1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年二月二十四日(水曜日)
午前十時四十九分開議
出席委員
委員長 森山 欽司君
理事 正示啓次郎君 理事 三池 信君
理事 井谷 正吉君 理事 岡本 隆一君
理事 西宮 弘君
逢澤 寛君 天野 光晴君
大倉 三郎君 大野 明君
木部 佳昭君 木村 武雄君
佐藤 孝行君 篠田 弘作君
砂原 格君 丹羽喬四郎君
山本 幸雄君 渡辺 栄一君
勝澤 芳雄君 金丸 徳重君
河野 正君 久保田鶴松君
實川 清之君 原 茂君
稲富 稜人君 玉置 一徳君
出席国務大臣
建 設 大 臣 小山 長規君
出席政府委員
労働政務次官 始関 伊平君
労働事務官
(労政局長) 三治 重信君
建設事務官
(大臣官房長) 鶴海良一郎君
建設事務官
(計画局長) 志村 清一君
建設事務官
(都市局長) 鮎川 幸雄君
建 設 技 官
(河川局長) 上田 稔君
建 設 技 官
(道路局長) 尾之内由紀夫君
建 設 技 官
(住宅局長) 尚 明君
建 設 技 官
(営繕局長) 小場 晴夫君
委員外の出席者
農 林 技 官
(林野庁指導部
長) 森田 進君
農 林 技 官
(林野庁指導部
治山課長) 木村 晴吉君
参 考 人
(日本住宅公団
理事) 南部 哲也君
参 考 人
(日本道路公団
理事) 淺村 廉君
参 考 人
(首都高速道路
公団理事) 藤本勝満露君
専 門 員 熊本 政晴君
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二月二十二日
委員木部佳昭君及び佐藤孝行君辞任につき、そ
の補欠として根本龍太郎君及び中村梅吉君が議
長の指名で委員に選任された。
同日
委員中村梅吉君及び根本龍太郎君辞任につき、
その補欠として佐藤孝行君及び木部佳昭君が議
長の指名で委員に選任された。
同月二十三日
委員玉置一徳君辞任につき、その補欠として西
村榮一君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員西村榮一君辞任につき、その補欠として玉
置一徳君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十四日
委員實川清之君及び原茂君辞任につき、その補
欠として勝澤芳雄君及び河野正君が議長の指名
で委員に選任された。
同日
委員勝澤芳雄君及び河野正君辞任につき、その
補欠として實川清之君及び原茂君が議長の指名
で委員に選任された。
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二月十九日
治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案
(内閣提出第四八号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案
(内閣提出第四八号)建設行政の基本施策に関する
件
────◇─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/0
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001・森山欽司
○森山委員長 これより会議を開きます。
去る十九日、本委員会に付託になりました、内閣提出の治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/1
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002・森山欽司
○森山委員長 まず、本案について提案理由の説明を聴取いたします。建設大臣小山長規君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/2
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003・小山長規
○小山国務大臣 ただいま議題となりました治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
現行の治山治水緊急措置法は、治山治水事業の重要性にかんがみ、その緊急かつ計画的な実施を促進するため、昭和三十五年に制定されたものでありまして、政府におきましては、同法に基づきまして、治山事業及び治水事業の両事業につき、それぞれ昭和三十五年度を初年度とする前期五カ年計画、及び昭和四十年度を初年度とする後期五カ年計画からなる十カ年計画を策定し、これにより治山治水事業を推進して、今日まで相当の実績をあげてまいりましたことは御承知のとおりであります。しかしながら、予想を上回る激甚な災害の発生、目ざましい経済の成長等に伴いまして、計画事業の大幅な繰り上げ実施、計画外事業の緊急施行等の必要が生じ、このため、前期五カ年間の実績事業費は計画額を大きく超過し、現行計画をもってしては、新たに必要となった事業はもちろん、既定の計画事業も十分には実施できないことが明らかになってまいりました。
さらに、近年国土の利用開発が著しく進展し、被災のおそれのある人口、資産が急速な膨張を続け、また、各種用水需要が急激に増大している事態に既応いたしまして、治山治水事業を強力に推進することが緊要となってまいったのであります。
ここにおいて、政府といたしましては、以上の情勢に対処するため、現行十カ年計画を廃止し、新たに、昭和四十年度を初年度とする治山事業五カ年計画、及び治水事業五カ年計画を策定し、治山治水事業を緊急かつ計画的に実施して、国土の保全と開発をはかるため、治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案を提出いたした次第であります。
次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。
第一に、ただいま申し上げましたとおり、現行の治山事業十カ年計画及び治水事業十カ年計画を廃止して、新たに、昭和四十年度を初年度とする治山事業五カ年計画、及び治水事業五カ年計画を策定することといたしました。
第二に、新たに治山事業五カ年計画及び治水事業五カ年計画が策定されることとなるのに伴い、国有林野事業特別会計法及び治水特別会計法の所要の改正をすることといたしました。
以上が、この法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/3
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004・森山欽司
○森山委員長 以上で、提案理由の説明は終わりました。本案についての質疑は後日に譲ります。
────◇─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/4
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005・森山欽司
○森山委員長 次に、建設行政の基本施策について調査を進めます。
本日は、本件調査のため、参考人として、日本住宅公団理事南部哲也君、日本道路公団理事淺村廉君、首都高速道路公団理事藤本勝満露君、以上の方々に御出席をいただいておりますが、参考人からの意見聴取は、質疑応答の形式で行ないたいと存じますので、御了承を願います。
質疑の通告がありますので、これを許します。岡本隆一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/5
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006・岡本隆一
○岡本委員 建設省には幾つかの公社公団がございます。この公社公団の事業を円滑に遂行させるためには、そこに働く人たちがほんとうにその事業に協力する気持ちで働くような体制をつくっていかなければならぬ。ところが、私どものほうへ、どうも団体交渉がうまくいかない、こういうふうな陳情があるわけです。いろいろ事情を聞いてみますと、それらの公社公団の理事者が当事者能力を持っておらないというところに、その原因があるというふうに私には思われるのです。
そこで建設省は、公社公団の労働組合は、労働法の制約を受けるのか、あるいは公共企業体等労働関係法の制約を受けるのか、あるいは一般産業の労働組合と同じような形で、団体交渉権がありストライキ権があるのか、どういうふうに理解しておられるのか、建設大臣から、まずその御理解について承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/6
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007・小山長規
○小山国務大臣 お答えいたします。
建設三公団の労使関係を規律いたしますのは労働法でありまして、ただ公団法の制約がありますことは、御承知のとおりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/7
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008・岡本隆一
○岡本委員 そういたしますと、一般労働組合法の形で団体交渉はやれると理解していいのですね。そうすると、公団法の制約というのは、どういう形で受けるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/8
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009・小山長規
○小山国務大臣 公団法の制約といいますのは、給与の基準、それと予算の総額という、その制約であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/9
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010・岡本隆一
○岡本委員 そういうことになってまいりますと、去年の四・一六のストの事件のときですね。あのときにも、国鉄であるとかその他の、公企法、公労法の制約を受けておる企業体ですら、ある程度の当事者能力を持たせなければならぬ。またそういう意味では、池田・太田会談でもって、今後当事者能力を持たせるような方向へ努力するということをはっきり政府は約束しているのです。ところがそういうふうな公労法、公企法の制約を受けない労働組合が、やはり企業体として、公社にいたしましても公団にいたしましても、ある程度の予算の制約はあろうといえども、企業の努力によって、その中の被雇用者に対して自分の企業の経営の中で許す範囲において、自由に団体交渉を結び、労働条件をきめるという自由があるはずです。それを一々建設省の御意向を承らなければ、団体交渉にはっきりした回答ができないというふうなことでは、全く労働組合法の精神が忘れられていると思うのでございますが、大臣、この点、今後もやはり予算の制約があるとかあるいは公団法の制約があるから、当事者能力を与えないのだ、こういう方針で進んでいかれるつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/10
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011・小山長規
○小山国務大臣 これは民間の労使関係と違いますことは、民間の場合には、企業全体の収支という一つの目安がありまして、おのずからそこに、法律その他でない、実際問題としての制約があるわけです。ところが公団の場合には、おのずからなる制約のかわりに、公団法という法律の制約があるのだ、こういうふうに理解しているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/11
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012・岡本隆一
○岡本委員 それでは、公団法の中に、当事者能力を与えないような、それを制約するところの法律の条項というものはどういうものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/12
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013・小山長規
○小山国務大臣 当事者能力ということばの意味でありますが、公団法できめております給与基準とか、それから予算できめております範囲内においては、当然に当事者能力があるのでありまして、当事者能力がゼロだというふうには解しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/13
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014・岡本隆一
○岡本委員 公団側の方に、どなたでもお答え願ったらけっこうですが、団体交渉をやっている場合に、絶えず建設省の意向を聞かなければ御返事ができないというふうなことを承りますが、そういうふうなことは全然ないのですか、それとも、ある範囲までは自由に交渉されて、そして予算に関連するような問題についてのみ、建設省と折衝されるのですか、そういう点、承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/14
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015・淺村廉
○淺村参考人 私、道路公団でございますが、私ども団体交渉をいたします場合に、やはり道路公団法のもとで、団体交渉をいたします。ただいま大臣からお話がありましたように、たとえば給与の基準でありますとかあるいは予算の執行、流用等の問題につきましては、やはり私ども建設省の監督下に置かれておるわけでございます。したがいまして、私どもが団体交渉をいたす場合には、監督官庁の認可あるいは御承認をいただける限界というものを考えまして、そして団体交渉をいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/15
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016・岡本隆一
○岡本委員 それでは、限界というのはどういう点を限界と言われるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/16
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017・淺村廉
○淺村参考人 これは監督官庁の御意向によることでございますが、私ども推測いたしますのに、やはり道路公団の場合について申しますれば、これは政府関係の一つの機関である、したがいまして、国家公務員あるいは他の政府関係機関との均衡その他いろいろ均衡の問題がございますけれども、そのような点が非常に重く取り上げられるように私どもは考えておりまして、そういう監督官庁の御意向もあり、私どもだけでそう突っ走ったことをやりましてもいけないことでありますし、またそうすべきでないという考え方を持っております。そういった背景のもとに、私どもは団体交渉をやっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/17
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018・岡本隆一
○岡本委員 他の機関との均衡というふうな意味では、たとえば昨年あたり、日本道路公団、首都高速道路公団とか三公団ですね、それからその他の何といいますか、一つの共同した形で団体交渉を、公団それぞれと労働組合それぞれがみな一緒になって給与関係のことをきめようというふうな申し入れをしたように聞いているのです。ところが、そういうふうな集約的な交渉を一緒にやれば、均衡のある給与体系などができるのに、それぞれどうも一緒にやるのは都合が悪いということで、公団側でそれを非常に忌避されたというふうな話を聞いておりますが、そういうことになってまいりますと、いま淺村さんがおっしゃいました考え方とは逆な方向のように思われるのです。それぞれの機関の間で均衡のとれた給与体系をきめていきたい、そのために、それと一緒に、その範囲の中でまた政府と話し合っていきたいということなら、やはりそれぞれの労働組合とそれぞれの公団とが一つになってよく話し合って、それがまとまった形で建設省と話し合われれば、ある程度いまあなたのおっしゃる趣旨が生きるように思うのですが、昨年あたりそれを忌避されたように私は聞いておるのであります。そうすると、お話の御趣旨とやっていられることとが違うように思うのですが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/18
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019・淺村廉
○淺村参考人 先ほどお答え申し上げました点とこの問題とは、ちょっと私違うように思うのでありますが、実はただいま御質問がございましたように、昨年の末ごろから、種々の問題につきまして、ここにおります三公団合同で団体交渉をせよという組合側の御要求がございました。これに対しまして、私どもが、少なくとも私が反対をいたしております理由は、何もこの三公団何もかも同じにする必要はないのでありまして、それぞれ業種も違っておりますし、職員の構成の内容も違っておりますので、それぞれの特殊事情をかかえております。したがいまして、それぞれ、道路公団の場合は道路公団の労働組合と交渉すればいいのであって、何もたまたま建設関係の三公団が似ておるからといって、一緒になって、すべてのものを一緒にしなければならぬという理由はない。これは、道路公団の場合は道路公団の労働組合と話し合って、政府の監督を受けながら団体交渉を——政府の監督ももちろんございますので、先ほど申し上げましたような背景のもとに、団体交渉を進めてまいればいいのであり、かえって、ただ一緒になるというようなことは弊害がありまして、むしろほんとうの姿にならないと私は確信いたしましたので、昨年末以来、合同団交方式というものに対しては、否定の態度をとってまいっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/19
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020・河野正
○河野(正)委員 関連して伺いたいのですが、いまの淺村理事の発言を聞いておりますと、非常に多くの矛盾があるような感じがいたします。それはどういうことかと申しますと、先ほど来、岡本委員に対するお答えを承っておりますると、団交はやるけれども、やはりそれぞれ限界があるのだ、したがって、その際他の機関との均衡というものも当然考慮していかなければならぬ、こういうようなお答えがあったわけでございます。ところが、後段のお答えになりますと、どうもそれぞれ企業には企業の自主性なり特殊性というものがあるのだから、そこで、合同団交というものは好ましくない、こういうような、前段は他の機関との均衡を考えなければならぬ、後段は、それぞれの企業の自主性というものがあるのだから、個別団交というものが好ましい——私はその前段と後段との間には、非常に大きな矛盾があると思うのです。前段では、他の機関との均衡を考えなければならぬというのだから、それならば当然合同団交という形で均衡を考えながらきめられればけっこうであって、前段ではそういうお答えをなさっておりながら、後段ではそれぞれ企業の独自性というものがあるのだ、だから合同団交は困るのだという、これでは全く精神分裂症的なお答えだと私は思うのです。ですから、そういうような一貫性のないようなお答えでなくて、やはり自信を持ってお答えを願いたい、いかがでございますか。(「精神分裂症が答えたってしょうがない」「矛盾しているということならいいが、精神分裂というようなことを、少なくとも参考人に対して言うのは失礼だ」「精神分裂症のようなというのだからいいじゃないか」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/20
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021・淺村廉
○淺村参考人 私は、他の機関との均衡、国家公務員あるいは他の政府機関との均衡というようなことは、もちろん私どもこのような問題を処理いたします場合には、考えながらやっております。これは何も合同でやらなくても、私どもやはり監督官庁とのお打ち合わせもありますし、いろいろな方法で、そのような措置は十分とり得るし、またそれで十分であると私は考えまして、合同でやらなければそういうことができないかどうか。むしろ私は、そういうことは単独でやりながら、そういう勉強をしてやっていったら十分である、かように考えて、現在もその考えに立っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/21
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022・河野正
○河野(正)委員 後段なら後段の、いまの話でも一応の筋だと思うのです。ところが、さっきの答弁を聞いてまいりますと、前段では、他の機関との均衡を考えながら、こうおっしゃっておるわけです。そして後段では、それぞれの企業の特殊性というものがあるのだから、したがって、合同団交は困るのだ、そこの関連性において、私は、矛盾がある、こう言っておる。ですから、あなたが前段の発言を御訂正なさって、後段だけの発言なら、私はそれは一応一つの筋だと思うのです。ところが、いま申し上げますように、前段では他の機関との均衡を考える——他の機関との均衡を考えるならば、私は、合同団交というものはきわめて適切ではなかろうか、こういうふうな感じを持つわけです。そこで前段と後段との関連性の上に立ちますと、あなたのおっしゃることには矛盾がある、こういうことを言っておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/22
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023・淺村廉
○淺村参考人 ちょっと私の説明が不十分であったかと思いますが、道路公団の場合におきましては、御承知のように、道路を建設し、管理をいたしております。まず高速道路を中心にいたしまして、多数の道路を建設いたしました後には、有料道路でございますので、料金の徴収をいたします。相当多数の料金徴収員というものが、料金徴収に従事いたすわけでございます。あるいはまた、この道路を管理いたしますために、常時自動車に乗りまして道路管理業務をやっておる、というような職種の方もたくさんおるわけでございます。それから、いま申しましたように、道路の建設をやり、設計をやり、工事を監督するというような職種もございます。いろいろございまして、内容が非常に複雑になっております。それから、地域も全国的に分布されておりまして、単に都市だけに限っておりません。そのような特殊の事情をあまたかかえておるわけでございます。と同じような事情は、おそらく他の公団にもおありだろうと思います。住宅公団におかれても、これは私どもの関係することではございませんが、やはりいろいろ事情がおありだろうと思います。そこで私どもは、他の機関との均衡を考慮すると申しましたのは、別に何も一緒にするというわけではございませんので、やはり道路公団の置かれました地位、道路公団の遂行しなければならない業務というようなものの特殊性を考えた上で、はたしてどの程度のところにランクしたらいいかというようなことをいろいろ判断をしながら、私どもやっておるわけでございます。さような意味で、道路公団は道路公団の労働組合と交渉をいたせばよろしい、こういうふうに考えてやっておりまして、それで十分その目的は達し得るものと考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/23
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024・河野正
○河野(正)委員 関連でございますから、いずれ本論の際にいろいろお尋ねをしたいと思いますけれども、私が申し上げんといたします趣旨は、一方では他の機関との均衡を考えなければならぬ、ところが一方では特殊性があるのだから個別団交のほうが好ましいのだ、こうおっしゃるところに、一つの矛盾がございます。それから、これは後ほど私の質問時間にお尋ねしてまいりたいと思いますから、この際多くを申し上げませんけれども、たとえばいまお答えになりましたように、それぞれ企業には企業の特殊性がある。あるいは独自な立場がある、私どもそれは全く同感です。しかしながら、合同団交をやったから一から百まで同じ条件を戦い取るのだということではないので、それぞれ建設三公団という一つの関連性というものがあるわけですから、その中で共通するものは共通するものとして解決していこうではないかというのが、合同団交のねらいであり、使命ではなかろうか、私はこういうことを考えておるわけですが、これは後ほどいろいろとお尋ねを申し上げたいと考えるわけです。
と同時に、企業の特殊性ということを強調されるのですけれども、しかし、たとえば賃金関係なんかを見てまいりますと、一律八・二%というような画一的な方針というものが打ち出されておるわけでございます。そこで、なるほどことばの表現では、独自性だとかあるいは自主性があるのだとか、そういうことはけっこうでございますけれども、やっておられますことは、一つも独自性というものがない。全く機械的で、画一的だ。そういうところに非常に大きな矛盾があるということを私は指摘をいたしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/24
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025・岡本隆一
○岡本委員 いま道路公団の淺村さんの御答弁を聞いておりましても、非常に板挾みになったような苦しい立場にあると思う。だから、お答えが、前後相撞着したようなお答えしかできない。大体公団という、こういう機関は、事業は民間ベースでやっていこう、だから資金の問題であるとかあるいは仕事の進め方、そういうものは民間企業のように自由なる創意で、自由なる意思で、どんどん理事者のほうで創意を生かして、民間企業的な形式でやっていこう、ところが一つ給与になってくると、今度は公務員ベースあるいはそれに準じたものというふうなことになってくるところに、私はやはり問題の中心点があると思う。だから、これはこれからあと、勝澤君やその他の方がきょうは十分議論したいといって出てきてもらっておりますので、十分討論してもらおうと思いますが、やはりこういう矛盾点を解決していかないことには、公団や公社は、自由なる企業としてその能力を完全に発揮することができないと思う。ですから、そういう点について、今後政府のほうにおかれても、企業体に一般企業と同じように仕事をさせてやろうというのなら、労使の交渉の場合にも、ある程度の自由というものをいまよりもっと認めてやる、こういうふうにしていただかなければならないと私は思う。その点特に私は希望を申し上げておくことにして、あと勝澤君にバトンを渡します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/25
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026・森山欽司
○森山委員長 勝澤委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/26
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027・勝澤芳雄
○勝澤委員 最初に大臣にお尋ねいたしますが、臨時行政調査会におきまして、公社、公団等の改革に関する意見が出されました。その意見をいろいろ読んでみますと、いま起きているいろいろな問題点というのがここで浮かび上がっておると思うのです。そこで、私は、建設省所管の道路公団、住宅公団等に対して、この意見書に対する大臣のお考えをまず最初にお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/27
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028・小山長規
○小山国務大臣 いまの御質問はちょうど岡本さんの言われたような趣旨なんでありますが、要するに、できるだけ自由にという答申がなされておるわけでありますけれども、自由といいましても、民間企業の自由とは違うと思うのであります。民間の場合には、資金から一切がっさい自分の責任において調達するのでございますが、公団の場合には、それは自分の責任においてやるのではない。国が援助をしまして、そうして国の目的のために資金も投入し、そうしてまたそのできたものは、国民の利益になるように安く供給をするという使命を持っておるわけでありますから、そこで、自由の範囲内においてもおのずからその点は違ってくると思います。ただ答申の趣旨は、何もかもしゃくし定木にやってはいかぬ、そういう趣旨であると理解をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/28
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029・勝澤芳雄
○勝澤委員 いま大臣お忙しくて、まだよくお読みになっていないようですから、よく読んでいただきたいと思うのです。専門的なことになりますから、大臣がおわかりにならなければ、その他の方でけっこうですから、聞いていていただきたい。聞いていて、これは変だなというときには、大臣、ひとつそれを直すようにしていただきたい。
そこで、次の問題なんですが、臨時行政調査会の意見書の中にも出てくるのですが、一体政府の機関で行なえるものを、なぜこういう特殊法人的なものをつくったのか。公団あるいは公庫あるいは事業団、こういうものをなぜつくったのか。つくった理由に沿って運営がされていないのではないだろうか。もし必要があってつくったならば、つくった目的に沿った運営をすべきだ、こう逆に言っているわけです。そこで私は、道路公団なり住宅公団というのは、何のためにつくったのか。逆に言いますと、道路局とかあるいは住宅局でもってこの仕事ができるじゃないか、国でできるにかかわらず、なぜわざわざ公団というものをつくってやらせなければならないのか、こういう点について、ひとつ御見解を賜わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/29
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030・鶴海良一郎
○鶴海政府委員 住宅公団あるいは道路公団設立の趣旨、目的はそれぞれ違っておりますけれども、公団という形式をとりましたゆえんのものは、最も大きなねらいといたしますところは、民間資金の活用であろうと思います。政府といたしましては、従来から、国債は発行しないというたてまえでやっておりまして、民間からの借金で政府の仕事をやっていくというたてまえはとっておらなかったのでありますが、一般の公共投資のみでは不十分でございますので、民間資金の活用をはからなければならぬというたてまえから、このような方式がとられたものと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/30
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031・勝澤芳雄
○勝澤委員 民間資金の活用をするために、こういう方式がとられたと、こう言うのですが、こういう方式でなければ民間資金の投入はできないのか。——これはできるわけなんですね。まだほかに問題があるのですよ。ですから、もう少しさかのぼって、こういうものがなぜできたかという基本問題についての認識を、建設省として、していただきたいと思う。これはことばじりをとらえるわけじゃないのですよ。民間資金の活用をするためにこういうものをつくったのだというだけならば、民間資金を活用する方法を、建設省などではやれるはずなんです。もう少し御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/31
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032・鶴海良一郎
○鶴海政府委員 最初に申し上げましたように、住宅公団にしろ道路公団にしろ、やっております仕事を異にしておりまして、それぞれの設立の目的が違います。ただ、公団方式というものをとりましたゆえんのものは、そういうところにあるということをお話し申し上げたわけであります。
なお、民間資金の活用方法は、いろいろあり得ると思います。思いますが、当時におきまして、考え得る方式の最も適当なものとして、これが採用になったというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/32
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033・勝澤芳雄
○勝澤委員 建設省がそういう認識ですから、混迷をするわけです。公団をつくった理由というものをもう少し明確にして——先ほど岡本委員からも言われましたように、政府機関というものは、御案内のように、国家公務員法なりあるいは地方公務員法なりというものが——委員長よく御存じですね。人事院というのが管理しているわけです。労働問題につきましては、法律的にはそういう規制がされておりますね。それから、三公社五現業といわれる、国鉄とか電電公社とかあるいは林野庁とか、こういうものは、それよりも一歩さがって、公共企業体等労働関係法で行なわれておる。ですから、国家公務員は人事院、そして団体交渉権あるいはストライキ権というものが制限されている。今度は、片方の国鉄とか電電公社というものは、三公社五現業という形で、これは団体交渉権はあるけれども、罷業権はないということで、調停仲裁制度がある。その下の公団というものは、これは民間ベースなんです。ですから、先ほど言いましたように、労働組合法の規制を受けているわけです。労働組合法の規制を受けておれば、労働組合からいえば、民間と同じように、ストライキをして自分の生活を守る権利を持っておるわけです。しかし、片方の公団側がそれに対応する力、立場を持っていない——持っていないと、建設省も公団も錯覚しているわけです。しかし、法律上のたてまえからいえば、当然労組法のたてまえをとっておる労働組合の使用者が、公務員やあるいは三公社と同じだという認識を持っておることは、私は大きな誤まりがあると思う。
そこで、公団をつくった。民間からの資金を入れた。しかし、なぜ——臨時行政調査会は自立的運営と言われておりますが、その自立的運営というものが持たされていない。だから、こういう特殊法人をつくった価値がないということで、建設省関係のものは出ておりませんけれども、たとえば最近つくった鉄道建設公団だとかあるいは東北開発株式会社とか、あるいは森林開発公団とか、あるいは原子力燃料公社というものは、必要性がない、廃止すべきだという極端な——極端なではない。当然な意見を出しておるわけであります。こういうたてまえからいたしますと、やはり公団に対する自立的運営——先ほど当事者能力という言い方がありましたが、こういうものについてもう少し自立的運営をさせるべきだ、こう思うのですが、そういう点についていかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/33
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034・小山長規
○小山国務大臣 お答えいたします。
公団ができたそもそもの理由は、先ほど官房長が申しましたように、つまり民間資金を活用したいということがおもなことでありますが、同時に、民間ではできないような——民間でやっても採算が合わない、あるいは民間資金を集めるということは、民間の責任において、一方において株主配当をさすという形で民間資金を導入したのでは、とうてい国民の利便に供するような安いものができない、しかも国民はそういうような仕事を要求している、そこで、それは政府のほうで税金でまかなうかといえば、税金でまかなうのにはあまりにも資金が膨大過ぎる、だから、そうした民間の資金を活用し、それに政府資金を投入して、安い原資でもってやっていこう、そこで公団方式というものができたのであると思います。設立の趣旨がそういうところにありますから、したがって、その給与の問題についても、民間は採算を見ながらやっていくわけでありますけれども、ちょうど公務員の給与は民間のベースを基準にしながら定めておるように、公団の場合にも、今度は国家公務員の給与ベースを一応の基準にしながら定めていく、こういう方法をとらざるを得ない。そこにおのずから予算上の制約が出てくる。そういう意味では、全く民間企業と同じだというふうには言えない、こう思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/34
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035・勝澤芳雄
○勝澤委員 それでは、公団に対しては、たとえば労使の問題については、どの程度自立的な運営、当事者能力を与えているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/35
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036・鶴海良一郎
○鶴海政府委員 主として給与の問題だろうと思いますが、公団法で規定いたしておりますように、給与につきましては、基準につきまして、建設大臣の承認が要るようになっております。この基準は、各種手当あるいは本俸等について規定しております給与規程、それを建設大臣の承認を受けてやっておるわけであります。
そこで、この規定がどこまでこまかく書いてあるかということによりまして、おのずから公団の自立性といいますか、自主性といいますかの範囲がきまってくると思うわけでありますが、きょうここに出ております三公団の給与の基準として、建設大臣の承認を得ておりますのは、一つは、本俸につきまして俸給表というものを掲げておりまして、それは金額まで入った表が出ております。したがいまして、この金額まで入った表を改正するということでありますれば、建設大臣の承認が要る、こういう仕組みになっております。なお、諸手当につきましても、いろいろと規定がございますが、中には金額を入れたもの、あるいは率を入れたもの、いろいろございます。ただし、特別手当等につきましては、手当の名称だけ出ておりまして、新たに手当をつけ加えるという場合には、これは承認にかかっておるわけでございますが、すでに承認を得ております手当につきまして、金額あるいは率等の書いてないものにつきましては、これは公団にまかせておるというかっこうになっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/36
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037・勝澤芳雄
○勝澤委員 公団の職員に対しての労働条件は、公団法によって定めておる範囲内の規制が行なわれている、こういうことなんですね。そうすると、公団法にはこう書いておりますね。予算の認可の問題があります。それからもう一つは、これは給与の関係で、いまあなたが言いましたように、給与あるいは退職金の基準があります。ですから労働条件について、大まかに言って給与の基準これが一応監督事項だ、こう思うのですが、そうですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/37
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038・鶴海良一郎
○鶴海政府委員 給与に関しましては、さようでございます発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/38
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039・勝澤芳雄
○勝澤委員 労働条件については、その基準なり何なりについて、労働大臣の承認を得なければならないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/39
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040・鶴海良一郎
○鶴海政府委員 給与及び退職手当の基準に関すること以外のことにつきましては、特に政府の承認が要るというふうにはなっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/40
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041・勝澤芳雄
○勝澤委員 そうすると、給与、退職手当の問題以外は、公団の理事者は自立的な権限を持って自立的な運営ができる、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/41
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042・鶴海良一郎
○鶴海政府委員 原則としてそうでございます。ただし、労働条件のきまり方いかんによりましては、それはまた給与の基準に逆に影響すると、いうこともあり得るかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/42
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043・勝澤芳雄
○勝澤委員 給与やあるいは退職手当、この公団法に定めたものに当てはまらぬ労働条件については、公団でできるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/43
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044・鶴海良一郎
○鶴海政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/44
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045・勝澤芳雄
○勝澤委員 そうしますと、労働条件について、この公団法に抵触しないものについては、公団では自由にできる、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/45
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046・鶴海良一郎
○鶴海政府委員 自由にできるという意味でございますけれども、たとえば給与というものをきめます場合でも、勤務時間というものが前提になっておると思います。したがいまして、勤務時間がかりに自由にきめられるということでありましても、それは給与との見合いであるという関係がありますので、そういう制約はおのずからあろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/46
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047・勝澤芳雄
○勝澤委員 労働省、出ておりますか。——給与というものと労働時間というものとは同じなんですか、違うものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/47
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048・三治重信
○三治政府委員 給与、労働時間は別でございます。したがって、いまお話しのような給与や退職手当というものについては、監督官庁の許認可にかかわるものであります。それから、労働時間は書いてないという場合におきまして、やはり労働時間の問題については、法令上では公団の自主性にまかされている、こういうふうなことは当然言えるかと思います。ただ実際問題として、やはり労働時間と給与というものは密接な関連がありますので、その点は実際の運用上の問題としては、非常に密接な関連があるということは言えると思いますが、法令上はきちんと区別してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/48
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049・勝澤芳雄
○勝澤委員 私は、建設省の公団に対する監督権というのは一体どの程度まであるのかということによって、公団の役員が、あるいは総裁が、どの程度まで権限を持っているかということを明確にしたいわけであります。建設大臣よりも公団の総裁のほうが、あるいは理事者のほうが官房長よりもあるいは局長よりも、給与の上では、みな高い給与を取っておるはずなんですね。その人が、その権限においては権限がないのだということだったら、これは一体資本主義の社会においてどういうふうに認識するか、私はよくわからないわけです。月給の安い者が月給の上の者を一々指図をしておる。ちゃんと公団法では、給与と退職手当、これについては建設大臣の承認を受けなければならぬと書いてありますが、この公団法という法律は、国会でわれわれが認めた法律でしょうから、これはやはりそういうことでしょう。しかしこの法律に認めていない事項に対して、一々建設大臣が指図をするということは、私はよくわからないのです。運用の面として行なわれるというなら、そういうものはここで別に答弁する必要はない。私は、法律上どちらが権限を持っておるのかということを明確にしていただきたい。労働条件の中で、建設大臣が指図できる限度はこれだけですということを明確にしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/49
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050・鶴海良一郎
○鶴海政府委員 この点につきましては、先ほどもお話し申し上げましたように、給与及び退職手当の基準につきまして、建設大臣の承認にかかっておるわけでございまして、その範囲におきまして、その基準があるわけでございます。なお全く予算の面におきましては、給与予算の総額が法律で定められておりますけれども、これにつきましては、流用につきまして禁止しております。そういう関係もございまして、制約はございますが、その予算を編成いたします場合に、やはり建設大臣の承認にかかっておりますので、そういう予算の別の面の制約があるということをつけ加えておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/50
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051・勝澤芳雄
○勝澤委員 それは先ほど私が言いました、予算の認可権を持っておる、それはそのとおりです。そうしますと、労働条件の中でも、給与や退職金以外については、自主的に公団の理事者が持っておるということが明確になったわけであります。しかし残念ながら建設省のほうでは、給与以外の問題についても、一々事前に建設省と連絡をしなければならぬと通達が出されておりますが、これはどうでしょうか。これは公団法に違反しておるじゃありませんか。それは重大な労働問題ですよ。今日まで何年となく問題となってきたことで、これは一々官房長が聞かなければならぬというような問題じゃないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/51
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052・鶴海良一郎
○鶴海政府委員 出した記憶がないから、いま聞いたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/52
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053・勝澤芳雄
○勝澤委員 それでは、私のほうで申し上げましょう。これはあなたのほうの住宅公団ですよ。日本住宅公団の「公団業務に関連して事前に連絡を要する事項について」ということで、昭和三十年十二月十五日建公発第十七号で、建設大臣官房、日本住宅公団首席監理官から日本住宅公団総裁あてに出した書面で、「公団の職員又は職員の組織する団体より労働条件の改善に関する要求をうけてこれに対し態度を決定しようとするとき」は、事前に連絡してくれ、こういうことなんです。団体交渉を申し込んで、それについての回答をつくる、態度を決定するときは首席監理官のところへ連絡してくれ、こういう通達が流れているじゃありませんか、これは明らかに先ほど言いました公団法の違反じゃありませんか、これはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/53
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054・鶴海良一郎
○鶴海政府委員 これは別に、指示をするとか、そういう意味ではなくて、事前に連絡を求めておるわけでございまして、先ほどもちょっと触れましたように、給与の問題も、諸般の勤務条件と関連があるわけでございまして、そういうことも事前に承知しておくことが、給与の基準を認可するという立場におきまして、必要であると考えたのであろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/54
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055・勝澤芳雄
○勝澤委員 これは、先ほどからの論争の中で、公団法のたてまえからいったらこの通達は行き過ぎになっている、こうお認めになりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/55
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056・鶴海良一郎
○鶴海政府委員 公団法の運用上、必要な範囲のものであるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/56
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057・勝澤芳雄
○勝澤委員 公団法の範囲内で必要なものであると認めるならば、あなたが私に聞かなくてもおわかりになるでしょう。それを知らないようなものが出ているから、私は問題にしているわけです。なぜ私が問題にしているかといいますと、せっかく公団をつくって、総裁から副総裁から理事がたくさんおって、あなたの先輩がみんなこの役所に入っておるのです。その役所のことを、労働条件のこまかい問題についても、一々建設省に相談をしてオーケーをとらなければ話ができないようなシステムにしてはいけないということなんです。人事の問題についてはどうこう言いませんけれども、せっかく先輩が入っているのだったら、あるいは予算で一括まかしておったのだったら、こまかい問題まで、建設大臣が一々ものを言う必要はないじゃありませんか。もしものを言う必要があったら、もっと月給を安くしておきなさいよ。課長か課長補佐くらいの月給にしておいたらいいでしょう。そうじゃないわけですから、建設大臣よりたくさん月給をもらって、選挙をやる必要はありませんから、全部月給は自分のふところへ入れて、あとは交際費で全部まかなっておる。代議士、大臣はかわいそうなものです、花輪代まで自分の月給で出しているのですから。そういう総裁あるいは副総裁、理事を並べておいて、それが一々首席監理官といわれる自分のずっと下の下僚と、こういう回答をしたいのだけれどもどうだろうかという相談をしなければ、ものが進まないようなシステムでは困るというのですよ。人を何千人と使っている機関ですよ、大臣どうでしょう、これは。こういうこまかいことが——なければ見せますよ、ありますか。——だから、こういう通達はそれこそやめさせなさい。公団法以上にワクを拡大している。大臣、もしこういうことをしなければならないような首席監理官があるなら、そんなに首席監理官というのはひまだったら、減らしたらいかがですか。もっと重要な仕事があるわけですから、こんなこまかい、一々何から何まで事前に、おまえらが態度をきめる、回答するときには、こまかい点まで連絡しなければいかぬ——これはいかがですか。この通達について私はやめるべきだと思うが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/57
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058・小山長規
○小山国務大臣 いまの通達の内容についてまだ十分読んでおりませんし研究もしておりませんが、いまおっしゃったような原則的な問題、要するに、建設大臣として法律上義務づけられた、そういう権限にかかわりのない問題であるという結論が出ましたならば、やめてけっこうであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/58
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059・勝澤芳雄
○勝澤委員 いや、大臣権限にかかわりない事項なんというのは、一番むずかしいことですよ。何でもかんでも権限にかかわりある事項なんです。だから、各省が共管をしていろいろな問題がもめるわけです。各省のなわばり争いというのは、こういうことから出てくるわけです。建設省に関係のない世の中のことといったら、極端にいえばないというくらいなものです。そうでしょう、大臣。ですから、あなたのことだから、私は言っている、役人はなかなかそういうことを言えないわけですから。これをお読みになればわかると思うのです。いままで、私はあなたに御答弁を求めずに、官房長、それから局長のほうに求めておりますけれども、これはちゃんと書いてあるわけです。ですから「公団の職員又は職員の組織する団体より労働条件の改善に関する要求をうけてこれに対し態度を決定しようとするとき。」、労働組合から要求があったら、みんなその返事を出すときには連絡せよということなんですよ。これでは全く公団の総裁以下無能力ですよ。無能力だから、労働組合には下から突き上げられる、役所のほうには自分がかつて使っていた下僚からも突き上げられる、突き上げられるから、そこで何が起きるかといえば——結局これ以上は言いませんけれども、起きるのです。ですから、やはりそういうことのないようにするには、現実に仕事をやらせる人は、その仕事をうまくやらせるのに、人を使うにはどうしたらいいかということを、その個人に考えさせればいいのですよ。一々首席監理官やだれかがものを言わなければ、ものがきまらないということでは困ると思う。これは私は、これだけ読んでいただいて、ここに明確に御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/59
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060・小山長規
○小山国務大臣 昭和三十年の通達ですから、相当時世の変化もあろうと思います。あるいはまだ、理事者側も労働法規の解釈などに自信がない時代であったかもしれません。そういうことで、そういう通達が出たのだと思いますが、もしいまそれを直すとすれば、もう少し精細にこういう問題については相談しよう、というふうに直すべきものがあるかもしれません。検討いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/60
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061・勝澤芳雄
○勝澤委員 大臣、こういう問題については相談をせよということが問題だ、と私は言うのです。相談すべき問題ははっきりしているのです。公団法できまっているわけですから、公団法できまっている以外の問題については、もう与えられたあなたのところの総裁や副総裁にまかせなさいというのですよ。まかせられないのだったら、公団をやめなさいというのです。総裁、副総裁、理事を首切る、それだけ国民の税金が助かるのですよ。だから、やめなさいというのですよ。なぜ一体そんなに公団をつくって、月給を高く出して、人を置かなければならぬのでしょうか。置かなければならぬ理由は何かといえば、役所でできないこと、民間でできないこと、それをちゃんぽんにして、うまみのあるものをつくろうじゃないかということでまかしてあるのですから、まかせられないのだったら、建設大臣が直接管理すればいいわけです。ですから、それをとにかく何でもかんでもこまかく足かせをかけて仕事をさせないようにしているのが今日の官僚機構だというのです。それを直せというのが臨時行政調査会。臨時行政調査会でいえば、先ほど私が言いましたように、鉄道建設公団にしてもつくった価値がないじゃないか、あるいは森林開発公団にしても同じだ、東北開発でも同じだ、たくさん出ているわけです。ですから、そういう今日の時点からものを考えて、こんな不当なものが出されておって、これが現に生きておって、このとおりやられておるのですよ。一々こういうふうにしたらどうだろう——そこのうしろにおる理事の方が組合とお互いに確認書に判こを押したやつが、三十分たって、聞いてみたらだめだからといって、それが破棄されて、また次の変わった確認書がつくられているじゃないか。一体何のために月給をもらってやっているか。それも労働問題専門の担当理事だ。けしからぬと思うのです。どっちがけしからぬか。建設省の監理官がけしからぬと思うのですよ。もう一度はっきりしておいてください。たったこれくらいのものですから、もしわからないのだったら、もうちょっと私が説明します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/61
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062・小山長規
○小山国務大臣 法律に書いてありますが、解釈はいろいろあると思うのであります。そこで、おそらくその解釈上の疑点を明らかにするために、そういうことをしたのだろうと思うのでありますが、おそらく昭和三十年で、まだいまと時点が違いますから、そこで、そういうものが必要であるかどうか、もう一度検討してみるのにやぶさかではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/62
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063・勝澤芳雄
○勝澤委員 法律の解釈じゃないのですよ。先ほど労政局長が説明したでしょう。法律的には、給与や退職金と、いま言いました労働条件というものは別なんですよ。法律上は、たとえば働く労働時間は給与や退職金の中には入りませんというのです。しかしそれは関連があります——関連かあるなら、何でもかんでも関連があるというのです。建設省所管の問題と何でも関連がある。たいしたことじゃないですよ、こんなもの。何もむずかしい話じゃないですよ。もう少し公団側に自主権を持たせなさいと言うのですよ。公団側に自主権を持たせなければ、労働組合が話ができずに、いつもストライキばかりやっておって、ストライキをやらせるために公団をつくったようなものじゃありませんか。だから自主的に解決させるようにしなさいと言うんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/63
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064・小山長規
○小山国務大臣 御趣旨はわかりますから、やめる方向で検討してみます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/64
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065・勝澤芳雄
○勝澤委員 団体交渉の相手として、当事者能力がどの程度あるかということで、今度は公団にお尋ねしたい。三公団の中で、南部さんがわりあいに詳しいんじゃないですか。詳しい人のほうがいいですよ。あまりしろうとをつついて、いじめて、いい答弁もらっても同じことですから……。団体交渉の相手として、あなたのほうは、一体どの程度まで自主的に判断して回答ができるのですか、そういう点を明確にしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/65
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066・南部哲也
○南部参考人 お答えいたします。
ただいまお話がありましたように、理事者側といたしましては、給与並びに退職金あるいは予算につきましては、監督官庁の承認が必要なわけであります。したがいまして、私どもといたしましては、その承認が得られるめどの範囲内において、そうして諸般のその他の公務員なり民間なりいろいろな資料も検討いたしまして、それによって、妥当であると考えられる範囲内において、組合側のほうにはその意見を表明しておるということに、現在なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/66
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067・勝澤芳雄
○勝澤委員 そこで、あなたはいま、給与と退職金と予算の範囲内で、あるいは諸般のと、こういうようなお話なんですが、そうしますと、労働組合から行なわれているいま一番中心的な諸問題というのは、これは給与の問題が一番大きいわけですね。そうすると、給与の関係というものは、団体交渉に出るときには、あるいは話を聞くときには、あなたのほうとしては、建設大臣の承認がなければ当事者の能力がない、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/67
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068・南部哲也
○南部参考人 公団側として回答する場合には、これはそれが認可を得られるという一応のめどがなければできませんから、これはそういう点における事前の打ち合わせは、もちろんしておることとは、現実として当然だろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/68
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069・勝澤芳雄
○勝澤委員 そうすると、業務の運営を正常に行なわなければならない責任があなたにはあるわけですね。道路公団なり、住宅公団なり、とにかく公団の中の仕事をうまくやるという責任はある、あるいは使用者という責任はあるわけですね。しかし、今度はその人についての給与の問題になると、私ではだめだ、一々建設大臣の認可を得なければならない、こういうことなんですね。どうなんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/69
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070・南部哲也
○南部参考人 現行の法制では、そのようになっています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/70
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071・勝澤芳雄
○勝澤委員 労働省にお尋ねいたしたいのですが、労働組合法における使用者というのは、どういうものが使用者ですか。いまのような公団というのは、使用者なのですか、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/71
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072・三治重信
○三治政府委員 使用者でございます。公団、事業団はもちろん、法令で特殊法人としてある。それが法令上制限は受けておるにいたしましても、しかし公団の中における労使関係においては、労働法上は、当然完全なる使用者と言って間違いございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/72
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073・勝澤芳雄
○勝澤委員 その使用者が、いまお話しになりましたように、給与の問題については能力がない、こういう場合においては、労働省はどういうように取り扱ったらよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/73
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074・三治重信
○三治政府委員 労使関係については、一面において、労組法、労調法という関係で規定されておるわけで、ございますが、一方、公団法というふうな事業法、事業の正常な運営上いろいろの制限なり規定なりが書いてあるのですが、その間の調和は運営によってはからざるを得ないわけであります。それは実際いろいろの場面がございます。たとえば三公社五現業のようにストを禁止している場合には、いわゆる強制仲裁制度を置くとか、完全ないわゆる団交権まで禁止しているところにおいては、いわゆる人事院というような第三機関において、勧告権をもって給与の維持、改善をはかるというような、いろいろの方途があるわけであります。公団、事業団等のいろいろの特殊法人、いわゆる政府関係機関においては、労働関係においては、一般的に、事業法のいわゆる制約の範囲外においては、民間と同じように労組法、労調法上適当であると判断して、現行法制になっております。しかしそうかといって、事業法において規定している制限というものが少しばかりあるからといって、それで使用者の資格はない、当事者能力はないというふうには考えられないわけであります。現行の法制上からいけば、三公社五現業より以上に自主性が与えてあるというふうに、われわれは解釈しているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/74
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075・勝澤芳雄
○勝澤委員 そこで三公社五現業と比べて、特殊法人は、法的にはどの程度の自主性が与えられていると見ますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/75
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076・三治重信
○三治政府委員 自主性は、結局、事業法に規定してある、先ほどから議論になっております、予算上の制約、並びに給与、退職金の制約というふうに明記されてある以外の問題については、法制上は、自主性が与えてあるというふうに言っていいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/76
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077・勝澤芳雄
○勝澤委員 その問題はまたあとにいたしまして、大臣にお尋ねいたしたいのですが、公団と公団側の組合との団体交渉においては、いま一番中心になる給与等の問題については、形式的な話し合いしかできずに、実際的な問題を解決する力を持っていない、こういう答弁が公団側からあったわけです。給与については自主的に自分のところで解決する力を持っていない、ということになりますと、これから公団側の労働者の要求については、給与というものは、やはり一々あなたのところで公団を通じて話をするよりも、建設大臣が直接団体交渉をやるべきだと思いますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/77
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078・小山長規
○小山国務大臣 給与の交渉は労使間にあるのでありますが、建設大臣はいわゆる使用者になっておりませんから、現在の法制のもとにおいては、それは不可能であります。同時に、いま問題になっております給与の問題について、権限が非常に狭められておるのじゃないかということは、冒頭に申しました、公団そのものの性質からくるのであります。つまり民間企業であるならば、こういうような制約はないものを、つまり民間企業ではできないような仕事で、しかも国民の利便をはからなければならぬ、一方においてそういう使命を持っておる、そうしてその資金は政府の責任において調達するのだ、こういうような特殊な性格からくるのでありまして、それを全く民間の責任で、資金の調達からあるいは会社の運営からすべて労使が責任を負っておる、こういうものとおのずから違うというところに、おのずからなる制約が出てくる。これは法律もそれを認めて、国会を通ったものである、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/78
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079・勝澤芳雄
○勝澤委員 あなたが言うように、公団を設置をしたならば、公団の運営をうまくやるならば、事業の運営だけでなくて、人の運営についても、公団設置の意義に沿った運営をすべきなんです。事業の運営だけを考えて——事業は人だといいますから、その人の運営について妙を得なければいけない。運営について妙を得るためには、人を使う人、使用者について十分な権限を与えて、使用者に能力を与えておいて、人を使わせなければいかぬと思う。その使用者に、一番中心になる給与の問題について、おまえは能力がないのだよと与えておったならば、仕事をせよ、せよ、仕事をするには少し歩増しをくれ、歩増しのほうは建設大臣に相談してからにしようじゃないか、仕事はせよ、せよ、これじゃ仕事がうまくいかないのはあたりまえですよ。仕事をせよと言うなら、やはり、おまえが仕事をするから、これだけ与えよう——これは選挙だってそうだけれども、票をくれ、くれと言ったって、なかなかくれない、うまいことを言わなければ票にはなかなかならぬから、選挙だって同じことですよ。仕事も同じことですよ。公団の総裁以下に、とにかく大臣よりも各局長よりも高給を与えて、みな先輩をそういうところに送り込んで、そして仕事をやってもらっているわけですから、そういう人に十分な権限を与えてやることによって、公団がうまくいくわけです。それを、権限を与えずにやっているのだから、これは役人の捨て場所だと言われるのはあたりまえじゃないですか。あるいは天下り人事だと言われる。そうじゃないのですよ。せっかく二十年、三十年役所につとめて、経験が豊かで、五十五、五十になって、もう月給が高くて使い切れない、あとが詰まっておる、だから何とかよそにいく道をつくろうじゃないか、といってつくったのが公団なんです。理由は何もありはせぬですよ。だから、第二の人生を一生懸命やってくれる人たちに、どこからも制約をされずに思い切り仕事をしてもらうためには、公団というのは私はいい場所だと思うのです。ですから、私はたくさんの月給を払ってもけっこうだと思うのです。しかし、その人に適した仕事を十分やらせなければいかぬのに、やらせないようにがんじがらめにしておいその中で、いつまでも、いままで自分が使っていた部下から一々指図をされなければものがきまらぬということじゃいかぬ。だから、公団のつくった意味というものが、そこで問題になっている。これは臨時行政調査会でも問題になっておりますが、話を聞いて、皆さんは、これはやはり何かどこかで何とかしなければしょうがない、皆さんも困るし、うしろにおる公団も困るし、使われている者も困るのです。ですから、それをどう解決するかといえば、やはり建設大臣がこうだといって、前向きにものを解決する。そのてこ入れに、やはり労働省の方も、人を使うときにはこうしなければいかぬというのが当然だ、民間のみせしめができないのですから。そこでやはり形式的に、団体交渉だと思うのです。それはやはりあなたは使用者だといっておっても、うしろの公団のほうでは、使用者ですけれども、給与については大臣の承認をもらわなければできません、と言っておるのです。それじゃまん中に入れて両方から責め上げてせんべいにするよりも、給与の問題になったら、大臣は法制上は使用者じゃなくても——法制上でも、公団法からいえば使用者ですね。給与や退職金は建設大臣が承認をせよというのですから、まあちょっといえば、法制上でも半分ぐらい使用者ですよ。ですから、私は、建設大臣は、やはりこの公団における給与の問題については、一緒になって、団体交渉に応ずべきだと思うのです。あるいは団体交渉が無理ならば、やはり話し合いに入るべきだと思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/79
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080・小山長規
○小山建設大臣 給与といいましても、どういう職種にはどの程度の給料を払うべきか、これは個々の一人一人の職種なり、その能力なり、責任なりにおいてきまる問題でありますから、そういうことは常時見ておる使用者がやっていくのが一番運営の妙を得るわけなんです。ところが、給与の基準となりますと、これは国の予算の問題になりますし、今度はまた、一方においては、料金が高くなるか安くなるかという問題にもひっかかってくるわけでありますから、これは国家公益の問題である。そういう面で、その基準については建設大臣の承認を要することになっておるし、建設大臣はまた、大蔵大臣と協議をしなければならぬと、こうきめておりますのはそういう趣旨だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/80
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081・勝澤芳雄
○勝澤委員 そこで私は、そういう一人一人のこまかい問題は、それは大臣、そんなのはやらぬほうがいい。そんなのはまかしておきなさい。だから、基準については、大臣ぜひやっていただきたいと思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/81
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082・小山長規
○小山国務大臣 基準については、労使問題でいろいろ交渉がありまして、そうしてそれを建設省に持ってくる建設省は、他の公務員その他とのつり合いを見まして、妥当であるかどうかを判断いたしまして、協議をする、こういうたてまえに法律はなっておるわけです。これはそれでいいんだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/82
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083・勝澤芳雄
○勝澤委員 だから、基準については、公団は総裁以下、当事者の能力がございません、使用者の資格がございませんと先ほど答弁があったわけです。ですから、資格のない者同士で労働問題を起こして、争議を起こしても、解決しないわけでありますから、資格のある建設大臣とおやりなさいというのです。公団法の精神からいって、違法でも何でもないと思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/83
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084・小山長規
○小山国務大臣 それは、あなたも長い間国会議員をやっておられるから、御存じだと思いますが、法律にはそう書いてあるのですね。法律が直らなければそうはいきません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/84
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085・勝澤芳雄
○勝澤委員 だから、法律にそう書いてあるのですから、だから、私は法律に書いてあるとおりにやりなさいと言うのです。法律に書いてあるのは、基準については建設大臣の承認を得なければならぬ。だから、建設大臣の承認を得るためには、結局、公団の労使では話ができないわけですから、話ができない問題は、建設大臣がおやりになりなさいというのです。別に矛盾はないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/85
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086・小山長規
○小山国務大臣 承認というのは、第三者が——建設大臣以外の人たちがやったことを承認するのを承認といいます。一緒に直接やるのは承認とは言わない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/86
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087・勝澤芳雄
○勝澤委員 よくわかりました。
そこで大臣、しかし現実的に、今度は、公団はあなたの監督下にあるわけでしょう。これは公団法できめていますね。公団は建設大臣が監督する。監督する公団が、公団の労使双方で当事者の能力がないために——労働組合のほうは当事者能力はある。労働組合のほうは自由に妥結をする権限があるわけです。しかし片方の公団側が権限がないですから、それで紛争の起きた問題については、建設大臣として、調停という言い方はいいか悪いかわかりませんけれども、せめてそういう問題があったときぐらいは、建設大臣のほうから、進んで公団側の労使両方に会って、どうなっておるのだというて、中に入って解決することが、これは国民の道路公団や住宅公団、こういうところで紛争が起きることを防ぐわけですから、国民のためにいいことだと思うのです。そういう点どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/87
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088・小山長規
○小山国務大臣 どうもその点は、私は賛成いたしかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/88
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089・勝澤芳雄
○勝澤委員 そうすると、あなたは公団の労働組合にはときどきお会いになっておるのでしょうね。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/89
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090・小山長規
○小山国務大臣 まだ公団の新令とは労使関係はないわけでありますので、別に会っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/90
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091・勝澤芳雄
○勝澤委員 これは日教組が文部大臣に会うとか会わぬとかいう問題とは違うわけです。ですから、公団の労使の中で紛争が起きたときには、やはり建設大臣は労働者側に会って、その状態がどうなっておるのだ、どうなんだと、たまには意見を聞くことは、私は建設大臣の職務の違反じゃないと思うのです。法律もそれを望んでおるし、国民もそれを望んでおると思うのです。ひとつそれはぜひ御検討願いたい。大臣があれでしたら、官房長のほうで、それくらいのことは世間並みにやはりやって、問題が起きないように私はしたい。その回答は求めないほうがいいと思いますから、求めません。
そこで、最近公団側で、年度末手当の話が少しもつれているということを聞いておりますが、いまどうなっておるかというお話を、三公団から簡単に御説明願いたいのですが、南部さんのほうからひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/91
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092・南部哲也
○南部参考人 年度末手当の問題につきましては、実は、昨年末の年末手当が、十二月二十六日の午前二時という時点で妥結するまで、年度末手当としては、時間的には非常にぎりぎりのところまできておったわけであります。その際に現在お呼びいただいておる三公団だけ年度末手当という制度がないわけでありまして、昭和三十九年より年度末手当の新設に努力するという覚え書きによって、年末手当の妥結をはかったわけであります。したがいまして、この覚え書きに基づきまして、現在までいろいろな折衝をしておるわけでございますが、年度末手当の新設に努力するということをわれわれが覚え書きとして約束いたしましたのは、第一に、年度末手当というものの制度そのものがございませんので、これは先ほど来の議論のように、この制度を新設することについて監督大臣の認可が要る、それから第二には、それに伴う予算的措置が要るという二つの問題がございますので、当時、年度末手当を三十九年度から新設を行なうという約束はわれわれとしてはできないわけでございます。そこでそれらの問題について努力をするということにし、その後もいろいろ監督官庁とこの問題について話もし、それからそれらの事情につきましては、組合側とも話を進めておるという状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/92
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093・淺村廉
○淺村参考人 道路公団の場合も、ただいま住宅公団からお答えしたとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/93
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094・藤本勝満露
○藤本参考人 首都公団も同様の事情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/94
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095・勝澤芳雄
○勝澤委員 そこで、年度末手当の制度化については、三公団とも、労使話し合った結果、努力をするということで、約束をされて、努力をしてきたのですか、どうなんでしょう。また努力をしてきた結果、建設省はどう言っているのですか、南部さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/95
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096・南部哲也
○南部参考人 この覚え書きの趣旨に沿って、われわれとしては、まず第一に、制度がなければ給与の支給をすることができない、制度の新設が第一であるという認識に立ちまして、制度の新設について、いろいろと監督官庁のほうと話し合いをしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/96
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097・勝澤芳雄
○勝澤委員 その結果建設省はどう言っておるのですか。建設省がどう言っておるのかということと、国家公務員と、あるいは建設省の中の三公団以外に——水資源開発公団は建設省ですね。いろいろありますが、そこはどうなっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/97
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098・南部哲也
○南部参考人 水資源開発公団は建設省の所管ではございませんが、阪神高速道路公団等においては、年度末手当の制度はございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/98
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099・勝澤芳雄
○勝澤委員 ですから、ほかの公団も年度末手当が制度化されている。それから国家公務員も年度末手当が制度化されている。いないのは三公団だけだ。それであなたのほうは努力すると約束されて、努力をしているのですか。建設省はどう言っておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/99
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100・南部哲也
○南部参考人 建設省の御意見は、これは大臣もおられますことですが、われわれがいろいろ折衝した限りにおいては、これはまだ、三十九年度における制度の新設について、御了承はいただいていないという状態であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/100
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101・勝澤芳雄
○勝澤委員 それで、三公団は了解をしているのですか。国家公務員のほうは年度末手当の制度がある。ほかの公団も年度末手当の制度がある。三公団だけがない。これじゃ労働組合もおこるのはあたりまえでしょう。むしろ私はよくお三人がきょうここへ来るまで、この問題を解決せずに出てきたと思うのです。私が役員なら、こんなばかばかしいことはできませんと、辞表をたたきつけてやめてしまいますわ。またどこかの役所に頼めば入れてくれるのですから……。こんなばかなことがありますか。何か知らぬけれども、三公団はどこか弱味があるのじゃないですか。それは何かあるのでしょうか。理由が明確じゃないじゃないですか。これは世間へ行って説明のしようがないですよ。どうでしょうか、南部さん。あなたが一番言いよいものだが、ほかの人でもけっこうなんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/101
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102・南部哲也
○南部参考人 これは制度の問題が第一であるということを、まず御説明として申し上げたわけでありますが、もう一点、予算上の制約といたしまして、予算上の問題もございます。それから年末手当の妥結の際に、そういう年度末手当の問題を考慮に入れて、それだけをあらかじめリザーブしておこうという考えで、公団側の原案を提示した公団もございます。そういうような関係で、年間の特別手当全体を考えてみますと、公団側としては、年度末に支給すべきものも大体年末に支給し尽くした。予算上の金の問題からいって、二つの問題がここにあるわけでございます。私どもとしては、いまおっしゃるとおり、公務員にもあり、ほかの関係機関にもある制度でございますので、この制度を設けていただくように、建設省のほうにはお願いしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/102
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103・勝澤芳雄
○勝澤委員 先ほど道路公団の理事の方が言われておりましたように、三つが一緒に話し合いを進めたらどうだということについて、各企業企業の問題かありますと、こう言ったでしょう。ですから、政府機関でも、全部いろいろ問題があるわけです。ほかの省でも、みんな問題があるわけです。その問題問題によって、その場その場でもって解決しておると思います。ですから、年末手当が解決したからといって、年度末手当は別問題なんです。ですから、あなたがそういうものの考え方をされるのはおかしい。あなたがここで言えるのは、私も年度末手当は新設したいと思いますが、建設省が許可しないので困ります、建設省の許可しない理由はわかりません、皆さん何とか私どものほうの年度末手当を制度化するようにしてください、というのが、わざわざ来てもらった理由なんですよ。
そこで、この二月の十六日に、交渉委員代表として、あなたと住宅公団労働組合の玉川さんの間に確認書が出されておりますね。この確認書を見ますと、二月十一日に団体交渉を行なって、年度末手当は制度化に努力中である、組合はもう了解がついているはずだというけれども、私のほうはまだ内部の打ち合わせがついていないから、もり少し待ってくれということで、この十一日の団体交渉は持ち越しになった。そして引き続いてやった十六日の団体交渉では、三十九年度から年度末手当の制度化について実質上の了解かついていることを認めた。こうしてあなたは、この年度末手当の交渉経過の確認書に判こを押されておるわけですが、これは事実ですね。あとから取り消したのは別として、この時点においては事実ですね、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/103
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104・南部哲也
○南部参考人 確認書の当時のあれは事実でございます。それは、事実にいろいろ誤認がございましたので、あとでそれらの点をはっきりさせるためにあれしたという経過になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/104
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105・勝澤芳雄
○勝澤委員 とにかく、これは一月の二十七日から行なってきた団体交渉で、二月の一日に行ない、この書面では、二月十一日にやって、組合はそう言っているけれども、私のほうは建設省と話がついていないと言っている。それが十六日になって、今度は、初めて建設省との間に年度末手当の制度化については実質上の了解がついていることを認めた、それで判こも押されているわけです。三十分だったか一時間だったかよく知りませんけれども、そのあとでまた、それは違うと言う。あなたは判こを押しているのじゃないのですか。これを御説明していただきたい。一点の疑いもない確認書です。両方が確認をした事項ですから、団体交渉の当事者能力があるなしにかかわらず、あなたのほうは、とにかくわざわざ十一日に話をしたやつを十六日に延ばして、建設省と打ち合わせて、労使双方が確認をした確認書が、三十分か一時間たって、前のは違うのだと言って、また判こを押されるということはどういう考え方ですか。この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/105
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106・南部哲也
○南部参考人 制度化一般について、先ほどから申しておりますように、公務員にもあり、あるいは他の政府関係機関にもあるという事態でございましたので、われわれとしては、制度化については承認がいただけるものというふうに考えておったわけでございます。ただ、その制度化の時点が、三十九年度に行なわれるのか、あるいは四十年度になるのか、あるいはそれ以後になるのかという点についての確認に、事実誤認がございまして、そのために、十六日の日の団交におきましては、その点を時確に組合にもお話しをいたしまして、そうしてあとに交渉経過確認の第二の確認書を、お互いに取りかわしたという事態になっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/106
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107・勝澤芳雄
○勝澤委員 この、あなたが確認をした確認書で、年度末手当の制度化について建設省と了解がついたということについて、確認をしたそのあとで、確認できなくなったのはどういう理由なんですか。その点を明確にしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/107
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108・南部哲也
○南部参考人 これは時点の相違でございます。三十九年度と、四十年といいますか、将来ということの、時点の相違の事実誤認であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/108
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109・勝澤芳雄
○勝澤委員 私はもうちょっとわからないのです。三十九年度の年度末手当の制度化が組合と問題になっておった。組合のほうの認識によると、建設省と了解がついたはずだと言ったら、あなたのほうは、よくわからないから待ってくれと言って、四日待った。四日も待って、十六日にやったら、了解かついたということを認めて、この確認書に判こを押しておるじゃありませんか。この確認書に間違いがないとするならば、あなたの判こを押した確認書は間違いだ、私が間違って確認書に判こを押したからというので、そのあとこれを確認されなかったというのはどういうわけです。事実誤認だとかなんとか言っておるのですが、もう少し具体的に、建設省の何とか何とかと話をして、こういう話になったから、いいと思って判こを押した、判こを押したけれども、こうこうこうなったから、これはだめなんだと、こういう話をしてくれなければわからないじゃないか。そこに当事者能力をどれだけ持っておるか。あなたは総裁の代理なんです。住宅公団の総裁というのは、当事者能力というものをどれだけ持っておるか。労使双方の確認をし判こを押したものでさえ、建設大臣のところに行くと、それはだめだよといわれて、破棄せざるを得ない。これは極端にいえばたいへんな問題ですよ。専門的に、労働組合の立場からいうと、重大な問題だと思うのです。とにかく確認された事項が破棄された。そして、その間に十分時間と日を与えて、相手方と相談する余裕を与えておるのですから、やみくもにものがきまったわけではない。もう少し詳しく御説明願いたいと思います。遠慮する必要ないのですからね、建設大臣も……。そのために、建設大臣に聞いてもらおうと思っておるのですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/109
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110・南部哲也
○南部参考人 十一日の時点における、組合とのいろいろな交渉経過等についての議論がございまして、そのときに、組合側としては、監督官庁といいますか、建設省人事課長といろいろ話をしておる社会党の先生方がおられるわけでございますが、この話において、制度化については話がついたというふうに自分のほうでは聞いておる、ということがあったわけであります。その時点が、実は二月に入ってからの時点であるという話があったものですから、その点の確認に、——十二日には、私は、建設省の人事課長と、その点についての話の内容を、私が直接立ち会っているわけじゃございませんので、それを確認に行ったわけでございます。その時点においてのこの話というようなものについては、これはやはり組合側にも、そういうことではないということをるる説明したわけでございますが、それに対して、どうしても話の行き違いがある、そういうことではないだろうというようないろいろなやりとりがございまして、これは全部録音テープがございますが、そこで、制度化については異議がないじゃないかというふうにわれわれは聞いておる、という組合側の話について、制度化については、かねてわれわれも願っておるところであるし、ということで、これはわれわれとしても制度化に努力しておる現在において、問題はないということで、お話をしたわけであります。そのときに、三十九年度からか、四十年度からか、という点の確認を、もう一度はっきりする必要があるということで、十二日の日以後、その点についての打ち合わせをしたわけでございますが、その過程において、三十九年度からの制度化についてはいまだ検討中であって、はっきりこの点についての了承は与えられないという、いろいろな話もございましたので、そこで、あとのように、私の連絡不十分なり事実誤認の点を、るる組合側のほうにも申し上げまして、あとの、制度の新設についての見通しの確立した後において、一切のこれの話に入るということの確認を、組合側も了承した上で、取りかわしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/110
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111・勝澤芳雄
○勝澤委員 私は十二日の時点のことを言っておるのじゃないのです。十二日の時点は組合側のほうでは、いろいろ聞いたところが、建設省も了解がついたから、これは制度化について判こを押す、とにかく約束しようと言ったのでしょうけれども、十二日時点では、あなたのほうも、まだ私のほうではよくわからぬから取り調べをする、ということで別れているのでしょう。それを十六日の時点で話がついたからと言って、あなたのほうも判こを押しているじゃありませんか。その十六日の時点で、——十二日から十六日まで日があるわけです。その間に建設省と打ち合わせした結果、制度化についてオーケーだとあなたのほうは言って、わざわざ確認書に判こを押しているじゃありませんか。その判こを押しながら、そのあと、なぜそれが破棄されるようになったかという説明を、私はしてもらいたいと思う。その説明をしないと、自分で署名、捺印したやつを、おい、さっきやったやつは間違いだった、もう一回やり直してくれということで、次は直っているでしょう、どうなんですか。その点をもうちょっと説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/111
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112・森山欽司
○森山委員長 南部参考人に申し上げますが、いま少し歯切れのいい答弁を要求します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/112
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113・南部哲也
○南部参考人 十六日の前段の確認書と、それから後段の確認書というものは、同じ十六日です。同じ日の団交において行なわれたのでございます。したがいまして、十六日のこの両方の確認書を対比していただくと一番いいのですが、十二日の日において、事実上了解がついていたと認めたことは事実の誤認であって、この点についての説明をるる組合側に申し上げまして、そうして同じ日に、あとの確認書を取りかわしたわけであります。十二日の確認書といいますか、前の確認書は、事実確認の問題でございまして、そのときには、そのような私の事実の誤認なり、連絡不十分から、こういうことになったということをるる話をした結果、あとの確認書を、組合との間に取りかわした、こういうことになっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/113
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114・勝澤芳雄
○勝澤委員 前の確認書は、十六日の何時ごろ調印したのですか。あとの確認書は何時ごろ調印したのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/114
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115・南部哲也
○南部参考人 この間どのくらい——正確にいって三十分か一時間か、とにかくいろいろのやりとりのあとで同日の団体交渉の席上で、行なわれたことは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/115
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116・勝澤芳雄
○勝澤委員 そうすると、十六日の日に、制度化についての実質的な了解がついたという確認書が出て、それから少したった時間の中で、いや、実はそれはまだしっかり話ができていなんだという確認書ができた、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/116
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117・南部哲也
○南部参考人 前の確認書というのは、事実の確認で、事実は十二日のことを言っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/117
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118・勝澤芳雄
○勝澤委員 私の確認書とあなたの確認書と交換してみてくれませんか。確認書が違うようですから、これをちょっと見てください。これはあなたのやった確認書ですから、これで間違いがないかどうか。(勝澤委員、南部参考人、に書類を示す)それじゃ間違いないですね。
そこで、前のほうは事実の確認書だとあなたは言いますが、こう書いておるじゃありませか。四項に、「一九六五年二月十二日の団体交渉に於て公団は建設省との間に三十九年度からの年度末手当制度化について実質上の了解がついていることを認めた。よって十六日午后一時より数字の話し合いに入ることを双方確認した。」こう書いてあるじゃありませんか。このことは二月十二日の団体交渉において、とにかく組合側と公団側の話がちぐはぐであった。だからあなたのほうはこれを確かめた。確かめた結果、話し合いがついた。そして数字についての話もしようということで、これは二月十六日に調印されているじゃありませんか。ですから、二月十六日現在において制度化ができて、数字の話し合いをしようじゃないかと言って双方確認し合ったものであって、実は違うんだと、こうなっておるでしょう。だからその理由がわからぬですよ。あなたはさっき、組合側にいろいろ説明をして了解を求めた、こう言っておる。その組合側にいろいろ説明して了解を求めたというのは、実はここで話はしていないわけです。それを、私は話をしてくれというのです。それを話してもらわないと——一回確認をしてもう調印をしたものが、逆に言えば、破棄されておるわけです。その点いかがですか。説明ができないならできないでけっこうですよ。大臣がおるところで言いにくいこともあるでしょうからね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/118
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119・南部哲也
○南部参考人 十六日のこの二つの問題は、前の制度化について実質上の了解がついていることを認めたというのは、私の誤認に基づくものであって、そこら辺のところをるる説明したわけでございます。その結果、確認書に労使で調印をしているという状態でございます。事実の誤認と申しますのは、制度化については、私どもとしては、当初からこの制度があったことが望ましいということで努力しておるわけでございますから、そういう意味で、できるだけ三十九年度からの制度化についても、実現を、いろいろ建設省とも話をしておったわけでございますが、ただ制度化をして、実際の金を支給できるかどうかという問題になると、これは非常にむずかしい問題がいろいろほかに出てくるというような観点もありまして、この四日の間、制度化をしても金が出ないということであるならば、制度化そのものが意味がないではないかというようないろんな問題も、その後検討いたしまして、この別添の二のほうの覚え書きを、組合側と話をしてあれしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/119
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120・勝澤芳雄
○勝澤委員 あなたの言ったそこら辺のところがわからない。まあわからぬままにしておきましょう。そのほうがいいでしょうから、わからぬままにしておきましょう。
〔委員長退席、三池委員長代理着席〕
しかし、十二日の時点と十六日の時点——十六日の時点まで、あなたのほうが建設省と相談をされた結果、このものが調印をされたと、組合も思っているし、私も思っているわけです。大臣、そういう経過があったわけですね。そして、三公団とも、年度末手当の制度化については熱望しておることも事実だと思うのです。これはつり合い上当然ですから、公務員もあるいはほかの特殊法人もみな制度化されているわけですから、三公団も制度化してもらいたいと熱望をしておる。制度化をしたけれども、金がなければ困る。しかし金を出すことについても希望を持っているし、出したいと思っている。具体的な内容としては、これは住宅公団の言い直した、あとの確認書です。この確認誰について「公団ハ、年度末手当ノ制度化ニツイテ建設省ノ了解が得ラレサエスレバ、直チニ実質的ナ数字ノ話合イニ入ル用意ガアル。シカシ、制度化ニツイテ建設省ノ了解が得ラレナケレバ数字ノ話合イハデキナイシ、実質的ナ団体交渉ハ成リ立チ得ナイモノト考エル。公団ハ、前項ノ実質的ナ団体交渉ヲ何時カラ行ナウカニツイテハ、現在ノトコロ明確ナ見通シが持テナイ。」ですから、年度末手当について、建設省が何とか言ってくれなければ話ができません、いつやるのかということも、建設省がどう言ってくるかわからなければわかりません、こう言う。実に私は情けない状態だと思うのですよ。公務員は、曲がりなりにもきまっている。よその公団も曲がりなりにもきまっている。しかしこの三公団だけはこういう立場にある。それで労働組合法の保護を受けて、ストライキができる団体なんです。だからストライキをやらなければ解決しないなら、ストライキをやらせるためにこういう公団をつくったのでしょう。ストライキをやらなければ問題が解決しないわけですから。しかし、ストライキをやらせるのが、建設大臣やあるいは各公団の総裁の任務じゃないと私は思う。ですから、ここに言っているように、実質的な数字の話し合いに入る用意があるということは、ある程度年度末手当を出す具体的なものはある、財政的には、とにかく年度末手当が出せる、こういうことになっているわけです。ですから、制度化の問題——私はここで、公務員並みに出すとかあるいは民間並みに出すとかいう数字は申し上げません。しかし年度末手当が三公団だけ制度化されていないということは不合理であります。手当の額が多い少ないは別問題として、やはり三十九年度から制度化をして、企業に見合った手当というものを出すべきだと思うのですが、大臣、これは問題を前向きに解決するために、私はぜひ解決のための方法を講じていただきたいと思う。どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/120
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121・小山長規
○小山国務大臣 だんだん伺いまして、よく事情もわかったのでありますが、年度末手当の制度化については、われわれも異存はないのであります。これは制度化をしたいと思っております。ただ、それを三十九年度から実施するのか、四十年度から実施するのかという点に食い違いがあります。と申しますのは、私も何度も申しましたように、公団には予算上の制約がある。予算上は、年度末手当という制度がないのでありますから、三十九年度分として、お盆の手当も暮れの手当も出したはずであります。そこでわれわれとしては、もし年度末手当という制度があるとするならば——ないから分けなかったのでありますが、あるとするならば、当然暮れと三月に分けて払うべきものを、その制度がないために、三十九年の年末に払った、こういうふうに理解しているわけであります。そこで、制度としては望ましい制度でありますから、これをつくるにやぶさかでありませんが、実施は四十年度からにしたい。というのは、他の公務員とのつり合い、全体の給与のつり合い、そういうものを考えて、これは四十年度から実施するなら差しつかえない、こういうふうに考えているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/121
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122・勝澤芳雄
○勝澤委員 三十九年度に、三公団だけ年度末手当のきまりがないのはどういうわけなんでしょうか。ほかの公務員もほかの公団もみなあるわけですから、それはどういうわけでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/122
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123・小山長規
○小山国務大臣 詳しいことは、私も知りませんから、官房長に答えさせますが、おそらく沿革的にそういうふうになっておったんだろうと思います。ほかとのつり合いもあまりよくありませんから、制度として認めることにやぶさかでないと申し上げているのはそのことなんであります。ただ何度も言いましたように、予算というものは総額で押えているわけでありますから、そこで、三十九年度の実施となりますと、最初予定しなかった以上の資金を出すということになりますので、これはほかとのつり合い上よろしくない、こういうことで、四十年度から実施するなら差しつかえない。三十九年度に制度をつくって、三十九年度からそのままやりますと、いろんなつり合いがこわれてくる、こういう判断をしているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/123
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124・勝澤芳雄
○勝澤委員 大臣、つり合いだとか振り合いだとかいうことを考えていること自体、公団をつくったのが無意味だというのです。ですから、公団の自主性というのを最初から私は言っているわけです。考えれば考えるほど、公団というものは何のためにつくったんだということについて疑問が出てくるわけです。公団をつくった。そしてりっぱなスタッフをつくった。りっぱな建物を与えている。多くの権限を与えて仕事をさせている。その人に、今度は人を使う面だけはワクをはめている、こういうことが問題だと私は思うのです。そういう点を言っているわけですから、その点は、建設大臣も、できるだけ公団をつくった趣旨に従って、自主的に、自立的な運営ができるようにさせなければならぬと思う。そういう立場でものを考えてみますと、今日の段階で、いろいろ前の理屈はあるとします、理屈があるとしましても、三公団だけが、建設省の持っている公団だけが年度末手当を出さないということは、やはり建設大臣、器量がなさ過ぎる。ですから、私は額の問題は言いませんというんです。額の問題は言いません。額の問題は組合と公団との問題でしょう。しかし、制度化をすることについて、そんなに四十年度を固執することはない。額の問題は別とするならば、三十九年度から実施をしたとしても、私は、ほかとの振り合いからいって、また建設大臣の器量として、それぐらいのことは当然だと思うのです。理屈が通ることですから、どこへ行っても話ができることですから、できないことじゃないんです。私はどこかの公団の団体交渉の議事録を読んだら、公務員より平均一割五分ないし二割を、私のところは給与の標準にしていますと言って、答弁に出ておる。これは議事録で、その公団の人事部のニュースに載っておるから間違いない。ですから、問題はいろいろあります。過去の問題はあるとしても、今日の段階で、相手が自主的な、とにかく力を持っている労働組合に対して、建設大臣が年度末手当の制度化だけで労使を紛争さして、大衆に迷惑をかけるようなストライキを挑発する行為は大臣、私は国民の代表としてやめてもらいたいと思うのです。これは大衆に向かって、世間に向かって、建設省三公団だけは年度末手当がもらえないんです、ほかの公務員、ほかの公団はもらっているのに、私たちだけもらえないんです、それは建設大臣がいい建設大臣だから、ぼくらにストライキをやらなければもらえないといっているんですといったら、目もあてられない。大臣、制度化させる、金額については十分相談をする、これは当然公団法にきまっているんですから、そこらのところは、しておいて、一歩進んだ自主的な解決ができるように、私はこの委員会でしてあげたいと思うのですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/124
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125・小山長規
○小山国務大臣 先ほどから何度も申しますように、私は、おわかり願ったと思うのでありますが、制度化は望ましい。したがって、われわれもこれをそういう方向で解決したいと思っております。ただ、三十九年度から実施するということになりますと、三十九年の暮れに、年度一ぱい分とわれわれが思っているものを払っているわけですから、したがって、それだけ年度末の三十九年度から実施をしますと、その分だけが給与としてプラスになります。そうしますと、御承知のように、いま公団の給与あるいは手当は国家公務員よりよほど高いですね。ですから、さらにその格差が拡大していく。そういうことは望ましくないんだ、こういう判断のもとに、そこで、四十年度からあらためて、新しい制度のもとにひとつ考えていこうじゃないか、こういうことを言っておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/125
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126・勝澤芳雄
○勝澤委員 そのことは、私も、公団側からも組合側からもよく聞きましたよ。そのよしあしについて、あなたと論争するのはつまらぬと思うのです。そうすれば、当然、一体、与えられたワクの中で、与えられたワクだけやっておればいいといって、総裁、理事というのは何のために高給を出しておくのかということになるわけです。そんなところは、理事だとか総裁だとかという名前をくっつける必要はないです。局長や首席監理官の下にあるわけですから、みんなその上を整理すればいいわけです。あとは原局でやってくれて、判こを押すだけですよ。いままでは、仕事の発注まで全部、大臣の許可を得ているんですから、何もないんですよ。何もない公団なんですから、そうならざるを得ないわけです。だから、総裁というものに能力を与えておったならば、片方で、総裁は総裁として仕事をうまく運営していくたてまえの上で、年度末手当についてはもう制度化せなければならぬと思う。三公団の、当面しておる組合と話し合いをしておる責任者は、やはりそう言っておるわけです。ただ問題は、建設省の壁だと言っておる。今度、建設大臣が、大蔵大臣にかりに話をしてごらんなさい。話のできないことはないでしょう。話のできないことを私は言っておるわけではない。金額をどう出せと私は言っておるわけではない。年度末手当を制度化して、三十九年度から出しなさいと言っておる。何も不合理がない。いままで出しっぱなしになって予算がない。予算がなかったら、年度末手当については、やはり私のところもせめてよそ並みに、大蔵省並みにやらなければならぬから、出すようにしたいと思うから、何とかしてくれというくらい、それは大臣やるべきですよ。それがあなたできないと言ったら、建設大臣、一体監督者の立場があるのかどうか、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/126
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127・小山長規
○小山国務大臣 そこのところが、あなたと私の見解が食い違うところなんです。要するに、公団というものは、予算上、あるいは法律上、そういう制約を受けておるのだ、という前提のもとにものごとを考えていただかないと、そこに食い違いいが出てまいります。いま、あなたは、そのためにストライキを慫慂するとおっしゃいますが、そういう点は、公団というものはそういうようなものなんだという前提で、従業員も、最初、職を選ぶときは、そういうふうに考えて選ばれたでありましょうし、そういう使命だと考えておられるものだ、こう思っておるわけです。そこで予算上の制約があるならば、あるということは大前提なんですから、その予算上の制約を一体どう判断して予算を使うかということは、建設大臣の責任だと思います。たとえば、いまここでお尋ねはありませんけれども申し上げてみますと、三十九年末の特別手当の支給状況を見てみますと、三十九年度の特別手当の支給、三十九年度全体のですよ。国家公務員は全部で四・一カ月分出しておるわけです。政府関係のほうはこれは推定でありますが、四・六。こっちのほうが〇・五多いわけです。首都公団は、それに対して四・七三、これは国家公務員に比べて〇・六三多いわけですね。道路公団のほうは四・八ですから、国家公務員に比べて〇・七多い。住宅公団は、それに対して四・八、やはり〇・七多い。しかもその上に絶対額のプラスアルファがある。これは国家公務員にないのであります。そのプラスアルファは、首都公団については一万五千百円、道路公団については一万四千円、住宅公団については一万四千二百円、こういうプラスアルファがあるわけでありますから、これをまたさらに基準の率に直しますればどうなるかわかりませんが、これがさらに〇・二か三かふえて、五くらいになるのではないかと思いますが、そういうふうにすでに全体として多いのでありまするし、しかも、年末支払ったときには、こちらとしては年度一ぱいのものとして予定しておる予算を払ったわけでありますから、そこは、制度として三十九年度からするにしても、それの実施は四十年度からにしませんと、国家公務員との間の格差がますます拡大していって、つり合いがとれなくなるだろう、こういう判断をしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/127
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128・勝澤芳雄
○勝澤委員 公団の性格からいって、それから各企業企業の内容によって違うのは当然なんですよ。そこにお並びになっておる局長と部長と課長と月給が違うのは、これはあたりまえのことなんですよ。
〔三池委員長代理退席、委員長着席〕
あなたは、言うならば、部長と課長と月給が違う、率が多過ぎる、高過ぎるということを言っておるわけです。ですから、よく働く人、よく仕事をする人が月給が高いのはあたりまえのことだと思う。そのことをもって、年度末手当はよそはあるのに、おまえのところはやらぬというのもおかしいと思う。ですから、私はつり合いのことを言っておるわけです。その中身の額のことを私は何も言っておるわけではない。ですから、あなたも、四十年度から制度化をしようとするならば、三十九年度で——、よそがあるのですから、よそがないなら別ですよ。制度化することについて努力するくらいのことは、私は当然だと思うのですよ。あなたが努力をしなかったら、問題が解決しないのですよ。三公団の理事者の御三名に出てきていただいて、お話を聞いてみても、建設省がきまらなければ——とにかく、公団と組合の考え方は一緒なんですよ。だからやはり建設大臣も前向きになって問題を解決するのだという形で、制度化について努力をして、金額の問題についてはいろいろ問題があっても、やはりその辺で問題を解決するという気がまえを示してもらわなければ、私はいけないと思うのですよ。まだだめですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/128
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129・小山長規
○小山国務大臣 おっしゃるように、みんなよく働いているのです。よく働いているのですが、国家公務員も政府機関も、やはり同じようによく働いていると思うのです。同じように一生懸命働いておるそれぞれの人たちが、横で比べてみると、基準からいえば、こういうふうに違う。しかも公団としては、最初の予算に、年度末手当、そういうものを含めて一切の予算を組んで、それはもう全部年末に払った、われわれはこう了解しているわけなんです。ですから、三十九年度はもうこれで済んだものとして、がまんをしてもらって、四十年度は新しい制度のもとに出発したらどうだ、こういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/129
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130・河野正
○河野(正)委員 ちょっと関連。
いま、勝澤委員の質問について、いろいろお答え願っておるわけですが、私は、いまの大臣のお答えには納得ができないわけです。というのは、企業には企業の自主性、独自性というものがあることは、大臣も御案内のとおりです。そこで、いま大臣は、もう昨年一ぱいに出すべきものは出した、こういう判断から年度末手当を三十九年度実施するということは問題だ、こういうふうにお答えになった。ところが、先ほどからいろいろ話が出ておりますように、公団内におきまする労使間では、ことしの二月十七日の時点において、三十九年度において実施すべく努力したい、こういうことなんです。ですから、それは大臣は、なるほど監督官庁で、監督する責任があると思いますけれども、企業の自主性というものは、やはり公団内部の労使が一番よく理解いたしておると思うのです。そこで、少なくとも良識を持って団体交渉が行なわれ、確認をされた以上は、やはり三十九年の年度末まで出し切ったというふうな理解になっておらぬということは明らかなことだと思うのです。ですから、やはりそういうような労使間の意思というものを十分尊重される義務があると私は思うのです。そうしませんと、これは後ほど三治君にも聞きたいと思いますけれども、この公団法なり公庫法というものは特殊立法ですね。基本になるものはやはり労組法だと思うのです。ですから、大臣のような見解でまいりますと、この労組法というものは金によってことごとく否認される。金によってことごとく、労組法というものが、労働者の基本権利というものが、否認されてしまうということにも通じていくと思うのです。そこでやはり、高い安いの問題はございましょう、金額の幅はあると思いますけれども、やはりいま申し上げますような労使間の確認事項というものはこれは尊重されるということがたてまえでなければならぬし、そのことが、労働者の基本権利でございまする労組法を尊重するゆえんだ、かように考えるわけです。そこで、もうずいぶん時間も長くなりましたけれども、やはり労使間で良識を持って決定したことでございますから、その点については、労働者の基本法でございます労組法の精神というものを尊重する、そういうたてまえで大臣が善処されることを、私は強く要望したいと思いますが、この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/130
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131・小山長規
○小山国務大臣 そこの点が若干食い違うわけなんです。要するに、労使間できめたことであっても、法律が、建設大臣は、いま申し上げたような全般の状況を判断して、そして基準について認可をするとなっておりまするのは、建設大臣の判断をそこで求めておるわけなんです。私の判断は、したがって、三十九年度においては、年末に年度末の分まで払ったものと理解をしますから、そこで三十九年度の実施については妥当でない、制度は、これは三十九年度につくったっていいです。しかしながら、実施は四十年度からでなければならぬ、こういう判断を私はしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/131
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132・河野正
○河野(正)委員 大臣は私どもと見解が異なるとおっしゃっておりますけれども、この労働者の基本法と特殊立法に対しまする理解のしかたに、非常に大きな懸隔があると思うのです。私は、法の適用というものは、基本権というものが基調にならなければならぬと思う。そしていまの論議の場合には公団法でございますけれども、そのような公団法なり公庫法という特殊立法というものは、やはり基本法を尊重しながら、公庫法なり公団法の適用をはかっていくということにならなければ、これはもう労働基本権そのものが、私はあいまいになっていくと思うのです。そこで、なるほど公庫法なり公団法によりますると、建設大臣に承認権があることはそのとおりです。ですけれども、その承認権というものは、やはり基本法でございまする労組法に基づいて交渉され、取りまとめられてきたところのこの確認事項、これを十分に尊重する上に立っての承認事項だと思うのです。ただ、民主的に労働者の基本権利でありまする労組法に基づいて、いろいろ話し合いがされ、そして決定をされたことが、大臣だけの私見によって、主観によって、そしてそれはおれの権限だからということでございますると、私は労組法の基本権というものが金によって侵されてしまう、金のために、労働者の基本権でありますところの労組法の精神というものをじゅうりんされてしまう、こういうことになるわけでございますから、大臣もおっしゃっておりまするように、その公庫法なり公団法で承認を受けなければならぬという点については、私は否認するものではございません。ですけれども、その承認というものは、やはりどこまでも労使間の話し合いというものを十分尊重する、こういうたてまえでなければならぬ、こういうふうに私は思うわけです。そこで、先ほどからいろいろといわれておりまするように、大臣は、すでにもう出すべきものは出したということでございますけれども、公団内におきまする労使間の話し合いでは、なお三十九年度において努力する必要がある、ということで確認をされておるわけです。そこで、私は、その辺の調整をはかられる任務というものが大臣にあるのではなかろうか、こういうことを提起しておるわけです。そういうことで、ひとつお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/132
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133・小山長規
○小山国務大臣 ですから、その辺が判断が違うわけです。公団というものは、冒頭に勝澤さんにも御返事いたしましたように、特殊な目的で、しかも特殊な方法で資金を集めておる、しかも料金も最低に押える、こういう前提に立っておる事業なんですから、そこで資金の使い方というものについては、建設大臣は、国民に対して責任を負っているわけなんです。そういう意味で、労使間で話し合いができたことも、国民に対する責任上の立場から、妥当でないと判断する場合には、その判断に従って、承認を与えたり承認をしなかったりする権限を与えられておるのは、そもそも公団というものがそういう性格のものであるから、そういう法律ができておるのだ、こういうふうに理解しておりまして、今度の場合には、いまおっしゃいますように、いろいろ理由はわかります、わかりますけれども、制度をつくること自体について異存は申しませんが、四十年度から実施するについては、もうすでに、いまの全体の資金の問題、経費の問題から判断して、これは妥当でない、こういうふうに判断しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/133
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134・河野正
○河野(正)委員 いまのような見解を固執されるということになりますと、これこそ、さっき勝澤委員が指摘されましたように、それならばもう公団なり労使間の話し合いは要らぬじゃないか、全部、建設大臣と労働者の間で直接やりなさいという議論が出てくると思うのです。そこで私は、この労使間の話し合いというものは十分尊重する、こういうたてまえをとらなければならぬと思うのです。それからまた、公務員の給与との差が云々というようなことをおっしゃっておりまするけれども、これは先ほど勝澤委員からも指摘ございましたように、臨時行政調査会の答申にございますように、大臣もおっしゃったように、なるほど民間資金の活用という問題が求められておることも、これは当然でございます。そこで私は、その点だけが——さっき官房長からも言われたわけですけれども、私は、そればかりじゃないと思うのです。これは民間資金の活用と同時に、やはり人間能力の活用という点が、やはりこの臨時行政調査会の答申の中にも織り込まれておるわけです。この民間資金のみにとらわれておるというところに非常に問題がある。私が後段において指摘いたしました人間能力の活用、この点に力が注がれておらぬために、公団の能率化というものが非常に阻害されておる。効率的な運用が行なわれておらないというようなことが指摘をされておるわけです。そこで、やはり民間資金の活用ということだけでものごとを判断をして、この問題の解決をはかられようとしておるところに、私は最も問題があると思うのです。そこで建設大臣に考え直してもらわなければならぬ問題は——これは官房長も同じです。それはやはり人間能力の活用、この点にひとつ頭を切りかえていただく。そうすれば、やはりこの労使の間に起こっております諸問題も、解決の一つの光明を見出すのじゃなかろうか、私はこういうことを考えるわけです。
そこで、まあ関連でございますけれども、見解の相違、見解の相違では、これは解決せぬのでございまして、私ども、いたずらに紛争を呼び起こそうということで、きょうこの委員会で論議しておるのではございません。やはり建設的に——今日、政労協各機関において次々に起こっております労使間の紛争、労使間の関係というものは非常に不安定な状態にあります。そういう状態というものを、何とかして今日この際セーブしていこう、まるくおさめていこう、そういう建設的立場から論議をいたしておるのでございますから、大臣も、やはり今日起こっておりまする、政府関係特殊法人の労使間におきまする紛争というものをうまく取りまとめていく、こういう気持ちから、私はやはり労使間の話し合い、たとえば労使間でそれぞれ決定されました確認事項というものについては、何らかの政治的配慮というものをされることを強く要望したいと思うのです。そこで、大臣は大臣でいままで言われましたような見解があることは、私ども承知をいたしました。しかし、それでは見解の相違で、平行線でございますから、解決いたしません。そこでこの際、大臣としても、一歩高い立場から、ひとつこの問題の解決のために、労使間の話し合いの結果というものを尊重する、そういう前向きの形で、ひとつ取り組んでいただくことを強く要望したいと思いますが、その点についてはいかがでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/134
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135・小山長規
○小山国務大臣 労使が互いに話し合いをするということは、これはけっこうなことなんです。それでまた、被用者側、いわゆる労働者側も、公団の使命というものはここにある、その中にはおのずから資金的な制約もあるんだ、給与上の制約もあるんだ、ということを十分に理解をされて、そしてその職務に精励していただきたい。これは私の希望でありますが、したがって同時に、この問題に関する限りは、何度も申しますように、私どもはやはり国民に対して責任を負うわけですから、そこで給与の基準については、やはり公団というものの使命、これは料金が高くなっちゃいかぬわけなんですし、そして、民間でできないところを、公団という国の力でやっているわけなんですから、そういう意味のあらゆる面において、やはり労使間においてもそういう点は十分に知っておいてほしいわけです。それで、繰り返して恐縮ですけれども、制度そのものを私は否定しているわけじゃない。制度はほかの公団や公務員にもあるのに、ここだけなかったのはむしろおかしい。これはさっそくつくることが望ましい。しかしそれを無理にやろうとしますと、いま申し上げたような公団の使命その他から考えて、これは妥当でない、この見解は変わりませんので、この点はひとつ御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/135
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136・河野正
○河野(正)委員 非常に誤解があると思うのです。といいますのは、大臣は、自分の主張を貫くことが国民に責任を負う道だ、こういうような言い方をなさっておるわけですが、この臨時行政調査会の答申にもございますように、これは民間資金の活用と同時に、やはり人間能力の活用というものをはかっていかなければならぬ、そのためには企業の特殊性というものを認めていきなさい、ということを勧告をいたしておるわけです。ですから、大臣がおっしゃっておりますように、自分の主張が通らぬとそれは国民の期待にそむくことだ、ということになりますと、これは非常に大きな問題になる。われわれの主張が国民の利益に反するということになる。そういうことではないのであって、われわれはやはりこの公団の効率をあげていく、運営上の効率をあげていく、そのためには、やはり人間能力の活用というものをはかっていかなければならぬ、そのことがやはり国民に責任を負う道だ、こういうたてまえから提起をいたしておるわけです。この点について、大臣は、何か自分の主張が通らぬことには国民に責任を負うことができぬ、というような印象のことばでございますけれども、私どもはさように考えておりません。私どもは、やはりこの問題を円満に解決することによって、国民に責任を負うていこう、要するに効率的な成果というものをあげて国民に責任を負うていこう、そういう立場から発言しているわけですけれども、大臣は、どうも自分の意見が通らぬと国民に責任を負えぬのだ——そうすると、私どもが国民の利益に反することを言っておるようだ。その点、大臣、誤解もございますから、ひとつ訂正を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/136
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137・小山長規
○小山国務大臣 いや、これはそういう意味ではないのであります。これはくどくど言いましたから、話がなかなか通りにくかったと思いますけれども、労使が話し合いをしたり話を自主的にやっていくということは、これは当然のことなんで、これは大いに推奨すべきことなんです。ただ問題によっては、法律で認められておるとおりに、建設大臣の判断を求められることがあることは御承知のとおり。そこで、いま判断を求められておるのは何かといえば、三十九年度から実施するのかしないのかという判断なんですが、これは、私は、何度も申し上げたような理由で、三十九年度からの実施は妥当でないと判断しておる、こういうことを申し上げておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/137
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138・岡本隆一
○岡本委員 先ほどから議論が膠着状態になっているのです。そろそろ時刻ですから、この程度で委員会を、できれば打ち切りたいと思うのです。しかしながら、大臣の考え方の中に、すでに昨年末に全部出したのだ、だからもう出さなくていいんだ、こういうお考えがあるようでございますけれども、しかしながら、二月の十七日の団体交渉の覚え書きを見ますと、公団のほうは出したいと言っておる、出す用意がある、こういうような表現が使われております。しかし、建設省のほうで許さないから出せないのだ、そういう時点においては、とにかく金額についての話し合いには入れない、こういうようなことが確認書に書いてございます。だから、経営をゆだねられた公団側としては、財政的にそれだけのゆとりがある模様なんです。だから、問題は、結局大臣がおっしゃるところの、他の公務員との均衡ということであります。しかし他の公務員との均衡ということを考えるとするなれば、今度は他の民間産業の従業員とのまた均衡ということも考えていかなければならぬ。公団の給与の位置がどの程度にあるのか、私も調べておりませんから存じませんけれども、しかしながら、今日非常に好況をうたわれておる建設業関係にあっては、これは公団よりいいことは確かです。だから、もし公団があまり給与を押えていけば、今度は公務員から公社、公団へ人が移っていく。たとえば、私どもの地元でも建設関係の府庁の役人が、どんどん道路公団やその他にひっこ抜かれて、人手不足で困っている、今度またその公団から民間企業がひっこ抜いていく、こういうような悪循環が出てくるおそれがあると思うんですね。だから、やはり人材を公社、公団に確保して、りっぱな仕事をやってもらうためには、やはり民間給与とそう格差のないところの給与を支給する必要があると思う。だから、公社公団が設けられた、特殊法人が設けられた理由というものが、一つには、なるほど資金の動員ということもあるでしょう。しかしながら、先ほどから河野委員が言うように、人間能力の活用ということもあるわけです。そういう意味では、大臣もあまり強く自説を固執なさらずに——なるほど薩摩隼人らしい、なかなかしんのあるところを見せていただきましたけれども、しかし、ここは、大臣ひとつどうでしょうね。もう一ぺん前向きの姿勢で検討してみよう、これぐらいのことを御答弁願って、この問題に一応のポイントを打つ。もし、それがしていただけないのなら、次回改めてもう一ぺんこの問題を、私ももう一ぺんよく勉強してきまして、——きょうは全然用意もなしに来ていますから、万事両君におまかせするという気持ちで来ていますから、ほとんど議論の中へは入れませんけれども、今度は、私も一週間か二週間本格的にこの問題を勉強してきて——やはり公社公団の事業というものが円滑に運営されるかどうかということは、建設行政の大きな部門でございますから、この問題を建設委員としてなおざりにするわけにいかない。単なる労働問題とだけでおくわけにもいかないと思うのです。だから、大臣のほうでも、ひとつ検討してみよう、せめてこれぐらいの御答弁が出ないなら、この次は、今度は私が主力になって、もう一ぺんこの委員会でこの問題をやらなければならぬと思うのです。これは重要な問題ですが、しかしながら、私がここで第三者として——第三者というと語弊があるかもしれませんが、議論をしておられるのを、間に立って聞いておって、制度化をすれば、金額については、労使のほうで、可能な範囲で話せばいいのです。また、その金額の問題については、大臣のほうからある程度の意見をお出しになってもいいと思うのです。しかしながら、四十年度から出発するか、三十九年度から出発するか、ということがいま論争の中心になっておるのですから、せめて、三十九年度から出発さしたい、だからそういう意味においてひとつ検討してみよう、というぐらいの御答弁をいただけないものか。そこらで、ひとつ中をとったところで、足して二で割ったところで、きょうは打ち切っていただいたらどうかと思うのですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/138
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139・小山長規
○小山国務大臣 岡本さんだんだんのお話でございますけれども、これはわれわれのほうでも十分いろいろな検討をしまして、それで三十九年度からの実施は妥当でないという結論に来ているわけです。そういう意味ですから、これはひとつ御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/139
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140・河野正
○河野(正)委員 大臣、非常にかたくなな態度ですけれども、少なくともいままで建設省は建設省で、一生懸命御検討になったという。しかしながら、この委員会において、いま申し上げますように、そういう考え方に必ずしも同調できないという発言があったということは事実ですね。ですから、いままでは省議としてもそのような方向を決定願っておっても、いまこの委員会において——やはり国政の最高機関ですから、この当該委員会において、そういう考え方はどうも納得いかぬというような考え方が出たわけですから、やはり国会の意思というものについては十分尊重される義務があると思うのです。それを問答無用のように、おれはそういう決定をした、おれはそういう腹づもりだというなら——社会党の国会議員にも、一寸の虫にも五分の魂があるのですよ。にもかかわらず、問答無用というかっこうになりますと、それでは私どもも考え直さなければならない。私ども、何も紛争を提起しようということで取り上げているのではない。やはり円満に問題を解決しよう、そういう建設的な立場から、この問題を取り上げておるわけですから、そういう意味で、いまいろいろ違った意見が出たわけです。しかも、その意見というものは、公団の労使間にもあるわけです。それで、私はやはりそういう意向というものは十分耳を傾ける必要があると思う。それがなければ、大臣として、建設行政に対する最高の地位にありますけれども、その地位そのものについても私は疑問を持つわけです。また労使間においても、そういう良識を持って鋭意いろいろ検討して、そういう結論を出しておるわけですから、そういう鋭意検討して出した結論というものが、全然問答無用という形になりますと、さっき申し上げましたように、それならば、いっそのこと、建設大臣が労働組合と直接交渉すればいいのであって、それでなければ、私は、いまの公団の管理者はちょうど虫様突起みたいなもので、あってもなくてもいいようなものなんだが、それがときには虫様突起炎を起こして、病気で苦しまなければならない、これが公団の管理者の立場だ、こういうふうに思うわけです。ですから私は、労使それぞれ立場があるわけですから、その立場を尊重するという高い次元から、大臣は御配慮を願わなければならぬと思います。
結論的に申し上げますと、おれの意見はこのとおり、国会で何と言おうとも問答無用だ、そういうことでは、この委員会では了承することはできません。私ども、社会労働の委員に来てもらわなければなりません。また、岡本さんが言ったように、またこの次の委員会で取り上げなければならぬ。そういうことですから、そういう点については耳を傾けるんだ、前向きの検討をするんだ、こういう態度を示していただくことを強く要望いたします。そうでなければ、私は暫時休憩してほしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/140
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141・小山長規
○小山国務大臣 いまのだんだんのお話は、なお考える余地があるかどうかという点をもう一ぺん考えてみろということであるならば、私、ちっとも差しつかえありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/141
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142・勝澤芳雄
○勝澤委員 さっきから、私は、できるだけ知っている人に答弁してもらおうと思って、大臣をおとしいれようなんて考えていないわけです。ですから、おわかりになったと思うのですよ。公団の置かれている地位、それから大臣としての立場、全部おわかりになったと思うのです。そして、いま問題になっている年度末手当。ですから、年度末手当を解決する道は何か、いま公団の労使の紛争を解決する道は何かといえば、建設大臣が、とにかく年度末手当についてはやりましょう、中身の問題については三公団でよく話し合ってくださいよ、こういうことしかないのですよ。もしこういうことを建設大臣がやれないとするならば、労働行政からいっても、これはやはり建設大臣としては少しお考え願わなければならぬ問題だ、こう思うのです。これは予算の分科会におきましても、当事者能力の問題について、労働大臣と、それから関係大臣といろいろ質疑応答をやっています。労働大臣の立場と所管のあなたの立場の相違があることは、私はやむを得ないと思う。しかし、本質的に一緒にならなければならぬことは、やはり紛争を前向きに解決しなければならぬという立場だと思う。そうしますと、いまの三公団の意見というのは、やはり問題を解決するためには、年度末手当を新設する以外に道はない、金額その他については建設省にいろいろお願いしなければならぬけれども、とにかく四十年度から実施するのも三十九年度から実施するのも同じじゃないかという立場で、労使の意見は一致していることと思う。ですから、労使の意見が一致している問題については、やはり建設大臣は、その労使の意見の一致したものに努力をする。建設大臣が努力するというのは、これは大蔵大臣との問題になるでしょう。あるいは建設大臣独自でできる問題もあるでしょう。ですから、労使が話し合った問題については尊重しましょう、その実現については努力をしましょう、こういう立場を示さない限り、私は年度末手当の問題は、三月三十一日までずっと紛争が続くと思う。建設省の行政の中で、三公団の紛争が続き、建設大臣として何とかしなければならぬという時期が来ると思う。ですから、そういうことのないようにするためには、公団というワクがあるかもしれないけれども、とにかく労使双方で話し合いなさい、その結果については私も十分尊重して努力する、こういうことぐらいはしておかないと、年度末手当の制度化はだめだ——だめならけっこうなんです。それでいいです。また労働組合は労働組合の立場で、だめだというのをよくするように努力するでありましょう。われわれは、建設大臣の持っている基本的な考え方について、公団の基本的なあり方について、もう少し質問を続けたいと思うのです。これは建設委員会で一番当面する大きな問題ですから、ぜひ何回でもやっていただきたいと思うのです。ですから、そのためには、やはりきょうの時点においては、あなたが前向きの形で問題を少しでも解決するという誠意を私はほしいと思うのです。ですから、やっぱり三公団の労使の話し合いの結果については尊重をして私も努力をする、年度末手当については、あなた方の考え方はよくわかりました、わかりましたけれども、なおかつその上、きょうの私なりいろいろの質問の中から、お考えをいただきたい。どうですか、それでもだめですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/142
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143・小山長規
○小山国務大臣 何度も申し上げましたから、あまりくどくどしく申し上げませんが、三十九年度からの制度化については異存はない。ただ三十九年度から実施するについて承認を求められた場合には、これは私はそう判断できない、こういうことを言っているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/143
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144・勝澤芳雄
○勝澤委員 それじゃ、年度末手当という問題の制度化が問題になっているが、もうだめだ、だめだと言ったらだめだ、おまえらかってにしろ、こういうことなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/144
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145・小山長規
○小山国務大臣 何度も申し上げますが、制度化については一つも異存を言っておりません。実施の時期について言っておるわけです。実施の時期については、私は、労使間で話し合いが進んで、やがて私のところに承認を求めてくるでしょうが、三十九年度からについては妥当でないという判断を下しますよ、ということをいま言っているわけでございまして、先ほど申し上げたのは、そういうことを言っているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/145
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146・勝澤芳雄
○勝澤委員 その四十年度からについては、あなたも私もみな意見が一致しておるわけです。異存はないのです。当然なことです。三十九年度については、あなたはだめだと言うが、私は検討してみたらどうですか、三十九年度は制度化せよと言っておる。制度化することと即金額ということとは別で、金額の問題は、われわれはここで言うべき問題ではない。それはあなたの権限ですから、予算はあなたが持っておるわけですから、給与の基準についてはあなたが承認しなければならぬ問題ですから、そういう立場で私は言っておるわけですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/146
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147・小山長規
○小山国務大臣 それならば同じことだと思います。三十九年度中に年度末手当の制度をつくりたいと言ってくれば、承認をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/147
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148・河野正
○河野(正)委員 いま大臣は不用意に言われたと思いますけれども、非常に重大な問題があったと思うのです。というのは、なるほど公団法に基づいて承認権を持っておられることは、私どもは否定いたしません。しかしながら、労使間の労働条件については、労組法で、それぞれ話し合いをすることが可能でありますから、そういうような労組法に基づきます話し合いをして、まとまったものについて、大臣が適当であるか不適当であるかという判断をされることについては、たてまえとしては、われわれは異論はございません。ところが不用意にもいまあなたはおっしゃったと思いますけれども、もしそのような結論が出てきても、われわれは認めることができない、たとえば制度は認めるということで、今後労使間で、いつから実施するかという問題についての話し合いは行なわれると思うが、どういう話し合いをしても、三十九年度からの実施については、大臣としては承認することはできない、こういう発言をなさったわけです。これは軽卒に言われたと私は思いますけれども、このことは、労働基本権の問題でも、非常に重大な問題です。これは建設委員会だから問題にならないけれども、社会労働委員会でこんなことを言ったらたいへんなことになりますよ。これはやはり労使間の話し合いに対して圧力を加えたということになる。大臣が不当労働行為をやったということになる。建設委員会の皆さん方は、そういうことに無関心かもしれませんが、こういう話は、労働基本権について、大臣が不当労働行為をやったということですから、たいへんなことです。そういうブレーキをかけるのですから……(「おれは労働法の大家だ」と呼ぶ者あり)あなたは労組法を知らぬから、これは非常にたいへんなことです。私は認可権、承認権についてはお尋ねしておりませんが、今後労使間においてそれぞれ慎重に話し合いが行われるとするならば、その結果については十分前向きで検討を加えてみよう、こういう程度の話をなさらないと、私はいまの発言については納得ができない、こういうふうに考えますから、そのように御承知おき願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/148
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149・森山欽司
○森山委員長 ちょっと速記をとめてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/149
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150・森山欽司
○森山委員長 速記を始めて。
次会は、来たる三月三日水曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後一時三十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00519650224/150
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