1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年三月二十四日(水曜日)
午後一時三十六分開議
出席委員
委員長 岡 良一君
理事 佐々木義武君 理事 中曽根康弘君
理事 福井 勇君 理事 前田 正男君
理事 田中 武夫君 理事 三木 喜夫君
秋田 大助君 小沢 辰男君
小宮山重四郎君 藤尾 正行君
石野 久男君 内海 清君
出席国務大臣
国 務 大 臣 愛知 揆一君
出席政府委員
科学技術政務次
官 纐纈 彌三君
総理府事務官
(科学技術庁長
官官房長) 小林 貞雄君
総理府事務官
(科学技術庁振
興局長) 江上 龍彦君
総理府技官
(科学技術庁原
子力局長) 村田 浩君
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三月十九日
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関
する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第
一一五号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関
する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第
一一五号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803913X01019650324/0
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001・岡良一
○岡委員長 これより会議を開きます。
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803913X01019650324/1
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002・岡良一
○岡委員長 まず提案理由の説明を聴取いたします。愛知国務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803913X01019650324/2
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003・愛知揆一
○愛知国務大臣 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び要旨を御説明申し上げます。
御承知のとおり、最近における各国の原子力の平和利用は、原子力発電所の建設、原子力船の開発、放射線の利用等各方面において、著しい進歩を示しております。
このうち、原子力船の開発につきましては、すでに米国の原子力商船サバンナ号、ソ連の原子力砕氷船レーニン号が活躍しており、西独におきましても原子力貨物船オットー・ハーン号が進水を終えた状況にあります。
わが国といたしましても、従来からこのような各国の原子力船開発利用の趨勢に沿い、外国技術の吸収と研究施設の整備をはかってまいりましたが、特に今後のわが国における原子力船開発利用の重要性にかんがみ、昭和三十八年には、日本原子力船開発事業団を記立し、昭和四十三年度完成を目標に原子力を動力とする海洋観測船の建造を進めているところであります。
以上で述べましたように、原子力船開発の進展は、原子力発電の開発と相まって、いまや二十世紀の人類の獲得した最大の成果となろうとしております。しかしながら、原子力の利用につきましては、その危険を防止する必要があり、各国とも安全性の確保に遺漏のないよう規制を加えつつその推進をはかっている次第であります。
わが国におきましても、従来、核原料物質、核熱料物質及び原子炉の規制に関する法律に基づき、原子炉の設置を内閣総理大臣の許可にかからしめること等により、国内における原子力の利用が平和の目的に限られ、かつ、これらの利用が計画的に行なわれることを確保し、あわせてその災害を防止して公共の安全をはかることにつとめ、船舶に設置する原子炉につきましても、その安全性の確保を主として設置の段階ではかることとしておりました。
しかして、従来から関係各国間において検討され、原子力船の運航に関する事項を定めておりました千九百六十年の海上における人命の安全のための国際条約がようやく本年五月には発効の運びとなり、一方、外国の原子力船が近い将来わが国を訪問する事態も予想されますので、政府といたしましては、このような状況に対処し、本邦における外国原子力船の規制をはかりますとともに、この機会にあわせて国内原子力船につきましても入港の際の規制を新たに加えることとし、この法律案を提出することといたしました。
改正の第一は、外国原子力船を本邦の水域に立ち入らせようとする者が当該原子力船の立ち入りに伴い原子炉を本邦内において保持することを内閣総理大臣の許可にかからしめ、その安全審査を行なうことを明らかにしたことであります。
前述のとおり、現行法におきましては、原子炉を船舶に設置することを内閣総理大臣の許可にかからしめ、その安全審査を行なうこととしておりますが、千九百六十年の海上における人命の安全のための国際条約におきまして、原子力船は、訪問する相手国政府に自国政府の承認を得た安全説明書等を提供し、その安全審査を受けるべきものとされ、外国原子力船の規制に関する取り扱いが同条約の発効により明確にされることとなったのであります。したがいまして、わが国といたしましては、原子力船の立ち入りに伴う本邦内における原子炉の保持を原子炉の設置の場合と同様に内閣総理大臣の許可にかからしめ、その際に原子力委員会におきまして、その安全審査のほか、あわせて万一原子力損害が発生した場合に必要な損害賠償措置等についても審査を行なうこととすることにしたわけであります。
改正の第二は、原子炉設置者及び外国原子力船運航者が原子力船を本邦の港に立ち入らせることを内閣総理大臣への届け出にかからしめ、これに伴い、内閣総理大臣、運輸大臣等は、相協力してその港における環境条件において万一の場合の災害の防止について遺漏なきを期するための各種の措置を講ずるものとしたことであります。
すなわち、原子力船が港に立ち入る場合には、当該港の自然環境、社会環境等により、停泊地点の選定、出力制限等災害を防止するための各種の措置が必要とされますので、入港前にあらかじめ内閣総理大臣にこれらの措置の内容を届け出させることとし、内閣総理大臣はその措置の内容を充分審査の上、その必要を認めるときは、災害を防止するため原子力船の側において講ずべき措置にかかる事項を運輸大臣に通知することといたしました。この通知を受けて、運輸大臣は、原子炉設置者または外国原子力船運航者に対し、災害を防止するために必要とされる措置を命ずるとともに、港長等に対し、当該原子力船の航行に関し必要な規制をすべきことを指示することといたしました。
さらに、本改正法案の附則において港則法の一部を改正し、港長等は、運輸大臣の指示があったとき、または災害を防止するため必要があると認めるときは、原子力船に対し各種の具体的措置をとらせることといたしました。
以上二点がこの法律の改正の要旨でありますが、なお、この法律改正と相まちまして、さらに同法施行令等関係政令、総理府令等についてもその整備拡充をはかり、原子力行政について万全を期してまいる所存であります。
何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803913X01019650324/3
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004・岡良一
○岡委員長 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
本日はこの程度にとどめ、次会は明二十五日木曜日午前十時委員会を開くこととし、これにて散会をいたします。
午後一時四十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104803913X01019650324/4
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