日の変化の激しい航空事情に応ずるということはなかなか困難じゃないか、こう思うのです。ですから、北海道は、これは確かに利用条件は——これは北海道からはしかられるかもしれませんが、いろいろとこれは問題があるかもしれない。またそう急がなくてもいいというような条件はあるかもしれません。しかし西はそうはいかないと思う。これらは早急に計画ができるような状態にはなっていないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/70
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071・栃内一彦
○栃内政府委員 板付につきましては、本年度、予算をもらいまして、これはすでに成立しておりますが、いわゆる民航地帯の拡張ということを計画しております。これによりまして、現在まで板付がエプロン地帯が非常に手狭であるということが解決されれば、さらに国際空港化へ向かって一歩前進するというように考えられます。これは実質的には非常に大きな意味があるのではないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/71
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072・肥田次郎
○肥田委員 航空安全の問題でこの際もう一つ質問しておきたいのですが、先般、あまり芳しい問題じゃありませんが、例の航空局で機材の購入に際して汚職問題が起きた、その際に消防車などについての問題があったので、そういう消防車などについての性能試験、こういうものをおやりになったほうがよかろう、こういうことを私は申し上げておきました。これはおやりになりましたか。
それと、これはいつも問題になっておるように、当然消防車に対する専用の要員というものが配置されておらなければ意味をなさない。たとえば、先ほど私が質問した問題点は、緊急着陸をしなければならぬ、そういうときには、これは非常の場合に備えて、それぞれいわゆる救護用のあらゆる施設を動員する、こういうことにならなければならぬのですが、そういう準備体制は十分できておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/72
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073・栃内一彦
○栃内政府委員 消防要員の不足の問題は、かねてから御指摘をいただいておるところでありまして、東京、大阪のようなところでも十分な人数がおらない、特にローカル空港におきましては、専属の人がおらないということで、これではいけないということは、もうよく肝に銘じてわかっております。これはこの間も御指摘がございましたので、もちろん明年度の予算要求という問題とも関連がございますが、現在の人でできるだけのことをやるようにということで、いま計画をやっておりますけれども、現在まだ現地のほうに徹底しているという段階ではございません。早急にこれを具体化していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/73
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074・肥田次郎
○肥田委員 現地のほうに徹底しておるという段階でないということは、一体どういうふうに理解をしたらいいですか。いわゆる航空安全対策がきわめて不安定な状態だ、こういうふうになるのですか。どうなんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/74
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075・栃内一彦
○栃内政府委員 ただいま申しましたのは、消防体制というものにつきましていろいろ検討しておりますけれども、これがあらゆる空港についてまだ残念ながら徹底してはおらない。特定の空港につきましてはかなり対策ができて募るということを申し上げたわけでございます。しかし、徹底しておらないところも早急に徹底させたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/75
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076・肥田次郎
○肥田委員 さっき聞き落としたのですが、消防車の性能テストというのは随時おやりになっておりますか、これは機械車を置いたままで、いざというときに使うだけ、こういう扱い方をしておられるのですか。私が先般言ったのは、完全だと思って購入をしても使えぬ場合があるおそれがあるから、これは至急に性能テストをやって、いつでも使えるという状態、しかもそれが中間においても常時性能テストというものをおやりになる必要があるということを申し上げたのですが、これはおやりになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/76
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077・栃内一彦
○栃内政府委員 地方には、この前御意見がございましてから通知をいたしまして、性能テストをやるように連絡してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/77
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078・肥田次郎
○肥田委員 連絡をしておられるというだけじゃなしに、おやりになっておるのかどうかということを聞いたわけです。これは局長じゃなしに、現地を直接監督しておられる方からお答えを聞いたほうがいいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/78
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079・紅村武
○紅村説明員 ただいま局長から申し上げましたとおり、先般、先生からそういった御意見が出ましたので、ちょうどついでがございましたのでさっそく地方のほうには伝達をいたしました。随時そういった点検等をやるように言ってございます。それで実はまだ現実にどの程度テストをやったかということを確認をいたしておりません。さらに今月あるいは来月程度になろうかと思いますが、東京あるいは大阪から専門家を現地に派遣いたしまして、そういった面を確認いたしたい、現在そういう点を計画中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/79
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080・肥田次郎
○肥田委員 ささいな問題ですがもう少し。——そうすると、そういうことをやったという報告はまだ受けておられないということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/80
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081・紅村武
○紅村説明員 地方から現実にどういう点検をやったという報告はいまのところはまだ受けておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/81
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082・肥田次郎
○肥田委員 機械の性能というものは、当然随時点検をやっておかなければいけないものなんです。これは常識なんですがね。報告が来ておらないということは現実にそれぞれの出先が忙しくて、そういうことができないということなのか、ルーズでほうってあるということなのか、それはどういうふうに理解したらよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/82
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083・紅村武
○紅村説明員 現地といたしましても、消防の問題は非常に重要な問題でございますし、決してルーズでほったらかしてあるというわけではないと私どもといたしましては確信いたしております。したがいまして、先ほど申し上げましたように、いつ何回やったという報告はとっておりませんが、現地でよくやっておるものというふうに確信はいたしておりますし、また先ほどお答え申し上げましたように、来月中ぐらいには現地を全部専門家に回らせまして、その際に確認をいたさせたい、このように計画をいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/83
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084・肥田次郎
○肥田委員 くどいようですが、こういう問題については、いわゆる指示、達示の出しっぱなしじゃなしに、返事をとられるということが大切だろうと思うのです。それが趣旨を徹底するきめ手になるのですから、これは私は航空安全のためにお願いをしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/84
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085・長谷川峻
○長谷川委員長 次会は、来たる二十三日金曜日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時三十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803830X02519650421/85
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